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【RING C05】バンタム級T準決勝へ、國頭武「練習で楽はしない。シンドイところで頑張らんと勝てない」

【写真】パブリック計量にて。しっかりと仕上がっている(C)MMAPLANET

20日(日・現地時間)、韓国はインチョンのサンサンプラットフォーム・ウェーブホールでRing Championship05で開催され、同バンタム級王座決定トーナメント準決勝で國頭武がキム・ウンソンと戦う。
Text by Shojiro Kameike

昨年12月に野尻定由を下し、修斗でランキング入りしたなか、なぜ國頭は韓国で戦うことを選択したのか。そこには師であり7月に現役を引退した佐々木信治が見せてきた戦いがあった。さらに「昨日の敵は今日の友」――自身の課題をクリアすべく、昨年8月に敗れている神田T800周一との練習についても語った(※取材は10月15日に行われた)。


――今年4月、トーナメント初戦のパク・サンヒョン戦は相手の体調不良で中止となりました。そもそもRING Cへの参戦は、いつ頃決まったのでしょうか。

「試合の1カ月ぐらい前ですね。その時は他の試合の話もなかったですし、断る理由もなかったのでオファーを受けました」

――昨年、野尻選手に判定勝ちして修斗のランキングに入りました。そうなると次も修斗で試合をしてランキングを上げ、いずれベルトに……という気持ちはなかったですか。

「もちろん、その気持ちはありました。野尻選手に勝った時も『これでランキングに入る。修斗で上がっていく』というイメージは持っていました。そこにRING Cのオファーが来て――仕事の都合で試合に出るのが難しい時はあります。でも、出られる試合を断るのは逃げたような感じがして。今後もずっと自分の中に『逃げた』という気持ちが残ってしまうと思うので、基本的にオファーは断りたくないです」

――それでこそファイターです! 國頭選手にとっては初めて海外で戦うということも大きかったですか。

「はい。佐々木さんがRoad FCで戦っている時に、現地へ応援に行ったり、セコンドにつかせてもらっていました。現地で会場の盛り上がりを感じて、韓国で試合をすることに憧れがあったんです」

――しかし、その初戦は相手が「減量時に倒れた」とのことで直前に中止に……。

「ビックリした、というのが一番大きかったです。急きょ代わりの対戦相手を探してくれたようですけど、やっぱり急すぎて見つからずに。

試合ができなかったのは残念でした。でもトーナメントだから次の試合があるのも確定していたし、『今回は次の対戦相手の動きをしっかり見よう』と気持ちを切り替えることができました」

――結果、試合期間が空くこととなりました。

「もともと4月、7月、12月というスケジュールでトーナメントが行われると聞いていました。でも会場の関係で予定がズレてしまったそうで。もし最初から準決勝が10月だと分かれば――その間に他の大会に出ることはOKを貰っていたんです。でも、なかなか開催が決まらず、結果的に期間が空いてしまいましたね」

――4月は試合をしていないので、実質的に野尻戦以降10カ月のブランクです。

「これだけ試合間隔が空いたのは初めてです。でも『もしかしたら試合があるかもしれない』と考えながら調整し続けていました。体重も以前は一気に落とすことが多かったんですよ。でも今回は少しずつ絞ることができて、今までで一番コンディションが良いです。逆に良かったというか(笑)」

――4月から10月までの間に見直した面はありますか。

「僕ってメチャクチャ運動神経が悪くて……。これまで道場の練習のほかに、自宅でウェイトトレーニングをやっていたんです。でもそれは単に体を大きくしていただけで。今回は重量だけを追い求めるのではなく、『どう体を使えば効率的に動かせるか』と勉強しました。おかげで、今まで穴だった打撃が伸びていることは実感しています。

あと際の部分ですね。今回も組んで寝技になったら勝てると思っています。でも相手は力が強そうだし、壁の攻防で細かい打撃とかを練習しています」

――神田戦、野尻戦どちらもタフファイトでした。ノンストップで面白い試合ではあったものの、毎試合これを続けられるかどうか。

「理想はスクランブル合戦ではなく、抑えて殴って極めることです。寝技のコントロールは練習していて、それも見直してきました。バックを取られても逃げられることが多かったですし。ノンストップの攻防になるのは、相手を抑えきれていないわけなので」

――そんななかで、最近は神田選手と一緒に練習しているのですか。

神田T800周一との広島ネットワーク(C)TAKESHI KUNITO

「試合で負けた瞬間に『神田さんと練習したい』と思いました。神田さんをしっかりコントロールできるようになれば、メチャクチャ強くなるんじゃないか――と。でも神田さんは巧すぎて、なかなか押さえ込みきれないです」

――いつから神田選手と練習し始めたのでしょうか。

「最初は去年の12月、レオスに行ったんですけど、いらっしゃらなくて。自分も連絡していなかったんですけど(苦笑)」

――神田選手と練習するために行ったのに、本人に連絡していないとは(笑)。

「しかも2回も(笑)。神田さんが今年ジムをオープンしたじゃないですか。その時に『一緒に練習させてもらいたい』と連絡して、そこから月1~2回行かせてもらっています。それ以上のペースで行くと、お互いに慣れてしまうと思うので。

今は道場だと、佐々木(信治)さん以外はコントロールできることが多いんですよ。でも神田さんは自分が押さえ込もうとしても、常にギリギリのところで逃げる。その練習動画を視返しながら、『ここはいけんかったな』と自分の雑だった部分が見えてきます。

自分がシンドイ時に神田さんはシンドイことをしてくるんです。自分もそこで『もう一つやってたろう』という気持ちになりますね。練習で楽はしない。そのシンドイところで頑張らんと自分は勝てないと思うので」

――なるほど。4月は試合が中止になりましたが、RING Cというイベントの印象はいかがですか。

「まだキャリアの浅いけど、その分若くて勢いのある『ここから強くなるだろう』という選手が多かったですね。トーナメントに出ているなかで一人、カザフスタンの選手だけ何か違いましたけど」

