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【Gladiator022】ダギースレンと対戦、ズッキーニョス「モンゴル幻想はない。よそ者にベルトは渡さない」

【写真】DEEP暫定フライ級チャンピオン福田龍彌と。ベルトをMIBUROに持ち帰る──その一歩となるか (C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022からスタートする、フェザー級GP準々決勝でダギースレン・チャグナードルジと対戦するチハヤフル・ズッキーニョスのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

いかなる質問に対してもクールに、スマートに答えるチハヤフル。しかしグラジのベルトと今回のGPについて訊くと、話しぶりに熱気が帯びてきた。さらに今回はチームメイトであり、リングネームの名づけ親でもあるDEEPフライ級暫定王者の福田龍彌にチハヤフルの強さについて訊いた。

<チハヤフル・ズッキーニョス・インタビューPart.01はコチラから>


――MIBURO所属選手といえば、福田龍彌選手を除いてストライカーよりもグラップラーという印象が強いです。チハヤフル選手も自然と組みに重きを置くファイターとなっていったのでしょうか。

「MMAなので、打撃も組みも両方やりたい気持ちを持っていました。たまたまというか、自分に向いていたのが組みだったということですね。最初は打撃が下手で、組みばかりやっていたことも理由の一つだとは思います。組みを練習していると、だんだん極められるようになってきて、そろそろ打撃もやらないといけないと思ってタイに行きました」

――打撃を向上させるために、いきなりタイへ!?

「はい、もう7~8年前になります。学生時代に休学して、プーケットのタイガームエタイなどに行ってきました。タイで集中して練習したおかげで、ようやく打撃の型が身についてきたんですよ。そこから少しずつ打撃のことが分かるようになってきたと思います」

――凄い行動力ですね。ちなみに試合後の不死鳥ポーズは、その時代からやっていたものですか。

「いえ、不死鳥のポーズをやり始めたのはプロデビュー戦です。KO勝ちしたあと、自然に出ました。名前が『千羽也(ちはや)』なので、心の中に翼を求めているところがあるかもしれないですね」

――そのセリフをスラッと言えるところが男前すぎます。衝撃の不死鳥ポーズから3年半、今回はグラジエイターのフェザー級GPに出場することとなりました。現在のコンディションはいかがですか。

「全く問題ないです。ダギースレンがコメントで『しっかり練習してきてください』と言っていましたが、彼に『心配するな。しっかり仕上げていくから』と伝えたいですね」

――グラジ参戦は2021年6月の天草ストロンガー四郎戦以来となります。

「オファーのタイミングでたまたま出られなかったり、他の団体の試合が先に決まったりしていましたが、ずっとグラジエイターには出たかったです。それで頂いたオファーがフェザー級GPということで、最初は『マジすか!?』と思いました(笑)。

しかも最初の相手がモンゴル人選手と聞いてビックリしましたね。GP出場のチャンスを頂いて、本当に嬉しいです。外国人選手2人に、それなりに名前のある河名マスト選手。そしてグラジエイター生え抜きである僕の4人というのは、キャラクターが揃っているトーナメントだと思います」

――やはり自身がグラジ生え抜きであることは重要な要素ですか。

「継続的に出場していたのが僕だけですからね。それが嬉しいです。ようやくタイトルに絡む試合ですし。他の選手からすれば、グラジエイターのベルトは通過点かもしれません。ベルトを巻いて北米に行くなり、Road to UFCに出るなり……。でも僕にとっては一つのゴールなので。通過点として考えている選手と、ゴールとして考えている僕では、どちらのほうがベルトへの気持ちが強いのか。

自分のようにグラジエイターのベルトを狙っている選手からすると、海外の選手が勝ってベルトを持っていかれ、すぐに返上されるのを見ると歯がゆいです。気持ちとしては――面白くないですよね。もちろんベルトを獲られるほうが悪いです。だから自分が止めたい。ここで僕がベルト流出を止めたら、めちゃくちゃカッコイイじゃないですか」

――そう感じる相手の中には、日本の河名マスト選手も含まれていますか。

「もちろんです。何だったら彼が一番、このGPを通過点として考えているんじゃないですかね(笑)」

――なるほど。それでは初戦の相手、ダギースレンの印象を教えてください。

「ヤバそうだなって思いました。最初に相手を聞いた時は、正直言ってビビりました。でも試合映像を視るかぎり、僕の中にモンゴルMMA幻想はないです。特に前回来たニャムジャルガルとテムーレンと比べてたら、彼らほどの強さはない。ハートは強いし、ポテンシャルは高いと思います。

でも特別な対策がなくても、このMIBUROで10年近くやってきたことをぶつければ、十分に勝てると考えているので。だからモンゴル人選手が相手だからという奇策はないですね。試合では判定を狙うことなく、フィニッシュします。皆さんはダギースレンがKOするか、僕が寝技でネチネチ攻めるかと考えているかもしれませんが、逆に僕がKO勝ちすることもありますよね」

――このGPで優勝し、グラジのベルトを巻いたチハヤフル選手自身がUFCなど海外の大会に出ることは考えていますか。

「今は考えていないです。海外で試合をしたいという気持ちがないわけではないですが、まずベルトを獲ったら、必ず防衛戦はやります。すぐに返上はしません。それと『海外に行きたい!』と言っている選手が行くものではなく、強いヤツにチャンスが与えられるものだと思っています。まずはグラジエイターのベルトを巻くこと。よそ者には渡しませんよ」

■福田龍彌のチハヤフル・ズッキーニョス評
「彼はフィニッシュ率が良いですよね。それだけ思いきりが良い、自分のことを信じ切って戦うことができている。たとえ試合で劣勢になったとしても、要所要所で迷いなく攻め返すことができる。そういう展開で勝っている試合も多いし、MMAの中でも競技をしているだけじゃなく、喧嘩ができるというのが大きな強みやと思います」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

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【Gladiator022】フェザー級T準決勝、チハヤフル・ズッキーニョス「スクールカーストで下のほうの良い子」

【写真】意外な事実が次々と聞かれた (C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022より、4人参加のフェザー級GPがスタート。京都在住ファイターのチハヤフル・ズッキーニョスが、初戦でモンゴルのダギースレン・チャグナードルジと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年1月に中川皓貴を下して同級王者となったチョ・ソンビンが、PFL出場のためベルトを返上。空位となった王座を河名マスト、パン・ジェヒョク、MGL-1王者のダギースレン、そしてチハヤフルの4選手が争うことに。この中で唯一「グラジエイター生え抜き」と自認するチハヤフルとは、一体どんなファイターなのか。初インタビューを試みると、試合後の不死鳥ポーズからは想像できない、クールでスマートなチハヤフルだった。


――チハヤフル・ズッキーニョス選手の初インタビューとなります。どうしてもお聞きしたかったのは、リングネームについてです。

「そうなりますよね(笑)。まず本名が『石附千羽也(いしづき・ちはや)』なのですが、下の名前については福田龍彌さんから『チハヤフルやな』と言われました(苦笑)。あと名字が『いしづき』なので、よくヅッキーと呼ばれていたんです。そこで、プロデビューにあたりブラジル人っぽくしようと思い『ズッキーニョス』に。結果、チハヤフル・ズッキーニョスというリングネームになりました」

――チハヤフル選手のプロデビューが2019年なので、2016年から2018年にかけて上映された『ちはやふる』から取ったのでしょうか。

「ちょうどそれぐらいの頃ですね。一応、本名に基づいたリングネームなんです」

――ご本人としては、先輩からリングネームを付けられての感想はいかがですか。

「僕としては気に入っています。ただ、自己紹介すると時は少し恥ずかしいですね。名前を言うと、だいたい『えっ?』と聞き返されるので(笑)。でも先輩から頂いた名前なので、大事にしていきたいです」

