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【DEEP SF2024】5年5カ月振りの復帰戦、長谷川賢「体的にはすげえ辛いです。でもむちゃくちゃ楽しい」

【写真】凄まじい経験をして、今、ここにいる長谷川賢 (C)TAKUMI NAKAMURA

31日(土)に東京都江東区の青海R区画野外特設ステージで開催(※※雨天の場合は9月1日(日)に順延)されるDEEPサマーフェスティバル2024inお台場にて、長谷川賢がSAINTと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

イベント・タイトルにあるようにメインはジャレッド・キャノニアー×カイオ・ボハーリョが組まれた。通算戦績16勝1敗、2021年にコンテンダーシリーズからUFCに昇格したボハーリョは、オクタゴンでも8連勝中だ。そのボハーリョ、実はLFAブラジル大会でコメンテーターを務めており、英語で同朋のファイターたちの試合の模様を解説している。

2019年3月のONE日本大会でのオンラ・ンサン戦を最後に5年以上、試合から遠ざかることになっていた長谷川。ンサン戦は試合中の負傷に緊急手術を余儀なくされ、2022年に決まった復帰戦も腰の負傷によるキャンセルせざるをえなかった。

この間はPROGRESS実行委員会を率い、Gladiator、DEEP、BLOOM FCらの大会で外国人招聘のサポートをするなど、大会を運営する裏方として活動を続けていたが、ONE参戦前のホームリング=DEEPにて復帰戦を迎えることになった。怪我から復帰戦が決まるまでの道のり、試合以外での活動を通して感じたことなど、長谷川が格闘技に携わる一人として今の自分について語った。


家から2~3分のところにあるコンビニに松葉杖をついて20分かけて行った

――約5年5カ月ぶりの試合復帰が決まりました。最近では大会運営など裏方で活躍することが多かった長谷川選手ですが、試合したいという気持ちはずっとあったのですか。

「ありましたね。ただその気持ちを抑え込んでいたというか。試合するまでにクリアしなきゃいけないことが多かったんですよね」

――2019年3月のONE日本大会でのンサン戦を最後に試合から遠ざかる形でしたが、契約そのものはどういう状況だったのですか。

「ONEの方からは特に連絡がなくて、一度マネジメントを通して確認した時はまだ契約は切れてないという感じの返事だったんです。だからもし復帰戦をやるならONEという状況で、中途半端なまま復活は出来ないと思っていました。僕自身、ンサン戦以降はセミリタイア状態だったし、トレーニングキャンプに入る時間もなければ、キャンプそのものに耐えられる体も作れていない。

正直もう一度、ONEのあのレベル・強度で試合をする状況は整えることは出来ていなかったです。その一方でONEと契約がどうなっているかの話は進んでいなくて、改めてONEに契約の確認をしたら契約が切れたということで、それで復帰する舞台の選択肢が広がった感じですね」

――では身体と契約の状況もあって、なかなか復帰戦を明確に考えることができなかった、と。

「はい。ンサン戦後の手術もあって、最初の2年間は試合が出来なくて、2022年2月に復帰戦が決まったんですけど、その試合を腰の怪我で飛ばしちゃったんですよね。その怪我もかなり重症で1年くらいまともに動けなかったんです」

――長期欠場の理由はンサン戦の怪我だけではなかったんですね。腰の怪我は日常生活にも影響があるレベルだったのですか。

「はい。腰とケツが常に張っていて激痛が走るから、まっすぐに立っていられないんですよ。ずっと体が右に傾いていて、前屈もできない。トイレに行くのにもものすごく時間がかかったり、家から2~3分のところにあるコンビニに松葉杖をついて20分かけて行ったり、1日5個にしてくださいと言われていた座薬を10個使ったり………とにかく生きていて辛かったです」

――結局どこの負傷だったのですか。

「医者からはヘルニアと梨状筋の(怪我)と言われていました。とにかく色んな治療にチャレンジして少しずつ少しずつ良くなって、最終的にはPRP注射で回復した感じです」

北米に挑戦したり、上を目指すルートを創りたいと思って活動していますが、意外とそういう考えの選手は少ない(苦笑)

――そういったこともあって現役を続けるよりも、運営側にに回っていこうという考えになっていったのですか。

「試合はしたいけどできない。だからそういう(運営側に回る)タイミングなんだなと思いましたね。僕は選手の待遇面を変えたいというか、イベントの手伝い、色んな選手にチャンスを与えることをやっていこうと思いました」

――具体的にはどういった活動をされているのですか。

「主に外国人選手の招聘を手伝っています。僕としては日本にいながら外国人選手と試合をする機会を作って、そこから北米に挑戦したり、上を目指すルートを創りたいと思って活動しています。そういう道を目指す選手にどんどん出てきて欲しいのですが、意外とそういう考えの選手は少ないというのが現状です(苦笑)」

――今の日本のMMAは外国人選手と試合をする機会が少ないですよね。

「今は外国人選手と戦うというハードルそのものが高いですよね。例えばずっと日本人相手に戦っていた選手がRIZINに出るチャンスを掴んで、そこでいきなり強豪外国人選手と試合が組まれたら相当キツくないですか? 今の日本のMMAは戦う舞台・相手のレベルが一気に変わってしまうというか、僕もプロで13戦してRIZINでブレナン・ワードとやったんですけど、全くパンチが見えなかったんです。

それまで3試合ぐらい経験した外国人選手と、ブレナンは明らかにレベルが違いました。そこで初めて打撃をちゃんと教わろうと思うようになったのですが、もしDEEPで試合をしている時にそういう相手とやれていたら、もっと早い段階で打撃を強化しようと思ったと思うんですよね。だから僕は(日本人と)同じレベルか少しチャレンジするレベルの外国人選手……フィジカルがあって得意な部分と穴を併せ持っているようなアジアの選手を招聘して、大舞台や世界を目指す選手に経験を積んでもらいたいと思っています」

――そういう意味では長谷川選手が携わっているGladiatorから河名マスト選手がRoad to UFCに出場したことは、それまでやってきたことの成果ですよね。

「そうですね。自分のことじゃないのに自分のことのようにうれしかったです(笑)」

佐伯さんからは「お前、ONEと契約切れたらしいな。早く言えよ!」と

――その中でDEEPで復帰戦が決まるわけですが、これは長谷川選手の方から手をあげたのか、佐伯繁代表から声がかかったのか。どういった流れで決まったのですか。

「ずっと周りの人は僕に試合をさせたがっていて(ONEの)契約切れが分かったその日に佐伯さんから電話がかかってきたんですよ。しかもマネージャーから契約切れの連絡があった30分後くらいに。誰から聞いたのか分からないですけど(笑)」

