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【NEXUS38】北野一声、ダイレクトリマッチで荻窪祐輔に挑戦。大谷啓元の粘りは、堀江耐志に通じるか

【写真】3回戦──が鍵となる?!(C)TAKUMI NAKAMURA

18日(土)、Fighting Nexusより3月2日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS38の対戦カードが発表されている。
Text Manabu Takashima

NEXUSフライ級選手権試合、チャンピオン荻久保祐輔が北野一声の挑戦を受ける一戦は昨年11月の後楽園大会の再戦となる。


ストロー級でも倒せる拳の持ち主、北野は昨年3月に1年10カ月振りの実戦を豪州のBeatdown Promotionで行い、現UFCファイターのスチュアート・ニコルと対戦──も、初回KO負けを喫した。この試合前に今後はフライ級で戦うか、ストロー級でやって行くのか決めるという発言もあったが、NEXUSでの再起戦はフライ級で王者とノンタイトルで戦うことになった。

結果、スタントで優位に立った北野は荻窪の試合をさせずにフルマークの判定勝ちを収め、タイトル挑戦を宣言していた。ダイレクトリマッチがタイトル戦、当然のように今回は最初から3Rが想定されている。2回戦は瞬発力が持久力よりモノをいうが、3回戦は違う。

荻窪陣営も、3Rを戦ったことがない北野のことを研究し尽くして、ケージに足を踏み入れるはずだ。北野は倒せるという強味を、持久力を伴う必要がある戦いでどれだけ出せるのか。今後の試金石となる王座挑戦といえるだろう。

2022年グレコローマンレスリング72キロ級優勝で、2023年の世界選手代表からMMAに転じた堀江耐志が2戦目も発表されている。対戦相手は大谷啓元。当然のように抜群のフィジカルを誇り、トップ奪取能力を持つ堀江に対し、1年5カ月振りに実戦復帰の大谷のディープハーフからのスイープや、スクランブル中のバック奪取、あるいはラバーガードやゴゴプラッタという技が通じるのか。大谷のねちっこい寝技が、レスリング・エリート堀江にどこまで通るのか。対戦も要注目だ。

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【Nexus37】北野一声が現王者・荻窪祐輔にノンタイトル戦で勝利。王座戦でのリマッチをアピール

【写真】北野が思い切りのよい左ストレート・左ミドルをヒットさせた(C)TAKUMI NAKAMURA

<フライ級/5分2R+Ex>
北野一声(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
荻窪祐輔(日本)

サウスポーの北野がインローと左ミドル、そこから左ストレートを当てて前に出る。組み付く荻窪は引き込んでオモプラッタを狙うが北野が立ち上がって距離をとる。試合がスタンドに戻ると、荻窪が右フックからダブルレッグに入って、ケージを背負う北野を寝かせながら、北野の立ち際を狙ってアームロックへ。下になりつつ、そこから三角絞めも狙う。終了間際、腕を抜いた北野が左のパンチを落とす。

2R、すぐに荻窪がダブルレッグに入る。ケージを背負う北野のバックを狙いつつ、北野が正対するとギロチンを狙う。頭を抜いて立ち上がる北野はスタンドを要求する。スタンドの再開後、荻窪が北野の左ストレートにダブルレッグを合わせてケージまで押し込む。荻窪はバックを狙いつつ、正対する北野の右腕を持ってアームロックへ。

自らグラウンドに持ち込み、北野の腕を巻き込むように上を取ろうとするが、北野がその際で細かくパンチを入れる。北野が立ち上がって試合がスタンドに戻ると荻窪が右ミドル、北野の左ストレートが当たり、荻窪がそのままガードに引き込む。北野がそこにパンチを落とし、試合終了となった。判定はジャッジ3名が20-18で北野を支持。現役王者からノンタイトル戦で勝利した北野はタイトルマッチでの再戦をアピールした。


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【Fighting NEXUS】速報中!Fighting NEXUS vol.37

