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【Grachan49】3年振りのグラチャン出場、コロナ禍の手塚基伸─01─「良い時間を知らないで、ここまで」

【写真】修斗では3連勝、4月のパンクラス大阪大会で土肥潤を破っており現在4連勝中の手塚だ (C)MMAPLANET

グラチャンにとって8日(日)に行われる豊中市176box大会は初の大阪での単独イベントとなる。そのGrachan49で手塚基伸が竹本啓哉と対戦する。

2018年9月以来、実に3年振りのグラチャン出場となる元バンタム級チャンピオンに、このタイミングでのグラチャン復帰の理由を尋ねた。

コロナ禍を生きるMMAファイター、そしてシークレットベース・ドミネイトという自分の経営者として、手塚基伸という人間が時代と世の中の変化に翻弄されながらも、その試合スタイルと同様にしぶとく生き抜いている姿が浮き彫りとなった。


──今回、Grachanに約3年振りに出場することになりました。このタイミングでグラチャンで再び戦うというのは?

「堀(友彦)に負けた時、子供が生まれたタイミングでもあったので、一旦区切りにしよう……引退しようと思ったんです。それでパーソナル・トレーナーになり、とあるジムに就職もしました。

そこで働いていて1年ぐらい続けたときに、独立しようと決めました。ただ、この7月まではパーソナルの仕事も続けていて、先月から自分のジムに専念するようになったんです。まぁ成り立っているかと言われると、ギリギリですけど。それまでは働いていた分を、ジムの運営に回していた感じでした(苦笑)」

──ではパーソナル・トレーナーとして就職をしていた時代に、修斗で戦うようになったということですね。

「ハイ。生活が落ち着いてきたら、またMMAで別の舞台を見てみたいと思うようになり、修斗に参戦しました。一応、3連勝したのでベルトまで行こうと考えていたのですが、コロナのこともありタイミングが合わなくなってしまって……」

──昨年3月に安藤達也選手との試合が決まっていましたが、コロナの影響で大会が中止になりました。そこで修斗参戦が途絶えてしまいました。

「無観客でやるという話が、やっぱりないとかギリギリのタイミングで……あそこでちょっとモチベーションが落ちたということはありました。次に5月でという話はあったのですが、まだコロナの時期でしたし2回も流れて作り直すのは無理やと思いました」

──まだ緊急事態宣言が非常に重かった時ですしね。

「無観客ということが分かっていなくて、また中止になったりだとか考えましたね。それと2月の終わりにジムを開いた時でもあったので、あのタイミングで東京へ行くのはどうなのかとか考えて、結果的に断らせてもらいました」

──致し方ないことかと思います。

「その後に安藤と田丸がタイトルマッチをやったんですけど、そこから試合が組まれなくなったので4月にパンクラスの大阪大会に出たんです。

僕がグラチャンを離れてからバンタム級で活躍していた獅庵君や伊藤空也とかがRIZINに出場するようになったタイミングで、岩﨑(ヒロユキ代表)さんに話を貰って参戦することになりました。岩﨑さんは『いつでも戻ってきて』という風に言ってくれていたんです」

──ちょうどご自身のジムに専念するというタイミングでの試合というのは躊躇しなかったでしょうか。

「う~ん、自分のジムを開いてからもパーソナルを続けていたことで、道場生の募集にそれほど力を入れるでもなく中途半端な状態でした。自分でも区切りをつけないといけないとは思っていたんです。

で、3回目ですかね……緊急事態宣言が明けたこともあって会員さんが増えてきて、ジムを開いてからでいえば一番良いタイミングだから、試合をするのも『ここだ』と思いました」

──そうしたら、また緊急事態宣言が発出されてしまいました。このところの感染者数の増え方を見ていると、ジムを閉鎖しないといけないとか、試合前にも関わらず不安材料とならないでしょうか。

「まぁ、こういうとアレなんですけど、ジムを開いてから1カ月もしたら、緊急事態宣言が始まって。言うと、良い時間というのを知らないでここまできました。ずっとこんな感じでやってきているので……今、思っていることは試合だけはなくならんとってほしいということですね」

──なるほどぉ、タフな時代です。

「ハイ、もう本当にそんな感じですね(笑)」

──ここまでくると(※取材は8月1日に行われた)、さすがにあると思うのですが、手塚選手からすると去年の3月のことがトラウマになっているということですね。

「ハハハハ。ハイ、もう本当に試合は流れてほしくないです。でも、こればかりは大会当日まで分からないですからね」

<この項、続く>

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ABEMA ARAMI MMA Report SARAMI SASUKE   キック 中村倫也 中村未来 仲山貴志 修斗 安藤達也 工藤諒司 石井逸人 結城大樹 西川大和 論田愛空隆 野瀬翔平

『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5』試合結果/9.20『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.6』で川名TENCHO雄生と西川大和が対戦

