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【SUEPR RIZIN03】怪物くん=鈴木博昭戦へ、YA-MAN「白帯だし一般の会員さんに絞められています(笑)」

【写真】MMAPLANETでインタビューは初めて。一つひとつ、恐らくはもう何度も尋ねられたことも非常に丁寧に返答してくれた (C)MMAPLANET

28日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN03でMMA転向3戦目=鈴木博昭と戦うYA-MAN。「MMAファイターに勝てねぇ」とMMAで戦うことを決めたYA-MANは昨年の大晦日での平本蓮戦に続き、立ち技からの転向組のファイターと戦う。
Text by Manabu Takashima

客受けする打撃の交換が期待されたマッチアップながら、鈴木は既にMMA戦績も7戦を数え芦田崇宏や西谷大成、昇侍というMMAファイターに勝利している。ボンサイ柔術で組みを消化してきた鈴木に対し、芦田もグラップリングは初心者クラスから学び、今年に入って白帯を巻いて柔術の稽古も始めていた。

高校生に極められながら、基礎から学ぶことで確実にMMAファイターとしての完成度は上がっている──はず。打撃の強さは当然だが、MMAファイターとしての総合力争いに向けて、一歩ずつ進むYA-MANは、確かな手応えを感じていた(※取材は5月24日の超RIZIN03の会見終了後に行われた)。


高校生にやられているんだから。メチャクチャ嫌でした。でも、いつの間にかそれでも楽しくなってきた

──MMAPLANET初インタビューとなります、YA-MAN選手です。もう何度もメディアで語っていることになると思いますが、YA-MAN選手がキックからMMAに転じた理由を話していただけますか。

「2021年の大晦日に皇治さんとのキックの試合で、初めてRIZINで試合をさせてもらいました。そこでMMAやMMAファイターを身近に感じて『こいつらと喧嘩をしたら勝てねぇ』と思ったんです。そこらへんで喧嘩になったら絶対に勝てないと。テイクダウンとか対処できないし、抑え込まれたら逃げられない。絞められても抜け出せない」

──一発、自分のパンチが入れば勝てるという想いはなかったですか。

「全部ができた方が強いですからね。まぁ、強くなりたかったからMMAを始めることにしたんです」

──キックでプロデビューした時は既にRIZINも存在していますし、世界の最高峰にUFCは君臨していましたが、当時はMMAのことはどのように思っていたのでしょうか。

「TVでも視ていなかったです。RIZINも自分の試合しかチェックしなかったですし、MMAを始めてから他の選手の試合を視るようになりました。僕のバックボーンは野球なので。組み技のスポーツを一切やったことがなくて、柔道の経験もなかったです。だからMMAがどういう世界なのかも知らず、ただコイツらに勝てねぇだろうっていう自分がいたので──強い漢になりたかった。MMAをやるのが、一番強い人間だろうなって」

──なるほどです。ちなみに野球でのポジションは?

「自分はキャッチャーです」

──MMA界では野球経験者はパンチのインパクトが強い説が、存在しています。

「あぁ、それは野球と関係していると思います。体の使い方とか、野球も一瞬でパッと力を入れるので。そのインパクトという部分では、野球は凄く関係あるはずです。キックボクシングでもめっちゃ生きていましたし」

──ではMMAに関してですが、デビュー前から長南亮さんのTRIBE TOKYO MMAで練習をしているのを雑誌で拝見したことがありました。

「ハイ、TRIBEで初心者クラスから始めました」

──えっ、一般の会員さんに混ざってですか。

「ホント、何もやったことが無かったので。初心者クラスで高校生の子に極められながら練習を続けて、ある程度できるようになって今年からカルペディエム広尾で柔術を始めました。それと最近、カルペディエムBAMFの安楽流馬(早大卒※2019年全日本学生フリースタイル65キロ優勝、2020年~2022年全日本選手権同2位、2022年U23世界選手権同3位)選手にパーソナルでレスリングの指導を受けています」

──昨年の大晦日に平本蓮選手と戦った時の練習環境とも違っているということでしょうか。

「あの時の組み技の練習は、TRIBEでグラップリングをやるぐらいでした。あとはJTTですね」

──平本戦を見てピュアグラップリング云々ではなく、MMAをしっかりと積んでいる。そういう風に感じました。組まれると差し返して、体を入れ替える。倒されても立ち上がる時の、立ち上がり方を見ても。その動作が凄く自然に感じました。基礎からやっているな、キックボクサーのバリューをぶら下げてMMAをやっていないと。

「それは基礎からやらないと、いけないですよ。キックである程度上までいくと初心者クラスで、高校生や一般の人と練習をするって嫌な選手もいると思います。プライドが邪魔をして。でも、それじゃダメです。一からグラップリングのクラスに出て一般の人たちと基礎からやっていかないといけないと、僕は思っていました。だから、そういう風に見てもらえるなら、基礎ができてきているんだと思います。逆にいきなりMMAのプロ練習に参加していたら、成長の速度は遅くなっていたと思います」

──回りが強いだけに。

「ハイ。基礎が無くて、プロ練習に参加しても何も分からない状態じゃないですか」

──極められていた高校生と、対等に練習ができるようになるまでどれぐらいの期間が必要でしたか。

「1年半ぐらい掛かりました」

──おお、それだけ掛ったのですね。嫌になることはなかったですか。

「最初はなりましたよ。だって高校生にやられているんだから。メチャクチャ嫌でした。でも、いつの間にかそれでも楽しくなってきたんです。キックだとある程度のレベルにあるから、練習でボコボコにやられることなんて余りなくて。

でもグラップリングになると、高校生にやられて。それは悔しいです。その時に『クソ、コイツ。絶対、いつかやり返してやる』という気持ちになれて、だから頑張ることができました。

そうしたら、1年ぐらい過ぎた頃に長南さんから『プロ練も参加して良いよ』って言ってもらえるようになって。三浦孝太戦の1カ月半か2カ月前ぐらいですね」

──長南さんはYA-MAN選手を特別扱いしなかったということですね。

「ハイ。基本的には皆と同じ感じで、接してくれます」

──昭和の親父のようにケツを叩かれますか(笑)。

「ハハハハ。でも、自分は結構真面目なので怒られることは余りないです」

──TRIBEの中では、誰と練習をすることが多いのでしょうか。

「石井(逸人)さんに教えてもらうことが多いですね。石井さんがTRIBEの初心者クラスの指導をしていたので、ずっと教えてもらっています。自分が質問をするのも石井さんが一番多いですし、セコンドにも就いてもらっています」

──先ほど少し触れていただいたことですが、柔術の練習までするようになったのは?

「道着はまた全然別モノなので。TRIBEのグラップリングに出て、基礎の基礎を知りたくなったんです。それこそ白帯だし、また一般の会員さんに絞められています(笑)」

──それも喧嘩をしていたころなら、相手にもしなかったであろう普通の人達にやられてしまう感じではないですか(笑)。

「悔しいですね(笑)。そんななかでも5分間で5回極められていたのが、1カ月、2カ月と練習をしていると2回ぐらい減っている。それがまた1回になり、極められないことも出てきた。それはやっぱり楽しいです。自分の成長も感じられて。

エビとかもそうですが、柔術を始めてから寝技の動きへの理解が深まりました。結果、MMAでもスクランブルに持ち込みやすくなって。立てるようになってきたというのは、実感しています」

──寝技、スクランブルの防御力が高まったことで、打撃にも変化はありますか。

「倒されるのが、あまり怖くなくなってきたので、そこはありますね」

──では負傷もありましたが、昨年の大晦日から今回の鈴木博昭戦はどこが一番変わっているでしょうか。

「やっぱりグラップリングの能力ですかね。そこはメチャクチャ上がっていると思います。紫帯の人を極められるようになっているので」

──おお!!

「ノーギですけどね。道着ではまだ全然、白帯のままで(笑)。そうやってノーギの方が伸びているのは、道着をやっているからだと思います。倒されることが怖くなくなったのと同時に、安楽選手に習うことで倒れないという感覚も掴んできました。平本戦の時は、実はワキを差し返してからどうすれば良いのか分かっていなかったです。でも、今ではそこから先がデキるようになってきています」

──ストライカーは、練習で本気のレスリング、グラップリングを経験できる。本気の打撃は試合でしか経験できないグラップラーと比較すると、苦手な部分を克服するには有利でないかと。

「そうですね、来られても対処できるようになりつつあります。だからこそ、自分の打撃に活きるようになってきたと思います」

全然、怖くないです

──鈴木選手もSB出身で、YA-MAN選手よりも寝技歴は長いです。MMAファイターとしての鈴木選手に対して、どのような印象を持っていますか。

「いち早くボンサイ柔術で寝技をやっていたことは、大きいと思います。でも言うてやっぱり、グラップリングって量だと思うんです。自分もメチャクチャやってきましたし、年数は違っても極められない技術は自分にもあると思います。

そうなるとスタンドの展開になるので、立ち技になると俺の方が強いです。なんで全然、怖くないですね」

──立ち技と組み技の合計点で、鈴木選手を上回れると。

「そうですね。上や下の対処ができても、俺を極めることはできねぇだろうって」

──では今後に関してですが、組み技や寝技の対処を進めてきたことで、生粋のMMAファイターと戦いたいという気持ちは?

