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【DEEP JEWELS46】HIMEと対戦、彩綺が目指すMMA人生「ずっと青コーナーで戦っていきたい」

【写真】清々しいほどの確固たる意志を持っている(C)MMAPLANET

8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS46で、彩綺がHIMEと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

ブレイキングダウン出身として注目を集めていた彩綺は、今年3月に古瀬美月を36秒でKOしたことによりMMAファイターとしても今後が期待される存在に。そんな彩綺がHIME戦と、その先に思い描くMMA人生とは。


――古瀬戦ではKO勝利後、「みんな私のファンになってください!」とマイクで叫んでいました。その後、ファンは増えましたか。

「私の中では『増えたなぁ』と実感しています。たとえばXで投稿すると、今までは何も反応がなかったような内容でも誰かコメントしてくれるようになったりとか。応援のDMとかも以前に比べたら増えました。

そういえば、マイクでアピールした時に会場から『彩綺ぃ!!』と叫んでくれた人がいたんですよ。知らない人だったんですけど、大会が終わったあとに『さっき叫んだ人間です』と声を掛けてくれて。その人は次の大会、VIP席のチケットを買ってくれています」

――おぉっ、凄い! 試合内容としても手応えがあったのではないですか。

「ありましたよ! 試合前からフィジカルで負けることはないと思っていました。でも技術と経験の差はどうにもならない。だから私の中で覚悟を決めていくしかない――と。かといって練習していないと覚悟は決まらないですよね」

――古瀬戦のフィニッシュシーンは、サウスポーにスイッチした相手に左ヒザのフェイントから左のショートフックを決めました。古瀬選手がサウスポーの時、オーソドックスの時と作戦は考えていたのでしょうか。

「そんなにガッチリは決めていなかったです。前の試合は、相手がどう来ても良いように練習していました。古瀬選手は相手の構えやファイトスタイルによってスイッチすることが多いですよね。私との試合でも、36秒の間に何度もスイッチしていましたし。オールラウンダーでスイッチしてくるから、私も『コレ!』と決めるわけでもなく、とにかく全体的に。

古瀬選手はテイクダウンのために足を触りたかったのか、どんどん構えが前傾姿勢になっていて。パンチもフックが中心になって頭も下がってきていたんですよ。そこにヒザを当てようと思ったら相手がサウスポーになったので、私も左のショートを当てました。

映像を視てもらえれば分かると思いますけど、意外と私も冷静だなって(笑)。あのパンチが当たったあとに畳みかけることなく、『これで勝ったでしょ』と思えるぐらいの手応えがあったので」

――キャリアで上回る古瀬選手をKOしたことで、自信になったのではないですか。

「自信にはなりましたけど、う~ん……試合前から『ここで躓いていちゃいけない、ここで負けていちゃダメだ』と思っていました。MMAができるのも、あと4~5年ぐらいだと思うんですよね。だから勝っても『まだまだ上に行きたい』って――MMA人生を行き急いでいる感じです(苦笑)。私、まだ青コーナーでしか戦ったことがないんですよ。これからも、ずっと青コーナーで戦っていきたいと思っていて」

――青コーナー、つまりずっと挑戦者として戦っていくということですか。

「私、本当に失うものがないんですよ。だから青コーナーで戦いつづけて、最短で伊澤星花と試合がしたいです」

――おぉっ!!

「伊澤さんとはMMAを始める時に一度練習させてもらったことがあるんですよ。その時はスパーが始まってすぐギロチンを極められましたけど(笑)。その時に『この人と最短で試合するためには、どうすればいいんだろう?』と考えていました。

今、女子の49キロ(スーパーアトム級)が変わりつつあるじゃないですか。いろんな選手を発表していて……。でも、そこに伊澤さんが残っている。その伊澤さんと最短で戦うために、私も負けている場合じゃないんですよ」

――ただ、自分も予想していないスピードで駆け上がっていくと、そのスピードに戸惑いを覚える選手もいます。彩綺選手の場合は……。

「あぁ、そういうことがあるんですね。私の場合は、そもそも自分が期待されていると思っていなくて。期待されていない、って考えると結構楽ですよ(笑)」

――とはいえブレイキングダウンに出たあと、プロでも古瀬戦のようなKO勝ちでファンも増えた。結果、失うものが出来てしまうこともあります。

「どうなんでしょうね? ちょっと違う話かもしれないけど、やっぱり自分がブレイキングダウンに出ていたことで、いろんなイメージを持たれていたんですよ。さらに私が何かSNSに書くとネットニュースになって、アンチのコメントも増えるし。イラッとはしますけど、それはそれで仕方ないとは思っています。自分自身で選んだ道だから。だけどMMAで勝つと回収できていることもあって」

――勝っていくと評価も高まりますが、ぶつかる壁も高くなることもあるとは思います。それこそ「ここで負けられない」という気持ちは、「失うものがない」こととは相反するものではないですか。

「それは『越えなきゃいけない』と思い込んでしまうから、ですよ。一つひとつ壁のことを考えるから難しいのであって。言ってみれば全て壁ですもん。どれだけ壁があったとしても、まずは自分が普段から何をしているか――じゃないですか」

――そう考えると、最も楽しみなのは彩綺選手が赤コーナーで試合をする時ですね。

「あぁ、そうか。考えたこともなかったです(笑)。確かに、チャンピオンになったら赤コーナーですもんね。そうなったらまた青コーナーで試合することを考えるかもしれないけど」

――ベルトを巻いても挑戦し続けるということですね。まずは目前に青コーナーの試合が控えています。HIME戦はストライカー対決と言われていますが、ストライカーとしても違うタイプではあります。

「とにかく手足が長い相手ですよね。リーチは男子選手と同じぐらいなので、男子選手との練習で『これぐらいの距離なんだろうな』と考えながらやっています。ただ、やりづらさはあるけど、こちらがやることはシンプルだと思うんですよ」

