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J-CAGE News Shooto2021#06 ブログ 岩﨑大河 後藤丈治 石橋佳大

【Shooto2021#06】激闘or好勝負必至、後藤丈治✖石橋佳大。素面で殴れる岩﨑大河は見られるか!!

【写真】後藤の拳には殺気がある (C)MMAPLANET

12日(木)、9月20日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#06の追加カードがSustainより発表された。

修斗世界ライト級選手権試合=チャンピオン川名TENCHO雄生✖西川大和、修斗環太平洋バンタム級選手権試合=チャンピオン安藤達也✖石井逸人という2つのタイトル戦に続き明らかとなったのは、バンタム級3回戦の後藤丈治✖石橋佳大とミドル級2回戦=岩﨑大河✖今市凌太の2試合だ。


バンタム級は頂点を争った岡田遼と大塚隆史の2人がRIZINに戦場を移したことで、またもトップ不在の状態に陥っているが、環太平洋戦に続き興味深いマッチアップが決まった。

殴る実感が拳(ケン)にある後藤が、元環太平洋チャンプの石橋と戦う。圧倒的な打撃の圧力を持つ後藤だが、組みの圧力と殴られても組めば何とかできるという気持ちを持つ相手──米山千隼や藤井伸樹に星を落とした過去がある。

石橋は殴られても、組みだけでなく殴り返す気持ちと、組んでも動き続ける柔術を武器に戦える闘志のシューターだ。拳でMMAを戦い抜くのか、トータルファイターとして拳を一番の武器とするのか。後藤がより高見を目指すうえで、現状において最も部の悪いタイプの石橋を相手にどのようなファイトを仕掛けるのか──非常に興味深い。

藤井のとのゾンビ対決に敗れ、コロナ禍ではグラップリングにも挑み、修斗では昨年11月に打と組みの合体圧力で論田愛空隆を封じ込んでいる石橋としても、後藤との一戦はチャンピオン・ロードに戻るためのステッピングボードとなるマッチアップだ。

北斗の王者からMMAに転向した岩﨑が、初めて修斗で戦う。昨年6月のMMAデビュー以来、TTFCとパンクラスで3連勝、RNCでの一本勝ちと左ハイキックでのKO勝ちを記録している岩﨑に対する今市は、全日本アマ修斗がコロナ禍で開催されなかった2020年のアマ修斗にあって、プロ昇格者決定Tの意味合いがあったEXトーナメントでワンマッチながらミドル級を制し、この日がプロデビューとなる選手だ。

プレスリリースによると、今市は足を使って繰り出すパンチと組みの強さでプロ昇格を勝ち取った──とされている。全局面武道であり、同時に社会体育の標榜する大道塾からUFC以降にMMAに挑んだ選手たちは、それ以前にムエタイに挑んだ先人たちと違い蹴りとパンチの連動がないケースがまま見られてきた。

正確にいうなら面で顔面を覆われている時のコンビネーションが、素面になると見られない事象が起こっている。特に空道で総合的に戦える選手ほど、その傾向が強かったという見方もできる。

実際、空道では蹴って、殴り、投げて寝技で勝てる岩﨑もスーパーセーフ=ヘッドガードを外し、MMAで戦うようになって以来、美しく威力のある蹴りと比較すると、パンチは勢い良く打てていない印象がある。

前回のKO勝ちから9カ月、プレスリリースにある今市のパンチが岩崎を気圧すほどの圧があるようだとどうなるのか。殴れるMMAファイターとなった姿を岩﨑には見せてほしい一番だ。

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ACA Interview Special エルダル・エルダロフ ダニエル・オリヴェイラ ブログ マゴメド・ビブラトフ 岩﨑大河 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ~「日本の現状とこれから」

【写真】岩﨑大河のようにミドル級以上のこれからのファイターは、どのようにキャリアを積んでいくべきなのか。J-MMA界の構造論に青木の話は発展した (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年3月の一番、第三弾のACAバンタム級選手権試合=マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦からの──日本の現状について語らおう。