修斗 7.25 後楽園ホール:中村倫也、プロデビュー戦は2R左ハイでKO勝ち「俺のオリンピックが始まる」。SASUKE、世界フェザー級王者となるも強気アピール封印。SARAMI、黒部三奈との3度目の対戦へ(バウトレビュー)
第8試合 メインイベント 修斗世界フェザー級チャンピオン決定戦 5分5R
○SASUKE(マスタージャパン東京/世界1位、環太平洋王者)
×工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA/世界7位、環太平洋2位)
判定2-0 (片岡48-47/田澤47-47/福田48-47)
※SASUKEが王者に

第7試合 セミファイナル 修斗女子世界スーパーアトム級(50kg)次期挑戦者決定戦 5分3R
○SARAMI(パンクラスイズム横浜/世界2位)
×中村未来(マルスジム/世界4位)
2R 2’48” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第6試合 バンタム級 5分2R
×論田愛空隆[ろんだ あくり](心技館)
○中村倫也[りんや](EX FIGHT)
2R 0’20” KO (左ハイキック)

第5試合 ライト級 5分2R
×エドモンド金子(BRAVE)
○岡澤弘太(佐山道場)
判定0-3 (田澤18-20/長瀬18-20/豊永18-20)

第4試合 フェザー級 5分2R
△仲山貴志(総合格闘技津田沼道場/世界2位、環太平洋4位、元環太平洋王者)
△結城大樹(マスタージャパン福岡)
判定0-1 (片岡18-20/長瀬19-19/田澤19-19)

第3試合 バンタム級 5分2R
×齋藤 翼(総合格闘技津田沼道場/FIGHT FARM)
○野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
判定0-3 (田澤18-20/片岡18-20/長瀬17-20)

第2試合 フライ級 5分2R
○山内 渉(FIGHT FARM)
×植木“令和”新(シューティング宇留野道場)※植木新 改め。総合格闘技宇留野道場から所属先名称変更
2R 4’35” 三角絞め

第1試合 トライアウト フェザー級 3分2R
○村山大介(マスタージャパン東京)
×スソン(KRAZY BEE)
判定3-0 (長瀬20-18/豊永20-17/福田20-17)

 遅ればせながら7月25日に後楽園ホールで開催された『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5』の試合結果。メインイベントは斎藤裕が返上した修斗世界フェザー級王座の決定戦が行われ、SASUKEが工藤諒司に判定勝ちし新チャンピオンに。セミファイナルの女子世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦はSARAMIが中村未来に2R KO勝ちし黒部三奈への挑戦権を獲得。


 レスリング全日本選手権16~17年2連覇、17年U-23世界選手権優勝の中村倫也のプロデビュー戦は論田愛空隆に2R 0分20秒、左ハイキックでKO勝ちです。現在無料で視聴できます。


 9月20日に後楽園ホールで開催する『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.6』で川名TENCHO雄生 vs. 西川大和の世界ライト級チャンピオンシップ、安藤達也 vs. 石井逸人の環太平洋バンタム級チャンピオンシップが発表されています。続きを読む・・・
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ABEMA MMA RIZIN Shooto2021#05 Shooto2021#06 キャプテン☆アフリカ 修斗 安藤達也 石井逸人 西川大和

【Shooto2021#06】若きMMA熟練工=西川大和が川名雄に挑戦。努力する無法者・石井逸人は安藤達也と

【写真】18歳9か月でプロ修斗の頂点に挑戦する西川大和 (C)MMAPLANET

25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2021#05中にアナウンスされた9月20日(月・祝)に同所で開かれるShooto2021#06の決定カードが、改めて26日(月)にSustainよりプレスリリースで発表されている。

決定試合は2つのタイトルマッチ、修斗世界ライト級選手権試合=チャンピオン川名TENCHO雄生✖西川大和と、修斗環太平洋バンタム級選手権試合=チャンピオン安藤達也✖石井逸人だ。


(C)SUSUMU NAGAO/SUSTAIN

昨年7月にキャプテン☆アフリカを破り修斗ライト級の頂点に立った川名だが、その後はRIZINで突き抜けたキャラを発揮しつつも武田光司、矢地祐介に連敗と結果を残せていない。

対する西川は昨年5月の修斗デビュー以来、5連勝&4つのフィッシュでタイトルコンテンダーに名乗りを挙げた。18歳、北の若きMMA熟練工は、独特の才覚を持ってガードポジションを厭わず、相手の嫌な部分をつくスタイルの持ち主だ。

このスタイルのままで川名越えを狙うのか、テイクダウン&スクランブルゲームでも渡り合えるのか。西川のこれからが見えてくるリトマス試験紙的な世界戦といえる。

(C)KEISUKE TAKAZAWA

他方、環太平洋王座に挑戦する石井はキャリアの仕切り直しとなったインフィニティリーグで優勝、その側面ばかりに目がいくが、ドローを挟み5戦負け無しと結果を残してきた。

対してチャンピオンの安藤は、昨年11月に大塚隆史に敗れて以来の再起戦となる。センスでいえば安藤、しかしセンスがある故かポテンシャルの全てを出す出し切ることがないまま、最近は試合を重ねている。

対して、試行錯誤ながら積んできたモノをケージのなかで見せている石井。ポテンシャル+センス✖エンデヴァー&ローレスの対戦は、効果と蓄積の激突ともいえる。

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Bu et Sports de combat Interview ブログ 剛毅會 大塚隆史 安藤達也 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。大塚隆史✖安藤達也「MMA、ムエタイ、空手」

【写真】かつての教え子の蹴りを解析(C)KEISUKE TAKAZAWA

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──Shooto2020#07における大塚隆史✖安藤達也とは?!


