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【Shooto2023#07】無敗の修斗世界王者へ。新井丈と対戦する山内渉「失神するまで、殴るか絞める」

【写真】全局面打撃で勝つことが理想。それが山内の理想のMMAだ(C)MMAPLANET

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#07のメインで、山内渉が修斗世界ストロー級王者の新井丈と空位の同フライ級王座を争う。
text by Takumi Nakamura

プロデビューから6戦6勝というレコードで世界戦にたどり着いた山内。修斗のレギュレーションを変えた新井の2階級同時制覇に注目が集まるが、山内が勝利すれば修斗に新たな無敗の世界王者が生まれることになる。極真空手に始まり、FIGHT FARMで育成されたMMAスタイルでベルトを狙う山内に話を訊いた。


――試合5日前のインタビューとなりますが(※取材は11月14日に行われた)、ここからは体調を整えて体重を落とす段階ですか。

「はい。やることをやって仕上がりはいいので、あとは身体を休めて体重を落とすだけですね」

――前回7月のヤックル真吾戦では鮮やかなKO勝ちでした。あれは狙っていたものだったのですか。

「普段から田村(彰敏)さんと打撃の打ち込みをやっていて、いつも数パターンを分けて練習しているんですね。その一つがハマって倒せた試合でした。繰り返し練習しているものなので、試合になると勝手に体が動きました」

――またテイクダウンされてから立ち上がるまでの流れもしっかり対応できていたと思います。

「FIGHT FARMはみんな組みも強いので、練習では寝かされることが多いんですよ。そこの対処も普段からやっていることなので、それが試合に出たと思います」

――2022年11月の清水清隆戦、ヤックル戦と2連続KO勝利となりました。

「拳の当て方や拳を握るタイミングだったり、倒す感覚を覚えてきたと思います」

――少しずつ山内選手のファイトスタイルが固まってきていますか。

「そうですね。次の新井選手は基本的に打撃でくると思いますが、僕は寝技もできるので、その場の状況に合わせて、自分が戦いやすい方で戦おうと思います」

――2連続KO勝利の山内選手とハードパンチャーの新井選手の試合ということで打撃戦が期待されますが、それだけの試合にはならない、と。

「お客さんが盛り上がるのは打撃だと思うんですけど、僕は打撃にこだわって大事な試合を落としたくないので、打撃でいけたらいくし、寝技でいけたらいく。特にこれというのは決めずに戦います」

――その新井選手にはどんな印象を持っていますか。

「ガッツがあって、パンチ力と当て感がすごいという印象です。でも一番印象に残っているのは気持ちの強さと気合いですね」

――KO勝ちの印象が強いですが、被弾しても最後は殴り勝つというスタイルです。

「それができるのもガッツがあるからですよね。組みでやられた試合を見ても落ちるまでタップしないし、僕も徹底的にやらないとダメだなと思いました。意識がある限りは絶対に試合をあきらめないと思うので、新井選手が失神するまで、殴るか絞めます」

――山内選手はプロ無敗のままタイトルマッチにたどり着きました。自分では順調なキャリアだと思いますか。

「めちゃくちゃ順調だと思います。今振り返るとマッチメークや試合展開も含めて運が良かった部分もあったと思いますが」

――過去にMMAPLANETでも取材している山内選手ですが、今回は山内選手がMMAを始めるまでのことを聞かせてください。もともと山内選手は極真出身ですよね。

「はい。小さい頃から“たたかいごっこ”みたいなことが好きで、父親と遊ぶときもボクシングの真似事とかをやってたんですよ。そしたら友達の中に空手をやっている人とつながっている子がいて、自分も空手をやってみたいと思って始めました。空手は8歳から始めて18歳まで、高校を卒業するまで続けました」

――空手からMMAに興味を持ったのは何がきっかけだったのですか。

「僕めっちゃ空手は弱かったんですけど(苦笑)、一応高校に入るまでは空手で世界チャンピオンになることを目標にやったんですね。でも高校に入ってからは『顔面を殴ってみたらどうなるんだろう?』とか『空手よりも顔面ありの方が向いてるんじゃないかな』と思うようになって。組み技とか寝技にも興味があったんで、それだったらMMAをやってみようという考えになりました」

――空手時代はどんなファイトスタイルだったのですか。

「接近戦が苦手で足を使って戦うタイプだったんですよ。足を止めて突き…じゃなくて、動いて動いて蹴りを合わせるみたいな。そういうスタイルだったから余計に顔面ありやMMAをやってみたいと思ったのかもしれないです」

――実際にMMAを始めるのは高校卒業→上京してから、になるのですか。

「はい。はじめは高校を辞めて上京したかったのですが、親に猛反対されたんですよ。それでちゃんと高校を卒業してMMAをやることになったら親は応援してくれました(笑)」

――2度目のチャレンジだった、と(笑)。でもそのくらいMMAをやりたいという衝動に駆られていたのですね。

「はい。とにかくMMAをやりたくて、高校在学中に東京のジムを調べて、色んなジムを周って体験入会巡りしたことがあるんですよ。それこそ新井選手が所属する和術慧舟會HEARTSにも行きましたよ(笑)」

――そのなかでFIGHT FARMを選んだ理由は何だったのですか。

「最初はTRIBE TOKYO MMAに入会したのですが、当時は専門学校に行きながらジムに通っていて、ジムまで片道1時間半くらいかかったんです。そうしたら長南(亮)さんが通いやすいジムとして髙谷(裕之)さんとFIGHT FARMを紹介してくれて、FIGHT FARMに入ることになりました」

――そういった流れがあってFIGHT FARM所属になったのですね。今の山内選手のファイトスタイルを考えると、髙谷さんや田村さんの指導がハマっていますよね。

「そうかもしれないです。最初はそこまでストライカーになろうとは思わなかったんですけど、やっぱり自分の持ち味は打撃だと思うし、理想は髙谷さんのようにガンガン打撃でいってパウンドを打つスタイルです」

――それから格闘DREAMERS出場を経て、修斗でプロデビューという流れになるわけですが、山内選手はファイターとしてどんな目標を持っていますか。

「修斗で世界チャンピオンになって、世界で戦っていきたいですね。フライ級は日本にも強い選手が多いし、いつかはUFCで戦いたいです」

――平良達郎選手がUFC、鶴屋怜選手がRoad to UFCにも出場していますが、そういった選手たちへのライバル心はありますか。

「ありますね。彼らとは年齢も近いんですけど、現時点では僕よりも先の舞台で戦っていると思うので、早く追いついて抜かしたいと思います」

■視聴方法(予定)
11月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2023#07対戦カード

<修斗世界フライ級王座決定戦/5分5R>
山内渉(日本)
新井丈(日本)

