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お蔵入り厳禁【Shooto】修斗世界フライ級王者、福田龍彌─02─「格闘技の本質は住む場所で左右されない」

【写真】(C)SUSUMU NAGAO/SUSTAIN

格闘技を始めたきっかけは、中学1年生のときに父親に本場タイのムエタイのジムに置き去りにされたという衝撃の告白があった──修斗世界フライ級チャンピオン福田龍彌インタビュー後編。

MMAの道を選び、修斗のオフィシャルジム=ピュアブレッド京都(※現在は中心選手がMIBUROで活動中)に入門、修斗の頂点に立つまでになった福田だが、その想いは複雑だ。

実力、結果で証明することで、様々な外的要素を吹き飛ばそうとするチャンピンの声をお届けしたい。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


──驚愕のムエタイ留学から自主練習だけで、打撃が修斗のジムで通用したのですね!! そもそも改めて修斗のジムに入会しようと思ったのはなぜですか。

「打ち込めるモノを探していたというのはありました。MMAがしたかったです。RIRDEは見ていて面白かったですし」

──そしてプロ修斗デビューは2012年。もうすぐ10年選手です。

「ピュアブレッド京都は修斗が正義──みたいなジムでしたからね。あの時代は、そうですよね。修斗でプロライセンスが取れたら、ホンマの意味でプロやって。

僕も19歳の時にプロ昇格は貰えたのですが、ジムの方針でもう1年アマチュアをやることになって。ジムでOKが出なかったです。もう1年、地方選手権からやりなおして全日本で結果を出してからプロやって。

ジムの選手もPower Gateとか、Demolition、Rising Onでも出ていたのですが、ジム内でプロ選手といえば修斗のプロライセンスを持っている人間という認識でした」

──私などは個人的にはPower Gateの6角形リング&パウンド無し、そしてケージを用いたRising Onなど興味深かったです。

「きっと他で戦うのは、修斗でやっていけているからこそっていう部分はあったと思います。修斗以外はプロとして認めていないという空気はありました。

ただ僕は試合が出来たら、どこでもという感覚は当時からあったかもしれないです。さすがに地下格は出んでおこうというのは思っていましたけど。

京都って地下格の方が盛んで、ナンボでも試合ができて。アイツら、ずっと試合しとんなぁ。俺ももっと試合したいなぁというのは……ありましたね」

──それでも2014年ぐらいまでは、順調に試合をこなしていました。

「新人王の決勝戦で征矢(貴)君に負けて、次に呑谷(尚平※故人)さんと戦って、それからオニボウズ、そしてVTJで鈴木隼人と試合をして負けて」

──呑谷選手の最期の試合ですね……。2014年までは着実に戦績を積み重ねていました。鈴木隼人選手とも試合をしていたのですね……。すみません、記憶に残っていなかったです。

「猿田も僕のあとにやって、負けているんですよね。僕も負けたけど、上も取れたし2Rは取ったんちゃうんかな。自分のなかでは……なにかと色々とできてまうから、ムエタイっぽいことはしぃへんまま、一からやり直した感覚でやっていました。

そこからヒザのケガをして、ホンマに純粋にケガで2年間ブランクがあったんです。だから今となっては、プロデビューから8年経ったけど、試合数は少ないですよね。だから、もっと試合に出たいんです」

──東京に出た方がチャンスが広がるという風に考えることはなかったでしょうか。

「う~ん、格闘技の本質は住む場所で左右されない──試合機会が選択されるもんじゃないと思っています。強くて結果を出していれば、どこに住んでいようが使ってくれる、と。そういうモノが正義、それが僕がジムに入ってから教わってきた修斗でした。試合に出て、結果を出すと上にいける実力社会やと。

礼儀という部分も言われてきましたし、だからSNSで試合を煽るとか、そういうことは僕も好きじゃない。そういう風に戦ってきたつもりです。でも、それやとプロじゃないのか、試合数は増えなかったですね。だから与えられた試合で、結果を残すしかない」

──そして結果を残し、ベルトを巻いた。サステイン的にはストーリーラインとして、平良選手にもう一度スポットを当てて福田選手への挑戦を煽りたいということなのか……。それでも、福田選手からすると暫定王者になって、正規王者との試合ができないまま時間がすぎ、平良選手は11月に続き、3月も試合があるとなると、心中穏やかではないですね。

「……。平良選手、試合があるんですねぇ……。僕的には次は6月の大阪やと思っています。もう28歳やし、年に4試合は戦いたくて……コロナもあって、いろいろと状況は変わってきていますけど……修斗だと年に1回か2回しか、試合ができないので。で、DEEPに出たんですけど……」

──サステインとすればDEEPに出て安谷屋智弘選手に敗れたのは、使い辛い要因になったことは想像に難くないです。

「そうなりますよね……。でも、やっぱり試合はしたいですからね。偉そうなことをいうつもりはないけど、1回こけたことで見放す……そういうこともあるでしょうけど、自分のなかでは負けたつもりもないし。

お題を持って戦うことで、『これで戦える』ということが分かり、吉朗さんとの試合に生かすことができました」

──正規王者になったばかりですが、他に機会があればということは考えてしまうのではないでしょうか。

「どっかわけの分からん海外の大会から声が掛かればやりたいです。とにかく試合がしたい。時間は有限なので……」

──現状、日本全体のフライ級で自分のランクはどれぐらいだと認識していますか。

「う~ん、やったことがないので、やれると面白いなとしか言えないですよね。皆に勝てるつもりでいますし。TV放送がある選手の試合を視ると、こうやって戦おうっていうのも考えます。フライ級やったら結構エェとこにおるんやないかと思いますけどね。