──かつての教え子である大塚選手が、修斗初陣で安藤選手にTKO勝ちを収めました。最後はどういうことで安藤選手が負傷したのかは、傍で見ていると分からなかったですが、左右のローを幾度となく決めていました。

「私は以前、大塚を指導していたのですが、彼の打撃の質は空手ではなくムエタイだったんです。だから松嶋だとフルコン空手のミットを使って蹴りの練習をしていたのですが、大塚の場合はムエタイの皮のミットを使用していました。

ムエタイの場合は腰のキレでぶつけるような蹴りで、フルコンの蹴りはどちらかというとヒザでリードして突き刺す蹴りですね。私が想うにはMMAではフルコンのヒザでリードして突き刺す蹴りが向いている」

──それはなぜしょうか。

「最近のMMAの距離は、距離を取るフルコンの蹴りに似ています。そして、UFCでもフルコンをやっているということでなく、MMAの距離で蹴っているとフルコンの蹴りに近くなる選手が凄く増えています。

対してムエタイは、グローブが触れる位置を維持した距離での蹴りです。なので距離に関していえばフルコンは、キックやムエタイより豊富なんです。広くてロープがない場所で試合をしてきたので」

──それがMMAに近しい距離になっていると。

「ハイ。MMAは元々ノールールの時期に、ホイスやグレイシー一族がパンチの届かない距離を取り、打撃が認められた試合なのに殴り合わないことを前提に戦ったことがルーツです。その後、北米MMAの時代を迎える前にPRIDEの隆盛とともにシュートボクセが、殴り合いの距離の打撃を持ち込みました。彼らは柔術を習得したストライカーだったので、それが可能になったのです。

と同時に殴り合いが歓迎されるMMAにもなりました。その後、MMAの中心が北米に移り、寝技で下になると判定で勝てない、桁違いのレスリング力とケージ・レスリングの進化という状況下で、拳の届かない距離が持続します。そして、ボクシング&レスリングに蹴りが加わった。打撃も組技も、お互い貰うのを嫌い合う攻防となり、距離があるのが前提で──フルコンに近い蹴りになったのではないでしぃうか。

フルコンはいわゆる『男らしく蹴り合いなさい』という距離ばかりではないです。だからMMAにおいては打撃系の選手であれば、フルコン系の蹴りの選手が有利だと思います。だけど大塚はベースがレスリングなので、入って来られても問題ないですからムエタイの蹴りで大丈夫です。これもMMA全般にいえることですね。レスリングの強い選手は、ムエタイの蹴りで構わない。

つまり大塚もそうですが、多くのレスラーの打撃はテイクダウンに繋げるためです。私が指導している時は、大塚の打撃はあくまでもレスリングに生かすための打撃でした。だから空手の蹴りを蹴らすことはなかったです」

──大塚選手は随分とリラックスしていました。

「それは彼ももう長い間MMAを戦っていますし、立ち会った瞬間に安藤選手の質量が低いと感じ取っていたはずです。実際に大塚は試合になると固くなることが多かったです。ただし、概ね選手は皆そうです。そういう部分で、安藤選手と戦った時の彼は精神状態も良かった。結果、間は常に大塚でした。最初から最後まで。

それと安藤選手も腰の低い構えで、テイクダウンを狙っていると質量が上がったかと思いますが、打撃を続けてあの構えだと質量も大塚が上のままでした。そのなかで安藤選手が一発、良いカウンターを打っています。ただし、あの構えだと拳(けん)に力が伝わっていない。安藤選手は、本来はもっとパンチ力のある選手だと思います」

──そして序盤から大塚選手のローが当たっていました。

「大塚も『インローで足を破壊しました』って言うんだけど、アレはテイクダウンを受けた時に足首を捻っていましたよね、安藤選手が。ただし安藤選手は構えた時の足の向きが、良くなかったです。爪先が内側に入り過ぎている」

──サンチンでいうと、外からの力に弱くなる足の向きですね。

「ハイ、ヒザが内側に回り過ぎる。そうなると足首、ヒザが弱くなってしまう。そういう爪先の向きでした。なので、あのようにテイクダウンを狙われた時に、捻ってしまうのも無理からぬことです。と同時にて安藤選手が足首を捻った時に、大塚はローの追撃を入れています。足首を捻ったところにローを入れられた安藤選手が、観念したように見えました。だからローで大塚は勝ったと言っても良いと思います。

先ほどから言われていますように、試合開始直後から大塚はアウト、インのローを蹴っていました。サウスポーに対して、オーソの選手は右を蹴りたくなるのですが、それではカウンターを受ける可能性が高くなります」