<青木真也が語るマゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラPart.01はコチラから>


──ロシアで2階級を取ってしまうブラジル人。そのブラジル人からベルトを取り返すロシア人……。

「なかなかできることではない。それだけ強い2人をぶつけてきましたね」

──何度も見返すことはない試合かもしれないですが、ライブで視て、本当に手に汗握る試合内容でした。

「僕は2回、見直すことができます(笑)。ずっと動いているし。アンダーでもフェザー級でイスラム・オマノフっていう10連勝した選手がいるんですけど、彼も同じようなスタイルなんですよね。オマノフも良い試合をしていましたね。凄く面白かった。彼のようなレコードが良い者同士をぶつけさせるのもACAの特徴ですよね」

──旧ソ連国家というべき、ベラルーシやアゼルバイジャンの選手の発掘、サバイバル戦も組んでいます。

「アゼルバイジャンとか、もう国境があるだけで民族はチェチェンとか、ダゲスタンで同じような気がします。ジムもアクマット・ファイトクラブ所属の選手が多いですしね」

──そこはBRAVE CFやUAE Warriorsにも当てはまりますね。

「中東とのパイプは強いですね。コロナ次第ですけど、1回、アクマット・ファイトクラブとかグロズヌイやマハチカラのジムに行ってみたいですね。どういう練習をしているのかって」

──そうなりますか(苦笑)。自分はコーカサスは避けたいです。言葉も通じないし、生き物として別物というか。

「ロシアは難しいというのは、正直ありますね」

──正直、怖いです。

「分かります(笑)」

──ダゲスタン人とか欧州人ファイターもいるKHKジムとかどうですか。

「バーレーンの?」

──ハイ、安全ですし言葉も通じます。BRAVE CFと同じKNKスポーツが所有&運営するジムです。イスラムですが、西側社会の習慣が通じそうですし。

「あのスーパーファイト級のチャンピオンが指導とかしているんですよね。エルダル・エルダロフだ。あれ、強いですよ」

──コナー・マクレガーの師匠のジョン・カバナウの先生も指導をしているようです。

「そうなんですねぇ。いやぁ、頭になかったです。でもダゲスタンとかチェチェンの選手がいるのは興味深いです。給料をもらって練習しているようですしね」

──ハイ、アマチュアのIMMAFで目立った選手をスカウトして、育てている。

「あぁ、これまでと根本が違うことをしていますね。世界大会でバーレーンの王族に拾われる子がいるなら、IMMAFは大切になってきますね。それは興味深い──行って見たくなっちゃいますね。

でも、めっちゃ練習させられそうですね。僕のようなスタイルは、あんまりいないし」

──それで金の延べ棒がもらえると最高じゃないですか(笑)。

「そこも十分にあり得るのが、違いますね。それにスーパーライト級っていう階級を作っているのも面白いですしね。そこはBRAVE CFで興味を持っているところです」

──実は北米MMAのレギュレーションでも階級は小分けにされています。ただし、王座を設けているプロモーションは存在しない。

「それって、どう思いますか。途中の階級ができることは? 日本だとそこまで人材がいないし、一つの王座を争うという部分で、もっと薄味になります」

──その通りですね。と同時に、王座はともかくスーパー階級ができて計量失敗が出ないようになれば良いなと思います。健康面もそうですし。日本の大会は計量の失敗は、全て選手に責があり、手売りのチケットの代金回収までそれが及んでいるという話をきくこともありますし。

「減量失敗をなくす。それも1つの方向性ですね。で、ベルトを狙う時とか、海外に行くときはスーパーじゃない上か下を選ぶ。女子レスリングのオリンピックと同じですね。

これから日本がどうなっていくのか。そこでいえば、重たい階級の選手……岩﨑大河選手とか、どうやってキャリアを積んでいけば良いと思いますか」

──コロナ終息後といいますか、海外との行き来が頻繁にできるようになり、隔離措置なしで試合にでられるようになれば、彼のキャリアにあったマッチメイクを組んでくれるところで経験を積むこと……ではないでしょうか。

「そうですよね? いや、良かった。僕もそう思っています。韓国とか、そういうところからですよね。日本でやっていても仕方ない。強くなれない」

──ハイ。今では日本のファンは素晴らしい、MMAへの理解があると外国人選手が言ってくれています。そういう良い部分を誇りにして、嫌な現実も見る必要があると取材をしていても痛感します。