<フェザー級/5分3R>
オーディン(日本)
宇野薫(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
杉本恵(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
吉成はるか(日本)
エンゼル☆志穂(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
竹原魁晟(日本)
浜松ヤマト(日本)

<バンタム級/5分3R>
ライダーHIRO(日本)
川北晏生(日本)

<バンタム級/5分2R>
江口諒(日本)
シモン・スズキ(日本)

<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
杉本静弥(日本)

<ライト級/5分2R>
エフェヴィガ雄志(日本)
後藤陽駆(日本)

<バンタム級/5分2R>
Jセロウ若林(日本)
中野剛貴(日本)

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AB ABEMA DREAM Shooto2023#07 オーディン ブログ 宇野薫

【Shooto2023#07】大ベテラン=宇野薫と対戦、オーディン「自分を指名してもらい、感謝しかない」

【写真】あと10キロ残っているとは思えないオーディン(C)TAKUMI NAKAMURA

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#07で、オーディンが宇野薫と対戦する。
text by Takumi Nakamura

格闘DREAMERS出身のオーディンは7月の修斗後楽園大会で結城大樹を下し、世界ランキング入り。今大会はランク外の宇野との対戦となったが「宇野さんと向かい合って何が生まれるか楽しみ」「今後のことを考えると自分が窮屈になる。それだったら目の前にあることに全力で取り組む」とランキング戦とは異なる部分に試合の意味を見出している。

具体的な目標に突き進むのではなく、その時に自分が感じたものに素直に従う。オーディンの格闘哲学について訊いた。


――いよいよ宇野選手との一戦が近づいてきました。(※取材14日に行われた)

「試合が決まったのが大会まで一カ月くらいだったんで、普段やっている練習を継続して、少し対策的なところを乗せて準備してきました。もう今は本格的な練習が終わって、あと減量が残り10キロってところですね」

――10キロですか!?

「前回の結城大樹戦もファイトウィークに入ったタイミングで10キロだったんで、今回が特に減量幅が大きいわけじゃないです。今日も高谷さんと岡見さんからも『体重大丈夫か?』ってLINEが来るんですけど大丈夫です(笑)」

――さて7月の結城戦がオーディン選手にとっては修斗初参戦となりました。まずあの試合を振り返っていただけますか。

「初めてフェザー級で試合をやって、思ったよりリカバリーに時間がかかったんですよね。試合直前に回復してきて、そこでスイッチが入った感じで。慣れてない階級で試合をすると、こういうこともあるんだなって感じで、いい勉強になりました。試合としては自分のベストパフォーマンスを出すことにマインドが行っていて、次につながる意味のある試合にしたくて。

結城選手がグラップラーで、どちらかといえば自分もグラップラー系なんですけど、あえて一度もグラップリングにいかずにストライキングだけで戦ったんです。自分の課題であり、自分の弱点で勝つということを意識してスタンドで戦いました」

――スタンド勝負したのはあえて選択したものだったんですね。

「グラウンドにいける場面は何回もあったんですよ。でも自分の弱点で戦っても勝てるようにならないと、いずれ壁にぶちあたると思ったので、今のうちからそこまで意識して戦おうと思っていました」

――練習で打撃のスパーリングを重ねても、試合で得られる経験は別物ですか。

「それもあるんですけど、ストライキングが出来ないグラップラーは気持ちが弱いと見られがちじゃないですか。僕はそれって日常生活の弱さが出ちゃうからだと思うんですよ。慣れないものと向かい合ったときに、それを乗りこなすゆとりがないというか。結局(身体の)中身がちゃんとしていないと、外身を動かすことはできないから、練習以外の日常生活でも自分の苦手なことをしっかりやるようにしました」

――具体的にはどのようなことを意識したのですか。

「呼吸ですね。何か起きても呼吸を整えて、無駄なことはしないで落ち着く。結城選手はベテランだから、僕が身体能力と勢いだけでいったら、絶対に上手さでやられると思ったんです。だから仮にそういう展開になったとしても焦らずに自分を貫くことが鍵だと思っていました。

何か自分のなかでエラーが起きたときでもしっかり呼吸を整える。呼吸が乱れて息が上がると重心が軽くなるし、動きも軽くなるから、そうならないように呼吸を乱さない。そういうすっ飛ばしがちなことを意識して、セルフトークしながら準備していました」

――ジムワークはどの選手もやっていることで、それ以外の時間をどう過ごすかも意識しているのですね。

「格闘DREAMERSに出ていた時は毎月試合があったから、相手の対策どうこうじゃないし、筋トレをして筋肉を増やそうと思っても期間が足りない。じゃあ何をすればいいかと思ったときに呼吸だったり、より基本的なことに目がいくようになったんですね。今もその延長線上にいて、そういう基本的な細かいことに磨きをかけて練習しています」

――今回は大ベテランの宇野選手と対戦が決まりました。オファーが来た時の心境は?

「宇野さんから自分を指名してもらったということで、喜んでお願いしますって感じで感謝しかなかったです。自分はランカーとやろうと思ったんですけど、宇野さんと戦って、宇野さんがどんな選手かを感じたいなと思いました。ワクワクしかないです」

――髙谷さんや岡見さんからは何か言葉をかけられましたか。

「岡見さんは『自分の先輩と教え子がやるのかよ…』みたいな(笑)。そういう色んな見方はあると思うんですけど、自分は宇野さんと向かい合って何が生まれるかを楽しみにしています。勝ち負けはもちろん大事なんですけど、自分の人生において自分のベストパフォーマンスを全力で出して、対戦相手とぶつかって何を得られるかが大事だと思っています」

――相手とぶつかって何を得られるか。その部分ではABEMAのMMA海外武者修行5期生として、昨年ATTアトランタで長期合宿していますが、米国ではどんなことを感じましたか。

