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2.11『DEEP 112 IMPACT』& 2.18『DEEP JEWELS 40』対戦カード

KAMINOGE 133




 2月11日に後楽園ホールで開催する『DEEP 112 IMPACT』で以上の対戦カードが発表されています。伊藤裕樹、福田龍彌、宇田悠斗、本田良介によるフライ級グランプリ準決勝の組み合わせは近日中に抽選で決定します。


 2月18日に新宿FACEで開催する『DEEP JEWELS 40』で以上の対戦カードが発表されています。続きを読む・・・
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【RIZIN.40】「フアン・アーチュレッタ」RIZIN vs. Bellator記者会見・総集編!?『ドラゴンボールに憧れて!やっと日本の舞台で戦える!?』【RIZIN切り抜き】

【RIZIN.40】「フアン・アーチュレッタ」RIZIN vs. Bellator記者会見・総集編!?『ドラゴンボールに憧れて!やっと日本の舞台で戦える!?』
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【貴重映像】RIZIN vs. Bellator 全面対抗戦 会見舞台裏 / RIZIN.40
元動画公開日:2022/11/30
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DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o 北岡悟 江藤公洋

【DEEP110】打撃戦からTDを狙う北岡を深追いせず、江藤が右ストレートを軸にして僅差の判定勝利

【写真】スタンドの展開が多かった北岡、しかし後半から江藤のヒット数が上がっていった(C)MMAPLANET

<ライト級/5分3R>
江藤公洋(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
北岡悟(日本)

サウスポーの北岡が左ミドルを見せる。さらに左インロー。北岡は左ミドルで江藤の右を封じる。その左の蹴りに左フックを合わせた江藤。サークリングしながら左ミドルを繰り出す北岡に対し、江藤は右ボディストレートを伸ばしていく。ケージを背負った北岡は左右のパンチから左ミドル、距離を詰めてから右フックを放つ。ケージ中央を取る江藤はパンチから右ミドルへ。江藤は右縦ヒジを出す素振りも。

その江藤の顔面に北岡のショートパンチが当たる。江藤も右ボディストレートを返すが、北岡の足は止まらない。左ボディストレートから顔面へ右フックを伸ばした北岡、再び距離を取ってケージを背負いながらサークリングする。江藤の右ハイをブロックした北岡は、押しては引きテイクダウンには行かない。左ローを放った際に足を滑らせた北岡だが、すぐに立ち上がり、最後はショートレンジでパンチを繰り出し、ローで相手の前進を阻んで初回を終えた。

2R、右手の伸ばす北岡は、相手との距離を取りながら、一気に詰めてフックを当てる。さらに左の蹴りを上下に散らす北岡は、左ミドルをクリーンヒット。江藤に左ローは払われるも、すぐに離れては距離を詰めてパンチを当てる。相手の左ローを受けた江藤の動きが、一瞬止まる。江藤は右ボディストレートから右ハイ。これをブロックした北岡が距離を詰めて右フックを振るう。左ロー、左ミドルを散らす北岡、江藤は北岡の右フックに右ストレートを合わせる。

ラウンド残り2分近くで、北岡がシングルレッグで組みつきグラウンドへ持ち込んだが、抑え込むことはできず。足を抜いて立ち上がる江藤をケージに押し込んでいった北岡は、左ヒジを突き上げた。四つで体勢を入れ替えた江藤が、ヒジを出しながら離れた。ラウンド残り1分、北岡はケージを背負いながら左の蹴りを放つ。右の相打ちで足を滑らせた両者はすぐに立ち上がる。そのまま北岡はケージを背負い、2Rを終えた。

最終回、北岡が左インローを当てる。江藤は北岡の左ミドルをキャッチするも、捕まえきれずに北岡の右フックを受ける。北岡は左ミドルからシングルレッグへ。江藤はスプロール、すぐに離れた北岡は距離を取る。江藤の左ジャブは連続でヒット、北岡がシングルレッグで組みついたがスプロールされ、スタンドに戻る。江藤がサウスポーにスイッチしながら左ストレートを放つと、このパンチが北岡の顔面を捉えた。

しかし北岡は距離を取ってからシングルレッグへ。これはかわされ、北岡が尻もちをつくも、シッティングガードの状態となりレフェリーがブレイクをかけた。ケージを背にサークリングする北岡は、右のスピニングバックフィストを見せたあと、残り2分で前に出る。江藤が右ストレートを上下に散らす。やや被弾数が増えてきた北岡は、疲労からか足がもつれる場面があるも、ケージ中央で江藤と打ち合って試合終了のゴングを聞いた。

5年ぶりのDEEP参戦となった江藤がジャッジ3者とも1ポイント差の判定で勝利した。


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CORO DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o   中村大介 五明宏人 北岡悟 古瀬美月 大島沙緒里 川名TENCHO雄生 江藤公洋 石司晃一 神田コウヤ 赤沢幸典 酒井リョウ 雅駿介 鹿志村仁之介

【DEEP110】計量終了 3階級のタイトル戦。北岡✖江藤、中村✖神田、雅✖鹿志村。後楽園・濃縮大会

【写真】最重量の赤沢は最計量の古瀬の2.78倍の122キロだった(C)DEEP

明日12日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP110 IMPACTの計量が、中野区の中野サンプラザで行われた。

CORO✖石司晃一の暫定バンタム級、酒井リョウ✖赤沢幸典の暫定メガトン級王座決定戦、女子ミクロ級選手権試合=
大島沙緒里✖古瀬美月という3つのタイトル戦に加え、3年11カ月振りの勝利となるか──北岡悟✖江藤公洋のライト級戦、中村大介✖神田コウヤのタイトル挑戦仕切り直し決戦となるフェザー級マッチなど3回戦。

そして2回戦でもストイックなムエタイ三冠王とチャラい極め専門──雅駿介✖鹿志村仁之介など、後楽園ホール大会らしくコンパクトかつ注目カードが並んだ同大会の計量結果は以下の通りだ。


■視聴方法(予定)
11月12日(土)
午後5時50分~SPWN PPV
午後5時50分~ニコニコ生放送

■ DEEP110計量結果

<DEEP暫定バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] CORO:60.95キロ
[挑戦者] 石司晃一:61.05キロ

