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【DEEP103】伊藤裕樹とDEEPフライ級暫定王座防衛戦。藤田大和─02─「やっぱり打撃です」

【写真】デビュー直後と今の藤田の違い。「打撃で勝つ」という同じ目標を掲げても、その打撃がMMAのほつれにならない本当の武器になっている(C)MMAPLANET

23日(木・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP103で、伊藤裕樹を相手にDEEP暫定フライ級王座の防衛戦を行う藤田大和のインタビュー後編。

元アマチュアボクシングの全日本王者として鳴り物入りでMMAデビューした藤田だったが、伊藤にRNCで敗れたことで組み技の向上に挑んだ。そして彼がMMAファイターとして成長した陰には、チームメイトである山北渓人の存在があった。

同時に国内MMAフライ級はDEEPフライ級正規王者・神龍誠の復帰や、21歳の平良達郎が修斗のベルトを獲得するなど、大きく変化していく。そんななかで藤田はいかに勝ち残り、目指す大舞台への足掛かりにしようというのか。

今回のリベンジマッチは、藤田のキャリアを占ううえで決して見逃すことはできない。

<藤田大和インタビューPart.01はコチラから>


――山北選手との練習で、藤田選手も大きく成長してきたのですか。

「渓人がMe,Weに入ってきたのは、2~3年前ぐらいですかね。自分と体重が近くて、もともとレスリングをやっていたこともあって、渓人とスパーリングすることが多くなりました」

――2~3年前というと、伊藤選手に敗れた頃ですかね。

「その前後ぐらいだと思います。考えてみたら、いろんな変わり目だったんですかね。当時渓人はアマチュアの試合に出ていて、スパーリングも打撃はもちろん、スタンドの組みや寝技をやっているうちに、僕も自然に成長していました」

――当時は、レスリング面では山北選手のほうが上を行っていたのでしょうか。

「そうですね。最初は普通にやられていたと思います。渓人はストロー級ですけど、パワーが凄くて、レスリング力があって、さらに寝技も上手い。しっかり柔術もやっていて、細かい動きが上手いんです」

――そして現在は……。

「練習で渓人に負けることは――お互いに知り尽くしているから、たまにはありますけど(苦笑)、もう全然やられないですね。今は充実しています」

――ところで現状、ファイターとして藤田選手は目標をどこに定めているのでしょうか。

「一番行きたいのはUFCです。世界最高峰なので。Me,Weでは村田夏南子ちゃんがUFCに出ていて、山﨑さんも毎回帯同して――それを見ながら、話も聞くし、やっぱりUFCっていいなと思います」

――では現在の自信の力はその目標において、どの位置にあると判断していますか。

「ボクシングスキルなら負けないと思っています。今も自分のボクシングスキルは上がっていますし、打撃で勝負すれば倒せるんじゃないか、という気がするんですよ。そこはMMAなので、実際にやってみたら分からないですけど。UFCの選手は、全部できますからね」

――それこそが世界最高峰たる戦場ですね。

「UFCの選手は、柔術やレスリング――すべてのジャンルを究めているじゃないですか。すべてマスタークラス、すべて黒帯というか。UFCの試合を見ながら、もっと自分もいろんな部分でスキルアップしていかないといけないなって思います」

――今後UFCを目指すうえで、数々の戦いが待っているかと思います。それこそ神龍選手が前修斗世界王者の福田選手と対戦するなら、現王者の平良達郎選手と対戦することもあるかもしれません。

「そういう試合も、あるかもしれないですね。今は特に意識していないけど、勝ち進んでいけば……」

――一方、フライ級ではLFAの堀内祐馬選手のように、北米のフィーダーショーで戦い続けるケースもあります。

「堀内選手、知っています。凄いですよね。でも僕は、今の段階で海外で練習したり、試合をしたりということは考えていないです。やっぱり日本で強くなって、海外で試合をして勝ちたいっていう気持ちが強いですね」

――なるほど。次の試合は、世界最高峰の舞台へ近づくために重要となるでしょうか。初めてのメインイベント出場となります。

「メインというのは、今はまだ実感はないけど……嬉しいです。やっと来たな、っていう感じですね。メインでリベンジ、僕の中では今回の試合に懸けています。この試合が最後になってもいい、っていうぐらいに」

――そこまでの想いを懸けた試合なのですね。

「その先に繋がるのも、ここで終わってしまうのも、次の試合次第です。毎試合そうなんですけど、今回は特に、次につながるターニングポイントになるでしょうね。ただ、考えすぎないようには務めています。まずは自分の戦いをするしかないので」

――ちなみに、前回の敗戦直後にすぐリベンジしたいという気持ちは生まれなかったのでしょうか。

「それはありました。すぐリベンジしたかったです。でも相手がしばらく試合に出ていなかったりして――。なかなか再戦のチャンスがないなと思っていましたけど、自分がベルトを獲って、挑戦者として出てきてくれました。それは嬉しいです」

――そんな伊藤選手とのリベンジマッチ、どのような試合になると思いますか。

「相手がどうこうというより、自分のスタイルを貫きたいと思っています」

――藤田選手のスタイルとは?