色々と忖度することはあるでしょうけど、結果を残すことで『ざまぁみろ』って──ネガティブな感情かもしれないですけど、その部分で修斗に拘っています」

──修斗世界フライ級チャンピオン福田龍彌ってこんな人──ということを知ってもらいたくて、インタビューをさせてもらったのですが、少しテイストが変わってしまいました。

「川原波輝や秋葉太樹とか集まって練習会をしたり、コブラ会、MIBURO、SWAG GYMと京都と大阪で練習はしっかりとしているので。試合が決まれば、直心会にも行くし。

次の試合が平良君になるんやったら、これだけチヤホヤされているし、そこで皆を分からせることができれば良いんじゃないですかね……今は、そう思うてます」

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ACA Brave CF Interview LFA ONE Special UFC ブログ 平良達郎 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その弐─平良達郎✖前田吉朗─02─「完全に通行手形じゃん?」

【写真】平良を例に、日本人選手がUFCで戦うためのキャリアップ方法を模索 (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年3月の一番、第ニ弾は20日に行われたShooto2021#02から平良達郎✖前田吉朗──日本人選手の育成環境──について語らおう。

<青木真也が語る平良達郎✖前田吉朗Part.01はコチラから>


──修斗、パンクラス、DEEPの段階である程度以上の国際戦ができていた。コロナ後に、そのようなJ-MMAとなれるのか。そうならないのであるなら、端的な表現をするとUFCで勝てる選手をどのように育てるのか。

「もう招聘できなくなっていますからね。だから元UFCとかではなくて韓国、グアム、フィリピンから強くなるための対戦相手を呼ぶことができるのか」

──若い選手が世界と戦える力をつけるために韓国、グアム、フィリピンから将来のUFCファイター、ONEアスリートになるような素材を招聘して、切磋琢磨できる環境を創る。その通りですね。日本で世代越えをしても、それが力の立証にはならないようになっていますし。

「今、後楽園ホールの大会で出てきてくれる上の世代は、言い方は悪いですけどピークを過ぎている。なのでキャリアアップが難しい。

矢地(祐介)選手とか田中(路教)選手って、割と早い段階にPXCに行きましたよね。当時は裏口入学的なメジャーの狙い方でしたが、そういうキャリアアップの仕方というのがあったと思うんです」

──あぁ、私は先見の明があると思いました。海外のフィーダーショー、そして日本で戦えない相手と戦ういう点のおいて。

「ハイ。日本で見られた旧来の手順とは違う。海外の大会でベルトを巻いてUFCを狙っていました。そして田中選手はラッセル・ドーンに勝って、矢地選手はアレックス・ヴォルカノフスキーと戦っている」

──両選手とも後のUFCファイター、ヴォルカノフスキーに至っては元フェザー級世界王者です。

「そういう選手たちとPXCで戦っていた。海外の大会からUFCへというのをやったのが田中選手と矢地選手で。彼らが走りだったと思います。今、海外のフィーダーショーで試合をするというのはコロナで難しいですけど、往来ができるようになれば、そこはしっかりと見ておく必要があるかと思います」

──それが現状の平良選手にも当てはまると、青木選手は考えていますか。

「ハイ。修斗のチャンピオンになった時点で、UFCから声が掛かれば──現状の力云々でなく行くべきです。ただし、そうでないなら、海外で結果を残すことが必要かと思います。海外を経験する、外国人選手と戦っておくという以上に、現状ではUFCは日本国内を評価していないわけじゃないですか」

──ハイ。コロナ禍でも韓国人選手や中国人選手の新しい契約は進んでいますが、日本人選手は村田夏南子選手だけで。村田選手はInvicta FCで結果を残し、コロナ以前からリストに入っていました。

「日本で戦っていても、評価はされない。ここですね、僕が強く思うところは。日本人選手が評価されていないから、日本人選手に勝っても次に繋がらない。僕らの頃のように繋がっていれば、海外に行ったり、外国人選手に勝つことに拘る必要はないわけで」

──車のレースだと、F1を頂点にF2、F3というステップアップカテゴリーが存在し、F3は日本にも選手権があります。

「……」

──ただ日本のF3で結果を残しても、ステップアップ先は欧州のF2ではなく、もう一度欧州でF3のシリーズに参戦することになります。日本のF3王座は欧州のF3へ行くため。つまり、同じ土俵で戦うために日本でF3を戦います。

「あぁ、つまり日本のレースは本場では評価の遡上にならないのですね。う~ん、MMAでいっても評価されない──評価基準になる選手がいないということですしね。そんななかで海外に出て勝負しているのが韓国人だと思います。

