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【DEEP Tokyo Impact2024#05& DEEP JEWELS47】計量終了。TTM冬の3連戦、わんぱくララミー登場

明日23日(土)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2024#05及びDEEP JEWELS47の計量が新宿区のホテルローズガーデン新宿で行われた。
Text by Takumi Nakamura

Tokyo Impactは本戦11試合+JEWELSは本戦8試合が組まれ、合計19試合・38選手が最初の計量でリミットをクリアしている。後藤丈治、狩野優、後藤亮の3選手が出場するTRIBE TOKYO MMA(TTM)勢は、今大会を皮切りに、11.30修斗でエフェヴィガ雄志、12.7ONE Fight Night26で若松佑弥と3週連続で試合が続く。

TTM冬の3連戦で先陣を切る3選手のリーダー格=後藤丈治曰く、TTF CHALLENGE以外で同じ大会にこれだけ多くの選手が出ることは記憶にないとのこと。「全員でDEEPに乗り込む気持ち。3週連続で試合が続くので、みんな士気を上げて練習できましたし、全員で勝って大将(若松)までつなぎます」と3人を代表して意気込みを語った。

その後藤と対戦するマンド・グディエレスは11.17RIZIN LANDMARK10で村元友太郎に勝利したトニー・ララミーと共に計量に登場。計量をパスすると、ルールレビュー後に個別にJMOCスタッフにサッカーボールキックと踏みつけが認められるDEEPルールを細かく確認する姿が印象的だった。なおララミーは一週間前にフライ級(56.85キロ)で戦ったとは思えないほど、わんぱくなビジュアルに変貌を遂げていた。

JEWELSの計量では中井りんが女豹のコスプレで登場。前回に続いて、今回もピンヒールを履いてステージへ向かい、ピンヒールを脱いで体重計に乗って計量→写真撮影時にはピンヒールを履くプロフェッショナルぶりを見せていた。

そしてMMAPLANETが追い続けているフェイスオフ時の握手率だが、Tokyo Impactは全14試合中8試合、JEWELSは全10試合中1試合とやはり女子選手は握手しない傾向は変わらず。その一方、女子選手のフェイスオフ時の会釈率は全10試合中8試合と80%を記録。女子選手は握手はしないけど会釈はする――という新たな傾向が発見された。

■DEEP Tokyo Impact2024#05 視聴方法(予定)
11月23日(土)
午後12時05分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■DEEP Tokyo Impact2024#05 計量結果

<フェザー級/5分3R>
五明宏人:66.30キロ
ミヨン・ジェウク:66.15キロ

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治:61.55キロ
マンド・グディエレス:61.50キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.60キロ
吉田陸:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
諏訪部哲平:61.25キロ
上田直毅:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
山本有人:61.55キロ
山口コウタ:61.50キロ

<フェザー級/5分2R>
狩野優:66.20キロ
森俊樹:66.15キロ

<ライト級/5分2R>
山本颯志:70.60キロ
後藤亮:70.70キロ

<ウェルター級/5分2R>
小林ゆたか:77.25キロ
前田啓伍:76.85キロ

<バンタム級/5分2R>
清太郎:61.50キロ
柴田修斗:61.45キロ

<ライト級/5分2R>
野尻大輔:70.70キロ
ケンシロウ:70.55キロ

<フェザー級/5分2R>
荒井銀二:66.25キロ
中村雄一:66.10キロ

<アマ・フェザー級/3分2R>
ダイア:65.65キロ
千:65.55キロ

<アマ・バンタム級/3分2R>
井上セナ:61.50キロ
橋本玲音夢:61.40キロ

<アマ・バンタム級/3分2R>
左京:60.80キロ
玄:61.00キロ

■DEEP JEWELS47視聴方法(予定)
11月23日(土)
午後17時00分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■DEEP JEWELS47計量結果

<58キロ契約/5分3R>
中井りん:57.75キロ
鈴木”BOSS”遥:57.90キロ

<ストロー級/5分3R>
万智:52.60キロ
アム・ザ・ロケット:52.30キロ

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈:61.55キロ
MANA:61.10キロ

<バンタム級/5分2R>
百湖:61.55キロ
ゆりな:60.15キロ

<アトム級/5分2R>
サラ:47.95キロ
横瀬美久:47.90キロ

<ストロー級/5分2R>
SAAYA:50.80キロ
堀井かりん:52.05キロ

<ストロー級/5分2R>
横瀬友愛:52.45キロ
ののか:52.65キロ

<アマ・ストロー級/5分2R>
吉川桃加:52.25キロ
あきぴ:50.25キロ

<アマキック・ストロー級/5分2R>
島村優花:51.85キロ
須山はな:52.05キロ

<アマ・49キロ契約/5分2R>
横江明日香:48.85キロ
須山ゆな:49.70キロ

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45 AB DREAM Grachan MMA MMAPLANET o POUNDOUT01 RIZIN YouTube チャンネル 修斗 力也 大竹陽 山内渉 新井丈 松場貴志 猿飛流 食事 髙谷裕之

【POUNDOUT01】11カ月振りの復帰戦=松場貴志戦へ、山内渉「勝つことを最優先に一本かKOで」

【写真】この試合がなかった期間で、いかにMMAファイターとして熟成されたか楽しみだ(C)MMAPLANET

5日(土)に千葉県美浜区の幕張メッセ国際展示11ホールで開催されるPOUNDOUT旗揚げ戦で山内渉が約11カ月振りに、実戦復帰を果たし松場貴志と対戦する。
Text by Manabu Takashima

プロ修斗デビューから2年4カ月、6連勝で修斗世界フライ級王座獲りにチャレンジした山内は、新井丈にKO負けを喫しキャリア初黒星となった。あれから11カ月、師・髙谷裕之が主宰するPOUNDOUTのメインで、GrachanとGRANDのフライ級を制した松場という――知る人ぞ知る実力者を迎え撃つこととなった。

格闘家の体は消耗する。そのことを学び、覚悟をもって挑む再起戦。山内渉のその胸の内を訊いた。


世間の評価よりも強い選手

──山内選手、ご無沙汰しています。

「ハイ。よろしくお願いします」

――昨年11月に新井丈選手と修斗世界フライ級王座を争い、激闘の末敗れた。以来の再起戦まで11カ月を要しました。

「一番はダメージです。打たれ弱くなりたくないので、時間を置いた方が良いと髙谷さんとも話して。それとデビューしてから連戦で対策練習が続いていたので、強くなるための練習をこの間に一からやろうと思って取り組んでいました。見直しの期間、自力をつける時間にしたという感じです」

――あの激闘でしたし、やはりダメージがあったのですね。

「試合後に具合が悪くなって病院にいってCTを撮りましたが、異常はなかったです。ただ、振動があると……ミットを持っていてもフラフラすることもあって。これは休むべきだと。この間に脳のダメージの回復のための食事だとか、色々と教えてもらいつつ勉強をしてDHAやアマニ油を摂るようになりました。食事、睡眠と私生活も改善して、自分でも変わったなという感覚があります」

――本当に根本からですね。本格的な練習を再開したのは、いつ頃でしたか。

「5月ですね。じっくりと時間を掛けました。そこまでは頭が揺れない、振動を受けない練習……これまでやってこなかったフィジカルトレに集中していました」

――動くようになってからも、5カ月間は試合に出なかった。強くなるためのトレーニングで、上積みもできましたか。

「ハイ。試合に勝っていたので、打撃も寝技も不安を持ち続けていても、勢いで誤魔化していたところがありました。この間に一から見直して、レスリングも始めました」

――食事、睡眠、練習を見直す。周囲は試合を続けているなかで、よく取り組めたと思います。

「それだけ負けが大きかったです。現実を見せつけられて、考え直すきっかけになりました。(齋藤)奨司さんのがタイトルマッチがあったりしましたけど、逆に自分は自力をつくまで試合ができないという考えになっていました」

