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【DEEP123】RTUからの復帰戦、魚井と対戦する小崎連の自己分析「僕って一番オイシイ相手じゃないですか」

8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123で、小崎連が魚井フルスイングと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

小崎にとっては今年5月、Road to UFC初戦でダールミス・チャウパスゥイに敗れて以来、7カ月ぶりの復帰戦となる。チャウパスゥイ戦では初回に3度のダウンを奪いながらも、2R以降に盛り返されて判定負け。初黒星を喫した小崎にとっては、再度UFCを目指すための重要なリスタートとなる試合だ。そんな小崎にRTUを感想を訊くと、魚井戦に向けた冷静で客観的な自己分析が返ってきた。


――RTU初戦敗退から約半年を経て、DEEPで復帰戦に臨みます。RTU後の展開については、どのように考えていたのでしょうか。

「いくつか選択肢はありました。DEEPさんで復帰戦をやらせてもらうか、KROSS X OVERでもう1回試合をやらせてもらうか。主な選択肢は、その2つでした」

――結果、DEEPで復帰戦を行うことになった要因は何だったのですか。

「良いオファーを頂いたからですね。魚井フルスイング選手という名前があるファイターで、ここで勝てば僕にとっては凄くオイシイ話ですし。これはチャンスだな、と思ってオファーを受けさせていただきました」

――DEEPの1週間後となる15日にはKROSS X OVERのプロ大会が行われます。しかも通常の大会より規模が大きいですよね。

「そうですね。毎回プロの試合は行われていますが、14日がアマチュアで15日がプロと、2日間に分けて開催されるのは初めてだと思います。規模としては大がかりな大会です」

――リバーサル久喜&KROSS X OVERの島村直希代表からすれば、その15日のKROSS X OVERで小崎選手の復帰戦を組みたいと考えるかもしれません。

「そうだと思います。そんななかで僕のためにDEEPの試合を選ばせてくれて、本当にありがたいです」

――同時にジムの中も大変ですよね。2週続いて、これだけ試合があると……。

「はい(笑)。僕も自分の試合が終わったら、すぐ大会やチームメイトのお手伝いをさせていただきます」

――チームメイトと練習のピークの時期が少し違うだけでも、小崎選手の調整には影響を及ぼしませんか。

「そこは良い感じでやってもらっていて、僕だけじゃなく皆が良いように練習できています。僕自身もバッチリですね。このインタビュー直前まで練習していたんですけど、すごく良い動きができているので問題ないです」

――確かにリモートの画面越しでも、まず肌の状態を見るかぎりコンディションが良いことは分かります。減量も順調ということですね。

「そうなんですよ。今回は結構前から体重調整も準備していて、あとは計量前日に水抜きで落とすだけ――というぐらいの状態になっています。だからコンディションも凄く良いですね」

――試合前のインタビューでも仰っていたとおり、RTUは小崎選手のキャリアにとって初の大舞台です。そのなかで小崎選手が落ち着いた表情で試合を迎えていることが印象的でした。

「あまり覚えていないんですけど――特に変な緊張感もなくて。環境が変わったからといって浮足立ってしまう、ということもなかったですね。普通に、いつもどおりの感じで試合に臨むことはできました」

――試合では右ストレートを当て、ダウンを奪い続けました。あの展開はイメージどおりだったのか、あるいはイメージ以上ではなかったですか。

「右を当てるのはイメージどおりでした。でも、もっとうまく左を使って最終的に右を当てるというプランだったんです」

――3度ダウンを奪いながらも倒し切れなかった。それは左をうまく使えておらず、右が当たっても完全にKOするような手応えは感じていなかったのでしょうか。

「それもあるとは思いますけど、失神させるような当たりではなく、すべてフラッシュダウンのような感じだったじゃないですか。自分の中でも『これでは倒れないな。でも効かせることはできたのかな』と思っていて。あの時に『これは効いている。もっと行けば倒せる』という感覚があれば、そこで倒しに行っていました。だけど全てが中途半端な当たり具合で、結果的にも中途半端になってしまいましたね」

――2R以降はセコンドから「一発を狙いすぎるな!」という指示が飛んでいました。

「1Rに右が当たっても倒せていない。だから2Rからは『もっと頑張らないと!』と考えて狙いすぎになり、大振りになったところで組まれて、そのまま僕が下になって漬けられてしまいました。1Rが想定以上にうまく行っちゃったんですよ(苦笑)。

だから相手は打撃戦じゃなく組みに来ることも分かっていたのに、自分が大振りになってしまって。より相手に戦いやすい状況を与えることになりました。試合を振り返ると、それがダメだったポイントですね」

――一方で、倒されてから立ち上がる能力の高さは見せつけていたと思います。

「ありがとうございます。でも僕としては『そんなに……』なんですよ」

――というと?