――まさに速攻ですね(笑)。

「佐伯さんからは『お前、ONEと契約切れたらしいな。早く言えよ!』と言われて『僕もそれを知ったのが30分前なんですけど…』みたいなやりとりをして(笑)。それで8月に野外イベントをやるんだけど出てみないかと打診されて、ドラゴンボールの天下一武道会みたいで楽しそうだなと思って決めました」

――話をまとめるとONEの契約切れが分かって、すぐに復帰戦が決まったんですね。

「はい。最初の電話で佐伯さんから『明日、事務所に来て』と言われて、次の日にはイベントの詳細と『対戦相手はSAINTでどう?』と言われて。相手のことはよく分からなかったんで『誰でもいいですよ』と言ったら、目の前で佐伯さんがSAINT選手サイドに連絡を入れて、2~3分後にOKの返事が来たんです。だからONEと契約切れが分かって、24時間経たないくらいで復帰戦が決まっていました(笑)」

――まさに怒濤の1日でしたね(笑)。練習自体は動ける範囲で続けていたのですか。

「ちょいちょいやってたんですけど、趣味レベルですね。体を動かして気持ちいい感じでやる練習みたいな。だから今試合に向けて追い込んでいて、体的にはすげえ辛いです。でもむちゃくちゃ楽しいんですよ」

――厳しい練習すら楽しめていますか。

「はい。周りからも最近顔が変わったよって言われるんです。そのくらい格闘技を楽しめていますね。なんでこんなに楽しいんだろう……あんなに辛いのに。だからバカなんですよ。最高のバカです(笑)」

――怪我を含めて本当に大変な時期を過ごしたと思うのですが、それでも戦いたいと思ったということは、何かしらまだ試合に対して気持ちが残っていたということですか。

「ンサン戦のあの内容じゃ終われないですよね。僕の中では中途半端な形で終わっちゃったんで」

――ンサン戦は試合中にンサンのミドルキックで横隔膜が切れて出血し、最後はンサンの右フックからのパウンドでTKO負けという結果でした。試合後には緊急手術も受けるなど壮絶な試合でしたが、あの試合は結果や内容に対して悔い、やり残しがあったのでしょうか。

「あの試合はやり残したことがあるというか、やり切れなかった、出し切れなかったんですよね、自分を。まあ試合中にアバラが折れて力が入らないから、そりゃそうだよなとは思いますけど」

――実際にあの時は試合中どういう状況だったんですか。

「僕の左ストレートにンサンの右ミドルがカウンターでもろに入る場面があったんですけど、おそらくそれだと思います。ミドルの衝撃が明らかに変だったんで。なんて言うんだろう。とにかく痛いんですよ。固いものと固いものがぶつかって、こっちの固いものが負けた感じというか。とにかく普通じゃない痛みだったので、何かしらのトラブルがあったことはすぐ分かりました」

「このまま朝まで出血が続いたらどうなると思う? 朝になったら死んでるよ」と言われちゃって(苦笑)

――今まで格闘技をやっていて感じる痛みではなかったですか。

「いや、そういう痛みは何回か経験しています。眼窩底骨折で試合が終わった時とか、前十字(靭帯)を切った時とか。その時と同じくらいの痛みだったので、試合後はただで済んでないだろうなとは思いました。でも試合中そんなことは頭の片隅にしかないじゃないですか。とにかく勝つことだけを考えて、この状況でどう勝とうかを考えてましたね」

――ただ身体は言うことを効かなったと。

「はい。とにかく痛くて体を回せないし、ガードを下げたら顔をやられるからガードは下げられない。それでもう正面突破するしかないと思って行ったら、案の定ンサンに右を打ち抜かれました」

――試合後はすぐに病院に搬送されたのですか。

「試合直後にドクターに『アバラがやばいです』と伝えたら『折れているだけだから、明日病院に行ってください』と言われたんですよ。でも控室に戻ってから明らかに痛みがおかしいんです」

――それは周りも気づいていたのですか。

「いや、周りは気づいてなかったです。ただ僕は過去にアバラを折ったことがあるし、その時とは痛みの度合いが違ったんで『絶対におかしいから、今すぐ病院に行かせてくれ』と頼んで病院に搬送してもらいました。ただそこがあまり大きくない病院だったこともあって(アバラは)折れてないという診断だったから『嘘でしょ?』と思って、絶対折れてるからCTスキャンを取ってくれてとお願いしました。

それでCTを見たらアバラが折れていることが分かって、しかも肺の横に血が溜まっていると。それですぐ大学病院に連れていかれました。この時は本当に意識がなくなりそうになっていて、緊急搬送の隊員さんが来てくれたときには椅子にも座っていられなくて、地面に寝転がっていたんです。そこから段々気持ち悪くなってきて、血圧も3分前は130ぐらいあったのが、一気に82くらいまで下がっちゃって。正直、その3分くらいの間に『俺、このまま死ぬな』と思いましたよ」

――そうだったのですね……。

「大学病院に運ばれて点滴を入れてもらったら少し回復して。それで麻酔を打ってもらって、溜まっている血を抜くわけですけど、僕は筋繊維と脂肪繊維が分厚いから血を抜くための針が簡単には通らないと。アバラとアバラの間に針を刺すんですけど、それがもうあまりにも痛すぎて。痛みで失神寸前でした」

――しかも出血量そのものが2リットルですよね。

「抜かれた血は容器に入れられてベッドの下に置いてあったんですけど、2リットルって一番デカいペットボトルくらいの量じゃないですか。それを見たときに自分でもひきましたね。しかも血を抜いて終わりじゃなくて、そこから傷口をふさぐための手術が必要だと言われて。でもあまりに体がしんどいから『血を抜いて終わりじゃないんですか?』と言って抵抗したんですけど『このまま朝まで出血が続いたらどうなると思う? 朝になったら死んでるよ』と言われちゃって(苦笑)。

