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【Shooto2024#05】後楽園でW王座決定戦、世界バンタム級=藤井×齋藤、環太平洋フェザー級=竹原×上原

【写真】1月に環太平洋王座を防衛した藤井と約1年2カ月ぶりの復帰戦・齋藤が世界王座を争う(C)MMAPLANET

7月21日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#05では世界バンタム級王座決定戦=藤井伸樹×齋藤奨司、環太平洋フェザー級王座決定戦=竹原魁晟×上原平を含む全11試合が決定している。
Text by Takumi Nakamura

7.21後楽園、7.28阿部野、8.3新宿=COLORSと2週間で3大会が続く“サステイン真夏の3連戦”。3連戦の口火を切る後楽園大会ではダブルタイトルマッチが組まれた。安藤達也の王座返上により、空位になった世界バンタム級王座を争うのは同級1位・環太平洋同級王者の藤井と同級3位の齋藤だ。


ランキング的に受けて立つ側の藤井は、2022年11月に石井逸人を下して環太平洋王座を獲得すると、2023年7月に竹中大地とノンタイトル戦で対戦。3Rに猛反撃を見せるも、1・2Rで失ったポイントを挽回できずに判定負けを喫した。2024年は1月に須藤拓真の挑戦を退け、今回の世界戦に駒を進めた。

一方の齋藤はRISEで立ち技の試合も経験しているストライカーで、2021年6月から修斗に参戦。初戦こそ落としたものの、その後はPound Stormでの試合を含め7戦6勝1分と無敗の快進撃を続け、昨年は野尻定由と須藤からも勝利を収めた。怪我の影響で長期欠場を余儀なくされ、約1年2カ月ぶりの復帰戦が世界戦という形になった。

王座戴冠後もコンスタントに試合を続けてきた藤井に対し、コンディションを上げるために試合間隔を空けた齋藤。この試合に臨む状況が対照的な両者だが、ファイトスタイルとしてもスクランブル主体のスタミナ勝負で最終的に競り勝つ藤井×スタンドの時間を長くして打撃で倒す齋藤と対照的だ。藤井がスクランブルの強さを発揮する前に斎藤が打撃を効かせてペースを掴むか。組みの攻防ではなく、どう組みの攻防がスタートするかに注目したい世界戦だ。

そして空位の環太平洋フェザー級王座は竹原と上原によって争われる。この試合は昨年のインフィニティリーグの1位(竹原)×2位(上原)として3月の後楽園大会で行われる予定だったが、竹原の負傷欠場により中止。今大会にスライドしての実施となる。

両者のリーグ戦での対戦結果は5分2Rフル戦ってのドロー。1Rに上原がサウスポーの竹原に対して右ミドルからの右ストレートでフラッシュダウンを奪うも、2Rは竹原がテイクダウンのアプローチからバックコントロールの時間を長くし、各ラウンドを取り合う形で勝ち点を分け合った。

遠い距離にいてスタンドの打撃で戦い上原と近距離でのパンチ&テイクダウンで攻めたい竹原。上原が3R通じて明確に打撃でダメージを与えるか、竹原がコントロールで終わらずにクリーンテイクダウンとトップキープまでつなげられるか。前回と近い試合展開が予想される中、両者ともにどこで試合の山場を作るかが求められる一戦だ。

そのほか3回戦では世界フェザー級王者SASUKEのベルトを狙う椿飛鳥と飯田健夫改めたておによる一戦が決定。2回戦では5月の日中対抗戦で勝利した中池武寛が新人王決定トーナメント2回戦で蓮池勇太と対戦する。

<修斗世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
藤井伸樹(日本)
齋藤奨司(日本)

<修斗環太平洋フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹原魁晟(日本)
上原平(日本)

<フェザー級/5分3R>
椿飛鳥(日本)
たてお(日本)

<インフィニティリーグ2024 フライ級/5分2R>
大竹陽(日本/勝ち点3)
須藤晃大(日本/勝ち点7)

<バンタム級/5分2R>
加藤ケンジ(日本)
人見礼王(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
島村 裕(日本)

<フライ級/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
岡田嵐士(日本)

<バンタム級/5分2R>
中野剛貴(日本)
瀬戸口怜久(日本)

<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷 篤(日本)
友利琉偉(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フライ級/5分2R>
中池武寛(日本)
蓮池勇太(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フェザー級/5分2R>
松岡 拓(日本)
井上翔太(日本)

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Colors o UFC 修斗 安藤達也 藤井伸樹 齋藤奨司

修斗240519:安藤達也が修斗バンタム級王座を返上。7月21日の後楽園大会で藤井伸樹 vs. 齋藤奨司で新王者決定戦。

Road to UFCに出場したバンタム級王者の安藤達也の王座返上と、7月21日後楽園ホール大会での新王者決定戦・ランキング1位藤井伸樹 vs. 3位齋藤奨司が行われることが発表される。

両者がケージイン。

齋藤「ずっとやりたかった藤井選手と修斗のタイトルを賭けて戦えるのを嬉しく思います。7月21日、後楽園ホールでゾンビ狩りするんで、会場で会いましょう」

藤井「ようやくこのタイトルに挑戦することができました。5分5R、自分の良さを最大限に発揮できると思うんで、よろしくお願いします」

また、6月14日COLORS新宿FACE大会が、8月3日に同じ新宿FACEでの開催にスライドすることも合わせて発表された。

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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC キック チュウ・カンチエ ブログ 安藤達也

