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【Grachan56】岩﨑ヒロユキ代表に訊く-02-「僕は今、自分が死んでも続くものを残したい」

【写真】後世にMMAを残す鍵が、アマチュアということなのだろうか(C)GRACHAN

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan56では、プロ大会終了後にアマチュア戦=GRACHANチャレンジが開催される。
Text by Shojiro Kameike

プロ興行と同様に、GRACHANチャレンジも開催数が増えている。そこで岩﨑ヒロユキ代表が、アマチュア大会を拡大していく理由を語ってくれた。

<岩﨑ヒロユキ・インタビューPart.01はコチラから>


――現状のワンマッチとは別にトーナメントを開催したいとのことですが、トーナメント制でも全てパウンドとエルボーは有りですか。

「そうです。だって、MMAですから。世界を目指すなら、やっぱりパウンドとエルボーには慣れておかないと。最近マルスジムの平大門代表と、西川大和は小さいころから様々な経験をしていたから今があるっていう話をしていたんですよ。彼の存在によって、それに気づかされました。

世界で活躍する選手を輩出したい、皆そう思っているなかで我々はどうするべきなのか。考えているうちに、自然とこのルールに落ち着いてきましたよね」

――そのGRACHANチャレンジを広めていくための仕組みも、頭の中にあるのでしょうか。

「アマチュアを広めていくためには、もう回数を重ねていくしかないですよね。ただ、予想以上に開催回数も参加人数も増えてきています。ルールは違いますけど、いずれアマチュア修斗さんと対抗できる形になっていくと思っています。

なぜかといえば、各ジム代表が以前よりも柔軟だからです。昔は、このジムならこの大会へ――という型にハマっていたじゃないですか。今はそうではなくなっている。あとは僕たちが大会を運営している背中を見せて、各ジムの代表さんに信用してもらう。口じゃなくて行動で見てもらうのが一番だな、ということが15年やってきて分かりました。

何より一番強いのは、たとえば大阪だとGRACHANに出てくれている手塚基伸や獅庵たちが自分のジムを持つようになってきたことです。彼らから話を聞いて、もっとアマチュア大会を開催してほしい、年2回はやってほしいという声もあります。これからもっと時代は変わりますよ」

――では、今後GRACHANチャレンジの大会が増えていくなかで、それらを全てケージで開催するのですか。

「そう考えています。たとえケージが小さくても」

――そうなると会場選びやケージ運搬の問題も出て来るかと思います。

「それは今、九州でGRACHANチャレンジを開催したいと思っているのですが、地元でケージを設置しているジムさんと相談しています。そういった場所を借りてジムファイトからスタートしたいと思っています。それで選手が増えてきたら、いずれGRACHANチャレンジと一緒にプロ大会も開催したいと考えていますね。

そこは段階的にやっていきます。アマチュア大会が認知されていくと、その場所で選手もお客さんも生まれてきますから。将来的にプロ大会の開催も夢ではないです。だから今後数年はアマチュア大会が重要になってくると思います」

――なるほど。プロ、アマに限らず大会数が増えていくと、必ずマンパワーの問題に陥ります。現在GRACHANチャレンジのほうは、どなたが管轄しているのでしょうか。

「アマチュアのマッチメイクも全部、僕ですよ。もうちょっと先が見えてきたら、人を雇うかもしれません(苦笑)。ただ、誰もやりたがらないんですよね。選手を集めるのは、宮田和幸君も手伝ってくれているから、楽になってきたんですけど……。北海道はマルスジムが新たにケージを設置する予定で、宮田君とは『仙台大会もやりたいね』と話をしています」

――そこまでアマチュア大会の全国展開を考えるキッカケは何だったのでしょうか。

「前に宮田君と一緒にインタビューしていただいた時にも言いましたけど、たとえ少しでも僕が関わっているところからUFC王者が出てほしい。それだけなんです。日本人選手がUFCのベルトを巻いている姿を見ながら、昔この選手はGRACHANチャレンジに出てくれていたんだよなぁ、とか」

――お酒を飲みながら、しみじみと。

「アハハハ。そうです、そうです。たとえば先日パンクラスのベルトを巻いた山北渓人選手って、昔GRACHANチャレンジのBクラスに出てくれたことがあるんです。もちろん彼は他のアマチュア大会も経験していますけど、ちょっとは自分も貢献できたのかなぁ、なんて自己満足ですよ(笑)。

今大会ではないですが、フェザー級トーナメントにエントリーしている和田健太郎は、純粋なGRACHANチャレンジ出身選手です。彼がトーナメントで優勝したら、それこそ初のGRACHANチャレンジ出身のGRACHAN王者が誕生します。

やっぱり強い選手を出すためには、とにかく経験が必要ですよね。GRACHANも昔はセミプロの選手もプロ扱いでバンバン出していましたが、GRACHANを広げていくための手段でした。それは間違いだったと、今は分かっています」

――それは平大門マルスジム代表もインタビューで仰っていましたね。最初は認知度を上げるために地下格闘技を謳っていましたが、大会を続けていくうちに選手のレベル差が大きくなって、仕組みを考えていくようになったと。

「やっていくうちに、気づいたということですよね。GRACHANも叩かれながら上がってきましたから。でも、だから今があるわけで。……僕は今、自分が死んでも続くものを残したいんですよ」

――……えっ!?