傷の場所によっては胸を開いて手術しなきゃいけないと言われて、それは本当に嫌だったんですけど、命と引き換えにはできないじゃないですか。そうしたら不幸中の幸いで、胸は開かずに内視鏡による手術で済みました」

――もし最初のドクターの診断に従って翌日病院に行こうと思っていたら、と思うとぞっとしますね。

「今ここにはいなかったと思います。あとでこのことを知り合いのドクターに話したら、むちゃくちゃ怒っていましたね。どういうことだ!?って」

選手にいい想いをしてもらいたいと言っている人間が下手な試合はできない

――そういった経験をしたからこそ、悔いなく格闘技をやりたいとか、選手に対して少しでもいい思いをさせてあげたいとか、そういった考えを持つようになったのでしょうか。

「そうですね。選手としては試合中の怪我で自分を出し切れなかったという悔いが残っていたし、裏方としてはみんながみんな恵まれた条件・環境で試合が出来るものではないから、何かを変えなきゃいけない。自分が出来ることをやりたいと思うようになりましたね」

――今回はファイターとしてリングに立つわけですが、自分の試合を通してどんなものを見せたいですか。

「きっと僕のような経験をした選手は少ないと思うんですよね。で、復帰が決まってから逆に恐怖心がなくなったというか、練習でも前よりも怖くなくなったというか、気にしなくなりました。それが試合になった時にどうなるのかは自分でも分かりません。あとは試合には関係ないことかもしれませんが、選手にいい想いをしてもらいたいと言っている人間が下手な試合はできなくない?とは思っています」

――そういった意味では今までの試合とは責任感も変わりましたか。

「昔とはちょっと違うかなと思っています。正直、自分がどれだけ強くなってるか?というのはないんですよね。もし5年前の僕だったら、SAINT選手は問題ない相手だったと思います。でも今回は自分の弱さと向き合いたいというか、試合では怖さをなくして戦いたいです。練習では怖くないようになっているから、いざ試合の時にどうなっているのかですよね。

技術的にはなぜか上がっているところもあって。打撃に関しては技術的に良くなっている。結構人を倒す感覚を掴んでるんですよ。コツン!とやれば、こうやって倒れるんだみたいな。練習では相手にちょっと嫌な顔をされることが多くなりました」

――今の長谷川選手だからこそ見せられる試合があると思うので、それを楽しみにしています。

「ンサン戦で悲しい想いや落胆させた人たちがいたり、もっと頑張ればいいじゃんと言ってくれた人たちもいます。怪我で試合が空きましたけど、前回悲しませた人たちに復活したんだぞという姿を見せたいですね」

■DEEP Summer Festibal in Odaiba視聴方法(予定)
8月31日(土)
午後5時50分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■ DEEP SFIO対戦カード

<メガトン級/5分3R>
長谷川賢(日本)
SAINT(米国)

<フェザー級/5分3R>
西谷大成(日本)
海飛(日本)

<バンタム級/5分3R>
窪田泰斗(日本)
日比野”エビ中”純也(日本)

<バンタム級/5分2R>
大岩翔哉(日本)
Akiyoshi(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
安井飛馬(日本)

<バンタム級/5分2R>
朝比奈龍希(日本)
漆間將生(日本)

<54キロ契約/5分2R>
坂本瑠華(日本)
月井隼南(日本)

<バンタム級/5分2R>
八須拳太郎(日本)
みやび(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
琥(日本)
近藤大真(日本)

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【DEEP SF2024】後世に語り継がれる? 過酷な真夏のお台場、屋外大会開催!! &長谷川賢が5年ぶりの復帰戦

【写真】この対戦CGは、盛る方でなく削る方で詐欺(笑)。右が現状の長谷川、彼のたってのリクエストでDEEPミドル級で戦っていた当時の写真が使用されたそうだ(C)DEEP & MMAPLANET

12日(水)、DEEPより8月31日(土)に東京都港区のお台場青梅R区画野外ステージで開催される「DEEP Summer Festival 2024 in Odaiba」に長谷川賢が出場し、SAINTと対戦することが発表されている。

真夏のお台場、屋外マッチ。ラウンドガールオーディションや格闘技関係者による歌合戦(万智の出場が内定している!!)共に、同イベントでは8試合のMMAマッチが組まれるという。

そのうちの1試合となるメガトン級3回戦で、長谷川が2019年3月以来、実に5年5カ月振りの実戦復帰を果たす。


オンラ・ンサンとのONE世界ミドル級タイトル戦2連戦の激闘。東京での再戦はミドルキックで折れた肋骨が肺に突き刺さり、数リットルの血が肺に溜まるなど、長谷川が文字通り死線を彷徨っこともある。

2022年2月のONE復帰戦は腰の古傷が悪化し欠場となり、それ以降は実戦の舞台に立つことなかった。この間、PROGRESS実行委員会を創設しMMAとグラップリングの溝を埋めてJ-MMAの強化に動き出し、THE 1 TVという動画サイトをスタートさせると──どこに届けたいのかというスーパーマニアックな動画を発信。さらにはGladiatorのタレントリレーション代表に就任しフィリピン、モンゴル、韓国勢を発掘の招聘をサポートするとLFAとパートナーシップを成立させるなど、裏方として活動してきた。

同時に93キロのONEミドル級で戦っていた長谷川の体は、みるみる大きくなり──現在は推定120 キロを超えるという話も。先日は電車のなかに〇百万が入ったカバンを忘れるという信じ難い投稿をSNSに行っていた長谷川は、MMAファイターとして果たしてどのようなパフォーマンスを魅せることができるのか。

「そこは練習を一番に、やるべきことをやり勝ちます」と言い切っているが、ヒザや腰の負担を考えるとまずはMMAの動きをして、体を搾ることが第一となってくるであろう。

動画でイタンビューイからインタビューアーに回っていた長谷川に対して、SAINTがコンディションで上回るのは絶対だ。いずれにせよ、そのような内的要因ばかりか、予測不能の外的要因が同イベントでは起こることが予想される。

雨が降れば翌日に順延──そうなった場合はメガトン以外の出場選手の体重はいかに設定されるのか──。3カ月予報では「平年と同様に晴れの日が多いでしょう」という真夏の屋外大会。ちなみに昨年8月31日は観測史上初となる8月に全日で真夏日となり、東京都心は34.1度を記録し猛暑日一歩手前だった。試合開始は午後6時、会場には潮風が吹くこともあろうが、過酷な状況での戦いになることは間違いない。

