カテゴリー
Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP115 MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC イ・ソンハ キム・ソンウン シン・スンミン ソルト パク・シウ パク・シユン パンクラス ホン・イェリン マサト・ナカムラ ユ・スヨン 力也 大原樹理 大島沙緒里 木下尚祐 杉山廣平 海外 石司晃一 酒井リョウ 鈴木槙吾 青井人 駒杵嵩大

【DEEP115】Black Combatとの対抗戦02へ、大島沙緒里─01─「王者として指名された相手と戦います」

【写真】DEEP、BLACK COMBAT、RIZIN──昨年は4試合、今年も3試合目。J-MMAでこれだけコンスタントに試合数が多いチャンピオンは少ない(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。今年2月に続き実現するDEEPと韓国BLACK COMBATの対抗戦のなかで、DEEPミクロ級&DEEP JEWELSアトム級王者の大島沙緒里が、BLACK COMBATアトム級王者のパク・シユンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

対抗戦第一弾では、大島はホン・イェリンに一本勝ち。その後、6月にはRIZINでストロー級QOPであるソルトとの王者対決を制し、今回のパク・シユン戦に至っている。そんな大島に、まずMMAでは初となった海外遠征――ホン・イェリン戦とBLACK COMBATについて振り返ってもらった。


――DEEP×BLACK COMBATの対抗戦第2弾として、女子アトム級王者対決を控えています。大島選手は今年2月に開催された対抗戦第一弾にも出場していますが、これまでのDEEPやDEEPJEWELSの試合と対抗戦では何か意識の違いはありますか。

「特に意識は変わらないですね。もちろんDEEPとJEWELSのチャンピオンだという気持ちは持っています。ただ、今はアトム級でも良い選手が多くて、私がDEEPとJEWELSの女子アトム級を背負うという気持ちは薄くなってきています」

――なるほど。国内でも女子アトム級の選手層は濃くなりつつありますね。

「私としては、ただ目の前の試合で勝つこと。その気持ちはDEEPでもJEWELSでも、RIZINに出ても変わらないんですよ」

――確かに大島選手にとっては、DEEPやJEWELSではアトム級やミクロ級には対戦経験のある選手が多いです。さらにRIZINでもパンクラスのストロー級QOPであるソルト選手にも完勝しているだけに、国内ではマッチメイクに困るかもしれません。

「チャンピオンとして、指名された相手と戦います。防衛期限もありますし。と同時に私もファイターとして、これからも上を目指していきたい。じゃあ女子のアトム級で上となったら、何を目指すのか……。モチベーションを失ったとか、そういうことではないです。ただ、いろいろと考えるようにはなりましたね」

――その状況でBLACK COMBATとの対抗戦があり、海外で試合を行うことができたのは、気持ちを切り替えるキッカケにもなったのではないですか。

「そうなんです。MMAでは初めて海外で試合をすることができて、すごく勉強になりました。試合スタイルも日本人と韓国の選手では違いますから。その部分で学ばせてもらったことは大きいです」

――韓国の試合で学んだものとは何だったのでしょうか。

「対戦相手のホン・イェリン選手が引退を賭けて臨んだ試合だったと、試合後に聞いて納得したんですよ。試合はずっと私が攻め続けていても、相手の気持ちが折れなくて。『最後まで諦めたくない』と食らいついてくる感じで――とにかく気持ちの強い選手でした。

あと韓国人選手といえばパク・シウ選手もそうですけど、フィジカルが強いイメージもあります。私はまだ海外勢だと韓国人選手としか試合をしたことがないけど、他の国の選手はどうなんだろうって考えさせられました。あと当日は私もコンディションが悪くて……」

――えっ!? どのような状態だったのでしょうか。

「熱とかはなかったんですけど、とにかく体の動きが悪かったです。もともと私は特に減量も厳しくないので、試合直前まで体を動かしているタイプなんですよ。だから2月も試合の1週間前ぐらいに韓国に入ってから、ずっと体を動かしていて――でも海外で調整する難しさも感じました。試合中も立っているのが辛くて、とにかく打撃を出すことなく組みに行ったんですよ(苦笑)」

――試合前のインタビューで、あれだけ打撃の話をしていたのに(笑)。

「アハハハ。もうコンディションが悪すぎて、自分の中で余裕がなくなっていました。試合前からセコンドにも『スタミナがもたないだろうから、すぐ自分の得意な展開にもっていきます』と言っていて。だから試合が始まってすぐに極めに行ったんですけど、思った以上に相手がタフだし、気持ちも強くて粘られてしまいましたね」

――しかも2Rに相手がリバーサルに成功し、ヒジを連打してきたシーンは驚きました。大島選手のコンディションの問題もあったとは思いますが、ホン・イェリンも気持ちの強さを見せつけたと思います。

「そういう試合展開だったので、3Rに極めたあとマイクを持った時は、フラフラで立っていられないぐらいの状態でした。敵地だと判定になったら、どうなるか分からないじゃないですか。もともと自分としても極めるしか勝つ道はないと思っていて。でもグラウンドに持ち込んだら、すぐに立たされたりしていたので、私の中でも焦りはありましたね。『寝技の時間を全然くれない!』って(笑)」

――現在行われているROAD FCのグローバルトーナメントもそうですが、BLACK COMBATも同じようにブレイクが早い傾向にありましたね。打撃の話でいえば全く出していなかったわけではなく、離れ際にムエタイ式のヒザを打とうとした瞬間は『これのことか!』と思いました。

