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【PFL】2025年のPFLは8階級の8人制トーナメント実施。賞金総額20億ドル以上、事実上の規模縮小??

【写真】いったい、どうなる2025年のPFL (C)PFL

15日(水・現地時間)、PFLが今年は8階級で8人トーナメント=2025 World Tournamentを開催することを発表している。2018年の活動開始以来、6階級でレギュラーシーズン+プレーオフ&ファイナルというフォーマットを敷いてきたが、2020年のコロナパンデミックを除いた6年でMMA界のシーズン制は幕を閉じることになる。
Text Manabu Takashima

2018年と2019年はレギュラーシーズン3戦のポイント制を勝ち抜いた8選手が準々決勝と準決勝のワンデートーナメントを勝ち上がり、100万ドルを賭けた決勝が実施されたもの2021年からはレギュラーシーズン2戦とセミファイナル、そしてファイナルと規模は縮小されてきた。


PFLが再びMMA界を変える──という仰々しいフレーズが、今回の船出を宣言した動画でみられたものの、8階級(女子フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級、ウェルター級、ミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級)の8人制トーナメントはさらなる規模縮小と捉えられて致し方ない。

1回戦は4月に4イベント、準決勝は6月に3イベント、決勝は8月に3イベントという年間スケジュールが明らかとなっているが一方で、5カ月で3試合を勝ち上がって得られる優勝賞金は50万ドルと半額に制定された。

6階級で10人の選手がレギュラーシーズンに参戦していた2024年と比較しても、8階級の8人トーナメント制の出場枠は64で、実質は4人の増加にとどまっている。そのうえトーナメント出場選手も半分は初戦で姿を消す。2試合の保障があった昨年までとは、ここも違う。

Bellator廃止を発表しているPFLは、2025年の初イベントとなるPFL Road to Dubai Champions Seriesを25日(土・同)にドバイのコカ・コーラ・アリーナで行うが、PFL MENAやPFL Europeのスケジュール等はまだ明らかとなっていない。5カ月のトーナメント期間と年間開催数も未発表のPFL Champion Seriesとの連携はどうなるのか。

実際、Bellator Champion Seriesは秋口から予定通りのイベントを開かれず、パトリシオ・フレイレ、パッチー・ミックスやコーリー・アンダーソンなどのチャンピオンは不満を口にしていた。Bellator世界ライト級王者ウスマン・ヌルマゴメドフは25日に防衛戦を控えている一方で、フレイレのPFL離脱は決まっており、渡辺華奈や菊入正行、ISAOというPFL配下の日本人選手やBellatorファイターの今後も気になるところだ。

2月に出場選手とトーナメント枠が明らかとなるとされているPFLの2025年だが、現段階では不透明といわざるを得ない。

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【PFL&ONE】三浦彩佳meets 渡辺華奈─02─「修行です」(三浦)&「超結果主義者なので」(渡辺)

【写真】凄く面白い対談となりました。イメージアップには役立っていないかもしれないですが…… (C)MMAPLANET

6月13日のPFL2024#04でリズ・カモーシェとシーズン2戦目、そして3年前のリベンジ戦を戦った渡辺華奈とONEで戦う三浦彩佳の対談後編。
Text by Manabu Takashima

渡辺の敗北こそ喫したが、MMAファイターとして成長振りをハッキリと見せた。そんな充実の3カ月を過ごした渡辺に対して、試合がなかなか決まられない三浦はどのような心境できるのか。また渡辺の試合から何を感じることができたのか。

柔道ベースの渡辺と三浦だが、渡辺はいち早く柔道を利したMMAを戦う。首投げとアヤカスペシャルを持つ三浦に対し、渡辺のアドバイスとは──。渡辺がこれまで取材で見せていなかった一面を開放したことと同様に、注目してほしい。

<渡辺華奈&三浦彩佳子対談Part.01はコチラから>


──カモーシェは、男子のプロレベルですか!!

渡辺 ハイ。しかも階級が上の男子選手ですね。ただ、あそこからの対応は凄く練習をしていたので焦ることはなかったです。同時にすぐに立ち上がると、離れられて打撃の展開になりタコ殴りされるかもとか色々と考えました。

──考え得る限りベストの試合展開はどういう風だったのでしょうか。

渡辺 打撃を出してからテイクに入りたかったです。それが気が付けば走っていました。アハハハ。

三浦 もう決めていたかのような仕掛けでしたよ。それに隼人さんと、切られてからの練習をしていましたよね。

(C)PFL

渡辺 そう。

がぶられても、その手を外して、差し返してテイクダウンを取るという練習をずってやっていました。練習でイジメられていた良かったです(笑)。ただ自分がテイクダウンを決めてトップをとっても、今までに経験したことがない強さを下から感じました。上を取ると、もっと簡単にできるかなって思っていたのに凄く上手かったです。プレッシャーが強くて……必死に戦っているなかで、あの圧力が少し楽しかったです。

──楽しかったですか。素晴しいですね。スクランブル中やテイクを切られた時などに、カモーシェが相当の勢いでパンチを入れるシーンもありました。カモーシェは一度秒殺をしている相手に対して、全く奢るところがなかったです。

渡辺 ハイ、もっと調子に乗っていてほしかったです。

三浦 ずっと華奈さんのことをリスペクトしていましたよね。

渡辺 ……。でも、クソって感じです(笑)。

三浦 あの肩固めの極まり具合ってどうっだったんですか。

渡辺 う~ん、私は結構、肩固めが得意なんだけど。

三浦 マジで、フィニッシュできるんじゃないかと思って視ていました。

渡辺 ちょっと、ずらされた。

三浦 足じゃなくて、ずらされていた?

渡辺 ずらされていた。

三浦 潰されますよ、華奈さんの肩固め……本当に。もう我慢とかの問題でなく、骨が圧迫されて。男の人に仕掛けられるのとも、違っているんです。

渡辺 でもさっきも言ったけど、本当に男と戦っているような感じで。「コイツ、女か?」って。エヘヘヘヘ。

三浦 リカバリーも凄かったですよね。

渡辺 でも向き合った時に、コイツもビビっているなと思いました。もちろん、私もビビってたんですけど。「あっ、人間なんだな」と思いました。

──勝てると踏んでいたのか、五分五分、もしくは不利だけどひっくり返そう。この間の経験を積んで来て、正直なところ試合前の自信はどれほどだったのでしょうか。

渡辺 自分が絶対に勝つとは思っていたのですが、心の奥底で五分五分の勝負を何とかモノにするという気持ちで挑みました。ポイント的にはフィニッシュをしないといけないし、勿論フィニッシュは狙うけどプレイオフのこととかは一切頭になくて。「とにかくコイツに勝ちたい」、「骨が折れても勝ちたい」と考えて戦った……結果、負けてしまったんですけど(苦笑)。ボロボロになっているのも練習通りです。アハハハ。

三浦 結果的に1Rと2Rを取っていますよね。これは行けるって……特に肩固めの時に思って。それはカモーシェが苦しんでいて、本当に必死だったじゃないですか。

渡辺 フゥゥみたいな苦し気な呼吸が聞こえたんですよ。 

三浦 もちろん試合を視ている時は初回と2Rのポイントが分かっていなかったですが、それでも最後まで戦えば勝つと思っていました。

──腕十字というのは意外でした。

渡辺 自分が一本を取られるなんて、想像もしていなかったです。メリメリメリって音がして

──うわぁ……。想定していない形でびっくりタップではなかったのですね。

渡辺 下から殴られて、それも効いていて。カッとなって、「ふざけんな」って言う風に思い切り殴りにいってしまったんです。十字の対処も焦っていましたね。あそは練習通りでない対処をしていました。

ただ、あのワンミスは普通の選手なら見過ごしてと思います。でもカモーシェは見逃してくれなかった。そこはもう一枚上手だったと認めるしかないです。

──立ち上がって時点で、ヒジが抜けるという感覚だったのでようか。

渡辺 はい。それはありました。でも、立つかどうかというタイミングで極められてしまいましたね。三角を狙われたりして。

──結果論なのですが、立ち上がると同時にカモーシェの頭を跨いでいれば……とか思ってしまって。

(C)PFL

三浦 めっちゃ、そうなんですよね。

渡辺 そうなんですよ。あの時は立てば抜けるかもって思ってしまって。汗もかいているし。あと数秒だからと。

三浦 8秒ですよね……。

渡辺 練習だと立つってことあまりやらないのに……逆に私が仕掛けていたとしても、カモーシェなら立たなかったと思います。緻密だし、そういうミスはしない。そこの差が出た試合だと思います。それは認めています。

(C)PFL

──勝負なので、勝ち負けはついて回ります。

それでも、足にしがみついても上を取るという姿勢は見ている者の胸に何かが突き刺さったファイトだと思います。

渡辺 良い試合だったと言ってもらえることは嬉しいです。でも自分は超結果主義者なので。やっぱり凄く悔しいです。

──勝った人間が正義。ですが、そこまで勝ちに拘っているからこそ、負けてもその姿勢を貫いていることで皆が感動をしたのだと思います。

渡辺 ありがとうございます。MMAを始めた時に世界チャンピオンになることと、もう一つ目標があって。

──それは?

