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【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:7月―その壱―鈴木千裕✖パトリシオ「お代わりするんですか?」

【写真】ズバリ、舞台裏に終始しています(笑)(C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画――が1年ぶりに復活。
Text by Manabu Takashima

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は柏木信吾が選んだ2023年7月の一番、7月30日に行われた鈴木千裕×パトリシオ・フレイレ戦――に通じるパトリッキー・フレイレ×ホベルト・サトシ・ソウザの1戦をまずは語らう。


――もう、アゼルバイジャンからは帰国されたのですか(※取材は13日に行われた)。どのような国なのでしょうか。

「自分たちはおもてなしを受けているので、良い部分しか見ていないということはありますが、バクーはとても良い街でした。皆、穏やかな人達で。2007年ぐらいから、石油と天然ガスで凄く発展しているようです」

──イスラム教の国というイメージですが、F1GPも行われた経済的な発展は凄まじいイメージです。

「11月の大会もF1を開催している会社とやっていくことになります。政局的には野党もありますが、事実上は与党が圧倒的に強い国政で安定しているようです。凄く治安も良かったですし。バクーの街は真夜中に1人で出歩くこともできました。

女性もヒシャブですら、している人は少ないです。伝統的な衣装を着ている人は、他のイスラム圏からの観光客で。それほど戒律には厳格ではないと聞きました。普通にバクーの女性は肌も出していますし、凄く綺麗な人もいます」

──いや、それにしても夏休み返上でお疲れさまでした。

「いえ。RIZINで働くようになって初めてですね、こんな風にまとまって休めるのは。僕も今日から家族と一緒に台風を避けつつ、夏休みを楽しもうと思います」

──スミマセン、そのような時に……。

「いえいえ、『今月の一番』の復活楽しみにしていましたから。そしてMMAPLANETがリングも解禁ということで、今回は鈴木千裕×パトリシオ・ピットブルで行かせてください」

──押忍。もう舞台裏から楽しみです。

「ここはもう、本当に書けること書けないことがありますから。その辺りは宜しくお願いします」

──ハイ。ギリギリのところ、狙っていきます(笑)。一つあるのはAJ・マッキーが欠場になり、ホベルト・サトシ選手が代役出場をする。これだけで、とんでもないことが起こっていたと思いますが、そこに加えて……なぜ、この1戦まで追加されているんだと(笑)。

「フフフフフ。本当に99パーセントの人の言葉を代弁していてだきました。今回は全てが重なりました。僕はフライングケージの担当もしていたんですけど、サンノゼから運んで組み立てて。24日の月曜日にリハーサルをすることになっていたんです。

そうしたら23日の朝にBellatorから電話が欲しいと連絡がきて。これは良くない話だとピンときました。そうしたらAJの話で。スミマセン、鈴木選手とパトリシオ・ピットブルの話なんですけど、ここから入らないと……(苦笑)。

その日からどうしようということになり、Bellatorはマンスール・ベルナウイが待機しているからそれで良いという考えでした」

──ハイ。まぁTV中継ができればという判断ですね。

「そうなんです。でも、僕らRIZINサイドは興行主です。BellatorカードのメインはAJ・マッキーとパトリッキー・ピットブルでチケットを買っていただいているので、ベルナウイが代役でOKとはならないです。イベントはRIZIN主催で、リスクの負い方が違う。だから、もう少し抗わさせてほしいと伝えました」

──RIZINファンがベルナウイで納得するとは思えないです。それならトフィック・ムサエフだろうって。アキラ選手には申し訳ないですが。

「いや、それが実はプランBでした。もちろん、プランAはサトシで。そして色々と交渉の結果──サトシの体重は残り1週間では絶対に落ちない。でもBellator側もトーナメントなのに73キロのキャッチを了承してくれました」

──緊急事態の超法的処置ですね。ただ、米国でのBellatorで有り得たのか。やはりRIZINが主催している大会ということも大きく影響していたと思います。

「正直、状況が状況ですし、政治的な背景、大人の判断とこのタイミングだから全てできたと思います」

──まぁ、彼らも色々とありますし。

「ハイ。もちろん、興行会社としてRIZINのリスクも分かってくれていますし。スコットはトーナメント参加者にコンセンサスもとっていました。そこはフェアでしたね」

──誰もが幸せになれる代替カードだったから、超法的処置も通ります。ファンが納得しないカードでは73キロはおかしいだろう……ともなりますし。

「その通りですね。本来ならBellatorもライト級でもう1試合、GPの代役が務める選手の試合を組んでいたはずです。それがコラボレーション興行の一つの弊害というか、キャパというか。試合数も彼らが望むだけ……7試合とかを組むことができなかったです。

BellatorにはBellatorの放送の都合があり、RIZINにはRIZINのPPVと日本の放映権が存在していて様々な事情があるなかで、それを一つひとつクリアして創り上げたイベントなので、どこかにしわ寄せがくる。それがBellatorにとっては試合数で妥協したというのは否定できないです。TV中継枠をこなすのに、体重超過や負傷欠場が──まさに現実になってしまったようにあり得る中で、彼らが受け入れる最少の試合数が5試合でした」

──ここでISAO選手や菊入正行選手の試合を組みたいという想いもあったでしょうし。

「そういうことなんです。ただし、何が起こるか分からないなかで、我々も時間制限もあるので7試合は組めないよ──ということでした。それでもRIZINがライト級チャンピオンを出したことで、双方が納得できたBellatorのメインカードでした」

──本来なら、そこで一件落着です。ただし、そこでパトリシオ・フレイレ×鈴木千裕まで追加カードとして発表があり、あのような結末に至った。AJ欠場のピンチで、こんなボーナスまで引き出してしまう。

「僕は正直、そのアイデアを聞かされて動かないと行けなくなった時──正直、憤っていましたよ(笑)」

――もちろん榊原信行CEOからだと思いますが、いやぁ凄いですね。そこまでやってしまおうというのは。言い方は悪いですけど、火事場泥棒ですよ(笑)。

「あのね、高島さん!! 僕はAJが欠場して、サトシ✖パトリッキー・ピットブルを成立させた。大仕事が終わったばかりだったんですよ。ウルトラCを引っ張りだしたのに、お代わりするんですかって(笑)」