「やっぱり打撃です。打撃で押し切りたい。相手の寝技に付き合う場面もあるかもしれないですけど、最後は打撃で仕留めます」

■視聴方法(予定)
9月23日(木・祝)
午後5時50分~PPV SPWN

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News Pancrse324 ブログ 山北渓人 村山暁洋 菊入正行 野田遼介

【Pancrase324】菊入✖村山で暫定ウェルター級王座決定戦。Road to ストロー級王座=野田✖山北も!!

【写真】 剛のMMAと柔のMMA、どのような試合展開になるか(C)PANCRASE & KEISUKE TAKAZAWA

17日(火)、そして本日18日(水)とパンクラスから10月17日(日)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるPancrse324の追加カードが明らかになっている。

17日の発表では暫定フライ級クィーン・オブ・パンクラシスト・チャンピオンシップ=NØRI✖端貴代に続き、ウェルター級でも暫定王座決定戦が組まれることが決まった。


正規王者の手塚裕之がONE参戦中のウェルター級もライト級、フライ級、女子フライ級に続き暫定王座が設けられることとなり、菊入正行と村山暁洋がベルトを賭けて戦う。

この両者、昨年12月に対戦しており村山がウェルター級転向後の菊入に唯一の黒星を与えている。11カ月振りの再戦となるが村山に敗れた菊入は、キャリアベストといえる勝利を6月の三浦広光戦で手にしている。

三日月蹴りでのフィニッシュ以上に、三浦の打・投の圧に負けずに、菊入は戦い抜くことができたことが大きい。

圧をかわすことを覚え、圧に屈しないMMAができるようになれば、肉体的なポテンシャルは抜群な菊入だけに、前回の試合を当たり前のようにできるようになれば、今後への期待度も群と上がる。

KEISUKE TAKAZAWA(C)

この進化を確認するためにも重要な暫定タイトル、いや村山との再戦となる。対して村山は前回の試合では、テイクダウンを非常に効果的に決めたのが勝因だ。

その村山に対し、菊入は打で圧をかけることができるか。あるいは前回の対戦のイメージが残っており、テイクダウンをまずは警戒して試合に入るのか。村山が自分の形でテイクダウンを仕掛けるのは、打撃で後手に回っていない時だ。

前に出ようが、下がろうが、どちらが自分の打撃を使うことができるか。そこが組みの展開にも大きな影響、そして勝敗の鍵を握ってくるに違いない。

18日のプレスリリースでは、ストロー級で野田遼介✖山北渓人戦の発表があった。ストロー級戦線でタイトル挑戦直前といえる両者の対戦は、Road to ONEのける修斗勢との対抗戦で明暗を分けた過去がある。

野田は2019年9月のRoad to ONE01で木内SKINNY ZOMBIE崇雅に96秒でKO負け。対して山北は今年2月のRoad to ONE04で安芸柊斗からTKO勝ちを収め、一気に注目度を上げた。

続く6月の尾崎龍紀戦では倒して、相手の背中をマットに着かせるレスリングの技術と、背中をつかせてからのトランジッション&サブミッション=見事なコントロールを見せて、最後は腕十字で一本勝ちを手にしている。

その尾崎戦前から、今後に関して野田に勝ってタイトルを狙うことを宣言していた山北に対し、野田はある程度のコントロールを許す覚悟で、極めへの気配を嗅ぎ取ることができるかどうか。

グライディングへのカウンターが、勝利への鍵となる野田。

今後のキャリアアップを考えると、山北というファイターに対し、どれだけ極め技師として天性の嗅覚を持っているか──が問われるマッチアップとなる。

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MMA ONE Shooto2021#04 キャプテン☆アフリカ チャンネル マックス・ザ・ボディ 安芸柊斗 山北渓人 旭那拳 田上こゆる 福田龍彌 高岡宏気 高橋孝徳

【Shooto2021#04】新世代対決=田上こゆる戦へ、安芸柊斗─01─「悔し涙も出なかった。もう辞めようと」

【写真】 2月のRoad to ONE04、パンクラシスト山北渓人戦後にMMAを辞めることも考えたという安芸(C)MMAPLANET

7月4日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で、昼夜2部構成で開催されるShooto2021#04。その第2部では、安芸柊斗と田上こゆるによるストロー級新世代ファイター対決が行われる。
Text by Shojiro Kameike

プロシューターの安芸佳孝を父にもつ柊斗は、幼少期からMMAを始め、高校生の時にプロデビューした。そんな安芸柊斗にとっての父、キッズ修斗、そして前回の敗戦とは……。今回の田上こゆる戦に至るまでの道のりを尋ねた。


――安芸柊斗選手は、父・安芸佳孝さんが元プロシューターで、所属ジムの代表でもあります。今、安芸選手は一人暮らしなのですか。それとも家族と一緒に生活をしているのでしょうか。

「今も家族と一緒に暮らしています」

――他のスポーツでも見られる光景だと思うのですが、お父さんのことを家でもジムの代表であり、MMAの師と思う時はありますか。

「ジムや練習の時とは違って、家ではお父さんですね。もともと僕が小さい頃から、家には格闘技のことを持ち込まないようにしていたので」

――なるほど。お父さんの現役時代については?