「えっ! それは全然覚えていないです。本当にフラフラで……。でもその状態で出るというところまで体に染みついているのは嬉しいです。やっぱり私が組みに行く以上、テイクダウンできずに立たれることは想定しないといけないし、離れ際の打撃も重要になってきますよね」

<この項、続く>

■ DEEP115対戦カード

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<女子級アトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

The post 【DEEP115】Black Combatとの対抗戦02へ、大島沙緒里─01─「王者として指名された相手と戦います」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Black Combat DEEP Gladiator Gladiator023 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC Wardog キム・ギョンピョ キム・ミンウ ダギースレン・チャグナードルジ チョ・ソンビン テムーレン・アルギルマー ハンセン玲雄 パンクラス パン・ジェヒョク ユン・ダウォン 世羅智茂 中川皓貴 大原樹理 森戸新士 河名マスト 竹本啓哉

【Gladiator023】フェザー級サバイバル戦、河名マスト×ユン・ダウォン&チハヤフル×ハンセン玲雄決定

【写真】タイトル、その先に向けて負けられない生き残り合戦が王座決定戦の前に行われる(C)Zuffa/UFC

9日(水)、GLADIATORより9月30日(土)に豊中市176BOXで開催されるGLADIATOR023 の追加カードの発表があった。

バンタム級選手権試合=王者テムーレン・アルギルマー×チャレンジャー竹本啓哉。フェザー級王座決定T決勝=パン・ジェヒョク×ダギースレン・チャグナードルジ。PROGERSSフォークスタイルグラップリング暫定ウェルター級王座決定T決勝=森戸新士×世羅智茂戦に続き発表されたのは、フェザー級の2試合――河名マスト×ユン・ダウォン、チハヤフル・ズッキーニヨス×ハンセン玲雄の2試合だ。


前述したように同大会ではフェザー級王座決定トーナメント決勝が行われるが、そこで戦うパン・ジェヒョクとダギースレンとの準決勝で惜敗を喫した河名とチハヤフルの再起戦。

河名と戦うユン・ダウォンはチャ・ジョンファン率いるMMA ストーリー所属のファイターだ。チェ・ムギョム、キム・ミンウ、キム・ギョンピョら強豪選手を輩出したMMAストーリー、ユン・ダウォンは今年の2月にBlack Combat代表として、ライト級戦でDEEPライト級チャンピオン大原樹理選手に敗れている印象が強いが、今回は本来のフェザー級での来日となる。

河名にとっては仕切り直しとなったRoad to ―Road to UFC、絶対に落とせない試合となる。対してチハヤフルのリスタートは、ハンセン玲雄とのマッチアップとなった。

パンクラス、DEEPで剛腕を発揮しつつも組みという課題を持ち続けているハンセンは、今回のリリースよると1月大会でリライアブル神戸の同門=中川皓貴選手がチョ・ソンビン選手に敗れた直後から、リベンジと王座奪取を明言していたという。

その後、6月大会でGladiator初出場を果たすと、WARDOGフェザー級チャンピオンの徳野一心一馬選手を30秒で下し、今回のチハヤフル戦を実現させた。

トーナメントが終わっても、続くサバイバル戦。ここに中川が加わることで、韓国人かモンゴル人が頂点に立つグラジのフェザー級戦線がより混迷化してくるか。

以下、今回の試合に向けて4選手の意気込みとなる。

河名マスト
「前回の試合では、自分の思うように試合が進められない中で、新たな発見をすることができました。その発見に頼ることなく、自分のやりたいことを押し付けていく中で、また新たな自分を見つけられるような試合にしていきます。

対戦相手のユン・ダウォン選手は、柔らかくて投げづらいタイプですが、そんなことお構いなしで固めて決着つけて勝ちます。グラジの借りはグラジで返す!」

ユン・ダウォン
「MMAストーリー所属のユン・ダウォンと申します。今回、チャンスを与えて下さったGladiatorの皆さん、本当にありがとうございます。マスト選手はグレコローマンスタイルレリンクのU23世界選手権優勝と聞きました。

彼のようなエリート選手は当然強いでしょうが、未だにMMAに慣れていない感じがします。MMA一筋の私が、しっかりとMMA的なゲームプランを実行して勝たせて頂きます。自分も連敗中ですので、勝利は譲れません。覚悟していて下さい」

チハヤフル・ズッキーニヨス
「ハンセン選手は良い選手だと思います。着実に力をつけてきていて、総合的に戦績以上の実力を持っていると思います。前回の30秒KOもお見事でした。が、申し訳ないのですが僕の負け筋が思いつきません。

彼の打撃で僕は倒れませんし、寝技でも上回ります。ドロドロのスクランブル合戦も望むところです。今大会ではフェザー級タイトルマッチがあり、個人的にはダギースレンが勝ってくれると思っています。

僕も差を見せてフィニッシュして、次期挑戦者として真っ先に名前が挙がる試合をします!」

ハンセン玲雄
「チハヤフル選手は前回大会のトーナメントではダギースレン選手を相手に粘り強い試合をしていて、面白い選手だなと思いました。他の試合を見ても打撃も組みもする、バランスの良い選手という印象です。

前回判定で負けていましたがトーナメントに出ていたチハヤフル選手をしっかり仕留めきって、ベルトに向けて良いアピールをします。

Gladiatorは外国人選手も多く出場していたり、関西にいて世界を体感出来る団体だと思い、その舞台で試合をしたいと思っていました。前回初めて出場したので、今回の試合でまずはGladiatorのお客さんに僕という選手を覚えてもらい、Gladiatorで猛威をふるっている外国人選手をしっかり倒してベルトを獲りたいと思っています」