【Road to UFC2024#01】安藤達也、チュウ・カンチエにダウンを繰り返し完敗。準決はチュウ×原口に

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
Def.3-0:30-25.30-26.30-26
安藤達也(日本)

掛け率-125でフェイバリットの安藤は、腰を落としたワイドスタンスでハイキックを誘ってスウェイでかわす。ワンツーで前に出た安藤だが、左を被弾してバランスを崩す。蹴りから組んで首相撲のチュウ・カンチエは離れて、右ストレートを届かせる。安藤はさらに右を被弾して姿勢を乱すなかでシングルレッグを切られる。パンチを被弾する場面が多い安藤は、飛び込んで右を伸ばすがチュウ・カンチエはそこを見ている。

チュウ・カンチエは右インロー、そして待ちの態勢から右ミドルを決める。スピニングバックフィストを空振りした安藤は、またも右を受ける。さらに右ハイを狙ったチュウ・カンチエは組みから離れると、安藤のアッパーをかわす。飛び込むパンチを見られ、左フックをヒットされた安藤は右ストレートで腰が完全に落ちる。組んでバックから殴るチュウ・カンチエ、安藤は思い切りオーバーハンドを振るってタイムアップを迎えた。10-8が妥当、安藤は厳しい状況に置かれた。

2R、解説のアラン・ジョーバーンが「安藤のセコンドは、技術的な指示が必要だ」と指摘する。待ってカウンター、ここを突破口に追い打ちをかけるチュウ・カンチエが、逆に待つようになった安藤に右ストレートを当てる。右ミドルを蹴られた安藤は、右ストレートで後方にダウン。シングルを潰され、立ち上がり際に後方から蹴りを受けそうになる。

攻め急がないチュウ・カンチエは、しっかいと間合いを測る。安藤は口を開いて、ヒザが泳ぐなかで左を伸ばす。チュウ・カンチエのエルボーに右を合わせた安藤は、足を止めての打ち合い──も、チュウ・カンチエがキャリを取り直す。そしてカウンターを入れたチュウ・カンチエは、乱打戦に応じない落ち着いたファイトを続けると右ボディストレートを決める。これで体が折れた安藤は、三日月を蹴られいよいよ厳しい状態で最終回を迎えることとなった。

3R、左ジャブをまず入れたチュウ・カンチエが、左ローを蹴る。ワンツーをかわされた安藤は、距離を詰めることができない。チュウ・カンチエのステップインに、下がって重心が浮いた状態でパンチを振るっていては、当たってもダメージを与えることは難しい。チュウ・カンチエは余裕をもって、危険をおかさず安藤の前進をかわす。ここにきて腹を攻めるチュウ・カンチエはインローからジャブ、さらに右ストレートを伸ばす。

残り1分を切り、カウンターの右を入れたチュウ・カンチエに対し、安藤がパンチを強振するもバックに回れ、放り投げられ時間に。チュウ・カンチエは大差で判定勝ちし、準決勝の原口伸戦について、「アゴをしっかりと守って、俺がKOするから」と話した。

安藤は事実上のラストチャンスで見せつけられた現実を、どのように受け止めるのだろうか。


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UFCへの登竜門!ROAD TO UFC シーズン3 日本人出場選手 大解剖! 鶴屋怜 UFC初陣への意気込みも!

ROAD TO UFC シーズン3
5月18日(土)&19日(日) U-NEXTで全試合完全生配信!

5月18日(土)【ROAD TO UFC シーズン3 エピソード1,2】
詳細はこちら↓↓↓
https://video.unext.jp/genre/martial?lc=LIV0000005408?=FS00001

5月19日(日)【ROAD TO UFC シーズン3 エピソード3,4】
詳細はこちら↓↓↓
https://video.unext.jp/genre/martial?lc=LIV0000005409?=FS00001

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エピソード1,2 対戦カード
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【エピソード1:日本時間19時開始】
男子フェザー級(65.8kg以下)
ズー・カンジエ vs 安藤達也

男子フェザー級(65.8kg以下)
原口伸 vs ホン・ジュニョン

女子ストロー級(52.2kg以下)
フォン・シャオツァン vs キラン・シン

女子ストロー級(52.2kg以下)
ホアン・フェイル vs 本野美樹

ウェルター級(非トーナメント)
バテボラティ・バハテボラ vs キム・ハンスル

【エピソード2:日本時間21時開始】
男子フェザー級(65.8kg以下)
シエ・ビン vs イーブーゲラ

女子ストロー級(52.2kg以下)
シー・ミン vs ソ・イェダム

男子フェザー級(65.8kg以下)
河名真寿斗 vs ソン・ヨンジェ

女子ストロー級(52.2kg以下)
プリヤ・シャルマ vs ドン・フアシャン

女子フライ級(非トーナメント)
ワン・ツォン vs パウラ・ルナ

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エピソード3,4 対戦カード
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【エピソード3:日本時間19時開始】
男子バンタム級(61.2kg以下)
ダーエミィスウ・ザウパースー vs 小崎連

