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45 MMA MMAPLANET o UFN UFN244 キック クレイトン・カーペンター ブランドン・ロイヴァル ルカス・ホシャ 平良達郎

【UFN244】フライ級の新鋭カーペンター、ホシャにRNCで一本勝ち。デビューから無傷の8連勝

<フライ級/5分3R>
クレイトン・カーペンター(米国)
Def.2R2分12秒by RNC
ルカス・ホシャ(ブラジル)

すぐにホシャがプレッシャーをかけていく。カーペンターは右ストレートと左フックを返す。ホシャもジャブと右ストレート、右ストレートと右ボディにつなげる。カーペンターが右カーフを蹴ると、ホシャは左フックで飛び込む。カーペンターは右カーフを蹴りつつ、接近してパンチを顔とボディに打ち分ける。ホシャは細かくジャブを突いてスピニングバックキック、右ハイ、ジャブから右ボディにつなげる。

カーペンターはホシャの右にダブルレッグを合わせてテイクダウンを奪うと、足を利かせようとするホシャを寝かせる。カーペンターはヒジを落とし、ホシャの右足を超えてハーフガードでトップキープする。ホシャも足を戻してカーペンターの体を浮かせて身体を起こすと、カーペンターはがぶってコントロールしてダースチョーク→バックを狙い、カーペンターがホシャの左サイドに出る形でサイドポジションで抑え込む。ここからカーペンターはヒジを落としつつ、ホシャの足関節狙いをつぶしてトップキープを続けた。

2R、カーペンターはパンチで前進、ホシャの前足に左右のローを蹴る。カーペンタは構えをスイッチしながら前に出ると、ホシャが右ストレートを当てる。ここからホシャが打撃のプレッシャーをかけ、カーペンターのテイクダウンを切って右ストレートから左フック、スピニングバックキックと打撃の手数を増やす。

距離を取ったカーペンターは右ミドルを続けて蹴って、ホシャのジャブにダブルレッグを合わせてテイクダウンする。カーペンターは腰を切って立とうとするホシャのバックにつくとRNCを狙いつつ、パーム・トゥ・パームで絞める。最後は両腕を組んでRNCでホシャを絞め落とした。メインインベントでフライ級の平良達郎とブランドン・ロイヴァルが戦う今大会、同階級の新鋭カーペンターが一本勝ちでプロ戦績を8戦8勝とした。


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o RIZIN UFC 平良達郎 朝倉海

【UFC】朝倉海 デビュー戦でパントージャとタイトルマッチ決定!

IMG_2472
UFCと契約した事を発表してから時間が経過した朝倉海。それまで様々な噂が駆け巡りましたが、12月8日にラスベガスのT-Mobileアリーナで開催されるUFC 310でアレシャンドレ・パントージャとフライ級タイトルマッチで対戦する事が正式発表されました。

日本人がUFCのタイトルに王手を掛けた瞬間。嬉しくないわけはないけど、素直に喜べない自分がいる。そりゃ朝倉海のRIZINでの実績は認めます。でも、UFC初戦がタイトルマッチってそもそもランキング制を導入している意味ってなんなんでしょ。。。地道にUFCで実績を積み上げる意味が薄らいでしまうのではないかと。

でも。将来的には朝倉海×平良達郎なタイトルマッチも視界に入ってくるわけでポジティブに捉えたいけど、なんだかモヤっとする深夜3時です。
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45 CJ・ヴェルガラ KTT MMA MMAPLANET o RIZIN UFC UFN UFN244 WWE YouTube アレックス・モロノ アンドレ・ムニス クレイトン・カーペンター グランド・ドーソン コリー・マッケナ ジャレッド・グッデン ジュニオール・タファ ジュリア・ポラストリ ジョナサン・ピアース ダニエル・アルゲータ チョン・ダウン テンバ・ゴリンボ ニコ・プライス パク・ジュンヨン ブラッド・タヴァレス ブランドン・ロイヴァル ラファ・ガルシア ラマザン・テミロフ ルカス・ホシャ 佐藤天 岡見勇信 平良達郎 征矢貴 朝倉海 浜本キャット雄大

【UFN244】平良×ロイヴァル戦前にパク・ジュンヨン、ラマザン・テミロフ、脱極貧ゴリンボに注目!!

【写真】平良がメイン、そんな大会だからこそUFCが堪能できれば (C)Zuffa/UFC

12日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN244:UFN on ESPN+102「Royval vs Taira」の計量が11日(金・同)に行われている。
text by Takumi Nakamura

メインで平良達郎がランク1位のブランドン・ロイヴァルとフライ級王座挑戦王手をかけた大一番に挑む同大会。

両者とも問題なく計量を繰りした。日本から熱い視線を浴びる大会だけに、ここでは他の選手にもスポットを当ててみたい。


平良とメイン&コメインでアジアン・パワーを見せつけたいのが、韓国のパク・ジュンヨンだ。岡見勇信以来となるミドル級で結果を残すアジア人のパク・ジュンヨンは、ここまでオクタゴンで7勝3敗、勝率7割という結果を残している。

KTTの盟友チョン・ダウンがライトヘビー級で4連勝し漢江の奇跡と呼ばれていたが、その後は4連敗とリリースが噂されるなか、パク・ジュンヨンは昨年12月にアンドレ・ムニス戦でスプリット判定負けを喫して以来の再起戦となる。

アイアンタートルの異名を持つパク・ジュンヨンは、愛嬌のある表情の持ち主で、ずんぐりとした体型とややスピード感に欠けることが隠れ蓑になっているが、その実――近い距離の打撃戦、ケージ際の攻防で気持ちの強さを見せるファイターだ。

特に瞬間、瞬間のスピードがあり、パンチも組みもリズムを変えることができる。半面、瞬発力を見せる前で間合いを制されると厳しい展開となる。打と組みがクリーンなタヴァレスを相手に、変調ファイトの妙を発揮できるかが勝敗の鍵を握ってくるだろう。

朝倉海に先立ち、RIZINからUFCに戦場を移したラマザン・テミロフも当然のように注目に値する選手だ。RIZINのリングでは浜本キャット雄大、征矢貴を共に初回KO勝ちし大きなインパクトを残した。

RIZIN新フライ級時代で、台頭する中央アジア代表として活躍が期待されたテミロフがUFCでそのようなパフォーマンスを魅せるのかは非常に興味深い。特に対戦相手のCJ・ヴェルガラは平良に敗れているが、UFC戦績が3勝3敗の五分でテミロフの力を測るスケールとしては最適の対戦相手となろう。今や中央アジアやロシア系の活躍には、常にジューサー疑惑の声が挙がるJ-MMA界。抜き打ち検査を行うUFCという場で、テミロフの打撃&組み力はいかほどのものか、非常に興味深い。

UFC初戦の敗北から、佐藤天戦でオクタゴン初勝利を挙げると3連勝中のテンバ・ゴリンボは、ケージで対戦相手と向き合うだけでなく、常に貧困と戦い続けてきたファイターだ。

