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【Road to ONE05】南風原吉良斗と対戦、全日本ノーギ優勝の須藤琢磨─01─「対策練習は全くしない」

【写真】所属するExtreme EBINAのロゴの前で。まったくMMAの香りがしない柔術クラスのワキでインタビューした(C)MMAPLANET

5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE 05「Sexyama Edition」で、9月4日に行われたBJJF全日本ノーギのエキスパート、フェザー級で優勝したばかりの須藤拓真が南風原吉良斗と戦う。

MMAデビュー以来Nexusで3試合戦い、全てを足関節で勝っている柔術家・須藤がMMAを戦う理由。そして今回の南風原戦に向けての意気込みを尋ねると──21歳とは思えない、堂々かつ飄々とした格闘家像が浮き彫りとなった


──Road to ONE05で南風原吉良斗選手と対戦する須藤選手ですが、試合まで1週間。まだ正式発表がない状況です(※取材は9月29日に行われた)。どれぐらいの人が、須藤選手が試合をすることを知っているのでしょうか。

「ホント、公には言えない感じが続いています。身内、道場内だけですね」

──オファーがあったのはいつでしたか。

「9月の最初、全日本ノーギ柔術のあとでした。正直、えっという感じでした。柔術、グラップリングを本業でやっていてMMAの試合に出ていたので、Road to ONEから声が掛かるとは思ってもみなかったです。

あくまでも柔術、グラップリングでキャリアを積んでいくなかでMMAも戦っていかないといけないなというつもりでやってきたぐらいなので。だからRoad to ONEのような注目される大会からオファーがあったのは、正直嬉しかったです。『戦う』と即答させてもらいました」

──対戦相手の南風原選手に関しては、名前を認識していましたか。

「最初は出場できるかどうかの確認で、それからすぐに対戦相手の名前を聞かされ、調べました(笑)。相手はそれほど気にしていなかったので、ずっとキャリアのある選手と戦うことになっても『取れたら美味しいな』ぐらいの気でいました。

それに対戦相手どうこうでなく、いつも通りの練習をするだけですし。対戦相手の動画は見ますが、対策練習は全くしないので」

──とりあえず動画をチェックしての印象は?

「ザ・オールラウンダー、総合っていう感じの戦い方ですね。自分とは真逆のタイプです」

──そんな須藤選手がブラジリアン柔術を始めたのは、いつからだったのですか。

「4年前ですかね。高校の途中からですね。もともと格闘技を見るのは好きで、ずっとやっていた野球を辞めた時に何か体を動かそうとか思って、帰宅途中にあるExtreme EBINAに入会しました。

動画で格闘技を見ているなかで、今成さんの試合が得に好きで。他の選手が殴って、蹴ってとやっているなかで今成さんがクルクル回っているのを見て、『コレ、やりたい』って思ったんです。それでブラジリアン柔術をやろうと思ったのが最初のきっかけですね」

──今成選手の技は、道着を着た柔術では禁止だと知った時はどう思いましたか(笑)。

「ヒールがあると思って入会しました。そうしたら『それ、ダメだから』って(笑)。ただ入口は今成さんでしたけど、柔術の練習を始めると凄く面白かったです。もう普通に柔術で黒帯になりたいと思いました」

──2020年2月にNEXUSでMMAデビュー戦を戦っていますが、柔術家の須藤選手が打撃有りのMMAを戦おうと思った理由は?

「実は柔術を始めて半年後ぐらいから、ここの道場が開くのが午後8時からで、学校が終わってから4時感ぐらいあるので近くのキックのジムでキックボクシングも練習するようになっていて。打撃も組み技もやっているし、MMAもやってみようかなという気持ちはありました。

そうしていると、ここで指導している松本(大輔)さんがZSTで活躍していて、松本さん経由でネクサスの話を頂き、それをきっかけに始めた感じです。アマチュアを1試合して、プロルールで戦うようになりました」

──キックボクシングの試合経験もあるのですか。

「アマチュアで何試合か……10戦ちょっとして、2回ぐらい負けています。でもMMAでは打撃は全然使っていないですね(笑)。今も週に1、2度通っているので、打撃に苦手意識はないんですけど」

──柔術では何といっても先の全日本ノーギのエキスパート・フェザー級優勝で一躍注目されるようになりましたが、あれだけ足関節を駆使できたことに、本当に驚かされました。

「ここは普通の柔術道場だし、足関節をやる環境がそれほど整っているわけではないです。それでも足関節が好きで始めた柔術なので、動画とかで勉強してきた感じです」

──他の道場やジムで足関節を習うことは?

「特にないです。ここでは週に1度、グラップリングのクラスがあるので松本さんや論田(愛空隆)選手と練習させてもらっています」

──MMAの練習は、週にどれくらいしているのしょうか。

「普段の練習が終わってから、少し相手をしてもらうぐらいでほぼMMAの練習はしていないです」

<この項、続く>、

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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【Road to ONE05】野尻定由と対戦、山本空良─02─「格闘技をやりたいと思ってもらえる試合がしたい」

【写真】しっかりと話せる。そんな印象の山本空良です (C)NOB YASUMURA

5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE「Sexyama Edition」も出場し野尻定由と対戦するする──NEXUSフェザー級チャンピオン山本空良インタビュー後編。
Text by Shojiro Kamaike

山本は幼少期から練習を共にしている西川大和と同じく、現代MMAの中で下になることも厭わないスタイルで戦ってきた。今後は世界を目指して戦っていくうえで、その戦い方に変化が見える。そんな山本がRoad to ONE参戦、野尻戦、そして今後について語った。

<山本空良インタビューPart.01はコチラから>


――子供の頃から一緒に練習している西川大和選手は、修斗の世界ライト級チャンピオンシップで、下からのパンチとヒジでダメージを与えて勝利しました。それはスクランブルの展開が多く、トップを取ることが有利となる現代MMAでは異質なスタイルです。山本選手も下になることが多いのですが、試合を見ていてどう感じていますか。