<DEEP暫定メガトン級王座決定戦/5分3R>
酒井リョウ:107.45キロ
赤沢幸典:122.2キロ

<DEEP女子ミクロ級選手権試合/5分3R>
[王者]大島沙緒里:44.0キロ
[挑戦者]古瀬美月:43.95キロ

<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.65キロ
江藤公洋:70.65キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.2キロ
神田コウヤ:66.0キロ

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生:70.7キロ
高橋“Bancho”良明:70.2キロ

<バンタム級/5分2R>
雅駿介:61.65キロ
鹿志村仁之助:60.85キロ

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI:66.05キロ
五明宏人:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
KENTA:61.55キロ
朝比奈龍希:61.4キロ

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CORO DEEP DEEP110 DJ.taiki MMA MMAPLANET o パンクラス 中村大介 五明宏人 修斗 北岡悟 古瀬美月 大島沙緒里 川名TENCHO雄生 新井丈 江藤公洋 清水俊一 牛久絢太郎 石司晃一 神田コウヤ 藤井伸樹 赤沢幸典 酒井リョウ 雅駿介

【DEEP110】不器用な苦労人、好漢CORO。石司晃一を相手に初防衛戦「昔、週2~3で練習していました」

【写真】不器用な選手が要領が良くなるのではなく、手順を覚えると強くなる(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP110で、COROが石司晃一を挑戦者に迎えてDEEPバンタム級暫定王座の初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2011年のプロデビューから11年、今年5月にDJ.taikiを下してベルトを巻いたCOROだが、その11年は決して平坦なものではなかった。勝っては負け、勝っては負け――さらに2017年までは連敗も繰り返してきた。しかし現在所属するK-Clannの横田一則代表との出会いから、遂に王座を掴んだCORO。その11年の苦労と、対戦相手である石司との意外なエピソードを語ってくれた。


――今年5月にDEEPバンタム級暫定王者となって半年が経ちました。まずベルトを巻いた感想はいかがですか。

「十何年やってきて、やっとベルトを獲れたので嬉しいですよね」

――現在の日本MMAを見渡しても、屈指の苦労人かと思います。修斗では新井丈選手が9連敗から王者にまで昇りつめて注目を集めました。CORO選手も、何度も勝利から連敗を繰り返した末の王座奪取です。

「メチャクチャ苦しい時期もありました。でもMMAが好きだから続けてきたので。そうですね……キツかった、としか言いようがなくて(苦笑)」

――どの時期が一番キツかったのでしょうか。

「パンクラスで3連勝したあと、瀧澤謙太選手と上田将勝選手、それとハワイの試合(エドワード・トムズ戦)で3連敗したんですよ。次の試合で神田T-800周一選手に勝ったあと、また連敗しました。その時期が一番キツかったです」

――2015年から2017年にかけてのことですね。

「いま思うと、無駄に試合をしすぎたなって思います。とにかく早く上に行きたくて、どんなオファーでも受けていました。スクランブル発進でも。それが良くなかったです。ちゃんと技術が追いついていないのに、試合だけしていて。それで連敗を重ねてしまったので」

――たとえば2015年は10月4日に瀧澤戦、11月1日に上田戦があり、その月末……11月28日にハワイで試合をしています。特に瀧澤戦はKO負けしているだけに、競技面でも以降は行うべき試合はなかったように感じます。

「アハハハ、そうですよね(苦笑)。どれも怪我があるのに直前のオファーを受けて、メチャクチャだったと思います。マネージメントも自分でやっていて、オファーが来たらすぐ、やりますと」

――この時に、自分のキャリアに対して限界を感じることはなかったのでしょうか。

「格闘技が好きだったので、辞めようとは思わなかったです。会場へ観に来てくれる人は、だいぶ減りましたけど(笑)。でも練習は好きだし、練習していたら試合したくなって。観に来る人がゼロになっても、好きだから続けようっていう感じでした」

――会場へ観に来てくれる人が減ったというのは、どれくらい減ったのですか。

「プロデビュー当時と比べたら、半分ぐらいに減りました」

――残り半分の方も、それだけ試合をして怪我もあり、さらに連敗していると心配していませんでしたか。

「はい、つまらなくても良いから勝ってくれと(笑)」

――アハハハ、応援してくれる方も勝っている姿を見たいですよね。試合内容でいえば、当時は何が課題だったと思いますか。

「試合中は自分を客観的に見ることができていなかったのかな、と思います。いつも焦って試合をしていて。自分が得意なところも分かっていなかったし、そこが重要でした。今は試合中に焦ることはないので。昔から練習では自信があったんですよ」

――練習でやっている内容を試合で出すことができない。それは致しかたないことですが、程度にもよるかと。

「やっぱり試合は怖いし、焦って自分から行ってしまう。見合う時間が嫌に感じて、バーッと前に出てしまう。そういうところを克服できたのは、横田(一則K-Clann代表)さんと出会ってからですね。

6~7年前……2017年の藤井伸樹戦(判定負け)あたりですね。当時は出会ったばかりで、まだ結果は出ていなかったんですけど、DEEPに出始めてから少しずつ結果が出て来るようになりました」

――そうですね。2107年12月からDEEPに参戦して2連敗、次に2引き分けから2連勝となりました。

「横田さんと話し合って、ちゃんと勝ち星を重ねて上に行けるように、練ってもらいました。そこから実戦を考えた練習ができるようになったんですよ。もともと和術慧舟會TLIVEで練習していて、当時は牛久(牛久絢太郎)とガチスパーばかりやっていて。そこからMe,Weで“横田練”が始まり、いろんなタイプの選手と練習することで視野も広がりました。その成果が出始めたのは、DEEPで連勝するようになった頃だと思います」

――ということは、2019年10月の清水俊一戦(判定勝ち)からでしょうか。

「そうです。実は白川“Dark”陸斗戦(2018年8月にドロー)のあと、首のヘルニアで練習できなくなって。そこで、ただガムシャラにやっているだけではダメだなって、いろいろ考えるようになりました。それと当時、自分で仕事を始めたんですよ。おかげで以前のようにガッと格闘技に集中しているだけじゃなく、気持ちにも余裕が持てたのが大きかったです」

――2018~2019年といえば、1988年生まれのCORO選手にとっては30歳を超えたあたりですね。格闘技を続けていくにしても、30歳を超えたところで生活面を考えたのですか。

「メチャクチャ考えました。それまでバイトしながら格闘技を続けていて、どうしようって焦りもありましたし。だから早く勝って上に行きたい――そう思って、どんな試合でも受けていたんだと思います」