母に続き、父を亡くしたゴリンボは13歳という年齢で違法ダイヤモンドを採掘することで生きながらえ、母国ジンバブエから違法で南アフリカ国境を越えたという日本人では考えられないタフな少年期を送っている。

結果として従弟を頼りにケープタウンにたどり着き、1日17時間労働という……さながら隷属的な雇用環境で命をつなぐと、19歳でMMAに出会ってUFCまで到達した。

それでも家族を母国から呼び寄せたことで、経済的には厳しく所属するMMAマスタージムで寝起きをする状態だったゴリンボは、SNSで銀行口座に7ドルしか残っていないことを公開した。

そんな経済状況にありながら、ファイトギアをオークションに出して母国に井戸を創る活動をしているゴリンボ。その姿を見て、元WWEのスーパースターで今や銀幕のスーパースターであるザ・ロックこと、ドゥエイン・ジョンソンの心を動かした。なっとザ・ロックはドッキリ企画でフロリダで一軒家をゴリンボにプレゼントしてしまう。

ザ・ロックにとって、この7ドルという数字は自らがフットボール・チームとの契約が解除された時の所持金と同じだったという。ザ・ロックが手を差し伸べたことで生活基盤を築き、UFCで連勝中と勢いに乗るゴリンボが、変則鉄槌ファイターのニック・ピレースと今大会で相対する。ここでピレース越えを果たすといよいよトップ15見えてくるが、果たして。

■視聴方法(予定)
10月13日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

■UFCN244計量結果

<フライ級/5分5R>
ブランドン・ロイヴァル: 125.5ポンド(56.92キロ)
平良達郎: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185ポンド(83.91キロ)
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジュグアニ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジャレッド・グッデン: 172.5ポンド(78.24キロ)

<ライト級/5分3R>
グランド・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
ラファ・ガルシア: 154.5ポンド(70.08キロ)

<ウェルター級/5分3R>
デニエル・ロドリゲス: 170ポンド(77.11キロ)
アレックス・モロノ: 170ポンド(77.11キロ)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ: 126ポンド(57.15キロ)
ラマザン・テミロフ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョナサン・ピアース: 145ポンド(65.77キロ)
パット・サバチーニ: 145ポンド(65.77キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニコ・プライス: 170.5ポンド(77.34キロ)
テンバ・ゴリンボ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・タファ: 241ポンド(109.3キロ)
ショーン・シャラフ: 252ポンド(114.3キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
コリー・マッケナ: 115ポンド(52.16キロ)
ジュリア・ポラストリ: 115ポンド(52.16キロ)

<バンタム級/5分3R>
ダニエル・アルゲータ: 138.5ポンド(62.82キロ)
コディ・ハッドン: 135ポンド(61.24キロ)

<フライ級/5分3R>
クレイトン・カーペンター: 125.5ポンド(56.92キロ)
ルカス・ホシャ: 125.5ポンド(56.92キロ)

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45 CJ・ヴェルガラ Interview UFC UFN ESPN+102 UFN244 クレイトン・カーペンター ブログ ルカス・ホシャ 平良達郎

【UFN244】平良世代=ブラジルの大地の子ルカス・ホシャ「僕はストライカー。寝技も抜群に強い」

【写真】体形はハニ・ヤヒーラ。でも打撃も強いホシャ (C)Zuffa/UFC

12日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN244:UFN on ESPN+102「Royval vs Taira」。その大会名が示すようにメインイベントで平良達郎がフライ級1位のブランドン・ロイヴァルと戦う。
text by Takumi Nakamura

平良のメイン出場で、日本でもPPVショーに負けないほど注目を浴びている同大会のオープニングバウトで、平良世代のブラジリアン・ファイター=ルカス・ホシャがオクタゴン初陣を戦う。

キャリア17勝1敗の24歳、昨年のコンテンダーシリーズで最高峰に辿り着いたホシャは、アマゾン河岸最大の都市マナウスから300キロもモリエンテス川を源流に辿る人口8万5000人の街で生まれ育ち、今もその地でトレーニングを続ける。

クレイトン・カーペンターという米国フライ級の新鋭と戦う──ブラジルの大地の子=ルカス・ホシャにデビュー前の心境を訊いた。


――待望のUFCデビューを迎えます。今の気持ちを教えてください。

「僕はブラジルのアマゾンでも、マナウスよりアマゾン川の源流にあるジャングルで生まれ育った。そんな僕でもUFCファイターになって、ラスベガスで戦う。そのことだけでも達成感があるんだ」

──去年のコンテンダーシリーズの勝利から、デビューまで1年掛りました。

「本当は4月に試合が組まれていたけど(※ジョシュア・ヴァン戦)、試合の2週間前で肋骨を折ってしまって戦うことができなくなった。ちょっと、試合まで時間がなさすぎたからキャンセルせざるをえなかった。でも、今回はしっかりと調整デキて準備は万全だよ」

──今も生まれ故郷のジムで練習をしているのですか。

「そうだよ。人口10万人に満たないコアリにある自分のチームで、全ての練習をしている。今回のキャンプもコアリで行ったよ」

──ルカスはコンテンダーシリーズでヒザ蹴りでKO勝ちという素晴らしい勝ち方をしていますが、それ以前にはカポエイラのような蹴りを見せ、優れたテイクダウン防御も披露していました。アマゾン河畔の小さな街で、どのような格闘技キャリアを築いてきたのでしょうか。

「僕の格闘技キャリアのスタートは柔術……、ノーギ柔術だった。14歳だったよ。16歳の時に両親にプロとして戦いたいと尋ねた。今からすると本当に感謝しかないけど、両親はそれを受け入れてくれたんだ。その後MMAファイターとして生きている資質があることを、両親に示すことができて良かったと思っている」

──16歳でプロデビューですか。

「なんせ、コアリではアマチュアで戦う機会なんてなかった。ノーギ柔術でキャリアをスタートさせたと言ったけど、実は3週間後にはMMAの練習を始めていたんだ(笑)。でもアマチュアMMAなんて、コアリには皆無。MMAを戦うということは、直接プロになるということだった」

──つまり、すぐに打撃の練習も始めていたということですね。

「もちろん。最初はノーギ柔術の練習をしたけど、ジムの先輩たちは皆がMMAを戦っていた。なんせ、柔術のアカデミーじゃなくてMMAのジムだったから。なんでも練習できたよ。ただしMAをしないといけないから、始めたわけじゃない。大好きだから、やっているんだ。

それがブラジルのバーリトゥード文化だよ(笑)。ジムでは皆がそれぞれ持っている技術をシェアしていて、僕は初めからパンチ力があった。ずっとMMAの練習をしてきたから、ヒザを当てる光景が頭に焼き付いている。だから、コンテンダーシリーズでもヒザ蹴りでKO勝ちできた。僕はストライカーだよ。そして、寝技も抜群に強い」

──では今週末に戦うクレイトン・カーペンターの印象を教えてください。

「寝技が上手いね。ただ、打撃も好んで使う。喧嘩もできそうだし、激しい試合になるだろうね。世界がルカス・フェルナンド・ホシャの名前を知ることになる。そうなる戦いをしたいと思う」