――自分は国内でタイトルを取ることも大切ですが、強くなるにはそれ以上にどのような試合経験をするのか大切だと思っています。正直、層が薄くなっているなかでタイトル戦が頻繁に行われる現状には疑問を持っていますし。そのなかで山内選手の再起戦がPOUNDOUTになったことが興味深いです。

「実は今後に関しては、この間に髙谷さんにも相談しました。やはり強い相手と戦いたいというのがあります。前回試合でダメージを受けたことで、体は消耗することを実感しました。考えて試合をしていかないと、どんどん消耗します。そのなかで髙谷さんがPOUNDOUTを開くことになり、修斗の上位陣とはほぼ当たっている中で、強い相手を当ててくれるなら試合をさせてほしいと伝えていました。そうしたら、髙谷さんが良い相手と当ててくれました」

――松場貴志選手、その言動は疑問符しかないですが強い選手です。まだポテンシャルを発揮していないと思えるほど、自力はあるかと。

「RIZINの竿本(樹生)戦とか、本当に強いと思いました。経験も豊富だし、僕の中では世間の評価よりも強い選手だという印象です。フィジカルが強くて、レスリングが強い。そこを想定して、練習をしてきました」

――そんな猛者との試合を前にして、齋藤選手以外にDREAMERSの仲間と練習をすることはあるのでしょうか。

「最近は行けていないですけど、EXFIGHTで須藤(晃大)君と練習をしていました。あとは津田さんと一緒にやっている安永(吏成)さんとも、セコンドに就いたりして練習をしました。出稽古だと前から行かせてもらっていたZEEKジム以外で、川口REGIPでFight Farmの力也さんと一緒に猿飛流選手や大竹陽選手とも練習をしています。同階級の選手とやることが増えました」

僕は田村さんを信じて戦います

――POUNDOUT、師匠の髙谷さんにとっても特別な意味のある大会だと思います。そこでメインを任されました。

「メインらしい試合をしないといけないという気持ちもありますが、大前提は勝つことです。同時に今後を考えると、欲をかきすぎるといけないのですが一本かKOで勝ちたい。それでも勝つことを最優先して、戦いたいと思っています。何よりここで松場選手に勝てば、自信がつく試合です」

――この間、MMAは最低基準の一気にコントロールを重視しない方が変わりました。盟友・齋藤選手のタイトルマッチでは殊更色々な意見も聞かれましたが、その辺りは試合の組み立てが変わるということもありますか。

「そこは考えていますし、頭にいれて練習もしてきました。ただ僕はセコンドの田村(彰敏)さんを絶対的に信頼しているので。田村さんの指示通りに動きます。上を取った時も、下になった時も田村さんが言ってくれたことができるように戦うつもりです。それができるように練習をしてきました。それで判定負けしたら、それまでです。僕は田村さんを信じて戦います」

――では最後に意気込みの方をお願いします。

「前回負けて、応援してくれる人をガッカリさせてしまったので、この1年間やってきたことを出して……しっかりと強くなったことを証明して、勝って喜んでもらいたいです」

■視聴方法(予定)
10月5日(土)
午後4時30分~髙谷裕之YouTubeチャンネル

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45 DEEP DEEP121 MMA MMAPLANET o RIZIN 力也 鹿志村仁之介

【DEEP121】鹿志村が力也をRNCで仕留めて「あれから俺、ここまで頑張って良かったなと思えています」

【写真】しっかりテイクダウンから一本勝ち(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分2R>
鹿志村仁之介(日本)
Def.1R by RNC
力也(日本)

サウスポーの鹿志村に対し、力也が一気に距離を詰めた。鹿志村はサークリングしながらダブルレッグで組みつき、力也に尻もちを着かせる。鹿志村の首を抱えながらケージ際まで下がる力也だが、両足を畳まれているために立ち上がることはできない。力也がマットに背中を着け、ギロチンで絞め上げる。しかしハーフガードのため極まらないか。パウンドで削りながら首を抜き、マウントを奪取した鹿志村が強烈なパウンドからバックマウントへ。そのままRNCでタップを奪った。

勝ち名乗りの前に、両手首をつけて手錠をかけられているようなポーズをとる鹿志村——「俺の中ですっごい気持ちの込もった試合で、前回DEEPに迷惑をかけました。試合を飛ばしました。あれから俺ここまで頑張って良かったなと思えています。このチャンスをくれた佐伯社長、ありがとうございます。今後もDEEP、RIZIN……11月に名古屋があると聞いているので、俺を出してくれないかなぁとか頭に描いています。現実はそう簡単にいかないことは知っているので、とりあえず今は自分が大好きなMMA、寝技で極めるMMAを極めていきます」と挨拶した。


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45 CORO DEEP DEEP JEWELS DEEP121 KENTA MMA MMAPLANET o YouTube 中務修良 五明宏人 井上直樹 修斗 力也 多湖力翔 大成 太田忍 杉山廣平 水野竜也 江藤公洋 渡部修斗 瀧澤謙太 相本宗輝 福田龍彌 谷岡祐樹 野村駿太 野瀬翔平 関原翔 雅駿介 鹿志村仁之介

【DEEP121】バンタム級王座を賭けた福田龍彌戦へ、瀧澤謙太「理想のスタイルは固まってきました」

【写真】幼少期の学んだことは残る。そして生かされる(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121で、瀧澤謙太が福田龍彌と空位の同バンタム級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike

DEEP初参戦となった今年7月のCORO戦で判定勝ちを収めた瀧澤は、2戦めでベルトに挑むこととなった。連敗を脱したものの、本人としてはCOROとのタフファイトは「苦戦だった」と振り返る。しかし、そんな苦戦の中で見せた自身が理想とするスタイルとは。


フィジカルとスタミナの2つが伴ったことで、メンタルも良くなった

——前戦から2カ月後の試合となります。これだけ早いペースで試合をすることは瀧澤選手からの希望だったのですか。

「たくさん試合したいと思っていたので、良いペースです。今回勝てば年内にもう1試合やりたいという気持ちではいます」

——そしてDEEP2戦目がタイトルマッチとなりました。

「ベルトを巻くのは早いに越したことはないですが、2戦目というのはラッキーな巡り合わせですね」

——結果的にタイトル前哨戦となったCORO戦の感想を教えてください。

「1戦目よりも苦戦してしまった——倒し切れなかったです。1戦目は1~2Rと完全に支配して最後に倒すという、自分のやりたいことしかしていなかった試合で。今回は1Rにダウンを取り、2Rに相手が盛り返してきて、最終回に僕が手数で勝ったという感じでした。もうちょっと綺麗に勝ちたかったですね」

——なるほど。同時に、タフな試合で削り勝つことができた。それは今までの瀧澤選手の試合にはなかった、良い面だったのではないかと思います。

「ありがとうございます。実は試合の1週間前に、綺麗に風邪や喘息が治ったんですよ。もともと小児喘息があり、今も風邪をひいたら症状が出てしまう時があって。一度出ると、咳が治まるまで1カ月ほど掛かってしまうこともありました。そうなると練習にも支障が出たり、インターバル中にも咳が出てしまうこともあって」