「正直言うと、そのスタイルはやめたほうが良いと思っています。いろんなファイトスタイルがあるのが、MMAじゃないですか。このスタイルで世界を獲ることができるかどうか――僕は、それは難しいと思っているので」

――ものすごく正直な意見ですね。

「先日の世界チャンピオンシップを見ていても、『もっとリーチがある相手、もっとパンチがある相手ならどうなんだろう?』と思いました。MMAでは、上に行けば行くほど、相手のパンチも強くなっていくじゃないですか。もちろん大和も、そこは考えながら戦っていると思うんですけど」

――山本選手も、以前は下になることが多かったと思います。しかし最近の試合では、上からサブミッションを狙ったり、スタンドの打撃を重視する試合になってきていますよね。

「はい。最近は、スタンドの攻防を集中的に練習しています。それは『スタンドで勝ちたい』とか『上を取ったほうが勝率が良い』ということではなく、どうすれば相手を早く倒せるかを考えているからなんです」

――それだけ自身の中でMMAファイターとしての幅が広がっているということですか。

「今まで、相手はグラップラーが多かったんです。だから打撃――パウンドが得意ではない選手が相手だから、下から極めて勝つというフィニッシュを選ぶこともありました。でも今は、僕もMMAファイターとしての幅が広がってきていると思います。自分としては寝技も打撃もできたうえで、相手の弱いところを衝く選手になりたいですね」

――プロデビュー以来、PFCとZSTを中心に戦ってきた山本選手ですが、2019年からネクサスに参戦し、今年はフェザー級のベルトを獲得しました。

「何て言うんだろうな……ネクサスのベルトを獲れたことは、すごく嬉しかったです。でも、それで調子に乗ったり、甘えが出るようなことではいけないと思うんです。ネクサスのベルトを獲って、初めてスタートラインに立てたというか」

――スタートライン、ですか。

「まだ自分は完成されていません。もっともっと強くなります。このベルトを獲って、そして防衛していくことで、自分は強いファイターなんだと胸を張って言えるんじゃないかと思います」

――強くなって目指す先はRIZINなのでしょうか。ネクサスのベルトを巻いた時に、「RIZINに出たい」という発言がありました。

「もちろんRIZINに出させていただければ嬉しいんですけど、僕はずっと海外を目指してきました。世界最強のファイターになりたいんです。男だったら、世界で一番強いと言われたい。だから今、最強の舞台がUFCであれば、そこで戦いたいです」

――今回の大会はRoad to ONE、つまりONE Championshipを目指す興行です。ONEに対しては、どのような印象を持っていますか。

「ONEはアジアで一番強い人が集まる大会だと思っています。軽量級では、UFCに負けないぐらい凄い選手が揃っています。特に立ち技が強い選手が多くて……。試合を見ていると、もうヤバいですよね(苦笑)」

――そんなONEに出ているファイターと比較して、今の自分はどのような位置にいると思いますか。

「グラップリングだけなら、通用するんじゃないかと思っています。でも強いストライカーが多いですからね。UFCと同じぐらい強いストライカーに対して、どう戦うか。昨年からコロナ禍の影響もあって、試合数も減りましたが、今はとにかく強い選手に挑戦していきたい。試合で勝つか負けるかというより、どんどん強い選手と対戦して成長していきたいです」

――なるほど。今回、Road to ONEからオファーが来た時の感想を教えてください。

「ビックリしました(笑)。まさかオファーが来るとは思わなかったので。たくさんの方が注目してくれる大会ですし、Road to ONEを通じて自分のことを知ってほしいです。初めて僕の試合を見る方にも、ネクサスのチャンピオンがどんなものなのか見せたいですね」

――対戦相手は、修斗世界バンタム級9位の野尻定由選手です。どのような印象を持っていますか。

「実は、野尻選手の試合は見ていないんです。僕は相手のことは知らずに試合をするタイプで……父からは『テイクダウンを狙ってくる選手だよ』と聞いているので、だいたいのイメージは出来ています」

――では、野尻戦でどんな試合を見せたいですか。

「試合全体を通して、自分が全部支配したいと思っています。全てコントロールして、圧倒的に勝つ。狙うのは、1Rでの勝利ですね。見ている人が『自分も格闘技をやりたい!』と思ってくれるような試合をしたいです」

――『次の試合も見たい』ではなく、『自分もやりたい』と思ってくれる試合、ですか。

「僕のなかでは、一本かKOで勝つのは当たり前で、なおかつ1Rで狙いに行きたいです。格闘技ってやっていると楽しいんですけど、見ている人にとっては、漬け込んだりする試合は面白くないじゃないですか」

――……。

「でも、そんな展開の中にも技術があるんですよね。実際に格闘技をやってみると、そういうことも分かってくると思うんです」

――確かに野球やサッカーなどは、子供の頃から遊びの中で野球や慣れ親しんでいるから、バンド攻撃やオフサイドも当然のように受け入れることができるのかと。

「そうなんですよ。たとえば、打撃が得意だった選手が、どれだけグラップリングを練習して、MMAではパウンドで勝つのか。そこには選手の技術と努力があります。選手には何かしらの上手さがあって、努力をしている。だからプロの舞台に立つことができています」

――まず格闘技への理解を深める入口づくりが重要となりますね。

「格闘技もやってみると本当に奥が深いし、それが分かると見るほうも楽しくなるはずです。だから僕はRoad to ONEを通じて、『自分も格闘技やってみたい!』と思ってくれる試合を見せたいです」

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Road to ONE05対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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【Road to ONE05】2度目の正直、MMA初勝利目指す河名マスト「形になりつつあります」

【写真】ゼロ距離打撃=ダーティボクシングが巧みになれば、大きな武器となるはず(C)MMAPLANET

5日(火)、東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE05「Sexyama Edhition」の第1試合に、河名マストが出場。新関猛起と対戦する。
Text by Shojiro Kamaike

河名はグレコローマンで全日本学生選手権、ジュニア五輪、そしてU23世界大会を制するなど、レスリングでは輝かしい実績を残してきた。今年に入り、MMAに転向したものの7月にFighting NEXUSでプロデビューするも、ジェイク・ウィルキンスにTKO負けを喫している。

そんな敗戦の中でもグレコの技術を生かしたテイクダウンやグラウンドコントロールなど、らしさは残した。あとは、その強さをMMAに生かすことができるかどうか。

そんな河名に、次戦への意気込みを訊いた。


――MMA2戦目を3日後に控えている河名マスト選手です。今はもう練習を終えたところでしょうか。

「明日も打ち込みとか、試合に向けた最終確認を行います。前回の試合が終わってから1回休んで、そこから追い込んだスパーリング、苦しいスパーリングを経験してきました。おかげで仕上がってきていると思います」

――追い込んだスパーリング、苦しいスパーリングとは?