その点、長谷川は2018年6月のミャンマーでのンサン戦で、空調設備の無いソールドアウトの体育館でTVライティングに晒され、40度はあろうかというケージの中を経験している。もちろん、その経験が今の動きに役立つことはないだろうが、過酷さを低く見積もることがないだろう。

長谷川×SAINTのメガトン戦以外でも3回戦を戦うフェザー級の西谷大成×海飛。2回戦ではバンナム級の窪田泰斗×日比野”エビ中”純也と朝比奈龍希×漆間將生、八須拳太郎×みやび。フェザー級では劉獅×安井飛馬というマッチアップが決まっているが、彼らは後世に語り継がれる環境下でMMAを戦うことになるかもしれない。

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【DEEP Tokyo & Osaka Impact2024#01】大阪インパクトと東京インパクトのカードが続々と決定

【写真】松田は西で。前薗は東で(C)MATSUNAO KOMATSU & SHOJIRO KAMEIKE

1月29日(月)、DEEPより3月17日(日)に大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#01の対戦カードが発表されている。
Text by Manabu Takashima

そしてDEEP JEWELSストロー級チャンピオン松田亜莉紗が、チャンピオンとして初めての試合をノンタイトルの3回戦&初の国際戦として臨むことが決まった。


対戦相手はマドンナ・ザ・ロケット。アムを筆頭にタイのザ・ロケット集団はゲオチャイ、アンドレ、ダイヤモンドローズ、ノーパン、プリンセスらがDEEPで戦っているが、そのアム以外は白星がない。前例からいえばマドンナも、苦戦は必至というところか。半面、チャンピオンとはいえキャリアは2年の松田は試合毎に穴が見つかる肯定にあるため、思わぬ落とし穴があるかもしれない。

とはいえ組んでからのパンチ=ダーティーボクシングとパウンドの強烈さは、松田がグラップリングの基礎をしっかりと叩きこまれているからこその強味だ。マドンナ・ザ・ロケット──佐伯繁代表によると「ロケット軍で一番の美女」──がそこに対応できるようだと、今後のDEEP JEWLESタイ勢の核となるルーキーが現れたことになる。

この他、女子では2回戦で栗山葵がMANAと対戦する59キロ契約マッチやアマを含め7試合が決まっている。一方、男子のカードは3回戦で三村亘✖劉獅のフェザー級、2回戦では鈴木琢仁✖角野晃平のウェルター級など11試合、計18試合のラインナップとなっている。

アマ時代に平本丈にKO勝ちを収めている飴山聖也が、井上暉也を相手に3度目の正直でプロ初勝利となるか。西の実力者=瀧口脩生が、ロケット軍団に負けじと増殖中のグラップリングシュートボクサーズジム軍団からRIZIN帰りの銀グラップリングシュートボクサーズジムを迎え撃つ一戦も注目だ。

また3月24日のDEEP TOKYO IMPANCT2024#01の対戦カードも──杉山廣平✖風我のトップ返り咲きを目指すフライ級永遠に続くサバイバル3回戦を筆頭に、10試合が1月27日(土)に明らかとなっている。

気になるのは元パンクラシストで、KROSS X OVERでMMAとキックの二冠王となったハルク大城の初出場だ。2018年3月に瀧澤謙太に敗れ、MMAから距離を置いていた大城はキック、ムエタイ、シュートボクシングと立ち技に専念していたが、昨年6月にMMAに戻ってくると11月にKROSS X OVERのバンタム級のベルトを巻いている。山本有人戦の勝敗もちろん、パフォーマンス次第でトップ戦線返り咲きが見えてくる──そんなハルクのDEEP初陣となる。

初参戦でいえばバンタム級で山口コウタと対戦する、漆間將生も気になる存在といえよう。格闘DREAMERS出演から、パンクラスでは3勝4敗と思うような結果を残すことができなかった漆間が、DEEPで同じような状況にある山口とのマッチアップ。戦場を変える、外敵を迎え撃つ──という状況は、キャリアのアクセントとなる戦いだけに、現状を打破するために両者とも落とせない一戦となろう。

また大阪大会で5連勝中の前薗渓が、待望の東京での初試合を迎える。柔道とグレコローマンレスリングで培った組みの強さが、関東初お目見えとなる。が、対戦相手のアシルベックは今話題の中央アジア=ウズベキスタン人ファイターだけに、前薗の最大の長所が潰される可能性もあるタフなマッチメイクといえるだろう。

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AB DEEP K-1 MMA o ONE PFL PRIDE RIZIN Road to UFC TOP BRIGHTS UFC   キム・ハンスル 劉獅 朝倉未来 松嶋こよみ

1.21『TOP BRIGHTS.1』で、松嶋こよみ vs. カルシャガ・ダウトベック、グレイソン・チバウ vs. キム・ハンスルが決定

EASY FIGHT



 1月21日に群馬県太田市のオープンハウス太田で開催する『TOP BRIGHTS.1』の第1弾対戦カードが発表されています。

Gleison Tibau(Sherdog)

Han Seul Kim(Sherdog)

 元UFCファイターのグレイソン・チバウも現在40歳。最近はPFLやロシアのRCCで試合をしていますが4連敗中です。キム・ハンスルは5月の『ROAD TO UFC』シーズン2でタイイーラクエ・ヌエアジに2R KO負けして以来の試合。


Koyomi Matsushima(Sherdog)

Karshyga Dautbek(Sherdog)

 松嶋こよみは7月の『DEEP 114 IMPACT』で劉獅に1R TKO勝ちして以来の試合。カルシャガ・ダウトベックは現在29歳(試合時は30歳)のカザフスタン人でMMA戦績13勝3敗。9月の『Alash Pride 89』でディエゴ・ブランダンに1R KO勝ちして以来の試合で5連勝中。2018年9月の『RIZIN.13』で朝倉未来に判定負けしたことでも知られています。

11/22(水)TOPBRIGHTS.1対戦カード(詳細情報)(TOP BRIGHTS)

 他にも育成枠10試合、キッズ・ユース3試合が発表されています。10時30分開始予定なので長丁場になりそうです。


 チケット価格は以上の通り。最高価格50万円は一瞬驚きましたが、「定員70名」の席です。続きを読む・・・
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DEEP DEEP Tokyo Impact DJ.taiki MMA o ONE TATSUMI   パンクラス 上田直毅 五明宏人 劉獅 山口コウタ 梶本保希