――シンプル……というのは、打ちますか。それとも組みますか。

「自分が組んで面白い試合ができるかどうか、ですよね。たとえばHIME選手と同じジムの摩嶋一整選手は組んだら強いし、倒した後の展開が面白いじゃないですか。『こうなるのか。おぉっ! 次はこうなった』みたいな。今のDEEPジュエルスの中では、私はそこで魅せられる選手じゃなくて。でも打撃のイメージがあるのに、速攻で極めることができたらインパクトも大きいですかね(笑)」

――アハハハ、それはインパクトが大きいと思います。

「でも私はストライカーでいたいです。オールラウンダーを目指したいけど、その中でもストライカーにこだわりたい。もちろん打撃としてパウンドで倒すことも想定はしていて。あと今回は3R制で、ヒジありだし楽しみですよ」

――前回の試合ではファン獲得だけでなく、ヒジありの試合もアピールしていました。それだけヒジ打ちに自信を持っているということですか。

「自信もあるし、やってみたいんですよ。やっぱりヒジありの試合は迫力があるじゃないですか。タイでは全然ヒジの練習はしていなかったけど、HEARTSでは皆さん、ヒジ打ちをガンガン練習していて、しかもレベルも高いから『やっぱりヒジありをやりたい!』と思いました(笑)。今回は3Rだけど、1秒も相手に与えるつもりはないので。ずっと私のターンで、勝たせていただきます」

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【NEXUS36】岸野”JUSTICE”紘樹を相手に防衛戦、横山武司「復帰戦は簡単じゃないなと思ってます」

【写真】この11カ月をしっかりと話してくれました (C)TAKUMI NAKAMURA

25日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われるFighting NEXUS 36にて、フェザー級王者の横山武司が初防衛戦で岸野”JUSTICE”紘樹と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

横山は2022年11月にNEXUSフェザー級王者となり、2023年からRIZINに参戦。9月の摩嶋一整戦でプロ初黒星を喫すると、摩嶋戦後の練習中に網膜剥離の怪我を負い、長期欠場を余儀なくされた。初めての負けのショックと選手生命を左右する怪我が重なり、MMAからの撤退も脳裏によぎったが、大晦日のRIZINを見て復帰を決意。NEXUS山田峻平代表から防衛戦の提案を受けて、約11カ月ぶりの復帰戦が決まった。今回のインタビューでは復帰を決断するまでの道のり、そしてこれからのMMAファイターとしての目標を訊いた。


――昨年9月、RIZIN44での摩嶋一整戦以来、約11カ月ぶりの試合となりました。摩嶋戦後に目の負傷で長期欠場を余儀なくされたと聞いています。

「そうなんですよ。摩嶋戦の後に網膜剥離になっちゃって。もともと小さい頃から目が悪くて、レーシックもやっていて、角膜そのものが薄かったらしいんです。医者からは何かきっかけがあってなるもんじゃないから、蓄積されたダメージだとは言われたんですけど、練習のときにがっつりアイポークをもらったあとなんで、それで(網膜剥離になった)かなと思います」

――例えば摩嶋戦の前に違和感があったりはしたのでしょうか。

「いや、全然なかったです。摩嶋戦の練習でアイポークがあったところから目の調子がおかしくて、1週間後ぐらいに完全に目が見えなくなって、びっくりしました。いきなり朝起きたら目が見えなくったんで」

――具体的にはどういう状況だったのですか。

「アイポークがあってしばらくはちょっと目がかすむなって感じだったんですよ。それで1週間ぐらい経ったときに嫌な夢を見て、びっくりして起きたら目が見えなくなってたんです。目のレンズの一部、25パーセントぐらいが真っ暗みたいな感じで。で、その真っ暗な部分が時間が経つにつれて大きくなってきて、これは絶対にやばいやつだと思ってすぐ病院に行きました」

――自然治癒じゃ無理だと判断して病院に行った、と。

「はい。最初に診察を受けた病院で網膜剥離と診断されて、すぐ大学病院に行って手術をしてもらいました。本来は1週間ぐらいで退院できるそうなんですけど、他の場所でも剥離しているのが見つかって。その箇所の手術が結構大がかりなものだったので大変でしたね。結局1カ月ほど入院して、運動してもOKになったのが半年後くらいでした」

――選手生命を左右する怪我だったと思うのですが、何か格闘技に対する向き合い方は変わりましたか。

「実は目が見えなくて入院した日に、嫁の妊娠が発覚して。嫁は産婦人科に行って、僕は眼科に入院して──みたいな感じだったんです。だから最初は総合なんてやってる場合じゃないと思いました。言うても僕が総合を始めたのは2年ぐらい前だし、死ぬまで続けるとは思ってなかったから、こんな怪我をしてしまって、子供も生まれてくるんだったら総合はこれで辞めようと。

でもそれは怪我で気分が落ちていて、摩嶋戦で負けてヘコんでいたのが大きかったと思います。それで退院して、退院してもすぐは体は動かせなかったから、年内はずっと家で安静にしつつ、大晦日のRIZINを見に行ったんですよ。そこでイゴール(・タナベ)とか仲間の試合を見ていたら『やっぱりこれ(MMA)やりたい!』と思いましたね」

――仲間たちの活躍がきっかけだったんですね。年明けから練習は再開できたのですか。

「振動を与えるのもダメだったんで、年が明けてもなかなか運動の許可が下りなくて。2月~3月ぐらいからようやく動き始めて、っていう感じですね」

――ジムの指導も休んでいたのですか。

「指導は年明けから始めたんですけど、スパーリングとかはやれなかったですし、本当にゆっくり徐々に…ですね。僕って4歳からずっと格闘技漬けの人生を送っていて、半年間ぐらい練習を休んだのは初めてだったんです。だから体がなまっちゃって『休むとこんなに(動き・体力が)落ちるんだ』と思いました」