「もう過去の栄光を首からぶら下げても食っていけない……。日本で食っていける基盤がなければ、海外に行く。他のスポーツでも普通にやっていることだし。MMAの重量級もそうだし、グラップリングもそういうことですよね」

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J-CAGE Report TTFC09 ブログ 加藤正憲 岩﨑大河

【TTFC09】クリンチ→ブレイク多めも、最後は戦慄の左ハイで加藤をKO。岩﨑大河はMMA初年は3連勝

【写真】MMAデビューイヤーを3連勝で終えた岩﨑。見事なハイキックでのKOはそのポテンシャルの高さを見せている(C)MMAPLANET

20日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホールOSAKAで開催されたTribe Tokyo Fight Challenge 09。上位3試合は修斗公式戦、他5試合はTTFCルールで東西対抗戦が組まれていた。ここでは第3試合、岩﨑大河✖加藤正徳の一戦の模様をお送りしたい。

大道塾からMMAへ、デビューイヤー3戦目となる岩崎に対する、延岡の近田道場所属の加藤は宮崎県初のプロシューターでBorderや闘裸男でキャリアを積んできた選手だ。噛ませ犬が一矢報いるシーンはあるのか。

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分2R+Ex>
岩﨑大河(日本)
Def.2R4分04秒TKO
加藤正憲(日本)

まずはサウスポーの構えから鋭い蹴りを見せる岩﨑は、入れない加藤に左ハイを狙う。

これが顔面をかすめ、すかさず加藤が組んでいく。岩崎は逆にケージに加藤を押し込み、ヒザを放っていく。

加藤もウィザーから小手投げを仕掛けるが、姿勢が崩れない岩﨑の押し込み&ヒザが続きレフェリーがブレイクを命じる。

再開後、右を振るった加藤が組んでボディロック、今度はケージに押し込む側になる。レベルチェンジでダブルレッグも、岩崎が右を差し腰を落として耐える。岩﨑は左も差して体を入れ替えるが、ここもブレイクに。岩﨑は蹴りと比べて、パンチが少ない初回だった。

2R、オーソから左前蹴りを見せる岩﨑は、加藤の左に上体が反ると直後のダブルレッグで倒される。

直ぐに跳ね上げて抑えられることなくスクランブルに持ち込んだ岩﨑がケージに加藤を押し込むも展開は作ることができない。

レフェリーが両者を分けると岩﨑は右リードフックから右ローを蹴るが、右を合わせた加藤が、ニータップの要領でテイクダウンに成功する。

ハーフで抑えられた岩﨑は背中を譲って立ち上がると、胸を合わせて離れ左ハイ。

これが加藤の顔面を捕え、下がったところで距離を詰めるが、組まれてクリンチに付き合ってしまう。岩﨑の選択としては離れて打撃戦で良いと思うのだが、テイクダウンに持ち込まれるのを避けているのか。

4度目のブレイクが掛り、試合は残り1分強に。2度倒された岩﨑は延長ラウンドに可能性もある。

と、岩崎はヒザから前に出て軌道が変わるような左ハイをガードの隙をついて蹴り込む。真っすぐ後ろに倒れた加藤にパウンドを落とそうとしたところでフェリーが割って入り、KO勝ちを決めた岩﨑はケージに駆け上がり勝利を誇示した。


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J-CAGE News TTFC09 ブログ 中川皓貴 山本健斗デリカット 岩﨑大河 工藤諒司 後藤丈治 服部賢大 長田拓也 飯田健夫

【TTFC09】TTFCでデリカット✖工藤など、修斗公式戦が3試合。TTFCは岩﨑大河や中川皓貴が東西戦!!