「それはあります。いち早く、戦いたいと思っています。もちろん鈴木選手もMMAファイターですが、グラップラーとやりたいです。MMAの選手と、自分のMMAを試したい。全然、通用すると思っています」

──どのような選手たちと手合わせをしたいと思っていますか。こういうと山本空良選手は嫌な気持ちになるかもしれないですが、山本選手とYA-MAN選手が戦えば色々なことが見えてくるのではないかと楽しみです。

「あっ、山本選手──面白いですね。鈴木千裕とあそこまでやっているので」

──同じキックからの転向組では、久保優太選手は高橋遼伍選手に勝ち、7月28日には斎藤裕選手と戦います。超RIZIN後、2024年中にYA-MAN選手はどこまで行きたいと考えていますか。

「今年中かぁ、上にいくには久保優太選手ですね。ここで彼が勝てば上がって行くので、自分が追いつくしかないですけど。グラップラーと試合もしたいですが、自分では対戦相手を選べないので。組まれた相手と戦っていきます」

──では最後に、今回の鈴木博昭戦ではどのようなところを見て欲しいかを教えていただけますか。

「MMA全般、寝技の対処だったり、ロープ際の対処だったり。そういうところを見てもらいたいです」

■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o RIZIN SUPER RIZIN03 UFC   キック プロレス ボクシング 和田竜光 所英男 扇久保博正 斎藤 斎藤裕 松根良太 皇治 神龍誠 芦澤竜誠

【SUPER RIZIN03】この夏、一番危険な戦い。扇久保博正「初めての感情。本当に完膚なきまでやっつけたい」

【写真】これは──2カ月前だからできたインタビュー。メディアデーの最後に頭を使わせてしまい、終わった時には扇久保から安堵のような笑みが見られた(C)MMAPLANET

28日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN03で、神龍誠と対戦する扇久保博正。正式発表から5月の記者会見を経て、公開練習──そしてファイトウィークと試合が近づいてきても、その緊張感は高まるばかりだ。
Text by Manabu Takashima

格闘技は性善説に基づいて行われるもの。いや、あらゆるスポーツばかりか人間社会自体が性善説で成立している。そうでなければ車の運転もできないし、屋台でアメリカンドッグを買うこともできないだろう。

それが相手と争う競技、ましてや勝利を得るために目の前の人間を殴り蹴りし、倒して絞めるMMAは、自制心が欠かせない。タガが外れる瞬間、外すことができるファイターは強いが、外れっぱなしでは人間社会を生きていくことはできない。

どれだけ試合前にトラッシュトークをしようが、戦い終わってノーサイド。その姿勢こそが、プロが人前で戦う戦いだ。だからこそ、指導者と指導を受ける者として過ごした時代の因縁が、再燃しているこの戦いは危険だ。実際、扇久保は私生活を持ち出して対戦相手を嫌う様な言動をしたことなど過去になかった。「この感情が試合に影響することはない」という扇久保だが、神龍に対する呼称がインタビュー中も「彼」、「アイツ」、そして「誠」と変わり、一人称も「僕」と「俺」が交錯し続けていた。プロとして受ける取材と、感情の狭間に扇久保はあったように思われる。

そんな彼に神龍戦だけでなく超RIZIN03における立ち技格闘技出身ファイターの台頭を尋ねると、協調性と自負が感じられる──そう彼の人間性が溢れ出るような返答を聞くことができた。(※取材は5月24日の超RIZIN03の会見終了後に行われた)。
る。


早く、分からせてやりたいなって。彼の強さを認めた上で、そう思っています

──会見では神龍選手に対して、盛り上げるために一連の発言をしたのでしょうか。それとも何か身の内に想いがあって、あの言葉を発したのですか。

「榊原さんもリング上で『因縁がある』という風に言っていて、でもファンの皆はどういう因縁があるのか分からなかったんじゃないかと。その状況でも彼は、その因縁を説明をすることはなく普通に『フライ級の1番を決めます』という感じでるだろうなって予想していたんです。そうしたら、案の定そのままだったので。まぁ、盛り上げるためといえば盛り上げるためだったのかなぁ……」

──「いいか、お前」と話しかけておきながら、神龍選手が応えようとすると「黙れ。話を聞け」というのは、かなり理不尽に感じられました(笑)。

「アハハハハ」

──神龍選手の性格を考えると、トラッシュトークの枠を超越した本気モードの罵り合いになるという恐れもありました。

「そうなんですよ……」

──「指導員として、おかしい」という発言は完全にガチでしたね。

「でも、正直を言えばアイツとそれほど因縁があるとは思っていないんですよ(苦笑)。言った方は覚えていないですからね(笑)。でも、言われた方は凄く覚えているというパターンですね。それこそ会見で言ったトイレ掃除のくだりも、僕は全く覚えていなかったですからね。

第三者からアイツが根に持っていると聞いて。でも、それぐらいのこと皆にやっていますし。彼はトイレ掃除が嫌だったのでしょうね」

──そもそも神龍選手とはどれぐらいの期間、どの程度の付き合いをされていたのでしょうか。

「いつ入会したのかは覚えていないですけど、最初はキッズクラスに来ていたはずです。それから徐々に一般クラス、そしてプロ練にも出始めて。どんどん強くなってきて。何がきっかけで強くなったのかは記憶にはないのですが、凄く強かったことは確かです。

練習でも人が使わない、突拍子もない技。プロレスの技を使ったりしていましたね。もともとプロレスラーになりたかったんですよね。突拍子もないことを普通にやってのける子なんで、それが格闘技にも出てしますよね」

──ポテンシャルは認めていたと。

「ハイ。強くなると思っていました。体も柔軟で、やり辛さを感じていましたし。ただ……指導という面では付きっきりでやったり、ミットをずっと持っていたとかっていうことは、僕の記憶にはないです。

一般のテクニッククラスに誠が来ていた。そういう感じですね。あとは和田竜光選手とのタイトル戦とか、デビュー戦でセコンドに就いているんですよ。本当にイチ後輩というか、生徒という感じで見ていました」

──世代が違いますしね。松根良太&扇久保博正のような関係に扇久保博正と高橋誠もなり得たということではないですか。

「僕と誠が、松根さんと僕のような関係に? そういう風になろうとしているのかな……というのは、誠から感じることはありました」

──その気持ちに応えることができなかった?

「う~ん、これはもう詳細を話すと試合を盛り上げるためのインタビューに相応しくない内容になってしまうので……。ただ、常識が欠如したところを指摘したりはしました。そうですね、僕としては『誠な、世の中ってのはな……』なんて社会性を身に着けるために話をしたつもりではいました。

ちょっとね、浮いていたところがあったので。強くなるためにも、皆とコミュニケーションを取った方が良いというのが僕の考えだったし、そのためにはこうした方が良くないかということを伝えましたね。そうじゃないと、あれ以上強くなれないと思ったので。

でも、彼は僕が意地悪をしていると捉えたのかなかって。でも、俺ももっと変なことを言っていたかもしれないですね。まぁ、ウチのジムから離れた選手も当然いますけど、誠は特殊ですね。アイツは本当に、ウチのジムのカラーには合わない奴でした」

──リングの上に私怨があると、怖いです。

「これは僕も長い間戦ってきて、初めての感情ですね。本当に完膚なきまでやっつけたいと思っています」

──自分らのような生き方だと、それこそ人を本気で殴るという行為は若い頃に数えるほどあったに過ぎないです。だから、MMAファイターたちが試合で殴って、絞めて、勝敗もついている間柄で、一緒に練習をして会話をする。そこが凄いと素直に思うんです。自分だと、喧嘩に負けた相手は一生忘れないし、世間が許すなら今でも仕返しがしたい。ただ、そうやって会話や練習ができる人が戦うから、格闘技って成り立つんだと。

「そういう部分でいうと、今回の試合は本当にヤバいですよ」

──その感情がMMAファイターとして、扇久保選手の磁場を狂わせることはないですか。

「いや、全然ないですよ。早く戦いたい。早く、分からせてやりたいなって。彼の強さを認めた上で、そう思っています」

──その感情が勝負をするうえで、余計だと感じることは?