――「練習を1日休むと取り戻すのに3日かかる」という言葉もありますが、そういった感覚ですか。

「そんな感じですね。本当にそうなるんだって。だから復帰戦は簡単じゃないなと思ってますし、しっかり作り上げていかないといけないんだなっていう感じですね」

――もちろん辛い時期だったと思いますが、休んだからこそ気づけたものもありますか。

「まず怪我はない方がいいです、それは間違いない。怪我とはちょっと関係なくなるけど、摩嶋戦で負けたことが、結構自分にとって大きかったなとは思ってます。自分はデビューから5連勝して、1回も負けてなかった。だから変な話、試合すれば勝てると思っていたんですよ。

それで摩嶋選手に負けたことで、勝つことがどれだけ嬉しいか分かったし、すぐ試合をして次は勝ちたいと思いました」

――試合で負けると次に試合で勝つまでは記憶は負けのままじゃないですか。

「本当にそうなんですよ。そうなると自分が弱いんじゃないかと思っちゃって、自分が強いという自信がなくなっちゃうんです。次の試合は勝てるかな?みたいな感じで。そのくらい摩嶋戦の負けはショックでした」

――改めて摩嶋戦の試合を振り返っていただけますか。

「あれは結構パニクった試合なんですよ。僕がしょっぱなに飛びヒザにいったところにパンチ合わされて、ガードを取ったところから15分くらい記憶ないんです」

――ファーストコンタクトでほぼ試合が終わったような感覚ですか。

「ほぼほぼ終わりましたね(苦笑)。あれから寝技の展開になったんですけど、そこからもう超パニックで。大舞台に飲まれたのかもしれないし、パンチが効いたのかもしれないし。摩嶋選手が強くて、どうしようどうしようとなって動けなくなったのもあると思います。

だからあの試合は自分の中では本当にバッドで。試合のことも覚えてないから、試合後の1週間ぐらいは自分に何が起きたのか分からなくて。記憶がないから試合を見返すのも怖かった。あれはもう本当なんか悪夢として終わってますね、自分の中で」

――僕もあの時は試合会場で取材していて、横山選手がインタビュースペースに来たときの様子がすごく淡々としていた印象があって。あれは試合の記憶がないから話ができなかったんですね。

「本当そうですね。あと試合で負けると、めっちゃハイになるんですよ。周りの選手を見ていて思うのが、負けると敗因や言い訳をすごい探すというか。自分が負けを経験して、試合で負けた後の選手のSNSを見たりすると、めっちゃハイになってるんですよね。

すごく長文を書いてみたり、やっぱり負けると様子がおかしい。負けを受け入れて悔しいですと言える選手の方が少ないと思います。当時は嫁と2人暮らしだったんですけど、僕の様子がおかしくても、奥さんも励まし方が分からない。嫁もショックを受けちゃって、状態が良くなかったんです。だからもうあんな思いは二度としたくないです」

――なるほど。家族としても負けを経験しないから、奥さんもどう接していいか分からなかったんですね。

「試合に出れば勝ってたわけだから、今回もそうなるだろうと思っていたら、そうじゃなかったわけですからね。嫁も初めての負けだったから、本当に何を言えばいいのかわかってなかったと思うし。いやぁ悲惨でしたね。自分はいつもポジティブで、いつでも明るい性格なんですけど、試合後の1週間はホントにひどかったです」

――そういった時期を経て、今回の復帰戦ですが、ある程度は夏に復帰する目途を立てていたのですか。

「いや、そういうわけじゃないです。ちょうど練習を再開するかどうかのタイミングでNEXUSの山田(峻平)代表と会う機会があって。最初山田さんは『目がそういう状態だと(MMAを)続けるのは難しいよね?』という感じだったんですよ。

それで『俺、やっぱやりたいっす』と気持ちを伝えたら『それだったら8月のネクサスで防衛戦をやってみない?』と提案してくれて。そこから徐々に練習がスタートしていった感じです」

――そのときに山田代表と話をして、一つ具体的な目標が出来たことが大きかったようですね。

「はい。そこで具体的にまた(MMAを)やる方向に行きましたね。いきなりRIZINで復帰もなしではなかったんですけど、それはちょっとハードルが高くて。自分はまだ総合を始めて2年半ぐらいだし、最初に声をかけてもらったNEXUSで、タイトルを取ってから1年9カ月ぐらいNEXUSには出てないから、ここで防衛戦をやってまた頑張ろうっていう感じですね」

――今はどんなことを意識して練習を続けていますか。

「復帰戦は楽じゃないので、何か新しいことをやったり、できることを増やしていく練習が一番いいんですけど、今はもうコンディションを戻すことを一番に考えています。もちろん対戦相手の対策とか、試合の作戦に基づいた練習はしていますけど、まずはやっぱ自分のコンディションですね。

僕はMMA=コンディションが大切だと思っていて、MMAは一瞬の隙で勝負がつくじゃないですか。だからその一瞬でちゃんと動けるようなコンディションが必要だと思っています」

――確かにMMAは柔術と比べると攻防の瞬間瞬間にやることも多いし、判断も多いと思います。

「あとはすごく人に見られるわけじゃないですか、アマチュア競技と違って。だからその緊張感ですよね。数カ月前にも試合していて、そこで勝って『フォー!』となっていれば、そのテンションで次の試合にも出るんですけど、今回は試合そのものが久しぶりだし、しかも直前の試合で負けている。

色んな嫌なことを経験したから、今は一試合一試合が自分にとってすごく重い。だから総合の試合では過去一で緊張してるかもしれないです」

――改めて横山選手は柔術とMMA、それぞれどこに戦う楽しさや喜びを感じていますか。

「自分の人生はずっと柔術をやってきて、家族でやっている柔術ジムが自分の生活の基盤になっています。今のジムは父が代表で、父と兄と僕の3人がインストラクターなんですけど、父は50歳でも黒帯の試合で優勝して。兄も30歳で全日本チャンピオンになった。父と兄で十分柔術の結果を出してるから、インストラクター3人のうち1人はMMAをやってもいいかなっていう。

父と兄がいなかったらずっと真面目に柔術だけやってると思うんですけど、今は柔術は父と兄に任せて、僕は総合にチャレンジする役じゃないけど、ジムの会員さんたちでも、RIZINとか総合が好きな人が多いから、そういう人たちにとってはジムの誰かが総合に出るほうがある意味盛り上がるっていうのもありますね。

