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【ONE FN23】タイ・ルオトロ戦へ、ジョセフ・チェン「完璧な技術より、確実な技術が重要に」

【写真】なぜ、19歳でここまで理路整然としているのか。データと実戦に戻づいた強さ、ルオトロ兄弟はそこに発想の自由さがある。本当に楽しみにな一戦だ (C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FN23「Ok vs Rasulov」で、ジェセフ・チェンがタイ・ルオトロと対戦する。
Text by Manabu Takashima

ONEサブミッショングラップリング世界ウェルター級王者にして、グラップリング界最高のアイドルといっても過言でない21歳のタイに、19歳のジョセフが挑む。

この一戦の僅か2週間前の時点でジョセフはWNOではADCC米国東海岸予選77キロ級優勝のアライジャ―・ドーシーをRNCで下し、他の大会でアンディ・ヴァレラに勝利している。そのジョセフ、ADCC欧州&アフリカ一次予選の77キロ級を制しているが、世界大会でなくB-TEAMの盟友であるクレイグ・ジョーンズ率いるCraig Jones Invitational出場を選択した。

組み技ファン垂涎のタイ×ジョセフだが、当のジョセフにとってはこの試合も結果が全ての勝負の時に向けてのプロローグ──。そう割り切ることができるからジョセフとの戦いだからこそ、タイにとってもONEで初めて苦戦する可能性が生まれてくる。


あのダイナミックな動きこそルオトロ兄弟の持ち味

――ジョセフ、今もまだオースチンなのですか(※取材は6月29日に行われた。

「明日、テキサスをでるよ。香港経由でタイまで、24時間のフライトが待っているんだ(笑)」

──おお……それは大変です。タイ・ルオトロとの戦いが迫っていますが、直近でも試合に出て続けていますね。

「先週の木曜日にWNOではアライジャ―・ドーシー、日曜日にアンディ・ヴァレラと戦ったよ」

──WNOの方は映像をチェックさせていただきました。ADCC米国東海岸予選77キロ級優勝者を相手に、見事な大内刈りからパス、そしてワンアームからRNグリップを組んでチョークで一本勝ち。でも、その3日後にもう1試合戦っていたとは……。

「メインキャラクター柔術っていうローカルショーに出て、ウェルター級のベルトを賭けて戦ったんだ。ポイント勝利だけどベルトを巻いたよ」

──それはおめでとうございます。

「ありがとう。予行演習を兼ねた実戦もこなし、しっかりとB-TEAMで練習もできているし、凄く調子は良いよ。技術的なことを磨くだけでなく、ハイペースで戦うことにも重点を置いてきた」

──仮想タイとなる練習相手は、B-TEAMでもなかなかいないのではないかと思ってしまうのですが……。

「そんなことはないよ。チームではハイペースの練習をしてきたんだ。タイはスピードがあって、凄くアグレッシブな柔術家だから。ダースもそうだし、肩固めも本当に強い。そこの対策もB-TEAMでしっかりとできているよ。タイの試合運びにも十分に対応できるはずだよ」

──タイもケイドも、あれだけ積極的なのにミスがないように見えます。ただしONEでのルオトロ兄弟は、観客にグラップリングの面白さを見せるために、必要以上に動くというか。そこまでしないで良いだろうというぐらい動いています。

「アハハハハ。それでミスをしてくれることを願っているよ(笑)。でも、あのダイナミックな動きこそルオトロ兄弟の持ち味で、それこそリスクのある攻撃をしている。それは本当に防御能力が高いから可能になるんだ。

下になっても、ずっと攻めているからね。そうだね、そういう展開になってミスがあれば良いけど、とにかくディフェンスも固いから。ルオトロ今日は受けに回っても、本当に強い」

──日本のグラップリングファンは、今もProgressルールでの森戸新士選手との試合。そしてQuintetで見せた動きを忘れていないです。パスの強さ、トップゲームの的確さが特に印象残っています。あの頃と比較して、今のジョセフはどこか一番進化しているのでしょうか。

「あの頃と比べると、レスリングは相当に伸びたと思う。以前は引き込んでガードゲーム、Kカードなんかと多用していた。でも、今はレスリングの組手が強くなり、あの頃よりも全然クリンチが得意になった。

タイは基本的にトップゲームを仕掛けてくるだろう。いずれにせよ、トップもボトムもしっかりと練習を重ねてきた。試合になっても、その時の判断で上でも下でも戦うつもりさ」

──ではリングでの戦いというのは?

「リングで試合をするのは始めてだし、リングを使った練習はしたことがあっても、普段からやってきたことではない。でも90度のコーナーがある戦いがどうなるのか、楽しみだよ(笑)。

ロープがあることで、どのような展開になるのか。リングでの試合が僕にとって最高の戦いやすい環境になる必要はないし、どんどん動き回るつもりだよ。でもルンピニーで戦うことも、とても興味深い」

──グラップリングの超新星もルンピニーに想い入れがあるのですか。

「うん? ないよ。ムエタイのメッカで、僕が戦ことが面白なって思っているだけで(笑)。でも歴史のある有名な会場だから、戦えて光栄だよ」

精度の高い動きで、非効率的にならないよう

──なるほど。ところで84キロという契約体重は、77キロ以下で戦うことが多いジョセフにとっては重くはないですか。

「最初はもっと軽い体重で話は進んでいたんだ。たしか80キロとか81キロで。そうしたら急に86キロになるって話が変わって。ノーノ―(笑)。それだと重すぎるから、83キロでは──とか、色々をあった。その結果、84キロになったんだ。

今もそうだけど、僕は普段から82キロだから通常体重で戦うことになるね。僕の柔術をタイにぶつけたい。ルオトロ兄弟ほど派手に動き回ることはないかもしれないけど、精度の高い動きで、非効率的にならないように戦う僕のスタイルを貫きたいね。

戦術的にはパーフェクトなテクニックが重要になってくるのではなくて、絶対的に確実な技術が重要になってくる。それこそが、最高レベルの相手と戦う時に必要なことだから」

──タイとの試合は楽しみでならないですが、8月にADCCでなくCJIを選択した理由を尋ねても構いませんか。

「理由はいくつかある。もちろん、マネーもその一つだ。そしてCJIが何をしようとしているのか。そこに関心があった。柔術の試合に出て、出場するだけで1万ドルが支払われる。こんなに素晴らしいことはない。そして、多額の資金がグラップリングに投入され、アスリートにも回って来る。そんな背景があるトーナメントだから、心が搔き立てられるよね」

──意義のある大会に出場すると。

「ADCCは1990年代から、優勝賞金が変わっていない。しかも貨幣価値は変わっているんだから、事実上の減額だよ。クレイグは出場費を払うことで、グラップリングの規模の拡張にトライしている。

それにクレイグはYouTubeでの無料配信を決めた。よって、より多くの人がグラップリングのトーナメントを視聴することになるに違いない。彼は他にないグラップリングのトーナメントを開こうとしている。Flo Grapplingはグラップリングの発展に大いに役立ってくれたけど、ファンを増やすという点において、無料配信は大きいよ。

プレーはしないけど、ただグラップリングを見るだけのファンがこのスポーツが大きくなるために欠かせないんだ。見る人が増えること。それがグラップリングの発展に欠かせないことだから」

──盟友の岩本健汰選手を始め、ADCCに残る選手もいます。

「ケンタは僕の上の部屋に寝泊まりしているんだ(笑)。まだ朝の8時過ぎだから、きっと寝ているね。本当にテイクダウンとスクランブルが強くて。ケンタは僕にとって最高のトレーニング・パートナーだよ。