「所属しているロータス世田谷には、いろんな選手が練習に来られています。スパーリングの時は、八隅(孝平ロータス世田谷代表)から『次はこの選手、次は……』と指定されて、誰が相手になるか想定できません。そこで、誰が相手になっても対応できるかどうか。そういったスパーリングをしてきました」

――なるほど。今回出場するRoad to ONEというイベントには、どのような印象を持っていますか。

「前回(2月22日、Road to ONE04)はヤングガンズということで、国内の若手選手が主体でしたよね。でも以前の形で開催されるのであれば、僕は海外の選手と試合をしたいので、出場できるのは嬉しいです」

――河名選手はレスリングのグレコローマンでU23世界大会を制してMMAに転向しましたが、7月25日のプロMMAデビュー戦では、ジェイク・ウィルキンス選手のハイキックで顔面をカットし、TKO負けとなりました。あの試合から得たものはありますか。

「もちろん負けたことは悔しいです。勝ちたかった、その気持ちが最初にあります。でも逆に負けたから――打撃をもらいまくって、カットして負けた。このままではいけない、ということが本当によく分かりました」

――自分自身の中で出せたこと、出せなかったものなどはありますか。

「自分の中でやりたかったことはできた、それは収穫だったと思っています。テイクダウンしてから相手を抑える、レスリング力でコントロールするという部分はクリアできました。でも反面、打撃の防御に関しては至らなさを痛感しました」

――打撃の防御で至らなかった点とは?

「どうしても正面に立ちすぎてしまったり、相手の打撃が見えないところに自分が動いてしまったり――足の使い方がよくなかったと思います」

――試合後には、MMAPLANETのインタビュー記事で、一緒に練習している青木真也選手から河名選手への叱咤激励といえる言葉がありました。

「はい、その記事は読みました。青木さんの仰るとおり、グレコしかできない状態のまま戦ったんだと思います。自分でも思っていたことを、改めて客観的な視点で青木さんから指摘されて……本当に、そのとおりなので(苦笑)。

自分は、まだまだMMAの選手になれていません。これから改善していかないといけない点は、たくさんあります」

――どのような点を改善していかなければいけないと思いますか。

「グレコのように上半身だけで組むのではなく、足にもアプローチできれば、もっと上半身で組むことも生きてくると思います。あとは打撃ですね。まずは足を止めないこと。そして打撃の踏み込みからのテイクダウンだったり、自分の得意な部分に繋げられるようにしていかないといけません」

――つまり、自分のグレコの力を生かしたMMAができるかどうか、ですね。

「そうです。僕は結局、グレコしかできていません。でも、そこが相手より勝っているところです。自分のほうが優れているところを押し出して、勝たないといけないと思います。そのためには、どうやって自分の得意なポジションに持ち込むか、その流れを整理整頓して考えています」

――次の試合に向けて、その整理はできているのでしょうか。

「形になりつつあります。次の試合では、その形を見せたいと思います。今は少しずつ、別物だったレスリングとグレコが、重なりつつあるという実感を持っています」

――たとえば、どのように重なってきているのでしょうか。

「前回の試合では、グラウンドでパウンドやヒジを当てることができました。一応当てた、という感じですけど……。次の試合はもっと手数を増やして、プレッシャーをかけていきたいと思っています。スタンドでは、グレコの技術を生かして近距離の打撃を出したりしたいです」

――いわゆるダーティーボクシングですか。

「はい。たとえばムエタイの首相撲を取り入れて、スタンドで組みながらパンチ、ヒジ、ヒザでプレッシャーをかけながら、相手がそれを嫌がったら次にどうアプローチするか……などですね」

――MMAに対して、自分の力を生かした展開が見えてきているようですね。

「次の相手、新関選手はアマチュアでMMAのキャリアを積んできた選手です。前回のジェルキンス選手もそうでしたが、試合をこなしているぶんMMAでの様々な対処は自分よりも優れていると思います。その相手に、自分がMMAでどんな試合をするのか。再スタートという気持ちで挑みます」

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ Road to ONE05対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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【Road to ONE05】フライ級のガチの潰し合い、和田竜光✖竹中大地戦決定。青木真也は組み技戦へ

【写真】ONE本戦までの繋ぎでなく、痺れるカードがきた!! (C)MMAPLANET

22日(水)、ONE JAPANより10月5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O –Eastで開催されるRoad to ONE05「Sexyama Edition」で和田竜光✖竹中大地のフライ級戦と青木真也がグラップリングマッチに出場することが発表された。

昨年9月大会の猿田洋祐✖内藤のび太に続き、日本人選手のガチマッチが実現する。


DEEPフライ級王者から2018年7月にONEに参戦している和田はリース・マクラーレンとダニー・キンガドとの接戦を落としたものの、ユージーン・トケーロ、グスタヴォ・バラルトに勝利し、5戦目にデメトリウス・ジョンソンとフライ級ワールドGP準決勝で対戦。初回にオタツロックでバックを制する善戦ぶりで、改めて実力を知らしめている。

2020年1月には極度の腰痛のなかイヴァニウド・デルフィーノを判定で破るも、コロナ禍のONE参戦ではヨッカイカー・フェアテックスに──コンペティション・コミッティに再審査を行ってほしい──MMAとしては理解不能の判定負けを喫し、ここまで試合がなかった。