「あぁ、そこは大丈夫です。その感情に引きずられるようなことはないです。そこは自分に自信を持っています。自分のファイトスタイルにないことを、リングの上でやるつもりはない。誠が何もできなかったと思うような試合、そういう風な戦いにします。分からせてやります」

──あの若さと自信、そして実績もある神龍選手をそこまでにする自信があるわけですね。

「それこそ、肌を合わせたことがあるので。どこが強いのか、どこが弱いかも分かっています。彼の強いところを一つ、一つ潰します」

──弱さがあるとすれば、どういう部分でしょうか。

2018年4月28日の和田竜光戦。3Rでなく、2Rに向かう前の神龍

「気持ちでしょうね。

さっきも言いましたが、和田選手との試合でセコンドに就いて、3Rが始まる前に泣きそうになった顔を覚えていますから。『お前、試合中だぞ。気持ちを切らせるな』って怒ったんです」

──それも恨まれましたね(笑)。

「アハハハハ。ただ、その弱さが全てじゃないし。そこに捉われることもない。なんといっても、誠も成長をしているので。でもアイツには、絶対に負けないですね。そこは自信があります。

と同時にTHE BLACKBELT JAPANの若い連中は『分かるぞ、神龍』って思っているかもしれないですよ(笑)」

──アハハハ。その因縁とともに、この試合が超RIZINのなかで実施されるということで、扇久保選手には伺いたいことがあります。

「ハイ、何ですか(笑)」

キックができるからって、MMAで勝てるという風に簡単に思わないでいてほしい

──会見で、皇治×芦澤竜誠のような乱闘が起こりました。その会見を見ても分かるように、今大会はキックから転向してきた選手同士だけでなく、転向組がMMAファイターと戦う試合等が多く組まれています。この状況を俯瞰して、MMAファイターとして意地を見せるという気持ちを扇久保選手は持ち合わせているのでしょうか。

「僕は『俺はお前らと違うんだよ』という気持ちはないです。

乱闘劇の際の斎藤裕、所英男、扇久保博正の三者三様振りがおかしい

本物と偽物というのもなくて。皆、本物ですよ。それこそBreakingDownだって戦っているんだから、本物だと思っているし、偽物とは思っていない。

でもキックボクシングからの転向してきた選手とはやってきたこと、やっていることは違う。僕らが築いてきた技術と比べると、彼らがやっていることはどうしても浅い。そこは違うぞという想いはあります。ただし戦いとしては、全てが本物です」

──いうとキックボクサー×MMAファイター、キックボクサー同士のMMAの方が扇久保×神龍よりも、一般のファンには受ける可能性が高いです。

「う~ん、結局……本物が残るんで」

──……。

「あっ、本物って言っちゃいましたよね(笑)。せっかく、格好つけていたのに(爆)」

──アハハハハ。

「俺、自分で言っていることが分かっていないし、すぐに考えが変わっちゃうんですよ(笑)。だから良いところで編集をしてもらわないと。誠のことを言えないぐらい、俺も相当に変わっているんで(笑)」

──アハハハ。偽物とかではなくて、別モノという気持ちがあるということでしょうか。

「偽物とは絶対に思っていないです。僕はシュートボクシングの試合に一度出ていて、あの辛さを分かっているので。『こんなことをあの人たちはやっているんだ』と。だから、あの人達がやってきた凄さを認めています」

──とはいえMMAのルールで、日本で一番大きな大会でキックボクサーの占める割合が高くなっている(※結果的に11試合中、ベアナックルが2試合、特別ルールが1試合、MMAは8試合で、元キックボクサーが絡まない試合は3試合)。そこに危機感を感じることはないですか。

「だから……レベルの低い者同士が戦えば、面白いですよね。逆に高い者同士が戦うと、防御力が高いですからね」

──ただ元キックの選手達、強くなっていないですか。

「それは思っています。でもMMAとしての強さが一番なんで。だから斎藤(裕)君と久保(優太)選手の試合も、斎藤君が勝つと思っています。試合を見る人が、どう思うかは別で。MMA歴の短いキックボクサーの試合の方が動きが多くて、凄いように捉えられることはあるでしょうね。だから偽物でなく、別モノなんです。とはいっても、強さでいえば僕らの方が強い、確実に強いです。

同時にMMAは打撃から始まるので、打撃の圧力は重要で。そこはキックボクサーの人達は凄いです。そして、真剣にMMAに向き合っている選手もいます。これからは、そういう人達が増えてくること思いますし、もう次の超RIZINに表れています。それでも組み技は、すぐには強くなれない。練習をすれば強くなりますが、時間は掛かります。積み重ねが大切で、だからこそキックができるからって、MMAで勝てるという風に簡単に思わないでいてほしいです。

そのなかで僕の試合が、これがMMAだという試合になるかは正直分からないです。でも、自分がやってきたことを僕は信じているので。それを出していけば盛り上がる──じゃないけど、伝わるモノは絶対にあると思います。

僕はやっぱりRIZINのフライ級を、UFCを越えるフライ級にしたい。中央アジアとか強烈な連中が出てきているからこそ、僕と神龍の試合はRIZINフライ級にとっても大切な戦いになる。覚悟を持って臨みます」

■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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45 MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2024#05 修斗 斎藤 藤井伸樹 齋藤奨司

【Shooto2024#05】TDを仕掛け続けた藤井×打撃で削った齋藤、スプリット判定で齋藤が勝利

【写真】テイクダウンされても齋藤はガードからヒジを入れるなど、組み際の攻防で必ず打撃を入れていった(C)MATSUNAO KOKUBO

<修斗世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
齋藤奨司(日本)
Def.2-1:50-45.48-47.46-49.
藤井伸樹(日本)

齋藤がジャブとインロー、右ストレートを当てる。藤井が右ストレートを返すと、齋藤がジャブと左ミドルを細かく当てる。藤井が齋藤のジャブに合わせて、齋藤の左足にシングルレッグに入って齋藤に尻餅をつかせる。藤井は齋藤の左足を両足で挟んで伸ばしつつ、正対してボディロックで齋藤を寝かせようとする。齋藤は尻餅をついた状態でケージに背中を預け、藤井の肩甲骨にヒジを落とす。

藤井は齋藤の両足を引っこ抜きつつ、自分の両足で齋藤の両足を束ねてアッパーを入れる。齋藤が足を抜いて立ち上がると、態勢を入れ替えてヒザ蹴り。距離が離れると齋藤が右ストレート、藤井が左ミドルを蹴る。さらに齋藤は藤井の右に右のカウンターを合わせ、ボディにもパンチを散らす。

2R、齋藤はジャブを顔とボディに打ち分け、右ストレートをにつなげる。藤井もジャブを返し、ジャブと組みのフェイントも見せつつ、齋藤の左足にシングルレッグに入って齋藤をケージまで押し込む。藤井は右腕を差す形からボディロックで組んで、左足をかけてバックを狙う。齋藤は内股のような投げから距離を取る。

試合がスタンドに戻ると齋藤はジャブを細かく当てて右ストレート、左ボディにつなげる。藤井はダブルレッグに入って齋藤に尻餅をつかせ、齋藤の左足を両足で挟み、右腕を深く差してケージに押し付ける。ここから細かくパンチを当て、齋藤が立ち上がると四つ組みから後方に倒す。齋藤がケージに体を預けて立ち上がろうとすると、藤井はダブルレッグに入って。再び齋藤の左足を両足で挟んで寝かせつつ、斎藤が立ち上がったところでラウンド終了となった。

3R、齋藤が鋭いワンツー、藤井も右ストレートを返す。齋藤は細かいジャブから左ボディにつなげ、藤井はダブルレッグでケージに押し込む。藤井は齋藤の左足を足にでひっかけながら、齋藤の体を振ってテイクダウンを狙う。齋藤がケージに体を預けると、藤井はダブルレッグに入り、齋藤が両足を広げて踏ん張ると、藤井は齋藤の左右の足にシングルレッグに入り、齋藤はそれを切って離れる。

齋藤はジャブから右のボディストレート、藤井もジャブを返す。齋藤はそのジャブに右をかぶせ、再びジャブで距離を取る。藤井は右ストレートで齋藤を追いかけ、斎藤は右のヒザ蹴りを狙う。ここで藤井がシングルレッグに入って、斎藤をテイクダウンし、斎藤の背中をマットにつけさせる。齋藤がケージに身体を預けて立ち上がろうとすると、藤井は齋藤の左足を両足で挟んでコントロールする。足を抜いて立ち上がった齋藤は首相撲からヒザ蹴りを突き刺す。

4R、ジャブの差し合いから、齋藤が右をかぶせる。齋藤は右をボディに振るが、藤井がシングルレッグに入ってテイクダウンを奪う。齋藤はガードポジションからヒジを連打し、ケージまで移動して体を預けて立ち上がる。藤井は右腕を深く差してボディロックし、後方に倒してテイクダウンする。齋藤も必死にケージまで移動して寝かされない。

