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最古の格闘技が凄すぎる。レスリング全日本3連覇RIZINファイター泉武志が登場

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【DEEP121】福田龍彌✖瀧澤謙太、江藤公洋✖野村駿太。2階級のタイトル戦と、粒ぞろいすぎる2回戦!!

【写真】RIZIN枠を考慮し、旬を逃さないカードが組まれているDEEPだ(C)MMAPLANET

23日(火)、DEEPより9月16日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121 Impactの対戦カードが、タイトルマッチ2試合を含み、11試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

ベルトが懸かった試合は、バンタム級王座決定戦=福田龍彌×瀧澤謙太、そしてライト級チャンピオン江藤公洋に野村駿太が挑戦する2試合だ。


フライ級王者でもある福田は、5月に元谷友貴とバンタム王座決定戦に出場予定だったが、タイでの練習中に肩鎖関節脱臼で欠場となっていた。

対する瀧澤は14日の後楽園ホール大会でDEEP初出場を果たし、COROに判定勝ちを収めている。試合後のマイクでは「DEEPのベルトを獲ってRIZINにリベンジしにいく」と宣言していた。超RIZIN後、9月以降のRIZIN参戦を目指し、ベルトを切符代わりとしたい瀧澤だが、CORO戦はテイクダウンを警戒して慎重なファイトに終始していた。

福田はいわば、命のやり取りをする覚悟で日々の練習をし、ケージに上がっている。そんな福田を凌駕するには、同じ戦意を持ち福田のフィールドに足を踏み入れる必要がある。それができれば、瀧澤の天賦の才といえる当て勘が活きてくるはずだ。

対して、福田としてはやはり負傷の復調具合が気になるところ。筋や腱に傷が及んでいれば、完治までそれ相応の期間は必要となる。それでも福田の性分からして、五体満足になることを欲して、試合機会を減らす選択はしないはず。つまりは完治しなくとも、瀧澤と斬り合い──セッションを求めるのであれば、このタイトル戦は福田にとってリスクが高いファイトとなる。

ライト級戦タイトル挑戦者の野村はDEEP120で泉武志から逆転TKO勝ちを収め、江藤へのリベンジと挑戦をアピールしていた。昨年7月に江藤のテイクダウン&コントロールに屈した野村は、泉のテイクダウン&コントロールを跳ね返したことで、自信を確信に変えてベルト獲りに挑む。

チャンピオン江藤は3月にイ・ソンハをRNCで下して以来、半年ぶりの実戦となる。RIZIN、海外再進出を模索する江藤はとにかく強さを見せての防衛が必要となってくる。

そんな江藤への挑戦に向け、泉を下した直後の取材で野村は以下のように話していた。

「来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」(野村駿太)

──2日前のGladiator Challenger Seriesに出場したジムの後輩、南友之輔選手が右ストレートから左フックで強烈なKO勝ちを収めました。あのKOを見て、先輩としてやらないといけないという気持ちになったのでは?

「バリバリなっていました。『コイツ、やってくれるなぁ』みたいな(笑)。『野村さん、繋ぎました』とか言ってくれて。試合の流れも逆転勝ちで、変なところまで同じでしたね。友之輔がBRAVEに加わってくれたところで、自分がやって行くべきことのなかで、空手の良さも再発見することができました。

友之輔がやろうとしていることも、僕のなかで刺激になっています。木村(柊也)や南を見て、自分も『コイツらに負けていらない』という風になりますし。あの2人が、自分を手本にしたくなるような選手に、自分はなっていかないといけないです」

──泉選手を返り討ちしたことで、江藤選手への挑戦権を手にしたかと思います。同じテイクダウン&コントロールにしても、江藤選手のソレはより柔軟に包み込んでくるようなイメージがあります。

「そこは1度、触れているので。自分のなかで江藤選手と戦うなら、どうすべきが分かっている部分はあります。今日みたいにやられないように戦ってしまうと、また去年と同じになってしまうので、自分から仕掛けていっても良いと思っています。そこをタイトル戦で見て欲しいです」

──一発、右アッパーを被弾して下がらされました。

「攻め気でいた時に、自分の流れに持ちこみ過ぎようとして……余りない形のアッパーを貰いました。打撃が上手な人と練習をしていると、あのパンチはなくて。でも、喧嘩のような動きのパンチを貰ったのは反省材料です。変に自分のなかで貰わないという自信があって、それが慢心になってしまっていたかと思います」

──以前よりも、そして泉選手と比較しても、江藤選手は貰っても怯まないようになってきたようにも感じます。

「そっちの方が戦いやすいです。気持ちを強く持ってくれているほうが、向かい合ってくれるでしょうし。ビビッて距離を取られる方が面倒くさくなるので。変に自信を持ってくれている方が、術中にハメやすいです。来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」

──打撃でなく、テイクダウンでも出てくる方が戦いやすいですか。

「逆にソレしかしてこないと思っています。泉選手には失礼な言い方になってしまいますが、あのスタイルでさらに強化されているのが江藤選手です。なので、今日は攻め込まれる場面があって良かったです。今日の経験を生かして、煮詰めていけばさらに成長できると思っています」

なお今回の発表ではメガトン級の水野竜也×大成が3回戦で組まれることが明らかとなっている。また関原翔×杉山廣平のフライ級戦、涙の引退から約1年で復帰の渡部修斗もフライ級でKENATと知りなおしの一戦。五明宏人✖相本宗輝のフェザー級戦。バンタム級ではルーツは立ち技同士、ムエタイ=雅駿介×キック=谷岡祐樹、同じくバンタム級で力也×禊の鹿志村仁之介。WardogからRIZIN、GRALDIATOR、HEX FSを経てDEEPストロー級戦線に辿り着いた中務修良✖Blackcombatでの勝利で6連勝中の多湖力翔のマッチアップ──と、粒が揃い過ぎている2回戦6試合も決定している。

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45 DEEP DEEP120 J-CAGE Report ブログ 泉武志 野村駿太

【DEEP120】野村の右がさく裂!泉に3RTKO勝利でタイトル戦をアピール、王者・江藤もそれを承諾

<ライト級/5分3R>
野村駿太(日本)
Def.3R0分32秒 by TKO
泉武志(日本)

野村がワンツー、四つ組みになると泉がテイクダウンを奪う。野村は右手をマットについて身体を起こして立ち上がる。泉はそのままスタンドでバックについて、野村の左足に自分の左足をフックする。泉は野村の動きに合わせて足のフックを変えて、自分の右足を野村の右足に深くフックしてクラッチ。さらに左手で脇の下から野村の左手を持つ。

この態勢から泉が右のパンチを下から入れて、持ち上げるようにテイクダウンを狙うが、野村は倒れない。野村は右のバックヒジを入れ、イズミは左腕を深く入れてRNCを狙う。ここで野村が正対して、ボディにヒザ蹴り。距離が離れると野村がプレッシャーをかけてジャブから右アッパー、右フック。組みの攻防になると野村が泉をケージに押し込む。

2R、野村が左フックから右、飛び込むような右ストレート、ワンツー。泉がダブルレッグに入って組みつくと、野村がケージに押し込んでヒザ蹴り。離れると野村が右カーフと左ハイキック。泉が右フックから組みつくが、野村が離れる。野村が右ストレートと右カーフ。泉は組みのフェイントを入れて右アッパー、そのまま組みついてシングルレッグからテイクダウンする。