――先輩から名付けられると、拒否権はないのですね。

「もちろん本名で試合をしたり、自分の好きなリングネームをつけることもできたでしょうけど、何しろ怖い先輩ですから。とはいえ、僕も気に入っているので」

――それは良かったです! チハヤフル選手が格闘技を始めたのは、いつのことですか。

「20歳の時なので、もう9年ちょっと前ですね。進学のために新潟から京都へ来て、そのタイミングでMIBUROに入会しました」

――では、京都へ来る前にスポーツ経験はありましたか。

「それほど本格的にやっていたわけではないのですが、小3からダンスをやっていました。子供ヒップホップから始まって、ジャズダンスも経験しました。少しだけバレエをやっていた時期もありましたね」

――えぇっ!? それだけダンスをやってきて、プロのダンサーへの道を歩もうとは考えなかったのでしょうか。

「もちろんダンスは好きでした。それと同時に、子供の頃からPRIDEを見て育ってきた世代なので、MMAをやることに対しても憧れがあったんです。でも新潟にいる頃は、近くにMMAのジムがなくて。それと、ずっと親がお金を出してダンスを習わせてくれていたので、自分の中にダンスを辞めるという選択肢もありませんでした。

それが20歳の時に地元を離れて――京都ならMMAのジムはあるだろうと思って、ココに来ました。本当はダンスとMMAを並行して続けていきたいと考えていたのですが、ジムに入ってみるとMMAが楽しすぎて(笑)。結果、かれこれ10年ぐらい続けています」

――10年前といえば、各地にダンススクールも増加していました。そのためダンスの世界も夢のあるものになっていたと思います。

「確かに流行っていましたね。でも僕はダンスをやっていたとはいえ、イケているほうではなかったんですよ。スクールカーストでいえば、下から2番目ぐらいで(苦笑)」

――スクールカーストの下から2番目というのが、なかなか想像しにくいですが……。

「ガリ勉というほどではないけど、真面目でオタクっぽかったんです。ダンスも密かに続けていたような感じで。進学したのもダンスとは関係ないジャンルの大学でしたし。MIBUROは、大学や住んでいるところから自転車で通える距離にあったので入会しました」

――それは趣味としてMMAをやりたいのか。あるいは最初からプロ志望だったのでしょうか。

「プロになりたいという気持ちを――密かに持っていました」

――ダンスもMMAも、密かに(笑)。

「アハハハ。それで最初にジムへ来た時、エダ塾長がいたんですよ。当時の僕は80キロぐらいあったのに、10キロ以上軽いエダ塾長に投げられ、コカされまくって。『これがプロか!』と思いました。だから自分から『プロになりたい』とは言わず、密かに『いつかはプロになりたい』と思ってジムに通い続けました」

――結果、プロになってチハヤフル・ズッキーニョスというリングネームを与えられたと。

「そうですね(笑)。5年ぐらいアマチュアをやってきた結果、ありがたいリングネームを頂くことができました」

――なるほど。試合後の不死鳥ポーズやSNSを見ると、もっとハジけたタイプかと思っていましたが、意外なほどクールな喋り口で驚きました。

「本当ですか。普段は落ち着いていて、試合で解放するタイプなので。もともとオラオラ系ではないし、喧嘩もしたことがないですしね。先ほど言ったとおりスクールカーストでも下のほうで、大人しい良い子でした」

――大学まで進学したということは、格闘技以外の職業も考えていたのでしょうか。

「工業系の高専(高等専門学校)から理系の大学に進み、大学ではデザインを勉強していました。でも浮かれて入ってしまったというか、真面目な大学生ではありませんでした。やはりデザインを勉強しに来ている人たちは、デザインに対して凄い情熱を持っているんです。それこそ毎日何かデザインの絵を描いているような。そういう人たちを見て、『僕とは違うんだ』と思いました。そう考えるとMMAを始めてから――こんなにのめり込んだものは、今までなかったです。だから『自分にはこの道だ』って」

――それだけMMAにのめり込んだ要因は何だったのですか。

「実は10代の後半に、人と話せなくなった時期があるんです。そのこともあって、20歳の時に地元を離れようと考えました。新しい環境に身を置いてみたくて。それでMMAを始めてみると極端な話、格闘技って言葉を交わさなくても通じ合えるものじゃないですか。今でも海外の方と、お互いに言葉が分からなくても練習したりしますし。例え話すことが下手でも、相手は本気で自分の一緒に練習してくれる。格闘技のそういうところに、僕は救われたんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

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【Gladiator022】神田T800周一に挑戦、テムーレン・アルギルマー「生まれ育った村の同級生が大阪にいて」

【写真】自信しかない、そんな感じのテムだった (C)MMAPLANET

蒙古襲来、再び。11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022でGladiatorバンタム級チャンピオン神田T800周一に挑戦するテムーレン・アルギルマー。

3月の前回大会におけるノンタイトルファイトで神田と戦ったテムーレンは、スラムからチャンピオンをパウンドアウトし、ダイレクトリマッチ=タイトル戦&GP準々決勝が決まった。

あれから3カ月、母国モンゴルで神田戦に向けて調整中のテムーレンに話を訊いた。


――3カ月で2度目の来日が決まりました。今、どのような気持ちですか。

「また日本に行って、試合ができることは凄く嬉しいよ。僕自身、3月から今日まで凄く長く感じていて(笑)。過去には1週間前のオファーでも試合をしてきたので、これだけ準備期間があることが長く感じられる……。ようやく、試合ができる。そんな想いでいるよ。ただチャンスを与えてくれたグラジエイターの人達には本当に感謝しているし、タイトルマッチだから凄く気合が入っている。

3月に帰国すると、皆が『本当に良い試合だった』と褒めてくれた。モンゴル以外で戦ったのが2度目の経験で。最初は2019年にロシアで試合をして。その時と比べると、日本での受け入れ態勢や試合前の環境なんかも全然違っていた。本当に嬉しかったし、『やってやろう』という風に気持ちが上がったんだ。

それと生まれ育った村の同級生が大阪に留学していて、彼と再会できて嬉しかった。子供の頃、『俺は大きくなったらスポーツ選手として成功するんだ』って話していたんだ。アイツは大阪で勉強していて、僕はファイターとして大阪で戦って勝った。試合後、2人でセブンイレブンに行った時、『夢が叶ったな』と言って貰えて……本当に感激したよ」

──良い話です。ところで今回の試合は王座挑戦だけでなく、バンタム級GPで勝てば王座として防衛するフォーマットですが、どう思いますか。

「えっ、そうなんだ。いや、知らなかったよ。ビックリした(笑)。でも、より強いモチベーションになるよ。そして、臨むところ──いう感じかな。強い選手と戦っていかないと、強くなることができないから。他にどんな選手がGPに参加するのか楽しみだね。

個人的にドンドン試合がしたいと思っているので、次が決まっているトーナメントは大歓迎だ。勝って、試合に出場し続けたい」

──グラジエイターではフェザー級王者チェ・ソンビンがPFLに戻り、ライト級王者キ・ウォンビンはRoad to UFCへの再出場が決まると、フライ級王座に輝いたニャムジャルガル・トゥメンデムベレルはワンマッチでRoad to UFCに出場します。チャンピオンになった選手がステップアップを果たしたことは、どのように感じていますか。