――ボォレット・ザマンベコフですね。

「あの選手だけ違いますよね。とはいえ他の選手も韓国MMAらしいアグレッシブで」

――では準決勝で対戦するキム・ウンソンの印象を教えてください。

國頭は61.5キロ、キム・ウンソンは61.3キロで毛量をパスしている(C)MMAPLANET

「まだ粗さはありますけど、体つきを観ても分かるとおり、打撃の破壊力は凄いです。あれは一発もらったら倒されてしまうと思いますね」

――レスリングベースで、まさに「腕っぷしが強い」タイプではありますね。

「そうですね。あのパンチはガードしていても効かされてしまうので、そこは気をつけたいです。あと組んでも四つが強そうで、その組みにどう対処するかを考えています」

――なるほど。2024年は師である佐々木信治さんの現役引退もありました。

「結構前から『次が最後なのかな……』と思いながら、佐々木さんの応援に行っていて。だから覚悟はしていました。14年ぐらい一緒にいて、ずっと近くで見させてもらいました。佐々木さんの試合に向かう姿とか、戦っている姿、試合に対する覚悟とかを勉強させてもらい――寂しい気持ちはありますけど、佐々木さんには感謝しかないです。

韓国でラストファイトを行った師・佐々木信治と。次は自身が韓国でチャンスを掴むか(C)MMAPLANET

今、RINGのトーナメントにも出場しています。今まで僕が佐々木さんの背中を見てきたように、これから佐々木さんの戦っている姿を見られない子たちに、僕が背中を見せていくのが佐々木さんへの恩返しだと思っています」

■RING C05 視聴方法(予定)
10月20日(日)
午後7時00分~ RING Championship YouTubeチャンネル

■RING C05対戦カード

<Rringバンタム級王座決定T準決勝/5分3R>
キム・ウンソン(韓国)
國頭武(日本)

<Rringバンタム級王座決定T準決勝/5分3R>
シン・ユミン(韓国)
ボォレット・ザマンベコフ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
ユン・ジェウン(韓国)
マクシム・ミクティプ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ソン・ミンソォ(韓国)
和田教良(日本)

<ライト級/5分3R>
ムン・ジュンヒ(韓国)
パク・ジフワン(韓国)

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45 MMA MMAPLANET o Torao TORAO33 ガッツ・takato ブログ 神田T800周一

【TORAO33】神田T800周一、スクランブルの強さを発揮してガッツ・takatoに判定勝利

<バンタム級/5分3R>
神田T800周一(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.30-27
ガッツ・takato(日本)

サウスポーの神田が右のアウトロー、ガッツも右ミドルとインローを蹴り返す。神田が左のスーパーマンパンチを見せ、やはり右のアウトローを蹴る。ガッツも右ミドルを蹴って右ストレート、右ストレートとインローを蹴る。神田が左インローとミドル、ガッツがインローを蹴る、神田が左ストレートを伸ばし、右の前蹴りを蹴ると、これがローブローとなり、試合が一時中断となる。

再開後、ガッツが左を見せて前に出て右ストレートと右ハイ、神田はそれをかわして二段蹴りを見せる。神田が左のヒザ蹴りを狙うと、ガッツが組みついて、そのままスタンドでバックにつく。神田はガッツの腕のクラッチを下げて、右のバックヒジを入れる。ガッツはバックをとったまま神田の足を蹴る。

神田が正対すると左ロー、左ストレートから組みつく。ガッツはケージを背にして、その際に右ヒジを入れる。距離が離れるとガッツが右ストレートを当て、神田の左ミドルをキャッチしてバランスを崩す。神田はすぐにダブルレッグで組み、立ち上がったガッツはケージを背にしてヒジを入れる。

2R、神田が左ストレートと左ミドル、左ストレートで飛び込む。ガッツも右を見せてシングルレッグに入ると、切った神田がスクランブルで上を取ってバックへ。神田はシングルバックでコントロールしようとするが、ガッツが正対して逆にバックを取り返す。ここからスクランブルになると再び神田がバックを取り返し、立ち上がるガッツの後ろにつく。

ケージを蹴ってグラウンドに持ち込むと、そのまま神田がバックキープする。ガッツが向き直ると、神田が足でガッツの身体を浮かせて立ち上がる。神田は左ストレートと左ミドル、左ストレート、ダブルレッグも見せる。ガッツは神田の左ローを取るようにシングルレッグに入り、神田がスイッチしながら上を取る。神田は中腰のガッツをケージに押し込んでボディにヒザ蹴り、バックに回りつつ肩固めを狙う。

3R、ガッツがインロー、神田は右の前蹴り。神田はガッツが前に出てくるところに右フックを狙う。ガッツが右ミドルを蹴ると、神田は左ストレートを伸ばす。ガッツがヒザ蹴りのフェイントから右ストレート、距離が離れると右ミドルを蹴る。神田も左ストレートを返しつつ、インローと左ミドルを蹴る。ガッツは神田の左の蹴りに合わせて組みついてテイクダウンする。神田は亀になるとガッツががぶる。

ここで神田が上を取って上四方で抑え込む。ガッツも亀になって、神田ががぶってバックへ。ガッツが立ち上がると、神田は左腕を差してケージに押し込んで、細かくパンチとヒザ蹴りを入れる。ここはガッツが神田を突き放すが、神田がダブルレッグでテイクダウンを奪ってトップポジションからパンチを落とす。残り30秒で神田がサイドからマウントへ移行し、腕十字を仕掛ける。裏十字の形になり、ガッツがそれをディフェンスしたところで試合終了となった。

スクランブルの強さを見せた神田が判定3-0で勝利。試合後に「12月に強い若い子(野瀬翔平)に腕を捻られて、もう試合はいいかなと思ったけど、声援が聞きたくてここに来ました。今回メインじゃないのが悔しいです。また来年もやろうよ!」と語った。


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【TORAO33】約4年ぶりの試合、打威致と戦う渡辺健太郎「魅せて勝ったら騒ぐ。負けたら黙って去る」

【写真】この感じでオラつかない。「沸かせる職人」としての信念がある(C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、広島市南区のBLUE LIVE HIROSHIMAで開催されるTORAO33で、渡辺健太郎が打威致を相手に4年4カ月ぶりの試合に臨む。
Text by Shojiro Kameike

2008年3月、渡辺はTORAO(闘裸男GIG01)でプロデビュー。所属する直心会主催のプロ修斗興行「BORDER」を中心に戦い、世界フライ級1位にまで上り詰めた。しかし2020年3月の試合を最後に大きなブランクをつくっている。「お客さんを沸かせるために試合をしている」と公言する渡辺が、戦いの舞台に戻ってきた理由とは。そして「沸かせる職人」としてのポリシーを語る。