野村も足をクラッチさせずにスイッチを使って逃げようとするが、泉は組み続けてバックについて右足をフックする。泉は1Rと同じように対角線の左手を取ってポジションキープして細かくパンチを入れる。残り1分で泉が左手を入れてRNCを狙うが、野村も腕を外す。終了間際に再び泉が左腕でRNCを狙うが極まらない。

3R、プレッシャーをかける野村が右ハイキック。さらに野村はジャブから左手で泉の左手をひっかけ、泉のガードを下げさせたところに右ストレートを叩き込む。これで泉の動きを止めると、野村はすぐに左フックを打ち込み、これで泉が前のめりに倒れる。すぐに立つ泉だが野村がそのまま後ろについて泉にパンチを連打し、レフェリーが試合を止めた。

試合後、野村は「心が折れそうな時にみんなが声を出してくれて頑張れました。今日倒し切れたのは僕が上に行くべき存在だからだと思います。江藤選手、次タイトルマッチお願いします」とライト級王者の江藤公洋に対戦アピール。ベルトを持った江藤がケージに上がると「試合見てました。見事な逆転劇だったと思います。タイトルマッチ受けます。それまでにしっかり自分も準備するので楽しみにしていてください」と野村の挑戦を受けると宣言した。

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【DEEP120】体重超過の神田コウヤと対戦する木下カラテが語っていた──ハマるパンチと空手論

【写真】これが加藤丈博流ハマったパンチ。この湾曲に注目 。そしてゴツイ拳だ(C)MMAPLANET

本日14日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTで木下カラテが神田コウヤと対戦する。しかし、昨日の計量の結果、再計量でも1.9キロオーバーだった神田のイエロー2枚からスタートし、木下が勝利したケースのみ公式結果として認められるという変則マッチとなってしまった。
Text by Manabu Takashima

(C)TAKUMI NAKAMURA

格闘代理戦争のワンマッチで、ユン・チャンミンから見事なKO勝ちを収めたことでデビュー前から注目を集めていた木下。

だが修斗では打撃の強さを警戒されることとなり、厳しい状態が続いた。4年間で戦績は5勝6敗1分──しかし、2023年5月にからDEEPに戦場を変えると、RIZINでの久保優太戦こそ黒星を喫したが、DEEPフェザー級戦線では3連勝、3試合連続でフィニッシュ勝利と、結果だけでなくパフォーマンスそのものも変化している。

畠山祐輔、梶本保希に続き、タイトルコンテンダーの五明宏人を倒し、タイトル挑戦が見えてきた木下に変化、進歩について尋ねた(※取材は10日に行われた)。

すると空手家時代、そして今も師であり続ける武心塾・加藤丈博師範の「ハメる」論理を掴み、空手への理解を深めたことが好調の裏にあることが分かった。


──MMAPLANET初インタビューとなります。いきなりですが、DEEPで戦うようになってからの勢い。どのような変化が木下選手のなかであったのでしょうか。

「修斗で児山(佳宏)選手と戦って1RTKO勝ちができて、良い勝ち方ができたと思ったら、次の竹原魁晟戦(2022年10月)で酷い負け方をして。あの時に大沢(ケンジ)さんから、『層の厚いDEEPで戦って、より厳しい状況においてしっかりとやっていかないか』というようなことを言われたんです。

それから練習でも細かい部分を意識していくようにして、練習以外でも自分を変えよるようになりました。そうですね、ケージって戦う人間の人となりが出ると思うんですよ。今でも(江藤)公洋さんや大沢さんから『後片付けができない』って指摘されるんですけど(苦笑)、そういう部分ですね。やることは早く済ます……とか」

──つまり普段の自分を律するようにしたと。

「そこまでじゃないんですけど、普通のことを普通にできるように……ですね(苦笑)」

──普段の自分を変えることで、ここまで戦績も良くなった?

「人となりを気にすることで、練習への集中力が変わりました。打撃も組みも細かいところまで気にするようになって。何より練習の時から、本番に挑むイメージを持つようになったんです。やっぱり試合と練習は気持ち的にも違うので、そのズレを少なくするようにしました。

あと打撃の方では、自分の打撃の基礎は武心塾の加藤丈博(1991年、全日本ウエイト制中量級準優勝、第5回全世界空手道選手権日本代表。ボクシングでも活躍し、空手家としてMMA=パンクラスにも挑む)先生なんですけど、DEEP初戦だった畠山(祐輔)戦の頃になって、ようやく先生の言っていることが分かるようになったんです。

先生って技術が独特なんですよ。本人は謙遜されているんですけど、天才なんです。で、天才の言うことって全然分からなくて(笑)」

──アハハハハハ。凄く分かります。リョート・マチダが前蹴りでヴィトー・ベウフォートをKOをして、観空大の前蹴りだと言われても誰が真似ができるのかと。グレイシーがRNCや三角絞めで勝って、皆が影響を受けたのとは違うかと思います。

「そうなんですよ(笑)。空手の人たちってセミナーを開けないです。多くの人にいっぺんに教えるって、彼ては本来はできないものだと思うんです」

──確かに沖縄の手、唐手(トウディ)は、もとは1対1で指導をしていたもので。それが体育の授業に用いられ、集団に指導するようになって武道から運動に代わりました。

「僕は加藤先生から型も1人でやるものだと教わりました。直接の指導になると、ずっと基本稽古をやっていて。そこに先生は自己流でボクシングなんかを融合しているんですけど、その説明の仕方が奇抜すぎて(笑)。ずっと『何、言っているんだ』と思っていたんです。大体、第5回世界大会の日本代表なんて天才だらけですよね」

──緑健児、増田章、黒澤浩樹、八巻健志、七戸康博、岩崎達也、加藤丈博……。

「天才ですよ。天才の言うことは分からない(笑)。先生はパンチが巧い人で、その表現がハマるというモノだったんです」

──ハマる……。

「ハイ。もともと僕は蹴りの選手で、パンチは下手で分からないなりにやっているんですけど、『ハマんねぇな』と。でも、ハマるってなんだよって(笑)。そのハマるというのが、畠山戦前からようやく理解できるようになったんです」

──つまり、ハマるとは?

「それが……いざ、分かるようになってくるとハマるとしか表現のしようがなくて(苦笑)」

──ダハハハハハ。最高です。

「あれだけちゃんと説明してくれよって思っていたのに、いざ自分ができるようになると加藤先生と同じことを言っているんですよ(笑)」

──ハハハ。では畠山戦の左フックは?

「完全にハマったヤツです。手首でキュッと持っていくと、肩甲骨がキュッとハマって」

──自然とヒジが湾曲を描く?

「そうそうそう、それです!! そこでハメるんですよ。ヒジを下に向けると、肩甲骨がちょっと立つ。結果、サンチン立ちと一緒なんですよ」

──いや、木下選手からサンチンについて、そのような意見が聞かれるということは──木下選手のサンチンは極真のサンチンではなかったのですね。

「極真とは違って、ガニ股でも内股でもない。ヒザが内側を見ているようで違うんですよね。内も外も向いていない」

──だから内側からも、外側からも蹴られて強い、と。いやぁ、木下選手……面白いです。フルコンタクト空手家でなく、空手家ですね。

「そういうサンチンの構えの強さに気付いたのは、レスリングの練習をしていた時なんです。

時田(隆成。中央大学時代の2021年に全日本大学選手権フリースタイル61キロ級3位。アマパン=東関東選手権Sクラス・バンタム級Tで優勝)さんとトライフォース東中野で、平田直樹選手なんかと一緒に練習をしていて。

いうと、僕がほぼイジメを受けているような練習なんですけど(笑)。そこでテイクダウンを切るときにケツを入れると、親指はどうしても外に開くじゃないですか。そうなると、生物として弱い。簡単に倒されるし。『これはおかしい』って思うようになったんです。ガニ股のサンチンは違うって。

その時にK-1に出ている山口翔太選手に連絡をとって尋ねたんですよ。『ガニ股のサンチン立ちは、弱くないですか』って」

──スミマセン、立ち技格闘技は全く疎くて……。

「山口選手は、もともとは白蓮会館の空手家で白蓮の全日本は当然として正道会館やJFKOでも全日本で何度も優勝しています。今はK-1で活躍していて。そんな山口選手が山城(美智)先生の沖縄空手研究会に参加されていることを知っていたので……」

──「ガニ股のサンチンは違うだろう」と相談した?