渡辺 一度、完全に柔道で挫折して。そこからMMAをやるようになりました。その時には「誰かに勇気を与えることができるようになりたい」と思って始めました。自分が本当にクソみたいなところまで落ちていたので。

──話の腰を折って申し訳ないですが、相当に言葉使いが悪いですよね。これまでの取材ではなかった部分です。三浦選手がいてくれて、素が出てきたというか、

三浦 本当に華奈さんは真面目ぶっているんですよ(笑)。

渡辺 アハハハハハハハ。

三浦 これがいつも通り……いや、これでもマイルドなので全く問題ないです(笑)。もう、練習中とか酷いですから。男の人より、言葉は悪いです。

渡辺 中学生の子のケツを「おいっ!!」って言いながら叩いたり(笑)。

──ケツ……。皆に勇気を与えられる言葉ですね(笑)。

渡辺 アハハハ。どん底まで行った人間が、頑張ればチャンピオンになれる。そうすれば「私も頑張ってみようかな」と思ってくれる人が出てくるかもしれない。そうやって勇気を与えられる選手になる。それはチャンピオンになるのが一番で。負けてしまったけど、そういう風なことがチョットできたなかって……でも、複雑ですね。

──僅か3カ月の間にPFLの2試合で色々なことを経験して、葛藤もしていた。そして一生懸命だった渡辺選手を見て、自身と照らし合わせるとどういう想いでしたか。

三浦 羨ましかったです。

──1月に勝って、そこから試合がない。途中で発表されてキャンセルされた試合も、他の日本人選手が勝った相手だった。なかなか厳しい時間が続きますね。

三浦 それもありますか……自分はそもそもストロー級の選手だという気持ちでいるんです!! ヂィンナンとなるという気持ちが強くて。最初にアピールさせてもらったのはスタンプが欠場になったんだから、9月にヂィンナンと組んで欲しいということでした。でも、9月大会からヂィンナンがいなくなっていて。

渡辺 三浦さんと一緒にいて……「試合が決まりそう」、「でも、なくなった」、「決まった」、「流れた」っていう話があり過ぎる。なんか、びっくりします。コロコロ変わって。

三浦 それでも去年よりマシだっていう風に考えていて。去年は試合に負けた状態で有る、無い。ある、ないが続いていて。精神的に本当に焦っている状態が続いていました。

渡辺 続いていた。うん、続いていた。

──ようやく決まった平田戦も、不本意な試合だったことは確かで。

渡辺 あの試合はよく戦いましたよ。因縁なんてないのに、無理矢理に因縁を作られて。お互い、お別れしてから次の相手と付き合いだしたわけで。それがね、被ったりしていたら自分もボコボコにしてやりたいですけどね。アハハハハ。

あっ、自分もそういうのやりたいなぁ。なんか、因縁創ってくれないですか(笑)。

──面白がっているじゃないですか。

三浦 アハハハハ。酷い。

──いずれにせよ、平田戦を受けた。そして勝った。ならご褒美は?となりますよね。

三浦 しんどいのが続いています。

──ONEと契約している選手って、しんどい状況のなかでポジティブな面を見つけるのが上手くなっていますよね。

三浦 そうなんです。それなんですよ。どうやって自分のモチベーションを保つのか、修行です。(若松)佑弥君もずっと「精神修行です」って言っていますけど、ホンっとに、その通りです。でも、長南さんも常に試合ができるように、動いてはくれるので……秋ぐらいには、と。

──同時に渡辺選手もPFLシーズン制の厳しいところで、3カ月で2試合を終え、プレイオフ進出を逃すと試合がない。逆にONEだと「負けても、良い試合だった」と次がすぐに決まることもあります。

渡辺 その点でいえば、本当にどれだけ良い試合をしても、結果は一本負け。それしか残らないんで。意味ないですよ。

──意味がないなんてことは決してないのですが、次の試合という部分になると過去にないケースではあるかと思います。

渡辺 どうなるんですかね。Bellator Championship Seriesに出られる可能性があるかもしれないし、年末に何かあるかもしれない。Bellatorの時に結んだ契約は残っているので、それがどのタイミングで組まれるのか──ですね。

三浦 決まっているのは、カラオケだけですか(笑)。(※8月31日にDEEPサマーフェスティバルでMMAファイターのカラオケ大会が行われる)

渡辺 そう。人生はポジティブな要素を見つけて生きないといけないので(笑)。真面目な話、試合が決まっている期間は自分の武器を増やせない。この試合が決まっていない期間に手持ちの武器を増やして、成長できればなと思っています。

──両者とも柔道ベース。凄く対談の締めっぽくなるのですが、渡辺選手から三浦選手にアドバイスをできることなどありますか。

三浦 お願いしますっ!!

渡辺 えぇと……下にならない。下にならないというか、背中をつけたままにしないこと。それは試合でも、練習でも。自分がそこを心掛けるようになって、変わることができました。下になっても腕十字、三角絞め、足関節、アームロックという攻める手段はあります。でも、そういうのは全部捨てて。レスリングでボッコボコにされて苦しいけど、何が何でも背中をつけずに上を取るという気持ちをずっと持っていたら、ちょっと自分は変わることができました。

カモーシェ戦もバックは取られましたが、一度も背中はマットにつけていないです。そこ……ですかね。首投げを失敗しても、下になって足関節とかいかない。レッスルアップからテイクダウンをしてリバーサル……上を取る。でもね、下になることがあるんだから、下の練習もしないといけない。そして、如何に下なる時間を短くするのか。自分はテイクダウンを仕掛けられている瞬間に、立つことを考えています。

三浦さんは試合で下になっていないので、そこまで考える必要はないのかもしれないけど、練習でやっておくと試合で役に立つ時がくるから。

三浦 確かにレスリングの練習で追い込まれても、華奈さんは立っていますね。私は追い込まれると、体も思考も止まることがあって。

──三浦選手は思い通りならない時に、焦りというか感情が表情に出ているような気もします。

三浦 そうなんです。

──あのう……渡辺選手、今の時代にコレを尋ねると、色々と言ってくる人もいるかと思いますが……。

渡辺 ハイ。何ですか(笑)。

──女を武器に生きたことがありますか。

渡辺 ないです。それは絶対にいえます。

──渡辺選手からは「ワァ」、「キャア」という空気が一切感じられなくて。

渡辺 えぇ、それ感じない?  ちょっとぉ、感じてぇ。

三浦 アハハハハハ。

渡辺 キャァァァァァァ。感じてぇ(笑)。

──ダハハハ。本当にこれまでの取材では本性を隠していたのですね。

渡辺 自分、練習で男に負けるもの絶対に嫌なんですよ。隼人さんに、ボコられても「コイツ、許さない」ってなりますから。

──とはいっても、その女性という部分がプロとしてセールスポイントになることもあります。三浦選手もパンクラス時代は女性タレントに似ているということで、可愛い派でいけましたしね。

渡辺 あぁ、西内まりあね。

三浦 やめてよ!!

──e-fightは、そうやって三浦選手の計量にメチャクチャ力をいれていましたよ(笑)。

渡辺 でもDEEP JEWELSの計量が水着着用の頃、私も水着でテカテカを塗られたけど、もうボディビルダーみたいになっちゃって(笑)。

──ハハハハ。絶対に女は売りにはならないと。

渡辺 あの頃は何も分かっていなくて、言われたことをやっていたけど今から考えるとヤバいですよ(笑)。ただ実際、三浦さんは練習で自分より大きな相手の選手とやることが多くなって、ガチで競り合えることが少なくなってきたから。そこは難しくて。

三浦 ハイ。体が小さくなってしまって。

渡辺 自分はガチで競り合いができる相手が、男子の選手にいるので。渋谷(カズキ)さんとか、ガンガンにやっています。

──渋谷選手が下になってヒールを狙うと、「下になるな」って怒るのですか(笑)。

渡辺 アハハハ。でも、ヒールを取られちゃうんですよ。

三浦 その時の表情が、マジでイラついていて(笑)。

渡辺 ムカつきますよね。ふくやーまんとか、打撃はガチでできないけど組みの部分は全力でやりあえます。

──三浦選手は今、普段の体重が何キロぐらいなのでしょうか。

三浦 56キロぐらいですね。ただ、ここから少しでも増えると堀江さんから注意がはいるので。やっぱり52キロで戦うには。ストロー級でいきたいのですが、現状としてアトムで戦う可能性が大きいので。体を大きくすることができないんです。

──だと、男子のユニファイド・ストローの選手でも普段は5キロぐらいは重そうですね。

三浦 ハイ。以前は大きかったので、Fighter’s Flowに来ると男子選手とも体重が合っていたのですが今は大変ですね。

渡辺 でも、下にならないところは意識してほしい……ですかね。

──女子選手との練習は?

三浦 女子選手って結構、集まってやっているじゃないですか。JTTでも黒部(三奈=マスタージャパンの女子練習)さんのところも。そこには澤田(千優)選手が参加していて、ONEのアトムだと同じ階級になるから。HEARTSも樹ちゃんがいるから、ほとんどTRIBEでしか練習ができなくて。

渡辺 なら、樹ちゃんとやるしかないじゃん。エヘヘヘヘ。もう戦うこともないだろうし。

三浦 でも……こっちから声を掛けることは、やっぱりできないですよ。

渡辺 女子の軽量級って、本当に大変ですよね。そうやって練習相手も限られてくれるし、男子の選手が胸を貸してくれても、本番とは全然違う。競り合いにならないから。

三浦 そういう意味では、私が練習し甲斐があるのが春なんです。3月とか4月はTRIBEにプロ志望の子が入って来る時期で。そこに軽量級の子もいて、やる気満々で力だけある。そういう子たちだと競れるし、パワーは私よりもあって。でも、だいだい2カ月ぐらいで皆いなくなる……。

渡辺 そこかッ!! 

三浦 もう長南さんにはずっと入会キャンペーンをしてほしい。そういうプロ志望の子が、一番良い練習相手になるので。だから、海外で練習をしたいという気持ちはあります。どこか、精神的な修行の意味も込めて海外に練習に行きたいです。

渡辺 一緒に行く?