【写真】中川皓貴などは、まさにTTFCのコンセプトに相応しい選手ではないだろうか(C)TTFC

26日(月)、TRIBE TOKYO MMAより12月20日(日)に大阪市淀川区の大阪メルパルクホールで開催されるTTF Challenge09の対戦カードが発表された。

TTFCにとっての関西大会は既報の通り、夜の部がサステイン主催のプロ修斗公式戦とのダブルヘッダーで行われ、BLOWSの中蔵隆志氏が協力し関西✖関東という対戦がコンセプトの大会になるということだった。

今回の発表では、その修斗のTTFCの関係がさらに接近し、今大会において修斗ライセンス保持者同士のマッチアップは、修斗公式戦として組まれランキングに影響し、長南亮氏が修斗のプロモーター・ライセンスを取得したことも明らかになった。


修斗公式戦は3試合、メインを含め上3つで組まれている。メインは山本健斗デリカット✖工藤諒司が70.3キロで、セミでは77.1キロで長田拓也✖飯田建夫、さらに65.8キロで服部賢大✖後藤丈治戦が修斗の試合で勝敗は当然ランキングにも反映される。

工藤はONE Warrior Seriesと契約中で、今年は2度に渡りRoad to ONEで戦い、ついにTTFCにおける修斗公式戦復帰となった。対して健斗デリカットは修斗以外の大会出場は2014年のHEAT以来、6年振りとなる。

工藤同様に長田もONEウォリアーの配下にある選手で、昨年10月のONEウォリアー日本大会でモンゴルのオトゴンバートル・ネルグイに敗れてから、1年2カ月ぶりの再起戦が飯田とのマッチアップとなった。飯田は9月にヨシ・イノウエからキムラで一本勝ちした勢いを買い、キャリア最高ランクの対戦相手に挑む一戦だ。

もう1試合の修斗公式戦は9月に藤井伸樹に逆転負けをした後藤が、早くも仕切り直しの一戦で服部を相対する。服部としては7月の大阪大会で南出剛を倒した勢いで、後藤をホームに迎え撃ちたい。

5試合組まれたTTFCマッチでは昨日のパンクラスでプロ2勝目を挙げたばかりの岩﨑大河が出場し加藤正徳と対戦。パンクラス3連勝中の名田英平✖高橋孝徳、GladiatorからDEEP大阪大会と負け知らずの5連勝中の中川皓貴が、2020年ネオブラ・ライト級で優勝したばかりの狩野優と戦うなど、掘り起こしと潰し合いというTTFCらしさに地域対抗戦という特色が加わったカードが組まれている。

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J-CAGE News Pancrase319 TSUNE アキラ ジェイク・ムラタ ブログ 上迫博仁 岩﨑大河 春日井たけし 松本光史 田中半蔵 田村一聖 神田周一 近藤有己

【Pancrase319】10月25日大会より、パンクラスがPay Per View配信を開始

【写真】パンクラスも10月からPPV配信を開始する (C)MMAPLANET

6日(火)、パンクラスより10月25日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase319でPPV配信を行うことを発表した。

同大会では上迫博仁✖松本光史、春日井“寒天”たけし✖TSUNE、田村一聖✖アキラ、田中半蔵✖透暉鷹、神田T800 周一✖ジェイク・ムラタ、近藤有己✖小林裕、滝田J太郎✖Ryo、宮澤雄大✖井島裕彰などがメインカードで、プレリミでは岩﨑大河✖川和真を筆頭に3試合、このほかネオブラッドTが組まれている。


PPV視聴に関しては、視聴料金は税及びシステム使用料抜きで4000円。本日・6日からイベント終了時まで購入可能となっている。

またライブ配信は途中から視聴した場合はその時点からの配信となり、ライブ中の再生はできず、配信終了後にチケット購入者はアーカイブ配信を視聴できる。アーカイブ視聴はイベント終了後1週間となっている。

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J-CAGE News Pancrase319 TSUNE ブログ 岩﨑大河 春日井たけし 近藤有己

【Pancrase319】無観客? 有観客? パンクラス10月大会で不惑の不動心・近藤有己が2020年3試合目へ

【写真】2020年3試合目、不惑の不動心がデカゴンへ (C)MMAPLANET

10日(木)、パンクラスより10月25日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase319の対戦カードが発表された。

今回発表されたメインカードはウェルター級の近藤有己✖小林裕、バンタム級の春日井“寒天”たけし✖TSUNE、そしてストロー級の宮澤雄大✖井島裕彰の3試合だ。


8月23日の317大会が抗原検査の結果、出場予定選手に陽性結果出て(※PRC検査では陰性)大会当日にイベント中止、そして今月27日(日)の318大会は無観客大会となることが決まっているパンクラス。