「まずは倒されず、離してから打撃を当てないといけない場面が多かったからですね。なのに、ただ寝かされて立ち上がる、寝かされて立ち上がるということを繰り返しただけでは、勝ちには繋がらないじゃないですか。僕としてはまずテイクダウンされずに、相手にとって嫌なことをやり続けたかったです」

――なるほど。ディフェンスからオフェンスに繋げることができていなければ意味はないわけで。

「2R以降は僕がディフェンス一辺倒になってしまいましたからね。それはあの試合を経て、課題として見えてきた部分です。RTUが終わってからは、まずフィジカルトレーニングに取り組み始めました。それと、ただ倒されない、ただ立ち上がるというだけではなく、その次に繋げるための練習を強化しています」

――試合前のインタビューでは「Road to UFCに出ることで自分のことを知ってくれる人は多い」と仰っていました。ではRTUで自分のことを知ってもらうチャンスをチャンスを生かすことができたのか。あるいはUFCと契約する大きなチャンスを逃してしまったのか。どちらの気持ちのほうが大きいですか。

「正直言うと、両方です。やり方次第では勝てる試合でした。でも勝てる試合を落としてしまったことで、後悔もあります。でも試合を視た人からは『負けたけど良かった』という声も多くて、僕のことを知ってもらうことはできたんじゃないかと思います。だから、両方ですね」

――もちろん勝てば、どちらのチャンスもモノにできていたでしょう。これは「たられば」ですが、RTU初戦で惨敗していれば、復帰戦の扱われ方も……。

「アハハハ、それはそうだと思います。逆にあの試合内容だったからこそ――もう僕が絶対に勝つと思われるようなマッチメイクはないだろうと考えています。他の選手からすれば、僕って一番オイシイ相手じゃないですか。逆の立場だったら自分はそう思いますよ(笑)。

だからしっかり練習していないと、僕は越えられる壁が越えられない。反対に僕が越えられてしまう。だからRTUで負けたあと、『より一層頑張らないといけない』って気が引き締まりました」

――負けたけれども、あの試合内容を見せた小崎連を倒せば自分の名前が上がる。魚井選手こそ今、最もそんな試合を欲しているファイターの一人でしょう。

「魚井選手はMMAで4連敗していて、9月にようやく連敗を脱している。そこで次の試合を落としたら、今後のキャリアが危うくなる立ち位置ですよね。でも勝てば、もう一度上に行くことができる。だから相手も死に物狂いで立ち向かってくることは自覚しています。

僕も同じです。この試合で負けたら――もう後がない、というわけではないと思います。だけど負けたら、UFCへの道にもう一度最初から並び直さないといけないですよね。レコード的には2連敗になると、国内のプロモーターも使いづらくなるでしょうし」

――えっ!? 使いづらくなるでしょうか。

「だって、プロモーターからすれば『RTUであの試合をしておいて、ここで負けるのか』と思うじゃないですか」

――あぁ、なるほど。確かに『負けたけど良い試合』の直後はキツイだろうと思います。内容や結果によっては「あの試合はまぐれだったのか」と思われるかもしれませんし。

「そうなんですよ! それが一番嫌です(笑)。やっぱりRTUに対しても、初戦敗退のままでは終われないと思っています。もう一度RTUに出るためにも次の試合は落とせないし、それこそ『この選手に勝てば来年のRTUにエントリーできる』という相手と対戦する必要もあると思っています。

RTUに出るためにはレコードが重要になるじゃないですか。ただ勝っているだけではダメで。今年初戦敗退の選手が来年も出るためには、それだけの相手に勝たないといけない。来年だけじゃなく再来年に開催されるとしても……」

――はい。

「UFCと契約するためにはレコードもそうですけど、年齢も大切ですよね。契約するだけでなく、その後も勝ち続けていくことも考えると。もし結果が良くなくても、つくり直すこともできる。だから早く挑戦できることは、どんどん挑戦したいです。もちろんそのためには毎試合、とんでもない相手と組まれるかもしれないけど、それはファイターなら仕方のないことだと思いますし。

次の魚井選手も、僕にとっては越えなくてはならない高い壁です。RTUが終わって半年――そろそろ自分のことも忘れられている頃だと思うので、ここで魚井選手に勝って僕の存在を証明します」

■DEEP123 視聴方法(予定)
12月8日(日)
午後5時05分~ YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■DEEP123 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
芦田崇宏(日本)

<バンタム級/5分3R>
ソン・ジンス(韓国)
CORO(日本)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
宇佐美正パトリック(日本)

<フライ級/5分3R>
本田良介(日本)
関原翔(日本)

<ストロー級/5分3R>
越智晴雄(日本)
多湖力翔(日本)

<ライト級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
山田聖真(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
GINJI(日本)

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
小崎連(日本)

<フェザー級/5分2R>
安井飛馬(日本)
牧野滉風(日本)

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【DEEP122】計量よもやま話。佐伯代表とマッチメイク談義「今回はうちの流れと違うところで創った大会」

【写真】佐伯代表が「もう一つパンチが足りないと思って」組んだ長谷川×酒井。(ビジュアル込みの)階級的にも今大会に厚みをもたらす一戦となった

明日4日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP122の計量が新宿区のホテルローズガーデン新宿で行われた。
Text by Takumi Nakamura


神龍誠×KENTAをメインイベントに本戦8試合が行われるDEEP122は、出場全選手が最初の計量でリミットをクリア。メガトン級契約ながら、100kgまでの減量を目標に掲げていた長谷川賢はTシャル&デニム着用で112.60キロという結果となり「110キロからなかなか落ちなかったんですよ…」とつぶやいていた。

5月、7月、9月と3大会連続で後楽園を前売り完売にしているDEEP。12月のニューピアホール大会=DEEP123も青井人×芦田崇宏、ソン・ジンス×CORO、西川大和×宇佐美正パトリック、本田良介×関原翔などニューピア大会とは思えない豪華カードが発表されている。

好調さが伝わってくるDEEPだが、今大会のラインナップは普段のDEEPとは若干趣が違うという。計量後に佐伯繁代表とかわしたちょっとディープなマッチメイク談義をお届けしよう。