「ハイ。山口選手と話して、僕も『親指を思い切り踏んで固定し、ヒザを外に向けてガニ股ということでなく、ケツを入れてヒザを崩れないようにする』ということだと気づいたんです」

──強いからブレず、でも柔軟に動くことできる本来……というのはおかしいかもしれないですが、空手の理ですね。

「そうッスよね。きっと、空手が沖縄から本土に渡って来た時に普及するために分かりやすさが大切になり、そのヒザの固定がガニ股とか流派によっては内股とかに変わってしまったんじゃないかと」

──MMAの試合を控えたMMAファイターとのインタビューから逸脱していますが、非常に面白いです(笑)。

「アハハハハ。でも、それって生き物として強いことだと思うんです。だから別に空手をやっていなくても、生き物として強い選手の姿勢ってそうなっている。

このテイクダウン防御で強い体って、加藤選手が言おうとしてくださっていた強いパンチを打つときの体の構造と同じだったんです。『あぁ、こうして。こうやるんだ』って言われていたことと(笑)。

加藤先生の特別なところは、武道の動きは直線的じゃないですか。そこにフックを加えたことなんですよね。ただ、それがフックじゃない。振っているけど、出し方は真っ直ぐで。

ヒジがやや湾曲している縦から横への拳の動きで。そこに加藤先生は手首を入れることを加えたんですよ。足からヒザ、腰、肩、ヒジと固めてフレームから、手首を振って」

──つまりは、それが加藤丈博師範のハメる理論なのでは……。 

「あっ、そうですね。これが一つ掴めると、他のことも分かって来る。幹ができたから、神経が枝葉にも行き渡るというか。こういう風にちょっとずつ理解を深めている際中ですね。

接近戦でも、決してボクシングではないんですよ。ただディフェンスは加藤先生も完全にボクシングで。防御という部分での空手は僕はまだ分かっていないです。同時にパンチの質は誰が見ても分かってもらえるぐらい変わりました。デカいグローブでミットをやっても、皆が痛いと言っています。

それをいうと加藤先生は試合用の小さなグローブでやっていて、中指と人差し指のところはグローブが破けるんですよ」

──えぇ、凄まじいですね。

「それを見せてくれていたので。説明は何を言っているか分からないですけど(笑)」

──アハハハ。そんななか神田選手との試合に向けて、組みに打撃戦を加えて神田選手のスタイルに、木下選手はハメることができるのか。

「打撃の時間を多く創れたら、神田選手はおっかなくてしょうがなくなると思います。組みは……木下カラテって言っていても、MMAの門を叩いてずっとやってきた部分です。HEARTSでこれだけやってきたので、そんなに簡単にやられない自信はあります。それでやられればしょうがない。でも、そんな緩くないですよ。僕がここでやってきたことは」

──今回の試合でDEEP4連勝となると、タイトル挑戦も見えてくるかと。そこから先はどこを目指しているのでしょうか。

「やっぱり、海外。ベストはUFCです。現役でやる以上、そこを意識しないと。でも僕はレコードが汚いんで、現実的かどうかといわれと、まぁ非現実的ですよね。だったらMMAを続けている限り、少しでも強いヤツと戦っていきたいです。

RIZINのフェザー級で中央アジアとか強いし、チャンスがもらえるならどんどん戦っていきたい。それに僕みたいに強くなるためにUFCを意識している人間と、本気でUFC一本でという選手ってキャリアの積み方も違うと思うんです。

UFC一本の選手は、やっぱりキレーなレコードでいないといけないから、強い相手に触れないで進むことも必要で。対して僕の場合はカルシャガ・ダウトベック選手然り、ラジャブアリ・シェイドゥラフ選手然り、ヤバい連中に触れて負けても損はない。

UFCが現実的でないから、そういう相手を望んでいける。それでもUFCへの想いを完全に消すことはできないのですが、強いヤツと戦うことができるなら場所は問わないです」

──では世界の猛者と戦うために、越えないといけない神田コウヤ戦。どのような戦をしたいと思っていますか。

「やることは決まっています。レスリング×空手、グッといって、そこでガガァとやってからドンと仕留めます」

──完全に加藤イズムを継承していますね(笑)。

「アハハハハ」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120計量結果

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]鈴木槙吾:76.95キロ
[挑戦者]佐藤洋一郎:77.05キロ

<バンタム級/5分3R>
CORO:61.45キロ
瀧澤謙太:61.50キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.20キロ
白川Dark陸斗:66.20キロ

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治:77.40キロ
嶋田伊吹:77.30キロ

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ:68.05キロ
木下カラテ:66.05キロ

<ライト級/5分3R>
野村駿太:70.75キロ
泉武志:70.70キロ

<メガトン級/5分2R>
誠悟:119.30キロ
朝太:103.90キロ

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬:70.75キロ
佐々木大:70.75キロ

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾:67.75キロ
相本宗輝:67.95キロ

<フライ級/5分2R>
木村琉音:57.10キロ
斎藤璃貴:57.00キロ

<アマ・フェザー級/3分2R>
菅涼星:66.15キロ
平石光一:65.90キロ

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【DEEP120】計量よもやま話。前売り完売の後楽園、佐伯代表と好調の理由を立ち話。計量後の握手率は……

13日(土)、東京都新宿区ホテルローズガーデンのオークルームで明日13日(日)に文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTの計量が行われた。
Text by Takumi Nakamura

メインのDEEPウェルター級選手権試合をはじめ出場選手が続々と計量をクリアしていくなか、神田コウヤが68.05キロでフェザー級のリミットを約2キロと大幅にオーバー。対戦相手の木下カラテは66.05キロで計量をクリアしており、16時に行われる神田の再計量の結果によって、この試合がどういう形になるか公式アナウンスされる。


今大会は7月6日時点で前売りチケットが完売し、当日券5,000円を残すのみ。後楽園ホールもステージを作らないフルバージョン仕様で、まさに超満員の大会だ。瀧澤謙太、白川Dark陸斗、阿部大治といったRIZINを主戦場にするファイターが並びつつ、メインの鈴木×佐藤、神田×木下、野村駿太×泉武志などDEEP内で組まれた好カードが散りばめられている。

前回の後楽園大会=5月のDEEP119も前売りチケット完売だったが、元谷友貴と対戦予定だった福田龍彌の欠場で払い戻しがあったためフルハウスとはならなかったが、最近のDEEPの好調ぶりがうかがえる。計量後に佐伯繁代表にDEEP好調の理由を聞いてみた。

「ここ最近はRIZINにおけるDEEPの立ち位置が分かりやすくなってきたかもね。RIZINで試合のチャンスがないけど、試合をしたいという選手がうち(DEEP)に出るようになって。うちはRIZINを目指す選手、Road to UFCを目指す選手…色んな目標を持った選手が出てもいいと思っているから。

