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【Gladiator029】ついにオトゴンバートルが抜擢=今井健斗とフライ級王座決定戦。ヅッキーニョスはライト級へ

【写真】もちろん、結果は当然として勢いとやる気を買う。そんなタイトル戦こそ、今のJ-MMAに必要なのかもしれない (C)MMAPLANET

3日(火)、GLADIATORより年が明けて1月12日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR029でフライ級王座決定戦が組まれることが発表された。
Text Manabu Takashima

既にフェザー級王座決定戦=パン・ジェヒョク×ダギースレン・チャグナードルジと、バンタム級暫定王座決定戦=南友之輔×吉田開威戦に続き、3階級の王座決定戦が組まれることになる。


グラジのフライ級王座はニャムジャルガル・トゥメンデムベレルが昨年3月にNavEを下して新王者になった直後にRoad to UFCと契約して王座を返上。その後、今年の2月からフライ級王座決定トーナメントを開き、準々決勝が消化した時点で2人の生き残り組=チェ・ドンフンとイ・スンチョルという韓国勢がトーナメントを離れた。

前者はRoad to UFCへステップアップ、後者は負傷欠場からストロー級に階級を下げてONE FFと契約を果たした。この間、グラジでは残りの準決勝進出を決めていたNavEとオトゴンバートルの間で王座決定戦を5月大会と7月大会で組もうと動いていたが、ヒザを負傷したNavEが応じることはできなかった。

オトゴンバートルは10月のBreakthrough Combatで風我を倒した際も、グラジのフライ級王座決定戦で戦うことを強く要望していた。しかしながら、NavEがヒザの手術に踏み切ったことで1月出場はなくなり、オトゴンバートルは将来の目標であるRoad to UFC出場に向け、今月12月25日に行われるBreakthrough Combatで某Road to UFCベテランとの対戦を一度は合意していた。

その後、グラジの櫻井雄一郎代表より今井との王座決定戦という打診があり、Breakthrough Combatがオトゴンバートルの意思を尊重しフライ級王座決定戦に挑むことを了承した。

今井はDEEP名古屋大会でキャリアをスタートさせ、パンクラスを経て今年5月にグラジに初参戦。アンダードッグとして見られていた元修斗世界ストロー級王者の山上幹臣戦でTKO勝ちで番狂わせを起こし、7月にはパンクラス大阪大会で松原聖也、10月のグラジで宮川日向を判定で下し、国際戦をアピールしていた。

櫻井代表は「試合結果は当然として、選手達の勢い、やる気を評価し、その想いをぶつけるに相応しい場に抜擢していく」と明言し、今井とオトゴンバートルの王座決定戦が決まった。

テイクダウンからコントール&スクランブル戦を得意とする今井。オトゴンバートルはグラジの2試合では豪快なフィニッシュ勝利を挙げてきたが、風我戦で初めてベースとなるレスリング力の高さを見せていた。風我戦は今井陣営が戦略を練るうえで相当に参考になることは違いない。

MMAイベントにストーリーの展開は欠かせない。同時にMMAは強さが物語を紡ぐ原点にある。そういう意味でも、注目の王座決定戦といえる。

また今回の発表では3回戦でライト級転向のチハヤフル・ヅッキーニョスがTTFC、HEATと韓国勢を連破した岩倉優輝と。ウェルター級で井上敬太が2年4カ月振りのMMA復帰し、森井翼と。そして水野翔が桑本征希と相対するフェザー級戦が組まれることも明らかとなっている。眠れる大器=井上、フェザー級トーナメント出場組が、新たな戦いに歩み出す試合も注目だ。

なお王座決定戦に出場する両者がプレスリリースに寄せたコメントは以下の通りだ。

オトゴンバートル・ボルドバートル
「タイトル戦が決まり、とても嬉しいです。トレーニングはいつも通り行っていて、コンディションも良いです。試合の準備は万端です。対戦相手が誰であっても、私は試合を受ける準備ができています。素晴らしい試合をさせていただけて、GLADIATORに感謝しています」

今井健斗
「GLADIATOR 3戦目にして早速タイトル戦のオファーを頂きありがとうございます。オトゴンバートルとはいつか当たると意識していましたが、思ったより早く機会を頂けて嬉しいです。過去最強の相手ですが、試合当日ベストの自分をぶつけて必ず勝ちます。下馬評をひっくり返してベルトを岐阜に持ち帰るので楽しみにしていて下さい」

■視聴方法(予定)
1月12日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator028 / HEAT55 X AFC34】今井健斗×廣瀬裕斗、ニューエイジのターニングポイント in 中津川

【写真】今井と廣瀬——名古屋~中津川間は興味深いジムが並んでいる(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(水)、大阪府豊中市の176boxで行われたGladiator028で、今井健斗が宮川日向を判定で下した。そして26日(土)、名古屋市の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT55×AFC34で、今井と同門の廣瀬裕斗が韓国のチュ・ドンジョと空位のAFCフライ級王座を賭けて戦うこととなった。
Text by Shojiro Kameike