『DEEP TOKYO IMPACT 2023 5th ROUND』試合結果

SAS・特殊部隊式 図解徒手格闘術ハンドブック:護身術テクニック501


▼第14試合 メインイベント DEEP バンタム級 5分3R
〇DJ.taiki(パンクラスイズム横浜)61.55kg
[判定3-0] ※30-27×29-28×2
×上田直毅(パラエストラ東京/インプルーブ株式会社) 61.55kg

▼第13試合 セミファイナル DEEP フェザー級 5分2R
〇五明宏人(トラフォース赤坂)66.3kg
[1R 4分59秒 TKO] ※左ストレート→パウンド
×劉獅(KIBA マーシャルアーツクラブ)66.2kg

▼第12試合 DEEP フェザー級 5分2R
〇ユータ&ロック(秋本道場 jungle junction)66.15kg
[判定3-0] ※20-18×3
×TATSUMI(ネックス)66.2kg

▼第11試合 DEEP フェザー級 5分2R
〇木下カラテ(和術慧舟會 HEARTS) 66.05kg
[1R 1分30秒 TKO] ※パウンド
×梶本保希(パラエストラ八王子)66.1kg

▼第10試合 DEEP ライト級 5分2R
〇岩倉優輝(NICE BAD GYM)70.7kg
[1R 3分59秒 TKO] ※パウンド
×後藤 亮(TRIBE TOKYO MMA)70.7kg

▼第9試合 DEEP ライト級 5分2R
〇山本颯志(トラフォース赤坂)70.8kg
[判定3-0] ※20-18×3
×前田啓伍(Tristar Gym)70.15kg

▼第8試合 DEEP 68kg以下 3分2R アマチュア SPルール
〇信原空(トライフォース赤坂) 67.8kg
[1R 0分12秒 KO]
×Mr.サタン(フリー)67.2kg

▼第7試合 DEEP フライ級 5分2R
×根本元太(パラエストラ柏)57.1kg
[判定0-3] ※18-20×2, 19-19マスト坂本
〇坂本 岳(フリー)57.15kg

▼第6試合 DEEP フェザー級 5分2R
〇相本宗耀(ROOM)65.9kg
[2R 3分25秒 TKO]
×森 俊樹(MYD)66.2kg

▼第5試合 DEEP バンタム級 5分2R
×山口コウタ(パラエストラ八王子)61.55kg
[1R 2分45秒 ギロチンチョーク]
〇清太郎(K-clann)61.25kg

▼第4試合 DEEP ストロー級 5分2R
〇佑勢乃花(フリー)52.25kg
[1R 1分27秒 アームロック]
×石井涼馬(パラエストラ柏)52.6kg

▼第3試合 DEEP ウェルター級 5分2R
〇マッスル岩倉(Tristar Gym)76.7kg
[1R 4分54秒 TKO]
×宇土冬真(TURNING POINT)77.5kg

▼第2試合 DEEP バンタム級 5分2R
〇岩見 凌(KIBA マーシャルアーツ) 61.55kg
[2R 0分36秒 リアネイキドチョーク]
×川瀬大祐(fightbase 都立大) 61.6kg

▼第1試合 DEEP フライ級 5分2R
〇濱口麗地(K-Clann)57.05kg
[2R 3分48秒 リアネイキドチョーク]
×浅井優一(MYD)56.7kg

 9月10日に東京・ニューピアホールで開催された『DEEP TOKYO IMPACT 2023 5th ROUND』の試合結果。メインイベントはDJ.taikiが上田直毅に判定勝ち。セミファイナルは五明宏人が劉獅に1R TKO勝ちしています。続きを読む・・・
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Black Combat DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2023#05 MMA MMAPLANET o 五明宏人 劉獅 青井人

【DEEP Tokyo Impact2023#05】右フックからの連打で劉獅にKO勝ちした五明が青井戦をアピール

【写真】五明がKO勝ちで連敗から脱出 (C)MATSUNAO KOKUBO

<フェザー級/5分3R>
五明宏人(日本)
Def.1R4分59秒 by TKO
劉獅(日本)

開始早々、五明の左インローが劉獅の下腹部を捉えたため中断。再開後、劉獅が右ミドルを見せる。五明はサークリングしながら右ミドルを繰り出す。劉獅も右ハイを返した。五明の左ミドルに対し、劉獅はパンチを連打していく。五明の左三日月蹴りを受けた劉獅は、距離を詰めて組んでから右腕を差し上げ、投げて五明に背中を着かせる。そのままパウンドを落としながらバックへ。四の字フックで固めると、続いてマウント→再びバックマウントへ。五明が体を起こして劉獅を前に振り落とした。

スタンドに戻ると、またも五明の左インローが下腹部に入ったと劉獅がアピールし、試合は中断される。再開後、劉獅が左に回る。五明は劉獅が飛び込んできたところに右フックを合わせる。劉獅が右ミドルを連打すると、五明も左ミドルを返す。劉獅の右をかわした五明が組みつくも、すぐに劉獅が離れた。打撃戦では劉獅の右ショートが当たる。しかし五明は左ミドルを効かせたあと、右ボディを突き刺してから右フックのカウンターでダウンを奪い、立ち上がる劉獅にパンチの連打を浴びせる。ケージまで追い込まれた劉獅のシングルレッグを切ってパンチを打ち下したところで、レフェリーが試合を止めた。

勝利した五明は、9月18日にBLACK COMBATとの対抗戦を控える青井人との対戦を希望した。


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【DEEP Tokyo Impact2023#05】計量終了 上田直毅を迎え撃つDJ.taiki「ここで負けられない。いつも通りの心境」

【写真】一戦一戦が大勝負のキャリアになったDJ.taiki(左)。九州合宿の成果を見せられるか (C)Takumi Nakamura

明日10日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact 2023#05&DEEP JEWELS42「10th Anniversary」の計量が、9日(土)に新宿区のホテルローズガーデンにて行われた。

DEEP Tokyo Impact 2023#05のメインイベントで上田直毅を迎え撃つDJ.taikiは、計量後に「福岡で合宿をやってきたので、その成果を見せたい」と語った。