──今回の大会はメインで同階級の平良達郎選手が、ブランドン・ロイヴァルと戦うことで日本でも非常に注目を集めています。そして日本には鶴屋怜選手というフライ級ヤングプロスペクトもいます。きっとルカスの試合も注目を集めるかと思います。

「僕もタイラやツルヤと同じ世代だ。ブラジルのこの世代を代表して戦うから、日本のファンには僕の試合もしっかりと見て欲しい。動きを止めることがない、皆が楽しめる試合を戦うから」

■視聴方法(予定)
10月13日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

■UFCN244対戦カード

<フライ級/5分5R>
ブランドン・ロイヴァル(米国)
平良達郎(日本)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス(米国)
パク・ジュンヨン(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジュグアニ(米国)
ジャレッド・グッデン(米国)

<ライト級/5分3R>
グランド・ドーソン(米国)
ラファ・ガルシア(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
デニエル・ロドリゲス(米国)
アレックス・モロノ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョシュ・フレムド(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ(米国)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

<フェザー級/5分3R>
ジョナサン・ピアース(米国)
パット・サバチーニ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ニコ・プライス(米国)
テンバ・ゴリンボ(ジンバブエ)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・タファ(豪州)
ショーン・シャラフ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
コリー・マッケナ(英国)
ジュリア・ポラストリ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ダニエル・アルゲータ(米国)
コディ・ハッドン(豪州)

<フライ級/5分3R>
クレイトン・カーペンター(米国)
ルカス・ホシャ(ブラジル)

The post 【UFN244】平良世代=ブラジルの大地の子ルカス・ホシャ「僕はストライカー。寝技も抜群に強い」 first appeared on MMAPLANET.
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45 MMA o UFC UFC305 平良達郎 朝倉海

【悲報】ロイバル、UFC305の朝倉海戦を条件が合わず断っていた「タイトルマッチの確約はない」「遠征費用のサポートがない」

909: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/10/10(木) 08:28:57.00 ID:KD2d8tSX0


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【UFN244】王座を見据えたロイヴァル戦へ、平良達郎「1位のロイヴァルに圧勝して次の挑戦者は自分だと」

【写真】変わらずごくごく普通の受け答えで、自信が伝わってくる平良 (C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN244:UFN on ESPN+102「Royval vs Taira」のメインイベントでUFCフライ級5位の平良達郎が同級1位のブランドン・ロイヴァルと対戦する。
text by Takumi Nakamura

6月のUFC ESPN58「Perez vs Taira」ではランキング5位のアレックス・ぺレスを対レスラー用の必殺技=スタンドでのオタツロックで下した平良。この勝利によりランキングを13位から5位に大きく上げ、今大会ではロイヴァルとの対戦が決まった。


松根さんはよく『達郎は自分を信じれば大丈夫だよ』と言ってくれる

――試合前のインタビューありがとうございます。今回はデンバーで合宿して、ラスベガスに移動するそうですね。

「はい。デンバーのフォージ・ファイト・クラブ(※旧エレベーション・ファイト・チーム)でファイトキャンプを張って、明日からラスベガスに移動します」

――対戦相手がロイヴァルに決まってなお、デンバーで合宿することになったのですね。

「いえ、前回のアレックス・ペレス戦の前からデンバーで練習するようになって、すごく手応えたがあったんですよね。コーチもみんな信頼を置ける人たちばかりで、前回の試合が終わった時、『また試合が決まったら来るね』という風に伝えていました」

――数多くのジムがあるなかで、なぜフォージ・ファイト・クラブを選んだのですか。

「まずデンバーとラスベガスが近いので移動しやすいということ。あとはいくつか米国のジムでも練習させてもらったんですけど、フォージ・ファイト・クラブのコーチたちが本当に親身になって、面倒を見てくれたんですよね。クラブのメンバーも地元選手もいれば、ジャスティン・ゲイジーのようなトップ選手もいて、なんて言うんですかね、歴史が見えるチームというか。チームの一体感がすごく好きなんですよ」

――平良選手のことを温かく迎え入れてくれたのですか。

「もちろん最初はゲストという感じで、全体練習に混ざるだけだったのですが、何度か練習に行かせてもらううちにコーチとマンツーマンの練習や対策練習が増えたり、チームメイトからアドバイスもらったり、『次の対戦相手はこうだから、スパーリングでこういうこと意識を持ってやろう!』みたいなことを話し合ったり。そうやってチーム全員で試合に向けて作っていく感じが新鮮で楽しかったですね」

――ペレス戦ではファイトキャンプの成果を感じる場面も多かったのですか。

「そうですね。あの時は試合だったんですけど、 いい意味でスパーリングの延長線みたいな感じだったんです。とにかく練習でやったことを試合に出そうという感じで動いていたのが前回の試合で、試合だから練習より研ぎ澄まされたところはあったんですけど、すごく冷静でいる自分がいて、プラン通りに組み立てられた試合でしたね」

――よく「練習を試合のように、試合を練習のようにやる」と言われますが、まさにその通りだったんですね。

「今回も3週間はデンバーでファイトキャンプを張って、最後の1週間はラスベガスで調整します。試合の4週間前に米国に入って、このスケジュールで追い込み&調整すると調子がいいというのを感じますね。以前は1週間前のファイトウィークに合わせて米国に入っていたんですけど、1週間しか時間がないと環境の変化に身体が追いつかないんですよ。ギリギリ時差が抜けるかどうかのタイミングで試合が来ちゃう、みたいな。でも4週間前に入ると身体も慣れて、いいコンディションで試合ができますね」

――今回も岡田遼選手がファイトキャンプに帯同、松根良太さんも試合前に一度デンバーまで練習を見に来たそうですね。

「岡田さんはキャンプの最初、行きの飛行機からずっと一緒なんです。あと母親も一緒に来てくれて、練習・生活面もサポートしてもらっています。松根さんにはキャンプの2週目に来てもらって、3日間の練習を見てもらいました。僕がデンバーでどういう練習しているかを実際に見てもらったことがなかったですし、最後ロイヴァル戦に向けてどういう練習をしてほしいかを打ち合わせして、ラスベガスで合流する形です」

――3日間とは言え松根さんと直接コミュニケーション取れたことは大きかったのではないですか。

「本当に大きかったですね、このタイミングで松根さんがデンバーまで来てくれたことで 一瞬も無駄な時間はなかったですし、それだけ松根さんも本気でこの試合に向き合ってくれてるということを感じました。改めてロイヴァル戦に気持ちが入りました。前回もリモートでトレーニング内容を報告してやりとりはしていたんですけど、松根さんはすごく心配性なんで、どのくらいのサイズの選手とどういう強度でスパーリングしているかを見てもらうことで米国と日本の距離を縮めることができたと思います」

――米国でのファイトキャンプが長くなると、良くも悪くも現地でのトレーニングや指導の影響が強くなる部分があると思います。松根さんにはそこを調整してもらうイメージでしょうか。