――……。

「あとはヘルニアになって、格闘技を続けることもできないんじゃないかと思ったんですよね。すると、どうやって生きていくのか。そのために自分で開業して。そうしているとヘルニアも良くなってきたので、また試合に出ようと」

――それだけ好きで続けてきた格闘技です。ヘルニアを発症し、格闘技を続けられないのでは……と思った時の心境はいかがでしたか。

「いや、もうヘルニアが痛すぎて、格闘技のことは考えられなかったです(笑)」

――アハハハ! それはそうですよね。

「とにかく痛くて。早く治ってくれ、としか考えられませんでした。それで1年ぐらい練習していなくて、清水戦の直前から少しずつ体を動かし始めた状態でしたね。ただ、少し焦りはありましたけど、もう他と比べても仕方ないし、自分ができることをやろうと」

――なるほど。そうして復帰したなか、2021年6月には今回ベルトを賭けて戦う石司選手に判定負けを喫しています。

「昔、石司選手と一緒に練習していたことがあるんですよ。週2~3ぐらいのペースで」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
午後5時50分~SPWN PPV
午後5時50分~ニコニコ生放送

■ DEEP110対戦カード

<DEEPバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] CORO(日本)
[挑戦者] 石司晃一(日本)

<DEEP暫定メガトン級王座決定戦/5分3R>
酒井リョウ(日本)
赤沢幸典(日本)

<DEEP女子ミクロ級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
古瀬美月(韓国)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
江藤公洋(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
神田コウヤ(日本)

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生(日本)
高橋“Bancho”良明(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
鹿志村仁之助(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
五明宏人(日本)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
朝比奈龍希(日本)

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ARAMI MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK04 SARAMI ラーラ・フォントーラ 北岡悟

【RIZIN LANDMARK04】最後のTDまで見事にやり切ったSARAMIがラーラ・フォントーラから3‐0の判定勝ち

<49キロ契約/5分3R>
SARAMI(日本)
Def.3-0
ラーラ・フォントーラ(ブラジル)

かなり遠い位置に立つ両者。ラーラが右前蹴りを見せる。SARAMIは遠い距離で小刻みに動き、カウンターで右を合わせる。ヒザで前に出るラーラ、SARAMIが距離を取る。一瞬の首相撲からラーラはヒザ蹴り、離れて前蹴りを見せる。と、ここでレフェリーがブレイクを命じる。

首相撲の前に両者の頭が当たっており、SARAMIの右目じりがカットしている。再開後、両者が距離を取る。ラーラは右ローを2発、前に出たSARAMIがパンチを放って離れる。ラーラのワンツーにSARAMIが左を合わせる。ラーラも組みでなく、打撃勝負か。ヒザ蹴りから右のラーラ、SARAMIが右を合わせる。残り1分、距離が近づいた両者。ラーラが右を打ち下ろし、SARAMIも右を返す。ラーラが跳びヒザを狙ったところで時間となった。

2R、ラーラがジャブを伸ばし、首相撲にもSARAMIが組んでケージへ。ボディロックを解除してSARAMIが離れる。右ローから左ジャブを伸ばすラーラは、SARAMIのスピニングバックフィストをかわす。SARAMIは右オーバーハンドもヒットせず、間合いを取り直す。組まないラーラに右オーバーハンドを入れたSARAMIが、ジャブに左を合わせる。ラーラは首相撲&ヒザ蹴り、続く右ストレートはSARAMIがかわす。右を当てたSARAMIが前蹴り、姿勢を乱したがすぐに前を向く。さらに右カーフを効かせたSARAMIが、ジャブにも前蹴りを当てる。ラーラが左ハイを2度見せる。左ボディストレート後の右オーバーハンドを空振りしたSARAMIだが、手数と精度でリードした。

最終回、ケージを背負い遠い位置で左ハイを見せたラーラ。左ミドルハイにも崩れないSARAMIが、左ジャブを届かせる。ラーラの右は初動が大きく、SARAMIがバックステップでかわす。左前蹴りが鋭いSARAMIは、組んでこないラーラに戦いやすいか。逆に最大の強みを完封して戦うラーラは、戦術としてミスを犯しているか。それでも左ミドルを入れたラーラに対し、SARAMIが前蹴りを返す。右を受けても右を返すSARAMIは、ラーラの前進を前蹴りで止める。

残り2分を切り、SARAMIが左ジャブから右ローを決める。と、再びSARAMIにドクターチェックが入る。再開直後にボディロックから小外刈りテイクダウンを決めたSARAMIがサイドで抑える。足を戻せないラーラの顔面にヒザを入れたSARAMIが、そのまま上をキープしタイムアップに。最後の切り替えが素晴らしかったSARAMIが、3‐0で勝利を手にして小躍りから号泣モードで北岡悟と抱き合った。


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【RIZIN LANDMARK04】下攻めラーラ戦へ、SARAMI「私的には名古屋で戦えることは凄く嬉しい」

【写真】「なんで対戦相手のインタビューの方が先にアップされるんですか(笑)」という一言がSARAMIから聞かれた。色々と事情があるのですが――良い精神状態が続いているようだった(C)MMAPLANET

本日6日(日)、名古屋市中区のドルフィンズアリーナで開催される「RIZIN LANDMARK 4 in NAGOYA」で、SARAMIがラーラ・フォントーラと対戦する。

4月に浅倉カンナに敗れ、6月に人生初の米国修行=チーム・オーヤマでの練習を経験。UFC世界ストロー級世界王者カーラ・エスパルザにも触れた。ホーム感を大切にしつつするSARAMIは「外国人選手との対戦は吹っ切れる」と良い感じの精神状態で、下攻めフォント―ラと相対する。


――ラーラ・フォントーラ戦まであと5日(※取材は1日に行われた)、追い込みも終わったと思いますが、どのように過ごされていますか。

「何もしないで、普通に過ごしています(笑)。ジムも昨日は用事があったので行っただけで体は動かしていないです。本格的な練習は土曜日に終わっているので整体に行ったり、メンテナンスが多いですね。あとは美容室に行ったり。ここにきて体を動かすよりも、疲労を抜くことの方が重要かなって」

――では追い込み期間中に北岡悟選手がアブダビに行っていましたが、その影響はなかったですか。

「ないです。今回は北岡さんと話をして創っていますが、週に1度か2度しか一緒に練習していないので。北岡さんも自分の試合があるし、私も出稽古が多いので」

――その出稽古先とは?