あとはやっぱり本当に、シンプルに総合がずっと好きなんですよ。小さい頃からPRIDEとかDREAMを見て総合をやりたいと思っていたから、その頃の自分の夢を叶えるじゃないけど、あと2~3年間で総合をやりきって、また柔術だけの生活に戻りたいなと思っています」

――横山選手の中ではある程度MMAをやる期間を決めているんですね。

「MMAの練習ばっかりやっていると、どうしても純粋な柔術のレベルは落ちるんですよ。それはそれですごく自分的にはプレッシャーで、早く柔術に戻らないと、柔術に戻った時に苦労するのが分かっています。自分は柔術を死ぬまでやるつもりだし、逆に総合はマジでやって35歳ぐらいまでだと思ってるから、今は死ぬ気で総合をやりきって──ですね。

あとはやっぱお金ですね。家族もできたし、娘も生まれたし、家族で海外旅行とかそういう遊びにもいきたいので。ちょっと総合で稼ぎたいなとは思ってます」

――今回NEXUSでの防衛戦をクリアしたらて、その後はまたRIZINに出ていきたいですか。

「そうですね。僕はNEXUSデビューで、NEXUSでチャンピオンになったことでRIZINデビューできて。NEXUSがあったから今の自分がいると思っています。だからちゃんとNEXUSのチャンピオンとしての役目(防衛)を果たして、RIZINにチャレンジしたいです」

――今回は岸野選手の対策もされてると思いますが、一番は自分のパフォーマンスをちゃんと出し切ることですか。

「岸野選手は、打撃に特化した選手とか寝技に特化した選手というよりはオールラウンダーで、バランスの良い選手だから、本当に自分のパフォーマンスをいい状態に仕上げて、力が100%出せれば絶対に勝てるっていう自信があります。もちろん、相手の動画はちゃんと見ているし、油断はしてないです」

――横山選手自身も見ている側も、横山選手がRIZINのトップ戦線に絡んでいくことを期待していると思いますが、そこはどう考えていますか。

「自分はRIZINデビュー戦では勝てたんですけど(山本琢也に一本勝ち)、2戦目でやった摩嶋選手はRIZINの主要メンバーじゃないですか。だから摩嶋選手のような相手を倒して初めてRIZINファイターを名乗れるというか。RIZINに1~2回出たことがある選手じゃなくて、RIZINで何戦もしてる選手を倒さないと、自分をRIZINファイターとは言えない。日本で総合をやるからにはちゃんとRIZINファイターになることが大事だと思うので、まずはそこを目標にしています」

――胸を張ってRIZINファイターを名乗ることが当面の目標ですね。

「そうですね。摩嶋戦の時にどういう心境ですか?と聞かれて『これが公式なRIZINデビュー戦だと思ってます』と答えたんですよ。それで見事にやられたんで、RIZINファイターは強いなというか。これが日本のトップなんだなと感じました。でもしっかり練習していけば、そこら辺も倒せる自信はあるので、これからまた頑張っていきます!」

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第11試合/朝倉未来 vs. 平本蓮
第10試合/マニー・パッキャオ vs. 安保瑠輝也
第9試合/斎藤裕 vs. 久保優太
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第6試合/芦澤竜誠 vs. 皇治
第5試合/ジョン・ドッドソン vs. 征矢貴
第4試合/RENA vs. ケイト・ロータス
第3試合/鈴木博昭 vs. YA-MAN
第2試合/タイ・エマリー vs. チャリーサ・シガーラ
第1試合/新居すぐる vs. 摩嶋一整
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■超RIZIN3結果
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第11試合/朝倉未来 vs. 平本蓮
第10試合/マニー・パッキャオ vs. 安保瑠輝也
第9試合/斎藤裕 vs. 久保優太
第8試合/扇久保博正 vs. 神龍誠
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第1試合/新居すぐる vs. 摩嶋一整

総合格闘家・元谷友貴の活動を投稿しています。

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【元谷友貴】
石川県加賀市出身。アメリカン・トップチーム所属。
初代、第3代DEEPフライ級王者。
第7代DEEPバンタム級王者。DEEP2階級制覇王者。

■SNS(X/Instagram/ Threads)

https://www.instagram.com/yuki.motoya/

■大木良太SNS
https://x.com/0627_080?s=20
https://www.instagram.com/ohkiryota1/?hl=ja

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■DEEP
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#mma #元谷友貴 #格闘技

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45 MMA MMAPLANET o RIZIN SUPER RIZIN03   摩嶋一整 新居すぐる

【SUPER RIZIN03】摩嶋がTD&組み技の強さを発揮、新居をパームトゥパームで斬って落とす

<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
Def.2R3分9秒 by RNC
新居すぐる(日本)

サウスポーの摩嶋に対し、新居が右ストレートを見せる。摩嶋がシングルレッグに入って、右腕を差してコーナーに押し込む。新居はテイクダウンをディフェンスしながらボディにヒザ蹴り。これで新居がバランスを崩してしまい、摩嶋がその立ち際にバックにつく。

そのままテイクダウンした摩嶋は足を四の字ロックして、新居の動きに合わせてマウントへ移行する。摩嶋は新居の脇を差せて肩固めを狙いつつ、パンチも落とす。摩嶋は新居が半身になるとヒジを落とし、下からホールドする新居の頭をマットに叩きつけた。

2R、新居が右アッパーを2連発。摩嶋もシングルのフェイントからパンチを狙う。新居はここも右アッパーから入って右ストレートを伸す。摩嶋がシングルレッグで組もうとすると、新居はそれを切って右ストレート。摩嶋はそのまま前に出てダブルレッグから組みつき、右腕を差してロープに押し込む。ここは新居が距離を取る。

試合がスタンドに戻る摩嶋が左ストレート、左の前蹴りからシングルレッグに入る。このまま四つで組んで足をかけて後方にテイクダウンしてバックへ。摩嶋は新居の右腕ごと足を四の字クラッチしてRNCへ。最後はパームトゥパームの形で一本勝ちを収めた。