The post 【Gladiator023】フェザー級サバイバル戦、河名マスト×ユン・ダウォン&チハヤフル×ハンセン玲雄決定 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Black Combat Black Combat05 DEEP DEEP JEWELS DEEP115 KOMA MMA MMAPLANET NEXUS o ROAD FC UFC YouTube その他 イ・ソンハ キム・ソンウン シン・スンミン チェ・ウォンジュン チャンネル ブラック ボクシング ミシェウ・ペレイラ ユ・スヨン ラ・インジェ 佐伯繁 大原樹理 大島沙緒里 石司晃一 赤沢幸典 酒井リョウ 鈴木槙吾 青井人 駒杵嵩大

【DEEP115】DEEP vs Black Combat対抗戦。ここは負けられない大原、大島、駒杵、鈴木、酒井の対戦相手達

【写真】ここでフィニッシュして、大晦日というのが大原の想いだろう(C)MMAPLANET

9月18日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 115 IMPACTで行われるDEEP vs Black Combat 7×7全面対抗戦の対戦カードが発表された。
Text by Takumi Nakamura

前回はMMAPLANETの注目カードとして、石司晃一×ユ・スヨンと青井人×シン・スンミンの2カードを紹介したが、今回はその他の5カードをブラックコンバット勢=韓国人選手を中心に紹介していきたい。

<DEEP115見どころPart.01はコチラから>


今年2月に韓国・スウォン・コンベンションセンターで行われたBlack Combat05での対抗戦第一弾で勝利した現DEEPライト級王者の大原樹理と対戦するのは現ブラックコンバット・ライト級王者のイ・ソンハだ。ソンハは2021年5月にプロデビューし、昨年12月のブラックコンバット初参戦でキム・ジョンギュンを破って、同団体の第2代ライト級王座を獲得。今年4月のパク・ジョンセン戦でも一本勝ちし、現在2連勝と勢いに乗っている。

ジョンホン戦では、左フックでダウンを奪われたあとに三角絞めからアームバーを極めて一本勝ちして極めの強さを見せたソンハだが、ジュンギュンとの王座戦では互いにテイクダウンを奪い合う接戦を演じている。大原はソンハの勢いに飲まれずに冷静に戦いたいところだ。

大原と共に対抗戦第一弾で勝利したDEEP女子ミクロ級及びDEEP JEWELSアトム級チャンピオンの大島沙緒里と対戦するパク・シユンは現ブラックコンバット女子アトム級王者。

2019年12月のDEEP JEWELSで赤林檎に敗れてから2連勝を収めているが、大島としては実績・経験の差をしっかりと見せつけたい試合だ。

初代Fighting Nexusフライ級王者の駒杵嵩大と対戦するキム・ソンウンはフライ級では長身の175センチから繰り出すヒザ蹴りとグラップリング技術が持ち味。

今年4月のブラックコンバット初代フライ級王座決定戦ではイ・ジュンヨに敗れているが、7月にはフライ級トップファイターの“闘犬”チョン・ウォンヒに一本勝ちしている。ソンウン最大の武器はウォンヒからタップを奪ったギロチンチョークで、テイクダウン能力は決して高くないが、この一発には駒杵も警戒が必要だろう。

激しい打ち合いが予想されるのは現DEEPウェルター級王者の鈴木槙吾とチェ・ジュンソの一戦だ。ジュンソはここまで勝った試合のほとんどが2RまででのKO勝ちで、今年1月のブラックコンバットでは赤沢幸典をKOしたチェ・ウォンジュンから左フックでダウンを奪っているハードパンチャー。そのパンチ力を活かすあまり、大振りで簡単にボディロックやテイクダウンを許す面もあるが、ミドル級の一戦ということもあり――激闘派の鈴木が足を止めて打ち合うとリスキーな相手だ。

現DEEPメガトン級暫定王者の酒井リョウと対戦するのはブラックコンバット・ヘビー級王者のヤン・へジュン。レスリングのバックボーンを持ち、2018年7月のROAD FCでは現在UFCに参戦中のミシェウ・ペレイラとも拳を交えた。翌2019年6月にラ・インジェに勝利して第7代ROAD FCミドル級王者となるも、その後に約3年間のブランクがあり、復帰戦となった昨年10月のブラックコンバットでチェ・ウォンジュンに一本勝ちして同団体のベルトを巻いた。

へジュンのファイトスタイルはペレイラ戦でも見せたダーティボクシング&テイクダウンが軸となりつつ、インジェやウォンジンに極めた首投げ&Vクロスという必勝パターンがある。ただしミドル級から階級を上げてきただけに、同じヘビー級でも酒井と比較すると身体のサイズでは劣る。酒井としてはそのアドバンテージも含めて勝利に近づきたい。

DEEP公式YouTubeチャンネルにて公開された対抗戦の告知動画では、DEEP佐伯繁代表が(リアルに)鼻息荒く「潰してやるかな!」と宣言していた対抗戦・日本ROUND。その結果は果たして――。

The post 【DEEP115】DEEP vs Black Combat対抗戦。ここは負けられない大原、大島、駒杵、鈴木、酒井の対戦相手達 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP MMA MMAPLANET NARIAGARI News o RYO Wardog キック 北岡悟 大原樹理 大木良太 斎藤 斎藤裕

【DEEP X NARIAGARI】「今までの自分とは違うものを感じています」北岡悟戦前の大木良太─02─

【写真】スキンヘッドになり、受ける印象が若干変わった大木。北岡にとって過去2戦より、厳しい試合──望んできた状況に近づいているマッチアップだ (C)MMAPLANET

23日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催される『DEEP×NARIAGARI』のメインで、北岡悟と対戦する大木良太のインタビュー後編。

幼少時代からJリーグを目指してサッカーを続けていた大木が、なぜ空手からMMAを始めることになったのか。

そのキャリアを訊くと、現在の大木のファイトスタイルが明確になってくる。とはいえ大木は現在2連敗中で、北岡悟に勝利して再びベルトを目指すことができるか――決戦への意気込みを語ってくれた。

<大木良太インタビューPart.01はコチラから>


――サッカーを辞めたあと、大学在学中に大阪で空手の道場に入ったのですか。

「はい。空手はフルコンの試合に出ていました。今も蹴りについては空手をやっている時に習ったことを、そのまま生かしているという感じで。あとはサッカーですね」

――……どういうことでしょう?