「GRACHANのプロ大会は、僕が死んだら無くなるかもしれません。でもアマチュアはそうならないように。僕がいなくても形として残る。出ていた選手がプロで勝ち上がることで、しっかり続いていく――そういうアマチュア大会をやっていきたいです」

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【RIZIN】宮田和幸「RIZINも海外勢入ってきたから厳正なドーピングチェックをしてもらいたい」

872: 実況厳禁@名無しの格闘家 2022/05/14(土) 14:32:56.91 ID:rY1X1dXG0

やはりやってないんだな

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o RIZIN   中村大介 宮田和幸 金原正徳

5.5『RIZIN LANDMARK vol.3』三浦 vs. マソーニが中止/所&金原 vs. 中村&太田のグラップリングタッグマッチが追加



 フェリペ“キングハンター”マソーニと対戦予定の三浦孝太が、4月18日(月)の練習中に首を痛め医師の診察を受けたところ、首ヘルニアの疑いのため安静するよう指示を受けました。その後しばらく安静にしておりましたが、MRI検査で「首ヘルニアにより全治一ヶ月の療養・治療を要す」との診断が下り、所属ジムの宮田和幸代表およびドクターにより試合ができる状態ではないという判断に至りました。

 よって三浦孝太の欠場および、三浦孝太 vs. フェリペ“キングハンター”マソーニは試合中止となりましたことをお知らせいたします。

 三浦孝太は「一日も早く復帰できるよう療養・治療に努め、マソーニ選手と必ずどこかで試合をしたいと思っています」とコメント。元々このカードは大晦日の『RIZIN.33』で予定されていましたが、コロナの影響で渡航できず流れた経緯があります。

 追加対戦カードとして、所英男&金原正徳 vs.中村大介&太田忍のグラップリングタッグマッチが決定!この試合にはExciting RIZINが協賛に付き、「Exciting RIZIN presents グラップリングタッグマッチ」となる。

 尚、勝利チームにはExciting RIZINより賞金100万円が贈呈!4人のファイターたちによるハイレベルなグラップリングタッグマッチをお見逃しなく!

 この追加カードにより全5試合のままです。続きを読む・・・
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o RIZIN YouTube イリー・プロハースカ ギャビ・ガルシア ダリオン・コールドウェル ハム・ソヒ 北岡悟 堀口恭司 大尊伸光 宮田和幸 川原波輝 征矢貴 杉山しずか 渡辺華奈 矢地祐介 越智晴雄 魚井フルスイング

RIZIN 衝撃KO集 30連発 パート2 / フロイド・メイウェザー/那須川天心/朝倉未来 / 30 Knockouts Part2

▶KO集シリーズを近日中に多数UPしますのでぜひ登録お願いします。
00:00フロイド・メイウェザー・ジュニア vs. 那須川天心
01:30堀口恭司 vs. ダリオン・コールドウェル
02:03リオン武 vs. 朝倉未来
02:55イリー・プロハースカ vs. 藤田和之
03:03ミルコ・クロコップ vs. キング・モー
03:25あい vs. 川村虹花
03:57堀口恭司 vs. ベン・ウィン
04:25砂辺光久 vs. 越智晴雄
05:00北岡悟 vs. ホベルト・サトシ・ソウザ
05:17渡辺華奈 vs. 杉山しずか
05:42イリー・プロハースカ vs. マーク・タニオス
05:48宮田和幸 vs. 山本アーセン
06:17那須川天心 vs. フリッツ・ビアグタン
07:12ハム・ソヒ vs. 前澤智
07:45征矢貴 vs. 川原波輝
08:10魚井フルスイング vs. カナ・ハイアット
08:28マーティン・ブランコ vs. 那須川天心
09:14ホベルト・サトシ・ソウザ vs. 廣田瑞人
09:39浅倉カンナ vs. 浜崎朱加
10:06ダロン・クルックシャンク vs. ダミアン・ブラウン
10:25山本アーセン vs. ティム・エスクトゥルース
10:49矢地祐介 vs. 朝倉未来
11:08イリー・プロハースカ vs. ブランドン・ホールジー
12:00ギャビ・ガルシア vs. バーバラ・ネポムセーノ
12:23元谷友貴 vs. ジャスティン・スコッギンス
12:48大尊伸光 vs. トフィック・ムサエフ
13:13真珠・野沢オークレア vs. ヤスティナ・ハバ
13:35矢地祐介 vs. ジョニー・ケース
13:56浜崎朱加 vs. アム・ザ・ロケット
14:45キング・モー vs. イリー・プロハースカ

▶元動画

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Brave Fight26 DEEP Grachan53 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC VTJ VTJ2021   ラデック 修斗 原口伸 大宮優 宇佐美正パトリック 宮田和幸 岡澤弘太 岩﨑ヒロユキ 木下憂朔 藤村健悟 野村駿太 高須将大 黒井海成