──アハハハハ。

「それがフライングケージのリハーサル中ですよ。イタリアの製作者たちと日本の技師さんたちが、『ああだ。こうだ』とやりとりをしている時に、お代わりが欲しいと連絡があって。千葉の倉庫で、僕はブチ切れていました(笑)」

──しかし、凄いですね。榊原さん。

「やっぱ、スゲェですよ。普通の人だったら言わないことを、あの状態の僕に課してきた。まぁ、榊原社長はAJ欠場の時点で、『パトリシオを出せないかな』ということは言っていました。イベンターなんです、根っからの。朝倉海選手の欠場で、RIZINのメインを無くした。そしてBellator側のメインも無くした。

これはイベントとしては、ケガを負った状態で傷に塩を塗り込まれている状況でした。サトシという最高の応急処置ができたのですが、やっぱり体は弱っている。榊原社長は、そのままではイベンターとして終われなかったのだと思います」

──選手のコンディションなどが、先に頭にある自分のような立場の人間には全く考えが及ばない一手です。

「ハイ、全くアプローチが違いますよね」

──それはもう、火事場泥棒という言い方をしましたが、まさに怪我の功名だったわけですね。この大当たりを引き出す──格闘技界にいても、絶対的に人種が違うのですが、これは凄まじいなと素直に思いました。

「高島さんから、その言葉を聞けるのは素晴らしいと思います。僕も正直、終わったあとにスゲェなと。本当に思いました」

──それも鈴木選手が勝ったから。パトリシオが勝っていれば、まぁスクランブル出場で名前のある方が勝つという過去にも見られたケースで。

「大博打です。博打を打って、勝ったんですよ(笑)。イベント当日を下り坂で迎えてはいけない。向かい風のなかで、イベントが始まってしまうことを避ける。上り坂、追い風にしてイベントを開く。それがイベンターとしての榊原社長の姿勢なんです。『本気なの? この人?』って思ったんですけどね(笑)」

<この項、続く>

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【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:7月―その弐―:若松佑弥✖シェ・ウェイ「格闘技は、戦い」

【写真】計量失敗も集中力を増した感のあった若松。落とせない試合をモノにした(C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。
Text by Shojiro Kameike

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は大沢ケンジ和術慧舟會HEARTS代表が選んだ2023年7月の一番、修斗世界ストロー級選手権試合=新井丈×安芸柊斗戦から、ONE FN12の若松佑弥×シェ・ウェイ戦まで語らう。格闘技は、戦いだ。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:7月:新井丈✖安芸柊斗戦はコチラから>


――至近距離の練習、ですか。

「ウチのジムでは結構、至近距離の練習をやるんですよ。MMAのスパーリングでも、ボクシングやキックボクシングの距離でやらせます。これは『打ち合い上等』ではなく、少し打撃をもらう覚悟で前に出ていくことで、相手を削っていくということなんです」

――ボクシングジムでガードを固めている選手のグローブをトレーナーさんが叩き続けるトレーニング風景を見たことがあります。受けている選手は目を閉じず、目をそらさないでいるという。

「近い距離で目を慣れさせるためのトレーニングですね。MMAは特に、一発も食らわずに勝つことは難しいじゃないですか。打撃、組み――いろんな展開があるから。こういうことを言うと、僕が『気合いで行け』とばかり言っているように思われるんですけど(苦笑)」

――アハハハ。どうしても言葉の端々だけを取られてしまいますね。

「そう。分かりやすく『見えていれば効かないんだから行け』と言うんだけど、ただ見えているだけじゃダメなのは当たり前で(笑)。遠い距離で戦うタイプの選手は、相手に近い距離で張り付かれると疲れるものですよ。下がるほうがバテます。

でも至近距離の練習をしていない日本の選手は、距離が近くなるのを怖がっちゃいますよね。日本人選手が世界で勝てない理由の一つに、その距離の問題があるんじゃないかって感じます」

――身長差、リーチ差がある海外選手との試合では尚更のことで。

「MMAは階級制のスポーツじゃないですか。結局は同じ体重で戦うのだから、僕は身長差やリーチ差は特に気にしていないですね。日本にも海外の選手に体格で勝っている選手はいるし。それよりも戦うという気持ちのほうが大切で。倒しに行く姿勢を見せていれば、判定になっても有利になりやすい。最初からポイントを意識しすぎるよりも、フィニッシュに近づく展開を見せていれば結果的に判定で勝てると思っていますから」

――新井選手に関していえば、まさに関口祐冬戦がそうであったわけですね。下がらず、前に出て殴って判定勝ちを収めました。

「タイトルマッチや、タイトルに関わるような試合で、あそこまで前に出る選手は他にいないですよね。今後の対戦相手も嫌だと思います。『アイツ、とことん前に出て来るな』って」

――前に出ることで相手を削る。とにかく攻めて勝つ。それはONE FN15でシェ・ウェイをTKOで下した若松佑弥選手も同様だったと思います。

「佑弥の試合も良かったですよね。計量失敗があったので、完全に良かったと言ってはいけないけど……。ただ、佑弥も最近うまくいっていなかったじゃないですか。もともと上を目指すために新しく、いろんなものを身につけようとしていたんでしょう。アドリアーノ・モライシュ戦(昨年3月、ギロチンで一本負け)の前あたりから、組み技も試合で見せるようになっていて。オールラウンダーであり、巧い選手の戦い方を始めていました。

だけど、巧くなるにつれて自分に怖さがなくなっているかもしれない。それは本人も分かっていたと思うんですよ。結果はモライシュに一本負けして、次はウ・ソンフンにKO負けした。計量失敗もありましたし、選手の気持ちとしてはどん底ですよ。少なくともファンや関係者の信用を失うのは間違いない。

でも僕たちは、アイツが本当に頑張っていることは知っているから、このまま落ちていってほしくない。そう思いながら先日のシェ・ウェイ戦を視ていたら、完全に昔の若松佑弥を取り戻していたじゃないですか」

