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【Shooto2025#01】修斗開幕戦のメイン。安芸柊斗と暫定フライ級王座戦、関口祐冬「勝ち方もこだわって」

【写真】ベルトへ。この流れは昨年5月から始まっていた(C)MMAPLANET

19日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2025#01で関口祐冬が安芸柊斗と世界フライ級暫定王座決定戦で対戦する。
Text Takumi Nakamura

昨年5月に石井逸人に勝利し、フライ級チャンプ新井丈に挑戦するチャンスを待っていた関口。その新井が9月にRIZINでエンカジムーロ・ズールーにKO負けを喫し、最終的に今大会で暫定王座決定戦が組まれ、暫定王者が新井と統一戦を行うという流れに収まった。

正規王者への想い、暫定王座を争う安芸への想い、そして尊敬する猿丸ジュンジへの想い。関口にとってフライ級王座を巡る戦いは格闘技キャリアにおける大きな意味を持つものだ。


――安芸柊斗選手との世界フライ級暫定王座決定戦が迫ってきました。この試合は昨年11月の後楽園大会で発表されたカードで、あの場で関口選手は正規王者の新井丈選手をケージ内に呼び込んで保持している王座について問う一幕がありました。あれは事前に考えていたものだったのですか。

「僕が5月に石井逸人選手に勝ったあと、タイトル挑戦は新井選手待ちの状態だったんです。そのなかで新井選手が9月にRIZINで試合をすることになって、修斗のチャンピオンは防衛期間(※原則として1年以内に防衛戦を行わなければならない)があるので、それを超過することになったら新井選手が何かしらコメントすると思っていたんです。でもそれが一切なかったので、直接新井選手の口から修斗のベルトのことをどう思っているか聞こうと思いました。あの日、新井選手は会場にいると思っていたので、それでケージに呼び込んだ感じです」

――当日、新井選手の体調・コンディションを考慮して暫定王座が設けられることになったと説明があり、ケージに上がった新井選手からは「正直(返上は)俺が決めることじゃない」、「修斗から『返上しろ』と言われたらそれに従う。そうじゃなくて暫定王座戦を組んだということは安芸と関口じゃ荷が重いということなんじゃないんですか」という言葉がありました。

「ああ言われたら……納得せざるをえないですよね。そこは新井選手個人の意思だけじゃないだろうし、あの場で自分が言った通り、色々とコミュニケーションがあったなかでのことだと思うので」

――それと同時に新井選手からは統一戦を行う意思表示もあり、今後の流れも明確になったと思います。

「そうですね。ただタイトルマッチだからと言って特別な気持ちはないし、毎試合毎試合が大事で、一つでも落としたらそれを取り戻すのは本当に大変です。僕は目の前の試合に一つずつ勝っていくだけですね」

――では対戦相手の安芸選手についても聞かせてください。試合発表時には「安芸君は尊敬する先輩・猿丸ジュンジの同じ弟子だと思っているから本当はやりたくない」と話していましたが、試合が決まった時は複雑な心境でしたか。

「僕は猿丸さんを尊敬していて、安芸選手は猿丸さんと関係が深くて(※猿丸は安芸佳孝・柊斗の親子と対戦経験がある)、同じ猿丸一派としてはやりたくないですよね(苦笑)。ただ同じ目標に向けてやっている以上、どこかで戦うことになっていたと思いますし、対戦相手として見て純粋に強い選手だと思います」

――この試合に向けてどのようなことを意識して練習してきたのですか。

「基本的にはいつもと同じ練習ですが、フライ級は組みの強さが大事だと思うので、組みを強くする練習をしてきました」

――フライ級が組みの強さが大事だと思う理由はなんでしょうか。

「フライ級は体重が軽い分、打撃一発でKOすることが少ない階級だと思うんですね。(フライ級の)どの団体のチャンピオンを見ても、打撃を効かせても組まれる展開になるし、レスリング力・グラップリング力がより重要だと思っています」

――MMAPLANETでの過去のインタビューを読んでも分かる通り、MMAマニアともいえる関口選手ですが、そこは他のフライ級の試合を見ていても感じることですか。

「そうですね。それこそ大晦日RIZINの堀口(恭司)選手はエンカジムーロ・ズールーに打撃を効かされたけど、最後は組みの力で勝っていたし、逆に神龍(誠)選手は ホセ・トーレスに打撃を当てていたけど、グラウンドで下になる時間があって、それが判定に響いた。フライ級は打撃を当てても組みの攻防でどちらが有利に戦うかが判定に関わってくる階級だと思います」

――同階級の他の選手の試合を見て刺激やインスピレーションを受ける部分は大きいですか。

「早くあの選手たちに追いつきたいし、目指すものだと思うし。あとは純粋に強くなりたいという気持ちで、自分の階級の試合はよく見ます」

――前回の石井戦はケージに押し込まれた状態でのヒジでKOという珍しいフィニッシュでした。あのヒジについても聞かせてもらえますか。

「実はあのヒジは事前に練習したものじゃなくて、ケージに押し込まれた時に石井選手の頭がヒジを入れやすい位置にあったので、やってみようと思ってやった感じなんですよ。だから練習じゃできないことが試合で出ることもあるんだなと思いました」

――そうだったんですね。あの場面を想定して練習していた技だと思っていました。過去に練習していなかった技が出ることはありましたか。

「自分は腕十字が得意で、それが試合でパッと自然に出たことはありましたけど、ヒジは危ないからそこまで練習できないじゃないですか。きっとああいう技をやると練習仲間に嫌われるだろうし(笑)。軽く触るくらいでやったことはあるかもしれませんが、あれで倒そうと思って練習していたわけではないです。ただああいう態勢になったらヒジが入るイメージはあって、実際にあの場面はヒジを入れて腕のクラッチが緩まれば(タックルが)切れるくらいの感覚でヒジを出しました」

――なるほど。効かせるというよりも嫌がらせ的な攻撃だったんですね。

「はい。だからこそあれでKOできるとは思わなかったので、自分でも驚きました」

――偶然の産物ではあるものの、今後も使える技になったのではないですか。

「そうですね。修斗でも西川大和選手が下からのパウンドで相手(川名TENCHO雄生)をKOしたこともありますし、有効な技ではあると思います。もちろんガードで下になり続けるのはよくないし、基本的にガードでは打撃にこだわるよりも立ち上がった方がいいと思いますが、一つの攻撃方法として使える場面はあると思います」

――関口選手は現在3連勝中ですが、好調の要因をご自身ではどのように考えているのでしょうか。

「2019年6月に平良達郎選手に負けて、復帰するまでに1年3カ月くらい空いてるんですけど、その時に奥さんと出会ったんです。で、復帰後は新井丈選手以外には負けてないので、明確に変わったことと言えば奥さんと出会ったことですね。正直、平良選手に負けた後、もうMMAの試合はやらなくもいいかなと思ったんです。でも奥さんから『人生一回きりなんだから、もう一回頑張りなよ』と言われて、それでまた頑張ろうと思いました。復帰後はランキングにも入ってタイトルマッチまでいって、目標が明確になりましたね。自分にとって奥さんは格闘技に対する気持ちを上げてくれる存在でもあります」

――では今回の王座戦ではどんな試合を見せたいですか。

「僕は今までリスクを負わず手堅く戦って、相手の弱いところを突くような試合で判定で勝ちをあげてきました。ファンのみなさんが求める試合はできていないと思います。ただ今回はリスクを負ってでもフィニッシュして勝ちたい。これからちゃんと格闘技で食っていくためにはそういう試合をやらないといけないと思うし、プロでやる以上、試合で稼ぎたい。負けない試合じゃなくて、勝ち方にこだらないといけないと思っています」

――冒頭にも触れましたが修斗のベルトを巻くことへの思い入れとは?