「まだ小さかったので、あんまり覚えていないんですよ。徳島で試合をした時に、リングに上がって父に花束を渡した、っていう記憶はあるんですけど」

――2009年11月のプロ修斗徳島大会で豊島孝尚選手にギロチンで勝利した時、2000年生まれの安芸選手はまだ9歳だったのですね。

「はい。試合で印象に残っているのは、大きくなってから見た猿丸ジュンジさんとの試合ですね。すごい打ち合いをしていて、会場も盛り上がっていたし」

――するとリアルタイムでの記憶は、あまりないわけですね。ちなみに、自身の名前の由来を聞いたのは?

「しゅうと、そのまんまですよね(笑)。由来はずっと知らなかったんですけど、小学生の時に授業で『お父さんからの手紙』というのがあって、その時に父が名前の由来について書いていました」

――それを聞いた時は、どう思いましたか。

「あぁそうなんや、っていうぐらいですね(苦笑)。まだ修斗のこととか、よく分かっていなくて。自分がプロで試合するとも思っていなかったし」

――実は、安芸選手とは以前にお会いしたことがあります。2016年夏に、大阪・直心会で行われたアマチュア修斗に伺った際、お父さんから安芸選手を紹介されました。

「えっ、そうなんですか。すみません、覚えていなくて……(苦笑)」

――いえいえ(笑)。あの時、安芸選手はまだ中学生だったのですね。その大会ではキッズ修斗時代から一緒に練習していた同世代の選手が試合に出ていて、安芸選手は試合ではなく同行だったと聞きました。

「あの大会やったら、そうですね。キッズ修斗の頃から一緒にやっている選手が試合に出ていて。今もうプロになっている選手も多いですよ」

――安芸選手は現在21歳ですが、MMAを始めたのは小学生に入る前ですよね。

「もう10年以上やっていますね。MMAって、高校卒業してから始めたっていう選手が多いじゃないですか。それまではレスリングや柔道をやっていたとか」

――そうですね。

「でも僕は、他の格闘技じゃなくて、最初からMMAをやってきたから。そこは他の選手と違う、という気持ちもあります」

――子供の頃から格闘技をやっていてMMAファイターになる例は多数あっても、最初からMMAをやっている選手がプロデビューするという例は、まだ少ないでしょう。

「僕が始めた頃って、まだ徳島には常設のジムってウチぐらいしかなかったと思うんです。そこで僕以外にもキッズ修斗から始めた子がたくさんいて。全国でも珍しいでしょうね」

――まず子供がMMAの試合をやるという環境が少なかったですね。

「それは当時、関西でキッズ修斗の大会をやってくださっていた北川さん(北川純、ゴンズ・ジム代表)とか、関係者の皆さんに感謝しています。こういうインタビューでも、試合でも、みんなに恩返ししたいっていう気持ちが強いです」

――そんな安芸選手のプロキャリアも、順風満帆なものではなかったと思います。特に今年2月、Road to ONEで山北渓人選手にTKO負けを喫したのは……。

「あれは試合後、もうMMAから離れようと思いました。自分に失望して」

――失望……安芸選手は過去に修斗で2敗していますが、その2敗と山北戦の敗北は、何かが違っていたのでしょうか。

「もう十何年もMMAやってきているのに、こんな負け方するんや、って。それまでの2敗も、試合内容に納得いっているわけやないけど、KOや一本決着のほうが面白いと思っていたのもあったから。でも山北選手に負けた時は、悔し涙も出なかったです。だからもう、辞めようと。試合が終わってすぐ、父にそう言いました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月4日(日)
第1部:午後1時~ ABEMA格闘チャンネル
第2部:午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■第2部対戦カード

<修斗世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]福田龍彌(日本)
[挑戦者]平良達朗(日本)

<ストロー級/5分3R>
田上こゆる(日本)
安芸柊斗(日本)

<ストロー級/5分3R>
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)
旭那拳(日本)

<フェザー級/5分2R>
ムテカツ(日本)
神武羅☆ヒカル(日本)

<バンタム級/5分3R>
エダ塾長こうすけ(日本)
左海清之(日本)

■第1部対戦カード

<72キロ契約/5分3R>
キャプテン☆アフリカ(日本)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<フェザー級/5分3R>
山本ケントデリカット(日本)
高橋孝徳(日本)

<バンタム級/5分2R>
ダイキライトイヤー(日本)
高岡宏気(日本)

<バンタム級/5分2R>
青柳洸志(日本)
キシシ(日本)

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J-CAGE Pancrase322 Report ブログ 尾崎龍紀 山北渓人

【Pancrase322】抜群のグラウンドコントロールから腕十字。山北渓人が尾崎龍紀を下し5連勝

<ストロー級/5分3R>
山北渓人(日本)
Def.1R4分54秒 by 腕十字
尾崎龍紀(日本)

サウスポーの尾崎が、前に出てくる山北に右フックをヒット。山北はそのまま組み付き、グラウンドに持ち込む。尾崎はハーフから潜り、リバーサルを試みるが、山北はトップをキープする。ケージ際へ下がった尾崎に対し、相手の足を抑え、頭をつけて左拳をたたきつけていく山北。反転した尾崎のバックに回り、足を差し込んでいく。尾崎が正対すると、足をすくって尻もちを着かせた。

ケージに背中を着ける尾崎。山北はパンチを打ち込みながら、逃れようとする尾崎のトップを奪う。ハーフの尾崎に、山北は左上腕で抑えつつパウンド。立ち上がる尾崎のバックに着きながら、再びグラウンドへ。そして袈裟固めの体勢になると、尾崎は下から山北の頭に足をかけていく。その足を外した山北、すると尾崎が起き上がり、ボディロックに切り替えて山北に尻もちを着かせる。

