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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 エリアス・マムーディ キック 内藤大樹

【ONE FN24】内藤大樹、マムーディの猛攻を捌ききれず。スピニングバックフィストで3RKO負け

<キック・フライ級/3分3R>
エリアス・マムーディ(アルジェリア)
Def.3R2分56秒 by スピニングバックフィスト
内藤大樹(日本)

1R、マムーディが前蹴りで突き放して、一気にパンチをまとめて前に出る。内藤は距離を取りながらジャブとローを返すが、マムーディは前に出てパンチとヒザ蹴り。スピニングバックキックも繰り出す。さらにマムーディは右ストレートを当てると右の飛びヒザ蹴り、内藤を下がらせて左フックを打ち込むと、左のスピニングバックフィストでダウンを奪う。

再開後、マムーディは一気に距離を詰めて左右のフックとスピニングバックフィストで猛攻。何とか耐える内藤だが、マムーディはパンチとヒザ蹴り、右アッパーから左フック、スピニングバックフィストと手数を増やす。終了間際、マムーディが内藤をロープに詰めるとボディに打ち込み、顔面前蹴りも突き刺した。

2R、内藤がマムーディの前足にローを集めて、左フックを狙う。マムーディは距離を詰めて右からパンチをまとめて、左ボディまでつなげる。内藤は距離を取りながら前足へのローを蹴り続け、下がりながら左フックのカウンターを狙う。

前に出るマムーディは左ボディ、右ボディストレートから顔面への左フック、右ストレート、距離を詰めて右ボディストレートからパンチをまとめる。内藤は右ハイとスピニングバックキック、マムーディもスピニングバックキックを蹴り返す。マムーディは左ボディから顔面前蹴り、内藤はローでマムーディを削る。

3R、内藤が左ジャブを突いて左フックを狙う。マムーディがパンチから右ハイ、右ストレートを伸ばす。内藤はジャブを当てるが、マムーディは下がらず、右ストレートから飛び込む。内藤はジャブと右ストレート、マムーディは左ボディを当て、右ボディ、左フックから右ストレートと攻撃の手を休めない。

ここでマムーディがスピニングバックフィストを出すと、ヒジが当たってしまいレフェリーに注意を受ける。内藤はジャブ、ワンツー、アッパー。マムーディは顎をひいてパンチで突進。内藤をロープまで詰めるとヒザ蹴りを突き上げ、右のスピニングバックフィストを一閃。これが内藤の顎を打ち抜き、マムーディがKO勝利を収めた。


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【ONE FN24】山北渓人、世界最高峰で日本人対決。猿田洋祐「日本のストロー級を背負って来た自負はある」

【写真】長女、彩雪(いぶき)ちゃんと。ママがお迎えにくるまで、FIGHT BEAT WORKOUTで一緒に過ごす(C)MMAPLANET

明日3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、猿田洋祐が山北渓人と日本人対決を行う。
Text by Manabu Takashima

修斗とONEの世界王座を巻いたベテランが、パンクラス王者から世界最高峰ONEストロー級王座を目指す山北と戦う。世代、日本でのホームが違う山北との一戦はジム経営&指導をしながら、限られた時間をやりくりして現役ファイター生活を送る猿田にとって自分の戦いであり、自己肯定するためのファイトとなる。


苦しい試合になるのは分かっているので、そういう練習を小野島さんの力を借りてやっています

――2月のマンスール・マラチェフ戦、ジム経営者として初めて挑んだ試合に敗れ、今回の山北選手との試合はそれ以来となるファイトです。

「1年半以上、試合期間が空いての復帰戦でしたが、もちろん勝つつもりで戦っていました。準備期間は3週間しかなくても、ベストは尽くしました。その結果の敗北ということで、納得はしています。強かったです、あの押し込みとか。ケージだったら、もっと何もさせてもらえなかったかもしれないです。押し込みの力強さは、過去に感じたことがないモノでした。