「ずっとサッカーをやってきたおかげなのか、他のスポーツをやっても『全くできない』という経験はなかったです。空手を始めた時も、すぐに試合に出してもらえたり」

――なるほど。サッカーは競技人口も多いですし、その中で鍛えられていれば体の動かし方も含めて、基礎は違うかもしれません。

「しっかり野球をやっていた人もそうですよね。特に野球の投げ方とパンチの打ち方は、動作が同じところもあるらしくて。空手の道場へ見学に行った時、ミットを蹴ったら『蹴りが良いね!』って褒められたんですよ。空手だったら試合で人間を蹴って良いじゃないですか。それが面白いなと思って空手を始めました」

──蹴る対象がボールから人間に替わったわけですね(笑)。

「アハハハ。実際、ボールを蹴るよりもハイキックで顔面を狙うほうが、やりやすいかもしれないです。サッカーだとボールは試合中、ずっと動いていますよね。でも人間の顔面は、試合中のボールほどは動いていなくて。だからサッカーで蹴るっていうことに慣れていたら、ハイキックで顔面を狙いやすいっていうのはあるかもしれないです」

――空手からMMAに転向したのは、どういった経緯があったのでしょうか。

「大阪で空手をやったあと、大学を卒業して就職で地元の鹿児島に帰りました。鹿児島でも格闘技はやりたけど、フルコン空手って顔面を殴ることはできないじゃないですか。そこで顔面を殴れる競技を探していたら、1回500円で練習できるMMAのジムがあって。見学に行くと道場の代表の方が昔は空手をやっていたそうで、自分の空手のエッセンスを入れながらMMAをやれるんじゃないかと入門したのが、MMAを始めたキッカケですね」

――プロデビューは大阪Wardogで、地元のMMA大会にも出場しています。

「アウトサイダーにも出ました。鹿児島はジムも大会も少ないし、当時はアマチュアだとアウトサイダーに出るっていう流れがあって。他にも九州の大会に出たりしながら、もっと技術を学びたいと思い、出稽古で東京に行くんですよ。その出稽古がキッカケで、拠点を東京に移すことになりました。それで2019年からDEEPに出させてもらうようになって」

――DEEPで4連勝している時期は、「これはいける!」という手応えはありましたか。

「自分の中で『上に行く!』という意識はありましたけど、そういう『行けるんじゃないか』みたいな過信はなかったです。ずっとスポーツをやってきて、その過信が一番良くないことは分かっていました。上に行くためには、とにかく自分の穴を潰していくこと。穴を潰していかないと気が済まない性格でもあったので」

――では2021年7月に、大原樹理選手とDEEP暫定ライト級王座を争った際は、過信ではなくベルトを巻ける自信はあったのですか。結果は3Rに大木選手から偶発性のローブローがあり、試合はストップ。テクニカル判定で大木選手は敗れました。

「はい、自信はありました。いずれ大原選手と対戦すると思っていて、タイトルマッチが決まる前から試合も観ていましたし。試合自体については、ローブローの後も僕としては続けたかったです。でも、大原選手もずっと欲しかったベルトに手が掛かっている。そこで無理をしないのは当然で。ただ、僕としても気づかせてもらえたことも多かったですね。

次の石岡戦も、勉強になった試合でした。僕の中では打撃を当てていたのは自分だったし、勝ったやろうと思っていて。でも判定では僕の負けという印象になるんだなって。まず自分が勝っていると印象づけるためには、MMAで何をどうやったら良いのかと自分の中でも理解しないといけないと感じたんです」

――それが最初に仰った試合への取り組みに繋がるのですね。次の試合は北岡悟選手と対戦します。大木選手も2連敗中ですが、ここで勝てばもう一度ベルト戦線に立つことができる重要な試合だと思います。

「もちろん北岡選手に勝てば、ベルトに向けて前進できることは確かです。でも今まで試合によって気持ちが変わったことはないんですよ。いつも『絶対に相手をブッ飛ばしてやる』という気持ちで試合に臨んでいます。自分の中の温度はいつもマックスで、それは北岡選手が相手でも同じです」

――なるほど。記者会見の発言で、北岡選手と練習した経験があったとか。

「僕が東京に出て最初に入ったのがTRIBE TOKYO M.M.Aで、北岡選手がTRIBEのプロ練に参加していたんですよ。組んだこともありますが本当に強くて、これがトップ選手なんだって思わせてくれました。僕がTRIBEを離れてからは、一緒に練習したことはないです」

――では現在の北岡選手について、対戦相手としての印象を教えてください。

「組み中心、寝技中心の選手ですが、苦手意識のようなものはないです。僕自身が今まで試合では寝技をやっていないだけで。次の試合は今までと違う僕を見せることができると思っています。最初に言ったとおり、斎藤裕さんや上田将勝さんにアドバイスを頂いたり、後輩たちも含めて対策を立ててもらったりしていて。練習の時点から、今までの自分とは違うものを感じています。怪我のために2年近く試合から離れてしまいましたが、ここまで自分のできることは100パーセントやってきました。次の試合は、絶対に倒します!」

