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【Pancrase350】ウルルとの防衛戦延期の前に透暉鷹が語っていたこと「不安がないと強くはなれない」

【写真】残念ながら復帰戦は延期に。しかし今後が楽しみになる透暉鷹の言葉だった ※写真は1月のインタビュー時、ベルトを持っている姿(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase350で、透暉鷹がキルギスのカリベク・アルジクル・ウルルを挑戦者に迎え、バンタム級KOPの初防衛戦を行う予定だった。しかし8日(日)、タイトルマッチの延期が発表されている。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスからのリリースによれば透暉鷹は練習中に右足首の靭帯損傷、ならびに骨にヒビが入っており全治1カ月と診断されたという。対するウルルもまた、レスリングの練習中に肩を痛めたとのことで、このタイトルマッチは延期される形となった。
MMAPLANETでは11月15日、透暉鷹にインタビューを行っている。この時透暉鷹はRTUでの敗北、セコンドである日沖発stArt代表の発言について、何よりウルル戦への意気込み――ウルルとの防衛戦こそ延期となったものの、そんな彼の想いを掲載したい。


チィルイイースー戦では、相手の顔つきが違っていた

――RTU2024、バンタム級準決勝でチィルイイースー・バールガンに敗れてから約3カ月が経ちました。セコンドを務めた日沖発stArt代表に、チィルイイースー戦の敗北について訊いたインタビューは読んでいただいていますか。

「はい、もちろんです」

――では日沖代表の言葉に関して、率直な感想を教えてください。

「まず日沖さんの言葉は信頼関係が存在しているからこその言葉だと思っていますし、『ありがたい』の一言に尽きます」

――日沖代表によれば、RTU直後に透暉鷹選手とミーティングの機会を持ったということでした。日沖代表は「本人でも所属ジムの人間でもないので、なかなか言えないこともある」とのことでした。ここで透暉鷹選手から、どのような話をしたのか聞かせていただけますか。

「一番は今後どこで、どうやっていくかという話ですね。どこのケージであろうと、強い相手と対戦していくことは変わらないです。またRoad to UFCを目指すために、自分も力をつけていかないといけない。そこで日沖さんから言われたのは――『準決勝で負けた選手は今年2試合、バンタム級で良い勝ち方をしないと、来年は出られないと思ったほうが良い』ということでした」

――来年からRTUには豪州も加わってくるという噂もあります。そうなると日本人選手枠は、ますます少なくなっていくでしょう。

「……そう言われた時は、僕の中では階級の問題も含めて、まだ気持ちが落ち着いていませんでした。だからまず一度、米国に行こうと思ったんです。とにかく何か変わるキッカケが欲しくて。

チィルイイースー戦では、相手の顔つきが日本人選手とは違っていることに気づきました。『勝って人生を変える!』というハングリー精神みたいなものが伝わってきて。そういう選手たちと比べたら僕なんて――そういう気持ちが全然足りなかった。米国へ行ったあとに決まった試合ですけど、ウルル選手もそういう気持ちで練習しているはずなんですよ」

――……。

「そこで2週間ほどアリゾナのファイト・レディに行ってきました。RTUの試合が終わって2週間後ぐらいに、また米国へ。ファイトレディにいるのはUFCファイターばかりで、練習に対する意識も違っていて。そこから帰国したのが10月1日あたりだったと思います」

――正直なところ、これまで倒したことのある日本人選手を相手に防衛戦を行っても、RTUに繋がるほどの評価を得られるとは考えにくいです。

「対戦相手については考えました。誰に勝てばRTUに繋がるのか。自分の気持ちも、そこに向けられるような相手を考えると、やっぱり外国人選手にはなります。これからUFC、RTUを目指すなら、そんな相手と12月にやっておきたいと思いました」

――ウルルを相手にベルトの防衛戦、という試合は透暉鷹選手から希望したのでしょうか。

「RTUが終わってからパンクラスさんと話をしたんですよ。その時に『ウルルはいつでも試合ができる、と言っている』と聞いて。僕も12月にウルルと防衛戦をやるのが一番良いと思いました」

――同時に、なぜチィルイイースー戦で敗れたのか。技術的な見直しも並行してやっていかなければいけないので難しい、と日沖代表は言っていました。

「記事だと、バックエスケープの話ですよね(苦笑)。確かに自分はバックエスケープが得意でも、相手のほうがバックテイクやバックキープが強かった場合、相手のほうが楽な場面にもなります。日本でも久米鷹介さんと練習している時、一度バックを取らせてから息を整えようとしたら、そのまま持ち上げられたり、テイクダウンされてしまうんですよ。

そういう場合は、押し込まれている時に休むのではない。自分から形を取りに行って、倒してからハーフやバックを取ってから息を整えて削り続ける。そういう練習をしないといけない、と日沖さんからも言われました。だからバックエスケープは最終手段として持っておくとして、他の方法もしっかり練習してきています」

不安があるから練習する。今の自分と向き合わなければ、強くはなれない

――自身と同じ強みを持っているチィルイイースーに敗れた。それは今まで、国内では経験したことのなかった展開だったと思います。

「あの試合は……2R目にテイクダウンして相手に立たれた時、自分が休んでしまったんですよ。そこで『1Rは取っているから2Rめは休んで、3Rめに勝負をかけよう』と考えました。そんな考えでいると、今後もどんどん勝てなくなってしまいますよね。

試合後、日沖さんから『逆の立場なら、自分だったらどうする?』と訊かれました。1Rと2Rを取り合った場合、相手も3Rめは絶対取りに来る。2Rを有利に終えていたほうがインターバルで息も整えられるし、2Rの内容を3Rに生かすことができる。そんな展開のなか、僕は2Rめに消極的な考えになっていて、結局は3Rを相手に取られてしまいました」

――あるいは1Rと2Rを取ってから3Rに臨むほうが、心理的にも優位に立つことができるでしょう。

「国内の試合では、それができていました。1Rと2Rを取っているから、3Rを取りに行ける。自分の場合はそこで極めに行きすぎて、疲れてしまうことがあるんですけど(苦笑)」

――アハハハ。しかし、疲れても取られなければ、2Rまでの貯金が生きます。

「はい。そのあたりの力加減も考えなければいけないところではあるけど、やっぱり国内の試合とは違いますよね。だから米国で強い選手と『競る練習』ができたことも大きいです。試合形式で、緊張感も違いましたし。そのなかでメンタルも鍛えられました」

――RTUを目指すなら、強い相手に勝っていかないといけない。しかし強い相手だと星を落とすリスクもあります。

「強い相手だからこそ良いんです。『ここで負けたら、もうUFCには行けないな』という気持ちで毎日を過ごさないと。そのためには強い相手と対戦しなきゃいけないんですよ。負けたら――という不安があったほうが、今は良い感じで毎日を過ごすことができています」

――なるほど。

「不安があるから練習する。いろんなことに取り組む。普段の食事から変わってくる。ちゃんと今の自分と向き合わなければ、強くはなれないですから。

それだけウルル選手は強い相手だと思います。映像を視て対策を考えようとしても、彼はオールラウンダーなんですよね。打撃が強いのはもちろん、下になっても足が利いてが、極めることもファイターで。技術は多彩だし、フィジカルは強い。その相手に勝つためには、自分も一つひとつの要素が強くないと、対策しようがないじゃないですか」

――まさに日沖さんが仰っている「まず自分自身を見ないといけない」ということでしょうか。

「強い相手で不安があるからこそ、相手を通して自分のことを見つめ直す。もちろんウルル対策も練習します。だけどウルル云々よりも、自分の中で全体的なレベルアップを目指しています。

チィルイイースー戦のように、1Rは取ったから――なんて考え方をしていると、今後はどんどん勝てなくなる。勝つために、より強くなる練習に取り組めなくなってしまう。最初にチィルイイースーの右を食らってしまった。だから右を食らわない練習をする。そうやって一つ一つ、技術的に伸びていくように考えないといけないですよね」

――ここでウルルに勝てば、来年のRTUに繋がると考えていますか。

「……それは分からないです。正直、最初は自分も『ウルルに勝ったらRTUに行けるかな?』とは考えました。でも今はウルル選手に勝つことで精いっぱいです。その先のことは、あまり考えていません。今はただ、ウルルに勝つことだけに集中しています」