「米国はMMAに対するリスペクトが全然違っていて、ファイターが生きていく上でやりやすい環境だなと思いました。でもその環境が日本人にとってすべてプラスかどうかと言われたら別で。米国にいるとフットワークとか気持ちが広くなるんですど、がさつなところも出てきちゃうんですよ。そういう国の色が練習にも入ってきちゃうというか。だから米国で練習してプラスになったこともある一方で、雑になってしまった部分は日本に戻ってきてから修正する必要がありましたね。そこのバランスが大事だと思いました」

――それは長期合宿したからこそ分かるものかもしれませんね。

「ATTで練習するプロ選手はフロリダの本部に行くことが多くて、フロリダ本部は一流選手たちが集まるアスリート養成所みたいな環境なんです。で、僕が練習していたアトランタ支部にもそういう選手はいるのですが、ストリートファイターみたいな選手も結構いるんです。ジムの場所がアトランタの荒れている地域で、不良という言い方は変ですけどハスリングして生きているような人たちが普通にジムで練習していて。僕も何度か危険なシチュエーションに直面したんですけど(苦笑)、他のジムで味わえないような経験ができたと思います」

――同じATTでも本部と支部でそれだけ違いがあるのですね。

「彼らはアスリートとしてMMAをやっている選手たちとはマインドが違いますよね。アトランタのジムにはキューバ出身がいたり、ブラジル出身がいたり、アフリカにルーツがある選手がいたり、そういうメンバーが自分たちが持っているカルチャーの色を出すので、ジム内は虹色状態ですよね(笑)。

ABEMAの密着動画でも話したんですけど、米国の人たちはいい意味で『これ!』というものに囚われてない。プロレスとMMAを両方やる選手もいれば、俳優をやりながらMMAの試合に出ている選手もいて、自分がやりたいと思ったことをやる。そういうスタンスなんですね。だから僕も好き勝手にワガママになるという意味ではなく、自分がやりたいことをやっていこうと思いました」

――そんなオーディン選手が考えているやりたいことは何ですか。

「試合が終わった時に自分が何を感じているか。宇野さんと戦って何をやりたいと思うのか。その時の素直な気持ちに従っていきたいですね。僕は見ている人たちがワクワクするような対戦カード、そういう雰囲気で試合をするのが好きというか。自分がピンとくる相手やストーリー性がある相手…そういう試合をやることで格闘技を楽しんでいる部分があるんです。もちろんそこには強さの追及があって勝ち負けを競うのが当然なんですけど『あの人たちが殴り合ったらどうなるの?』とか、見ている人たちから『俺も格闘技をやってみたい』という気持ちを引き出せるような選手になっていきたいですね」

――修斗でランキングを上げて、チャンピオンになって…という道もあると思いますが、今はそういった具体的な考えはないですか。

「昔はあったんですけど、それを考えると自分が窮屈になるんですよ。それだったら目の前にあることに全力で取り組んで、そうすれば自分が進むべき道に進んでいくと思うから、今は宇野さんと全力で戦うことが全てです」

■視聴方法(予定)
11月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2023#07対戦カード

<修斗世界フライ級王座決定戦/5分5R>
山内渉(日本)
新井丈(日本)

<フェザー級/5分3R>
オーディン(日本)
宇野薫(韓国)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
杉本恵(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
吉成はるか(日本)
エンゼル☆志穂(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
竹原魁晟(日本)
浜松ヤマト(日本)

<バンタム級/5分3R>
ライダーHIRO(日本)
川北晏生(日本)

<バンタム級/5分2R>
江口諒(日本)
シモン・スズキ(日本)

<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
杉本静弥(日本)

<ライト級/5分2R>
エフェヴィガ雄志(日本)
後藤陽駆(日本)

<バンタム級/5分2R>
Jセロウ若林(日本)
中野剛貴(日本)

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【Shooto2023#07】同時2階級制覇へ、修斗を変えた男=新井丈─01─「修斗の方々の懐が深くて、感謝」

【写真】レギュレーションを変えたが、二階級制覇が成ったわけではないことは本人が一番理解しているはず(C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#07のメインで、修斗世界ストロー級王者の新井丈が、山内渉と空位の同フライ級王座を争う。
text by Shojiro Kameike

新井はかねてよりストロー級&フライ級の二階級同時制覇を宣言していたが、そこには修斗のルール面で大きな壁が立ちはだかっていた。もともと修斗のチャンピオンについては、以下の規定が存在していたのだ。

※ISC認定JSAルール 第26条【チャンピオン】
チャンピオンは1クラスに1名を置き、同一の者が同時に複数のクラスのチャンピオンになることは認めない。ただし、当該階級において暫定王者が認定試合により決定された場合は暫定王者を含め2名となる。上記の規定によりタイトルを保持したまま他のクラスのチャンピオンシップに出場することは出来ない。
(一般社団法人 日本修斗協会 公式サイトより。原文ママ)

つまり現状では新井がストロー級王座を保持したまま、フライ級のベルトに挑むことはできない。しかし、9月の後楽園ホール大会で、11月に山内と新井が空位のフライ級王座を賭けて戦うことは発表されていた。と、日本修斗協会は該当の項目を11月8日に改正し、10日より新ルールが適用されることとなった。改正内容は上記のルールから「同一の者が同時に複数のクラスのチャンピオンになることは認めない」「上記の規定によりタイトルを保持したまま他のクラスのチャンピオンシップに出場することは出来ない」の2文を削除――つまり新井は晴れて、ストロー級王者のままフライ級王座決定戦に出場することができることとなったのだ。

修斗が競技であるならば、競技はルールで成り立つもの。ルールを変えた新井は、修斗を変えた男といえる。そんな新井に改めてルール改正とフライ級王座決定戦について訊くとともに、今年7月の安芸柊斗戦について振り返ってもらった。


――修斗のルールを変えさせた男、新井丈選手です!