三浦 行きたいッスねぇ(笑)。タイとか、行ってみたいです。

渡辺 でも、遊んじゃうよ。

三浦 なら無理です。バカンスじゃなくて、修行がしたいので。

──TRIBE所属でONEで戦うと、修行好きになるのですね。

三浦 アハハハハ。でも華奈さん、タイだと暑いから服を着ないで済みますよね。

渡辺 着ます。服、着ます!! 服を着ないで済むって、おかしいでしょ。

三浦 私、服を着るのが嫌いなんですよ。家の中は裸族で、ほとんどパンイチで。

渡辺 えっ?  上は裸??

三浦 それかワンピースみたいなTシャツ一枚で、下はなんもなし。

渡辺 それってチョロチョロ見えるんでしょ。ちょっと、見せてみ!! どう、チョロチョロしてんの?

三浦 アハハハ。なんか、おっさんじゃないですか。本当にエロおやじですよ、それ(笑)。

──なんだか、もうとんでもない方向にいきそうなので。この辺りで対談を締めさせてください(笑)。世界で戦う渡奈選手の姿勢を身近にいる三浦選手がどう感じているのか。その辺りのことを伺って、世界を狙う女子選手が何かを掴んでくれればということでお願いした対談でしたが、結論として渡辺華奈はおっさんで、参考にはならないといことでした(笑)。

三浦 えぇぇ。まだまだ、ですよ。こんなもんじゃない(笑)。

渡辺 10パーセントぐらいですね。普段の。試合では実力の30パーセントしかだせなくて悔しい想いをしていますが、オッサン振りは10パーセントに抑えておきます(笑)。

──……。では三浦選手、日本女子を代表して頑張ってください(笑)。

渡辺 いやいやいやいや。

三浦 本当に華奈さんは、これまで取材になると隠していたのが凄いですから(笑)。私は秋ごろに試合があることを想定して、10月を目途として創っていきます。

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【Colors03】グラップリング戦に出場。柔道出身の寝技師、中山有加「強くなりたいから柔術へ」

【写真】リベンジを賭けたグラップリングマッチに挑む中山(C)SHOJIRO KAMEIKE

3日(土)、東京都新宿区の新宿FACEで開催されるColors03のグラップリングマッチで、中山有加がカロリーナ・デ・アモリン・クワハラと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

中山は柔道時代に全日本実業個人選手権や全日本選抜体重別の63キロ級を制し、ワールドコンバットゲームズの団体戦の優勝など国際大会の実績もある。2019年に柔道を離れ、柔術に転向。昨年はJBJJ全日本の女子アダルト紫帯ミドル級&オープンクラス、
アブダビワールドマスターズの紫帯で金メダルを獲得している。柔道時代から高い評価を受けていた寝技を武器に、今回はグラップリングマッチに挑む中山に、初インタビューを行った(※取材は7月30日に行われた)。


「お前は寝技が弱すぎるから、とにかく三角をやれ」

――お久しぶりです。柔道時代、大住姓の時に土居進トレーナーの「土居トレ」取材でお会いして以来となります。その中山選手が柔道から離れ、柔術に転向しているとは驚きました。

「そうですよねぇ。またこうして取材してもらえるとは嬉しいです」

――中山選手が土居トレーナーの指導を受けるようになったのは、いつ頃からですか。

「2012年か2013年ぐらいですね。土居先生が今のジム(SkyLive-R)を立ち上げる前から参加していました」

――当時は中山選手が柔道の70キロ級で試合をしており、土居トレーナーの進言で63キロ級に転向したと記憶しています。

「そうでしたね。もともと減量したくないから70キロ級で試合をしていたんですよ(笑)」

――減量したくない、とは?

「大学時代は57キロ級で試合をしていて、減量に失敗してしまったんです。あの頃は栄養とか体づくりの知識が何もない状態で。それで監督から『お前は減量するな』と言われて、70キロ級で試合をするようになりました。でも土居先生からは『その体は70キロ級の体じゃないよ』と言われ、63キロ級に落としたという経緯ですね」

――63キロ級に転向して以降、全日本実業個人選手権や全日本選抜体重別で優勝しています。階級を変更して体の動きが良くなりましたか。

「体のキレは増した感覚はありましたけど、やっぱり70キロ級の頃は相手が大きすぎたんですよ。逆に63キロ級だと、自分より力が強いと思う人と対戦したことはなかったです」

―柔道時代から寝技が得意だったそうですね。立ち技よりも寝技が中心になったのは、何か理由があったのでしょうか。

「もともと寝技は全然得意ではなかったです。大学時代も寝技で負けることが多くて。大学では矢野先生という方(矢野智彦監督)が寝技師で、『お前は寝技が弱すぎるから、とにかく三角をやれ』と言われたました」

――三角、というと……。

「三角絞めではなく、押さえ込みの三角ですね。4年間ずっと、その三角しかやらせてもらえなかったんです。そうしたら、いつの間にか三角が得意になって。すると立ち技よりも寝技のほうが好きになり、社会人になってからは『寝技の選手』と思われるようになりました」

――中山選手は岡山県にある環太平洋大学の出身ですよね。環太平洋大学の柔道部は、故・古賀稔彦さんが総監督を務められていました。つまり中山選手は古賀さんの弟子でもある、と。

大学時代には古賀稔彦氏の指導を受けた(C)YUKA NAKAYAMA

「はい、そうなります。今となっては古賀先生に言われた言葉は本当にありがたいものばかりですけど――当時は毎回、鋭いことを言われていて(苦笑)。環太平洋大学は地方にいながら柔道に専念できる環境で、しかも古賀先生のような金メダリストの方に指導してもらうことができていました。私もあの柔道部で成長させてもらったと思っています」

――それと現在はMMAで活躍している渡辺華奈選手とは、柔道時代の同期にあたるのですか。

「昔からは一緒に練習していましたし、今でも仲が良いですね。お互いライバル視はしていたと思いますけど、JR東日本のチームメイトでもあって」

――そうだったのですね。その後、中山選手は結婚されて2019年の大会を最後に現役引退しています。

「もともとは2018年の講道館杯で負けて(3位)引退する予定でした。でも、まだ私の『試合がしたい』という気持ちを汲んでくれて、会社が皇后杯の予選まで出場することは認めてくれたんです。当時はJR東日本柔道部のコーチをしながら試合に出場して、本戦にも出られましたが……その本戦で引退するというのは決まっていました」

角田の金メダルはちょっとだけ嫉妬します(笑)

――以降はコーチを務めたあと退社して、柔術に転向するのですね。

「はい。実業団は毎年、会社との契約更新があるんですよ。そこで会社が求める結果を出すことができなくて。私としては現役を続けたかったけど、会社からの『コーチをやってほしい』という話を受けました。JR東日本ではヘッドコーチになって、その次はもう監督です。そこで、そのまま指導者として生きていく未来が見えちゃったんですよね。でも自分が本当にやりたいのは、選手を続けていくことで……だけどもう柔道では現役を続けられない。であれば寝技は好きですし、柔術をやろうと決めました」

――JR東日本という大企業の社員で、柔道部のヘッドコーチや監督となれば……。

「安定はしていましたね。辞めると言ったら、いろんな人に止められました(笑)」

――それだけ安定した生活を捨ててでも、選手として生きたかったわけですね。とはいえコーチに専念している間は練習量も減り、柔術の試合に出る際に支障はありませんでしたか。

「体のキレは落ちていました。練習量も減り、と同時に出産もしていたので。だから柔術の試合に向けて、ゼロから別の体をつくり上げていく感じでしたね」

――会社を退社した時点では、柔術を始めていたのですか。

「はい。週1回ぐらい柔術の練習はしていました。当時は柔道で強くなるために柔術やサンボの練習に参加させてもらっていて。柔術はパラエストラ東京の昼柔術に参加したり、サンボはkichijoji fitの安藤喜友先生にお世話になっていました」

――kichijoji fitのサンボ練習会には、柔道時代の渡辺華奈選手も参加していました。

「kichijoji fitに行っている柔道家は多かったですよ。今回のパリ五輪で金メダルを獲った角田夏実も練習に参加していたりとか。角田とは柔道時代、一緒に練習することもありました」

――柔道の現役時代と今では、オリンピックを見る視点も違いますか。

「どうなんでしょうね? 私は2016年のリオ五輪に向けて頑張っていましたけど、オリンピックに行くことはできませんでした。当時よりは皆を純粋に応援できるようにはなっています。私も別に柔道で悔しさとか未練があるわけでもなく、一生懸命やったけど上には行けなかったというだけで。今はまた柔術という別の世界で上を目指すことができるチャンスを頂けているわけですから。ただ、角田の金メダルはちょっとだけ嫉妬しますけどね(笑)」

柔術に転向しても柔道の強みは残したい

――アハハハ。その柔術では現在、茶帯を締めています。

「柔術は青帯から始めて、青帯で4カ月ほど経った頃に紫帯になりました。さらに紫帯になって1年ぐらいで茶帯に昇格しています」

――中山選手のように柔道の実績があると、柔術でも青帯の試合では余裕がありましたか。

柔術では紫帯、茶帯ともに国際大会で優勝(C)YUKA NAKAYAMA

「青帯と紫帯は、まだ余裕がありました。でも茶帯になって初めての試合は、今回の修斗興行で対戦するカロリーナ選手が相手で。何もできずに負けて(今年3月、MARIANAS PRO JAPANで対戦して一本負け)、『やっぱり茶帯になるとレベルが違うな』って思いました」

――紫帯までの相手と茶帯のカロリーナ選手では、何が一番違いましたか。

「何もかも違いましたね。技術も引き出しが多いし、技の連携も滑らかで。私も自分でパワーはあるほうだと思っていましたけど、決してパワーでは止められない。パワーで止めようとしたところを、スルスルっと極められました」

――柔道の寝技をやってきた中山選手にとって、柔術をやるうえで一番変えたところは何でしょうか。

「何でしょうね……難しいな。今でも『柔道をやっているよね』と皮肉を言われるので(笑)。私としては柔道の強みは残したいです。柔術だけの技術でいえば、本当にまだまだのレベルで。これまで柔道の強みだけで勝ってきただけですから。今ちょうど柔術の技術に変えようとはしているけど、まだ何も変わっていないという実感はありますね」

――一方、今回カロリナ選手との再戦はサブオンリーのグラップリングマッチです。これまでノーギの経験は?