対して竹中大地は修斗環太平洋バンダム級王者から、2018年2月にミャンマー大会でキム・デフォンを相手にONE初陣を飾る(※スタンドのRNCをセットし、キムの前転で頭部を痛打し反則勝ち)。

その後は度重なる対戦相手の体調不良で試合が飛び、2019年2月にようやく2戦目に辿り着いたが、ポジションで圧倒するなかマーク・アベラルドのエルボーで唇をカットしTKO負けとなった。

ONEバンタム級トップ戦線入りへ、レアンドロ・イッサに勝利もユーサップ・サーデュラエフに判定負けを喫した竹中は、フライ級転向を決める。転向初戦は和田に敗れているデルフィーノから、しっかりとRNCを極めて一本勝ちも、シンガポールに招聘されることなく8カ月が過ぎていた。

アンラッキーで済ますことはできないかもしれないが、ONEとの水が合わないのかと思われる黒星を重ねてしまった和田だが、今も日本人フライ級のトップであることは違いない。猿田が内藤を下し、タイトル挑戦権を獲得したように、この一戦が今後の両者のONEでの立ち位置を決めることになる──非常にシビアな潰し合いだ。

また対戦相手の発表はないが、青木真也のグラップリングでの参戦も決まった。今大会は「Sexyama Edition」という副題がついており、秋山成勲がリードカード(プレリミ)の選手を対象にSexyamaボーナスとして、大会ベストバウトの勝者に賞金30万円が贈られる。果たして、秋山色のあるファイターの出場はあるのか。青木の対戦相手とともに、その他の対戦カードの正式発表が待たれる。

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 Special ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─ヨッカイカー✖和田竜光─02─「武道、武士道とは」

【写真】1月1日から青木が取り組んでいるモノは、決して武道ではない。青木は武士でも武道家でもなく、競技者だ (C) MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年12月の一番──だが、ここでは本来のピックアップされた3試合からではなく、いきなりの番外編から──12月18日に行われたONE 115で行われたヨッカイカー・フェアテックス✖和田竜光戦について語らう=後編をお届けしたい。

判定に理がない。だから極めろという青木真也の真意は見えてきキーワードを青木は話した。

<青木真也のヨッカイカー・フェアテックス✖和田竜光論Part.01はコチラから>


──それにしても、どう飲み込めば良いのかという判定ですね。

「どう勝つかのっていうのは見えづらいですよね。もうジャッジ次第になって。例えばエリック・ケリー✖田中半蔵はどう思いました?」

──半蔵選手の勝ちです。

「じゃぁ、安藤晃司✖ティモフィ・ナシューヒンは?」

──試合直後は絶対に安藤選手だと思っていました。あの時は大会後にマット・ヒュームとすれ違った時に、『どういうこと?』って尋ねたんですよ。そこでテイクダウンはダメージを与えていないっていう返答があり、『あぁ、そういうことなんだね』と。その後、ONEは裁定基準を公にしましたよね。若松佑弥✖ダニー・キンガド、内藤のび太✖ジョシュア・パシオ戦後に。

「実は分からない判定はかなりあったんです。ただ、それも日本人が絡んでいるから覚えているだけで。きっと僕らが忘れてしまっている外国人同士の試合でも、あるんですよ。

判定勝ちの計算ができないということは、裏を返すと『行け』ってことなんです。だから、武道だろうって(笑)」

──そこで、武道が来ますか(笑)。私には武道って分からないんですよね。武術と違い、武道とされるモノには競技会があるので。

「武道とかって完全に言葉遊びじゃないですか。そもそも曖昧なモノだし。柔術は武道か?とかって話題になることがあるけど、そんなのどっちも良いじゃん(笑)。

嘉納治五郎が柔道を武道って言いだしたのも、社会に受け入れられるためですからね。武術っていうと前時代の野蛮なモノだから戦闘に関わる者を教育に採り入れるときに、武道とした──そういう教育者ですよね」

──と同時にスポーツの開祖かと思います。

「頭が良い人だから、プロモーションに長けていた。だから武道って凄く曖昧な言葉で。武士道とか武道って皆が言うけど……武士道なら葉隠れなの? 新渡戸稲造なの?って話で。君、どっちのことを言っているの? 言っている人によって違うわけじゃないですか」

──とはいえ、和田選手の敗北に関して青木選手が武道という言葉を使うのは、ONEのいうマーシャルアーツという言葉を斜に構えて引用しているということですよね。

「そうですよ(笑)。『だって、武道なんでしょ』って(笑)。で、武道って何? どういう系譜なの?って」

──極めに行くことが武道ということではなくて……。でも、そう書くと極めに行くことが武道かと思う人も出てきてしまいますよね。

「出てくるでしょうね。でもONEだけじゃなくて、武士道って良く使われるじゃないですか。そういう精神性みたいな話を持ち出すと、戦争するしかないですよ。戦争する時に、皆をコントロールするために使った言葉なんだから。

だって普通に生きていると、仇を討つなんてしないですよ。それを圧倒的に人口が少ない武士階級の人間が、自分たちの支配力を強めるために創ったのが武士道ですよ」

──人口比でいえば7パーセントの武士が、8割以上の農民を抑えるために。実は外国人の格闘技関係者と話している時にサムライの子孫とか言われるのですが、たまに『日本の殆どがサムライではなく、ファーマーの子孫なんだよ』って話すと凄く場が白けてしまうんですよね(笑)。

「アハハハ。だって武士道のような規範意識を持っているかと思われるけど、そんなものはないですからね。規範意識がないから、持ち込んだわけで。貞操観念とかも、そうですよね。無いから戦後に持ち込む必要があった」

──それにしても、武道という言葉の解釈は難し過ぎます。明治時代に時代遅れとなった武術に関しては、現代社会においては試合がないモノ。使わないことが一番良いという、技術を磨いている。試合には出ないし、イザコザは避けるというのが私の理解です。

