【写真】 マイクで語る新バンタム級チャンピオン横山武司(C)MMAPLANET
7日(月)に東京都文京区の後楽園ホールでNEXUS29が開催された。
ネクサスにとって初の後楽園ホール大会レポート最終回、2つのタイトル戦の模様をお届けしたい。
<NEXUSフライ級王座決定戦/5分2R+ExR>
浜本”キャット”雄大(日本)
Def.2R2分54秒
平井総一朗(日本)
する取り左ローを蹴る浜本、そのローのタイミングで平井がダブルレッグを仕掛けてテイクダウンを奪う。バタフライガードから頭を固められてもシングルレッグで平本が起き上ろうとする。スクランブルで背中を譲って立ち上がった浜本は、胸を合わせて離れる。
浜本は近い距離で右エルボー、ここから首相撲に入るタイミングで平井がボディロックテイクダウンを決める。
背中をつけると同時に得意のスイープからスクランブルに持ち込んだ浜本だったが、ケージに押し込まれウィザーも右足を抱えられて倒される。浜本はすぐに起き上るも、平井が背中に飛び乗り寝技に持ち込み背中をマットにつけさせられる。ここもスクランブルに持ち込み、浜本がヒザをボディに突き刺す。
嫌がって離れた平井のボディを叩き、左フックを浜本が決める。平井はここでも首相撲狙いを大外刈り投げる。しかし、腹ばいなってしまい体を起こした浜本がバックへ。
とらせず立ち上がった平井だったが、右ストレートを被弾してダウン。ハーフの平井は潜ろうとして鉄槌を落とされ、懸命にZハーフからハーフバタフライで正面でガードを取る。浜本はや前のめりポスチャーながら、鋭い右のパウンドを落とし初回が終わった。
2R、打撃の間合いから平井は組んですぐに引き込むが、このタイミングで浜本がマウントを奪う。殴られながらも平井が背中を向けてスクランブルを狙うと、浜本ががぶって立たせない。
再び下になった平井のニーシールドはヒザの位置が腹に近くスペースを創ることができない。
浜本は右のパウンドを打ちつけ。背中を見せた平井を殴り続けると、レフェリーが試合をストップ。平本がその腰にフライ級のベルトを巻いた。
<NEXUSフェザー級選手権試合/5分2R+ExR>
横山武司(日本)
Def.2-1:20-18.19-18.19-19
山本空良(日本)
開始直後はサウスポーの横山とオーソドックスの山本が、前手ではたき合う。ここからチャレンジャー横山が左ハイを蹴り、チャンピオン山本は左ミドルから右ローを返す。右ミドルをキャッチされそうになり、右フックを振って離れた山本は左ローを蹴られ、左ハイをブロックする。
さらに左ミドルを続けた横山は、山本が距離を取ると左足を取りながらロールして足関節へ。山本がヒザを曲げて対処してきたところで、後方回転から上を取った横山がもう左足を取ってサドルから内ヒールへ。
山本は鉄槌を落とすと、腹ばいになろうとした横山の足を捌く。横山はここでトップを選択しスイープを完成、山本の足首を掴んで上攻めに転じようとするが、エルボーを頭頂部に受ける。
横山が頭を上げると、山本が内掛けから内ヒールを仕掛ける。横山は絡んで足を解除しつつ、山本の右足に両足を絡めつつ、反転してここも上を取る。山本は前転してヒザ十字を狙うが、潰されて背中をマットにつける。
足を束ねてコントロールしようとした横山は、下からエルボーを連続で打たれて、頭部をカットする。立ち上がった横山は、草刈りスイープに尻もちをつかされるが、残っている足を抱えてヒザ十字→トーホールドを極めにかかる。
一度はヒザを畳んだチャンピオンだが、横山がもう一度伸ばしに掛かる。山本はこれも防いで立ち上がる。横山も続こうとしたが、引き込みなおすと、レフェリーがブレイクを命じドクターチェックが入る。
横山はこの時、頭部をメルセデスのスリーポインテッドスターのように三又でカットしており、相当な流血が見られた。
それでも試合は続行され、シッティングで詰め寄る横山に顔を蹴ってこいと挑発した山本がパウンドを狙ってガードの中に飛び込んだところで初回が終わった。
2R、距離を取る山本に対し、横山は後ろ回し蹴りで牽制する。さらに蹴りを多用すると、ケージを背負った山本に組みつく。山本はここでギロチンから引き込むが、そのタイミングで足を抜きに掛かっていた横山に対し、正対するために尻もちをついた状態で金網を背負う。
右足が胡坐の形でマットにつき自由が利かないチャンピオンは、左足ヒザ裏から下半身をリフトされ、背中をつかされる。
当時に頭を抜かれると、ハーフから潜って足関節狙いの山本に対し、横山は左足を畳んで座る。
ニーシールドの山本の下からのパンチを効かされた感もあったチャレンジャーは、枕で圧を掛けて潜りを潰すと、足をすくおうとしたままで顔面ががら空きの山本を殴っていく。
さらにエルボーを打ち、足を振り上げ、手を伸ばして隙間を創ろうとする山本から、横山はヒザを滑らせて、マウント。背中を見せた山本のワキをすくい、肩固めを仕掛けつつマウントに移行する。シザースを耐えた横山は、ハイマウントから腕十字を仕掛ける。
相当にタイトに見えたが、ヒジを抜いた山本に対し、横山はハイガードから三角にトライする。尻もちをつき、胸を張って防いだ山本が足関節へ。反転して逃れた横山にヒザ十字を仕掛けた山本は、結果的に取ろうとした足を畳まれ、自らの左足をレッグドラッグ的に潰される。
パスガードを決め、サイドを取った横山はタイムアップと同時に、左手を挙げて勝利をアピールした。結果、20-18、19-18、19-19のマジョリティ判定で横山の右手が挙げられた。
新チャンピオンはベルトを肩に掛け、しゃがみこむと幼少期に空手を始め格闘技の道に導いてくれた父への感謝の言葉と、結婚することをマイクで話し──その父・横山和忠、兄・横山大鋳の黒帯3人で勝利を喜んだ。その一方で敗れた山本陣営はカットでドクターチェックがあった初回を取れていないとする20-18のスコアに対して、不服があることを隠そうとはしなかった。
後楽園ホール大会を実現させたネクサス。ネクスト・サクセスを目指すうえでもタイトル戦は5分3Rを用いる──それだけ成長していることは、間違いない。