男子フライ級(56.7kg以下)
ジョン・アルマンサ vs アンガド・ビシュト

男子バンタム級(61.2kg以下)
ユ・スヨン vs 野瀬翔平

男子フライ級(56.7kg以下)
ジー・ニウシュイエ vs チェ・ドンフン

ライト級(非トーナメント)
キ・ウォンビン vs. 雑賀達也

【エピソード4:日本時間21時開始】
男子バンタム級(61.2kg以下)
バーエゴン・ジェライスー vs カンタラージ・アガーサ

男子フライ級(56.7kg以下)
キルー・シング・サホタ vs イン・シュアイ

男子バンタム級(61.2kg以下)
キム・キュサン vs 中西透暉鷹

男子フライ級(56.7kg以下)
松井斗輝 vs ルエル・パニャレス
※松井斗輝選手の体重超過により試合中止

女子フライ級(非トーナメント)
ヤン・チーフイ vs リサ・キリアコウ

※対戦カード・対戦順は直前まで変更する場合があります。
※直前の変更により当日の内容が異なる場合があります。

【目次】
0:00 オープニング
1:42 鶴屋怜 UFC初陣への意気込み
5:11 日本人出場選手 大解剖
10:07 フライ級トーナメント 出場選手
12:08 バンタム級トーナメント 出場選手
18:56 フェザー級トーナメント 出場選手
25:47 ライト級 出場選手
27:22 ROAD TO UFC “ここを見ろ!”
28:54 鶴屋怜 デビュー戦への意気込み

格闘技観るならU-NEXT!
#UFC #ROADTOUFC #MMA #鶴屋怜 #岡田遼 #高阪剛

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【Road to UFC2024#01】フェザー級で再チャレンジ、原口伸「理想のMMA、シン・シン・ハラグチを」

【写真】予備計量直後の原口伸 (C)KEI MAEDA

明日18日(土・現地時間)に中国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024Ep01で、原口伸がホン・ジュンヨンと対戦する。前回のRoad to UFCではライト級で準優勝、惜しくも契約を逃し──キャリア初黒星も喫した。
Text by Manabu Takashima

その原口、当初はRoad to UFCに出場せずにスキルアップと、本戦契約を狙うという選択をしてきた。階級を下げての連続参戦はないという風な話も聞かれていたが、一転フェザー級での再チャレンジへ。

とはいえ、この短期間で前回の参戦で見えた課題を克服し、MMAファイターとしての完成度は上がったのか。そして、初めてのフェザー級で戦うことで、以前とはどこかが違うのかを計量終了後の原口伸に尋ねた。


──2月にRoad to UFCライト級決勝戦に敗れ、その後に話を伺った時には今回のRoad to UFCには出場せず、本戦契約の機会を待つ。また前回のトーナメントであぶり出された課題を克服してMMAファイターとして完成度を上げることを今後の目標として掲げていました。それが一転、Road to UFCに出場することになったのは?

「絶対的にフェザー級でRoad to UFCに出場できる機会があったことにつきます。フェザーで戦いたい。それなら自分の力でRoad to UFCに再チャレンジして、契約を勝ち取ろうという気持ちになって決めました」

──ではフェザー級、1ポンド・オーバー規約で66.2キロの体は上手く創れましたか。

「そうですね。大学の1年と2年時は前日計量だったので、66キロ級でした。それが当日計量に変わったので70キロに上げただけで。MMAを始めて体は大きくなっているので、しっかりと上手く落とせました。自分が思っている通りの感じで落とせましたね。これまでの経験とタケさんに水抜きのアドバイスを頂いて。

今回1カ月前に決まったので、そのなかで照準を合わせて落とせました。Road to UFC以前に1カ月の準備期間があることはなかったので。ただ、もう少し時間的な猶予があった方がより創りやすいかと思います」

──この間のMMAファイターとして完成度を上げるという練習は一旦置いて、対策練習をしてきたことになるかと思います。

「そうですね、ホン・ジュンヨン対策を主な練習としてきました。ただすぐに成果が出るということではないですが、武田(光司)さんに紹介してもらってBrave世田谷でタケ(大宮司岳彦)さんにムーブメントの指導を受けるようになりました。

(中村)倫也さんとも情報をシェアして、アドバイスを貰ったりするようになったり。そこで得た知識や動きをBraveに持ち帰って、スパーリングで試しています。スパーリングはBraveだけですね。ここで出稽古を増やすと、整理できなくなってしまうので」

──前回大会はレスリング勝負でした。決勝の敗戦から3カ月で、この間採り入れたこともあり、何かファイトとして変わることは出てきますか。

「できることは増えたと思っています。テイクダウンしてからのコントロールも、体の使え方を変えてバリエーションが増えたという感覚でいます。立ちでの体の使い方はタケさんが創ってくれて、組みに関しては……自分は爆発力でなく筋持久力タイプなので、しっかりと時間をかけて倒す。テイクダウンにしても、そんな風に創ってきました」

──筋持久力タイプ……テイクダウンとパウンドの爆発力を考えると瞬発系だとばかり思っていました。

「レスリングの時もパワーや瞬発力でなく、MMAでは余裕がある時に瞬発力を出すという感じです。短距離走より、長距離走の方が全然得意だったので。そういう部分で、自分の強味を見直した時に、爆発力でなく時間をかけてテイクダウン、そしてパウンドという風になっています。