初めて観に来たお客さんに『コイツの試合はオモロイな』と言わせたら勝ち

――今回は4年4カ月ぶりの試合となります。これだけ試合から離れていた理由から教えていただけますか。

「僕の中で火は消えていなかったけど、まずコロナ禍は大きかったです。コロナ禍の間でも幾つかオファーは頂いていました。でも当時は大会を開催しても無観客ですよね。お客さんがおらんところで試合というのは、たとえ凄い相手だったとしても……。

『お客さんを沸かせてナンボ』という気持ちが、自分の中には絶対なんですよ。『金を取れる試合をする』という意地があって。だから無観客の大会が続くことで、自分の中の気持ちも少しずつ落ちていきました」

――そうだったのですね……。

「それで『当分、試合に出ることはないな』と思いました。しかも試合に出たり、興行を開催すると叩かれるような世の中になっていて。それが試合に出ていなかった一つの理由ではあります。

非常事態宣言が明けて、少しずつ格闘技の興行も再開されるようになったなかで『もうそろそろかな』とは思いました。でも自分の中にある火は中途半端な状態で――そんな状態で試合に出たら、間違いなく面白くない試合をしてしまう。勝てたとしても、面白くない試合になってしまうから……」

――もう10年以上前の話になりますが、直心会主催のプロ修斗興行「BORDER」で、当時すでにランキング上位であったはずの渡辺選手が第1試合に出場していました。その理由を生駒純司さんに訊いたところ「第1試合で面白い試合をして、大会を盛り上げてもらうため――だと聞いています」とのことで。

「アハハハ! BORDERの時は他にも事情がありましたけど、やっぱりお客さんを沸かせたいという気持ちは、プロデビューした頃から変わっていないんです。それこそ今日初めてMMAを観に来たお客さんに『コイツの試合はオモロイな』と言わせたら勝ちや、と思っていて。勝つことは当然として、負けても何かインパクトは残したい。変な意地ではありますけどね。

デビュー戦の渡辺。試合へのモチベーションは当時から変わっていない(C)SHOJIRO KAMEIKE

昔から『チャンピオンになりたい』『ランキングで上に行きたい』とかっていう気持ちは少なかったです。それよりも1試合1試合を全力で戦って、当日一番オモロイ試合をすることが目標でした。この4年間は、そういう気持ちが欠けてしまっていました」

――徐々に興行も有観客で開催されるようになるなかで、1年以上も試合をしていないと「もうこのままフェードアウトかな」と思うことはなかったですか。

「それは、なかったですね。自分は引退する時はキッチリしたい、と思っています。中途半端な状態で、何となく辞めるというのは嫌で。4年間、試合が空きましたけど『久しぶりやなぁ』というぐらいの感覚なんですよ。今年41歳になるので、若手と練習して自分の中に衰えを感じたら引退も考えます。でも練習していて『まだやれるわ』と思いました(笑)」

――2023年3月にはBORDERが開催されました。その時点で復帰しようとは思わなかったでしょうか。

「もちろんお話はありました。でもその時はまだ——『今じゃない』と思いました。何に関してもそうなんですけど、自分はゼロか100で。自分の中の火が50パーセントぐらいの状態で、無理やり試合をしようと思っても結果が出ないんですよ」

――次のTORAOで試合をする、つまり『今だ!』と思った理由があるということですか。

「まぁ、タイミングですよね。TORAOの山本(陽一プロモーター)さんからオファーを頂いて。去年8月のTORAO福岡大会でTOMA選手が試合をした時、僕もセコンドで行っていたんですよ。そこで久しぶりに山本さんとお話させていただいて。そのあと試合のオファーを頂いて一気に火がつきました。

一番大きいのは、ウチのジムで後輩が育ってきたんですよ。小学生の頃からジムに通っている子がプロになったり、20代の後輩たちがプロを目指してアマ修斗で頑張っていたりとか。そういう後輩たちに、もういっぺん自分の背中を見せなアカンかなと思ったんです」

――今回対戦する打威致選手も、所属する有永道場Team Resolveにとっては同様の存在です。小学生の頃から道場に通い、修斗でプロデビューして……。ただ、その打威致選手が上に行くためのマッチメイクであるとは思います。

「はい、自分は噛ませ犬として広島に行きますよ」

――噛ませ犬……自分でハッキリと言ってしまいますか。

「そういうマッチメイクに対して、思うところはないです。大阪にいる自分を広島の興行に呼んでもらえるだけで、ありがたいですし。相手は若くて期待されている選手、自分は『少し落ち目かな?』というオッサンのファイターで。それはそれで面白いんじゃないですか」

――そこに『オッサンをナメんなよ』という気持ちはないのですか。

「その気持ちもないです。僕は対戦相手のことを絶対にリスペクトしています。自分は結構、オラオラ系が苦手なんですよ。今は若い子たちが、試合前からオラオラと煽るじゃないですか。それはそれで同じ世代の子にもウケるんでしょうから、良いと思います。ただ、自分は相手がどれだけ煽ってきても、冷静でいたいですよね」

肉体的にも技術的にも、20代の時より今のほうが上ですよ

――フェイスオフや試合前は常に冷静でいる。すると『面白い試合をする』というスイッチは、どの時点で入るのでしょうか。

「ゴングが鳴った時ですね。リングやケージに入るまでは気合いを入れることもなく、ずっと無でいます。ゴングがなった瞬間にスイッチが入ります」

――職人の成せる業ですね。

「もう熟練の職人やと思いますよ(笑)。魅せるのは試合の中だけでいいですから。口でどうこう言うよりも、試合で魅せて勝ったら騒ぐ。負けたら黙って去る。それしかないです」

――過去には何度も連敗を経験しています。その時に辞めることは考えなかったですか。

「もう潮時かな……と考えることも何回かありました。特に初めて連敗した時(2014年のONE参戦から2016年のPXCまで4連敗)は、引退のことも頭に浮かびましたね。

でも僕って単純なんです。一人でも『お前、はよ次の試合せぇ』と言ってくれたら、火がつきます。今回も――僕がデビュー当時から応援してくれている人たちに『4年ぶりに試合します』と報告したら、『待っとったで』と喜んでくれたんですよ。『相手は22歳の若手です』『エェやんけ。オッサンの力を見せたれや』という感じで(笑)。そういう人たちにも背中を押してもらいました」

――気持ちは盛り上がった、では体はどうでしたか。やはり試合用の練習をしていない時期も長かったと思います。

「実は4年の間——特にコロナ禍の時ですね。ジムでの練習も制限されていたし、僕も全く練習していなかった時期がありました。練習するといっても、ちょっとジムで体を動かす程度だったり。でも練習を始めたら、すぐに戻りましたね」