【GRACHAN53×BRAVE FIGHT26】岩﨑ヒロユキ「本当に強い選手」x宮田和幸「対戦相手も成長する大会」

【写真】 原口伸に対する、大宮優。野村駿太に、藤村健悟。3年後のJ-MMAのためのサバイバル戦(C)MMAPLANET

12日(土)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGRACHAN53×BRAVE FIGHT26の見どころを、GRACHANプロモーター岩﨑ヒロユキ氏と、宮田和幸BRAVE代表が語るインタビュー後編。

メインの原口伸×大宮優を筆頭に、BRAVE所属選手と他ジムの若手選手が対戦するマッチメイクが並んだ今大会。両者が注目する選手と試合は……。きっと、この2人が最も今大会を楽しみにしているに違いない、そう思わせてくれる内容となった。

<宮田和幸×岩﨑ヒロユキ対談Part.01はコチラから>


――今回のGRACHAN×BRAVE FIGHTはアマチュアの試合から始まり、後半はBRAVE所属の5選手が出場します。そんな今大会のマッチメイクのテーマを教えてください。

岩﨑 今回は原口伸×大宮優、ともにプロデビューしてから間もない選手の試合をメインに持ってきました。僕としては今後の日本MMAの明るい未来を信じつつ、2人にとって2022年のスタートとして大事な試合になります。

――日本MMAの明るい未来、ですか。

岩﨑 去年から、宮田君のジムから原口伸君たちのような、実力のある選手がどんどん出てきていて。まだキャリアはなくても強いという選手が増えています。そして、これからさらに若手選手が、どんどん出て来る予兆がある。その点を考えたマッチメイクになっています。

――宮田さんが主宰するBRAVEジムからは、他競技で実績のあるポテンシャルの高い選手がデビューしていますね。

岩﨑 そう、宮田君のジムが最近すごいよね。

宮田 そうですね。でもウチのジムから選手が出てきているのも、決して突然ではないんですよ。GRACHANもそうですけど、やっぱり積み重ねることが大事で。ウチでいえば芦田崇宏や、GRACHANに出ていた選手でいうと鈴木隼人(初代GRACHANフライ級王者)たちの活躍があったからこそ、今の原口とか才能のある選手が入ってきてくれたんです。芦田も鈴木も下積みが長かったし、今の選手もここ最近出てきただけで、ずっと下積みを経験きましたから。

――なるほど。次に、今大会で岩﨑さんと宮田さんが注目する試合を教えていただけますでしょうか。

宮田 僕は原口、そして野村駿太の試合ですね。同じライト級で、2人とも良いものを持っています。原口はレスリングがベース(2019年全日本フリー70キロ級優勝)で、UFCを狙わせたいと思っています。……いや、野村にはUFCを狙わせたくない、っていうわけじゃないですよ(笑)。

――アハハハ、分かります。野村選手は昨年11月のVTJ2021で宇佐美正パトリック選手に判定負けを喫しているので、今回は仕切り直しの一戦になりますね。一方の原口選手は、同じくVTJ2021では岡澤弘太戦で試合を優勢に進めながら、バッティングによるノーコンテストに終わりました。この2選手について、VTJ2021から現在までの成長具合はいかがでしょうか。

宮田 それが……彼らはMMAを始めてまだ1年なんですよ。原口は去年まだ大学生だったし、野村がジムに入ってきたのも去年の3月です。2人とも1年の間に、ものすごいスピードで強くなってきました。だから今回は、ぬるいマッチメイクにはしていません。2人とも相手が強いですからね。まず原口と対戦する大宮選手は試合映像を見たら、勝った対戦相手が凄かったので。

岩﨑 大宮選手は昨年のDEEP大阪大会でデビューしたばかりで(11月21日、安達健一郎にキムラで一本勝ち)、今回がプロ2戦目です。でも2年前にアマチュアの試合で、今パンクラスやRIZINに出ている木下憂朔選手に勝っているんですよ。

大宮選手はライト級なのに、1階級上の木下選手にキムラを極めていて。大宮選手も絶対に上へ来る実力の持ち主ですから。反対に今回の試合を乗り越えたら、原口君も自信を持っていいと思います。

宮田 野村と対戦する藤村選手も最初に見た時、めちゃくちゃ良い動きをするなと思いました。野村にとっては全然楽な相手じゃなくて、むしろチャレンジマッチですよね。

岩﨑 野村君についてはストライカーのイメージを持っていたんですけど、練習を見るとテイクダウンのディフェンスが、すごく速くなっています。見ていて「あぁ、こんなに成長したんだ」と思いました。だからこそ、苦手なグラップラーである藤村選手を当てました。両者に期待を込めて。

宮田 僕も最近、考えを改めたんです。昔はウチの選手に対して、じっくり経験を積ませようと思っていました。でも最近は、それよりもどんどん強い選手と試合させるほうが良いかな、と。岩崎君とそういう話をして、原口も野村もMMAを始めて1年で対戦するレベルではない相手との試合を組んだんですよね。