「ベルトやタイトルというよりも、僕は猿丸さんがめっちゃ好きで、階級は違いますけど猿丸さんと同じ修斗のベルトを巻きたいです。実は猿丸さんも先に暫定王者になって、それから正規王者になったので、自分と同じシチュエーションなんですよ。猿丸さんの背中を追いかけるじゃないですけど、同じ道を辿りたいですね」

――しかも同じ猿丸一派の安芸選手とベルトを争うというのも運命的ですね。

「そうなんですよね。しかも猿丸さんからベルトをぶんどったヤツが新井選手なんで、その新井選手からベルトをぶんどりたいです」

――そこにもつながるわけですね。

「もっと言うなら新井選手がフライ級に上げて、最初の相手がランキングで1位の僕だったんですよ。それで僕が新井選手にやられてフライ級のベルトを持っていかれたので、自分が新井選手の勢いに火をつけてしまったという責任もあります。もしあそこで僕が新井選手を止めていたら、今のような状況にはなってないと思うし、そういう意味でも新井選手に勝って正規王者になりたいです」

――修斗のベルトを巻けば色々なチャンスにつながると思いますが、これからやっていきたいことはありますか。

「自分を応援してくれる人が少なかった頃は海外でやりたいと思っていましたが、応援してくれる人が増えてからはRIZINにも興味があります。RIZINにはフライ級の強い選手が集まっているし、それこそ新井選手は修斗の2階級王者としてRIZINに出て負けているじゃないですか。だから僕が新井選手からベルトを獲って、僕がRIZINに出て修斗王者の強さを見せたいです」

――今年のプロ修斗の開幕戦のメイン、どんな試合をお客さんに見せたいですか。

「きっと新井選手は僕の人間性は嫌いじゃないと思いますが、僕の試合は好きじゃないと思います(苦笑)。今回は勝ち方にもこだわって、新井選手が僕とやらざるをえない状況を作りたいですね」

――それでは最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

「今回の試合、判定決着にはならないと思います。必ずフィニッシュして勝ちます。なのでぜひみなさんには会場まで足を運んでほしいです。大会を盛り上げるのは選手だけではなく、お客さんの応援や熱が必要だし、会場でしか味わえないものがあるので、ぜひ後楽園で僕の試合を見てほしいです」

■視聴方法(予定)
12月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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o RIZIN UFC UFC Fight Night アレッシャンドリ・パントージャ ブルーノ・シウバ マネル・ケイプ 堀口恭司 平良達郎 朝倉海 鶴屋怜

【UFC】マネル・ケイプ×ブルーノ・シウバ 試合結果!

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昨日のUFC Fight Night: Covington vs. Buckley。アレッシャンドリ・パントージャ×朝倉海のタイトルマッチでにわかに活気付いてきたフライ級戦線。その熱気が冷めやらぬ中、マネル・ケイプとブルーノ・シウバのフライ級ワンマッチが行われました。

フライ級で確固たる位置を築いたケイプに対して現在UFCで4連勝中のシウバが挑む構図。勢いに乗るシウバが下剋上という声もチラホラ聞こえていましたが、終わってみればケイプが3Rで圧巻のTKO勝ちを収めました。

1Rの序盤こそシウバが左右のコンビネーションで手数を稼いだものの、ケイプは凌ぐと徐々に主導権を確保。2Rにはパンチでシウバを出血させると、人を食ったような動きで挑発。前に出るシウバをおちょくるような仕草を見せて余裕を感じさせる試合運び。

3Rに入るとケイプは前蹴りでボディをえぐると後退するシウバを追いかけてラッシュ。ボディを効かせると左右の連打を打ち込んで勝負アリ。背中を向けて防戦一方のシウバを見てレフェリーが試合を止めました。

勢いのあるシウバを打撃で翻弄したのはお見事。ケイプの打撃の強さを改めて再認識させられました。試合後にはマイクを握ってパントージャに対して宣戦布告。王座戴冠に向けてよほど自信があるのでしょう。

いきなりパントージャとのタイトル戦に行くかどうかはさておき、RIZINファン、日本人ファンにとっては熱い展開が期待出来そう。ケイプと朝倉海の3度目の対戦や平良達郎や鶴屋怜との試合も実現する可能性は十分にあります。そしてここに堀口恭司が絡んできてくれたら。。。まだ密かに期待してます。
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【Colors04】元RISE王者がMMAデビュー、erika「首相撲も活かして、打撃でボコボコにする」

【写真】すでに自分のストロイングポイントを理解して、MMAのスタイルを確立させつつあるerika。楽しみなMMAデビュー戦だ(C)RYOTA MATSUNE

15日(日)、東京都新宿区の新宿FACEにて開催される女子プロ修斗公式戦「COLORS Produce by SHOOTO Vol.4」にて、元キックボクサーのerikaが吉成はるかと対戦する。
text by Takumi Nakamura

erikaは沖縄出身&在住で、2021年3月にNJKFミネルヴァ日本アトム級王座、2022年6月にRISE QUEENミニフライ級王座を獲得。女子キックの第一線で活躍してきたが、2023年11月に小林愛理奈にKO負けしてRISE王座を明け渡すとMMAへの転向を決意。沖縄のTHE BLACK BELT JAPANに所属し、今年の全日本アマチュア修斗選手権では女子フライ級優勝を果たした。

全日本アマ修優勝から約2カ月、プロMMAデビューを前にerikaは「私はキックボクシングを引退してMMAをやっています。これからはMMAファイターとして結果を残したいし、最初の目標として修斗のベルトは巻きたい」とMMAファイターとしてのリスタートに燃えている。


――元RISE王者のerika選手が全日本アマ修で優勝して、MMAファイターとして修斗でプロデビューするということで非常に驚きました。いつ頃からMMAには興味があったのですか。