――正直、4年前よりグッドシェイプだと思います。

「自分でもそう思います。肉体的にも技術的にも、20代の時より今のほうが上ですよ」

――見た目の話だけでいえば、『どうしたのだろうか?』と思うほど、体が筋肉でパンパンになっていた時期がありました。

「アハハハ、あの時期はウェイトトレーニングにハマッていたんですよ。日本にフィジークの文化が入ってきた頃で、日本中に24時間のフィットネスジムが増えたじゃないですか。自分もそこにハマッて体を鍛え始めて……デカくなりすぎました(笑)」

――当時は筋肉がつきすぎたことでワキも開き、インサイドから真っ直ぐ突くようなパンチも打つことができなくなっていた印象です。

「それは……、まずステップから無理でした。筋肉が重いから体を振ることもできないし、足を使うこともできない。ワキが開きすぎるのもありますし、あと腕が重すぎて後半はガードも上げられなかったんです。『そりゃ相手のパンチを食らうわ』って。だからウェイトは止めました」

――それが現在グッドシェイプになっている理由なのですね。

「おかげで昔の状態に戻ってきました。練習方法も昔のものに戻したんですよ。今は情報化社会だから、いろいろ取り入れていました。でもやっぱり自分に向いていない練習もあるし、違うと思ったものを辞めていって。今回は完全に昔の練習方法にして――10年前ぐらいの自分に戻ったと思います」

――10年前というと……。

「修斗でランキング1位になって、ONEと契約した頃ですね」

――なるほど! これは試合を控えた選手に訊くことではないかもしれませんが、もし渡辺選手が引退するとしたら、惨敗を喫した時か。それとも面白い試合ができなくなった時ですか。

「面白い試合ができなくなった時——というより、『お客さんを沸かせよう』という気持ちがなくなった時ですね。『そんなの今回はどうでもエェわ』と考えるようになったら、それは潮時やと思います。沸かしたいという欲だけで試合をしていますから(笑)。

今回も相手の若さを受け止めて、職人として良い試合を見せます。一つ言えるのは――噛ませ犬の仕事は、負けることじゃないですからね」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後2時45分~ ツイキャスLIVE

■TORA33対戦カード

<フライ級/5分2R>
渡辺健太郎(日本)
打威致(日本)

<グラップリングマッチ ライト級/5分2R>
宇野薫(日本)
岡田剛史(日本)

<バンタム級/5分3R>
ガッツ・takato(日本)
神田T800周一(日本)

<2024年新人王決定Tライト級準決勝/5分2R>
KENZO(日本)
シヴァエフ(日本)

<55キロ契約/5分2R>
高橋佑太(日本)
蒔田伸吾(日本)

<バンタム級/5分2R>
アサシン秋雄(日本)
健太エスペランサ(日本)

<フライ級/5分2R>
ふじい☆ペリー(BURST)
八木祐輔(TKエスペランサ)

<2024年新人王決定Tバンタム級級1回戦/5分2R>
小見山瞬(日本)
宮口龍鳳(日本)

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MMA MMAPLANET o Torao TORAO31 神田T800周一 野瀬翔平

【TORAO31】強烈、お竜&パシオ・ロック。野瀬が神田から圧巻の一本勝ちし「この辺とはレベルが違う」

<バンタム級/5分3R>
野瀬翔平(日本)
Def.1R3分10秒 by アメリカーナ
神田T800周一(日本)

いきなり右リードフックで飛び込んだ野瀬。かわした神田のワンツーに組んでボディロックからテイクダウンを奪う。お竜ロックに捕えた野瀬が、胸を合わせにきた神田の試みを許さず腕を取ってハンマーロックに取る。お竜&パシオロックの複合技でコントロールし、強烈な右パウンドを入れた野瀬がマウントへ移行する。野瀬はパシオロックを続け、頭をステップオーバーするとアメリカーナに切り替える。苦悶の表情を浮かべた神田がタップ、野瀬が圧倒的な強さを見せつけると、「このへんとはちょっとレベルが違うので、上とやらせてもらえたらと思います」と言い放った。


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AB Gladiator Gladiator024 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Road to UFC UFC YouTube シン・ジェヨン テムーレン・アルギルマー ボクシング マハー・ジョン・マナハン 上久保周哉 修斗 南友之輔 吉田開威 溝口司 神田T800周一 竹中大地 竹本啓哉

【Gladiator024】竹中大地に続き、上久保周哉がグラジに参戦。韓国のシン・ジェヨンと対戦決定!!

【写真】ボクシング歴5年、柔術は青帯だがエクストリーム・コンバット所属ということを考えると、シン・ジェヨンはしっかりとしたウェルラウンダーであることが考えられる(C) MMAPLANET

10日(土)、GLADIATORより12月19日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024に上久保周哉が出場し、韓国のシン・ジェヨンと戦うことが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会ではバンタム級に元修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの竹中大地が出場し、前グラジ・バンタム級王者テムーレン・アルギルマーと対戦することが決まっているが、同じく元ONEファイターの上久保も実に6年2カ月ぶりの国内でのMMAを戦う舞台にグラジを選択した。


Road to UFC準決勝で無念の敗北を喫した上久保に対し、他の国内プロモーションも当然のようにアプローチをかけていた事実は存在する。その状況下で「なるべく強い相手と戦いたい」という上久保の要望に対し、グラジ・サイドでは韓国から3選手のリストアップ。結果的にその3者はそれぞれの事情があり対戦は実現しなかったが、下記の上久保のコメントにあるように「(上久保にとって)必要な試合を組む」という姿勢があったことが、今回の初出場に至った模様だ

そんななか第4候補だったシン・ジェヨンは、グラジからのオファーがあった時点では10月27日に行われたBusan International Fighting Championshipに出場が決まっていた。シン・ジェヨンは勝利&ケガがないことが参戦の条件となった試合で、フィリピンのマハー・ジョン・マナハンを112秒TKOで下し、来日及び上久保選手との対戦を実現させる。

9月大会でテムーレンを破った竹本啓哉がベルトを巻くグラジエイターのバンタム級戦線。MMAPLANETが行った竹本インタビューでは伏字としていたが、王者は上久保のグラジ出場の報を聞いており、今後のタフ過ぎるチャンピオン道を前に期待に胸を膨らませていた。