ケージ際から離れた山北に、足を絡めていく尾崎。山北は頭を抜いて、トップから腕十字を狙う。反転して逃れた尾崎だったが、山北も回転して極め直すと、尾崎は苦悶の表情を浮かべてタップした。

試合後、ランキング5位の尾崎を下した現7位の山北は、同級3位・野田遼介との対戦と、その後のベルト挑戦をアピールした。


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KINGレイナ MMA ONE PANCRASE Pancrase322 RIZIN UFC 尾崎龍紀 山北渓人

【Pancrase322】尾崎龍紀と戦う山北渓人「ランカーに負けるとすればミス。勝ち方に拘りたい」

【写真】自身の裏付けか、言葉が力強くなってきた山北(右)。明日は尾崎を相手にどのような試合を見せるか (C)PANCRASE

明日27日(日)に江東区USENスタジオコーストで開催されるPancrase3221。同大会の上から3つ目の位置で、山北渓人が尾崎龍紀と対戦する。

昨年のネオブラ優勝者は、今年2月にRoad to ONEで修斗の安芸柊斗を破り一躍注目度が上がった。そして、そのポテンシャルの高さに多くのJ-MMA界の人間が気付いた。

と同時に山北自身にも自信を与え、4カ月前とは違いタイトル戦を現実味のある話題として、捉えることができる彼がいた。計量を終え、リカバリーに努める山北に話を訊いた。


──計量を終えたばかりの山北選手です。仕上がりの方はいかがですか。

「調子はばっちりです。今回はMe,Weの選手が毎週のように試合があって。皆が試合前の大人数の練習から、試合直前、試合が終わった人と抜けていって。多い時の活気がある練習とはまた違う、終盤は少人数だからこそできる凝縮した練習をしてきました。自分は特に最後までスパーリングをする方なので、来週のDEEPで戦う藤田大和選手と突き詰めてやってきました」

──これまでUFC、DEEP JEWELSと結果の出る選手、出ない選手がいます。チームメイトの勝ち負けに気持ちは左右されますか。

「勝ち負けに関係なく、良い影響を受けるばかりです。特に東(陽子)さんの勝ち方、試合内容には凄くパワーを貰うことができました」

──KINGレイナ選手に殴り勝ったのですが、殴っても殴っても顔色が変わらない相手に強い気持ちを保ちましたね。

「東さんはこれまでやってきたことで頑張って、3Rが怖かったと言っていたのを記事で見ました。でも、異質な感じの相手と戦って、凄く良い試合を見せてもらいました」

──2月のRoad to ONEを挟み、パンクラスでは7カ月振りのファイトです。

「Road to ONEで勝ったからか初めてメインカードで戦えますし、ちょっと良い扱いなったというか……。後ろの方の試合ですし、凱旋というか……この機会を無駄にしないよう、しっかりと勝ってさらに上を目指したいです」

──対戦相手の尾崎選手の印象は?

「コブラ会所属で、勢いで勝つタイプだと聞いています。試合映像を見ると、寝技とか細かい技術もちゃんとしている人なのですが、技術力ではMe,Weで練習している僕も負けるとは思わないので──勢いに飲み込まれず、自分の試合をしたいです」

──ここで勝つと、タイトルが見えてくるかと思います。

「5月のパンクラスでうちの高島(俊哉)選手に勝ったランキング3位の野田(遼介)選手が、僕と尾崎選手の勝った方とやりたいと言ってくれたみたいで。一番下の選手が3位の選手に対戦要求されるのは正直おしいくて、大きなチャンスです。尾崎選手にしっかりと勝って、次に野田選手に勝てばタイトルが見えるところに急にいけます」

──じっくり育てる派だった山崎剛代表はどのように言われていますか。

「山崎さんからも『そろそろ2、3試合であるかもね』と言ってもらいました」

──おお、ゴーサインが出ましたね。

「ハイ(笑)。色々と準備することはあるのですが、挑戦できる位置にはいるとは思っています。チャンピオンの北方(大地)選手はONEなら返上かと思うのですが、RIZINだとベルトを持ち続けることになるので、パンクラスでも戦ってほしいです」

──そこを口にできるということは山北選手自身も、強くなったという自信が持てるようになったということでしょうか。

「そうですね。正直、山北選手は頭一つ抜けている存在だと思いますが……だからこそ勝たないといけない相手です。それと今、ストロー級のランカーとやって負けるとすれば実力不足ではなく、ミスをしたから負けるということで、実力ではランキング1位の力は持っていると思います。いかにミスなく戦うかです」