UAEウォリアーズやBRAVE CFという今も国際戦が組まれている中東の大会に彼らは出て行っていますからね」

──PFLも韓国人選手が出場します。それは韓国にはRIZINのような規模の大会がないことも関係していると思います。

「そうですね。国内にメジャーがない。ROAD FCの調子が良かった時は、多くの選手がROAD FCを目指していたと思うんです。中東に行かなくて」

──UFCでないゴールがありました。

「今は韓国にはそこがない。だから、彼らは海外に出て行っている」

──平良選手もまずは修斗のベルトと考えているでしょうが、その先の青写真はしっかりと描く必要があるということですね。

「修斗って、特別なベルト、歴史がある。これは特別だという見せ方がありました。でも今ではどこかに行くためのベルトじゃないですか。

『お前が言うなよ』と指摘されることは承知のうえで、だったら最初から通行手形だって言えば良いのにって思います」

──その通りですね。同時に修斗も戦うという姿勢を持っているのは、ストロー級王者の箕輪ひろば選手だけだと思います。他のチャンピオンはONEやRIZINで戦い、ベルトは返上という選択をしていますし。

「なら、完全に通行手形じゃん? もう通行手形だって言えば良いのに。いつまでがプレミアムなベルトだったのかって。だから今の選手は自分の見ている先を考えると、そこまでベルトに拘る必要があるのかと」

現在開催されているBRAVE CFフライ級王座決定トーナメントに参戦中のアリ・バガウディノフ(C)BRAVE CF

──一応ONEは王者になれば、契約という話がありました。そしてUFCは通行手形になっていない。

「だから僕なんかは、ベルトに拘る必要なく田中選手がPXCに行ったような選択を修斗で戦っている選手も選択して良いと思います。今の感じだと」

ACAフライ級王者はHEATに来日経験のあるアザマット・カレフォフ(C)ACA

──例えばBRAVE CFだとフライ級にはアリ・バガウティノフ、ホゼ・トーレス、ダスティン・オーティズというUFCベテラン、そしてムハマド・モカエフのようなダイヤの原石がいます。

王者→UFCもしくはBellatorというレールが最も明白なLFAのフライ級王者はヴィクター・アルタミラノだ(C)LFA

「ハイ、BRAVE CFのフライ級はレベルが高いです。バガフティノフに勝ったのは誰だといえば、堀口選手になるわけで。そういう話なんですよね。

それか評価の遡上に確実になっているロシア、ACAへ行くとか。田中選手みたいにLFAを選ぶとか。勝って、そこからUFCへ行く──そういうことを考える時代だと思います」

──それが日本の現状だと。

「良い、悪いではなくて、結果としてどこもが内向きになっています。内向きになるのは商売のことを考えると、悪くはないです。でも同時にリスクもある。尻つぼみにはなっていくんです。そこはバランスで、内向きになりつつ外もある程度見ておかないと、選手も頑張れなくなるかも──と僕は思います」

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J-CAGE Special ブログ 前田吉朗 平良達郎 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その弐─平良達郎✖前田吉朗「恐ろしいモノを見た気が──」

【写真】平良がケージで見せた恐ろしいまでの強さ。その強さを北米と比較するための物差しが今のJ-MMAはない(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年3月の一番、第ニ弾は20日に行われたShooto2021#02から平良達郎✖前田吉朗について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年3月の一番、2試合目をお願いします。

「平良達郎選手と前田吉朗選手の試合ですね。平良選手はまず体がデカいです」

──大きかったです。本来はフライ級ですが、当日計量でバンタム級というコロナ禍ウェイトでの試合でした。

「ということは前日計量で、リカバリーをしたらもっと大きくなる可能性もあるっていうことですよね。前日計量で56.7キロだったら、下手すると当日は64とか65キロぐらいになるかもしれない。

1階級上でもリカバリーがないことを考えると、当日計量の方がちょっと小さいんじゃないかって思います」

──いわゆるONE階級なのですが、ONEは前日に計量とハイドレーションが終わります。現実的にリカバリーがあるので、現状の日本の当日計量は海外のどこにも当てはまらない計量方式です。ハイドレーション・チェックもないですし。

「平良選手は『半身浴して1キロぐらい落として計量に行った』ってnoteに書いてあったんです」

──えっ? 免疫力の低下を避けるために水抜き減量はせずに1階級上というのが前提だったかと。

「そうなんですよ、当日でも水抜きしてんじゃんって(笑)。だから当日計量でも2キロとかなら水抜きしていく選手は、今後も出てくるでしょうね」

──なるほど、修斗は次回の5月大会から前日計量に戻すそうですが、パンクラスの5月大会はどうなるのか。

「こうなると計量に関しては、前提が変わっていますよね。それに、前日計量に戻すとまた失敗する人間が出てくるだろうし」

──それこそ通常ということですね。ところで平良選手のパフォーマンスは、どのように感じられましたか。

「恐ろしいモノを見た気がしました。当たり前のことを当たり前にやる凄さ。結局、格闘技って当たり前のことを当たり前にやって勝つことが一番強いし、大切だと思うんです」

──それを攻撃だけで、攻防がなくやり切っていました。

「つまり凄く基本的なことを全部やっていることになります。パンチを当てて、蹴って、クリンチしてバックを取る──みたいな。それが基本通り出来ている強さを凄く感じましたね」

──UFCを熱望する平良選手ですが、前田選手に見せたあの強さを海外勢にも同じように見せることができるのか。なかなか今の日本で戦っていると、計れない部分があります。青木選手がUFCへ行こうと考えていた時期は、国際戦というのは……。