あとはRIZINの選手だけじゃなくて、うちで温めてきたものが、いい形になっているという実感もあります。DEEPの選手たちもファンに知ってもらえるようになって注目度が上がっているし、相本宗輝選手とか木村琉音選手とか新鋭も出てきている。CORO×瀧澤と中村大介×白川だって、瀧澤・白川にとって簡単な試合じゃないから。RIZINから来た選手とDEEPで上がってきた選手がやる図式も面白いし、DEEPで温めてきたカードも面白い。今はすごくわかりやすいイベントが作れてますよ」

佐伯代表によれば、正式発表こそまだではあるものの、秋までの主要マッチメイクもほぼほぼ決まりつつあるということ。正式アナウンスを待ちたい。

ちなみにDEEPでは計量→写真撮影→選手挨拶という順で計量が行われるのだが、選手挨拶を終えてそのままステージから降りる選手もいれば、双方のコメントが終わって握手を交わしてリングを降りる選手もいる。この日はアマチュアルールも合わせて全11試合中6試合で握手が交わされ、握手率は54.5%だった。

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120 対戦カード

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]鈴木槙吾:76.95キロ
[挑戦者]佐藤洋一郎:77.05キロ

<バンタム級/5分3R>
CORO:61.45キロ
瀧澤謙太:61.50キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.20キロ
白川Dark陸斗:66.20キロ

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治:77.40キロ
嶋田伊吹:77.30キロ

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ:68.05キロ
木下カラテ:66.05キロ

<ライト級/5分3R>
野村駿太:70.75キロ
泉武志:70.70キロ

<メガトン級/5分2R>
誠悟:119.30キロ
朝太:103.90キロ

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬:70.75キロ
佐々木大:70.75キロ

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾:67.75キロ
相本宗輝:67.95キロ

<フライ級/5分2R>
木村琉音:57.10キロ
斎藤璃貴:57.00キロ

<アマチュアルール フェザー級/3分2R>
菅涼星:66.15キロ
平石光一:65.90キロ

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【DEEP120】初の連敗から復帰、木下カラテ戦へ。神田コウヤ「MMAのMがミックスではなくメルトに」

【写真】Bushidoというニックネームとともに、神田のMMAへの探求心は増す一方だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120で、神田コウヤが木下カラテと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

神田にとってはRoad to UFC準決勝のリー・カイウェン戦、青井人とのDEEPフェザー王座防衛戦と連敗からの復帰戦となる。この2試合を通じて神田が得たものとは。自分の中にあるMMAの変化とマインドを語ってくれた。


連勝している時より今のほうが好奇心は旺盛です

――SNSでは神田「Bushido」コウヤというニックネームが付いています。いつからBushidoをつけるようになったのですか。

「Road to UFCに出場してから、ですね。海外で戦う時に、単に名前だけよりもニックネームがあったほうがインパクトも大きいかなと思って。海外ではPRIDE武士道も知られていますし、UFCでもまだ誰も付けていない日本語を探して『Bushido』にしました」

――なるほど。そのRTUで敗れ、続いてDEEPのベルトも失いました。試合直後には、どんな想いでしたか。

「直後、ですか。不甲斐ない負け方ではなかったと思いますし、防衛戦の義務も終わったので次はRIZINに出たいと思いました」

――SNSでは6月9日のRIZIN47出場をアピールしていたようですね。

「そうなんですよ。本来はアピールしないで出場できるのが一番なんですけど。ただ、最近は海外の選手も増えて日本人の出場枠も減っていると思うので、SNSでアピールしてみました」

――ということは、DEEPのベルトを失ったあともRIZINなりRTUへの意欲は失っていなかった、と。

「もちろんです。RTUも出られるうちは出たいです。連敗していたので今年のRTUは難しいと思いましたけど、チャンスがあるうちは出たいですね」

――RTUは神田選手に勝利したリー・カイウェンが、決勝でイー・チャアに敗れました。

「しかも計量もオーバーで(苦笑)」

―カイウェンに対して「自分に勝っておいて、決勝でそれはないだろう」とは思いますか。

「う~ん……、やっぱりトーナメントは大変ですよ。短期間で何試合もするから、途中で気持ちが切れることもあると思います。減量も大変だし、怪我もあったりして」

――神田選手はRTUが終わったあと、すぐに気持ちを切り替えることはできましたか。

「はい。RIZINにしろRTUにしろ、次の試合で王座防衛できないとチャンスはないと思っていました。それと、ベルトを巻いたら防衛戦をやるのは義務じゃないですか。僕の場合は、前の王者の牛久絢太郎選手があまり防衛戦をやっていないことに対して、良くは思っていなかったので。王者としての義務は果たすべきだし、果たせないなら返上すべきというのが僕の考えです」

――RTUと青井戦を経て、自分の中でプラスになったことはありますか。ファイターとして黒星はマイナスとなるかもしれません。しかし、そのマイナスを糧にどう生きるのか。

「連敗したのが初めてだったので、初心に戻る良い機会だなって捉えています。連勝している時より今のほうが、『自分はどこまでできるのか』という好奇心は旺盛ですね」

――その好奇心は、どのようなところに表れているのでしょうか。

「今は練習していて、『どんどんMMAになってきている』と思っています」

左右の乖離を少なくしていけば海外の選手にも負けない

――どんどんMMAになってきている……とは?

「MMAのMが、自分にとってはミックス(Mixed=混ざった)ではなく、メルト(Melted=溶けた)になってきています。全ての要素が溶けて一つになる。それは打投極という要素だけではなく、左右の乖離も少なくなってきたと思いますね」

――左右の乖離というのは、構えやスイッチということですか。

「そうです。自分の性格的に、オーソドックスで構えた時とサウスポーで構えた時に差があるのは好きじゃなくて。そういう差をなくしたかったんですよ。海外の選手と戦うためには必要だと感じていました。海外の選手と比べてもフレームやリーチはあると思うので、その左右の乖離を少なくしていけば負けないかな、と」

――確かにもうMMAはスイッチという概念すら無くなりつつあります。

「UFCとかだと、絶え間なく自然と構えが変わりながら動いていますからね。それがミックスではなくメルトということなんですよ」

――後悔などではなく「カイウェン戦や青井戦の時に、これができていれば……」と思えるほど、今は仕上がっている状態ですか。

「その自負はあります。あとはコンディション次第ですね。でも自分は、コンディションづくりは上手いほうだと思うので」

――コンディションや減量方法も含めて、神田選手は研究者タイプのように感じます。

「あぁ、そうなんですかね。常に情報に対してはアンテナを張っておくようにはしています。自分が興味あるものだけですけど……やっぱり格闘技は自分のビジネスですから」

――格闘技が自分のビジネスである。その感覚は以前から持っていましたか。

「デビューした頃は、そう思えなかったですね。やっぱりデビュー当時はファイトマネーも安かったし。だけど今はファイトマネーも、デビューの頃と比べたら遥かに高いです。そういうことの積み重ねで意識は変わっていきますよ。

僕はプロのファイターとして、常に高い品質のものを提供していきたいです。今の環境に全然満足していないし、もっと成功したい。もっと稼ぎたい。そうなることで自分の発言にも説得力が増していくじゃないですか」

――もう神田選手もプロデビューして6年が経ち、ジムで後輩たちが増えていることも影響していますか。

「ジムの後輩たちは……、僕はライバルとして見ていますね」

――えっ!?