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さてさて今日はFighting NEXUSの日。後楽園ホールでFighting NEXUS vol.37が開催されます。今大会から1R:KICK 2R:MMA 3R:ベアナックルで行うNEXUS CRAZY RULEを導入。手始めに齊藤淳(ReBORN経堂)×村田純也(リベルダージ)が行われます。果たしてベアナックルファイトまで進展するのか興味津々。本日は公式YouTubeチャンネルを観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 NEXUS MMA 3分2R フェザー級65.8kg契約】
◯山崎陸(坂口道場)
(判定3-0)
×麻生空良(AACC)
1R、プレッシャーを掛ける山崎。パンチを振るって組み付くとケージに押し込んでテイクダウンに成功。簡単にマウントを奪取。しばらくポジションをキープして腕十字を仕掛けるがタイムアップ。
2R、開始直後は麻生がパンチを連打。しかし山崎はカウンターでパンチを当てて組み付く。時間を掛けてテイクダウンするとバックに周る。チョークで絞め上げる。耐える麻生。山崎はマウントに移行して腕十字!だが麻生は反転して脱出。逆にバックチョークを狙うがタイムアップ。判定は山崎に軍配!


【第2試合 NEXUS MMA 5分2R(延長1R) バンタム級61.2kg契約】
×小牧竜也(パンクラスイズム横浜)
(判定0-3)
◯アポロ中山(ゴッドサイドジム)
1R、小気味良いステップからパンチを繰り出す小牧。それに対してローを返しつつタックルでテイクダウンに成功。しかし小牧はスタンドに脱出。スタンドの攻防の末にラウンド終了。
2R、やはりスタンドの打撃で前に出る小牧。しかし中山は要所要所でタックルでテイクダウンに成功。一時はマウント、バックを奪取してポジショニングで優勢のまま試合終了。判定は中山に軍配!


【第3試合 NEXUS MMA 5分2R(延長1R) フェザー級65.8kg契約】
◯千春(FREEDOM@OZ)
(1R TKO)
×嵐士(K-PLACE)
1R、千春は長いリーチを活かしてパンチ、さらに蹴りも上中下で蹴り分ける。それに対して嵐士は前に出てパンチを振り回すが千春は冷静にスウェイで回避。さらにカウンターのフックで射抜くと嵐士はダウン。パウンドを集中させるとレフェリーが試合を止めた!


【第4試合 NEXUS MMA 5分2R(延長1R) ライト級70.3kg契約】
×涌井忍(和術慧舟會HEARTS)
(1R 腕十字)
◯小川健晴(ゴッドサイドジム)
1R、スタンドの攻防から組み付いた涌井。首相撲から膝蹴り、さらに肘打ちで攻勢。しかし小川はするっと組み付いてスタンドでバックに周る。涌井は一度は正対したが、小川はしつこく組み付いてテイクダウンに成功。腕十字を狙うが涌井は腕を抜いてスイープ。上になってポジションをキープ。だが小川は下から三角絞め。さらに腕十字!これで涌井はタップ!小川が鮮やかに極めた!


【第5試合 NEXUS MMA 5分2R(延長1R)ミドル級83.9kg契約】
×一慶(ALLIANCE)
(判定0-3)
◯マシン(BLUE DOG GYM)
1R、じわじわと前に出る一慶。左右のパンチがヒット。嫌がったマシンが組み付いてケージに押し込む。しかしマシンの膝がローブローに入って試合は中断。しばらくして再開するとマシンは間合いを詰めて組み付く。しかし潰して上になったのは一慶。バックから腕十字を狙うがマシンは耐えてラウンドを終えた。
2R、開始直後から組みに行くマシン。潰してバックに周った一慶だがマシンは正対。逆にバックに周ると一慶は立ち上がって正対。長い差し合いが続く。そこからマシンの膝蹴り。一慶は嫌がったが投げでテイクダウン。マシンは勢いに乗じて上になって試合終了。判定はドロー!延長に突入。
延長R、開始直後にパンチを振るって前進するマシン。組み付いてケージに押し込む。差し合いになると一慶が足を掛けてテイクダウン。だがマシンも正対してスタンドへ。マシンは背中に張り付く。これも一慶は正対して差し合いが続いて試合終了。判定はマシンに軍配。僅差の勝利!