ただ練習でしか分かっていないことが多いので、答え合わせを明日するっていうことですね。自分ではどれぐらいできるのか、客観的に見ることはできないです。やっぱり新たに採り入れて来たことは期間がまだ短いので、やることを2、3と決めてそこを徹底してやります」

──では答え合わせの相手、ホン・ジュンヨンの印象を教えてください。

「典型的な韓国人ファイターですね。

頑丈でタフ、最後まで諦めない」

──どう諦めさせないといけなと考えていますか。

「相手が僕のレスリング力を甘く見ていれば、勝手に折れてくれます。そうでなくても、打撃を織り交ぜて戦えば、削って行けると思っています」

──伸選手のレスリング能力を軽視する相手はいないと思いますが(笑)。

「アハハハ。確かに、そうなりますよね。ただロン・チュウ戦を参考にしてくるようなら、あんな風にはならないです。あれだけテイクダウンを警戒しているなかで、突っ込んで行って僕の方が削られてしまったので。今回は良い意味で焦らす。焦らして相手からすると、『まだ来ないのか』という感じにさせたいですね。

15分を通したファイトを考えられるようになりました。それが昨年の敗北を通して、技術だけでなくMMAの完成度を高める要因になっていると思っています」

──ところで大宮司トレーナーも、倫也選手も同じトーナメントで出ている河名マスト選手の盟友といえる間柄ですが。

「そうですね。まず試合をすることになると、戦略的な指導を受けないことは予め話をしました。だから、そこに関しては深く考えていないです。試合が決まれば、戦う。そして強い方が勝つ。

レスリングでは対戦相手とも練習するものですし。大学3年の時のインカレの決勝の相手は、国士館大の1年後輩でした。同門対決も3度はやっていますね。なので強くなることが大切で、そういうことは気にしないです。戦略だけで勝てるなら、全員が勝つわけですし」

──その通りですね。日本人が潰し合おうが、勝てるだけ勝って日本人選手に契約を勝ち取って欲しいです。ではフェザー級の原口伸、どこがライト級と違うか教えていただけますか。

「今の感覚だと、足を使って自分のやりたいMMAが表現できるように思います。スクランブルをどんどんする。体も軽くなっているので、どんどん動いてスクランブルを創っていきます。シン・シン・ハラグチを見せます」

──なぜ、そこは英語の順番に(笑)。

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT

■Road to UFC2024 Ep02対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イープークールー(中国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
ソ・ユダン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
プリヤ・シャルマ(インド)
ドン・フアシャン(中国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
パウラ・ルナ(ペルー)

■Road to UFC2024 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
安藤達也(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
原口伸(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
キラン・シン(インド)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
本野美樹(日本)
フォン・フェイアール(中国)

<ウェルター級/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
キム・ハンソル(韓国)

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【Road to UFC2024Ep01】34歳・安藤達也の挑戦「今までは本気でUFCに挑む覚悟が足りていなかった」

【写真】無事に公式計量をクリア、安藤の挑戦が始まる(C)Zuffa/UFC

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード01で安藤達也が中国のチュウ・カンチエと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年3月のONE Friday Fightsでアリ・モタメドに勝利し、ONE本戦出場のチャンスをうかがっていた安藤。その一方で安藤のもとにはRoad to UFCなどUFCにチャレンジするチャンスも届いていた。最終的にONE本戦出場が叶わず、1年以上のブランクが空くことになったが、安藤はUFC出場を目指してRoad to UFC出場を決意した。公式計量を無事に終え、明日の戦いを待つのみとなった安藤。計量に行ったインタビューをお届けしよう。


――安藤選手にとってRoad to UFC初出場が決まりました。(取材日は5月15日)

「自分は今年もRoad to UFCがあるなら、絶対に(出場が)決まると思って動いていたんで、自分が思った通りに物事が進んでいる感じですね」

――去年もRoad to UFCに出るチャンスがあったとお聞きしています。

「ちょっと話すと長くなるんですけど………もともと自分はコロナの問題が落ちついたぐらいから自分のハイライト映像を作ってUFCサイドに送ったり、イリディウム(・スポーツ)のジェイソンが自分のことを気に入ってくれてたみたいで、ちょこちょこ連絡をくれてたんですよ。それで去年はRoad to UFC以外にもTUFとかダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズの話が来てたんです。でも自分は3月にONE Friday Fightsに出て、ONEで試合する可能性もあったから、そっちで試合することを考えていたんですよ。でもそれがなかなか決まらなくて。自分も年齢とかキャリアを考えたら先は長くないから、今年から正式にイリディウムに試合のマネジメントをお願いして、UFCを目指そうと思いました。

試合をしてなかった時期は絵を描いたり、グッズを売ったりしてお金を貯めていて、タイに合宿に行こうと思ったんです。それでONEの試合後に買ったゴールドのアクセサリーも売って。それは買った時より値段が上がってたんでラッキーだったんですけど(笑)。そうやって合宿資金を用意して、まず2週間くらいタイで合宿して、それからONEの時にサポートしてくれた(川原)波輝くんがいるアルファメールに行ったんですよね。そしたらその直後に正式にRoad to UFCのオファーがあったって感じです。ただ体重のところをちゃんと見てなくて、ずっとバンタム級だと思ってたんですよ。キロ表記じゃなくてポンド表記だったから、145ポンド=バンタム級だと勘違いしちゃって。それであとで調べたら145ポンド=フェザー級だって聞いて『まじ!?』みたいな。そこだけは計算外だったっすね(笑)」