——それはキツい……。

「今回もスタミナがヤバいかなと思っていたら、1週間前に風邪と喘息が止まったので、メチャクチャ自信ができました。ずっとフィジカルトレーニングとスタミナのトレーニングはやっていて、数値的には自分の最高記録を更新することができていたんです。そのフィジカルとスタミナの2つが伴ったことで、メンタルも良くなって。

CORO戦では最初のインターバルが終わって2Rが始まる時、次のインターバルから最終回に臨む時に『これは動ける!』と思いました。セコンドからも『ガンガン前に出て、確実に最終ラウンドを取れ!』とも言われていましたし、しっかり動くことができましたね」

——それは直近の試合で味わったことのない感覚でしたか。

「そうですね。まず井上直樹戦(2022年大晦日に一本負け)はあまり体調が良くなくて、さらに削られてスタミナもキツかったです。太田忍戦(2023年7月にTKO負け)は1Rで終わってしまいましたし、野瀬翔平戦もスタミナはキツかったですね。そこから集中してスタミナとフィジカルに取り組んで、CORO戦ではその2つが挙がったことを実感できました。

でもCORO戦より今回のほうが、スタミナもパワーも自信があります。試合まで残り1週間——今すごく体の調子が良くて、このまま自信を持って臨むことができます」

——今挙げた試合と比較して、CORO戦は自身が先手をとって試合をつくることができていました。

「やはりスタミナとフィジカルが伴うと、試合も自信を持って臨めますよね」

——もう一つ、試合中はずっとスイッチし続けていましたね。あれはテイクダウンディフェンスであり、CORO選手対策だったのでしょうか。

「あれは僕がずっとやりたかったことなんです。やっと試合で出すことができました。今までも練習仲間の対戦相手がサウスポーなら、僕もサウスポーで構えたりとか、対策練習でサウスポーになることはあって。だけど、いずれ試合でも実際に出したいとは考えていたんですよ。でもサウスポーになるとオフェンスはできても、オフェンスが甘くなったりすることもあって。オフェンスもディフェンスもできるようになったら試合で出そう、とはずっと考えていました。今後はオーソドックス、サウスポー両方出していきたいです」

福田選手が持っている戦いのメカニズムが分かってきました

——すり足でスタンスを変えるのは、スイッチというよりも空手の足捌きですよね。

「そうなんです! 僕はフルコンタクト空手をやっていて、相手との距離が近いフルコン空手では、オーソドックスかサウスポーかという概念が無いというか――流れの構えが入れ替わる、足が交差する場面は多くて。だから昔からオーソドックスでもサウスポーでも、攻めることはできていました。でもMMAだと顔面打撃とテイクダウンがあるので、そのディフェンスが試合でも出せるようになったということなんです」

——高校時代はレスリング部に所属していたとのことですが、空手のあとにレスリングを経験してスタンスに影響を及ぼしたのでしょうか。

「そういうわけではないですね。MMAを見越してレスリングを始めたので、打撃でいえばオーソドックス——左足前でレスリングもやっていました。オーソドックスのままテイクダウンに入れたほうが良いかなと思っていて」

——今回タイトルを賭けて戦う福田選手はサウスポーです。サウスポーに対しても、同じような足捌きで戦うことはできるのですか。

「もちろんです。自分の中で理想のスタイルは固まってきました。福田選手の場合は、どの展開で何が理に適っているか、理解して戦っている。試合映像を視ていると、福田選手が持っている戦いのメカニズムが分かってきました。分かっている技は掛からないとは思っていますね。福田選手のメカニズムにハマらないよう、自分から早く仕掛けていきたいです」

——瀧澤選手の視点が、まるで武術家のようです。

「あぁ、どうなんですかね。あまり人の試合は視ないんですよ。どちらかといえば練習で自分の攻撃が良い感じで当たった時、なぜそうなったのかを見直したりするほうが多いです。当たるパンチ、倒せるパンチって何かしら理由がある。そのパンチを分析して自分のモノにしたりするのが好きなんですよ。それこそが自分にとっての格闘技の楽しさであって。あとは試合が決まったら対戦相手の映像を視て、自分の技術を適応させていきます」

——その点では福田選手も同じタイプのファイターだと思います。今回の対戦が楽しみですね。

「そうですね。福田選手との試合は、いろんな展開を考えています。エキサイティングな試合をする選手だと分かっていますけど、漬けてくる場面もあるかもしれない。特に打撃勝負をして、分が悪いと感じたら——そういう展開も想定していますね。僕はKOを狙いますが、実は今までプロの試合で一度も自分からテイクダウンに行ったことがないんですよ」

——えぇっ!? そうだったのですね。

「アハハハ。自分からテイクダウンに行くことなく、ベルトを獲得できるのかどうか検証したいです」

——次の福田戦で初めてテイクダウンを狙おうとは思っていないのですか。

「いずれテイクダウンを混ぜていきたいとは思っていますが、いつにするのかは分からないです。自分の場合は寝技と打撃であれば、打撃のほうが勝つ確率は高い。でもテイクダウンに行くのはリスクも生まれるじゃないですか。もしかしたら今回テイクダウンを狙うかもしれないし、テイクダウン無しでベルトを獲るかもしれません。まだ見せていない部分は、メチャクチャあります。僕の試合を楽しみにしていてください。全て見せた時は、みんな驚くと思いますよ」

■DEEP121 視聴方法(予定)
9月16日(月・祝)
午後5時35分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV

■DEEP121 対戦カード

<DEEPバンタム級王座決定戦/5分3R>
福田龍彌(日本)
瀧澤謙太(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 江藤公洋(日本)
[挑戦者] 野村駿太(日本)

<メガトン級/5分3R>
水野竜也(日本)
大成(日本)

<フライ級/5分2R>
KENTA(日本)
渡部修斗(日本)

<フライ級/5分2R>
関原翔(日本)
杉山廣平(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
相本宗輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
谷岡祐樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
鹿志村仁之介(日本)

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
中務修良(日本)

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【DEEP121】福田龍彌✖瀧澤謙太、江藤公洋✖野村駿太。2階級のタイトル戦と、粒ぞろいすぎる2回戦!!

【写真】RIZIN枠を考慮し、旬を逃さないカードが組まれているDEEPだ(C)MMAPLANET

23日(火)、DEEPより9月16日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121 Impactの対戦カードが、タイトルマッチ2試合を含み、11試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

ベルトが懸かった試合は、バンタム級王座決定戦=福田龍彌×瀧澤謙太、そしてライト級チャンピオン江藤公洋に野村駿太が挑戦する2試合だ。


フライ級王者でもある福田は、5月に元谷友貴とバンタム王座決定戦に出場予定だったが、タイでの練習中に肩鎖関節脱臼で欠場となっていた。

対する瀧澤は14日の後楽園ホール大会でDEEP初出場を果たし、COROに判定勝ちを収めている。試合後のマイクでは「DEEPのベルトを獲ってRIZINにリベンジしにいく」と宣言していた。超RIZIN後、9月以降のRIZIN参戦を目指し、ベルトを切符代わりとしたい瀧澤だが、CORO戦はテイクダウンを警戒して慎重なファイトに終始していた。

福田はいわば、命のやり取りをする覚悟で日々の練習をし、ケージに上がっている。そんな福田を凌駕するには、同じ戦意を持ち福田のフィールドに足を踏み入れる必要がある。それができれば、瀧澤の天賦の才といえる当て勘が活きてくるはずだ。

対して、福田としてはやはり負傷の復調具合が気になるところ。筋や腱に傷が及んでいれば、完治までそれ相応の期間は必要となる。それでも福田の性分からして、五体満足になることを欲して、試合機会を減らす選択はしないはず。つまりは完治しなくとも、瀧澤と斬り合い──セッションを求めるのであれば、このタイトル戦は福田にとってリスクが高いファイトとなる。

ライト級戦タイトル挑戦者の野村はDEEP120で泉武志から逆転TKO勝ちを収め、江藤へのリベンジと挑戦をアピールしていた。昨年7月に江藤のテイクダウン&コントロールに屈した野村は、泉のテイクダウン&コントロールを跳ね返したことで、自信を確信に変えてベルト獲りに挑む。

チャンピオン江藤は3月にイ・ソンハをRNCで下して以来、半年ぶりの実戦となる。RIZIN、海外再進出を模索する江藤はとにかく強さを見せての防衛が必要となってくる。

そんな江藤への挑戦に向け、泉を下した直後の取材で野村は以下のように話していた。

「来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」(野村駿太)

──2日前のGladiator Challenger Seriesに出場したジムの後輩、南友之輔選手が右ストレートから左フックで強烈なKO勝ちを収めました。あのKOを見て、先輩としてやらないといけないという気持ちになったのでは?