改めてDJ.taikiに話を聞くと、最近は「関東を離れて集中して練習をやりたい」という理由で、試合前に九州で約一週間の短期合宿を慣行。午前中は山道でロードワーク、夜はカルペディエム福岡、MMA Rangers Gym、G-faceなど幾つかのジムを回っているという。

対戦相手の上田は15歳下で、中学生時代にDJ.taikiの試合を見てきた世代だ。そんな上田を迎え撃つDJ.taikiは「ここで負けられないし、それはいつもと一緒。そういう意味ではいつも通りの心境ですよ。あとはいかにコンディションのいい自分を見せられるか。そこです」とベテランらしく語った。

2月のDEEPフェザー級暫定王座決定戦での神田コウヤ戦を含めて連敗中の五明宏人、7月に初黒星を喫したユータ&ロック、6月RIZINで元K-1王者・久保優太に敗れて以来の木下カラテなど再起戦組が多いなか、第6試合で根本元太と対戦する坂本岳に注目したい。

坂本はレスリングとMMAを並行して学び、中学時代にはアマチュアで井上直樹とも対戦経験を持つ。

高校入学後はレスリングでの活動に集中し、名門・山梨学院大学に進学。2021年には全日本大学グレコローマン選手権3位に入賞している。

今回がプロデビュー戦でもある佐藤は「全試合のなかで一番面白い試合をして圧倒します」と意気込みを語った。

なおブレイキングダウン出身の信原空と対戦するMr.サタンはコスプレやモノマネ以上に、計量時に試合コスチュームを脱ぐ際、同時にアンダーパンツも脱げそうになるアクシデントで会場をざわつかせた。

■ DEEP Tokyo Impact 2023#05対戦カード

<バンタム級/5分3R>
DJ.taiki:61.55キロ
上田直毅:61.55キロ

<フェザー級/5分3R>
五明宏人:66.30キロ
劉獅(日本):66.20キロ

<フェザー級/5分2R>
ユータ&ロック:66.15キロ
TATSUMI:66.20キロ

<フェザー級/5分2R>
木下カラテ:66.05キロ
梶本保希:66.10キロ

<ライト級/5分2R>
岩倉優輝:70.70キロ
後藤亮:70.70キロ

<ライト級/5分2R>
山本颯志:70.80キロ
前田啓伍:70.15キロ

<アマ68キロ契約/3分2R>
信原空:67.80キロ
Mr.サタン:67.20キロ

<フライ級/5分2R>
根本元太:57.10キロ
坂本岳:57.15キロ

<フェザー級/5分2R>
相本宗耀:65.95キロ
森俊樹:66.20キロ

<バンタム級/5分2R>
山口コウタ:61.55キロ)
清太郎:61.25キロ

<ストロー級/5分2R>
佑勢乃花:52.25キロ
石井涼馬:52.60キロ

<ウェルター級/5分2R>
マッスル岩倉:76.70キロ
宇土冬真:77.50キロ

<バンタム級/5分2R>
岩見凌:61.55キロ
川瀬大祐:61.60キロ

<フライ級/5分2R>
濱口麗地:57.05キロ
浅井優一:56.70キロ

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【DEEP Tokyo Impact2023#05】抜擢=DJ.taiki戦へ、実業団MMA戦士=上田直毅「労働時間は他の半分」

【写真】MMAPLANET初登場。てきぱきと話せる=情報処理能力に優れている?? (C)TAKUMI NAKAMURA

10日(日)東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact 2023#05にて、上田直毅がDJ.taikiと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

上田は空手・柔術を学び、キッズ修斗を経てプロの道に進む。キャリア初期は黒星先行だったが、2019年8月以降の戦績は8勝1敗と覚醒し、敗れた相手ものちにUFCと契約する風間敏臣という堂々たる成績を残している。現在は企業のサポートを受けて選手活動を続けるという環境に身を置き、DEEPトップ戦線への浮上、大舞台での活躍を目指す。


――DEEP3戦目でDJ.taiki選手と対戦が決まった上田直毅選手です。これまでのキャリアのなかで最も実績と知名度がある相手との試合が決まりました。オファーを受けた時の心境はいかがでしたか。

「すごく嬉しかったですね。DJ選手は僕が総合を始める前、小学校4~5年の時にDREAMで戦っているところを見ていた選手で。僕がDEEPに出るようになって、いつかやるのかなと思っていたんですけど、本当にやることになってびっくりしています」

――あまり自分が対戦するとは思っていなかった相手ですか。

「はい。DJ選手はベテランですし、自分がやる相手ではないと思っていました。ただDEEPに出始めて、DJ選手も試合で勝っていたので、もしかしたら…と思っていたぐらいです」

――対戦相手としてのDJ選手にはどんな印象を持っていますか。

「打撃が強い選手ですよね。総合のベテラン選手ですが、キックルールで王者クラスともやっているし、打撃は警戒しています。また組み技や寝技の展開も場数を踏んでいるので、そこにも警戒したいです」

――DJ選手は打撃に目がいきがちですが細かいテイクダウン・組み技にも強さがある選手だと思っています。その上でどんな勝つイメージを持っていますか。

「特に勝ち方にこだわりはなくて、一つの作戦に固執せずに枝分かれで考えているので柔軟に対応して勝ちたいです」

――過去最も実績と知名度がある相手で、この試合の結果が上田選手の今後にも大きく影響すると思っています。どんな試合をしたいですか。

「ここの勝ち負けで今後の自分が上に行けるかどうか。負ければ仕切り直し、一本かKOで勝てばDEEPでもっと上の相手と戦えるだろうし、さらに大きな舞台で試合するチャンスが見えてくるかなと思います」

――上田選手は空手・柔術がバックボーンということですが、どちらを先に始めたのですか。

「小学1年生から先に空手を始めました。最初は寝技に興味はなかったのですが、テレビでDREAMを見ているうちに6年生ぐらいから総合の魅力に気づいて、中学1年生でパラエストラ東京に入会して、柔術も始めました」

――空手を始めるきっかけはなんだったのですか。

「もともとK-1を見たり、格闘技には興味がありました。また父親がやらせたがりなところもあって、近所の空手道場に連れて行ってもらって入会しました」

――空手をやっていたにも関わらず、なぜ総合に興味を持ったのですか。

「当時は総合の選手がK-1に出て、勝つこともあったじゃないですか。そういう姿を見て『総合の選手は相手のフィールドでも勝つんだ』と思って。しかも本来は打撃だけじゃなくて投げ技や寝技もできる。それがすごいなと思って、自分も総合をやってみようと思いました」

――ちなみに空手はフルコンタクト空手だったのですか。

「僕がやっていたのは梁山泊空手という空手で、防具空手やグローブ空手の練習をやっていました」

――総合をやるうえでパラエストラ東京を選んだ理由は?