今井と廣瀬が所属する「マーシャルアーツクラブ中津川」は、名古屋市からJR特急「しなの」で48分——岐阜県中津川市のJR中津川駅から徒歩10分という立地にある。長野県飯田市に隣接し、多くの山々に囲まれた中津川市に、新世代ファイターの2人を訪ねた。


――お二人とも中津川市出身とのことですが、中津川とはどのような場所なのでしょうか。

今井 どちらかというと観光地ですね。古い町並みがあって。そこに海外からも観光客が来ています。僕としては、観光地という自覚もないですけど(笑)。

廣瀬 この間も飲みに行ったら、隣のおじさんが奢ってくれたり(笑)。

今井 よく居酒屋で知らない人が奢ってくれるんですよ。フレンドリーな町です。

廣瀬 僕は出身が中津川で、今は下呂市に住んでいます。

今井 下呂って中津川の隣にある市ですけど、ココから車で1時間は掛かります。

――先に格闘技を始めたのは今井選手なのですか。

今井 このジムに入ったのは僕が先ですね。僕が格闘技を始めたのも、もともと裕斗が地下格闘技に出とったんですよ。悠斗は高校が同じで、バイトも一緒で仲が良かったんです。それで裕斗の試合を観に行ったら『おもしろそうやなぁ』と思って。僕が先にジムに入ったあと、別のジムで練習していた裕斗がココにも練習に来るようになりました。

廣瀬 最初は選手として試合に出るというよりは、とにかく格闘技をやってみたかったんです。まずはキックの試合とか、名古屋のストチャレ(ストライキングチャレンジ)にも出させてもらって。試合があれば出させてもらうという感じで、地下格闘技とか何かはこだわっていなかったですね。試合があれば、どんどん出ていきたい。そう思っていました。

今井 僕は格闘技を始める前、RIZINとK-1ぐらいしか見たことがなくて。最初に地下格闘技を見に行った時は、アマチュアだけど華やかな大会でした。だから最初は僕も地下格闘技に出るつもりだったんです。でも一度も地下格に出ることはなく、アマチュアパンクラスやアマチュアDEEPに出て――地下格には一度も出ていないですね。

――それも時代、あるいは地域性ですよね。格闘技をやるには地下格闘技しかなかった地域もある。同時に名古屋まで行けば、パンクラスやDEEPのアマチュア大会が行われているという。

今井 そうですね。僕の場合は、このジムに入る前から代表の一平(高瀬一平マーシャルアーツクラブ中津川代表)さんが、実家の近くで格闘技を教えていたんです。そこに体験に行ったのが始まりですね。僕が入って1カ月後ぐらいには、このジムに移転しましたけど。家から近いから入ったのに、1カ月後には遠い場所に……。といっても車で15分くらいしか違わないですけど(笑)。

もともとは家具屋だった建物を改装したというマーシャツアーツクラブ中津川。2階は広いマットスペース、1階はトレーニングマシンのフロアとなっている(C)SHOJIRO KAMEIKE

それで自分のほうから裕斗を誘ったのかなぁ。僕がもうプロの試合に出始めた頃、裕斗もココに練習に来るようになって。当時のことを覚えていないんですけど。

悠斗 「来いよ」って言われましたから。

今井 あぁ、それは自分が誘っているわ(笑)。

廣瀬 もともと下呂のジム(Hida Traiing Lab)に毎日通っていて、さらに新しい技術を知りたいと思ってコッチにも来るようになりました。そうして練習しとるうちに、高瀬さんから「試合の話が来たぞ」と言われたんですよ。それがプロデビュー戦(2022年3月、DEEP Nagoyaでオサモ・リチャードソンに判定勝ち)でした。

――なるほど。お二人とも白星~黒星というキャリアを経て、今は連勝中です。何か大きく変化するキッカケがあったのでしょうか。

廣瀬 僕の場合は岡本秀義戦(2022年7月、1RにハイキックでTKO負け)ですね。それまで練習でパンチを受けても、バコーンと効いたことはなかったんですよ。試合前にも「打撃は効かないですよ。KOされることは絶対にないです」とか言っとったら、思いっきりKOされて……。そこでディフェンスの重要性を理解しました。僕、寝技が全然できないんです。

今井 アハハハ!