「バリバリなっていました。『コイツ、やってくれるなぁ』みたいな(笑)。『野村さん、繋ぎました』とか言ってくれて。試合の流れも逆転勝ちで、変なところまで同じでしたね。友之輔がBRAVEに加わってくれたところで、自分がやって行くべきことのなかで、空手の良さも再発見することができました。

友之輔がやろうとしていることも、僕のなかで刺激になっています。木村(柊也)や南を見て、自分も『コイツらに負けていらない』という風になりますし。あの2人が、自分を手本にしたくなるような選手に、自分はなっていかないといけないです」

──泉選手を返り討ちしたことで、江藤選手への挑戦権を手にしたかと思います。同じテイクダウン&コントロールにしても、江藤選手のソレはより柔軟に包み込んでくるようなイメージがあります。

「そこは1度、触れているので。自分のなかで江藤選手と戦うなら、どうすべきが分かっている部分はあります。今日みたいにやられないように戦ってしまうと、また去年と同じになってしまうので、自分から仕掛けていっても良いと思っています。そこをタイトル戦で見て欲しいです」

──一発、右アッパーを被弾して下がらされました。

「攻め気でいた時に、自分の流れに持ちこみ過ぎようとして……余りない形のアッパーを貰いました。打撃が上手な人と練習をしていると、あのパンチはなくて。でも、喧嘩のような動きのパンチを貰ったのは反省材料です。変に自分のなかで貰わないという自信があって、それが慢心になってしまっていたかと思います」

──以前よりも、そして泉選手と比較しても、江藤選手は貰っても怯まないようになってきたようにも感じます。

「そっちの方が戦いやすいです。気持ちを強く持ってくれているほうが、向かい合ってくれるでしょうし。ビビッて距離を取られる方が面倒くさくなるので。変に自信を持ってくれている方が、術中にハメやすいです。来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」

──打撃でなく、テイクダウンでも出てくる方が戦いやすいですか。

「逆にソレしかしてこないと思っています。泉選手には失礼な言い方になってしまいますが、あのスタイルでさらに強化されているのが江藤選手です。なので、今日は攻め込まれる場面があって良かったです。今日の経験を生かして、煮詰めていけばさらに成長できると思っています」

なお今回の発表ではメガトン級の水野竜也×大成が3回戦で組まれることが明らかとなっている。また関原翔×杉山廣平のフライ級戦、涙の引退から約1年で復帰の渡部修斗もフライ級でKENATと知りなおしの一戦。五明宏人✖相本宗輝のフェザー級戦。バンタム級ではルーツは立ち技同士、ムエタイ=雅駿介×キック=谷岡祐樹、同じくバンタム級で力也×禊の鹿志村仁之介。WardogからRIZIN、GRALDIATOR、HEX FSを経てDEEPストロー級戦線に辿り着いた中務修良✖Blackcombatでの勝利で6連勝中の多湖力翔のマッチアップ──と、粒が揃い過ぎている2回戦6試合も決定している。

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【DEEP Tokyo Impact2024#03】越智晴雄と王座統一戦、川原波輝「夢を潰しに来るヤツをしっかりと倒す」

【写真】タイでの2週間の集中打撃トレの成果が明日、見られるのか (C)MMAPLANET

本日26日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2024#03のメインで暫定チャンピオン越智晴雄とDEEPストロー級王座統一戦を正規チャンピオン川原波輝が戦う。
Text by Manabu Takashima

2020年8月の越智との2度目の対戦で同王座を獲得して以来、3年9カ月振りの国内でのファイトとなる川原は、この間にONEで挫折を経験し、UFCにストロー級王座を創るという壮大な目標に向かって動き始めた。

3月29日にA1 Combatで北米初のストロー級チャンピオンになった川原は、越智との試合を3週間後に控えた時点でタイはバンコクで打撃に特化したトレーニングを行っていた。


──バンコクはマスター・トンの下で練習をしている川原選手ですが、試合の約3週間前にサクラメントからタイにやってきて練習をする意味合いを教えていただけますか。

「8カ月間、サクラメントにいてレスリングと寝技をずっとやってきました。この間、アルファメールの打撃コーチが僕とはスタイルが全然違ってフィットしないので、打撃は夜叉坊とか選手同士で練習していたんですよ。

実はその前にONEで試合をするために半年ほど、マスターのところで打撃の練習をしていました。ONEで戦うことを想定していたので、やっぱり打撃の強い選手が多いし打撃を仕上げることが目標でした。それで米国のビザ申請中に打撃を磨くために、6カ月間バンコクでマスターの指導を受けて……サクラメントに行ってからも、ONEで戦うために練習をしていたのは変わらなかったんですけどね。

ただ、そのレスリングと寝技中心の練習をしていると打撃の感覚が凄く鈍って来て。越智戦を前にレスリングと寝技はある程度自信があるので、ここにいた時の打撃の感覚を取り戻したくて来ました。

あと、時差ボケを直すのも込みですね。3週間前に来て、2週間滞在して1週間前に帰国して試合をする予定です(※取材は9日に行われた)」

──では3月にA1 Combatのストロー級王座を獲得した時は、打撃の感覚は狂っていたということですか。

「狂っていたというよりか、自己流に近いモノでした。打撃のコーチとマンツーマンでミットを打ち込んでいた時とは別モノで。この前の試合は、自分のなかでは感覚としては良かったですけど、まだまだ仕上げないといけないという感じでした。倒しきれなかったですしね」

──しかし、アルファメールの打撃は大丈夫なのですか。

「チーム全体を見ているコーチもいますが、さっきも言ったように僕とはまるでスタイルが違うので習おうとは思わなかったです。そうなると……これは米国では結構あることかもしれないですけど、お金を持っている選手はマンツーマンで指導を受けています。でもお金のない選手は、選手同士でミットを持ち合っているような感じでした。何かを得るには、対価を支払う。それが米国なので」

──3週間前から日本にいる方が、体調面など調整は上手くいきそうに思えますが……。この猛暑のバンコクに来て、試合への調整は難しくないでしょうか。

「それは考えようです。こんだけ暑いことをネガティブに捉えて、調整が難しいと考えるのか。こんだけ暑いところでやっているから、日本に戻ると涼しくてメッチャ動きやすいやんって言う風にポジティブに考えることができるのか。

僕の志向は、今は良い方だけにフォーカスできるようになっています。何よりも、今回の試合は倒し切らないといけない。そうでないとUFCにストロー級なんて創れないですから。KOを量産してカリスマ性を持たないと……簡単なことではないと分かっているので、マスターのところに来たんです」

──マスター・トンは独特な間合いのパッディングですね。

「一発一発を重たく打つ。それがマスターの打撃で。僕はもともと伝統派空手だったので、手打ちだったんですよね。そこをマスターが修正してくれました。肩を入れて、一発一発打てって教えてくれて。それでパンチ力がついたというイメージが、ここにいる半年間にはありました。それこそ、ONEのムエタイに出ようかという話があったぐらいに」

──まだ2日目ですが、感覚を戻ってきているのでしょうか。

「ハイ。打ち込み、蹴り込みの大切さを思い出しています。スタミナの消耗の仕方も違っていますし。キレは2日間でも増しています。実際、A1 Combatのタイトル戦はとにかく勝たないといけないという意識で戦って、勝てて本当に嬉しかったです。でも、終わってみて……倒し切る大切さを凄く感じるようになって」

──とはいえバンコクにいるとMMAの練習はできないのでは?