■Pancrase350視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後12時00分~U-NEXT

■Pancrase350 対戦カード
<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
栁川唯人(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
岡田拓真(日本)
敢流(日本)

<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
岸田宙大(日本)

<63キロ契約/5分3R>
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)
渡邉泰斗(日本)

<フライ級/5分3R>
砂辺光久(日本)
時田隆成(日本)

■Pancrase351視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後16時50分~U-NEXT

■Pancrase351 対戦カード
<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
平田直樹(日本)
三宅輝砂(日本)

<フライ級/5分3R>
猿飛流(日本)
ジョセフ・カマチョ(グアム)

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(日本)
船田電池(日本)

<65キロ契約/5分3R>
合島大樹(日本)
安藤武尊(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
張豊(日本)

<フライ級/5分3R>
水戸邉荘大(日本)
小林了平(日本)

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【Column】マカオで11年振りにUFCを取材して……何だかんだと、詮無いことを考えてしまった

【写真】本当にすさまじい盛り上がり方だった (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)にマカオのギャラクシー・アリーナで開催されたUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」。メインのピョートル・ヤン×デイヴィソン・フィゲイレドの激闘に沸き返る1万2000人超の館内をケージサイドから眺めて、「全然違う」と素直に思わされた。
Text by Manabu Takashima

何が違うのか。過去のマカオ大会とは、明らかに別モノだった。UFCが前回マカオでイベントを行ったのは2014年8月23日、もう10年以上も前になる。

ギャラクシー・マカオとアヴェニーダ・シダージ・ノヴァを隔てたザ・ベネチアン・マカオのコタイ・アリーナに7000人強のファンを集めたUFN48のメインは、奇しくも今大会でカラーコメンテーターを務めたマイケル・ビスピンが、カン・リーと相対した一戦だった。

マカオに初めてUFCが進出したのは、その2年前。2012年11月10日のUFC Macao(UFC Fuel TV06)で五味隆典、水垣偉弥、手塚基伸、漆谷康宏、福田力と日本人5選手も出場した。同大会での中国人ファイターの出場はジャン・ティエチュエンの1選手のみ。それでもコタイ・アリーナに8000人のファンを動員し、日本大会と並びアジアで定期的にイベントが行われるという期待が寄せられた。

この後、今はUFCを去ったマーク・フィッシャーを長とするUFCアジアは、TUF Chinaを軸とした中国人選手の育成という命題を挙げ引き続き2 度に渡りコタイ・アリーナ大会を取り行っている。2014年3月のTUF China Finale大会では、そのTUF Chinaウェルター級決勝戦でジャン・リーポン×ワン・サイが組まれ、ジュマビエク・トルスンと3人の中国人ファイターと共に日沖発と徳留一樹が参戦した。

上記にあるUFN48ではTUF Chinaフェザー級決勝ニン・グォンユ×ヤン・ジェンピン、ジャン・リーポンとワン・サイ&ヤン・ジークイと中国人選手は5人に増え、日本人出場選手は安西信昌と佐々木憂流迦の2人だった。

これら過去のマカオ3大会の集客数は6000人から8000人、コタイ・アリーナの一部を使用するスケールでイベントは実施された。3大会連続出場はキム・ドンヒョン。特に中国がフューチャーされるという風ではなく、アジア大会という空気感だったことが思い出される。

あれから10年、UFCにおける中国の存在感は比較にならないほど、重要になっている。

世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリは当然として、男子でもバンタム級のソン・ヤードンやウェルター級のリー・ジンリャンが北米要員として地位を確立。20人に及ぼうかという契約配下選手の多くは、上海PIで最先端のトレーニング環境が与えられ、現地のローカルショーからRoad to UFCという道を経て最高峰に辿り着いている。

フロリダのキルクリフFC、サクラメントのチーム・アルファメールと中国人選手が米国のジムで練習、所属することは何も珍しくなくなった。

今回のマカオ大会には上に名前を挙げた中軸ファイターの出場はなかったが1カ月に 3度から4度、世界のとこかで見られるUFCの日常的なイベントで、中国のファンたちはお祭り騒ぎ状態だった。

UFC300でジャン・ウェイリに挑戦したイェン・シャオナンを始めとする10人の同朋に、1万2000人越えの大観衆は「加油(チャーヨー」と、力いっぱい叫び続けた。特別でなく、ご当地ファンを応援する。そして世界のトップに声援を送るという──熱狂がギャラクシー・アリーナに渦巻いていた。

メディアの数は昨年、一昨年のシンガポール大会とは比較にならないほど多かった。プレスルームもそれだけ巨大だ。ざっと見まわして、中国メディアの数は80を下らなかっただろう。

それだけ投資をした結果といえばそれまでだが、お祭りでなく日常がビジネスになることは、大きい。何よりマカオ大会の熱狂は中国の人々のUFCを見る目が肥え、UFCを楽しめるようUFCが手を尽くしてきたからこその結果だ。

天文学的な額の投資やその勢いを買うだけの経済基盤が、かの国にある。だから時間を掛けることができた。投資を回収できないのであれば事業の見直すことになることも承知し、それだけ費やしてきた。残念ながら、我が国の経済はそのような余裕はない。プロモーターやファイター、ジム関係者、専門メディア、皆がそうだ。いうと一国全自転車操業状態。だから、目の前の利益を追求する必要がある。

複数の日本人ファイターがUFCのメインカードに名を連ね、サッカーのプレミアリーグで活躍したり、MLBでレギュラーを務める選手のような名声を得るにはどうしたら良いのか。そのような日はやってくるのか。

強さを追求しているだけでは食っていけないという言い訳をやめて、格闘技の本質を曲げないでいられるのか。あるいは強さが絶対の価値観を持つMMA界とするために、投機できるビリオンネアーが現れるのを待つのか。ギャラクシー・マカオを闊歩する大陸からやってきた人達を眺めつつ、そんな現実離れした考えしか思い浮かばなかった。

それでも今、日本のMMA界に奇跡的な神風が吹こうとしている。朝倉海のUFC世界フライ級王座挑戦は、特別なことだ。9年振り9カ月振りの日本人のUFC世界王座挑戦が、デビュー戦。彼の日本における影響力の大きさとフライ級の現状が合致した特別な世界王座挑戦に加えて、このチャレンジに化学反応を示す下地が今は少なからずある。

格闘技・冬の時代と呼ばれた頃に、「UFCで戦いたい」と猫も杓子も口にしていたのとは違う──本気で強さを追求することで、選択肢がUFC一択となったファイター達が存在している。平良達郎、中村倫也、鶴屋怜、木下憂朔、風間敏臣、井上魅津希──そんな面子に、Road to UFCと同時開催なんてことがあるなら強さを追求する純度と強度が高まるイベントの実現も可能になるに違ない。

この動きを一過性でなく、恒常性とするには……強さが軸となるマッチメイクをプロモーターが組める仕組みを構築すること。それにはファイターとプロモーターが対等の立場になる環境創りが欠かせない。過去の慣例に縛られない。過去の成功例でなく、今の成功例に目をやること。

近い例でいえば、それこそ朝倉海の大抜擢だ。なぜ、デビュー戦&世界挑戦が現実のモノとなったのか。彼はRIZINが求めることをやり抜き、UFCが求めるモノを追求してきた。その姿勢を学ばずに「RIZINで戦いたい」、「UFCと契約する」と口にしても、正直どうしようもない。

Road to UFCも然りだ。入口に立つことが大切なのは、UFC本大会であってRoad to UFCではないはず。出場を目指してレコードを綺麗にするために、強い相手との対戦を避けるような姿勢では、豪州が加われることが予想される次回大会を勝ち抜くことができるだろうか。

今やコンテンダーシリーズもそうだが、Road to UFCという「勝てば官軍」的なトーナメントで生き残るのは綺麗なレコードは当たり前。それも強い相手を食って、綺麗なレコードである必要がある。

韓国人ファイターだが、ユ・スヨンは昨年12月のNAIZA FCの敗北後に1月にBlack Combatでキム・ミウ戦と戦った。結果はNCだった。この2試合を経てRoad to UFCに出場できなかったかもしれない。