「家から一番近い道場で、中井先生の存在が理由ですね。当時の僕は中井先生のことを知らなったのですが、父親から『中井代表は格闘技界のレジェンドだぞ!』と言われて。その道場に入るのが一番いいだろうという結論になりました」

――MMAの練習を始めたのはいつからですか。

「柔術と並行してキッズ修斗もやっていて、当時から試合にも出ていました。なので空手がきっかけではありますが、中学からMMAのキャリアはスタートしています」

――当時好きだったMMAファイターはいますか。

「パラエストラに入った頃にUFCのゲームを買って、そこでやたら強い選手がいて、どうしても倒せない選手がいたんですよ。それがGSPだったんです(笑)」

――ゲームで知ったのが先だったんですね(笑)。

「はい。当時地上波でK-1やDREAMは見ていたのですが、UFCは見たことがなかったんです。それで映像を入手して『GSPってどんな選手なんだろう?』と思って、実際に見たら本当にすごい選手で驚きました(笑)」

――上田選手のプロデビュー戦は2014年2月にZSTがやっていたSWAT!という大会になるんですよね。

「はい。17歳の時にプロデビューしました。最初に立てた目標は総合のチャンピオンとムンジアルで優勝することの2つだったのですが、柔術をやっていくうちにムンジアル優勝は無理だと思い、総合に絞りました」

――デビューしたからのキャリアを振り返ると、2019年5月までは黒星が先行していたにも関わらず、その時の8月から連勝街道に突入します。どのような変化があったのですか。

「5月の試合に負けたあと、パラエストラ浦安に出稽古に行くようになり、今もセコンドについてもらっているジェイクムラタさんと練習するようになったんです。浦安でムラタさんと毎週MMAスパーをやらせてもらい、そこから変わりましたね」

――村田選手、浦安での練習は何が良かったのでしょうか。

「今思うと、ムラタさんとは色々と相性が合ったのかなと。試合前にはこういう相手だからこういこうみたいなことをざっくり打ち合わせて作戦も立ててもらっています」

――そこから6連勝するわけですが、何か手応えがありましたか。

「3連勝まではなんとも思わなかったんです、『勝てるようになったな』くらいで。でも4連勝くらいから『何か変わってきているかも』と思うようになり、石渡伸太郎さんの引退興行(2022年1月)に出るときにMMA用のレスリングの練習や打ち込みを始めました。それまでは打撃プラス柔術みたいなスタイルでしたが、レスリングを始めてようやくMMAっぽい動きができるようになったと思います」

――2020年12月にTTF Challenge 09に出てから石渡伸太郎 引退興行まで約1年間のブランクがありますが、これは何が理由だったのですか。

「僕は大学院に通っていて、その試験を受けるために試合を休んでいました。試験が終わって、それまで主戦場だったZSTに出たいと思っていたら、大会自体が行われなくなっていて。他の団体からも幾つか声をかけてもらっていたのですが、なかなか試合が決まらなくて。そこで最終的に石渡さんの引退興行で試合が決まりました」

――その大会ではバンタム級の1DAYトーナメントが行われ、のちにUFCと契約する風間敏臣選手と対戦しています。試合は三角絞めで一本負けしていますが、この試合はターニングポイントになったのではないですか。

「そうですね。結果は残念でしたが、決勝で風間選手とやれたことは大きな経験です」

――風間戦のあとはDEEPで2連勝しているので、2019年8月以降の戦績は8勝1敗です。この4年間で唯一の敗戦は風間戦ということになります。

「あの時、2つ作戦があって、その1つを実行したんです。僕としてはその作戦を実行して負けるようなら完敗だと思える試合でした。僕は試合になると自分のパフォーマンスを出すことを最優先に考えていて、それを出して負けるなら、どうあがいても勝てないということだと思っているんですね。だから自分のパフォーマンスを出せないことが一番ダメだと思っているし、風間戦ついては僕の完敗でした。ただ自分と試合をした選手がUFCのような大きな舞台で戦っている姿を見ると、自分もそうなれる可能性があると思っています」

――上田選手は所属名が「パラエストラ東京/インプルーブ株式会社」になっていますが、普段はインプルーブ株式会社で働きなら練習や試合をしているそうですね。これは実業団のようなシステムなのですか。

「そうですね。労働時間でいうと他の社員の約半分くらいにしてもらい、仕事以外は練習してもいいという条件になっています」

――あまり例がない雇用形態だと思うのですが、どういった経緯で決まったのですか。

「もともとインプルーブがRIZINなど格闘技関連の協賛をやっていて、自社からRIZINに出る選手を探したいということになったそうなんです。ちょうど自分も練習時間に融通をきかせてもらえる会社を探していて、人材系の会社が僕とインプルーブを結び付けてくれて、面接を受けて採用していただきました」

――就職すると練習時間が削られる、フリーターで練習時間を確保すると生活が苦しい。学生時代が一番充実した練習できたという話はよく耳にします。上田選手は安定した基盤のうえで練習ができているようですね。

「はい。学生の時とほぼ練習時間が変わらず、今までと同じルーティンで練習できるのはありがたいです。僕の選手活動も応援してもらっていて、本社は大阪にあるんですけど、東京の営業所からだけでなく、本社からも応援に来てもらえます。本当に今の環境には感謝しています」

――相手含めていままで一番注目される試合だと思いますが、今回のDJ戦ではどんな試合を見せたいですか。

「僕はみなさんに知られている選手じゃなくて、逆にDJ選手はずっと長くやっていて知名度がある選手です。その相手にいい勝ち方をすれば僕の知名度も上がると思うし、大きな舞台で試合できるチャンスも増えると思います。試合としては僕は空手と柔術をやっていたので、打撃も寝技もどちらも見せられる試合をしたいです」