「僕、キース・ウィスニエフスキーぐらいでした。菊池(昭)選手に勝って修斗の世界チャンピオンにはなっていたのですが」

──その菊池選手がジェイク・シールズに勝っていたのですね。

「ハイ。まぁUFCも時代が違っていましたけど、当時の修斗のベルトは通行手形にはなっていましたよね。実際に、僕自身もできるんじゃないかって思っていましたし。それに世界的に見ても、UFCがまだ断トツの一番とかじゃなくて、カウンターカルチャーとしていくのが面白いと思っていました。

2回ぐらいトントンって勝てば世界に挑戦できるんじゃないかって。結局、僕はUFCに行かなかったけど、DREAMの時とかに北米との物差しになる相手とは、結構やっているんですよね」

──エディ・アルバレス、ギルバート・メレンデスを筆頭に修斗ではUFCに行く前のジョージ・ソティロポロス、DREAMでWEC王者だったロブ・マックロー、今やAJ・マッキーの父という肩書のアントニオ・マッキー戦は、体温が上がりました(笑)。

「マーカス・アウレリオ、リッチ・クレメンティ、ライル・ビアボーム、ONEでもカマル・シャロルスと戦わせてもらいました。

今はこれだけ世界中でレベルが上がってしまったMMAなので、平良選手がどれだけできるのかって分からないですよね……正直」

──物差しになる海外勢との戦いが、それでなくても少なくなったのがコロナ禍では、いよいよ望めない状況です。

「そういう意味では、僕らの頃は日本で戦っていてもUFCでやれるという手応えを感じることができる試合ができました」

──ハイ、だから『UFCに行かないのか』という声が聞かれたわけで。『UFCに行ってほしい』とか『行かせてあげたい』ではなかったですよね。

「今の子たちは、それができない。そして、当時と今が違うのは、あの頃は軽量級は日本がリードするぐらいの状況だった。UFCである程度活躍した選手を招聘しても、前は勝てました。でも、今それが可能になったとしても、ライト級とか誰も歯が立たない。

ジェニー・ケースとか、本来は階級が下のディエゴ・ブランダォンに勝てないのが現実です」

──ばかりか、今は世界中のどこでも強い選手が生まれています。

「だから世界との実力差とか踏まえると、選手を育てていく環境なんか……危うくなっています」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE Shooto2021#02 ブログ 前田吉朗 平良達郎

【Shooto2021#02】前田吉朗に完勝、平良達郎「UFCに行けるのが一番。 まず修斗のベルトが凄く欲しい」

【写真】動画サイト=ザ・ワンのインタビュアー=江川さりなさんとのやり取りはで、ケージのなかの切れの良さが一切影を潜めていた…… (C)MMAPLANET

20日(土)、東京・文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2021#02で平良達郎が前田吉朗を61秒、RNCで落とし快勝した。

歴戦の強者に対し、躊躇なく自身の練習通りの動きをケージの中で再現し、その勝利も非常にクールに受け止めていた平良。次元の違う強さを見せ始めた平良の話を訊いた。


──正直、想定以上の勝ち方でした。平良達郎は違うんだというような。

「短時間で終わったのはたまたまです。あのバックチョークは自然に体が動いたので。練習通りといえば練習通りで、たまたまといえばたまたまです」

──躊躇なく、スタンドでも足をフックしていきました。

「迷いはなかったです。なんか分からないですけど、取れる感じがしました。だから、ちょっとしつこくいってみようかと」

──バックに回る前も、自然と動いたのでしょうか。

「感覚ですね。最初、向き合って打撃で来そうだと思ってヒザを合わせようとしたと思います。その流れで、気が付けばスクランブルでバックに回っていました。ようやく自分の体に染みついてきたと思います」

──しかし、見るたびに成長していますね。

「ありがとうございますっ! 今は自分でも成長できていると感じています。ドンドン駆け上がっていきたいですね」

──もう宣言通り、世界王座挑戦しかないと。

「そうですで、福田さんしか見えていないです。そうなると思います」

──その後に関しては?

「自分の考えではUFCに絶対に行きたいです。でも、どうアピールすればUFCと契約できるのか分かっていない状況です。とりあえずは死に物狂いで修斗のベルトを獲ります」

──防衛していくことも視野にいれていますか。

「ベルトを獲ってからの状況次第ですね。修斗のベルトを第一の目標として来たので、防衛ということはそこまで考えていなかったです。UFCに行けることが一番なので。

まずは修斗世界フライ級のベルトが凄く欲しいです」

──今日は実質、当日計量のバンタム級での試合ですが、フライ級としては本当に大きくなっていないですか。

「試合の体重は水抜きのフライ級のときとは変わってはいないのですが……それほどリカバリーをする方でもないので。だいたい62キロから63キロで試合をしている感じです」

──だと北米計量ではフライ級でないと、バンタム級では小さいですね。

「ただ減量は……今回も少し落ちづらいなとは感じている部分はあります。でも、4月18日の沖縄大会で戦う練習仲間に繋げることができて良かったです。12月の四国で躓いたところがあったのですが、良い風を沖縄に吹かせることができたのかなって思っています」

──では、平良選手のなかで世界挑戦はいつ頃だと考えていますか。

「あんまり修斗の年間スケジュールを把握していないのですが、夏頃にはやりたいですね」

──チャンピオンは京都在住、そして6月20日は大阪大会があります。

「あぁ、アウェイですけど──大阪で挑戦するのも良いですね。アウェイも味わってみたいです」

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J-CAGE Report Shooto2021#02 ブログ 前田吉朗 平良達郎