「娘が3年前ぐらいから松根(良太)さんのもとで柔術とキックをやっていて、私も打撃のスパーリングに参加させてもらってたんですね。どうしても沖縄はキックのスパーリング相手が少ないので。それで打撃の時間が終わると私は練習を抜けて、他の選手たちはそこからMMAスパーなんです。それでみんなのMMAを見ていたら、なんか楽しそうだなと思ったり、みんなが夢や高みを目指して切磋琢磨しているのを見て、自分も一緒に練習してみたいなというのはちょいちょい思っていました」

――最初のきっかけは娘さんだったんですね。

「そうなんです。私の試合を色々と見ていて、自分も格闘技をやりたいと言い始めて。打撃はやらせたくなかったので、最初はキッズ柔術から始めたのですが、キックのクラスもあるからやるとなって。そうなったらもうやってみていいよとなって、今はMMAもやる流れになってます(笑)」

――とはいえ練習だけではなく本格的に試合に出るレベルでやろうと思ったのはなぜですか。

「2022年6月にRISEでタイトルマッチをやった(AKARIに判定勝ち)あとに右肩を手術して、1年くらい試合をしていなかったんです。復帰してからも一生懸命、必死にやったんですけど、自分の思い通りの動きができなくて。このままキックを続けたとしても伸びしろがあるのかな?と思いながら、自分に鞭打って何とか頑張っていました。でもキックは練習仲間も少ないし、一緒に何か目標を目指して切磋琢磨する仲間も少ない。そういう状況が自分としては結構大きくて……。その一方でTHE BLACKBELT JAPANはみんなで切磋琢磨して、それぞれ目標を持って一生懸命練習していて、自分もそういう選手たちと関わりたいと思ってMMAの練習を始めました。で、いざ練習を始めたら松根さんからの勧めもあって、何か目標を作った方がいいと思って、最初は柔術の試合に出たんです。そこで勝つことが出来て、次はMMA=全日本アマ修斗を目指そうと思ってエントリーして、一生懸命練習したら優勝できました。そうしたら、そのままプロ昇格ということだったので、この流れに乗ってプロでもやろうと思いましたね」

――練習環境も含めてキックでは成長や次の目標を見つけることが難しい部分もあったんですね。

「自分はチャンピオンになれましたけど、強いRISEの選手たちと戦うにあたって、いつも自信がないまま試合をしていて。自分自身はぶれずにやってたんですけど、それ以外の周りからの刺激だったり、自分と同じレベルで戦うメンバーがどうしても欲しくて。結局は自分次第だと思うんですけど、今のままだったらちょっと難しいなというのがありました。だったら、もう練習環境もやることも全部変えて、新しいことをゼロから学びたいって。しかも松根先生に出会って、松根先生のもとで新しいことを学びたいと思ったのが大きかったですね」

――全日本アマ修の翌日にRISEオフィスにもご挨拶に行かれていましたよね。

「防衛戦で負けたことがショックすぎて尾を引いて、あまりSNSにキックに関することを投稿できなかったんです。それでキックからMMAに転向することを発表するタイミングを見失ってしまっていて。それで自分の中で全日本アマ修の後にRISEのみなさんに報告しにいこうと思って、ご挨拶に行かせていただきました。みなさんからは頑張ってくださいとい暖かい言葉をもらえて、これで心置きなくMMAにチャレンジできます」

――とはいえキックから柔術、打撃から組み技へのチャレンジは全く新しいチャレンジだったと思います。辛さや難しさを感じるよりも楽しいという気持ちが勝りましたか。

「そうです!まさにゼロからスタートなんで、だんだんちょっとずつできていく自分が楽しくて。もちろん最初はやられましたけど、それをみんなに質問して改善していくみたいな。練習の中で毎日成長できたので、それがすごい良かったです」

――RISE王者という肩書を持っていたらアマチュアを通さずにプロデビューできる可能性もあったと思います。erika選手の場合はそうではなく、アマチュアからちゃんと実績を積みたいという想いがあったのですか。

「はい。MMAの練習を始めたとき、ジムには全日本優勝やプロ昇格を目指して必死に練習しているアマチュアの選手たちがいて、いざ練習するとみんなめちゃくちゃ強いんです。そういう選手たちがいるなかで、キックで実績があるからって、いきなりプロになるのは違うなと思っていました。だから松根さんから全日本優勝という目標を提案されたのは本当にありがたかったし、自分もそれがいいと思っていました。MMAの経験を積むという意味も含めて」

――全日本アマ修の試合も見させてもらいましたが、自分の打撃を活かすスタイルがすでにできつつある印象を受けました。

「絶対優勝してやろうと思って毎日めっちゃ練習しました(笑)。今から寝技をすごくやってもアマ修に出るメンバーには勝てないと思ったので、自分はひたすらもうキックボクシング…というか打撃の展開になるような試合の持っていき方を練習していました」

――特に首相撲や組んだ状態のヒザ蹴りが効果的でしたが、あれはキック時代から得意だったのですか。

「RISEに出る前は首相撲ありでチャンピオンにもなっているし、タイ人の先生に教わっていたんで首相撲そのものはずっと練習していて、自分としては(首相撲も)好きなんですよ。MMAは首相撲を制限なくできるので、それは活かそうと思って戦いました。組み技・寝技も練習を続けていますが、寝かされないように打撃で相手をボコボコにするのが自分のMMAの理想なんじゃないかなとは思っています」

――デビュー戦に向けて今どんなことを一番意識して練習されていますか。

「相手が寝技の選手なので、やっぱり寝かされないように打撃でボコボコにするのが目標です。そこは今後も必要になるところなので、引き続きグラップリングや柔術を強化しつつ、運がいいことにTHE BLACKBELT JAPANはグラップリングが強う選手が多いので、みんなにたくさん組んできてもらって、それをひたすら切って殴るという練習を続けています」

――MMAの練習を続けることで使える打撃も増えていますか。

「こういう場面は打撃もいけるなというのはちょっとずつ分かってきました。ただMMAとキックは距離感も全く違うので、試合で使う・使わない関係なく日頃からちゃんと組み技・寝技を練習して、そこに自信を持てるようにならないと、思い切った打撃はできないなと改めて感じています。そこももっともっとこれから追求して、最強になれるように頑張りたいです」

――最近はキックからMMAにチャレンジする選手も増えていますが、erika選手のように女子キックの王者クラスがMMAに転向するパターンはまだ少ないです。自分が結果を出して道を創りたいという想いはありますか。

「私はキックボクシングも好きなので、キックはキックで盛り上がってほしいですが、もし何かに行き詰った選手がいたらMMAの練習をやってみるのはいいと思います。私もMMAの選手とスパーリングして勉強になることが多かったし、キックにも活かせるものがたくさんありました。そのうえで今自分はMMAに転向して、キックボクサーがMMAでも通用するぞということは、女子でも見せれたらなとは思います。RIZINでMMAにチャレンジしている元キックの選手を見てもそう思いますし、特に久保優太選手の試合を見て、めっちゃ希望を持ったんですよ。私もあんな存在になれたらなと思ってます」