と同時に、この2戦を経験していないと今の強さがなかったかもしれない。要はユ・スヨンはRoad to UFCで戦う権利を得るために、チャレンジをした。

チェ・ドンフンは強いが試合が面白くないという韓国内での評判を、Gladiatorの2戦で払拭した。日本での試合は、現状を変えるために必要だった。

倒せる武器があることを自認し、準決勝まで勝利を最優先とした。そしてファイナルは見事なKO勝ちを飾った。彼もまた昨年12月と今年の2月と日本で戦って、Road to UFC出場権を得ている。

レコードが汚れるリスクを冒して、戦績を積んだうえでRoad to UFCに出場しても勝てないこともある。実際に河名マストや本野美樹はそうだったと言える。だからこ、その姿勢を評価する業界になることが、日本が強くなる第一歩ではないだろうか。

頂きを目指すには、登山口がどこにあるのか。そのルートをしっかりと確認、精査しないと登山はできない。その挑戦が成功例も失敗談も将来に活かすことはできないままで終わる。

根本として、日本を強くするのはプロモーターではない。ジム、そしてファイターだ。それを評価するのがプロモーターの役割で、さらに商売にする才覚が求められる。中継パートナーも同様だろう。ではメディアの役割とは何か……正直、専門メディアの役割など、もうとうになくなったのではないかと思っている。

フォロワーが多いインフルエンサーに、しっかりと格闘技を伝えてもらう方がよほど、Yahooへの転載でPV数を増やしてGoogle広告で生き永らえようとする専門メディアより影響力があるはず。影響力のある有名人や中継局、大手メディアに対して、情報提供でなく知識の共有を目指した記事を書く。それが、実はネット時代になる以前と変わらぬ専門メディアが果たすべき役割だ。


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【Road to UFC2024 Ep05】日沖発、透暉鷹の準決勝敗退を語る「まずは自分を見ないといけない」

【写真】日沖自身がUFCで戦っていたからこそ言えることがある(C)SHOJIRO KAMEIKE

8月23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたRoad to UFC2024 Ep05 =Road to UFC Season03 Semi Finalsにて、バンタム級準決勝で透暉鷹が中国のチィルイイースー・バールガンに判定で敗れた。
Text by Shojiro Kameike

透暉鷹にとってはフェザー級からバンタム級に転向し、パンクラスKOPで2階級制覇を果たして挑んだUFCへの道——初戦は韓国のキム・キュソンを下して準決勝に進出したが、笑顔はなし。さらにバールガン戦は1Rを取りながらも、2Rと3Rを押さえられて判定負けを喫した

国内の戦いで見せていたような動きを出せなかった。そんな印象もある準決勝戦について、透暉鷹のトレーナー&セコンドを務めた日沖発stArt代表に話を聞くと、厳しい言葉も訊かれた。その内容は透暉鷹だけでなく、日本MMA全体の問題であるようにも感じられる。


相手も『この展開をやりきる』という意志が強かった。厳しいことを言うと――

――今年のRTUは準決勝で日本人選手が全滅という結果に終わりました。この結果を振り返る企画として、透暉鷹選手の試合についてはセコンドを務めた日沖さんにお聞きします(※取材は9月3日に行われた)。

「よろしくお願いします。僕は試合をした本人ではないし、所属ジムの人間ではないので、なかなか言えないこともありますが……」

――いえ、その立場にいる日沖さんにこそお聞きしたいことがあります。まず日沖さんは8月18日に、徳弘拓馬選手のセコンドとしてグラチャン大阪大会に来ていました。その直後、透暉鷹選手とともにラスベガス入りしたのでしょうか。

「いえ。グラチャンの試合が終わって、少し経ってから計量当日に着きました。2泊3日でラスベガスに(苦笑)」

――試合としては、透暉鷹選手はこれまで国内の試合ではドミネイトして勝つことが多かったです。しかしバールガン戦で徐々にペースをひっくり返されて逆転の判定負けを喫したことが、意外で予想外な面もありました。

「僕は『厳しいシーンがあってもおかしくない』とは思っていました。まず透暉鷹とバールガン選手は似たようなタイプで――自分から打って、そして上を取りに行く。そういった場合は特に、自分の強いところを先にぶつけてペースを握らないといけません。でも先に、相手にペースを取られてしまうと、今回のような試合展開になることはあり得ます」

――それは1Rと2R、開始早々に相手の右をもらってしまった点でしょうか。

「あれは相手の作戦だったでしょうね。透暉鷹が後ろ重心になっている時に、右ストレートを被せるという。

1Rは右を受けたあとにトップを取ったので、ポイントも押さえたと思いました。最初にもらった右のダメージを後半まで引きずったわけでもなくて。ラウンドが終わってみるとペースを取られたのは1分間だけで、残り4分はハーフ、がぶり、バックと透暉鷹が支配していましたから。

2Rも微妙ではありますけど、透暉鷹のほうが先にやるべきことができていた時もあったんです。テイクダウンも奪っていましたし。でも、それ以外はケージに押し込まれたりするなど、後手に回ってラウンドを取られてしまいました」

――1Rに透暉鷹選手がバックに回られた時は、セコンド陣としては「切り返すことができる」と考えていましたか。

「はい。透暉鷹はバックエスケープ、つまりバックを取られかけたところから、上を取り返すのは得意なんですよ。でも『あまりバックエスケープはやるな』と言っていました」

――確実に逃れることができるとしても、一瞬バックを取られかけるのは印象が良くない。

「そうなんですよ。確かにガードからめくるスイープよりは、バックエスケープのほうが上を取りやすいです。尻もち着きから後ろを見せてサイドバックを取らせてから、相手が足のフックを入れてきたところを前に落とす。そのほうが体幹やフィジカルを生かしやすいし、やられたほうにも『惜しいところまで行ったけど攻め切れなかった』という心理が生まれたりしますからね。

対して、スイープは技術的にも難しい面があるし、まず自分の背中がマットに着いているので、スコアでも不利になります。そのスイープに時間を掛けるのはコスパが悪いというか……。とはいえ、バックエスケープも最初にバックを奪われかけているわけで。透暉鷹には『まずバックを取らせないように』と言っていました」

――透暉鷹選手がスイープの技術を持っていないわけがない。ただ、持っている技術の中から何を選ぶか。展開の速度が増す一方のUFCあるいはUFCを目指す戦いで、いかに速く選択し、正確に実行できるか……。

「3Rはラバーガードからオモプラッタを狙っていました。でも現在のMMAなら、あそこでもっと殴っておいたほうが良かったですね。今の採点だと殴った数が多いことは採点に影響しますから、下からでも殴るのは大事なところではあります。

仰るとおり、透暉鷹はスイープも含めてガードからの展開もできます。しかし、どうしてもトップキープのほうがフィジカルの強さを生かすことができますし……」

――結果、1Rは右を受けてから取り返した。なのに2R以降は取り返すことができなかったのが意外だったんです。

「相手も『この展開をやりきる』という意志が強かったですよね。厳しいことを言うと、透暉鷹の弱さが出てしまいました」

――透暉鷹選手の弱さ、ですか。これも正直なところ、2R以降は透暉鷹選手の表情を見ていると、少し気持ちの面で押されていないかという印象を受けました。

「あぁ、なるほど。そうですよね……うん、……そうですね」

――今まで経験したことのない展開になり、焦りが生じてしまうのも当然かと思います。そこでインターバルの間など、セコンドとしてはどんな指示を出していたのでしょうかか。

「僕は2Rが終わって、インターバルの時に『1-1だから、このラウンドを取らないと勝てないぞ』とは言いました。本人もそれは理解していたはずです。でも最終ラウンドは、悪いシナリオに近い展開になってしまいましたね。

透暉鷹も最終ラウンドを取りに行こうとしていました。ただ、MMAの場合は2Rを取ったほうが3Rも取るという傾向は多いと思うんです。ラウンドごとではなく試合全体で考えた場合、徐々にペースを取られていく展開だと2Rからの10分はバテていくことも含めて。よほど相手よりスタミナ面で上回っていれば、2Rを取られても3Rを一気に取りにいくことも考えられます。今回の試合に関しては、そこは少し厳しかったです」

――なるほど。

「これは違う話かもしれませんが、たとえば1Rと2Rを取られていて『このままだと判定で負けるから3Rはフィニッシュを狙えよ』というアドバイスって、よく聞かれますよね。でも、その状態から3Rに逆転勝ちするのはレアケースだと思うんです。