とはいえ竹中はRIZINを目指すことを明言しており、上久保がMMAを続ける理由はUFCで戦うためのみ。アジアのフィーダーショーを目指すと公言したグラジエイターに初出場を果たす日本トップクラスの新勢力は、ここをステップにするために戦う。対して竹元、神田T800周一らの現有勢力、溝口司や南友之輔、吉田開威という新鋭達、さらには韓国、モンゴル勢が如何に彼らと絡み合うのか。2023年最終大会を経て、2024年のグラジエイター・バンタム級戦線が楽しみでならない。

以下、プレスリリースに記載されていた上久保とシン・ジェヨンの今回の対戦に向けてのコメントだ。

上久保周哉
「MMAの試合がなかなか決まらない、試合が無い時期に気にかけてくれていたのがGLADIATORでした。今回も強い相手を候補に挙げて交渉してくださり、自分にとって必要な試合を組んでくれたと思っております。

格闘技が好きですし、楽しいです。文字通り身体が壊れて競技ができなくなるまで続けると思います。まだまだ知らない事や出来ない事もありますし、体験できていない事も数知れません。今回の試合を経て、より格闘技が好きな自分でいられるように、しっかりと自分と向き合っていこうと思います」

シン・ジェヨン
「以前から、心の中で戦いたいと思っていたプロモーションの1つがGLADIATORでした。GLADIATORに参戦することとなり、本当に嬉しく、またワクワクしています。しかも、相手がONEで見ていた日本バンタム級トップの1人である上久保選手ということは、自分にとって最高のチャンスだと思っています。日本のファンは自分が簡単に負けると思うかもですけど、最高のチャンスを頂いている分、一生懸命に準備して粘り強い、面白い試合しますのでご期待ください」


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Gladiator MMA MMAPLANET o ONE Progress Road to UFC Torao TORAO31 UFC 修斗 神田T800周一 米倉大貴 野瀬翔平

【TORAO31】神田T800周一×野瀬翔平──TORAO史上最強のグラップリング&スクランブル対決が決定!

【写真】国際戦を経験した2人による注目の一戦(C)MMAPLANET

12月3日(日)に山口県山口市のKDDI維新ホールで開催されるプロ修斗公式戦「TORAO31」で、野瀬翔平と神田T800周一が対戦する。
Text by Shojiro Kameike

元GLADIATOR王者で修斗でも世界ランキング6位の神田と、修斗ではランク入りしていないものの2年連続でRoad to UFCに出場している野瀬の一戦――これはTORAO史上最強のマッチアップだ。


2000年代初頭、格闘技ブームが起こるなかでもプロMMA興行の大半は首都圏や大阪、名古屋といった地域で開催されていた。そんななか2002年6月、人口約10万人という岡山県北部の津山市でGRAPPLINGMAN実行委員会による「GPRAPPLINGMAN 闘裸男」はスタートする。

大会がスタートしてから20年が経ち、大会名称も闘裸男からTORAOへ。主催者もGRAPPLINGMAN実行委員会が発展解消する形で、TORAO NATION STATEへと生まれ変わった。津山市だけでなく岡山市内、福山、広島、徳島、高松、山口、そして九州は福岡でも興行を開催するなど西日本を代表するMMAプロモーションへと成長した。

そんななか山口大会で対戦する神田も野瀬も、プロ修斗公式戦の多くをTORAOで戦ってきたファイターだ。神田は自らを「TORAOファミリー」と呼び、GLADIATORバンタム級王座を獲得すると同時にTORAOにも出場し、いまや修斗世界バンタム級6位につけている。

(C)Zuffa/UFC

野瀬は福岡からTORAOを中心にキャリアを積み、Road to ONEにも出場。世界を目指し2022年、2023年と2年連続でRoad to UFCに挑んだ。11月19日にBloom01で柔術全日本王者の米倉大貴とProgressフォークスタイルグラップリングで戦い、1カ月弱のインターバルで神田戦に臨む。

両者は12月2日の豊洲大会出場&他の相手と戦うという話も聞かれていたが、一転してTORAO最高のマッチアップで相対することとなった。

そのファイトスタイルは対照的だ。野瀬の強みといえばアグレッシブなテイクダウン&サブミッションであるのに対し、神田は「神田返し」に代表される相手の力を利用したディフェンス&オフェンス技術を持つ。グラップリング&スクランブル対決で神田が翻弄するか、あるいは野瀬がフィニッシュするか――ノンストップの技術戦に注目だ。

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AB Gladiator Gladiator024 MMA MMAPLANET o ONE テムーレン・アルギルマー 修斗 神田T800周一 竹中大地

【Gladiator024】竹中大地のグラジ初戦の相手は、前バンタム級王者テムーレン・アルギルマーに!

【写真】竹中の左ミドル、バックテイク、バックグラブという真正面MMAがモンゴル勢に通じるのか──非常に楽しみな一戦(C) MMAPLANET

1日(水)、GLADIATORより12月19日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024に出場が決まっていた竹中大地がモンゴルのテムーレン・アルギルマーと戦うことが発表された。
Text by Manabu Takashima

9月30日大会でケージインし、「次回大会に出場させてもらいますけど、あと2カ月あるのでしっかり仕上げて、過去最高の自分でこのケージに立ちたいと思います」と話していた竹中の対戦相手が前バンタム級王者のテムーレンに決まった。


ONEバンタム級で活躍した元修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの竹中は、フリーエージェントとなった最初の試合は7月の古巣修斗公式戦の藤井伸樹戦だった。この試合で判定勝ちを収めた竹中は、国内復帰戦に関してONEで戦う以前に契約を消化せずに送り出してくれた修斗で戦うことを念頭に置いて出場していた。

同時に、国内復帰が明らかなった時点でアプローチのあったグラジが今年に入ってからは韓国、モンゴル、フィリピン勢を招聘していることと、地元・大阪で戦うことに興味を持っていた模様だ。

修斗/サステインもグラジ出場を認め、今後はグラジと修斗で戦っていくことも有り得る竹中だが、狙いは国内最高峰のリングであることは間違いない。そういう意味で、自身のキャリアアップを果たすために必要な実戦&強化と、グラジのアジア路線は合致したといえる。

そして決まったテムーレン戦。テムーレンは竹中がケージの中で挨拶を行った前回大会のメインで竹本啓哉にスプリット判定で敗れ、今年の6月に神田T800周一を下して巻いたバンタム級のベルトを失っている。

