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【Gladiator019】プログレス・ルールで須藤拓真と対戦、森戸新士「もう1回河名選手と対戦したい」

【写真】 このワンシーンにどれだけの物語が隠されていたか(C)MMAPLANET

25日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator019で、森戸新士がプログレスのフォークスタイルグラップリング戦に出場し、須藤拓真と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

これまでGladiatorで行われたプログレスマッチに全て出場している森戸は、すでにプログレスの顔といってもいい存在だ。しかし6月の河名マスト戦では、相手にスタンドでいなされ続けてポイント負けを喫している。その河名戦を振り返るとともに、現在の練習と須藤戦への意気込みを訊いた。


――Gladiator019では森戸選手が須藤選手と対戦するほか、レオス柔術アカデミーで練習している選手が出場しますね。

「今レオスでは、僕も含めて3人が次のプログレスに向けて練習しています。まず小谷直之選手と対戦するカウアン・タニノ君は、メチャクチャ強いですよ。まだ18歳の新鋭で、普段はATOSで練習しています。もともと日本では元インパクト柔術刈谷道場――今のBJJ CORE JAPANから福住柔術で柔術をやっていて、年に数カ月ATOSへ行っているんです。そのカウアン君が今、日本に戻ってきて1週間ぐらいレオスで一緒に練習しています」

――カウアン選手はミディアムヘビー級ということで、森戸選手よりも大きいのですか。

「身長は僕のほうが高いのですが、カウアン君は体がブ厚いです。チンパンジーみたいな体格ですよ(笑)。MMAグローブを着けるのは今回が初めてですし、壁レスも初めての経験にはなります。それでも普通にやれば無双すると思いますよ。小谷選手は壁レスが強くて、その小谷選手をどうテイクダウンできるのかどうか。カウアン君はテイクダウンもメチャクチャ強いです。すごく楽しみな試合ですね」

――そして江木伸成選手は、これまでコンバット柔術マッチで戦っていましたが、今回初のフォークスタイルグラップリング戦にチャレンジします。

「津村さん、よくレオスに出稽古で来ているので、江木さんにとっては今回も知り合いとの対戦になります」

――津村さんとは、江木選手と対戦するMAGISA選手のことですか。

「はい、本名は津村尚幸といいます。主催者サイドは、津村さんがレオスへ出稽古に来ていることを知らなかったみたいで(笑)」

――MAGISA選手は8月28日の松原誠也戦で、相手を誘いこんでからケージ際でのテイクダウン、さらにスクランブルの強さを発揮して判定勝ちを収めていました。

「津村さんはレスリング出身なので、プログレスルールでも強いと思います。江木さんは、その津村さんを極めることができるかどうか。とても楽しみですね」

――では森戸選手ご自身のお話に移りますが、まず前回の河名マスト戦の内容と結果については、どのように捉えていますか。

「やはり相手がルールを上手く使って勝ちに来ました。僕の中では引き込んで2ポイントを献上しても極めるのが作戦でしたが、それが実行できなかったですね。

ずっとオーバーフックでいなされていたので。僕が良いポジションを作れそうな展開もあったのですが、そこで創りきれず、取りきれず……悔しいです」

――あの試合展開は予想されていたものかと思います。そこで森戸選手が自分のペースに持ち込むことができなかった要因は何だったのでしょうか。

「もっとスタンドレスリングでは組んでくれると考えていたんです。ガッツリ組んでくれれば、良い形で引き込んだりできると思って。

だから最初はあえて立ちで挑んでいったのですが、まずスタンドレスリングでいなされました。ケージ際も相手のほうが避けている感じもありましたし、その戦い方を徹底していましたね。

まさに河名選手が試合前のインタビューで言っていたような試合展開になったかもしれません。僕も展開を作ろうとしていたのですが、もっと実力差があれば――どれだけ相手がいなしてきても、自分のポジションに持っていくことができたはずなので。僕の力不足です」

――後半には森戸選手が引き込み、河名選手に2ポイントを献上してから展開を作ろうと試みました。

「引き込んで三角と腕十字を散らしながら、それぞれ極めることを狙っていました。でも相手は近づいてこず、僕が形を作ろうとすると全て切って離れる。僕がシッティングガードで近づくとサークリングする。

柔術だと相手にペナルティが入る状態ですけどプログレスでは、座っている相手に対してパスを狙わないといけないというルールがないので。僕はそういうルールで戦うのが初めてだし、ああやって逃げられるのも初めてで、どうしようかと思ってしまいました。僕が座ったら、相手は組んでくれないなって。相手がパスを仕掛けてきてくれたら、僕も展開を作りやすいんですけど……。

座っている僕に対して、相手は左足を前に置いていました。セコンドの八隅(孝平)さんが『切りやすいほうの足を前に出せ!』というような指示を出していて。

おそらくオーバーフックを作りやすい足を前に出していたのかな、と勝手に分析しています。近づいてくる時も、僕が組んだら切る、いなすという前提で近づいてきていましたし。そこの攻防が嚙み合わず、難しかったですね。

あそこで僕が立ち上がってしまったら、その後も相手に2ポイントを献上し続けなければいけなくなる。僕としては、最後にポイントを献上しても極めにいける状態で進めたかったので、すぐ立ち上がるという選択はできませんでした。その結果、シッティングガードの状態で多く時間を使ってしまったと思います」