「刺激し合えるライバルというか。結果って、自分の努力の成果じゃないですか。僕のほうが長くMMAをやっているのに、ここで後輩に越されてしまうと――という感じで『絶対に負けたくない』と思っています。お互いにそう考えることができると、ジム全体が良くなりますし。後輩たちもそう考えて頑張ってほしいです」

――ジムの先輩である松根良太さんのTHE BLACKBELT JAPAN沖縄にも行ってきたそうですね。

「修斗沖縄大会の時には選手のセコンドで行っていましたけど、大会がある時は松根さんも忙しくて、なかなかお話できない。だからジムをリニューアルされたということもあり、大会がない時に沖縄に行ってきました。

沖縄に行ったのは、練習よりもマインドの部分が大きいです。自分を鼓舞するために――連敗して気持ちが落ちている時に、沖縄で松根さんと話すと気持ちも上がるかなと思って。おかげで気持ちも落ち着きました」

――そうした経験と変化を踏まえ、次の木下戦はどんな試合を見せたいですか。

「木下選手は一撃必殺の打撃を持っていて、勝ちっぷりも負けっぷりも良い選手だと思います。最近は構えが変わりましたよね。HEARTS特有の、ガードを固めて前に出るスタイルが最近のKO勝ちに繋がっているのかなって思います。

自分も構えというか、左右の差がなくなって良い感じになってきています。フィニッシュを狙う木下選手が相手なら、自分もフィニッシュできる確率は上がる。自分もピンチから逃げずにチャンスを掴みに行きたいですね」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120 対戦カード

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
佐藤洋一郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
CORO(日本)
瀧澤謙太(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
白川Dark陸斗(日本)

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
嶋田伊吹(日本)

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分3R>
野村駿太(日本)
泉武志(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
朝太(日本)

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬(日本)
佐々木大(日本)

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾(日本)
相本宗輝(日本)

<フライ級/5分2R>
木村琉音(日本)
斎藤璃貴(日本)

<アマチュアルール フェザー級/3分2R>
菅涼星(日本)
平石光一(日本)

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【DEEP120】青木真也とタイガームエタイ─泉武志と再戦。野村駿太「自己中というか自分の試合をしたい」

【写真】青木真也との時間、タイガームエタイでの日々でどう野村が成長しているのかが確認できる試合に (C)TAKUMI NAKAMURA

14日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTにて野村駿太が泉武志と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年12月のDEEP後楽園大会で岩倉優輝にKO勝利し、約7カ月ぶりの試合となる野村。この期間はONE日本大会に出場した青木真也のトレーニングパートナーを務め、タイガームエタイでの武者修行を行うなど、試合以外の面で多くの経験を積んだ。希望するRoad to UFCへの出場はかなわかったが、将来的な海外進出を見据えてDEEP王座を目指す戦いに挑む。


これがプロとしての覚悟なんだ、と

――14日のDEEP後楽園大会で泉武志選手と再戦が決まった野村選手です。今回野村選手にインタビューをお願いするにあたって、青木真也選手が1月のONE日本大会に向けて野村選手にトレーニングパートナーを依頼していたという話をお伺いしました。青木選手とはどういった経緯でつながりが出来たのですか。

「格闘代理戦争に出ていた中谷優我が元々BRAVEで練習していて、青木さんと中谷が知り合いで。青木さんと一緒に練習させてもらいたいと思い、中谷を通してロータス世田谷に行かせてもらうようになったのが最初のきっかけです」

――トレーニングパートナーを依頼されたときは驚きましたか。

「驚きと自分でいいのか?という心境でしたね。僕は組み技を強化したいと思ってロータスに行かせてもらっていて、その中でも青木さんは特に強くて、毎回壁に当たりにいくぐらいの気持ちでずっとやっていたんです。だから自分が青木さんの相手が務まるのか不安でした」

――具体的にはどういった形で青木選手と一緒に練習すしていたのですか。

「もともとロータスには週2回行っていたんですけど、それプラス、青木さんがMMAの練習をする時にマンツーマンで5分3Rの相手を務めるという形でやっていました」

――試合に向けたトップ選手のスパーリングパートナーを務めるというはなかなかできない経験だと思います。青木選手と試合までの時間を過ごして感じたこと、気づいたことはなんですか。

「青木さんの強さはもちろん、青木さんの人間らしさみたいなところも見させてもらいました。あれだけ強い青木選手でも試合に向けて葛藤があったりとか。特にあの時は試合直前に相手が代わるという事態も起きたので…」

――私も現場で取材していたのですが、入場式に青木選手が姿を見せず、大会の途中でセージ・ノースカットの欠場とジョン・リネケルの代打出場が発表されるという異例の事態でした。

「自分は青木さんのセコンドでバックステージにいたんですけど、ちょうど開会式が始まる前に青木さんがチャトリさんに呼ばれて、帰ってきたら表情がガラッと変わっていたんです。タイミングとしては一度身体を動かし終えて、最後に試合に向けて上げていこうという段階で」

――まさかそこで相手が変わると言われるとは思っていないですよね。

「はい。まさに試合に向けて気持ちをグッと上げている途中で、そこで対戦相手が変わると言われたわけだから、それは(気持ちが)どん底まで落ちますよね。でもそこから青木さんはもう一度気持ちを作り直して(試合を)やるという決断をして、プロとしての心意気みたいなものを見させてもらいました。改めて青木さんは自分とは何倍も大きなスケールで戦っているんだなということを感じました」

――バックステージは相当混乱していたと思います。

「僕たちは青木さんとチャトリさんが話しているのを控室で待っている状態でしたが、やっぱり最初はかなり揉めていたみたいです。ただそこから交渉で折り合いをつけて、青木さんも久々の日本大会で自分を見に来てくれているお客さんがいることも分かっていたと思うので、控室に戻ってきてからは覚悟を決めた感じでした」

――対戦相手はすぐリネケルで決まったのですか。

「そこも結構大変で、すぐにリネケルが捕まらなかったみたいんです。会場にはいるけど、どこにいるかが分からない、みたいな。だからONEのスタッフが総出で『リネケルはどこだ!?』みたいに探し回っていて。ONEのようなメジャー団体でこんなハプニングはありえないですよね。

青木さんはいつも『自分は競技をやっているわけじゃない』と言っていて、それを体現する場面を目の当たりにして、自分なりに感じるものがありました。これがプロとしての覚悟なんだ、と」

――その一方で試合に向けた青木選手の競技者としての取り組みに触れたことも大きかったと思います。

「めちゃくちゃ勉強になりました。僕はとりあえず練習して覚えるくらいの気持ちでやっていたんですけど、青木さんは次の相手に対して自分がどう戦うかを考えたうえで、そこに必要なことを練習されているんですね。

今回僕がパートナーに指名されたのも、僕がノースカットに似ていた部分があったりもして。青木さんが八隅(孝平)さんたちと試合でこうしていくというのを煮詰めて、自分もなるべくそこに近づけられるよう心掛けていました。試合に勝つためにはこういった練習への取り組みが大事なんだなと思いましたね」

――青木選手と過ごした期間を経て、今はどのようなことを意識して練習されているのですか。

「ロータスに行き始めて約1年、青木さんのトレーニングパートナーを務めさせてもらった期間が約半年になんですけど、青木さんと過ごした半年を終えて、練習に対する本気度が変わりました。今までも遊びでやっていたわけではないのですが、練習時間になったら練習場所に行って、決まった時間の練習をするという感覚はなくなりました。

明確に自分がやるべきこと、そして自分がこうなりたいというものを見つけられたというか。実は青木さんにスパーリングパートナーをお願いされた時くらいに、青木さんに『海外に(練習に)行った方がいいよ』とアドバイスされていて、青木さんの試合が終わってタイのタイガームエタイに行ったんですよ。あっちは泥臭い感じの選手しかいないというか、良くも悪くも自分が成功すること以外は考えていないような選手が世界中から集まってくるんですね。