とはいえ今年3度のグラジ出場で、粗削りながら打と特に強い組みを見せていたテムーレンとの一戦は、日本人選手を相手に真っ向勝負で勝利を手にしてきたもののONEでの国際戦でポテンシャルを発揮しきれなかった竹中が、自らのスタイルを貫き通し、強化してきた成果が発揮できるのか──という点で、非常に興味深いマッチアップとなる。

以下、今回のリリースに寄せられていた竹中とテムーレンの今回の対戦に向けて抱負となる。

竹中大地
「33歳になりましたが、自分のキャリアに全然満足していないです。体も気持ちもダメージもなくメッチャ元気です。傍から見たら、『そろそろ引退?』とか。知らない人からは『まだ格闘技やっているんですか』なんて言われるようになってきました。『昔、格闘技をやっていたんですか』と、初めて会った人にも言われます。世間から見たら、辞めて行っている人間なんやという歯がゆさ、悔しさがあります。自分の実力を証明する舞台へ進むための足掛かりではないですが、そういうフィーダーショー的な立ち位置にあるGLADIATORでしっかりと勝って、世の中に認められるような試合をどんどんしていきたいと思っています」

テムーレン・アルギルマー
「今年、日本で3度試合をして自分でも凄く成長していると感じているので、竹中選手にはしっかりと練習をしてきて欲しい。自分はもの凄く練習しているので面白い試合になると思うので、互いに頑張ろう。日本のファンに皆は、いつも応援してくれて感謝している。今回も激しい試合をするので試合を見て、ぜひとも自分のことを応援してほしい」

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【Gladiator023】三度バルカ……蒙古襲来。竹本啓哉の挑戦を受けるテムーレン「全てにおいてカンダの下」

【写真】3月、6月に続き、早くも3度目の来日となるテムーレン。モンゴルのイケイケ・キャラだ(C)MMAPLANET

30日(土)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR023。そのメインイベントで、テムーレン・アルギルマーが自らの持つGladiatorバンタム級王座の初防戦を戦う。

3月の初来日ではスラムから神田T800周一をパウンドアウト。6月にその神田の持つ同王座に挑戦し、激しいスクランブル戦を制してテムーレンはベルトを巻いた。さらにGP後半戦の消滅を受けて、竹本啓哉の挑戦を受ける(本来は12月大会で対戦予定だった)こととなったテムーレンをインタビューすると──いつも通り、いやいつも以上に強気のテムーレンがいた。


──30日に初防衛戦が控えています。今の気持ちを教えてください(※取材は3日に行われた)。

「初防衛戦を迎えて、とてもエキサイトしているよ。防衛戦というのは、自分が本当のチャンピオンなのかを証明する機会なので。そういった意味でも、とても楽しみだよ」

──3月にグラジエイターで初めて戦い、6月にベルトを奪取。かなりタフな試合になりましたが、ベルトを巻いた試合についてはどのような感想を持っていますか。

「カンダが相当に自分のことを研究していて、3月の試合よりも遥かに厳しい戦いになった。ただし、自分も3月にカンダと肌を合わせて彼のことを理解できていた部分もあり、成長もしていた。最終的には戦略的な部分で、勝つことができたと思っている」

──あの試合で学べたことはありましたか。

「あの試合以降は、特に組み技を強化しようと練習してきたので、耳のカリフラワーが大きくなっているよ(笑)」

──テイクダウンは圧倒的に強さを見せていましたが、組みでもどのような面を強化してきたのですか。

「立ちレスだけでも、寝技だけでもなくバランスよく練習している」

──神田選手はテムーレンが最初から飛ばすので、スタミナ勝負という考えがあったようです。

「スタミナには自信があるよ。ただ試合展開によって、思った以上に早く疲れることもある。そういうところを見て、カンダは作戦を立ててきたんだろう。ただカンダが見落としているのは、モンゴルで試合をするのと日本で試合するのは全く違うということ。

ウランバートルは標高が1300メートルあって、酸素が少ないんだ。だから凄く疲れやすい。日本は全くそんなことがなくて、減量のために走っても全く疲れない。実際に試合になっても、すぐにモンゴルとは全然違うっていうことは体で感じていたよ。つまりは5分3R、ガンガン行けるということだよ。

何よりスタミナ配分を考えるよりも、僕自身はラウンド毎に自分が持っているモノを全て出したいと思っている。そういうスタイルだから、カンダは僕がスタミナはないと勘違いしたんじゃないかな」

──ところで所属するマザーライMMAの皆がトレーニングしていた112ファイトアカデミーが売却されたと聞いています。ケージもある素晴らしいジムだったのですが、今の練習環境は問題ないですか。

「112が閉鎖されたので当然、練習場所は代わったよ。僕らは元々シレンベーリというボクシングのクラブで練習していて、キックとMMAの指導も始まったことでジムが手狭になったから、別の場所で練習することにしたんだ。それがマザーライで、シレンベーリのMMAチームは別の場所で、支部のように活動していたんだよ。MMAに特化した練習場所だったけど、その場所が使えなくなり112を借りるようになった。でも112も閉められたから、またシレンベーリでトレーニングしているよ。

シレンベーリにもケージはあるので、金網を使った練習はできている。それとシレンベーリとは別に、レスリングマットが敷かれた場所でグラップリングのトレーニングもやっている。今はその2カ所で練習していて、練習仲間は変わりない。選手レベルの皆とトレーニングができているよ」

──では挑戦者、竹本選手の印象を教えてください。

「カンダより、下だ。立ち技、レスリング、寝技、全てにおいてカンダより下だ」

──竹本選手は、その神田選手とは1勝1敗ですが。

「それは知っているよ。タケモトとカンダの試合映像は、判定までいった試合を見た。確かにタケモトは得意な形になった時は強さを発揮するけど、僕との試合ではそうはならない。この試合に関しては、100パーセント勝つ自信がある。タケモトにはしっかりと練習して、試合当日を迎えて欲しい。僕はハードな練習をしているから、さらに強くなっているしコンディションも上々だ。どれだけ強くなっているのか、9月30日にしっかりと見せたいと思っている」

──テムーレンの活躍も含め、グラジエイターでは韓国、モンゴル、フィリピン勢と国際化が進み、そういう国際戦で勝ちたいと新たにグラジ参戦を決める日本人選手がチラホラと出てきそうだという話を聞きます。