「松根さんはよく『達郎は自分を信じれば大丈夫だよ』と言ってくれるんですね。前回もペレスはテイクダウンディフェンスが強いので、僕は『テイクダウンに行くのは躊躇しますね』みたいな感じだったのが、松根さんはずっと『自信を持ってテイクダウンを取りに行こう』と言っていて。試合でも1Rが終わった後のインターバルに同じことを言われて、それで2Rにテイクダウンを取りに行ったら実際にテイクダウンすることが出来ました。松根さんは昔から僕に自分の核を見失わないように、背中を押してくれる存在ですね」

――それは心強いですね。岡田選手は松根さんとは違う形でサポートしてくれていますか。

「岡田さんは僕より英語が上手くなっているし、コーチを交えて話をするときに細かい部分を日本語で共有できるのが大きいです。英語が話せる通訳とMMAのことが分かる通訳だったら、細かいニュアンスの伝え方に違いがあると思うんですよ。コーチからアドバイスされたことを僕が間違って捉えないように、一緒に身体を動かしてくれる岡田さんとすり合わせられていますね」

一つに絞ってしまうと動きが固くなっちゃう

――今回はより万全な準備が出来ていることが伝わってきます。改めてロイヴァルの印象を聞かせてもらえますか。

「誰が相手でも手数が多くて止まらない、アグレッシブにいく印象ですね。その分、粗い部分というか、つけ入る隙がたくさんある選手なので、相手にペースに乗らず、慌てずにやる。僕だったらその隙をついて仕留められると思っているので、フィニッシュに繋げたいなと思っています」

――私もロイヴァルの試合映像を見て、常に自分からアタックし続けて、アタックの回数と動きの多さで相手を上回る。技術的な粗さや隙を攻め続けることでカバーしている印象です。

「いい意味でも悪い意味でも、我慢できない選手なのかなと思いますね」

――なるほど。落ち着いて試合を進めるよりも、動きたい・取りに行きたい気持ちが勝ってしまうタイプですね。

「だから僕的にはそこで上手く自分が有利になるような展開に持っていきたいですね。ロイヴァルの動きに騙されない、というか。こっちがいいところを取っていてもガチャガチャ動いてくると思うので、そこもしっかり頭に入れておいて、自分のペースで最初から最後まで試合を進める。向かい合った時にやりづらさを感じるかもしれませんが、(ロイヴァルは)こんな感じかというのを理解した上で、試合を進めていきたいなと思います」

――あとはロイヴァルの長身・リーチをどう攻略するかもポイントになると思います。

「長身の選手や手足の長い選手とスパーリングをやらせてもらって、最初はやりづらさもありましたけど、段々とアジャストしてきて打撃を当てるイメージもしっかり持てています」

――あとはベタな聞き方になってしまいますが、ペレス戦でのオタツロックのような決め技は容易していますか。

「結構色んな技は用意しています。あと『今回はどんな技で仕留めたいですか?』ってむちゃくちゃ聞かれるんですけど(笑)、色んなパターンを想像しているというか。僕自身は(動きやフィニッシュ)を一つに絞ってしまうと動きが固くなっちゃうんで、流れの中で打撃でも関節技でも絞め技でも、スタンドでもグラウンドでも色んなこと狙っていきます」

――ランキングでも1位のロイヴァルと5位の平良選手が5Rで対戦するとなれば、この試合の勝者が次期挑戦者に大きく近づくというメッセージもあるマッチメークだと思います。

「僕もこの試合が決まった時に、これに勝ったら次はタイトルマッチだなと感じましたし、UFC的にも期待があると思うんですよ。パントージャ、ロイヴァル、ブランドン・モレノでベルト争いする時代を変えてくれと。僕はそういう合図だと思っているので、ここで僕が1位のロイヴァルに圧勝して次の挑戦者は自分だということを見せたいです」

――平良選手は与えられた相手を一人ずつ倒してきて、タイトル挑戦が現実味を帯びてきました。これをクリアすればタイトルマッチだという前向きな捉え方をしていますか。

「そうですね。また会場がUFC APEXかよ!というのはありますけど(笑)、UFNのメインイベントで5分5Rですし、タイトル挑戦につなげるという意味では、大きなチャンスだと思います。判定に行くつもりはないですが、キツい試合になることも頭に入れているし、ロイヴァル戦はその次に繋がる試合だと思います」

――試合前にデンバーで大谷翔平選手の試合を見たそうですね。

「ちょうど一週間前にロサンゼルス・ドジャースがコロラド・ロッキーズと試合をして、生で大谷選手を見ることが出来たんですよ。僕ももともと野球をやっていたんで、めちゃめちゃ興奮しました。大谷選手を見た感想は米国の選手と並んでもデカいな、と。あとコロラドはドジャースからするとアウェーじゃないですか。でも大谷選手はコロラドでもとんでもない人気で、スタジアムには大谷選手のユニフォームを着た人がたくさんいるし、大谷選手が打席に立つとホーム・アウェー関係なく大盛り上がりなんですよ。世界のスターはこういうことなんだなというのを感じました」

――日本からも本当に多くのファンがこの試合を楽しみにしています。ファンの人たちにメッセージをいただけますか。

「前回の試合に勝ってタイトルマッチが見えてきて、どうすれば世界一の選手になれるかを考えてここまで過ごしてきました。ロイヴァル戦では次のチャンピオンは俺だぞということを示す試合をしたいし、そうする自信もあるので、今回の試合は本当に期待していてください」

■視聴方法(予定)
9月8日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

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DWCS o UFC ダニエル・ラセルダ チャールズ・ジョンソン 平良達郎

UFC306:第2試合・エドガル・チャイレス vs. ジョシュア・ヴァン

フライ級。

チャイレスは昨年7月の平良達郎戦でUFCデビュー。もともと翌月にDWCS出場が決まっていたが、平良の試合が相手の体重オーバーで試合が消滅し、急遽代わりの試合を組むためにUFC契約が決まる。敗れたが、入れ込みすぎた平良がフィニッシュに至らず、チャイレスが終盤ギロチンを仕掛ける場面もあった。2戦目は昨年9月のノーチェUFCで、4連敗中のダニエル・ラセルダと対戦。1Rにスタンディングギロチンを仕掛けたところ、ラセルダの腕の力が抜けレフェリーが落ちたとみなして止めたものの、落ちておらずノーコンテストに。今年2月のメキシコ大会でリマッチが組まれ、今度はテイクダウンされた後にガードから三角を決め、タップを奪いUFC初勝利。今回はそれ以来の試合。今回出場するメキシコ人ファイターは昨年のノーチェUFC→今年2月のメキシコ大会→今回のノーチェUFCというローテーションの選手が多い。28歳。

ミャンマー出身のヴァンは、負傷選手の代役として今月に入ってから急遽出場が決まった。UFCデビューからアグレッシブな打撃を武器に3連勝。当初チャイレスと対戦予定だったケビン・ボルハスにも勝利している。6月に平良との対戦が組まれていたが、カードシャッフルによりタギル・ウランベコフとの対戦に変更となり、さらにウランベコフの欠場で試合が消滅。7月にチャールズ・ジョンソン戦が組まれたが、1Rずつ取り合った3R目の開始と同時にジョンソンがラッシュを仕掛け、最後はアッパーをもらってKO負け。UFC初黒星を喫した。少しでも早く負けを払拭したかったのだとは思うが、初のKO負けから2ヶ月で急遽代役オファーを受けたことが吉と出るか凶と出るか。フライ級では鶴屋の次に若い22歳。