「僕らの仕事って目前の大会だけじゃなく、その先の大会も見て仕事するじゃないですか。だから『今度の大会、カードがいいですね!』と言ってもらえるのは大会一カ月前で、どんどん話題が進んじゃうんですよね。

明日大会があるのに、感覚的には『12月の西川×宇佐美、いいね』になっちゃう。だから改めてそれを目の前の大会に戻す必要がありますよね。ここで気が緩んじゃうのは絶対に良くないし、ちゃんと明日をいい大会にしようと思いました。それもおかげさまでチケットがよく売れてるからなんですけど。

それでいくと11月大会は、久々にマッチメイクに苦労したというか。毎年12月の大会はマッチメイクが難しいんですよ。みんな大晦日を狙っているから。でも今年はたまたま12月で声をかけていた選手がみんな12月でハマって、逆に『11月にどうしよう?』となったんです。それで久々にこちらから色んな選手に『11月はどう?』って声をかけて試合を組みました。

うち(DEEP)にはうちの流れがあって、その流れで試合が決まっていくから、そろそろあの選手とあの選手がやらせようっていうのが自然に見えてくるんです。でも今回の神龍(誠)やケイト(・ロータス)は大晦日のRIZINを見据えての参戦だし、延期になった後藤丈治くんとマンド・グティエレスは初参戦同士の試合じゃないですか。

今回はDEEPの流れや物語とは違うところで、こちらで創ったマッチメイク・大会になってますよね。その中でも(平本)丈くんが出てくれたり、もう一つパンチが足りないと思ったからハセケン(長谷川賢)を口説いたりして、結果的にいい大会になったと言われるのはありがたいです」

ちなみに佐伯代表のもとには試合をしたいという選手のリクエストが殺到。また佐伯代表の「フューチャーキング(トーナメント)から出てきた若い選手を使う」「地方で結果を出した選手を東京に呼ぶ」姿勢は変わらずで、選手そのものの数も増えているという。

「選手が増えてくれるのはありがたいんだけど……みんな『1月・2月に大会やらないんですか?』と言ってきて、そこくらいは休ませてよ!」と嬉しい悲鳴もあげていた。

なおMMAPLANET恒例の握手率は本戦8試合中2試合=25%となっている。

■視聴方法(予定)
11月4日(月・祝)
午後5時30分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■DEEP122 対戦カード

<フライ級/5分3R>
神龍誠:57.15キロ
KENTA:57.15キロ

<メガトン級/5分3R>
長谷川賢:112.60キロ
酒井リョウ:108.30キロ

<女子50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス:49.75キロ
月井準南:49.80キロ

<ライトヘビー級/5分2R>
ANIMAL☆KOJI:92.10キロ
SAINT:92.20キロ

<フライ級/5分2R>
木村琉音:57.20キロ
平本丈:57.05キロ

<73キロ契約/5分2R>
近藤有己:72.50キロ
毛利昭彦:71.10キロ

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾:67.75キロ
水野新太:67.95キロ

<68キロ契約/5分2R>
ケンヤスキー:68.00キロ
立成洋太:67.85キロ

<アマS・フェザー級/3分2R>
赤田プレイボウイ功輝:66.00キロ
鳥次亜流:66.10キロ

<アマS・フェザー級/3分2R>
鈴木大晟:65.70キロ
有馬雄生:66.30キロ

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DEEP MMA o PFL RIZIN UFC “ブラックパンサー”ベイノア ニュース ブラック ボクシング ライカ 修斗 宇佐美正パトリック 西川大和

【DEEP】西川大和電撃参戦!宇佐美正パトリックと激突!

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気がつけば2024年も10月後半。そろそろRIZINの大晦日大会が気になる頃ですが、それよりも前に格闘技ファンにとってのビッグニュースが飛び込んできました。12月8日にニューピアホールで開催されるDEEP 123 IMPACTに西川大和が参戦する事が発表されました。

西川はPFCなどを中心に経験を積んで修斗参戦後は連勝街道を爆進。ライト級王座を戴冠すると、トラブルで試合は行われなかったもののUFCと契約した日本MMA期待のZ世代の1人。最近ではPFLに参戦したものの2連敗を喫し、その後はムエタイの試合に出場するなどちょっと変わった動きを見せており、今後の進路に注目が集まっていました。

それがなんとDEEPに参戦。この流れはめちゃくちゃ熱い。どういう契約かはわかりませんが、結果次第ではその道は自ずとRIZINに続いているのは間違いないでしょう。30試合以上こなしているのにまだ21歳という若さは最大の魅力。しかもグラウンドで下から肘を乱射するなどセオリーを無視した破天荒なファイトスタイルも妙味。まだまだ成長するポテンシャルを秘めています。再ブレイクの期待大。

それに待ったをかける相手がまたすごい。いきなり宇佐美正パトリック(クレイス)をぶつけてきました。しかもDEEPで。。。これはもう贅沢な話です。ボクシング高校6冠を引っ提げたバキバキのストライカー。グラウンドに難があり、勝ち切れない試合が散見されますが、RISEで活躍するストライカー“ブラックパンサー”ベイノアをKOした打撃は魅力が詰まっています。

宇佐美は当然スタンド勝負を挑むはずですが、西川は打撃で応戦するのか、グラウンドに持ち込むかが勝負の分かれ目。打撃戦だと宇佐美、寝たら西川と見ていますが、果たしてどう出るのか興味は尽きません。もし西川が圧倒するよだと、RIZINライト級戦線が騒がしくなる事必至。面白くなってきました。
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45 DEEP DEEP JEWELS o 宇佐美正パトリック 芦田崇宏 西川大和 青井人

【DEEP123】西川大和vs宇佐美正パトリック 青井人vs芦田崇宏が決定

523: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/10/25(金) 18:02:00.34 ID:PlUatvtZ0
超DEEP爆誕



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【DEEP123】ソン・ジンスが65カ月振りの復帰。西川✖パト+本田×関原+小崎連&青井等→3回戦が8試合!!! 

