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【Shooto2024#06】ヤックル戦へ、亮我「先生と一緒に修斗のベルトを巻いて、海外やRIZINへ」

【写真】アマ時代は修斗だけでなく、パンクラス、DEEPのFKTでも戦っていた亮我。プロデビュー戦は前田吉朗引退大会だった(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、大阪市の阿倍野区民センター大ホールにて、Shooto2024#06が昼夜2部制で行われる。第2部(夜の部)では、インフィニティリーグ公式戦として亮我がヤックル真吾と対戦する。
Text by Manabu Takashima

2022年4月にDEEPでプロデビューした亮我は、修斗を主戦場とし、ここまで7戦無敗。新人王トーナメント決勝は相手の体調不良で不戦勝に。続くインフィニティリーグ初戦は、対戦相手が前戦で計量オーバーしたことにより出場停止処分を受けたため実現せず。8カ月ぶりの試合となる亮我が、自身の組み力、所属するゴンズジムと目標を語った。
Text by Shojiro Kameike


――昨年6月の谷中たいち戦ではバックマウントからハンマーロックを極め、11月の11月の神里昭吾戦ではバックマウントからパウンドアウトしました。このフィニッシュは、よほど組み技に差がなければできないと思います。

「組み力には自信があります。もともと打撃が好きで、ずっと打撃ばかりやっていたんですよ。組まれたら嫌やから離れる、という練習をやっていて。でも自分は組みが強いと気づいて――組みで勝負したほうが、実力差が出るし確実に勝てると思いました」

――キャリアのどの段階で、自分は組みが強いと気づいたのですか。

「2022年のDEEPフューチャーキングトーナメントに出た時は、まだ打撃しかできませんでした。気づいたのは、そのあとですね。UFCに組みが強い選手がどんどん出てきていたので、『組みが強い選手のほうがMMAでは強いんやな』という印象がありました。

名前を挙げればイスラム・マカチェフ、カムザット・チマエフのようなスタイルが好きで。打撃もできるし、組んだらメッチャ強い。今は中央アジア勢のスタイルが一番好きです」

――現在MMAではどんどんコントロールに対する評価が低くなっています。修斗でいえば先日の齋藤奨司×藤井伸樹戦は最たるもので。そのような採点基準に対して、組みの選手としてはどう感じていますか。

「う~ん……。トップを取る選手からすると、下から効かない打撃を出している選手に10-9がつくのは厳しいです。でも僕は組むとすぐに殴って、削ってから極めるというスタイルなんです。判定を考えると、テイクダウンしてから確実にパンチを当てていったほうが、ジャッジにもお客さんにも分かりやすい――という傾向はありますよね」

――亮我選手はテイクダウンしたあと、トップコントロールではなくバックテイクを優先し、バッググラブから殴る。試合では常にバックテイクを狙っているのですか。

「バックテイクというより、打撃を入れやすいポジションを優先しています。たとえばサイドポジションだと、ヒジを入れやすいじゃないですか。これまでもケージ際でテイクダウンして、ヒジで削りながら、相手が動いたところでバックマウントを奪うことが多いです」

――なるほど。ただ、ケージ際でテイクダウンし、立ち上がる相手に対してバックコントロールに入る。それはMMAにおいて定番の展開となっています。ただ、亮我選手の場合は相手が立ち上がる前に、バックマウントを整えている。バッククラブまでの展開が速い。

「やっぱり『殴りたい』という気持ちが強いんですよ。まずは相手の隙を探す。隙があったらポジションを奪って、殴る。そのおかげでバックマウントを奪うまでが速くなっているのかもしれないです」

――いわゆる「今の採点基準」でいうと、一番強いスタイルではないでしょうか。

「そうかもしれないですね。分かりやすく殴っていれば採点でも優位になるし、もちろん最後はフィニッシュしたいです」

――自身の組みの強さに気づいてからも、スタンドの打撃戦をやりたくはならなかったですか。やはり組みよりもスタンドの打撃戦のほうが華やかなイメージはありますし。

「それはメッチャ思いました。でも打撃戦ってリスクがあるじゃないですか。打撃スキルの差が小さいと、相手の攻撃も食らっちゃいますよね。それと比べて組みは実力差が出る。確かにスタンドの打撃戦は華やかやけど、やっぱり確実に勝つほうが良いと思うので。