岩﨑 プロモーターとしても以前なら、もっとゆるく段階を上げていったかもしれません。でも、僕も宮田君と同じことを感じていて……時代が変わってきたんです。もし試合で負けるとしたら、若いうちに敗戦を経験したほうが、選手にとって財産になると思っています。

今回もこの2試合だけではなく、若手も戦績が近く、かつ本当に強い選手をピックアップした試合ばかりです。これは対戦する両者が成長できるマッチメイクだと思います。

宮田 岩﨑君はGRACHANの代表だから、相手に対しても同じことを思っているはずだけど、この大会から対戦相手も含めて成長していくんじゃないですか。ウチの選手もそうだし、他の選手も長く続けてくれれば、数年後にはトップ戦線に行くと思いますよ。

――お話を聞いていると、かつての修斗下北大会を思い出します。その後の日本MMAを支えていく選手たちが、北沢タウンホールのクラスB戦で鎬を削っていました。

宮田 あぁ、分かります。今回の大会も同じようになりますよ。何年後かに見たら、「この選手とこの選手、こんな段階で対戦していたの?」とか思ってもらえるような。

岩﨑 絶対にMMAPLANETを読んでいるMMAファン好みのマッチメイクだと思いますので、ぜひ期待してください。

■視聴方法(予定)
3月12日(土)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

■ 対戦カード

<ライト級/5分2R>
原口伸(日本)
大宮優(日本)

<73キロ契約/5分2R>
岸本篤史(日本)
モリシマン(日本)

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
藤村健悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
高橋謙斗(日本)
フミ・グローブTV(日本)

<フェザー級/5分2R>
黒井海成(日本)
杉本静弥(日本)

<フェザー級/5分2R>
和田健太郎(日本)
誠人(日本)

<無差別級/5分2R>
ラデック(チェコ)
高桑格(日本)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
高須将大(日本)

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【GRACHAN53×BRAVE FIGHT26】剛柔流硬式空手→K-1→MMA、黒井海成―01―「キックのスパーで」

【写真】グラチャン岩﨑代表とBrave宮田代表の対談からも人材の育成に力を入れていることが伝わってき、黒井もその1人だ (C)GRACHAN

12日(土)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGRACHAN53×BRAVE FIGHT26で、BRAVEジムの黒井海成がプロデビュー戦に挑む。
Text by Shojiro Kameike

今年1月に成人式を迎えたばかりの黒井は、宮城県仙台市の出身。幼少期から空手を学び、高校時代にはK-1甲子園の東日本トーナメントで優勝している。そして昨年、上京してBRAVEジムに入り内弟子生活をスタートさせた。

入門した年の9月、朝倉未来がアドバイザーを務めるBreakingDownに出場して判定勝ちを収めた。さらに同年11月のBRAVE FIGHTでKO勝ちし、今回のプロデビューに至っている。

今回、同じくプロデビュー戦となるCARPE DIEM福岡の杉本静弥と戦うこととなった黒井に、インタビューを行った。空手少年が世界を目指し、MMAファイターとなるまでの物語とは――


――1週間後にプロデビュー戦を控えている黒井選手です(※取材は3月5日に行われた)。黒井選手はMMAを始める前に空手とK-1甲子園で実績を残していますが、最初に格闘技を始めたのは何歳ごろのことですか。

「空手を習い始めたのが4歳の時です。6歳上の兄がいるんですが、兄の影響で剛柔流硬式空手の道場に通い始め」

――硬式空手というと、防具付きで直接打撃のあるルールですよね。

「はい。日本拳法に近くて、寸止めではなくガッチリと当ててポイントを争うルールです。その世界大会で優勝したことがあります」

――えっ、世界大会優勝ですか! それは何歳の時ですか。

「実は3回優勝していて、最初は小学4年生の時でした。次が小6、最後に優勝したのは中3の時です」

――3度も世界チャンピオンに……。幼少期にやっていたのは空手だけで、他のスポーツはやっていなかったのでしょうか。

「小学生の頃は野球をやりたい、サッカーをやりたい……っていう気持ちはありました。でも習い事は1つだけにしないと強くなれない、という想いがあって」

――その結果、空手一筋で幼少期を過ごしたと。

「いえ、中学校では野球部に入りました(笑)。野球をやりながら空手も続けていたんです。野球ではキャッチャーとセンターをやっていました」

――野球について詳しくなくて恐縮なのですが、センターとキャッチャーといえば守備全体を見渡すことができる要のポジションではないのですか。

「ずっと目立ちたがり屋だったんです。誰よりも多くバッターボックスに立つために、打順も1番で(笑)。野球部では県大会出場が最高の成績でした」

――かなりのオールラウンダーですね。高校に進学してからは、野球を続けようとは思わなかったのですか。その実績であれば、高校野球部からのお誘いもあったかと思います。

「野球を続けるつもりはなかったです。自分から空手を取ったら何が残るんだろう? そう考えるようになっていて。それとテレビでK-1を見て、いずれ都内のK-1ジムに入りたいと思っていました」