「アハハハ、変えてくれましたね。修斗関係者の方々の懐が深くて、感謝しています」

――フライ級に挑戦するうえで、ルールを変えてくれるとは思っていましたか。

「いや、そもそも――そういうルールがあるのを知らなくて(苦笑)。自分としては、ただただ戦い続けていたら『あぁ、コレはダメなんだ』と知ったぐらいでしたね。SNSとかでは関係ない人たちが横やりを入れてきたりとか」

――選手からも「自分の時には……」という意見が出ていました。

「選手がそれを言うのは恥ずかしいと思うんですよ。たとえば兄妹がいて『自分は何年生の時にお小遣いが何円だった。でも妹は今、それより多く貰っている』って言うようなものじゃないですか。今を生きている妹に文句を言っても――ねぇ(苦笑)。そんなの状況や背景によって変わってくるもので。じゃあ選手が『自分の時には……』と言ったとしても、当時に戻れるわけでもないですし」

――いずれにせよルールというのは時代に合わせて変化していくものですし、また変化せざるをえない面もあります。ただ、もしルールが変更されないままであれば、ストロー級王座を返上してフライ級の王座決定戦に挑むつもりだったのですか。

「最初に『複数階級のベルトを同時に保持してはいけない』というルールを聞いた時に自分でも、どうにかして二本のベルトを巻けないか考えました。まずフライ級1位の関口祐冬君を倒して、『もし王座決定戦をやるなら出るのは俺だろう』と言えるポジションにはいたと思うんです。そして試合を決めてもらって――ストロー級のベルトを返上することも頭にはありました。もうストロー級は、めぼしいヤツらは全員ブチのめしたので。自分としてはフライ級のベルトを獲ってから、ストロー級のベルトと併せて2つのベルトを両肩に掛けさせてもらえれば――それがたとえ一瞬であっても良かったです。その一瞬を写真に収めてもらえれば。そう思っていたらルールも改正されたので感謝しています」

――まさに新井選手の挑戦のためのルール改正……と聞けば、山内渉選手は怒るかもしれませんね。新井丈ありきで話が進んでいますから。

「いやぁ、それは分からないけど――俺としては何でも盛り上がったほうが良いと思うんですよ。ストロー級の俺が、階級の壁を超えてフライ級も巻き込んだほうが、修斗のためにもなるじゃないですか。お客さんも盛り上がると思うし。そうするとストロー級のコンテンダーたちにも火がつくでしょうしね。正直、『何も悪いことないじゃん』と考えていました。みんなWIN-WINだから、いつかルールは変わるかなと思っていましたね」

――11月12日の沖縄大会では、ストロー級のランカーたちが試合に出場していました。今はフライ級王座挑戦を控えている身として、そこまでストロー級の動きは気にしていませんか。

「沖縄大会のツイキャスPPVを購入して視ましたよ。でも――ランカー対決の2試合は判定決着でしたから。ああいうファイトスタイルで勝って自分との試合が実現したとしても、俺がノレないというか。『みんな競技としてMMAをやっているだけなんだ……』と思いましたね。もっといろんなものを背負って、リスクを負ってもフィニッシュを狙いに行ってほしかったです。旭那拳君、当真佳直君――試合を視たからこそ興味がなくなっちゃいました。12月2日の安芸柊斗×猿丸ジュンジ戦は面白そうですよね。あの試合は会場で観たいと思っています」

――MMAがスポーツである以上、競技としてMMAを戦うことは間違っていないと思います。しかし新井選手にとっては、それ以上のものが必要だということですね。今年7月の安芸戦はノレた試合だったのでしょうか。

「はい、あの試合はノレましたね。相手どうこうの前に、ベルトの初防衛戦っていうこともあって。それと安芸君はストロー級でナンバーワンのストライカーじゃないですか。もちろん俺を除けば、ね。だから前の試合は、自分もやり甲斐がありました」

――安芸戦では開始早々に、安芸選手の打撃を受けて意識が飛んでいたと聞きました。ご自身では、いつの段階で意識が飛んでいたのかは分かりますか。

「自分では開始10秒か20秒ぐらいに、ケージ際でヒザをもらった時だと思っていて。あるいはその次にもらった被せの右かもしれないです。いずれにしても序盤も序盤ですね」

――では、どのあたりから記憶があるのでしょうか。

「それが……控室に戻ってから、俺が大沢(ケンジHEARTS代表)さんに『今日って何月何日ですか?』と聞いたあたりからですね」

――控室に戻るまで意識は飛んでいたのですか! ということは、本人としては意識が飛んでいるなか、試合後にはマイクで喋っていたのですね。

「あとで映像を視ると、結構ちゃんと喋っていましたね(笑)」

――「安芸君の応援で四国から来てくれた熱い応援団に拍手をお願いします」とまでコメントしていました。意識がないなかで相手をKOするというのは、ファイターの本能だと思います。一方で意識がない状態なのに、安芸選手の応援団のことにまで気を遣えるというのは、本能としての優しさではないですか。

「アハハハ、言いすぎですよ。それはあんまり書かないほうが良いかもしれないですね」

――いえいえ、本能的に優しいというのは恰好良すぎます。

「すみませんね、恰好良すぎて(笑)。もうその話は止めましょう」

――アハハハ。そこで照れるのも男前です。話を戻すと、控室に戻るまで試合展開の記憶もなかったのですか。

「はい。俺も控室でセコンドに何度も『何で倒したんですか?』と訊いていました。一度聞いても、すぐに忘れちゃうんですよ。それだけダメージが残っていたのか――『何で倒したんですか?』、『そうですか』、『何で倒したんですか?』の繰り返しで(笑)。大沢さんからは『20~30回、同じことを訊かれたよ』と言われましたね。

そうしたら大沢さんと猿田洋祐さんが途中から、ふざけ始めて。『ジョー、今日は組んで勝ったよ』、『足関節で勝ったんだよ!』とか答えるんですよね。二人が悪い顔しているから、『これは嘘だな』って気づきましたけど」

――ただ、意識はなくても――意識がないからこそ、なのでしょうか。これまでの試合よりも頭を振って中に入り、パンチも上下に散らしていました。

「本当にそうですね。あとで試合映像を視ても、『ちゃんと練習でやっている動きが出ているわ』って思いました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2023#07対戦カード

<修斗世界フライ級王座決定戦/5分5R>
山内渉(日本)
新井丈(日本)

<フェザー級/5分3R>
オーディン(日本)
宇野薫(韓国)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
杉本恵(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
吉成はるか(日本)
エンゼル☆志穂(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
竹原魁晟(日本)
浜松ヤマト(日本)

<バンタム級/5分3R>
ライダーHIRO(日本)
川北晏生(日本)

<バンタム級/5分2R>
江口諒(日本)
シモン・スズキ(日本)

<フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
杉本静弥(日本)

<ライト級/5分2R>
エフェヴィガ雄志(日本)
後藤陽駆(日本)

<バンタム級/5分2R>
Jセロウ若林(日本)
中野剛貴(日本)

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MMA o ONE UFC パンクラス 修斗 宇野薫 岡見勇信

【修斗】岡見勇信 修斗初参戦!キム・ゼヨンガと対戦!