「そこはもう8カ月間やり込んできたので、負けないです。レスリングだけでも、負けない。ピュアレスリングもハイスクールのレスリング・クラブに通ってやってきたので、そこに関してはある程度の自信はあります。

だから、ここからの2週間は余り寝技の練習はできないと思いますが、もう体が覚えているので。ここから2週間、アルファメールに残ってレスリングをやり込んでも、変わらないような気がしました。体に沁み込んでいるので。それに今回の試合は倒し切ることが絶対条件なので」

──そう公言していると、越智選手も対策を練って来るかと思われます。

「それでも倒さないと、自分の夢は叶わないので。自分の夢を潰しに来るヤツをしっかりと倒さないといけないです。ONEでは勝てなかったのですが、掴みかけていることがあったんです。それが道半ばで遮断された時に、もう一度ONEで戦うという選択もあったのですが、何も創られてない道を見つけました。UFCにストロー級を創るという道を見つけ、そこへの可能性を感じた。

それってユライア・フェイバーというチームのボスの下で、学ばしてもらったことなんです。ユライアはライト級までしかなったUFCにフェザー級とバンタム級を創らせた張本人で、僕がUFCにストロー級を創りたいって打ち明けると、迷いなく『やろうぜ』って言ってくれて。全くネガティブなことは言わなかったです。でも日本の友達に相談すると『そんなことできるの?』って言われてしまいますよね」

──応援したい気持ちがあっても、それは見果てぬ夢ではないかと思う人がいるのも当然ですよね。

「ハイ。それは分かっています。でも、ユライアはもう成し遂げているので。そのユライアが僕に言ったのは『ストロー級はいるのか』ということでした。でも、おるんですよ。まずアンソニー・ドゥがいて、その他にもカリフォルニアに何人かのストロー級の選手がいるので、その選手の名前を伝えました

でもユライアも自分の団体でベルトを創るのだから、そこは『その他には?』とまた尋ねられて……。実際、それ以上の選手の名前を僕自身伝えることはできなかったです。でも、創れば集まるっていう話をしたんです。ないからONEの水抜き無しで125ポンドというストロー級に選手が集まっているだけで、115ポンドを創れば選手は出てくる──と。そういう話をすると、ユライアは『じゃあ、タイトルを創ろう』って言ってくれました」

──それだけの夢を持つようになり、このタイミングでDEEPで戦うのは?

「シンプルに4年で3試合しかしていないと、経済的にも厳しいですし。何より、ONEとの契約から解放されて試合が組まれるのであれば、どんどん戦っていきたいという気持ちになっていました。前の試合でケガもなくて、その時に佐伯さんから声を掛けてもらい、今は日本で試合ができることも嬉しいです。

それに日本で試合をするのであれば、DEEPだけ。それは決めていました。佐伯さんへの感謝の気持ちを込めて戦うから、相手は誰でも良かったです。そうしたら佐伯さんから『越智選手がいる』という話を貰いました。なので今回の試合は3度目とか、相手云々ではなかったです」

──この後というのは?

「やっぱり、そこはA1で戦っていきたいです。越智選手より強い相手がDEEPのストロー級にいれば別ですけど、いないですよね。越智さんは強い、リスペクトしている選手だからこそ倒し切ります。

A1のベルトに関しては、タイトルを取った後にDMで『やろうぜ』という風に伝えてくる選手もいます。ユライアには、そいつと防衛戦をしたいと伝えています」

──夢を現実にするために、どのような戦いを見せないといけないと感じていますか。

「何回も言っていますが、倒し切ること。それだけです。もう相手の問題でなく、自分自身との戦いです。誰が来ても、倒す。倒し切る、その姿勢が人の心を動かすんじゃないかと思っています。

スタイル的にも……ここにきてキレが増して、イメージもデキています。日々、毎日やってきたこと全力でやりきる。ただ『倒し切る』と言っていても、とにかくやってきたことを出すのが先決で。言うと日々、やってきたことを出すだけで。やってきているからこそ、それが自信になっています。あとは楽しんで、狩りに行くイメージですね」

■DEEP Tokyo Impact2024#03視聴方法(予定)
5月26日(日)
午後0時~U-NEXT
午後0時20分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP Tokyo Impact2024#03計量結果

<DEEPストロー級王座統一戦/5分3R>
[正規王者] 川原波輝:52.0キロ
[暫定王者] 越智晴雄:52.1キロ

<63キロ契約/5分3R>
石司晃一:62.75キロ
原口央:62.9キロ

<フェザー級/5分3R>
五明宏人:66.2キロ
瀧口脩生:66.25キロ

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典:107.8キロ
ベンツ:141.9キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.55キロ
山本有人:61.65キロ

<59キロ契約/5分2R>
松岡疾人:58.8キロ
キム・ウジェ:58.75キロ

<バンタム級/5分2R>
梶本保希:61.4キロ
フェルナンド:61.5キロ

<75キロ契約/5分2R>
後藤亮:74.95キロ
山田聖真:74.8キロ

<フライ級/5分2R>
石井涼馬:57.15キロ
吉田悠太郎:57.0キロ

<バンタム級/5分2R>
清太郎:61.55キロ
生田大雅:61.5キロ

<アマ・ライト級/3分2R>
川島悠汰:70.15キロ
渡辺智偉:70.3キロ

<アマ・フェザー級/3分2R>
橋本玲音夢:66.1キロ
菊川勇:65.65キロ

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45 AB DEEP DEEP JEWELS DEEP118 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN YouTube イ・ソンハ ロッキー・マルチネス 中村K太郎 五明宏人 力也 北岡悟 川名 TENCHO 雄生 平松翔 江藤公洋 神田コウヤ 福田龍彌 酒井リョウ 雅駿介 雑賀ヤン坊達也 青井人 青木真也 魚井フルスイング

【DEEP118】イ・ソンハに挑戦、江藤公洋「面白い試合云々っていうなら、ちゃんと頑張って逃げてね」

【写真】穏やかな自信(C)MMAPLANET

本日9日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 Impactで江藤公洋が、DEEPライト級王者イ・ソンハに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

レスリングからMMAに転向した当時から、そのポテンシャルの高さは認められてきた。しかし、その強さを発揮しきれない。試合になると、気持ちで前に出られないということも指摘された。そして勝てば、コントロールで地味というレスリング&コントロールファイターに付きまとう問題も、江藤は持ち続けてきた。

その江藤が2020年9月に青木真也に完敗を喫して以来、ここまで5連勝でタイトル挑戦権を獲得した。ハマれば超絶に強かった江藤が、自分の嫌な展開でも試合を創れるようになった。その背景に指導、中村K太郎のマンツー・スパーが存在した。