10分間ドミネイトされている選手が、もしも最後の5分もし最後の5分……いや、残り3分や2分で逆転できるなら、最初から行ってペースを取っているはずで。やられている選手が最後に逆転できるのは、相手がバテたか、あるいは何か魔が差したのか。そういうことがないと難しくなります。実際、僕がセコンドについている試合で、逆転を狙っても相手のセコンドはポイントで勝っているから、『そのまま殴らせておけ』と指示していたこともありますし」

――となれば、3R制では1Rと2Rをどう取るかが重要になってきます。しかし透暉鷹選手が2Rと3Rを取ることはできなかった。バールガンは今まで戦ってきた相手とレベルが違ったと思いますか。

「レベルは上だったと思います。ただ、それよりも『今までの相手とはタイプが違った』という気持ちのほうが強いです。そう考えると、経験の差はあるかもしれません」

日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけない

――試合後、透暉鷹陣営としては、どのような話をしたのでしょうか。

「う~ん……、相手のことよりも透暉鷹本人のことですよね。本人には伝えましたが、もっとベストコンディションをつくることを考えたり、UFCに向けてもっと厳しくやる部分が必要だったと伝えました」

――それはRTUの試合に向けて練習が足りなかった、ということですか。

「いえ、練習はしっかり頑張るんです。でも日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけないと思います」

――「ベストコンディションをつくること」とは、ウェイトのことでしょうか。

「いろいろ要因はありますが、まずウェイトについて言えば『ベストコンディションをつくれないなら、階級を戻したほうが良い』とは伝えました。透暉鷹の体格を考えると、バンタム級が適正かとは思います。でもそれって、周りを見ているということなんですよ」

――というと?

「周りと比べて自分は体格が小さいから階級を落とす。それはそれで重要だと思います。でも、まずは自分を見ないといけないわけで。自分にとってベストの状態をつくることができないのであれば、やはり階級についてはもう一度考えなければいけないですね」

――「まずは自分を見ないといけない」とは、とても重要な言葉です。ファイターからすると、来年もRTUが開催されるとすれば、どのようにRTUにフォーカスしながら過ごすかも重要になってくるのではないでしょうか。

「やはり日本と海外では勝手が違う部分あって、自分をつくり切れなかった。いろんな基準やレギュレーションが違うなかで、海外慣れも必要だと思いました。来年もRTUが開催されるとは限らないし、開催されても透暉鷹が選ばれるかどうか……」

――日沖さんの場合、修斗と戦極のベルトを巻いてからUFCとの契約に至りました。その前にカナダTKOの経験があったからこそ、とも思います。

「そうですね。TKOのベルトを巻いたあと、すぐにWECの話が来ましたから。日本と海外では単純に競技人口が違うし、そうなると強い選手が出て来る確率も高くなる。今後ますます日本の状況は厳しくなると思います。

僕も試合に対して言い訳じみたことも言いたくはないし、彼自身もそんな言い訳は言っていません。今回の経験が今後に生きるかどうか、それは彼次第です。

本人とISHITSUNA MMAの林代表は『もう一度RTUに挑戦したい』と言っています。僕としては『現実を考えると、UFCは遠のいてしまった』と伝えました。まずその現実的な厳しさを彼がどう受け止めるか、ですよね。受け止めたうえで頑張るというのであれば、僕も引き続き透暉鷹をサポートしていきたいです」

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【Grachan67】南友之輔と対戦、徳弘拓馬 with 日沖発「3歳から発先生の試合を観ていました」

【写真】戦極、修斗、カナダTKOのベルトが並ぶstArtジムにて(C)SHOJIRO KAMEIKE&MATSUNAO KOKUBO

2月4日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGrachan67で、徳弘拓馬が南友之輔と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

徳弘は2022年、日沖発が主宰するstArtからデビュー。その後、アマチュアMMA全日本フェザー級を制し、昨年10月のグラチャン大阪大会で初勝利を挙げた。そんな徳弘が師である日沖とともに、出会いからこれまでのキャリアと今後の目標を語ってくれた。


――徳弘選手がグラチャン大阪大会でプロ3戦目を迎えます。徳弘選手は前戦も大阪で、名古屋から大阪で試合経験を積む形となっていますね。

前戦は昨年10月、有田一貴をバックマウントまで奪いユナニマス判定勝ち(C)SHOJIRO KAMEIKE

日沖 そうですね。まず現状として、名古屋は以前よりMMA大会が少なくなっています。一方、大阪であれば名古屋からも出やすいという面があって。グラチャンは一度、自分がグラップリングで対戦させていただいた縁もあって、徳弘がキャリアを積む場として良いんじゃないかと思いました。

――名古屋でMMA大会が多く開催されていた時代……日沖さんがキャリアを積んだ名古屋市公会堂と、鶴舞公園の桜が懐かしいです。現在21歳の徳弘選手は、その時代をご存じですか。

徳弘 はい! もともと僕の父がアライブの会員で、僕も3~4歳の頃に発先生の応援に試合会場へ行っていました。

日沖 実は戦極の試合も観に来てくれていたんですよ。

徳弘 戦極のタイトルマッチは会場に行けず、テレビで視ていたのですが、発先生が戦極で金原正徳選手と対戦した時(2009年8月、日沖が判定勝ち)は視に行きました。あと修斗のベルトを巻いた時(2010年5月、リオン武から修斗世界フェザー級を奪取)も現地で観ています。その時は全然、格闘技は全くやっていなかったのですが……。

――お父さんと一緒に格闘技をやろうとは思わなかったのですか。

徳弘 そこまで考えながら、発先生の試合を観ていたわけではなかったですね。

――では、その徳弘選手がなぜMMAを始めることになったのでしょうか。

徳弘 stArtがオープンした頃、僕は中2~3でサッカーをやっていました。高校に進学後もサッカーを続けようと考えていて、そこで父の勧めもあって発先生のフィジカルトレーニングをパーソナルで受け始めたんです。

日沖 3~4歳の頃からウチに通い始めるまで、ほとんど会っていなかったのでビックリしましたよ。急にデカくなっていて(笑)。

徳弘 アハハハ。その流れで柔術クラスに参加させてもらうようになりました。高校時代はサッカーを続けながら週2~3回、打撃とか柔術をやらせてもらっていて。サッカー部を引退したあとは毎日stArtに来て、練習していたらアマチュアMMAの試合に出るようになっていました。

――その間、日沖さんは徳弘選手がサッカーから離れてMMAをやるように仕向けていたのですね。

日沖 そんなことはしません(笑)。実際のところ、僕は無理に試合を勧めたりはしないんですよ。むしろ、ちゃんと練習しない子以外は試合に出ないほうが良いと思っているので。でも彼は試合に出るようになって、さらに一生懸命練習するようになりました。もちろん当時の実力はまだまだし、今も修行中の身です。でもMMAへの取り組み方を見て、彼は伸びていくだろうと思っていました。

――幼少期の徳弘選手にとって、日沖さんはどんな存在だったのですか。

徳弘 試合を観るたびに勝っていたので、凄い選手だなと思っていました。

日沖 本人の前で悪く言いませんよ(笑)。

徳弘 いえ、本当です! カッコイイ選手だと思っていました。

――では現在、日沖さんの悪いところや「ここは直してほしい」という部分はありますか。

日沖 これ、MMAPLANETさんに載るからね。

――圧力をかけてないでください(笑)。

徳弘 本当に無いです。人間的にも尊敬していますし、格闘技だけでなく人として在るべき姿を示してくださるので。それによって自分も成長できています。

日沖 ……これはカットで(苦笑)。

――何を照れているのですか(笑)。日沖さんとしては、幼少期から知っている徳弘選手から「MMAをやりたい」と聞いた時は、嬉しかったのではないですか。

日沖 その時はもちろん、何より練習していく中で『これは本気だな』と分かった時は嬉しかったです。こう言うのも何ですが、アライブでもstArtでも、いろんな人たちを見てきて――言うだけの人っているじゃないですか。「プロになりたいです!」「チャンピオンになりたいです!」と言うのは誰でもできるけど、実行するにはそれなりの覚悟が伴わないといけない。徳弘の場合は、ウチへ通ううちに取り組み方が変化していったんですよ。