藤井はダブルレッグから引っこ抜くようにテイクダウンし、齋藤の右足を両足でフックする。ここから藤井は齋藤の左足も一緒に両足フックして固定し、細かくパンチを入れる。齋藤も必死に距離を取ろうとするが、藤井は組み続ける。齋藤は肩甲骨にヒジを落とし、藤井もボディと顔にアッパーを細かく当てる。最後は齋藤が立ち上がったところでラウンド終了となった。

5R、齋藤がジャブを顔とボディに打ち分け、藤井のジャブに右をかぶせ、右アッパーを狙う。藤井は齋藤の左足にシングルレッグに入ってテイクダウンしてバックへ。齋藤は両足をフックさせずに前に落とすようにして奪取する。距離が離れると藤井はすぐにシングルレッグに入って、スタンドでバックを狙う。半身になって踏ん張る齋藤だが、藤井が後方にテイクダウンしてトップキープする。

齋藤はガードポジションからヒジを連打し、藤井も齋藤の上体を寝かせて鉄槌を落とす。藤井は腰を上げてパスガードを狙いつつ、齋藤がケージまで移動して体をケージに預ける。藤井は齋藤はの左足を両足で挟んで、右腕を深く差して齋藤をケージに押し込んで左手でパンチを入れる。

ここでレフェリーがブレイクを命じる。再開後、齋藤はがワンツーと右フック。藤井もジャブから右ストレートを返すが、左から右と連打をまとめる。藤井も前後にステップしてジャブを当てて、右と右で打ち合う。最後は齋藤が右を当てたところで試合終了。判定は49-46(藤井)、50-45(齋藤)、48-47(斎藤)と大きく票が割れ、齋藤に軍配が上がった。

試合後、齋藤は「怪我で1年くらい格闘技ができなくて、藤井選手と頭の中で1年くらい戦っていました。下馬評は不利だったと思うんですけど、自分と仲間を信じて頑張ってきました。これからも自分と仲間を信じて上に行くんでよろしくお願いします」と語り、周囲への感謝の言葉を述べた。


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45 AB ABEMA Chan龍 MMA MMAPLANET o ONE Shooto Shooto2024#05 チャンネル 上原平 中池武寛 人見礼王 修斗 児山佳宏 加藤ケンジ 大竹陽 岡田嵐 岡田達磨 岩本健汰 島村裕 斎藤 松岡拓 椿飛鳥 海外 竹原魁晟 結城大樹 藤井伸樹 飯田健夫 齋藤奨司

【Shooto2024#05】「自信と試合内容のギャップが埋まってきた」椿飛鳥、2022年以降のマインド変化

【写真】過去にリアリティショーでお世話になったプロデューサーに、チケットを購入してほしいと願い出ることがでいる強心臓の持ち主(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#05で、椿飛鳥がたてお(※飯田健夫からリングネームを変更)と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

椿は2018年に全日本アマチュア修斗選手権で優勝した直後、ONEトライアウトに合格し、さらにはABEMA TVの格闘代理戦争にも出場する。それにより、彼にとっては苦難のMMAキャリアがスタートしたともいえる。しかし2021年までに3連敗を喫したあと、2022年は新たなキャリアを積み始めたといえば良いのか。特に今年3月の結城大樹戦は、それまでとは打って変わったファイトを見せていたようにも感じる。2022年以降の椿飛鳥に何が起こったのか。這い上がる男の浪漫——椿飛鳥がベルトに辿り着くために重要な一戦を迎える。


MMAを始めた時の理想と現実のギャップを感じました

――リモートでのインタビューとなりますが、本日は会社もお休みなのですか。

「今日はたまたま休みなんですよ。今の部署はシフト制で――平日も朝に練習して、昼から勤務とか融通を効かせてくれる職場です。代理戦争が終わった頃に新卒で就職して、今は6年目ぐらいになります」

――新卒から6年目ということは、もう昇進する頃でしょうか。

「おかげさまで一応、一つの部署のリーダーみたいな形でやらせてもらっています」

――おぉ! そこから会社でのし上がっていく、と。

「いえ、僕は独立して自分で会社やったり、格闘技のジムをやりたいとは会社にも伝えています。会社も『応援するよ』と言ってくれていますね」

――いずれジムを出す、つまり格闘技と人生を共にすることは就職した当時から考えていたことですか。

「就職するまでは将来のこととか、一切考えたことがなかったです。大学4年生の時に全日本アマ修で優勝し、直後にONEのトライアウトに受かって。さらに格闘代理戦争の話も来て――『これで格闘技だけで生きていけるわ』と思っていました(苦笑)。

でも格闘技をやっているだけでは生活費もなく、家賃すら払えないような状況に陥っていました。たまたま練習仲間のツテで、ファイターを応援してくれる会社を紹介してもらい、就職したんです。それが今の会社で」

――そこからONEウォリアーシリーズや格闘代理戦争を経て、自分が思い描いていたものとは異なる格闘技人生に直面することになるのですか。

「だいぶ違ったものになっています(笑)。ONE WSの時はONEとの契約を目指していました。だけど、ONE WSが行われなくなってからは、とにかく頂いたオファーに対して頑張る。それぐらいで、あまり深くは考えていなかったです。そこから連敗が始まり……当時は来たオファーを受けるという状態で、今思うと目標もなく過ごしていた時期でしたね」

――修斗でいえば多くは全日本アマ修斗で優勝すると、次はプロの新人王で、さらにチャンピオンシップへと繋がっていきます。

「僕もそこから海外へ、という道は思い描いていました」

――思い描いていたものとは違う道を歩むことになり、特に3連敗を喫した中で「このままで良いのか?」と考えることはありました。

「考えました。特に岩本健汰戦で負けた時は――辞めたいとまでは思わなかったけど『このままで続けたくない』という気持ちがあって。そこから新人王トーナメントに出場するのも、異例といえば異例なんですよね。本来エントリーの基準は2戦以下だけど、コロナ禍もあったので6戦以下になっていましたから。そこでウチの森修会長からも『新人王トーナメントに出てみないか』と言われたんです。

当時は急なオファーも多かったんですよ。新人王トーナメントなら1年間、定期的に試合が組まれる。そのほうが仕事しながらコンディションもつくりやすいと思って。ただ、『これで負けたら終わりだ』と思って、トーナメントに臨みました。初戦で負けたら4連敗になるし、新人王に出るキャリアの選手に負ければ、格闘技を辞めることができるかな、と」

――格闘技を辞めることができる……とは、どこかに「格闘技を続けていくのが苦しい」という気持ちがあったのでしょうか。

「ありましたよ。代理戦争のおかげで名前も知られて『あ、椿選手だ』と声をかけてもらうことも多かったです。だけど、それに見合う実績を挙げることができていないという葛藤はありました。

3連敗を喫した時も、見方によっては『相手が強豪だったから仕方ない』と言ってくれる人もいました。だけど3連敗には変わりない。それだけの選手に何もできずに負けたことで、自分がMMAを始めた時の理想と現実のギャップを感じましたね。だから『新人王の初戦で負けたら格闘技を辞められるかな?』と思ったことは事実なんです。逃げる、というのとは少し違っていて……何て言えばいいんでしょうね」

――その気持ちは分からなくもないです。今でもネットで「椿飛鳥」と検索したら、続く第2キーワードが「弱い」で。さらにSNSでは「椿飛鳥が世界1位かよ」と書かれていたり……。

「アハハハ! 今はもうSNSに書いていただくだけで嬉しいですよ。だって『見られない』『何も言われない』ことほど怖いことはないですから。だけど新人王の初戦(岡田達磨に判定勝ち)で勝った時はホッとしました。あの試合までは自分の自信と試合内容にもギャップがあったんですよ。練習ではできることが、試合では出せない。練習を通じてどれだけ自信があっても、試合でリアルな結果が付きつけられる。そんな状態が2年半ぐらい続いていました。でも岡田戦で、そのギャップが少し埋まったというか。

練習と試合って全然違うものだし、試合で出たものが実力じゃないですか。練習で強いなんて全くアテにならない。そんななかで、岡田戦では練習してきたことが出せたなとホッとして。このまま続けていけば、もっと良い動きができるんじゃないかと思いました。

トーナメント決勝ではCHAN龍選手にも負けてしまいましたけど、あの試合も大きな転機になりました。試合前からCHAN龍選手と戦うことより、『この後はタイトルまでどう進んでいくのか』という道筋を考えてしまっていて。ヒジを負傷して負けた結果について『アクシデントだった』と言ってくれる人もいます。でもあれは完全に僕の負け。精神的にも技術的にも僕の甘さが出ました」

――……。

「あの時も実は『ここで負けるなら……』と思っていました。でもまだ腕が治っていない状態でジムに行ったら、会長が『試合を見返したけど、ココをもっとこうしたら』と熱心に指導してくれたんですよ。『他の人が自分のために、ここまで熱心になってくれることってあるのかな?』と感じて、怪我が治ったら次の試合のために頑張ろうと決めました」