──4カ月前とは、本当に口をついて出る言葉が違いますね。

「だからこそ、明日の試合は勝敗ではなく、どういう勝ち方をするのか。そこに拘って、僕の実力が圧倒していることを見せたいです」

■視聴方法(予定)
6月27日
午後1時30分~ TIGET LIVE

■Pancrase322計量結果

<ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
──
──

<ネオブラッドTライト級準決勝/5分3R>
伊良波:キロ
森井一輝:キロ

<ネオブラッドTバンタム級1回戦/5分3R>
上野惇平:70.6キロ
小川準也:69.55キロ

<ライト級/5分3R>
木村裕斗:66.05キロ
DARANI DATE:65.8キロ

<フェザー級/5分3R>
立成洋太:61.3キロ
上田厚志:61.15キロ

<バンタム級/5分3R>
サイバー遼:61.3キロ
宮島夢都希:61.5キロ

<フライ級/5分3R>
赤崎清志朗:56.75キロ
西村大輝:56.8キロ

<ネオブラッドTライト級準決勝/5分3R>
白川洸太:69.85キロ
ダスタン・オムルザオフ:69.85キロ

<ネオブラッドTバンタム級準々決勝/5分3R>
川北晏生:61.0キロ
内山拓真:61.65キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/5分3R>
田代悠生:56.9キロ
曾我英将:56.6キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/5分3R>
聡-sDATE:56.45キロ
前田浩平:56.95キロ

<ウェルター級/5分3R>
菊入正行:77.3キロ
三浦広光:77.45キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.35キロ
粕谷優介:70.25キロ

<ストロー級/5分3R>
尾崎龍紀:52.4キロ
山北渓人:52.4キロ

<無差別級/5分3R>
佐藤光留:89.7キロ
渕上幹斗:105.8キロ

<フライ級/5分3R>
有川直毅:56.9キロ
山中憲次:56.4キロ

<フェザー級/5分3R>
名田英平:65.95キロ
高橋祐樹:65.35キロ

<フェザー級/5分3R>
狩野優:65.1キロ
林優作:65.55キロ

<ライト級/5分3R>
丸山数馬:70.3キロ
平信一:70.45キロ

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生:64.85キロ
中川皓貴:65.9キロ

<女子ストロー級/5分3R>
EDGE:51.75キロ
華蓮DATE:51.4キロ

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【Pancrase322】計量終了 上位3試合に加え、フェザー級Next Gen対決=狩野✖林、遠藤✖中川にも注目

【写真】J-MMAの歴史のなかで今ほど若い力に注視しないといけない時期はない。最後のチャンスぐらいの気持ちで、業界が若い選手を強くしなければならない(C)PANCRASE

26日(土)、東京都新宿区の新宿サンエービル地下1階会議室において、明日27日(日)に江東区USENスタジオコーストで開催されるPancrase3221の計量が行われた。

メインイベントはウェルター級の菊入正行✖三浦広光、セミはライト級の松岡嵩志✖粕谷優介、セミ前に尾崎龍紀✖山北渓人のストロー級が組まれた今大会。


それら上位カードに並び、注目したいのが狩野優✖林優作、遠藤来生✖中川皓貴という東京、名古屋、神戸、札幌からトップ戦線入りを狙うフェザー級のサバイバルマッチだ。

昨年来Ryoの活躍が目立つアップネクスト・フェザー級戦線において、そのRyoに敗れた林、TTFCで中川に敗れた狩野。互いにパンクラス初陣となる遠藤と中川。ともに負けられない2試合、そして勝たなければいけない2つファイトだが、前者がより負けられない、後者がいかに勝つかという気持ちが反映しそうな勝負になるやもしれない。

■視聴方法(予定)
6月27日
午後1時30分~ TIGET LIVE

■ Pancrase322計量結果

<ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
──
──

<ネオブラッドTライト級準決勝/5分3R>
伊良波:キロ
森井一輝:キロ

<ネオブラッドTバンタム級1回戦/5分3R>
上野惇平:70.6キロ
小川準也:69.55キロ

<ライト級/5分3R>
木村裕斗:66.05キロ
DARANI DATE:65.8キロ

<フェザー級/5分3R>
立成洋太:61.3キロ
上田厚志:61.15キロ

<バンタム級/5分3R>
サイバー遼:61.3キロ
宮島夢都希:61.5キロ

<フライ級/5分3R>
赤崎清志朗:56.75キロ
西村大輝:56.8キロ

<ネオブラッドTライト級準決勝/5分3R>
白川洸太:69.85キロ
ダスタン・オムルザオフ:69.85キロ

<ネオブラッドTバンタム級準々決勝/5分3R>
川北晏生:61.0キロ
内山拓真:61.65キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/5分3R>
田代悠生:56.9キロ
曾我英将:56.6キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/5分3R>
聡-sDATE:56.45キロ
前田浩平:56.95キロ

<ウェルター級/5分3R>
菊入正行:77.3キロ
三浦広光:77.45キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.35キロ
粕谷優介:70.25キロ

<ストロー級/5分3R>
尾崎龍紀:52.4キロ
山北渓人:52.4キロ

<無差別級/5分3R>
佐藤光留:89.7キロ
渕上幹斗:105.8キロ

<フライ級/5分3R>
有川直毅:56.9キロ
山中憲次:56.4キロ

<フェザー級/5分3R>
名田英平:65.95キロ
高橋祐樹:65.35キロ

<フェザー級/5分3R>
狩野優:65.1キロ
林優作:65.55キロ

<ライト級/5分3R>
丸山数馬:70.3キロ
平信一:70.45キロ

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生:64.85キロ
中川皓貴:65.9キロ

<女子ストロー級/5分3R>
EDGE:51.75キロ
華蓮DATE:51.4キロ

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J-CAGE News Pancrase322  ケイリン・メデイロス ブログ ホブソン・タカノ 尾崎龍紀 山北渓人 松岡嵩志 粕谷優介