廣瀬 本当に今でも全然できないんです(苦笑)。だから打撃の練習を……。

――「やらない」のと「できない」のは、また違う話かと思います。廣瀬選手はどちらなのでしょうか。

廣瀬 やらないわけじゃないし、寝技が好きじゃないわけでもないんです。でも、なかなか練習でもテイクダウンできなかったり……。そういう苦手意識はありますね。

今井 このジムには柔道やレスリング経験者が多いんですよ。裕斗は自分で思っているほど組技ができないわけじゃないんです。ただ、僕たちは子供の頃から組技をやっていますからね。まぁ数年やったぐらいでテイクダウンは取られません(笑)。

廣瀬 僕も「絶対にテイクダウンしてやろう」と思って行くけど、なかなか……。

――それだけ組技が強い練習相手ばかりであれば、廣瀬選手にとってはテイクダウンディフェンスやエスケープして立ち上がるのは上達するでしょう。

廣瀬 あぁ、そうですね。

今井 それは抜群に上手いです。メチャクチャ極めづらいんですよ。

廣瀬 周りは組技が強い人ばかりだったから、毎日毎日「どうやったらテイクダウンされないか。どうやったら極められないか」と考え続けてきて。

今井 裕斗は一緒に練習し始めた頃、本当に組技に関しては素人みたいな感じでした。「何だ、コイツ」と思うぐらいの弱さだったんですよ。でも今は体も強くなってきているし、技術も上がって、どんどん極めづらくなっています。成長しているとは思いますね。だけど成長するのは、みんな一緒なので。

廣瀬 だから今でも皆に追いつけないんですけど(苦笑)。でも昔はできなかったけど、今はできるようになったというものは増えています。

――今井選手にとっては、山上幹臣戦が大きなターニングポイントになったのではないでしょうか。

廣瀬 あの試合は凄かったですね。

今井 周囲からは「勝てるでしょ」と言われていたんですよ。さすがに山上選手も10年振りの復帰戦では無理でしょ――と。僕自身は最初に山上選手の経歴を見た時、「自分がこんな選手と対戦して良いのか」とは思いました。でも練習していくなかで「これは勝てる」という雰囲気になってきて。

――それ以降、「山上幹臣に勝った男」としてプレッシャーを感じるようにはならなかったですか。

今井 それが――プレッシャーがメチャクチャ強くて。

廣瀬 アハハハ!

今井 それまでは「ブッ倒してやる!」「絶対にフィニッシュする」という気持ちで戦っていました。だけど、ここ2戦は僕が勝つと予想されるようなマッチメイクだったと思うんですよ。自分の中で「ここは絶対に落とせない」という気持ちが強くなり、アグレッシブに行けずに判定が続いてしまいました(苦笑)。

――確かに松原聖也戦宮川日向戦は、山上戦よりも手堅い攻めではありました。それが決して悪いことだとは思いませんが……。

今井 特に宮川戦は、思っていたより相手は体が強かったことも大きいです。試合前は――相手の打撃が強いことは分かっている。だから絶対に打撃では勝負しない。組めば絶対に極められると思っていました。でも実際に対戦してみると、手足が長いし体も強いので、やりづらかったです。テイクダウンしても、すぐにガードに入れられてしまいますし。自分も動きが堅くなってしまいましたね。

――試合後、SNSでは11月のパンクラス出場を希望していました。

今井 グラジは次の大会が年明けの1月12日じゃないですか。ちょっと年末年始はゆっくりしたくて……。それなら年内にもう1試合、頑張って出たいなと思ったんです。もちろんオファーを頂けるのは嬉しいし、言われたら出るとは思いますけど。

パンクラスの本戦でランカーと試合したい気持ちもあるし、グラジであれば僕がベルトを目指してもおかしくない位置にいると思っています。最後は実力なので、とにかく強いヤツに勝って行けば、もっと大きな舞台に出ていけると考えています。

――一方、廣瀬選手はHEATとAngel’s Fcの対抗戦で、AFCフライ級王座を賭けて戦います。

廣瀬 タイトルマッチの話を頂いた時はビックリしました。

今井 羨ましいです。僕にはそういうタイトルマッチの話が来たことがないので。なんか――持っていますよね(笑)。

廣瀬 相手は結構、打撃を振ってくる選手です。それを食らわないようにテイクダウンも混ぜて、MMAでしっかり勝つ。寝技もあまり好きではないですけど、健斗先輩とか強い人たちと練習しているので、それを自信にしてベルトを獲りに行きたいです。

■HEAT55 x AFC34 視聴方法(予定)
10月26日(土)
午後3時00分~ Twit Casting LIVE

■HEAT55 x AFC34 対戦カード

<ISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座決定戦/3分3R+ExR>
アブラル・ヒマラヤンチーター(ネパール)
アントニー・マルコニ(フランス)

<キック・ライト級/3分3R>
安川侑己(日本)
チュ・ギフン(韓国)

<キック63キロ契約/3分3R>
ペットサムイ・シムラ(タイ)
パク·ジョンジュン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
熊崎夏暉(日本)
ふくやーまん(日本)

<Angel’s FCフライ級王座決定戦/5分3R+ExR>
廣瀬裕斗(日本)
チュ·ドンジョ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
倉本拓也(日本)
キム·パンス(韓国)