【第6試合 NEXUS MMA 5分2R(延長1R)フライ級56.7kg契約】
×荻窪祐輔(K-PLACE)
(判定0-3)
◯北野一声(SONIC SQUAD)
1R、距離を保ったスタンドの攻防。じわじわと前に出る北野。左ミドルを効果的にヒット。さらに左のパンチを当てると荻窪の動きが落ちる。北野は左ミドルからのパンチを蓄積。嫌がった荻窪が転倒。北野は上になるが荻窪はオモプラッタで脱出。スタンドになると荻窪はパンチからタックルでテイクダウン。アームロックを狙うが北野は脱出してラウンド終了。
2R、開始直後に荻窪がタックルでテイクダウン。しかし北野はケージを背にして背中を付けさせない。北野が立ち上がると荻窪は飛びついてギロチンチョーク!タイトに絞めるが北野は首を抜いてスタンドへ。しかし荻窪はすぐさまタックルで組み付く。北野もバックに周りかけて膠着。身体が離れると荻窪のタックルを切って北野のパンチがヒット。グラつく荻窪。ダウン?北野は上からパウンドを入れて試合終了。判定は北野に軍配!


【第7試合 Fighting NEXUSバンタム級王座次期挑戦者決定戦】
◯中桐涼輔(トイカツ道場/13GYM) 
(判定3-0)
×神部篤坊(ABLAZE八王子)
1R、近い距離でのパンチの交差。中桐は豪快なタックルでテイクダウン。しかし神部はすぐに立ち上がってスタンドの展開。打撃の交差から中桐がスタンドでバックに周る。しばらく背中に張り付いてコントロール。このままラウンドを終えた。
2R、開始直後に中桐がタックルでテイクダウン。神部がギロチンを狙うが不発。神部はそのまま立ち上がってケージ際での差し合いが続く。膠着してブレイク。神部はパンチを振るうが中桐は組み付いてバックに周るとそのままテイクダウン。立ち上がる神部のバックに中桐が張り付いて試合終了。微妙な判定は中桐に軍配。


【第8試合 NEXUS CRAZY RULE 3分3R 60.0kg契約】
×齊藤淳(ReBORN経堂) 
(2R 腕十字)
◯村田純也(リベルダージ)
1Rはキックボクシングルール。スタンドでプレッシャーを掛ける齊藤。ボディを交えて的確にパンチをヒットさせる。嫌った村田は組み付いて投げを放って逃げる。スタンドで再開すると齊藤は前進してパンチ、ローを蓄積。村田は最後まで耐え抜いてラウンドを終えた。
2RはMMAルール。じわじわと間合いを詰める村田。齊藤はサークリング。村田はなかなか組まない。残り2分になったところで村田が組み付いてテイクダウン。村田はパウンドを落として齊藤の腕が伸びたところに腕十字!齊藤はタップ!


【第9試合 Fighting NEXUS初代ミドル級王座決定トーナメント決勝戦】
◯佐藤龍汰朗(坂口道場一族)
(判定3-0)
×将斗(AACC)
1R、スタンドのお見合いから低空タックルで組み付いた佐藤。しかし将斗の腰は重い。ケージ際での差し合いが続く。一度はテイクダウンするが将斗はすぐに立ち上がってまたも差し合い。身体が離れるとパンチで前に出る佐藤。しかしいなして将斗がスタンドでバックに周る。そのままグラウンドに持ち込んでチョーク。だが佐藤は脱出すると逆にバックに周ってパウンドを入れてラウンドを終えた。
2R、スタンドでの攻防から組み付いた佐藤。バックに周るとグラウンドに引きずり込む。しばらくキープしていたが将斗は立ち上がる。しかし佐藤は下から足関節を取ってグラウンドに引き込む。すかさず上になるが将斗は下から腕十字。だが佐藤は腕を抜いて上からパウンド。上をキープしてラウンド終了。
3R、開始直後のバッティングで試合は中断。将斗が側頭部から出血。ドクターチェックの末に再開。組み付く佐藤がバックに周る。そのままジャーマンでテイクダウン。将斗はアームロックを狙うが佐藤は腕を抜いてバックに周る。万事休すかと思いきや将斗は脱出。スタンドに戻ると激しい差し合い。ここで佐藤の膝がローブローに入ってしばらく中断。スタンドで再開すると佐藤がパンチ、膝を入れて最後はタックルでテイクダウンして試合終了。判定はもちろん佐藤に軍配。佐藤が優勝!
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MMA o UFC シャノン・ロス 北野一声 平良達郎