――なるほど。K-1甲子園の試合を見ると、ローキック……というより下段蹴りを効かせる試合ぶりでした。1発目から相手の足が流れて、そのまま下段蹴りで押していくという。

「K-1やキックボクシングでも、ローキック一本でした。K-1やキックボクシングでも空手の技で勝とう、という気持ちが強かったんです」

――その時点では、いずれはK-1ファイターになろうと思っていたのですね。

「そうなんです。高校の時(2019年)、K-1甲子園に出て東日本トーナメントで優勝しました。全日本大会ではベスト8で終わってしまったんですが、そこからアルバイトでお金を貯めて東京に行こうと」

――その黒井選手が、K-1ではなくMMAを選んだ理由は何だったのでしょうか。

「2020年に入ってコロナ禍で東京に行けなくなったんです。それでK-1のジムに入ることができなくて。そんな時に――2020年9月ですね。宮田先生(宮田和幸BRAVEジム代表)が、僕の地元(宮城県仙台市)でセミナーを開催されて、そのセミナーに参加しました」

――宮田代表のセミナーというと、MMAやレスリングが中心となりますよね。その頃にはMMAに興味があったのでしょうか。

「MMAも好きで、テレビで観ていました。UFCやRIZINの朝倉兄弟、堀口恭司選手に憧れていたんです。K-1をやるか、MMAをやるか……正直迷っていた時期で。そのセミナーで宮田先生から『MMAには興味ないの?』と聞かれて、宮田先生のジムで練習してみようと思いました」

――2020年9月のセミナーで誘われてから、すぐにBRAVEジムへ向かったのですか。

「初めてジムで練習したのは、2020年12月です。そこでスパーリングをやらせてもらいました。そこで自分より強い人たちがいることにショックを受けたんです。MMAやレスリングだけでなく、キックボクシングのスパーでも……。やっぱり地元では自分が一番で。でも、やっぱり東京は環境が違うなと思いました」

――ショックを受けて、MMAを諦めようとは思わなかったのでしょうか。

「それは思わなかったですね。レスリング出身の人たちにも、キックボクシングのスパーでやられて、本当にショックでした。でも、そういう人たちを越えないと納得できないし、自分の目標にはたどり着けない。だから、このジムでMMAをやろうと決めたんです」

<この項、続く>

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【GRACHAN53×BRAVE FIGHT26】同級生対談 宮田和幸「仕事が早い」×岩﨑ヒロユキ「相談できる仲間」

【写真】今や名コンビという感もある宮岩コンビ (C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(土)、東京都の大田区産業プラザPIOで『GRACHAN53×BRAVE FIGHT26』が開催される。
Text by Shojiro Kameike

GRACHANとBRAVE FIGHTのコラボイベントが初めて開催されたのは、2016年2月のこと。それ以前からも、GRACHANプロモーターの岩﨑ヒロユキ氏が、宮田和幸BRAVEジム代表が行うBRAVE FIGHTをサポートしていたという。

そんな両者の交流と、コラボイベントがスタートした目的とは? GRACHAN岩崎ヒロユキ代表と、BRAVE宮田和幸代表に、コラボイベントのコンセプトと目標について聞いた。


――GRACHAN53×BRAVE FIGHT26を3月12日に控え、今回はGRACHANプロモーターの岩﨑ヒロユキさんと、BRAVEジム代表の宮田和幸さんにお話をうかがいます。まずお二人がコラボ大会を開催するようになったキッカケは、何だったのでしょうか。

岩﨑 それについては……僕もよく覚えていないんですよ(苦笑)。宮田君と仲良くなったキッカケは、マッハ(桜井マッハ速人)なのか誰か……。

宮田 たぶん、そのあたりですね。もともと僕はBRAVEの内弟子に限らず、強い選手を育成したくてBRAVE FIGHTを始めたんです。選手の経験の場として、自分で大会をやりたいと思って。でも始めてみたら、すごくマッチメイクに苦労して……。そんな時に岩崎君やマッハと話をしたら、マッチメイクが早かったんですよ。仕事が早いというか。その部分ですごく助けられて、だったら一緒に大会をやろうかという話になりました。

岩﨑 最初にコラボしたのは、もう何年前かな?

宮田 岩﨑君に手伝ってもらったのは、新宿FACEで開催していた頃じゃないかな。結構長く一緒にやっているよね。

――コラボ大会を開催し続けているなかで、お互いにとって最も大きいメリットを教えてください。

岩﨑 僕は年々、宮田君という存在のありがたみを感じています。ずっと1人でやっていたから、相談できる仲間ができたというのは嬉しいですよ。宮田君とは同世代だから、気兼ねなく話ができるというか。自分にとっては良き相談相手でもあるんですよね。

宮田 僕の場合は、岩﨑君は僕ができないことをやってくれることが大きいです。僕は選手を育成したり、練習環境をつくるのは得意ですけど、やっぱりマッチメイクは難しいじゃないですか。他のジムにいるアマチュア選手のことは詳しくないし……。そうやって僕にできないことを岩崎君にやってもらっているので、長く続けていられるんだと思います。