――試合後にも「殺してやるという気持ちで戦いました」とコメントしていましたね。

「何か吹っ切れたんでしょうね。たとえば最初にテイクダウンした時、体を起こそうとした相手の顔面にヒザを打ったじゃないですか。当てきれず反対に倒されかけていましたけど、ここ最近の佑弥だったら、あのヒザは打っていないと思います。もう一度テイクダウンした時も、すかさずヒジとヒザを連打していて。

今の日本のMMAなら、あの場面はまず――しっかり抑え込むように指示するでしょうね。勝とうとしているだけなら、あのタイミングでヒジとヒザは出さない。もし佑弥が負けていたら『ヒジやヒザを出すのではなく、まず抑え込むべきだった』と言う人もいたでしょうね。『仕掛けが早すぎる』とか。あの場面で自分から攻め続けて勝ったから、次に繋がるんですよ。攻めるべき時に、リスクを恐れずに攻める。だって、格闘技は戦いだから」

――「格闘技は戦い」。これも最近、大沢さんがよく口にする言葉ですね。

「もちろん計算しながら戦うことも必要です。でも計算しているのは、自分の中に恐怖心があるから。恐怖心があるために計算しすぎて、試合の中で自分が本来持っているものを出せなくなることって、本当によくありますからね。

でも佑弥は恐れず、自分らしさを出して勝った。昔のような殺気立った佑弥の試合を視て、人間がどん底から這い上がる浪漫を目撃した気がしますね。今後どういう展開になるかは分からないけど、この試合をキッカケに取り戻していくと思いますよ」

――MMAとして打ち合うことや、打撃を出し続けることが必ずしも良いとは思いません。しかし前に出ること、攻め続けることが勝つ術となることは理解できます。

「やらなきゃ自分がやられる。それが戦いであり、格闘技は戦いだから。たとえば試合でフィニッシュを狙わず、トップをキープするだけの相手って怖くないですよ。抑え込まれていても『相手は狙ってこないな』と分かるので、まず自分が仕留められる恐怖心はなくなります。試合中、精神的に追い込まれることはない。だから一切ダメージをもらわないことを考えるのではなく、まず気迫や殺気で相手を抑え込んでいくのも必要だということですね」

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ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o ONE ONE FN13 Special ボクシング 修斗 大沢ケンジ 安芸柊斗 新井丈 柏木信吾 水垣偉弥 猿田洋祐

【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:7月:新井丈✖安芸柊斗「見えていればとは、どういうことか」

【写真】強くなるためにラーメンは味で勝負。人気がでるには、色々と工夫が必要。それは大沢氏もMMAPLANETも理解は同じで、その比重はそれぞれ意見が露見する場の違い、役割の違いということです(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画――が1年ぶりに復活。
Text by Shojiro Kameike

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は大沢ケンジ和術慧舟會HEARTSが選んだ2023年7月の一番、7月23日に行われた修斗世界ストロー級選手権試合=新井丈×安芸柊斗戦から日本人ファイターが世界で勝つための道を語らう。


――企画復活第一弾です。大沢さんが選んだ2023年7月の一番は、どの試合でしょうか。

「修斗世界ストロー級タイトルマッチ、新井丈×安芸柊斗です」

――いきなりHEARTS所属選手の試合ですか(笑)。この試合を選んだ理由を教えてください。

「だって――新井丈の試合ってメチャクチャ面白くないですか? 試合内容もそうだし、コメントも含めて何とか試合を面白くしようとする気持ちも伝わってきますしね。格闘技っていろんな盛り上げ方、盛り上がり方はあるなかで、ジョーはケージの中だけで勝負しているじゃないですか。ラーメン屋がラーメンだけで勝負している。ジョーもSNSをやっているけど、ちゃんと試合にフォーカスした煽り方をしていて。試合もただ盛り上げるだけじゃなく、しっかりと勝つところも含めて」

――前回(2022年9月掲載)の『月刊、大沢ケンジのこの一番』では、SNSの活用について別のことを言っていませんでしたか。

「アハハハ。まぁ、それは……(苦笑)」

――新井選手の出現によって、この1年で大沢さんの考えも変わってきたわけですね。

「格闘技の世界でも、エンターテインメント的な部分は仕方ないと考えていますよ。僕なんて業界の中では、完全にエンターテインメント寄りだと思われているかもしれないけど。先日もMMAPLANETのツイートで、『笑って良いのか?』と書かれていて……」

――ONE FN13のログログ×ブシェシャ戦で選手がスタミナ切れを起こした時に、ABEMA実況勢が笑っていたと。

「あれは決して選手をバカにしていたわけじゃなく、逆に盛り上げるためなんですよ。解説が『バテましたね』と言うだけだったら、そのまま淡々と時間が流れていくだけじゃないですか。テレビを観ている人は、絶対に面白くない。テレビ解説をするうえで、観ている人を飽きさせないようにすることも必要で。そこで僕が辿り着いたのは、ああいうやり方だったんです」

――大沢さんは、マニアック層に批判される覚悟でジェネラルにMMAを広めている。それは我々も分かります。

「僕だって理想としているのは、ラーメン屋がラーメンだけで勝負できることですよ」

――急角度で話を戻してきましたね。味だけで勝負できる料理店ということですか。

「野球やサッカーは、完全に味だけで勝負していますよね。まず競技としての勝ち負けで勝負していて。今のジョーはMMAの味だけで勝負している。そんな存在って、今の日本のMMAにはいないと思います。今回の試合内容で凄いと思ったのは、試合前にジョーが『2分間は倒しに行く』と言ったんですよ。5分5Rの試合なのに、最初の2分間で倒しに行くのって怖くないですか」

――ログログ×ブシェシャ戦の話ではないですが、それこそスタミナ切れを起こした時のことを考えると怖いです。

「HEARTSって前に出る選手が多いと思います。それは試合を盛り上げるためだけじゃなくて。たとえば猿田洋祐には『自分から深海に引きずり込むような試合をしろ』と言ってきたんですよ」

――Deep Waterですね!!