UFC305:第1試合・スチュワート・ニコル vs. ヘスス・アギラー

フライ級だったが、アギラーが1.5ポンドオーバー。

オーストラリア北東・ソロモン諸島出身のニコルはUFCデビュー戦。地元プロモーションのBeatdown Promotionsでキャリアを積み、前戦で日本の北野一声に1RKO勝ちしてUFCとの契約を勝ち取った。キャリア8戦全勝だが、まだメジャーレベルの相手との対戦経験はない。学生時代は格闘技と無縁で、サッカー・バスケ・ラグビーなどをしていたが、ヒョードル vs. チェ・ホンマンを見てMMAに興味を持ち、ロシアのプロモーション・ACBのブリスベン大会でMMAデビュー。29歳。

メキシコのアギラーは昨年2月のUFCデビュー戦で平良達郎と対戦したが、1R三角十字で一本負け。2戦目はUFC0勝1敗のシャノン・ロスからパンチでダウンを奪い、わずか17秒でキャリア初のKO勝ち。今年2月の前戦は、UFC0勝2敗のマテウスメンドンサに一進一退の展開となり、メディアのジャッジも真っ二つに割れる接戦でのスプリット判定勝ち。しかし最後に横三角の捕らえられて疑惑のタップに見える動きもあった。得意技はギロチン。28歳。

カーフを蹴るニコルだが、アギラーがパンチで飛び込む。距離を取るニコルを追いかけてスタンドバックへ。ニコルバックを取られたところからアームロック。投げた。亀になったアギラーからバックマウント。体を伸ばしてパウンドを入れる。アギラー向き直ってハーフ。ガードのアギラーにパンチで飛び込むが、アギラは足で阻むと立った。立ち際に得意のギロチン!首がかなりがっちり入っていて外せないニコル。落ちた!

アギラー、UFCで得意のギロチンでの初勝利。これでUFC3連勝。

ニコルは得意のバックマウントの体勢になるなど優勢に試合を進めていたが、ワンミスでMMA初黒星。ギロチンが得意技なのは事前に確認済みだと思うが、不用意に取られてしまった。

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45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o YouTube エフェヴィガ雄志 チャンネル 北野一声 岩﨑大河 平田樹 木下憂朔 本野美樹 海外 澤田千優 田上こゆる 鈴木崇矢

【ABEMA】海外武者修行プロジェクト第9期生=鈴木崇矢はキルクリフ、第10期生=岩﨑大河はCMMAへ

【写真】ヘンリー・ホーフトのお眼鏡にかなった鈴木 (C)MATSUNAO KOKUBO

12日(金)、ABEMAより海外武者修行プロジェクト第9期生=鈴木崇矢、第10期生=岩﨑大河が米国にMMA留学を行い、その模様が5月にABEMA格闘技チャンネルの公式YouTubeのFighter’s Diaryで配信されるという発表があった。
Text by Manabu Takashima

海外武者修行プロジェクトは過去に平田樹&直樹、田上こゆる&北野一声、本野美樹、木下憂朔、澤田千優、エフェヴィガ雄志ら11名のMMAファイターを米国のジムに送り出し、澤田とエフェは現地でのトレーニングでの総決算としてCombat Globalで試合を行い、その模様もABEMAで中継されている。


今回のプロジェクトでは、鈴木はキルクリフFC、岩﨑はカリフォルニアMMA&フィットネスで練習を行うことになった。鈴木の武者修行先がキルクリフFCになったのは、昨年末に日本でセミナーを行ったヘンリー・ホーフトがいたく鈴木の動きを気に入ったという背景があるという。岩﨑は澤田とエフェと同様に、現地のMMA大会に出場するというプランもあるようだが、続報を待ちたい。

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45 MMA MMAPLANET o スチュアート・ニコル 北野一声

【Beatdown P06】ニコルのテイクダウンを防ぎ切ることができず。北野の豪州挑戦は1R TKOで敗れる

<フライ級/5分3R>
スチュアート・ニコル(豪州)
Def.1R4分45秒 by TKO
北野一声(日本)

サウスポーの北野に対し、ニコルが右ストレートを打ち込む。左ストレートを軸に前に出る北野だが、ニコルがローで中に入らせない。ケージ中央からダブルレッグで飛び込んだニコルがケージへドライブし、ボディロックからの外掛けて尻もちを着かせた。立ち上がる北野をを押し込み続けるニコルは、再び尻もちを着かせた。立ち上がる北野、グラウンドに戻すニコルという展開が続く。残り30秒で左腕を差し上げたニコルがテイクダウンを狙いながらバックに回る。バックマウントを奪い、北野の体を伸ばしたニコルがパンチを連打し、レフェリーストップを呼び込んだ。