「パラエストラ池袋で柔術、寝技対策ですね。北岡さんの関係で通わせてもって、林(孝宗)さんに色々とお世話になって。当日もセコンドにはいってもらいます。

あとトイカツ東中野でMMAをやってもらっています。トイカツ東中野は木曜日の夜に端(貴代)さんと藤野(恵実)さんと練習して、弥益さんや弥益さんのセコンド陣もいて。割と皆が声をかけてくれたり、温かく見守ってくれました」

――そこ、重要ですね(笑)。

「重要です、かなり。ホーム感があるので」

――そのホームとはまるで違う、米国での練習。チーム・オーヤマに行ってきました。なぜ、このタイミングで米国での練習だったのでしょうか。

「4月のRIZINのあと、トーナメントに出るつもりだったので『このままじゃヤバいな』と。もともとスポンサーさんの関係で海外で練習させてもらえることになっていて。『今行かないと、もう行くこともない』と思い……6月から7月にかけて1カ月ほど行ってきました。行く前にはトーナメントに出られないことは分かったのですが、それほどトーナメントにこだわっていなくて。

それよりも1試合、1試合を大切に戦っていこうという気持ちだったので、『出られなくても仕方ないかな』って思ってました」

――では気持ちを切り替えて、米国に向かうことが出来たのですね。アーバインではファイターズハウスに寝泊まりしていたのですか。

「いえ、女の子1人は泊まれないということだったので(笑)」

――確かに(笑)。ではチーム・オーヤマの練習はいかがでしたか。

「言葉が通じなくて大変でしたけど、練習は凄く良かったです。女子選手が絶対に2人はいて。UFC世界女子ストロー級王者のカーラ・エスパルザはオフなのか、あまりジムに来なくて。来た時もコンバテ・グローバルに出る選手やLFAに出ている選手の手伝いをしていました。

それでも打撃のクラスで同じ場にいたのと、一度グラップリングのスパーをさせてもらいました。子供みたいに扱われていましたね(笑)。何もできなかったです。抑えても、普通に起こされて。力が強いとか、凄い勢いがあるとかでなく、普通にやってコロンみたいな感じでした。『強いんだな』って思いました」

――LFAやコンバテに出ている選手との練習では、どのような手ごたえがありましたか。

「う~ん……やっぱり強かったですけど、階級差もあるので自分がメチャクチャ弱いとは思わなかったですね。ただ技術がちゃんとしていました。私はコーチの言っていることができなくて大変でしたけど、皆はしっかりとできるので」

――言葉が通じず、技術的に分からない。病みそうにならなかったですか。SARAMI選手は気分の人という風に感じているので。そういう時は厳しかったのではないかと。

「でも皆が頑張って説明しようとしてくれて、日本より全然褒めてくれるし(笑)。日本だとシュンとなっちゃうけど、言葉が通じていない分大丈夫でした(笑)。なんと言っても、教えてくれようとしてくれるので……皆、温かったです」

――土日などは、どのように過ごしていたのでしょうか。

「日曜日は休みですけど、土曜日が一番きつかったです。あの太陽の下でラントレをして、ジムに戻って打撃スパー、MMAスパー、ドリルをやって終わり。もう走り終わった時に私はチーンとなっていました。で、日曜日はスーパーでウロウロするような感じで。

でもホームシックもなかったです。あの1カ月で、打ち込みの大切さを再確認しました。打ち込みって大事だと痛感しました」

――そこは日本に持ち帰ることができましたか。

「自分がやるパターンは、ですね。普通にジムの打ち込みの時間にやって。ただ他の人と共有したりとかできないのが、私なんです(笑)。皆で一緒にやろうよ――とかできないんですよ。それもあって米国のように充実した練習はできなくて、北岡さんとも結構ケンカしたりしましたよ(笑)」

――そこも安定路線です(笑)。

「本当ですか(笑)。良かったです。『俺じゃ、それは無理だから。他に行けば。他でやって。ここは俺のジムだから』って(笑)」

――アハハハハハ。帰国後、7月と9月、そして10月と試合はありませんでした。

「10月の福岡でラーラという話は頂いたのですが、セコンド陣がいなくて無理で。それに11月に名古屋であるって聞いて、『なら名古屋で試合がしたいです』と伝えました」

――名古屋とSARAMI選手、何かつながりがあったのですか。

「富山が近い……近いというか、富山のアマチュアは名古屋で試合をすることが多いんです。だからホーム感があって。私的には名古屋で戦えることは凄く嬉しいんです。柔術も愛知県で試合をしているし。知り合いが住んでいるとか、名古屋で暮らしたことがあるってことじゃないのに、私のルーツがあるような。それとやっぱり(SARAMIが所属していた)クラブ・バーバリアンの福本(吉記)代表と公武堂とDEEPってつながりが強かったので。だから名古屋はホーム感があります」

――なんだか、良い話です。そんな名古屋で戦うラーラ・フォントーラの印象を教えてください。

「下から三角マンですよね。そこから腕十字でしか、勝っていない。今時、ないですよね。チーム・オーヤマで結構ケージレスリングとかやったんですけど、まぁ関係ないです(笑)」

――同時にMMAです。付き合わなくても構わない。

「ハイ。それです。そのための柔術の練習です。付き合わずに、強さを出せるか」

――付き合わないのも根性がいります。我を通す自信はありますか。

「1Rを凌げば、こっちの勝ちだと思います。向こうは少しでも早く、一本で終わらせたいはずです」

――対してSARAMI選手は1Rにたくさん汗をかいて凌ぐと。

「ハイ(笑)。その通りです」

――長い手足、身長差も相当ありますし、嫌な相手ではあるかと。

「う~ん、でもそんなに緊張もしていないし。なんか私、対外国人選手だと開きなおってできるんです」

――もともと自分が初めてSARAMI選手の試合を見たのが、ROAD FCのソン・ガヨン戦でした。

「そうそう、ああいう感じで戦いたいんです。普通にMMAで戦って、殴ってっていう感じですね」

――先日、イズムの練習を見させてもらった時に11月27日に修斗で戦う澤田千優選手、そして11月23日にDEEP JEWELSでデビューを控えた万智選手が出稽古にやってきていました。練習仲間として若い世代の台頭、どのように捉えていますか。

「ちょっと焦ります。あの子たちと練習をすると。強いし、このままじゃマズいって思います。あの2人はすぐに私のところまできて、越えていっちゃうと思います。だから刺激になります」

――若い選手を脅威に感じるなか、ラーラ戦への意気込みをお願いします。

「もう殴って勝ちますよって感じですかね。絶対に私のパンチが当たったら、向うはピヨると思うので。そこで勝負をしていかないと――とは思っています」

――良い感じで吹っ切れているようですね。

「そうですね。修斗に出た時点で、結構振り切れていました。でも4月に躓いたので、もう1回自分の思い通りにやれば良いかなって思っています」

■視聴方法(予定)
11月6日(日)
午後2時~RIZIN STREAM PASS. ABEMA, U-NEXT, RIZINIVE. Exciting RIZIN, dTV, Streaming+,Paravi, SPOOX,スカパー!