――どのような時に、徳弘選手の変化を感じたのでしょうか。

日沖 具体的に「この時!」というよりは、とにかく毎回練習を休まない。隔週で日曜日の練習をやっていて、「疲れが溜まっていたら休んでいいよ」と言っても休みません。そういう姿勢を見ていると、いろいろ協力してあげたいなと思いますよね。

徳弘 ありがとうございます。サッカーを引退した直後は、そこまで「MMAのプロ選手になりたい」という気持ちはなかったです。ただ、やりからにはMMAを頑張りたい。強くなりたい。もともと運動神経が良いほうではないので、そんな僕が練習を休んではいけないと思っていました。

日沖 お父さんの勧めも大きいですね。お父さんは趣味で続けながら、柔術の黒帯を巻いていて。

徳弘 僕がMMAをやると言った時、父も嬉しそうでした。今もすごく協力的ですし。

――徳弘選手は2022年5月、HEATでプロデビューし、TKO負けを喫しています。

徳弘 あの試合でプロの厳しさを知り、もっと格闘技に懸けて練習しないといけないと思いました。今あの試合を振り返っても、当時はその気持ちが足りなかったです。負けた試合のことを思い出しながら、自分に活を入れるようにしています。

日沖 あのデビュー戦は、まだアマチュアでしたね。もともとHEATのニューエイジというセミプロ枠に出場する話が進んでいて、そのなかでプロキャリアのある選手とプロ枠で試合をしないかというお話を頂いたんです。彼にとってはチャンスではありましたが、やはり現実的には相手のほうがキャリアもあり、勝てませんでした。そのあとアマチュアで数戦し、アマチュアMMA全日本で優勝して昨年10月のグランチャン大阪大会に出ました。だから、前回の試合が本当のプロデビュー戦だったと考えています。

徳弘 アマチュアMMA全日本で優勝して、次はプロとして戦うとなった時、改めて「プロとしてどうあるべきか」ということを考えるようになりました。

「鈴木社長になるための練習」(by日沖)という三転倒立からの回転(C)SHOJIRO KAMEIKE

日沖 彼の一番の良さは、真面目なところです。センスが良い選手、身体能力が高い選手はたくさん見てきました。でも結局は練習を休んだり、試合で勝っているのに途中で諦めたりするケースもあって。そんななか、彼はコンディションを維持しながら練習し続けることができる。長い目で見たら、それが一番だと思うんですよね。目の前のことだけを見ていると、うまくいかないことだってあります。でも、この姿勢で続けていると強くなっていく。そう考えていますね。

――では次に対戦する南選手について印象を教えてください。

徳弘 思いっきり倒しに来る選手です。空手の実績もあって、スピードやタイミングの面で長けている相手だと思います。

日沖 ひとつは厳しい相手だということ。もうひとつは、まだプロとしては名前が知られていない徳弘が、注目されている選手を食うチャンスですよね。今の戦績だと、そういったチャンスも多いわけではないので。

徳弘 目標はまず今出ているグラチャンでチャンピオンになることです。ここで南選手に勝てば確実にベルトへ近づくと思うので、しっかり倒します。今年は何試合かできると思いますが、すべて勝って年内にベルトへ近づきたいです。

――同じ大阪大会ではターゲットであるバンタム級タイトルマッチが行われます。

徳弘 手塚選手もTSUNE選手も、本当に強いファイターです。客観的に今の自分の実力を考えると、厳しいとは感じます。でもMMAをやるからにはチャンピオンにならないといけないし、日々実力を上げていかないといけないと思っています。

――日沖さんとしては、現段階で「目標はUFCです」とは言わせませんか。

日沖 アハハハ、そんなことはないですよ。理想と現実を考えることは重要ですが、現実を見すぎている選手よりも、現実を理想に近づけるために頑張っているほうが良いです。徳弘の場合、今はベルト云々という実力はないですよ。でも「ベルトを目指して頑張っていくべき」という話はしていて。

透暉鷹もそうだったんです。最初にISHITSUNA MMAの林巧馬代表から「UFCを目指している。練習を見てほしい」と相談された時も「UFCって、そんなに甘いもんじゃないよ」とは思いました。実際に透暉鷹がウチに来てスパーリングした時も、その印象は変わりませんでした。でも考えたんです。「まだまだ若い選手に対して、そんなに現実を考えすぎるものではないな」って。透暉鷹も取り組み方がどんどん変わっていきましたし。

stArtの朝練にて、透暉鷹と打ち込み(C)SHOJIRO KAMEIKE

いろんな価値観があって良いです。有名になりたい、お金が欲しいという選手もいます。そこで透暉鷹が「UFCに行きたい」と言ってきた。UFCに行けるかどうかは分からないけど、その目標に向かって頑張っている姿に価値を感じて、ずっと協力させてもらっています。

――なるほど。

日沖 徳弘もそうなんですよ。どこの何を目指せ、とは僕が言うべきことではなくて。彼がベルトを目指し、上に行くために努力していれば周りも協力してくれる。僕も彼と一緒に頑張っていきたいです。現状の実力がかけ離れているからって、目標を口にしてはいけないというわけではなくて。ずっと高い目標を持って続けてほしいですね。

徳弘 僕も応援に来てくれる方、いつもジムで一緒に練習してくださる方々に勇気を与えたり、「また明日も頑張ろう」と思ってくれるような試合をしたいです。そのためにも次の試合は、しっかりとフィニッシュします。


■視聴方法(予定)
2月4日(日)
午後0時30分~ GRACHAN放送局

■ Grahan67対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]手塚基伸(日本)
[挑戦者]TSUNE(日本)

<Grachanフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]松場貴志(日本)
[挑戦者]御代川敏志(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
林”RICE”陽太(日本)
大道翔貴(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
徳弘拓馬(日本)
南友之輔(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
八木匠(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
今村豊(日本)
堀之内蒼斗(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
有田一貴(日本)
秋田良隆(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
村上晴紀(日本)
木下竜馬(日本)

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ISAO MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase340 YouTube   イーブ・ランジュ パンクラス パン・ジェヒョク ベラトール 日沖発 河村泰博 海外 透暉鷹

【Pancrase340】12・24を読む ベルトを賭けたバンタム級転向初戦、透暉鷹─01─「練習の質も上がった」

【写真】取材は12月16日に行われた。試合1週間前、初のバンタム級に向けてコンディションは良さそうだ(C) SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE340で、元フェザー級暫定KOPの透暉鷹が空位のバンタム級王座を賭けて河村泰博と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスに年間MVPの制度があれば、間違いなく2022年は透暉鷹の年だった。3試合連続フィニッシュで暫定フェザー級KOPとなり、初の国際戦となった年末のパン・ジェヒョクは大苦戦となったものの判定勝ちを収めている。4戦全勝で迎える2023年は――なんと今回の試合が初戦となった。かねてよりバンタム級転向の話は出ていたものの、なぜ試合間隔が1年も空いたのか。そして階級変更の経緯と、バンタム級で目指すものを訊いた。


――MMAPLANETでは1年振りのインタビューとなります。

「どうも、ご無沙汰しています!」

――次はバンタム級転向第1戦となります。すでに減量に入っているかと思いますが、1年前にフェザー級での試合を控えていた時と顔つきが変わらないような……。

(C)1年前の透暉鷹

「今回は長い時間をかけて落としているので、減量も順調ですね」

――そもそもバンタム級に転向しようと思った理由から教えてください。

「やっぱりフレームを考えた場合、フェザー級だと海外の選手と比べて僕は小さいじゃないですか。海外の試合を目指すならバンタム級でやっていかないといけない、と思っていました。stArt JAPANで練習させていただいている日沖発さんからも『フレームを考えたらバンタム級じゃないか』とは言われていて。ただ、同時に『適正階級は人それぞれだから、まずは1回やってみてから考えたほうが良い』という話をしていました」

――そのように考え始めたのは、いつ頃でしょうか。

「しっかり考え始めたのは手術してからですね。いろいろと考え直す時間ができて、そこから食事の内容を見直したり――」

――え!? 手術というのは……。

「去年12月のパン・ジェヒョク戦が終わったあと、関節ネズミ(関節内遊離体)の除去手術をしたんです。実は以前から両ヒジに関節ネズミがあり、練習はできるけど、ふとした時にヒジが曲がったりとか――特に試合前は痛みが出ていました。お医者さんとも相談した結果、『両ヒジの関節ネズミが悪化しているので手術したほうが良い』と言われて。まず関節ネズミをしっかり治してから、海外の試合に向けて練習しようと決めたんですよ」