カーフ、ミドルを蹴るチャイレス。ジャブ。積極的に手を出す。前蹴り、カーフ。ヴァンはじっくり見ている。チャイレスがまたカーフ。連続でヒット。さらにカーフ。効いてきている。チャイレス飛び込んで右をヒット。またカーフ。足が流れたヴァン。距離が詰まってパンチ連打を入れたヴァンだが、チャイレスインロー、ジャブをヒット。またカーフを入れる。ジャブ。まだ手数が少ないヴァン。ワンツーをもらい尻もちをついたヴァン。すぐ立ったがチャイレス詰めていく。ジャブをヒット。ヴァンもパンチで出る。ワンツーを振る。ホーン。

1Rチャイレス。ヴァン、カーフがかなり効いており、早めに勝負をかけないと厳しい。

2R。ヴァン距離を詰めたがチャイレスがジャブを入れていく。左ボディ。ヴァンもカーフからパンチの連打を入れた。ようやくペースが上がってきたヴァン。左ボディ。他ヒィレスボディが効いた。また左ボディ。チャイレス嫌がってタックルに行くが、切ってヒザを入れたヴァン。距離を取るチャイレスに顔面・ボディにパンチ打ち込む。チャイレスグロッキー。ケージに詰めてパンチのラッシュ。連打。しかしチャイレス打たれながらバックブロー。ヒットしぐらついたヴァン。チャイレスが逆襲するが、ヴァンタックルでテイクダウン。チャイレスのガード。チェイレスガードから三角。しのいだヴァンだが、距離ができたところで立ったチャイレス。また左ボディを入れたヴァン。効いたがチャイレスのパンチも入り効いている。ヴァンタックルへ。チャイレス得意のギロチン。ボディシザースしてガードで絞めるが首を抜いたヴァン。体を起こさずパウンドを入れるヴァン。両者消耗がある。ホーン。

2R両者ダメージがあったが、よりKOに近かったのはヴァンか。最後バックブローがヒットするまでは、ストップされる直前だった。

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【DWCS S08 Ep05】UFC契約を賭けたベルガウイ戦へ、岩﨑大河「今回は勝ちに徹しようと思っています」

【写真】渡米後のインタビューに、いつもの大河スマイル(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(水・日本時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep05で、岩﨑大河がユースリ・ベルガウイと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

岩﨑にとっては昨年9月のキム・ウンス戦以来、1年振りの試合がUFCとの契約を賭けたDWCS出場となった。対戦相手のベルガウイはキックボクサー時代、2017年にはGLORYのミドル級トーナメントを制している。さらにGLORYでは現UFC世界ライトヘビー級王者のアレックス・ポアタン・シウバにも勝利したキャリアを持つ。今回2度目のDWCSチャレンジとなるベルガウイと、ABEMA TVの武者修行プロジェクトを経て成長したという岩﨑が戦う。UFC2から30年――あの浪漫を求めて。


ちょうどCMMAで同じようなタイプの選手と練習していた

——昨年9月以来、1年振りの試合を控えている岩﨑選手です。この期間は、UFCとの契約あるいはDWCS出場を調整していたのでしょうか。

「いえ、そういうわけではないんです。ABEMA TVさんの武者修行プロジェクトに参加させてもらったり、修斗さんから何度もオファーを頂いていましたけど、いろいろ重なって——試合が決まらずに1年経ってしまいました」

——岩﨑選手の中で、1年も試合間隔が空いたことに対して、それほど特別に捉えているわけではないのですね。

「知らない間に1年経っちゃった、という感じです(苦笑)」

——なるほど。ではまずABEMA TVの武者修行プロジェクトの感想から教えてください。

「日本と米国ではMMAのロジックが違うというか。そのロジックを学ぶために、以前から米国で練習してみたいと思っていました。ABEMA TVさんのおかげで、ビクター・ヘンリーがいるカリフォルニアのCMMAというジムに行かせてもらえて良かったです」

——日本と米国でMMAのロジックが違うというのは、何が一番大きく違いましたか。

「自分も言葉で説明するのは難しいけど、根本の考え方が違いますよね。米国では皆が、MMAで一番主にしているところが、どこにあるか。そこに重きを置いている感じで。まず全員レスリングができるのはマストで、テイクダウンできることがベスト。そのための壁際の練習をやっていると思います。

たとえば日本でストライカーなら倒されない、あるいは倒されてからの展開からスタートする部分があります。しかも練習中に抽象的な言葉が飛びがちで。米国では一つひとつの要素がチェーンとして繋がっているというか。『米国の選手は、こうやってMMAの構造を考えているんだな』って知りましたね。ちゃんとMMAを勉強しながらMMAをやっているんだと思います」

——キリクリフFCで練習している木下憂朔選手も仰っていますが、どのようなスタイルで戦おうとも、まずはレスリングが根本にあるわけですね。

「第一にレスリングで、レスリングに合わせた打撃を学ぶ。レスリングができれば打撃も生きる、という考えですよね」

——全てレスリングありきで各技術が構築されていくわけですか。

「自分がレスリング出身でなくても、とにかくジムでレスリングの練習をやりますから。日本だと20歳を越えたり大学を卒業すると、なかなかレスリングをイチから学べる環境がないんですよ。それが米国では、MMAのジムで一からレスリングを学ぶことができる。腕の取り方、テイクダウンの入り方から、すごく細かい技術まで教えてもらえたのは良かったです」

——その武者修行プロジェクトを経て、今回のDWCS出場は急きょ決まった話だったのでしょうか。

「まず武者修行プロジェクトに行かせてもらった時、現地のコーチに米国のマネジメント会社を紹介してもらったんです。そこで『UFCを目指している』と言ったら、『じゃあDWCSに出られるよう交渉しよう』という話になって。

だけど8月に入ってDWCSが始まり、カードも埋まっているから諦めます——と伝えた1週間後に、マネジメント会社から『DWCSに欠員が出た!』と連絡が来ました。そういった経緯で自分を代役に選んでもらえたのが、今から1カ月ぐらい前です」

——DWCSを諦めると決めた時点では、もう今後の試合スケジュールを考えていたのですか。

「そろそろ試合しないと、もう1年経っちゃうなという感じで。そうなると自分の仕事は何なのか、って話になってしまいますからね。だからDWCS以外で交渉しようと思っていたところで。個人的には3月から5月まで米国で練習させてもらい、海外勢のフィジカルやMMAのスタイルを肌で感じました。そこから帰国して日本で練習しながら、いつでもDWCSに挑戦できるように準備はしていました。

それと対戦相手の映像を視ると、ちょうどCMMAで同じようなタイプの選手と練習していたんです。スパーリングではその選手に勝っていたと思うし、これは行けるかなと。実際に試合をしてみないと分からないですけど、いろんな伏線が繋がって準備はできていました。おかげで気持ちにも余裕はできていますね」

出場を躊躇していると、ずっと足踏みし続けるMMA人生になってしまう

——CMMAで一緒に練習していた選手というのは?