――では打撃の部分でもMMAの練習をすることで伸びている部分はありますか。

「ありますね。私が松根さんに言われたのは『ちゃんとディフェンスして、相手を見ろ』だったんです。自分は猪突猛進型で、それでRISEの防衛戦でもKOされているので、そこが課題だったんです。あの経験は無駄にしたくないし、MMAでのあの反省点を活かした試合をやりたいですね、特にMMAでは相手の攻撃をもらわないことが必要なので」

――キックだったら多少被弾してもいけるところが、MMAだったら多少の被弾でも試合が終わる可能性がありますからね。

「それはすごく感じました。松根さんが『9当たらなくても1当てろ』みたいなことを言っていて、キック時代はあまりピンと来てなかったんです。でもMMAを始めて、外から自分のファイトスタイルを見つめ直して考えた時に、そういう意味か!というのが分かりました。平良達郎くんもそうですけど、相手の打撃をもらわずに自分だけ当てる距離感をすごく大事にしていて。今私もそこを取り入れて、少しずつファイトスタイルも変えている感じです」

――これからのMMAファイターとしての目標を聞かせてください。

「私はキックボクシングを引退してMMAをやっています。これからはMMAファイターとして結果を残したいし、最初の目標として修斗のベルトは巻きたいと思っています」

■視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後6時00分~ABEMA格闘チャンネル

■Colors04 対戦カード
<女子アトム級インフィニティリーグ/5分2R>
平田彩音(日本)
NOEL(日本)

<女子アトム級インフィニティリーグ/5分2R>
パク・ソヨン(韓国)
檜山美樹子(日本)

<ストロー級/5分2R>
吉成はるか(日本)
erika(日本)

<ストロー級/5分2R>
高本千代(日本)
杉本恵(日本)

<60キロ契約/5分2R>
愛日(日本)
中尾あづき(日本)

<グラップリングマッチ 54キロ契約/8分1R>
藤野恵実(日本)
前澤智(日本)

<ストロー級/5分2R>
高田暖妃(日本)
チョン・チャヒョン(韓国)

<グラップリングマッチ 58キロ契約/8分1R>
植木くるみ(日本)
植田咲(日本)

<グラップリングマッチ 48キロ契約/4分1R>
小笠原颯希(日本)
遠藤ジュリアン桜(日本)

<グラップリングマッチ 35キロ契約/4分1R>
吉村柚咲(日本)
笠井遥月(日本)

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45 MMA MMAPLANET o Special UFC UFN UFN244 ブランドン・ロイヴァル ブログ 平良達郎

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:10月 ロイヴァル×平良達郎「コントロール力と勝負に対する気持ち」

【写真】5Rのタフファイトだったからこそ、平良達郎の強さが見えた(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年10月の一番──10月12日に行われたUFN244のブランドン・ロイヴァル×平良達郎、MMA史に残る大激闘となった一戦を語ろう。


――水垣さんの10月の一番はブランドン・ロイヴァル×平良達郎を選んでいただきました。

「もうこれしかないだろうっていう感じですよね。この試合は解説しながら見ていたんですけど、 試合が終わったと同時に『今月の1番はこれだな』と決めていました。日本人としては悔しい気持ちもありましたが、本当に素晴らしい5Rマッチの試合だったと思います」

――水垣さんはこの試合のどこが一番印象的でしたか。

「前回平良選手が対戦したアレックス・ペレスもトップ選手だったのですが、ああいう形でフィニッシュして勝って(スタンドでのオタツロックでぺレスが膝を負傷)。立派な勝ちではあったんですけど、もっと長いラウンドを見たかったなというのも正直あったんですね。それを今回の試合で見ることが出来て、競った試合での平良選手を見ることが出来たなと思います。競った試合で5Rフルでやったからこそ、今まで見えてこなかった部分が、いいところも悪いところも出たと思います。もちろん勝ってくれれば1番良かったんですけど、タイトルコンテンターでトップレベルのロイヴァルに通用する、5Rでも引けを取らない試合が出来るところが分かってよかったです」

――そのなかでも特に水垣さんの目を引いた部分はどこですか。

「技術的に言うと、やっぱりグラウンドのコントロール力ですね。これは新たに見られた部分ではないかもしれませんが、平良選手のコントロール力がどのくらいレベルかというところで、トップ選手の中でもスクランブルが強くてポジションを取られても動いて取り返すことが得意なロイヴァルに対して、あれだけバックコントロールできたのは本当にすごいことだと思いますし、最高の武器だと思います。

 技術論の次の話をすると、勝負に対するメンタル的な強さですね。平良選手は3Rにかなり打撃で追い込まれて、その直後の4Rにもう一度自分から行って、バックを取って自分のラウンドにしたんですよね。あの勝負に対する気持ちは、何と言うんですかね、人に教えられて身につく
ものではないと思うんですよ。あれは平良選手が生まれ持ったものであり、そういった素晴らしいものを持っているところを見れたのが、すごく良かったですね。間違いなくこれからチャンピオンになるんだろうなと思わせてくれる、そういう4Rだったように思います」

――5Rマッチの3R~4Rは体力的にも精神的にもキツイ時間帯だと思いますが、そこで一度劣勢に追い込まれて心が折れてもおかしくない状況だったと思います。

「そうなんです。しかも自分からテイクダウンに行ってバックコントロールするというのは疲れる戦い方だと思うんですよ。それを続けているなかで、一度相手に追い込まれると、そのままガタガタ…と崩れていくのが普通の選手だと思います。でもあそこからもう一度テイクダウン・バックを取りに行くというのは本当に素晴らしいですよね。試合を見ていてあの気持ちの強さにはびっくりしました」

――平良選手はフィニッシュして勝つことも多く、タフな試合で競り勝つというイメージがなかったんですね。スマートに戦って強いというか。でもロイヴァル戦ではキツイことをやって勝ちに行く姿を見せていて、あれは今までにあまり見せていなかった部分かなと思います。

「さっきも言った通り、こういう気持ちの強さは頭では理解できていても、実際に試合で出すことって難しいと思うんですよ。あの気持ちの強さは平良選手の才能の一つだと思います」

――それと同時に同じことをロイヴァルにも思っていて、ロイヴァルはロイヴァルで2Rはほぼバックコントロールされた状態から3Rに盛り返して、再び4Rにバックコントロールされても最終5Rは挽回したわけじゃないですか。ロイヴァルもキツい展開だったと思いますが、それで勝つところまで持っていた底力がすごいなと思いました。

「確かにそうですね。試合中に何度か平良選手ペースになりそうな場面があって、それでも必ず取り返していくるというのは平良選手にとっても良い相手だったと思います。5Rは解説なのに完全に試合に見入って喋れなくなっちゃって。そのくらい素晴らしい試合でした」