そういう選手たちと練習することで、僕自身も格闘技で成功するんだという気持ちが強く芽生えたし、そのために他の選手よりもたくさん試合をするとか、他の選手がやらないようなキツイ練習をやるとか、そういう考えになりました」

――タイガームエタイは世界中からMMAファイターが集まるジムですが、どんなスパーリングをしてきましたか。

「スパーリングは5分5Rくらいしかやらないんですけど、トップにいく選手は最初から最後までやるし、試合前の選手はスパーリングでも自分だけ思いっきり殴ってくる選手もいます(苦笑)。最初は僕も相手に合わせちゃうところがあって、今日の相手はレスラーなのかな、ストライカーなのかなと思いながらやっていたんですけど、そうやって相手に合わせるのは意味がないなと。途中からはどんな相手でも自分のスタイルを押しつけるようにしようと思いました」

――いい意味でここからさらに上に行きたいという選手が練習するジムなので、みんなギラギラしているでしょうね。

「そうですね。例えばスパーリングでちょっとでも引いて『あいつはダメ。練習にならない』と思われたら、全く相手にしてもらえないんで。なかには自分よりも弱い相手ばっかり選んで練習する選手もいましたけど(苦笑)、基本的にはレベルの高い者・強い者同士でバチバチにやり合うスタイルでした。で、そういうスパーリングを続けていると『また練習やろうぜ』みたいな感じになったり、街中でも話しかけてくれるようになったり、ちょっとずつお互いを認め合う感じでした」

――ちなみに著名な選手も、練習相手にはいましたか。

「自分あんまり人の名前を覚えられないんですけど(笑)、NAIZA FCのタイトルマッチを控えている選手やウズベキスタンの選手たちと練習してきました」

タイトル挑戦に繋がる試合ということだったので

――野村選手にとっては青木選手のスパーリングパートナーからタイガームエタイでの武者修行までがワンセットとして意味があったようですね。そして昨年12月以来、約7カ月ぶりの試合が決まりました。

「自分の方向性としてRord to UFC(RTU)を目指していて、RTUに参戦したいという希望は出していました。それも見越してタイガームエタイに行って。ただ今年はライト級でトーナメントが行われないということになって、ワンマッチの話もあったんですけど、ヤン坊(雑賀達也)選手がパンクラスでタイトルを獲ったばかりということもあって、そっちに決まりそうだと。

もし自分にワンマッチのチャンスがくるとしたらトーナメントの準決勝以降になるということだったので、それだったら試合間隔が空くよりも、今年はDEEPでベルトを獲って来年に備えようと思いました」

――目の前でベルトの有無でチャンスが来るかどうかの場面に出くわしたわけですね。

「はい。今年出ている選手や過去に出ている選手たちの顔ぶれを見ると、やっぱりベルトを巻いているかどうかが大事で、今の自分にはそこが足りないと思いました」

――対戦相手の泉選手とは2022年7月に対戦していて、野村選手が判定勝利していますが、あれから5連勝してタイトル戦線に浮上してきました。

「泉戦がタイトル挑戦に繋がる試合ならやる、そうじゃないとやらないという考えがあったのですが、タイトル挑戦に繋がる試合ということだったのでやろうと思いました」

――対戦相手としては泉選手にはどんな印象を持っていますか。

「レスリングの実績がある選手で、5連勝しているというところで、最後に勝ちきる力があると思います。対レスラーという部分ではBRAVEでたくさん練習していますし、対策も立ててはいるんですけど、相手がこっちに合わさざるをえない、そういう自己中というか自分の試合をしたいです」

――この間の練習で試合に対するマインドも変わりましたか。

「強い選手は全員そうなんじゃないですかね。あとはどのポジションでも自信がついてきたから、そういう考えになってきたのかもしれないです。とにかくこの試合にしっかり勝って、江藤(公洋)さんにリベンジしてベルトを巻きたいです」

――今はDEEPのベルトを巻くことが一番だと思いますが、その先には海外の大会に出ていくことが目標ですか。

「自分は昔からそういう考えですね。日本の団体に興味がないということではなくて、自分が目指すのは強い選手がいるところに行って戦う、なので」

――BRAVEの選手は海外で戦っている選手も多いですが、そこから刺激を受けることもありますか。

「すごく刺激になりますね。それこそ僕は原口伸とパンクラスに出ている望月貴史の3人でBRAVEの寮に一緒に住んでいた時期があったし、原口央と伊藤(空也)さんもジムに住み込みみたいな感じだったんです。そういう時間を過ごした仲間が先に海外の団体で試合しているので、自分もそれに続きたいという想いがありますね」

――では、今回の泉選手との試合。改めてどのようなファイトを見せていきたいですか。

「自分はもっと上で、海外で戦いたいので、みんなが認めてくれるような、野村だったらいけるなと思われる試合をしたいです。今ライト級は日本人が外国人に勝てない、海外に出ても勝つことが難しい状況なので、自分だったらいけるという試合を見せられたらと思います。あとはUFC本戦やRTUでも、結果を出している日本人はレスリング出身の選手が多いじゃないですか。僕は空手出身・ストライカーとして、そういう選手たちも倒していきたい。今回は自分にそれができることを見せる試合にしたいと思っています」

■視聴方法(予定)
5月26日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

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DEEP DEEP119 MMA MMAPLANET o YouTube アントニオ猪木 パンクラス 北岡悟 大木良太 泉武志

【DEEP119】北岡悟が語った“ひらめきの打率”「確変が起きるとしたら引き出しが勝手に開くとき」

3日(金・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP119 Impactにて、北岡悟が倉本大悟と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2023年11月の泉武志戦に敗れて、3勝1敗という成績で1年を終えた北岡。泉戦後に生活環境も大きく変わり、今回の倉本戦を迎えることになった。この試合を技術的に語る際、北岡は“札を切る”や“ひらめきの打率”という表現を使った。そして北岡が「5月3日の金曜日に答えが出る」と語る一戦だからこそ、このインタビューを読んでいただきたい。

――北岡選手、インタビューとしてお話するのはかなり久々です。これまで数えきれないくらい取材を受けてきたと思うのですが、昔はこういうことを言おうと考えたり、用意していたりしたのですか。

「そうですね。あとそういうことが好きだったんですよ。試合に向けて日々を過ごす中で浮かぶ言葉をフレーズにして。今はSNSでそれを発信できてしまうので、その必要性がなくなった部分はありますよね。でも僕はあえてSNSでは出さずに、あえて取材で出すという“とっておき感”を持ってやってはいます」

――今は試合前後にYouTubeで自分の言葉を発信する選手も多いので、取材する側も質問する内容であったり、インタビューのテイストはより考えなければいけないなと思っています。

「自分のような考えが時代的に抜き去られたというか追いやられたということも感じつつ、それでも自分のことを見てくれている人たちのためにやっているし、そういう人たちがいるからこそ頑張れている・継続できているし、そういう人たちが期待…なのかどうかは分からないけど、それに返したいと思ってやっていますからね。もちろん生きるため、自分がやりたいから(格闘技を)やってはいるんですけど、周囲の視線みたいなものは常に感じています」

