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【DEEP124】パパとなる北岡悟、10カ月振りの公式戦=MMA出場は5勝0敗の山本颯志と

【写真】北岡がケージの中でやるべきことは、結果を残すこと。それしかない(C)MMAPLANET

18日(土)にDEEPより、3月15日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで行われるDEEP124 Impactに北岡悟が出場し、山本颯志と対戦することが発表されている。
Text Manabu Takashima

フェザー級GP開幕戦に加え、瀧澤謙太×平松翔のバンタム級、本田良介×KENATのフライ級マッチが既に発表されている同大会で北岡が昨年5月以来、10カ月ぶりにDEEPに出場し、MMAを戦う。


現在、MMAでは連敗中の北岡は昨年12月にBreakthrough Combat02でProgress暫定ウェルター級チャンピオン森戸新士に挑戦し、初回終了1秒前に三角絞めで敗れている。この組み技戦で戦うことに関して「真剣勝負の練習試合」と試合前、試合後ともに話していた北岡が、公式試合を戦う。

対する山本は柔道ベースで市立習志野高校から東洋大の柔道部に在籍していた。2022年にプロデビューして以来5連勝中のファイターだ。JTT所属だが、前身のトライフォース赤坂時代から所属してきた山本はボディロックから支釣込足など、柔道家らしい動きもMMAで見せてきた。

北岡には下への組みもあるが、それらの攻撃に対する山本の対応力とケージ際の攻防が勝負の鍵を握ることになるか。

今回の試合に関して、プレスリリースには「パパになった北岡悟が」という見出しがついているが、自身のSNSで同日に第一子を授かったこと&予定日は6月下旬であることを北岡本人も発表していた。そして、DEEPが山本戦を公式発表すると「ミルク代、稼がねばならんのや」という投稿も見られる。

プロフェッショナルの定義は職業であり、専門家。勝ち星に恵まれていないと、自然と対戦相手の質も変わって来る。3回戦で組まれた今回のマッチアップ、山本をケージのなかで向き合う時は1つ年を重ねて45歳を迎えている──父になる──北岡はケージのなかで何処を目指し、何と戦っていくのか。その背中を引き続き追っていきたい。

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MMA o RIZIN UFC YouTube 北岡悟

北岡悟が生き抜いた「戦極時代」と「冬の時代」

お正月配信に北岡悟選手が登場!RIZIN大晦日の感想と、北岡選手が生き抜いた「戦極時代」と「冬の時代」も振り返ります

聞き手/ジャン斉藤

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45 Breakthrough Breakthrough Combat02 MMA MMAPLANET o Progress 北岡悟 森戸新士

【Breakthrough Combat02】初回残り1秒! 森戸が北岡を腕十字で下し、プログレス王座防衛に成功

【写真】初回残り時間わずかで勝負に出た森戸。「来年も強い選手と対戦したい」と語った(C)MMAPLANET

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
森戸新士(日本)
Def.1R4分59秒 by 腕十字
北岡悟(日本)

サウスポーの北岡に対し、森戸が距離を詰める。ケージを背負った北岡。森戸が北岡のリストを取りにいく。背筋を伸ばしてケージに着いた北岡に対し、森戸が引き込みを狙うも、これは北岡が付き合わず距離を取った。再びケージに背中を着けた北岡。森戸は右腕をたぐるも、下がって北岡に「来い、来い」と挑発する。北岡は森戸を凝視し応えない。

森戸は北岡の足を狙いに行くも、北岡は足を抜いて距離を取った。ケージに背中を着ける北岡の右足を取った森戸だがレッグドラッグから引き込めない。ならばとシングルレッグで崩すが、これも耐えた。北岡はヒザを突いた森戸のトップに回ろうとしたが、立ち上がった森戸に対してケージに背中を着ける。

手四つから引き込み、北岡に2pを献上した森戸はアームドラッグから足を上げる。スタンドに戻った北岡を、シッティングガードで追いかける森戸。北岡の右足を掴むと、ベリンボロから外ヒールへ。

スクランブルに持ち込む北岡のバックを取った森戸にリバーサル&バックグラブで計4pが入る。森戸がバックから腕十字を狙うと、うつ伏せになった北岡を三角に捉えた。そのままリフトアップされたが、グラウンドに引き戻した森戸が左腕を伸ばしてタップを奪った。

王座防衛に成功した森戸は「(北岡は)メチャクチャ強くて、体も分厚くて極められる大丈夫かと思いましたけど、なんとかギリギリでで極めることができてました。最終的に自分の形をつくれて良かったです」と語り、MVPボーナス50万円を獲得した。


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45 Breakthrough Breakthrough Combat02 MMA MMAPLANET o ブログ 北岡悟 森戸新士

【Breakthrough Combat02】森戸新士に挑戦、北岡悟「勝ちたいですよね。たくさん負けてきたからこそ」

【写真】プロ、そして──いつまでもノンフィクションの人(C)TAKUMI NAKAMURA

明日25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、北岡悟がProgress暫定ウェルター級王者の森戸新士に挑戦する。
Text by Takumi Nakamura

2013年のゲイリー・トノン戦を最後にグラップリングの試合からは距離を置いていた北岡だが、今年に入ってから9月のクインテットに続いて2試合連続でのグラップリングマッチに出場することとなった。そこにはどんな心境の変化があったのか。北岡は頑なだった自分が変わりつつあることを明かしつつ、MMAの試合と変わらない自身の勝負論を語った。