――終盤にはテイクダウンをオーバーフックで潰された森戸選手がバックを狙い、河名選手が立ち上がって離れる。この攻防により森戸選手に1ポイントが入りましたが、バックを取り切ることはできませんでした。

「あの場面も迷いが出てしまいましたね。オーバーフックの腕に対して三角や腕十字を仕掛けようと考えたのですが、思った以上に背中が見えていたのでバックを狙いに行きました。

でもその判断が少し遅れてしまい、バックテイクできなかったのだと思います。試合終了間際の取れるか、取れないかという攻防で取り切ることができなかったです」

――試合全体を通じて、これまで経験したことのない展開だったのではないですか。

「そうですね。プログレスルールは3回目でしたけど、ああいう戦い方は初めてでした。チャンスがあれば、もう1回河名選手と対戦したいです。アハハハ」

――河名戦では試合終了後に電光掲示板のポイントの間違いがありました。2-1で河名選手がリードしているはずなのに、2-2で試合が終了し、その直後に2-1へと修正されています。

「僕の認識では1ポイントしか取れていないと思っていたので、特に試合結果には関係ないですね。途中で『2点入ったのか!?』とか思いましたけど。かといって僕の戦略が変わることもなかったです」

――2-1で相手が優勢であれば、最後にまた2ポイント献上しながら極めに行くことも予想されました。

「うーん……そういうのも関係なかったですね」

――なるほど。河名戦を経て、ご自身の中で強化すべきだと感じた部分はありますか。

「これはプログレス全試合を通じて感じていることですが、まず立ちレスを強化すること。ADCCに出たいですし、今後プログレスで戦っていくためにも必要ですね。あとは普段の練習の中で、しっかりレスラーと組みたいです」

――今の練習環境の中で、レスリング面をどのように強化しているのでしょうか。

「今は週1で摩嶋(一整)さんと組むのが主な立ちレスと壁レスの練習で。それを週2でやりたいのですが、摩嶋さんも週2で来ることは難しいので、僕が平日に毛利道場へ行きたいとは思っています。ただ、僕もクラスがあるので、なかなか実現しないですね。神田(T-800周一郎)が週1で来てくれたり、アメリカ人の生徒でレスリング経験者の人と立ちレスの練習をしています。とにかく環境は自分で創っていかないといけないですね」

――その後、8月28日には柔術イベントKIT05で大柳敬人に敗れています。

「ゴールデンスコア――本戦で決着がつかなかった時、先にポイントを取ったほうが勝つというルールの結果、負けました。ダブルガードになった際、僕が少し座るのが遅れていて、相手が先に引き込んだという裁定だったんです。それに相手のほうが気づいて立ち上がり、2ポイント入って……情けない負け方でした。完全に僕のミスです。

柔術ではダブルガードの場合、レフェリーが時計を見て20秒経っても展開がなければ、レフェリーが両方の選手を立たせます。前回の試合ではレフェリーが時計を見ていなかった。だからダブルガードとみなしていないことに気づくべきでした。柔術の試合では、ダブルガードでレフェリーが時計を見るかどうかチェックするのに、それを怠っていて……」

――プログレスと柔術、ルールは違えどワンマッチで2連敗を喫したことになります。

「しかも2試合とも極められたわけではなくて、実力差があって負けたとは感じていないので、余計に悔しいです。どちらの試合も自分の判断が遅れた。勝負って、そういう部分で決することが多いですからね。特に、プロ興行に呼ばれている選手として一番良くない負け方をしているかもしれないです(苦笑)」

<この項、続く

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【Gladiator019】プログレスで森戸新士×須藤拓真─実現。ATOSの新鋭は小谷直之と!!! 江木はMAGISA戦決定

【写真】これまた楽しみな組み技戦がグラジで組まれた!!(C)MMAPLANET

19日(木・現地時間)にGladiatorより25日(日)に豊中市176BOXで開催されるGladiator019で組まれるProgressルール3試合の発表があった。

MMAとグラップリングのコアファンがほくそ笑みたくなるグラジの組み技マッチ──今回も、「こう来たか」という顔合わせが実現する。

それがフォークスタイルグラップリング77キロ契約5分✖2R=森戸新士×須藤拓真戦だ。


6月の川名マスト戦ではポイント負けを喫したもののレスリング✖ノーギ柔術の奥深さを十分に見せつけたプログレスの顔というべき森戸に対し、須藤が同ルール初参戦を果たす。

須藤は昨年の全日本ノーギ・エキスパート・フェザー級優勝、MMAでもRIZIN TRIGGERで渡部修斗を下すなど6勝1敗の戦績を残している。「MMAと柔術、ノーギは別物。でも技術は共通している」という須藤は、MMA主戦場としてきたNEXUSでは8月にバンタム級王座に挑戦し、MMA初黒星を喫したもののケージとMMAグローブへの慣れという部分では森戸を上回っている。

とはいえ柔術ではライト級とフェザー級、1階級の違いがある両者は、当日計量の71キロで合意している。現状の体重に近いということだが、当日にどれだけ動けるのかを考慮すると、須藤は2~3キロほど体を絞る方が良いかもしれない。

それでも──これまでプログレスではMMAファイターと戦ってきた森戸が、柔術を知り足関節を使いこなす須藤とのマッチアップは非常に楽しみといえるだろう。同時にこの試合を経て、須藤がMMAでグラップラー揃いのGladiatorバンタム級戦線に加わっているのか──という点においても、楽しみなケージ・グラップリングだ。