ケンタがADCCに残ることは理解できる。僕も悩んだし、両方の良さが分かっているから。だからCJIの80キロ以下級も、ADCCの77キロ級も良いメンバーが集めっているんだ。どちらもハードなトーナメントになることは間違いない。

前回のADCCウィナーのケイド・ルオトロはCJIに出る。ただし準優勝のミカ・ガルバォン、3位のダンテ・リオンはADCCに出場する。出場選手のアベレージはCJIの方が高いだろう。でも頂点はとても似通っている。

ケンタがADCCに出ることで、僕的には彼と戦う可能性がゼロになった。そこは気が楽だよ。これは凄く個人的なことだけど、ケンタは必ずやってくれる。それが楽しみで。WNOのミカ・ガルバォン戦を見る限り、ケンタが世界のトップにあることは間違いからね。

ファンの立場からすると金曜日はCJI、土曜日は見たい試合をピックして視聴する。日曜日はADCCと、最高の試合を3日連続で楽しむことができるし、良いことじゃないかなって。ライブで観戦するにしても、会場は車で7分しか離れてないしね」

クレイグが動いたことで、過去には見られなかった変化が、既に起こっている

──いやジョセフ、そこに関していうと77キロの真の世界一は2024年には生まれないことになります。結果、どこかでADCCウィナーとCJIウィナーの戦いが組まれそうですが。

「う~ん、クレイグが同じ週末にCJIをぶつけたのは、ADCCに異議を唱えているということなんだ。ADCCという組織が、これでどう変わっていくのか。このままADCCの独占状態だったら、選手の待遇はずっと変わらないだろう?」

──我々のなかで、グラップリング競技で食べていくことは難しいという風に固定概念になっていたことを、クレイグは崩そうとしているのですね。

「そうなんだよ。クレイグが動いたことで、ADCCは出場費として2500ドルを選手に支払うことを決めた。過去には見られなかった変化が、既に起こっている。このスポーツにとって、素晴らしいことだよ。

これまで世界トップのグラップラーが試合をするのに出場費が支払われないばかりか、参加費を払う必要があったんだ。そうでなくショーペイがあるなら、選手は大歓迎さ。僕は、この方向にこのグラップリングが進んで欲しいと願ってやまないよ」

──純粋にアスリートとして、CJIで戦っておきたい相手は誰になりますか。

「う~ん、そうだなぁ……PJ・バーチとダンテ・リオンはADCCに残ったし──そうだねっ、アンドリュー・タケットとは戦いたいと思っている。彼とは1勝1敗で……まぁCJIに限らず、アンドリューとはこれから何度も顔を合わせることになるだろう」

──タイとONEで戦うという経験が、CJIで戦う時に武器になると考えていますか。

「そうなって欲しいね。僕は試合によってプライオリティが違う。勝つことが大切な試合と、そこで経験を積むことを重視している試合があるんだ。勝つことが絶対的な目標なのはADCCであり、今回はCJIなんだ。そのために、どれだけ自分を仕上げることができるか。ADCCはトーナメントに勝って、スーパーファイトで戦う。それが一番価値のあることだから、そこを目指していて。

ONEでタイと戦うことで、凄く確かな情報が僕に入ってくる。結果、CJIで最高の動きができるようになるはずだから」

──今回の試合の位置づけもそこなのですね。ところでONEで戦うと、ADCCやCJI以外の試合に出られなくなるのでは?

「ONEとの契約に関しては、本当に慎重に判断をした。だから1試合契約で、ノンタイトル戦なんだ。チャンピオンになると契約が延長されるから。その結果のキャッチウェイト戦だし。そこはクレイグを始め、色んな人が進言してくれたよ」

──ではCJI後にまたジョセフの雄姿が日本で見られるかもしれないですね。

「本当は柔術のアジアオープンに出たかった。来年のアジアには出場するつもりだ。それにProgress、あのケージで戦うグラップリングはルールやポイント制も凄く楽しかった。僕はいつだって、日本を訪れたいという気持ちでいる。試合に出るかどうか分からないけど、ケンタと練習するためにも年内にはまた日本を訪ねたい」

■放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE Fight Night23対戦カード

<ONEライト級暫定王座決定戦/5分5R>
オク・レユン(韓国)
アリベグ・ラスロフ(トルコ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ニコ・カリーロ(英国)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<サブミッショングラップリング186ポンド契約/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
ジョセフ・チェン(ドイツ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
バンパラバムパラ・クヤテ(フランス)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
シェ・ウェイ(中国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
アリ・サルドエフ(ロシア)
ブラック・パンサー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
エリス・バルボーサ(英国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
オマル・ログログ・ケニ(セネガル)
ブシェ・ケチャップ(セネガル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アレクセイ・バリカ(ロシア)
ステファン・コロディ(アイルランド)

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【ONE FN23】ワン・シェ戦前、和田竜光&岡田遼対談─02─「踏ん張るとヒザも危ないし、首も…」(和田)

【写真】今回の対談のために千葉から愛車をドライブして、和田の地元=都内有数のハイソな住宅街までやってきてくれた岡田。多謝(C)MMAPLANET

明後日6日(土・現地時間)にONE FN23「Ok vs Rasulov」にシェ・ウェイと対戦する和田竜光と岡田遼の対談後編。1年4カ月振りの実戦復帰となる和田が、平良達郎の勝利で世界中に広まったオタツロックについて、岡田と深掘りトークを引き続き繰り広げてくれる。
Text by Manabu Takashima

ポジションとしてのオタツロックと派生したオタツイスター。ケガを防ぐために自らの得意技の対処方法まで和田は言及。この懐の深さは、和田のMMAの味わいそのもの。オタツロック=和田竜光でないからこそ、岡田とのオタツロックをテーマとしたMMA談義を楽しんで欲しい。

<和田竜光&岡田遼対談はPart.01はコチラから>


「キネマティクス(運動学)とキネティクス(運動力学)」(岡田遼)

──平良選手の勝利で、オタツロックが一般層に届くような気配です。これまで後藤丈治選手もRIZINで勝って、オタツロックをアピールしていましたし。

和田 あれは1回目に勝った時に、「だめだよ。オタツロックってアピールしないと」って冗談で言ったんですよ(笑)。そうしたら、次の試合にオタツイスターで取って、言ってくれましたね。

岡田 上久保選手も、グラップリング(FNISH10)で石橋(佳大)選手の肋骨を折ったんですよね。1回目に入った時に耐えて、2回目でケガをしたと聞いています。

──かつてのヒール、今のオタツロックですね。

和田 知らない人が受けると危ないですね。ただヒザを狙う技ではなくて、ポジショニングの一つと考えて欲しいです。そこからツイスターが出てきたのは、最近のことで。

岡田 僕が和田さんと練習をしている時には、なかったですしね。

和田 相手が振り向いてきた時に、ツイスターみたいな形になって嫌がった相手からバックを取る。そういう技だったのが、極に発展してきたんです。

岡田 竹中(大地)選手が和田さんと戦った時に、必死に胸を合わそうとして。でも、振り向けなかったですよね。

和田 もともと振り向き辛い技なんですけど、オタツイスターがあるからなおさら胸を合わせることができなくなってきました。フィニッシュに繋がるようになっているので。ポジションコントロールの技術から、一本が取られるように自分のなかでも進化をさせてきて。