――さて試合についてですが、昨年11月の泉武志戦以来、約6カ付きぶりの試合となります。このくらいの時期に試合をしたいという希望はあったのですか。

「11月の泉戦が自分の中ではコンディションがいいつもりで挑んだけれど、なかなか自分に失望する試合でした。めちゃくちゃやられた試合でもなく、当時SNSで『負けたけど負けてない』と発信したんですけど、負けは負けで。結構気持ち的にダメージがありました。プライベートでも引っ越しして同居が始まって、43歳~44歳にして生活環境が変わるのはハードだし、今の環境で強い自分を作れるのか?と。年齢を言い訳にはしたくないけど、それは現実なので、そことの向き合いでしたね。泉戦の直後はDEEPに『すぐ試合をやりたい』と伝えて、早くても3月になると言われて。最初はそのつもりでいたんですけど、具体的な話をするなかで5月に変えてもらったんです。ジムのことや生活環境のことを考えて、3月に試合するのは愚行だと」

――練習環境よりも生活環境の変化は大きいですよね。

「言って僕も自分勝手に生きてきた人間で、そもそもの自分の優先順位が変わったんですよ。明言できないくらい変わったものがあって。だから(結婚や生活環境の変化は)結構な変革だったんです。奥さんは変わらず自分がやることを許してくれる・理解してくれている人なので、そうさせてもらっているんですけど、だからこそそういう人を大事にしないとなって。どうしても惚気というかそういう話になっちゃうんですけど。だから背負うものだけはどんどん大きくなりますよね。ジムを持って家庭も背負うことになったので」

――そのなかでどうこれまでと変わらない練習を続けてきたのですか。

「2人の生活のリズムのなかでの練習のやり方もそうだし、加齢によってコンディション的に変わることもそうだし、時間をかけたことで取り組み方が見えてきましたね。ちょうど2月に彼女が実習でいない期間もあったりして、戻ってきた3月くらいに『このリズムだったら(試合用に)作ることができる』という感じになった。だから5月が試合できる状況としては最速だったし、3月はやっぱり無理だったと思います。ただそれで試合をやってみて結果が出なかったら不正解になるわけですから、そこは5月3日の金曜日に答えが出ます」

――試合に向けて気持ちを作るという部分はいかがでしょうか。

「それも5月3日の金曜日に答えが出るでしょうね。やっぱり試合に向けて練習していればアップダウンがあるわけですよ。それこそ年齢とキャリアを重ねてアップダウンがあること自体を分かっているので、そのうえで試合まで作っていきます。まぁ…それが分かっていてもダウンの時は嫌なものですけど(苦笑)。ただダウンの時の自分を知らない若さ=強みにもなるし、それこそ次の相手(倉本大悟)はキャリアで1敗しかしていなくて、イケイケなわけじゃないですか。そういう淀みのない、フレッシュな選手ですよね」

――倉本選手は今年30歳、キャリア的にも6戦5勝1敗で、怖さや負けを知らないことの強みはあるでしょうね。無知の強さというか。

「無知…なんだろう?(少し考えて)気づいていない強さですよね。気づきがない強さ。それだな」

――その気づきがない強さが一発勝負では良い方向に出るのが格闘技じゃないですか。

「そうでしょうね。経験は武器にだけなるわけじゃないから、それは重々承知しています」

――もちろん北岡選手は経験を武器にするために色んな取り組みをしているわけですよね。

「色々と勉強は出来ていますよ。それが競技で勝つうえで武器になるかどうかは分からないのかもしれないけどい、武器にするべくやってはいるし、なるように取り組んではいます。気合いだけでも駄目で、小手先の技術やごまかしだけでも駄目、その両方が必要で、なんなら運も必要じゃないですか」

――ありきたりな表現になるので嫌なのですが“持っている”ことも必要だ、と。

「それを測るには表に出なきゃ駄目なんですよ。表に出ないと“持っている”かどうかすら分からなくなるので。表に出ずに存在し続けていれば、それこそ老害ですからね。話題を変えて技術の話でもしましょうか」

――分かりました。では今回の試合に向けて北岡選手は技術的にどんなことを考えているのですか。

「僕的には大木良太戦はせこく勝ち切ることが出来て、泉戦は勝ち切る試合ができなかった。かつ試合としてつまらないというか。もっとエンターテインメントでありたいという気持ちもあるので。勝つために一生懸命やることがエンターテインメントだと信じて疑わないんですけど、それでいて技の札が出るものであってほしい思っています。結局大木戦も泉戦も、相手は僕の良さを消すために札の交換をしないという選択をしてきた。今度の相手も同じ選択をする可能性もあるけど、キャリアが浅いから、そこまで気にせず札を切り合って来るかもしれない。相手がどちらの選択をしてきても戦える準備はしています」

――北岡選手のキャリアの多くは札の交換をしない・切ってこない相手との戦いですよね。

「はい。多く…というかほぼそうですね(苦笑)。僕は自分からエイヤ!エイヤ!と札を切ってきて、すべての試合がそうだとは言いませんが、ほとんどの試合でそうして来ましたから」

――その中で今の北岡悟というファイターは手札を多く持っている方がいいのか。それとも強烈な1枚を持っている方がいいのか。

「いいこと聞きますね。いたずらに手札が増えてしまったところはあると思います。この相手だったらこの札を切るべきだったと思うこともあれば、用意していた札を出さずじまいで終わったこともある。それが老いなのかもしれませんが、ひらめきの打率って言うんですかね、その打率が落ちた・外してしまった試合は枚挙してしまうぐらいの感じではあります。特にパンクラスイズム横浜を作ってからは。でも今その辺りのセットアップはやれているのかなと思いますね」

――具体的なことは聞けませんが、北岡選手がどんな手札を持っているのかは気になります。

「確変が起きるとしたら引き出しが勝手に開くときだし、だからこそ引き出しを整理することが練習では必要なわけですよ。過去の試合を見る……とも違うし、やっぱりそこは練習なんです。八隅さんが優秀なのは僕が自然にやっていることやひらめきでやっていることを理屈で説明してくれるところですよね。あとたまたまInstagramにも書いたんですけど『馬鹿になれ』と。ああ…そうかと。アントニオ猪木は偉大ですね」

――そういったこともすべてひっくるめて、試合後にまた北岡選手に話を聞きに来たいと思いました。

「ありがとうございます。だからこそ勝たないといけないですね」

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DEEP DEEP116 F1 MMA MMAPLANET o 北岡悟 泉武志

【DEEP116】自分の間合い&距離を徹底キープ。泉が北岡にスプリット判定で勝利

【写真】泉がリーチ差&TDディフェンスを活かしての勝利(C)MMAPLANET

<ライト級/5分3R>
泉武志(日本)
Def.2-1:30-27.30-27.28-29.
北岡悟(日本)

サウスポーの北岡がインロー、左ストレートからパンチで前に出て組みつく。泉が北岡をケージに押し込んだ状態で動きが止まり、ブレイクとなる。泉が右ストレート、北岡がスピニングバックフィストを見せる。泉がインローと右ストレート、北岡は左ミドルとインローを蹴る。

泉が前に出て、北岡は左ミドル。泉が右ストレートで飛び込むと、北岡がケージを背負った状態で組む。泉が押し込むもテイクダウンは狙わずに離れる。

泉が右ストレートで飛び込み、北岡をケージまで押し込んでブレイクになる。再開後、泉は上体を低くして右ボディ、北岡が左ハイ。泉は右フックで前に出て押し込む。

2R、北岡が左ストレートから右フック。そのまま距離を詰め、右フックから組み付く。

泉をケージに押し込んだ北岡はシングルレッグ。逆足を引いて泉に尻餅をつかせる。泉がアームロックを狙うと、北岡は泉の両足を引いて寝かせつつ、泉が立とうとするところでバックへ。