――そのなかで平良選手があと一歩足りなかった部分はどこだったのでしょうか。

「パンチの被弾の多さですかね。特にストレート系のパンチへの反応や処理が少し足りなかったのかなと思います。ロイヴァルのパンチをポンポンポンともらって、顎が上がってしまうところが幾つかあって、あれは少しもったいなかったなという部分でした。ただし本人もチームもそこに気づいたと思いますし、技術的なことは改善できる部分なので、 しっかり次の試合までにそこを潰してくるんじゃないかなと思います。本当に平良選手も悔しかったと思うし、初めて黒星がついたわけですが、この試合は決して無駄な負けにはならないと思いました。平良選手がUFCチャンピオンになるための必要なステップだったのかなと思います」

――あとは試合内容とは別の部分で5Rマッチの難しさを感じました。ジャッジペーパーを確認すると2R=平良、3R=ロイヴァル、4R=平良、5R=ロイヴァルで、1Rが割れてスプリット判定でした。2~5Rは明確にポイントがつく展開だった一方、1Rはほぼ試合が動かずにどちらが優勢とも言えないラウンドでした。あとで振り返ると動きが少ない・微妙なラウンドのポイントで勝敗が決まるとなると、動きが少ないラウンドでどうポイントにつながる印象をつけるかが非常に大事になってくるなと思いました。

「僕は5Rマッチはこのパターンが結構あると思っていて。このレベルになると1Rは多少様子を見ていて、2Rからどんどん動きを上げていくことが多いじゃないですか。でもスコアで振り返ると様子見のラウンドをどちらが取っていたかで勝負が決まっていて、すごく難しい話なんですけど、様子を見ながらも必ずラウンドを取るというのが5Rでは大事な部分になってきますよね」

――水垣さんは現役中に試合をしながらスコアのことは意識していましたか。

「僕は常に頭の中で考えてましたね。3Rマッチだったら1・2Rを取っているか取っていないかで、3Rの戦い方を変えますし、逆にラウンドの中でもここまでは自分が取っているなとか、今はまだ微妙だから残りの時間で取りに行こうとか、常に試合中も考えながら戦っていました」

――かなり細かく経験して戦っていたんですね。

「そうですね。少し前だったらテイクダウンの評価が高かったので、ラウンド終盤にはテイクダウンを決めて上から攻めるところを見せておくとか、五分五分の展開のなかでそういう場面を作ることで、自分にポイントがつくことがあったと思います。ただ最近はジャッジの傾向として、テイクダウンそのものでポイントを取ることが薄くなっていると思うし、テイクダウンを取ったら上で殴る、パスしてマウントもしくはバックを取る…そこまでいかないと評価されにくくなっている。その辺りは僕が現役でやってた頃とは少し変わってきていると感じます。

ただその変化にも選手たちは対応しなきゃいけないですし、常にそこは意識しておかないといけない。自分の試合でそれを意識するのはもちろんですが、自分以外の試合や大会をある程度見ておいて、ジャッジの傾向を感覚的に掴んでおくことはすごく大事です。仮にジャッジやルールをこうしていきます、こう変わりますと公式発表があっても、それが実際にどういう場面で変わるのかは実際の試合で見ないと分からないし、理屈だけではなく肌感で理解することが必要です。

 特にギリギリの展開において、そこの判断が出来る・出来ないで勝敗に変わるわけですからね。ジョン・ジョーンズくらい圧倒的に強ければ、そんなことは考えないでいいんでしょうけど(笑)、僕みたいに自分より強い相手とギリギリの勝負をして、ギリギリの価値を拾うような戦い方をする選手は今話したようなことを絶対に必要だと思います」

――ここで話を戻すと黒星はついてしまいましたが、確実に平良選手は強くなって戻ってきてくれると思いますし、次戦が楽しみですね。

「ランキング的にはカイ・カラフランスがスティーブ・アーセグに勝って、次の相手はその辺りの選手になってくるのかなと。平良選手がタイトルマッチ付近にいることは間違いないので、ここから勝ちを重ねてタイトル挑戦につなげてほしいなと思います。あともう一つ思ったことがあって、アレッシャンドリ・パントージャと朝倉海選手のタイトルマッチの発表がロイヴァルと平良選手の直前だったんですよ。僕は大会前か大会後になるとは聞いていたのですが、結果的には大会前の発表されていて。

 色々な事情もあったと思いますが、ロイヴァルと平良選手にとっては酷なタイミングではあったかなと思います。結果的に素晴らしい試合にはなりましたけど、あのタイミングの発表は選手のパフォーマンスに多少なりとも影響しかねないのかなと。UFCは選手ファーストの団体で、僕も契約期間中はそれをすごく感じていたのですが、選手が気持ちよく試合ができる状況を作った方がいい試合になる可能性が上がると思うので、発表ごとのタイミングにも気を遣ってもらえるといいなと思いました」

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【Column】マカオで11年振りにUFCを取材して……何だかんだと、詮無いことを考えてしまった

【写真】本当にすさまじい盛り上がり方だった (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)にマカオのギャラクシー・アリーナで開催されたUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」。メインのピョートル・ヤン×デイヴィソン・フィゲイレドの激闘に沸き返る1万2000人超の館内をケージサイドから眺めて、「全然違う」と素直に思わされた。
Text by Manabu Takashima

何が違うのか。過去のマカオ大会とは、明らかに別モノだった。UFCが前回マカオでイベントを行ったのは2014年8月23日、もう10年以上も前になる。

ギャラクシー・マカオとアヴェニーダ・シダージ・ノヴァを隔てたザ・ベネチアン・マカオのコタイ・アリーナに7000人強のファンを集めたUFN48のメインは、奇しくも今大会でカラーコメンテーターを務めたマイケル・ビスピンが、カン・リーと相対した一戦だった。

マカオに初めてUFCが進出したのは、その2年前。2012年11月10日のUFC Macao(UFC Fuel TV06)で五味隆典、水垣偉弥、手塚基伸、漆谷康宏、福田力と日本人5選手も出場した。同大会での中国人ファイターの出場はジャン・ティエチュエンの1選手のみ。それでもコタイ・アリーナに8000人のファンを動員し、日本大会と並びアジアで定期的にイベントが行われるという期待が寄せられた。

この後、今はUFCを去ったマーク・フィッシャーを長とするUFCアジアは、TUF Chinaを軸とした中国人選手の育成という命題を挙げ引き続き2 度に渡りコタイ・アリーナ大会を取り行っている。2014年3月のTUF China Finale大会では、そのTUF Chinaウェルター級決勝戦でジャン・リーポン×ワン・サイが組まれ、ジュマビエク・トルスンと3人の中国人ファイターと共に日沖発と徳留一樹が参戦した。

上記にあるUFN48ではTUF Chinaフェザー級決勝ニン・グォンユ×ヤン・ジェンピン、ジャン・リーポンとワン・サイ&ヤン・ジークイと中国人選手は5人に増え、日本人出場選手は安西信昌と佐々木憂流迦の2人だった。