【写真】あの強さが健在なら、即タイトル戦線=ソン・ジンス (C)DEEP

25日(金)、DEEPより12月8日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123 IMPACTの対戦カードが発表され──これがニューピア大会かと思うほど、面子が揃いDEEPの好調さが堅持されていることが伺えるラインナップとなっている。
Text by Manabu Takashima

まずフェザー級チャンピオン青井人が、Combate Global帰りの芦田崇宏をノンタイトルで迎え撃つ。3月の王座奪取以来、青井の9カ月ぶりのファイトは現在MMAで3連敗中のベテランとの対戦に。芦田としては2年と40日ぶりの勝利を挙げて、2024年の最後に大まくりを狙うファイトとなった。

そしてバンタム級では元王者でUFCにステップアップ、リリース後は学業に集中していたソン・ジンスが実に5年5カ月ぶりに実戦復帰を果たしCOROと戦う。UFCでは2敗という結果に終わったもののピョートル・ヤン、マリオ・バウティスタとの激闘はいずれもファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しているソン・ジンス。

20日のRING Championshipが実施したアマ大会で、チームメイトのセコンドに就く姿が確認されており、相当に体が大きかった。減量も含め実戦の勘という部分をどれだけ取り戻せることができるのかが、大きくパフォーマンスに影響するだろう。


さらにライト級で西川大和と宇佐美正パトリックが、DEEP初参戦同士ながらタイトルに大きく関係してくること間違いない一騎打ちを行うことに。パトとしては真っ向勝負、西川はそれを受け止めて打撃でいくのか、引き込み上等の西川ワールドを2年3カ月振りの国内でのファイトで披露するのか。非常に興味深いマッチアップだ。

フライ級にはタイガームエタイ所属の本田良介が、昨年のフライ級GP決勝以来の国内復帰戦へ。ONE FFで中央アジアやロシアの圧を知った経験を──MMA復帰後、スタイルチェンジを果たした関原翔を相手に見せつけることができるか。一発の極めを身に着けた関原もベルトを狙うためにも、最高の相手に挑むことになる。

さらには9月大会でDEEP初陣を飾った中務修良が、チャンピオン越智晴雄とノンタイトルで戦うストロー級の一戦。バンタム級でRoad to UFC帰りの小崎連が、魚井フルスイングと。高橋遼伍もGINJIを相手にDEEPでデビューを飾り、神田コウヤはライト級で山田聖真と仕切り直しへ。

実に3回戦が8試合「1、2、3、DEEP!!」という佐伯さんの掛け声が聞こえてきそうな──特別仕様のDEEP123@ニューピアホール大会だ。

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RIZIN.48:セミ・メイン以外の試合の感想

カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

打撃戦なら木下にも勝機はある…なんてことはなくて、普通にダウトベックが打ち合いで意識を飛ばしてKO勝ち。木下自身が言うように、他の選手がダウトベックを拒否した上で回ってきた試合なのだとしたら、ランキングは上がらず実力的には怖い相手という印象がさらに増してしまっただけの結果で、ダウトベックはますます避けられる存在になりそう。さすがに次に外国人同士で組むのは露骨すぎるだろう。

新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー

ズールーが打撃を効かせてのKO勝ち。ストローから上げてきた新井と、近年バンタムでも戦ってきたズールー。新井は筋力増量したと言っても、単純に体格に差があった。前回は激闘からブランクを開けずに出てきてしまったので、ダメージが抜けていなかったという事情があったが、今回の効かされ方を見ていると、若くして早くもダメージの蓄積が感じられる内容だった。

KO勝ちしたズールーについては、やはりそこまでの実力の選手とは思えなかったが、派手な打ち合いをしてくれそうだし、初手でインパクトは残せたので、今後も若手の壁としての役割がちょうど良さそう。年齢的にもUFCが取るとも思えず、いなくなる心配もない。

金太郎 vs. 秋元強真

テイクダウンしたら金太郎にも勝機はありそうだったが、凌いで打撃を入れた秋元の1RKO勝ち。まずは今後もこのクラスの、コロナ禍で外国人枠が空いたおかげでメインストリームに入っていたことがあるレベルの相手を刈っていって経験を積むのが良いのでは。

金太郎はATT所属になって鍛え直したと言っても、30歳を過ぎてそこまで短期間で飛躍的に実力が上がるはずもなく。ていのいい咬ませ犬の役割が精一杯。それにしても18歳相手に完敗というのは、言い訳が全く出来ないし、あまりにも残酷すぎる。今後は関西大会限定キャラとして使うしかなさそう。

萩原京平 vs. 高木凌

高木がタックルを仕掛けた時点で、打撃戦を避けての展開だったので、これは萩原の勝ちかと思ったが、高木レベルの組みもしのげずにチョークで一本負け。とどめにDV騒動の報道まで出る始末。まあ今さら影響することもなさそうだが。さすがに相手のレベルを高木クラスまで落として勝てないようでは、咬ませ犬としての役割も厳しいし、金太郎同様、関西大会ご当地枠になるのが関の山か。