そのまま泉は立ち上がって正対し、北岡をケージに押し込む。今度は泉が北岡の足を抱えてテイクダウンし、立とうとするところをボディロックして寝かせる。

北岡は半身になって立ち上がり、バックを取らせつつ、自ら下になって潜りスイープへ。身体を起こした北岡はシングルレッグで泉に尻餅をつかせる。

3R、すぐに北岡が組むが、ケージ際で両者の動きが止まってブレイクとなる。再開後、泉がインローとワンツー。今度は泉から組みついてケージに押し込む。

ここで北岡がヘッドロックで首を抱え、そのままケージを駆け上がり、正対してギロチンへ。この動きがケージに足の指をかけて使ったと判断されたか、ブレイクとなる。

再開後、北岡が右フックから前進。ここも泉が組んでケージまで押し込んでブレイクとなる。スタンドで再開になると泉が距離をとりながら右ストレート。北岡が左ストレートを伸ばして組みつき、泉が正対しようとしたタイミングでヒジを振る。

距離が離れると泉がインロー、北岡は左ハイ・左フック。残り30秒、泉がフェイントを入れて右ストレート。北岡も左ストレートを返して組みつき、泉がケージに押し込む。ここで試合終了となり、判定は2-1と割れて泉に軍配が上がった。


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CORO DEEP DEEP116 MMA MMAPLANET NARIAGARI o RIZIN YouTube   しなしさとこ チャンネル 元谷友貴 力也 北岡悟 横内おにぎり君 泉武志 泰斗 秋元強真 窪田泰斗 誠悟 谷岡祐樹 雅駿介 鹿志村仁之助

【DEEP116】計量直後に偶然……それとも必然。北岡悟と減量トーク with 元谷友貴

【写真】元谷選手、スミマセン。露出を間違え、北岡選手のみにピンがあたる写真となってしまいました(C)MMAPLANET

明日11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP116 IMPACTのコメインで泉武志と戦う北岡悟。

MMAPLANET恒例となった計量直後の北岡の言葉を貰おうと彼の席に近づくと、隣に座っていた元谷友貴に目を奪われ、思わず元谷に言葉を掛け、北岡インタビューに移ることとなった。そんな両者を前に、話題は自然と減量に特化していった。


──元谷選手、大丈夫ですか。意気込みを話す時も声がかすれていましたね。

元谷 大丈夫です。いつも通りです(笑)。朝の9時で〇.〇キロ残っているのもいつも通りです。

「そんなギリギリ、攻めるんだ。凄いなぁ」

──予備計量無しで、駆け込んできていました。

元谷 ハイ。一発で落とそうと思って。でもクリアをするともうリカバリーできるので。

──今はマイクで話した時とは違い、声も張りが戻りつつありますね。

元谷 ハイ。体重を落としていると、声が出なくなるんですよ。

「分かりますよ、それ」

──北岡選手も目の窪みは凄まじいです。

「あぁ、はい。でも前回より良かったです。NARIAGARIの時は事前の体重がなかなか落ちなくて、デカくなっちゃって。それで結構、大変だったス」

──今日は後ろから見ていると、いつもよりピリついている感はありました。ちょっと誰かに目をやっている目つきとかも、険しかったです。

「そうですか(笑)。特別、その辺りの微差は分からないです」

──対戦相手にイラッとしているところなど、あるのではないかと邪推してしまいました。

「あぁ……別に相手には何もないです」

──話を聞くなら、早くしてくださいというリクエストもありましたし。

「それはこの後の予定があるからです(笑)。15時から整体を受けるので。整体を受けてから、固形の食事を入れるという風になります」

──では前回より、仕上がり具合は良いという理解で良いですか。

「良いと思いますけどね……でも、やってみないと。相手も違いますし、強いし。でも大木(良太)も強かったですよ。僕と戦う前は2敗していたけど、強いと思っていました。あぁ、友達ですよね?」

元谷 えぇ?  あぁ、ハイ。

──いやぁ、二人が並んでいると減量の過酷さがヒシヒシと伝わってきます。ただし、リカバリーすると影響はないわけですよね。

「そうですね。自分のなかで数年、試行錯誤したことができ上ってより良くなっています」

──ハイパーダイエット、ハイパーリカバリーと言われていた時代より、相当に減量方法も進化しました。そういうなかで北岡選手の減量とリカバリーも進化していると。

「ハイ。僕はNOTEで公開しているんですけど、温浴施設に行きまくってサウナ慣れしまくっていて」

──つまり普段からサウナに入って、落とすことを習慣づけてやってきたということですか。てっきり温泉愛好家なのだという理解でした。

「いえ、元々は疲労回復だったりコンディショニングのためだったんですけど」

──元谷選手もしっかりと聞き入っていますね。

元谷 ハイ(笑)。

「それが、減量とミックスされて昇華した感じです」

──ではウォーターローディングだけでなく、ドライアウトも習慣づけていると。

「ウォーターローディングにもなっていますしね。そういう風に辻褄があってきて。コンディショニングかつ減量にも関係しているような形ですね。勿論、温浴施設に行くと気持ち良さもあるし、勝手に行き着いて合わせ技なったような感じです」

──こういうポジティブな話をしていると、表情にも精気が戻ってくるのですね。いやぁ、人体は神秘です。

「アハハハハ」

元谷 自分も参考になりました。しっかりと自分も落とします。

──春日井選手が「しんどいことを忘れちゃうんですよ」と苦笑いしていましたが。

元谷 だいたいは覚えているんですけど、本当につらい時のことはどっかに忘れちゃうんです(笑)。でも今回も落ちましたし、なんとかギリギリを攻めていきたいですね。

「下ごしらえが大切なんだよ。最後の調理の前に」

──セコンドと駆け込む姿など、北岡選手は横目で見ているといかがでしたか。

「まぁ、僕は所属選手がいて。彼らがミスることもあるから。もう落ちない時はどうしようもないじゃないですか。『大丈夫か』って声を掛けても、どうなるものじゃない。だから、減量に関してはもう他の人のことはどうしようもないッスよ」

──そういえば北岡選手は計量には、映像を常に撮って追われている方を除けば、誰か選手やトレイナーと来るということがないですね。

「僕は1人できます。デカい大会の時もそうでした。でも、これからRIZINに出る時は奥さんも一緒です。連れて行ってあげます」

──では今回の試合に関しましては、ごちそう様でしめさせていただきます。

■視聴方法(予定)
11月11日(土)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP116計量結果

<バンタム級/5分3R>
元谷友貴:61.6キロ
CORO:61.5キロ

<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.75キロ
泉武志:70.65キロ

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗:61.7キロ
雅駿介:61.65キロ

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ:43.65キロ
ちびさい KYOKA:42.8キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.65キロ
谷岡祐樹:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
橋本ユウタ:61.7キロ
鹿志村仁之助:61.4キロ

<メガトン級/5分3R>
誠悟:121.2キロ
ヨコヤ・マクレガー:96.35キロ

<ライト級/5分2R>
佐々木大:70.75キロ
太田将吾:70.25キロ

<バンタム級/5分2R>
秋元強真:61.55キロ
田口貴親:61.4キロ

<アマチュア68キロ契約/3分2R>
菅涼星:67.75キロ
小柴亮太:67.15キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
鈴木大晟:65.3キロ
横内おにぎり君:64.65キロ

The post 【DEEP116】計量直後に偶然……それとも必然。北岡悟と減量トーク with 元谷友貴 first appeared on MMAPLANET.