「まぁ護身ですからね」

──ヨーイ、ドン!!で1✖1で戦うということが、もう武術とは違ってきますからね。集団で稽古をしたり。

「武術になると水掛け論ですよね。武術的に誰が一番強いのかっていう話になると、それは米国大統領だろうって。すげぇ下らない話になってくる(笑)」

──その通りだと思います。身も蓋もない話になります。

「守る者がいないヤツが一番強いとかね。だから僕らのやっていることに──美しい精神性とか持ち込まれると、怖くて……」

──ケージで戦う青木真也は武士ではないですしね。

「ハイ。競技者です。だから和田さんの試合に関しては、競技者としてはONEという場では、圧倒的に攻めないとダメだということが可視化されたんです。ずっと格闘技をやり、見てきた俺ですら全く判定基準が分からないんだから。

それと判定は覆らないと言ったんですが、サゲッダーオ(ペットパヤータイ)は勝った試合があとから覆っていましたね。あとから負けにされた(※2018年6月のマー・ジャワン戦)」

──ハイ。ジョルジオ・ペトロシアンとペットモラコット・ペッティンディーアカデミーの試合は、ペトロシアンの負けからノーコンテストになって、再戦でペトロシアン勝利というのもありました。これって身も蓋もないのですが、競技、武道でなく武術っぽくないですか(笑)。

「もう分かんないですよ(笑)。よく分からないから、仕方ねぇなぁ──圧倒しろ、極めろって話なんですよ」

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 Special ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─ヨッカイカー✖和田竜光「答え合わせができない」なら

【写真】MMAとしてはあり得ないとMMAPLANETでは評した一戦について、青木が深くメスを入れる (C) ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年12月の一番──だが、ここは本来のピックアップされた3試合からではなく、いきなりの番外編から──12月18日に行われたONE 115で行われたヨッカイカー・フェアテックス✖和田竜光戦について語らおう。

青木ならではの視点、全体を俯瞰しつつ、局地的に仰望する興味深い話が聞かれた。


──業界を騒然とさせた和田選手のヨッカイカー・フェアテックス戦の判定負けですが、「青木選手は一本を取らないと。武道は」という感想をツイートしていました。

「ネット上で関係者の人が怒っていたじゃないですか。でも、あの反応はもうこの試合が判定がおかしいからだけでなくて、2020年の状況を色濃く反映していたかのように思います」

──というのは?

「コロナで自粛したり、不条理なことを経験してきて。皆が政府の対応とかに不満を持っている。加えて関係者の人は、今のONEの対応に『なんなんだ』という感情があるから」

──アハハハハ。

「そこに加えて不条理っぽい判定結果になったから、火がついたと思います」

──なるほど。なぜ青木真也の試合が10月に組まれなかったんだ。なぜ、日本人選手の試合は録画枠が多いのか。なんだ、和田の対戦カードの変更は?という感情があるわけですね。

「そうなんです。あの後、試合は2回ぐらい見直したのですが……、おかしいといえばおかしいです。でも平等な範疇ではあります」

──平等ですか?

「平等の範疇です。和田選手も何もしていないといえば、何もしていない」

──1Rにバックマウントを取って殴り、2Rもテイクダウンがあった。

「それを攻勢と採るのかっていう話でいうと微妙ですよ」

──いやヨッカイカーの攻撃との比較論でいえば、バックとパンチはよりフィニッシュにより近いです。ヨッカイカーのローよりも。

「ローを採られてもおかしくないよって話ですよね」

──それはMMAとして見て、ですか。それともONEだから、ですか。

「いや、ONEだからですよ」

──そこなんですよ。ONEだからあり得るという意見が当然になると、じゃぁONEのMMAって何なのっていうことですよね。修斗でチャンピオンになったらONEと契約。でも修斗のチャンピオン、ヨッカイカーの戦い方で勝っていない。なら、あの判定で勝てる選手がONEに行かないと。あくまでもONEのMMAであって、他のMMAとは違ってきます。

「それをいうなら、修斗とONEは同じルールでやらないと。もう、そこからですよ。おかしいのは。この話題とは関係なくありますよね」

──はい。ONEへはユニファイドでなく、ONE判定で勝てる選手が行くべきかと。ONEだと魚井✖田丸は、魚井選手の勝ちです。ならONEへは魚井選手のような選手がいくべきで。

「う~ん、MMAの定義が違いますよね。確かに判定はおかしいですよ。でも、和田さんが文句を言える筋合いじゃない。文句を言っても覆られないんだから。

まぁ勝ちですよ、和田さんの。MMAなら。でも文句をいっても、ジャッジもONEも変わらない。試合をするなら勝つ、そうでないと試合に出ない。出て負けて、文句を言ってもしょうがないから」

──そこで青木選手は極めないといけないというロジックです。

「極めないと負けですよ」

──なら一本、KO決着でなければドローにすべきで。判定決着があるのに、一本、KOでないといけないというのは違うかと思います。判定勝ちがあるなら、判定勝ちをしっかりと裁けるジャッジがいないと。

「そこでいうと判定っていうモノ自体が、決められないモノを決めるという行為で。決着しないモノの勝ち負けを決めている。だから、そもそも判定になった時点で何かされても『仕方ない』ことなんです」

──では青木選手は江藤選手との試合で判定負けになっても納得できる?

「仕方ないです。それも含めて強さ。結局、勝ったヤツが強い。変な話で、あってはいけないけど、ジャッジが非難されるような判定でも勝てば良いわけじゃないですか。

だから判定で負けたということは、相手の方が強かったってことですよ。一本、KOでなくてもヨッカイカーが判定で勝ったということは、あの日はヨッカイカーのほうが強かった」

──う~ん……、MMAとしてONEだからあり得る判定でも──ということですね。

「ハイ。だから競技者として、極めないといけないと思っています。ジャッジをそこまで信用していない。だって分かっていると思えないから。

そしておかしな判定はONEだって、修斗だって、パンクラスだって、UFCだってある。同じです」

──ONEはもともとユニファイドと違う裁定基準ですが、そこをも逸脱した感はぬぐえないです。それ以前の微妙な裁定でなく、あの裁定には理が見えない。

「確かに、理解はできないですよね。内藤のび太✖ジョシュア・パシオの時は内藤がコントールして、パシオは殴っていた。ONE裁定だとパシオだという答え合わせができた。でも、和田✖ヨッカイカーは答え合わせができない」