■RIZN LANDMARK04計量結果

<70キロ契約/5分3R>
弥益ドミネーター聡志:69.3キロ
平本蓮:69.85キロ

<フェザー級/5分3R>
今成正和:65.45キロ
鈴木千裕:65.95キロ

<バンタム級/5分3R>
元谷友貴:61.0キロ
倉本一真:60.8キロ

<ヘビー級/5分3R>
ミノワマンZ:89.95キロ
侍マーク・ハント:117.65キロ

<無差別級/5分3R>
カルリ・ギブレイン:110.45キロ
貴賢神:119.75キロ

<49キロ契約/5分3R>
SARAMI:48.8キロ
ラーラ・フォントーラ:48.65キロ

<フライ級/5分3R>
中村優作:56.95キロ
征矢貴:56.8キロ

<フェザー級/5分3R>
青井人:65.55キロ
鈴木博昭:65.9キロ

<バンタム級/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ:60.85キロ
河村泰博:60.6キロ

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング:61.0キロ
ヤン・ジヨン:60.95キロ

<フェザー級/5分3R>
奥田啓介:65.75キロ
久保優太:66.0キロ

<バンタム級/5分3R>
日比野“エビ中”純也:60.65キロ
吉田陸:60.65キロ

<フライ級/5分3R>
久保健太:56.85キロ
秀義:57.0キロ

<キック53キロ契約/3分3R>
佐藤執斗:52.9キロ
KAZUNORI:52.95キロ

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【RTU ASIA2022Ep05】Road to UFC敗北から8日、松嶋こよみ「この負けを他の人の責任にしたくない」

【写真】既に稽古には戻っている松嶋(C)MMAPLANET

10月23日にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されたROAD TO UFC AISA2022 Episode05で、松嶋こよみがイー・チャアにスプリット判定負けを喫し世界最高峰へのチケットを取り逃した。

誰よりも長い期間、UFCで戦うことを目標に生きてきた。29歳、ラストチャンスで悔いの残る判定負けを喫してから8日が過ぎ、空手衣の袖に手を通した松嶋にあの敗北と、これからについて話を訊いた。


──敗北から8日、あの敗北をどのように捉えていますか。

「そうですね……。まだ受け入れてはいないというか……自分のなかで、内容を反省できるところまで精神的に戻っていない。そういう感じではあります」

──そういう精神状態ですが、進退については考えてきたのでしょうか。

「試合直後はこのトーナメントにそれだけ懸けていたし、これを最後にしようという気持ちでいました」

──以前から話していた日本一のコーヒー屋さんになると?

「そこまで先のことは決めていないですが、コーヒー屋も一つの選択肢というか夢でもあります。僕、格闘技を辞めようと思ったことはこれまで1度しかなかったんです。本当に小さい時に『空手を辞めたい』と思ったことがあって。もう総合格闘家にならなくて良いから、空手を辞めたいと。理由も覚えていないのですが、その時は母に帯で首を絞められて踏み止まりましたけど(笑)」

──……。両親、星一徹ですね……(笑)。

「アレ以来ですね。格闘技を辞めようと思ったのは。これまでも手痛い敗北もあったし、レスリング時代に辛い時期を過ごすこともありました。でも最終的にはMMAをやってUFCで戦うという夢を持ち続けていて、辞めようとは全く思わなかったんです。でも、この負けは、辞め時かなっていう風に感じました。

試合直後から日本に帰国するまで、そういう気持ちでいました。ただ未練は間違いなくあります。小さい頃に辞めようと思って……自分に囚われていたのかもしれないですが、あの時に辞めなくて良かったと振り返ることができるだけの格闘家人生を送っていない。そういう風に考えている時にショーン・シェルビーから『もしかしたらチャンスはあるよ』という言葉を貰ったので、今はその数パーセントのチャンスに賭けてやっていきたいなと思っています」

──ショーン・シェルビーから声が掛かるのを待つ。それまで練習を続けるということですか。

「ハイ。UFCがダメだからBellator、日本で……RIZINで頑張るという気持ちに本当になれないんです。最後までUFCで戦うために足掻く。でも自分のなかでタイムリミットは決めて、そのなかでやろうと思っています。Road to UFCがあと3カ月少しで決勝がありますし、半年──長くて1年ですね」

──とはいえショーン・シェルビーは世界中のファイターに同じようなことを言っている可能性もありますし、半年以内に声が掛かるのか、1年以内で声に懸かるのか。それがどのタイミングになるのか分からない。なら他で試合をするということは考えないですか。正直、トーナメントの2試合は、実戦の難しさが痛いほど感じられました。

「試合勘という部分では、その考えはあるにはあります。ただし、他で試合に出るタイミングでUFCから声が掛かるかもしれない。試合直後で、緊急オファーに応じられないとか……そこを考えると、他で試合をする方が良いのか……まだ自分のなかでは決め切れていないです。勿論、試合をした方が良いですけど。練習で強いだけのヤツになりたくないですし。

でも、現状はそういう風になってしまっています。試合で練習通りの力が出せないっていう経験は、Road to UFCまで無かったです。それまでは試合で練習の時と同じように動けていました。それがこの2試合は明らかに違っていたことは、自分が一番分かっていることなので。今回は練習でやってきたことを試合で出すというよりも、負けたくないという執着心が出てしまいました。

普通はあの選択はしないだろうという選択を、たくさんしていました。練習でやってきたことが試合で出すことができれば、勝利に近づくはずです。でも、あの時の自分はこの1勝に賭けるという風になり、持っているモノが出せなかった……。そういう試合をしていると、UFCが契約をしないということも分かっています。ただ、あのトーナメントに関していえば勝てば契約があるということで、スプリット判定でも29-28でも構わないから、負けたくないという風に執着し過ぎていました」