「自分から先に攻めていって、最終的に相手の息が続かなくなるような試合をする。今回のジョーでいえば、アイツから攻めていくと安芸君も付き合わざるを得なくなって、疲れる。試合って相手のペースに付き合ってしまうほうが疲れてしまいますからね。

ただ距離を詰めて打ち合うというのは、本当に気合いが入っていないと難しいです。特に安芸君は打撃が強いじゃないですか。それでもジョーはスッと相手の懐に入った。そこでテイクダウンを狙って、バックに回ってきた安芸君はさすがでしたよね。ジョーは安芸君のヒザをもらって記憶が飛んでいるし。それでもジョーが自分の任務を遂行することで、安芸君も1Rの後半から疲れてきているように見えました。その気持ちは分かるんです。僕も至近距離で戦う相手とスパーしていたら、途中から休みたくなるぐらい疲れていたので」

――確かに安芸選手も途中から打撃の精度が下がっていたと思います。一方、新井選手は懐に入ってパンチを放つ際の危なっかしさが少なくなってきました。今回の試合でいえば、安芸選手は左ジャブを突き、右ストレートを打ち下ろしてくる。対して新井選手はしっかりと頭や体を振って、足の位置も変えながら距離を詰めていくので致命傷をもらわない。

「今、僕が『見えていれば効かない』と言っていて。あれって冗談のように思われているかもしれないけど、実際そうだと思うんですよ。この『見えていれば』とは、どういうことかというと――実際にパンチが見えているかどうかはもちろん、相手のパンチがどれくらいの強さなのかが分かることが大切なんです」

――というと?

「試合でも最初の1発目、2発目は怖いです。食らうとメチャクチャ効きます。でも、そこで相手のパンチの強さが分かっていると、途中から耐えられるようになるんですよね。もちろんジョーには頭や体を振って、足の位置も変えながら詰めていくというボクシング技術もあります。試合が始まって最初はパンチを食らいますよ。それでも前に出ていたら、こちらも『相手のことが分かったんだな』と考えることができる。

格闘技って戦いだから、どこかで腹を括らなきゃいけないんですよ。打撃のある競技だから、パンチをもらわないようが良いのは当然で。だけど今の日本のMMAは、あまりにも『パンチをもらわないように』と言いすぎじゃないかなって。ボクシングはMMAと比べて頭部にパンチが集中するし、試合の中でパンチを受ける数も違う。だけどダメージが溜まっているかといえば……」

――しかし、ボクシングとMMAではグローブの厚みが異なりますよね。薄いオープンフィンガーグローブでは、受けているパンチの数が同じでもダメージが違いませんか。それこそ一撃で試合が終わるケースは、MMAのほうが多いと思います。

「そこで重要になるのが、至近距離の練習なんですよ。日本の選手は一発も食らわないと意識しすぎているのか、遠い距離で戦おうとすることが多い。でもそれって、自分にとっても相手との距離が遠いということだから。米国の試合を見ていると、しっかりディフェンスしながら中に入り、至近距離で戦える選手が多くて。至近距離で戦うには気合いが必要だけど、僕が言っているのは『気合いだけ』ということじゃないんです」

<この項、続く>

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F1 MMA MMAPLANET o Special UFC UFC290 アレッシャンドリ・パントージャ ダヴィッド・ドヴォルザーク ブランドン・モレノ ボクシング 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月:パントージャ✖モレノ「ゴールに向かって、どんな道筋を」

【写真】TUFも含め、パントージャはモレノを三タテにしたことになる(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画――が1年ぶりに復活。
Text by Takumi Nakamura

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年7月の一番──7月8日に行われたUFC290でUFC世界フライ級選手権試合=アレッシャンドリ・パントージャ×ブランドン・モレノ戦について語らおう。


――今回水垣さんにはUFC290でのブランドン・モレノ×アレッシャンドリ・パントージャを選んでいただきました。

「実は今回UFCの仕事でファイトウィークに2人に事前インタビューをさせてもらったんです。それもあって普段とは違う見方で試合を見ることができました」

――タイトルマッチを控える選手をファイトウィークに取材するというのは貴重な体験ですね。2人にインタビューして、彼らの性格やパーソナリティはどうだったのですか。

「やはりファイトウィークの選手なので、どうしてもピリピリしていてしゃべってくれないんじゃないかと思って不安だったんですけど、どちらもいい感じで話してくれました。モレノの方は予定時間を大幅に過ぎるくらい話をしてくれて、パントージャの方は質問に対して必要なことを的確に応えるというスタンスで。キャラクターはすごく対照的でしたね」

――改めてモレノ×パントージャを選んだ理由を聞かせてください。

「事前に戦った2人を取材したこともそうですし、僕はパントージャが柔術ベースで、打撃の攻防になったらモレノがリードすると予想していたんです。そうしたら1Rに先にパンチでダウンを奪ったのがパントージャで、2Rにテイクダウンとバックを取ったのがモレノだった。そういう部分が自分の予想外の展開だったけど面白かったな、と。

今のMMAはどこか一つの部分を意識して戦うと、そこをスカされたり、その攻めが雑になると相手に上回られたり。各選手それぞれバックボーンはあるけれど、それが突出しているわけではなく拮抗している。自分が得意な分野はあったとしても、ちょっとした意識、警戒心、攻防の丁寧さ…そういった差で、自分の得意分野でも相手にやられる可能性があるというところが興味深かったです」

――選手のバックボーンが試合展開や勝敗に影響することが少なくなっていますか。

「特に軽量級はその傾向が顕著で、その極めつけがフライ級なのかなと思います」

――軽量級は選手のダメージの回復も早いですし、スタミナもフルラウンド維持することが出来る。一つの局面でフィニッシュにつながることが少ない分、より全局面でもスキルが試されるかもしれないです。

「はい。スタミナもそうですし、一発もらってもそれが致命打にならない可能性が高いので、よりトータルに戦えて、押さえるべきところを押さえて…がより重要になりますよね。MMAにおいては重量級と軽量級では見方が全く違うなと感じた一戦でした」

――バックボーンが試合に及ぼす影響が少ない分、モレノのようによりボクシングに特化した技術を使う選手が結果を出すようになったり、よりMMAで使える技術の幅が広がっているようにも感じます。