詰んでいる状態で、これからどう格闘技と付き合って生きていくかを考えるしか選択肢がなかった

――9月のQUINTET、そして今回のBreakthrough Combat02におけるProgressマッチと2連続でグラップリングの試合に出場することになりました。グラップリングの試合には否定的だった北岡選手ですが、ここに来てグラップリングの試合に出ることが驚きでした。

「そうなんですよ。もともとはクインテットの時に思ったことで、今振り返るとクインテットのオファーをもらったのがすごくいいタイミングだったんです。ちょうどロータスの金曜日のグラップリングのあとに(RIZIN)笹原(圭一)さんから連絡があって、これはやるべきだなと思いました」

――どういった心境の変化があったのですか。

「僕は11年前にADCCでゲイリー・トノンに極めれらた時に、これ(グラップリング)は俺がやることじゃないというか、これで俺は悔しがれないなと思いました。悔しがり方が中途半端になっちゃうなって。MMAの試合とは温度差があるし(試合の準備も)付け焼き刃だし、とにかく違和感がありました。これは間違いなく僕にしか分からない感覚なんですけど。

それに当時は頑なでした。僕はずっと頑なで、今ですら十二分に頑なかもしれないけど、当時は今以上に頑なで。時期的にはパンクラスを抜けてラストスパートだと思っていたら、意外とラストスパートが長いなと思っている時期で、そこからジムを作るという流れになっていったので、自分のなかでは過渡期でもありましたね」

――先ほどロータスでの練習後に笹原さんからオファーを受けたとのことでしたが、グラップリングで試合することを見据えてロータスで練習していたわけではないんですよね。

「はい。5月の試合に負けて(※倉本大悟にTKO負け)人生を模索していて、自分は誰かが言うところの詰んでいる状態で、これからどう格闘技と付き合って生きていくかを考えるしか選択肢がなかったんです。その中で自分のジムでは6月~7月くらいからグラップリング、9月の半ばからMMAの練習を再開して、ロータスでは8月からグラップリングの練習を再開して。試合の2週間前くらいにオファーをいただいたのですが、自分の次戦を模索していくなかで、自分は『あれも嫌』、『これも出来ない』という人間だということが分かったんです。

最近は柔らかくなったとはいえ、やはり自分は頑なで。そこでクインテットのオファーをもらって、これを断ったら何もやることがなくなっちゃうなと思ったし、提示された条件も良いものだったので試合を受けました。あとは団体戦で引き分けがあるというところも、ですね。僕はサブミッションディフェンスに関しては教則動画を販売させてもらうくらい自信があるので、いざとなったら引き分けには持ち込めるだろうと思っていました。唯一心配だったのは壁がないレスリングをやるというところくらいで、そこは試合まで2週間…と言ってもグラップリングの練習は4~5回だったので、本当に付け焼き刃で臨みました」

――その頑なさが柔らかくなったのはご結婚されて生活環境が変わったことも大きいですか。

「それは間違いないと思います。5月の試合前に思ったんですけど、優先順位が変わった自分がいて、その自分を信用しきれていない、みたいな。で、いまだに集中できない自分に苛立つこともあるけれど、僕はそれを受け入れて生きていくし、受け入れて勝負するし、受け入れて強さを求めていく。それが現状です。それでより強くなるために、勝つためにどうするのか。そういうことだと思います」

――実際にコンディショニングのために整体やサウナに行く回数もかなり減ったんですよね。

「9月頃に佐伯さんと話して年内はMMAの試合がないということで、それだったら嫁さんに『そんなにサウナとか行かなくてもよくない?』と言われて、行く回数を減らしたんですよ。そしたら依存しなくてなって、実際にそれでやっていけるし、いい練習が出来る。なんならやりすぎていた時期よりもいいんじゃないかと思えるところに行きついたし、実際にクインテットの試合で動いてみて手応えもありました。そのタイミングでのオファーでもあったんですよね」

勝負論はあると思いますよ。柔術側の人からすると、落ち目の北岡悟なら問題なく森戸選手が極めちゃうだろうと思っている

――ではグラップリングをやろうと決めたわけではなく、色々と今後のことを考えているなかでオファーが来て決めたわけですね。

「選択肢がない中で舞い降りてきて“ハマった”感じですよね。タイミングもそうだし、Breakthrough Combatという舞台もそうだし。Breakthrough Combatは旗揚げ戦も興味があったんで配信を見たんですよ。それこそ僕と今回対戦する森戸選手が僕にMMAで勝っている泉選手を極めているし。気になる大会としてチェックしていました」

――しかもクインテットと違って団体戦ではないですし、試合そのものもシチュエーションも違います。

「相手は勢いに乗っているし、グラップリングだけじゃなくて柔術のコンペティションにも出て海外で勝っているので強そうですよね」

――この試合のために練習・調整面で変えるものはありますか。

「特別変える予定はないです。それこそクインテットの前は付け焼き刃で壁を背負わないようにやっていましたけど、今回はそれを気にしなくてもいいし、むしろ(ケージを使うことは)やってもいいので。ただ相手の出方が読めなくて、すぐ寝る・座る可能性もあるだろうし、僕が相手だからテイクダウンを狙ってくることもあるだろうし。(相手については)そんな感じですね」

――個人的にはグラップリングで戦う北岡選手が想像がつかないというか。いい意味でどうなるのかを見てみたいところがあります。

「なるほど。クインテットの試合は種明かししますけど、途中からは両者失格を狙ったというか、そうなったら引き分けと一緒じゃんと思いつつ、やっていました」

――北岡選手はMMAファイターとして試合を続けていて、そのキャリアがあるからこそ、グラップリングでも出来ること・やれることが多いと思っているのですが、そこはいかがでしょうか。