「アンライバルドのアマチュアマッチに一度出させていただいたことがあります(2021年5月、ケイラ・アレン・シャクアンに一本勝ち)」

――同じ相手とギではなくノーギで対戦すると違いはありますか。

「前回ギでボコボコにされたので、今回も普通にやっていては勝てないと思います。今は1パーセントでも2パーセントでも勝てる可能性を上げるために練習していて。カロリーナ選手もギのほうが得意だろうという印象がありますし、私としてはノーギのほうがやりやすいかもしれない、と思っています」

――この試合の先に、柔術の世界で目指しているものは何ですか。

「私は単純に強くなりたいという気持ちで、柔術に転向しました。だからアダルトかマスターか、ギかノーギかというこだわりも無いです。今回のようなプロ興行に出させていただくのも、何事も経験だと思っています。これからもチャンスを頂けるのであれば、自分が納得するところまでやっていきたいですね」

■視聴方法(予定)
8月3日(土)
午後6時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【PFL&ONE】三浦彩佳 meets 渡辺華奈─01─渡辺✖カモーシェ戦から、女子J-MMAファイターが学ぶこと

【写真】シリアスな対談になることを予想していたが、試合前のインタビューや会見時とはまるで違う──渡辺の空気感により、バッカ明るい対談となった (C)MMAPLANET

6月13日のPFL2024#04でリズ・カモーシェとシーズン2戦目、そして3年前のリベンジ戦を戦った渡辺華奈。激闘と呼ぶにふさわしい勝負は、残り8秒で腕十字に切って落とされ返り討ちにあってしまった。
Text by Manabu Takashima

(C)PFL

この敗北で渡辺のPFL2024年シーズンは終幕となった。

しかし打撃を被弾しながら組んで上を取り続けた渡辺はこの間に如何にMMAファイターとして成長したのかを見せつけた。

BellatorからPFLと、フライ級という階級で世界と戦う渡辺の姿から、日本の女子MMAファイターはそれぞれが自分自身と照らし合わせて何かを感じ取ったはずだ。

MMAPLANETでは渡辺と4年に渡り練習を続けている三浦彩佳との対談を行った。1月のONE日本大会で平田樹を破りながら、次戦は澤田千優に敗れたジヒン・ラズワン戦が組まれるなど(※ラズワンの負傷で流れた)など、厳しい状態が続いている。そんな三浦が、渡辺✖カモーシェの激闘から何を感じたのか。また渡辺のカモーシェとの再戦に賭けていた想いと、下った試合結果をどのように受け止めているのか──を訊いた。


――BellatorからPFLで戦う渡辺選手と、ONEで戦う三浦選手。柔道出身、海外で戦う二人が一緒に練習をしているということですが、どれぐらいのペースで手を合わせているのですか。

渡辺 週に1度は必ず、多い時は2回ですかね。Fighter’s Flowのプロ練習に三浦さんが来てくれる感じです。

──一緒に練習するようになって、どれぐらいになりますか。

渡辺 2年ぐらい前ですかね。

三浦 そんなことないですよ。もう4年やっています(笑)。

渡辺 そんな前? そうか、まだパーソナルトレーニングのジムの方でマットを敷いて、壁レスもできないような小さなスペースでやっていたね。

三浦 初めて会ったのが、YouTubeの企画だったんです。華奈さんのところにお邪魔をして、柔道対決をして。その時に長南さんから「渡辺さん、どうだった?」って聞かれて、「メチャクチャ投げられました」と。そうしたら長南さんに「お前、そんなんで良いのか?」、「女に投げられて、悔しいだろ」、「勝つまで出稽古してこいッ!!」って言われたんです。

──そのようなスタートで4年も続いているのですね。

三浦 実は私は学生の時に、柔道が凄く好きで……。

渡辺 柔キチだよね(笑)。

三浦 ハイ、近代柔道も毎月買っていて。近柔に全日本強化選手の名簿とか載っているので、好きな選手や憧れの選手に〇印をいれて毎月チェックしていたんですよ(笑)。

渡辺 ヤバ……(笑)。

──……、……。

三浦 で、華奈さんのことがめっちゃ好きで。いっつも全日本強化選手にその名前があって。可愛い人なのに。

渡辺 嬉しいぃ。ファンだったんですとは言われたけど、そこまで詳しくは言ってくれたことじゃなかったし。

──憧れの存在とMMAの練習をするようになったと。

三浦 いざ練習を始めると、同じ柔道ベースでもレベルが違っていて。それにMMAになっても、華奈さんは頭抜けて強いんで。練習量の多さだとか、練習に対するストイックさが凄いからで。見習うところも多かったです。一緒に練習をさせてもらうことで、華奈さんの姿勢を見て、自分のモチベーションになりました。

──三浦選手から凄く良い練習ができていると早い段階で聞いていたのですが、色々と事情があって2人が一緒に練習をしていることをインタビューでも公にすることができなかったですよね。

三浦 そうでした。そうでした(笑)。色々とあって(笑)。

──ただ、当時はそういう風には思っていなかったのですが、改めて並んでいるところを見ると、階級差は明白に感じられますね。

渡辺 いや、着ぶくれですよ。これ。オーバーサイズのTシャツを着ちゃって(笑)。

三浦 アハハハハ。

──いえ、明らかに骨格です。

三浦 でも以前は同じぐらいの体重だったんですよ。

──これだけ骨格に違いがあって体重が同じなら、三浦選手がデブだっただけじゃないですか(笑)。

三浦 ハハハハ。でも、本当にブーちゃんだったんですよ。

渡辺 それがいつの間にか、どんどん小さくなってしまって。ズルい(笑)。挙句にアトム級だとか、言いだすし。

──三浦選手の話を聞く限り、渡辺選手はアスリートとして完成形にあったかと。ただし、国内で試合をしている時は、その柔道の強さと柔道で鍛えたフィジカル、そして生来の運動神経で勝っていて、MMAができている風には正直思えなかったです。

三浦 本当に一生懸命にやっていましたよ。でも今から振り返ると練習の効果は鈴木隼人さんが指導をしてくれるようになってから、より出てくるようになったかと思います。

渡辺 上田(貴生)さんは基本に則した防御と、極めるまでのパターン創りを細かく組み立てたりする感じで。

──上田さんは戦略家というイメージがあります。

渡辺 そうなんです。そこに隼人さんが加わって、レスリングが強化されました。上を目指せば目指すほど、MMAにはレスリングが必要になってきますし。

三浦 隼人さんが来てすぐの頃、お互いにテイクダウンを狙って、頭もぶつけたことがありましたよね(笑)。

──実は中学の時の女子の部活を傍から見ていて、先輩のイジメとか怖いイメージがトラウマになっていて。女子同士って、色々あるのではないかと勘繰ってしまうことも多々あったんです。

渡辺 三浦さんとはそういうのはないですよ。階級も違うし(笑)。

──そこ強調しますね(笑)。

三浦 そもそも戦っている団体が違いますからね。

渡辺 一緒に練習をし始めた頃には、三浦さんはもうONEで戦っていたしね。でも私は格闘技のことは知らないので、ONEがどういう団体なのかも一緒に練習をするようになって知ったんです。でも彼女こそ、一生懸命でしたよ。

──一生懸命の褒め合いになっているので、何か違う三浦選手の特徴はなかったですか(笑)。

渡辺 体が柔らかい。そして、ドンくさい。アハハハハハ。マット運動とかヤバいですよ(笑)。ジャンプもなんかタイミングが変だし、跳べていない。それなのに縄跳びは上手いから、意味が分かんなくて(笑)。

──そこは一緒に練習して解消されたのでしょうか。

渡辺 いえ、ドンくさいままなんです。でも、だから良いところがある。器用にできるわけではないので、一つのことを修得するまでずっと時間が掛っても続けています。そんなことを言っても、自分もBellatorに出始めたころとか技術的には本当にヤバかったですけど……。装備なしで、戦地に出向いているようなモノで。

──正直に申し上げて、自分は渡辺選手を過小評価していました。柔道流のテイクダウンはできても、その形に入るまでの打撃の距離をどう戦うのか。また組まれても、「切れますよ」という選手が米国やブラジルにはいる。Bellator Japanのイララ・ジョアニはともかく、Bellatorデビューとなったアレハンドラ・ララ戦などは、フィジカル&柔道では勝てないと思っていました。

渡辺 たくさんの人がそう思っていたと思いますよ(笑)。

──でも、自分の目は節穴でしたね。

(C)BELLATOR

渡辺 いえ最初のリズ・カモーシェ戦の結果こそ、その予想通りになっていますから。

三浦 あの試合の後から、華奈さんはサウスポーに変えて凄く変わったと思います。しっくり来ている感じで。

渡辺 柔道では右手前だったので、そのまま組めるような感じになって。

三浦 打って入って、差しが反対だとワンテンポ遅れるというか。だから両方できれば良いんですよね。

──以前、米国では組みのオーソも、打撃では一旦は打撃のオーソに前手を変えて指導をすると聞いたことがあります。ストロングハンドを後ろにすることで、打撃の理解が進み。そこからサウスポーが良いか、スイッチヒッターになるのも可能だからと。