「MMAにおいて何が重要かを考えた時、重量級では打撃が強い、寝技が強い、レスリングが強い…に分かれると思うのですが、軽量級はその間の部分が勝敗を分けるように感じました。言葉で表現することが難しいのですが、自動車レースに例えるなら直線が速い、コーナーが速いだけじゃなくて、コーナーとコーナーのつなぎが上手いみたいな。そうしたMMAの奥深さが2人の試合や最近の軽量級の試合にあると思います」

――僕も上手く表現できないのですが「MMAはMMAが強い方が勝つ」と思っています。F1大好きな水垣さんは自動車レースを例えにMMAの特徴を話してくれましたが、僕の場合はサッカーに例えることが多いのです(笑)。いくらドリブル・パス・シュートが上手かったとしても、サッカーという競技そのものを理解していないと「サッカーが上手い」にはならない。

「分かります、分かります」

――そういった意味では今のトップ・オブ・トップで活躍している選手たちがMMAをどう捉えているかも気になるところで。仮に打撃で打ち負けていてもテイクダウンできるんだったらOKというマインドかもしれない。MMAではそれが正解かもしれないですよね。

「先ほどの話にもつながりますが、軽量級は一発で試合が終わらない分、そういった切り替えしも出来ますよね。僕がパントージャに『自分のどこがモレノより上回っていると思いますか?』と質問したときに、彼はその答えを濁したんですよ。試合前にそこは話したくないという雰囲気で。MMAでは自分が相手より勝っている部分、攻防を選手本人がどう捉えているか。そこが勝敗に影響すると考えているんでしょうね」

――なるほど。それが“MMA脳”というか“MMAセンス”にもつながりますよね。

「結局選手はどこで勝負するかをイメージしていて、そこにいくための前段階として、直球勝負でいくのか、他の攻防を見せておいて自分が勝負したいところにつなげるのか。MMAはその選択肢が多いなかで、自分が定めたゴールに向かって、どんな道筋を立てるのか重要だと感じました」

――この試合の判定がスプリットになったことはどうお考えですか。

「僕の判定はパントージャにつけたジャッジと全く同じだったんですよ。それでモレノにつけたジャッジを見てみると、モレノがダウンした1R以外はすべてモレノにつけていたんですよ。さすがにそれはないかな、と。ポイントのつけかたによってはスプリットになる可能性もあると思いますが、2~5Rすべてがモレノのラウンドというのはないと思いました」

――さて、フライ級はこれから日本人がUFCチャンピオンを目指す可能性が残された階級です。

「今のフライ級はトップ5くらいまで、ほぼほぼみんな差がないと思うんですよ。モレノとパントージャは接戦で、モレノと(前々王者の)フィゲイレドは勝ったり負けたりで。DJの時代があって、セフードの時代があって、というフライ級の歴史を考えると、今のフライ級は混沌としていてチャンスが多いと思います。具体的に言えば平良選手がこのトップ戦線の輪に入ったらどうなるのか楽しみですよね」

――ランキングこそあれど、今のUFCフライ級は序列がそこまではっきりしていない。

「DJの時代はDJが頭一つ二つ抜けていて、どんどん挑戦者がいなくなるから、色んな選手に挑戦権が回ってきたと思うんですよ。タイトルに挑戦できるという意味ではチャンスがあるけど、チャンピオン(DJ)の壁があまりにも高すぎた。でも今はトップ選手たちの差がない分、挑戦権が回ってくるチャンスは少ないかもしれないですが、ベルトを獲ることだけを考えると、DJの時代よりも可能性はあると思います」

――先ほどのパントージャ、モレノ、フィゲイレドのように相手との相性やマッチメイク次第では勝ち進んでいけるわけですからね。

「まだ平良選手は底が見えてないと思うんですよ。UFCの入り口から少し入ったところの選手には圧倒して勝つレベルにいることは証明したけれど、そこから先にいるランキングの選手たちとは戦っていないので。次戦でランカーのダヴィッド・ドヴォルザークと試合が決まっていますが、ここからどうなっていくのか楽しみです」

――今日の話をまとめると、軽量級にこそMMAという競技を考えるヒントがあるということですね。

「あとは自分が戦っていた階級と近いので技術体系が似ているというか、感情移入しやすいんですよね。どうしても重量級だと『そのパンチで倒れるの?』と思うこともあって、ちょっと自分が知っている世界とは違うものが出てくるので、僕の場合はすごく軽量級を楽しんで見ることができます」

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【Shooto2023#05】新井丈に挑戦、安芸柊斗 in 徳島─01─「自分は後楽園に総合をしにいくだけです」

【写真】お昼はうどん屋さんで働き、午後7時半からキッズの指導。そして自らの練習というルーティンの安芸(C)MMAPLANET

23日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#05で新井丈の持つ修斗世界ストロー級王座に安芸柊斗が挑戦する。

四国、徳島のMMA Zジムでプロシューターだった父・佳孝氏の小学生の頃から指導を受け、修斗と共に成長した安芸は高校生でプロデビューを果たした生粋のシューターだ。その後は連敗を喫し、地元四国や大阪での大会から再びタイトル挑戦に向けウイニングトラックに戻ってきた。

そんな安芸を地元、徳島で取材。地方在住&キッズの指導者として、そしてプロシューターとして今回のタイトル挑戦に抱く想いを尋ねた。


──2週間と2日後、新井丈選手の持つ修斗世界ストロー級王座に挑戦します。今の体調、心境を教えてください。

「体調は完璧だと思います。過去一で体重管理もできていますし、動き自体も今までで一番良い動きができているので。試合でも、それが出せると思います。心境は……楽しみ。早く戦いたいです」

──13戦目で修斗の頂点に挑戦というのは、デビューをする時に想い描いていたキャリアと比較して早いですか。それとも時間が思っていたよりも掛ったのか。

「デビューをした時には、タイトル挑戦とか頭になかったです」

──キッズから修斗をやっていて、プロになろうという段階の一番上を目指していなかった?!