「相手が強いと思うからやってみてどうなのかって。この数年間は答え合わせは試合と言っていて、間違いではないけど結果が出ずに不正解が多かったわけです。でも今回に関しては、はっきり言うと正解を出せる自信があります。信じては裏切られての繰り返しだから疑心暗鬼ではあるし、いたずらに何かを信じないようにしていますけどね」

――そういった言葉を聞くと、やはり見る側からすると楽しみです。

「勝負論はあると思いますよ。柔術側の人からすると、落ち目の北岡悟なら問題なく森戸選手が極めちゃうだろうと思っているかもしれないですし」

――どうしてもMMAファイターがグラップリングの試合をする場合、勝負論がずれがちになってしまうじゃないですか。

「エキシビションマッチになっちゃいますよね。それこそトノンに負けて、グラップリングの試合はやめておこうと思ったのは、そこなんですよ。(グラップリングは)自分が考える勝負からボヤけるから。当時はそれが嫌だと思ったんじゃないですかね」

――試合ではあるけれどMMAファイターの側に「グラップリングだから負けてもしょうがない」が少なからず出てしまう。

「それはしょうがないことだと思います。ただクインテットの話をすると、僕は控室で絶対に引き分けてやろうと思って出番を待っていたんです。でもせっかくチーム戦で勝負事なんだから、チームで勝つことが出来たらベターだなと思って、他のメンバーに『今日はチームで勝ちましょう!』と声をかけて握手したんです。矢地くん以外はほぼ面識なかったのですが、僕が年長者だし、ここは一言言っておいた方がいいなと思って。そしたらそこから一気にチームの雰囲気がよくなったんですよね」

――チーム全体が勝ちに行くモードになって、空気がピリッとしたのですか。

「そんな感じです。先鋒の横山(武司)選手が『僕、あのキルギス人(ジュマナザロフ・ラトベック)から一本取れると思います』と言ってくれて。『それだったら平田(直樹)選手を引き分けで止めてくれたら、あとは僕らが全員引き分けに持ち込めば勝てる。もし新居(すぐる)選手が内芝(正人)選手から一本取れるようなら取ってください』とチームとしての戦術を練ったんです。

そしたら本当にその通りになったんですけど(笑)、あの瞬間でチームが勝つために一丸となって、僕自身も試合後に気持ち良かったんです。当たり前だけど、勝負ごとは勝つのが一番なんだなって。まさにそういうことですよ」

――やはり勝負事は勝たないと気持ちよくないですか。

「勝ちたいですよね。たくさん負けてきたからこそ、なおさら思います」

――来年以降、MMAの試合についてはどうお考えですか。

「(北岡の試合は)もういいよ、見たくないよと思う人が何パーセント、まだ見たいと思っている人が何パーセントという話かもしれないけど、試合を組んでくれるプロモーターがいて、自分がやりたいと思うならやりますし、そうやって周りが見たくなるようなものにしなきゃダメですよね。

それはもちろん厳しいことではあります。クインテットの前にも思いましたが、動いてみてもう見ていられないと思われるようなものだったら、やっちゃダメだし……近藤(有己)さん。近藤さんが去年12月に試合をした時、相手の攻め方もあったと思いますが、テイクダウンされて全く動けなかったんです。トータルで考えると71.5キロまで体重を落としたら動けないことが分かったんですけど、試合後に近藤さんにこの動けなさだったら試合は用意できない旨を伝えました。

で、その言葉は自分にも刺さったんです。(試合は)勝負事でもあるけれど見世物でもあるから。それで言うと去年11月の泉戦はすごく納得がいってないし、それだったら今年5月の倉本戦の方がいいと思うし、それでああいう試合をした部分もあります。結局どちらも負けたのでどちらも不正解なんですけど。ただ僕はみんなが思っている以上に“踏まえて”やっていますよって感じです」

――試合が決まった時にSNSで「人前に出る機会を与えられた」と投稿していましたが、人前に出る選手である以上、それ相応のものを見せないといけない、と。

「それを言ったら、もしかしたらクインテットを見た人で僕がやったことが分からない人は分からないだろうし、多くの人に分かるようにしなきゃマスを捉えられないということも分かってはいますけど。人前に出る限り、それを捨てきるつもりはないですけど……そんなところでしょうか」

計量後に今大会を主宰する長谷川賢に「一本取れというのはないよね?」、「寝技に付き合わなくても減点とかないでしょ」と。もう勝負は始まっている

――先ほどの試合に対してもそうですし、人前に出る選手としてもそうです。

MMAの試合ではないですが、北岡選手にとってBreakthrough Combatが勝負の場だということが分かりました。

「ありがとうございます。そうですね、そういうことです」


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02計量結果

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士:75.5キロ
[挑戦者]北岡悟:76.95キロ

<バンタム級/5分3R>
吉野光:61.5キロ
川北晏生:61.55キロ

<Progress68キロ契約/5分2R>※当日計量
須藤拓真:──キロ
中島太一:──キロ

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク:84.1キロ
アギラン・タニ:83.55キロ

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介:69.0キロ
椿飛鳥:70.65キロ

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク:56.85キロ
古賀優兵:56.6キロ

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【Breakthrough Combat02】森戸新士が語る、北岡悟とのプログレス防衛戦&椿飛鳥と戦う城戸泰介の存在

【写真】リモート画面の向こう=レオス柔術アカデミーでは、なぜか暖房をつけず外にいるかのようなダウンジャケットの2人--風邪はひかないようにお願いします(C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(水)会場非公開で開催される配信イベントBreakthrough Combat02にて、Progress暫定ウェルター級王者の森戸新士が、北岡悟の挑戦を受ける。また、森戸が主催するレオス柔術アカデミーの城戸泰介は、椿飛鳥とプログレス初戦に臨むこととなった。
Text by Shojiro Kameike

驚きの北岡悟プログレス参戦、王者として迎え撃つ連続一本勝ち中の森戸――まさにプログレス史上最高峰のカードが組まれた。その森戸が前々回のインタビュー時に、自身の作戦参謀にしようと試みたほどの柔術家である城戸もプログレスに初挑戦。そんな2人が2024年最後の試合と、ファイトボーナスについても熱く語る!