【Shooto2021#02】圧巻のRNC! 平良達郎が61秒で前田吉朗を締め落とし、世界王座挑戦をアピール

<61.2キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
Def.1R1分01秒 by RNC
前田吉朗(日本)

サウスポーの前田に対し、平良はオーソドックスに構える。低い姿勢からパンチを繰り出す前田。平良は左ヒザで迎え撃つ。組み付いた前田が引き込むようにグラウンドへ。前田はリバーサルを狙うが、平良はトップをキープ。立ち上がる前田のバックを奪った平良はRNCへ。そのままグラウンドになり、前田を締め落とした。

試合後、「ここで勝ったらタイトルマッチだと思って戦った。次はよろしくお願いします」と、福田龍彌の持つ世界フライ級王座への挑戦をアピールした。

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Interview J-CAGE Shooto2021#02 ブログ 前田吉朗 平良達郎

【Shooto2021#02】平良達郎と戦う前田吉朗─02─「僕、暇なんです。格闘技以外に頑張れるものがない」

【写真】タイトルの前田の言葉。標準語でなく関西弁をイメージして読んでみてください。これぞ前田吉朗です (C)KAORI SUGAWARA

20日(土)、東京・文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#02で、令和のスーパーノヴァこと平良達郎と対戦する前田吉朗インタビュー後編。

いつの間にやら不惑を目前とした前田は、現代MMAを内包した喧嘩の強さを見せてきた。だからこそ、同階級とは思えない平良のフィジカルに対して平然としていることができる。

「どう戦いますか?」という問いに、「どうってことない」と答える──これぞ吉朗節だ。
Text by Shojiro Kameike

<前田吉朗インタビューPart.01はコチラから>


――「ナメんなよ」という気持ちがあると同時に、自分の現状やマッチメイクを客観的に捉えることができる。それが前田選手の強みですよね。

「まぁ、みんな考えることでしょうから。試合や興行について、僕の想いとは別のことがあるっていうのは理解しています」

――では、対戦相手となる平良選手の印象は? 前田選手の練習仲間であり、対戦したこともある清水清隆選手に平良選手が勝利したことは、キャリア的に考えてアップセットでもありました。

「まずサイズが違いますよね。少年(清水)が相手やから、余計にそう感じたのかもしれないですけど。少年がフライ級でも小さいほうなので」

――ただ、それを差し引いても平良選手のサイズは、フライ級としては規格外でしょう。

「確かに。まぁ少年との試合は、『こういう展開になるやろうな』と考えていたとおりの試合になっていました。(平良は)思ったよりも技術がありますよね。グラウンドコントロールとか。あと勢いもあるし」

――その平良選手に対して、どう戦いますか。

「どうってことないですよ。今までも僕はデカい相手と試合してきました。相手がどれだけデカくても、体重制限のある階級制の競技で戦うかぎり、同じやと思います。ただ試合相手をぶっ倒す。それだけ」

――年齢差はどう考えていますか? 平良選手は現在21歳。前田選手とは19歳差です。

「ビックリしますよね。僕、もう40歳ですよ(笑)」

――今年で40歳になり、次の平良戦が62戦目です。前田選手以上のキャリアを持つ選手も少なくなってきました。

「近藤(有己)さんと北岡(悟)さんがいるじゃないですか」

――その2人の試合は気になりますか。

「気になりますよ。勝てば嬉しいし、オォっとなる。負けたら寂しい気持ちにはなりますね」

――そんななかで、キャリアを重ねて試合への取り組み方に変化はありますか。

「少しずつ変わってきていると思いますよ。練習方法や取り組み方は。さすがに、若い時のように何でもガツガツやるわけにはいかないし」

――反対に、平良選手は今その過程でしょうね。

「ホンマもう何でもやって、成長している時期でしょう。少年との試合も、それまでの試合と違いましたもんね」

――清水戦について、そう評する人は多いです。明らかに強くなっていました。対して、自身のキャリアについては?

「いっぱい戦ってきましたね(笑)。それだけですよ。現役のファイターにとって大切なのは、今じゃないですか。まず次の試合をどう戦うか、それが大事」

――では今のMMAに対する考え方とは?

「うーん……ある種、戦い続けていたいんですよ。戦っている時は楽しいですから。でも、だからといって、ダラダラ続けるつもりはない。やっぱり目標は、ベルトを獲ることなので」

――プロデビューから19年、その間に「格闘技を辞めよう」と思ったことはなかったのですか。

「辞めようと考えたことはないけど、『面倒くさいなぁ』と思うことは、何回もありました。でも僕、暇なんです」

――……暇、というのは?