これら過去のマカオ3大会の集客数は6000人から8000人、コタイ・アリーナの一部を使用するスケールでイベントは実施された。3大会連続出場はキム・ドンヒョン。特に中国がフューチャーされるという風ではなく、アジア大会という空気感だったことが思い出される。

あれから10年、UFCにおける中国の存在感は比較にならないほど、重要になっている。

世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリは当然として、男子でもバンタム級のソン・ヤードンやウェルター級のリー・ジンリャンが北米要員として地位を確立。20人に及ぼうかという契約配下選手の多くは、上海PIで最先端のトレーニング環境が与えられ、現地のローカルショーからRoad to UFCという道を経て最高峰に辿り着いている。

フロリダのキルクリフFC、サクラメントのチーム・アルファメールと中国人選手が米国のジムで練習、所属することは何も珍しくなくなった。

今回のマカオ大会には上に名前を挙げた中軸ファイターの出場はなかったが1カ月に 3度から4度、世界のとこかで見られるUFCの日常的なイベントで、中国のファンたちはお祭り騒ぎ状態だった。

UFC300でジャン・ウェイリに挑戦したイェン・シャオナンを始めとする10人の同朋に、1万2000人越えの大観衆は「加油(チャーヨー」と、力いっぱい叫び続けた。特別でなく、ご当地ファンを応援する。そして世界のトップに声援を送るという──熱狂がギャラクシー・アリーナに渦巻いていた。

メディアの数は昨年、一昨年のシンガポール大会とは比較にならないほど多かった。プレスルームもそれだけ巨大だ。ざっと見まわして、中国メディアの数は80を下らなかっただろう。

それだけ投資をした結果といえばそれまでだが、お祭りでなく日常がビジネスになることは、大きい。何よりマカオ大会の熱狂は中国の人々のUFCを見る目が肥え、UFCを楽しめるようUFCが手を尽くしてきたからこその結果だ。

天文学的な額の投資やその勢いを買うだけの経済基盤が、かの国にある。だから時間を掛けることができた。投資を回収できないのであれば事業の見直すことになることも承知し、それだけ費やしてきた。残念ながら、我が国の経済はそのような余裕はない。プロモーターやファイター、ジム関係者、専門メディア、皆がそうだ。いうと一国全自転車操業状態。だから、目の前の利益を追求する必要がある。

複数の日本人ファイターがUFCのメインカードに名を連ね、サッカーのプレミアリーグで活躍したり、MLBでレギュラーを務める選手のような名声を得るにはどうしたら良いのか。そのような日はやってくるのか。

強さを追求しているだけでは食っていけないという言い訳をやめて、格闘技の本質を曲げないでいられるのか。あるいは強さが絶対の価値観を持つMMA界とするために、投機できるビリオンネアーが現れるのを待つのか。ギャラクシー・マカオを闊歩する大陸からやってきた人達を眺めつつ、そんな現実離れした考えしか思い浮かばなかった。

それでも今、日本のMMA界に奇跡的な神風が吹こうとしている。朝倉海のUFC世界フライ級王座挑戦は、特別なことだ。9年振り9カ月振りの日本人のUFC世界王座挑戦が、デビュー戦。彼の日本における影響力の大きさとフライ級の現状が合致した特別な世界王座挑戦に加えて、このチャレンジに化学反応を示す下地が今は少なからずある。

格闘技・冬の時代と呼ばれた頃に、「UFCで戦いたい」と猫も杓子も口にしていたのとは違う──本気で強さを追求することで、選択肢がUFC一択となったファイター達が存在している。平良達郎、中村倫也、鶴屋怜、木下憂朔、風間敏臣、井上魅津希──そんな面子に、Road to UFCと同時開催なんてことがあるなら強さを追求する純度と強度が高まるイベントの実現も可能になるに違ない。

この動きを一過性でなく、恒常性とするには……強さが軸となるマッチメイクをプロモーターが組める仕組みを構築すること。それにはファイターとプロモーターが対等の立場になる環境創りが欠かせない。過去の慣例に縛られない。過去の成功例でなく、今の成功例に目をやること。

近い例でいえば、それこそ朝倉海の大抜擢だ。なぜ、デビュー戦&世界挑戦が現実のモノとなったのか。彼はRIZINが求めることをやり抜き、UFCが求めるモノを追求してきた。その姿勢を学ばずに「RIZINで戦いたい」、「UFCと契約する」と口にしても、正直どうしようもない。

Road to UFCも然りだ。入口に立つことが大切なのは、UFC本大会であってRoad to UFCではないはず。出場を目指してレコードを綺麗にするために、強い相手との対戦を避けるような姿勢では、豪州が加われることが予想される次回大会を勝ち抜くことができるだろうか。

今やコンテンダーシリーズもそうだが、Road to UFCという「勝てば官軍」的なトーナメントで生き残るのは綺麗なレコードは当たり前。それも強い相手を食って、綺麗なレコードである必要がある。

韓国人ファイターだが、ユ・スヨンは昨年12月のNAIZA FCの敗北後に1月にBlack Combatでキム・ミウ戦と戦った。結果はNCだった。この2試合を経てRoad to UFCに出場できなかったかもしれない。

と同時に、この2戦を経験していないと今の強さがなかったかもしれない。要はユ・スヨンはRoad to UFCで戦う権利を得るために、チャレンジをした。

チェ・ドンフンは強いが試合が面白くないという韓国内での評判を、Gladiatorの2戦で払拭した。日本での試合は、現状を変えるために必要だった。

倒せる武器があることを自認し、準決勝まで勝利を最優先とした。そしてファイナルは見事なKO勝ちを飾った。彼もまた昨年12月と今年の2月と日本で戦って、Road to UFC出場権を得ている。

レコードが汚れるリスクを冒して、戦績を積んだうえでRoad to UFCに出場しても勝てないこともある。実際に河名マストや本野美樹はそうだったと言える。だからこ、その姿勢を評価する業界になることが、日本が強くなる第一歩ではないだろうか。

頂きを目指すには、登山口がどこにあるのか。そのルートをしっかりと確認、精査しないと登山はできない。その挑戦が成功例も失敗談も将来に活かすことはできないままで終わる。

根本として、日本を強くするのはプロモーターではない。ジム、そしてファイターだ。それを評価するのがプロモーターの役割で、さらに商売にする才覚が求められる。中継パートナーも同様だろう。ではメディアの役割とは何か……正直、専門メディアの役割など、もうとうになくなったのではないかと思っている。

フォロワーが多いインフルエンサーに、しっかりと格闘技を伝えてもらう方がよほど、Yahooへの転載でPV数を増やしてGoogle広告で生き永らえようとする専門メディアより影響力があるはず。影響力のある有名人や中継局、大手メディアに対して、情報提供でなく知識の共有を目指した記事を書く。それが、実はネット時代になる以前と変わらぬ専門メディアが果たすべき役割だ。