<ライト級/5分3R>
岩倉優輝(日本)
シン·ジェヨン(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
阿部光太(日本)
マ·チャンウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
堀越拓実(日本)
ヨ·ドンジュ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
福井達郎(日本)
パク・チウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
フェルナンド・マツキ(日本)
チャン·ドンミン(韓国)

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45 Black Combat DEEP DEEP Osaka Impact2024#03 MG眞介 MMA MMAPLANET o   イ・イェジ サダエ☆マヌーフ パク・シユン 三村亘 伊澤星花 古根川充 小西澄斗 山﨑鼓大 松原聖也 栗山葵 桑本征希 海外 牧野滉風 藤田健吾 角野晃平 青野ひかる 須田萌里 飴山聖也 鬼山斑猫

【DEEP Osaka2024#03】須田萌里&サダエ☆マヌーフが語る大阪女子練習会「今の女子は気持ちが違います」

【写真】大阪府吹田市の『SCORPIONGYM SENRI』で行われている女子MMA練習会。(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪市の錦秀会 住吉区民センター大ホールでDEEP Osaka Impact2024#03が開催される。メインイベントでは須田萌里が韓国のイ・イェジと迎え撃ち、サダエ☆マヌーフは青野ひかると対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

年齢もキャリアも違うサダエと須田は現在、須田が所属するスコーピオンジム千里で週1回行われている女子練習会で共に汗を流している。1ジム単位では選手が少ない女子MMA界において、こうした女子選手のみによる練習会は貴重だ。これまで東京を中心に関東では多く見られる女子練習会だが、近畿圏ではまだ珍しい。そんななか、互いに試合を控えた須田とサダエの取材のため女子練習会を訪れると――スパーが始まった瞬間、サダエが須田の顔面に右ストレートを直撃させていた。これぞ練習会だ。


「昔はファッションでMMAをやっている子もいたじゃないですか」(サダエ)
「一緒の大会に出る選手と一緒に練習できて助けられています」(須田)

――先ほど終わった練習会について、須田選手とサダエ選手にお聞きします。この大阪女子練習会は、いつ頃どのようにして始まったのでしょうか。

サダエ いつかな? だいぶ前から「練習会やらへん?」みたいな感じやったよね。

須田 そうですね、そういう話をいつ頃からし始めたかは覚えていないけど、練習会は3~4年前からやっています。

サダエ ちょうど萌里ちゃんがMMAの試合に出て、活躍し始めて――。当時は女子だけでMMAの練習をする環境がなくて。このスコーピオンジム千里は萌里ちゃんのお父さんのジムで、ここなら集まりやすいんじゃないか――と、徐々に集まるようになった感じですね。

――練習会の話が出る前から、お二人は交流があったのですか。いえば須田選手からするとサダエ選手は大先輩で。

須田 会場で会ったらご挨拶させていただいていました。メチャクチャ優しい方で。

サダエ だって萌里ちゃんからすれば、私はお父さんやお母さんの年齢やからね。実際、私は萌里ちゃんのお父さんより年上やし。昔の印象なんて覚えている? 私が最初に現役やった頃、まだ萌里ちゃんは小学生やったもん。

須田 一緒に練習し始めたのは、サダエさんが復帰する頃からですよね。その前の試合は動画で視ました。

サダエ 私は萌里ちゃんを見た時、「今は若くて強い子がいっぱいおるなぁ」と思ったんですよ。

――今日、練習会の参加者は9名でした。サダエ選手が2013年に一度MMAから離れる前、少なくともプロのレベルで練習できる選手が大阪に、これだけの人数はいましたか。

サダエ いない、いない。全然いなかったです。女子とMMAの練習ができる機会は、ほぼ無かったですから。昔は――誤解を恐れずに言うと、ちょっとファッションでMMAをやっている子もいたじゃないですか。

須田 ファッション!?

――アハハハ、言い切りますね。しかしその言葉が合っているかもしれません。

サダエ そうでしょ? 「ちょっと格闘技をやってみたい」と思ってくれるのは全然良いことで。そこまでの気持ちじゃなく「格闘技をやるのがカッコイイ」という気持ちのほうが大きい。憧れや「カッコイイ」で止まっている、という意味でのファッションですね。

でもこの練習会に来ているのは、カッコイイかどうかより強くなりたい子たちやから。「絶対に強くなりたい」という子たちが、人生を賭けて集まっていることが嬉しいです。

――今日の練習会でも若い選手が多い中に、サダエ選手と栗山選手が入ってくると、雰囲気もピリッと引き締まりますね。良い意味で。

サダエ ホンマに良い意味ですか? みんな私じゃなくて、葵ちゃんにビビッているんじゃないかな(笑)。

須田 ウフフフ。でもホンマに二人のおかげなんです。

サダエ ありがとう。私は私で、若い子たちの中に混ぜてもらっている立場やから。

須田 一緒の大会に出る選手と一緒に練習できて「助けられているなぁ」って思います。どんどん集まってくれて、モチベーションにもなっていますよね。最初は3~4人ぐらいだったけど、葵ちゃんがいっぱい誘ってくれて。