──ただ左のアウトサイドの蹴りは、それこそカウンターを受けそうですが……。

「それはきちんと左のアウトサイド・ローを蹴っていないからです。他に出せないから蹴るような感じで。対して、大塚の左のアウトサイド・ローは良かったです。右のインサイドローも蹴っていましたし。安藤選手は右足を両方から蹴られていました。

だからカットやチェックということでなく、蹴られて足がもっていかれていたんです。つまりは安藤選手は足を捻っていましたが、大塚も良い蹴りを出していたということなんです」

──かつての教え子の勝利は特別なモノでしょうか。

「そうですね……彼は私が稽古をつけてきた教え子のなかで、一番練習熱心でした。打撃の選手ではなくて、レスラー。その彼が打撃を使うということで、私もMMAの勉強を彼の指導することでさせてもらったと思っています。

この間の試合では私が指導している時より、ずっと良い戦い方をしていました。自分で考えるようになったから、ずっと良くなっている。今回のような試合ができれば、修斗でまた活躍してくれるのではないかと思っています。

そうですね……もっと厳しい試合になった時に、安藤選手との試合で見せた動きが出るか。それができるようになるためには、常に稽古で相手は自分より上だ、脅威を与えられていると思って取り組むことです」

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J-CAGE Report Shooto2020#07 ブログ 大塚隆史 安藤達也

【Shooto2020#07】テイクダウン防御で負傷? 大塚隆史が修斗初戦で安藤達也からTKO勝ち

【写真】ローで負傷ではないと思われるが──(C)KEISUKE TAKAZAWA

<フェザー級/5分3R>
安藤達也(日本)
Def.1R1分12秒by TKO
大塚隆史(日本)

サウスポーの安藤に左ローを蹴った大塚。大塚は右ローを蹴り、安藤が右を伸ばす。大塚のシングルレッグを対応した安藤は、離れて右足を気にする仕草を見せる。直後の大塚の右ローで、安堵は崩れてテイクダウンへ。大塚はギロチン、解いてバックを狙う。完全に右足がきかない安藤は、ケージに座った状態で口頭により続行不能を伝えた。

「修斗で戦えたこと、嬉しく思います。修斗、修斗うるせぇし。安藤選手はランキング1位で環太平洋チャンピオン。でも環太平洋のベルトは要らないんで。上の2人、佐藤将光選手、岡田選手、やれますか? ベルトは賭けないで良いんで」と大塚は話した。


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Interview J-CAGE Shooto2020#07 ブログ 大塚隆史 安藤達也

【Shooto2020#07】安藤達也と修斗初戦を控える大塚隆史─02─「終活ではなくて、上に行くための修斗」

【写真】どのような戦いになるのか。とにかく刺激的な大塚✖安藤だ (C)MMAPLANET

23日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2020#07で、環太平洋バンタム級チャンピオン安藤達也と戦う大塚隆史インタビュー後編。

「人が多いだけで、別に強くない」と修斗バンタム級をこき下ろした大塚は、安藤との戦いにおいても絶対の自信を持つ。そんな大塚から見て、安藤の長所と短所はどこなのか。

修斗で戦ううえでのキャリアの積み方と共に、大塚が今、戦う理由を訊いた。

<大塚隆史インタビューPart.01はコチラから>


──ありがとう、ですか。

「おいしいな、安藤を当ててくれるんだって(笑)」

──正直、今、ここで名前を挙げた選手、誰と当たろうが楽しみです。でも安藤✖大塚のリリースが届きたときは『来たぁ!!』という感じでした。

「やっぱり、新鮮な相手っていうことですよね。それを想うと、DEEPにいるのは長過ぎたなって思いました。ただ、DEEPやってきたことに意地はありますよ。DEEPでやってきたこと……何て言ったら良いのか、DEEPの上位選手が修斗に出るってそんなになかったので、しっかりと強さを見せたいです」

──そしてとっておきの相手がきたと。

「安藤とだって、差があると思っています。確かに安藤は才能はありそうです。でも勝てます」

──大塚選手からして、安藤選手の才能とはどういう部分でしょうか。

「当て勘的なモノも持っているだろうし、リーチの長い体形に合わせた独特な距離感の打撃とか……ですかね。安藤は他の選手とは違う運動能力を持っています。そこがセンスがあるような感じで……そういう動きはしています」

──半面、短所は?