「目指していないというか、夢のまた夢でした。まだまだ届かない存在だったので、考えていなかったです。アマチュアを一気に抜けて、プロも3連勝をして……。でも、そこから連敗もしました。あの時は『もう落ちちゃったな』と考えていたのですが、今から考えると妥当なキャリアップか、むしろ早いぐらいやと思っています」

──ではいつ頃から、ベルトを意識をするようになったのですか。

「1度ランキングから外れて、また入った時ですね。このままいけば、チャンスが回ってくるかもしれないと」

──その時は、誰に挑戦すると思っていましたか。

「当時は猿田(洋祐)選手ですね。猿田選手の一強でしたから。でも、そこからONEに行って次は箕輪(ひろば)選手が獲って──(ONEを主戦場とし、昨年7月に王座返上)で、今なので」

──箕輪選手自身は修斗でも防衛戦をしたいという希望を当初は持っていましたが、実現できないままONEに集中することになりました。王者不在の間は、どのような気持ちだったのでしょうか。

「あの時はチャンピオンになればONEに行く流れができていたので、まぁ暫定王座を創ってほしいとは思っていました」

──その暫定王座は2021年11月に猿丸ジュンジ選手と黒澤亮平選手の間で争われることになりました。あの当時、王座に関してどのような気持ちでいたのでしょうか。

「あの試合は色々と思うところはありました。あぁ、そこ行っちゃんうかと。まぁ猿丸選手は分かったのですが……黒澤選手が行くんやなって。元チャンピオンやから優遇されたんかなって。でも、色々とあるんでしょうね」

──悔しかった?

「悔しいとは思わなかったです。モヤモヤの方が大きかったですね。ジムの規模とか関係するんかなって。でも、仕方ないことなんかなって」

──これは地方在住の選手が、抱える問題かと思います。どうしても首都圏の選手の方が首都圏で戦うチャンスは多い。しかもコロナ禍でしたし。移動のリスク軽減という大義名分もありましたし。それでも他で戦うということではなく、絶対修斗だったわけですよね。

「そうですね、修斗ですね。アマ修からやってきて、プロでも修斗でやってきたので他の団体で戦うことは考えなかったです」

──押忍。では猿丸選手が黒澤選手を破って暫定王者となった時点で、新井丈選手のことを意識していましたか。

「インフィニティの時は全く思わなかったです。ただ新宿FACEで新井選手が大竹(陽)選手と試合をした時に、一緒の大会に出ていて(※2019年10月)。意識はしていなかったですけど、あそこでKO勝ちしてからですよね、連勝街道に乗ったのは。尊敬しているし、上から目線で見るわけじゃないですけど、あの試合から上手いこと勝ちパターンにハマったんかなって思います。

ただ勝つだけでなく、KOか一本を取れると選手は一気に伸びることがあるし。あそこから一気に行きましたね。まさかの連勝を重ねて、今ではチャンピオンっスよね(笑)」

──まさに「まさか」と?

「まさかですね」

──最初は新井選手には申し訳ないですが、負けた方の選手に『何をやっているんだ』という感じでみていました。それが連勝を続けると、説得力が出てきます。と同時に、それでも修斗っぽくはない試合スタイルで。

「分かります。タイトルマッチでも(※2022年9月)、修斗の戦い方をするのは猿丸選手でスカ勝ちすると思っていました」

──さらには今年の3月にはフライ級で関口祐冬選手に圧勝ちをしました。言うと、関口選手を怖がらせた。ここはストロー級ファイターとして脅威ではないですか。

「凄いな──だけですね。新井選手と戦うなら、誰もが寝技で抑えつけたら勝てると思っているはずです。でも、戦った本人にしか分からない圧力があることは、試合を見ているだけで分かります。前に出る強さを感じて、皆が引いてしまう。で、逃げのテイクダウン狙いになり、離れてパンチを被弾。KOされてしまう。そういう試合が続いているので、戦った人間にしか理解できない強さがあるのは分かります。

圧倒的な強さではない。でも戦った者にしか分からない強さが、あの選手にはあります。それが新井選手の魅力やと思っています」

──そのように想えるのも、新井選手が結果を残し続けてきたからですよね。これが3連勝ぐらいの時点だと、抑えて勝てると過信していたかもしれないです。

「確かにそうですよね。だから、今の方が新井選手のことが分かりますよね。それに見ている人も、今の新井選手と戦う方が面白い」

──一番気を付けないといけないところは?

「前に出る圧力と当たれば倒せる破壊力のあるパンチです」

──あの戦い方は信じるモノがあるからできるんではないかと。

「ハイ。ファイトスタイルは以前と全く変わっていないので。変えないで貫けるのは凄いです」

──大沢ケンジさんの声、あれも対戦相手にプレッシャーを与えているような。

「アハハハ。そうっスねぇ。前に出て、反応しないといけなくなった相手を削っていますね。そういうチームとしての戦い方、信頼関係が成り立っているからあのセコンドワークができて、その言葉を信じているから新井選手は前に出ることができる。そこが気持ちの強さッスよね」

──では子供の頃から修斗をやってきた安芸選手の対抗手段は?

「う~ん、自分が楽しめばお客さんも楽しんでくれると思います。打ち合いだけが、心を動かせるとは限らないので。今の新井選手に勝つことが、皆の心を動かすことになる。だからどういう勝ち方であれ、自分は後楽園に総合をしにいくだけです」

<この項、続く>


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o PANCRASE RIZIN パンクラス 三宅輝砂 中田大貴 大沢ケンジ 林優作 遠藤来生 高木凌

【パンクラス】中田大貴×高木凌 ストライカー対決決定!