――今の上田選手にとってはRIZIN出場が最大の目標ですか。

「はい。RIZINだったり、大きな舞台に行けば他の団体のトップ選手と戦えると思うので楽しみです。またDEEP3戦目で元チャンピオンのDJ選手を当ててもらえて、期待してもらえているのかなと思います。DEEPの佐伯代表や周りの方には感謝しているので、その感謝の気持ちを胸に良い試合を見せたいです」

■視聴方法(予定)
9月10日(日)
午後12時20分~DEEP チャンネル-YouTube

■ DEEP Tokyo Impact 2023#05対戦カード

<バンタム級/5分3R>
DJ.taiki(日本)
上田直毅(日本)

<フェザー級/5分3R>
五明宏人(日本)
劉獅(日本)

<フェザー級/5分2R>
ユータ&ロック(日本)
TATSUMI(日本)

<フェザー級/5分2R>
木下カラテ(日本)
梶本保希(日本)

<ライト級/5分2R>
岩倉優輝(日本)
後藤亮(日本)

<ライト級/5分2R>
山本颯志(日本)
前田啓伍(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
信原空(日本)
Mr.サタン(日本)

<フライ級/5分2R>
根本元太(日本)
坂本岳(日本)

<フェザー級/5分2R>
相本宗耀(日本)
森俊樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
山口コウタ(日本)
清太郎(日本)

<ストロー級/5分2R>
佑勢乃花(日本)
石井涼馬(日本)

<ウェルター級/5分2R>
マッスル岩倉(日本)
宇土冬真(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
川瀬大祐(日本)

<フライ級/5分2R>
濱口麗地(日本)
浅井優一(日本)

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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC   キック 劉獅 岩﨑達也 松嶋こよみ

【DEEP114】イベント終了後の共同取材で、松嶋こよみが話していたこと「フックでなく、背中を使った突き」

【写真】フィニッシュの右の突き(C)MMAPLANET

2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP114 IMPACTで劉獅を1分54秒でKOした松嶋こよみ。

大会終了後の共同取材の場で、最後のサッカーボールキックに関して他媒体の記者から質問があり、「相手が無理だろうと思ったので追撃に行こうと思わなかったのですが、レフェリーが止めてくれなかったので蹴らないといけないのかと思って。ちゃんと区切ってから蹴ったので良いかなという感じです」と松嶋は返答した。

その一言から続いた松嶋とMMAPLANETの問答をお届けしたい。


──レフェリー批判を導くような質問がありましたが(笑)。

「アハハハ。あれ、どうなんですかね。止めないのか?」

──審判団の1人に話を聞きました。その人の個人的な見解としては「勝敗を司る立場としては、あの状況ではなかなか止めづらいです。選手を守ることもレフェリーの役割なので、松嶋選手がサッカーボールキックの大勢に入れば止めるべきかと思います。そこで止めても劉獅選手陣営から抗議はされないかと思います」とのことでした。

「あぁ、なるほど。そうですね」

──最後の蹴りはチョコッと当てた感じですか。

「いや、結構当たってしまいました」

──それでも一発で止めて欲しかったというのはありますか。

2発目の蹴り

「えっ? 2発蹴っていました?」

──ハイ。いえば3発目も蹴りそうな空気でした。そのままヒザまで出して、反則負けになるかと。

「やりかねないですけど(笑)、そこだけはちょっと……」

──しっかり、ひと呼吸を置いて改めてサッカーボールキックを複数回蹴る。個人的に試合中に求めていた、人でなしの部分が出たと思いました(笑)。

「勝った人間に、そんなこと言いますか(笑)。でも、ああは言ったけど、それこそ劉獅選手が受けてくれて、この試合ができたので。『ありがとう』と本人には伝えました。だから、最後はちょっと可哀そうなことをしてしまいました」

──冷静に喧嘩ができたということではないでしょうか。

「そうですね。5分3R使って色々と試しつつ相手を効かせていこうと思っていたので、本当は1Rで終わらせるつもりもなかったです。正直、アレで倒れるか……。入った時は『まぁ、倒れるな』という感じで入ったのですが、もうちょっと色々とやりたかったという部分はあります」

──そのフィニッシュになったパンチですが……。左に体を傾けながら、腰を捻る反動で得る力を使って打つというのではないパンチでした。

「そこは前から変わっていないと思います。背中を使って打つイメージを持って、フックでなく──それこそストレートのなかで回転のある打ち方で」

──記者がフックと書くと「フックじゃないっ!!」と岩﨑達也氏が、声高に指摘するパンチですね。

「ハイ(笑)。ストレート──突き。突き、です。あれは突きだと思います。ヒジが膨らむというか、そういう軌道で打っている真っ直ぐの突きです。変わらずにやってきていることが出ました」

──他の色々と試したいというのは、あの突きで倒れない選手と戦っていく準備をしているということだと思います。そうなると次ですか。

「ちょっと色々と考えて……これでRoad to UFCに引っ掛かると言ったら、多分引っ掛からないと思うし。ちゃんと色々と考えて、色々と固めつつ動いていかないといけないなと思ってやります」

──まずは勝利の美酒を味わっていただければと。

「今日と明日ぐらいはそうします(笑)」

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【DEEP114】スクランブル発進の劉獅が前に出るも、松嶋が盤石の試合運びから右フック一撃で沈める

【写真】なぜダウンの時点でストップしないかは甚だ疑問だが、ともあれ松嶋がKO勝利(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
Def.1R1分54秒 by KO
劉獅(日本)

ガードを固める劉獅が距離を詰めて右を伸ばす。松嶋は右ローでこかした。組み合いから松嶋は首相撲で制し、右スピニングバックキックから、右フックを当てつつ左足で払ってグラウンドに持ち込んだ。すぐにマウントへ移行した松嶋は、パウンド一発で劉獅に背中を向かせる。ここで劉獅が脱出して立ち上がった。

松嶋は劉獅にケージを背負わせて、右カーフキックを当てる。ケージに背中を着けながら首相撲で対応する劉獅に対し、離れた松嶋が距離を詰めてきた劉獅を、カウンターの右フックで沈めた。……かに思われたが、ここでレフェリーがストップせず、前のめりに倒れている劉獅に右サッカーボールキックを見せたところで、ようやくレフェリーが割って入った。

KO勝利を収めた松嶋は「対戦相手が変わって何とも言えない気持ちでしたが、劉獅選手が試合を受けてくれて成立しました。今日は応援ありがとうございました」と挨拶した。


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