でも3週間の準備で、あのレベルの選手とある程度戦えた。そこは把握できたので、それと同時に時間をかけないといけないということが分かりました」

──以前とは違いベルトを意識せず、強い相手と戦っていきたい。そのように話していた猿田選手ですが、復帰戦に負けても同じ気持ちで今回の試合に臨んでいるのでしょうか。

「年齢もあるので、どういうモノが残せるのか。ジムに関しても今はセミパーソナルのフィットネスジムですが、将来的には選手育成のジムを創りたいという目標を持っています。その時になって今の自分のように35歳を越えた選手が、どのような練習をして、どういうメンタルで試合に臨めば良いのか──。

もしくは遅くに格闘技を始めた人が、30代後半で結果を残すためにどういうトレーニングをすれば良いのか。それを自分の体を使って、実験しているような感覚で創っています」

──今の猿田選手にフィットしたMMAファイター人生を送ると。

「20代の後半、30代の前半のように長い時間の練習とか、3部練習とかは体の面、仕事の面で厳しくなっています。限られた時間で、試合に勝つために工夫をした練習をやっています。それで結果を残せるのか、それこそ今の自分がやっていることです。だから結果が欲しいです。

今できる最大限の練習をしているので、結果が伴わないと続けることができなくなるということですね」

──その限られた時間で工夫した練習というのは、どういうものなのですか。

「ジムでの指導が昼からある日は、朝早くにHEARTSに今年のネオブラTのストロー級で優勝した船田侃志に来てもらって練習して。今日のように夕方からの日は、小野島(恒太)さんと午前中に、CBW東中野でマンツーマンでスパーリングをしてもらっています。

HEARTSで皆が集まってやるプロ練習にも出たいのですが、ジムの都合で出られないのが現実で。だから自分のジムに選手に来てもらったりしています。それとマンツーマンの練習は効率が良いというのもあります」

──というと?

「自分の試合のためだけの練習ができるということですね。誰かに合わせたり、決められたことをするのではなくて。やりたいことだけを集中して短時間でできます。時間に追われているので、マンツーマンは良いと思います」

──つまり小野島選手とのマンツーマンの練習は、山北選手との試合のことを考えられたトレーニングで、小野島選手が強くなるとかということは考えていないことになるのですか。

「そこまで仮想・山北ということではないのですが、誰と戦っても最後は気持ちが大切になります。苦しい試合になるのは分かっているので、そういう練習を小野島さんの力を借りてやっています。

リバーサルジム川口リディプス時代に小野島さんが練習に来てくれて。小野島さんは打撃の選手で、僕は柔術がベース。互いにレスリング──つなぎの部分が足らないと感じていて。それこそ山北選手と同じMe.We所属でレスリングが得意な中村憲輔さんにパーソナル・レッスンをお願いして一緒にやるようになったのが12、13年前です。あれから週に1度、試合前は2度という感じでずっと一緒にやってきました」

──もうHEARTSのプロ練習には一切参加していないのですか。

「いえ、それでも金曜日にはHEARTSのレスリングとグラップリングのプロ練習に出させてもらっています」

──大沢ケンジさんと顔を合わせるのは、その日だけですか。

「ハイ。でも、ずっとLINEで連絡を取り合っています。自分が仕事でチェックできていない試合とか、『絶対に視ろ』ってメッセージが来て。視たら、その試合について話をしたり。ONEとかUFCでも、自分に合った攻撃や山北選手対策になるような動きがあると、その試合を視るように連絡が来ます。そして自分もチェックして、動いて答え合わせをする。大沢さんは格闘技の試合を見ている数が違っていて。本当に色々な試合を見ているので、たくさんアドバイスを貰っています。ここまでずっとやってきたので、毎日のように顔を合わせていなくても、大沢さんへの信頼は変わらないです」

山北選手との試合は、自分と戦うイメージです(笑)

──そんななか、山北選手のオファーを貰った時はどのような気持ちでしたか。

「今回、3カ月の準備期間があって。オファーが来た時は、ジムを任せられる人に確認を取って即答で受けました」

──国際戦の方が良かったという気持ちは?