──HEARTSでレスリングクラスを持っていると聞いて見学させていただいたのですが、MMAグローブを着用してMMA用のレスリングを指導されていました。

「そうですね、大沢さんからMMAのレスリングとグラップリングを重点的にプロ選手に指導してほしいと2カ月ぐらい前に尋ねられて、やらせてもらうようになりました。HEARTSの底上げという目的もあって、始めた感じです。ピュア・レスリング、ピュア・グラップリングではなく、MMAにアジャストした形でやらせてもらっています。

ピュア・レスも大切なのですが、やはり組んだ距離でMMAの間合いと違ってきます。間合いの設定が違うと、切り崩し方も違ってくるので。そういうところでMMAレスリングの指導を心掛けています」

──MMAレスリング=壁レスとなりがちですが、今日はそうでない場所での指導でした。

「壁も大切です。でも中央で相手を制することも大切で。壁だけでなく、両方でやっていますね。中の動きと壁の動き、壁という要素が加わってもベースは共通しています。中央でやることを、壁を使ってやりましょうという意識を持っています」

──しっかりと伝える言葉も持たれていました。

「パーソナルの指導なども続けてきて、その時に自分だけの視点ではなく、色々な視点があることを頭に技術を修得するようになりました。一つのアプローチだけでなく、多方向の視点を持つことが大切だと思うと、指導する時に色々なアプローチから説明できます。そこがファイターとしての自分の成長に繋がっていると思います」

──指導することで、自ら成長できたと。

「色々な視点で見ることで、崩し方や動きに対してアプローチの種類が増えました。特に相手の特性も理解できて、思考が分かるようになったことが大きいです」

──なるほどぉ。指導で得たことを自らの練習で試す?

「ハイ。それで自分が使う場合は、無理だと判断して切り捨てることもあります。でも、指導するうえで切り捨てる知識はない。それを知ることでも、自分の成長になります」

──現在、5連勝です。その指導をすることが、好調の要因にもなっていますか。

「青木さんと試合をするまで(2020年9月)、ただ練習をしていると強くなるという風で考えていなかったです。あの敗北から色々と変えないといけないと思うようになりました。メンタル面でも変に気合を入れるとか、良いところを見せようとして逆に迷ってしまって普段通りの力を出せない。そんな自分を認めたくなかったのが、あの試合で何もできないことで──そんな自分が恥ずかしくて、格闘技を辞めた方が楽だという気持ちにもなりました」

──ハイ。

「でも楽な方を選ぶと、それは簡単ですよね(笑)。あそこで自分の色々なモノを壊して自分を創りなおした方が人間として成長できると思って、ここまで取り組んできました。5連勝の裏で試行錯誤して、なかなか上手くいないこともありました。そのなかで一つ一つを噛み砕いて、検証することでここまで来ることができました。今もまだ過程ですけど、今の自分をぶつけることが凄く楽しみです。日常を切り取った部分で、今回の試合では皆に見て欲しいという気持ちがあります」

──RIZIN LANDMARKの雑賀ヤン坊達也戦と、DEEPの北岡悟戦。前者の方が良い試合だと思われるかと思いますが、個人的には後者の方が恐怖とも向き合っていた感があります。

「そうですね……落とせないという気持ちもありました。それが自分の弱さだと思います。決め切れないところは課題で、でも試せたことはプラス。まだ僕は完成していないので。怖さも自分のなかで受け入れていますし、やってきたことをやる。回りの目を気にすること……そこも大切なのですが、そこも含めて自分のやってきたことが出せるか。練習の方が強い自分がいる。そこに近づくために、もがいている自分が今もいます。それが徐々に良くなっているので。人にチヤホヤされたくて格闘技をやってきたわけじゃなくて、強さを追求するためにやっている。そこはブレないようになりました。良い試合だった──で良いのか。積み上げて来たものを出す方が、大切だと自分は思っています」

──その積み上げるなかで中村K太郎選手とのマンツーマンのトレーニングの意味合いが大きいと聞いています。

「ハイ。自分が成長できる一番のパートナーです。K太郎さんとの練習は思い描いたことできない。テイクダウン、スクランブル、打撃とコントールできないから、際の攻防の練習ができる。

打撃、組み技、寝技とどの局面でも練習ができて、K太郎さんという自分が日本で一番強い選手とやれている。そこが自分の自信になっています。試合より厳しいことをやっている。相手より強い選手とやっていることは絶対ですし。

試合なので、一発貰うこともある。でも、そこ以外だったら絶対に競り負けないという気持ちになれました。どんな展開でも引かない。気持ちの強さは、K太郎さんとの練習で身に着けられたものです。練習で試合よりしんどいことをやって、試合でしんどいことを相手にさせます」

──そのなかでDEEPライト級王座に挑戦。チャンピオンは韓国のイ・ソンハで国際戦となりました。

「流れが変わってきましたね。対日本人でなく、今だと対アジアに。それって大切なことだと思います。だから自分はONEにチャレンジしたし、対日本人でなく対世界を見据えて色々な技術を修得してきたので」

──ではイ・ソンハの印象を教えてください。

「手足が長く、打撃も組み技もできる。だから、面白い。このところ、勝ってホッとすることばかりで。なんか熱くなることがなかった。その点、今回はどうなるのか楽しみです。どれぐらいかは、組んでみないと分からない。勝ち筋はある程度思い描けていますが、それが実際に戦ってどうなるのか。その面白さはありますね。打撃、テイクダウン、寝技、全部で勝負したいです」

──イ・ソンハは「自分が面白い試合をするので、そこは気にしないでください」ということ言っていました。

「まぁコントロールされない自信がるからって、その後の攻防を自分ができないと思っているなら間違っています。仮にテイクダウンからコントロールができなかったら、その先を見せることができるので、それは必然と面白くなるでしょうね。

ただ僕がコントロールできてしまうと、殴り合いも何もない面白くない試合になるということですよね。じゃあ、頑張ってねっていう話です。面白い試合にしたいなら、コントロールされないように頑張って。そうなっても、その先を見せるから」

──ブラボーです。

「だって動けない奴が悪いわけで。動けてスクランブルの攻防まで持ち込めば良いじゃないですか。なんでコントロールできているこっちが、わざわざ動かないといけないのか。動けない、お前が悪いんだよってことですよ。コントロールされて、時間がきてブレイクって──それは審判に助けてもらっているだけ。まぁ、面白い試合云々っていうならちゃんと頑張って、逃げてねって」

──長い年月を掛けて、一皮剝けた。言葉にすると簡単になってしまいますが、凄く重みのあることだと感じました。

「変われたかな……ただやっていれば結果が出る。そんな風に思っていましたけど、それじゃあ体が強くなるだけ。そして色気をもって戦って、自分を出せない。そういう弱い自分を飲み込んで、克服するにはどうするかを考える。そこで練習環境、練習内容を組み立てることができてきました。強くなるための過程にあるなかで、今回の試合でどこまでできるのか。やっぱり、そこは楽しみです。今回のタイトル戦は、対アジアに到達しているのか。その査定試合になります」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP118計量結果

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス:108.5キロ
[暫定王者]酒井リョウ:106.9キロ

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ:65.7キロ
[挑戦者]青井人:64.7キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ:70.3キロ
[挑戦者]江藤公洋:70.35キロ→70.15キロ