――そうだったのですね。手術をしたのは今年に入ってからですか。

「今年の2月に片方のヒジを手術して、もう一方は3月ですね。一度に両ヒジを手術してしまうと生活に支障をきたしてしまうので、3週間ぐらい空けて片ヒジずつ手術しました」

――3月に手術を終え、練習を再開するまでには時間が掛かりましたか。

「スパーリングを再開したのは、7月か8月ぐらいだったと思います。それまでは走ったり、何かできることをやっているという状態でしたね」

――それだけ練習の間隔が空いてしまうと筋量も落ちてしまったのではないでしょうか。

「筋肉も体力も落ちました。体を動かしていないから太ってしまいましたし。でも5月から管理栄養士さんと相談しながら、いろいろ食事の内容を変えながら身体をつくっていくと、体重も落ちていったんですよ。すると体が軽いほうが、練習の質も上がってきて」

――その時点ではバンタム級に落とすことを念頭に体重を落としていたわけですね。

「はい。通常体重もフェザー級で試合をしている時より3~4キロは落としました。もともとフェザー級の時は通常が74キロぐらいで。そこから3~4キロというのも、ちょうどフェザー級とバンタム級の差ぐらいですね」

――なるほど。ではフェザー級暫定王座の防衛戦、あるいは正規王者であったISAO選手との統一戦も、バンタム級転向により視野からは外れたということですか。

「今年に入ってから、まず海外で試合をしたかったんですよ。でもバンタム級初戦が海外となったら、減量やリカバリーも大変になってくるので。だから日本で――できればパンクラスで、バンタム級の試合を経験したいと思いました。でもISAO選手とのフェザー級王座統一戦はやりたかったです。ISAO選手に勝ってこそ、パンクラスのベルトを巻く価値があると思っていたので」

――ISAO選手がベラトールと契約し、ベルトを返上したために統一戦は実現しませんでした。そのISAO選手がベラトール再挑戦の1試合目で、イーブ・ランジュに敗れたことについて何か思うところはありますか。

「どうなんでしょうね……。僕がバンタム級転向を決めたあとの試合でしたし、統一戦でISAO選手と戦いたかった時とは、視ている感覚も違いました。だから対戦したい相手とかではなく一人の選手として視た場合でも、特に気にはしていないです。ISAO選手が負けたから世界との差が――なんて考えはなく、そもそも自分自身と世界の間に差があるので」

――他の誰がどう、ではなくご自身のことを客観的に考えることができているのですね。

「やっぱり世界のトップと戦うには、まだ実力が足りないです。そこは冷静に見ています。まだまだ経験が足りないし、やらないといけないことも多いので。でもそれは、自分の中に伸びしろがあるんだと思っています」

――現時点で、世界で戦うために何を伸ばさなければいけないと思いますか。

「一番はストライキングです。ずっと打撃の向上については取り組んできていて、次の試合も打撃がカギになってくると思います。特に打撃からテイクダウンするまでの距離感やタイミングといったところですね」

――距離感の面では、1年前のパン・ジェヒョク戦は相手の距離感に惑わされた末の判定勝利でした。

「やりにくい相手でしたね。相性という面では、すごく相性の悪い相手でした。試合をして『強いなぁ』と感じていましたし、そのあとグラジエイターのチャンピオンになっても驚きはしなかったです。自分も試合ではスタンドでペースを掴めず、手数を出せない。かといってパン・ジェヒョク選手は腰が重いので、なかなかテイクダウンもできない。でも海外に行けば、そういう選手はたくさんいる。だから、そんな時に自分がどうすれば良いのかっていう練習もやっています」

<この項、続く>

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o RIZIN YouTube キック 弥益ドミネーター聡志 日沖発 朝倉未来

朝倉未来KO集左ハイキック一閃 RIZIN【切り抜き】太郎

元動画

【朝倉未来 全KO集】All Knockouts of Mikuru Asakura https://youtu.be/f_6UN2tkCMA @YouTubeより

RIZIN FIGHTING FEDERATION
https://youtube.com/@RIZIN_FF

#rizin #朝倉未来 #ショート #shorts#日沖発#リオン武#ダニエル・サラス#弥益ドミネーター聡志 #左ハイキック#炸裂#KO

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FINISH10 JJ Globo Report ブログ 土屋大喜 山内慎人 日沖発

【Finish10】元修斗世界フェザー級王者・日沖発が、元環太平洋王者・土屋大喜を立ちヒールで斬って落とす

【写真】現在進行形のグラップリングとは意味合いが違う一戦だろう。ただし、現在進行形の人生で掛け替えないの48秒だったはず(C)MMAPLANET

<ライト級/5分2R>
日沖発(日本)
Def.1R0分48秒 by ヒールフック
土屋大喜(日本)

FINISHを主催する山内慎人氏の想いが詰まった──修斗世界フェザー級選手権試合として実現しなかった顔合わせ。まずダブルレッグでテイクダウンを奪った日沖が先制すると、土屋はクローズドを切られ、右足を抱えて圧関節をエントリーしていく。

50/50から内ヒールの狙いの土屋に対し、日沖はクロスした足をヒールに捕えて捻る。腹ばいから立ち上がった日沖は、腰の前に残っている右足をヒールで抱えたまらず土屋がタップした。

試合後、並んでマイクで話す両者を見て山内氏が感極まるシーンも。

この試合を実現させたい──立派な大会のトリを務めてほしいという氏の想いの強さが、FINISH10の熱を生んだといっても過言でないだろう。


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FINISH10 MMA MMAPLANET o Progress UNRIVALED YouTube   コンバット柔術 ジェセフ・チェン ジョセフ・チェン 上久保周哉 寒河江寿泰 岩本健汰 日沖発 杉山廣平 村田卓実 森戸新士 江木伸成 白木アマゾン大輔 石橋佳大 神田T800周一 竹浦正起

【Finish10】寒河江寿泰と対戦──ジョセフ・チェン戦後の森戸新士「ここで燃えないと、面白くない」

【写真】前日のUnrivaledでタケット兄弟とジェイコブ・カウチのサポートを終え、広島に戻った足で神田T800周一と練習し、取材に応じてくれた──燃えている──森戸(C)MMAPLANET

5日(日)に東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開催されるFinish10で、森戸新士が寒河江寿泰と対戦する。

昨年来、ケージ内ポイント制グラップリングwith MMAグローブというProgressでの活躍が目立ち、グラップラーのイメージもついてきた森戸だ。1月のグラジエイターではジェセフ・チャンに敗れベルトは奪取ならず、2月の最終週にはウィリアムとアンドリューのタケット兄弟と過ごしたことで、彼の身の内に何が生まれたのだろうか。寒河江戦前の心境をLEOS柔術アカデミー広島で尋ねた。


壁レス、そしてパウンド(!!)も見せていた

──まず1月のProgressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦、ジェセフ・チェン戦について改めて感想をお願いします。

「そうですね……あの試合は、結構差を感じてしまったので色々と取り組むべきところがあるな、と思いました。立ちで壁とか使ってどうにかしようと思っていたのですが、そこもできずに一発でテイクダウンに持っていかれてしまいました。

スナップダウンで崩されてしまったので……。組手の創り方とか練習からあまりできていなかったです。ちょっと、色々と見直そうと思いました」

──ただ、それは柔術をやるうえにおいては余り必要ない部分かと思うのですが。柔術家だから寝転んで、自分のやるべきことをやっていれば良い──という風に考えることは?