「自分としては『戦いたい』と思える強い選手が来てくれるなら、絶対に戦うよ」

──では最後に今回の試合を楽しみにしているファンに一言お願いします。

「自分のことを応援してくれている日本の人々に感謝している。次の試合も期待を裏切らないよう戦い、僕のファンがもっともっと増えるような試合をしたいと思っている」

■視聴方法(予定)
9月30日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator023対戦カード

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
坪内一将(日本)

<フライ級/5分2R>
陸虎(日本)
古賀珠楠(日本)

<ストロー級/5分2R>
澤田政輝(日本)
三輪勇気(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
野口蒼太(日本)

<ライト級/5分2R>
秋岡翔(日本)
磯嶋祥蔵(日本)

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
[挑戦者]竹本啓哉(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T決勝/5分3R>
森戸新士(日本)
世羅智茂(日本)

<フェザー級/5分3R>
河名マスト(日本)
ユン・ダウォン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ハンセン玲雄(日本)

<ミドル級/5分3R>
藤井章太(日本)
イ・イサク(韓国)

<ライト級/5分3R>
八木敬志(日本)
エフェヴィガ雄志(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング60キロ契約/5分2R>
NavE(日本)
前田吉朗(日本)

<バンタム級/5分3R>
藤原克也(日本)
川北晏生(日本)

<フライ級/5分2R>
和田教良(日本)
梅川毒一郎(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
高木亮(日本)

<ウェルター級/5分2R>
森井翼(日本)
阿部光太(日本)

<バンタム級/5分2R>
エダ塾長こうすけ(日本)
宮口龍鳳(日本)

<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
空(日本)

<バンタム級/5分2R>
南友之輔(日本)
小松祐貴(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
向井琉綺弥(日本)
伊藤琥大郎(日本)

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【TORAO30】死力を尽くしたタフファイトーー國頭がバック奪取も神田が返して打撃で攻め込み判定勝利

<バンタム級/5分3R>
神田T800周一(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.28-29.
國頭武(日本)

サウスポーの神田がサークリングしながらケージ中央を取る。右ミドルを繰り出したが國頭の前進は止まらず。國頭が組みつくも差し返して離れた神田。ケージ中央に戻ると左ショートを当ててからボディロックで組んでグラウンドに持ち込んだ。すぐさまバックに回った神田がハーフネルソンで固めていくも、國頭が反転してトップを狙う。ハーフガードの体勢になった神田に対し、國頭がパスを狙う。しかし國頭がパスを仕掛けたところで神田が立ち上がり、バックに回って國頭をケージに押し込んでいった。

ここで離れた國頭が徹底して自分の距離を保ち、右ジャブと左ショートを当てる。組むとボディロックからリフトしてグラウンドに持ち込むが、國頭が体勢を入れ替えてバックを奪う。バックマウントを奪われた神田がケージキックで位置をずらしていく。國頭は神田を逃さずバックをキープし続けたが、残り30秒で神田が反転してトップポジションに移行し、初回を終えた。

2R、國頭が一気に距離を詰める。神田が左ミドルと左ショートで押し返した。國都がシングルレッグで入るも、神田が下がって左ボディから反対に國頭をケージに押し込んだ。左右ショートパンチが冴える神田が距離を取る。國頭のパンチをかわしてケージを背負わせた神田に対し、もつれながら左足を取りに行く國頭。しかし足を抜いた神田がバックマウントへ。

國頭が完全にバックマウントは奪わせずトップに回る。神田はハーフガードで守るが、國頭はバックマウントを奪取する。しかし、ここでも神田返しの一つか--神田が反転してトップを奪う。立ち上がった神田をケージに押し込む國頭、神田は離れて左ミドルから國頭をケージに押し込む。神田が首相撲から左ヒジで國頭を削る。國頭が切り返すも神田が離れてローと左ショート、左ハイを当てる。打ち合いから右フックを当てた神田が、ラウンド終了間際にダーティボクシングとヒジで國頭の体力を削っていった。

最終回、國頭のダブルレッグをカットした神田がケージに押し込み、首相撲からヒジを叩きつける。離れると神田の左ハイ、左ストレートが飛ぶ。國頭はボディロックからテイクダウンを狙ったが、反対に神田がトップを奪った。そして立ち上がる神田。パンチで削りながら國頭のシングルレッグをスプロールし、リストを抑えつつケージに押し込んでいく。そして、ここで離れる。

疲労が見える國頭がテイクダウンを狙うも、それを誘っていたかのように神田がバックに回る。スクランブルから國頭が神田に背中を着かせた。ケージ際でバックマウントを奪取した國頭がパンチを連打する。ケージから離れた位置で四の字フックに捉えた國頭は、今度こそ神田返しを許さず左オーバーフックからパンチを連打する。しかし立ち上がった神田が國頭をケージに押し込んだ。

体勢を入れ替えた國頭がシングルレッグからバックマウントへ。残り1分からパームトゥパームでRNCを狙うも極められず。神田が返してトップを奪うが、國頭が立ち上がった。残り30秒で打ち合いから神田が國頭をケージに押し込む。神田が左ヒザを突き上げるも、そのヒザを取りに行く國頭。最後まで手を出し続けた両者は、試合終了のブザーが鳴ると互いにヒザに手を着いた。

両者が体力、いや死力を尽くしたタフファイトの裁定は--スプリットで神田が制した。「これで前に進んでいけるでしょう。また生きていきましょう!」と語った。


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【TORAO30&TORAO COLORS】メイン出場、國頭武&古賀愛蘭─02─「道場で喜び合いましょう!」(古賀)

【写真】5月の後楽園ホール大会では明暗を分けた両者、明日はメインの勝者揃い踏みとなるか (C)MATSUNAO KOKUBO

20日(日)、広島市南区のブルーライブ広島で開催されるTORAO COLORSとTORAO30の各メインに出場する古賀愛蘭と國頭武のBURSTコンビインタビューの後編。
Text by Shojiro Kameike

國頭はランキング入りを賭けて神田T-800周一と対戦する。パク・ソヨンを迎え撃つ古賀は、国際戦で三度目の正直となるか。互いに正念場となる広島大会を前に、ほのぼのとしながらも熱い決意を語る。

<國頭武&古賀愛蘭対談Part.01はコチラから>

なお、TORAO30のコメインでニシダ☆ショーと対戦予定だった打威致が左側頭骨骨折により欠場、江木伸成がバンタム級グラップリング=寝試合でイシダと対戦することとなっている。


――國頭選手と古賀選手にとって、BURSTというジムの良さは何でしょうか。

國頭 ジム全体の雰囲気が良いですね。先日は柔術で、JBJJFの中国選手兼にBURSTから20数人も出場したんですよ。一般会員さんも向上心が高くて、僕も寝技でやられてしまうぐらい強い人が多いですし。何より佐々木さんとメグさんは面倒見が良くて、僕も10年間家族のように面倒を見てもらっています。もう親代わりのような感じですね。

――親代わり!