「格闘技以外に頑張れるものがないんです。他のことでも、やることはやりますよ。でも『これでいいかぁ』と思ってしまう。格闘技では妥協しない。やっぱり、格闘技しかないんですよ」

――修斗のベルトを獲得するためには、次は重要な一戦です。

「まずは勝つこと。勢いのある若い選手が、キャリアを持ったオッサンをどう料理するのか。僕は、それに対して何か変化をつけようとは思っていません。前田吉朗は前田吉朗のままで、相手をぶっ倒します」

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Interview J-CAGE Shooto2021#02 ブログ 前田吉朗 平良達郎

【Shooto2021#02】39歳、62戦目=平良達郎と戦う前田吉朗─01─「『ナメんなよ』っていう気持ちです」

【写真】年齢差18歳、平良が世界王座に挑戦するための実績創りにさせられるわけにはいかない (C)MMAPLANET

20日(土)、東京・文京区の後楽園ホールでShooto2021#02が開催される。

今年の10月に40歳となる前田吉朗は、2003年のプロデビュー以来、これがMMA 62戦目。そんな前田が対戦する平良達郎は現在21歳、前田戦がプロ7戦目だ。

昨年、福田龍爾を相手に暫定世界フライ級チャンピオンシップに臨んだ前田は、福田に3R TKO負け。パンクラス、DEEPに続き3本目のベルトを腰に巻くことはできなかった。

あれから8カ月、再び修斗のベルトへつながる試合が組まれた前田吉朗が、戦い続ける意味、そして平良戦について語る。
Text by Shojiro Kameike


――平良達郎戦まで残り1週間となりました(※インタビューは12日に行われた)。練習は順調にできていますか。

「はい。今日で追い込みの練習は終わりました」

――前田選手にとっては、これが修斗公式戦としては8試合目になります。これまでの修斗公式戦を振り返ってみて、何か思うところはありますか。

「あまり深くは考えていないですね。試合に対する考え方は変わってきているかもしれないですけど」

――というと?

「初めてVTJに出たのが、2014年。そのあと2016年から修斗公式戦にも出始めたじゃないですか。その時は、修斗の選手を全員倒してベルトを獲ってやろうと思っていたし、その気持ちが前面にあったと思うんですよ」

――はい。前田選手のファイトは常に、技術だけではなく気持ちも見えるものでしたね。

「で、最初の公式戦でランボー(宏輔)に勝ってから、しばらく試合がなかったじゃないですか」

――ランボー戦が2016年4月23日。次の石井逸人戦は、翌年の1月29日でした。

「その間に、世界王者の扇久保(博正)もおらんようになって。UFCの番組に出ていたから」

――扇久保選手は修斗の世界フライ級王座を保持したまま、TUFに参加。その間、世界チャンピオンシップは行われていませんでしたね。

「一方で僕は公式戦2試合目で石井逸人に負けて、そこから試合数もそれほど多くはなかった。だから、当時はベルトに対するモチベーションも下がっていたかもしれないです」

――そうだったのですか。試合ぶりからは、そうは見えませんでした。

「もちろん、試合に対するモチベーションは、ずっと高いですよ。でも、ベルトに関していえば正直、自分は今そのベルトに絡む選手なのか? と思ったりするんです」

――だとすると、前回の試合(2020年7月12日、福田龍爾戦。3R TKO負け)が暫定とはいえ世界チャンピオンシップだったのは……。

「タナボタ、じゃないですかね(苦笑)。オファーを聞いた時は、このカードが世界チャンピオンシップにふさわしいのかな? とも感じていました。チャンピオンシップを組んでくれることは嬉しいし、そこでベルトを獲れたらラッキーやとも思いますよ。でも、結果は負けてしまって」

――次の平良戦は、世界チャンピオンシップにつながる試合だと思います。特に平良選手は昨年11月に清水清隆選手に勝利し、世界ランキングも1位で次は……という位置にいます。

「僕も、『次の試合で勝てば世界チャンピオンシップ』そう考えています。そういった試合にまた絡ませてもらえるのは、すごく嬉しい。修斗的には、『平良、世界チャンピオンシップをやるなら、前田ぐらいには勝っておけよ』という意味なのかもしれないですけど」

――実際のところ、そういった意味合いの強いマッチメイクでもあると思います。

「僕としては『ナメんなよ』っていう気持ちですけどね。それが試合へのモチベーションにもなっている。ただ、他の人がそう考えるのは仕方ないでしょう。僕、直近の試合で負けていますから」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE News  Shooto2021#02 ブログ 一條貴洋 前田吉朗 大塚隆史 岡田遼 平良達郎 後藤丈治 野尻定由 魚井フルスイング

【Shooto2021#02】岡田遼✖大塚隆史、世界戦決定。「金網で見るMMA、岡田×大塚が1番面白い」(岡田)

【写真】今や伝統の環太平洋、漆黒の暫定王座ベルトではなく銀色に輝く正規王座のベルトを持つ岡田(C)MMAPLANET

13日(土)、サステインより3月20日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#02の対戦カードが発表された。

今回明らかとなったのは──メインは修斗世界バンタム級チャンピオン岡田遼に、大塚隆史が挑む一戦。セミではフライ級世界ランカー対決=平良達郎✖前田吉朗、魚井フルスイング✖後藤丈治のKO必至対戦やインフィティリーグ2020から野尻定由✖一條貴洋など5試合だ。


昨年5月に暫定世界王座決定戦で倉本一真を破り、佐藤将光の返上を経て正規王者となった岡田。世界の端っこで修斗愛を叫び続けてきた岡田に対し、大塚はDEEP、DREAM、RIZINと日本のフェザー級&バンタム級トップ戦線で戦い続けてきた。そして昨年11月にプロ修斗初陣で安藤達也をカーフで破り、僅か2戦目で頂点に挑む。

「強い相手と戦いたいだけで、修斗のベルトには興味がない」とまで言い切る大塚に対し、修斗の世界王者になることにわき目を振らず生き、さらに広い視野を持つようになった岡田は自身の存在証明となる初防衛戦だ。