高木は2連続フィニッシュ勝利ではあるが、2連戦とも相手ありきのマッチメイクだったので、これでRIZINが推してくれるかは微妙なところ。結局中堅外国人相手には手も足も出ないという実力は変わっておらず、上位と当てられると厳しい。ダウトベックのような地味強の踏み台にされそう。

矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック

海外のオッズでは宇佐美がフェイバリットになっているところもあったが、矢地が順当に勝利。しかし矢地の強さを見せたと言うより、宇佐美がまだこのレベルではなかったというのを見せただけで、評価が上がる内容ではなかった。タイトル戦線の海外勢の相手は厳しいので、フィーダーショー王者クラスの野村・ヤン坊・大原あたりとの対戦が見てみたいが、わざわざRIZINで矢地のために組むカードなのかという疑問も残る。

宇佐美もまた、矢地クラスの前に適当な踏み台の実力の相手との対戦が必要なところだったが、前回のように実質セミリタイアしていた徳留のような相手を毎回連れてくるわけにもいかないし、宇佐美自身がDEEPクラスで経験を積んだほうが良いと思える。

牛久絢太郎 vs. 佐藤将

またも僅差の試合になった将光だが、終盤のギロチンの印象もあり勝利。実際にこれがジャッジで評価されたかは不明だが、観客に勝ったという印象は残した。トップクラスが相手だから仕方ないが、毎回僅差の試合になる。王者井上には敗れているし、次の相手が難しくなりそう。

その将光に敗れてしまった牛久はさらに難しい状況に。太田戦に比べれば動きは悪くなかったが、やはりフィジカルを落として階級を下げる判断が、選手としての魅力も下げているように見えてしまう。

伊澤星花 vs. 浅倉カンナ

伊澤が危なげなく勝利。もとより勝負論がある組み合わせではなかったが。RIZINではパウンド・フォー・パウンドと言ってもいい実力を見せてはいるが、それに値する相手がいないのが残念。UFCにない階級だけに、アメリカのこの階級のトップは階級を上げてストローで戦ってしまう。伊澤は海外への挑戦よりもRIZINを盛り上げたい意向を示しているが、伊澤が強すぎるが故に盛り上がっていないのが実情。

浅倉は当時の絶対王者浜崎をあと一歩のところまで追い込み、年齢的に次の対戦では超えられそうだったが、その前に同い年の伊澤に先を越されてしまった。RIZIN初参戦時には、修斗パンクラスJEWELSでは前座クラスで、抜擢されたのは実力ではなく「現役JK」という当時の肩書きありきだったが、その後王者にまで昇りつめた。昇りつめてしまったために、目標がなくなってモチベーションが上がらなくなってしまったのかもしれない。王座から陥落後、JEWELSに降りてきて、当時の王者前澤を圧倒した試合が一番印象に残っている。

RIZIN LANDMARK10カード発表

浜崎朱加 vs. シン・ユリ

42歳で2年ぶり復帰の浜崎。相手はビジュアル枠のシン・ユリ。厳しい試合が続いてきたので、調整試合的なカードになるのは仕方がないが、一度実力の世界を構築したRIZIN女子が、またキャラ先行階級になってきてはいないか。

昇侍 vs. 芦澤竜誠

昇侍も41歳で2年以上のブランク。以前、ジヨン戦で負傷した腕の経過が思わしくなく復帰できないとSNSで報告していたが、大丈夫なのだろうか。

イゴール・タナベ、ヘビー級転向

ウェルターの減量が厳しいタナベが、ミドルやライトヘビーではなくヘビー級に。まあウェルターへの減量が厳しい時点で、通常体重は100kgくらいあるだろうし、減量ではなく増量すればRIZINヘビー級でも戦えるだろう。ナチュラスーパーヘビー級で技術もあるような、階級トップとの試合は厳しいが。同時に、タナベありきで存続していたRIZINウェルター級の終了のお知らせかもしれない。

フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ

もともと差があるマッチメイクと思っていたところで、アーチュレッタが体重超過。勝っても公式記録にならず、試合のモチベーションはさらに低下してしまい(もともと大幅超過する時点であまりないのかもしれないが)、内容も見どころなくシェイドゥラエフ勝利。北米MMAでの厳しい競争をするより、Bellator王者の肩書きを世界一大事にしてくれるJMMAで戦うことを選択したエンジョイ勢なのかもしれないが、最低限のルールを守れないのは厳しい。

シェイドゥラエフは完勝したが、榊原代表は「ダメージがないから11月の名古屋大会出場」とコメント。地方大会だと集客力がある日本人選手との対戦はなさそうだし、勝ってもタイミング的に大晦日に出られなくなってしまうのがもったいない。

元谷友貴 vs. 太田忍

一番意外だった試合結果。太田は将光戦といい、ベテラン相手だとうまくいなされてしまうのか。もっとレスリングでゴリゴリ削っていくと思っていたので、レスリングで攻めさせず、打撃で削りながら、最後はスクランブルに持ち込んでチョークを決めたのが見事だった。前回の井上戦は1Rチョークで敗れたが、実力を出し切ったとは思えなかったので、王座戦での再戦が見てみたい。ただ、前回大晦日で負けたヴィンス・モラレスが、同日のUFCの前座で完敗していたので、選手が抜けて階級全体が底下げされている感は否めない。

太田はまたもや今後使いにくくなる敗戦。前回のBellator出陣は、直前で相手が欠場して、階級下でRIZINに出ているより下のレベルの外国人との対戦になってしまったので、またBellatorに出て、今度はちゃんとトップクラスの選手との対戦が見てみたい。

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2つの王座戦でRIZIN”新章”が開幕。

ライト級王者で柔術スパーエリートのホベルト・サトシ・ソウザに挑むのは、
現在4連勝中で勢いの乗るルイス・グスタボ。悲願のベルト奪取は叶うのか。

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その他、リベンジに燃える悪童こと萩原京平、今回で現役を引退を決意した浅倉カンナ、前戦では苦杯を喫した元谷を相手に再戦に挑む太田忍、朝倉未来の弟子として「格闘代理戦争」でアラン“ヒロ”ヤマニハに快勝した秋元強真など豪華選手が一挙に集結!