一番は『組んだほうが強い、でも殴りたい。それやったら、組んで相手を動けへん状態で殴ればエェやん』という気持ちから、『組んで殴る』という融合になりました(笑)。相手を抑えこんでボコボコにしているほうが、圧倒しているようにも見えるし。それだけ圧倒している感じが好きなんですよ」

――なるほど。ゴンズジムには同期デビューの宇藤彰貴選手がいます。宇藤選手は稀有な打撃センスを持っていますよね。

「自分とは真逆なスタイルです(笑)。宇藤は1R数秒でKOしたりとか、本当に凄いですよ。宇藤のファイトスタイルは華やかで、観客を惹きつけるものだと思います。だけどMMAのスタイルは本当に人それぞれで、自分の中でスタイルチェンジに迷いはなかったです」

――同じジムで、ここまでファイトスタイルが異なることも不思議です。

「確かに、みんなスタイルが違いますね。今年プロデビューした中島陸(同じゴンズジム所属ファイター、ムテカツを父に持つ高校生ファイター)も全然スタイルは違いますし。

まず先生が『自分に合ったスタイルで戦うほうが良い』という考えなんですよ。陸の場合は手足が長いので、先生がUFCで似た体型の選手の試合を見せて『こういう戦い方もエェんちゃう?』と言ってくれていました。そうやって先生が選手一人ひとりのことを考えてくれているから、みんなファイトスタイルが違うんじゃないかと思います」

――亮我選手の場合、スタイルチェンジをしながら、どこかでハマッた感覚はありましたか。

「突然じゃなく徐々に、ですね。最初はグラップリングが嫌いやったんですよ。僕はもともと中学生の時にゴンズジムへ入り、一度辞めているんです。またジムに戻ってきた理由は、先生が厳しかったからで」

――先生が厳しかったから戻ってきた、というのは? 厳しかったら離れることのほうが多いと思いますが……。

「僕はあまり人の言うことが聞けない人間やったんです。そんな自分には『怖い存在が必要や』と思って」

――そこで怖い人=ゴンズイ代表であった、と(笑)。

「アハハハ、そうなんですよ。『グラップリングは嫌いやけど、先生の言うことは絶対やから』と自分に思い込ませて練習していたら、いつの間にかグラップリングが楽しくなって。おかげで以前よりは全然マシになりました」

――自分のことを理解し、より厳しい環境に身を置く。それは素晴らしいことだと思います。ちなみにプロキャリアもアマ修斗、新人王トーナメントからインフィニティリーグという、修斗としての王道を歩んでいます。新人王を獲得後、いきなり上位ランカーと試合がしたいとは考えませんでしたか。

「それは無かったです。誰でもいいから試合がしたい。とにかく試合数をこなして上に行きたい、というのが自分の考えです。特にインフィニティだと年間4試合は確定になる。いつ試合があるか分からない状態よりは、そっちのほうが良いと思いました」

――では次に対戦するヤックル真吾選手の印象を教えてください。

「インフィニティリーグの参加メンバーが発表された時は、ランキングは一番上でしたよね。打撃も寝技も巧い、穴が少ない選手というイメージを持っていました。でも以前から『ここは突かれるやろうな』と思っていた穴を、須藤選手に疲れていて(今年5月、須藤が1R19秒でKO勝ち)。須藤選手との試合を視て、脅威に感じることはなくなりました」