勝利を考えるな。その場その場で最善の動きを選択しろ

――これは話の本筋とは関係ありませんが、新人王決勝を争ったCHAN龍選手の訃報を知った時は……。

「う~ん……、……、……才能溢れるファイターが亡くなったことは、すごくショックでした。いろいろ思うところはあります。でもご遺族のことを考えたら、事情を知らない自分が何か言うべきではないと思っています。すみません」

――いえ、こちらこそ答えにくいことをお聞きしてしまいました。話を戻すと、新人王トーナメントを経てこの2試合はどう変化したのでしょうか。

「試合に臨む気持ちが変わったことは大きいです。それまでは、試合って凄く特別なものだと思っていました。自分の全てを削って勝つもの――と、自分を追い込んでいたんです。自分で自分にプレッシャーをかけ過ぎていたというか。でも斎藤戦は『よし! いっちょ試合してくるか』みたいな感じで試合に臨むことができて。結果、齋藤選手に競り勝てたことで『このマインドが自分に一番合っているんだ!』と気づけました」

――確かに前回の結城大樹戦は、凄く伸び伸びと戦っている印象を受けました。相手に取られているであろう場面でも、『これは取り返せるな』と考えることができていたのですか。

「これは会長から教わっているマインドなのですが、『勝利を考えるな。その場その場で最善の動きを選択しろ』と。『ここでこうしないとラウンドを取られる。勝てない』って思うと、良くない動きをしてしまうことが多いんですよね。それは練習でも感じます。練習で強いけど試合で勝てない選手とは、そういうことなんじゃないかと思いました。

練習は勝ち負けを考えない。でも試合だと勝ちを見越して試合をしてしまう。結城戦は、試合を通じて『ここをこうすれば勝てる』という気持ちはなかったです。分かりやすいのは――バックを取られたら『負ける!』と考えるのではなく、まずディフェンスする。その場その場で最善の動きを選択していけば、その積み重ねでラウンドも取れますよね。そういうラウンドを積み重ねていけば、フルラウンド取れる。3R制であれば最低2つ抑える……ということでもなく、フルラウンド取りに行く。そのマインドも自分に合っていると思います」

――前回は世界1位の結城選手に勝ち、次にタイトルマッチ経験者のたてお選手を下せば、遂にベルト挑戦も見えてきます。

「実は……たておさんとは仲良いんですよ。結城選手に勝ったあと、『椿さん、おめでとう! 復帰して椿さんと試合できるように頑張ります』というメッセージが来て。そこから、たておさんとやり取りしている間に試合のオファーが来ました(笑)。だからといって、やりづらさとかは無いです。コレはコレ、ソレはソレなので。

飯田選手は今ランキングに入っていないだけで、タイトルマッチ経験者だし、実力者です。この試合に勝てば、自分がベルト挑戦者として一番手じゃないですか。いろいろ経験してきましたけど、やっぱり修斗のチャンピオンになりたい。僕がチャンピオンになった先に見据えているのは『修斗を盛り上がる団体にしたい』ということで。それこそMMAを知らない人にも修斗を好きになってほしい。で、皆さん『椿飛鳥がチャンピオンかよ』って書いてください」

■視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後6時00分~ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2024#05 対戦カード

<修斗世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
藤井伸樹(日本)
齋藤奨司(日本)

<フェザー級/5分3R>
椿飛鳥(日本)
たてお(日本)

<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
須藤晃大(日本)

<2024年度新人王フェザー級2回戦/5分2R>
中池武寛(日本)
蓮池勇太(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
島村裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
加藤ケンジ(日本)
人見礼王(日本)

<フライ級/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
岡田嵐士(日本)

<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷篤(日本)
友利琉偉(日本)

<2024年度新人王フェザー級2回戦/5分2R>
松岡拓(日本)
井上翔太(日本)

<バンタム級/5分2R>
中野剛貴(日本)
瀬戸口怜久(日本)

※コメインで予定されていた環太平洋フェザー級王座決定戦は、竹原魁晟が体調不良のため計量会場に来ることができず中止に。契約体重をクリアしている上原平がルールに則り、不戦勝かつ新王者に認定される。

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o RENA RIZIN UFC YA-MAN “ブラックパンサー”ベイノア キム・スーチョル クレベル・コイケ ジョニー・ケース ヒロヤ ブラック ホベルト・サトシ・ソウザ ルイス・グスタボ 上田幹雄 久保優太 井上直樹 伊澤星花 伊藤裕樹 佐藤将光 堀口恭司 堀江圭功 太田忍 宇佐美正パトリック 安保瑠輝也 平本蓮 扇久保博正 摩嶋一整 斎藤 斎藤裕 朝倉未来 朝倉海 榊原信行 皇治 矢地祐介 神龍誠 篠塚辰樹 芦澤竜誠 萩原京平 金原正徳 鈴木千裕 鈴木博昭

【RIZIN】RIZINウエハース’24発売決定!

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昨年末、RIZINファンの間で話題沸騰したRIZINウエハース。「どこを探しても売っていない」「どこに売ってるの?」という悲痛な声がSNSで飛び交っていた頃が懐かしい。私もカードコーナーや食玩コーナーを覗くクセがつきましたもん。

そんな、はぐれメタルばりに希少価値の高かったRIZINウエハースの第二弾「RIZINウエハース’24」の発売が発表されました。ウエハースに同封されるRIZINカードのラインナップは次の通りです。

朝倉未来(SR)
芦澤竜誠
安保瑠輝也
伊澤星花(R)
伊藤裕樹
井上直樹
上田幹雄
宇佐美正パトリック
扇久保博正
太田忍
キム・スーチョル
久保優太
くるみ(R)
クレベル・コイケ
皇治
斎藤裕(R)
榊原信行(R)
篠塚辰樹
神龍誠
ジョニー・ケース
鈴木千裕(R)
鈴木博昭
萩原京平(R)
平本蓮(SR)
ヒロヤ
フアン・アーチュレッタ
“ブラックパンサー”ベイノア
ホベルト・サトシ・ソウザ(R)
堀江圭功
摩嶋一整
矢地祐介
YA-MAN
ルイス・グスタボ
RENA
シークレット1
シークレット2

SRの2種、Rの7種は選手のサインをデザインにあしらった光り輝くホロカードだそうです。今回もRIZINのレギュラーメンバーに加えて、くるみに榊原CEOという遊びの要素を残してちょうどいい塩梅。いぶし銀好きな私としては金原正徳、佐藤将光辺りがほしかったのですが、これは次回に期待しますか。
IMG_6001
そしてUFC参戦が確定している朝倉海の名前がないのはもちろん、現役のRIZINフライ級チャンピオン堀口恭司の名前がないのもちょっと寂しい。これも旅立ちの前触れか。。。何はともあれ発売は12月。もうあの無い無い尽くしを味わいたくない方は予約マストでお願いします。
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45 AB CORO DEEP DEEP JEWELS DEEP120 K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC YouTube   カルシャガ・ダウトベック サンチン パンクラス ボクシング ユン・チャンミン リョート・マチダ 中村大介 久保優太 五明宏人 佐藤洋一郎 修斗 嶋田伊吹 平田直樹 斎藤 朝太 木下カラテ 梶本保希 泉武志 海外 瀧澤謙太 石塚雄馬 神田コウヤ 竹原魁晟 誠悟 野村駿太 鈴木槙吾 阿部大治

【DEEP120】体重超過の神田コウヤと対戦する木下カラテが語っていた──ハマるパンチと空手論

【写真】これが加藤丈博流ハマったパンチ。この湾曲に注目 。そしてゴツイ拳だ(C)MMAPLANET

本日14日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTで木下カラテが神田コウヤと対戦する。しかし、昨日の計量の結果、再計量でも1.9キロオーバーだった神田のイエロー2枚からスタートし、木下が勝利したケースのみ公式結果として認められるという変則マッチとなってしまった。
Text by Manabu Takashima

(C)TAKUMI NAKAMURA

格闘代理戦争のワンマッチで、ユン・チャンミンから見事なKO勝ちを収めたことでデビュー前から注目を集めていた木下。

だが修斗では打撃の強さを警戒されることとなり、厳しい状態が続いた。4年間で戦績は5勝6敗1分──しかし、2023年5月にからDEEPに戦場を変えると、RIZINでの久保優太戦こそ黒星を喫したが、DEEPフェザー級戦線では3連勝、3試合連続でフィニッシュ勝利と、結果だけでなくパフォーマンスそのものも変化している。

畠山祐輔、梶本保希に続き、タイトルコンテンダーの五明宏人を倒し、タイトル挑戦が見えてきた木下に変化、進歩について尋ねた(※取材は10日に行われた)。

すると空手家時代、そして今も師であり続ける武心塾・加藤丈博師範の「ハメる」論理を掴み、空手への理解を深めたことが好調の裏にあることが分かった。


──MMAPLANET初インタビューとなります。いきなりですが、DEEPで戦うようになってからの勢い。どのような変化が木下選手のなかであったのでしょうか。

「修斗で児山(佳宏)選手と戦って1RTKO勝ちができて、良い勝ち方ができたと思ったら、次の竹原魁晟戦(2022年10月)で酷い負け方をして。あの時に大沢(ケンジ)さんから、『層の厚いDEEPで戦って、より厳しい状況においてしっかりとやっていかないか』というようなことを言われたんです。

それから練習でも細かい部分を意識していくようにして、練習以外でも自分を変えよるようになりました。そうですね、ケージって戦う人間の人となりが出ると思うんですよ。今でも(江藤)公洋さんや大沢さんから『後片付けができない』って指摘されるんですけど(苦笑)、そういう部分ですね。やることは早く済ます……とか」

──つまり普段の自分を律するようにしたと。

「そこまでじゃないんですけど、普通のことを普通にできるように……ですね(苦笑)」

──普段の自分を変えることで、ここまで戦績も良くなった?