試合後、摩嶋は「大舞台に立てたのも仲間、家族、スポンサーのみなさんのおかげです。僕一人では立てない舞台に立たせてもらえたことを感謝しています。明日も現場仕事が あるので今日はこの辺で」とコメントした。


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【RIZIN】速報中!超RIZIN.3~朝倉未来×平本蓮~

IMG_0510
さてさてついに超RIZIN.3の日がやってきました。さいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンで開催されます。メインは朝倉未来×平本蓮。RIZIN初の5Rマッチにしてラウンドマストの判定がどう影響するのか。ついに因縁に終止符が打たれます。そしてついにやってくるマニー・パッキャオ。対戦相手が鈴木千裕から安保瑠輝也に代わりましたがボクシングレジェンドにとっては何の関係もないのか。安保が一矢報いるか。今宵はPPVで観戦しつつ電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださませ。


【第1試合 MMA フェザー級】
×新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)
(2R チョーク)
○摩嶋一整(毛利道場)
1R、じわじわと前に出る摩嶋。一気に組み付いてコーナーに押し込む。しかし新居はボディに膝。しかし勢い余って転倒。すかさず摩嶋はバックに周ってグラウンドに引きずり込む。足を4の字にロックしてバックをキープ。さらに摩嶋はマウントに移行。じわじわと肩固めを狙う。しかし新居はしっかり組み付いてディフェンス。終了間際には摩嶋は肘とパウンドで削ってラウンドを終えた。
2R、新居は右ストレート、アッパーを単発ながら出し始める。嫌がった摩嶋はタックル。一度は切られたがドライブして組み付くとコーナーに押し込む。だが新居は突き放す。しかし摩嶋は再びタックル。組み付いて足を掛けるとテイクダウンに成功。バックチョークを仕掛ける。じわじわと絞め上げると新居はタップ!摩嶋が一本勝ちです!


【第2試合 BKFCベアナックルルール 女子フライ級】
○タイ・エマリー(オーストラリア)
(1R KO)
×チャリーサ・シガーラ(米国/ミレニアMMA)
1R、開始直後から至近距離での打ち合い。組み付いてのダーティーボクシング。身体が離れて打ち合いにあるとパンチの交差からエマリーのフックがヒット。シガーラはダウン。すぐに立ち上がったが鼻を抑える仕草。なんと鼻が折れているか。そのままダウンカウントが進みストップ!エマリーが衝撃のKO勝ち!


【第3試合 MMA フェザー級】
×鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)
(1R KO)
○YA-MAN(TARGET SHIBUYA)
1R、開始直後から強めの打撃を交差させる両者。一触即発の展開。そこから鈴木がタックルでテイクダウン。しかしYA-MANはロープを背にして立ち上がる。差し合いになるとYA-MANはボディに膝を入れて身体が離れる。スタンドに戻ると激しい打撃の交差から鈴木がタックル。しかしYA-MANはこれを切ってスタンドの状態。YA-MANはボディ、アッパーを的確に入れて攻勢。鈴木も肘や前蹴りを打ち返すが口を開けてスタミナ切れか。するとYA-MANが右→左とフックをヒットさせると鈴木は前のめりでダウン。レフェリーが試合を止めた!YA-MANが圧勝です!


【第4試合 MMA 女子スーパーアトム級】
○RENA(シーザージム)
(2R TKO)
×ケイト・ロータス(フリー)
1R、徐々にプレスを掛けるのはRENA。手数は決して多くないが要所要所でパンチを打ち込んで前に出る。しかしケイトも臆せず打ち返す試合展開。タックルに1度の行かずにRENAを相手に打撃戦に応じる。有利の思われていたRENAだが決定打を与えられないままラウンドを終えた。
2R、RENAが一気にアクセルを踏む。積極的に間合いを詰めてパンチ、蹴りを打ち込むと何度もコーナーケイトを追い込む。動きが止まったところにボディに左右のフック、肘、膝を打ち込んで攻勢。それでもケイトは何度も組み付いたり、突き放してその度に脱出。しかしRENAのプレスをは強い。コーナーに追い込むと左右の連打。ボディを打ち込む。ケイトはダウンせず立ち続けるが見かねたレフェリーが試合を止めた!RENAが快勝です!
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【SUPER RIZIN03】計量終了 握手も一触即発も3試合。フィリピンではパッキャオの試合が300円PPV

【写真】所に対する、ヒロヤのリスペクトが感じられた (C)MMAPLANET

明日28日(日)に、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催される超RIZIN03の公開計量が、27日(土)に会場非公開で実施された。
Text by Manabu Takashima

メディアとファンクラブ当選者に限定公開された公開セレモニアル計量は、選手のアクションに対するファンの反応が非常に良く既に大きな盛り上げりを見せていた。

そんななかMMA、ベアナックル戦、スタンディングバウトに出場する22選手全員が計量をクリアし、フェイスオフが行われた。ところでフェイスオフ前後で握手を交わしたのは、わずかに3試合のみ。MMAに限ると8試合中、健闘を誓い合ったのは所英男とヒロヤの2人だけだった。

彼ら以外の握手組はマニー・パッキャオ&安保瑠輝也、ジョン・ドッドソンと征矢貴というボクシングとベアナックルファイト出場選手達で、同様にベアナックルで戦うタイ・エマリーはチャリーサ・シガーラに対し、手を合わせて丁寧に挨拶を行っていた。

意外だったのは斎藤裕と久保優太が握手をしなかったことか。

両者の普段の言動を前提とすると掌を合わせるかと思われたが、第7試合以降はフェイスオフ後にマイクでコメントという流れだったために、一旦取った距離を戻すことが難しい空気にはなっていた。


対して握手でなくても体が触れる──もしくは触れそうな一触即発の状況に陥ったのも3試合。鈴木博昭が一気に距離を詰めると、YA-MANに額を押しつけ不敵な笑みを見せた。