──スプリットでも29-28でも構わないというのは、全然間違っていないと思います。ただし、2Rを終えた時点でジャッジの制定を読み違えた。あの展開で2つ取っているという判断は松嶋選手だけでなく、セコンドの北岡悟選手、大塚隆史選手、そして客席から叫んでいた岩﨑達也さん、チームの問題だと思います。どうすれば29-28になるのか、どうすればスプリットで勝てるのか。そこはチームが研究を怠った──怠っていないとすれば、あそこで2つのラウンドを取ったというのは、都合の良い方に考え過ぎだったかと。

「それは……そうだと思います。ただし、あの時は北岡さんや大塚さん、岩﨑先生に何を言われても僕はああいう選択をしていたかもしれないです。僕の負けです。この負けを他の人の責任にしたくない。チームで戦っているといっても、自分の負けです。僕がこの負けを認めないといけない。そこをやらないといけなかったのは、チームではなくて僕だったんです」

──……。

「それはFight&Lifeの記事を読んでも、そう思ったし。やってきたはず……なんです、これまでも。だから……試合を終った日、あの15分間……1Rのここがダメだった、2Rがダメだったということでなく、15分間で何がダメだったのか。今日1日の何がダメだったのか──過去何年分、頭を使ったのかって言うぐらい考えました。

どういう風に取り組んできたのかもそうだけど、取捨選択をすることが大切なら結局チームとして僕がもっと皆と話をしておくべきだったというのは……少しは思いました」

──今回の経験の全てを次に生かす。あるいは人生でも生かしたいですね。

「とにかく練習は僕にとって日常なので、試合がなくてもします。チャンスを待って、その時に全力で戦いたいという気持ちは消えていないです。消さないで、やっていこうと思います」

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【RTU2022 ASIA Ep.05】イー・チャア戦へ、松嶋こよみ─01─「MMAはスパーでは思い切りできない」

【写真】ミット打ちという名の戦い。凄まじい闘志が伝わってくるミットだった(C)MMAPLANET

23日(日・現地時間)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるROAD TO UFC AISA2022 Episode05――フェザー級準決勝で松嶋こよみがイー・チャアと戦う。

UFCとの契約に向けて、最後の勝負──つまりMMAファイター人生の正念場となるトーナメント。その準決勝の相手は初戦でSASUKEを破った中国のイー・チャアだ。今も未知数という表現が当てはまる対戦相手との戦いに向けて、6月の1回戦突破から松嶋はどのよう自らのMMAを練り上げてきたか。

MMAファイターとして異端といっても過言でない剛毅會・武術空手を採りいれた松嶋に、ムエタイにいち早く着眼したラディカルMMAファイター=マモル教祖が首相撲のワンポイント指導を行う。唯一無二のスタイルの構築する松嶋をパンクラスイズム横浜でのプロ練習直後にインタビューを試みた。そこには追い込みのピークで疲労が蓄積するなかで、常に戦意を保ち続ける松嶋がいた。


──イー・チャア戦まで2週間強、パンクラスイズムでのスパーとミット打ちを見させていただきました。正直、疲れている。でも研ぎ澄まされている。そのような風に感じました。

「今回、試合までが凄く長く感じるというか……。早い段階からかなりハードなことをやってきたので、全然動けていないと思っていても、ある程度は動けるようになっているのかと思います」

──6月に対戦相手が決まっていました。そこからどのように練り上げ、対策練習をしてきたのでしょうか。

「最初は前回の試合を反省して、見直す。それから自分を上げるための練習をしてきた感じです。そうやってきて、ここ1カ月半ぐらい武田光司選手にパンクラスイズム横浜に週に1度来てもらって対策練習の相手をしてもらいました」

──まず前回の試合の反省点とはどういう部分だったのでしょうか。

「実際の試合での距離感とスパーリングでの距離感の違いですね。試合から遠ざかっていた分、見定めることができなかった。そこが自分のなかで一番反省しているところなので、一度丁寧にやり直そうと思いました。それと組みの部分ですね。結論として一本を取ることができる選手ではないので、どうコントールするのかを打ち込みなどで再確認してきた感じです。

T-Gripのレスリング練習でそこを試したり、T-Gripでの剛毅會空手の稽古でも大塚(隆史)さんに受けてもらったりしてやってきました」

──一本をとらずに勝つ。覚悟を決めて、しんどいことを3R続けるということでしょうか。

「まぁ今までもそうだから、変わりないといえば変わりないんですけどね(笑)」

──ギロチンやダースで極めることができればなという気持ちは?

「ないです(笑)。それができてもラッキーでしかない。つまり、それを使うということは一か八かということになる。もちろん、練習のなかで極めることができることもあります。でも、それは自分の武器としては使えない。自分がやるべきことはそこじゃないので、これからも変わらずにこのままで行こうと思っています」

──今日、RIZINの会見で武田選手がイズムに来ることができなくなり、2人のスパーリングを見ることができなくて残念だったのですが、なぜ対策練習の相手が武田選手だったのでしょうか。

「距離を関係なく詰めてくる。イー・チャア選手はそういうイメージで、あの四つ組みの強さというのは絶対にあると思います。そういう部分を練習する時に、武田選手と練習したいと思いました。打たれ強い部分、打たれても入って来るところですね。相手のことを気にしないで入って来る。そういうところがイー・チャアに一番近い選手が、武田選手でした」

──ただイー・チャアは、どこが本当に強いのか未だに分からないところもあります。

「分からないです。1回戦を見て凄く強い選手だという人もいますけど、どちらかというと『SASUKE君がどうしちゃったの?』という感じで僕は見ていたので。打撃も別に何か怖いという感覚もない。それをいえば打撃がもっと怖い相手や組みが怖い相手と僕は試合をしてきているので。だからといって舐めてかかるわけではないです。

それでもちゃんとSASUKE選手を極めているし、ちゃんとテイクダウンを取っている。その部分では強いんだろうし侮ることができない相手です。でも、自信を持って勝負できる相手だという風には思っています」

──つまり自分を貫くための対策練習をしてきたということでしょうか。

「そうですね。相手がこうしてくるから、こっちはこうするとかでなく、『何をしてこようが関係ないよ』と言えるぐらいの練習をしてきたつもりです。ただ、試合になると空回りしちゃうし、戦闘意欲が異様に上がることもあります(苦笑)。だからこそ、そういう部分とも向き合って戦わないといけない。勿論5分3R、しんどい試合をして戦うなかでいつでもKOできる気持ちで戦います」