――そんなことがあったんですね………。とはいえイリディウムと契約して、Road to UFCを見据えて海外に合宿にいったことが最終的にいい方向に進んだようですね。

「まじでそうっすね。自分のなかで『そうなるだろう』と思って動いことが全部叶っていく感じがして。これがどんどん続いていく感覚が面白いなって思いますね」

――フェザー級での試合という部分で、減量そのものは楽ですか。

「本格的な練習を始めたときが74kgだったから、8キロくらいですね。水抜きなしでナチュラル体重という感じです。上海についた段階でリミットをアンダーしていたので、普通に元気に飯も食って…みたいな感じで」

――アルファメールの練習で手応えを掴んだ部分はありますか。

「ガチガチにスパーリングをやって、結構全員ドミネートしてぶっ飛ばしてきたんですよ。帰国してからは毎日15㎞くらい走って、それでめっちゃ痩せて動きも速くなって、今の時点でリミットをアンダーするところまでいきました。向こうでいいイメージを作ることができたんで、あとは自分が気持ちよく過ごして、コンディションを整えることに集中してます」

――対戦相手のチュウ・カンチエの試合映像はチェックしていますか。

「一応4試合分ぐらい見たんですけど、自分あんまりちゃんと見ないんですよ、対戦相手の試合を。チラッと何となく見るくらいで。あんまり相手の映像を見すぎると、自分がそっち(相手)に合わせすぎちゃうんで」

――安藤選手としては相手に軸を置かずに、自分に軸を置いて試合をした方がいいパフォーマンスができますか。

「それこそ波輝君のタイトルマッチの時に練習を見ていて、すげえ対策をやっていたんですよ。で、2年ぶりの試合でプレッシャーもあって、試合そのものもユライア(・フェイバー)にお膳立てしてもらったわけじゃないですか。だから結構ピリついちゃってて。俺がなんかアドバイスしようとしても『何も言わないで』とか言われちゃう感じで。それで波輝くんの邪魔をしないように、勝ってくれれば何でもいいやと思って見てたんですけど、対策をやりすぎてて、負けない試合をやっちゃってたんですよ」

――勝つことが目的ではなく、負けないことが目的になっていたと。

「これでKO勝ちするのは難しいよなと思って見ていたら、案の定KOできずに終わって。もちろん求めるものが高過ぎるの良くないし、勝つことがチームとして大事だったのは分かっていたんですけど、俺は正直に『あれは倒せたよ』と言いました。だから自分はあんまり相手に合わせるというよりも自分が倒すことを狙って練習してますね」

――特に安藤選手は気持ちよく試合を迎えて、やりたいように戦う方がいいタイプだと思います。

「そうっすね。特に自分はそういう感覚のタイプなんで。それを重要視してやってきました」

――このトーナメントを勝ち抜けばUFCと契約できるという明確な道が出来ました。安藤選手としてはUFCに行くラストチャンスという気持ちなのか、それともやることをやればUFCに行けるという気持ちなのか。どちらですか。

「最初に話したみたいに俺は何回もUFCに行くチャンスを逃したわけじゃないすか。それでもオファーしてくれるって、結構俺のことを気に入ってくれてると思うんですよ。普通は『何回も(UFCから)オファーを断るってどういうこと?』ってなるじゃないですか。でもこうやってオファーが来たということは『本当にUFCに来たいの?』って試されてるんだなって。今振り返ると俺自身も覚悟が足りてなかったというか。本気でUFCという修羅の道に入る、全てを捧げてそこに挑む覚悟が足りてなかったんです。もしそういう覚悟があったら、今までもらってたチャンスのどこかでチャレンジしてたはず。それがこうやって覚悟を決めたら、改めてチャンスが来たわけだから、やっぱり俺はいるべくして、ここにいるんだなと思います。

適正階級じゃないチャレンジだけど、俺が見てきたヒーローのKID(山本徳郁)さんは体のサイズが違うのにデカいやつらをぶっ倒して、色んなことにチャレンジして。今と昔はレベルが違うし、そこを比べるのもよくないし、その方法が正しいとは思わないけど、俺自身は『他のやつと同じことやってても駄目だぞ』みたいな。本来バンタム級の俺がフェザー級でぶちかましたら、リスクを負った分だけ自分のポジションをゲットできると思います。

アメリカでパッチー・ミックスとかトップ選手と練習やっても通用したし、自分がUFCに通用するレベルにいるってことが分かって。それは勘違いとかじゃなくて、絶対に自分だったらいけるって自信なんです。だからあとはしっかりチャンスをくれた人たちに対して、自分が仕事をして、自分の評価を作っていくことが今の自分に必要なことなのかなって思っています」

――安藤選手のUFCへの挑戦、楽しみにしています。

「やっとここまで近づけたんで、今は目の前のことにしっかり集中して、このチャンスを逃がさないように。そう簡単な道じゃないことは分かっているし、自分が試されてるんだという自覚を持って挑戦します!」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午後7時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT

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【Road to UFC2024Ep01&Ep02】計量終了 河名マスト、ラストミニッツでパス「明日、ぶちかまします」