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【Beatdown P06】豪州#01と対戦、北野一声「日本でもフライ級でゴリゴリのストライカーがいれば」

【写真】現地のMMAジムも訪れた。それだけでも吸収できることが、あるはず(C)KEN YASUDA

本日9日(土・現地時間)、豪州はクイーンズランド州イートンズヒルにあるイートンズヒルズ・ホテルで開催されるBeatdown Promotions06のメインに北野一声が出場し、スチュアート・ニコルとフライ級3回戦で対戦する。
Text by Manabu Takashima

北野は2019年5月にZSTでプロデビューして以来、KROSS X OVER~NEXUSと5戦5勝。全試合KO勝ち、加えて全試合1RKOとストロー級とは思えないハードパンチャー振りを発揮していた。その後、一昨年8月に田上こゆると共にABEAMA海外修行プロジェクトでルーファスポートにMMA留学も果たした。が、北野のキャリアはここで一旦途絶え、今回の豪州での再起戦が実に1年10カ月振りの実戦となる。

対戦相手のニコルはキャリア7戦7勝で6つのフィニッシュ。KOができ、極めることもできるパワフルなウェルラウンダーだ。Beatdown Promotions自体はEternal MMAやHEX FIGHTと比べるとフィーダーショーとしても格は落ちる──それでいて、豪州ドメスティックMMAに置いてフライ級最強という声も高い。

そんな相手と初めての海外での試合、初の国際戦、そして初めてのフライ級で戦う北野の心境を渡航前日に訊いた(※取材は5日に行われた)。


――海外修行プロジェクト終了後、今回が初めての試合になります。これだけ試合をしていなかったのは、何か理由があったのでしょうか。

「まず帰国して2、3カ月後に左の拳を痛めてしまいました。それから上手く試合のタイミングがハマらなかったことがあります。ONE FFの話も貰ったのですが、ケガのこともあって一度見送ると、その後は話がなくなってしまって……。そうこうしているとギックリ腰をしたり、また試合から遠ざかってしまった感じです」

──今回は海外、しかもフライ級になります。

「ハイ。目指してきたのはONEのストロー級なのですが、ONEのストロー級は56キロなので体重を増やすことをメインにした時期もありました。それまで僕はプロテインも飲んだことがなかったので」

──えっ……。そこから、と。

「ハイ(苦笑)。それと自分より大きな人と練習をする時は力勝負を避けていたのですが、そこで意識を変えて力勝負に行ったり。そうしたら、ギックリ腰をやってしまったのですが(苦笑)」

──ありゃりゃ。

「それでもずっと54キロだったのが、58キロになって。今は60キロになっています」

──ストロー級は海外の選択肢が一つになり、国内も大舞台がないということはフライ級転向に関係していますか。

「そこは今もONEのストロー級は頭にありますし、なら最低でも56キロの体は欲しい。と同時にフライ級の方が、世界は広がってくるということも思っています」

──海外修行から、海外を目指したいという想いになったということでしょうか。

「それもありますし……あと、高校の同級生でレゲエとか決してメジャーな音楽じゃないのに、頑張っている人間がいて。その姿を見ていると、体格とかのせいにして世界があるフライ級に挑戦しないのは違うなって思って。僕は身長も160センチもなくて、フライ級だと明らかに小さいです。でも、そこで外国の大きなヤツを倒す姿を見てもらえたら……僕がその友人からもらった刺激のような者を、他の人に与えることができるんじゃないかなって。

そこが一番大きかったですね。レゲエって日本だと人気がなくて、でも『絶対に俺がシーンを変える』って断言していて。あとBAD HOPっていうグループが、HIP HOPの単独グループでは初めて東京ドームでライブをやって。『人気がない分野で、あそこまで行った』という感じに思われていて。そういう他の分野、同じような境遇でも頑張っている人達を見ていると、僕も周囲から無謀だと思われてもやるしかない。やっぱり挑戦しないといけないなって。

なんか無敗、初回KO勝ちとかしていて、それを守り続けたいという小さいことに拘ってしまっていた自分がいて……。そんなこと気にしていたら、何も挑戦できないなって」

──そして一気に豪州チャレンジに至ったと。

「今回の相手、豪州1位という評価もあるみたいで。この話を今年に入って聞いて、『やるしかない』と思いました。あと、レゲエをやっている友人の仲間の一人が去年、豪州で交通事故に遭って後遺症が残ってしまったんです。そのタイミングで、豪州での試合というオファーがあった。これは運命だと思いました。豪州で1階級上の強い相手に勝つ姿を彼に見せたい……」