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12月2日に豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦 MOBSTYLES presents FIGHT&MOSHに岡見勇信(EXFIGHT)の参戦が発表されました。

日本ではDEMOLITION、D.O.G、パンクラスを主戦場にしてきた大ベテランの岡見は意外にも修斗初参戦。MMA戦績51戦、UFC、ONEにも参戦してきたレジェンドが42歳になって修斗に出場するバイタリティは凄いの一言。宇野薫といい、これが和術慧舟會のスピリットという事なのかもしれませんね。

かつてはUFCでアンデウソン・シウバの持つミドル級王座に挑戦した実績を持つ岡見も、ここ最近は負けが込んできた印象。昨年もONEでアウンラ・ンサンにパウンドアウトされており、アスリートとしては終盤に差し掛かっているのは間違いないでしょう。そんな岡見が修斗でどんな試合を見せてくれるのか。

対戦相手は韓国AFC・TFCミドル級王者の経験を持つキム・ゼヨンガ(NOVA MMA)。40歳で26勝15敗2分というMMA戦績を持つベテラン選手。アグレッシブに前に出るファイトスタイルのようなので、岡見はその突進を止める事が出来るかがカギになるでしょう。

突然降って湧いた日韓ベテラン対決は年末の修斗に深みを加える渋い一戦。久しぶりの岡見の日本での試合は見逃したくありません。
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【FIGHT&MOSH】修斗初参戦の岡見勇信がキム・ジェヨンと対戦、王者SASUKE×挑戦者 田中半蔵も決定

【写真】(C)ONE & MMAPLANET
2日(木)YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルにて、12月2日(土)に東京都江東区にある豊洲PITで開催される「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」の追加対戦カードが発表された。
Text by Takumi Nakamura

修斗をはじめ多くのファイターをサポートするスポーツギアブランド=MOBSTYLES(モブスタイル)と修斗がタッグを組んで開催する「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」。約3年9カ月ぶり・3度目の開催となる今大会では第1弾対戦カードとしてリオン武×内藤太尊、猿丸ジュンジ×安芸柊斗の2試合が発表されていた。

新たな追加カードとして修斗初参戦の岡見勇信とキム・ジェヨンの一戦が発表された。サステインの坂本一弘代表が「まさかこの選手が修斗のケージに上がってくれるとは思っていなかった」、MOBSTYLESの田原洋代表も「ライブハウスの大会にフェスが来た。(アーティストに例えると)矢沢永吉ですね」と話す岡見のサプライズ参戦となったが、これは岡見本人からリクエストがあったもの。


(C)ANGEL’S FC

対戦相手のジェヨンは極真出身、2004年からチーム・タックルでキャリアを開始したK-MMAのパイオニアで、2012年からはNOVA MMAに所属。

(C)ONE

韓国国内ではAngel’s FCとTOP FCでミドル級王座に就き、2018年にはロシアのACBにも参戦した猛者で、日本と韓国のMMAをけん引してきた「日韓レジェンド対決」(坂本代表)となった。

岡見にとっては昨年11月のオンラ・ンサンに敗れて以来の再起戦となり、日本のプロモーションでの試合は2016年7月のパンクラス参戦から実に7年5カ月振りとなる。動画内では岡見が修斗参戦への経緯、そして修斗で戦うことへの抱負を語った。

岡見勇信
「大先輩の宇野薫さんがチャンピオンになっていたり、慧舟會の先輩方が修斗に出ていて、セコンドや応援で何度も会場に足を運ばせてもらいました。ただファイターとしては縁がなく、僕も海外中心で戦ってきたのですが、いずれ日本で戦うときに修斗で戦ってみたいという気持ちは常々ありました。今、岩﨑大河選手がミドル級を引っ張っていて、こういう若い選手と戦うことに意義があるのかなと思い、坂本さんに『修斗で戦うことはできますか?』とお話させていただきました。

(ジェヨンは)歴戦の猛者、韓国らしく気持ちが強くて頑丈でどんどん前に出てくる選手だと思います。そんな相手と修斗で戦えることは光栄で、やりがいがあります。試合映像を見てそう感じました。気持ちの勝負が大きな割合を占めると思うし、こちらが気持ちでひくとドンドン出てくる選手です。気持ちを持ったつぶし合い、どちらが前に出られるかの勝負が一番大きいと思います。

(日本での試合について)緊張もすごくあり、ワクワクする感じもあります。1年間試合をしてなかったのですが、日本の舞台に帰ってくることが昔に戻るというか、また新しい冒険をするというか。42歳でこんなことやっていいのかなと思うんですけど(笑)、冒険という気持ちにさせていただけています。

(今後について)20代中盤の気持ちを持って戦っていこうと思います。選手としての終わりを考えるとか、そういうことはやめました。今出来る精一杯をやって、そこからら先が見えてくると思います。僕は今自分にすごく期待しています。引退するために試合する、最後に自分の試合を見てもらうとか、そういう感傷的なネガティブな気持ちは一切ないです。自分を信じて、自分に期待して、自分の背中を見せる。この先を見据えて戦いですが、全力でつぶし合いをします」

そして今大会のメインイベントとして修斗世界フェザー級タイトルマッチ、王者SASUKE×挑戦者 田中半蔵が決まった。Road to UFCで無念の2年連続敗退となったSASUKEは今回が2度目の防衛戦を迎えることなった。

田中は昨年5月に闘裸男・福岡大会でプロ修斗公式戦に約9年振りに参戦──結城大樹とロイベ・デ・オリベイラ・ネイトに連勝して王座挑戦のチャンスを掴んだ。両者は動画内でタイトル戦へ向けた意気込みを語った。

SASUKE
「対戦相手の候補が何人かいたのですが、チャンピオンである以上、ベルトをかけてやらないといけないと思い『防衛戦をやらせてください』と伝えました。(田中は)経験豊富なファイターで勝負どころが分かっていると思います。切れ味のあるストライカーだと思っていたのですが、最近の試合は勝負どころでは組みも出来る印象なので、スキルも高く侮れない相手だと思います。(田中は40代になっての挑戦だが)僕のジムには強い40代がいっぱいいるので、侮れないです。アグレッシブに戦って見ている人たちが退屈しないような、最後は立ち上がって手を叩くような試合をしたいです」