■視聴方法(予定)
7月23日(日・日本時間)
午後2時45分~SmartNews

The post 【DEEP X NARIAGARI】「今までの自分とは違うものを感じています」北岡悟戦前の大木良太─02─ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP MMA MMAPLANET NARIAGARI News o RYO 北岡悟 大原樹理 大木良太 斎藤 斎藤裕 石塚雄馬

【DEEP X NARIAGARI】北岡悟戦へ、大木良太─01─妹を守るために「僕がまず強くならないといけない」

【写真】 本当にMMAファイター一人ひとりに、戦う理由が存在している(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催される『DEEP×NARIAGARI』のメインで、大木良太が北岡悟と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

大木は2017年まで地元の鹿児島県で活動し、翌年から上京してDEEPで4連勝を飾る。しかし2021年には大原樹理、石塚雄馬を相手に連敗を喫して以降、1年半以上のブランクをつくっていた。そして今回、北岡悟を相手に復帰戦を行う大木良太に初インタビュー。まだ鹿児島訛りが残る優しい語り口から、意外なエピソードが語られた。


――5日後に試合を控えた現在(※インタビューは19日に行われた)、コンディションはいかがですか。

「コンディションはバッチリですね。減量も、あとは計量前に少し水抜きするぐらいで」

――6月16日に行われた記者会見の時と比べると体も絞れているようですし、かつ肌ツヤも良いように見えます。

「今回は良い感じに落とせています。いつもは無理して落とすようなところもあったんですよ。でも周りからのアドバイスもあって、今回から食事や減量方法を変えました」

――大木選手はプロで5連勝したあと、2021年に2連敗を喫して今回の試合を迎えます。減量方法を変えたのは、この2連敗がキッカケなのでしょうか。

「はい。でもそれは減量だけじゃなく、全てですね。減量に関していうと、今まで自分が良しとしている方法以外もあったんだなと。練習仲間から、そういうアドバイスをもらって新しい方法に取り組んでいます」

――では減量以外で何か新しく取り組んできたことはありますか。

「試合の組み立て方に関しては、今までは自分自身の感覚に頼りすぎていたところがありました。僕はずっとスポーツをやってきた人生だったんですよ。4歳から大学に入るまでサッカー、そのあと空手からMMAを始めていて。だから体の動かし方、相手との距離なども何となく……感覚でやっていた部分があるんですね。作戦や試合中のことも自分で考えて、セコンドには『試合中に自分がこういう状態になったら、こう指示して』とか自分のほうからお願いしていたり。

それが今回に関しては良い巡り合わせがあったんです。練習でも試合でも感覚だけじゃなく、『こうなったらこう』と自分でも言語化できるようにならないといけない。そうして、自分の中でも納得しながら進めないといけない。試合前なので細かく何をどう変えたとは言えないけど、大きな部分で一番変わったのはその部分ですね。感覚だけでなく、しっかりと形にしていくというか。それは今回の試合が決まる前から取り組んできました」

――いま仰った「巡り合わせ」の一つが、斎藤裕選手との出会いということですか。大木選手のSNSに齋藤選手が登場する回数が増えています。

「そうです。斎藤選手とは出稽古先が一緒だったり、もともと交流はありました。それが去年、僕が怪我をして入院した時に――」

──えっ!? 入院していたのですか。2021年10月の石塚雄馬戦から今回の北岡戦まで期間が空いた理由は、その怪我だったのでしょうか。

「実は練習中に怪我をして、手術することになったんです。それも最初は気づかなくて、どことは言えないですが改めて検査したら『これは手術しないといけない』という状態になっていて。ずっとスポーツをやってきたから体も丈夫で、気づけなかったんですかね(笑)」

――あまり笑えないところではありますが……。すみません、話を戻します。大木選手の入院をキッカケに斎藤選手との距離が縮まったのですね。

「はい。正直、もう選手生活も――というほどの怪我でした。でも僕はMMAを続けたい。それを聞きつけた斎藤選手が僕のことを気遣ってくれて、退院してから『やれるところから始めようか』と、マンツーマンで教えてくれるようになりました。だから僕の考え方が変わった大きな要因は、斎藤選手のアドバイスですね。僕も斎藤選手のことを兄貴だと思っています。それぐらい、ありがたい存在です」

――なるほど。一方でキャリアについてですが、先ほどサラッと「4歳から大学に入るまでサッカーをやっていた」と仰っていました。

「Jリーグを目指していました。高校までは地元の鹿児島でやっていて、大阪の大学に入ったけど、1年生の夏ぐらいには辞めてしまったんですよね」

――Jリーグを目指していながら、なぜサッカーを辞めてしまったのでしょうか。

「サッカーって良くも悪くもチーム競技で。采配する監督がいて、プレーする選手がいる。そこでチームの色もあるし、監督の意向にそぐわなかったら選ばれないというか。僕はディフェンダーで、1対1なら絶対の自信がありました。大学に入った時、監督から『全員を止めることができたらレギュラーだ』と言われて、そこで僕は全員――ドリブルしてくる相手を止めたんですよ。しかも2周ぐらい」

――それは凄いですね!