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌:61.5キロ
雅駿介:61.7キロ

<フェザー級/5分2R>
五明宏人:66.2キロ
木下カラテ:66.1キロ

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生:70.55キロ
倉本大悟:70.8キロ

<バンタム級/5分2R>
平松翔:61.65キロ
魚井フルスイング:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.6キロ
小崎連:61.55キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空:66.05キロ
菅涼星:66.15キロ

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45 AB Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP118 MMA MMAPLANET o RIZIN YouTube イ・ソンハ ブラック ロッキー・マルチネス 五明宏人 力也 川名 TENCHO 雄生 平松翔 江藤公洋 神田コウヤ 福田龍彌 酒井リョウ 金原正徳 鈴木千裕 雅駿介 青井人 魚井フルスイング 鶴屋浩

【DEEP118】計量よもやま話。青井&福田は新幹線に缶詰め&神田はバスタブ壊れる。次回Black Combatは…

【写真】ただ一人再計量となった江藤だが、余裕でクリア。なお、この時点で青井と福田はまだ計量会場に到着していなかった(C)MMAPLANET

明日9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 IMPACTの計量が8日(土)に新宿区ホテルローズガーデンのオークルームで行われた。
Text by Manabu Takashima

メガトン級王座統一戦、フェザー級&ライト級と3階級のタイトルマッチが組まれている大会の計量は、フェザー級選手権を戦うチャンピオン神田コウヤとチャレンジャー青井人が揃って開始時間に姿を見せないという予想外の状況でスタートが切られた。


神田に挑戦する青井と雅駿介と対戦する福田の関西組は、人身事故の影響で何と米原で1時間に渡り新幹線の中で缶詰状態に。今回はバンタム級に挑む福田は、この4キロ強の減量幅の違いに命拾い。「フライ級やったら、ブチ切れていましたよ」という言葉も、そのフライ級での計量直後のようなかすれ気味の声でなく力のあるものだった。

そんな福田とともに東京駅からタクシーで計量会場に移動しても疲れを見せなかった青井の挑戦を受ける神田も、予期せずアクシデントに見舞われていた。自宅で水抜きに入った神田だが、なんとバスタブの栓が壊れており、お湯が溜まらないという状況に追い込まれる。

その影響で体重を落としきれなかったチャンピオンは、計量会場近くのサウナで最後の1キロを落とし、クリア後もその表情からは安堵と疲れが感じられた。

そんな神田に対し、Black Combatの撮影チームは容赦なくインタビューを始め「フェザー級王者が神田選手との対戦を求めています。どう思いますか」等と明日の防衛戦もお構いなしの質問をする。これには神田に帯同していたパラエストラ千葉ネット代表もラストウィークに入った鶴屋浩代表も苦笑いを浮かべるしかなかった。

そのBlack Combatのブラック代表の姿も計量会場で見られたが、氏は2週間後のDEEP JEWELSにも来日するとのこと。中国のWLFとの対抗戦の計画も進むBlack Combatの次回大会は4月20日に予定されており、ブラック代表によるとDEEPから4人の日本人選手を招聘する予定だという。

イ・ソンハの持つDEEPライト級王座に挑む江藤公洋は、本計量では50グラム・オーバーだったが、最計量では200グラムも落とし余裕でクリア。江藤が所属するHEARTSからは木下カラテ、魚井フルスイングも今大会に出場しており、計量会場にも出場選手だけで現れ、魚井がかいがいしく江藤のサポートをしていた。

またメディアよりも撮影に懸命なパラエストラ八王子の塩田歩代表に4月29日のRIZINフェザー級選手権試合に関してコメントを求めると──。「もう独立していますけど、金ちゃん(金原正徳)と今指導している千裕(鈴木千裕)君があの舞台でベルトを賭けて戦うというのは、本当に嬉しいです。ただ僕はもう100パーセント、千裕君のサポートですから」と言葉が聞かれた。

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP118計量結果

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス:108.5キロ
[暫定王者]酒井リョウ:106.9キロ

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ:65.7キロ
[挑戦者]青井人:64.7キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ:70.3キロ
[挑戦者]江藤公洋:70.35キロ→70.15キロ

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌:61.5キロ
雅駿介:61.7キロ

<フェザー級/5分2R>
五明宏人:66.2キロ
木下カラテ:66.1キロ

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生:70.55キロ
倉本大悟:70.8キロ

<バンタム級/5分2R>
平松翔:61.65キロ
魚井フルスイング:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.6キロ
小崎連:61.55キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空:66.05キロ
菅涼星:66.15キロ

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【DEEP118】バンタム級進出の福田龍彌─02─「雅選手は努力家。だから僕は試合を楽しむことができる」

【写真】プロフェッショナルファイターとして、MMAを戦う職人としての福田の言葉から気づかされることは多い(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118にて、雅駿介と対戦する福田龍彌がインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

福田は1月の平良達郎との練習で「殴り合いの強さ」を再確認したという。殴り合いの強さを生み出す理由の一つは、福田の練習への取り組み方にある。その最たるものがボクシンググローブとMMAグローブの違いだ。バンタム級の戦いでも、殴り合いの強さを発揮できるか。雅のムエタイMMAとの邂逅で、そうした技術ポイントにも注目してほしい。

<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>


――殴り合いといっても、福田選手の場合はパンチをブンブン振り回しているわけではないですよね。振り回す相手に対して、カウンターでインサイドから急所を突くことができる。

「そういう能力がある、とは自分でもそう思っています。みんながガムシャラに打ち合っちゃうときに、ちゃんと相手の動きを最後まで見ることができるというか」

――しかも、そんななかで正確に自分のナックルを当てきることができる。たとえば2月18日のパンクラス大阪大会では、メインとコメインは正確な左ジャブの積み重ねがフィニッシュに結びつきました。

「あぁ、なるほど。まさに基本どおりで」

――はい。UFCを見ると、その正確性は究極的に高まりますよね。試合写真も左ジャブがまっすぐ伸び、ナックルが相手の鼻突を捉えているものばかりで。国内のファイターの中で福田選手は、右ジャブも左ストレートもその正確性が飛び抜けていると思います。

「そうですね。やっぱりパンチについては――僕、ボクシンググローブを着けて練習することが、ほとんどないんですよ。ボクシンググローブでスパーするのは止めました。ボクサーやキックボクサーの人と、ボクシンググローブをつけてマススパーをやることはありますよ。でもガチで倒し合うスパーはやらないです。しっかり当てる練習をする時ほど、MMAグローブでやらな意味ないと思っているんで」

――ボクシンググローブを使わなくなったのは、いつ頃からでしょうか。

「3年前ぐらいじゃないですかね。そもそもパンチの練習って、そんなにスパーは必要ない。MMAファイターはスパーリングをしすぎやと思っています。ボクシンググローブの練習に時間を割きすぎても良くない。確かにそのバランスは難しいところではありますけど、ちゃんと考えて練習しているファイターもいるから。MMAグローブでフォームや当てる時のインパクトの練習をするほうが大事じゃないですか。本来、MMAってジムに持って行く練習用具が少ないはずなんですよ」

――というと?