「もちろん、自分もそうなるために練習しているから。チャンピオンになって、より大きな舞台で戦いたいと思う」

──では今回のタイトル戦です。対戦相手の神田選手には、既に勝利をしているわけですが、彼は負けた直後にリマッチを要求していました。

「カンダの気持ちはよく分かるよ。僕が彼と同じ立場だったら、同じように思っただろうね」

──その前回の試合、力強い組みとスラムを見せていましたが、まだまだ引き出しが多い。見せていないことがありそうですね。

中村倫也ともスパーリング

「もちろん、見せていない技はあるよ。

でも、それを見せることが重要だとは思っていない。戦略を立てて、チームと準備をしている。その戦略に則して戦うことが一番大切だからね」

──まだ後半4名の参加選手は発表されていないですが、GP制覇へどれほど自信がありますか。

なんちゅう大きさのケトルベルだ……

「100パーセント。

GPトーナメントに優勝するのは、僕だよ。カンダにはしっかりと練習してきてほしい。それでもチャンピオンになるのは僕だ。そのために厳しい練習をしているから。まぁ、カンダもベストを尽くしてほしいと思っている」

──では日本のファンに、この試合に向けての意気込みをお願いします。

「6月11日、前回以上に激しい試合になるので会場に来てみて欲しい。最後は僕がチャンピオンになるから」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

The post 【Gladiator022】神田T800周一に挑戦、テムーレン・アルギルマー「生まれ育った村の同級生が大阪にいて」 first appeared on MMAPLANET.
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Gladiator Gladiator022 MMA MMAPLANET o Progress YouTube ジェイソン・マルガリョ スティーブン・ギレスピ ダギースレン・チャグナードルジ チャンネル テムーレン・アルギルマー ハンセン玲雄 パン・ジェヒョク フェルナンド ベラトール 世羅智茂 八木敬志 天草ストロンガー四郎 森戸新士 江木伸成 江田こうすけ塾長 河名マスト 海外 溝口司 神田T800周一 竹本啓哉 阿部光太

【Gladiator022】テムーレンと再戦=GP準々決勝&王座防衛戦、神田T800周一「GPはベルトの価値を下げる」

【写真】攻めるグラジへの想いは人一倍ある神田だが、王者としての意地がGP戦の一角としてマッチアップされることには不満を感じていた。これを口にできるのも、良い環境だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022より、8人参加のバンタム級GPがスタートする。そして準々決勝を兼ねたGladiatorバンタム級選手権試合として、同級王者の神田T-800周一とテムーレン・アルギルマーの再戦が組まれた。
Text Shojiro Kameika

両者は今年3月にノンタイトル戦で対戦し、テムーレンがスラムからのパウンドで神田をKOしている。神田は試合直後にリマッチを直訴し、タイトルを賭けたダイレクトリマッチが行われることとなった。しかしGP1回戦でタイトルマッチという形式に、神田は複雑な想いを抱えていたという。その想いが晴れた理由と、初戦の展開からひも解くテムーレン攻略法を訊いた。


――テムーレンとの再戦を控える神田選手です。今年3月、テムーレンに敗れた直後に再戦を希望したそうですね。

「はい。あの時、ファイターとして再戦をせずに生きていくという選択肢はなかったです。チャンピオンなのにノンタイトルで負けて、それで『また頑張ります! 次は誰でも来てください』というのは説得力がないと思って。チャンピオンとしての責任感と、ファイターとしてテムーレンを乗り越えて成長したいという気持ちがあって、直訴しました」

――直訴したのは試合後の会場ですか。それとも試合から数日経ってからでしょうか。

「試合直後はザ・ワンのカメラに向かって喋って、すぐ櫻井(雄一郎グラジエイター代表)さんにも伝えました。するとザ・ワン側は『ちゃんと映像で喋ってくれたから、気持ちは伝わるでしょう』と言ってくれて。櫻井さんも『分かりました。気持ちは受け止めます』という答えでしたね」

――あれだけのKO負けでしたから、リマッチとの間に1試合挟むという選択肢もあったかとは思いますが……。

「いや、僕の頭の中にはダイレクトリマッチしかなかったです。そこで間に挟まれた選手にも失礼ですし。とにかくテムーレンを乗り越えたい、あの敗北を精算したいという気持ちしかありませんでした。チャンピオンがノンタイル戦で負けたのだから、次は当然ベルトを賭けて」

――そのダイレクトリマッチがバンタム級GPの1回戦で、タイトルマッチとして行うことを聞いた時の心境はいかがでしたか。

「これを言ったら怒られるかもしれないけど――正直なところ、僕はトーナメントではなくワンマッチの防衛戦をやりたかったです」

――えっ、どういうことですか。

「タイトルマッチとGPを同時に行ったら、どうしてもGPのほうが存在感は大きくなるじゃないですか。ベルトを賭けているとはいえ、トーナメントの1回戦なので。そうなるとグラジエイターのベルトの価値が下がるのでは、と思いました。僕としては1度負けた相手との、覚悟を持ってダイレクトリマッチに臨むわけで。それをGPの1回戦で行うよりは、ワンマッチの防衛戦のほうが自分の気持ちを持っていきやすいかなと考えていました。もっと僕の覚悟を、しっかりと受け止めてほしいなって」

――……。

「負けていて生意気かもしれないですが、櫻井さんには直接伝えました。僕の意志を踏まえたうえで、櫻井さんとしてはGPでやりたいということでした。櫻井さんにもGPにこだわる理由があるんでしょうし、もちろんGPのほうが盛り上がることも理解できますよ」

――ベラトールが各階級でトーナメント×タイトルマッチのGPを開催し、盛り上がっていました。

「それも分かるんです。海外選手を呼んでくれてワクワク感もありますし、さらに良い選手とも交渉しているでしょうから。でもなぁ……そう思っていましたが、他のカードを聞いて気持ちは変わりました」

――どういうことですか。

「竹本が出るからです」

――!! 竹本啓哉選手の出場を聞いて、気持ちが変わったのですか。

「何なんでしょうね(笑)。アイツとは同い年で、今まで1勝1敗で――別に普段から話をすることも、連絡を取るわけでもない。だけど気になる存在なんですよ」

――以前のインタビューで仰っていた「腐れ縁」ですね。

「このGPでも、竹本が勝つことを願っています。今回も竹本のほうが勝ちパターンは多いんじゃないかと思っていて。竹本が抑え込むか一本を取ると予想しています」

――そして、ベルトを賭けて竹本選手との決着戦を迎えると。

「今回は準々決勝で、次の準決勝の組み合わせは一度シャッフルされるのか、今大会で勝った者同士で対戦するのかは、今のところ分かりません。準決勝であっても決勝あっても、アイツとベルトを賭けて対戦したいです。お互いに強い外国人選手に勝って、タイトルマッチで決着をつけるというのは、最高のストーリーじゃないですか。それがJ-MMAですよ。グラジエイターも良いところを突いてきますね(笑)」

――アハハハ、確かに最高のストーリーラインですね。ただ、その前にテムーレンとの再戦が待っています。まずは初戦の内容についてお聞きしたいのですが、スラムからパウンドを受けた時に意識や記憶はあったのでしょうか。

「前後で飛んでいる記憶もなくて、意識も繋がっていました。でも後から映像を視ると、僕は力が入らない状態になっていたので、効いていたのは間違いないです。意識がある分、直後の悔しさも大きくて」