サダエ そうそう。葵ちゃんが脅して連れてくる感じで。

――先ほどから栗山選手をネタにしすぎですよ(笑)。

大阪女子練習会のキーパーソーン、栗山葵

サダエ アハハハ! どのジムにも女子選手が1人か2人はいるんですよ。そういう人たちの中でも声を掛けてもらって、どんどん増えていきましたね。

――練習会の内容は技術よりもスパーが中心なのですか。

須田 はい。お互いジムで練習してきたことを、この練習会で出し合います。やっぱり男子選手が相手やと、できないこともあるので。それが女子選手同士なら、実戦に近い形で練習してきたことを試し合えますから。

サダエ 女子選手同士のほうが、いらん怪我もせぇへんしね。男子とだけ練習していたら、どうしても怪我が増えていくし。

須田 確かにそうですね。

「サダエさんは際の攻防とかで相手の隙を突くのがすごく巧くて」(須田)
「自分が勝てるところで勝負せんと。勝負は常に油断できない」(サダエ)

――練習会のスタートを仕切るのは須田選手でした。

須田 一番下っ端が、スミマセン(苦笑)。

サダエ ここは萌里ちゃんのホームやしね。それに格闘技は年齢制じゃないから。萌里ちゃんが中心になって、どんどん進めてほしい。

――今日の参加メンバーの中でも、年齢では須田選手が一番下になるのですか。

須田 一番下……ですよね。

サダエ そうね。萌里ちゃんはまだ20歳やから。

須田 一番年齢が近い選手でも23~24歳ぐらいとか。

サダエ ここに来ている子はほとんどが二十代で。それがまた良いんですよ。

――ということは、皆さんにとって妹のような……。

サダエ 私が?

――違います(笑)。

サダエ 私はもうお母さんやなぁ。「みんな、これから色んな人生があって、いろいろ経験していくんやなぁ。頑張って!」という目線で見ていますよ(笑)。

――そのサダエ選手も練習会のスタート直後はウォーミングアップや打ち込みをしていて、須田選手とのスパーが始まると、いきなり右ストレートをブチ込んでいました。

サダエはアップからこの表情——練習とは言え勝負だ。この右ストレートの直撃だけで、練習会の方向性が理解できる

サダエ 萌里ちゃんはオールラウンダーで、かつ寝技で勝負したいタイプじゃないですか。私はその寝技に付き合いたくない。そうなったら、どうしても距離が近くなるとパンチを当てて離れたくなるんですよ。

須田 サダエさんは際の攻防とかで相手の隙を突くのがすごく巧くて。

サダエ あぁ、それは狙うね。そこを取っとかんと、コッチが勝てるところがないから。もう動きもスピードもパワーも、若い子には勝てへん。そこはいつも狙っているし、自分が勝てるところで勝負せんと。勝負は常に油断できないから、そういうタイプと練習することで萌里ちゃんたちが勉強になってくれたら良いかなって。

須田 そうですね。いつも気を抜いているところにパンチをもらって「ウワッ!」ってなります(苦笑)。

サダエ でもそのあとに逆襲されるから(笑)。やっぱりそのあたりは強いですよ。凌いだあとに何をするか。どうやって自分の得意なところに持っていくか。それが何歳になってもMMAの面白いところです。

――一方、須田選手はレスリングのバックコントロールを徹底している場面もありました。組みについては柔術のイメージが強かったので、意外な展開でした。

柔術&レスリングでグラウンドの安定感も増すだろう

サダエ いつも試合では、そんな展開になる前に極めているもんな?

須田 いえいえ、そういうわけじゃないです(笑)。前よりもっとレスリングを勉強するようになりました。

サダエ 今は逆に、極めるのを凌がれた時に次の展開をどうするのか――というところが苦手なのかなって思います。でもまだ若いから、そういうところも勉強して上手くなっていくよ。どんどん強くなっているからね。

須田 ありがとうございます!

――ちなみに、お二人が一緒に練習を始めて以降、試合をすることは考えられなかったのですか。もし今でも対戦オファーが来たら……。

須田 え~っ、分からないです(苦笑)。やっぱり試合はしたくないですね。

サダエ 試合はしたくないよなぁ。親子で戦いたくはないです。

須田 アハハハ!