――プロの大会はもちろん、アマチュアの試合を組むにはジム同士の情報交換がないと難しいと思います。マッチメイクについては岩﨑代表、選手の育成については宮田代表と、しっかり棲み分けができているのですね。

宮田 そうなんです。岩崎君はいろんなジムの選手を知っているし。いろんなジムに足を運んでいるので、詳しいですよね。

岩﨑 GRACHANというブランドは今年で14年目なんですけど、最初の頃はアマチュア大会を開催しても、選手が全然集まらなかったんです。当時は1軒1軒ジムを回って、ご協力をお願いしていて……。でも今は、出場選手募集中とSNSで流すだけで、多くの選手が応募してくれるような状態になってきました。

コラボ大会については、そうして応募してくれた選手と、BRAVEの選手をマッチメイクしていく形なので、随分とスムーズになっていますね。やっぱり、やり続けることがやり続けることが信用に繋がったのかなと思います。

――反対に、コラボ大会を開催するがゆえの難しさはありますか。

岩﨑 僕はないですね。

宮田 うん、僕もないです。

岩﨑 たとえばRIZIN TRIGGERの竿元樹生×松場貴志とか、他の大会でBRAVEの選手とGRACHANに出ている選手の試合が組まれたら、少し複雑な気持ちがあるぐらいですか(笑)。

――そうなると、GRACHANとBRAVE FIGHTを合体させて、一つのイベントにしようという考えにはなりませんか。

宮田 やっぱり大会名にBRAVEって名前がついてしまうと、大会がウチのジム寄りになるとか、他のジムの人たちに思われるんじゃないですかね。全然そんなことないんですけど。……(苦笑)。BRAVE FIGHTは育成大会であり、大きな試合を組む場合はGRACHANとのコラボ大会で、という形が良いと思います。

――では、このコラボイベントにとって、現在のテーマや目標は何でしょうか。

岩﨑 強い選手を生み出すことですよね。僕はアマチュア大会のGRACHANチャレンジをやりながら、宮田君に「この選手、どう思う?」とか聞いたりします。そこで宮田君からアドバイスをもらって、プロデビューさせようかと考えたりします。選手について見極めるうえで、宮田君の一言で「なるほどな」と気づくことも多いんです。

宮田 そうですね。僕は……たとえば上田幹雄君がウチのジムに入ったのは、岩﨑君の紹介なんですよ。上田君の名前が大きくて隠れてしまっているけど、他にも「この選手どう?」と相談されることもあります。お互いが得意な分野を担うことで相乗効果が生まれているし、これからその効果がもっと出てくるんじゃないかと思いますね。

――一方で、今後何かやっていきたい新しい企画などの案はあるのでしょうか。

岩﨑 新しいことをやるというよりは、UFCに出る選手を育てたいという目標はあります。

宮田 そうだね。

岩﨑 世界に通じる選手を出したい。宮田君からも様々なアドバイスをもらいながら、GRACHANとBRAVEのコラボで、世界への道を作ってあげたいと思います。

宮田 岩﨑君から上田君を紹介されたのも、完全にそのためだよね。

岩﨑 そう。宮田君を信頼しているから紹介できる。それが一番です。

<この項、続く>

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Interview J-CAGE ONE other MMA Road to ONE02 ブログ 宮田和幸 田中路教

【Road to ONE02】田中路教─03─最初で最後のグラップリング戦の理由。「負けたくないんで、他の練習が」

Nori【写真】柔軟性のないまま、突っ走るしかない(C)MMAPLANET

17日(日)に開催されたRoad to ONE02で宮田和幸とグラップリングマッチを戦い10分間時間切れとなった田中路教インタビュー最終回。

グラップリングマッチを終え、MMAファイター田中にとって打撃なしの組みの重要性、そして未だに終着点が見えないコロナ感染拡大のなか、LFAでの活動をどのように捉えているのかを尋ねた。

<田中路教インタビューPart.02はコチラから>


──スクランブルにはならなくても、MMAに生きるグラップリングになったのですね。

「グラップリングの試合をして、自分の不器用さが浮き彫りになったと思います(苦笑)」

──田中選手の最大の特徴である、経験しないと分からないという流れですねか(笑)。

「一つのことにしか、なかなか集中ができないんで(笑)」

──ただ、SNSで『これが最初で最後のグラップリングマッチ』という話がありましたが、『これが最後の日本での試合』とはならないのですか。

「まぁLFAと契約は結べましたが、その契約書をもってビザの申請に行くのに、今は受け付けてもらえない状況ですからね。これがいつまで続くのか分からないので、あの試合が日本で最後の試合になるかというのは断言できなかったです。ただ、グラップリングの試合をもうすることはないと思います」

──MMAのためになったのに、なぜグラップリングに出るつもりはないのはどういうことでしょうか。

「純粋グラップリングの技術は、僕に必要です。それはもう絶対なんです。でも、グラップリングの試合があると、練習もそこに集中してしまって……他の練習が疎かになることが今回の試合で分かりました。