「体力がなさそうですね。本当のところは分からないですけど、練習しないっていう話は聞いたりもするし。勿論、試合前だからやっているんだろうけど、そういう人間なんだなって。そういっても試合の映像を見ると、後半に動きが落ちても、やれてるといえばやれていますよ」

──前半の動きが良いから、後半が落ち過ぎていると感じることはあるかもしれないです。とはいえ、最後に動きが落ちる、それは大塚選手は戦いの辞書にはないかと。

「あぁ……でも最初から負けないですよ。スタンドでも負けると思っていないし、レスリング力は俺の方が全然上だと思っています」

──安藤選手との試合後、修斗での戦いに関してどのように青写真を描いていますか。

「安藤に勝って、すぐに上の2人とやりたいです」

──ただ佐藤将光選手はONEと契約していますし、岡田選手も修斗での試合にはもう拘っていないようです。

「なら、2人を無理やり引きずり下ろしたいです」

──やはり、この2人以外は興味はないですか。

「下とやることは、あんまり考えていないです。俺がこけることがあれば、その状況もあるかもしれないですけど、そんな気はサラサラないんで。

でも別にベルトを取りたいとか、本当はそんなにないんです。でも修斗とONEは提携しているから、勝ち続けてONEから声が掛かれば嬉しいですし。勿論RIZINでも嬉しいです」

──「俺はこんなもんじゃない」という想いですか。

「それはありますよ。メチャクチャあります。終活ではなくて、上に行くための修斗での試合です。終活のつもりはないです。上を見てやっています」

──もう一度戦うと決めて、MMAファイターとして伸びたところはどこでしょうか。

「何だろうな、全部において上がっていますよ。打撃もテイクダウンのレベルも。体の強さも──生活リズムも整っているので、凄く良いメンタルでいますし」

──なるほど、良いメンタルという部分は本当に今回の試合の行方に関係して来そうですね。心機一転の修斗初出場、どのような試合をしたいと思っていますか。

「仕留める。安藤を仕留める。他は興味ない」

■視聴方法(予定)
10月23日(月・祝)
午後6時~ ABEMA格闘チャンネル

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Interview J-CAGE Shooto2020#07 ブログ 大塚隆史 安藤達也

【Shooto2020#07】安藤達也と修斗初戦を控える大塚隆史─01─「群雄割拠? 人が多いだけで強くない」

【写真】大塚らしい言葉が次から次へと飛び出した (C) MMAPLANET

23日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2020#07に大塚隆史が修斗初参戦し、環太平洋バンタム級チャンピオン安藤達也と戦うことが決まった。

DEEPではフェザー&バンタム級を制し、WSOF-GC王座にも就き、若き頃にはDREAMで強烈な印象を残した。

そんな大塚が、キャリア15年目の修斗初参戦。その経緯と、修斗バンタム級戦線、そして安藤戦について尋ねた。


──まさかの修斗参戦、そこに至った経緯はどういったものだったのでしょうか。

「実は前からジムのボスの小幡(太郎)さんから、『修斗に出るのも良くないか。お前が修斗に出ると盛り上がる。面白いよ』とは言われていたんです」

──このところはRIZINを目標にDEEPで戦い続け、バンタム級の選手とは一通り当たったという印象は強かったです。純粋に対戦相手にモチベーションが上がることはあるのかと。

「実は元谷に負けた時に、『もう続けなくて良いかな』というのは思って、実際に口にもしていました。MMA自体を辞めようかと。小幡さん、両親にも『次のことを考えようかな』と伝えましたし。親は『休んで、やりたいことを見つければ』って言っていましたね。会場にも来て、結構応援してくれていたのですが。小幡さんは続けてほしいというような風ではありましたけど……」

──34歳、続けろとは軽く口にできないですよね。やはりRIZINで結果を残せなかった事実もありますし、3月の元谷戦も敗れているので。

「そうですね……もうちょい頑張りたかったというのはありますね。で、引退した時に何をやっているのかって考えた時に、絶対に練習は続けているなって思ったんです。練習をやっていると、またやりたいっていう気持ちになるだろうし。

でも、その気持ちがあるからってこれまでと同じで良いのか、何か変えたいという気持ちにはなっていました」

──そして修斗で戦わないかという話に。

「ハイ、そんな時に修斗で戦わないですかという話があって。新しい相手と戦うことで闘争本能がわくし、ワクワクしてきたんです。それこそモチベーションが上がりましたね」

──おお、それは大切です。DEEPの方は問題なかったのでしょうか。

「契約期間があったのですが、把握していなかったこともあって佐伯さんと話をしました。そして契約期間が終わってから、修斗で戦うことを決めました」

──修斗で戦う。そのことを決めた時に、真っ先に頭に浮かんだバンタム級の選手は誰でしたか。

「えぇ……まぁ上の2人、佐藤将光と岡田(遼)、それと倉本(一真)ですね。そこらへんの相手と戦うために、まずは若手と戦うこともあるかなとは考えましたけど、修斗で戦っていくうえで意識したのは佐藤将光、岡田、倉本ぐらいです」

──修斗バンタム級は日本屈指の層が厚い階級です。

「う~ん、なんかそういう風に言われていますけど、別にそんなことはないですよ。人がいるだけで、別に強いとは思わないから」

──それはもう修斗のランカーが耳にすると、カリカリする発言ですね。

「まぁ、かかって来いよって感じです(笑)」

──修斗の選手たちはアマ修斗から続けているので、修斗に拘りを持っています。12月20日にダイキ・ライトイヤー戦が決まっている田丸匠選手など、怒り心頭ですよ。その言葉を聞くと。

「田丸……誰? アハハハ。田丸って誰だよって、話で。それ以外は名前も出てこない感じです。サイトでランキングを見ても、この辺かなぁって」

──藤井信樹、後藤丈二、根津優太は?