また現在、日本滞在中のATOS柔術所属のカウアン・タニノが84キロ契約で、小谷直之と戦うことも決まった。タケシロ・タニノ・カウアン・ユウキは今年のムンジアル紫帯ミッドヘビー級で準優勝、無差別級では3位。昨年大会はジュベニウ2のウルトラヘビー級を制している柔術家だ。

そんなバリバリの新鋭と、ミスター壁レスの異名を持つといっても過言でない小谷の対戦はポイント有りという部分でも要注目だ。

さらに、これまでPROGRESS提供マッチではHEATとGladiatorでコンバット柔術マッチに出場してきた江木伸成が、フォークスタイルグラップリング戦でMAGISAと戦う。

下になると掌底を受ける危険性があるコンバット柔術から、下になるとポイントを献上するが、より仕掛けは自由なルールで、江木が現WARDOGフライ級王者MAGISAを相手に新境地を見出すか。あるいは小径ケージに金網に慣れているMAGISAのケージレスリング&サブミッションが柔術家をいかに崩すのかが、見所のバンタム級マッチだ。

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o YouTube   ブラジリアン柔術 八田亮 岩崎正寛 森戸新士

【インタビュー】KIT5:解説・岩崎正寛「YouTube を元に柔術をやってみたいって人が増えたら嬉しい」【ブラジリアン柔術】

無観客&配信オンリーのブラジリアン柔術イベント
「KIT5」
2022年8月28日(日) 13時00~試合開始
■ツイキャスプレミアで視聴可能
前売 3000円 / 当日 3500円
■配信購入サイト⇒https://twitcasting.tv/kitjiujitsu/shopcart/174000

■大会オフィシャルサイト⇒ https://www.kinyaboyzinvitational.tokyo/#3d

【決定済対戦カード】
●賞金30万円・67kg8人トーナメント
野村優眞(PATO STUDIO)
横山大鋳(スウェルズ柔術ジム)
峯岸零弥(パラエストラ小岩)
井手智朗(X-TREME柔術アカデミー)
山田悦弘(Holoimua)
八田亮(ストライプル・オハナ)
ホベルチ・オダ(CARPE DIEM)
エリック・メネギン(IGLOO)

●茶帯81kg契約
マイケ・オオウラ(IGLOO)
vs
福島聖也(CARPE DIEM ASHIYA)

●黒帯ライト
塚田市太郎(ダムファイトジャパン)
vs
廣瀬貴行(パラエストラTB)

●女子茶帯フェザー
高本奈月(TATORU)
vs
岸田蘭音(RATEL GYM)

●紫帯ミディアムヘビー
カウアン・タニノ(福住柔術)
vs
西野太二(FIELD-RING / Holoimua)

●紫帯ルースター
渋澤諒真(PATO STUDIO)
vs
鶴丸雅祥(TATORU)

●黒帯73kg契約
森戸新士(LEOS / 藤田柔術)
vs
大柳敬人(CARPE DIEM)

●オープニングマッチ
紫帯フェザー
正田皇輝(ストライプル・オハナ)
vs
クリスチャン・ニコレスク(CARPE DIEM)

■実況:セラチェン春山
■解説:岩崎正寛(CARPE DIEM) / 井賀孝(トライフォース)

#ブラジリアン柔術 #柔術 #格闘技

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o YouTube   ブラジリアン柔術 八田亮 森戸新士

【KIT5】渋澤諒真vs鶴丸雅祥・選手コメント【ブラジリアン柔術】

無観客&配信オンリーのブラジリアン柔術イベント
「KIT5」
2022年8月28日(日) 13時00~試合開始
■ツイキャスプレミアで視聴可能
前売 3000円 / 当日 3500円
■配信購入サイト⇒https://twitcasting.tv/kitjiujitsu/shopcart/174000

■大会オフィシャルサイト⇒ https://www.kinyaboyzinvitational.tokyo/#3d

■決定済対戦カード
●賞金30万円・67kg8人トーナメント
野村優眞(PATO STUDIO)
横山大鋳(スウェルズ柔術ジム)
峯岸零弥(パラエストラ小岩)
井手智朗(X-TREME柔術アカデミー)
山田悦弘(Holoimua)
八田亮(ストライプル・オハナ)
ホベルチ・オダ(CARPE DIEM)
※残りの1名は決まり次第リリース予定

●女子茶帯フェザー
高本奈月(TATORU)
vs
岸田蘭音(RATEL GYM)

●紫帯ミディアムヘビー
カウアン・タニノ(福住柔術)
vs
西野太二(FIELD-RING/Holoimua)

●紫帯ルースター
渋澤諒真(PATO STUDIO)
vs
鶴丸雅祥(TATORU)

●黒帯73kg契約
森戸新士(LEOS/藤田柔術)
vs
大柳敬人(CARPE DIEM)

●黒帯フェザー ※中止
白木“アマゾン”大輔(CARPE DIEM HOPE)
vs
塚田市太郎(ダムファイトジャパン)

■出場選手選手
福島聖也(CARPE DIEM ASHIYA)
ほか

#ブラジリアン柔術 #柔術 #格闘技

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ABEMA LFA LFA138 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC アライジャ・ジョンズ 森戸新士 河名マスト 海外

【LFA138】LFA初陣=ジョンズ戦へ、河名マスト―02―「LFAという団体でUFCを目指す日本人がいることを」

【写真】現地時間の2日(火)にオクラホマ入りした河名。後ろに小さく見える建物が今回の会場であるグランドホテル・カジノ&リゾート。ショーニーの街にはいくつかカジノが点在しているが、ここが最大級だ(C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されるLFA138でアライジャ・ジョンズと対戦する河名マスト・インタビュー後編。