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45 o UFC UFC Fight Night キック ブランドン・モレノ 平良達郎 朝倉海

【UFC】速報中!UFC Fight Night: Moreno vs. Albazi

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今日はUFC。カナダのアルバートRogers PlaceでUFC Fight Night: Moreno vs. Albaziが開催されます。朝倉海のいきなりのタイトルマッチ挑戦、平良達郎とブランドン・ロイバルの激戦で熱気を帯びてきたUFCフライ級戦線。その次期タイトル挑戦者決定戦と言っても過言ではないブランドン・モレノ×アミル・アルバジがメインで行われます。朝倉にも平良にも大きく影響を与える一戦は注目度抜群。今回もU-NEXTで観戦しつつ電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【フライ級】
○ブランドン・モレノ(メキシコ)
(判定3-0)
×アミル・アルバジ(イラク)
1R、前に出てプラスを掛けるモレノ。小刻みに左ジャブを出すがこれがよく伸びる。距離が詰まると組み付いたがすぐに離れてスタンドの展開。やはりモレノの小刻みなパンチが単発ながらもヒット。終盤になるとパンチの交差からアルバジがスリップ。そこにモレノがパンチを畳みかける場面も。終了間際にはモレノがワンツーからローもヒットさせるコンビネーションを見せてラウンドを終えた。
2R、開始直後にモレノのフックがヒット。さらにハイキック。かすったように見えたがアルバジは棒立ちになって後退。しかしモレノは深追いしない。アルバジはモレノのパンチの合わせて組み付くがすぐに離れる。その後もモレノのパンチが的確にヒット。アルバジはタックルでテイクダウンするがモレノはすぐに立ち上がってまたもスタンドの展開。こうなると完全にモレノのペース。左右のパンチを面白いようにヒットさせて攻勢のままラウンド終了。
3R、少し前に出始めたアルバジ。序盤は手数を出していたが徐々にモレノのペース。パンチの精度で大きく上回り、終了間際にはパンチの連打からハイキックも見せるとアルバジは後退。アルバジはタックルで組み付くがモレノは冷静に捌いてラウンドを終えた。
4R、判定勝ちを確信しているのかモレノは距離を置いたスタンドの展開。後がないアルバジだが攻め手に欠いてジリ貧。モレノは機敏な動きでアルバジのパンチをかわして要所要所でパンチをヒット。大きな展開こそないが主導権を取ったままラウンドを終えた。アルバジはいよいよ後がない。
5R、判定勝ちは確定のモレノ。それにも関わらず積極的に前に出てパンチを出す。嫌ったアルバジはタックル。しかしモレノはこれを切ってパンチを打ち込み。ここでアルバジの指がモレノの目に入って中断。再開するとアルバジのタックルを切ったモレノ。離れ際にフックを打ち込みとアルバジは千鳥足。しかしアルバジは何んとか堪えてスタンドの展開。モレノはパンチを的確にヒットさせる。アルバジは激しく出血しグラつく場面も。モレノは浴びせ蹴りを見せる余裕を見せて試合終了。モレノが完璧な試合運びで完勝。びっくりの差。
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45 AB MMA MMAPLANET o Special UFC UFC310 アレッシャンドリ・パントージャ ブログ 平良達郎 扇久保博正 朝倉海

【Special】Fight&Life#105より。朝倉海に訊いた世界戦発表のタイミング─「そこに僕の気持ちは通らない」

【写真】UFCへのアプローチ=プレゼン、SNSと練習時間。多くのファイターがその姿勢を知って欲しいインタビューとなっている (C)YOSHIFUMI NAKAHARA

明日23日(水)に発売されるFight & Life#105で、12月7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC310のコメインイベントでオクタゴン・デビュー=アレッシャンドリ・パントージャの持つUFC世界フライ級王座に挑戦する朝倉海のインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima

またFight&Life#105では朝倉海インタビュー以外にもブランドン・ロイヴァルと歴史に残る激闘を繰り広げた平良達郎が、キャリア初黒星となった25分間を平良が60分に以上に渡る独白。

驚くほど、その試合展開を明確に記憶し、自身のなかで嚙み砕こうとしている平良の切実、そして誠実な言葉な数々。

さらには日本大会再開の追い風となるのか、UFCフライ級戦線をJ-MMA目線で切り込む企画──朝倉ともパントージャとも戦った唯一のファイター=扇久保博正にロイヴァル×平良、パントージャ×朝倉について話を訊き、本邦初公開の秘話と共に、伝説のTUF24を振り返ったインタビューも掲載されている。

そして──6月のUFC出場発表から4カ月、「あっと驚くことになる」という本人の言葉通り、UFCデ「ビュー戦が世界タイトル戦となった朝倉海。

今月17日(木)に東京都品川区のU-NEXTにおいて「UFC310: Kai Asakura Ultimate Media day」=UFC出陣前の記者会見が開かれ、朝倉は会見後に各メディアに10分毎の個別取材を応じた。

MMAPLANETではUFCの理解もあり、Fight&Lifeと共同インタビューという形で20分の時間を確保しより詳しく今の彼の心境を尋ねることができた。その全体像はFight&Life#105を読んでいただくとして、ここではインタビューの一部を抜粋し、あの世界挑戦の発表のタイミングについて尋ねた朝倉の返答をお伝えしたい(要約)。


──ランキング1位と戦う試合当日に、急浮上した日本人選手がタイトル戦が決まったと発表されるようなことがあると、海選手だと心情的にはどうなるでしょうか。

「平良選手は僕の試合のことを知っていたと思いますが、タイミングがここじゃなくても良いだろうとは思いました。僕も発表されたのを知ったのは、朝起きた時でした。確か、その夜中の2時に発表されたんですよね?」

──ハイ。UFCのリリースは2時10分過ぎだったかと思います。

「夜中の午前零時に発表されますと関係者に言われて、僕は眠かったんですけど、起きていたんですよ。でも12時になっても発表されなくて『どうなっていますか?』と確認した時に『ラスベガスは今、朝の7時なのでまだ社長が起きていない。だからGOサインがまだ出ていないから、もう少し起きていてほしい。発表されたと同時に色々と拡散してほしい』ということで12時40分ぐらいまで頑張って起きていたんですけど(発表がなくて)寝たんですよ。

だから僕も起きたタイミングで発表されたんど驚いたぐらい、本当にギリギリまで分からなかったですね」

──このタイミングで発表されたら自分が悪者になるという気持ちは?