手を伸ばしたのは、やはり芦澤竜誠と皇治だった。ただし、5月の会見時のように殴り合いに発展することはなく、ばかりか芦澤が最前列で見学をしていたライアン・ガルシアを指さし、これに反応した皇治がガルシアを挑発するという出来上がり具合だった。

ショーアップを超越してピリピリしていたのは、扇久保博正と神龍誠だった。握手をしづらい距離となっていたにも関わらず、マイクで互いに「殺してやる」と言葉を吐くと、指をさして詰め寄るというシーンが見られた。

体が触れることはなかったが、やはり最高の緊張感が感じられたのはメインで戦う朝倉未来と平本蓮だった。その平本、会場を後にする際に目が合うと「これまでと全く違いますよ」と仕上がり具合に自信をのぞかせていた。

打撃もそうだが、グラップリングに関して打ち合うこと前提の組みを取り入れて、より総合力が上がっているという話も聞かれる。結果、打撃に関しても、より威力を増した一撃を入れることができるようになったというが──果たして……。

今回の計量はフィリピンから多くのメディアが取材をしていたのも印象深い。もちろん、パッキャオが目当ての彼らは「MMAに興味はない。マニーの取材のためにだけに日本に来た」と言い切っていたが、懸命にIZINガールを撮影していたのはご愛敬だ。

そんなフィリピンのメディアに、どのようにしてフィリピンのファンが今大会をチェックできるのかを尋ねると、日本円で300円ほどのPPVで、携帯で視聴できるということ。ただし、それもイベント全体でなくパッキャオ×安保の1試合のみということだった。

■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■ SUPER RIZIN03計量結果

<フェザー級/5分5R>
朝倉未来:65.9キロ
平本蓮:66.0キロ

<スタンディングバウト特別ルール69キロ契約/3分3R>
マニー・パッキャオ:68.05キロ
安保瑠輝也:68.75キロ

<フェザー級/5分3R>
斎藤裕:66.0キロ
久保優太:65.95キロ

<フライ級/5分3R>
扇久保博正:56.95キロ
神龍誠:56.95キロ

<59キロ契約/5分3R>
所英男:58.9キロ
ヒロヤ:59.0キロ

<バンタム級/5分3R>
芦澤竜誠:61.0キロ
皇治:60.85キロ

<BKFCフライ級(57.2キロ)/2分5R>
ジョン・ドッドソン:57.2キロ
征矢貴:57.2キロ

<女子スーパーアトム級/5分3R>
RENA:48.9キロ
ケイト・ロータス:48.65キロ

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭:65.9キロ
YA-MAN:65.95キロ

<BKFCフライ級(57.2キロ)/2分5R>
タイ・エマリー:54.1キロ
チャリーサ・シガーラ:53.9キロ

<フェザー級/5分3R>
新居すぐる:65.6キロ
摩嶋一整:65.8キロ

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【RIZIN】RIZINウエハース’24発売決定!

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昨年末、RIZINファンの間で話題沸騰したRIZINウエハース。「どこを探しても売っていない」「どこに売ってるの?」という悲痛な声がSNSで飛び交っていた頃が懐かしい。私もカードコーナーや食玩コーナーを覗くクセがつきましたもん。

そんな、はぐれメタルばりに希少価値の高かったRIZINウエハースの第二弾「RIZINウエハース’24」の発売が発表されました。ウエハースに同封されるRIZINカードのラインナップは次の通りです。

朝倉未来(SR)
芦澤竜誠
安保瑠輝也
伊澤星花(R)
伊藤裕樹
井上直樹
上田幹雄
宇佐美正パトリック
扇久保博正
太田忍
キム・スーチョル
久保優太
くるみ(R)
クレベル・コイケ
皇治
斎藤裕(R)
榊原信行(R)
篠塚辰樹
神龍誠
ジョニー・ケース
鈴木千裕(R)
鈴木博昭
萩原京平(R)
平本蓮(SR)
ヒロヤ
フアン・アーチュレッタ
“ブラックパンサー”ベイノア
ホベルト・サトシ・ソウザ(R)
堀江圭功
摩嶋一整
矢地祐介
YA-MAN
ルイス・グスタボ
RENA
シークレット1
シークレット2

SRの2種、Rの7種は選手のサインをデザインにあしらった光り輝くホロカードだそうです。今回もRIZINのレギュラーメンバーに加えて、くるみに榊原CEOという遊びの要素を残してちょうどいい塩梅。いぶし銀好きな私としては金原正徳、佐藤将光辺りがほしかったのですが、これは次回に期待しますか。
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そしてUFC参戦が確定している朝倉海の名前がないのはもちろん、現役のRIZINフライ級チャンピオン堀口恭司の名前がないのもちょっと寂しい。これも旅立ちの前触れか。。。何はともあれ発売は12月。もうあの無い無い尽くしを味わいたくない方は予約マストでお願いします。
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【SUPER RIZIN03】摩嶋一整戦へ、大晦日以来の新居すぐる「強くて有名になる。それが出来る舞台と相手」

【写真】ヴィジョンを持ち、目標を達成するための手段をしっかりと選ぶことができているイメージだ(C)TAKUMI NAKAMURA

28日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN03で、新居すぐるが摩嶋一整と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年は3戦3勝、パンクラスでの王座獲得や大晦日RIZINでの勝利など、大活躍の1年となった新居。怪我の影響で試合から遠ざかることになったが、超RIZINでは摩嶋とのフェザー級屈指の──タイプが違う──グラップラー対決が決まった。

2025年のRIZIN王座奪取というゴールへ向けて、新居は「7月に摩嶋選手に勝って、大晦日に外国人選手に勝って、自分の強さを認めてもらう」という青写真を描いている。


――昨年大晦日の弥益ドミネーター聡志戦以来の試合が決まりました。右拳の怪我もあって試合間隔が空く形になりましたが、年明け以降はどう過ごしていたのですか(※取材は5日に行われた)。