「人となりを気にすることで、練習への集中力が変わりました。打撃も組みも細かいところまで気にするようになって。何より練習の時から、本番に挑むイメージを持つようになったんです。やっぱり試合と練習は気持ち的にも違うので、そのズレを少なくするようにしました。

あと打撃の方では、自分の打撃の基礎は武心塾の加藤丈博(1991年、全日本ウエイト制中量級準優勝、第5回全世界空手道選手権日本代表。ボクシングでも活躍し、空手家としてMMA=パンクラスにも挑む)先生なんですけど、DEEP初戦だった畠山(祐輔)戦の頃になって、ようやく先生の言っていることが分かるようになったんです。

先生って技術が独特なんですよ。本人は謙遜されているんですけど、天才なんです。で、天才の言うことって全然分からなくて(笑)」

──アハハハハハ。凄く分かります。リョート・マチダが前蹴りでヴィトー・ベウフォートをKOをして、観空大の前蹴りだと言われても誰が真似ができるのかと。グレイシーがRNCや三角絞めで勝って、皆が影響を受けたのとは違うかと思います。

「そうなんですよ(笑)。空手の人たちってセミナーを開けないです。多くの人にいっぺんに教えるって、彼ては本来はできないものだと思うんです」

──確かに沖縄の手、唐手(トウディ)は、もとは1対1で指導をしていたもので。それが体育の授業に用いられ、集団に指導するようになって武道から運動に代わりました。

「僕は加藤先生から型も1人でやるものだと教わりました。直接の指導になると、ずっと基本稽古をやっていて。そこに先生は自己流でボクシングなんかを融合しているんですけど、その説明の仕方が奇抜すぎて(笑)。ずっと『何、言っているんだ』と思っていたんです。大体、第5回世界大会の日本代表なんて天才だらけですよね」

──緑健児、増田章、黒澤浩樹、八巻健志、七戸康博、岩崎達也、加藤丈博……。

「天才ですよ。天才の言うことは分からない(笑)。先生はパンチが巧い人で、その表現がハマるというモノだったんです」

──ハマる……。

「ハイ。もともと僕は蹴りの選手で、パンチは下手で分からないなりにやっているんですけど、『ハマんねぇな』と。でも、ハマるってなんだよって(笑)。そのハマるというのが、畠山戦前からようやく理解できるようになったんです」

──つまり、ハマるとは?

「それが……いざ、分かるようになってくるとハマるとしか表現のしようがなくて(苦笑)」

──ダハハハハハ。最高です。

「あれだけちゃんと説明してくれよって思っていたのに、いざ自分ができるようになると加藤先生と同じことを言っているんですよ(笑)」

──ハハハ。では畠山戦の左フックは?

「完全にハマったヤツです。手首でキュッと持っていくと、肩甲骨がキュッとハマって」

──自然とヒジが湾曲を描く?

「そうそうそう、それです!! そこでハメるんですよ。ヒジを下に向けると、肩甲骨がちょっと立つ。結果、サンチン立ちと一緒なんですよ」

──いや、木下選手からサンチンについて、そのような意見が聞かれるということは──木下選手のサンチンは極真のサンチンではなかったのですね。

「極真とは違って、ガニ股でも内股でもない。ヒザが内側を見ているようで違うんですよね。内も外も向いていない」

──だから内側からも、外側からも蹴られて強い、と。いやぁ、木下選手……面白いです。フルコンタクト空手家でなく、空手家ですね。

「そういうサンチンの構えの強さに気付いたのは、レスリングの練習をしていた時なんです。

時田(隆成。中央大学時代の2021年に全日本大学選手権フリースタイル61キロ級3位。アマパン=東関東選手権Sクラス・バンタム級Tで優勝)さんとトライフォース東中野で、平田直樹選手なんかと一緒に練習をしていて。

いうと、僕がほぼイジメを受けているような練習なんですけど(笑)。そこでテイクダウンを切るときにケツを入れると、親指はどうしても外に開くじゃないですか。そうなると、生物として弱い。簡単に倒されるし。『これはおかしい』って思うようになったんです。ガニ股のサンチンは違うって。

その時にK-1に出ている山口翔太選手に連絡をとって尋ねたんですよ。『ガニ股のサンチン立ちは、弱くないですか』って」

──スミマセン、立ち技格闘技は全く疎くて……。

「山口選手は、もともとは白蓮会館の空手家で白蓮の全日本は当然として正道会館やJFKOでも全日本で何度も優勝しています。今はK-1で活躍していて。そんな山口選手が山城(美智)先生の沖縄空手研究会に参加されていることを知っていたので……」

──「ガニ股のサンチンは違うだろう」と相談した?

「ハイ。山口選手と話して、僕も『親指を思い切り踏んで固定し、ヒザを外に向けてガニ股ということでなく、ケツを入れてヒザを崩れないようにする』ということだと気づいたんです」

──強いからブレず、でも柔軟に動くことできる本来……というのはおかしいかもしれないですが、空手の理ですね。

「そうッスよね。きっと、空手が沖縄から本土に渡って来た時に普及するために分かりやすさが大切になり、そのヒザの固定がガニ股とか流派によっては内股とかに変わってしまったんじゃないかと」

──MMAの試合を控えたMMAファイターとのインタビューから逸脱していますが、非常に面白いです(笑)。

「アハハハハ。でも、それって生き物として強いことだと思うんです。だから別に空手をやっていなくても、生き物として強い選手の姿勢ってそうなっている。

このテイクダウン防御で強い体って、加藤選手が言おうとしてくださっていた強いパンチを打つときの体の構造と同じだったんです。『あぁ、こうして。こうやるんだ』って言われていたことと(笑)。

加藤先生の特別なところは、武道の動きは直線的じゃないですか。そこにフックを加えたことなんですよね。ただ、それがフックじゃない。振っているけど、出し方は真っ直ぐで。

ヒジがやや湾曲している縦から横への拳の動きで。そこに加藤先生は手首を入れることを加えたんですよ。足からヒザ、腰、肩、ヒジと固めてフレームから、手首を振って」

──つまりは、それが加藤丈博師範のハメる理論なのでは……。 

「あっ、そうですね。これが一つ掴めると、他のことも分かって来る。幹ができたから、神経が枝葉にも行き渡るというか。こういう風にちょっとずつ理解を深めている際中ですね。

接近戦でも、決してボクシングではないんですよ。ただディフェンスは加藤先生も完全にボクシングで。防御という部分での空手は僕はまだ分かっていないです。同時にパンチの質は誰が見ても分かってもらえるぐらい変わりました。デカいグローブでミットをやっても、皆が痛いと言っています。

それをいうと加藤先生は試合用の小さなグローブでやっていて、中指と人差し指のところはグローブが破けるんですよ」

──えぇ、凄まじいですね。

「それを見せてくれていたので。説明は何を言っているか分からないですけど(笑)」

──アハハハ。そんななか神田選手との試合に向けて、組みに打撃戦を加えて神田選手のスタイルに、木下選手はハメることができるのか。

「打撃の時間を多く創れたら、神田選手はおっかなくてしょうがなくなると思います。組みは……木下カラテって言っていても、MMAの門を叩いてずっとやってきた部分です。HEARTSでこれだけやってきたので、そんなに簡単にやられない自信はあります。それでやられればしょうがない。でも、そんな緩くないですよ。僕がここでやってきたことは」

──今回の試合でDEEP4連勝となると、タイトル挑戦も見えてくるかと。そこから先はどこを目指しているのでしょうか。

「やっぱり、海外。ベストはUFCです。現役でやる以上、そこを意識しないと。でも僕はレコードが汚いんで、現実的かどうかといわれと、まぁ非現実的ですよね。だったらMMAを続けている限り、少しでも強いヤツと戦っていきたいです。