城戸君は自分で研究できるタイプ(森戸)
森戸さんは生き物としての能力が違いました(城戸)

――今回は森戸選手に北岡戦に関して、さらにプログレス初挑戦となる城戸選手についてもご紹介いただきたいと思います。まず城戸選手はレオスの前に、岡山県のゼロ戦クラブでMMAをやっていたのですか。

城戸 はい。出身は愛媛県で、大学進学で岡山県に行きました。

――現在、城戸選手は柔術&グラップリングでもボトムから攻めていますが、当時アマチュアMMAに出ている時の試合映像を視ると、ゴリゴリのMMAレスリングを展開していて驚きました。

森戸 アハハハ。

城戸 当時はその方法しか知らなかったんです。もともと器用なタイプではなくて。

――城戸選手が最初にMMAを始めたキッカケは何だったのでしょうか。

城戸 MMAの前は小中高と柔道をやっていました。最初にMMAを知ったのは――僕が愛媛県で通っていた柔道の町道場に、当時もうMMAで活躍していた中井りん選手がいて。中井選手をキッカケにMMAを知って、面白そうだなと思っていたんです。僕が中1の頃なので、もう10年以上前ですね。

そのあと岡山でMMAを始めて2年ぐらい経った頃、「柔術のほうが面白い」と思うようになりました。柔術はMMAよりも技が体系化されていて、細かいし学びやすい。器用じゃない僕でも意識していけば、柔術の技のほうがうまく使えるようになっていったんです。

少しずつMMAを離れて柔術に移っていくなかで、森戸さんに連絡して「出稽古に行かせてください」と伝えました。そこから月2回――当時はまだ広島のジムはなかったので、岡山から岩国まで新幹線を使ってJRに乗り替えて出稽古に行かせてもらっていました。

――えっ!? 岡山か岩国まで、新幹線を使っても1時間半以上は掛かりますよね。

城戸 そうですね(笑)。そのあと広島のジムも立ち上がるタイミングで、僕もレオスで指導しながら練習も……という形になりました。

――森戸選手は、当時の城戸選手についてどのような印象を持っていましたか。

森戸 城戸君は初めてウチに来た時から、すごく柔術の技を知っていて。海外の選手の話題で楽しんでいました。初めて来た時、練習が終わってから一緒にご飯を食べに行ったんですけど、海外の好きな選手の話をしたり。

城戸 そうでした(笑)。普段、周りにはそんな話をできる人がいなくて。

森戸 「この選手、良いよねぇ」と最新の柔術家&グラップリング選手の話をして、彼の柔術&グラップリング愛を確かめました(笑)。技術的にもすでに上手だったです。そんな城戸君に対して、最初のレオスの凄さを分かってもらおうと思って――僕と摩嶋一整さん、それと城戸君の3人で、延々とスパーリングを回すという。

城戸 あれはメチャクチャ、キツかったです(苦笑)。森戸さんと摩嶋さんは技術的にはもちろん、まず体の強さが……。もう鉛のような重さで、こんなに強い人と組んだのは初めてでした。特に上に乗られるとキツくて。良い場所に乗られているから、それは技術なんですけど、そもそも生き物としての能力が違いましたね。

帯の色ではなく、強いかどうか(城戸)
強くなるのはやり方次第(森戸)

――アマチュアMMAに出ている頃、城戸選手はどちらかというとパワーでテイクダウンしていましたよね。小中高と柔道をやっていたら、パワーで負けることはないと思いますし。

城戸 そうですね。同階級であれば必ず倒せていました。

森戸 うん、うん。

城戸 だからレオスに出稽古に行かせてもらうようになって、全てが新鮮でした。

森戸 城戸君は自分で研究できるタイプなので、僕が技術を教えることは、そんなになかったです。たまに何か聞かれたら、僕なりの考えを伝えるぐらいで。僕も城戸君から教わることがあるぐらいで、自分が師匠というものではないです。

城戸 ここは皆が各々考えたことを持ち寄って練習する、試し合う場所というか。

――城戸選手は今年のJBJJF全日本ノーギ、同オープン選手権で優勝しています。その直前に救急車で運ばれたというのは……。

城戸 試合中に首を怪我してしまったんです(苦笑)。

森戸 広島で行われたADCCルールの大会の話ですね。試合中に両脚担ぎで一瞬空中に浮かされて、なぜか相手がその状態で飛び乗ってきたんです。かなり危険な行為ですよね。その時に首が圧迫されて。

城戸 痛すぎて、僕も起き上がることができませんでした。

森戸 すぐに救急車を呼んで病院でも検査してみると、幸い首の圧迫で神経に影響はなかったようです。ただ最初は、次の週に行われる全日本ノーギには絶対に出さないと考えていました。