そこで上久保が使いだして。僕よりも効果的に使っています(笑)。RIZINのなかでも、その形がでると解説の人も言及してくれるようになって。「もっと言ってくれぇ」って思いながら視ています(笑)。

岡田 達郎はもともとバックキープが好きで、上手くて。両足フックからオタツロックを使うようになって。ところで……実はTHE BLACKBELT JAPANって、練習でカニバサミは禁止なんです。

和田 危ないからね。

岡田 スポーツ生理学にいうと、キネマティクス(運動学)とキネティクス(運動力学)というものがあって。キネマティクスは動作の見た目で、キネティクスは動作の内側で起こっている力の作用をいいます。

──ハイ。

岡田 キネマティクスでいえばオタツロックとカニバサミは違います。でもキネティクスでは同じなんです。前額面上にヒザに圧力をかけると、ACLが断絶しやすいです。関節の危ない角度をシアーロードと言いますが、足関節もこのシアーロードが創られて極められています。

ヒールを取った時、相手が足を真っ直ぐに延ばすと極まらないじゃないですか。

和田 うんうん。

岡田 必ず少し曲げて、角度をつける。あの角度で横から圧力をかけると、パチンとヒザの内側でACLが壊れてしまいます。キネティクスでいうとスタンドのオタツロックで外側から煽って、横ベクトルで圧力をかけると──それはカニバサミやヒールと同じで、切れてしまうんですよ。

ペレス戦の達郎は一、スタンドのオタツロックで相手が抵抗しないで倒れる。二、スタンドでチョークを取る。三というか、ヒザが壊れることもある。それぐらいの考えでやっていました。

「背中に乗られたら、寝た方が絶対に良い」(和田竜光)

和田 スタンドでバックを取っていると、首も取りやすいです。だから背中に乗られたら、寝た方が絶対に良い。自分のケガも防止もそうだし、絞められないための対処としても。オタツロックは踏ん張っちゃうとヒザも危ないし、首も取られやすくなります。

──構わないのですか、それをここで公表してしまっても。

和田 分かっていなくて練習をすると、ケガしちゃいますから。それだけは避けて欲しくて。本当にこの技のメカニズムを分かって、特に練習では掛ける方も掛けられる方も対処してほしいです。

岡田 いうとペレスも知らなかったのだと思います。踏ん張らないことです。

和田 さっきも言いましたが、DJは倒れて本当にうまく対処をしてきました。体の捩じりが強くて、ブリッジをする選手にはスパッと取れることがあります。竹中選手がそういうたタイプで。練習でも祐弥やノリピー(田中路教)とかは、捻ってブリッジだから取れちゃうことがあるんです。

でも、DJにはちゃんと胸を合わされました。今、映像を見ても理由は分からないです。なぜ、あんな風に抜かれたのか。オタツイスターを掛けるタイミングもあったけど、察知されました。DJだって仕掛けられたのは初めてのはずなのに……。実際、餌を蒔いてそうなるように仕向けていたんですけど。

DJが動けるだけの力の入れ方をしていたんです。敢えて緩めて、動かせてツイスターに入れるように。それで僕は何百回とスパーリングで極めてきたので。でも、DJは全くそっちに動かなかったです。

──それはキネマティク的、キネマティクス的に分かるのですか(笑)。

岡田 いや、一切分からないです(笑)。本当にその理由が知りたいです。

和田 だからDJと戦って、良い場面も創れたけど全然やられちゃって。逆に嬉しかったです。やっぱりDJは凄いなって思えて。掌の上で回されて、もう清々しかったほどで。

──痺れますね。 

和田 DJとやって、もう特別に戦いたい相手っていないっていのは、そういうことなんです。強い選手はいるし、好きな選手もいるけど──そういう気持ちなんです。もう、やりたいヤツっていないんです。DJ以外なら、フライ級で戦っていた時の(ヘンリー)セフード、それと今はフライ級の堀口(恭司)君ぐらい……触ってみたい相手は。

──もう納得です。

「僕はカーフだって、和田さんに教えてもらいました」(岡田遼)

和田 なんで、今はONEから用意された相手を倒す。そしてチャンピオンを目指す。誰と戦いたいといことではなくて、目指しているのはONEのベルトです。

──その用意された相手がシェ・ウェイ戦だと。いやぁ、この話を聞くと余計に楽しみですね。では改めて岡田選手、和田選手の次の試合で何を期待しますか。

岡田 カーフキックで、KOですね(笑)。

──そっちですか。

岡田 いや今回、和田さんはオタツロックで注目されたかもしれないけど、こんなにMMAができるウェルラウンダーの選手はいないんです。MMAだからこそという動きができる。僕はカーフだって、和田さんに教えてもらいましたから。

和田 ありがとう(笑)。あと、俺も岡田君に訊きたかったことがあって。

岡田 えっ。ハイ、何でしょうか。

和田 あのう……手塚(裕之)選手と仲が良いでしょ?

岡田 ハイ……。

和田 最近、どうしちゃったのかなぁって。

岡田 あっ、Xですか(笑)。

和田 そうなんだよ。どういうことなのかって。

岡田 それはですね──。

──スミマセン。そこからはプライベートな話ということで(笑)。今日は本当に貴重な話をありがとうございました。

■放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

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【ONE FN23】シェ・ウェイ戦前の和田竜光を岡田遼が訪ねた─01─オタツで勝利の平良達郎、その原風景とは

【写真】岡田が鶴屋怜のセコンドでベガスに向かう前夜、和田を訪ねて都内某所で取材。ココカ〇ファインの明かりを借りてオタツロックを実演 (C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FN23「Ok vs Rasulov」に和田竜光が出場し、シェ・ウェイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

1年4カ月振りの実戦復帰となる和田だが、今、その存在過去最高に注目されている。6月15日のUFC ESPN57のメインで平良達郎がアレックス・ペレスを負傷TKOに追い込んだのが、和田の十八番=オタツロックから、煽って後方に倒れたことでヒザの負傷をペレスが負った。

日本ではお馴染みのオタツロックだが、まだ世界のMMA界に使い手という使い手は見当たらず、衝撃な結末とともに和田オリジナルというべきオタツロックが世に拡散されている。

そんななか、平良のセコンドを務める岡田遼が和田を訪問、かつてTRIBE TOKYO MMAで練習をしていた両者。世の中はもちろん、和田本人がオタツロックの本当の怖さに気付いていない時の光景が、平良のUFC6連勝に繋がっていた。

ただし、オタツロックだけが和田ではない。岡田が認めるように、練習仲間やコアファン層は承知のウェルラウンダー=和田と、岡田のオタツロック論と和田竜光のこれからについて対談を行ってもらった。


「ONEがなかったら、MMAを辞めているかもしれない」(和田)