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7月9日にニューピアホールで開催されるPANCRASE 335/336の追加対戦カードとして、中田大貴(和術慧舟會HEARTS)×高木凌(パラエストラ八王子)のフェザー級ワンマッチが決定しました。

パンチをもらっても前に出続けるゾンビスタイルの中田は師匠・大沢ケンジの掲げる「ミエテイレバキカナイ」を体現する選手。打っても打っても間合いを詰めてくる姿は相手にとっては脅威でしょう。

RIZINで連敗を喫したものの、3月のパンクラスでは月には、三宅輝砂に押されながらも、最後は下からのフロントチョークを極めて逆転の一本勝ち。打撃だげではない奥行きを見せて復調を印象付けています。

対する高木は中田とは対照的に1発で相手を仕留めるシャープな右ストレートが持ち味。私が見てきた試合でも林優作、遠藤来生など打撃をもらった相手の倒れ方のヤバい事。右を武器にブレイクする可能性を秘めています。

そうなると楽しみなのは被弾上等、打たれ強さが身上のザリッチ中田を右ストレートでダウンさせる事が出来るかどうか。1発の短時間決着なら高木優位、長時間の削り合いならザリッチ中田優位か。パンクラスのタイトル戦線はもちろん、RIZINフェザー級にも直結し得る一戦。注目です。
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BELLATOR MMA o RENA RIZIN YouTube   にっせー クレベル・コイケ チャンネル ホベルト・サトシ・ソウザ 中井りん 倉本一真 元谷友貴 堀口恭司 堀江圭功 大尊伸光 大沢ケンジ 太田忍 平本蓮 弥益ドミネーター聡志 斎藤裕 昇侍 朝倉未来 杉山しずか 村田夏南子 浅倉カンナ 渡辺華奈 牛久絢太郎 矢地祐介 萩原京平 金原正徳 金太郎 鈴木千裕 鈴木博昭 須田萌里 髙谷裕之

平本vs斎藤の試合を予想する朝倉未来 【RIZIN】【切り抜き】

【元動画はこちら】

朝倉未来の勝敗予想にニヤニヤが止まらない平本蓮

試合後インタビューで朝倉未来のTwitterに反論する平本蓮

アメリカに戻りたい気持ちを語る平本蓮

アンチに対してコメントする平本蓮

CAVEに来なくなった平本蓮について語る石渡伸太郎 RIZINアンバサダーくるみ

美意識の高いRIZINガールの二の腕をガン見する弥益ドミネーター聡志 東海林里咲

伝説の公開計量フロイド・メイウェザー vs.那須川天心

公開計量の乱闘より後ろのRIZINガールが可愛くて気になる

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来 バチバチのフェイスオフ

記者会見でウイスキーを飲む倉本一真を見て爆笑する金原正徳

RIZINガールにするどい質問をされる萩原京平

萩原京平のコメントにビビりまくるRIZINガール

RIZIN史上最も美人妻を持つホベルト・サトシ・ソウザ

RIZINガールにブチ切れスタッフを殴る石渡伸太郎

武尊と天心と戦った皇治がどっちが強いか断言

計量オーバーの対戦相手に詰め寄るRENA vs.アンディ・ウィン

紐パンビキニで公開計量に挑む山本美憂

RIZIN史上NO1美女格闘家の公開練習がキレキレ ぱんちゃん璃奈

RIZINガールを落とそうとするYUSHI

朝倉海のスパーリングを見て絶賛するメイウェザー

朝倉海がメイウェザーの秘蔵っ子とバチバチのスパーリング

平本蓮vs.萩原京平 バチバチの煽り合い

視聴率を1番獲ると豪語した朝倉未来

変な質問に真面目に答える美人格闘家 あい vs.浅倉カンナ

萩原京平の悔し涙 vs.クレベル・コイケ

会場入りから超ド派手!YUSHIvs.ZENKI

RIZINアンバサダーくるみに引退について語る朝倉未来

RIZINを観戦して格闘技ファンになったヒカル

RIZINガールにセクハラし断られるシバター

公開計量のRIZINガールが可愛すぎた あきぴ

RIZINガール新メンバー紹介が大胆すぎた

RIZINガールがBellato堀口恭司戦を観戦した感想 てんちむ

RIZINガールが斎藤裕に絞められ変な声を出しラファエル興奮

RIZINガールが斎藤裕にタックルされ変な声を出す

フライパン曲げを見て驚くRIZINガールが可愛い 川村那月

RIZINガールの前に全裸で登場する格闘家 大尊伸光

RIZINガールの温泉ガチトークが魅力的

公開計量のRENAがオシャレで可愛い

ガルシア公開計量で場を凍りつかせたパンチ

RIZINガールの前で計量オーバーしスパッツ脱いで再計量の格闘家

公開計量で魅せたアンジェラ・マガーナの魅力的な衣装

くるみにドッキリを仕掛けられたと勘違いする朝倉未来

RIZINアンバサダーくるみ ビビりながら朝倉未来にツッコみ

RIZINアンバサダーくるみ NGしても可愛い

RIZINアンバサダーくるみ キレるクルミも可愛い

RIZINアンバサダーくるみの格闘技センスに杉山選手も仰天!

RIZINアンバサダーくるみ 休憩中のハプニング

RENAからのメッセージが可愛すぎる!

可愛すぎるRENAをガン見する髙田 延彦

RENAの仕上がった美ボディ公開計量

公開計量での山本美憂の肉体美が凄い

公開計量で会場をザワつかせた中井りん 髙田 延彦も凝視

武尊 公開計量で見せた完璧ボディが凄い

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FINISH10 LFA MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC UNRIVALED UNRIVALED02 YouTube   コンバット柔術 ジョン・リネケル ファブリシオ・アンドラジ 上久保周哉 大沢ケンジ 寒河江寿泰 日沖発 杉山廣平 村田卓実 森戸新士 江木伸成 海外 白木アマゾン大輔 石橋佳大 竹浦正起

【Finish10】石橋佳大戦前の上久保周哉=MMAファイター─02─「今年、Road to UFCが無かったら……」

【写真】その視線の先は──(C)MMAPLANET

5日(日)に東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開催されるFinish10で石橋佳大と対戦する上久保周哉インタビュー後編。