城戸 でも痺れもなく、回復も早くて。退院して軽く体を動かしてみたら動けるし、全日本ノーギにも出ようと決めました。

森戸 検査で異常もなかったし、本人が出たいというので……心配だから僕もセコンドで着いていきましたけど、当日は動きも良かったね(笑)。

城戸 はい。むしろ、いつもより良かったんじゃないかと(笑)。

森戸 ピンチになって、何かスイッチが入ったのかな。

――まず体が無事で何よりです……。城戸選手は、現在茶帯なのですか。

城戸 茶帯です。まだ今年上がったばかりで。でも帯の色は、あまり気にしていません。紫帯の時に黒帯を倒したこともありますし。帯の色ではなく、強いかどうかじゃないですか。

――なるほど。 今までお話を聞いていると、城戸選手にとって必要だったのはレベルに合った選手との練習環境で。それがレオスだったということですか。

城戸 自分の場合は強い人と練習することで、自信を持って試合に出ることができます。もともと気持ちが強いほうじゃないので、森戸さんと練習していると安心感があるというか。

森戸 やり方次第ですよ。環境は自分でつくれるし、特に柔術&グラップリングだと教則で技術が体系化されていて、自分で勉強もできますから。あとは強い練習相手がいれば。

ケージレスリングで勝負してくる相手をどう極めるか(森戸)
一方的な試合をして、何が何でもMVPを獲ります!(城戸)

――そんななかで森戸選手は北岡選手と対戦します。このカードが発表された時は本当に驚きました。

森戸 僕も長谷川(賢プログレス実行委員会代表)さんから「北岡さん、どうですか?」と連絡が来た時は「え、北岡さん?」とビックリしました(笑)。北岡さんはMMA至上主義というか、あまりグラップリングの試合に出場するイメージがなかったので。最近だと今年、クインテットでグラップリングの試合に出ているぐらいですか。

――MMAの経験がある城戸選手にとっては、北岡選手とはどのような存在ですか。

城戸 僕は今でもMMAを視るの好きですし、北岡さんのレッグロックとギロチンの精度はハンパじゃないと思って視ていました。MMAをやっていれば知らない人はいない選手で、その北岡さんとグラップリングで対戦できるのは凄いチャンスですよね。もっと森戸さんの名前が知られるチャンスだから、ぜひ勝ってほしいですね。

――プログレスのルールで戦うことは、森戸選手にとってメリットはありますか。

森戸 知名度の面でいえば、北岡さんにとってはメリットのない試合ですよね。

――ルールと技術、戦略面のお話です(笑)。

森戸 アハハハ、そうですね。相手がディフェンス力の弱い選手であれば、ルールとか関係なく極めに行けば良いと思うんですよ。でも北岡さんのようにディフェンス力も高い選手だと、極めも守り切られる想定をしながらポイントも考えて試合をしないといけない。それだけ試合の組み立て方が大事になります。

――ケージで戦う、という点は?

森戸 できればケージを使った攻防には付き合わないようにしたいけど、そう簡単には逃げさせてくれないと思うので。相手がケージを使って漬けようとしてきても、僕はそれに対する攻め手も持っておきます。ケージレスリングで真っ向から北岡さんと勝負しようとは思っていません。それでもケージレスリングで勝負してこようとする相手に対しては、僕は柔術&グラップリングを使って、どうやって極めるかを考えます。

――そして今回もボーナスをゲットする、と。

森戸 2大会連続で欲しいです。連続となると前回以上のインパクトを残さないといけないでしょうけど、それでも僕か城戸君が頂きます。

城戸 はい!

――森戸選手が前回、70万円のボーナスを獲得した時の表情は、今まで見たことのないものでした。

森戸 アハハハ! やめてください、そういうのは(笑)。

城戸 いや、メチャクチャ嬉しそうでしたよ。

森戸 え、分かった? クールにいようと努めたんだけど。

――中継画面からも嬉しさが凄く伝わってきました(笑)。

森戸 ファイターが試合をした結果なので、そこは喜びが伝わって良かったです(笑)。

城戸 そうですね。グラップリング界が少しずつ潤っているなぁって思いました。

――城戸選手は森戸選手の推薦という形で、椿選手との対戦が決まりました。

森戸 はい。僕がプログレスに出る時は、いつも関係者の方に城戸君のことは伝えていました。特に最近はノーギの大きな大会で優勝していたので、強く推薦していたんです。

城戸 僕もいろんな人に視てもらうプロの大会で、グラップリングの試合をするのは初めてです。特にMMAの大会でグラップリングの試合に出るのは大きいと思うんです。柔術の大会でノーギの試合に出るのと違って、もっと視聴者の数も違うと思いますし。そこで自分の名前を覚えてもらい、どんどん強い人と試合していきたいです。今後も継続参戦させてもらえるように――今までで一番気合いが入っています。

――プログレスルールだけに、ゴリゴリのMMAグラップリングは復活するのでしょうか。

城戸 それは秘密で(笑)。だけど今は他のこともできるし、椿選手はMMAファイターですからね。相手の専門分野で勝負しようとは思っていないので。70万円を獲るためには、相手の得意なところに付き合ってはいられないです。僕も勝つだけじゃなく一方的な試合をして、何が何でもMVPを獲ります!