三浦 そうなんですね。

────柔道とレスリングは姿勢がまた違うのですが、「レスラーに体を起こさせ打撃が使える構えになっても、前足と同じサイドの左ジャブを打ち込む際に、体重が足に掛かり過ぎる。そうなると相手のテイクダウン狙いに対応できない。なので、まず遠い距離からでも優れた身体能力を生かして打ち込める右クロスを指導する。右のクロスだと、重心を後ろ足に掛けやすく、テイクダウン狙いをスプロールするのも容易くなる。そうやって打撃とは何かを、利き手が後ろの構えで一旦は教えるんだ。そこからサウスポーでもスイッチでも、採り入れれば良い」と今は亡き名コーチ、ショーン・トンプキンスが話していました。

渡辺 なら、オーソを経験していて良かったということになるんですね。

三浦 そういえば浜崎(朱加)さんも、そうだったと聞いたことがあります。最初はオーソで、サウスポーにしたと。でも、本当に華奈さんはサウスポーがハマって結果にも表れるようになったと思います。

──カモーシェ戦後のMMAファイターとしての成長振りは、目を見張るものがあるかと思うのですが、間近で見てきた三浦選手はその辺りはそのように見ていましたか。

三浦 だって日本を代表して戦うなんて、華奈さん以外にいないですよ。その通りになったというか、エリート街道をいっているなと。顔、顔、顔(と渡辺に)、なんて顔をしているんですか(笑)。

渡辺 褒められることはなれていないので、もっとけなして(笑)。

三浦 そんなことできないですよ。Bellatorのファイトウィークって、華奈さんの話を聞くとONEとは違って、本当に大変だったみたいで。リズ・カモーシェ戦の時とか凄かったんですよね?

渡辺 試合直前になってコンタクトは禁止だって、外されました(苦笑)。ウォーミングアップ場も寒くて。全然汗をかけなくて、コロナ禍だったので外も出られない。バスタブもなかったです。米国でも州によって違うし、もちろん国が違うと全然違っていました。

三浦 その点、ONEのファイトウィークは凄く過ごしやすいです。ホスピタリティとか、凄くよくて。

渡辺 だって通訳さんとかいるんでしょ?

三浦 通訳というか、日本人のスタッフもいますし、直接テキストを送ったりとかしてコミュニケーションも取れます。逆に通訳もいない、そんなファイトウィークで戦えるだけ、華奈さんは精神的に強いと思います。

渡辺 まぁ、ぶっちゃけ大丈夫よ。どんな状況でも(笑)。

──三浦選手からサウスポーに構えが変わって、スムーズになったという話がありましたが、ご自身では何が変わったと思っていますか。

渡辺 それまでやってきたことが、出るようになったことはあるかと思います。それ以上に練習環境を変えたことですね。カモーシェに負けて打撃をやらないといけない。そしてテイクダウンの種類を増やさないといけないと凄く感じたので。まだ打撃なんて全然出せていないですけど、あれから週に3、4度ずっとやっているし、隼人さんが来てくれてから試合前はマンツーマンぐらいの勢いでずっと見てもらっていて。

そうやってここ3年を過ごしてきたので、試合前のインタビューで「強化してきたところは?」という質問があると、ずっと打撃とレスリングと言い続けてきたと思います(笑)。自分は色々なことはできないので、そこだけを突き詰めてきました。それが試合でちょっとずつ出てくるようになってきた感じです。

三浦 ちょっとじゃないです。こんなに出るんだっていうぐらい試合毎に変わっています。打撃に関しても、出ないこともあるかもしれないけど、持っているというのがあれば気持ち的に全然違うと思います。

──いわば三浦選手も同じようなことを追求してきたと思います。客観的に渡辺選手の成長を観察することができていますが、自身に照らせ合わせて思うところはありますか。

三浦 いやぁ、もう……。だからこそ、華奈さんのコレを見て出したいなって思うんです。私も首投げ一辺倒でないように。そこはまだ色々な意見を言ってもらうこともありますが、1月の(平田)樹ちゃんとの試合は自分のなかでちょっとずつ出せてきているのかと思いました。試合を決めきることはできなかったことは悔しかったのですが、差してヒジを出すとか、少しは出せたかなと。華奈さんのようにドーンと出せていないですけど(苦笑)。

渡辺 もっとデキるんだよ。私はあんなもんじゃない。

──凄いどや顔ですね。「もっとできる」ということは出せていないのに(笑)。

渡辺 アハハハハハ。

三浦 でも、ホントにもっとデキますよ。華奈さんは。

渡辺 もっとデキるんですけどねぇ……。あんなもん、まだ30パーセントですからね(笑)。

──渡辺選手と三浦選手の違いは、特に直近の試合では首に手を巻いて投げることを相手が怖がるのか、それはもう通じないよという風に戦ってくるのか。その違いもあったかと思います。ONEでもティファニー・テオやシィォン・ヂィンナン戦を想定すると、そこまでセットできないことを考えて首投げ以外のテイクダウンが必要になってくる。ただし、平田選手は組めるし、首投げを嫌がって腰を落とすのだから、すかしてコントロールという流れは何も悪くないです。

三浦 つまり首投げの形に入れない相手と、華奈さんは戦っているということですよね。カモーシェは投げの反応とか、本当に対策練習もしていたと思います。

(C)PFL

渡辺 マジで強かった。

──開始早々のテイクダウン狙いを苦も無く反応してがぶった。奇襲にも反応できるのかと驚きました。

渡辺 実は自分も思い切り入ったので、その当たりで効いちゃったぐらいなんです。

三浦 えぇ!!

渡辺 だから、セコンドには「自分、あの時に何か貰いました?  ヒザですかね?」とかって聞いているんですよ。でも「普通に入っただけだよ」と言われて(苦笑)。

──凄まじい話です。

渡辺 ぶっちゃけていうと、男子選手とやっているような気分になりましたね。あんな風に対応されると。

<この項、続く>

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o PFL キック リズ・カモーシェ 渡辺華奈

【PFL】リズ・カモーシェ×渡辺華奈 レギュラーシーズン試合結果!

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モヒガンサンアリーナで6月14日に開催されたPFL 4: 2024 Regular Seasonに日本から渡辺華奈が参戦。2021年にべラトールで1R35秒でTKO負けを喫した因縁深いリズ・カモーシェと対戦しました。試合はまさかの平日の早朝。。。遅ればせながらU-NEXTで追いかけ視聴しつつ、試合結果をまとめました。


【女子フライ級レギュラーシーズン】
○リズ・カモーシェ(米国)
(3R 腕十字)
×渡辺華奈(日本)
1R、ゴングと同時にダッシュした渡辺がタックル。しかしカモーシェはガブってコントロール。渡辺は亀の体勢でしばらく時間が経過。カモーシェはガブリから首を狙う。しかし渡辺は首を抜いて立ち上がると逆に足を掛けてテイクダウン。だがカモーシェは下から腕十字を仕掛ける。渡辺は何んとか堪えて終了間際にはパウンドで削ってラウンドを終えた。上になっている渡辺だが防戦一方のラウンド。
2R、またしても渡辺はタックル。しかしカモーシェはこれを切って深追いしない。スタンドに戻ると打撃の交差から渡辺はタックル。組み付いて足を掛けたがカモーシェはスタンドでバックに周ってグラウンドに持ち込む。側頭部にパウンド。さらにチョークを狙う。しかし渡辺は脱出してスイープに成功。上から肩固めを狙う。足を抜いてガッチリ極まったがカモーシェは脱出。それでも渡辺はバックに周ってパウンドからチョークで攻め立てるがタイムアップ。渡辺惜しい。このラウンドは取ったか。
3R、開始直後から渡辺は前に出る。カモーシェはカーフキックで迎撃。渡辺はタックルでケージに押し込む。しかしカモーシェの腰は重い。身体が離れた一瞬の隙にパンチの連打。渡辺は効いたか体勢を崩す。カモーシェは腹固めのような体勢に持ち込んでグラウンドをコントロール。脱出した渡辺だが膝を突いたまま動きが緩慢。そこにカモーシェがパンチを打ってくる。慌てて渡辺はタックル。それに合わせてカモーシェは下になってギロンチンチョーク。だが渡辺は首を抜いて脱出。そのままグラウンドで上の体勢。渡辺は上からパウンド。しかしカモーシェは下から腕十字!これがタイトに入ると渡辺はタップ!なんとラスト8秒で一本負け。渡辺はプレーオフのトーナメント進出ならず。無念。


苦手意識があったであろうカモーシェを相手に先手先手を取るアグレッシブな試合運び。肩固めで極める寸前まで追い込む場面もあっただけに悔しい敗戦。しかも、判定になった場合は渡辺が勝ったという見方もあるだけになおさら悔しさが込み上げてきます。

プレーオフ進出はなりませんでしたが、実力的には国際戦でも通用する事を改めて証明してくれたのは何より心強い。この後もPFLに継続参戦するのか、別の道を模索するのか。今後の進路も楽しみです。
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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#04 リズ・カモーシェ 渡辺華奈

【PFL2024#04】まさに死闘!! 渡辺がTDから攻勢も、残り8秒でカモーシェが十字を極めてプレーオフへ

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
Def.3R4分52秒 by 腕十字
渡辺華奈(日本)