Unrivaled02での勝利を経て、1週間後の石橋戦では吉岡戦とは違うテーマを持って臨むという。

グラップリングを戦うことでMMAファイターとして強くなると考える上久保、ONEとの契約が快勝された今、続くMMAの舞台はどのように考えているのか。

<上久保周哉インタビューPart.01はコチラから>


──では勝手ながらADCC66キロにチェレンジすることがMMAで強くなることなら、本当に上久保選手の挑戦が見てみたいですね。

「あぁ……そうですねぇ。ADCCにはそうやって出ている強い人もいますしね。出たいと言っちゃあ、出たいです。前回の予選は豪州で、今年はシンガポールですよね。以前のように気軽に出ることはできないですけど……。いつもタイミングが悪くて、出られなくて。

苦手なポジション、怖いポジションがなくなれば良いなと思ってやっています。急に足関節ができる選手になれなくても、仕掛けられた時に対処できるようにならないと」

──そのようななか、次のFINISHはケージで。ただし、トップを取るポイントはないサブオンリーです。

「ケージは戦いやすいですけど、今日とは違ったテーマを持ってやらないといけないなって思っています。漠然と戦うのではなくて」

──では石橋選手の印象を教えてください。グラップリングになるとMMAの激闘振りとは違い、要所を抑えてくるテクニシャンという風にも感じます。

「組み技のイメージは丁寧ですよね。頂柔術の人と試合をしたことがあって、意識をするということではなく普通に試合を見たことがあります。そうですね……MMAのイメージとは真逆かと勝手に思っています。強そうだし、練習で会う機会がなかったので組んでみたかった選手です」

──サブオンリー、5分✖3R。一本を狙うのか、ドミネイトしていれば時間切れでも構わないのか。MMAで強くなるために、どちらの思考で戦いますか。

「5分3Rにしてほしいとお願いしたんです。MMAを意識して。ただ一本は狙っていないといえば嘘になるし、狙っているかというとそれも違います。攻め込んだ末、それが一本になる。今日も一本を狙っていなかったわけでなくて、相手を削っていった先に一本があると考えています」

──打撃でも一発KOでなく、当て続けた先にKO勝ちがあるケースもあります。先日のONEのファブリシオ・アンドラジがジョン・リネケルを倒した試合のような。

「そういうイメージです。一緒だと思います」

──ということでFINISHの先、MMAの方はどうなっているのかと(笑)。

「MMA、やりたいですよ。やりたいと思い続けて、1年以上が経ちました。でも、練習を続けています」

──ONEとの契約が正式に切れて、他と交渉できるようになったのはいつからですか。

「実質、試合後から8、9カ月が過ぎてフリーになれた感じですね」

──狙いはRoad to UFCですか。

「Road to UFC……Road to があれば良いなと思っています」

──ちらほら出場選手の名前も聞かれ始めています。

「マジすか。誰が出るのですか?」

──〇〇〇〇〇選手。×××××選手とか△△△△選手、交渉している選手はその数倍はいるかと。

「あぁ、〇〇〇〇〇選手の名前は聞いています。Road toがなければ、今年はどこででも試合をします。欲を言えば、ローカルでも構わないので海外のどこかでやりたいですが、そこは自分がやりたいからといって戦えるわけでもない。そうやって考えると、国内でも戦います」

──リングでも戦いますか? 完全に誘導尋問ですが(笑)。

「少なくともこの1年間、1度も声が掛かっていないので僕のことは興味ないですよ(笑)」

──アハハハ。ところでUFCを狙うことで、試合の機会が逸する。それがファイターにとって不幸という、大沢ケンジ理論も正しい一面があると思います。だからこそ、上久保選手のMMAが見たいですね。FINISH後は。朗報お待ちしています。試合が決まるのが、朗報ってどういうことかと思うのですが……。

「いや、ホントそうですよね(笑)。でも、フリーランスになってまだ4カ月ほどで。半年ぐらいは掛かるモノだと思って動き出しているので。ファイターに試合は必要です。でも田中(路教)選手とか、米国に住んでいてLFAもあれだけ試合を組んでくれないモノなのですか?」

──そこは近々、田中選手に現状を尋ねようと思っています。何か動きはあったようなので。

「田中選手はRoad toは無理なのですか?」

──やはりバンタム級は気になりますか(笑)。最近自分の耳に入って来るのが30歳ではなく32歳という数字なんですよね。

「32歳ですか……。30歳ぐらいまで取りたいってことですね(笑)」

──いやぁ、そこも思うんですよ。ジェンダーレスが当然の世の中で、なぜ年齢の区別があって良いのか。もちろん格闘技なので、考慮される点はありますが、一律っぽく通例になっているのは世の中に逆行しているかと。メディカルに掛かる費用が違うというのも、ではそのメディカルの費用が高くなる年齢も、これだけ医学が発達し人生100年と言われるようになっても20年前と同じなのかと。

「確かに、そうッスよね。選手寿命は長くなっているし、40歳越えてUFCチャンピオンになる選手がいるのだから……年齢差別(笑)。まぁ、強い選手はそこを越えて行けるのでしょうけど。

でも30歳から32歳には伸びた。僕は今年で30歳になるので、ここでRoad toがなければドサ回りする覚悟はできています」

■視聴方法(予定)
3月5日(日)
午前8時55分~ツイキャスLIVE
             
■対戦カード

<ライト級/5分3R>
日沖発(日本)
土屋大喜(日本)

<ライト級/5分3R>
上久保周哉(日本)
石橋佳大(日本)

<ライト級/5分3R>
寒河江寿泰(日本)
森戸新士(日本)

<IREコンバット柔術66キロ契約/10分1R>
村田卓実(日本)
杉山廣平(日本)

<73キロ契約/5分2R>
白木アマゾン大輔(日本)
竹内稔(日本)

<フェザー級/5分2R>
竹浦正起(日本)
江木伸成(日本)

<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
大嶋聡承(日本)

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#ジュニア・タファ 日本のファンはKO好きか? 【RIZIN】【切り抜き】

【元動画はこちら】
https://www.youtube.com/shorts/dViCsBkJXjo

朝倉未来の勝敗予想にニヤニヤが止まらない平本蓮

試合後インタビューで朝倉未来のTwitterに反論する平本蓮

アメリカに戻りたい気持ちを語る平本蓮

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公開計量の乱闘より後ろのRIZINガールが可愛くて気になる

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来 バチバチのフェイスオフ

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