■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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【Breakthrough Combat02】Progressで須藤拓真戦、中島太一「フィジカルと柔らかさと運動神経で感覚的」

【写真】流れるような動きに持ち込むことができるのか(C)TAKUMI NAKAMURA

25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、中島太一が須藤拓真とProgressルールで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

グラップラー×MMAファイターという対戦軸のProgressルールが並んでいる今大会のなかでも、中島と須藤の一戦は異色対決と言っていいだろう。中島はRIZINを主戦場に戦う元バンタム級キング・オブ・パンクラス。対する須藤はMMAファイターとしても活躍する一方、グラップリングでも数々の実績を残すノーギ日本最強といってもいい存在だ。

グラップリングの実績では大きな差があるマッチアップだが、中島は「おそらく須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思っていないはず。僕は逆にそこにチャンスがあると思っている」とProgressルールでの須藤撃破の青写真を描いている。


須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思ってない

――中島選手がProgressルールでBreakthrough Combat02出場という話を聞いて、意外だったというのが率直な感想でした。グラップリングの試合には以前から興味があったのですか。

「そうですね。ずっとMMAとは別でグラップリングの試合には出たいと思っていました。特にそういう発信もしてなかったし、オファーも来てなかったので、やる機会がなかったんですけど」

――そうだったのですね。

「はい。グラップリングの練習そのものは好きだし、自分の中でグラップリングは得意な方だと思っているので、それを試してみたいなとずっと思っていました。だからチャンスがあればボクシングとかもやってみたいんですよ。自分では自分を全部できるファイターだと思っているので、 グラップリング、ボクシング……個々の専門競技はなんでも一度はやってみたいです」

――試合という部分で言えば4月のRIZIN46でキム・ス―チョルにKO負けしてから試合間隔が空いていて、MMAでの復帰を考えていたと思うのですが、年内はMMAの試合が決まらなかったのでしょうか。

「スーチョル戦後にRIZINで試合が決まりかけたんですけど、それがハマらずに流れてしまって。それでどこかで試合がないかを探していたところ、この試合が決まりました」

――先ほどは自分のグラップリングを試してみたいということでしたが、自分では自分をどのようなグラップラーだと思っていますか。

「フィジカルと柔らかさと運動神経で、感覚的に戦うような、そういうタイプだと思います。対戦相手の須藤選手とは全く逆のスタイルですよね」

――中島選手は練習するうえで自分の感性や感覚を大事にするタイプですか。

「大事にしていますね。だから練習した相手から『珍しい動きするね』って言われたりします。よくYouTubeで色々動画を見るんですけど、ボクシングでもグラップリングでも、こういうのいいなと思ったら、まずはそれを自分のやりやすいように試してみて、それを自分のなかで消化していくという作業を繰り返しています」

――そうやって自分のファイトスタイルを作り上げているんですね。

「だから僕の動きはオリジナルなんです。同じ技の形でも、人によってはやり方が全然違うじゃないですか。じゃあ例えば青木(真也)さんにいい技を教えてもらっても、それをみんながみんな使えるわけじゃない。

あくまでその人のやり方だと思うので、自分で自分のやり方を見つけて、自分のものにしていかないといけない。そこは打撃でもグラップリングでも常に考えながらでもやっています」

――今回の対戦相手は須藤拓真選手で、予測不能なマッチアップになったと思います。最初にオファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「はいはいはいはい…って感じです。グラップリングの足関節で言ったら、ナンバーワンの選手じゃないですか。MMAと並行して柔術やグラップリングの試合にも出て結果を出す選手というのは最近では珍しいですよね」

――ずばり須藤選手の足関節にどう対処するかがポイントだと思いますが、どんな対策を練っていますか。

「スパーリングパートナーの方に足関節をたくさん狙ってもらって…という感じでお願いしていますけど、周りに須藤選手レベルの足関節が出来る選手はいないので(苦笑)。だから練習でも対策もそうですし、練習以外でも須藤選手のことを考えて、ずっとイメトレしています」

――お互いに組み技のスタイルを確立しているからこそ、自分の感性をぶつけてみたいですか。

「はい。おそらく須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思ってないと思うんですよ。僕は逆にそこにチャンスがあると思っています。最近はグラップリングで一本を取る技も増えてきたし、そのレパートリーも増えてきたので、それが上手くハマれば一本取れるかなと思っています」

――もしこの試合が柔術や一般的なグラップリングだったら厳しいと思いますが、MMAに近いProgressルールだからこそチャンスがあると思っていますか。

「僕はやりやすいですね。グラップリングにも色んなルールがあるなかで、ProgressルールはMMAファイターが勝ちやすいルールだと思うので、見ている人たちにも面白いと思ってもらえる試合をしたいです」

――中島選手はMMAが本業なので、今回のProgressルール挑戦が今後のMMAにどう活かされると思っていますか。

「須藤戦に向けて練習がハードになっていくし、自然とモチベーションも高くなって、気持ちも試合モードに切り替わります。今は普段の試合前のいい緊張感とモチベーションで練習できているので、それだけでもうプラスだと思います。しかも須藤選手という今までにない対戦相手の対策もしているので、そこでのレベルアップもできるし、すべてが自分のMMAにとってプラスになっていると思います」

――2025年はどんな目標を持って戦っていきたいと思っていますか。

「今年は(MMAを)1試合しかできずに痛い目を見たので(苦笑)もう少し計画的に試合を考えていこうと思います。自分の理想としては年間3試合ぐらいやりたいし、来年もグラップリングやそれ以外の試合のチャンスもあれば挑戦して、コンスタントに試合をしたいです」

――それでは最後に今回の試合で自分のどのような姿を見せたいですか。

「中島太一、グラップリングがこんな強いんだ!というところを見せたいですね。この試合に向けて作り上げているものに自信があるというか。僕もずっとレベルが高い人たちと練習を積み上げてきているので、そう簡単には取られないと思いますし、楽しみにしていてください」