――和田選手、1年4カ月振りの試合が近づいてきました(※取材は6月25日に行われた)。

和田 去年の3月のFriday Fights以来ですね。

岡田 ずっと日本大会に出場するものだと思っていました。こないだ久しぶりに電話をくれても、試合のこととか教えてくれなかったですもん(笑)。

和田 契約問題は言っちゃいけないことが多いから(笑)。

──守秘義務というやつですね。ただ自分が知っている限りは、実は日本大会の時に契約は切れていたと。

岡田 えっ、そんなことがあるんですか。

和田 あるんだよ。Friday Fightsは単発だったみたいで(笑)。

岡田 まぁ、それだと日本大会の出場もないですよね。

和田 皆が気付いていなかったようで。そりゃぁリストに名前がないんだから、日本大会に出場も何もないよね(笑)。

──ある意味、奇跡ですよ。マネージメント、マッチメイカーが気付いていないなんて……。

和田 去年の12月に気付いたけど、そこからクリスマス休暇とか新年とかでなかなか時間が掛ってしまって。

──そのタイミングになると和田選手は試合に出られても、ビザが取れないから外国人選手を招聘できないですよね。それにしても、そこからまた7カ月が掛ったわけですし。

和田 長かったですね。でも、組まれないものはしょうがない。ようやく決まりましたね。

岡田 なんで、再契約したんですか。

和田 そもそも俺はONEに感謝しているから。ONEがなかったら、MMAを辞めているかもしれない。DEEPでチャンピオンになって、RIZINの出場も1回きりで。UFCも行けないし、『もうやれることはない。このままダラダラやってもしょうがない』って思っている時にONEが契約してくれて。

──「なぜなら、僕は修斗を愛してるから」と叫んで、全然でない人もいますが。

岡田 アッハハハハハハ。それ、僕じゃないですか。でも和田さん、義理堅いッスね。

和田 俺も悩んだよ。色々な人と話もしたし。RIZINも頭にあったけど、俺の試合が組まれるなんて保障もないし交渉もしていない。だからファイトマネーがいくらになるのかも分からない。けど、そういう状況でいえばONEの方が確実に稼げるので。

──う~ん、勝手ながら和田選手とブラジル人や欧州系の選手との試合、例えUFCでなくても見たいです。

和田 UFCには一応、この契約が空いている期間に交渉をしてもらいましたが、全然だめでした(笑)。

──それでも交渉を試みたんですよね。いやぁ、良い話です。

和田 まぁ年齢もあって、成績も抜群に悪いんで。DJとやって良いところがあった。それと大昔ですけど、カイ・カラフランスに勝っている。そこを材料にダメもとで、契約が切れている間に一丁聞いてもらいました。

ただ変な話、僕はONEと契約した時からDJ以外に試合がしたいという相手がいなかったんです。で、DJと試合ができてから僕のなかでは、ある意味もう上がっていて。もう一番戦いたい人と試合はした。だから明日、ケガをしてMMAができなくなっても、僕のなかでは悔いはないです。もうやりたいことはやったというベースがあります。そこと海外で試合をすること、それと稼ぎも天秤に掛かっていて。

岡田 で、再契約をしたのですね。

──6日に戦う相手は、シェ・ウェイです。かつて若松選手と戦った中国人選手ですね。

和田 佑弥がハイドレーションで引っ掛かった時に戦って、やっつけたヤツで。

岡田 あぁ、あの時の。

和田 今はランカーじゃないけど、トップ5だった時もある。現状はその下の選手です。

岡田 いや、もうフィニッシュしてください。やっぱり、ここはオタツロックから。本家ですから。

「あの形といえばあの形なんです。達郎が勝った理屈も、もう7、8年前のあの練習の時も」(岡田)

和田 オタツロックねぇ。ホント、平良君。ありがとうって。まぁ、得意だから出せる可能性は高いけど、一本を取るならそこからの形ですね。でも、狙って出すようなモノではないので。あれって、オタツロックだよねぇ?

岡田 ハイ、勿論オタツロックです。TRIBE TOKYO MMAのプロ練習に参加させてもらっていた時に、僕と同門の佐久間健太も一緒で。その時に和田さんが練習で仕掛けて、あの形といえばあの形なんです。達郎が勝った理屈も、もう7、8年前のあの練習の時も。

和田 あの時は僕も未熟で。あれでケガをして以来、佐久間選手をTRIBE TOKYO MMAで見かけなくなってしまって……。

岡田 でも、僕もあの時は何が起こったか、分からなかったです。

和田 本当にこの間の平良君とアレックス・ペレスの試合のような形でした。立った状態でオタツロックに入って、組んでいる方でない足に全体重が掛かってしまって。それで倒れた時にはACLがいくような……。ただおんぶされていただけなら煽っても踏ん張られてしまいます。

オタツロックは組んでいる足が入っていくことで、相手の足が持ち上がるような形になります。するともう一方の足にオタツロックを仕掛けた方の人間と、仕掛けられた相手の2人分の体重が全て掛かるんです。

岡田 踏ん張ると、ケガしちゃいます。グラウンドに自分からいくぐらいでないと。

──ペレスは一度目の煽りで倒れず、平良選手が後ろ手に取ってから煽って倒れました。

岡田 体が強い。だから、耐えてケガをした形ですね。

和田 DJは体重を逃がして、転がっていました。初見だったはずなのにさすがです。ただ佐久間選手にケガをさせてしまった時は、オタツロックのメカニズムがまだ分かっていなかったです。もちろん、平良選手のように煽ることもなかったし、足を上げて崩そうとしていたぐらいで。

今だとあんな風にはやらないです。でも、当時は危なさにも気付いていなかった。それで練習相手に仕掛けて、相手がバランスを崩して倒れることがほとんどで。その時、踏ん張り過ぎたり、マットに引っ掛かったりして佐久間選手にケガをさせてしまいました。

岡田 あれはインシデントでなく、アクシデントでした。ああいう風になることを狙うわけがなく。狙っても、そんな風になるものでもないですし。

「達郎って和田さんに憧れていたんです」(岡田)

和田 偶然でも起こり得る動きなので、練習では本当にそうならないようにしています。だから、オタツロック単体で勝とうとかはなく、そこから展開のために使っています。平良選手もあの結末を狙ったわけじゃなかったよね?

岡田 起こり得ると想定した中での仕掛けです。達郎のアクションで事故が起こることもある。その意識でしたね。

和田 試合だとケガをするとか躊躇すると、隙を与えて逃げられてしまいます。同時にケガをさせようなんて思わない。ただし、ケガをするかもしれないとは頭にあって仕掛けています。

──ケガは付き物ですし。殴って、蹴ってという競技ですからMMAは。ところで岡田選手が佐久間選手のケガを見ていたことが、平良×ペレス戦に繋がっているのでしょうか。

岡田 それをいうなら、僕もナンボでもオタツロックの餌食になっています。被害者の会の一員ですから。ケガはしていなくても。何より、これはこの間の勝利があるから話すのではなくて、達郎って和田さんに憧れていたんです。

僕が和田さんと毎週のように練習をさせてもらっていた時期に沖縄に行って、まだ修斗のチャンピオンになる前の達郎から「オタツロックってどうすれば、掛けることができるのですか」って質問されたことがあったんです。達郎は当時から和田さんの試合映像を見て、ずっと研究していましたね。

和田 へぇ、嬉しいなぁ。

──世界的にもヘンゾ・ロックはあっても、日本人選手以外でオタツロックは見た記憶がありません。

岡田 ヘンゾ・ロックは対角に足を入れる。アルジャメイン・ステーリングが使っているやつですね。

和田 僕もこないだの平良君の試合後に、ヘンゾ・ロックなのっていうリプを見てチェックしたのですが、アレは斜めにいれているだけで、足一本に2人分の体重が掛かるということはないです。

──となると、オタツロックは日本のMMAを代表する技ですね。上久保選手、後藤選手、鶴屋怜選手らがオタツ・ツイスターを使っています。

和田 鶴屋君、使っているよね?