【写真】ギリギリのタイミングでパス。すぐにフェイスオフに(C)GINJI ARAI

明日18 日(土・現地時間)に中華人民共和国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024 Ep01&Ep02の計量が17日(金・同)に行われ安藤達也、原口伸、本野美樹、河名マストの日本人4選手は無事クリアした。
Text by Manabu Takashima

敢えて無事と表現したのは仮計量が始まり、次々と出場選手たちが控室のスケールで体重をチェックするなか、河名マストがなかなか姿を見せない──という情報が、本計量開始10分ほど前に現地から伝わってきたからだ。


上海時間の午前9時から11時までの計量時間、河名は10時前に現れ予備計量で1.5ポンド(約680グラム)オーバーに。今回、コーナーに上久保周也を帯同した河名は、本計量開始の1時間前で1キロオーバーの状態だったことが分かった。

1時間で400グラム近く落としていることになるが、このままパスをしないと対戦相手のソン・ヨンジェがキャッチ戦を受け入れるのか、代替選手との対戦になるのか。体重を創れてない女子選手もいたことと相まって(女子ストロー級は代役がいない状態)、計量会場は慌ただしい空気に。

実は河名は2月のGLADIATOR CHALLEGER SERIESでも残りの700グラムが落ちなく計量開始から遅れて計量会場入りしたということがあった。結果、500グラム・オーバー──今回でいえば1ポンド・オーバー規約──のない状態でパスをした河名だったが、人生が懸かった大一番で痛恨の計量ミスとなるのか。

本計量終了時間が迫ってくるなか、河名が控室に再び姿を見せ予備計量台へ。結果は、リミット丁度の146ポンドでパス!! 最後はUFC PI上海のスタッフが計量終了時間の10分前までタオル蒸しなど水抜きのサポートがあり、河名は晴れてUFCとの契約が懸かった戦場に立つ権利を得た。河名からはMMAPLANETに「心配おかけしてすみません。明日、ぶちかましてきます!!」というメッセージが届いている。

なお本野美樹と対戦予定だったフォン・フェイアールは116.7ポンドと計量失敗。本野はキャッチ戦でなく、不戦勝で準決勝進出を決めている。

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT(Ep01から続き)

■Road to UFC2024 Ep02対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イープークールー(中国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
ソ・ユダン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝勝/5分3R>
プリヤ・シャルマ(インド)
ドン・フアシャン(中国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
パウラ・ルナ(ペルー)

■Road to UFC2024 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
安藤達也(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
原口伸(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
キラン・シン(インド)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
本野美樹(日本)
フォン・フェイアール(中国)

<ウェルター級/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
キム・ハンソル(韓国)

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Road To UFCシーズン3:エピソード1~4オッズ

Episode 1
▼第5試合 フェザー級
ズー・カンジエ 1.87
安藤達也 1.87
▼第4試合 フェザー級
原口 伸 1.25
ホン・ジュニョン 4.00
▼第3試合 女子ストロー級
フォン・シャオツァン 1.20
キラン・シン 4.75
▼第2試合 女子ストロー級
ホアン・フェイル 2.30
本野美樹 1.63
▼第1試合 ウェルター級ワンマッチ
バテボラティ・バハテボラ 1.95
キム・ハンスル 1.80
Episode 2
▼第5試合 フェザー級
シエ・ビン 1.33
イーブーゲラ 3.40
▼第4試合 女子ストロー級
シー・ミン 1.95
ソ・イェダム 1.80
▼第3試合 フェザー級
河名真寿斗 1.87
ソン・ヨンジェ 1.87
▼第2試合 女子ストロー級
プリヤ・シャルマ 3.55
ドン・フアシャン 1.30
▼第1試合 女子フライ級ワンマッチ
ワン・ツォン 1.18
パウラ・ルナ 5.00
Episode 3
▼第5試合 バンタム級
ダーエミィスウ・ザウパースー 1.42
小崎 連 2.90
▼第4試合 フライ級
ジョン・アルマンサ 2.20
アンガド・ビシュト 1.67
▼第3試合 バンタム級
ユ・スヨン 1.61
野瀬翔平 2.35
▼第2試合 フライ級
ジー・ニウシュイエ 2.20
チェ・ドンフン 1.67
▼第1試合 ライト級ワンマッチ
キ・ウォンビン 1.71
雑賀“ヤン坊”達也 2.10
Episode 4
▼第5試合 バンタム級
バーエゴン・ジェライスー -
カンタラージ・アガーサ -
▼第4試合 フライ級
キルー・シング・サホタ 1.91
イン・シュアイ 1.83
▼第3試合 バンタム級
キム・キュサン 2.60
透暉鷹 1.50
▼第2試合 フライ級
松井斗輝 1.61
ルエル・パニャレス 2.35
▼第1試合 女子フライ級ワンマッチ
ヤン・チーフイ 1.61
リサ・キリアコウ 2.35

日本人は原口・本野・透暉鷹・松井がフェイバリット、エピソード3に出場する野瀬・小崎・ヤン坊がアンダードッグ。フェザー級の安藤と河名はイーブン。

18日の19時にエピソード1開始、21時からはエピソード2。翌20日の19時と21時にそれぞれエピソード3・4が開始予定。速報します。

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【Road to UFC2024Ep02】AFC王者ソン・ヨンジェと対戦、河名マスト「30-27でも29-28でも……」