サダエ 確かにファイターとしてはライバルかもしれないけど、今は同じチームとしてね。昔は、そういう気持ちもありましたよ。一緒に練習していても、対戦する可能性があれば少し手の内を隠したりとか。でもこの年齢になったら「みんな頑張れ!」という気持ちしかなくて。

「大強敵に勝って萌里ちゃんにバトンを繋ぎます」(サダエ)
「こんなに試合が空いたのが初めて。成長したところを見せたいです」(須田)

――なるほど。次の試合に関する話の前に……須田選手は今年1月のBlack Combatでパク・シユンに敗れましたが、相手のグローブ掴みもあり試合後は問題が紛糾していたと思います。その後、Black Combatの件はどうなったのでしょうか。

須田 どうなったんでしょうね? 相手の選手も引退しちゃったみたいですし(※パク・シユンは今年3月の伊澤星花戦を最後に、自身のインスタグラムでMMA引退を発表している)。

サダエ えっ、そうなん!? なんか逃げられた感じやな。

――パク・シユンとの再戦の可能性もなくなったなか、復帰戦の相手として海外選手を希望したのですか。

須田 いえ、そういうわけじゃないんです。ただ、国内の選手はもう一通り対戦してしまったので……。

サダエ それはもう女子あるあるよね。萌里ちゃんとしても、次はベルトに絡んでいきたいでしょう。

須田 それはそうですね。

サダエ 伊澤さんは確かに強敵やけど、若い時にどんどん挑戦していったほうが良い。そして若い時にベルトを巻いたほうが良いよ。

――では須田選手、対戦するイ・イェジについて印象を教えてください。

須田 凄く体がゴッツイ印象があります。試合を視たけど、綺麗な打撃とレスリングが武器という感じですよね。MMAの試合は久しぶりで、こんなに試合が空いたのが初めてで緊張していますけど、楽しみです。その間もいっぱい練習していたので、成長したところを見せたいです。

――そしてサダエ選手は青野ひかる選手と対戦します。

サダエ 「なんで!?」って感じですよ。大強敵じゃないですか(苦笑)。でも、そういう強い相手と対戦できるのは感謝しています。勝って萌里ちゃんにバトンを繋ぎます。

――須田選手はメインイベントですからね。

最後はLOVE

須田 男子の試合もあるなかでメインって、ヤバくないですか……。

サダエ ヤバくないよ。3月の大阪大会も女子がメインでしたし、時代は変わりました。みんな強くて、ガツガツ来てくれるし。今の女子選手は気持ちが違いますよ。

■DEEP Osaka Impact2024#03 視聴方法(予定)
9月22日(日)
午後12時30分~ ツイキャスPPV

■DEEP Osaka Impact2024#03 対戦カード

<アマチュアフェザー級/3分2R>
石田拓己(日本)
三浦健人(日本)

<アマチュアバンタム級/3分2R>
原田泰志(日本)
梅本純平(日本)

<フェザー級/5分2R>
宜野座ケビン(ペルー)
小西澄斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
松原聖也(日本)
前原泰輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
大空斗(日本)
エダ塾長こうすけ(日本)

<フェザー級/5分2R>
三井俊希(日本)
藤田宇宙(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
カーレッジユウキ(日本)

<女子フライ級/5分2R>
樹季(日本)
山口恵(日本)

<女子49kg以下契約/5分3R>
須田萌里(日本)
イ・イェジ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
鬼山斑猫(日本)

<フェザー級/5分2R>
古根川充(日本)
牧野滉風(日本)

<ウェルター級/5分2R>
角野晃平(日本)
中門虎鉄(日本)

<女子49kg以下契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
サダエ☆マヌーフ(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
堂園悠(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
延命そら(日本)

<フライ級/5分2R>
藤田健吾(日本)
飴山聖也(日本)

<メガトン級/5分2R>
KENNY中村・ザ・天才チンパンジー(日本)
竹内龍吾(日本)

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45 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase Blood03 今井健斗 松原聖也

【Pancrase Blood03】テイクダウンからバックコントロール、今井健斗が松原聖也から3-0の判定勝ち

<フライ級/5分3R>
今井健斗(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
松原聖也(日本)

カーフを蹴り合った両者、左フックからシングルレッグを仕掛けた今井が持ち上げてスラム――トップを取る。今井はサイドで抑え、肩パンチを打ちつけスクランブル狙いの松原に対し、バックに回る。ワンフックからRNCをセットしにかかり、左のパウンドを打ち込む今井は、松原に立ち上がられ正対されると腰に乗せて投げる。ここも今井はサイドで固めて、ブリッジを泳がせて背中へ。ワンフックからRNCを仕掛ける今井、松原を手首を掴んで防御する。松原が胸を合わせた刹那、今井は腕十字へ。腕を抜かれると同時に立ち上がって松原をケージに詰めた今井だが、差されて距離を取られる。松原のパンチに今井が組みつき、時間に。初回は今井が3-0でリードした。

2R、今井は右フックから組み、すぐにバックに回る。ここでもワンフックからグラウンドに持ち込まれ、上体を起こして座った状態まで戻った松原だが、今井は両足をフックして絞めの機会を伺う。腹ばいになった松原の背中を伸ばして殴る今井は、左のパンチを打ち付ける。松原は腰を上げて、前方に落とそうとした足を抱えられ再びグラウンドに持ち込まれる。今井はボディトライアングルに取るが、松原が暴れて腹ばいに。ここで立たせなかった今井は、最後に胸を合わされると頭を抱えて三角へ。頭を抜いて立ち上がった松原がラフなフックを振るうも、今井が再び3票を獲得した。