「ルイス・フランシスコネリというブラジルのウェルター級ファイターで、LFAで4戦4勝——全て1R KO勝ちしていますね。LFA側からも期待されていて、次はメインカードに出るかもしれないと言っていました。今回も自分は早めに渡米して、ルイスと調整しています。身長が198センチ、リーチは235センチぐらいあって」

——ベルガウイ対策としてはピッタリの練習相手ですね! 現在UFCと契約するにはRoad to UFCかDWCSから、という形が多くなっています。日本人選手でも、いきなりUFC本戦出場となった平良達郎選手と朝倉海選手は例外で。

「最初はRTUでワンマッチを組んでもらえるかどうか交渉してみようか、という話もあったんです。でもアジアのRTUは重い階級の試合はやらない、という方向性みたいで。だったらDWCSに狙いを絞ろうということになりました」

——今年のRTUはライト級もワンマッチのみでしたし、ウェルター級以上はワンマッチを組むことすら無さそうですね。とはいえ、RTUとDWCSでは仕組みが大きく異なります。どんな内容でもトーナメントで優勝すればUFCと契約できるRTUに対して、DWCSでは勝利だけでなく試合内容のインパクトも求められる傾向にあります。

「それは分かります。もちろんフィニッシュしたほうが契約してもらいやすい。でも相手は去年のDWCSにも出ていて、組みで負けているじゃないですか。今回は2度目のチャレンジで――もともとベルガウイと対戦する予定だったという選手の試合映像を視たら、僕と同じストライカーでした。だからUFCとしては、今回ベルガウイと契約したいのではないかと思ったんですよ(笑)。

その印象を周りの人たちに伝えたら、みんな『たぶんそうなんだろうね』と言っていて。だから僕がベルガウイにサブミッションで勝っても、UFCとは契約できないんじゃないか。KOでないと契約できない、というぐらいに考えていますね」

——ベルガウイはGLORY時代に対戦しているポアタンとアデサニャに続く、第3のキックボクシング出身ファイターとして期待されているかもしれません。この2選手と同じように身長が高く、リーチが長くてKOも多い。

「しかもGLORYでポアタンに勝ったことがありますからね。その実績だけでも、プロモーター側からすれば欲しい選手だというのも分かるんです」

——昨年のDWCSでマルコ・トゥーリオはベルガウイに判定勝ちを収めたもののUFCと契約できませんでした。しかし今年8月、2度目のチャレンジでKO勝ちして契約に至っています。ということは、昨年のトゥーリオのような勝ち方では契約できない可能性が高いです。

「本当に分かりやすいです。でも個人的には、勝ちに徹しようと思っています。たとえば序盤にバックを奪って、ボディクラッチで相手は動けない。だったら残りの時間はずっとその状態でいたいですね。

正直言うと、自分はどんな試合内容でも今回は契約してくれないと思っています。でも勝てば来年もDWCSに出場できる可能性がある。その場合は、自分と契約したいためのカードになっているかもしれないですよね。その試合のために、また1年頑張れば良い。

僕としては今回、このレベルの相手に対して自分がどれぐらい通用するのか。それが分かれば良いと考えているんですよ」

――なるほど。考えてみれば北米MMAと自分の現在のレベルを比較できる相手といえば、IGFで対戦したハファエル・ロバトJrのみでした。

「しかも海外でMMAの試合に出るのは今回が初で。だからって出場を躊躇していると、ずっと足踏みし続けるMMA人生になってしまうと思うんです。ここで一回ステップアップできるなら挑戦したい、という気持ちでいます」

——翌週にはパンクラスのミドル級KOP、内藤由良選手もDWCSに臨みます。同じ階級の日本人ファイターとして意識するようなこともないですか。

「ないです。同じ日本人ファイターである、というだけで。今回UFCは内藤選手と契約したいマッチアップなのかな、とも思っています。それだけ立場が違うなかで比べても仕方ないですよね。自分は自分であって」

UFC2から30年の時を経て、再び大道塾の選手がオクタゴンに入る

——DWCSの試合を目前に控えて、それだけ自分自身のことを客観視できていることも凄いですね。

「いえいえ(苦笑)。いわばUFCはプロモーターとしてプロフェッショナルであり、こちらもプロのファイターとして自分に何がもとめられているかは理解しないといけないと思うんですよ。今回、自分の立場は相手を立てるための脇役だと考えています。そこで僕が勝ったりすると、視ている側としても面白いでしょうし。

もちろん自分が一番欲しいものは、UFCとの契約です。UFC2から30年の時を経て、再び大道塾の選手がオクタゴンに入るということを大切にしたかったです」

——UFC2から30年! その言葉を聴くと、格闘技ファンの気持ちが蘇ってきます。以前、オクタゴンのスポンサーバナーに「KUDO」という文字が見えた時は興奮しました。「KUDO」が何の会社かは分かりませんが……。

「自分も視ていて気になりました! 調べてみると飲食関連の会社みたいですね。詳しいことは分からないのですが」

——そうだったのですね(笑)。では対戦するベルガウイの印象を教えてください。

「好き嫌いがハッキリしている選手ですよね。距離を取って打撃で戦うのは好きだけど、距離を詰められるのは嫌い。自分にとって気持ち良いことを続けたい選手だと思います。それはキック時代から今のMMAに至るまで変わっていなくて――。僕も20年、格闘技をやっているから分かるんです。長い期間をかけて染みついたものは消えない。なかなか新しいスタイルに変えるのは難しいですよね」

——昨年のトゥーリオ戦でも、打撃の圧をかけられたら極端に手数が減っていました。

「たぶん打撃面がしっかりしているからこそ分かる部分ってあるんですよ。打撃を知らない人のほうが、プレッシャーをかけられても無視して打ち返してきたりとか。でも——自分もそうですけど、打撃の間合いが大切だと分かるからこそ、間合いを保とうとしてしまうところがある。そういう意味ではメチャクチャ分かりやすいです。それとグラップリングは何もやっていないんじゃないか、というレベルで。ただフレームが大きいので、そこは気にしないといけないです」

——そのベルガウイを相手に、遠い間合いで待つのはリスクがあります。となると至近距離で戦うことになるのでしょうか。

「自分もリーチが長いわけではないし、かといってパンチをよく使うタイプではないので、近い距離で組むチャンスを探すことにはなると思います。また日本人選手がUFCと契約することが増えてきたなかで、まだ中量級の選手は少ないです。そんななかで自分がUFCとの契約を目指して頑張ります」

■視聴方法(予定)
9月11日(水・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS

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【DEEP121】瀧澤謙太とバンタム級王座決定戦、福田龍彌「判定基準のために戦略を変えたりはしません」

【写真】生き物として強くなるために沖縄で平良とセッション。平良にとってはブランドン・ロイヴァル戦に向けてサウスポー対策となる (C)RYUYA FUKUDA

16日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121で、福田龍彌が瀧澤謙太と空位の同バンタム級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike

昨年5月にDEEPフライ級GPを制し、フライ級暫定王者となった福田(その後、正規王者に昇格)。RIZINとNAIZA FC出場を経て今年からバンタム級に転向する。3月初戦で雅駿介をKOした福田は、続く5月には元谷友貴と対戦予定だったが、福田の負傷により注目の一戦は中止となった。改めて2階級制覇をかけて臨む瀧澤戦に向け、福田にこの約4カ月間のことを訊いた(※取材は8月26日に行われた)。


試合まで京都で練習するか。沖縄に来て達郎と良いセッションして日々を過ごすのか。どちらのほうが9月16日までに自分が強くなるかと考えた時に――もちろん沖縄やと

――本日はよろしくお願いします。……いつものご自宅とは違う風景ですね。

「今、沖縄に来ているんですよ。9日間、マンスリーマンションみたいなのを借りています」

――沖縄というのは、平良達郎選手との練習でしょうか。

「そうです。ホンマに良いセッションができていて、メチャクチャ濃い時間を過ごせていますよ」

――全国的に今年の夏は猛暑に見舞われていますが、沖縄の気候はいかがですか。

「暑いけど、京都も暑いですからね。前に来たのは冬やったけど『こんなに暑いんや』という感じで、暑さ慣れしてへんかったのでバテちゃったんですよ。だから今回は夏の沖縄を想定して、京都でも暑い時間に走ったりしていました。だから今回はバッチリです」

――沖縄で練習するための準備に時間を割く。平良達郎選手との練習には、それだけの意味と価値があるわけですね。

「はい。9月16日の試合まで京都で練習するか。沖縄に来て達郎と良いセッションして日々を過ごすのか。どちらのほうが9月16日までに自分が強くなるかと考えた時に――もちろん沖縄やと思いました。

京都でやっているのは、いつでも戦えるように自分の質を上げること。それを外で他の人を相手に試す。沖縄で収穫したことは、また京都で整えて9月16日を迎える。ちょうど良いスケジュールになりました。9月16日には、結構強くなっていると思いますよ。良い準備はできています」

――今年5月には元谷友貴戦が予定されていましたが、肩鎖関節脱臼により福田選手は欠場となりました。この負傷は、いつごろ発覚したのでしょうか。

「試合の10日前ぐらいですね。タイのプーケットに行っていて、怪我で腕が上がらなくなったんですよ。でもタイは旧暦の正月で、病院がどこも空いていなかったんです。そのままタイで練習したあと試合の10日前に帰国して、日本で検査したら『これは絶対に無理です』と言われました。自分としては試合したかったけど、そもそも怪我したらアカンということを学びましたね」

――プロのファイターとしてメインに穴を空けると同時に、元谷選手と対戦する機会を失ったということに対して……。

「そのダブルですね。皆が楽しみにしてくれていた試合を飛ばしちゃいましたから……」

――欠場が判明した時は、何より福田選手が一番悔しかったと思います。体の調子と気持ちは、いつごろ戻ってきたのでしょうか。

「すぐ気持ちは切り替えました。次に試合をする時は、雅戦より良いインパクトを残すために。元谷戦を飛ばしてしまったことは、次の試合で取り返さないといけない。だから休んでいる暇はなかったですね。怪我した時やからできることに取り組んでいました。

この怪我をしていた間は『今の自分にはココが足りへんのやろうな』、『もっとココをやらなアカンな』ってずっと思っていたことに取り組んできたんですよ。それが今は良い感じでパチッとハマってきている感覚はあります。生き物として成長したと思いますよ」」

――怪我をした時だから取り組めること……フライ級の時よりも体つきが大きくなっていませんか。リモート画面で見えるだけでも、肩から二の腕の筋肉が以前と違うように見えます。

「あぁ、ホンマですか。それは嬉しい。この期間に頑張りました!やってきたことは形になりますね」

――フライ級とバンタム級で比較すると、練習や試合の時の動きは違いますか。

「殺傷能力が上がったと思います。フライ級まで落としていた頃は、いつもの僕じゃなかったです。なんか力がみなぎらない感じで、試合も自分が相手を捌くほうに回っていました。特にフライ級GPは連戦やったし大変で、ツライ時もありましたね。だからバンタム級のほうが、いつもMIBUROの皆が知っている僕なんです。試合でも伸び伸びやっていますね」

――試合で雅選手と向かい合った時、フライ級との差は感じなかったのでしょうか。

「的がデカい、メッチャ殴れそうって思いました」

――階級を上げると的がデカくなる! なかなか聞かれない意見です。

「アハハハ。たとえば本田良介選手のように、ああいう体格で頭を下げて来る選手は殴りづらかったですよ。攻撃も飛んできてくれたほうが、隙も大きくますからね。だから自分がちゃんとディフェンスしていれば、長い距離から飛んでくるのも決して悪いことだけではないです」

――先ほど「生き物として強くなる」という言葉がありました。最近はまたMMAの判定基準について話題になることが多いです。判定という制度があるかぎり判定基準は重要ですし、「そんなことよりもフィニッシュすれば良い」という意見は暴論に近い。ただ、まず生き物として強くなることが重要なのかと考えています。これも暴論かもしれませんが。

「アハハハ、なるほど。判定って要するに『時間内に決着がつかなかったから、どっちが強かったか決めてよ』と聞いているということじゃないですか。それだけ単純なことなんですよ。コントロールかダメージか、という印象もそうやけど、じゃあ『このコントロールは、受けたダメージより上回っているか』という印象は人によって違うわけで。

重要なのは強いと思わせること、ジャッジに強いと思ってもらえる試合を見せること。試合というのは、自分の強さが何かを表現する場所やと思うので。極論やけど、テイクダウンを切って殴り続けていたら、そっちのほうが強いと思われるじゃないですか」

――逆もまた然りですね。打撃を受けずに抑え込み続ければ、強いと思わせることができる。

「結局、殴って殴り返されていたら、相手にポイントがついても仕方ないんですよ。『判定基準を統一してほしい』という意見も分かります。でもその前に、プレイヤーとしてできることがあるんじゃないか。

誰が見ても『このラウンドは福田や』と思わせるように戦うには、どうすれば良いのか。僕は判定基準のために自分の戦略を変えたりはしません。自分は戦うことに特化してきた。それが生き物として強くなるということやと思います」

――そんなか復帰戦として瀧澤戦が決定しました。福田選手と瀧澤選手の対戦は、福田×元谷戦とはまた違う新鮮さを感じます。

「それがバンタム級転向の魅力ですよ。僕の立場でやっていると、フライ級のままではマンネリ化するじゃないですか。じゃあフライ級で次の挑戦者はって考えると……。僕は今もずっとフレッシュな気持ちでMMAを続けたいし、お客さんにもフレッシュな気持ちで試合を観てほしいから。これからDEEPでRIZINに出ている選手を倒していくことになるかもしれないですね」