「根津は分かります。根津はあるかなって、とりあえずの一発目で」

──……。そして安藤達也戦が決まりました。

「結局、世界チャンピオンしか見ていなくて。環太平洋って意識していなかったです。でも修斗に出るとなって、いきなり佐藤将光、いきなり岡田ってのはないから良い相手を当ててくれと思っていました。

そこで安藤っていう選択肢が出てきたときに、環太平洋のチャンピオンだったので──『いきなり良いの?  ありがとう』みたいな感じでした」

<この項、続く>

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J-CAGE News Shooto2020#07 ブログ 大塚隆史 安藤達也

【Shooto2020#07】2020年11月23日、大塚隆史──修斗初参戦で安藤達也と対戦。「喧嘩を売り来ました」

【写真】マッチアップとしても楽しみなファイトだ(C)MMAPLANET

19日(月)、Sustainより11月23日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2020#07のインパクト大──な、追加カード発表があった。

既に清水が清隆✖平良達郎、石橋佳大✖論田愛空隆、杉本恵✖SRAMIという刺激的なマッチアップが明らかとなっている同大会だが、本日アナウンスされたのは安藤達也✖大塚隆史の当日計量・フェザー級マッチだ。


群雄割拠の修斗バンタム級戦にさらなる爆弾が投下された。2度のDEEPバンタム級王者で2006年のMMAデビューからDREAMやRIZINという大舞台以外ではほぼキャリアを通しDEEPで活動してきた大塚が、突然の修斗参戦だ。

プレスリリースで大塚は「修斗バンタム級に喧嘩を売り来ました元DEEP王者の大塚です。修斗のベルトを貰いに来ました。バンタム級の皆さん、どうぞこの喧嘩、勝ってください。以上!」というコメントを寄せている。

そんな大塚の喧嘩を買ったのは、現環太平洋バンタム級チャンピオンの安藤だ。両者揃ってレスリングベースで、打撃を使いこなす。大きな一発は安藤だが、大塚のパンチはよりテイクダウンと融合している。ケージレスリング&スクランブルという展開にならない安藤と、しっかりとスクランブルゲームでドミネイトする大塚は対照的なレスラーといえる。

正規&暫定の両世界王者の不在というエアポケットを埋めることさえできる大塚の修斗初参戦は、キャリア14年&45戦目の新たなる──あるいは最後の挑戦と捉えることでき、見逃すことはできない。

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Bu et Sports de combat Interview ブログ 安藤達也 岩﨑達也 田丸匠

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。安藤達也✖田丸匠 「究極の一挙動へ」

【写真】田丸は良い打撃を持っているが、その蹴りに左ストレートを合わされて敗れた(C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──安藤達也✖田丸匠とは?!


──田丸選手が三日月のような蹴りを当てて、良いペースで戦っているように見えたのですが、正面のパンチの届く距離での打撃戦で、その蹴りの後に左ストレートを被弾しダウン。そのままパウンドでTKO負けとなりました。

「田丸選手は勿体ない試合でした。実は3年ほど前ですが、彼が稽古に来たことが1度あったんです。あのう……打撃が致命的にダメな人って、MMAファイターのなかにもいるんです。相手を痛めつけることができない人というのが。打ってもただ手を出しているだけで、蹴ってもただ足を出しているだけで倒せない。それでも正しい打ち方をしている。そういう人って……手の施しようがないんです」

──……。

「田丸君はまるっきり逆なんです。全ての蹴りもパンチも痛い、相手が嫌な打撃ができます。それはハッキリいってクオリティの高い練習をしているとか、そういう問題ではありません。きっと地方にいても、彼に合った練習ができているのだと思います。ただし、その練習には隙があるものです。安藤選手には合わされるべくして、合わされています。

田丸選手の打撃はいくらでも良くなります。ミドルにしても中足で蹴っています。中段も上段も蹴っている。全て嫌な攻撃です」

──確かに蹴りがよく入っていました。

「変な蹴りなんですけど、この距離だと安藤選手はもらってしまう。そういう序盤でした。嫌なタイミングで蹴ることができています。セオリーで受け返しという練習をしている選手には、嫌な攻撃になります。この攻撃を練習で育んでいで来たのなら、彼の練習環境の良さです。田丸君のオリジナルです」

──右の前蹴りから右の追い突きという動きもありました。

「あの追い突きは、ただ出しているだけですね。蹴りとパンチのコンビネーションがあると、間を創ることができます。そういう動きなんです。ただし、田丸君はこの直後に組みにいっている。う~ん、田丸君は引き出しが多過ぎるのでしょうね。グラップリングに自信があるのはレスリングでなく、下になった時かと思います。だから下をチョイスしてしまっている。わりと呑気にガードポジションを選択してしまう。あのう、田丸君はそれだけ寝技は強いのですか。今、MMAで下で勝てる人は本当に組み技が強いないといけない。