岡田 使っています。ハイ、使っています。

和田 俺や上久保が掛けたことがあって。で、極め方は違うのですが、そこにオタツロックの原型は残っているんです。俺もあの極め方のアレンジを使っているから。で、怜君に「良いでしょ。あの仕掛け」って話しかけたら、「あれは違います』って(笑)。それを聞いていた上久保も「いやアレは自分たちが掛けたやつです」と言っていて(笑)。

岡田 アハハハハハは。そこが怜っぽくて良いです。それが達郎だったら「ハイィ。そうなんですぅ」って言いますよ(笑)。

和田 あの若さが良いですよね。買いです。あの雰囲気ね。良いです。イケイケで。絶対に、そこが怜君の強味です。実際にUFCに行っているし。火曜日にロータスまで来て、一緒に練習していますけど本当に強いです。

岡田 怜の目標は日本人初のUFCチャンピオンだから、達郎に先を越されたくなくて。そこがアイツの良さなんです。でも「そうなんですぅ」って言っておけば、先輩に可愛がってもらえるのに。

──その気持ちが透けて見えるのが、岡田選手ですよね(笑)。

<この項、続く>

■ ONE FN23放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

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ONE FIGHT NIGHT10:ボーナスバウト第2試合・カイラット・アクメトフ vs. リース・マクラーレン

フライ級。アクメトフ2位、マクラーレン4位。

カザフスタンのアクメトフはONE7勝2敗。2018年、暫定王座決定戦でジェヘ・ユースタキオに判定負けしてから5連勝中。前戦は和田竜光に判定勝ち35歳。マクラーレンとは4年前に対戦しアクメトフが勝利。35歳。

オーストラリアのマクラーレンはONE9勝5敗。バンタム級でビビアーノのタイトルに挑戦したがスプリット判定負け。フライ級では7勝4敗。2年前に若松佑弥に敗れてから2連続フィニッシュ勝利中。31歳。

パンチを振って出たアクメトフ。ケージまで下がったマクラーレンにタックル。リフトしてテイクダウン。バックを取らせて立ったマクラーレンだが、スタンドバックからまた投げた。またすぐ立つマクラーレン。スタンドバックからボディロックに変えてテイクダウンしたマクラーレン。サイドに出た。ハーフからフルガードに戻すマクラーレン。ケージを使って立ったマクラーレンだが、すぐにまたスタンドバックに回るアクメトフ。テイクダウン。マクラーレンのガード。アクメトフ立たせずにパウンドを入れる。肘。マクラーレンは下で凌ぐのみ。ゴング。

2R。マクラーレンが飛び込んでパンチを打ち込むが、かいくぐってテイクダウンしたアクメトフ。マクラーレン立ったがスタンドバックから後方に投げてテイクダウンしたアクメトフ。ケージで立ったマクラーレン。アクメトフまたケージに押し込む。引き剥がし離れたマクラーレン。大振りのパンチを振って出る。アクメトフもワンツーを入れる。自ら組んだマクラーレンだが離れた。残り1分。アクメトフ左を当ててタックル。尻餅をつかせた。立ったマクラーレンだがスタンドバック。マクラーレン出て行くがゴング。

3R。アクメトフケージに押し込む。ダブルレッグでテイクダウンしたアクメトフ。マクラーレン口が開き気味。高地で疲れが出てきたか。背中を付けたマクラーレン。ケージを蹴って返そうとするマクラーレン。亀になってアクメトフがぶったが振りほどき離れた。マクラーレンローを入れたがキャッチサれた。振りほどいて離れようとするマクラーレンだが、アクメトフ追いかけてケージ際でタックル。こらえるマクラーレン。アクメトフはボディに膝を入れて離れた。ミドルを入れるアクメトフ。アクメトフタックル。切るマクラーレンだが時間が過ぎる。離れた瞬間に左右のパンチを入れるアクメトフ。そのまま出てケージに押し込んだ。離れた。パンチを振り回して出たアクメトフ。タイムアップ。

判定3-0でアクメトフ勝利。

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『ONE Friday Fights 9』試合結果/和田竜光 vs. アーネスト・モンティーリャ ハイライト動画



▼メインカード ライト級 ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5R
〇レギン・アーセル(スリナム)
[KO 4R1分17秒]※左ボディ
×シンサムット・クリンミー(タイ)
※アーセルが初防衛に成功。

▼バンタム級 ムエタイ 3分3R
×クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)
[KO 3R]※右ヒジ
〇ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)

▼ストロー級 ムエタイ 3分3R
〇サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[KO 2R 2分52秒]※左フック
×ライアン・シェーハン(アイルランド)

▼アトム級 ムエタイ 3分3R
〇ペッディージャー・オーミークン(タイ)
[KO 2R 1分38秒]※左ボディ
×ファニ・ペロンピ(ギリシャ/アルバニア)

▼キャッチウェイト (134lbs) ムエタイ 3分3R
×チャーンゴ・ジットムアンノン(タイ)
[KO 2R1分30秒]※右フック
〇スライマン・ルクスアン(ミャンマー)

▼キャッチウェイト (140lbs) ムエタイ 3分3R
〇セクサン・オー・クワンムアン(タイ)
[判定3-0]
×シルビュー・ヴィテズ(ルーマニア)

▼キャッチウェイト (140lbs) ムエタイ 3分3R
〇ヨードレックペット・オー・アトチャリア(タイ)
[KO 2R 0分27秒]※右フック
×サマン・アシュリ(イラン)

▼フライ級 ムエタイ 3分3R
〇ブラック・パンサー(タイ)
[KO 1R 2分04秒]
×タギール・カリロフ(ロシア)

▼フライ級 5分3R
〇和田竜光(日本)
[1R 1分52秒 リアネイキドチョーク]
×アーネスト・モンティーリャ(フィリピン)

▼キャッチウェイト (159lbs)5分3R
〇ユン・チャンミン(韓国)
[判定2-1]
×キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)

▼フライ級 ムエタイ 3分3R
〇ナックロップ・フェアテックス(タイ)
[2R 2分45秒 TKO]
×チェン・ジャーイー(中国)


 3月17日にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催された『ONE Friday Fights 9』の試合結果。ムエタイ中心の大会ですが、数少ないMMAマッチで和田竜光がアーネスト・モンティーリャに1Rリアネイキッドチョークで勝利しています。


 和田竜光 vs. アーネスト・モンティーリャ ハイライト動画。続きを読む・・・
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【ONF FF09】絶妙の右でダウンを奪った和田竜光が、モンティーリャをRNCで一蹴!!