最強戦線、RIZINの新たな門出を、その目に焼き付けよう。

▼対戦カード
メインイベント
ライト級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)
ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ルイス・グスタボ

第10試合
バンタム級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
井上直樹 vs. キム・スーチョル

第9試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
元谷友貴 vs. 太田忍

第8試合
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ

第7試合
RIZIN MMAルール:5分3R(49.0kg)
伊澤星花 vs. 浅倉カンナ

第6試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
牛久絢太郎 vs. 佐藤将光

第5試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック

第4試合
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
萩原京平 vs. 高木凌

第3試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
金太郎 vs. 秋元強真

第2試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(57.0kg)
新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー

第1試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

#ABEMA #RIZIN #アベマRIZIN #RIZIN48
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45 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN48 宇佐美正パトリック 矢地祐介

【RIZIN48】矢地がTDのアタックを続けて、3Rにマウント奪取で猛攻。宇佐美から判定勝利をもぎとる

<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
Def.3-0
宇佐美正パトリック(日本)

サウスポーの矢地がステップを踏んでシングルレッグに入る。ここでアイポークで起こって一旦ブレイクとなる。再開後、矢地は上下にフェイントを入れてシングルレッグからテイクダウンを奪うと、宇佐美もすぐに立ち上がる。試合がスタンドに戻ると、矢地が左ストレートで前進。ジャブを見せて四つで組みつくと、宇佐美が矢地をコーナーに押し込んで離れる。距離が離れると宇佐美が右フック、打撃のプレッシャーをかける。

矢地も左ストレートから右フック。宇佐美が右のロングフック、矢地は宇佐美の左フックにシングルレッグを合わせてテイクダウンする。宇佐美がギロチンを狙い、この形が長く続いたが、矢地が頭を抜いて右のパウンド、インサイドガードからヒジを落とす。矢地は立とうとする宇佐美を寝かせ、再びヒジを落とした。

2R、いきなり矢地が組みついていくが、宇佐美はそれを突き放す。矢地が左右のフックで前に出ると、宇佐美が右フックを返す。矢地は足への右前蹴りと左ストレート、宇佐美もジャブを返して、矢地が入ってくるところに左フックを狙う。矢地は左の前蹴りと右フック、組みを見せつつ左ストレートを打つ。

宇佐美は距離を取りながらインロー。矢地はシングルレッグのフェイントも見せ、アウトロー、細かいフェイントを入れて左ハイにつなげる。宇佐美は前蹴りで距離を取り、矢地は宇佐美を下がらせて右フック。組みつこうとするが距離が遠い。矢地が右フックを見せると、宇佐美も左フックを返す。終了間際、矢地がシングルレッグから宇佐美の左足を持ち上げてテイクダウンする。

3R、矢地は右手を伸ばして左の前蹴り、宇佐美もジャブを伸ばして前に出ていくが、矢地がシングルレッグでテイクダウンを奪う。宇佐美が1Rに続いてギロチンを狙い、矢地が頭を抜いてサイドポジションで抑え込む。宇佐美が体を起こして立ち上がろうとすると、矢地はバックを狙いつつ、再び宇佐美を寝かせる。

インサイドガードの矢地は細かくパンチを入れ、宇佐美の左足を超えてハーフガードでトップキープする。ここから矢地はマウントに移行し、体を起こしてパンチを落とす。下から宇佐美がホールディングすると、矢地は顔を突き放すようにヒジを入れ、最後は背筋を伸ばしてパンチを落とし続けた。このまま試合終了となり、矢地が判定勝利を収めた。


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o RIZIN RIZIN48 YouTube エンカジムーロ・ズールー カルシャガ・ダウトベック キム・スーチョル ホベルト・サトシ・ソウザ ラジャブアリ・シェイドゥラエフ ルイス・グスタボ 井上直樹 伊澤星花 佐藤将光 元谷友貴 太田忍 宇佐美正パトリック 新井丈 朝倉海 木下カラテ 浅倉カンナ 牛久絢太郎 矢地祐介 秋元強真 萩原京平 金太郎 高木凌

【RIZIN.48】アーチュレッタ、“盟友”朝倉海とのコンタクト&クレベル戦でのケガの状況を明かす “強敵”シェイドゥラエフ戦に意気込み 『RIZIN.48』試合前インタビュー

9月29日開催の『Yogibo presents RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)の試合前インタビューが27日に都内で行われた。

■『Yogibo presents RIZIN.48』対戦カード
第11試合/ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ルイス・グスタボ
第10試合/井上直樹 vs. キム・スーチョル
第9試合/元谷友貴 vs. 太田忍
第8試合/フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
第7試合/伊澤星花 vs. 浅倉カンナ
第6試合/牛久絢太郎 vs. 佐藤将光
第5試合/矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック
第4試合/萩原京平 vs. 高木凌
第3試合/金太郎 vs. 秋元強真
第2試合/新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー
第1試合/カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

