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Bu et Sports de combat サンチン ブログ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編─03─「引くという動きが一番難しい動作」

【写真】この拳を引いた構えのなかに、サンチンを知る要素が非常に多く含まれている (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型と使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが意味を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、第3回──両腕受けから、最も難しいといえる拳を引く動きを追求したい。

<サンチン解析第2回はコチラから>


✖両腕受けで、ワキの下に拳ひとつ入るぐらいのスペースがないと、手の位置が低くなり、相手の攻撃が入りやすくなる

✖拳が前に出過ぎると、さらに入りやすくなる。顔面だけでなく、禁的攻撃を受ける

(01) 正しい構えだと、非常に遠く感じ攻撃は届かなくなる。禁的蹴りも入りづらくなり、何より安心して構えることができる

(02) 両腕受けから左で突く。突くためには拳を引く動作が必要だが、この引くという動きがサンチンで一番難しい動作になる

(03) 拳を引くヒジをしぼって、力をいれないように引く。力をいれないでも、締まるようになる

(04) 引いた拳の位置は、肋骨の一番下に鉄槌が軽く食い込むように持ってくる

この引いた時に、ヒジがやや内側を向いている。これによって、筋肉が背骨側に締まり、縦と横に筋肉を締めることになる。この筋肉の収縮をヒジを出すことで開放する。骨を動かしていると、筋肉がついてくる動きによって、ガマクがかかった突きとなる

【重要】肩を下げて、ヒジを締める。サンチンでは、どの状態でも重要な点

✖ヒジを引いた時の注意点は肩が上がらない、ワキをあけない、締まらないからといって無理やり締めるようにしない。ヒジが内側を向いていなく真後ろに引かない──という4点だ

✖ヒジを内側に入れようとして、腰を捻ると筋肉の横への収縮が弱くなり力は入らない。腰の横回転で打つと、もともとパンチ力の強い人間のパンチは強く、そうでない人間のパンチは弱い。誰もが強く打てる原理・原則の下、威力のある突きが打てる武術空手の突きとは違う

<この項、続く>

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Bu et Sports de combat サンチン ブログ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編─02─「力を入れるのではなくて──」

【写真】サンチンの動きで、MMAに勝てたとしてもタマタマです。ただし、サンチンを習得してMMAの戦い生かせることは、確実にある (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型と使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが意味を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、第2回を行いたい。

<サンチン解析第1回はコチラから>


足の幅は肩幅より少し広く取り、爪先をやや内側に向け、同じ方向にヒザを向け両腕を胸の前で交差させて両腕受けの姿勢に。この構えを取ることで後ろや前、横から押されても崩れない強い姿勢となる。

ヒザを曲げるのではなく、同じ方向に向けることでヒザに力がある状態となる。前足のカカトと、後ろ足の爪先が同一線上となるよう気を付ける。『この時、前足のカカトと後ろ足の爪先が延長線上で交わる地点を三角形の頂点となるように意識する。この三角形の頂点を意識することが、続く動作で非常に大切になる』。

✖爪先が内側に向き過ぎると、押されることで崩れてしまう弱い姿勢に。

拳は起式の際の下げた肩の高さに。ワキは拳が一つ入るぐらいのスペースを創る。『両腕を胸の前で交差させる時に腕を絞ることで、体の中心のある強い姿勢がとれ、目も見えるようになる。サンチンの形によって内側のエネルギーの大きな違いが生じるので、腕を絞る時も力を入れて無理に絞ることは厳禁』。

【最重要ポイント】サンチンの型で最も大切なことが力を入れないこと。力を入れて取られた姿勢は、両腕受け拳が内から外に向いて動いた場合に外に行く力は強いが、逆の方向には弱くなる。力を入れるのではなくて、型から力が出てこなければならない。そうなると逆の方向へも中心ができることで強い構えとなる

✖ワキが空き過ぎる。ワキが拳一つ以上空くと、ここでも体の中心を失い、横からの力に弱い構えとなる

✖ワキが閉まり過ぎると──後ろからの力には強いが、前方からの力に弱くなる

<この項、続く>

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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編──01──「強い状態を作って始める」

【写真】サンチンを続けることで、MMAでの戦いに変化が生じたという松嶋こよみ (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型と使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが意味を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──剛毅會のサンチンの解析を行いたい、


まず気を付けの姿勢で、手を体側の横にして指をしっかりと下に向けるところから始める。

左の掌の上に右手を重ね、掌が上を向いた状態から、

指先が下になる姿勢──中国武術的には起式と呼ばれる、最初の姿勢を取る。『この形を取るだけは体の中心を無くし姿勢として弱く、押されるなどすると乱れてしまう。腕を絞って下げることが重要となる。肩が下がり、合わせた手が前方に行き過ぎないようにし、しっかりと指を下に向ける』

「始め」の号令で結び立ちからカカトを広げて=爪先を内側にし、内八の字立ちに。正拳を握り、拳甲を前方に、拳頭は下に向ける。『ここで大切なことは、爪先を内側に向けるときに、1・2というテンポでなく、「1」のみ。つまり一挙動で行うこと。一挙動でないと、隙ができる。下げた腕は体側よりもやや後ろに。この状態から始めないと、その後のサンチンの型、動きは意味がなくなる。強い状態を作って始めることが絶対』

✖手が体側より前に出ない。手が前方に出ると前方に対して隙ができてしまう

続いて右足を内側にしっかりと円を描くように進ませる。小さい円だと進めた足が元の位置に戻ってしまう。

右前サンチンとし同時に両腕を胸の前で交差させて開き、両腕受けの姿勢を取る。『足の幅は肩幅より少し広く取り、爪先をやや内側に向け、同じ方向にヒザを向ける。ヒザを曲げるのではなく、同じ方向に向けることでヒザに力がある状態となる。前足のカカトと、後ろ足の爪先が同一線上となるよう気を付ける。この時、前足のカカトと後ろ足の爪先が延長線上で交わる地点を三角形の頂点となるように意識する。この三角形の頂点を意識することが、続く動作で非常に大切になる』

〇中を通り、大きく円を描いて足を進める

✖頂点を意識せず、内側をしっかりと円を描かないで前に進むと、体の中心を失い姿勢は弱くなる

<この項、続く>

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