──答が合わないですからね。だから、ONEならあり得るっていう意見は今回は許容できなかったんです。格闘技って、好きな人間にとって理屈がないと。それがないと、ただ殴った、蹴った、投げたってことで終わりですし。

「ハイ、分かります。理屈があって勝負論が成り立つ。それが、あの試合にはなかった。となると──理屈がないんだから、何されるか分からないって言う気持ちで戦わないと。

それをね、ジャッジを変えろとか、あんな判定あり得ないって選手側が言ってもしょうがないんです。そういうところで戦っているんだから。極めるか、圧倒するしかない。覚悟決めるしかないんです。

アレであり得ないっていっているファイターや関係者はちょっと甘いなって思います。勝負師としてジャッジのせいで負けたとか口にするのは。○○のせいで負けたって言っちゃだめなんです」

──自分は仕事として、そこはやはり納得できないですね。あの判定はありえない。

「いや、それは記者として言い続けてください。報じる立場は好きに言ってください。むしろメディアは自浄作用というか──。浄化する作業が必要だから。そこは重要だと思います。でも、選手は勝敗を他人のせいにしちゃダメです」

<この項、続く>

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ONE ONE Collision Course ONE115 Report ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光がヨッカイカー・フェアテックスにありない判定負け。この裁定はもうMMAじゃない

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
Def.2-1
和田竜光(日本)

サウスポーのヨッカイカーに真っすぐ組みついた和田が、ケージに押し込む。右腕を差して頭の後ろで組んだ和田が投げを狙い、耐えたヨッカイカーに右アッパーを突き上げる。和田は胸を合わせて押し込むと、技はヒザをボディに入れる。ヨッカイカーが右ヒザを放つも、和田の顔には届かない。

和田はオタツロック、スタンドでバックを制して寝技に持ち込む。胸を合わせてきたヨッカイカーが身動きが取れなくなる。逆を向くミスを犯したヨッカイカーは、必死に胸を合わせようとするが完全に背中を取られる。後方からパンチを頭部に、エルボーを肩に入れる和田は右のパンチ、エルボーを打ち込みタイムアップに。

2R、ヨッカイカーは左フックをかわし、クリンチからボディを殴った和田は距離を取り押す。ヨッカイカーはローからハイと左の蹴りを使うも、パンチは遠く空振りに。と直後の左ローが和田の急所にモロに入る。たまらずキャンバスに倒れ込んだ和田は、立ち上がって準備を整えるが、もう一度正座でしなおす。再開に応じた和田は右ローを空振りしてからクリンチへ。

ヒザを蹴り合い、ケージに押しこむと右を差し上げてテイクダウンを決める。ハーフで抑え、肩固めを伺いつつ足を抜きに行く。ここでヨッカイカーが立ち上がり、逆に和田をケージに押し込んでいく。和田は両ワキを差してヒザを入れ、もう一度右を差し上げて投げを狙う。ここはヨッカイカーが耐え、左ミドルを入れたところでタイムに。

最終回、和田のテイクダウン狙いを切ったヨッカイカーが左ミドルを蹴る。右を当てた和田に、ヨッカイカーが左フックを入れる。首相撲から両ワキを差しにいき、ケージにヨッカイカーを押し込む和田。左は差せないでいると、ここでヨッカイカーのヒザが急所に当たり、和田が渋い表情を浮かべる。リスタートし、ローを蹴られた和田は右を差し、ヨッカイカーが腰に乗せて投げを狙い、さらに崩してバランスを崩される。

離れた和田はローを蹴られながら、右をワキを差し、さらにシングル、もう一度右を差していくがヨッカイカーは倒れず、押し込み返す。今度は和田のヒザが急所に入り、試合は中断。すぐに再開となり、和田が右を当てる。ヨッカイカーもショートのワンツーを返し、試合は残り90秒に。

ヨッカイカーは左を空振り、パンチは組まれるのを嫌がり踏み込まない。和田は組むぞと見せかけるフェイクも、前足を左ローで蹴られる。最後の10秒、ローをかわした和田はそのまま距離をキープし試合を終える。

なんとジャッジの裁定は割れ、和田は判定負け。これはもう、MMAでなく立ち技+効果が認められない組が許されただけの試合だ。


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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光と対戦、ヨッカイカー・フェアテックス─02─「コーチなし。でもマイペンライ」

【写真】コーチなしも、寝技もマイペンライ? (C)ONE

今夜18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、和田竜光と対戦するヨッカイカー・フェアテックス・インタビュー後編。

ムエタイ出身、強烈な打撃の持ち主でありながらスクランブルと柔術を習得し、タイのMMAの進化の象徴であるヨッカイカーは、和田との試合にジムからコーチが派遣されていないという驚きの現状を話した。

<ヨッカイカー・フェアテックス・インタビューPart.01はコチラから>


──ところでヨッカイカーは、なぜムエタイからMMAに転向したのですか。

「それもムエタイを始めた時と同じさ。何か新しいことにチャレンジしたいと思ったからだよ。そしてフェアテックス・ジムのオーナーがMMAに挑戦するのも良いし、まずはムエタイとMMAを並行してやってみるべきだと言ってくれたんだ」

──バンコクでの試合ではパンチでKO、ローキックで対戦相手を戦闘不能に追い込みました。また、打撃だけなく柔術、スクランブルを駆使し、ついにMMAの組みを消化したムエタイMMAファイターがタイから出てきたというインパクトを与えました。

「試合中、打撃で戦うのか、組技を使うのを決めて戦うことはないよ。その場に応じて必要なことをしているだけで。確かに僕はムエタイ出身だ。でもグラップリングもブラジリアン柔術もムエタイと同じように大好きなんだ」

──ではバンコクのタイ国内ショーから、シンガポールで行われるグローバルショーへの出場に関してはどのような気持ちでいますか。

「タイ以外のONEで戦う初めての試合だし、少しナーバスになっている。そうだね、難しさは感じているよ。それが正直なところだ。今回、シンガポールにはコーチなしで1人でやって来たから、そういう面でもね」

──えっ、試合なのにコーチがいないのですか。

「そうなんだ。ただ、心配はしていないよ。マイペンライ、十分に練習をしてきたし」

──それにしても、コーチが来ないというのは?