田中半蔵
「(SASUKEは)柔道出身で足技が上手くて一発があるので警戒しています。初の5Rなので、しっかり5Rかけて戦いたいと思います。年齢的に衰えているところもありますが、技術的に今が一番乗っています。今回は最後のチャンスだと思うので、チャンピオンになります」

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BELLATOR Gladiator o RIZIN VTJ VTJ2021 アレクセイ・インデンコ ムン・ジェフン 宇野薫 関鉄矢

ROAD FC066:メインイベント・キム・スーチョル vs. 原口央

バンタム級(63kg)トーナメント決勝戦

スーチョルはRIZINで扇久保に判定勝ち。昨年の大晦日はBellatorとの対抗戦にRIZIN代表として出場し、フアン・アーチュレッタにスプリット判定負け。トーナメント一回戦はロシアのアレクセイ・インデンコをギロチンで秒殺、準決勝はブラジルのブルーノ・アゼベドに判定勝ちして決勝進出。31歳。

原口はZSTでプロデビュー。GLADIATORフェザー級でタイトルを獲得すると、VTJ2021では宇野薫に判定勝ち。昨年RIZINで2戦するも、関鉄矢・中原に判定負け。今年からバンタムに落としている。一回戦でムン・ジェフンに判定勝ちし、8月の準決勝は相手の体重オーバーによる失格で不戦勝。28歳。

詰めるスーチョル。右。原口タックル。切ったスーチョルは首を抱えてギロチン。下になってディフェンスする原口。スーチョル放したがまたギロチン。ケージに押し込みながら絞める。かなりタイトだったが、また下になり外した。原口下から腕十字も、スーチョル肘を抜いてディフェンス。上になりがぶるスーチョルだが、原口スイッチで抜けてバックを取る。ケージ際でテイクダウン狙い。両足をホールドして寝かせようとする原口。スーチョル立ってスタンドバックに。スーチョルが正対したところで原口はリフトしテイクダウン。今度はスーチョルがガードから腕十字狙い。クラッチしてディフェンスする原口。蓮下。担ぎパスからバックに回った原口。ハーフバックから立ったスーチョル。またスタンドバックの体勢。キムラを狙う原口だが、スーチョルカウンターの腕十字。スッポ抜けてスーチョルががぶりの体勢。またギロチン。引き込んで絞めたがゴング。

2R。スーチョル飛び蹴り。ボディブロー。またタックルをがぶるスーチョル。しかしシングルレッグに入った原口。奥足を掴んで寝かせようとする。しかしスーチョルスイッチからバックに回った。原口前転して足関を狙うが、スーチョルクルスフィックスで押さえるとパウンド。足で押さえられていた腕を抜いたがマウントに移行するスーチョル。亀になり股下から抜けた原口がまたテイクダウン狙い。強引にバックを狙った原口だが立たれた。パンチを打ち込む原口。スーチョルも打ち返すがちょっとスピードが落ちている。ミドルをキャッチしてシングルレッグに入った原口だが、腹に膝をもらい一瞬効いた!スーチョルバックからパンチ連打。立った原口。両者やや疲れが見える。スーチョルの左が入り、一瞬遅れて原口ダウン!鉄槌連打!KO!

スーチョルがバンタム級トーナメント優勝。原口もレスリングで対抗し、パンチラッシュで攻める場面もあったが最後は力負けした。

負けた原口にもインタビュー。ここで取り返したいものがあるので来年リベンジしたい、そろそろスーチョルにスイッチを買ってあげてとコメント。

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ABEMA MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2023#07 VTJ VTJ2021 オーディン チャンネル ヤックル真吾 修斗 原口央 宇野薫 安芸柊斗 山内渉 新井丈 海外 結城大樹 関口祐冬

【Shooto2023#07】キャリア28年目の宇野薫、約2年ぶりの復帰戦でオーディンと対戦

【写真】宇野と対戦するオーディンはこの試合が修斗2戦目となる(C)MMAPLANET

11月19日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#07の追加対戦カードとして、オーディン×宇野薫のフェザー級戦が発表された。
Text by Takumi Nakamura


宇野は2021年11月「VTJ2021」での原口央戦以来、約2年ぶりの復帰戦。原口戦後の練習中に負傷し、試合から遠ざかることとなったが、2023年の修斗公式戦 後楽園大会の最終戦で復帰を果たす。

対戦相手のオーディンは柔道ベース&格闘DREAMERS出身、EXFIGHTやPOUND STORMで試合を重ね、ABEMA格闘チャンネル海外武者修行プロジェクトの5期生として、ATTのアトランタ支部で練習を重ねた。今年7月の修斗デビュー戦では、世界ランカーの結城大樹をパンチで追い込んでのマジョリティ判定で下し、早くもランキング3位に位置している。

プロキャリア28年目を迎える宇野×デビューから3年弱・キャリア3戦目にしてアメリカでの武者修行も経験しているオーディンという両者の対戦。またMMAでの3連敗を現役生活の節目と言い続けてきた宇野にとって、今回の試合は2連敗で迎える一戦=キャリア6度目の崖っぷちの一戦だ。

今大会では世界フライ級王座決定戦として同級1位・山内渉×ストロー級王者・新井丈も発表されている。

山内と新井は7月の修斗後楽園大会に揃って出場し、第8試合でヤックル真吾をKOした山内が新井との対戦をアピール。第10試合で安芸柊斗をKOしてストロー級王座防衛に成功した新井も山内との対戦に応じる姿勢を見せ、ストロー級&フライ級の二階級同時制覇を宣言していた。

フライ級ではランキング外の新井だが、昨年9月のストロー級王座戴冠後にフライ級で2試合を戦って連勝。今年3月には当時フライ級1位だった関口祐冬に勝利しており、事実上のフライ級トップコンテンダー同士の対戦と言える顔合わせだ。

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Colors MMA MMAPLANET o Shooto YouTube チャンネル パンクラス マモル リオン武 佐藤ルミナ 修斗 内藤太尊 内藤頌貴 坂本一弘 宇野薫 安芸柊斗 猿丸ジュンジ

【FIGHT&MOSH】修斗豊洲PIT大会でリオン武×内藤太尊、猿丸ジュンジ×安芸柊斗、マモル引退エキシが決定

【写真】3度目のMOBSTYLES興行には同ブランドにゆかりのあるファイターたちが集結することになる (C)サステイン

20日(水)YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルにて、12月2日(土)に東京都江東区にある豊洲PITで開催される「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」の第1弾対戦カードが発表された。