──ニコルの試合映像を見ると、フライ級でも大きいように見えました。圧力が凄まじくて。

「柔術も黒帯だそうです。打撃戦で相手の意識をそっちに向けて、テイクダウンを奪う。レスラーで寝技ができる。とにかくグラップリングが強いです」

──スイッチヒッターで、どちらの構えでもテイクダウンができて、しかも初動が掴みづらいような仕掛けもありました。

「あれは……結構、危ないですよね。壁レスも凄く強いし、バックを取る力も秀でています。とりあえず僕はストライカーなので、打撃で相手の組みを潰して自分のペースで戦うことが大切になってくる。僕の方がスピードはあるので、パワーに対して俊敏性と体重移動で崩していきたいです」

──そのような猛者を相手に、パンパンとパンチで勝っていた頃と比較して一声選手は今、MMAファイターとしてどのような点で進化したという感覚がありますか。

「う~ん、米国に行かせてもらったことをきっかけに組みの反応が以前よりできるようになりました。あの時はまだ構えもアップライトでしたが、今は重心を落とすようになりました。あとは壁レスですかね、そこはできるようになりました。壁レスのスタミナがつきました。(井上)直樹さんと練習をさせてもらって、こんな強い人がいるんだって痛感しているんですけど(苦笑)」

──1年10カ月振りの実戦、リングロスなど気になることはないですか。

「ないです。気にしても、何も変わらないので」

──押忍。頼もしいです。今回の試合、自らのキャリアにとってどれほど重要だと捉えていますか。

「人生が変わる勝負だと思っています。戦ってみてパワーで圧倒されるようなら、今後はONEのストロー級一点に目標をしぼります。勝敗に関係なく、イケるという感触があったらBeatdownに継続参戦したいですし、他でも力を試したいです。日本ではフライ級で有望視されている選手を見ると、組みの選手が多いじゃないですか。堀内選手は世代もキャリアも違いますが、最近は組みが主体のように見えますし──同世代の平良選手も神龍選手も組んで極める系です。

そういう組みの選手が多いフライ級で、ゴリゴリのストライカーがいればもっと面白くなるんじゃないかと。とにかく今回の試合を戦ってみないと分からないのですが、チームの皆、友達、仲間に頑張ればできるんだっていうところを見て欲しいです。あと自分と同じような体格の選手の希望になることができれば……と思っています」

■放送予定
3月9日(土・日本時間)
午後4時00分~Beatdown Promotions YouTube Channel

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【ABEMA&Combate Global】エフェヴィガ雄志&澤田千優。武者修行プロジェクトからコンバテ出場へ

【写真】出稽古とフィーダーショー出場がセットされた武者修行プロジェクト。さぁ、どのような成長過程を見せてくれるか (C)MMAPLANET

8日(水)、ABEMAより海外MMA武者修行プロジェクトの第6及び第7期生の発表があり、TRIBE TOKYO MMAのエフェヴィガ雄志、澤田千優が2カ月に渡り、それぞれフロリダの切りクリフFC、カリフォルニアのチーム・オーヤマで出稽古を行うことが発表されている。

平田樹、田上こゆる、北野一声、本野美樹、高木オーディン祥多、木下憂朔に続き、修斗新人王=エフェヴィガ、修斗女子アトム級チャンピオン澤田の海外修行が決まった。


キルクリフはもう説明の必要がないだろう。佐藤天、木下憂朔が拠点とし、ウェルター級にはロビー・ローラー、ビセンチ・ルケ、ジルベウト・ドリーニョ、イアン・ギャリー、シャクハト・ラクモノフ、リー・ジーリャン、ジェイソン・ジャクソンら世界中から頂点を目指すファイターが集まっている。

一方、澤田が出稽古を行うチーム・オーヤマは、堀内佑馬が長らく在籍し、UFC世界女子ストロー級王者カーラ・エルパルザも所属しており、そのキャプテンシーに触れるだけで最高の経験となるだろう。

同プロジェクトは今期より、滞在期間を従来に1カ月想定から2カ月に拡大し、選手だけでなく指導者の現地滞在費用もABEMAが持つという風にボリュームアップを果たした。