「全然なかったです。基本的に誰とでも戦います」

──山北選手としては、世代が上の元世界王者を踏み台にする。そういう位置づけの試合かと思います。

「向うは元チャンピオンとか思っているかもしれないけど、そういう意識は自分のなかにはなくて。ジムにベルトを飾るのも本当は嫌なんですけど、ビジネスのために置いています(笑)。ベルトは1回取ったものなので。それより、今の自分がどうなのかっていうところに興味があります」

──マラチェフの押し込みの強さを経験したことで、山北選手とはどのような戦いをしたいと考えていますか。

「山北選手との試合は、自分と戦うイメージです(笑)。ONEと契約したころの自分と戦うような。勢いがありますよね。だから、自分もあるだろうし。自分は競技としてレスリングはやっていないのですが、レスリングと柔術を合わせた自分とよく似た戦い方をしています。似ている部分がたくさんあります。だからこそ、より勝ちたいという気持ちが大きいです。経験が違うということを見せたいですし……。」

──サクッと勝てる相手ではないですし、疲れる試合が予想されます。

「楽に勝ちたいとは思わないです。サーキットトレーニングとかで追い込んでいるのに、1Rで勝つと勿体ない。これだけ練習をしてきたのに。5分3R、全て戦いたいです」

──そういうモノなのですね……。

「試合が終わると、色々な感情があって。厳しいことを乗り越えて、反省会じゃないけど試合を振り返る。その時、厳しかった試合を振り返るのが、一番楽しいです。アハハハハ」

──マゾでナルじゃないですか(笑)。

「アハハハハ、確かに。自分に負けなかった。そこなんですよね。なんか普通じゃないことをやりたいんです。子供の頃から、ずっと普通って言われてきて。体操時代もそう。身体能力は決して高くなかったし、体力テストも平均的で。そんな感じだったから普通でないことに憧れていました」

──ならばタイトルには興味はなくても、ここで勝ってさらに上の相手と戦いという気持ちになりませんか。その方が、とことんしんどい試合ができます。そのために、山北選手とどのような試合をしないといけないと考えていますか。

「毎試合、気持ち的には変わらないですけど……自分から逃げないこと。楽な道とキツイ道があれば、常にキツイ道を選択していけるのか。そして、キツイ方に山北選手も引きずり込む。ただ、山北選手もそういうつもりで戦っていると思います。そこで競り勝てるのかどうかですね」

──個人的には山北選手がボカン戦の最終ラウンドで下になった時、彼の試合で初めて気持ちが途切れるような表情になったように見えました。

「マシーンになり切れていないのかも知れないですね。試合で感情を出さない。それも僕のテーマです。一生懸命になることも、なるべく出さないように戦っています。練って来た戦略通りに動いて、セコンドの声に従う。そこでスイッチを入れるという感覚でいて、それをまたやりたいですね」

──それこそマシーンになりきれた試合はありましたか。それが猿田選手の満足感に繋がると思うのですが。

「1度目のパシオとの試合ですね。あの時は途中から、疲れも感じていなかったです。ラウンドも分からない。ただ、大沢さんの指示通りに動く。マシーンになれましたね」

──つまり無心ということですからね。

「あの時も、準備期間がなかったんですよ。それこそ、普通じゃない。でもHEARTSに移籍してから、大沢さんは常に『普通じゃないことをやれ』って言っていて。だから試合スパンとか、修斗のチャンピオンになってからも、すぐに2階級制覇を目指して試合をしたり。大沢さんとやってきたから、僕もこうなったんだと思います」