修斗初進出となる豊洲PIT大会は昼の部=女子修斗公式戦COLORS Produce by SHOOTO、夜の部=MOBSTYLES presents FIGHT&MOSHの昼夜興行で行われる。MOBSTYLES(モブスタイル)は修斗をはじめ多くのファイターをサポートするスポーツギアブランドで、約3年9カ月ぶりに修斗とタッグを組んで3度目の大会開催となった。


動画ではMOBSTYLESの田原洋代表、サステインの坂本一弘代表が揃って挨拶。「久しぶりに修斗と一緒に大会をやらせてもらえることを楽しみにしています」(田原)、「MOBSTYLESとゆかりがある選手がたくさん出てくると期待しています」(坂本代表)と語った。

そしてリオン武×内藤太尊、猿丸ジュンジ×安芸柊斗の2カードが発表された。リオンは2019年7月のデュアン・ヴァン・ヘルフォート戦以来の試合で、内藤も2021年5月に宇野薫にKO勝ちして以来の試合となる。このカードはリオンが田原代表からオファーを受けて出場を承諾。自ら内藤との対戦をリクエストし、決定したカードだという。動画ではリオンと内藤が揃って登場し、試合への意気込みを語った。

リオン武
「お久しぶりです。試合が久々なんですけど、練習はずっと続けていて、いつか使う時が来るだろうと思って刀は磨いていました。そしてMOBSTYLESの興行があるから出ないか?と言われて、それでバシッとスイッチが入りました。その時にもう一個スイッチが欲しいと思い、僕の修斗のルーツは佐藤ルミナなんで、その血を受け継ぐ選手とやりたいと思い『内藤選手とやらせてもらえないですか?』とお願いしました。

試合が決まってからいきなり練習での動きが変わり、心が身体を動かすんだと実感しています。僕はルミナさんとやらせてもらって、その時もこういう心境だったんですけど、時を経て、ルミナさんの現役最後を知る弟子と対戦させてもらえることをうれしく思います。佐藤ルミナで始まったストーリーがほぼ完結するのが佐藤ルミナの弟子で、色んな方に感謝して当日を迎えて太尊とぶっ飛ばし合いたいです」

内藤太尊
「大先輩のラブコールを受けないわけにはいかないです。修斗が作り上げてきた歴史を、宇野さんとやらせていただいた時のように、背負うものがたくさんあると思いますが、気負いせずに自分らしい試合をして、殴り合って会場が爆発するような試合をしたいです。(リオンは)バリバリストライキングが強くて、僕とはバチバチの試合ができると思います」

続いて発表されたのが猿丸×安芸の一戦。猿丸は2008年に安芸の父=安芸佳孝に勝利したという過去がある。動画に登場した猿丸が「前回の試合でプロとしての役目が終わって、現役は終わりでいいかなと思ったんですけど、MOBSTYLESにはずっとお世話になっているので出ないとなと思いました。親父と戦って、息子とやるのも面白いですし、僕もだいぶベテランになって、この俺を倒してみろという気持ちです」と語る。

徳島在住の安芸からは「これから先、もうやることないだろうと思っていた選手と、おそらく最初で最後になると思っているので、みなさんが楽しめるような面白い試合になればいいと思います」というメッセージが届いた。

なお今大会には内藤頌貴の出場が決定。また修斗で2階級制覇、パンクラス、KOTCでもベルトを巻いたマモルの引退エキシビションマッチも行われる。

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BELLATOR Bellator x RIZIN02 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN VTJ   イリマレイ・マクファーレン ライカ ヴェタ・アーティアガ 宇野薫 渡辺華奈

【Bellator x RIZIN02】渡辺華奈と対戦、ヴェタ・アーティアガ「殴られて当然。私は殴られることは怖くない」

【写真】とにかく明るく。フレンドリーな人でした (C)MMAPLANET

30日(日)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナでRIZINとBELLATORのOne day Two event制の大会=「超RIZIN02」が開催される。そして、5試合組まれたBellatorマッチでヴェタ・ヴェタ・アーティアガが渡辺華奈と対戦する。

元女子フライ級タイトルコンテンダーのアーティアガは、打撃で引かない喧嘩家のごときファイターだ。それでいて柔術で黒帯を巻き、ソフトなジェントルアーツかつ危険な技を駆使すると話す。

陽気で何事も動じない。そして一本を取らせない力の持ち主は、待望の日本での試合を前に既に気分が高揚しているような盛り上がりを見せていた。この勢いと前に出る力が合致すると、渡辺は母国で厳しい試合を強いられるかもしれない。


──今月末、渡辺華奈選手と日本で戦います。今の気持ちを教えてもらえますか(※取材は14日に行われた)。

「良い感じね。凄くエキサイティングしているわ。ずっと日本に行きたいと思っていたから」

──これまでマウンテンタイム・ゾーンで生活をしているヴェタはハワイを含め、時差は3時間という米国内で戦ってきました。対して日本とは15時間です。

「日本での試合に対しての準備は、自分のやるべきことやる。そこを第一にしているわ。もちろん時差のことは頭にいれているし、日本に到着して少しでも早く時差ボケをなくさないといけない。でも1日が過ぎることに楽になり、ファイトデーには関係なくなっているはずだから」

──既に体を動かす時間など、調整は始めていますか。

「私は午前、午後、夜と3度練習していて、それはいつも通りね。生活のリズムを崩して、いつも通りの練習ができないことの方が、時差ボケより良くないことだから。ところで今、ボイジーは午後1時45分だけど日本は何時なの?」

──午前4時45分です。

「えぇ!! ありがとう。こんな時間までインタビューをするのを待ってくれて!!」

──全然大丈夫です。日本のファンはヴェタのことを余り知らないのが現状で、こうやって米国にいるヴェタにインタビューできる機会をBellatorが与えてくれたわけですし。ヴェタはなぜMMAを戦うようになったのですか。

「20歳の時に本当に小さな町からボイジーに引っ越してきて、兄のフレディがMMAを戦っていたの。彼の練習を見に行って、楽しそうだったから習いたいと思って。それでクラスに出て、しばらくすると『1試合だけ経験しよう』っていう気持ちが芽生えてね。で、試合に出てみるると楽しくてしょうがなかった。あれからアマチュアの試合に出続けるようになったの。これを続けていると、私はどこに辿り着けるのかなって。で、15年が過ぎて日本で戦うことになったというわけ」