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
Def.1R1分52秒by RNC
アーネスト・モンティーリャ(フィリピン)

左ロー、右を見せるモンティーリャが和田のカーフをかわし、右を振る。ローに右を合わせた和田は右から組みへ。離れたモンティーリャは右を打ち込んだところで、カウンターの右でアゴを打ち抜いた和田がダウンを奪う。パウンドからバックに回った和田は両足をフック。背中が伸びたモンティーリャがRNCにタップした。


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【ONE FF09】金曜ファイト前。和田竜光がイエローカードについて語る「レフェリーは……」

【写真】トップ戦線と絡むために必勝のルンピニーでの一戦だ(C)MMAPLANET

明日17日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight09に和田竜光が出場し、アーネスト・モンティーリャと対戦する。

本戦契約の和田が、ONEの要請を受けてルンピニーで戦う。昨年6月のカイラット・アクメトフ戦を落とした和田が、仕切りなおしの一番を前にして──イエローカードの提示が目立ってきた現状に対し、発言。そのMMA哲学が伺える言葉だった。


――まず、昨年6月のカイラット・アクメトフ戦。和田竜光のMMAの妙の部分で勝たないといけない相手に敗れた。押し切れられたという印象が今も残っています。

「そうですね。持っているモノで勝負して勝てるとは思っていたのですが、やっぱり……なかなか強かったですね。もう一つ、実力が足らなかった感じです」

──あのテイクダウン力を見ると、和田選手がストロー級転向を視野に入れていたのが、現実味を帯びてきたかと思っていました。

「う~ん、パワフルさはありましたけど、勝負できないとは全く思わなかったです。テイクダウンはされちゃったんですけど、最初からされると思っていました。ラウンド毎に残り時間が少なくなると、アタックしてくることも分かっていましたし。それが彼のスタイルなので。

分かっていてもトップを取られたのですが、ONEの裁定ってトップを取られたからどうだっていうのはあるじゃないですか?」

──ハイ。

「上からのアタックも別に食らいはしなかった。ただ、スタンドでもう少し僕の方がダメージを与え、こっちにアドバンテージがある展開にしてかったけどできなかった。そこが敗因ですね。

こっちの持っているカード。出し方次第で、もう少し打撃で優位に進めることができたんじゃないかなって、試合を振り返って思うところです。やっている時はいっぱいいっぱいだったんですけどね」

──リース・マクラーレン戦、ダニー・キンガド戦に関して和田選手自身は、負けにカウントしない敗北でした。アクメトフ戦は、どのように捉えていますか。

「ギリ負けた試合ですかね(笑)」

──アハハハ。

「フラットに見てみても、ギリ負けました。ダメージを与えられたわけじゃないけど、削り合ってお互いにしんどかった試合で向うの必死さも、めっちゃ伝わって。特に3R目はこっちがガンガン行かないといけないラウンドなのに、向うの気合のクリンチで手数が出せなかった。

それは自分も削られていたから。そこまでの展開で互いに疲れていて。そういう厳しい試合になることは分かっていたのですが、スタンドで有利に立つという見立てが上手くいかなかったです」

──そういう敗北を経験すると、何か新しいモノを採り入れようという気持ちが芽生えてきたりするものなのでしょうか。

「全くなっていないです(笑)。僕の1週間、今いる環境、練習環境や生活リズム、自分のコンディション面も含めてベストだと思っています。これ以上練習を増やすと、多分体が追いつかない。そのなかで良い練習をしているので、これで上げていく。苦手なこととか一切やっていないです。嫌いなことはやらず、好きなことを伸ばしていく。ここしばらく、ずっとそうやってきました。

階級に関していうと、変えるタイミングもありました。でも、カイラットにやられて悔しいんですよね。やり返したい……カイラットにやり返したいというんじゃなくて、フライ級で通用しなかったから階級を変えるというのが、自分のなかで嫌で」

──う~ん、勝手ながら和田竜光✖ジャレッド・ブルックス──見てみたいですねぇ(笑)。

「特にやりたい選手っていないんですけど、ブルックスはやってみたい選手です。ただ、俺が誰とやりたいとかって言える立場ではないので。提示された選手、全員とやるっていう姿勢ですね。勝って、立場が変わってきたらそういう発言もできると思います。カイラットに負けて、生意気なことは言えないです。

階級を変えるのは、本当に自分の気分で。カイラットに負けて、『俺、フライじゃ無理だ。階級変えよう』と思ったのなら、パッと階級を変えていたと思います。それが、もうひと頑張りで勝てるというのがあると……。通用しないと認めるのは、嫌で。この状況で階級を変えるのは嫌ですね。でも、これで勝ってポーンと階級を変えたいと思うかもしれないです」

──対戦相手のモンティーリャですが、10年前にPXCのフィリピン大会で試合を見たことがあって……当時の印象では一生懸命、粗くてしょうがないMMAをやろうとしているというような感じでした。

「僕もYouTubeに落ちている、きっと3年ぐらい前だろうけど直近と思われる試合のダイジェストを視ました。凄く雑なんですけど、仕掛けたがり屋さんの極めたがり屋さんで。でも、雑過ぎてスクランブルになってしまう。そういう印象です」

──本当に勝って貰わないと困ると言ってしまいますね。あと再浮上を狙うなら、今のONEではフィニッシュが不可欠かと。

「フィニッシュばっかり狙っていないと言いつつ、いつもフィニッシュは狙っています。そんな感じなんですけど、そうですねぇ……難しいですね。これで勝ったからって、本戦で誰かとできるという感じもしないし。ルンピニー大会はムエタイだとタイトル戦とかあって、下部大会とも言い切れない。ここで強い選手と組まれることもあると思っています。

それこそ毎週やっているので、色んなランカークラスも出てくるのかなっていう感じはしています。結果、チャンスが増えそうで良いと僕は捉えています。それには余り知らない選手だとしても。用意してもらった選手に勝っていくしかない。しっかり勝つのが前提です」

──これがMMAだからという妙をイエローカードで排除する傾向もあるかと思います。

「特にルンピニー大会はブレイクも早いし、またちょっと違う印象ですね。MMAのレフェリーは黙って見てろ──とは思うんですけど。ムエタイが好きなお客さんを楽しませる興行にするために、スタンドでやり合わせたいという意図は感じます。

どっちが強いのか見守っていてとは思います。でも、盛り上げる必要があるのがONEの方針で。嫌ならONEから出て行けば良いわけでも。まぁ文句はあるけど、受けいれて戦います(笑)」

──でも、言うこと聞かないよっていう風にも感じます。

「まぁやれること、やりたいことは決まっているんで。促されても、自分の判断で動けないと思ったら動けないし。打ち合えって言われても、打ち合いたくないならやらない。やらないといけない状況だったら、殴り合います。その判断をレフェリーがするな。黙って見ていろとは思うんですけど、そういうところだから」

──守り重視の選手が促されて、行くしかないってくるとチャンスが増える展開もあると思います。

「それはそうですね。流れは、それで変わりますし。イエローはもう出されたらしょうがない。しゃあないです(笑)」

──そのような話をさせておいてなんですが、次の試合で何を見せたいのか。お願いします。

「相手のことはよく分からないですけど、殴って蹴ってコントロールして極めることができれば嬉しいです。でも……MMAなんで、なんか……そうっスね。いつも通りの楽しみ方で見てください。大きくは変わらない。やっつけるだけです」

■放送予定
3月17日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF09 MMA対戦カード

<フライ級(※77.1キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
アーネスト・モンティーリャ(フィリピン)

<159ポンド契約/5分3R>
ユン・チャンミン(日本)
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)

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ABEMA MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2023#02 UFC   カマル・ウスマン コナー・マクレガー サンチン ジョン・ジョーンズ デメトリウス・ジョンソン トレヴィン・ジョーンズ ドミニク・クルーズ ハファエル・アスンソン ブランドン・モレノ ボクシング レオン・エドワーズ 上久保周哉 修斗 和田竜光 堀口恭司 宮城友一 平良達郎 新井丈 関口祐冬

【Shooto2023#02】ここにもいた、格闘ジャンキー=関口祐冬─01─「サンチンで、ヒザの上にコップを」

【写真】宇宙の背景は意味がないという関口だが、話を訊いていると何か通じているような気がしてくる……(C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるSHOOTO2023#02で、修斗世界フライ級1位の関口祐冬が、フライ級契約で世界ストロー級王者の新井丈を迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