1年で6試合、グラップリングも2試合を戦ったことでMMAファイターとして、グレコの強さをいかんなく発揮し始めた河名は、声を大にすることなく過去の例のないステップアップ方法を邁進している。

<河名マスト・インタビューPart.01はコチラから>


――6月にグラジエイター内のプログレス・ルールで、国内トップ柔術家の森戸新士選手と戦いました。あの経験をどのように感じていますか。

「今後、森戸選手と同じような技量を持つ選手と戦うこともあるかもしれないですし、良かったです。森戸さんに試合を創ってもらいましたね。跳びつきとか、練習でも経験したことがなかったなか、ガチンコの試合で引き込んでくる相手と戦うことが収穫になりました。打撃がないなかでも、あの緊張感のあるなかで森戸選手と試合ができて良かったです」

――森戸選手はMMA歴で河名選手を上回る経験の持ち主をプログレスで極めてきました。対して極めさせず、ポイントで勝ったことに関してはどのように捉えていますか。

「MMAファイターとして認められていない……MMAを始めたときに、『もう取られても良い』と吹っ切れて、とにかく守る練習をしてきたことが、ここに来て生きていると感じました。ワキ差しを深くした時に腕十字に入られてのですが、パニックになることなく対処できました」

――短期間で急激に吸収してきた河名選手ですが、改めてアライジャ・ジョンズの印象を教えてください。

「レスリングができるタイプで、相手がテイクダウンディフェンス力が落ちる場合は打撃を織り交ぜて組んで倒す。そこからコントロールしますが、寝技が強い相手にはとにかく切って組ませず、打撃で勝負をしています。戦い方を分けている選手です」

――つまり、切ってくるファイトになることが予想されますが、どのような対策を考えていますか。

「近づいて、どれだけ自分を押し付けることができるか。とにかくワンテイクするまで気持ちを切らさず戦います。実戦経験を積み、上でコントロールすることはできてきたので、そこで殴る。隙あらば極めたいと思います(笑)」

――そこで笑ってしまうのは?

「そんな簡単に隙を作ってくれる選手だと思っていないからです(笑)。5分3R使って、気持ちを折る。折れた時に一気呵成に攻めたいです」

――現状バックグラブとバックコントロール、どちらが戦いやすいですか。

「今は足をフックしない状態の方が、上にいられる自信はあります。ただ、相手が萎えた時に……蓋しかないイメージを持っていると思うので、その隙をついて取りにいければと思います」

――ワンフックか、両足か。

「そこは楽しみにしていてください(笑)」

――ところで計量の前々日に現地入り、減量の方は?

「水抜きの量を減らして行こうと、思っています。そもそも減量幅が大きいわけではないので、それほど不安ではないです」

――ではLFA初戦から、この後に関してどのような青写真を描いていますか。

「今回の相手はLFAでタイトルマッチを戦っている選手なので、勝てばある程度認めてもらえる相手です。認めてもらって、UFCに近づく試合にしたいです」

――ここでインパクトを残せば、コンテンダーシリーズもあるかもしれないです。

「……そこまでは考えていなかったです(笑)。この1年、目の前の試合を勝つことでPOUNDSTORMや今回のLFAにつながってきました。願ってはいましたが、希望ぐらいに思っていたものに近づけたので、ここもこの試合に集中しています。

とにかくデビューの時に『いつかは』と思っていたけど、1年後にこんな風に海外で試合ができるなんて思っていなかったです」

――そう考えると、1年目に試合を詰め込んだことは良かったですね。

「ハイ。結局、成長できるのは試合だと思っています。これだけ試合数をこなせたのも、それが可能になる練習環境があったからです。そこは本当に良かったです。試合が続くので、それだけ気持ちも入った練習ができました。それに試合があるから、格闘技に集中した生活ができていたので」

――では、改めてLFA挑戦への意気込みをお願いします。

「日本だと土曜日の昼頃、MMAが好きな人が試合をチェックしてくれると思います。この試合に向けて、色々な人が協力をしてくれました。本当に感謝の気持ちしかないです。Road to UFCに続き、ABEMAでLFAが中継される。UFCに挑戦しようとする日本人がいるということが認知され始めたなかで、UFCを目指す方法がRoad to UFCだけでなく、日本の団体でチャンピオンになるだけでもない。

米国のLFAという団体で……北米ではオーソドックスな目指し方であるLFAで、日本人がUFCを目指す。そういう日本人がいるぞっていうのを知ってもらえるような試合をしたいと思います」

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【NEXUS28】プログレス・ルールで濱岸正幸戦、山田崇太郎―02―「下がるなよ、組み技なんだから」

【写真】現在MMAファイターとしては修斗で戦っている山田。プログレスではグローブ着用でグラップリングを行う意味も説明してくれた(C)MMAPLANET

7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS28で、濱岸正幸とフォークスタイル・グラップリングマッチで対戦する山田崇太郎のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プログレスについて設立以前から知る者として、フォークスタイルスタイル・グラップリングのコンセプトを語ってくれた山田。この後編では、自身がプログレスルールで戦う意味を訊いた。山田崇太郎こそ、最もプログレスの意義を体現できるファイターなのかもしれない。