ゴングが鳴るやいなや、渡辺がダブルレッグで飛び込んだ。カモーシェがスプロールするも、ガブった相手を渡辺が押していく。カモーシェはケージに足の裏を当てて渡辺の勢いを止めた。ガブりつつ右側に回ったカモーシェは、渡辺をケージに追い込みつつヒザを突き刺す。さらに腰を上げて渡辺の首にテンションを掛ける。ワタナベはケージに背中を着けられたが、カモーシェの手首を取り、頭を下げて立ち上がる。首相撲からカモーシェが左フックを振ると、かわした渡辺が組み、小外刈りでカモーシェをこかして渡辺がトップを奪う。

カモーシェはボトムからキムラ、腕十字を仕掛ける。左腕を取られた渡辺は、腕十字を凌ぎ、腕を潰して完全にトップを奪う。カモーシェはパウンドを受けながらも足を上げていく。ニースライドで右足を滑り込ませた渡辺が、さらに左オーバーフックでカモーシェの動きを封じてパウンドと鉄槌で削り続けた。

2Rもいきなり渡辺がシングルレッグで飛び込んだ。カモーシェはスプロールから離れる。カモーシェの右インローを受けながらも飛び込んだ渡辺は、スタンドで投げの体勢に入るもバックを奪われてしまう。左足を差し込んだカモーシェは、渡辺の頭を前腕で抑えながらパンチで削る。さらにリストコントロールからバックマウントを整えていく。渡辺も体を起こして完全にはバックマウントを許さない。

前に振り落とされるとカモーシェは、渡辺の左腕に対して十字にも入れる体勢に。さらに三角を狙うも、渡辺が足を振りほどきパスを仕掛ける。ハーフガードのカモーシェをパウンドで削る渡辺。左腕を枕にして、肩固めを狙う。ハーフで挟まれた右足を抜き、肩固めで絞め上げる。カモーシェが反転して逃れると、渡辺はバックに回って右腕を首に回してRNCと攻め立てるがラウンド終了のゴングが鳴った。

最終回も開始早々に組んだ渡辺が大外刈りを狙う。カモーシェの右ローを受けてバランスを崩すも、ダブルレッグからドライブした。カモーシェが左腕を差し上げるも、差し返した渡辺がシングルレッグへ。カモーシェは渡辺の頭を押さえて立ち上がる。カモーシェのパンチを受けて動きが止まる渡辺。しかしカモーシェの足に食らいつく。立ち上がった渡辺の顔面をカモーシェの左が捕らえた。ダウンしながらも渡辺はシングルレッグで組みつく。

クルスフィックスからカモーシェが立ち上がると、渡辺はダメージがあるのか立ち上がれない。しかしカモーシェが突進すると渡辺はスタンドへ。パンチを受けながらもグラウンドに持ち込む。カモーシェのギロチンを外した渡辺は、ハーフガードを取る相手をパンチで削ってパスを狙う。カモーシェの潜りを潰したが、フルガードに戻された。カモーシェがボトムから右ストレートを当てる。渡辺も左右パウンドを振るう。カモーシェはケージ際まで下がり、左腕を取って腕十字へ。渡辺は立ち上がるも腕を抜けず、タップした。試合時間残り時間8秒のフィニッシュとなった。

倒れ込む渡辺を抱えたカモーシェがキスを贈る。まさにリーグ戦を超えた二人の大激闘——渡辺にとってはリベンジならず。カモーシェは4Pを獲得して合計7Pとし、プレーオフ進出を決めた。


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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#04 UFC ジェナ・ビショップ タイラ・サントス リズ・カモーシェ 渡辺華奈

【PFL2024#04】PFLの匙加減、ズバリ!! 2位と3位の対戦は、サントスがビショップ下すも9点止まり

<女子フライ級/5分3R>
タイラ・サントス(ブラジル)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ジェナ・ビショップ(米国)

距離をすぐに詰めて右ミドルハイを見せたサントスが、左右のフックで前に出る。組んだビショップだが、逆にケージに押し込まれる。小外をかわし、体を入れ替えたビショップ。ケージ際で、ポジションの入れかわりが続く。サントスの首相撲に、ビショップはレベルチェンジでダブルレッグからバックに回る。サントスは即、正対してついに小外刈りでテイクダウンに成功。クローズドガードからハイガードを狙ったビショップに対し、サントスは胸を張って勢いのあるパンチを落とす。

頭を下げて鉄槌に切り返したサントスをビショップが下から殴る。サントスは振りかぶって右パウンド。ここからボディを連打されも、クローズドを開かないビショップはラウンド終了までボトムに居続けた。

2R、左を伸ばすビショップに対し、右インローを蹴るサントス。両者、荒い打撃戦のなかでサントスがヒザをボディに入れる。腹を蹴られた状態でクリンチに持ち込んだビショップが両ワキを差して、ケージにサントスを押し込む。ダブルレッグに切り替えたビショップ、サントスは尻もちをつかされて即スクランブル。レッスルアップからボディロックも、ビショップは腰の乗せて投げを狙う。ビショップは左腕を差して、ケージに押し込んでいたが、体を入れ替えられる。

ランク2位と3位の力のこもった攻防、元UFCタイトルコンテンダーは結果的にボディロック&小外で倒し、サイドで抑える。足を戻し、ラバー狙いのビショップは疲れがうかがえる。サントスもガードの中で息を整え、一旦はボーナスPは除外し勝利を目指すという心境か。サントスは初回と同様にトップで、ラウンドを戦い終えた。

最終回、左カーフのサントスが右ミドルを蹴る。ビショップが左に回りつつワンツー。ローから右を狙うサントスに、果敢にワンツーを振るい組もうとする。サントスも左に回りながら、ジャブを伸ばし右前蹴りへ。ビショップも左で打っていくが、サントスがカウンターを合わせる。さらに三日月を入れたサントスが、右インロー。ビショップのワンツーフックに組みつくと、ケージ押し込む。とビショップは逆に大内刈りでテイクダウンを決めると、マウントを奪う。鉄槌に背中を見せたサントスは、ボディトライアングルに捕えれるもアゴの上からRNCは防御する。

やや背中がずれており、絞めをセットしきれないビショップは残り30秒で胸を合わされる。ハイガードも防がれたビショップは、逆転一本勝ちの機会を失いタイムアップに。6P獲得同士の潰し合いは、意外にもスプリットに割れたがサントスに凱歌が挙がった。

結果、サントスが9Pで暫定首位、ビショップは6Pのまま──渡辺華奈とリズ・カモーシェは3Rフィニッシュ勝利でプレーオフ進出が確定する。PFLのスクリプト、いやマッチメイクの秀逸さが分かる流れとなった。


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BELLATOR o PFL UFC キック タイラ・サントス 渡辺華奈

PFL2024#4:第4試合・イララ・ジョアニ vs. シェイナ・ヤング

女子フライ級リーグ戦。ジョアニ8位・0点、ヤング10位・-1点。

Bellator最終ランキングで10位のジョアニ。当初はPFL出場メンバーに入っていなかったが、デニス・キールホルツの欠場で代役出場。リーグ初戦はタイラ・サントスとの対戦で、テイクダウンを取られると一方的に攻められ、立とうとしたところでバックを取られてチョークで一本負け。30歳。

UFCヤングはチャレンジャーシリーズを経て、PFL本戦メンバーとなったが、計量失敗でリーグ戦ポイントは減点1。渡辺華奈にグラウンドに持ち込まれて一方的に攻められるも、フィニッシュは許さないという一番厄介な戦いぶりで判定負けしている。すでに体重オーバーで減点されているため、3点対決のカモーシェ vs. 渡辺がドローにならない限り、1Rフィニッシュ勝利しても決勝進出はできない。30歳。

両者オーソドックス。パンチを振るジョアニ。組んできたヤングを引き剥がす。大振りのパンチで出る。ジャブ。カーフキックから左右のフック。ミドル。左ハイ。飛び込んでパンチを入れるジョアニ。ヤングは攻撃がヒットしていない。組んだヤング。ケージに押し込む。ジョアニ背中でクラッチして入れ替えた。残り1分。ジョアニも1Rフィニッシュが必要。外掛けでテイクダウンしたジョアニがパウンドを入れる。打たれながら立ったヤング。ジョアニバッククリンチからまた足をかけて倒した。倒され際に入れ替えて上を取ろうとしたヤングだがジョアニ下にならず立った。ゴング。

1Rジョアニ。これで決勝トーナメント進出の可能性がほぼ無くなる。

2R。ジャブをヒットしていくジョアニ。ジョアニのインローにヤングがジャブを合わせる。ジョアニが飛び込んでくるところにパンチを合わせるヤング。組んでいくが引き剥がしたジョアニ。ヤング距離を詰めてパンチを入れる。ジョアニも打ち合う。ヤングタックルに切り替えてテイクダウン。ハーフバックジョアニが立ってスタンドバックの体勢でゴング。

2Rもジョアニ。

3R。もう両者決勝トーナメント進出の可能性がない消化試合に。ジョアニ手が出なくなった。ヤングのパンチがヒットしバランスを崩したジョアニ。ヤングがジャブを入れていく。両者見合いが増える。ジョアニの左ミドルをキャッチしたヤングがテイクダウン。押さえ込もうとする。立とうとしたジョアニからバックマウント。しかし時間がない。仰向けで背中のヤングにパンチを入れていくジョアニ。タイムアップ。

30-27×2、29-28の3-0でジョアニ勝利。リーグ戦ポイントは3点のみ。

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【PFL2024#04】プレーオフ進出へ、カモーシェと再戦。渡辺華奈「リーグ戦を超えた大きな意味を持つ」