「やっぱりプログレスという新しいルールで戦うなかで変わってきた部分もあるし、あとはADCCとかも見据えて練習したいと思っています。そういう意味で、柔術のように引き込めば良いという考え方ではなくて、立ちでも勝負できるように普段から練習しようと思います」

──そのような考え方になっていた森戸選手にとって、Unrivaledに来日したタケット兄弟と過ごす時間が長かったというのは何か運命的なモノが感じられますね。

「タケット兄弟とはほぼ1週間付きっ切りでいたので、凄く刺激を貰いました。試したいことがたくさんあります。彼らと話をしていると、取り組み方の違いにも気づきました。打ち込みなんかでもアドバイスを貰いましたし。

ウィリアムが21歳で、アンドリューが19歳と凄く若いのですが、柔術に関する姿勢……その研究の深さの試合とか、違いがありました。『僕らの帰国後も質問があれば、尋ねてきてくれれば良いから』と言ってくれて。彼らからインスパイアされたことを練習で試してみたくて、凄く楽しみです」

──『オースチンに来いよ』とは?

「それも言ってもらえました(笑)。ちょっと計画したいですね」

──ジョセフ・チェン戦の完敗とタケット兄弟との邂逅で、森戸選手自身の中に変化が生まれましたか。

「そうですね。結構、燃えています。次の試合もすぐですし(笑)。FINISHでの試合は展開として、余り立ちとかならないと思いますけど色々と試したいことがあります」

──寒河江選手は階級的に一つ下かと。その寒河江選手との試合は、まず立ちはないかと予想されます。

「ハイ。ジョセフ・チェン選手と戦って、パスガードの仕掛けで削られ、追い詰められて負けてしまいました。そこも研究してきたので、ちょっと試したいですね。それとタケット兄弟のセミナーや打ち込みでも、パスガードでヒントを貰ったので。直ぐにできるかどうか別ですが、トライはしてみます」

──グラップリング、下がデキて当然のトップ時代に入りつつありますね。

「ウィリアム選手もレスリングができれば、それが一番楽に勝てると言っていましたし。ボトムの方が厳しいというグラップリングになってきていますね。自分も発展途上なので、練習で試して、さらに試合で試していきたいです」

──ADCCを狙うということですが、今後は道着の試合の方は?

「両方頑張ります。ジムをやっていて生徒さんにメインで教えているのは道着なので。そこで活躍できないと、説得力がなくなってしまいます。ちゃんと両方頑張りたいです。同時にグラップリングも広めたいと思っているので、そっちも実績を残すことができれば広島や中国地方で広めることができる。グラップリングのクラスも増やしたいですし。ちゃんと、道着もグラップリングも両方で実績を創りたいです」

──ADCC予選に出るとすれば、77キロ級でしょうか。

「66キロに落とせないことはないですけど、77キロですね。そうなると相手は大きくなることを考え、通常体重を少しあげるためにトレーニングを始めようと思っています」

──本気度が感じられます。プログレスで定期的にオファーがあったことで、グラップリング熱が高まったということはありますか。

「明らかにきっかけにはなっています。ノーギの試合機会がなかなかないなか、プログレスからコンスタントにオファーをもらったことで、モチベーションをずっと保つことができました。そういうなかでADCCで頑張っている岩本健汰選手のような存在がいる。インスパイアされながら自分も頑張りたいと思います」

──ジェセフ・チェンが巻いたベルトに関しては?

「いつか取り戻せるように……取り戻せるじゃないですね、1回も取っていないので(笑)。勝ち取れるように、しっかりと積んでいきたいと思います」

──自分など、愕然としてしまったジョセフ・チェンの強さだったのですが、そこで諦めるのではなくモチベーションになったと。

「ここで燃えないと、面白くないですよ」

──なるほど、です。では、その燃えている森戸選手の寒河江選手との試合に向けて意気込みをお願いします。

「ADCCとか世界に挑戦していきたいので、ちゃんと日本で実績を積むことが絶対です。色々と挑戦していくために、とりあえず目の前の試合に勝ちます」

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■ FINISH10対戦カード

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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FINISH10 LFA MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC UNRIVALED UNRIVALED02 YouTube   コンバット柔術 ジョン・リネケル ファブリシオ・アンドラジ 上久保周哉 大沢ケンジ 寒河江寿泰 日沖発 杉山廣平 村田卓実 森戸新士 江木伸成 海外 白木アマゾン大輔 石橋佳大 竹浦正起

【Finish10】石橋佳大戦前の上久保周哉=MMAファイター─02─「今年、Road to UFCが無かったら……」

【写真】その視線の先は──(C)MMAPLANET

5日(日)に東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開催されるFinish10で石橋佳大と対戦する上久保周哉インタビュー後編。

Unrivaled02での勝利を経て、1週間後の石橋戦では吉岡戦とは違うテーマを持って臨むという。

グラップリングを戦うことでMMAファイターとして強くなると考える上久保、ONEとの契約が快勝された今、続くMMAの舞台はどのように考えているのか。

<上久保周哉インタビューPart.01はコチラから>


──では勝手ながらADCC66キロにチェレンジすることがMMAで強くなることなら、本当に上久保選手の挑戦が見てみたいですね。

「あぁ……そうですねぇ。ADCCにはそうやって出ている強い人もいますしね。出たいと言っちゃあ、出たいです。前回の予選は豪州で、今年はシンガポールですよね。以前のように気軽に出ることはできないですけど……。いつもタイミングが悪くて、出られなくて。

苦手なポジション、怖いポジションがなくなれば良いなと思ってやっています。急に足関節ができる選手になれなくても、仕掛けられた時に対処できるようにならないと」

──そのようななか、次のFINISHはケージで。ただし、トップを取るポイントはないサブオンリーです。

「ケージは戦いやすいですけど、今日とは違ったテーマを持ってやらないといけないなって思っています。漠然と戦うのではなくて」

──では石橋選手の印象を教えてください。グラップリングになるとMMAの激闘振りとは違い、要所を抑えてくるテクニシャンという風にも感じます。

「組み技のイメージは丁寧ですよね。頂柔術の人と試合をしたことがあって、意識をするということではなく普通に試合を見たことがあります。そうですね……MMAのイメージとは真逆かと勝手に思っています。強そうだし、練習で会う機会がなかったので組んでみたかった選手です」

──サブオンリー、5分✖3R。一本を狙うのか、ドミネイトしていれば時間切れでも構わないのか。MMAで強くなるために、どちらの思考で戦いますか。

「5分3Rにしてほしいとお願いしたんです。MMAを意識して。ただ一本は狙っていないといえば嘘になるし、狙っているかというとそれも違います。攻め込んだ末、それが一本になる。今日も一本を狙っていなかったわけでなくて、相手を削っていった先に一本があると考えています」

──打撃でも一発KOでなく、当て続けた先にKO勝ちがあるケースもあります。先日のONEのファブリシオ・アンドラジがジョン・リネケルを倒した試合のような。

「そういうイメージです。一緒だと思います」

──ということでFINISHの先、MMAの方はどうなっているのかと(笑)。

「MMA、やりたいですよ。やりたいと思い続けて、1年以上が経ちました。でも、練習を続けています」

──ONEとの契約が正式に切れて、他と交渉できるようになったのはいつからですか。

「実質、試合後から8、9カ月が過ぎてフリーになれた感じですね」

──狙いはRoad to UFCですか。

「Road to UFC……Road to があれば良いなと思っています」

──ちらほら出場選手の名前も聞かれ始めています。

「マジすか。誰が出るのですか?」

──〇〇〇〇〇選手。×××××選手とか△△△△選手、交渉している選手はその数倍はいるかと。

「あぁ、〇〇〇〇〇選手の名前は聞いています。Road toがなければ、今年はどこででも試合をします。欲を言えば、ローカルでも構わないので海外のどこかでやりたいですが、そこは自分がやりたいからといって戦えるわけでもない。そうやって考えると、国内でも戦います」

──リングでも戦いますか? 完全に誘導尋問ですが(笑)。

「少なくともこの1年間、1度も声が掛かっていないので僕のことは興味ないですよ(笑)」

──アハハハ。ところでUFCを狙うことで、試合の機会が逸する。それがファイターにとって不幸という、大沢ケンジ理論も正しい一面があると思います。だからこそ、上久保選手のMMAが見たいですね。FINISH後は。朗報お待ちしています。試合が決まるのが、朗報ってどういうことかと思うのですが……。

「いや、ホントそうですよね(笑)。でも、フリーランスになってまだ4カ月ほどで。半年ぐらいは掛かるモノだと思って動き出しているので。ファイターに試合は必要です。でも田中(路教)選手とか、米国に住んでいてLFAもあれだけ試合を組んでくれないモノなのですか?」