<山田崇太郎インタビューPart.01はコチラから>


――柔術家の森戸新士選手はフォークスタイル・グラップリングマッチで、相手に2P献上しても有利であることを念頭に置き、引き込んでサブミッションを極めています。それだけ極める力がないと難しい分、極める力がある柔術家の出場は興味深くなりますよね。

「そうですね。カードの組み方次第だと思います。それは実力差のあるカードを組む、ということではなく。

河名マスト君の試合は、相手(森戸)が強かったじゃないですか。その相手に対してマスト君の強さを見せることができていました。マスト君って、本当に組み技が強いんですよ。寝技も強いです。でも、寝技の強さだけで見たら勝てる相手ではなかったと思います。

そこはポイントを考慮しながら自分の強さを、しっかりと出していましたよね。八隅(孝平ロータス世田谷代表)さんとマスト君で、相当ルールを研究していたと思いますし、あの試合はすごく面白かったです」

――なるほど。ここまでプログレスルールの面白さについて語っていただきましたが、次は山田選手ご自身について訊かせてください。まず対戦相手の濱岸選手の印象はいかがですか。過去にはZSTで対戦したこともありましたが……。

「その時はその時ですよね。今はとにかく気持ちがある、頑張る選手だと思います」

――では、今回の試合に対するモチベーションを聞かせてください。

「練習していても明確な目標がないと、引き締まらないところがあるじゃないですか。そういう意味で試合があると、その試合に向けて色々と考えたりもしますし。練習していて、今回の試合に対して大きなアジャストみたいなものは、できていないです。でも今やっていることが、プログレスの試合と重なるところもあって。

長谷川(賢)さんは礒野(元)さんに、ルールについてもアドバイスを求めていて、礒野さんの意見が反映されているところもあると思います。そして僕は礒野さんに習っている。プログレスのコンセプトは、礒野さんのMMA観と重なっている部分があるんですよね。だからプログレスの試合で、礒野さんから習っているものを出したいです」

――その部分が重なっているからでしょうか。ケージレスリングやテイクダウンが強くて、さらに下からサブミッションを極められる一発の強さがある。先ほど山田選手が仰ったプログレスルールの魅力が、そのままご自身の中にあるのではないかと……。

「アハハハ、それは嬉しいですね。自分は作戦を決めて試合をしてしまうと、トップゲームになるのかガードゲームになるのか、どちらかに偏ってしまう部分があって。そこはしっかり考えて試合をしようと思っています。

ただ、何よりもケージレスリングをやりたいという気持ちは強かったです。普段は壁を使って練習していますけど、グラップリングの試合はマットで行われる。そこに違和感を覚えることもあって」

――違和感、ですか。

「もちろんマットがダメということではないんです。ただ、壁のある試合をやりたいなと思っていました。GENでは壁を使った練習の比重が大きいので。寝技の練習も、壁に押し込まれた状態から始めたりすることもあります」

――まさにケージ用の練習ですね。

「僕は、下がってマットから出たあと、何もなくマットの中で再開されることが理解できないんですよ。レスリングって押し出されたら相手にポイントがつくじゃないですか。それと同じように、下がっているほうがマイナスじゃん、って。下がるなよ、組み技なんだから組め、という気持ちはあります。

もちろん、下がってマットから出ても何もない、というのがルールなら仕方ないです。試合はルールに則って行われるものですから。それがケージになると、僕の中で曖昧なものが減るという部分で、良いと思っています」

――山田選手にとってケージグラップリング戦は、2019年10月の小谷直之戦(ヒザ十字で一本勝ち)以来ですよね。ケージでMMAを戦うのと、ケージでグラップリングの試合を行うのは、やるべきことや感覚などは大きく変わってきますか。

「先ほど壁レスの話をしましたけど、ケージで練習する時は指が痛いんです。プログレスのフォークスタイル・グラップリングでは、MMAグローブを着けるじゃないですか。そこは大事だと思います。

いつも行っているグラップリングを、ただケージの中でやるだけ、っていうことではないんです。指が痛いので(苦笑)。ケージではグローブがないと、四つでは組めない。だからグローブがあるなかでのケージグラップリングというのは面白いです」

――確かにフォークスタイル・グラップリングでMMAグローブを着けることになった理由の一つとして、指が痛いという点はあったそうですね。

「メチャクチャ痛いですよ。たとえば組んで、相手の背中でクラッチしますよね。その部分がケージに密着した状態で、ボディロックからシングルレッグやダブルレッグへ切り替えたりする時に、グリップを上下させると指がケージに当たって痛いです。相手の背中とケージに自分の指が挟まれているから、文字通り板挟みで(笑)。

そういうことは、礒野さんや長谷川さんと話をした記憶がありますね。MMAであればオープンフィンガーグローブを着けているという前提がありますけど、素手だとできないです。そう考えると、ケージの試合ってグローブありきのものだと思います」

――プログレス、そしてケージグラップリングについて貴重なご意見を聞かせていただきました。それだけの認識がある山田選手だからこそ、次の試合を楽しみにしたいです。

「僕は生きているぞ、っていうところを見せます。久々のグラップリングマッチなので、頑張ります!」

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【NEXUS28】ネクサスでもプログレス組み技マッチ=竹浦正起✖関原翔、濱岸正幸✖山田崇太郎──実現!!