【Pancrase322】6月大会でストロー級ネオブラ優勝者対決=尾崎龍紀✖山北渓人が決定

【写真】じっくりパンクラスでキャリアアップ、Road to ONEで外敵と──という道を進む山北 (C)MMAPLANET

8日(土)、パンクラスから6月27日(日)に東京都江東区USENスタジオコーストで開催されるPancrase322で尾崎龍紀✖山北渓人のストロー級戦が組まれることが発表されている。

2021年の首都圏でのパンクラス第2戦で2019年ネオブラ・ストロー級優勝の尾崎✖2020年ネオブラ・ストロー級優勝者・山北というフレッシュなサバイバル戦が決まった。


キャリア序盤の黒星先行から7連勝を経て、戦績を9勝6敗とした尾崎は、昨年12月の八田亮戦で99秒ギロチンで敗れており、ウィンニングトラック復帰を賭けた一戦に挑む。

対する山北は今やJ-MMA界に燦然と輝く専修大閥の最新鋭ファイターで、MMAファイターとして力をつけるために学生時代をレスリングに費やし、その成果もありプロでは4連勝──アマ時代から通算14連勝と負け知らず、だ。

今年の2月にはRoad to ONE04で年下ながら格上と見られた安芸柊斗をONEルール特有のがぶってからヒザを効かせ、パウンドアウトしている。修斗もこの敗北を受けて、山北に上位ランカーを用意しているという話も伝わっていたが、パンクラスで5連勝を目指すこととなった。

同大会では既に松岡嵩志✖粕谷優介というライト級ランカー対決、そして無差別級で佐藤光留✖渕上幹斗、さらにはネオブラ・ライト級で白川洸汰✖ホブソン・タカノという柔術食の強いカードが決定している。

そのパンクラス、緊急事態宣言が延長されたなか5月30日のPancrase321はキャパの5割の有観客イベントとして実施する方向で会場側と話をしているということだ。

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Interview J-CAGE Road to ONE04 ブログ 安芸柊斗 山北渓人

お蔵入り厳禁【Road to ONE04】山北渓人─02─「山崎さんの一言で体に鞭を入れることができました」

【写真】レスリングの動きが自然とできる。これはMMAで結果を残すうえで大きな武器といえる (C)MMAPLANET

2月22日のRoad to ONE04で安芸柊斗を下した山北渓人インタビュー後編。

専修大学卒業までみっちりとレスリングをやり込んだ──それがMMAのためになると断言した山北は、その言葉を立証したかのようにがぶり&ヒザ蹴りという攻撃を安芸戦でも見せていた。

Road to ONEで修斗ランカーに勝った勝利を今度、どのように生かしていくのか。そして、彼にとって如何に山崎剛Me,We代表が大切な存在であるかを訊いた。

<山北渓人インタビューPart.01はコチラから>


──ぶっちゃけて言うと、北米ルールよりもONEルールの方が戦いやすいというのはなかったですか。

「そうでね、がぶってヒザが打てますし。レスリングって力が必要だと思われがちですけど、ずっと練習しているとパワーを使わなくなってくるんです。力を使わずに抑えて、ヒザを蹴ることができるのは有利な点だと思います。

本当にトップ選手は合気道みたいに力を使わないで、相手を倒し、制することができるんです。専修大学のヘッドコーチは佐藤満先生(※ソウル五輪52キロ級金メダリスト。世界大会で銀✖1、銅✖2獲得)で、もう60歳近いのですが重量級の学生でも結構ボコボコにしてしまうんです」

──!!

「力を使っていないと先生は言うんですけど、やっていると凄く力は感じます。力がちゃんとある人が、力の要らない組み方をするので、まるで歯が立たないです。今、柔術家やグラップラーとも練習させてもらっていて、ボコボコにされていて強いなとは思っています──けど、佐藤先生の強さは別物で。クオリティというか、完成度が凄いです」

──それだけレスリングをやってきて、MMAの難しさはどこに感じていますか。

「やはり打撃があるので、最初の頃は別々になってしまっていました。今もそうなりがちなので、打撃と組みの繋ぎ目を気にして練習しています。レスリングは勝手に体が動くので、ネオブラの決勝で殴られて飛んでいる状態で、自分でも気づかないうちでテイクダウンを仕掛けていました。

から今回の試合は、打撃だけをやる感覚で入ると、体が勝手にテイクダウンを仕掛けて一体化していた感じです」

──安芸柊斗選手は当て勘が良く、初回は圧されていました。その打撃だけと思って自然とテイクダウンにいける動きこそ、安芸選手は予期できない組みになっていたのかもしれないですね。

「もともと警戒していたのですが、安芸選手は打撃が凄く上手かったです。カウンターが得意で、距離を作るのが上手いのでなかなか入れなかったです」

──2R、セコンドの山崎さんが『(前日にDEEP暫定フライ級王座に就いた藤田)大和もやり切っただろ。お前もやり切れ』という指示を出されていたのが、凄く印象に残っています。

「しっかりと試合中にでも、聞こえていました。疲れて楽をしたいと思いそうになっていたところで、あの一言で体に鞭を入れることができました。山崎さんのセコンドが心強くて、試合中でも自信を持たせてくれます」