自分で食べ物を確保できるスキルを備えておきたい、自分で処理して自分で食べたい

――7月の瀧澤×CORO戦はご覧になりましたか。

「……まだ視ていないんですよ。前に元谷選手と対戦した試合(2021年9月、瀧澤がKO勝ち)は視ました。元谷選手の過去の試合をチェックしている時に、瀧澤戦を視ていて。変わった動きをする選手だなぁってイメージですね。ここ最近、まあまあ忙しくて。狩猟免許の勉強もしながら、あんまり余裕がなかったんですよ(苦笑)」

――そういえば狩猟免許の勉強をされていたのですね。

「おかげさまで試験にも合格しました。ジビエって一頭で、自然で動き回っている新鮮なお肉が20~30キロ取れるんです。僕は自分で食べ物を確保できるスキルを、生き物として備えておきたくて」

――狩猟免許を取得したのは、強くなるためにジビエ肉を食したいということですか。

「そういうわけではないんですよね。お肉を買うことって普通みたいになっているけど、決してそうじゃない。自分で食べ物を確保できるスキルを備えておきたい、自分で処理して自分で食べたい。そういう気持ちはもともと持っていました。だから目指しているのは、渓流釣りと狩猟の自産自消ですね。

そういう自分の理想の人生設計のためのスキルを身に着けるためには、今のうちに始めておかなアカンと思って。全ては繋がっているんですよ。今こうして達郎と練習していることも、9月16日に試合をすることも。全部含めて――父親としても、人としても、ファイターとしても強くなる日々を送ってきました。一切ダレていないし、血眼になってやってきました。そういう意味でホンマに早く戦いたいですね。楽しみにしていてください」

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【Special】Fight&Life#104より。ロイヴァル戦決定、平良達郎「向うの攻撃が想定内になることが重要」

【写真】MMAへの透明度が、さらに上がっているように感じた (C)FUMIO KURODA

今月23日(金)に発売されるFight & Life#104のワイド特集「格闘技日本代表」内で平良達郎の巻頭インタビューが掲載される予定だ。UFCフライ級5位の平良は、10月12日に1位のブランドン・ロイヴァルとの一戦が決まった。
Text by Manabu Takashima

ロイヴァル戦を通して、タイトル挑戦への筋道。平良のUFCへの想いを尋ねたインタビューで、スペースの都合上誌面で掲載できなかった箇所を切り取って、MMAPLANETで公開したい。


──ペレスに勝った直後にはムハマド・モカエフという同い年で無敗同士の対戦というストーリーラインも盛り上がるという話もされていました。しかしUFCはモカエフとの契約を更新せず。モカエフが12月に予定されるアレッシャンドリ・パントージャへのチャレンジャーの有力候補でもあったので、平良選手にその枠が回ってくるかもしれないという話が内々では聞かれていました。

「モカエフがマネル・ケイプ戦で圧倒的な勝ち方をして、彼が次の挑戦者になってもいずれは交わる日が来る。そうなれば僕らの試合は盛り上がるから、モチベーションも高く保てるという心境でした。結果としてモカエフがいなくなり、僕はランク5位だし挑戦者になるのは唐突だなという想いでしたね。

同時にちょっと早いと思いつつ、そうなった時のために準備はしていました。ただ、モカエフとは将来的にオクタゴンで戦える日が来ることを期待しています」

──結果、10月にロイヴァルと戦うことになった。同時に8月18日のUFC305ではカイ・カラフランス×スティーブ・アーセグのタイトルコンテンダー同士の一戦も組まれており(※結果はカイ・カラフランスが勝利)、挑戦権争いのライバルと見て良いかと。

「ロイヴァル戦がなくて12月に挑戦となれば、美味しいという見方はできかと思います。でも、14位の状態で5位の選手と試合ができたわけだし、そこまで都合が良いようには望んでいなかったです(笑)。元々トップ5の選手と戦うには、あと2勝ぐらい必要だと考えていたので。5位になったといっても、ここから上の選手と戦って自分の力を見せることでよりタイトル戦が盛り上がるはずです。

同時にカイ・カラフランスとアーセグの試合の勝者の方が先に挑戦することになるかもしれないですが、ロイヴァル戦は文句なしで挑戦者決定戦の意味合いを含んでいるので、凄く気合いが入っています」

──おおッ!! 力強い言葉です。同時に今のMMAはテイクダウンを軸に攻撃が評価対象になりやすい打撃、スクランブル、攻防になることが少なくなってきた寝技という3つの局面があるなかで、ロイヴァルは寝技の攻防が可能になるファイターで極めが強いです。そういう点でも、過去の試合と比較して対策練習の比重も変わってくるかと思われます。そこで平良選手がフィニッシュを警戒するレベルにある練習パートナーは存在しているのでしょうか。

「なかなか練習相手で下からの極めを積極的に使う人はいないです。柔術家で下からの仕掛けが上手い人を沖縄に呼んで、対策練習をする必要はあります。ロイヴァルにしても他の対戦相手にしても、向うの攻撃が僕のなかで想定内になることが重要で。

できるだけクローズドガードの中に入らない。入るとラバーガードで足が上って来るので、できるだけハーフガードで足を潰すことはイメージしています。それに柔術に関しては、パラエストラ沖縄時代から松根(良太代表)さんに基礎から習ってきているので、やりあえる基盤はあると思っています」

──ロイヴァルは胴と手が長い。そんな印象があります。

「長いですね(笑)。ただ、その手の長さに関連してくるのは寝技の前の打撃の展開、サウスポー対策が先決だと思っています。そこは松根さんと相談して、福田(龍彌)選手にまた沖縄に来てもらうことになっています」

──福田選手とは今年の1月にも一緒に練習をしていますね。

「ハイ。今回は10日から2週間ほど来てくれます」

──福田選手の呼ぶところのセッションとは、毎回斬り合うイメージで練習をする。スパーだけでなく、ミット打ちも真剣勝負という姿勢です。

「福田選手はスネ当てもつけないし、グローブもボクシンググローブでなくMMAグローブです。僕の打撃スパーはソフトな方なので、福田選手との練習は緊張感があります。それでも福田選手も、京都の方で練習をしている時ほどガチではないと思います。とにかく福田選手の話してくれる打撃論が面白くて」

──福田選手から学べることは、どういったモノですか。

「福田選手はスパー中に、本当に隙を見せないです。だからこそ、あれだけ手数を増やすことができる。逆に僕は福田選手の動きを見てしまうんですよね。そうなると、僕の方に隙ができる。福田選手はミットでも何でもMMAをとことんイメージして、練習をすることができる人で。それをスパーリングと上手く連動させているから、積み上げてきている部分が凄いです。福田さんとは新鮮な気持ちで練習できます」

■「UFCで戦っていると、選手の体調を気遣ってくれるので長く現役生活を送ることできる」、「相手の嫌がることを選択していくことが一番大切」、「1位のロイヴァルに勝ってタイトルに挑戦しようとすることは間違ったことをやっているわけじゃない。納得して歩んでいる道」。なぜ、UFCなのか。MMAという戦いの本質。朝倉海×パントージャ戦の噂──等々への問いに関して、平良達郎の人間性が伝わってくるインタビューが掲載されたFight&Life Vol.104は8月23日(金)の発売です。

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