【写真】柔術家がMMAファイターに攻められる展開が、活動初年度のプログレスではほぼほぼ見られていない。果たして、この一戦は?!(C)MMAPLANET

25日(月)、Progressが8月7日(日)に東京都新宿区GNEスポーツパレスで開催されるNexus28内で2試合のプログレス(フォークスタイルグラップリング)マッチを提供することを発表した。

同大会ではNEXUSバンタム級選手権試合=チャンピオン河村泰博✖チャレンジャー須藤拓真を始め、ライト級でコクエイマックスに敗れたジェイソン・ウィルキンスの再起戦=マーシーグローブTV戦、横山武司✖ファビオ・ハラダのフェザー級戦とタイトル戦線に影響を及ぼす注目のカードが組まれている。

そんな同大会にポイント制ケージグラップリングのプログレス・ルールで濱岸正幸✖山田崇太郎、竹浦正起✖関原翔の2試合が実施される。


共に当日計量で濱岸✖山田は86キロ契約、竹浦✖関原は68キロ契約で行われる。

濱岸は5月のHEAT50でレアンドロ草野と対戦し、柔術ベースのスクランブル&ポジションの草野に9-6で敗れたもの上下の入れ替わりでポイントが加算される同ルールの見所が詰まった戦いをやってのけた。

(C)MATSUNAO KOKUBO

対して山田は日本を代表するグラップラー。3月にプロ修斗で西川大和に腕十字で敗れたが、打撃のないなかでの組み技力はMMAにおける組技とは別モノだ。

そのMMAでは2015年10月にZSTで両者は肌を合わせており、濱岸がスプリット判定勝ちを収めている。レスラーがケージに押し込んでテイクダウン、そこからスクランブルという流れでないグラップリング、スイープやリバーサルを交えたサブミッション重視の試合になることが予想される両者の再戦、どのような組み技の攻防が見られるか楽しみだ。

竹浦✖関原は、まず関原の参戦に驚かされた。格闘代理戦争からIMMAF世界大会を経て、パンクラスでMMAデビューを果たした竹原は、ネクサスには2020年12月大会に1度参戦経験がある。

その試合後からDEEPを主戦場とし、昨年11月にはRIZIN出場も果たした関原は、NEXUS以降の戦績は7勝1敗──DEEPフライ級GPに現時点で名前がないのが不思議な国内フライ級の有望株だ。

とはいえ、このルールにおけるMMAファイターは攻撃力の前に防御力という部分で柔術家との力の差を過去7カ月で見せつけられてきた。実際、竹浦も5月のHEATで椿飛鳥と対戦した際には、シングルレッグに対して前転してビクトル投げの要領から50/50&内ヒールで一本勝ちしている。

上を取ることが有利なポイント制グラップリングであっても、引き込んで極める強さを森戸新士と竹浦は既にプログレス・ルールで示してきた。MMAファイター同士でない、異種格闘技プログレスの場合、関原がまずすべきことは引き込みに付き合わないこと。

ただし、そこは竹浦もジャンピンガードなどで工夫を凝らしてくるだろう。それ故にもう一段上を目指すと、これは濱岸にも当てはまるが、ガードワークに来られても頑強に抑えることができるかどうか。

パンチがなくても、足を絡まれようが竹浦と山田を胸をつけて抑える──いわゆる塩漬けにできれば、その組み技防御力こそMMAに役立つ。殴って逃げられる展開で、殴らなくて逃げられる術がある方がMMAファイターとして強い。

そう戦えるMMAファイターが出てくることで、柔術家も強化できる。何よりもMMAファイターだけでなく、柔術家やグラップラーも真剣勝負の場で自分を試すことができる──それこそが現時点でのプログレスの醍醐味だ。

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ABEMA LFA LFA138 MMA MMAPLANET o Progress UFC アイザック・ドーダーライン アライジャ・ジョンズ アリ・ファリアス イアゴ・ジョルジ エド・ソアレス サイモン・オリヴェイラ ジアニ・グリッポ パンクラス ヒカルド・ディアス ブルーノ・ソウザ マイキー・ムスメシ 森戸新士 河名マスト 田中路教

【LFA138】8月5日に田中路教と河名マストが揃い踏み。UFC契約ファイターレベルの猛者と対戦へ

【写真】河名と田中。LFAで戦うことが、既に生き様を見せている(C)LFA&MMAPLANET

27日(月・現地時間)にLFAより8月5日(金・同)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されるLFA138に田中路教が出場し、アリ・ファリアスと対戦することが発表された。

また同大会には日本から河名マストも出場し、アライジャ・ジョンズと戦うことも決まっている。


昨年11月のヒカルド・ディアス戦以来、実に9カ月振りの試合が決まった。UFCとの再契約を目指し、LFAと契約して渡米した田中にとって、勝利を収めてなお試合が組まれないという状況は予想だにしていなかった。

米国に滞在できるビザの半分を消化してなお、実戦の舞台が巡って来ない状況に田中は、フリーランスになることさえ視野に入れるなかで、ようやくLFA2戦目を戦うことができるようになった。実際、同大会の出場は3週間以上前に確定していたが、対戦相手がなかなか決定しないなか、田中はファリアスと戦うことをツイッターで知ったという。

ラテンと米国の融合=LFAらしさの洗礼を受けているなかで、「今回も強豪を当ててもらえて、米国に来た甲斐があるなと思います。未来を切り開くために頑張ります。おそらくABEMAで放送があると思うので、今回も日本から応援して頂けたら嬉しいです」と、田中はMMAPLANETに意気込みを語ってくれた。