「そうなんですよ。だから平良選手の試合のだいぶ前に発表するか、試合の後に発表してよとは思っていたんですよね。でも、そこに僕の気持ちは通らないというか。UFC側にも考え、タイミングがあるから仕方ないなと」

──いずれにせよ、これだけ世界を目指すことができる選手が出揃って来たなかでUFC日本大会開催の機運が高まって来ています。この点、朝倉選手ご自身はどのように思いますか。

「客観的に見ても、僕次第だと思います。僕がチャンピオンになれば、日本で開催できる可能性もあると思いますし、多分UFC側も日本人でチャンピオンが生まれれば日本でやりたいと思うだろうし。

UFCは日本でやりたいんですよ。ずっと。でも今まで日本でやっても失敗しているのは、日本人のスターがいなかったからですよね。今の僕ならUFCのチャンピオンになれるし、チャンピオンとして日本人のファンを呼ぶこともできる。UFCも成功させられる自信が持てると思うので──今回しっかりと勝って来年、日本にUFCを持ってきます」
Text by Nob Yasumura

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UFCアジア代表が10年ぶりの日本大会開催を示唆

UFC 2024 TOPPS MIDNIGHT HOBBY


朝倉海のUFCデビュー戦が決定、12.7『UFC 310』でアレッシャンドリ・パントージャのフライ級王座にいきなり挑戦(2024年10月13日)

 こちらの続報。


 17日東京都内で、朝倉海のUFC参戦に関する記者会見が行われた。朝倉は12月8日(土・現地時間)に米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC310で、アレッシャンドリ・パントージャの持つUFC世界フライ級王座に挑むことが発表されている。

会見は朝倉の挨拶からスタート。まず次のように語った。
「ようやくUFCのデビュー戦が決定しました。やっと発表されて嬉しいですし、改めて気合いが入っています。SNSでも『本当にUFCと契約したのか』『大丈夫か』という声が挙がっていました(笑)。この発表でようやく信じてもらえたんじゃないかと思います」

続いてUFCアジア責任者のケビン・チャンス氏の映像コメントが流された。
「アサクラサン、UFCにようこそ! 私自身、UFCとともに過ごして長く経ちますが、初戦でタイトルに挑む新人ファイターというのは、今まで見たことがありません。それは朝倉選手がMMAというスポーツにもたらすものの大きさ、そして与えた影響の大きさを物語っています。これから素晴らしい冒険へと漕ぎ出す朝倉選手は、必ずや日本最大のスターとして新たな高みに到達し、世界に認められるに違いありません。朝倉選手のUFC参戦に、これ以上ないほどワクワクしています。ガンバッテネ。

今年、UFCはアジアに戻ってきます。11月23日(土)に開催するUFC Fight Nightマカオはもちろん、引き続き2025年以降についてもアジア圏でイベント開催の機会を模索していきます。もちろん、そこには日本も含まれています。朝倉選手のような地元のスーパースターがいることで、どの国であっても究極的にその国のスポーツ人気を押し上げるのは言うまでもありません。

 朝倉は「すごく期待してもらっていて、僕がチャンピオンになることでUFCを日本に持ってきたいと思います」と語った。また、フライ級転向については「フライ級でやると決めてから何カ月も経っているので、調整できています。フライ級とバンタム級、どちらの階級でもトップを獲るつもりです」としている。また、ロイバル×平良達郎の一戦については「凄い戦いでした。ロイバルは素晴らしいですし、達郎君も若いのにメチャクチャ強いと思いました」。自身のオクタゴン初戦についても「KO勝ちしか考えていない。どれだけインパクトを残すか」と意気込む。

 好カードはそれほど期待できないでしょうから、平良達郎に続いて朝倉海も敗れたら日本大会は厳しいような。続きを読む・・・
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【RIZIN】朝倉未来 パンチの変化

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UFC 310:朝倉海 アルティメットメディアデー Presented by U-NEXT

概要欄
UFC® 310:ムハマッド vs. ラフモノフ
日本時間:2024年12月8日(日)
会場:T-Mobileアリーナ(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)
配信:U-NEXT / UFC Fight Pass

世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体であるUFC®(Ultimate Fighting Championship)が日本時間12月8日(日)に開催を予定しているUFC® 310のセミメインイベントにて、UFCフライ級王者アレシャンドレ・パントージャが、UFCデビューを飾る朝倉海を相手に3度目の防衛戦に挑みます。

2023年7月に開催したUFC 290で、当時のUFCフライ級王者ブランドン・モレノを下してUFCフライ級王座を獲得したアレシャンドレ・パントージャ(28勝5敗、ブラジル/アハイアウ・ド・カボ)は、以降の1年間でブランドン・ロイバルとスティーブ・エルセグを退けて王座防衛に成功しました。パントージャはサブミッションで10勝、ノックアウトで8勝、第1ラウンドフィニッシュ10回を記録しており、モレノ(3戦)、アレックス・ペレス、マネル・ケイプ、佐々木憂流迦、カイ・カラ・フランスら強豪に勝利しています。

UFCデビュー戦がタイトルマッチという歴史的な一戦に挑む朝倉海(あさくら・かい、21勝4敗、愛知県)は、現在、日本で最も有名なMMAアスリートであり、10年以上のMMA経験を持つ実績あるノックアウトアーティストと称されています。朝倉のベーススタイルは打撃とグラップリングを包括する日本の空手、禅道会。UFC参戦までに2連勝を収めており、日本のRIZIN FFでは過去12試合中9試合でメインイベントまたはセミメインイベントを務めています。最近では2023年12月にフアン・アーチュレッタを破ってRIZIN FFバンタム級王座を獲得した経歴を誇ります。また、これまでに朝倉はマネル・ケイプ、堀口恭司、佐々木憂流迦らを下してきました。

朝倉の参戦により、UFCロースターに名を連ねる日本人選手はフライ級ランキング5位の平良達郎、女子ストロー級の魅津希、ウェルター級の木下憂朔、ROAD TO UFCシーズン1バンタム級ファイナリストの中村倫也と風間敏臣、ROAD TO UFCシーズン2フライ級優勝者である鶴屋怜の7名となります。

対戦カード一覧(予定)
【メインイベント】
ウェルター級タイトルマッチ
ベラル・ムハメド vs. シャフカト・ラフモノフ

【セミメインイベント】
フライ級タイトルマッチ
アレシャンドレ・パントージャ vs. 朝倉海

【その他カード:順不同】
ヘビー級:シリル・ガーン vs. アレクサンドル・ボルコフ
ウェルター級:ビセンテ・ルーケ vs. ニック・ディアス
フェザー級:モフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリング
ウェルター級:ランディ・ブラウン vs. ブライアン・バトル
ヘビー級:タリソン・テイシェイラ vs. ルーカス・ブジェスキー
女子ストロー級:タティアナ・スアレス vs. ビルナ・ジャンジロバ
フライ級:コーディ・ダーデン vs. ジョシュア・ヴァン
ライト級:クレイ・グイダ vs. チェイス・フーパー
ウェルター級:マイケル・キエーザ vs. マックス・グリフィン
ライトヘビー級:アンソニー・スミス vs. ドミニク・レイエス

※対戦カードおよび試合順、試合数は事前の予告なしに変更となる場合がございます。