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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【Breakthrough Combat02】Progressで須藤拓真×中島太一。Xで呼びかけTUF準優勝者と古賀優兵決定

【写真】RTUで5試合を戦い、3勝2敗。それでいて通算戦績8勝3敗のチェ・スングク。今年の3月に原虎徹にスプリット判定勝ちでDouble GFCフライ級王者に。ちなみに前王者は今年のRTUを制したチェ・ドンフンだ (C)MMAPLANET

19日(木)、PROGRESS実行委員会より25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02の追加カード=ProgressとMMA各1試合が発表されている。
Text Manabu Takashima

グラップラー×MMAファイターという対戦軸のProgressルールでは須藤拓真×中島太一という68キロ契約の一戦が発表されている。これで同大会おけるProgressマッチは暫定ウェルター級チャンピオン森戸新士×チャレンジャー北岡悟。安楽龍馬×中原由貴のライト級王座決定戦。そして城戸泰介×椿飛鳥の71キロ契約マッチに続き4試合となった。

須藤はMMAファイターとしても活躍しているが、Level-Gライト級王者として今成正和から一本勝ち、全日本ノーギ茶帯フェザー級&オープンを制し、さらに高橋Submission雄己企画の50/50-1GPまで制しており、ノーギ日本最強といっても良い存在だ。


対する中島はプレスリリースによると、所属するロータス世田谷の八隅孝平代表から参戦要望が届き、今回の対戦が実現した。ところでBreakthrough Combatの前日計量が実施されているが、この両者の一戦は当日計量のキャッチウェイトとなったそうだ。

理由は勤め人の須藤は師走の繁忙期に2日も会社を離れることができないため。水曜開催という珍しさも、選手には色々と影響を与えることが伺える須藤の計量&休日事情だ。

一方のMMAマッチは韓国のチェ・スングク×古賀優兵というある意味ミスマッチが決まった。チェ・スングクはRoad to UFC2022のフライ級準優勝、さらにはRTU2023ではベスト8だった現Double GFCフライ級チャンピオンだ。

対する古賀はキャリア2勝4敗のファイターで、どう考えても実力は大きい。実はチェ・スングクはBreakthrough Combat旗揚げ大会でオトゴンバートル・ホルドバートルとの対戦が決まっていたが、交通事故に遇い正式発表前にこの興味深い一戦は流れていた。

その後、今大会で両者の対戦が組み直されていたが、オトゴンバートルにGladiatorフライ級王座決定戦の話があり、主催者側が発表前ということもありオトゴンバートルの意思を尊重し、チェ・スングクも他の相手と戦うことを了承したということ。

しかしながら、ここからチェ・スングクの対戦相手探しが難航した。結果、Xで長谷川賢が対戦募集を行うのと直ちにTRIBE TOKYO MMAの石井逸人から、古賀の推薦があったという。長谷川はTTMの長南亮代表に確認をいえると、以下のような返答があった(プレスリリースから抜粋)。

「チェ・スンググ選手の対戦相手を募集していると聞き、真っ先に石井逸人に『古賀を推薦しろ』と伝えました。『試合がしたいけど長南さんが組んでくれない』とぼやきながら毎日練習に来るアラサーの負け越しファイターですが、格闘技以外に特に好きな事もなくゾンビのように練習して時間だけが流れていく毎日。代表である自分はちゃんと定職に就いて、人並みの生活を送って欲しく思っているのに、彼の幸せはジムに来ては若い奴らと混ざって汗を流す毎日にあるようです。貧乏に生きる悔しさもなく、試合に負けてもさほど悔しくも無く、同じ毎日を過ごす中で転がり込んできたこのビッグチャンス。俺をはじめ見ている皆を驚かせて欲しい」と。

MMAバカか掴んだ千載一遇の機会。ここに手を挙げたことは今回の勝負だけでなく、今後の古賀のMMAファイター人生において突破口を開くことになれば──これこそBreakthrough Combatという新しい試みの存在意義となろう。

なお、リリースに寄せられた今回出場が発表された4選手の意気込みは以下の通り──やはり古賀が頭抜けて個性的だ。

須藤拓真
「前回のProgressでは引き込みで、ポイントを献上しての敗北。悔しい思いをしました。立ち技が出来ないやつと思われるのも癪なので、レスリングの練習を強化しました。今回はテイクダウンしまくって塩漬けにして逆にポイント勝ちを狙おうと思います! 進化した自分を見せます!レッグハンター改め、ソルト須藤です」

中島太一
「足関節技のスペシャリストと戦える事にドキドキワクワクしています。足ぶっ壊されないように頑張ります!」

チェ・スングク
「Double GFCプライ級チャンピオン、コリアン・ゾンビ所属のチェ・スングクです。ます対戦相手を探すのに大変な苦労をしてくださった関係者の方々に感謝します。そんな時にXで自分との試合で名乗り出てくれた古賀選手、本当にありがとうございます。日本で初めての試合ですが、全ての面で圧倒し一本勝ちします。それが今回、名乗りを挙げてくれた古賀選手への礼儀だと思います。いつかBreakthrough Combatのチャンピオンになって、ゆくゆくはRIZINのような大きな舞台で試合したいと思っていますので、見ていて下さい」

古賀優兵
「2連勝しオファーを待っていても、試合の声はかからず。相変わらずの毎日を過ごす日々。練習仲間は国際戦や大きな舞台で活躍しているけど、自分にはそんな機会は一生ないと思いながら毎日練習している。そんな時に韓国人の強豪選手の相手を探していると聞き、迷う事なく手を挙げた。断ったり躊躇する選手も多いと聞くが失うものの無いものに恐怖などない。私のような者に戦う機会を頂けた事深く感謝します。かつてない強豪と試合するにあたって長南代表には死んでこいと言われています。自分が持っている物を全てぶつけて死ぬ気で勝ちを取りに行きます」