2018年のムンジアルでも準優勝。ジョアオ・ミヤオを準決で下しているのだから、どれだけの実力者か分かるというモノ(C)SATOSHI NARITA

そんな彼が戦うファリアスは、得意とする亀逃げが許されないファイター、いや柔術家だ。

2013年ムンジアル黒帯フェザー級幻の世界王者……アウグスト・メンデス=タンキーニョとファイナルを争った際、アドバン差で勝利を確定させたファリアスは、試合終了の合図を待たずマットの外に出て感情を爆発させた。これを違反行為とされアドバンを献上し、レフェリー判定で敗れてしまう。

自業自得といえば自業自得ではあるが、同トーナメントではイアゴ・ジョルジ、アイザック・ドーダーライン、ガブリエル・モラエス、マイキー・ムスメシ、ジアニ・グリッポも出場しており、この名だたる強豪よりも上の結果を残していることで、ファリアスがどれだけの実力者かは理解できるだろう。

2018年には決勝にマイキー・ムスメシの軍門に下ったものの、準決勝でジョアオ・ミアオに勝利しているファリアス。MMA戦績は11勝3敗で打撃には課題が残っているが、2018年のACBブラジル大会で昨年のコンテンダーシリーズからUFC入りを果たした──パンクラス来日経験もある──サイモン・オリヴェイラに勝利するなど、MMAでの力も絶対的に確かなモノがある。

粗いパンチから組んでテイクダウン及びバックテイクをさせれば、ケージの中が柔術マットの上と同じ状態となる。ゆえにバックを譲って、スクランブルを制す田中にとっても非常に危険な相手になることが想像される。

田中が1試合しか戦えなかった期間、昨年7月のプロMMAデビューから9カ月で5勝1敗と試合をし続けた河名が、早くも北米フィーダーショー・デビューを果たす。日曜日のGladiatorのProgress提供フォークスタイルグラップリング戦で森戸新士を相手に、日本の組み技界の最高峰トータルグラップリングの結晶といえる激闘を2-1で制した河名。事前インタビューを行った時点で、既に今回の試合は決まっていた。

面構えが、すでに怖い(C)LFA

対戦相手のジョンズは、LFAでフェザー級タイトル戦を経験しているファイターだ。昨年3月に現UFCのマチダ・カラテの継承者=ブルーノ・ソウザにスプリット判定負けでベルトを逃したが、ファリアスと並びUFCのプレリミに出る選手と同レベルの力を持っている相手といえる。

世界を見据えてのLFA参戦、強者と戦わないなら出場にも意味はない。またエド・ソアレスLFA代表によると、さらに日本人選手の出場の可能性もあるようだ。そんなLFA140は、田中の言葉にもあるように昨年11月大会に続きABEMAでのライブ中継が口頭では合意に至っている模様だ。

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Gladiator018 MMA MMAPLANET o 森戸新士 河名マスト

【Gladiator018】緊張感あふれる組み手争いから河名が森戸を2-1で下すも、ポイント計算と表示は――

【写真】スタンドの組み手争い、引き込みの攻防と非常に見応えたっぷりのグラップリング戦だったが――(C)MMAPLANET

<フォークスタイルグラップリング72キロ契約/5分2R>
河名マスト(日本)
Def.2-1
森戸新士(日本)

組みに行く河名、頭を触られた森戸が離れる。手を合わせたところで河名が森戸の左腕をたぐるが、ここも森戸が離れた。手四つから相手の首を抱える森戸、河名がクラッチを外すと離れて、もう一度組みに行く。

河名の右手を持った森戸は、相手の首を抑えにいくも、河名が組み手を変えようとしたところで離れる。再び手四つで組む両者、河名が森戸の首を抑えようと試みる。離れて煽る森戸。ケージ中央で互いのリストを持ちながら引き合う攻防が続くなか、森戸が左手を差し入れようとしたところで河名が離れる。

組んできた森戸の右腕を抑える河名が、さらに首へ手を伸ばしたところで森戸が距離を取り、河名の左足へシングルレッグで組みついた。ハイクラッチで押し込む森戸、河名はバランスを取りながらテイクダウンディフェンスへ。右足を抜いて離れた河名は、ケージ中央での組み合いから森戸の頭と首を抑えにいく。その手を引きはがす森戸。河名はスタンドレスリングでプレッシャーをかけ、森戸にケージを背負わせた。

前に出た森戸は河名に両手を抑えられながら、体勢を入れ替えてバックを狙う。しかし森戸が左足を腹にかけたところで、河名が前に振り落とした。一瞬シッティングガードの体勢になった森戸が、すぐに立ち上がって組んだ。河名は森戸の右腕に対して左腕でオーバーフック、すると森戸はスタンドでアームドラッグを狙ったものの、河名は左腕のクラッチを解いて右腕で、森戸の左腕へのオーバーフックに切り替えた。

首を抑えられ、ケージ際まで押し込まれた森戸だったが、すぐに押し込む。探り合いが続くなか、河名がオーバーフックで森戸をケージに押し込む。頭を下げた河名に対し、森戸が引き込みを狙うが、河名はスタンドをキープ。足のクラッチを解いた森戸が前に出て来ると、河名は前進を捌いてケージ中央に戻る。距離を詰める森戸だが、スタンドでの組み手は河名が勝る。ラウンド終了直前、河名は森戸のテイクダウンを切った。