7月のiSMOS01で餅瓶太から初回TKO勝ちを収めた近藤が、2016年ネオブラTウェルター級優勝の小林と2020年3戦目を戦う。春日井✖TSUNEは中止となった8月大会からスライドされた形だ。

また9月の無観客大会のプレリミマッチに出場予定だった北斗から挑戦──6月のTTFCでMMAデビューした岩﨑大河が自らの負傷より、1カ月遅れでデカゴン初陣を川和真との戦うことも明らかとなっている。

なお上記にあるように9月27日大会は無観客が決まっているが、約1カ月後に開かれる同大会においては現時点では無観客とも有観客とも発表はなされていない。今回のプレスリリースでは試合開始時間は14時45分と明記されている一方で、ロビーの開場、客席の開場及び入場料金に関しては、未定となっている。

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Interview Special TTFC08 ブログ 岩﨑大河 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その弐─岩﨑大河✖サープリス「素材は特A。だから……」

【写真】MMAは1✖1で戦うが、強くなるためにはチーム=組織力も大切になってくる。岩﨑大河という素材をどのような仕上げていけるのか、日本のMMAの力が問われる (C) KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年6月の一番、第2 弾は27日に開催されたTTFC08から<岩﨑大河✖リカルド・サープリスの一戦を語らおう。


──6月の青木真也が選ぶ、この一番。2試合目は?

「岩﨑大河✖リカルド・サープリスですね。岩﨑選手は強い部分があったのですが、そもそも今回の試合はケージが狭かったじゃないですか。ライト級ぐらいまでの選手なら、あのケージでも足が使えます。でも、90キロとかなる足が使えない。そうなると蹴りも使えなくなっていましたね。

結果、手とケージレスリングに集約されるような戦いとしていました。ようは岩﨑選手が空道で発揮していた強さは、打撃においては余り見せることができない試合でした」

──蹴りの威力が今一つだったのは、ケージが狭いことが大きな要因になっているのですか。顔面パンチがあると、蹴りが変わるということはなかったでしょうか。

「いや、それはありますよ。素面ですからね。行き切れないなので、素面には慣れていないようでした」

──古い話になりますが、1999年4月に行われた北斗旗軽量級最強の男・小川英樹✖元修斗ライト級チャンピオン田中(健一)塾長の試合を思い出してしまいました。

「そうなんですよね。僕、逆に空道が使っているスーパーセーフをつけてスパーリングをしたことがあって」

──そうなのですか!! 感覚は変わりましたか。

「やっぱり痛みがないから、アレをつけると前に出ることができます。素面とは全然違うと思います。だから、素面への怖さはあったでしょうね」

──それでも組んで勝てるのも、空道の王者所以かと。

「ハイ。あのサイズの日本人選手って、暫らく出てきていなかったので大事にやってほしいですね」

──現状の力がどこまでなのか。期待は大きいですが、しっかりと育てるマッチメイクも必要になってくると。

「ハイ。あの試合だと、分からないですからね。階級が階級なので、どれだけ試合を組んでいけるかですね」

──練習していくと今回の93キロ契約より軽くなると言っていました。普段の体重が90キロ弱であれば、水抜き減量のウェルター級で戦うことができるのか。

「僕はあまり賛成できないですね。大幅な減量が必要だとしたら。だからこそ彼をしっかりと導き、後押しできるような体制を創ることも岩﨑選手が成功するためには欠かせないと思います。

今のMMAの潮流が分かって、練習場所、試合の組み方をリードしないと、なかなか難しいですよ。あの大きさは。ただ大きい人が多くて、ガチガチのスパーだけでも育たないし、かといって技術の指導をしてもスパーリング相手が70キロじゃ試合の時と感覚が違ってしまう。誰が彼の面倒をちゃんと見ることができるのか、そこも気になりますね」

──青木ファミリーでマネジメントというのは?(笑)。

「だって、僕は『そのガタイがあって、そこまで動けるならプロレスやりな』って言っちゃいましたよ。あのガタイで動くことができれば、小型化が進むプロレス界でも才能の固まりですからね」

──そんな人材流出を!!