それこそ青木真也選手や田中路教選手を相手にして、下になっても勝てるぐらいでないとMMAで無暗に下を選択するのは良い流れではないです」

──MMAファイターで、そこまで下が主武器になる選手は日本には存在しないかと……。

「であるなら……追い突きのあとに離れるべきだしたね。入り方としては、前蹴りから追い突きは良い攻撃です。打撃で相手を仕留めていくには。でも組んじゃうんと間はなくなるのだから。モノゴトとは試合だけでなく、全てに先々のことを考えているのか──ということですよね」

──そこに関しては、きっと打撃で間を取ったら組んで倒す。MMA的に良い流れを作ろうとしているのではないでしょうか。

「う~ん、それで組んで下になり仕留めることができない。それが良い流れになるとは思えないです。だって、打撃で倒せる試合ですよ」

──えっ、そこまでなのですか。

「ハイ。右の中足の後に左ストレートを打たれて倒れるまで、良かったのは田丸君です。下ができるのは良いことです、MMAを戦ううえで。でも、あの局面で下になるかもしれない選択をする必要はなかった。逆に伺いたいのですが、安藤選手と戦う時に打撃で戦うのか、下になるのか、どちらの方が良いと考えていますか」

──打撃とレスリングのMMAの王道で戦うと、分が悪いので距離を取って打撃を入れ、組んでいくのはありだったと思います。下になって極めることができなくても、スクランブルでスタンドには戻ることができているので。

「う~む、この試合だけを見ると打撃は優位で、組みは不利。そして下になって、またスタンドに戻るなら、組んで下になって立つということは余分に感じてしまいます。私には……」

──打撃だけで……組みを見せての打撃、そして初回ではなく終盤になり、安藤選手がスタミナをなくしてからだと下の選択もあったかと思います。もちろん、そこまでのスコアの計算も必要になってきますか。

「つまりは、そこです。今、高島さんが言われたのは終盤で疲れた時に田丸君が下になると、安藤選手は嫌だということだと思います。でも、あの展開で組んで、下になるのは安藤選手にとっては嬉しい展開だったはずです」

──それが田丸選手のMMAというのもありますが、そこまで打撃で優位に立てるとは多くの人間が思っていなかったと思います。ただ、彼自身は打撃だけでも負けないとは言っていました。そういう風に思われているからこそ、打撃で真正面に立ち過ぎたのかと。

「序盤の打撃戦を見ていると、打撃に徹していれば良かったのにと私は思いました。あの距離と、そこから離れて出入りがあれば。詰めてやられるというのは、先の先がとれてないからです。先の先がとれないのに、先に動くとやられます」

──本来はもっと打って、離れて、組んで、離れてという戦いが持ち味の選手です。が、田丸は正攻法じゃない、掛け逃げで真っ向勝負ができないという声に反発したかったかと。

「田丸は正攻法じゃない? 真っ向勝負できない……誰が言っていることに対して、彼は反発したかったのでしょうか」

──それはこれまでの試合を見た周囲の声かと。

「周囲というのはチーム内部ですか?」

──チーム内部のことは分からないですが、中継や大会関係者からはそういう風に言われることはあったかと思います。

「そういうことであれば、それぐらいの関係にある人間のいうことに反発してもしょうがないのに……。そんな声は気にする必要はないです。それを見返したい気持ちで、詰め過ぎたのであれば勿体ない」

──私も彼に対する軸が乱れる、逃げじゃないのかという意見を拾い過ぎて影響が出てしまったのであれば、申し訳ないと実は試合後に感じていました……。

「いやいやそんな記事に書かれていることとなんて、気にしていてはダメですよ。苦言でも自分に必要だと思うモノは耳に残して、他のことは気にするなと。ホントに自分の意識にベクトルが向かっていると、記事にしても人の意見にしても必要ないモノは切り捨てます。

ただし、田丸君の打撃が良いと言ってもあくまでタメや重心移動を利用した運動力学に沿ったものでエネルギー、つまり質量があがる打撃ではありません。

運動力学に沿った打撃だとリーチやタイミングといった相対的な要因に左右されるので、戦況は有利になったり不利になったりします」

──そこは繰り返し、武術的な観点で見るMMAで岩﨑さんが指摘されてきた部分ですね。

「具体的に言うと、田丸君は前蹴りに安藤選手の左ストレートを合わされたわけですが、それは前蹴りの質量が低いから、安藤選手の間になったということなのです。逆をいえば、ただ漫然と動作するのではなく、相手に対し先をとる、間を制すことを理解し質量の高い前蹴りを蹴れば、あの左ストレートをもらうことは絶対にありません。つまり、彼の打撃は質量を伴った打撃ではないということなのです。

田丸選手は今、何歳ですか?」

──24歳です。

「競技でタイトルを取りたい、海外で通用したい──その想いを持ち、遂行するのは本人次第です。そこではなく、安藤選手との試合で僕が彼から見えた技術的な要素、そして人間的要素は限りなく伸びます。殴ることができて、蹴ることができている。1.5倍、スピードにしても早くなり、今の1.5倍の打撃になれば……。例えば、あの前の試合でKO勝ちした黒澤亮平選手のワンツー、あれはフックのフォローまでありました。