RIZINのフェザー級で中央アジアとか強いし、チャンスがもらえるならどんどん戦っていきたい。それに僕みたいに強くなるためにUFCを意識している人間と、本気でUFC一本でという選手ってキャリアの積み方も違うと思うんです。

UFC一本の選手は、やっぱりキレーなレコードでいないといけないから、強い相手に触れないで進むことも必要で。対して僕の場合はカルシャガ・ダウトベック選手然り、ラジャブアリ・シェイドゥラフ選手然り、ヤバい連中に触れて負けても損はない。

UFCが現実的でないから、そういう相手を望んでいける。それでもUFCへの想いを完全に消すことはできないのですが、強いヤツと戦うことができるなら場所は問わないです」

──では世界の猛者と戦うために、越えないといけない神田コウヤ戦。どのような戦をしたいと思っていますか。

「やることは決まっています。レスリング×空手、グッといって、そこでガガァとやってからドンと仕留めます」

──完全に加藤イズムを継承していますね(笑)。

「アハハハハ」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120計量結果

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]鈴木槙吾:76.95キロ
[挑戦者]佐藤洋一郎:77.05キロ

<バンタム級/5分3R>
CORO:61.45キロ
瀧澤謙太:61.50キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.20キロ
白川Dark陸斗:66.20キロ

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治:77.40キロ
嶋田伊吹:77.30キロ

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ:68.05キロ
木下カラテ:66.05キロ

<ライト級/5分3R>
野村駿太:70.75キロ
泉武志:70.70キロ

<メガトン級/5分2R>
誠悟:119.30キロ
朝太:103.90キロ

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬:70.75キロ
佐々木大:70.75キロ

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾:67.75キロ
相本宗輝:67.95キロ

<フライ級/5分2R>
木村琉音:57.10キロ
斎藤璃貴:57.00キロ

<アマ・フェザー級/3分2R>
菅涼星:66.15キロ
平石光一:65.90キロ

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【DEEP120】計量よもやま話。前売り完売の後楽園、佐伯代表と好調の理由を立ち話。計量後の握手率は……

13日(土)、東京都新宿区ホテルローズガーデンのオークルームで明日13日(日)に文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTの計量が行われた。
Text by Takumi Nakamura

メインのDEEPウェルター級選手権試合をはじめ出場選手が続々と計量をクリアしていくなか、神田コウヤが68.05キロでフェザー級のリミットを約2キロと大幅にオーバー。対戦相手の木下カラテは66.05キロで計量をクリアしており、16時に行われる神田の再計量の結果によって、この試合がどういう形になるか公式アナウンスされる。


今大会は7月6日時点で前売りチケットが完売し、当日券5,000円を残すのみ。後楽園ホールもステージを作らないフルバージョン仕様で、まさに超満員の大会だ。瀧澤謙太、白川Dark陸斗、阿部大治といったRIZINを主戦場にするファイターが並びつつ、メインの鈴木×佐藤、神田×木下、野村駿太×泉武志などDEEP内で組まれた好カードが散りばめられている。

前回の後楽園大会=5月のDEEP119も前売りチケット完売だったが、元谷友貴と対戦予定だった福田龍彌の欠場で払い戻しがあったためフルハウスとはならなかったが、最近のDEEPの好調ぶりがうかがえる。計量後に佐伯繁代表にDEEP好調の理由を聞いてみた。

「ここ最近はRIZINにおけるDEEPの立ち位置が分かりやすくなってきたかもね。RIZINで試合のチャンスがないけど、試合をしたいという選手がうち(DEEP)に出るようになって。うちはRIZINを目指す選手、Road to UFCを目指す選手…色んな目標を持った選手が出てもいいと思っているから。

あとはRIZINの選手だけじゃなくて、うちで温めてきたものが、いい形になっているという実感もあります。DEEPの選手たちもファンに知ってもらえるようになって注目度が上がっているし、相本宗輝選手とか木村琉音選手とか新鋭も出てきている。CORO×瀧澤と中村大介×白川だって、瀧澤・白川にとって簡単な試合じゃないから。RIZINから来た選手とDEEPで上がってきた選手がやる図式も面白いし、DEEPで温めてきたカードも面白い。今はすごくわかりやすいイベントが作れてますよ」

佐伯代表によれば、正式発表こそまだではあるものの、秋までの主要マッチメイクもほぼほぼ決まりつつあるということ。正式アナウンスを待ちたい。

ちなみにDEEPでは計量→写真撮影→選手挨拶という順で計量が行われるのだが、選手挨拶を終えてそのままステージから降りる選手もいれば、双方のコメントが終わって握手を交わしてリングを降りる選手もいる。この日はアマチュアルールも合わせて全11試合中6試合で握手が交わされ、握手率は54.5%だった。

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120 対戦カード

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]鈴木槙吾:76.95キロ
[挑戦者]佐藤洋一郎:77.05キロ

<バンタム級/5分3R>
CORO:61.45キロ
瀧澤謙太:61.50キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.20キロ
白川Dark陸斗:66.20キロ

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治:77.40キロ
嶋田伊吹:77.30キロ

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ:68.05キロ
木下カラテ:66.05キロ

<ライト級/5分3R>
野村駿太:70.75キロ
泉武志:70.70キロ

<メガトン級/5分2R>
誠悟:119.30キロ
朝太:103.90キロ

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬:70.75キロ
佐々木大:70.75キロ

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾:67.75キロ
相本宗輝:67.95キロ

<フライ級/5分2R>
木村琉音:57.10キロ
斎藤璃貴:57.00キロ

<アマチュアルール フェザー級/3分2R>
菅涼星:66.15キロ
平石光一:65.90キロ

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【DEEP120】初の連敗から復帰、木下カラテ戦へ。神田コウヤ「MMAのMがミックスではなくメルトに」

【写真】Bushidoというニックネームとともに、神田のMMAへの探求心は増す一方だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120で、神田コウヤが木下カラテと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

神田にとってはRoad to UFC準決勝のリー・カイウェン戦、青井人とのDEEPフェザー王座防衛戦と連敗からの復帰戦となる。この2試合を通じて神田が得たものとは。自分の中にあるMMAの変化とマインドを語ってくれた。


連勝している時より今のほうが好奇心は旺盛です

――SNSでは神田「Bushido」コウヤというニックネームが付いています。いつからBushidoをつけるようになったのですか。

「Road to UFCに出場してから、ですね。海外で戦う時に、単に名前だけよりもニックネームがあったほうがインパクトも大きいかなと思って。海外ではPRIDE武士道も知られていますし、UFCでもまだ誰も付けていない日本語を探して『Bushido』にしました」

――なるほど。そのRTUで敗れ、続いてDEEPのベルトも失いました。試合直後には、どんな想いでしたか。

「直後、ですか。不甲斐ない負け方ではなかったと思いますし、防衛戦の義務も終わったので次はRIZINに出たいと思いました」

――SNSでは6月9日のRIZIN47出場をアピールしていたようですね。

「そうなんですよ。本来はアピールしないで出場できるのが一番なんですけど。ただ、最近は海外の選手も増えて日本人の出場枠も減っていると思うので、SNSでアピールしてみました」

――ということは、DEEPのベルトを失ったあともRIZINなりRTUへの意欲は失っていなかった、と。

「もちろんです。RTUも出られるうちは出たいです。連敗していたので今年のRTUは難しいと思いましたけど、チャンスがあるうちは出たいですね」

――RTUは神田選手に勝利したリー・カイウェンが、決勝でイー・チャアに敗れました。

「しかも計量もオーバーで(苦笑)」

―カイウェンに対して「自分に勝っておいて、決勝でそれはないだろう」とは思いますか。

「う~ん……、やっぱりトーナメントは大変ですよ。短期間で何試合もするから、途中で気持ちが切れることもあると思います。減量も大変だし、怪我もあったりして」

――神田選手はRTUが終わったあと、すぐに気持ちを切り替えることはできましたか。

「はい。RIZINにしろRTUにしろ、次の試合で王座防衛できないとチャンスはないと思っていました。それと、ベルトを巻いたら防衛戦をやるのは義務じゃないですか。僕の場合は、前の王者の牛久絢太郎選手があまり防衛戦をやっていないことに対して、良くは思っていなかったので。王者としての義務は果たすべきだし、果たせないなら返上すべきというのが僕の考えです」

――RTUと青井戦を経て、自分の中でプラスになったことはありますか。ファイターとして黒星はマイナスとなるかもしれません。しかし、そのマイナスを糧にどう生きるのか。

「連敗したのが初めてだったので、初心に戻る良い機会だなって捉えています。連勝している時より今のほうが、『自分はどこまでできるのか』という好奇心は旺盛ですね」

――その好奇心は、どのようなところに表れているのでしょうか。

「今は練習していて、『どんどんMMAになってきている』と思っています」

左右の乖離を少なくしていけば海外の選手にも負けない

――どんどんMMAになってきている……とは?