「岩﨑選手も首を傾げていましたね(笑)。ここはですね、周囲の話ですが……本人の問題でもあります。彼自身が、誰につくのかをちゃんと考えていかなければならない。どういう指揮者、振付師と自分がやっていくのかを。

なんせ素材的には凄く良いですから。90キロを超えている状態でもシェイプできていて、運動能力が高い。あれだけ動ける能力の持ち主はそうそういないです。でも、日本のMMAだと相手がいない。

素材としては特Aでも、GENで練習している日本のトップクラスの重量級の選手と戦わせるには、まだまだ早い。だから、どういう試合を組んでいけるのか。とても難しいです」

──今は無理ですが、韓国で同じような戦績の選手と試合ができれば。

「ハイ。それに試合だけでなく、もうちょい技量がついたらプサンとかにいって練習できれば良いですね。向うのやり方で気合いを注入された方が彼の打撃、まずは組みを切るという戦い方にフィットしていると思います。

ホント、才能としては頭抜けているので。大谷翔平が格闘技やっても才能の固まりですよね。ジョン・ジョーンズの兄弟は2人ともNFLの選手で、彼はレスリングができていた。そして、MMAであの強さですからね。そういうことなんです」

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MG眞介 Other MMA Result TTFC08 スソン ブログ マックス・ザ・ボディ 岩﨑大河

【TTFC08】試合結果 大河の流れも一滴の雫から。岩﨑大河、MMA初陣でサープリスから判定勝ち

【写真】組み勝ち、MMAデビュー戦で判定勝ちを手にした岩﨑大河(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

27日(土)、会場非公開でTribe Tokyo Fight Challenge 08が開催された。

メインで空道・北斗旗全日本体力別を2度制した岩﨑大河が、MMAデビュー戦でリカルド・サープリスと対戦。サープリスのパンチの勢いに、蹴りも含めた打撃という部分で持ち味を発揮できなかったものの、組んでテイクダウン、グラップリングのなかの打撃と──持ち前の総合力で判定勝ち。MMA初戦で勝利を得ている。

持ち味よりも必要なのは、勝利。岩﨑がMMAで世界を目指す一歩を示した。

また格闘代理戦争出演で注目されていたスソンは、真人ガーZの遠い間合からのテイクダウン狙いを切ってパウンドを落とし、最後も組みついてきたところに右を打ち込み秒殺TKO勝ちした。

Tribe Tokyo Fight Challenge 08
<ミドル級(※93.0キロ)/5分2R+Ex■>
○岩﨑大河(日本)2R
判定
詳細はコチラ
×リカルド・サープリス(米国)
<ライト級(※77.1キロ)/5分2R+Ex>
○マックス・ザ・ボディ(カメルーン)2R0分14秒
TKO
詳細はコチラ
×村岡倫行(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分2R+Ex>
○MG眞介(日本)1R1分49秒
TKO
詳細はコチラ
×前川大輔(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分2R+Ex>
○スソン(日本)1R0分28秒
TKO
詳細はコチラ
×真人ガーZ(日本)
<無差別級)/5分2R+Ex>
○泰斗(日本)2R1分08秒
TKO
×関野大成(日本)
<フェザー級(※70.3キロ)>
○狩野優(日本)2R2分49秒
ギロチンチョーク
×石井巧太郎(日本)
<フライ級(※61.2キロ)/5分2R+Ex>
○川北昴生(日本)1R2分49秒
RNC
×大竹陽(日本)
<フライ級(※61.2キロ)/5分2R+Ex■>
○御代川敏志(日本)1R3分56秒
RNC
×谷村愛翔(日本)


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J-CAGE Report TTFC08 ブログ リカルド・サープリス 岩﨑大河

【TTFC08】岩﨑大河、サープリスのパンチに苦戦も組み勝ちMMA初陣で3-0の判定勝ちを決める

<ミドル級(※93.0キロ)/5分2R+Ex>
岩﨑大河(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
リカルド・サープリス(米国)