2020年から5連勝でランキング1位まで昇りつめた関口だが、現在この階級のベルトはUFC参戦中の平良達郎が保持している。そこで関口が他のランカーと暫定王座決定戦を行うのか――と予想されたなかで、1階級下の新井がフライ級に進出してきた。新井の挑戦状を受け取った形の関口祐冬とは、いかなるファイターなのか。インタビューを試みると、MMAマニアっぷりが発揮された。


――関口選手が所属する修斗GYM東京のプロフィールには、格闘技を始めたきっかけが少林寺で、好きな選手はコナー・マクレガーとありました。現在のファイトスタイルは、その少林寺とコナー・マクレガーの影響が大きいのでしょうか。

「あぁ、ジムのホームページに載っているプロフィールですよね。細かく言うと、まずお父さんが空手と少林拳をやっていました。もともと自分の中では、決まったスタイルがないのが僕のスタイルだと思っています」

――決まったスタイルがない! どういうことでしょうか。

「次に対戦する新井君や、分かりやすいところだと堀口恭司選手って、コレっていうスタイルがあるじゃないですか。僕はマクレガーの距離の取り方や堀口選手のステップワークも好きだし、コーディ・ガーブランドのスタイルも好きなんですよ。そういう選手の良いところを、ちょっとずつ取り入れているような感じですね」

――そうだったのですね。以前、試合前に体勢を低くして相手を見つめていたところも、マクレガーを意識していたのかと思っていました。

「あれはジョン・ジョーンズです(笑)。ジョン・ジョーンズって四つ這いで相手を見て、動物的な動きで相手に近づいていくじゃないですか。あのスタイルが好きで」

――色々と取り入れていますね。ガーブランドは、どのようなところが好きなのでしょうか。

ガーブランドがドミニク・クルーズからベルトを獲った試合(2016年12月に判定勝ち)が、一番分かりやすいですよね。頭を振って、相手のパンチをかいくぐりながら、パンチとレスリングを織り交ぜて戦う。そういうスタイルがカッコいいなと思っています。ハファエル・アスンソンを2Rラウンド終了間際にKOした試合(2020年6月)もシビれましたし。

ああいう動きを見て、使ってみようかなって練習してみるんです。多くの人は、そうやって練習しても実戦で使うことは少ないと思います。それが僕は試合でも使ってみたくなるタイプですね」

――ガーブランドは先日のトレヴィン・ジョーンズ戦も、相手との実力差はあったとはいえ、ステップとの距離の取り方が抜群でした。

「すごく良かったです。相変わらずボクシングとレスリングを巧く組み合わせていて。新井君はガーブランドから、ステップワークと頭の振りを抜いたタイプだと思っています。ただ、KIDさんもそうでしたけど、体格で劣る選手が相手の中に入っていく姿は、見ていて興奮しますし憧れますよね。純粋に、カッコいいです」

――ただ、関口選手はフライ級の中で体格が小さいわけではないですよね。公式プロフィールでは、身長が180センチとなっています。

「そうですね。フライ級の平均より少し大きいぐらいだと思います。僕の理想は、全部できるようになることです。たとえば相手の体格によってスタイルを変えることができる――何か一つのスタイルをゴリ押ししていくようなことは、僕にはできないですから。それが可能なのって、何か一つが突出している選手なんですよ。

でも僕には、他の競技を経験して何か突出したものがあるわけじゃないので。MMAを始める前も、ちゃんと格闘技と向き合っていたわけではないので、一つひとつのレベルは高くない。どちらかといえば相手のスタイルや体格に合わせることのほうが多いです。

宮城選手との試合(2022年3月、宮城友一に判定勝ち)は、宮城選手のほうが身長は高かったので、僕がガーブランドのように頭を振って中に入っていきました。でも梶川選手の場合(2019年3月、梶川卓に判定負け)は僕が体格で上回っていて、マクレガーのように前手で距離を取りながらパンチを合わせるスタイルを選択したんですよね」

――それだけ普段からMMAの試合を観ているということですね。

「最近は新井君との試合を想定して、ガーブランドとディラショーの試合を観ています。一方はリーチが短くて、一方は体格が大きいっていう試合で。ディラショーとガーブランドは、ディラショーが2連続KO勝ちしていますけど、ガーブランドのパンチが当たっているシーンもありましたから。そこは参考にしたいです。

国内だと今は、和田竜光さんや上久保周哉選手の試合を観ていますね。結局、フライ級ってパンチが当たっても相手は立ち上がってくることが普通じゃないですか。となるとデメトリウス・ジョンソンもそうだし、和田さんや上久保選手のように相手を組み伏せる力がないと、シーソーゲームになっちゃうので。UFCのフライ級でも、ブランドン・モレノとフィゲイレドが、そういうシーソーゲームになっていて。

僕も昔は一発頼りだったんですよ。一発で倒す試合って、憧れるじゃないですか(笑)。それがヘビー級だと一発で終わるのに、フライ級だと倒れない。だから、パンチで倒したあとに組み伏せられる力を身につけないといけない――ここ最近は練習でも、それを痛感しています」

――なるほど。

「やっぱりMMAは観ていて楽しいですよ。僕の試合がある日に、UFCでレオン・エドワーズとカマル・ウスマンが対戦しますよね。3度目の対戦(過去1勝1敗)で、どうなるのかなって。さすがに試合当日の朝だから、僕も体を休めていると思いますけど……でも観ちゃうかな(笑)」

――アハハハ、それだけMMAが好きということですね。それだけ現在はMMAが好きであるにも関わらず、MMAを始める前は格闘技にちゃんと向き合っていなかったというのは……。

「子供の頃は、本当に格闘技が大っ嫌いでしたね。お父さんは最初に空手をやっていて――流派が何だったかも聞いたことはないです。そのお父さんに、無理やり空手をやらされていました。思春期で友達と遊びたくても、家に帰って厳しい練習が待っていて。さらにお父さんが少林寺を習い始めて、空手とミックスしたものを始めたんです。それも日本で広まっている少林寺拳法ではなく、中国で行われているやつなんですよ」

――えっ!? 嵩山少林寺の方だったのですか!!

「だから対人で行われる大会はなくて。あるのは型の大会で、それも映画で見るようなものでした。ジャッキー・チェンの酔拳みたいなものや、三節棍を使った型がありましたね。僕も映画でジャッキー・チェンがやっていた練習を、実際にやっていましたよ。サンチン立ちのような形で、ヒザの上にコップを置かれ、水がこぼれないように1時間その体勢のままでいるとか」

――幻想が膨らむお話です。とはいえ、お聞きしているだけで、幼少期にその練習はキツかっただろうと思います。

「もうね、『この家から早く出たい』と思っていました。格闘技はやりたくない、格闘技とは縁のない会社員か公務員になりたい――と考えていましたけど、今こうしてMMAをやっていますね(笑)」

<この項、続く>

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【ONE FF09&ONE FF11】3月17日に和田竜光、31日に安藤達也がMust Winのルンピニー出場へ

【写真】しっかりと勝ちたい、いや勝たないといけない試合だ (C)ONE & MATSUNAO KOKUBO

22日(水・現地時間)、ONE Championshipより3月17日(金・同)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Friday Fights 09に和田竜光が、同31日(金・同)のONE FF11に安藤達也が出場することが発表されている。

和田の出場はONEと契約中の日本人MMAファイターとして初のルンピニー大会への参戦となる。また、Road to UFCから修斗世界バンタム級王者として国内で活躍中の安藤は、その修斗のベルトを奪取してから1年振りの試合が念願となる初の海外進出だ。