【写真】ポジティブな空気と日差しの恩恵を受けているような渡辺。良い空気感です (C)TAKAO UEDA

13日(木・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナでPFL2024#04が開催される。今大会ではヘビー級と女子フライ級でシーズン2戦目が実施され、渡辺華奈とリズ・カモーシェが対戦する。
Text by Shojiro Kameike

PFL2024年シーズンの初戦となった今年4月のシェナ・ヤング戦では、計量オーバーの相手に判定勝ちを収めて3Pをゲットした。プレーオフ進出を賭けた2戦目で、3年前に敗れているリズ・カモーシェと対戦することに。ここでまさかの再戦が実現するとは――改めて渡辺にPFL初戦の感想と、念願ともいえるカモーシェ戦への想いを訊いた。


『まさかココで当たるのか』と(苦笑)

――今回がPFL2戦目となります。4月の初戦では、まず対戦相手であるシェナ・ヤングに計量オーバーがありました。ペナルティとしてヤングはリーグ戦のポイントがマイナス1、そしてファイトマネーの一部が渡辺選手に与えられる……そこはリーグ戦のポイントが与えられないのかと思いました。

「そうなんですよ。相手がマイナス1ポイントなら、そのポイントを私に欲しかったです(笑)。相手がマイナス1ポイントだと、私以外のファイターも得するわけじゃないですか。私は体重オーバーの相手と戦うことで損をするのに」

――ファイトマネーの一部を貰えても、その金額が何百万円になることは稀でしょう。一方、優勝賞金100万ドルが賭かっているわけで。

「アハハハ、ファイトマネーの額なんて選手によって違いますしね。でも、そういうルールなので仕方ないと思うことにはしましたけど。柔道だとトーナメントで計量オーバーだと、その時点で終了ですよ。でもこの試合だけキャッチウェイトで、リーグは引き続き出場できるんだなって(苦笑)」

――試合で相手の計量オーバーの影響、たとえば「重いなぁ」と感じましたか。

「若干ですけど『重いな』って感じました。でも思っていたほどは重くなかったです。ヤングが上になった時、いつもの試合よりも相手が重いなと感じたぐらいですね」

――相手がギリギリまで体重を落としているか、それとも途中で諦めているかによっても、試合当日に何キロ戻っているかも変わってくるように思います。

「計量前日、ヤングのSNSを見たら『63キロあり、今から地獄の減量が始まる』みたいなことを書いていたんですよ。その投稿からSNSが更新されずに……だから計量当日は『やりやがったな』と思いました(苦笑)」

――それでも試合は出場できますし、海外の場合は『試合が成立したのだから何なの?』という割り切り方も凄いです。良くも悪くも、それが海外で戦うということなのだなと。

「凄いですよね。最近はビックリするぐらい、MMAでも計量オーバーが多いじゃないですか。選手も『お金を払えば良いんでしょ』みたいな感じで」

――柔道というオリンピック競技をやってきた渡辺選手からすると信じられませんか。

渡辺が125.75ポンド、カモーシェが126ポンドで計量クリア。左が本計量、右がセレモニアル。渡部はメイクが変わったぐらいしか変化がない? 対してカモーシェの腰回りにリカバリー感を感じるのは考え過ぎか(C)PFL

「信じられないです。

私たちの時代は、計量オーバーだと試合に出場できないのはもちろん、日本では一発で全日本強化選手から外されていました。柔道も今は大会前日の夜に計量が行われていて。でも大会当日にランダム計量があるんですよ」

――ランダム計量とは、大会中に抜き打ちで計量が行われるのですか。

「試合直前に各階級で何人かランダムに選ばれて計量するんです。『自分の階級の5パーセントまでしか増やしてはいけない』というルールがあって。だから体重を戻そうとリカバリーもできないし、過度の水抜きもできないです。水抜きをすると、どうしても大幅に体重が戻ってしまうことがありますからね」

――MMAと柔道、プロとアマを単純に比較することはできませんが、それがオリンピック競技に臨む選手たちの考え方なのですね。

「柔道では水抜きをしている選手はいないと思います。最後の1キロとかはあるかもしれないけど、MMAファイターのように3~5キロを水抜きで落とすことはないですね。自分も今でも、それほどの水抜きはやっていないです。試合が決まった時から減量を開始して、2カ月ぐらい掛けて落としていきますから。

私もMMAを始めて一度、体重調整では大変だった時があったんですよ。ホテルにバスタブがなかったり、アップ会場もメチャクチャ冷房が効いていて。その時は試合間隔が短くて減量も大変でした。それ以降は結構、余裕を持って体重を落とすようにしています」

――いつ試合があるか分からないのも大変ですが、PFLのように短いスパンで定期的に試合があるのも難しいのですね。どちらが適しているのかも人によって違うようですし。

「自分の場合は、試合間隔が空いていたほうが良いんです。今回は4月の次に6月なので、減量という減量はせずに体重を維持していました。前回の試合が終わって、帰国後からすぐに練習を開始して。しかも追い込み練習をしていたので体重も増えなかったです」

――なるほど。PFLの話に戻すと、3Pスタートという点については…。

「やはり6Pを取っておきたかったです。1Rから狙いに行って、まず1Rで極めることができなかった。2R、3Rも取り切れず、消耗してどんどん極めづらくなっていきました。相手のディフェンスも巧かったですね。細かいポイント――たとえばバックコントロールの時の位置などをズラされていました。

ただ、ぶっちゃけポイントについては、そこまで深くは考えていなかったです。PFLのフォーマットとしてリーグ戦であり、プレーオフはトーナメントですけど、自分にとってはあくまで一つの試合であって。あまり周りのことは考えず、自分のベストを尽くすことを考えていました。だから一つの試合として考えて、一本を取れなかったことが悔しいです」

――続く2戦目の相手が、リズ・カモーシェになると思っていましたか。

「できればプレーオフ決勝で当たりたかった――とは思います。プレーオフまではリーグ戦だけど総当たりではない、という時点でどうなるかは分かりませんでした。それにしても『まさかココで当たるのか』と(苦笑)」

――初戦で渡辺選手もカモーシェも3Pを獲得しています。対して上位3人はいずれも6Pという状況のなか、3P同士を当てるとは……。

「もう主催者のさじ加減ですよね(苦笑)。潰し合いさせられているのかな、とは思います。あわよくば二人とも消えてほしいのかな――って。完全に推されている選手が一人いるじゃないですか。みんな『今回のマッチメイク、どうなの?』と言われることも多くて。

私とカモーシェが試合をして、どちらが勝つにせよ判定決着なら3P……合計6Pでプレーオフに進めない可能性が高いです。ここで負けても6P、という選手もいますからね。0P同士の試合もあるし、なかなか面白いですよ(笑)」

――渡辺選手とすれば、次は6Pの選手と対戦すると思いますよね。

「はい、6Pの選手と試合したかったです。それがまさかのカモーシェが相手で」

ジムの仲間たちに『このジムで頑張っていたら世界でも通用するんだ』と思ってもらえるよう

――次の試合はクイックシックスでないと、プレーオフ出場は厳しくなります。もちろん上位3選手の試合内容次第ではありますが。

「私もカモーシェも、フィニッシュしないといけない。当然クイックシックスのことも頭にはあります。でもそれ以上に、私の中ではリーグ戦を超えた大きな意味を持つ試合なので。この試合に全てを賭けるつもりでやってきました。フィニッシュを狙うことはもちろんですけど、何が何でもカモーシェに勝つという気持ちのほうが強いです」

――Bellator時代とPFL時代で、カモーシェのファイトに変化はありましたか。

「ヴェラスケス戦ではクイックシックスを狙っていたことも大きいのでしょうけど、雑なところが多いと思いました。あとは今までの試合を視ていると、下になると苦手ですよね。上になると強いけど、テイクされて下になると巻き返せなかったりすることもある。そこがウィークポイントかなと思っています。あとはカモーシェ自身が前に出て来るので、逆に前に出て来る相手も嫌なのかもしれません」

――対して、渡辺選手は初戦から何が変わりましたか。

「全部ですね。変わっていないところがない、というぐらいですよ。打撃もまず構えから変わっていて、レスリングのテイクダウンも向上してきたので。

3年前、カモーシェに負けて『もっと打撃をしっかりやらないといけない。テイクダウンもバリエーションを増やさないといけない』と思って、ここまでやってきました。……とにかく組みたいです。前回は組めなかったので。組んでカモーシェの強さを感じたいです」

――3年前は1ラウンド35秒TKO負けで、渡辺選手としては『出し切れなかった』という想いが強いですか。

「それは強いです。内容は何も言えないぐらいの完敗でした。同時に自分がやってきたことを出し切れなかった悔しくて、そこからマインドを変えたんです。勝つことはもちろん、出しきる。出しきったうえで負けたら、それは仕方ないから。とにかく自分がやってきたことを出し切る、ベストを尽くすというマインドに変えてきました。

この試合に関しては、いろんな想いがあります。日本で練習していては海外で勝てない、という人もいるじゃないですか。海外では練習していない自分が勝つことで、日本で格闘技をやっている人たちが『日本で練習していても勝てるんだ』と思ってもらいたい。特にジムの仲間たちに『このジムで頑張っていたら世界でも通用するんだ』と思ってもらえるような、道になりたいです。日本のMMAを明るくできるように、全力を出し切って勝ちます」

■視聴方法(予定)
6月14日(金)
午前6時15分~U-NEXT

■ PFL2024#01対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ヴァレンティン・モルドフスキー(ロシア)
リントン・ヴァッセル(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ダコタ・ディチェバ(英国)
チェルシー・ハケット(豪州)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
チアゴ・マヘタ・サントス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
渡辺華奈(日本)