【写真】毎朝お子さんを保育園に送っているそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード02で河名マストが韓国のソン・ヨンジェと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

河名は今年2月にパン・ジェヒョクに雪辱を果たし、グラジエイターのベルトを巻いた。その河名に届いたRoad to UFC出場確定の一報――河名はUFCとの契約に向けて、「勝利こそ正義」の戦いに臨む(※取材は5月10日に行われた)。


――本日は宜しくお願いいたします。今は外にいらっしゃるようですが……。

「ちょうど今、娘を保育園に送っていった帰りなんですよ」

――なるほど、お忙しい時に恐縮です。今回Road to UFC出場が確定したのは、いつ頃のことだったのでしょうか。

「4月上旬ですね。3月中に連絡が来なかったので、正直『そういうことかぁ』と諦めていました。するとマネージメントサイドから4月の頭に『もう1週間待ってほしい』という連絡が来まして。その時点でまだフェザー級だけ決まっていない、と……。とはいえ期待は薄かったので、もうLFA出場に切り替えようかという話をしていました。

グラジエイターとLFAが協力体制にあり、僕がグラジでベルトを巻いたことで、RTU以外にも一つUFCへの道筋ができていましたから。その方向も探ることができる状態にあったのは良かったです。

そこでLFAの件で長谷川賢さん(グラジのタレントリレーション)に相談したあと、『RTUが確定した』という連絡が届いたんです。RTUが決まった時は長谷川さんにも『おめでとうございます! せっかく決まったのだからRTUに出てほしいです』と送り出してもらえました」

――では、まずRTU出場が確定した時の気持ちを教えてください。

「ビックリしました。『おぉ、マジか!』と。UFCを目指してグラジのベルトを獲りました。そこからRTUに出られるかどうかは流れに任せる、という感じで。先ほど言ったとおり3月中に連絡がなく、もうダメだろうと思っていましたし」

――喜びよりも驚きのほうが勝ったわけですか。

「出場の確定は、目の前に自分の生活を脅かす人間が洗われることが確定したことでもあるので。ただ、RTUはトーナメントで3試合勝てば、100パーセントUFCと契約できるじゃないですか。たとえばLFAからDWCSで勝っても、それが100パーセントではない。勝っても100パーセントではないですよね」

――どちらかといえばDWCSはオーディションですから、勝っても試合内容がUFCの望むようなものでなければ契約できないケースもあります。

「でもRTUは、どんな勝ち方をしても3試合勝てばUFCに辿り着くことができる――まさに勝利こそが正義で。30-27の試合でも29-28の試合でも、『うるせぇ!』と言って契約すれば良いですから。『そこまでして勝ちたいのか!』と言われても、『そうだよ。勝ちたいよ!』と答えます。そういうRTUのほうが自分の目標に向けてステップを踏んでいきやすいとは思っていました」

――だからこそ本戦とは違う緊張感があり、興味深い面もあるのがRTUです。とはいえ4月上旬に確定してから5月18日~19日の試合に向けて、急きょビザなど出入国の手続きを取らないのは大変だったかと思います。

「あとはメディカル系も含めた書類の準備ですね。何とか各書類の提出期日を守ることができました」

とにかくリラックスできていることが分かる帰宅後の笑顔(C)SHOJIRO KAMEIKE

――河名選手に出場確定の連絡が来た時に、他の日本人出場メンバーは知っていましたか。

「いえ、何となく誰が出るということを耳にしていたぐらいですね」

――同じフェザー級に出場する安藤達也選手と原口伸選手もレスリング出身です。レスリング時代に絡みはあったのでしょうか。

「まず時期で言うと安藤さんと僕が入れ替わり、僕と原口君が入れ替わりで――被っていないですね。それと安藤さんと原口君はフリースタイルで、僕はグレコじゃないですか。2人の出身校である国士舘はフリースタイル主体で、ウチ(専修大学)からフリーのチームは国士舘へ出稽古に行っていましたが、グレコの僕は行っていなかったです」

――原口伸選手の兄、原口央選手とは4月29日に奈良県で開催されたレスリング大会『ALL or NOTHING』にて、レスリングルールで手合わせしています。

「(伸について央に)『なんで去年契約せず、今年フェザー級で出てくんねん!』と言っておきました(笑)」

――アハハハ。先の日本人対決も楽しみではありますが、まずは初戦となるソン・ヨンジェ戦について……RTU出場と対戦相手が確定した時、そもそもソン・ヨンジェの存在は知っていましたか。

「試合が決まるまで知らない選手でした。何年も試合をしていなかったようですし……」

――ソン・ヨンジェは2019年6月の試合から2023年9月までブランクがあり、昨年12月には清水俊一選手をKOして、AFCフェザー級暫定王者となっています。パンチ主体の選手ではありますが、パン・ジェヒョクのパンチとは違うタイプです。

「骨格というか体の使い方も違いますよね。どちらかといえばパン・ジェヒョクは綺麗に戦いながら力を抜いてテイクダウンを切るという、こちらとしては倒しづらい選手でした。ソン・ヨンジェはガンガンとパンチを当ててきながら、テイクダウンも体の力で跳ね返すようなタイプだとは思います」