――なるほど。1Rに神田選手の左ハイがテムーレンのテンプルをかすめ、続けてスーパーマンパンチを繰り出しました。あれは打撃で行けるという意識だったのでしょうか。

「相手は打撃に隙があるとは思いました。クリーンヒットはしなくても、ブロックの上からでもパンチが当たって、手応えは感じていたんです。もちろんテムーレンのパンチの強さも感じました。それ以上に試合前からテムーレンのディフェンスが甘いと思っていたので、打撃戦も選択肢の一つにありましたね」

――前回のテムーレン戦の展開が、過去の神田選手の試合と異なっているように感じたのは、距離と手数です。これまではしっかりと距離を取り、細かく手数を出して相手を削っていくのが神田選手のスタイルでした。それがなぜ一気に距離を詰めたのかと……。

「実は相手の構えに驚いちゃったところがあるんです。過去の試合映像を視たら、テムーレンはオーソドックスで構えていたんですよね。でも試合で向き合ったらサウスポーで……。そのために距離の設定や戦術が変わり、焦ってしまったというのが正直なところです。とはいえ、テムーレンは打撃をスウェーでかわすところがあるし、自分から二つ三つと打撃を繋げていけば当たるんじゃないかと考えていました」

――そのスーパーマンパンチから神田選手が組みついたものの、テムーレンにマウントまで奪われました。神田選手は潜ろうとしたところ、返すことができませんでした。

「あれはテムーレンのトップキープが強かったですね。僕はハーフガードからワキ差しの展開を狙っていたのに対して、テムーレンのベースの強さみたいなものを感じました。試合ではモンゴル人選手がやっていなさそうなところを突いてやろうかと考えていて。イメージの話でしかないけど、グラウンドで勝負してみようと――そうしたら寝技も巧かったですね。三角からの腕十字もギリギリ逃げることができたぐらいで。僕も逃げるために結構、力を使いましたし。そういう柔術的な部分も強かったです」

――以降、テムーレンのバックコントロールが続きました。神田選手の代名詞である「神田返し」には幾つかのパターンがあるとお聞きしましたが、その神田返しを出すチャンスはなかったですか。

「出せなかったですねぇ。相手にも力を使わせて疲れる展開を作りたかったんですけどね。やっぱり爆発力がある選手なので、しつこくやっていこうとは今回も考えています。それがモンゴル相撲の文化なのかどうかは分からないけど、とにかく寝かせるところまでは頑張ってくると思うんですね。僕としてはグラウンドでゆすって、ゆすり続けて、空いた穴を突いていく。それは前回と同じです」

――すると組まれてバックを狙ってくるところを、どう崩すか。初戦では、いつも神田選手がやっていることを逆にやられたという印象でした。

「そうですね、分かります。でも僕としては、ガッチリ組まれて抑え込まれるという印象はなかったんですよ。コントロールされている時間は長いけど、かといって動けないわけではなかったので。あの状態から、いくつかの展開を探っていこうかと考えていました。それこそ投げを防ぐためにキムラで引き込んだりとか。そうやって探っていこうとしたところで、投げられてしまったんです」

――そのテムーレンとの再戦ですが、狙うのはグラウンドの展開ということですね。

「まだ寝てからの文化は、日本に埋まっているものがあると思います。だから僕は隙間産業を探し続けますよ(笑)」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
今村豊(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
田中壱季(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
廣瀬裕斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
別所竜弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄(日本)
徳野一心一馬(日本)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
ジェイソン・マルガリョ(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士(日本)
網藤雄太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂(日本)
加賀谷庸一朗(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長(日本)
溝口司(日本)

<ウェルター級/5分2R>
阿部光太(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<フライ級/5分2R>
江木伸成(日本)
空(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
藤岡陸(日本)

<ライト級/5分2R>
後藤丈季(日本)
水野翔(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
直島弘昌(日本)

<バンタム級/5分2R>
安枝匠(日本)
吉田開威(日本)

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
武尊(日本)

<フライ級/5分1R>
MASATERU(日本)
塩谷尚也(日本)

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太(日本)
西村剛(日本)

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FINISH10 Gladiator Gladiator022 MMA MMAPLANET o Progress YouTube ジェセフ・チェン チャンネル 世羅智茂 大嶋聡承 寒河江寿泰 岩本健汰 森戸新士 河名マスト 濱村健 長田拓也 青木真也 須藤拓真 鹿志村仁之介

【Gladiator022】森戸新士✖網藤、世羅智茂✖加賀谷。プログレスFSG暫定ウェルター級王座決定T開催

【写真】森戸、網藤、加賀谷、世羅。森戸と世羅の決勝戦というラインが濃厚であることは絶対だ(C)MMAPLANET & GLADIATOR

30日(月)、Gladiatorより6月11日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR022で、PROGERSSフォークスタイルグラップリング暫定ウェルター級王座決定トーナメント準決勝=森戸新士✖網藤雄太、世羅智茂✖加賀谷庸一朗の2試合が組まれることが発表された。

同正規王座は今年1月に森戸を下したジェセフ・チェンがベルトを巻いているが、来年のADCC世界選手権出場を目指し11月に実施されるオセアニア・アジア予選をターゲットにしているため、再来日は2024年になることで、PROGRESS実行委員会は暫定王座を制定することを決定したという。


森戸は日本を代表するライト級の柔術家で、2021年JBJJF全日本選手権の黒帯ライト級優勝、GLADIATOR内で組まれるPROGRESS提供のグラップリングマッチをリードしてきた。こまでタイトル戦の敗北を含め3勝2敗。濱村健戦長田拓也戦で連続一本勝ち、河名マスト戦にスリリングなトップの巡る熱戦も1-2で惜敗し、須藤拓真戦は引き込みで得た4Pを足関節を防ぎつつ守り切り快勝している。

前述した1月のジョセフ・チャンとの王座決定戦ではテイクダウンからパスを圧力に防戦一方となり、腕十字で一本負けを喫した。トップ重視、下を怖がらないティーンエイジャーの戦い方こそ、これからの世界標準のグラップリングといえるもの。

世界レベルを肌で知った森戸は2月のFINISH10で寒河江寿泰戦ではサブオンリールールながら、トップから激しく圧を掛けるスタイルを披露し、最後は後ろ三角を極めて一本勝ちをしている。

さらに28日に行われたJBJJF全日本ノーギ柔術オープントーナメントでもエキスパート・ミドル級と無差別級のダブルゴールドに輝いた森戸と対する網藤雄太選手は4月のGLADIATOR CUPエキスパート77.1キロ級では優勝した鹿志村仁之介に得回戦で敗れたものの運営陣の評価も高く、今トーナメントで抜擢にされることなった。

そのGLADIATOR CUPエキスパート77.1キロ級で惜しくも準優勝となった世羅も、森戸と同様に国内柔術&グラップリングのリードしてきた選手だ。近年はノーギに力を入れており、2020年4 &5月には青木真也戦岩本健汰戦とケージを使ったサブオンリーで連続ドロー、PROGRESSフォークスタイルグラップリングでは3月大会でスーパーティーンエイジャー=オーシマイキーこと大嶋聡承と対戦し、アームドラッグからシングルレッグでテイクダウンという妙技を披露し8-4で勝利している。

先週末にはタイで開かれたADCC東南アジアオープンで表彰台の頂点に立つなど、好調をキープしている世羅。彼と準決を戦う加賀谷は2017年フリースタイルレスリング全日本選手権79キロ級5位という成績を筆頭に、全日本社会人選手権グレコ82キロ級2位、JOC杯ジュニアで優勝、世界ジュニア選手権に出場経験のあるエリートレスラーだ。