「でも、レギュラーにしてもらえませんでした。だから『もうチーム競技はいいかな。個人競技をしてみようかな』と思って、知人の紹介で近所にあった空手の道場に入ったんですよ」

――そこで空手の道場を選ぶということは、もともと格闘技に興味があったのですか。

「自分の父親も空手をやっていたらしくて、その影響もあったと思います。小さい頃から格闘技は好きでした。それと……障がいを持っている2歳下の妹がいるんですよ。妹がバカにされないためには、まず自分がナメられないようにする。だからサッカー部に所属していながら、家にサンドバッグを置いてパンチの練習をしていました」

――妹さんを守るために、自分が強くなろうと……。

「今でこそSNSで『障がいを持っている人を馬鹿にしちゃダメだよ』という考えも広まってきていると思うんです。でも僕が子供の頃は、まだ障がいをバカにしたり、心無いことを言ってくる子もいて。妹は2歳下だから、同じ学校にいる時は自分が守ることができる。自分が卒業しても『あの兄貴がいるから妹をからかわないようにしよう』と思われるように、まずは僕が強くならなきゃいけないと考えていました。だから当時から格闘技には触れていて、いつか本当に格闘技をやってみたいという気持ちはあったんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月23日(日・日本時間)
午後2時45分~SmartNews

The post 【DEEP X NARIAGARI】北岡悟戦へ、大木良太─01─妹を守るために「僕がまず強くならないといけない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Black Combat DEEP o 大原樹理 大島沙緒里 石司晃一 酒井リョウ 鈴木槙吾 青井人 駒杵嵩大

【DEEP】BLACK COMBATとの対抗戦 DEEP全選手決定!

A4449BE9-BA32-490E-9CD8-1F9806B7B63A
9月18日に後楽園ホールで開催されるDEEP 115 IMPACT。大会の目玉となるDEEP VS BLACK COMBAT7対7の対抗戦に出場するDEEPの7選手が発表されました。

・石司晃一
・大原樹理
・鈴木槙吾
・酒井リョウ
・大島沙緒里
・駒杵嵩大
・青井人

今月の後楽園ホール大会で既に発表されていた5選手に加え、駒杵と青井が新たにネームアップされました。揃いも揃って実力派ばかり。こんなに突っ込んでいいんだろうかと。間違いなく豪華ではあるものの、万が一BLACK COMBATに惨敗するようだと後がないのもまた事実。ただでさえ緊張感のある対抗戦がより一層シリアスなムードになってきた。対するBLACK COMBATの出場選手にも注目が集まります。
カテゴリー
BELLATOR o ONE PANCRASE RIZIN   アキラ トフィック・ムサエフ ホベルト・サトシ・ソウザ ルイス・グスタボ 久米鷹介 大原樹理

7.30『超RIZIN.2』でトフィック・ムサエフとアキラが対戦

ポピニカ魂 PROJECT BM! ポピニカ魂 AKIRA 金田のバイク <リバイバル版> 約500mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア


 RIZINが7月30日にさいたまスーパーアリーナで開催する『超RIZIN.2』でトフィック・ムサエフ vs. アキラを行うことを発表。当初ムサエフはルイス・グスタボ戦が最有力候補でしたが、ケガの回復が間に合わなかったようです。

 ムサエフは3月の『Bellator 292: Nurmagomedov vs. Henderson』で行われたライト級ワールドグランプリ1回戦でアレクサンドル・シャブリーに3R TKO負けして以来の試合。RIZIN参戦は2021年6月の『RIZIN.28』でホベルト・サトシ・ソウザに1R三角絞めで敗れて以来。

 アキラは4月の『PANCRASE 333』で行われたライト級王座統一戦で正規王者の久米鷹介に判定勝ちし王座統一して以来の試合。RIZIN参戦は昨年3月の『RIZIN.34』で大原樹理に判定負けして以来。

 これでBellatorパート5試合、RIZINパート7試合の計12試合となりました。続きを読む・・・
カテゴリー
Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP114 DEEP115 MMA MMAPLANET o YouTube ブログ 佐伯繁 大原樹理 大島沙緒里 石司晃一 鈴木慎吾

【DEEP115】9月18日に後楽園ホールでDEEP✖Black Combat 02開催。王者が5人、7✖7の対抗戦に!!

【写真】ズラリ、4人のチャンピオンと5つのチャンピオンベルト。果たして大島の対戦相手はいるのだろうか…… (C)MMAPLANET

2日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP114 IMPACTで9月18日(月・祝)に同所でDEEP115が開けて、DEEP ✖ Black Combatの対抗戦第2弾が実現すること発表された。

そしてケージ内にウェルター級チャンピオン鈴木慎吾、バンタム級チャンピオン石司晃一、ライト級チャンピオン大原樹理、そしてDEEPミクロ級及びDEEP JEWELSアトム級王者の大島沙緒里が搭乗し、必勝の意気込みをそれぞれが語った。

さらにメインで水野竜也を破ったメガトン級チャンピオンの酒井リョウの出場も確定。イベント終了後の総括で、佐伯繁代表が言及した対抗戦第2弾の現時点での決定事項は以下の通りだ。


対抗戦は7試合、上記にあるように5人のチャンピオンの出場が確定し、対抗戦出場は残り2選手。対抗戦以外の試合も2試合組まれ、計9試合の後楽園ホール大会となる。

Black Combatといえば1週間前にフェイスオフや会見を収録し、ライブ中継はなくYouTubeで1試合ごとにアップするという露出の仕方をしているが、DEEP仕切りとなる次回大会は「試合後の長いインタビューも、後楽園では無理よ。こっちのやり方にやらせてもらう」(佐伯代表)とのこと。

国内はライブ配信、韓国は映画館でパブリックビューイング。試合カードの決定も、前回はBlack Combat側の予選トーナメントの映像のアップを待ってイベント直前となっていたが、今回は早期にアナウンスすることも決まっているという。