──まさにローング・ジャーニーですね。MMAを始める前に他に格闘技の経験はなかったのですか。

「ベースボールとバスケットボールをやっていただけで、マーシャルアーツの経験は全くなかったわ。逆にバックグラウンドがなかったから、打撃も寝技もできるファイターになれたと思う。パンチ力があり、プレッシャーをかけることができる。柔術は黒帯だしね」

──ところでプロで1試合をしただけで、Bellatorと契約しました。ビッグプロモーションとサインして、不安はなかったですか。

「ノー。心配なんてなかったわ。2試合目でBellatorで戦い、4試合目はTVカードだった。しかもサンノゼのSAPセンターなんていう大きな会場で!! Bellatorのような大きなプロモーションで戦い続けることができて、本当に感謝しているわ」

──柔術黒帯ということですが、柔術やノーギの試合も出ていたのでしょうか。

「MMAを始めたころ、もの凄く柔術の練習をしてグラップリングのトーナメントにも出ていたわ。柔術でもグラップリングでもメダルを取っているし。ただ、私の柔術はMMAのためにあって。柔術やグラップリングのためじゃないことは自分でも分かっている」

──対戦相手の渡辺選手は、柔道ベースで非常に力強い寝技の持ち主です。ヴェタとは違った類の寝技の使い手ですが、彼女のグラウンドでの攻撃力をどのように思っていますか。

「彼女は素晴らしい競技者よ。試合が寝技の展開になった時、良い攻防が見られるでしょうね。彼女の寝技はとてもパワフルで、私は柔術がベースだから、ソフトでジェントルアート。だけど危険なスタイルで戦うから。攻撃面だけでなく、ディフェンス面もキャンプで磨いてきたから準備はOKよ」

──過去に一本負けがない選手同士の対戦でもあります。

「カナの攻撃力は抜群よ。でも、大丈夫。私は自分の寝技に自信を持っているから。彼女が攻撃的だから、私がサブミットできる機会も巡ってくるんだし」

──渡辺選手は組でくることが予想できますが、そこでギロチンが勝負に影響を与えるかと。ヴェタのノーアームギロチンは、グリップの仕方に色々とバリエーションがあります。ギロチンが得意技と捉えて良いでしょうか。

「得意技の一つね。でもほかのサブミッションだって使えるし、RNC、ダース……も。ギロチンは頭を抱えた瞬間に、どれだけ深く入っているから感知できるの。グリップに関しては最初のグリップで極め切れそうにないなら、次を試す。練習で色々なパターンを試し続けてきたから、グリップの種類が多いことがギロチンの精度を高くするのは絶対よ。ギロチンには自信を持っているし、寝技全般に自信があるわ。

カナから打撃戦からテイクダウンを狙った来た時、どこの彼女の首があるのか。カナだって私にはギロチンがあることは分かって戦うわけだし。その状況を見て、自分のやるべきことをやるだけね。それに組む前に打撃の攻防があるわけだし、そこに関しては私の方が上。殴れば、彼女のミスを誘発できる。殴って勝つことが、私の勝利の方程式よ」

──ヴェタは渡辺選手より優れたストライカーというよりも、個人的には強いブロウラーという印象です。

「アハハハハハ。私は殴られることは怖くないから。だってファイトだから、殴られて当然。殴られても、前に出ていくわ。凄く痛いけどね(笑)」

──渡辺選手は4月にイリマレイ・マクファーレンに敗れましたが、試合内容で圧していたこともあり評価は落ちていないかと。ここで、彼女に勝つことでヴェタも2度目の王座挑戦が見えてくる。キャリアアップに向けて、この試合をどのように捉えていますか。

「私もハワイで負けた立場で、カナと戦えるチャンスを手にできた。彼女はランク3位だから、絶対に負けられないっていう気持ちでいるでしょうし。それに私はアンダードックよ。ただランキングもアンダードッグも気にしていない。日本に行って戦うだけ。カナのような強い相手と戦って勝利を続けることで、またタイトルショットを手にできると考えているから。それが私のやるべきことで、望んでいることよ」

──では日本での試合、楽しみにしています。確かに日本は渡辺選手のホームですが、ヴェタにブーイングが起こることは決してないはずなので。

「皆、私のことを愛してくれるってことよね(笑)。実は私をMMAに導いてくれた兄のフレディが日本で試合をしたことがあって」

──えっ、そうなのですか。

「そうよ、VTJで日本に行ってるの(※2014年2月のVTJ4th。フレディ・アルティーガの名前で来日し、カナ・ハイアットに判定負け)、コーチの一人もそうで(※ジェシー・ブロック。同大会で宇野薫と対戦)。この2人から、日本のMMAカルチャーのことは聞かされてきたから。2人とも『最高の経験ができた』って。凄くファイターをリスペクトしてくれて、歓迎してくれると聞いてきたから、私にもそうしてもらえると嬉しい。でもね、ブーイングがあっても平気よ(笑)。

とにかく日本で戦うことは凄く意味があって。この機会が訪れたことを、本当に素晴らしいと感じていて。私の精神も、日本での戦いを経験することで違う面が芽生えると信じている。そして日本のファンの皆に、私の持っている力の全てを見てもらいたいと思っているわ」

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o UFC YouTube   宇野薫

UFCファイトナイト・シャーロット:ホーゼンストライク vs. アウメイダ プレリム全試合をライブ配信

2023年5月14日(日)1時00分AM~ 
UFCファイトナイト・シャーロット:ホーゼンストライク vs. アウメイダを全6試合ライブ配信!

<メインカードはU-NEXTでご覧いただけます>
U-NEXTでの視聴はこちらから
https://www.video.unext.jp/livedetail/LIV0000001606?cid=D33377&rid=LIV0000001606&adid=XXX&utm_source=youtube&utm_medium=social&utm_campaign=youtube_title_others&utm_content=LIV0000001606

※ファイトナイトはUFC Fight Passと同じ日本語版を配信いたします。
実況:宮本賢一
解説:宇野薫

対戦カードは直前まで変更になる可能性があります。
大会詳細はUFC Japanオフィシャルサイトをご確認ください。
https://jp.ufc.com/data/event/1143

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