「MMAのMが、自分にとってはミックス(Mixed=混ざった)ではなく、メルト(Melted=溶けた)になってきています。全ての要素が溶けて一つになる。それは打投極という要素だけではなく、左右の乖離も少なくなってきたと思いますね」

――左右の乖離というのは、構えやスイッチということですか。

「そうです。自分の性格的に、オーソドックスで構えた時とサウスポーで構えた時に差があるのは好きじゃなくて。そういう差をなくしたかったんですよ。海外の選手と戦うためには必要だと感じていました。海外の選手と比べてもフレームやリーチはあると思うので、その左右の乖離を少なくしていけば負けないかな、と」

――確かにもうMMAはスイッチという概念すら無くなりつつあります。

「UFCとかだと、絶え間なく自然と構えが変わりながら動いていますからね。それがミックスではなくメルトということなんですよ」

――後悔などではなく「カイウェン戦や青井戦の時に、これができていれば……」と思えるほど、今は仕上がっている状態ですか。

「その自負はあります。あとはコンディション次第ですね。でも自分は、コンディションづくりは上手いほうだと思うので」

――コンディションや減量方法も含めて、神田選手は研究者タイプのように感じます。

「あぁ、そうなんですかね。常に情報に対してはアンテナを張っておくようにはしています。自分が興味あるものだけですけど……やっぱり格闘技は自分のビジネスですから」

――格闘技が自分のビジネスである。その感覚は以前から持っていましたか。

「デビューした頃は、そう思えなかったですね。やっぱりデビュー当時はファイトマネーも安かったし。だけど今はファイトマネーも、デビューの頃と比べたら遥かに高いです。そういうことの積み重ねで意識は変わっていきますよ。

僕はプロのファイターとして、常に高い品質のものを提供していきたいです。今の環境に全然満足していないし、もっと成功したい。もっと稼ぎたい。そうなることで自分の発言にも説得力が増していくじゃないですか」

――もう神田選手もプロデビューして6年が経ち、ジムで後輩たちが増えていることも影響していますか。

「ジムの後輩たちは……、僕はライバルとして見ていますね」

――えっ!?

「刺激し合えるライバルというか。結果って、自分の努力の成果じゃないですか。僕のほうが長くMMAをやっているのに、ここで後輩に越されてしまうと――という感じで『絶対に負けたくない』と思っています。お互いにそう考えることができると、ジム全体が良くなりますし。後輩たちもそう考えて頑張ってほしいです」

――ジムの先輩である松根良太さんのTHE BLACKBELT JAPAN沖縄にも行ってきたそうですね。

「修斗沖縄大会の時には選手のセコンドで行っていましたけど、大会がある時は松根さんも忙しくて、なかなかお話できない。だからジムをリニューアルされたということもあり、大会がない時に沖縄に行ってきました。

沖縄に行ったのは、練習よりもマインドの部分が大きいです。自分を鼓舞するために――連敗して気持ちが落ちている時に、沖縄で松根さんと話すと気持ちも上がるかなと思って。おかげで気持ちも落ち着きました」

――そうした経験と変化を踏まえ、次の木下戦はどんな試合を見せたいですか。

「木下選手は一撃必殺の打撃を持っていて、勝ちっぷりも負けっぷりも良い選手だと思います。最近は構えが変わりましたよね。HEARTS特有の、ガードを固めて前に出るスタイルが最近のKO勝ちに繋がっているのかなって思います。

自分も構えというか、左右の差がなくなって良い感じになってきています。フィニッシュを狙う木下選手が相手なら、自分もフィニッシュできる確率は上がる。自分もピンチから逃げずにチャンスを掴みに行きたいですね」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120 対戦カード

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
佐藤洋一郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
CORO(日本)
瀧澤謙太(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
白川Dark陸斗(日本)

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
嶋田伊吹(日本)

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分3R>
野村駿太(日本)
泉武志(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
朝太(日本)

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬(日本)
佐々木大(日本)

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾(日本)
相本宗輝(日本)

<フライ級/5分2R>
木村琉音(日本)
斎藤璃貴(日本)

<アマチュアルール フェザー級/3分2R>
菅涼星(日本)
平石光一(日本)

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【Shooto2024#05】後楽園でW王座決定戦、世界バンタム級=藤井×齋藤、環太平洋フェザー級=竹原×上原

【写真】1月に環太平洋王座を防衛した藤井と約1年2カ月ぶりの復帰戦・齋藤が世界王座を争う(C)MMAPLANET

7月21日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#05では世界バンタム級王座決定戦=藤井伸樹×齋藤奨司、環太平洋フェザー級王座決定戦=竹原魁晟×上原平を含む全11試合が決定している。
Text by Takumi Nakamura

7.21後楽園、7.28阿部野、8.3新宿=COLORSと2週間で3大会が続く“サステイン真夏の3連戦”。3連戦の口火を切る後楽園大会ではダブルタイトルマッチが組まれた。安藤達也の王座返上により、空位になった世界バンタム級王座を争うのは同級1位・環太平洋同級王者の藤井と同級3位の齋藤だ。


ランキング的に受けて立つ側の藤井は、2022年11月に石井逸人を下して環太平洋王座を獲得すると、2023年7月に竹中大地とノンタイトル戦で対戦。3Rに猛反撃を見せるも、1・2Rで失ったポイントを挽回できずに判定負けを喫した。2024年は1月に須藤拓真の挑戦を退け、今回の世界戦に駒を進めた。

一方の齋藤はRISEで立ち技の試合も経験しているストライカーで、2021年6月から修斗に参戦。初戦こそ落としたものの、その後はPound Stormでの試合を含め7戦6勝1分と無敗の快進撃を続け、昨年は野尻定由と須藤からも勝利を収めた。怪我の影響で長期欠場を余儀なくされ、約1年2カ月ぶりの復帰戦が世界戦という形になった。

王座戴冠後もコンスタントに試合を続けてきた藤井に対し、コンディションを上げるために試合間隔を空けた齋藤。この試合に臨む状況が対照的な両者だが、ファイトスタイルとしてもスクランブル主体のスタミナ勝負で最終的に競り勝つ藤井×スタンドの時間を長くして打撃で倒す齋藤と対照的だ。藤井がスクランブルの強さを発揮する前に斎藤が打撃を効かせてペースを掴むか。組みの攻防ではなく、どう組みの攻防がスタートするかに注目したい世界戦だ。

そして空位の環太平洋フェザー級王座は竹原と上原によって争われる。この試合は昨年のインフィニティリーグの1位(竹原)×2位(上原)として3月の後楽園大会で行われる予定だったが、竹原の負傷欠場により中止。今大会にスライドしての実施となる。

両者のリーグ戦での対戦結果は5分2Rフル戦ってのドロー。1Rに上原がサウスポーの竹原に対して右ミドルからの右ストレートでフラッシュダウンを奪うも、2Rは竹原がテイクダウンのアプローチからバックコントロールの時間を長くし、各ラウンドを取り合う形で勝ち点を分け合った。

遠い距離にいてスタンドの打撃で戦い上原と近距離でのパンチ&テイクダウンで攻めたい竹原。上原が3R通じて明確に打撃でダメージを与えるか、竹原がコントロールで終わらずにクリーンテイクダウンとトップキープまでつなげられるか。前回と近い試合展開が予想される中、両者ともにどこで試合の山場を作るかが求められる一戦だ。

そのほか3回戦では世界フェザー級王者SASUKEのベルトを狙う椿飛鳥と飯田健夫改めたておによる一戦が決定。2回戦では5月の日中対抗戦で勝利した中池武寛が新人王決定トーナメント2回戦で蓮池勇太と対戦する。

<修斗世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
藤井伸樹(日本)
齋藤奨司(日本)

<修斗環太平洋フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹原魁晟(日本)
上原平(日本)

<フェザー級/5分3R>
椿飛鳥(日本)
たてお(日本)

<インフィニティリーグ2024 フライ級/5分2R>
大竹陽(日本/勝ち点3)
須藤晃大(日本/勝ち点7)

<バンタム級/5分2R>
加藤ケンジ(日本)
人見礼王(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
島村 裕(日本)

<フライ級/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
岡田嵐士(日本)

<バンタム級/5分2R>
中野剛貴(日本)
瀬戸口怜久(日本)

<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷 篤(日本)
友利琉偉(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フライ級/5分2R>
中池武寛(日本)
蓮池勇太(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フェザー級/5分2R>
松岡 拓(日本)
井上翔太(日本)

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