──普段から面倒見の良い山崎さんに、アレを言われると動くしかない?(笑)。

「そうですね……。山崎さんは本当にいつもジムにいますし、それだけ自分のことを分かってくれているので。だから試合中に休もうとしているのも分かるんだと思います。本当に山崎さんがいてくれて、やりきることができました。

大和さんも打撃は当然ですけど、組みも凄く強くて。打撃で大和さんより強い人はいないと思うので、そこも安芸選手との試合をするにも、自信を持って戦えた要因です」

──今、ジムには同じレスリング出身で、UFCファイターの村田夏南子選手もいます。

「夏南子さんは男が相手でも、ばんばん倒しにいきます。僕は自分より大きな人とやると、敵わなくてもしょうがないというところがあるのですが、夏南子さんはそういうことが全然ないんです。お構いなしに、向かっていきます。

僕も男なので、女の人とやるときは力をいれないで練習するようにしているのですが、夏南子さんとするときは力を入れないとやられてしまいます。

Me,Weはストロー級でも本当に良い練習相手が多いです。ケガでフルにはできないですけど、神部(建斗)君もいますし。凄く良い練習ができていると思います」

──ところで、今回は自分などはなぜ山北選手がネクスト・ヤングガンズ・アワードでなかったのかと憤りを感じてしまっているのですが。

「ありがとうございます。僕も実は少し期待していたので、そう言ってもらえると嬉しいです。

それでもRoad to ONEで勝てたことは大きいです。ABEMAで色々な人も視てくれて……僕は戦績的にはまだ無敗ですけど、ここ2試合は判定勝ちだったので、今回の勝利は本当に良かったと思います」

──✖修斗という試合で勝てたことも、大きいかと思います。この勝利をどのように今後のキャリアアップに結びつけていきたいと思っていますか。

「今回、寝技でのヒザありルールということで、フィニッシュに結び付けることができたと思います。ただ、ヒザ無しでもフィニッシュはともかく、勝てることはできたと考えています。だからルールに拘らず、ストロー級で頭が抜けているところを見せたいです」

──Road to ONEを経験しましたが、パンクラスの活動再開がなった時は、どのような舞台で戦いたいと思っていますか。

「今回、この機会が巡ってきて生かすことができました。フィニッシュもできましたし、またチャンスが巡ってくると思っています。パンクラスが先か、他のチャンスが先かわからないですけど、与えられた機会を生かしていきたいです」

──修斗のランカーに勝ちました。修斗で安芸選手より上のランカーと戦いたいという気持ちは?

「あぁ……。う~ん……。Road to ONEがまたあって、呼んでもらえた時に修斗の選手から、僕と戦いたいと言ってもらえるようならやりたいです。どんどん上に行きたいですし、チャンスがあればモノにしたいです。でも同時に山崎さんが『焦らないで』と言ってくださっていて。

今回の試合は格上の相手を選んだのですが、じっくりと力をつけたい気持ちもあります。正直、打撃とかまだまだ全然なので。組みもフィジカルでカバーしている部分多くて……、やっぱり一歩、一歩、進みたいです」

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お蔵入り厳禁【Road to ONE04】山北渓人─01─「大学でレスリングを続けて遅れるとは思わなかった」

【写真】なぜノーマークだったのか、見る目の無さが再確認された山北の勝ちっぷりだった (C)MMAPLANET

2月22日のRoad to ONE04で安芸柊斗を下した山北渓人

MMAキャリア4戦目、大会前にノーマークに等しかった昨年のネオブラ優勝の山北は、当て勘が良く、勝負を決めに行くときの殺傷能力の高さに定評のある安芸をONEルール特有のがぶってのヒザ=グラウンドのヒザを効かせ、パウンドアウトした。

MMAPLANET的にはNext Young Guns Awardだった山北──レスリング・エリートからMMAでの成功を目指す彼を、大会から6日後に取材した。お蔵入り厳禁──山北のMMAに賭ける想いとは……。


──2021年に入り、主戦場としていたパンクラスからイベントスケジュールがなかなか出ない。その状況でRoad to ONEからオファーがあった時はどのような気持ちでしたか。

「去年の12月に試合をしたのですが、ケガをしていて。調整も試合も大変だったので、次は3月か4月ぐらいで考えていました。そんな時にRoad to ONEから声が掛かって、注目度も高いし気持ちを切り替えてやろうと……。しっかりと創り直すことができて、戦うことはできました」

──安芸選手は修斗のランカーで、年下でもキャリアは山北選手より長い選手でした。

「パンクラス✖修斗ということに加えて、格上になるけどチャンスだと思いました。ネオブラッドTでは勝たないといけない試合をしてきて、安芸選手との試合は自分がどの位置にいるのか試すことができる試合だと捉えていました」

──現在24歳、MMAデビューは昨年2月で正直早くないというか、かなり遅いといって良い年齢です。

「2019年にアマチュアの試合には出ていたのですが、大学卒業までレスリングをしていたので、Me,Weに入門して3カ月ぐらいでグラチャンのアマの試合に出て。その後アマチュア・パンクラスのトーナメントで優勝した時に、プロからのオファーもありましたが、山崎(剛)さんは『焦らず1年間はアマチュアで頑張ろう』という方針だったので、アマチュアで10試合(※10勝)ほど経験を積めました」