古賀 ジム全体の雰囲気の良さはありますよね。あと練習の面でいえば、自分の中にあるモヤモヤが解決されるというか……。練習で何か分からないことがあっても、聞いたらちゃんとした答えを貰えるんです。それは打撃でも寝技でも。明確な内容を教えてくださるのがBURSTの良さなんじゃないかと思います。

國頭 何か聞いても、ちゃんと自分が欲しかった答えが返ってくる。それは皆が感じていることだと思うんですよ。

古賀 BURSTで練習していたら、どこか別の道場へ出稽古に行こうという気持ちはないですね。

國頭 僕も今回の試合に向けて、どこか他のところに行こうとは考えていなかったです。いろんなタイプの選手がいますし、わざわざ他に行く必要がなくて。

――國頭選手は今年3月にBORDERで江田塾長選手にTKO勝ちを収めています。試合後の試合後の雄たけびシーンを見て、失礼ながら「ここまで感情を露わにする選手だったのか」と思いました。古賀選手は同日、檜山美紀子選手をKOで下したあと佐々木選手に抱き着く姿が子供のようでした(笑)。

古賀 アハハハ!

國頭 ありがとうございます。あの試合は残り1分でそれぐらい自分にはBURSTが染みついています。

――続く5月の後楽園ホール大会も昼夜別興行でしたが同日に試合をしています。まず古賀選手がジェニー・ファンにクラークプラッタで敗れました。

古賀 もう本当に、『やってしまったな……』という気持ちが強いですね。試合前から『相手の手の長さには気をつけておかないといけない』と思っていました。まず自分が中途半端な体勢でテイクダウンに行った時、首を持たれて焦ってしまって。さらに足を絡ませてきていた腕は抜けるなと思って、私が間違った方向に体を動かしてしまいました。

國頭 愛ちゃんの試合はバックステージで視ていました。試合は愛ちゃんがメチャクチャ押していましたよね。『このまま行けるかな』と思っていたところで、あの形に入られてしまい……。

――チームメイトの敗北でショックは受けませんでしたか。

國頭 ショックでした。やっぱり愛ちゃんは練習でも強いですから。周りのチームメイトも皆ショックを受けていて……。ただ、僕は自分の試合を控えていたので、深く考えないように努めていました。とにかく割り切って考える。自分は自分——いろいろ考え込みすぎると、試合で自分のスタイルが崩れていくタイプなんですよ(苦笑)。

――なるほど。結果、國頭選手は青井太一選手を肩固めで下して今大会を迎えます。

國頭 めっちゃBURSTの応援団が来てくれます。メインイベントであることに加えて、今回は世界ランカーとの試合なので、絶対に勝ちたいです。

――対戦相手である神田選手の印象を教えてください。

國頭 前回の試合(今年6月のテムーレン戦)はタフな試合でしたよね。初戦は衝撃的なKO負けをしていたのに、それを乗り越えて再戦では最後までどちらが勝つか分からない試合展開で。あの試合を映像で視て、自分も気合いが入りました。あの試合の神田選手とテムーレンを上回ることができるように戦いたいです。

――ここで神田選手に勝てば、修斗のランキングに入ってベルト挑戦へと近づきます。

國頭 自分の性格的に、そういうことは考えないようにします。あまり先のほうばかり見ていると、いつも良くない方向に行ってしまうので(苦笑)。まず次のことは考えずに、神田選手を倒してランキングに入ることを目指します。

――古賀選手もCOLORSのメインで国際戦に挑みます。國頭選手と同様、一つの正念場ですね。

古賀 相手は何が特別強い、というわけではないと思うんです。打撃も寝技も同じようにできるバランスが良い選手ですよね。私はメインに出るのが初めて、気合いは入ります。それよりも前回の試合で負けていることと、今まで国際戦で一度も勝てていないこともあって——今回の試合で勝たないと、自分自身がステップアップしていかない。『この国際戦を乗り越える』という気持ちが強いです。

國頭 当日は他にもBURSTから選手が出るので、全勝を目指したいですね。

――なるほど。通常であれば最後は読者やファンの方々へのメッセージを頂くのですが、今回はお互いへのメッセージをお願いします。

古賀 えっ!?

國頭 アハハハ。まずは愛ちゃんが勝ってCOLORSを締めてくれると思うので、BURST全勝を保って僕がTORAO30で1日を締めます。昼の部、よろしくお願いします!

古賀 ありがとうございます。國頭さんも凄く強い相手との試合になりますが、お互いにメインとして大会を締めて、また道場で一緒に喜び合いましょう!

■視聴方法(予定)
8月20日(日)
TORAO COLORS 午後12時10分~ Twit Casting LIVE
TORAO30 午後5時20分~ Twit Casting LIVE

■TORAO COLORS対戦カード

<48キロ契約/5分2R>
古賀愛蘭(日本)
パク・ソヨン(韓国)

<49キロ契約/5分2R>
川西茉夕(日本)
キム・ユジョン(韓国)

<アトム級/5分2R>
新谷琴美(日本)
原田よき(日本)

<アトム級/5分2R>
平田彩音(日本)
檜山美樹子(日本)

<闘裸男寝試合56キロ契約/5分2R>
新谷朋美(日本)
神田麻梨乃(日本)

<闘裸男寝試合ストロー級/5分2R>
高田暖妃(日本)
幸田來弥(日本)

■TORAO30対戦カード

<バンタム級/5分3R>
神田T800周一(日本)
國頭武(日本)

<闘裸男・寝試合バンタム級/5分2R>
ニシダ☆ショー(日本)
江木伸也(日本)

<フライ級/5分2R>
わっしょい内田(日本)
蒔田伸吾(日本)

<2023年度新人王決定T2回戦フライ級/5分2R>
若宮龍斗(日本)
高宮諒(日本)

<ライト級/5分2R>
貞永大輔(日本)
嵯峨ゴーレム健史(日本)

<2023年度新人王決定T1回戦フェザー級/5分2R>
ネイン・デイネッシュ(インド)
健太エスペランサ(日本)

<2023年度新人王決定T1回戦ストロー級/5分2R>
高橋佑太(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

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