「持って行くのはMMAグローブ、マウスピース、あとファウルカップぐらいじゃないですか」

――レガースは持って行かないのですか。

「僕はレガースを着けないです。レガースを着けていると、組まれた時の足の抜き方も違ってきますからね。スパーリングで相手に生のスネで蹴られても文句は言わないし、僕も生スネで蹴ります。パンチと同じように蹴りでも思いっきりやらないというか、練習に威力は必要ないと思うんですよ。どちらかといえばフォームやタイミング、距離感、角度のほうが大事で。スパーでそれらを掴むことができていたら問題ないです」

――柔道やレスリングなど組み技競技は乱取り稽古がある影響で、MMAでもいわゆるガチスパーが多くなっているのでしょうか。ジムの指導方針にもよりますが、ボクシングやキックボクシングの場合は練習の中でガチスパーの割合は高くないですよね。

「もちろんガチスパーも大切ではありますよ。でもその割合をMMAに適用するのはどうかな、って思います。ファイターのタイプにもよるけど。組技でも乱取りだけでなく打ち込みがあって、スパーリングばかりしているわけじゃない。でもMMAはスパーが多くなるという面はあって」

――福田選手がタイにいた頃のムエタイジムはどうでしたか。

「スパーはやりますよ。でもスパーの中で、騙し合いみたいなものをメインにしていました。ガツガツと倒し合うスパーは週2回ぐらいったかなぁ。もうだいぶ昔の話ですけど。タイの場合は特にトレーナーさんがミットを持ってくれる量がハンパないから。トレーナーさんがミットで受けながら、しっかりと打ち返してくれるじゃないですか。ミット打ちの中にスパーに近い要素がありますよね。僕とウエタユウ(MIBURO代表)さんのミットも、そんな感じで。自分のファイトスタイルが固まっている選手であれば、実戦に沿ってそのスタイルの質を上げるための練習をするべきやなって思います」

――国内でいえば、リオン武選手はMMAグローブでナックルの当て方が最も巧いファイターの一人だと思います。これは10年前に取材で訊いたことではありますが、リオン選手もボクシンググローブで練習したことはなかったそうです。そして、拳を骨折したこともないという。

「リオン選手は巧いですよねぇ。ボクシンググローブを使わないのも、よく分かります。何が一番違うかといえば、ボクシンググローブってしっかりと握りこまないんですよ。というか、握り込めない。特に親指が浮いた状態になって――その感覚やとMMAグローブでは、しっかり殴れないです。あと骨折も自分は一度ぐらいで、それ以外は怪我をしたことがなくて。

サンドバッグもMMAグローブでやったほうが良いですよ。ボクシンググローブでやると、どうしても腕の振りだけで強く当てようとしますから。すると『バーン!』という表面的な音だけで、みんな酔いしれてしまう。その打ち方では、頭やヒジとか堅い箇所に当たると拳が折れてしまうんです。正確にナックルを当てる感覚も、微妙な拳の握り具合の感覚も身に着かない。僕のことを理解して、大切にしてくれている人にはOFGの練習を推奨していますね。……今日、こういう話で良いんですか?」

――そうした練習の取り組み方こそが、プロフェッショナルファイターの証ではないでしょうか。以前のインタビューで福田選手が仰っていた、「料理している姿を見ていているだけでも面白い」という料理人さんの姿と同じで。

「なるほど。その所作が重要ですよね。ブンブン振り回してKOしているところを切り抜いただけでは、『オレも勢いだけで行けるんちゃう?』と勘違いされてしまう。僕は試合で『福田のテクニックって凄いなぁ』と思ってもらえるようなものを提供したいです。それがプロフェッショナルやし、プロとしてこだわる部分じゃないですかね」

――なるほど。貴重なお話をありがとうございます。そこで次の試合に関してですが、最初のオファーからバンタム級で雅選手と対戦というお話だったのですか。

「最初は1月のBlack Combatが終わるまで分からへん、って感じでした。もちろん雅選手との試合という案も最初からあったでしょうし、たぶんユ・スヨンの試合がどうなるかによって変わるのかなと思っていて」

――今回の試合で重要なポイントは、対戦相手が雅選手であることはもちろん、福田選手がバンタム級で戦うという点だと思います。

「現状、神龍君とのフライ級王座統一戦はないでしょうからね。GPが終わって、フライ級で戦いたい相手もおらへんし。それと最初の話にもあったように、やっぱりカザフスタンの試合からダメージが残っていて。ここでフライ級まで落とすために労力を使うのも違うのかなと思ったんですよ。

僕も30歳を過ぎて、フライ級まで落とした翌日にベストコンディションで試合できるかどうかは――正直言って自信はないです。カザフスタンの経験も生かしたうえで、多少は体格が小さくてもバンタム級で試合をしようと決めました。

もしかしたらバンタム級では組んでグシャグシャにされるかもしれないし、『やっぱりフィジカル差があるよね』と言われるかもしれない。でも僕にとってのMMAは、そういうものだけじゃないと思っているので」

――実際に試合をしてみないと分かりませんが、グシャグシャにされるかどうかは当日のコンディションに依るところも大きいのではないですか。先ほど福田選手ご自身が言われたとおり、フライ級まで落とした翌日のコンディションと、バンタム級で臨む当日のコンディションも違うでしょう。

「ぶっちゃけフライ級の時は、翌日までにコンディションを戻せる自信はなかったです。GP決勝戦はコンディションも最悪で……。体の中で何かが固まっている感覚があったんですよ。呼吸も浅くなっていたりとか。計量後にそれほど食べたり飲み物を摂取していたわけでもないのに。

そこまでの減量をしてまで、フライ級にこだわる気持ちはなかったです。僕はもう名声やタイトルは求めていないわけですよ。とにかく戦うことを生業として、戦いを楽しみたい。でもフライ級で続けると、戦いを楽しむことができないと思って」

――……。

「決してバンタム級をナメているわけじゃないです。バンタム級だと相手の体も大きくて、強い選手も多い。そっちのほうがヒリヒリした試合ができるんじゃないかと思っています。次の対戦相手の雅選手なんて、特に最近は良い勝ち方をしているじゃないですか」

――雅選手もムエタイを生かした自分のMMAスタイルが固まってきて、一気に勝ち星が増えてきたと思います。

「そうそう。ナックモエとかじゃなくて、完全なMMAファイターになっている。レスリングもしっかりしているじゃないですか。最近は首相撲よりレスリング技術のほうが印象に残っていますね。MMAを始めて、本当に一つひとつ積み上げてきたんやなって思います。雅選手は、そういう努力家の面が試合で見えるファイターで。だから僕としては純粋に試合を楽しむことができると思いますよ。雅戦は良いセッションにしたいです」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ 対戦カード

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス(グアム)
[暫定王者]酒井リョウ(日本)

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ(日本)
[挑戦者]青井人(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ(韓国)
[挑戦者]江藤公洋(日本)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
雅駿介(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生(日本)
倉本大悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
平松翔(日本)
魚井フルスイング(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
小崎連(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空(日本)
菅涼星(日本)

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DEEP DEEP116 MMA MMAPLANET o 力也 谷岡祐樹

【DEEP116】力也がテイクダウンできずも谷岡をパンチで仕留める「作戦とは違うけど俺らしい勝ち方」

【写真】力也がチャンスを見逃さなかった(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
1R1分20秒 by TKO
谷岡祐樹(日本)

サウスポーの力也が、開始早々シングルレッグで飛び込んだ。谷岡に尻もちを着かせたものの、すぐに立ち上がられてしまう。スタンドに戻ると、谷岡が距離を詰めていく。力也にケージを背負わせた谷岡が、右ストレートを当てた。しかし力也の左ストレート、右フックを受けた谷岡の動きが止まる。

組んだ力也が谷岡の首を抑えてローリングし、首を抜いて起き上がる谷岡に右フックを浴びせる。さらに、ふらつきながら立ち上がった谷岡に連打を浴びせてレフェリーストップを呼び込んだ。

TKO勝利を収めた力也は「作戦とは違ったけど、俺らしい勝ち方ができて良かったと思います」と勝利の喜びを語った。


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