さらにはこの両者、5月6日(土・現地時間)にフロリダ州マイアミのユニビジョン・スタジオで開催されるCombate Globalの大会出場を決っており、同大会はABEMAでライブ中継されるという。

これらの日本勢の出場に関して、同プロモーションのマイク・フロモヴィッツ執行役員は「日本から選手が出場し、その日本から注目度が上がることはとても嬉しいことだ。この2人だけでなく、3人目の出場を待っているところなんだ」と両者の出場についてMMAPLANETに歓迎の言葉を伝えてきた。

まだ同プロジェクトの陣頭指揮を執る北野雄司AMEBA格闘チャンネルEPは同リリースに「この僅か期間で別人のように強くなることはできなくても『何か』を掴んで帰って来てほしいです」というコメントを寄せているが、試合結果は当然として──そこに向かうための日々の姿勢こそ大切になってくる。両者には最高の経験にしてほしいものだ。

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【ABEMA】武者修行プロジェクトから帰国、田上こゆる─01─「気持ちに自信がつきました」

【写真】ルーファスポートで得た自信が発揮される次戦は、いつになるのか(C)MMAPLANET

ABEMA海外部者修行プロジェクト第2期生、田上こゆる。北野一声と共に行ったウィスコンシン州ミルウォーキーにあるルーファスポートでの出稽古を終え、帰国した。

その田上を帰国後直後に所属するBLOWSでインタビュー。米国での練習の成果と、これからについて尋ねた。


──ルーファスポートでの武者修行プログラムを終えた田上選手です(※取材は9月23日に行われた)。自分は最初の3日間ほど一緒にいさせてもらったのですが、あれ以降は宿泊先なども変更されたそうですね。最初の宿泊先はジムまで相当な距離があったので、そこは実は気になっていました。

「そうですね、歩いて30分は掛からないところに移って。でも、途中から自転車とスケートボードがあったので、僕が自転車に乗ってスケボーの北野(一声)君を引っ張るような感じで通うようになっていました(笑)。それにルームメイトが車に乗せてくれることもありました」

――ルームメイトは何人いたのですか。

「4人ですね。プロ間近のトップアマという感じの選手が2人、プロが2人でした」

――ところで今回、BLOWSには戎橋から宗右衛門町を歩いてきたのですが、田上選手のような年頃の若い子たちが楽しい気にたくさん歩いていました。ミルウォーキーの郊外を自転車とスケボーでジムに通うとはえらい違いですね。

「アハハハ。僕がそっちにあまり興味ないというのもありますけど、遊ぶとしたら同じように見えると思いますよ。まぁ、こことは別世界ですよね(笑)」

――誘惑に負けることはないですか。

「う~んなんも感じないです。朝から仕事して、夜はここで練習するのが日常なので。とにかく練習を終えたら飯食って、寝て、体を休めようとしか考えていないので」

――なるほど。では、よりMMAに集中していたミルウォーキーの生活に関して教えてください。さぞかし充実の日々だったと思います。

「そうですね。月曜日から木曜日は午前中に2時間の選手クラスがあって、夜は普通に会員さんのクラスに出て。金曜日は午前中が一般クラスのグラップリング、夜は自主練習。それか車でサウナに行って、リラックスしたり。土曜日はレスリングの技術とスパーリングをガッツリやる。そういう練習を続けていました。途中でデューク(ルーファス代表)さんが風邪をひいてしまって、思っていたよりマンツーマンのミット打ちの数が少なかったので、そこはもっとやり込みたかったです。

そうですね、やっぱりグラップリングが凄く勉強になりました。技術もそうですが、ガンガン行けるっていう気持ちを創れたんかなって。日本に戻ってきて練習をしたら、そう思えました。ルーファスポートに行くまでのプロ練習では入っていけなかったところでも、自分からテイクダウンをしかけることができるようになっていました。そういう風に動くことができる自信をつけることができたかなって思います」

――1カ月の武者修行で組みに自信がついた、と。

「ハイ。気持ちに自信がつきました」

――気持ちに自信がつくというのは?