──岩﨑さんとのミット打ちは凄まじい一方で、スパーだと本気で打ちこめない打撃の難しさも感じられました。

「レスリングはかなりガチガチでやってきましけど、MMAはスパーでは思い切りできない攻撃が多いです。ただそのレスリング時代でも練習では強くて、試合ではそうでないという選手はいました。そのなかで思い切りミット打ちをやる。岩﨑先生は組手と言っていますが、一つひとつの強さや精度はアレをやることで完成度が上がります。

スパーリングのなかで切り取って、テンポなどダメだったところをミット打ちで修正しています。岩﨑先生にミットを持ってもらうことは僕にはとても大切なことになっています」

──シャドーでも拳をしっかりと握り、手を使って下がる動きなど武術空手の片鱗が伺えました。スパーにしても、構えを変えてからの攻撃や足と拳の連係でも空手らしさもあります。ただし、ミット打ちは移動稽古や型で知る武術空手の理がどこにあるのかは外面では見えなかったです。

「今日はヒジ打ち、ヒザ蹴りが主だったので。でもやる時はやっています。下がる動きを重視するときは、もっと空手の動きになっているでしょうし。下がってコンビネーションというのも普段にやっています。

でも今日のミットにしても、あの距離と高さ引き出したところで、相手を前に出させるという動きを実はやっていました」

──なるほどぉ。

「それにパンチ1つを取ってみても、流れてしまうのではないということも意識しています。言ったら、打ち抜くというよりもサンチンの突きという感覚でやっています」

──とはいえ周囲からはパンチを打ち抜けというアドバイスは当然のように飛んでいます。自分自身の意識と周囲の意見の隔たり……これは従来のMMAやコンバットスポーツを見る目として当たり前のことで、そこに岩﨑さんとのミットと周囲との違いが顕著になると感じることはないですか。

「結局、やるのは自分ですから。人の声に惑わされずという感覚でもいます。そのなかで武術空手だけでなく、フルコンタクト空手で使える部分もありますし、ムエタイから使える部分もある。色々なことを指導してもらって、自分で責任をもって戦うということですよね。

自分の戦いに当てはまるのか、当てはまらないのか。その取捨選択は自分でやります。そのなかで先生とのミットをすることで、回転速度や切れ、精度が上がるので試合に向けて良い状態になっていると感じています」

──岩﨑さんとマモル選手がイズムで首相撲の技術交流、技術談義をしている。非常に興味深かったです。

「実はあんな風に2人が話し込んでいたのは、珍しいことです。普段は先生とマモルさんが鉢合わせになることがなかったので。僕自身、マモルさんのヒザの出し方やヒジ打ちが先生の出し方や打ち方と違うことは分かっていました。それを僕が先生に説明するよりもマモルさんに説明してもらった方が絶対に分かりやすいと思います。そういう風にマモルさんと先生がすり合わせてくれるのは凄く有難いです」

──北岡悟率いるパンクラスイズム横浜が、MMAの梁山泊になっているようですね。面白いのが岩﨑さんと松嶋選手のやりとりのなかで、指導を受けている松嶋選手が「これは使えないです」とハッキリと口にしている点でした。それが岩﨑さんも指導でなくて、自分の稽古になっているという部分なのかと。

「ハイ。僕は『これは使えない』としか言えないことを、マモルさんがその理由を先生に論理的に説明してくれる。

もちろん、僕にとってマモルさんの技術が全てではないです。それこそ僕が自分でやるといっていた取捨選択を2人が理解を深めてしてくれると……僕にとっては一番楽なことで(笑)」

<この項、続く>

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode05対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
松嶋こよみ(日本)

<Road to UFCフライ級T準決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
チェ・スングク(韓国)

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
ジェカ・サラギ(インドネシア)

<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
キム・ミンウ(韓国)

<ライト級/5分3R>
SASUKE(日本)
パラチン(中国)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode06対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イ・ジョンヨン(韓国)
ルー・カイ(中国)

<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
野瀬翔平(日本)

<Road to UFCフライ級T準決勝/5分3R>
トップノイ・キウラム(タイ)
パク・ヒョンソン(韓国)

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
キム・ギョンピョ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
フィリッピ・リマ(ブラジル)

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【NEXUS28】ネクサス内プログレスで関原翔と対戦、竹浦正起「椿戦のヒールは北岡選手のアドバイス」

【写真】2戦目のグラップリングルールで、竹浦が何を魅せてくれるか(C)MMAPLANET

8月7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNexus28で、竹浦正起がプログレス(フォークスタイルグラップリング)マッチで関原翔と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

竹浦は5月8日のHEATで行われたプログレスマッチで椿飛鳥に一本勝ち。さらに7月はJBJJF全日本ノーギ選手権アダルト黒帯フェザー級で優勝、グラジエイター・カップでエリート70.3キロ級で準優勝(同門の白木大輔とシェア)するなど、精力的に試合をこなしている。

カルペディエム三田のチーフインストラクターを務める竹浦がプログレスに挑む意味――そこには新たなプログラップラー誕生の予感がある。


――今年に入って、ハイペースで試合に出場していますね。

「そうですね。確かに結構、試合をしています。もともと僕は愛知県出身で、愛知県で格闘技をやっていた頃は、同じぐらいハイペースで試合に出ていたんですよ。ただ、東京に出てきてから3年半が経ったのですが、その間は自分の試合や練習の時間よりも、仕事にフォーカスする時間のほうが多くて。あまり試合に向けて練習に取り組むということができていませんでした」

――竹浦選手は愛知のNEXでMMAを始めて、現在はカルペディエム三田でチーフトレーナーを務めています。現在の道場運営のほうが優先だったということですね。

「はい。それが今は、自分の中で仕事の段取りなどを覚えてきたり、道場の運営も落ち着いてきました。そこで試合に出たいなと思って、最近はハイペースで試合をしています」

――出場している大会がギではなく、ノーギのほうが多いのは何か理由があるのでしょうか。

「もともとノーギのほうが好きだった、というのは大きいですね。最初はMMAをやっていたこともあって、入り口がギを着ない組み技でした。だから自分の中ではノーギやグラップリングのほうが、馴染みがあって。ノーギやグラップリングのほうが好きなんです」