現在はグラジの櫻井代表率いる創道塾所属でMMAではアマで2戦2勝、先のGLADIATOR CUPは初戦敗退もポイント制の同ルールでは、トップ&寝技を遮断するという戦い方をすれば世羅撃破もあり得る。世羅としてはスタンドもしくは、座ろうが寝ようが如何に日本トップ級のレスラーを相手にタイトな組みを創ることができるのか。そこが勝利の鍵を握ってくるだろう。

なおリリースに寄せられたトーナメント出場4選手のコメントは以下の通りだ。

森戸新士
「暫定王座を懸けたトーナメントに参戦できて光栄です。しっかり優勝して、もう一度ジョゼフ・チェン選手に挑戦したいです。新しく鍛えてきた技術もたくさんあるので、GLADIATOR/PROGRESSの舞台で披露します」

網藤雄太
「今回プログレストーナメントに参戦させて頂きます感謝します。対戦相手の森戸選手は柔術界のビックネームですが、プログレスルールなら僕の方が強いと思っています! 無名の僕ですが今回の試合で皆さんに名前を覚えて頂けるような熱い試合をするのでよろしくお願いいたします! 森戸選手、熱い試合をしましょう!」

世羅智茂
「今回ウェルター級暫定王座決定トーナメントに出ることになりました。前回の試合は消極的になってしまったので今回は一本で極めて次の決勝に進みたいと思います」

加賀谷庸一朗
「今回、プロの方々が戦うGLADIATORの舞台で試合をさせていただく機会を与えて頂きました、櫻井会長をはじめ、大会関係者の皆様ありがとうございます。対戦相手の世羅選手は柔術やグラップリングでの実績が素晴らしく、手合わせできることだけでも大変貴重な機会だと思っています。私は元々レスリング出身で世羅選手とは戦う土俵が違いますが、それでもレスリングは強いぞということを証明できればと思っています」

なお同トーナメント決勝戦は10月1日開催のGLADIATOR023に予定されている。

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル


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【Gladiator021】テムーレン戦へ、神田T-800周一─02─「怖くてワクワクして、やりがいがあります」

【写真】恐怖に打ち克、自分に勝って相手に挑む。その姿勢に人は魅かれます(C)MMAPLANET

26日(日)に豊中市176BOXで開催されるGladiator021で、モンゴルからの刺客テムーレン・アルギルマーと対戦するバンタム級チャンピオン神田T-800周一インタビュー後編。

韓国、フィリピンに続き、モンゴルを掘り始めたグラジエイターのチャンピオンとして、いやMMAファイター神田周一として、この状況をどう想うのか。そしてテムーレン戦で、どのような自己証明をするのかを尋ねた。

<神田T-800周一インタビューPart.01はコチラから>


――グラジでの試合は昨年4月の王座決定戦以来、11カ月振り。その間、闘裸男で野尻定由選手に勝利。貴重な勝利だったのですが、その後は野尻選手が負けがこんでしまいました。

「野尻君は思い切りが良いので、良い時と良くない時の差が大きいのかもしれないです。体の強さは感じられたので、コツコツと積んでいけば安定した結果を残せる選手になると思います。基本的にはダイナミックな選手で、逆をいえば脆さがある。そこをつかれると……という試合になりますね」

――野尻戦の勝利から修斗のオファーは?

「正直、なかったです(笑)。修斗の有り方だと、僕が出たいといえば試合は組んでもらえるはずです。でも後楽園ホールとか、修斗で――ということで、今の僕はMMAをやっているわけではないので、そこにワクワクできなくて。

そりゃあ藤井伸樹選手と戦わせてもらえるなら、僕もワクワクします。僕は強さと触れ合い、自分の強さを確認したい。むしろ、今回のような試合の方がワクワクします」

――修斗も藤井選手との試合をいきなり組むことはできないでしょうし、ならばベルトを持つグラジでテムーレンというモンゴル人選手を迎え撃つ方がワクワクしますか。

「1月大会もチョ・ソンビン、キ・ウォンビンが来て、フィリピンのジョン・オルニドが笹選手と戦った。コンバット柔術ですけど、江木(伸也)君と竹本(啓哉)は結局、竹本が勝った。バンタム級戦線も動きが活発ですし、同時にごちゃごちゃで3月には誰と試合をするのかなぁと展開は見えていなかったです。

実力的には十分に強い選手だし笹選手や竹本選手と戦うことも、あるかと思っていました。それにチャンピオンとして海外から選手が来ることにニヤニヤしていて良いのかという気持ちもありました。でも、ニヤニヤしてその場に入らせてもらおうと思います。チャンピオンとして踏ん反り返えって、待つつもりはない。だって、ワクワクするじゃないですか。怖いけど。

チョ・ソンビンのような韓国人選手と、ストーリーはないけど試練のノンタイトルマッチとか、タイトルマッチがあるかな。あれば良いなっていう気持ちにさせられました、チョ・ソンビンと戦った中川選手、恰好良かったです。叩き上げで、厳しい相手と戦う。負けたけど、本当に格好良かった。僕もああいう風に、強い選手と戦うMMAファイターでいたいです。

そういう意味で、僕が一番ワクワクさせられるのがグラジエイターなんです。本当にこの状況はめちゃくちゃワクワクします。お金が掛かってしまいますけど、トーナメントをしてほしいぐらいです(笑)」

――結果、蒙古襲来と。

「長谷川さんがモンゴルに行っているSNSを見て、ちょうど福岡で柔術の大会があって、ラーメンでなくモンゴル料理屋にいるタイミングだったんです。僕、モンゴル料理が好きで(笑)」

――アハハハ。

「塩ゆでの羊、じゃがいもと人参と一緒に煮た羊、あと餃子みたいなの(※ボーズ)を食べていて。『長谷川さん、やりよったな』、『グラジエイター、やりよったな。モンゴルを掘るか』って思いながら、モンゴル料理を食っていて(笑)。ただ、いきなり僕とは思っていなかったです。でも、僕がツイッターで反応したのを長谷川さんがチェックしてくれたみたいで……こうなったかと」

――実際にオファーが来た時の気持ちは?

「面白い!!と思いました。グラジエイターがその気なら、僕はやりますよって。グラジエイターが攻めるなら、僕も攻める」

――ここで、少しテムーレンの練習映像をチェックしていただけますか。

「(試合映像を見終わって)こういうのを待っていたんです。良い感じに怖さとワクワク感がある状況を……でも、実感が急にわいてきました」

――とはいえ、この勢いがあるからこそ神田選手がここまで積んできたことをぶつける相手かと。

「準備もそうですけど、本番も今までやってきたことしかできないので。そうなると、相手が誰であろうと――ということに行き着いて。自分がやるべきことをやるだけです」

――いやぁ、明らかに表情が変わりました。厳しい眼になっています。

「韓国、フィリピン、そしてモンゴル。国内で、ここまで測れない強さに触れるチャンスってないんですよね。怖くてワクワクして、やりがいがあります。何より緊張感が僕のなかにあります。いよいよだなって」

――そういう相手と戦い、何を見せて自己証明をしたいと考えていますか。

「う~ん……コツコツと積み上げてきた地味なところですね(笑)。僕だって派手に勝ちたいけど、自分で選んだかのか。選ばざるを得なかったのか。結果的にこうなったのかは分からないですけど、僕が積み上げてきたモノ……そういう地味で諦めないところを出して、勝ちたいです。森戸新士に揉まれていますからね、大丈夫ですよ」

■視聴方法(予定)
3月26日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator021対戦カード

<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
木村旬志(日本)

<バンタム/5分2R>
今村豊(日本)
谷口武(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
秋田良隆(日本)

<Gladiatorフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]NavE(日本)
[挑戦者]ニャムジャルガル・トゥメンデムベレル(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<55キロ契約/5分3R>
中務修良(日本)
エイドリアン・バトト・ジェマ―(フィリピン)

<Progressフォークスタイルグラップリング78.5キロ契約/5分✖2R>
世羅智茂(日本)
大嶋聡承(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・バンタム級/5分✖2R>
前田吉朗(日本)
江木伸也(日本)

<バンタム級/5分3R>
ゆうと(日本)
キム・ウィジョン(韓国)

<フライ級/5分2R>
中西テツオ(日本)
宮川日向((日本)

<フェザー級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
藤岡陸(日本)

<ウェルター級/5分2R>
橋本健吾(日本)
阿部光太(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・バンタム級/5分✖2R>
ハシャーン・フヒト(日本)
花澤大介(日本)

<アマMMAバンタム級/3分2R>
佐藤フミヤ(日本)
北原蓮(日本)

<アマMMAバンタム級/3分2R>
平本丈(日本)
飴山聖也(日本)

<バンタム級/5分1R>
藤井丈(日本)
吉田開威(日本)

<バンタム級/5分1R>
武田純忠(日本)
有田一貴(ブラジル)

<フライ級/5分1R>
古賀珠楠(日本)
那須裕次郎(日本)

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FINISH10 MMA MMAPLANET o ジェセフ・チェン ジョセフ・チェン 寒河江寿泰 森戸新士

【Finish10】ジョセフ・チェンが開いた扉、森戸がトップで削って大健闘&意地の寒河江に後ろ三角極める

【写真】このキムラのホールドで勝負があったか。グラップリングが相当な消耗戦になってきた(C)MMAPLANET

<ライト級/5分3R>
森戸新士(日本)
Def.3R0分42秒by 後ろ三角
寒河江寿泰(日本)

すぐに引き込むと思われた寒河江が、立ちレス──いや、ノーギ柔道で森戸と組手争いを続ける。

ケージに押し込まれ、煽られても下にならない寒河江は首を取られたところで、跳びつき十字から、フラワースイープの要領で腰を押してくる森戸からトップを取りにかかる。

虚をつかれた森戸だが、すぐに草刈りスイープを仕掛けて、立ち上がり上下を逆転させる。

ここから森戸は、足を捌いてパスのプレッシャーを強める。フレームを創り、抵抗する寒河江は森戸を浮かせて、股を潜って前方に送っていく。足を抜いてスタンドを戻った森戸を追う寒河江、下にステイすることはない。

森戸のシングルを切った寒河江だったが、続くシングルでケージに押し込まれ、ついに背中をつかされてしまう。残り時間が少なく、森戸は間髪入れず内ヒールに入ったがタイムとなった。

2R、ケージに押し込まれた寒河江は削られてきた重心を低く保てず、シングルからボディロックテイクダウンを懸命に耐えていたテイクダウンを奪取される。

ハーフを捌き、Kガードに入らせない森戸の圧力に、ついにニーシールドが越えられた寒河江はパスから、即マウントを取られる。

ワキをすくうように体重を掛けて、さらに削る森戸は足を戻されても即ニースライスを狙いつつ、逆側にパスを決めて上四方で抑える。ニーインから三角マウントの森戸は、マウントを切り替えて体重を思い切りかけていく。

寒河江も踏ん張り、足を戻すと森戸はここも一気の足関節狙いでタイムとなった。

3R、ついに寒河江はシッティングを選択する。パスにカウンターの足狙いも捌かれ、頭を跨いだ森戸がキムラに取ると寒河江は反転もできず、エビも使えない。

森戸は後方から四の字に両足をフックする。腕を伸ばされないようグリップを組んでいた寒河江は、後ろ三角に力尽きタップした。

ジェセフ・チェン戦で自ら仕掛けられた展開を、寒河江にぶつけていった森戸が再起の一本勝ちを手にした。体調不良で最後の2週間、練習ができなかった寒河江も跳びつきや、スイープに意地が感じられた──一本負けだった。


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【Finish10】寒河江寿泰と対戦──ジョセフ・チェン戦後の森戸新士「ここで燃えないと、面白くない」

【写真】前日のUnrivaledでタケット兄弟とジェイコブ・カウチのサポートを終え、広島に戻った足で神田T800周一と練習し、取材に応じてくれた──燃えている──森戸(C)MMAPLANET

5日(日)に東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開催されるFinish10で、森戸新士が寒河江寿泰と対戦する。

昨年来、ケージ内ポイント制グラップリングwith MMAグローブというProgressでの活躍が目立ち、グラップラーのイメージもついてきた森戸だ。1月のグラジエイターではジェセフ・チャンに敗れベルトは奪取ならず、2月の最終週にはウィリアムとアンドリューのタケット兄弟と過ごしたことで、彼の身の内に何が生まれたのだろうか。寒河江戦前の心境をLEOS柔術アカデミー広島で尋ねた。


壁レス、そしてパウンド(!!)も見せていた

──まず1月のProgressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦、ジェセフ・チェン戦について改めて感想をお願いします。

「そうですね……あの試合は、結構差を感じてしまったので色々と取り組むべきところがあるな、と思いました。立ちで壁とか使ってどうにかしようと思っていたのですが、そこもできずに一発でテイクダウンに持っていかれてしまいました。

スナップダウンで崩されてしまったので……。組手の創り方とか練習からあまりできていなかったです。ちょっと、色々と見直そうと思いました」

──ただ、それは柔術をやるうえにおいては余り必要ない部分かと思うのですが。柔術家だから寝転んで、自分のやるべきことをやっていれば良い──という風に考えることは?

「やっぱりプログレスという新しいルールで戦うなかで変わってきた部分もあるし、あとはADCCとかも見据えて練習したいと思っています。そういう意味で、柔術のように引き込めば良いという考え方ではなくて、立ちでも勝負できるように普段から練習しようと思います」

──そのような考え方になっていた森戸選手にとって、Unrivaledに来日したタケット兄弟と過ごす時間が長かったというのは何か運命的なモノが感じられますね。

「タケット兄弟とはほぼ1週間付きっ切りでいたので、凄く刺激を貰いました。試したいことがたくさんあります。彼らと話をしていると、取り組み方の違いにも気づきました。打ち込みなんかでもアドバイスを貰いましたし。

ウィリアムが21歳で、アンドリューが19歳と凄く若いのですが、柔術に関する姿勢……その研究の深さの試合とか、違いがありました。『僕らの帰国後も質問があれば、尋ねてきてくれれば良いから』と言ってくれて。彼らからインスパイアされたことを練習で試してみたくて、凄く楽しみです」

──『オースチンに来いよ』とは?

「それも言ってもらえました(笑)。ちょっと計画したいですね」

──ジョセフ・チェン戦の完敗とタケット兄弟との邂逅で、森戸選手自身の中に変化が生まれましたか。

「そうですね。結構、燃えています。次の試合もすぐですし(笑)。FINISHでの試合は展開として、余り立ちとかならないと思いますけど色々と試したいことがあります」

──寒河江選手は階級的に一つ下かと。その寒河江選手との試合は、まず立ちはないかと予想されます。

「ハイ。ジョセフ・チェン選手と戦って、パスガードの仕掛けで削られ、追い詰められて負けてしまいました。そこも研究してきたので、ちょっと試したいですね。それとタケット兄弟のセミナーや打ち込みでも、パスガードでヒントを貰ったので。直ぐにできるかどうか別ですが、トライはしてみます」

──グラップリング、下がデキて当然のトップ時代に入りつつありますね。

「ウィリアム選手もレスリングができれば、それが一番楽に勝てると言っていましたし。ボトムの方が厳しいというグラップリングになってきていますね。自分も発展途上なので、練習で試して、さらに試合で試していきたいです」

──ADCCを狙うということですが、今後は道着の試合の方は?