「もうすぐニューイヤーだというのも影響しているだろうね。何よりもジムの他の選手も試合を控えている。今、シンガポールにやってきてタイに戻ると2週間の隔離措置が取られ、ジムで指導ができなくなってしまうからね。

でも試合の時はロドレック・PKセンチャイジムのコーチがコーナーについてくれるから大丈夫だよ。ワダと戦うことになり、メインカードに変更されたから可能になったんだ」

──……。ところで和田選手からはグラップリングは自分が上で、立ち技だけでも負けていないとい発言がありました。

「彼のグラップリングが僕より上なのは、絶対的に正しいよ。それでも僕もグラップリングやブラジリアン柔術の練習をしてきたからベストを尽くす。ワダを怖がることはない。

そして……打撃でも負けていないと彼が言ったということだけど……驚くしかないね。まぁ、どうなるのか試合で明らかになるだろう。僕も自信はあるよ(笑)」

──では、試合で何を見せたいと思っていますか。

「う~ん、どういえば良いかな。今は特に何を見せたいとかはないかもしれないね。言えることは、自分が何者か僕は知っているということ。ワダの動きを見て、勝つために必要なことは何でもするよ」

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】和田竜光と対戦、ヨッカイカー・フェアテックス─01─「僕にとってはビッグステップになる」

【写真】 MMAでは和田であることは間違いない。それをヨッカイカーも理解しているからこそ、何がか起こる可能性があり──怖い(C)ONE

いよいよ開催が明日、18日(金・現地時間)に迫ってきたONE115「Collision Course」。シンガポール・インドアスタジアムで開催される同大会で、ヨッカイカー・フェアテックスが和田竜光と対戦する。

ムエタイの経験は100戦以上、MAXムエタイでフライ級チャンピオンとなっているヨッカイカーはMMAでは6勝2敗1分の選手だ。

コロナ過のタイ・ドメスティック2大会でONEと契約し、ジョン・シンクを左ストレート、アレックス・シルドをローキックで撃破し、大きなインパクトを残した。

ガードワーク、スクランブルと現代MMAを駆使するムエタイ戦士──タイMMAの今に初インタビューを試みた。


──金曜日に和田竜光選手と対戦するヨッカイカーです。今の調子を教えてください。

「フィジカル的には、本当にしっかりと準備できている。ワダと戦うの何も問題ないよ。ただし、精神的な面でいえばワダの過去の試合を見て、少し驚いているよ。特にDJとの試合から、彼が如何にタフな対戦相手か理解できた。

でも、この試合に必要なことは、しっかりと準備できているから怖がることはないよ」

──本来、この試合はインドネシアの他のファイターと対戦予定でしたが、急遽キャリア最強の対戦相手に代わりました。

「よく知っているね(笑)。確かに僕は違う相手と金曜日に戦う予定だった。それが先週の木曜日か金曜日にワダと戦うことが決まったんだ。確かにワダとの試合は、最初に予定されていた試合よりも難しいモノになるだろうね。

実際、この変更には驚かされたよ。ただし、僕がキャリアアップするためにも、凄く大きなチャンスが巡ってきたと思っている。僕はまだONEチャンピオンシップでは7月と8月のバンコクでの大会でしか戦っていない。それが3戦目で、チャンピオンと対戦経験のあるワダと戦うことになった。

確かに困難な試合になるよ。そして僕にとってはビッグステップになる。そんな試合が急に決まったことに驚いたんだ」

──日本のMMAのファンも和田選手と戦うことで、ヨッカイカーへの興味が深まりました。さきほど言われたように7月のバンコク大会でONEとサインをしました。契約した時はどのような気分でしたか。

「夢が現実になったような気持ちだったよ。凄く興奮した。ONEと契約したいとずっと思ってきた。そうだね、古くからの友人だったセーマーペッチ・フェアテックスがONEと契約した時から、僕はONEで戦いたいと思ってきたんだ。セーマーペッチと同じ場所で戦いたいってね。

いずれにせよ、このタイミングで契約できたことは幸運だった。Covid19のパンデミックでONEと今年中に契約できることなんてないと諦めていたから。

実際、7月の大会でオファーがあったのはパンデミックの影響で、タイにいる選手しか試合に出ることができなかったからだ。そして、タイ人のMMAファイターは決して多くないから僕が選ばれた。

フェアテックス・ジムのコーチやオーナーも、本来はまだ僕がONEで戦うには経験が必要だと思っていたんだよ。だから、ラッキーだった──このタイミングでONEと契約できたのは。そんな幸運を逃すわけにはいかないから、7月のONEデビュー戦ではしっかりと練習を積んで万全の状態で戦ったよ」

──ヨッカイカーのベースは、当然のようにムエタイです。なぜ、ムエタイを始めたのですか。

「ただ自分の人生で新しいことをしたかった。新しいチャレンジがムエタイだったんだ。それだけよ(笑)。そしてMAXムエタイのフライ級チャンピオンになれたし、ルンピニーやラジャダムナンでも10試合以上戦ったよ」

──ムエタイ時代のスタイルは?