また扇久保博正の返上により、福田龍彌が暫定から正規王者となったフライ級戦線で今や最注目の平良がベテラン前田と対戦する。前田は福田との昨年7月に暫定王座決定戦に敗れており、まさに平良に挑戦権を与えるための査定試合という趣のあるマッチアップだ。平良の充実&成長ぶりは目を見張るものがある一方で、古くは佐藤ルミナ✖宇野薫、マモル✖大石真丈、直近では石原夜叉坊✖祖根寿麻と、プロモーションサイドの肩入れとその後の流れが透けて見えるカードを組むと──思惑が外れるのも修斗の伝統だ。

この忌まわしいジンクスと前田を打ち破る力を平良が有しているのか、注目のマッチアップといえる。

なお今回の世界バンタム級王座防衛戦に関して、チャンピオン岡田にコメントを求めたところ──以下のような発言が訊かれた。

岡田遼
「大会開催日近隣で他にも格闘技大会が開催されるようですが、金網でみるMMA──岡田遼×大塚隆史のカードが1番面白いと思います。僕はテレビで取り上げられる有名なレストランのサイドオーダーになるより、味が分かる人が食べに来てくれる店のメインディッシュでいたい。MMAが分かる人の前で、最高の試合を見せます。

それと2月21日に鶴屋怜がDEEPでMMAデビュー戦を戦います。練習でプロをボコっている怜には、しっかりと勝ってもらって──『鶴屋家には僕より10倍強い、お兄ちゃんがいる』と言ってほしいです」

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Interview J-CAGE News Shooto ブログ 平良達郎 扇久保博正 福田龍彌

【Shooto】扇久保博正が世界フライ級王座返上。平良達郎の想い─「とにかく僕は修斗の世界王者を目指す」

【写真】扇久保のタイトル返上に対し、平良の想いは (C)KEISUKE TAKAZAWA

1月31日(日)に東京都港区のニューピア・ホールで開催されたShooto2021#01で、世界フライ級チャンピオン扇久保博正が王座を返上した。

「修斗のチャンピンはその階級で一番だと、俺は思っています。

それを証明できなかったので、このベルトは返上します。それを証明して、必ず修斗には戻ってきますので、その時まで期待して待っていてください」と返上理由をケージのなかで語り、修斗コミッションの佐藤信義コミッショナーにベルトを渡した。

このタイトル返上劇、フライ級タイトルコンテンダーの座に到達した21歳、平良達郎をどう思ったのかを尋ねた。


平良達郎
「僕が格闘技を始めた時から、扇久保さんはチャンピオンでした。TUFで準優勝して『世界と勝負できる人がいるんだ』と思い、憧れの存在でもありました。松根さんからもずっと『扇久保に勝てるような選手になれよ』と言われてきましたし、そこを目標にやってきたのも事実です。

タイトル返上になり、一つの目標だった扇久保さんと試合ができないのは残念です。ようやくタイトル挑戦も見えてきて、松戸での練習でも行きづらいようになってきていて……。試合をして、そういう状況から脱したかったのですが、ただ気まずいだけになってしまいました。

防衛戦をしてほしいという想いがあったのも事実ですけど、返上するんじゃないかという気もしていました。仕方ないです。福田(龍彌※暫定フライ級王者)選手も残念でしょうね。でも僕は修斗のチャンピオンだったから扇久保さんと戦いたかったわけで、扇久保さんと戦いたいからRIZINに行くというつもりはないです。

とにかく僕は修斗の世界王者を目指します。次の試合は3月には戦いたいと思っています。扇久保選手の返上は残念といえば残念ですが、次の試合はもっと強くなったところを皆に見てもらるように頑張ります」

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Interview J-CAGE Lyo o Shooto Okinawa03 ブログ 宮城友一 山本陽一 平良達郎 当真佳直 旭那拳 松根良太 砂辺光久

【The Shooto Okinawa03】平良の師、修斗ジャンキー松根良太が語る─02─プロ修斗沖縄大会開催の真意

【写真】写真は昨年の沖縄大会翌日の砂辺と松根。沖縄でできることは、東京でもできるだろう──とは言えないけど、「見習おうよ」とは思う (C)MMAPLANET

Shooto2020#07で、清水清隆を破った平良達郎を指導する松根良太氏。

元修斗世界バンタム級(※当時はフェザー級)王者は、Theパラエストラ沖縄で指導のみならず、アマ修斗及びプロ修斗を主催するプロモーターでもある。

その松根氏が、明日29日に3度目となる沖縄大会を開催する。新型コロナウィルス感染問題は、決して小さくない影響を沖縄に与えている。そのなかで逆境を乗り越え、周囲との連携や協力もあった松根氏はイベント開催へ舵を切った。

なぜ、イベントを開く必要があるのか──。今から20年前に全日本アマ修斗を制した、あの日と同じ修斗への想い。修斗ジャンキー、松根良太の本質がそこに存在していた。

<松根良太インタビューPart.01はコチラから>


──平良選手の勝利、今後について話していただきましたが、松根さんご自身は29日に自主興行、The Shooto OKINAWAの第3回大会が控えています。コロナ禍で4月大会が中止、そしてこの時期に開催する。色々と大変なこともあるかと思います。それでも沖縄大会を続けるのは、どのような想いがあるのでしょうか。