また今回のチェ・スングク×古賀の試合決定の報には、他にも対戦募集に呼応した選手もあり、その選手らの今後の同大会の出場を考慮することも示唆されている。


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Breakthrough Combat02】Progressでグラップラー×MMAファイター。きたぁ、森戸×北岡。安楽×中原

【写真】これは楽しみ。ただ楽しみ (C)MMAPLANET

29 日(金)、PROGRESS実行委員会より12月25日(水)に会場非公開&配信大会としてBreakthrough Combat02が開催し、カード第一弾としてProgressルールでグラップラー×MMAファイターの対抗戦3試合が発表された。
Text Manabu Takashima

テイクダウンやリバーサルというトップ奪取に2Pが入り、下の選手がスタンドに戻って正対して離れるとスクランブルとして1Pが挽回されるグラップリング=Progressは打撃のないMMA、そしてADCC後半戦&現代グラップリングに欠かせないレッスルアップの強化につながる──MMAとグラップリングの接点となる戦いだ。

今大会では、そのProgress暫定ウェルター級チャンピオン森戸新士に北岡悟が挑戦するタイトル戦。そして安楽龍馬×中原由貴のライト級王座決定戦。加えて城戸泰介×椿飛鳥の71キロ契約マッチというグラップラー×MMAファイター3試合が組まれることとなった。


10月の旗揚げ大会で泉武志を三角絞めで下し、同王座防衛に成功した森戸は2週間後にLevel-Gで新居すぐるも三角絞めで仕留めている。「正直、MMAファイターは極めやすい」というコメントを残している森戸だが、同時に「摩嶋(一整)選手は練習でも、本当に強い。Progressルール日本最強です」という発言もしている。

組み強さと壁際のテイクダウン能力の高さ、そしてサブミッションへの防御能力。ここは北岡にも通じるはず。そして、下になるとポイント的に不利なルールでトップ奪取能力があり、柔術を消化した北岡は森戸にとって過去にない強敵になる可能性は十分になる。

グラップリング転向プロ2戦目にして、安楽がタイトルを掛けて中原と戦う試合も見逃せない。U-23世界3位のレスラーに対し、今やMMA界では誰よりもProgressルールの意味合いを理解しているといっても過言ない中原。相手がレスラーだろうが、ここで下にならない&スクランブルを制することは彼のMMAの完成度を高める。MMAで強くなることに直結した組み技強化を命題とした中原に対し、安楽ががぶりの先のブラップリングを見せるのか──注目だ。

さらに森戸の推薦で待望のProgress初対決となる城戸は全日本ノーギ、SJJFワールドのノーギ部門で世界一に輝いた茶帯の柔術家だ。森戸の連戦を支え、粒さに見てきた城戸に対するは修斗世界フェザー級選手権試合が一旦流れた椿。

椿は旗揚げ戦で中川晧貴とのProgressマッチを戦う予定だったが、修斗世界戦が決まったためリスク回避で出場を取りやめていた。実は2022年5月にHEATを舞台にProgressルールで竹浦正起にヒールで一本負けを喫している椿にとって、この試合は柔術家へのリベンジマッチでもある。

試合が流れる以前に王者SASUKEから「本気でUFCとか口にするなら1カ月前のグラップリング戦を欠場しない。格闘役者」と手厳しい指摘もあったという椿。この試合を経て、修斗世界挑戦を盛り上げることに成功するのか。これも大きなチャレンジとなる。

そしてMMAとグラップリングの接点で、勝利を手にするのはグラップラーなのか、それともMMAファイターなのか。ベルトの行方とともに、異種格闘技的な見方も成り立つ3試合だ。

なおリリースの寄せられた出場6選手のコメントは以下の通りだ。

森戸新士
「北岡選手は日本格闘技界のレジェンドなので戦えることを光栄に思います。試合はいつも通り積極的に一本狙いにいきます! 応援よろしくお願いします!」

北岡悟
「Breakthrough Combatのケージで、組技が日本で指折り強い選手と思いっきり真剣勝負の練習試合をやります!! よろしくお願いします」

安楽龍馬
「今回このような大きな舞台で中原選手と戦える事嬉しく思います。ポイント制であったり、ケージで下になると相手に点数が入るなどアグレッシブ性を求められるルールで試合をするのはすごく新鮮です。当日は全力でプレーします」

中原由貴
「今回、レスリングで素晴らしい成績を収めている安楽選手と戦う事で自分にとってはかなり良い経験になると思いオファーを受けました。MMAに活かす為にも、前回とは違いプランを立てて勝ちに行きます」

城戸泰介
「ずっと出たかったプProgressに参戦できてとても嬉しいです! 椿選手はMMAで実績を残している強豪なので、しっかり準備して極めることができるよう頑張ります。応援よろしくお願いします!」

椿飛鳥
「11月30日に予定されていた修斗フェザー級タイトルマッチが、相手のケガにより中止となってしまいました。Breakthrough Combat第1回大会に出場予定でしたが、その後に修斗のタイトルマッチのオファーが有り、ご相談させていただいた際に快く送り出していただいたこと改めて感謝申し上げます! 仕事が繁忙期で大変なのでサクッと終わらせて業務に戻れるよう頑張ります! 来年修斗のチャンピオンになるために弾みをつけられるような試合をできるよう頑張りますので、ご注目ください!」

■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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