最終回、カーフを蹴り合った両者。松原が飛びこんでフックを振るう。さらにカーフを続けた松原は左から右を繰り出すが、クリーンヒットはしない。今井はテイクダウン狙いのタイミングを測るかのように、動きを抑えている。ダブルを切られた今井だが、松原のがぶりを利して、頭が下がったところでバックに回る。今井は両足をフックし胸を合わせようとする松原を制し、バックグラブをキープする。

亀の松原に対し、腕十字を狙う今井は三角クラッチへ。体を跨いで立ち上がった松原だが、今井がすぐに組んでケージに押し込む。松原は左を差してヒザをボディに突き上げるが、大内で倒されて万事休す。トップでタイムアップを迎えた今井は勝利を確信、結果3-0で判定勝ちを収めた。


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【Pancrase Blood03】山上幹臣を下した今井健斗、松原聖也へ「相手にとって一番嫌な距離で戦いたい」

【写真】試合内容もそうだが、言葉の一つひとつに明確な意志が感じられる24歳の今井健斗だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、大阪市の錦秀会 住吉区民センター大ホールで開催されるPancrase Blood03で、今井健斗が松原聖也と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今井が今年5月にグラジエイターで、元修斗世界王者の山上幹臣にKO勝ちした一戦は大きなアップセットだった。スタンドの打撃戦、さらにテイクダウンやスクランブルで山上を削り続けた末のストップをもたらした、自身の成長とは?


最初は組めば勝てるような状態でした。でも……

――本日はよろしくお願いします。おぉ、UFCジャージ着用ですね。

「あぁ、これですか(笑)。去年の5月から6月にかけて、パラエストラ沖縄(当時、現THE BLACBELT JAPAN)へ出稽古に行かせていただいたんですよ。その出稽古が終わった時に松根良太さんから頂いたジャージで。試合の時とかも結構着させていただいています」

――松根さんが平良達郎選手と共にUFCで戦う際の、いわばセコンドのコスチュームです。それを譲り受けるとは、プレッシャーに感じませんか。

「いやぁ、もう本当に……でも自分にとっては、このジャージを着ていると計量でも試合でも気分が上がります。ちょっと強そうに見えるかな、って。アハハハ。

あの時期に仕事でお休みを頂いたけど、何もすることがなかったんですよ。せっかくなのでお休みを有効に使おうと――平良達郎選手は同い年で、さらに同じフライ級でどれくらい強いのか。一度手合わせさせてもらいたいと思って、練習に行かせてもらいました」

――もともと松根さんや沖縄の関係者と繋がりがあったのですか。

「いえ、何もなかったです。まず松根さんに『3週間ぐらい練習に行きたいです』と伝えたら、『ぜひ来てください』と言ってもらえたので、沖縄に行きました」

――何も繋がりがないなかで、いきなり松根さんにコンタクトを取るとは度胸があるというか……。

「アハハハ、そうですかね。MMAをやるうえでは、度胸があるのは良いことだと思います(笑)。昔から、思い立ったらすぐ行動に移すタイプで。MMAを始めたのも『やってみるか!』と、勢いの部分は大きかったですね」

――MMAを始めたのは、いつ頃ですか。

「20歳の時です。もともと5歳から19歳まで柔道をやっていました。柔道から離れたあとに『少し体を動かしたい』という感じで、今のジムに入会したんですよ。最初はプロになりたいとかっていう気持ちもなく、ただただ格闘技を始めたいという気持ちだけで。どのジムが良いとかも全然分からず、とりあえず家から一番近いこのジムに入りました」

――柔道時代の実績は?

「実績は全然ないです。なんとか地区大会で優勝し、県大会に行くと2回戦で負けるというぐらいのレベルでした」

――MMAでもキャリアの序盤は、柔道をベースとした組み技を主体に戦っていました。しかし徐々に打撃主体のスタイルに変わってきています。

「最初は組めば勝てるような状態でした。でも自分より組みが強い選手に負けてしまう傾向があって。だから、まずは打撃を頑張らないといけない。打撃も極めも全てできるようになろうと思いました」

――なるほど。今年2月の岸田宇大ではスクランブルで優位に立ったにも関わらず、三角絞めを極められてしまいました。あの時点では、まだ打撃主体のスタイルに変えられていなかったのでしょうか。

「あの試合は相手に飲み込まれてしまったというか……。相手は柔術黒帯で、自分も寝技で勝負せずに打撃で行きたいと考えていました。でもケージに入って最初に組んだ時、自分のほうがフィジカルは強いなって思ったんです。『もしかして組みで行けるかも……』と思いながら、途中で『やはり打撃で行こう』と変えた時には、すでにもう遅くて」