#アーチュレッタ #シェイドゥラエフ #RIZIN48 #RIZIN #朝倉海

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45 AB ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN48 UFC マンスール・ベルナウイ 宇佐美正パトリック 海外 白川陸斗 矢地祐介

【RIZIN48】有言実行なるか。宇佐美正パト戦へ、矢地祐介「今の時代の風潮と戦うにはちょうどいい相手」

【写真】気持ちの良いポジティブ思考。矢地の言葉は、人々を幸せにできる (C)TAKUMI NAKAMURA

29日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われるRIZIN48にて、矢地祐介が宇佐美正パトリックと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2023年は1試合に終わった矢地だが、今年は2月のRIZIN佐賀大会の白川陸斗戦、5月のBellatorフランス大会のマンスール・ベルナウイ戦に続いて、早くも3戦目となる。ベルナウイ戦での反省を踏まえて、フィニッシュへの意識を高く持って練習に取り組んできたという矢地。それは打撃への評価が高くなった最近のMMAへの対応という意味も含まれる。

そのなかで迎える宇佐美との一戦を「時代への挑戦。新世代のMMAファイターと戦って、そこに抗えるか」と位置づけた。

──5月のBellator CSにおけるマンスール・ベルナウイ戦後のインタビューでは「今年はドンドン試合をしたい」と話をしていて、3試合目=宇佐美正パトリック戦が決まりました。矢地選手としては常に試合ができる状態で準備していたのですか。

「そうですね。体重含めて常に試合の準備はできているんで、今年はトントントンと試合が決まって嬉しいです」

──Bellator CSのベルナウイ戦の敗戦を踏まえて、どんなことを意識して練習をしているのですか。

「一本勝ちを目指してテイクダウンするとか、ラウンドの中で極めきるとか、練習中の1Rのなかでも勇気を出して失敗してもいいから極めに行く姿勢でやるようにしています」

──より試合をイメージしてスパーリングしているのですか。

「自然にそうなってきていると思います」

──試合は5分3Rなので、ラウンド数もそれに合わせる形にして、短いラウンドを集中してやるようにしているのですか。

「なぜかこの夏、ロータスはエアコンをつけない方針だったんですよ、理由は分からないんですけど(苦笑)。あまりにも暑すぎて、連続では2本やるのが限界みたいな感じでした」

──エアコンをつけない!? 毎年恒例でやっているわけではないんですよね。

「はい。いきなりなんちゅうことを企画しているんだよっていう感じですよ。ただボス(八隅)が決めたことだから反対できないし、ジムから外に出て『あっ、涼しいな』と思うぐらいの暑さでした。外の気温は36度とかなのに(笑)。しかも今年は湿気も凄かったし、マジでバテてました。9月に入ってから少し涼しくなってきて、今日も3本連続で集中してやったんですけど。まあ大変な夏を過ごしました」

──想像するだけでも過酷な練習環境ですね……。よりフィニッシュを意識して練習するようになったのはどういった理由からですか。

「最近のMMAの判定基準が、やっぱりUFCをはじめ世界的にストライキング重視になっていて、寝技でのコントロールがあまり評価されないようになってきていますよね。そういう中で組み技の選手としてはしっかり一本を取るとか、パウンドやヒジでダメージを与える展開を作らないといけない。

特にRIZINの場合はトータルマストなので、3R終盤までずっと相手を組み技でコントロールし続けていても、最後の最後に立ち上がられて1発食らってふらついちゃったら、それだけで相手に判定を持っていかれていて負けになる可能性があるわけじゃないですか。そういう意味で、寝かせたらダメージを与える・一本取ることを意識するようになりました」

──最近のMMAのトレンドを抑えたうえでのことだったのですね。やはりそこは一本を狙う・ダメージを当たると“意識”するだけじゃなくて、体がそうなるように練習から作っておかなければいけないということですね。

「はい。そういう判定基準がどうかは別にして、世界的にそうなってきているわけだから、僕ら選手としてはそれに従わなきゃいけないし、順応しなきゃいけない。そういう意味でも自然にそうなってきました」

──矢地選手はそういった判定基準は分かりやすくていいと思いますか。

「分かりやすいんでしょうけど、その事実を認められていない選手も多いと思います。特にグラップラーの選手は。今までそれ(コントロール重視)で勝ててきた分、あれ?と思って対応しきれていない選手が多いイメージですよね。でも選手はそれに従ってやるだけですよ。そうじゃなかったら勝てない」

──フィニッシュやダメージへの意識が高くなって、動き自体も変わってきましたか。

「良くも悪くも相手に隙を与えてしまう場面もあったりするんですけど、今までよりフィニッシュできるようになったし、そこを狙っていくことで、技術体系も変わってきて、新たな発見もありますね」

――よりアグレッシブになっていますか。

「好戦的になりますよね。練習の時点で自分からフィニッシュに向かって展開を作っていこうというマインドになっているので。例えばボイド・アレン戦なんかは、固めて勝とうみたいな意識だったんですけど、今はあれじゃ勝てないと思うんですよ。練習の時点でフィニッシュを意識して、それができるようになってきた感覚はあります」

──フィニッシュにトライするからこそ、今までに気づかなかった一本の取り方やダメージの与え方も見えてきましたか。

「それもありますね。(一本を取りに)行ってみたら割と行けるんだみたいな場面はありました。自分は心配性でビビリだから、なかなか一歩前に出られないタイプなんですけど、練習でフィニッシュを狙うことによって、こういうところからでも極められるんだとか、今までは自信がなかったところでも、全然(一本)取れるんだ!みたいな発見はあったかもしれないです。一歩踏み出さなかったから分からなかったけど、一歩踏み出してみたらこんな楽園があった、そんなノリですよ」