──満を持してプロデビューだったわけですね。もともとMMAには興味があったのですか。

「ハイ。保育園の時から分からないながらお父さんと一緒にPRIDEを見ていて、僕は記憶にないのですが凄く好きだったみたいです。物心がついた時にはなんとなく格闘技が好きで、近くにキッズレスリングを教わることができる場所があり、小学4年生から通るようになりました。

中学生の時にはDREAMの時代になっていたのですが、やりたいというよりもやるんだろうなと思っていました。レスリング・クラブを運営している方が、いなべ総合学園という高校でレスリング部の指導をしていて、中学を卒業すると先生のいる高校に進学したんです」

──山北選手はもともと、いなべ市のご出身なのですか。

「ハイ。三重県の一番北部で、凄い田舎なんです。愛知県と三重県の境で」

──ググってみます。あぁ、桑名からナローゲージの三岐鉄道北勢線が走っている街なのですね。762ミリの元々は軽便鉄道だった電車で一度、乗ってみたいと思っていた鉄道です(笑)。

「アハハハ。桑名とか四日市から奥にいったところで」

──何も知らなくて申し訳ないのですが、この場所でレスリングが学べたのですね。

「たまたま実家の近くに、いなべ総合学園があり先生のレスリング・クラブで練習していたのでエスカレーター的に。大学は専修大学に進学しました」

──おぉ、では長州力さんの後輩ですね。

「あっ、そうなんです(笑)。長州さんは会ったことはないですけど、馳(浩)さんが監督で、議員で忙しいのに練習によく来てくださっていました」

──レスリングの実績としては?

「高校の時は県大会で優勝して、全国選抜選手権で3位。国体は2位、インハイは取れなかったです。大学では57キロ級で新人戦が3位、東日本選手権で2位、国体で2位でした。普段から60キロほどだったので、それほど減量はしてこなかったです」

──いや立派過ぎる戦績なのですが、レスリングで就職を考えるということは考えなかったですか。

「なかったです。完全にMMAのことしか頭になくて。4年間はしっかりとレスリングをやろうと思っていたのも、MMAのためでした。だからオリンピックに出たいとかは、正直なところ全然なかったです」

──専修大学だと……MMAでは先輩に……。

「レスリング部だと上迫(博仁)さんや江藤(公洋)さん、武田光司選手が先輩です」

──錚々たるメンバーですね。しかし22歳になるということは、どのように捉えていましたか。松嶋こよみ選手などは大学を辞めて、MMAに転じましたが。

「とにかく早くやりたかったので、高校を卒業したときにもMMAを始めたかったです。でもKID選手とかも大学を出ていてMMAを始めていたし、大学で4年間みっちりとレスリングを続けることでMMAをするのにマイナスになる……遅れるとは思っていなかったです。逆にそれが必要だという考えでした」

──とはいえレスリングと違い、社会人MMAなどはない環境ですが……。

「ハイ、飲食関係の会社にMMAをするということを承知のうえで就職し、凄く協力してもらっていました。それでも、どうしても練習時間に制限が出てきてしまうので、給料を下げてもらって練習時間を確保していました」

──おお、凄い話です。しかも理解のある会社で。

「はい。本当に感謝しています。それでも……もっと練習がしたくて結局、退職させてもらって下北沢のトイカツ道場でインストラクターをさせてもらいながら練習しています」

──Me,Weで練習するようになったのは?

「先輩がRIZINのバイトをしていて、山崎さんと顔見知りだったんです。興味がある人、練習に連れてきなよという話になった時に、僕も一緒に行かせてもらったんです。ジムの雰囲気も良くて、すぐに『ここでやろう』と思って。4年生の12月に最後のレスリングの試合があって、そこからは毎日Me,Weで2部練をしていました」

<この項、続く>

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【Road to ONE04】レスリングの強さを生かした山北渓人、グラウンドのヒザ蹴りで安芸柊斗にTKO勝利

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
Def.2R0分22秒 by TKO
安芸柊斗(日本)

山北が右ロー。対する安芸はカーフを当てる。さらに安芸の右ローに合わせて山北がシングルで飛び込む。これをカットした安芸は、組み付いてくる山北に右をヒット。しかし左フックをかわされて、組み付かれる。山北がボディクラッチから安芸をケージに押し込み、大内刈りでテイクダウンに成功する。パウンドを放つ山北の左腕を取り、腕十字を仕掛けた安芸。山北が腕を抜いた瞬間にスイープしてトップを奪う。

すぐに立ち上がった安芸に対して、再びダブルでテイクダウンを奪った山北。立ち上がる安芸のバックに回る。ケージを活用して倒されまいと試みる安芸を、山北がリフトアップしてグラウンドに持ち込む。下からヒジを狙う安芸が、足を上げていく。トップの山北は秋の顔面に鉄槌を落とす。ここで立ち上がった安芸が、最後は山北をケージ際に追い込んだ。

2R、スイッチする安芸をテイクダウンした山北。安芸は下から三角を狙う。これを凌いだ山北は、ガブりからヒザ蹴りを顔面とボディに散らす。4点ポジションのまま動きが止まる安芸。山北は顔面へヒザの連打、さらにパンチに切り替える。動きが完全に止まり、連打をもらう安芸を見てレフェリーが試合を止めた。


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