「ムエマッド(パンチャー)だよ」

──フィームー、ムエカオ、ムエマッド、どのスタイルが最もMMAに適していると考えていますか。

「ムエマッド、ムエカオ、フィームー、そのどれかがMMAに適しているとか?  う~ん、そうだね……それは僕がどんな風にタツミツ・ワダと戦うのかを見て判断してもらおうかな。

それに……個人的なことをいえば、MMAを戦うには僕は打撃よりも、グラップリングの方に力を入れて練習しているからね」

<この項、続く>

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Interview ONE ONE Collision Course ONE115 ブログ ヨッカイカー・フェアテックス 和田竜光

【ONE115】ヨッカイカーと対戦、和田竜光─02─「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って」

【写真】月に1度、家族で福島県郡山の田代トレーナ―の下を訪れる和田 (C)TSP

18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、ヨッカイカー・フェアテックスと対戦する和田竜光インタビュー後編。

日本を離れる直前に対戦相手がキム・デファンから変更された和田の離日前の福島での練習をABEMA TVのTHE WONDERが追った。

なぜ福島なのか。そこで何をしているのか。加えて対戦相手変更に動じない和田のMMA観をここでさらに掘っていきたい。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


──橋本選手との試合を経て、まずキム・デフォン戦はいつ頃に決まったのでしょうか。

「11月に入ってからですね。ちょうど角海老宝石ボクシングジムも一般ジム生の練習も通うことできるようになって、同時に福島に行って田代(勝久)さんにミットを持ってもらうようになっていたのでタイミング的にも良かったです」

──福島まで行き、田代トレーナーにミットを持ってもらうというのは?

「田代さんにはずっと持ってもらいたいです。

角海老ジムでは奥村(健太)トレーナーにきっちりと基礎からパンチの打ち方を教えてもらっていて、田代さんのミットは気持ち良く打たせてくれる──そういう違いがあるんです。

一番良いところで受けてくれます。しっかりと打つべきところに打つミットも必要ですし、田代さんのように少しずれてもミートしてくれるリズム・ミットも気持ちをあげてもらえます。

今日、釜谷(真)さんに持ってもらっていたミットは、バシンと打つミット打ちです。田代さんとのミットは種類が違って──阿吽の呼吸のように5分で13Rぐらい持ってもらっています」

──気持ちが良くなるミット……ですね。

「コンビネーションを少しずつ入れてもらって。これがボクシングとして正しいかは分からないです。でも、僕はこれで伸びたんです。

ただしミット打ちでやっているコンビネーションは試合ではないです。MMAですから。でも、何かのタイミングでブロックして返したり、避けて返す。1試合に一つ出れば良いと思ってやっているリズム・ミットです。体に入れたいモノなんです」

──練習の全てが生きるのではなく、何かの拍子で生きるものだと。

「そうなんです。ソレが呼吸するように出れば良いかなって思っています」

──それでも福島、郡山まで行くというのは……それだけ必要なのですね。

「車で家族と日帰りで行っています。大変なんですけど、渋滞もあるので早朝に出て……ぶっ飛ばすと、3時間弱で到着するので──嫁と娘は海鮮丼とか食べて、小旅行の気分です(笑)」

──それは素晴らしいです。ところで対戦相手がヨッカイカー・フェアテックスに代わりました。

「試合の1週間前になる直前に自分も聞いて……。ちょうどPCR検査を提出する日だから、感染したのかなって思っていました。

とかくい試合が飛ばなくて良かったと思って、シンガポールに来たらホテルにキム・デフォンがいるんですよね(笑)。しかも動いた後で、汗をかいていて……で、スタッフに『これ行き違いがあって、俺の相手はキム・デフォンじゃないの?』って聞いたんですよ」

──それはそうなりますよね……。

「そうしたら、キム・デフォンは違う相手と試合があって……君の相手はヨッカイカーだよって」

──意味不明ですよね(苦笑)。

「コロナだから対戦相手が分かったと思っていたら、そいつは違うヤツと戦う。なんなんでしょうね。タイトル戦が飛んで、そこに同じ階級の選手が入るなら分かるんですけどね」

──もう、それはキム・デフォンの相手有りきですよね……きっと。戦える者同士の試合が、このタイミングで崩れるのは。ライブ大会でなくディレイ放送枠は、対戦カードが分からないので確かなことは言えないのですが……。

「契約者もサインしたあとですしね(笑)。まぁ、提示された相手と戦うのは問題ないですけど、それがシステムとしてまかり通るなら、俺も試合を飛ばしてもお咎めなしなのかなって思っちゃいました(笑)」

──おっしゃる通りです(笑)。そしてカード変更の説明は欲しいですよね。ともあれ対戦相手はヨッカイカーになりました。7月と8月のバンコク大会で2連勝した注目株です。

「KOするパンチがあるし、蹴りとかも食らったら痛そうで、気を付けるポイント……武器としてのゲージはキム・デフォンより高いです」

──MMAファイターとして、ガードワークやスクランブルの攻防も見せていました。

「出来ないわけじゃない……寝ても、それなりにできる。ストライカーとしての最低限の動きはまぁできるという感じですね」

──不覚を取ることはできないです。

「そりゃあ負けていらない相手ですけど、DJとランカー達以外は同じです。キム・デフォンもヨッカイカーも弱くはないけど、負けていられてないです。スタイルが違うけど、そういう意味では全員同じです。

僕はもともと対戦相手は誰も良いというスタンスなんで。ランキングの上のヤツと戦いたいですけど、誰とやりたいというのはDJとヘンリー・セフード(笑)以外はないんです。目標はONEのベルト、MMAを戦ううえで目標はそこだけです。ONEで戦うのは、ベルトを獲るためです。それが無理だと思ったら、辞めるでしょうし」

──つまり相手がヨッカイカーに代わっても、自分の試合をするだけということでしょうか。

「勝ちを狙うのはもちろんですが、相手が代わるからといって、そこには変化もないです。対策練習とかしないですから。そういうことをしている選手からすると、プランが変わるのでしょうけど。僕はイメージだけして、何をやるとか決めてケージに入るのではないので。

ヨッカイカーはタイプとして、ローやヒザが痛い。キム・デフォンからスクランブルが多くて頑丈なんだろうなって。そういうことですね。相手の武器によって、こっちのリアクションは変わりますけど、だからって何が変わるわけでじゃないです。戦い方は変わっても、一つの試合なだけです」

──そこで動揺しないのは和田選手の強味ですね。

「僕が持っているモノは変わらないので。それを使って戦うだけですから」

──ただし相性はあります。その部分でヨッカイカーとの試合はどのような戦いになるでしょうか。

「組めば僕の方が強いと思います。打撃だけやっても、負ける気もしない。ただし、勝つ確率の上がる戦いをします」

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