「前回、スウォンで向うがこっちに用意してくれたことを返さないといけないので選手の宿泊も東京ドームホテル。計量は東京ドームホテル」(佐伯代表)で、取り行われることも決定した。

またDEEP側がこれだけチャンピオンを揃えるなか、Black Combatのメンツも第1回大会を上回ることが予想され──現在も2階級で予選トーナメントが実施されている。

加えてBlack Combatのベルトが賭けられた選手権試合を2試合組みたいとBCサイドから要望され、なんとDEEPルールで実施されるという。今回の対抗戦、今や王道路線のDEEPが久しぶりにルチャリブレ対抗戦を想わせるビックリ箱状態になるやもしれない。

Black Combatではウェルター級王者が認定されておらず、ウェルター級の試合もほぼ組まれていないことから、鈴木はミドル級戦に出場することも決まっているという。2月4日にスウォンで行われた前回の対抗戦でDEEPは2勝3敗と遅れをとっているなか、絶対に負けられない戦いに向けて──残りの出場メンバーとBlack Combat側の出場選手の発表が気になるところだ。

本来、日本のスポーツにおいて日韓戦ほど、盛り上がるマッチアップはない。そのうえで9月18日に向け、DEEPとBlack Combatの間では、純粋に勝ち負けとしてだけでなく互いの利を追求する上で、すでに舞台裏ではさまざな交渉が行われていることは想像に難くない。佐伯代表は「まさにいろいろと、やり合っていますよ。あくまでもDEEP115 Impactのなかでやるので、同じようにやります」と力強く言い切った。

The post 【DEEP115】9月18日に後楽園ホールでDEEP✖Black Combat 02開催。王者が5人、7✖7の対抗戦に!! first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o ROAD FC Road to UFC UFC YouTube チャンネル 五明宏人 修斗 原口伸 原口央 大原樹理 江藤公洋 野村駿太

【DEEP114】江藤公洋と対戦、野村駿太─01─「キャリアの差がどうとか言われないための試合運び」

【写真】先輩・五明宏人と同じようにMMA歴は短くとも、競技歴の長い選手は試合に向けて落ち着きがある(C)MMAPLANET

7月2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114で、野村駿太が江藤公洋と対戦する。

野村は現在4連勝中。しかもここ2試合は、元ZST王者の小金翔と元修斗王者の川名Tencho雄生を下し、最もライト級のベルトに近い存在の一人となった。対する江藤も4連勝中で、この試合は大原樹理が持つベルトへの挑戦者決定戦の意味合いも持つことは間違いない。その野村に盟友である原口伸のRaod to UFC出場と、自身のベルト挑戦までの戦いについて語ってもらった。


――今、ちょうどBRAVE勢が出場しているるROAD FCのイベントが行われていますね(※取材は24日に行われた)。

「あぁ、そうですよね! お忙しい時に取材ありがとうございます」

――いえいえ、こちらよりも野村選手はチームメイトの試合を観なくて大丈夫なのですか。

「もうマックス(・ザ・ボディ)さんの試合は終わったんですよね? ちょうどジムで指導を担当している空手のクラスがあって、視られませんでした。原口央さんの試合はまだですか」

――はい。マックス選手は反則勝ちで、原口選手の試合はまだまだ先ですね。それぞれ試合が気になるのはもちろんです。Road to UFCに出場している原口伸選手も含め、チームメイトが海外で試合をしていることについては、どのように感じていますか。

「やっぱり気になります。視ているだけでも、海外の試合のほうが自分の気持ちも入りますよ。みんな日本を代表して戦っている。日本で試合をするよりもプレッシャーは大きいと思います。そうやって海外で戦っている選手には、全員に対してリスペクトがありますね。特に原口伸は、BRAVEの選手寮が出来た時に同じタイミングで寮に入ったので」

――年齢も1歳差(※野村が1997年生まれ、原口が1998年生まれ)で、ジム入門と寮に入るタイミングも一緒とは、まさに盟友ですね。

「ジムの仲間の中でも同期っていう感じだし、あれだけ凄いヤツが一番近いところにいる。お互いに刺激し合って、ここまで来ました。RTUも一緒に出たかったけど、ライト級は原口伸が選ばれました。それは嬉しさと、『やっぱりコイツは強いんだよなぁ』っていう気持ちと、悔しい気持ちもあります」

――野村選手も今年のRTUに申し込んでいたのですか。

「はい、申し込んでいました。もともと原口伸はフェザー級で出るような話もあって。だから一緒に出られれば良いなと思っていたんですけど(苦笑)。自分の場合は申込が、DEEPで川名選手と試合をする前でした。原口伸はベルトを巻いている状態だったので、同じ階級で2人を比べたら、ベルトを持っているほうが評価されるのは仕方ないと思っています。今回は他の日本人選手を見ても、ほとんどベルトを巻いているファイターじゃないですか」

――そのRTU出場メンバーを見ると、野村選手も早くタイトルマッチに臨みたい気持ちになるのではないですか。

「もちろんです。今はそのために――とにかく一つひとつの試合で勝って、目標に近づけるよう取り組んでいます。ただ、ベルトを巻くためにも段階を踏んでいかないといけないとは思っています」