やっぱり、負けたくないんで完全にグラップリングの試合のための練習ばかりになって」

──えぇ? では打撃やMMAの練習はその間はしなかったということですか。

「試合が決まったころはやっていたんです。でも、打撃のミット打ちとかやっていても、本当に集中できないことが分かって……。グラップリングの試合で勝ちたいから、打撃の練習をすることを体が拒否してしまっているような感じで(苦笑)。

MMAの練習でもパウンドも打つことができなくて……。止まってしまうんですよ」

──なんともまぁ、本末転倒じゃないですか。

「本当に……。だから、本気でグラップリングの技術を向上させるつもりはあっても、グラップリングの試合に出ることはMMAファイターである限り、止めようと思います。

練習に関しては続けます。グラップリングも打撃も僕はもって一つの局面を深堀りする必要があります。グラップリングに関しては嶋田君もそうだし、八隅(孝平)さんにセコンドについてもらって、その指示にしても凄く知識が深くて。

八隅さんのアドバイスがなければ、どんな試合になっていたか。八隅さんはきっと宮田さんがどう動くのか、全て見えていたと思います。嶋田君も1回、動画を見ただけメチャクチャ細かく指摘しれくれました。2人に比べると、僕のグラップリングの知識は全然で。結局のどれだけ自分が近視眼的にMMAをやっていたのかが分かりました。

だからこそ、この時期にグラップリングの試合ができたのはベストでした。今、MMAの練習を試合モードでしている選手なんて世界にほぼいない。そのなかで組み技でも実戦に向かうという日々を送れたのは大きいです」

──LFAの活動再開も、ビザの申請がいつから再開するのも見えないなか、今後はどのように過ごしていこうと考えていますか。

「やれることをやるしかないです。現状を見て……ここからコロナの感染が続き、格闘家だけでなく社会が疲弊してくると思います。活動を続けられなくなるプロモーションも出てくるだろうし。

結果的にファイターの需要が少なくなっていくかもしれない。なので、いつ、どこで、誰とでも戦える選手が求められる時代になる。僕自身ももっと覚悟が必要です。いつでも戦える心身状態にしておかないといけないです。

ただし、人に迷惑をかける行動はできない。そこは頭において、最大限に気を付けていきます」

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Interview J-CAGE ONE other MMA Road to ONE02 ブログ 宮田和幸 田中路教

【Road to ONE02】宮田和幸と組技戦を終え、田中路教─02─「内股を狙ったのですが、ビクとも……」

Nori vs Miyata【写真】試合序盤の立ちレスで、田中は宮田から何を感じ取ったのか(C)MMAPLANET

17日(日)に開催されたRoad to ONE02で宮田和幸とグラップリングマッチを戦い10分間時間切れとなった田中路教インタビュー第2弾。

試合直後に嶋田裕太に連絡を取り、寝技での展開での改善点を尋ねた田中だが、試合序盤のスタンド戦に関してはどのような経験ができたのか。

また嶋田の教えをMMAに生かすことができるのかを訊いた。

<田中路教インタビューPart.01はコチラから>


──嶋田選手に指摘してもらった寝技の攻防になる以前に、まずは立ちレスの展開になりました。試合前にはテイクダウンを取る宣言もありましたが……。

「レスリングでテイクダウン、柔道の投げという2つの選択肢があったのですが、実際に宮田さんを正面に見てレスリングをしようとはならなかったです。もう、これは感覚ですね。あの時、何を考えていたとか覚えていないので。隙がないって直感したんだと思います。ダブルやシングルに入ることができる軌道が見えなかったですから」

──宮田選手もその距離でテイクダウンを仕掛けるということはなかったですね。

「ハイ。なので組手勝負になりました。それもあると試合前から思っていたので、そこでもしっかりと勝負しようとは考えていたんです」

Nori vs Miyata 02──そこから投げを狙おうと。

「ハイ。最初は牽制ですね。投げることができるとは考えずに、先手をとるために出しました。

2度目は入るという感覚があって内股を仕掛けました。引手が不十分な状態でしたが、思い切り仕掛けました。いやぁビクともしなかったです。タイミングも良かったのに……。崩れるぐらいはあると思ったのですが、全く動かなかったです(苦笑)。練習ではそういうことがあっても、試合ではあれだけ崩せなかったことは過去になかったですね」

Nori vs Miyata 03──その後、もう1度仕掛けても投げられず右ワキを差されテイクダウンを奪われました。

「ビックリしました。ヒザがついたか、バランスを崩した時なんです。根本から僕の投げとは種類が違う。

僕の投げは浮かすというか、瞬間的に飛ばすモノなんです。でも宮田さんの投げは、合気道チックというか遠心力を使っているみたいな」

──達人系じゃないですか。

「そうですね、あまり食らったことのない投げでした。

力も使っているんですけど、そこ以外の要素が凄いと思います」

──そのテイクダウンからバックを許しましたね。

「上手かったですねぇ。一度、首を極めにこられて……。正直、バックを取られても早い段階で逃げる自信はあったんです」

──出ました。またバック取らせて、落とす理論。それでバックを取り続けられる選手が世界にいるというのが、もう8年ぐらい前から勝村(周一朗)さんが指摘していた部分ではないですか(笑)。