<女子フライ級/5分3R>
タイラ・サントス(ブラジル)
ジェナ・ビショップ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
オレッグ・ポポフ(ロシア)
デヴィオン・フランクリン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルセロ・ゴルム(ブラジル)
タイレル・フォーチュン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
イララ・ジョアニ(ブラジル)
シェナ・ヤング(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ダニーロ・マルケス(ブラジル)
ティム・ジョンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国)
リサ・マールディン(米国)

<女子フライ級リザーブ戦/5分3R>
スミコ・イナバ(米国)
サライ・オロスコ(メキシコ)

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【PFL2024#04】シーズン2戦目、渡辺華奈戦へ。リズ・カモーシェ「カナから3Pを取るのは難しい」

【写真】非常に朗らか。ソフトな口調で、笑顔を絶やさす言いたいことは言ってくれるリズ姉でした!! (C)MMAPLANET

13日(木・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナでPFL2024#04が開催され、ヘビー級と女子フライ級でシーズン2戦目が実施され、リズ・カモーシェが渡辺華奈と対戦する。
Text by Manabu Takashima

4月のシーズン初戦でジュリアナ・ヴェラスケスとの3度目の対戦を制したカモーシェだが、シェナ・ヤングを下した渡辺と同様に判定勝ちで獲得ポイントは3に留まっている。フィニッシュ重視、ボーナスポイント制を敷くPFL。初戦で彼女たち以外の勝者は初回フィニッシュ勝利を挙げており、6Pを獲得している。結果、カモーシェはプレーオフ進出圏内ギリギリの4位で、渡辺は5位という状況にある。判定勝ちでは計6Pまでしか積み上げがなく、他の試合結果にもよるが2人揃ってボーナスP──つまりフィニッシュが必要な状況に置かれている。

3年前に対戦経験のある両者、前回の試合ではカモーシェが僅か35秒で渡辺を下している。しかし、その後の渡辺の成長を誰よりも認めているのがカモーシェだった。ファイティング・エンタータイメント、公平性に欠く面も見られる渡辺との再戦を前にカモーシェに話を訊いた。


与えられた相手──つまりカナに勝つしかない

──ハロー、リズ。

「オハヨウゴザイマス」

──おはようございます(※取材は日本時間で5月29日の午前3時に行われた)。リズ、渡辺華奈選手と2週間後に戦います。今の調子を教えてもらえますか。

「心身ともにとても良い状態よ。カナのような才能があって尊敬すべき選手と戦えるのだから、凄く楽しみで。彼女とケージをシェアできることは光栄の一言ね」

──4月のジュリアナ・ヴェラスケス戦はしっかりと勝利を手にしましたが、PFLのシーズンフォーマットはポイントを頭に入れないといけません。特にリズは女子フライ級の最終試合で、既に3人の勝者がボーナス3Pを手にしていました。

「そうね(微笑)」

──この状況で、とにかく勝負を急いでいるようにも見えましたが……。

「私はこのシーズンフォーマットは気に入っているわ。フィニッシュを狙うということは、判定勝ち狙う試合よりもエキサイティングなモノになるから。ポイント制がファイターをよりプッシュするのも良いこと。ただし、このプレッシャーがストレスにもなるのは確かよ。

前回の試合が15分間続いてしまったことに関しては、納得していないわ。どのラウンドでも私はフィニッシュを狙っていたけど、できなかった。だから、今回のカナとの試合は少しでもポイントを多く取れる試合にしないと」

──対戦相手もフィニッシュを狙ってくると、逆にフィニッシュできるチャンスも増えます。対して、相手がサバイブに徹するとボーナスポイントを獲得することが難しくなります。

「私はUFCを離れてからは、以前よりずっとフィニッシュするというプレッシャーを感じて戦ってきたわ。UFCでは5試合で勝ったけど、4試合が判定勝ちだった。それがUFCをカットされた原因だと思っている。私にはフィニッシュが必要だった。Bellatorで戦うようになって、全ての試合でフィニッシュをすると強い気持ちで戦っているわ。

それもあってBellatorがPFLに買収されても、私は契約が切られることはなかった。より強い気持ちで、フィニッシュして勝とうと戦ってきたから」

──そんなシーズンフォーマットも2試合しかないので、ボーナスポイントの獲得を考えると、リズがジュリアナ・ヴェラスケスと初戦で戦うのは、不公平のように見えました。

「アハハハハ」

──個人名を挙げるのは避けますが、PFLは明らかにプレーオフ進出を期待しているファイターがいますね。

「アハハハハハ。まず、ジュリアナと3度目の戦いが初戦で組まれたことは凄く驚いたわ。彼女もずっとBellatorで戦ってきて、PFLのシーズンに参加するだろうと思っていた。でも、私の対戦相手になるということは頭になかったの。ファンの注目を集める試合だったら、カナかタイラ・サントスになるんじゃないかと予想していて。だからジュリアと3度目の対戦が組まれた時は、本当に驚いたわ。

多くの人が私とジュリアナのマッチアップは、アンフェアだと感じていたはず。そして、2戦目で私とカナが戦うことに関してもね(笑)。でも私たちは絶対に勝たないといけないし、フィニッシュしないといけない。より興味深い顔合わせになったという考え方もできるわ。そういう試合で勝てば、満足度も高くなるということを合わせて考えてもね」

──とはいえ、プレーオフのトーナメント戦ではランキング1位とランキング4位が戦い、2位と3位が戦う。そこをベースに2試合も1位と10位が戦い、2位と9位が戦う。5位は6位と──というような感じで組まれるという話も聞かれていました。

「それだと私は7位のチェルシー・ハケットと戦い、カナはジュリアナとの試合になったということね」

──ハイ。ところが蓋を開けてみると、リズが5位の渡辺選手と。ばかりか2位のタイラ・サントスは3位のジェナ・ビショップと潰し合う。でも1位のダコタ・ディチェバは7位とチェルシー・ハケットが相手になりました。まぁ、全く公平性はないですよね。

「アハハハハハハ。ホンットにそうね。私も困惑したわ。でも、こういうものなのよ。ポイントシステムとかランキングシステムって、ポイントや順位が別に反映されないもので。レスリングでも、凄く似ている状況だったし。拮抗した試合を組もうとするところは、レスリングのトーナメントととても似ているわね。だからそこの文句を言ってもしょうがないし、私がコントロールできるモノでもない。だからこそ、与えられた相手──つまりカナに勝つしかないわけで」

フィニッシュを狙うだけ。それこそが今の私のファイトスタイルだから

(C)BELLATOR

──前回の渡辺選手との試合は3年前、35秒で勝利しました。

あの敗戦後の渡辺選手の成長について、どのように感じています。

「カナは本当に強くなっている。あの時のような試合になることは絶対ないと、私も気を引きしめているわ。カナはそれだけの結果を残してきたし、判定負けした試合も私からすれば彼女が勝っている試合だった。おかしな裁定で、負けたに過ぎない。

カナはスタンドが成長することで、グラウンドもリラックスして戦えているし、元々のベースだった柔道までもがMMAでより強くなっている。苦手な部分と、得意だった部分が揃って成長できるファイターって本当に少なくて。でも彼女はソレがきている。だからこそ、前回のようにはいかないという覚悟を持っているわ」

──ただし、この試合は両者とも3Pでは十分でないという状況で戦うかもしれないです。もちろん、それまでに終わっている他の試合の結果にもよりますが。

「私はフィニッシュを狙うだけ。でもカナから3Pを取るのは難しいと思っている。それでも2Rでも、3Rでもフィニッシュを狙う。それはポイントを取るためだけでなくて……結果としてボーナスポイントを得てプレーオフに近づけるだろうけど、それこそが今の私のファイトスタイルだから。Bellatorに移ってから、前回の試合まで判定勝ちは2度しかしていないように。

その2つの試合相手はヴェネッサ・ポルトとジュリアナだったけど、彼女たちは勝負どころで勝負を避ける。そういう試合をしてきたから判定になってしまった。でもカナもフィニッシュを狙ってくるから、今回の試合は判定にはならない。試合を終らせる、フィニッシュするわ」

──ポイントを狙うのは渡辺選手も同じでしょう。その上で打撃だけでなく、組みの面も踏まえて防御面の大切さをどのように考えていますか。

「テイクダウンからネガティブ・トップという試合になることが、一番嫌がれると思う。と同時に、カナが私に打撃戦を仕掛けることはないはず。立ち技でも寝技でもアドバンテージは私にある。それを証明するファイトにしてみせるわ」

──自信は十分過ぎるほどある……ようですね。

「カナほど成長著しいファイターはいないわ。でも、勝つのは私。それは、前の試合からの成長度合は私の方が上だと思っているから」

──日本人ファンとしては、リズと渡辺選手のファイトはファイナル、せめて準決勝で見たかったという心情かと思います。

「私もそうよ。カナとは決勝で戦いたかった。本当に彼女のことをリスペクトしているから。それに私は沖縄で育った。ファイナルで日本をバッグラウンドに持つ2人が戦うことで、あの素晴らしい、ファイターをリスペクトする文化を世界の人達に伝えることができたはずだから。

でも、私たちの試合がファイナルで行われることはない。私がファイナルに進んでも日本の一部を共有している人間……沖縄で成長し、日本のカルチャーが体に沁み込んでいる人間が決勝を戦うんだと思って、日本のファンの皆には楽しんでほしいと願っているわ」

■DEEP Tokyo Impact2024#03視聴方法(予定)
6月14日(金)
午前6時15分~U-NEXT

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