――ではMMAから柔術に転向した際、ギで世界を目指すといった目標は持っていなかったのですか。

「いえ、柔術を始めた頃は、やるからには世界を目指そうと思っていました。でも格闘技を始めたのが20歳ぐらいでしたし、柔術に移ってもジュニアの頃からやっている選手には、なかなか勝てないですよね。小さい頃から積み上げているものが違いますから。僕も小さい頃から野球をやっていたので、それが分かるんです。昔から体に染み込んでいるものが違うじゃないですか。

とはいえ、25歳ぐらいまでは世界を目指して取り組んでいました。実際ムンジアルにも出て、海外の練習を見たりするなかで、そこにエネルギーを注ぐのは違うかなと思ったんです。そう感じてからは、ギで世界と戦いたいという気持ちはありません」

――一方ノーギでは先日、ADCCオセアニア&アジア予選が行われ、カルペディエムから世羅智茂選手も出場しています。ノーギで世界を目指すという考えはありますか。

「ADCCは出たいです。でも現状で勝てるかといえば、オセアニア&アジア予選ですらメチャクチャ厳しいと思います。ただ、2年後は出たいと考えていますね。道場の仕事もあるし、いろいろやっているので、どうなるかは分からないですけど……」

――カルペディエム三田といえば、キッズ日本一の柔術アカデミーと言われています。ご自身の体験から、この年代から教えていけば強くなる――といった気持ちはありますか。

「それはありますよね。今は小学校5年生や6年生の子が、大人のような試合をするんです。仮に彼らが大人まで柔術を続けてくれたら、凄いことになると思っていて。でも彼らに、他のことを捨てて柔術をやったほうがいいというわけではないんですよね。

あくまで柔術は習い事の一つというか。柔術って論理的な考えが必要になりますよね。そういう考え方を身に着けることも、幼少期の教育として大切なことだと思っています。だから今は、習い事の一つとして道場に通ってくれればいい、という考え方です」

――試合の話から逸れてしまいますが、現在カルペディエム三田に通っている中で、柔術で世界を目指したいというお子さんは多いのでしょうか。それとも習い事として来ているキッズのほうが多いですか。

「キッズで多いのが、カルペディエムの先生になりたいと。僕たちのような柔術の先生になりたいというお子さんが多いです」

――えっ、そうなのですか。

「そうなんですよ。だから僕の生徒の中に、柔術の世界チャンピオンになりたいという子はいませんね。先生みたいになりたい、そう言ってくれる子が多いです」

――すると道場で指導しながら自身も試合に出て、生徒に戦っている姿を見せるのは重要になってきますね。

「自分が試合に出る意味は、それだと思っています。キッズたちは今年も、JBJJFの全日本選手権でカルペディエム三田として優勝できました。2019年も優勝していますし、日本一キッズが強い柔術アカデミーと言われているかぎりは、自分自身も試合で示していきたいですよね」

――生徒さんたちは実際に先生の試合を見て、どのような感想を持っていますか。

「メチャクチャ喜んでくれていますね。クインテッドに出た時も、チケットを買って観に来てくれた子もいて。自分に柔術を教えてくれている先生が戦ってカッコいい、みたいなことを言ってくれたりします」

――5月7日には名古屋で行われたHEATでプログレスルールの試合に出場し、椿飛鳥選手に一本勝ちしています。その時は東京から離れていたこともあり、生徒さんも試合を観られなかったのでしょうか。

「さすがに東京から名古屋までは来られなかったんですが、PPVを買ってくれた親御さんが多かったです。これも今の時代らしいですよね」

――そのHEATで経験したプログレスのルールについては、ノーギの試合と比べて、どのような印象を持ちましたか。

「柔術ってパスガード、抑え込む、抑え込まれないという攻防が最初にあるじゃないですか。そこに高度な技術があったり、かなりのエネルギーを割きますよね。その攻防で決着することも多いですし。

でもプログレスの試合を経験して、自分の中で変わったのは――そのパスガードや抑え込む、抑え込まれないという攻防に労力を割かなくてもいいんじゃないか、ということなんです」

――というのは?

「パスガードの攻防で疲れきったところで極めに行くのではなく、その攻防を捨てたところから極めに行く。いろんなルールを経験して感じたことは、それですね」

――なるほど。前回の椿戦で開始早々バックマウントを奪いに行ったのは、そのような理由があったのですね。

「いきなり飛びついたのは、寝技の型にハメないというか、良くも悪くも柔術をやらない。あえて柔術ではないことをやっていくのが楽しい。それが今、僕が目指していることですね」

――その方向性は、プログレスルールに限らず……ということでしょうか。

「はい。でも先日のグラジエイター・カップは、きれいに柔術をやろうとしすぎたんですよ」

――土肥“聖帝”潤選手のトップからのアタックを、終始ガードで捌き続けていました。

「あれは柔術でしたね。完全に柔術で勝とうとしていました。今は練習している内容が、きれいに柔術をやろうとしない、ということですね。セオリーから外れていることも、結構やっています(笑)」

――もともとセオリー通りのことをしたくない、型にハマったことがしたくないタイプなのでしょうか。もちろん格闘技においては、セオリーを突き詰めたうえでのことかと思いますが……。

「アハハハ。ある程度のセオリーが身についたら、一般常識とされていないことをやりたくなります。その他大勢がイエスということに対して、ノーと言いたくなるタイプです」

――椿戦の攻防でいえば、引き込みでポイント献上を考えていないと言いますか……。

「そうですね……プログレスについては、わざとポジションを取らせてからエスケープするという練習しています。危ない状況をつくってから逃げて、自分が有利なポジションにもっていくという攻防ですね」

――それはプログレスのルールを生かしつつ、また新しい魅力的な攻防が生まれそうです。

「次の試合も、また前回とは違う内容になると思います」

――まず前回の試合のフィニッシュが、あまり見られない形でした。相手のシングルレッグをヒールフックで切り返して極めています。

「あれは北岡悟選手のアドバイスがありました。ケージで練習したかったので、試合前に北岡さんにお願いしてパンクラスイズム横浜を使わせてもらったんです。その時にケージを背負ってシングルレッグを取られる展開になり、ここで自分が飛んでみたら面白そうだなと思ったんですよ。

それで、やってみたら上手くヒールフックがハマって。北岡さんも『これは相手も引っかかりそうだよね』と言ってくれたので、実際に試合で使ってみました。アレは相手も想定外の動きだったと思います」

<この項、続く

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