「両方頑張ります。ジムをやっていて生徒さんにメインで教えているのは道着なので。そこで活躍できないと、説得力がなくなってしまいます。ちゃんと両方頑張りたいです。同時にグラップリングも広めたいと思っているので、そっちも実績を残すことができれば広島や中国地方で広めることができる。グラップリングのクラスも増やしたいですし。ちゃんと、道着もグラップリングも両方で実績を創りたいです」

──ADCC予選に出るとすれば、77キロ級でしょうか。

「66キロに落とせないことはないですけど、77キロですね。そうなると相手は大きくなることを考え、通常体重を少しあげるためにトレーニングを始めようと思っています」

──本気度が感じられます。プログレスで定期的にオファーがあったことで、グラップリング熱が高まったということはありますか。

「明らかにきっかけにはなっています。ノーギの試合機会がなかなかないなか、プログレスからコンスタントにオファーをもらったことで、モチベーションをずっと保つことができました。そういうなかでADCCで頑張っている岩本健汰選手のような存在がいる。インスパイアされながら自分も頑張りたいと思います」

──ジェセフ・チェンが巻いたベルトに関しては?

「いつか取り戻せるように……取り戻せるじゃないですね、1回も取っていないので(笑)。勝ち取れるように、しっかりと積んでいきたいと思います」

──自分など、愕然としてしまったジョセフ・チェンの強さだったのですが、そこで諦めるのではなくモチベーションになったと。

「ここで燃えないと、面白くないですよ」

──なるほど、です。では、その燃えている森戸選手の寒河江選手との試合に向けて意気込みをお願いします。

「ADCCとか世界に挑戦していきたいので、ちゃんと日本で実績を積むことが絶対です。色々と挑戦していくために、とりあえず目の前の試合に勝ちます」

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■ FINISH10対戦カード

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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FINISH10 LFA MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC UNRIVALED UNRIVALED02 YouTube   コンバット柔術 ジョン・リネケル ファブリシオ・アンドラジ 上久保周哉 大沢ケンジ 寒河江寿泰 日沖発 杉山廣平 村田卓実 森戸新士 江木伸成 海外 白木アマゾン大輔 石橋佳大 竹浦正起

【Finish10】石橋佳大戦前の上久保周哉=MMAファイター─02─「今年、Road to UFCが無かったら……」

【写真】その視線の先は──(C)MMAPLANET

5日(日)に東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開催されるFinish10で石橋佳大と対戦する上久保周哉インタビュー後編。

Unrivaled02での勝利を経て、1週間後の石橋戦では吉岡戦とは違うテーマを持って臨むという。

グラップリングを戦うことでMMAファイターとして強くなると考える上久保、ONEとの契約が快勝された今、続くMMAの舞台はどのように考えているのか。

<上久保周哉インタビューPart.01はコチラから>


──では勝手ながらADCC66キロにチェレンジすることがMMAで強くなることなら、本当に上久保選手の挑戦が見てみたいですね。

「あぁ……そうですねぇ。ADCCにはそうやって出ている強い人もいますしね。出たいと言っちゃあ、出たいです。前回の予選は豪州で、今年はシンガポールですよね。以前のように気軽に出ることはできないですけど……。いつもタイミングが悪くて、出られなくて。

苦手なポジション、怖いポジションがなくなれば良いなと思ってやっています。急に足関節ができる選手になれなくても、仕掛けられた時に対処できるようにならないと」

──そのようななか、次のFINISHはケージで。ただし、トップを取るポイントはないサブオンリーです。

「ケージは戦いやすいですけど、今日とは違ったテーマを持ってやらないといけないなって思っています。漠然と戦うのではなくて」

──では石橋選手の印象を教えてください。グラップリングになるとMMAの激闘振りとは違い、要所を抑えてくるテクニシャンという風にも感じます。

「組み技のイメージは丁寧ですよね。頂柔術の人と試合をしたことがあって、意識をするということではなく普通に試合を見たことがあります。そうですね……MMAのイメージとは真逆かと勝手に思っています。強そうだし、練習で会う機会がなかったので組んでみたかった選手です」

──サブオンリー、5分✖3R。一本を狙うのか、ドミネイトしていれば時間切れでも構わないのか。MMAで強くなるために、どちらの思考で戦いますか。

「5分3Rにしてほしいとお願いしたんです。MMAを意識して。ただ一本は狙っていないといえば嘘になるし、狙っているかというとそれも違います。攻め込んだ末、それが一本になる。今日も一本を狙っていなかったわけでなくて、相手を削っていった先に一本があると考えています」

──打撃でも一発KOでなく、当て続けた先にKO勝ちがあるケースもあります。先日のONEのファブリシオ・アンドラジがジョン・リネケルを倒した試合のような。

「そういうイメージです。一緒だと思います」

──ということでFINISHの先、MMAの方はどうなっているのかと(笑)。

「MMA、やりたいですよ。やりたいと思い続けて、1年以上が経ちました。でも、練習を続けています」

──ONEとの契約が正式に切れて、他と交渉できるようになったのはいつからですか。

「実質、試合後から8、9カ月が過ぎてフリーになれた感じですね」

──狙いはRoad to UFCですか。

「Road to UFC……Road to があれば良いなと思っています」

──ちらほら出場選手の名前も聞かれ始めています。

「マジすか。誰が出るのですか?」

──〇〇〇〇〇選手。×××××選手とか△△△△選手、交渉している選手はその数倍はいるかと。

「あぁ、〇〇〇〇〇選手の名前は聞いています。Road toがなければ、今年はどこででも試合をします。欲を言えば、ローカルでも構わないので海外のどこかでやりたいですが、そこは自分がやりたいからといって戦えるわけでもない。そうやって考えると、国内でも戦います」

──リングでも戦いますか? 完全に誘導尋問ですが(笑)。

「少なくともこの1年間、1度も声が掛かっていないので僕のことは興味ないですよ(笑)」

──アハハハ。ところでUFCを狙うことで、試合の機会が逸する。それがファイターにとって不幸という、大沢ケンジ理論も正しい一面があると思います。だからこそ、上久保選手のMMAが見たいですね。FINISH後は。朗報お待ちしています。試合が決まるのが、朗報ってどういうことかと思うのですが……。

「いや、ホントそうですよね(笑)。でも、フリーランスになってまだ4カ月ほどで。半年ぐらいは掛かるモノだと思って動き出しているので。ファイターに試合は必要です。でも田中(路教)選手とか、米国に住んでいてLFAもあれだけ試合を組んでくれないモノなのですか?」

──そこは近々、田中選手に現状を尋ねようと思っています。何か動きはあったようなので。

「田中選手はRoad toは無理なのですか?」

──やはりバンタム級は気になりますか(笑)。最近自分の耳に入って来るのが30歳ではなく32歳という数字なんですよね。

「32歳ですか……。30歳ぐらいまで取りたいってことですね(笑)」

──いやぁ、そこも思うんですよ。ジェンダーレスが当然の世の中で、なぜ年齢の区別があって良いのか。もちろん格闘技なので、考慮される点はありますが、一律っぽく通例になっているのは世の中に逆行しているかと。メディカルに掛かる費用が違うというのも、ではそのメディカルの費用が高くなる年齢も、これだけ医学が発達し人生100年と言われるようになっても20年前と同じなのかと。

「確かに、そうッスよね。選手寿命は長くなっているし、40歳越えてUFCチャンピオンになる選手がいるのだから……年齢差別(笑)。まぁ、強い選手はそこを越えて行けるのでしょうけど。

でも30歳から32歳には伸びた。僕は今年で30歳になるので、ここでRoad toがなければドサ回りする覚悟はできています」

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■対戦カード

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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【Unrivaled02&Finish10】吉岡崇人に勝利、石橋佳大戦へ上久保周哉─01─前に岩本×タケット感想戦??