最終回、森戸が距離を詰めるが、河名が右腕でオーバーフックを狙う。組み手争いから河名の左腕をオーバーフックで捉えた森戸が引き込み、河名に2Pが入る。すぐさま三角絞め、さらに河名の右腕に腕十字を仕掛ける森戸。下から仕掛け続ける森戸から河名は離れる。少し歩いた河名は、シッティングガードの森戸と向かい合うも、森戸は足を絡めてくると離れた。

シッティングガードで追う森戸は、立ち上がっている河名の左足に組みついた。それを潰す河名。森戸はハーフからバックを狙う。しかし河名は森戸の右腕をオーバーフックで捉えて、トップをキープする。さらに森戸はサドルの体勢になるが、それを抑え続けた河名が立ち上がる。

またもシッティングガードで追いかける森戸。ここで組んできた河名に腕十字、三角へと繋げる。サブミッションの仕掛けに対しては、徹底的に離れる河名。

森戸のシッティングガードからのテイクダウンを、河名はオーバーフックで潰す。ここでバックを狙う森戸、河名は立ち上がって離れる。このスクランブルの攻防で森戸に1Pが入った。

すかさずダブルレッグで組みついた森戸の左腕を取り、オーバーフックから足を刈る河名。両者が立ち上がり、追う森戸と回る河名――試合終了間際、河名がダブルレッグのカウンターで森戸に背中を着かせたが、これはポイントとはならなかった。

ポイントは2-1で河名の勝利――ではあったが、最終回のスクランブルから電光掲示板は、本来2-1のはずが2-2と表示されていた。それが試合後に2-1に修正されたのは問題だ。1ポイント差で大きく戦略が変わってくるのが、このフォークスタイルグラップリング戦だ。もしポイントが2-1と表示されていたなら、両者の戦略も違うものになっていたかもしれない。特にポイントで負けている森戸が、最後に極めを狙って引き込むこともありえたのは、過去の森戸の試合を見れば十分に考えられる。
試合内容、ひいては試合結果に大きな影響を及ぼすミスに対しては、反省と改善を求めたい。


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MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN38 クリス・カーティス ホドウフォ・ヴィエイラ 森戸新士 河名マスト

【UFC ESPN38】川名マスト流「寝技で何もしない」をMMAで実践、カーティスがホドウフォから判定勝ち

<ミドル級/5分3R>
クリス・カーティス(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)

ジャブを伸ばすカーティス、ホドウフォは左右に回りながら左ローを蹴る。ジャブに左を合わせにいったカーティスに対し、ホドウフォが組んでハーフガードを取る。リバーサル狙いをウィザーで立ち上がったカーティスはケージに押し込まれる。ここでホドウフォのヒザが急所に入り、試合が中断する。

45秒のリカバリーを経てリスタート、ホドウフォが左カーフを蹴り右を見せてダブルレッグも遠い。立ち上がって即ダブルレッグでドライブ、シングルに移行したホドウフォはケージにカーティスを押し込むがテイクダウンを奪えない。直後にダブルレッグをかわしたカーティスは、左ボディを打っていく。ホドウフォも右ストレートをヒットさせ、右前蹴りがボディに入ったがカーティスは急所に響いたのか、しゃがみこんでブレイクがかかる。注意なしに試合が再開され、ホドウフォがシングルレッグも決まらずワンツーを振るって離れる。疲れないように組みを駆使している感のあるホドウフォが左ジャブから右ボディを殴り時間となった。

2R、ホドウフォが左ローからワンツー、さらに右ローを蹴る。カーティスは左フックから右ボディショット、さらに左ボディを打っていく。左を見せてシングルに出たホドウフォがケージに押し込む。低い姿勢でもう1度シングルに取ったホドウフォだが、どうにもテイクダウンを奪えない。ここもパンチを打って離れたホドウフォの蹴りが、急所に当たったとカーティスがアピール――も、レフェリーが試合を続行させる。

ホドウフォはダブルから引き込んで、ハーフでリバーサルを仕掛ける。ここもカーティスが離れ、スタンドに逃れる。ボディから顔面と拳を伸ばすカーティスに対し、ホドウフォも打撃で対抗するが、やや疲れてきたか。カーティスは徐々に勢いを増し、顔面にパンチを打ち込んでからボディを抉っていく。

左ボディショットについに嫌そうな顔を浮かべたホドウフォは左ストレートから左ボディ、さらに左フックを受けパンチも手打ちになり、肩で息をするようになった。

最終回、左右のフック&ボディと圧が上がったカーティスが、手数も精度も上がる。手を出しても逆に顔面、ボディと殴られるホドウフォは、組み付こうとしてすかされ足がもつれる。タイミング良くシングルに入っても足を抜かれるホドウフォは厳しい状態に。引き続き腹を殴るか―ティスが左だけでなく右でも腹を攻撃する。シングルから引き込み、ダブルレッグと切られ続けるホドウフォはジャブ、左ストレート&ボディとパンチに身をさらす。

パンチも組みもテイクダウンもタイミングだけで、勢いがなくなったホドウフォだが、懸命に右フック、ワンツーを打っていく。上体を振ってかわし、ボディを殴ったカーティスは思いきり左ボディを打ち抜く。右を当てたホドウフォはダブルから引き込みを2度見せ、2度目は時間切れ間際でついにカーティスがパウンドを落として終了となった。

結果、3-0でカーティスが判定勝ち。今夕、グラップリングマッチで森戸新士と戦う河名マストが言うところの「寝技で、何もしない方が勝つ」を――パウンドがあるMMAでも実践し勝利を掴んだ。


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