――ソン・ヨンジェのほうが正面からぶつかってくるという印象です。そのスタイルの違いは河名選手にとってメリットになるのでしょうか。

「3R通して制圧してフィニッシュに持って行く。その自分のやりたい戦い方を考えたら、ソン・ヨンジェのほうがやりやすいとは思っています。一方で、1Rで僕が殺される可能性は、パン・ジェヒョクよりもソン・ヨンジェのほうが高くはなりますね(苦笑)」

――まさにソン・ヨンジェは、そういった試合スタイルです。ブランク明けの2試合はいずれも1R KO勝ちで、現状で打撃戦以外はどれだけできるのかが不明ではあります。

「その点も僕の中では低く見積もってはいません。試合の中で、僕の見積もりよりも低くブレてくれたらラッキー、というぐらいで。見積もりより上にブレることも覚悟はしています。
ただ、試合を視るとテイクダウンをバチーンと切って立ち上がっていますよね。自分が同じタイミングで入っていたら倒せていただろうな、と思うシーンはありました」

――対して河名選手は、自身が試合で出すものは変わっていないと。

「それはMMAデビュー戦から今まで変わっていません。そもそも僕は相手によってスタイルを変えられるほど、MMAを習熟していると思っていないですし(笑)。逆に自分のスタイルがブレた時のほうが、迷いが出てしまうかもれないです。自分がやることを信じて、やり続けるから迷わないという認識でいますね」

――そんななかでも、打撃面は向上してきました。

「去年のユン・ダウォン戦ズッキーニョス戦で、試合の中で『何とか打撃の交換をしよう』と粘ってみたことは大きかったです。それが自分にとって自信につながりました」

――デビュー当時は、打撃を食らっても大丈夫だと思っていたのではないですか。とにかく相手のパンチをもらいながら前に出るという。

「アハハハ! 自分の頑丈さを信頼しすぎていました。でもどこかで頑丈さも限界は来ると思っていて――前回のタイトルマッチは1Rにパン・ジェヒョクの右をもらってダウンしてしまいましたし。その前に打撃のテクニックを磨かないといけない――とは、ずっと考えていたんです。一番大きなキッカケは、やっぱりLFAのアライジャ・ジョンズ戦ですね」

――現在、打撃面の練習はどのように?

「今は週1ペースで、EXFIGHTで高谷裕之さんにミットを持ってもらっています。それと今年からTRI.H STUDIO成増で週1回インストラクターをやらせてもらっていて、その縁で濱村健さんにもミットをお願いしているんです」

――高谷さんと濱村さんではミットのスタイルも違いませんか。

「違います。これはレスリングでも打撃でも、MMAでも同じことだと思うのですが――たとえば高谷さんと濱村さんにミットを持ってもらいながら、お二人の言葉を自分の頭の中でどう考えるか。それは八隅(孝平ロータス世田谷代表)さんから言われることも同じで。教えてもらうことの中から、自分にとって良いものを自身でしっかりと考え、摂り入れていくことが大切になりますよね」

――仰るとおりです。もう一つ、先ほどの「相手を見積もる」という話ですが……試合は生き物ですから、試合中に見積もりが上下にブレることはあると思います。しかしブレの幅は少ないほうが良い。見積もり幅のブレを少なくするためには、何が必要ですか。

「初期の見積もりをどれだけ高くできるか、ですね。高く見積もりと怖さが生まれて、『ここで行ったら倒されるかも……』という不安も出てきます。だからこそ僕は『自分がやるべきことは一つしかないから、それを貫くしかない』と考えて戦っています」

――これは「たられば」の話かもしれませんが、MMAとしての要素を全て持っていると見積もりは低くなってしまうでしょうか。

「低くなるのかなぁ……。自分は全て持っていないから分からないですけど(笑)。でも手札がたくさんあると、試合中に迷ってしまうことがあると思うんですよね。手札が少なくなったら、場に出すカードも自然と決まってきます。そこで手札の少なさに対して悲壮感を持つと、気持ちも追い込まれてしまう。もう自分の手札を見せて『これを待っています』と言えるぐらいの覚悟を持って臨むというか(笑)」

――そうなると、あとは自分から行くしかない。

「はい。相手が何を出してくるか待っているのではなく、自分の強みで相手を潰していくしかないと考えています。僕自身は苦しい試合というか、相手を苦しくさせる覚悟はできています。最初から徹底して制圧し、相手が『もうやめてくれ!』という気持ちにさせて勝ちます」

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【UFC】Road To UFC シーズン3出場選手発表!

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UFCとの契約を争う「Road To UFC シーズン3」の出場選手が発表されました。今年は5月18日、19日に上海のUFCパフォーマンス・インスティチュートにて開催され、トーナメントの無い階級のワンマッチも行われます。

【フェザー級】
原口伸(BRAVE)
安藤達也(フリー)
河名マスト(ロータス世田谷)

【バンタム級】
野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
小崎連(リバーサルジム久喜WINGS)
中西透暉鷹(ISHITSUNA MMA)

【フライ級】
松井斗輝(THE BLACKBELT JAPAN)

【女子ストロー級】
本野美樹(AACC)

【非トーナメント戦】
雑賀“ヤン坊”達也(DOBUITA)

各大会のチャンピオン、チャンピオン経験者、若手の有望株がズラッと並ぶラインナップ。今年は誰がUFCとの契約を掴むのか。詳細は追って!