――それは同時に、普段の練習から自身のスキルアップを感じることができているからなのでしょうか。

「いえ、練習ではなく試合ですね。強い相手と戦って勝つことで、自分のレベルアップを感じます。どれだけ練習で強くても、それが実戦で出せるかどうかは別ですし」

――インフィニティリーグで他に注視している選手はいますか。

「須藤選手が一番ヤバイんやろうなと思います。打撃は凄いし、組みも確実さが増していて。そう考えると僕と似たところがあるんかな、と。でも負ける気はしないです」

――なるほど。インフィニティリーグを制すると、タイトルマッチも目前となってきます。その先については、どう考えていますか。

「海外で試合をしたいし、RIZINにも出たいです。ただ、一番の目標は『戦い続けること』なんですよ。何よりずっと戦い続けていきたいです。そんななかで僕は先生と一緒に修斗のベルトを巻いて、海外やRIZINからオファーが来るような選手になる。どんどん強い選手と戦って、自分の実力を証明していきたいですね」

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45 FORCE19 MMA MMAPLANET o 堀川“55”滉介 神里昭吾

【FORCE19】高知県在住、堀川が神里の右ハイをキャッチしてテイクダウン→RNCでフィニッシュ

<フライ級/5分2R>
堀川“55”滉介(日本)
Def.2R2分00秒 by RNC
神里昭吾(日本)

神里が左ジャブを出し、堀川が入ってきたところに右の打ち下ろしを合わせる。堀川は右ボディストレートを伸ばした。神里の右ハイをキャッチした堀川がグラウンドに持ち込む。神里は下から三角をセットアップするも外され、パスされかけてしまう。スクランブルに持ち込んだ神里を潰してトップに戻った堀川。ハーフガードの神里にしっかりと背中を着かせ、潜ろうとして頭を上げた神里の首を抱える。

ケージ際まで下がった神里が、ケージに背中を着けて立ち上がる。しかし堀川はダブルレッグで尻もちを着かせた。ボディロックに切り替え、神里が立ち上がるとケージ中央に倒してサイドへ。神里はハーフに戻す。堀川が上半身を起こし、左縦ヒジを連打する。これがクリーンヒットすると、堀川は腰を上げてパウンドの雨を降らした。

最終回、神里がパンチを上下に散らす。さらに右ハイを繰り出したが、またも堀川がキャッチしてテイクダウンした。ケージ際でボディロックから左のパンチを落とす堀川はバックコントロールへ。神里の左腕を抑えてからバックマウントに移行する。四の字フックで固め、バックからパンチで削りながら右腕を神里の腕に回した堀川が、RNCでタップを奪った。

勝利した堀川は「今年はもっと試合をしてクラスAと世界ランカーになれるよう頑張っていきます」と宣言した。


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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto Okinawa09 The Shooto Okinawa09 キック 亮我 神里昭吾

【The Shooto Okinawa09】亮我がバックマウントからパンチ連打で神里を沈め、新人王T決勝に進出

<2023年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
亮我(日本)
Def.2R2分36秒 by TKO
神里昭吾(日本)

亮我が距離を詰めると、神里が右カーフキックを連打する。しかし亮我が組みついてバックへ。飛びついてバックマウントを狙ったが亮我だが、ここはポジションを奪えず。バックコントロールからグラウンドに持ち込むも、神里もすぐに立ち上がった。神里は倒されながらも首投げでポジションを入れ替えてスタンドへ。体勢を入れ替え、ハイクロッチで亮我をケージに押し込む。

亮我はウィザーから内股で投げるも、背中を着かせることができない。立ち上がった神里が左腕を差し上げて亮我をケージに押し込んでいく。互いにヒザを打ち込む展開から、亮我がシングルレッグ、さらにアンクルピックで揺さぶっていくが神里も倒れない。亮我はシングルバックからたすきにかけて崩していったが、神里も耐えて初回を終えた。

最終回、共に右を振り合うが、亮我の右フックが効いたか。体勢を崩した神里に組みついた亮我が、そのまま背中を着かせてサイドに回る。右ヒジを落とす亮我に対し、神里はケージキックを狙うも抑え込まれてしまう。右足を差し入れた亮我がパンチを連打しながらバックマウントを奪った。体を伸ばされた神里はパンチを連打され、防戦一方に。ここでレフェリーが試合を止めた。

これで新人王トーナメント決勝に駒を進めた亮我は、決勝では12月3日の山口大会で行われる若宮龍斗×永留惇平の勝者と対戦する。


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