注目、岩﨑大河のMMAデビュー戦。左ジャブに下段を見せる岩﨑、サープリスが左から右を伸ばす。ローからワンツーを被弾した岩﨑は、右ローを蹴る。組んだサープリスがバックへ。後方からパンチを入れたサープリスは、ケージに押し込む。岩﨑は胸を合わせることができないが、サープリスが自ら離れる。左ミドルの岩﨑は、右の蹴り足を取られパンチを打たれバランスを崩す。

ここも自ら間合を取り直したサープリスは、左の蹴りを掴んで左フック、さらにテイクダウンを決める。岩﨑は頭を押して立ち上がり、バックを伺う。手首を掴んだサープリスはウィザーを取れず、ケージに押し込まれてしまう。サープリスが胸を合わせると両ワキを差した岩﨑は、小外でテイクダウンしサイドで抑える。

残り80秒、サープリスはハーフも頭を抱えに行ってしまう。右の強烈なパンチから、マウントを取った岩﨑。サープリスが背中を見せて立ち上がるが、バックコントロールの&ボディロックから足を払った岩﨑は2度目の崩し後に後方からパンチを打ち込む、サープリスが立ち上がり、初回はタイムアップに。

2R、パンチの圧力が上回るサープリス、間合を外した岩﨑は後ろ回し蹴り、直後に組んでケージに押し込んでいく。ここも小外掛けでテイクダウンを仕掛ける岩﨑、サープリスは金網にもたれて我慢。左を差し返していくサープリスに対し、岩﨑は小外を狙うがこれは決まらない。

ケージに押し込んだ状態でヒザを入れた岩﨑が、ついに小外でテイクダウンしマウントへ。右を受けたサープリスが背中を見せると、立ち上がって前方に岩﨑を落とす。残り90秒、打撃の間合いで岩﨑が右ハイ、パンチを振るって前に出てくるサープリスだが組まれてバックを許してしまう。

前方にサープリスを崩す岩﨑は、スクランブルでバックを制したまま、最後にヒザ蹴りからエルボーを打ちつけイムアップに。仮に19-19なら延長戦となる──が、ジャッジ大沢ケンジは20-18、ジャッジ青木真也も20-18、そしてジャッジ水垣偉弥も20-18で岩﨑を支持。「もっと自分的にはやれるかと思ったのですが、これが今の僕の実力です。もっともっと練習してもっと強い相手に勝っていきたいです」と勝者はマイクで話した。


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Bu et Sports de combat Interview J-CAGE TTFC08 ブログ リカルド・サープリス 岩﨑大河 朝岡秀樹

【TTFC08】朝岡秀樹氏に訊く、岩﨑大河の可能性─02─「対戦相手は強心臓そうなので、試練に」

【写真】空道での岩﨑。素面、MMAグローブ、ケージ、相違点は多く存在するが、技の正確性を問われつつ破壊力が求められる北斗旗の経験は非常に有効なはずだ (C)HIDEKI ASAOKA

27日(土)に会場非公開の無観客大会として開催されるTTF Challenge08。

メインでリカルド・サープリスと岩﨑大河。彼についいて元格闘技通信編集長で1992年の北斗旗軽量級優勝、現在では大道塾御茶ノ水支部長の朝岡秀樹氏に話を訊いたインタビュー後編。

重量級の逸材だったからこそ、国際戦で苦戦を強いられた岩﨑にとって、今回の試合は苦手な部分を克服するための試練の一戦と朝岡氏は明言した。

<朝岡秀樹氏が岩﨑大河を語るインタビューPart.01はコチラから>


──強くなるためにMMAに進出するわけですが、日本人と戦った時と国際戦で戦った時のギャップをどう埋めることができるのかという課題は残ったままと?