あの動きこそ、セイサンという型で要求する究極の一挙動というヤツです。それも『いぃち』ではなく『イチ』というぐらい短い。田丸君の攻撃は一挙動ではないですよね。全てにタメを使っていて、全てに重心移動を使っています。そういう攻撃は相手が返してこない……相手が受けに回っているなら、やっつけることができます。

ただし、これから安藤選手や強い選手と戦っていくためには、打撃を伸ばさないといけない。究極の一挙動へ『イチ』で動けるように。どこの誰かが言っているようなことは気にしないで。評価が低いなんて、そんなのは……土曜日の修斗の大会が、格闘技として体をなしているのは田丸君と安藤選手の試合があったから。それぐらいだと私は思いましたよ。今回の試合でできた打撃、これは確実に1.5倍は良くなる。

そうなればもっと良くなるということで──でも、もっと良くなるとか差っ引いてもケージの中であの突き、蹴りができる選手はそうは見ないです。彼の評価が良くないのであれば、それを言っている人に『じゃあ、彼より良い選手は誰なの?』と聞きたいです。田丸君はもっと強くなれます」

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Interview J-CAGE Shooto2020#05 ブログ 安藤達也 田丸匠

【Shooto2020#05】新環太平洋バンタム級チャンピオン、安藤達也「Road to ONEに出たいッス!!」

【写真】伝統のベルトを肩にかける安藤達也(C)KEISUKE TKAZAWA/MMAPLANET

1日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2020#05で、田丸匠を破り安藤達也が環太平洋バンタム級のベルトを手にした。

左ストレートからパウンドアウト、2度目の挑戦で晴れてチャンピオンとなった安藤にその心境とこれからについて尋ねた。


──率直な今の気持ちをお願いします。

「メチャクチャ嬉しいです。格闘技をやってきて、いつも死生観ではないですけど、これで終わって良いと思って戦ってきたので。今回もネガティブな感じに、これで負けたら引退するとかは考えていなかったですけど、勝負することを課題としていました。

でも、かなり立ちあがりは動きが悪くて……。そこで勝負ができたので自分のなかで自信になりました」

──個人的な話ですが、安藤選手を初めてインタビューさせてもらったのが2015年。GRANDSLAM02で芦田崇宏選手にキャリア3戦目で勝利した直後で……。正直、初戴冠までこれほど時間が掛かるとは思っていませんでした。

「そうッスねぇ(苦笑)。僕……フリーになってから、格闘技って個人競技だけど、団体競技なんだと改めて実感するようになったんです。個人力はもちろん大切なのですが、チーム力が結構出る。たくさんの人が僕のことを支えてくれているので、こうやってベルトを獲れたことが嬉しいです。

そういう人たちに感謝の言葉を、これで伝えることができると思います」

──試合内容としては田丸選手の右の三日月蹴りなども有効で、パンチでもかなり真っ向勝負的な試合展開になりました。

「プレッシャーを掛けられましたね。ただ、さっきも言ったように立ちあがりは僕の動きがメチャクチャ悪かったです。いつものようにジャブを差して、距離が取れると思っていたのですが……最初はボンヤリしたような展開になってしまいました。

でも四つ組みになった時に『これはいける』と感じました。前に(佐藤)将光さんと試合をさせてもらった時には、隙がなくて『この人、ヤバい』って思ったんです。でも、今日は行けると思ったし、左が当たって田丸選手がグシャっとなったのを見て、もう何も考えずに仕留めに行きました」

──環太平洋王者となりましたが、暫定世界王者と世紀世界王者がいます。

「世界戦には興味があります。岡田さんのことはリスペクトをしているけど、ドローだったしまた戦いたい。将光さんには、負けているので当然もう1度戦いたいです。そういう気持ちなのですが、バンタム級ではコンディションを作るのが難しいというのはあって……。

だいぶ上手くやれるようになったのですが、12キロ……13キロぐらい落としているので、終盤は感覚練習が主になってしまうというのはあります。それでもフリーだから、自分で選択して練習はできていて、スパーリングも入れるようにしているのですが……そこは受け入れてくれる方々に感謝しています」

──ただ体重を落とすことが中心になってしまうと。ではフェザー級に戻すことも考えているのでしょうか。

「それはまだ終わったばかりなので、断言はできないです。修斗でベルトを持たせてもらうということは、僕は僕なのですが修斗を背負っていかないといけない。やっぱり感謝もしていますし、そういった意味で皆が見たいマッチメイクなら、やっていきたいです。

そのうえで正直に言わせてもらうとONEに興味があります。水抜きなしの65.8キロ、バンタム級で戦ってみたいです」

──では修斗の世界チャンピオンになるのが一番クリアではないですか。

「ただ、佐藤選手はONEで戦っているし……」

──岡田選手も、できれば違うステージで戦いたいという風です。

「それにコロナのこともあるので。修斗も色々と考えてくれているようですけど……。でも、4月のようにROAD TO ONEがあるなら、出たい。ROAD TO ONEにで出たいッス!!」