──そこは近々、田中選手に現状を尋ねようと思っています。何か動きはあったようなので。

「田中選手はRoad toは無理なのですか?」

──やはりバンタム級は気になりますか(笑)。最近自分の耳に入って来るのが30歳ではなく32歳という数字なんですよね。

「32歳ですか……。30歳ぐらいまで取りたいってことですね(笑)」

──いやぁ、そこも思うんですよ。ジェンダーレスが当然の世の中で、なぜ年齢の区別があって良いのか。もちろん格闘技なので、考慮される点はありますが、一律っぽく通例になっているのは世の中に逆行しているかと。メディカルに掛かる費用が違うというのも、ではそのメディカルの費用が高くなる年齢も、これだけ医学が発達し人生100年と言われるようになっても20年前と同じなのかと。

「確かに、そうッスよね。選手寿命は長くなっているし、40歳越えてUFCチャンピオンになる選手がいるのだから……年齢差別(笑)。まぁ、強い選手はそこを越えて行けるのでしょうけど。

でも30歳から32歳には伸びた。僕は今年で30歳になるので、ここでRoad toがなければドサ回りする覚悟はできています」

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■対戦カード

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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【Unrivaled02&Finish10】吉岡崇人に勝利、石橋佳大戦へ上久保周哉─01─前に岩本×タケット感想戦??

【写真】自分がある、あり過ぎる上久保は自分の言葉を持っています(C)MMAPLANET

2月26日(日)、東京都世田谷区のiTSCOMA STUDIO&HALL二子玉ライズで開催されたUnrivaled02で、上久保周也が吉岡崇人に勝利した。

その上久保、5日(日)には東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開かれるFinish10で石橋佳大と対戦することが決まっている。僅か1週間のインターバルで柔術黒帯に続き、元MMAファイターとグラップリングで戦う。かたやマットでポイント制、もう一方はケージでサブオンリーと違いがあっても、MMAで強くなるために組み技戦に挑む上久保のやるべきことは変わらない。

そんな上久保に吉岡戦の手応え、石橋戦の抱負を訊こうとしたところ、直ぐ隣にメインを戦ったばかりの岩本健汰の姿があり、自然発生的に両者に話してもらうこととなった矢先、岩本とで激闘を繰り広げたばかりのウィリアム・タケットが挨拶にやってきた。結果、岩本とタケットの歓談から、上久保の話を振ることとなった。


──せっかくなので本人を前にして、メインの感想をお願いできますか。

岩本 あっ。僕、上久保選手の試合が見られなかったので。勝った……15分がやりきったと聞いています。

「もう、いつのもヤツですよ(笑)。15分間、相手を固定していたス」

岩本 壁が無いから。

「そう……。でも、岩本君が負けたのショックだった、そうは言っても」

岩本 あと1年あれば、絶対に勝てそうです。

──おおっ!! 森戸選手とジョセフ・チェンの試合を見て、そして今日のウィリアム・タケット戦を見て、改めて岩本選手の強さが認識できた次第です。

岩本 正直、最初に組んだ時、レスリングは余裕だなって思いました。行ける……入ったら倒せると思いました。

「上の組手は、全然勝てそうだったよね」

──実は試合の試合前にケガをして、岩本選手からはレスリングに行けないという話を聞いていました。

「えっ、そうなの?」

岩本 ハイ。専修大レスリング部で水曜日に練習して、テイクダウンに入られた時に相手の指が食い込んで。それで、ブチって。速攻で帰宅して、ずっと休んでいました。だから四つ組みとかはやらなかったです。でも、レスリングでは絶対に勝てると思います。

──昨年のADCCオセアニア・アジア予選、ジョセフ・チェンを破ったのは延長サドンデスでした。今日、終盤パスを取って同点、そしてサドンデスになれば行けたかも……と。そして、そのパスももう少しという風に見えました。

岩本 毎回、僕の場合は……。

ウィリアム・タケット(がやって来て) アリガト。

岩本 凄く勉強になったよ。今回の試合前にBチームで練習したの?

タケット 1度だけね。そんなに行ってない、1度だけだよ。でもニッキー(ライアン)達と良い練習ができた。いやぁ、でも疲れたよ。日本に来るまで試合は10分だと思っていたんだ。

──えっ、そうなのですか。

タケット そうなんだ。だから、もう10分を過ぎるとホントもう動けなくなってしまった。

──77キロで2人の再戦が見たいです。できればADCC世界大会で。

タケット 次のアブダビには、僕は88キロでエントリーする予定なんだ。

岩本 じゃあ、今度はアンドリューが77キロで?

タケット そうなんだ。前回、アンドリューは西海岸予選に66キロで出て、減量し過ぎて力を発揮できなかったから。だから、僕はこれから体を大きくしないといけない。ケンタは体重、どれぐらいなの?

岩本 80キロ付近だよ。

タケット 僕もそれぐらいなんだ。

岩本 それよりヒザのケガの方は問題なかった?

タケット 大丈夫。まだ少し痛いけど。

岩本 でも、本当にヒザが柔軟だったよ。

タケット そうじゃないと戦えない(笑)。ただ、まだ100パーセントじゃないんだ。去年のADCC世界大会でデマテウス・シュゼンスキにやられて。

岩本 ああ、アオキロックでヒザをやったんだ。

タケット そう、アオキロックだった。カカトが捻る形だったから、ヒザがやられた。

岩本 ヒールフックみたいに極まったんだね。

タケット タップしたけど、間に合わなかった。いや、とにかく今日は戦えて光栄だったよ。本当にありがとう。アブダビでは77キロ級に僕がいなくても、アンドリューが必ず出るから。

岩本 楽しみにしているよ。こちらこそ、ありがとう。

タケット またオースチンにやってくるんだろう?  その時に!!

──という戦った者同士の会話でした。

岩本 スミマセン。質問の返答の途中だったのですが、最後のパスは普通の相手なら抜けていたと思います。でも、凄く柔らかくて。

「そんなにずらしている感じじゃなかったよね。見ている限りは」

岩本 足だけがふにゃっとしていました。普通だったら、あそこから行けるんですけど。

「岩本君のパスを耐えているって、見ているだけでも勉強になるから。でも、スタンドでテイクダウンが取れると思っていた」

岩本 今日のコンディションだと、あそこで攻められないのは仕方なかったです。

──ケガがなければ、と。そんななか、上久保選手は来週はFINISHで石橋佳大選手とのサブオンリーが控えているなかで、今日は吉岡崇人選手の引き込み2つのペナルティ4Pで勝利しました。

「完封したいという気持ちはずっとあったので。トップを取って、トップをキープする。パンチを落とせる場所にいることを意識して、相手の仕掛けは切りつつ自分の時間を長くすることを考えていました」

──上久保選手はMMAで強くなるためにグラップリングに出ています。

「ハイ」

──組み技系のグラップラーでも柔術黒帯の吉岡選手に対して、トップにいて噛みつきと担ぎパスを狙い続けるという戦い方を選択する選手がどれだけいるのか。ずっと吉岡選手のフィールドで戦い続けましたね。

「Unrivaledのルール上、-2Pが入った時点で付き合わないで、相手の回りをぐるぐると動いていれば勝てます。でも、自分は相手を削りに行くポジションにいることが一番落ち着ける。触ってこそ、だし。試合のなかで、そういう練習をしたいと思ってやっています」

──相手が、入れば足関節を使いこなす。そういう相手でも、やはりトップにいる戦いを選択できる……だけの自信がありますか。

「それをやりたい……というか(笑)。最優先は勝つことであること。それは間違いないです。仕掛けられると、しっかりと切らないといけないのも当然です。当然なんですけど、じゃあ遠くでグルグルとランニングしていれば良いのか、と。それは自分がMMAで勝つためには必要ないので」

──その理屈でいえばグラップリング界の強豪と戦って、そういう戦いを仕掛けることが上久保選手のMMAファイターの成長につながるということですね。

「そういう選手から上を取って、削っていかないと。柔術の強い選手と試合をして、テイクダウンにいかないで試合に勝とうと思ったら、その時点で自分の持っているカードが減ります。それはしたくない。自分の強いところで勝負できる──そういう強さと自分が欲しいから、グラップリングの試合にも出ているので」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■対戦カード

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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