昨年6月のカイラット・アクメトフ戦で判定負けを喫し、タイトル戦線から一歩後退の和田はPXCやURCCで活躍してきたアーネスト・モンティーリャと対戦。

PXCではバンタム級王座決定戦を経験しているが、アルヴィン・カクダックに敗れている。これが3年11カ月ぶりの実戦復帰ということを考えても、和田は負けられない。

安藤の相手アリ・モタメドは、かつて吉野光にスプリット判定勝ちを収めているものの──吉野勝利が妥当という声が多かった試合だった。

なんせモタメドは吉野に15分間で9度のテイクダウンを許している。言い換えると、それだけ倒されながらフィニッシュを許さなかった試合ではあったが、安藤としてテイクダウン後だけでなくて、その前後でしっかりとパンチを当てて倒したい。

和田としては本戦カムバック、安藤は一気に本戦進出するために圧勝を望みたいルンピニーでの戦いだ。

なおリリースに寄せられたONE初出場の安藤のコメントは以下の通りだ。

安藤達也
「ずっと海外で試合をしたいと思っていたので、ONEからチャンスを貰えて嬉しかったです。今回の相手は、経験値の高いストライカーです。自分のひらめきを武器に、いつも通り決着をつけに行きます。そして、ONEのチャンピオンと戦えるチャンスを掴みに行きます。ファイターとしての目標はたくさんありますが、まずは自分に勝つこと。格闘技を通して挑戦する姿を見せて、勇気を与えたいです。格闘技はLIVEだと思うんですよね。やってみないと分からない!ぶちあげます。お楽しみに!」

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【ONE】2023年へ、若松佑弥―02―「分かってくれる人がいる。そこへの感謝の気持ちがあれば」

【写真】取材時には、当然いくらでも笑顔になっていた若松 (C)MMAPLANET

2022年も最後の1日に。この1年もMMA界には色々な出来事があり、多くの勝者が誕生し、同じ数だけ敗者も生まれた。

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビュー──若松佑弥編Part.02。

ウ・ソンフン戦の敗北で、一時的でもMMAが嫌になったという若松は、この敗北を誰の責任にも転嫁せず、自分を見つめなおす材料とした。

<若松佑弥インタビューPart.01はコチラから>


──完全に足に来ていたようにも見えました。あの左を貰ってからの下がり方は。そうでないと若松選手は被弾して下がるタイプの選手ではないと思いますし。

「頭では『ここから盛り返す』って感じだったんですけど、体がまるでいうことを聞かなかったです。今から思えば、それが普通なんですよね。パンチを効かされるということは。ここまでMMAを続けてきて、自分がそうなって初めて怖さが分かりました。

皆が『危ない』と言っていても、あんな風に貰ったことが無いので分かっていなかったです。この負け方は今後MMAを戦っていくうえで必要だった。それこそ神様が教えてくれたお告げだと捉えています。

勝敗に関して……仙三さんのように打たれても前に出て勝てる人もいるけど、それは皆に当てはまることじゃない。僕が試合前に思っていたような仙三さんみたいになりたいというのも違っていて。その必要はないと思い知りました。

無理矢理打ち合わなくても。MMAは戦争じゃないと分かったし。決まった時間内で、自分のテクニックを出して勝ち切る。判定だとつまらないと言われることもありますが、やはり勝たないと始まらないです」

──「もう嫌だ」という気持ちは、どれぐらい続いていましたか。

「そうですね……試合後は『俺が屑だから、勝てなかったんだ』と自分を全否定して、穴があったら入りたいぐらいのきもちでした。頭のなかも真っ白になって。これから、どうすれば良いのか分からない。

長南さんにも『俺、もう辞めます。こんなのやっていられない』って伝えました。長南さんも『辞めたければ、辞めれば良い。でも、俺はずっとTRIBEにいるから。やりたいときはいつでも来い。待っているから』と言ってくれました」

──いや、それ長南さんに言わせちゃダメですよ。若松選手──。

「そうなんです。こんな最高な……幸せなことをやってきて、すぐにそういうことを想うからダメなんだって考え直せました。やるだけのことやったんだから。家族のため、仲間のために妥協せずにやってきた。

それを分かってくれる人いる。なので『俺がやってきたことは間違いない』と気持ちを入れ替えることはできました。同時に家族のために、殺されないために殺しにいく。そんな使命感を持って戦うんじゃなくて、気楽に楽しんで戦おうと。強靭なメンタルも柔軟性があってこそ、だから心の修行をしているんだと敗北を飲みこみました」

──若松選手は敗北を第三者の責任にしていないですね。

「全ては自分の責任です。練習環境でもない。それに今の僕は米国で練習する必要が無いような練習環境があって。そこで、やれるだけのことやって……皆にやらせてもらって。結果として『ああすれば良かった』、『こうすれば良かった』ということは出てきますけど、それは勝っても負けてでも出てくることなので。

ただ入れ込み過ぎない。僕もこれからの人生は長いし、これで終わりじゃないです。長南さんからも『鹿児島にいた時はどうだった? こんなに応援してくれる人間がいたか』と指摘されました。

いなかったです。そうですね……こういう時期なんだなって。TRIBE勢はあれから3連敗して……負けた人間の気持ちも分かるし。それでも確かなことは皆、戦っている。肉体的な強さだけでなくて、精神的に強くなること。それが今、自分に課せられていることだと思っています。

精神力は……自分は全然弱いので。僕は生まれながらに、多分そこが弱いんです。勝っている時は良いんですけど。負けて、それも再確認できました」

──ONEで戦っている日本人選手、特に若松選手や和田竜光選手には世界で名の通った相手、もしくは通のファンなら分かる強豪と試合をしてほしいと常に思ってきました。だからONEでキャリアアップ途中の選手だと、勝って当然という風に捉えがちでした。そこは自分も反省しています。若松選手の敗北を目の当たりにして。もっと対戦相手のことも知らないといけないと感じました。

「いえ、僕もあの相手に負けていられないと思っていたので。本当にそういうところから、自分を見つめ直さないといけないと感じました」

──では現状、練習の方は?

「試合でケガもありましたし、組みも含めてコンタクトする練習はしてこなかったです。また年が明ければ、試合に向けての練習を再開させます。練習には制限があるので、他に自分のできることを試してきました。カポエイラに行ったり、こないだは滝行に行ってきました。それから修行のことを勉強して。千日回峰行って分かりますか」

──クレイジージャーニーか何かで、塩沼亮淳さんの荒行を拝見したことがあります。1日に数10キロ、山道、獣道を歩き、その間人とも話さない。それを9百数十日続けるとか……。

「今、そういう修行を勉強しているんです。悟りを開いて無になるとか。結局、人間って弱いから荒々しい態度を取ったり、色々な手段で自分を強そうに見せます。そういう人がなぜイライラしているのか、相手の気持ちを考えることから考えようと思うようにしています。

結局、シンプルに全てに感謝して。あの敗北にも『ありがとう』と思って生きないといけないし。僕はこれで飯も食えているわけで。如何に自分が幸せなのか改めて分かりました。あの試合で勝っていたら、こういう風にはなっていない。

僕は負けてストーリー作りとかできないけど、ごく僅かでもちゃんと分かってくれる人がいる。そこへの感謝の気持ちがあれば、今後、自分がどういう立場になっても他の人に対して、偉そうな態度を取ったりすることはないと思います。そこに気付けた。自分は恵まれている人間です。そうなる状況を与えてもらえました」

<この項、続く>

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