自分が強すぎず弱すぎず――ちょうど良い噛ませ犬なんだろうなっ、て

――その敗戦を踏まえて、山上戦は打撃主体で行こうと。

「いえ、あの試合も最初の作戦とは違っていたんですよね(笑)」

――えっ、どういうことですか。

「だって山上選手は打撃が強いじゃないですか。自分が勝てるのは組みやフィジカルの部分かなと思って、本当はフルラウンド漬けて殴って――という試合をするつもりでした。だから、まず自分からテイクダウンに行ったんです。でも試合が進んでいくうちに『近い距離の打撃だったら勝てるかもしれない』と感じて、途中で切り替えました」

――作戦の切り替えが功を奏しましたね。結果的にKO勝ちを収めましたが、まず山上戦のオファーが来た時の気持ちを教えてください。9年ぶりのMMA復帰とはいえ、元修斗世界王者との対戦は大きなチャンスでもあります。

「山上選手が復帰戦ということで、自分が強すぎず弱すぎず――ちょうど良い噛ませ犬なんだろうな、って思いました。アハハハ。でも怒りとかはなく、2月に負けている自分に、山上選手のような名前のある選手と試合するチャンスを頂けて嬉しかったです。あとは試合映像を視て、とにかく左ストレートは食わないようにしようと思いました」

――実際、試合では何度か山上選手の左を被弾しているにも関わらず、ダメージを受けているようには感じられませんでした。

「一発目の左を受けた時に『これで倒れることはない』と感じました。あとは左を受けてもダメージがないような距離の設定で、どんどん前に行けると思って。結果……何て言ったらいいんですかね。もちろん勝ったことは嬉しいです。でも自分が想像していた以上の勝ち方ができたというか。打撃が巧い山上選手に――自分の打撃はまだまだヘタクソですけど、それでもKO勝ちできたのは本当に嬉しかったですね」

――さらに驚いいたのは決着が一撃によるKOではなく、山上選手が削られてダメージが溜まった状態でパウンドを受けて敗れたことです。つまり今井選手が打撃を、山上選手の体の芯まで効かせていたのだろうと思います。

「2Rの途中から自分のパンチが当たり始めて、『効いている。削れている』という手応えはありました。1Rは取られていると思ったので、2Rはパンチを効かせてからテイクダウンに行ったんですよ。2Rを抑えることで、気持ちにも余裕を持って3Rに行きたいと考えて、一発を狙うより削りに行きましたね」

自分の距離が分かって、MMAとしての幅も広がった

――同じジムの桐島龍輝選手も、絶妙な距離感で相手を削っていくスタイルです。ジムでは、そのような打撃の練習を行っているのですか。

「特に打撃専門のジムに通っているわけではなく、ジムでミットや打ち込み、スパーをしているだけで。そういう距離設定を集中して練習しているわけではないです。

ただ、自分の得意な距離が分かってきました。この距離なら勝負できる、この距離で勝負してはいけない――って。特に山上選手との試合で、もともと組み技が得意だった自分、打撃で良い展開をつくることができたのは大きかったです。打撃で勝負できるようになったことで、さらに組みやすくもなって。MMAとしての幅が広がったと思います」

――次に対戦する松原選手の印象を教えてください。

「ざっくり言うと『一発があるストライカー』という印象です。パンチをフルスイングしてくるところは気をつけないといけない。でも打撃以外では甘いところも見られますよね」

――松原選手は、スタンドの展開では中間距離からパンチを伸ばしてくるタイプです。それは、今井選手にとっては得意な距離でしょうか。

ここまで4勝1敗の松原。中距離のパンチとテイクダウンディフェンスは強い

「どちらかと言えば得意な距離だと思います。でも相手にとっても得意な距離だから、そこで無理に勝負することなく、相手にとって一番嫌な距離で戦いたいですね」

――なるほど。今後のファイターとしての目標を教えていただけますか。

「技術的には、もっと極め力が必要です。打撃戦からテイクダウンまでは行ける。あとは倒してからの技術を身につけたら、もっと強くなれるんじゃないかと思っています。

ここで松原選手に勝ってから、海外勢や国内の強い選手と戦っていきたいですね。自分はチャクチャ強い相手に勝った瞬間が一番好きなので。特に海外のゴツい、地味強みたいな相手を倒していくキャラで行きたいです!

■視聴方法(予定)
7月28日(日・日本時間)、
午前1時45分~U-NEXT

■Pancrase Blood03 対戦カード

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹(日本)
氏原魁星(日本)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
シュウジ・ヤマウチ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生(日本)
中村晃司(日本)

<ストロー級/5分3R>
植松洋貴(日本)
尾崎龍紀(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
和田綾音(日本)

<バンタム級/5分3R>
千種純平(日本)
田中千久(日本)

<フライ級/5分3R>
今井健斗(日本)
松原聖也(日本)

<バンタム級/5分3R>
前田海(日本)
山木麻弥(日本)

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