「第1回、第2回と修斗公式戦を開催し、今年も開かなければ沖縄の選手が育っているのに実戦の機会がないことになってしまいます。そうなると日々の練習のモチベーションにも関係してくれるでしょうし。

今回の開催に当たっては、闘裸男の山本陽一さんと毎日のように連絡をしあってきました。ご存知のように沖縄のコロナ感染状況は国内でも良い状況ではないです。これで大会を開くことができるのか。沖縄大会開催に関して微妙だった頃に、闘裸男が12月13日に高松で大会を行うことが決まりました。

その時から沖縄大会を見送らなければいけない状況になるようであれば、なんとか沖縄の選手を使ってもらえないでしょうかと相談させてもらっていたんです。

そこで宮城友一選手、Lyo,o選手、旭那拳の3人の出場が決まりました。そんななか沖縄でも会場側からイベントを行うことができるという話が来ました。

平良は東京で試合ができる可能性があり、闘裸男で3選手が戦う。なら今年は沖縄大会はなくても良いのかという考えもなくはなかったです。でも、彼らより下の世代がいます。去年の全日本アマ修斗で畠山隆弥がストロー級、南風原吉良斗がフェザー級で優勝しました。ただし、この2人はプロデビューができていません」

──昨年のプロ昇格者で今年デビューができなかった選手は例年より多そうですね。

「はい、デビューしたくてもできない状況です」

──ならば教え子のプロデビューの場は創ると。

「自分もプロモーターライセンスを持っていますし、それであればプロになった選手が試合を戦うことができる場を提供しないといけないです。正直、収支的にはお客さんの数も半分までで限られてきますし、非常に厳しいことは分かっていました。

それでも協賛金も集まり、何とか開催の目途がつくのであれば選手の経験のために大会は必要です。ここでの経験が来年度の新人王トーナメントに生きてくるでしょうし。他の出場選手も2021年の活動に生かせる。その場を創るのも自分の役割だと思っています」

──傍観者にはならない。そういうことなのですね。

「先ほども言いましたが、プロモーターライセンスを持っている人間としてそうしなければいけないことだと思っています。試合の機会を創ることで、沖縄の修斗の選手が育ちます。なのでこういうとアレですが、使命感もあります。

ただ収支もあってきました。周囲の方の協力もあって、本当に感謝しています。日曜日の大会は若い選手がたくさん出場しますが、本当に強くなっています。彼らが平良のように期待される選手になる第一歩なので、ぜひとも注目してほしいです」

──メインは3回戦ですね。

「ハイ。当真佳直は去年の新人王で、新人王になった沖縄大会から試合に出る機会がなかった選手です。それが色々なことがあってランカーの木内選手と戦うことになりました。木内選手が黒澤(亮平)に負けて、再起戦をしたいと受けてくれました。

沖縄にはストロー級の世界ランカーはいないので、ここで勝てば当真の世界ランク入りも見えてきます。

当真も闘裸男に出るLyo,oも、パンクラス王の弟子なのですが、修斗に出たいと言ってくれた選手です。砂辺さんも修斗もパンクラスも関係なく、選手が出たいところで戦うべきだという考えです。ばかりか砂辺さんは沖縄大会、そして闘裸男の高松大会までスポンサーさんを紹介してくださったり、教え子の出る大会のことを親身になってサポートしてくれています。

当真もランカーに勝つ力を十分に持っているので、砂辺さんの想いもぶつけて欲しいですね。拮抗した試合になるからこそ、妥協せずに戦ってもらいたいです」

──闘裸男の山本代表も「砂辺さんは私の中でも殿堂入りです」って言われていました(笑)。

「アハハハ。本当にそうなんですよね。山本さんとも検査や地方での興行について、本当に話し合いを続けた年になりました」

──アマ修斗、地方大会、これがどの時代もあることで一定の人材を輩出できる。それが修斗の強味だと、松根さんや山本さんと話すたびに想う限りです。

「ありがとうございます。沖縄に関してはパラエストラ沖縄だけでなく、クロスラインもそうですし、シマジリアンズ、グランドスラムA.P.Pだとか、他のチームからもプロ選手が誕生しています。そういった選手のためにも大会は開かないといけないです」

──平良✖清水、沖縄大会、闘裸男と言ってみれば、うちなんちゅ✖やまとんちゅ3連戦です。

「ハイ、闘裸男も6試合中3試合で沖縄の選手が出ています。豊島さんと山本さんに感謝していますが、試合は試合で沖縄の選手は3勝するつもりで練習をしています。絶対に結果を残してくれると思っています」

■The Shooto OKINAWA03視聴方法(予定)
11月29日(日)
午後2時00分~ Twit Casting LIVE  


           
■The Shooto OKINAWA03対戦カード

<フライ級/5分3R>
木内SKINNY ZOMBIE 崇雅(日本)
当真佳直(日本)

<バンタム級/5分3R>
六本木洋(日本)
TARKER(日本)

<バンタム級/5分3R>
金内サイダー雄哉(日本)
若山達也(日本)

<フライ級/5分3R>
黒澤亮平(日本)
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
檜山美樹子(日本)
小生由紀(日本)

<フライ級/5分2R>
大城正也(日本)
畠山隆称(日本)

<フェザー級/5分2R>
南風原吉良斗(日本)
藤谷敦史(日本)

<フェザー級/5分2R>
阿部剛卓(日本)
波平コング(日本)

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