――昨年12月に元ZST王者の小金選手、続いて今年3月に元修斗王者の川名選手を下してきて、DEEPのベルトに近づいているのではないでしょうか。

「他の団体ですけど元チャンピオンの人たちと対戦して、しかも勝っているので近づいている感じはありますね。徐々に――ではありますけど。とにかく強い選手や名前のある選手との試合を組んでいただていることは分かるので、自分にとってはモチベーションに繋がります。次に対戦する江藤選手も今は4連勝中ですし、ここで江藤選手に勝てば自分ももっとベルトに近づくことができる試合なのかなって思います。今は自分よりベルトに近い選手というのが、あまり思い浮かばないですね。それこそ江藤選手ぐらいしかいなくて。だから自分でも『次は江藤選手だろうな』というふうには考えていました」

――元チャンピオンとの対戦が続くと、誰の目にも明らかですよね。ただ、そのマッチメイクはご自身にとってプレッシャーにはなりませんでしたか。

「自分はMMAを始めて2年半で、プロデビューして2年も経っていないんです。だからまだ発展途上というか、自分がどれくらいの位置にいるか分かりませんでした。部活の時はトーナメントで、どこまで勝ち上がるかで今の立ち位置が分かるんですよ」

――野村選手にとっては伝統派空手時代が、まさにそうですよね。

「でもプロはワンマッチだから、この試合に勝って今の自分はどの位置にいるのか、よく分からない状態でした。DEEPにはランキングもないですし。だから不安でもあったんですけど、それが元チャンピオンとの試合っていう――今の自分の立ち位置が分かるような試合を組んでもらえる嬉しさのほうが大きかったです。『この相手に勝ったらデカいよなぁ』っていう、常に挑戦者の気持ちでいることができたので。どちらかというと、強い相手と対戦できる状況を楽しめていたような気がします」

――野村選手にとっては空手時代の先輩である五明宏人選手に、ベルトを巻けなかった要因を訊いたところ、まずキャリアの差という答えが返ってきました。野村選手もまだプロデビューして2年です。ライト級上位陣とのキャリアの差は感じませんか。

「う~ん、宏人先輩の状況は分からないですね。階級も違いますし、あまりフェザー級のことはよく分かっていないので。ただ僕の場合は、単純に比較すると試合数は少ないですが、これまで1試合1試合の大切さを考えて戦ってきました。さっきも言いましたけど、『この試合で勝ったら次は……』、『この相手に勝ったら、こうなるよな』というように必ず次のことを考えたり、先の目標を見据えながら試合をしてきています。

だから一つも試合を落とせないことは当たり前で、そのなかで惰性で試合をしていないというか。毎試合、僕が負けるだろうと思われるような相手と組まれていると思います。そこでキャリアの差がどうとか言われないための試合運びを心がけています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月2日(日)
午後5時50分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

The post 【DEEP114】江藤公洋と対戦、野村駿太─01─「キャリアの差がどうとか言われないための試合運び」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN ボクシング 五明宏人 修斗 力也 北岡悟 大原樹理 小金翔 川名TENCHO雄生 平松翔 日比野エビ中純也 松嶋こよみ 水野竜也 江藤公洋 泉武志 泰斗 海飛 酒井リョウ 野村駿太 雅駿介 雑賀ヤン坊達也 鹿志村仁之助

【DEEP114】先輩・五明と揃い踏み、野村駿太。勝てばタイトル戦?? 難攻不落の堅実派=江藤公洋戦、決定

【写真】江藤の出る瞬間を、野村が捉えることができるか。それが至難の技 (C)MMAPLANET

22日(月)、7月2日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114 IMPACTの追加対戦カードが発表されている。

松嶋こよみの初参戦、DEEPメガトン級選手権試合=チャンピオン酒井リョウ✖チャレンジャー水野竜也、五明宏人✖海飛日比野エビ中純也✖鹿志村仁之助らが組まれている同大会。

今回の発表では3回戦で江藤公洋✖野村駿太、2回戦で小金翔✖泉武志というライト級マッチ、さらにバンタム級では2回戦が2試合=力也✖窪田泰斗、平松翔✖雅駿介という4試合が明らかとなっている。


帝京大空手部の先輩・後輩である五明と野村が初の揃い踏み。暫定ながら王座決定戦にいち早く到達した五明を追い、野村は小金、川名Tencho雄生とZSTと修斗の元王者を下しタイトル挑戦に向け着実に歩を進めてきた。

それでもキャリア6勝1敗の野村に対し、江藤はDEEPからONE WS、そしてONE本戦、修斗、RIZIN TRIGGERと場数を踏み、今回の試合が30戦目となる。

伝統派空手の踏み込み、近い距離でのボクシング、そしてテイクダウンディフェンスを磨き、MMAファイターとして完成度を高めてきた野村にとって、江藤は過去のどの対戦相手よりも難敵といえる。

グンター・カルンダ、雑賀ヤン坊達也、北岡悟、そして川名を下し現在4連勝中の江藤は、良くいえば強固な堅実さを持ったファイターといえる。

出れば、強い。それは昨年4月のヤン坊戦で立証できている。ここがキャリアの分岐点といえるTKO勝ちを収めたが、その後はまたもリスクを避けて、自分の庭でのファイトを続けている。それが江藤の強さで、その強さを捨てる必要はない。それ故に、打撃を見る目を持っているテイクダウン&コントロールファイターは、野村にとって厳しい相手になる。

野村はとにかく打撃を効かすこと。効かせば、テイクダウンとコントロールの圧が落ちる。そんな効かせる打撃を江藤のテイクダウン&スクランブルで削るファイトのなかで見せることができるのか。それができれば、野村は大原樹理との対戦がグンと近づくことになるだろう。

The post 【DEEP114】先輩・五明と揃い踏み、野村駿太。勝てばタイトル戦?? 難攻不落の堅実派=江藤公洋戦、決定 first appeared on MMAPLANET.