「最後に殴った右拳とカーフを蹴られた左ヒザを怪我してしまって、医者からは全治2~3カ月と言われていたんです。ただ再発するのが嫌だったので5カ月ほど空けて、本格的な練習を再開したのは比較的最近ですね」

――改めて弥益戦を振り返っていただけますか。

「僕は前足重心でカットしないスタイルなので、飯田健夫戦もそうなんですけど、ローとかカーフを蹴られやすいんですね。だから絶対にドミネーター選手もカーフは蹴ってくるだろうなと思っていました。ただ僕がカーフを蹴られて何発かパンチを返した時に、いつものドミネーター選手だったらカウンターでパンチを打ち返してくるんですけど、それがなかったんですね。だから相当僕のパンチを警戒しているんだなと思ったし、それで最後は一発合わせることができました。だから展開的に想定外だったことはないです」

――カーフを蹴られる前提でパンチを合わせる練習をしていたんですね。

「唯一びっくりしたのはカーフが痛すぎたことですね(苦笑)。飯田戦はローキック気味だったんで、そこまで効かなかったんですけど、カーフは2~3発で効きました」
――前足を効かされたことで、パンチの踏み込みに不安はなかったですか。

「自分もそういうイメージだったんですけど、遠心力を使ってパンチをぶん回せば倒せるんだなと。あとはMMAグローブの形状的に、例えばパンクラスのMMAグローブはかなり薄いので高木(凌)選手みたいにキレがあるパンチをピンポイントで当てないと倒すのが難しいのですが、RIZINグローブは拳のところが少し厚い作りなので僕みたいなぶん回し系でも効かせられるんですよね。そこがあの試合では出たかなと思います」

――打撃のパーソナルトレーニングの成果が出ましたか。

「僕、去年は一回も打撃のガチスパーはやってないんですよ。ダメージが残るのが嫌だから、打撃はマススパーしかやらないようにしていて。で、打撃をコツコツ当てて削るタイプじゃないから、一発を当てるための練習だけをやっていたんです。それが試合で出たと思うし、どれだけ劣勢になっても一発で倒す練習をしているからビビることはないです」

――新居選手の良い部分を伸ばすような指導なのですね。

「打撃を教わるときに、他の選手も参加するクラスに出ると『基本はこうだから、こういうことをやってください』という指導だと思うんですけど、今のトレーナーは僕が弱点だと思っていたところ・ここを直さなきゃいけないと思っていたところを良さに変えてくれるような教え方をしてくれるんです。僕を否定することがなくて、僕のこうしたいですというリクエストも受けて、そのための指導をやってくれるのでやりやすいですね」

――MMAPLANETでは昨年9月にパンクラスでベルトを獲ったあとにインタビューさせてもらい、その時に新居選手は年末のRIZIN出ることが目標だと話していました。その目標も実現して、練習の成果を出して勝つことができた。まさにこの1年間でやってきたことが形になった大晦日でしたよね。

「そうですね。僕は一昨年に練習環境をがらりと変えて、ちょうど1年くらい経ったタイミングで、去年は試合を続けていたんですね。それで去年は3戦3勝という結果を残せて、これから改良することもあると思いますが、今自分がやっている練習方法が間違っていないなと思えることが出来ました」

――前回のインタビューでも話されていましたが、新居選手は各ジャンルでパーソナルトレーナーをつけて練習するという形を取っていますよね。

「しかもそれぞれのトレーナーさんたちの連携が取れているというか、みんなでコミュニケーションが取れる関係なので、それぞれの練習状況が共有できているんですね。だからトレーナーは個別にいるけど、一つのチームとして取り組んでいることが出来ると思います」

――勝つために必要な環境を自分で整えている、と。

「前回のインタビューでも話した通り、本当に僕は毎日遊んでいるから(笑)、他の選手に迷惑をかけられないじゃないですか。それで各分野の専門家からパーソナルトレーニングを受けているんですけど、みなさん僕がどういうスタイルなのかを理解してくれているんですよね。

普段の生活も含めて。それは応援してくれる方たちも同じで、僕ってSNSでも遊んでいるところをバンバン公開するじゃないですか。普通は『もっと真面目に練習しろ!』と思われるかもしれませんが、これが僕のスタイルだし、それをみんな分かってくれているんですよね。実際に結果を残すことが出来ているし、今は自由に自分がやりたいことをやらせてもらっています」

――ただそういう状況で、怪我で試合ができなかったことはストレスにはならなかったですか。

「でも怪我でもしないと休めないので。僕、去年は3試合やったんですけど、6月から12月までで3試合やっているんですね。だからドミネーター戦が終わったらゆっくりしようと思っていたので、ちょうどよかったですね。この5カ月間は遊びまくって、また格闘技をやりたいという気持ちになってきたので、いい時間でした」

――5月にカンボジアで行われたチャリティ関連のイベントでグラップリングの試合に出場されましたが、あれはどういった経緯で決まったのですか。

「もともと僕は毎年茨城のTEAM STが主催しているイベントに参加していて、それはイベント収益の全額を茨城の児童施設に寄付するという趣旨のものなんですね。そのスタッフとカンボジアの方がつながっていて、カンボジアで開催するイベントに参加しませんか?という話をいただきました。だからあのイベントもカンボジアの児童施設の子供たちを招待して試合を見せて、試合で使ったリングを寄付するというイベントだったんです。

カンボジアは格闘技イコール打撃・立ち技らしく、グラップリングの試合は珍しかったらしく、控室で他の選手たちに『なんでお前はグローブもバンテージも巻かないんだ?』と驚かれました(笑)。見に来てくれた子供たちはすごく喜んでくれて。色んな刺激を受けました」

――そして超RIZIN3での摩嶋一整戦が決定しました。超RIZINには出場したいと思っていましたか。

「はい。ずっと今年の超RIZINには出たいと思っていて(朝倉)未来君と平本(蓮)選手の試合はタイトルマッチよりも注目されて、本当にたくさんの人が見る大会だと思うんですよ。しかも会場もさいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンで、日本でMMAをやっている選手だったら誰もが出たい舞台だと思うので、試合が決まった時はうれしかったです」