「一番自信につながったのは、向こうに行って外国人選手とやるとテクニック的にもボコられると思っていたのが、それほどでなくて。一本を取ることができたり。日本でやってきたことに関して、向こうでも通じたから自信になったということですかね。向こうで体感できたから、気持ちにつながって自信を持てました。

理由は分からないんですけど、あっちでは自分から組みにいくことができたんです。結果、組みの攻防ができた。組みから逃げるんじゃなくて、組んで戦うことができたので自信になったんやと思います」

──自分の滞在中にはビッグネームは夏休み中でしたが、UFCやBellatorファイターと交流はできましたか。

「いえ、ファイト前でなかったのかラフェオン・スタッツはジムに来なかったです。セルジオ・ペティスは帰国する2週間前から、ジムには来るようになっていました。ただ、ヒザのケガがあるからスパーリングはせずにミットとかやっていましたね。正直、セルジオとかアンソニー・ペティスとかに本気で打撃でぶつかったらどうなるのかというのは、楽しみしていたので。そこがデキなかったことは、少し心残りですね」

――なるほど。では強くなったという反応は帰国後にありましたか。

「中蔵(隆志BLOWS代表)さんから、直接は言われていないです(笑)。ただBLOWSには三角(みかど)さやかさんという関西大学の大学院に在学中で、健康学の修士を取得し、健康運動指導士の方がいまして。フィジカル……食事を中心に健康面というのか、体のことを見てくれるコーチなのですが、その女性から落ち着いて動くようになったと言ってもらえました。以前は場面、場面で焦っていたところが落ち着いて対処できていると。

今回、ABEMAのおかげであんな経験ができたので、今練習で感じているように試合でも結果として、その成果を出したいです。結果……ただ勝つだけでなく、一本を取るとか成長の跡を見せられるような内容を伴った結果を残したいと思っています」

──また海外での練習をしたいという気持ちは?

「行きたいです。行きたい気持ちはあります。ルーファスポートにも行きたいですし、他のジムをことは知らないのですが、経験したいというのはあります」

──他のジムのことを知ってから行く方が良くないですか。こういうジムで、こういう軽量級の選手がいて、こういう練習がしたいと自分で想えるようになってからの方が効果的かと。

「あぁ……確かに、そうですね。……」

──まるで歯が立たなかった。そういう経験をしてみたいという想いも海外武者修行のなかにはなかったでしょうか。どれだけできるか試してみたいという気持ちの裏側には。

「あっ、そうですね。キックをずっとやってきて、『この人には敵わない』って直感で思うことってありました。そういう経験がMMAではあまりなくて、そういう経験がしたいという気持ちがあって米国に行ったというのもあります。今回は、そこまで感じるものがなかったので、やっぱり経験してみたいですね」

<この項、続く>

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【ABEMA】海外武者修行プロジェクト第2期生=田上こゆる&北野一声がルーファスポートで、即キック参加

【写真】空港から宿に行き、荷物を下ろしてルーファスポートに向かった田上と北野が……(C)MMAPLANET

ABEMA海外武者修行プロジェクト第2期生、田上こゆる&北野一声のストロー級コンビが、11日(木・現地時間)にウィスコンシン州ミルウォーキーにあるルーファスポートでの出稽古を開始した。

修斗とネクサスのストロー級戦線で活躍する両者は、NY経由で17時間の長旅を終え現地の宿舎に到着後、さっそくルーファスポートに視察へ。

そこで一般のキッククラスに誘われ、一切の疲れを見せることなく練習に参加し、デューク・ルーファスの右腕スコット・クッシュマン打撃ヘッドコーチの指導を受けた。

34歳からキックを始め実戦経験はないもののキャリア終盤のルーファスのスパーリングパートナーを務め、今年で59歳になるクッシュマン・コーチは「選手のファンダメンタルを大切にして、細かいディティールを指導する」という指針を持つ。

その指針通り、ローをかわして足払いの際の蹴る位置、相手の攻撃をかわすときに上体を反らないで即殴るコツ、距離を詰めてのハイはサークリングで背後に回るのではなくステップで内に入る、首相撲での手のサバキと頭の押さえ方などディティールにこだわった――微調整を鋭い動きと大きなゼスチャーで指導していた。

僅か1時間のトレーニングながら、そのきめの細かさに触れた両者は1カ月のミルウォーキー生活の初日をウォルマートの買い出しで締めた。

なお両者を含め、第5期生まで決定している海外修行プロジェクトの模様はABEMA格闘チャンネル公式YouTubeのコンテンツ=「Fighter’s Diary」で発信されることが決まっている。

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