──言い方は難しいですけど、変にキツいことをやらなくても、決着つけられる道があるということですよね。

「自信がないからキープしようとか、ちょっとチープに手を打ってラウンドを終わろうみたいな感じだったのが、行くしかないんだとなったら、『なんだ、俺って意外とできるじゃん!』みたいな」

──しかもそれが失敗したとしても、今はトライしたことが判定で評価に繋がるかもしれないわけですからね。

「そうそうそう。それもあると思うし、そういう意味で今の判定基準に順応していますね」

──去年は試合数が少なくて、決まっている試合に勝つための練習ではない、技術そのものを伸ばす練習ができた時期だったと思います。逆に今年は試合がコンスタントに続いていて、勝つための練習にシフトできている部分もあるのかなと思いました。

「確かに…そう言われるとそうですね。いい流れができていると思います」

――今はまた充実して練習ができていますか。

「相変わらず楽しいですね。ただ最近は楽しいのが良くないのかなと思っちゃって。楽しい格闘技になっているから、いま一歩、もう一歩上に上がれていないのかなって思うし、格闘技のことが嫌いになるまで突き詰めないとダメなのかなとか。最近そういう風に思っているんですよ」

──練習するのも嫌になるくらいじゃないとダメだ、と。

「そう、そうなるぐらいまでやらないといけないのかなって。でも………いくらやっても楽しいものは楽しいんで」

──先ほどの判定基準の話にもつながるかもしれませんが、見ている側からすると今のMMAは楽しいMMAになりつつあると思います。

「ちょっと競技、競技しすぎていたのが、またファイトっぽくなってきますよね」

──打撃重視になると言っても、組み技・寝技のスキルがなければ勝てないわけで、逆に組み技・寝技のレベルが上がる部分もあるはずで。

「そうなると柔術の時代や寝技が評価される時代が来るだろうし」

──そういう時代の流れがありつつ、今回はパトリック選手と試合が決まりました。

「まさに今の時代の風潮と戦うにはちょうどいい相手ですよね。彼は打撃の選手で、俺に1発当てればいいと思っているだろうし。その中で俺はしっかり、もちろんMMAなんで打撃も寝技も全部なんですけど、その中でフィニッシュするっていう。時代への挑戦ですよね」

――なるほど。まさに先ほど矢地選手が言っていたように、パトリック選手は試合のほとんどをコントロールされても、最後の最後で一発当てればひっくり返せるというマインドを持って戦ってくるでしょうね。

「だと思いますよ。あっちは俺が被弾する場面が多いのを見ているだろうし、1発テンプルに当てちゃえば、アゴに当てちゃえばって思っていると思います。だから、そこをしっかりディフェンスして、MMAだから俺のパンチが当たることもあるかもしれないし、打撃にせよ寝技にせよ、しっかり極めきることが大事だなと思います」

──カード発表会見で「若い選手とやることに意味がある」とおっしゃっていましたが、今日話を聞いていてもっと大きなテーマの話になってきたなと思いました。今の時代のMMAとの勝負ですよね。

「そうですね。まさにそう。新世代、今の時代のMMAファイターと戦うっていうことですよね。だからいいっすよね。そこで抗えるかどうか」

──今年はそういった意味で試合も多いですけど、それこそいろんなテーマがありますよね。

「はい。続けているとテーマは増えますよね、結局」

──そうやって試合の度にテーマが出てくるのは矢地選手が格闘技にしっかりと向き合っているからだろうし、地震の被弾数が多いということも理解したうえで練習しているからですよね。相手はその弱点を突いて攻めてくると思いますが、そうさせずに一本を取るという部分は入念に練習しているところですか。

「そこは(ルイス・)グスタボに負けて以来ずっと取り組んでいることで、俺が被弾しているのは相手のプレッシャーに負けて下がってしまって…という場面なんで、不用意に下がらずにしっかりプレッシャーをかける。組むにしろ打撃を当てるにしろ、自分からプレッシャーをかけて攻撃を作っていくことがテーマです」

──それも決して昨日今日で修正しようとしていたことではない、と。

「最近それを試すのにちょうどいい相手と試合を組んでもらえているから、RIZINからの俺への課題というか。これを乗り越えないと君は上に行けないよというのを試されていると思っています」

──同じ日にライト級のタイトルマッチもありますが、そこは意識していますか。

「シンプルにどっちが勝つんだろうと思って気になりますね。凄い楽しみです」

──それこそあのカードも今のMMA的な打撃=グスタボ×組み技=サトシという試合かもしれないですね。

「確かに確かに。でもサトシもパンチは強いですからね、上手くはないけど」

──喧嘩が強い系ですよね。

「体の節々がでかいし、パンチが硬いんですよね。本当にいい試合になると思います」

──もちろん矢地選手もパトリック戦をクリアして、そのベルトを狙っていると思います。

「もう1発ここで勝って、大晦日に試合を組んでもらって。何度も言うけど俺は強豪外国人と戦って、乗り越えたいって気持ちが強いんで、また海外の選手と大晦日にやりたいなって今は思っています。もちろん次勝たないと何も始まらないんで」

──分かりました。この夏、冷房を切った中で練習してきた成果をぶつけてください。

「本当そう! 冷房の中で試合ができるだけで天国ですよ(笑)!」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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