――対戦相手が摩嶋選手に決まったことはどう捉えていますか。

「僕の希望としては外国人選手と戦いたかったんですよ。今RIZINで日本人選手が外国人選手になかなか勝てない状況があって、そこで日本人同士で潰し合うよりも、日本人みんなで外国人選手に立ち向かっていきたくて、それこそ僕と摩嶋選手で外国人選手と戦うのもいいかなと思っていました。

ただマッチメイクは主催者が決めるものだし、僕と摩嶋選手の試合を見たいという声も多かったので、望まれる試合であればそれをやってから、VS外国人をアピールしたいと思います」

――摩嶋選手のファイトスタイルはどう見ていますか。

「めっちゃ苦手なタイプです(苦笑)。RIZINの戦績は負け越していますけど、対戦相手はほとんどチャンピオンクラスだし、試合に負けても評価が落ちていない選手だと思うので、大晦日と同じようにフィニッシュして勝って、自分の強さをアピールしたいです。僕は来年RIZINのベルトを巻きたいと思っているので、絶対にここは落とせないですね」

――ただ勝つだけじゃなくてフィニッシュしたいですか。

「自然にそうなると思います。僕も摩嶋選手もスタミナがないから、3Rまでいったらグダグダの試合になる気がします(笑)。だから2Rまでには終わらせたいです。というか僕は2Rすら延長戦みたいなものだと思っているんですよ」

――発想が5分1本勝負なのですね。1R=本戦、2R=延長戦、3R=再延長のような感覚で。

「そうです。だから再延長なんて絶対に嫌です(笑)」

――昨年はパンクラスのベルトを獲って、大晦日RIZINに出るという目標があり、それを達成しました。今の新居選手の目標を教えてください。

「僕としては7月に摩嶋選手に勝って、大晦日に外国人選手に勝って、自分の強さを認めてもらって、来年RIZINのベルトを巻きたいです。あとはベルトとは別の部分でクレベル・コイケ選手とは戦いたいと思っています」

――クレベル戦と戦い理由とは?

「純粋にどれだけ寝技が強いのかを体感したいし、クレベル選手って絶対にタップしなさそうじゃないですか。そういう相手を絞め落とすか関節を壊すかすれば、会場がめちゃくちゃ盛り上がると思うんですよね。そういう意味でやってみたいです。ちなみに僕がもしクレベル選手にがっちり三角を極められたら必ずタップします(笑)」

――その目標のために新しく取り入れたい練習はありますか。

「去年のパンクラスのタイトルマッチ前からなんですけど、安楽(龍馬)にレスリングを教わっているので、そこを継続して強化していきたいですし、外国人選手とやるにはパワーをつける必要があるのでフィジカルトレーニングも再開しました。ここ2年くらいは(日本人相手に)パワー負けすることがなかったのでフィジカルはやらなくてもいいと思ったんですけど、外国人選手に勝つためには絶対に(フィジカル強化は)必要ですね。筋力をつけるトレーニング、格闘技的なトレーニング、それぞれパーソナルトレーナーに見てもらっています」

――前回インタビューしたときにも思ったのですが、新居選手は明確にゴールや目標を決めて、そこから逆算して自分が何をすべきかを考える。そのためには投資を惜しまない。そんなタイプですよね。

「ああ…確かにそうかもしれないです。例えば僕は一週間練習したら日曜日にそれをおさらい・復習して、月曜日からの練習内容を考えるんですね。それでそれぞれのトレーナーさんに連絡を取るので、ただ目的なく練習するということがないかもしれないです。どの練習も一つ一つ全部に目的がある感じです」

――超RIZINという大舞台でどのような自分を見せたいですか。

「今回はチケットも売れ方も半端なかったし、新居すぐるの強さを認めてもらって有名になりたいです。ただ強いだけでもダメだし、知名度だけ選考していてもダメだし、強くて有名になる。それが出来る舞台が超RIZINであり、摩嶋選手という相手だと思うので、ここから人生を変えたいです」

■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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NEXUS o RIZIN ジェイク・ウィルキンス 小倉卓也 山本琢也 山本空良 摩嶋一整 村井和道 横山武司 河村泰博

【Fighting NEXUS】横山武司復活!岸野”JUSTICE”紘樹と対戦!

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8月25日にニューピアホールで開催されるFighting NEXUS vol.36。河村泰博(和術慧舟會AKZA)×小倉卓也(スカーフィスト)のバンタム級タイトルマッチをプッシュしたばかりですが、さらなる豪華カードが追加発表されました。フェザー級チャンピオン横山武司(Swells柔術ジム)が岸野"JUSTICE"紘樹(トイカツ道場)とのタイトルマッチに臨みます。

横山は全日本柔術選手権アダルト黒帯フェザー級で優勝したグラップラー。Fighting NEXUSでプロデビューすると寝技を武器に3連勝。わずか3試合目でRIZIN常連だった山本空良を判定で下してフェザー級チャンピオンを戴冠しました。

その後はRIZINに参戦すると契約体重オーバーの山本琢也から腕十字で一本勝ち。次戦の摩嶋一整との重厚なグラップリング対決には敗れ、その後に網膜剥離の手術を受けたものの、プロ戦績は5勝1敗(4試合が一本勝ち)で27歳と伸びしろ充分。強気な性格と引き出しの多い寝技を武器に改めてブレイクしても不思議ではありません。

対する岸本はFighting NEXUSライト級チャンピオン。ジェイク・ウィルキンスを下して王座を戴冠すると、今年になって1階級下のフェザー級に挑戦。2月には4連勝中だった村井和道に判定で競り勝ってタイトル挑戦権を獲得しました。

派手さはありませんが、立っても寝ても安定感があって、グラウンドで上をキープも出来る選手。横山の仕掛けを封じ込めてドロドロの競り合いに持ち込めば、フィジカルにモノを言わせて競り勝つ可能性も充分。河村×小倉とのダブルメインだけでも観戦する価値アリ。見逃せません。