「アハハハ。2度目の投げを防がれた時点で、立ちレスで時間を費やすのは良くないって判断したんです。あのままではドン詰まりになって勝てない。なら投げられても、グラウンドになった方が良いと思いました。矢継ぎ早に動いて、宮田さんを休ませないというのが理想的な試合展開だったので。

Nori vs Miyata 04でもバックを取られて、すぐに胸を合わせることはできなかったですね。バックチョークが入る位置ではないですが、宮田さんの体にあった絞めです、アレは……。

レスリングのコントロールを利用した極めというか。

すぐには上を取れなかったですが、あのままバックを制され続けられるとも思わなかったです。逃げる自信はありました。思ったより時間が掛かっただけで」

──そして上になってからやるべきこと、その部分で嶋田選手の指摘が入ったような展開になったと。

「ハイ。本当はスクランブルの展開になってポジションを取る。それが理想の展開でした。そこから極めに移行していければと」

──宮田さんは下になると、あのまま下から仕掛け──柔術になりましたね。

「それをさせないことが大切だったのですが、やられてしまいました。僕が宮田さんをもっと動かせるまで、持ち込めなかったです」

Nori vs Miyata 05──あの時点で、MMAグラップリングでなくグラップリングになりました。

「それも想定していたのですが、隅返し風に返されてすぐに起き上った時はスクランブルになると思っていたので……あそこで宮田さんが下を続けたのは意外でした」

──もうレスリングをやり続けたから、今はスクランブルとかよりも柔術的なグラップリングを宮田さんは追及しているようでしたね。それでもオモプラッタはともかく、糸通しを狙ったのは驚きました。

「いやぁ、握力もそうだし力が強かったです」

──田中選手もMMAなら、あれだけパスを狙うこともないですしね。

「狙わないですね。だからこそ、しっかりとパスできる技術が僕には必要なんだと思いました。青木さんの言葉じゃないですが、これまでMMAグラップリングに偏っていました。だから、あそこで攻防が止まってしまう。

それ以降の攻防ができるためにも、しっかりとグラップリングの技術を身につけないといけない。それは今回の練習から試合までを通じて感じていたことです」

──パスガードにしても、純粋グラップリングとMMAでは違いもあるかと思いますが。

「それでも嶋田君が指摘されたことができるようになれば、それはMMAに生きると思います。また、しっかりとかみ砕いてこれからの練習に生かせるようにしたいですね。

嶋田君に教えてもらったことを踏まえて、ヒジとパウンド有りの目線を加えることで、その先を探っていけるんじゃないかと思っています。

それを考えると、世界的にみてもMMAの流れが現実として、止まっている中で、このグラップリングマッチを戦えたことは良かったです。試合に向けて一つの行程をこなすことができましたし、そのなかで学びが多くあり試合で改善点も見られた。

マットでのグラップリングでなく、スクランブルにはならなくても金網際での試合が続いたので、それも良い経験になりました。金網際で自分の動きにどれだけ制限が加わるのか、またどういう風になら動けるのかを実践で試すことができたので。金網があるプラス面、マイナス面を試合で理解できることも貴重な経験になりましたね」

<この項、続く>

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Report Road to ONE02 ブログ 宮田和幸 田中路教

【Road to ONE02】トップの田中vsガードの宮田、白熱のグラップリングバウトは時間切れドロー

<グラップリング・フェザー級(※70.3キロ)/10分1R>
宮田和幸(日本)
時間切れドロー
田中路教(日本)

左構えの田中が組み付いて投げを狙う。それを踏ん張った宮田が田中をケージまで押し込むが、田中は距離を取る。再び宮田が組み付いて田中をケージに押し込み、そこからテイクダウンの攻防になり、宮田がグラウンドでバックを奪う。正対して田中がインサイドガードで上になると、立ち上がってパスガードを狙う。田中は宮田の頭をケージまで押し込むと、宮田は田中の頭と手をコントロールしてフックガードからスイープを狙う。バランスをとってトップポジションをキープした田中は宮田のガードを飛び越えるようにパスガードを仕掛ける。それを阻止した宮田はオモプラッタへ。これは形にならなかったものの、宮田は田中のパスガードを阻止しつつ、再びオモプラッタを狙う。

 田中が中腰から左右に動いてパスガードを仕掛けるが、宮田のガードを超えられず。宮田はクローズドガードに田中を捕獲。田中が腰を上げてガードを外して側転パスガードを狙うが不発。その後も田中がトップポジションからパスガードを仕掛け、宮田がガードポジションで凌ぐ展開が続く。ここで宮田が背中越しに田中の腕に足をひっかけ、バックポジションを狙うが、田中もすぐ正対する。田中はパスガードを狙い、亀になる宮田に腹固め。最後は宮田が上のポジションを取り返したところで試合終了。白熱したグラップリングバウトは時間切れドローに終わった。