「そうなんですよね。MMAでも同じようになることはあり得ます。ただ空道で加藤久輝や野村幸汰という相手がいなくなると、もう勉強にならないですからね。だから不安な点はありますが、それ以上に重量級で上段への蹴りを交えながらスピードのあるパンチの攻防ができるなど、全般的に能力が高い選手ですし、MMAでもミドル級なのにライト級やフェザー級の動きができると思います」

──おお、それは期待値が高まります。

「それでも、繰り返しいなってしまいますが……メンタル面は心配です。だからこそ、TTFCの煽り映像で対戦相手がアフガニスタンで戦場を経験してきたとか、そういう心臓の持ち主なので良いマッチアップだと思いました。

リカルド・サープリス選手は打たれても、打ち返してきそうですよね。凄くタフネスさを見せそうで、そうなった時に岩﨑選手が焦ったりしたら、良い試練になるかと思います」

──そういう意味では小径ケージで戦うと、空道の試合場と違い凄く圧迫感があるので、そういう部分でも岩﨑選手がどのように正確な技術を出せるのか楽しみです。

「僕自身、アマ修斗に出た時に地域大会の柔道場での試合と、リングで戦うのでは同じルールでも違う競技だって感じたんです。上手く戦場を使えないと、勝敗はひっくり返るなって感じたのを思い出します。

修斗の柔道場とリングですら、そんな風に感じたぐらいなので岩﨑選手は空道の試合場の広さと、狭いケージだと凄く違ってくるでしょうね」

──仮にサープリス選手が振り回してきて、下がるとすぐに金網が迫ってくるかと思います。

「まぁ、これは言って良いか分からないですが、大道塾の体重別王者だろうが、MMAに転向するならアマチュア修斗からやれって思うんですよね……僕は今でも。

アマチュアの他競技をやっていた人間が、デビュー戦でプロの大会のメインって……なんで、そうなっちゃうのってことは思っています」

──さすが朝岡No Fake秀樹です!! そういう意見を今、口にする格闘技マスコミは自分も含め皆無になりました。

「だってKIDだってアマ修斗に出ているんですよ」

──先日、修斗暫定世界バンタム級王座を賭けて岡田遼選手と戦った倉本一真選手も、天皇杯3連覇でアマ修斗を経験しています。

「その方が説得力ありますよ。だって、そうじゃないですか。違う競技なんだから」

──いやぁ、嬉しくなってしまいますね。今、MMAPLANETで武術とMMAの関係に関して連載させてもらっている剛毅會の岩﨑達也さんが……。

「MMAデビュー戦で。ヴァンダレイ・シウバとやった(笑)」

──そうです。その岩﨑さんが「あの時、あなたは『総合やるなら、アマ修斗からやれって』って書いて。いや、色々と事情はあったにせよ、その通りだって思いましたよ(笑)」と言ってくださったことがあって(笑)。

「アハハハハ。本当にその通りです。デビュー戦でシウバなんて(笑)。そこも含めて、こっちの岩﨑選手も凄くプレッシャーが掛かって、それが良い経験になるかとも思います。彼が必要なことを勉強できますしね」

──と同時にアマ修斗も再開の目途が立っていないですし、長南さんも実力の査定はしていると思います。その上で、「甘くないぞ」という相手を組んで来たのかと。

「アハハハ。長南さんも甘くないですよね。きっと、岩﨑選手をビビらせてやろうと思っているはずです(笑)」

──今回はONEの階級なので、体重のリミットが93キロです。岩﨑選手は確か身長が185センチ……。

「体重は85キロとかだと思います」

──ご飯をたくさん食べないと体重がアンダーになってしまうと言っていましたね。なら海外志向が強いですし、向こうでやるならウェルター級というのもあり得るかもしれないですね。

「将来的には77キロが適正かと、僕も思います」

──では最後に岩﨑大河選手の……その将来性に関して、一言お願いします。

「ポテンシャルが非常に高いことは間違いないと思っています。なかなか日本の重量級には存在しない、逸材です」

■TTFC08対戦カード

<ミドル級(※93.0キロ)/5分2R+Ex>
岩﨑大河(日本)
リカルド・サープリス(米国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分2R+Ex>
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)
村岡倫行(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分2R+Ex>
MG眞介(日本)
前川大輔(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分2R+Ex>
真人ガーZ(日本)
スソン(日本)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分2R+Ex>
関野大成(日本)
泰斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分2R+Ex>
石井巧太郎(日本)
狩野優(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分2R+Ex>
大竹陽(日本)
川北昴生(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分2R+Ex>
御代川敏志(日本)
谷村愛翔(日本)