【写真】自分がある、あり過ぎる上久保は自分の言葉を持っています(C)MMAPLANET

2月26日(日)、東京都世田谷区のiTSCOMA STUDIO&HALL二子玉ライズで開催されたUnrivaled02で、上久保周也が吉岡崇人に勝利した。

その上久保、5日(日)には東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開かれるFinish10で石橋佳大と対戦することが決まっている。僅か1週間のインターバルで柔術黒帯に続き、元MMAファイターとグラップリングで戦う。かたやマットでポイント制、もう一方はケージでサブオンリーと違いがあっても、MMAで強くなるために組み技戦に挑む上久保のやるべきことは変わらない。

そんな上久保に吉岡戦の手応え、石橋戦の抱負を訊こうとしたところ、直ぐ隣にメインを戦ったばかりの岩本健汰の姿があり、自然発生的に両者に話してもらうこととなった矢先、岩本とで激闘を繰り広げたばかりのウィリアム・タケットが挨拶にやってきた。結果、岩本とタケットの歓談から、上久保の話を振ることとなった。


──せっかくなので本人を前にして、メインの感想をお願いできますか。

岩本 あっ。僕、上久保選手の試合が見られなかったので。勝った……15分がやりきったと聞いています。

「もう、いつのもヤツですよ(笑)。15分間、相手を固定していたス」

岩本 壁が無いから。

「そう……。でも、岩本君が負けたのショックだった、そうは言っても」

岩本 あと1年あれば、絶対に勝てそうです。

──おおっ!! 森戸選手とジョセフ・チェンの試合を見て、そして今日のウィリアム・タケット戦を見て、改めて岩本選手の強さが認識できた次第です。

岩本 正直、最初に組んだ時、レスリングは余裕だなって思いました。行ける……入ったら倒せると思いました。

「上の組手は、全然勝てそうだったよね」

──実は試合の試合前にケガをして、岩本選手からはレスリングに行けないという話を聞いていました。

「えっ、そうなの?」

岩本 ハイ。専修大レスリング部で水曜日に練習して、テイクダウンに入られた時に相手の指が食い込んで。それで、ブチって。速攻で帰宅して、ずっと休んでいました。だから四つ組みとかはやらなかったです。でも、レスリングでは絶対に勝てると思います。

──昨年のADCCオセアニア・アジア予選、ジョセフ・チェンを破ったのは延長サドンデスでした。今日、終盤パスを取って同点、そしてサドンデスになれば行けたかも……と。そして、そのパスももう少しという風に見えました。

岩本 毎回、僕の場合は……。

ウィリアム・タケット(がやって来て) アリガト。

岩本 凄く勉強になったよ。今回の試合前にBチームで練習したの?

タケット 1度だけね。そんなに行ってない、1度だけだよ。でもニッキー(ライアン)達と良い練習ができた。いやぁ、でも疲れたよ。日本に来るまで試合は10分だと思っていたんだ。

──えっ、そうなのですか。

タケット そうなんだ。だから、もう10分を過ぎるとホントもう動けなくなってしまった。

──77キロで2人の再戦が見たいです。できればADCC世界大会で。

タケット 次のアブダビには、僕は88キロでエントリーする予定なんだ。

岩本 じゃあ、今度はアンドリューが77キロで?

タケット そうなんだ。前回、アンドリューは西海岸予選に66キロで出て、減量し過ぎて力を発揮できなかったから。だから、僕はこれから体を大きくしないといけない。ケンタは体重、どれぐらいなの?

岩本 80キロ付近だよ。

タケット 僕もそれぐらいなんだ。

岩本 それよりヒザのケガの方は問題なかった?

タケット 大丈夫。まだ少し痛いけど。

岩本 でも、本当にヒザが柔軟だったよ。

タケット そうじゃないと戦えない(笑)。ただ、まだ100パーセントじゃないんだ。去年のADCC世界大会でデマテウス・シュゼンスキにやられて。

岩本 ああ、アオキロックでヒザをやったんだ。

タケット そう、アオキロックだった。カカトが捻る形だったから、ヒザがやられた。

岩本 ヒールフックみたいに極まったんだね。

タケット タップしたけど、間に合わなかった。いや、とにかく今日は戦えて光栄だったよ。本当にありがとう。アブダビでは77キロ級に僕がいなくても、アンドリューが必ず出るから。

岩本 楽しみにしているよ。こちらこそ、ありがとう。

タケット またオースチンにやってくるんだろう?  その時に!!

──という戦った者同士の会話でした。

岩本 スミマセン。質問の返答の途中だったのですが、最後のパスは普通の相手なら抜けていたと思います。でも、凄く柔らかくて。

「そんなにずらしている感じじゃなかったよね。見ている限りは」

岩本 足だけがふにゃっとしていました。普通だったら、あそこから行けるんですけど。

「岩本君のパスを耐えているって、見ているだけでも勉強になるから。でも、スタンドでテイクダウンが取れると思っていた」

岩本 今日のコンディションだと、あそこで攻められないのは仕方なかったです。

──ケガがなければ、と。そんななか、上久保選手は来週はFINISHで石橋佳大選手とのサブオンリーが控えているなかで、今日は吉岡崇人選手の引き込み2つのペナルティ4Pで勝利しました。

「完封したいという気持ちはずっとあったので。トップを取って、トップをキープする。パンチを落とせる場所にいることを意識して、相手の仕掛けは切りつつ自分の時間を長くすることを考えていました」

──上久保選手はMMAで強くなるためにグラップリングに出ています。

「ハイ」

──組み技系のグラップラーでも柔術黒帯の吉岡選手に対して、トップにいて噛みつきと担ぎパスを狙い続けるという戦い方を選択する選手がどれだけいるのか。ずっと吉岡選手のフィールドで戦い続けましたね。

「Unrivaledのルール上、-2Pが入った時点で付き合わないで、相手の回りをぐるぐると動いていれば勝てます。でも、自分は相手を削りに行くポジションにいることが一番落ち着ける。触ってこそ、だし。試合のなかで、そういう練習をしたいと思ってやっています」

──相手が、入れば足関節を使いこなす。そういう相手でも、やはりトップにいる戦いを選択できる……だけの自信がありますか。

「それをやりたい……というか(笑)。最優先は勝つことであること。それは間違いないです。仕掛けられると、しっかりと切らないといけないのも当然です。当然なんですけど、じゃあ遠くでグルグルとランニングしていれば良いのか、と。それは自分がMMAで勝つためには必要ないので」

──その理屈でいえばグラップリング界の強豪と戦って、そういう戦いを仕掛けることが上久保選手のMMAファイターの成長につながるということですね。

「そういう選手から上を取って、削っていかないと。柔術の強い選手と試合をして、テイクダウンにいかないで試合に勝とうと思ったら、その時点で自分の持っているカードが減ります。それはしたくない。自分の強いところで勝負できる──そういう強さと自分が欲しいから、グラップリングの試合にも出ているので」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■対戦カード

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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