──HEARTSから1分や2分の所に住んでいた時と変わらず、同じ気持ちで戦えるのか。本当に勝負ですね。

「まぁ『デキるのかな?』って不安に感じることはあります。普通の人なら諦めるなって思えるから、やり切れます」

──追い込みも指導が終わって、マシーンで一人でやっていると聞きました。ケツを叩く人がいなくても、それができるというのも……。

「正確にいうと、指導中にも同じ時間に自分を追い込んでいます(笑)。そこしか時間がないので。絶対にやると決めていることで、あとは夜にやるか朝にやるか。それだけです。スケジュールに書いたことをやらないと、自分は満足できないので」

──やはりマゾですね(笑)。

「アハハハ。本当にできるのかなっていう不安は、付きまとっています」

和田選手……やりたいですね。ストロー級、甘くないぞって

──この生活を続けるには、この努力に相応な相手を求めることかと思いますが、山北選手との試合後はどのような相手と戦っていきたいと思っていますか。

「戦ったことがない選手と、やりたいです。リト・アディワン、こないだ負けてしまったけどジェレミー・ミヤド。上の方だとボカン。そしてジャレット・ブルックス。あと5試合、契約が残っているので試合をするなら触れたことがない相手と戦いたいです」

──ストロー級転向を宣言した和田竜光選手とは?

「和田選手……やりたいですね。強いことは分かっているし、試合を見て勉強もさせてもらっています。練習でも触れたことがないから戦ってみたいです。それにストロー級、甘くないぞっていう気持ちもあります。階級を落としたからって、勝てるわけじゃない。ストロー級にはストロー級の厳しさがありますから、そんな楽じゃないぞと教えたいです。

自分も元々は修斗フライ級から、ストロー級に落としました。今は勝てていないので大きなことは言えないのですが、日本のストロー級を背負って来た自負はあります。そこの強さを見せたいし、まだ終わっていないということも証明したいです」

──UFCにストロー級がない限り、計量方法の違いでリミットも違いますが、ONEのストロー級は世界最高峰ですよね。

「ハイ。ONEのストロー級は世界一なんで。世界中のストロー級のトップがONEにやってきます。そこで強さを証明したいという気持ちは普通にあります。

だからこそONEのストロー級で6年、7年間やってきました。試合はどうなるか分からないですけど、自分のなかでは山北選手を圧倒する自信はあります」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

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45 AB K-1 MMA MMAPLANET ONE ONE FN24 World kicks エリアス・マムーディ ブログ 内藤大樹

【ONE FN24】マムーディとランカー対決へ、内藤大樹「分かりやすい形で勝ち切ることが自分の課題」

【写真】ONEで戦い続けるファイターとしてのプライドも言葉にした内藤だった(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、内藤大樹がエリアス・マムーディとキックボクシングルールで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

武尊の参戦で一気に注目を集めることになったONEのフライ級キックボクシング。内藤は2019年からONEの舞台で戦い、王者スーパーレック、ロッタン、武尊に続いてランキング3位に名を連ねている。今回は日本でも活躍したマムーディとの対戦となり、この試合を通して内藤は自分の存在をアピールしたいと語った。


──計量前のインタビューありがとうございます。試合に向けた調整・コンディションはいかがですか。

「コンディションはいつも通り良いかなっていう感じで準備できています」

──前回のデッドゥアンレック・ティーデ99とのリマッチは内藤選手のロー×デッドゥアンレックのミドルという攻防の末に、内藤選手が判定で敗れるという結果でした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「自分的にはキックボクシングルールだったこともあって、手応えはあったんですけど、それでもやはり相手のミドルキックの印象の方が強いのかなというのがあって。一番は1回でもダウンを取れていれば間違いないと思ったので、そこは切り替えて自分の課題である倒し切るとか、そっちをレベルアップした方がいいなと思いました」

──内藤選手はキック・ムエタイの両ルールで試合をしていますが、相手を倒す・明確なダメージを与えるという根本的なところを伸ばさないといけないと感じていますか。

「そうですね。自分はテクニック的なところを見せられていると思うので、あとはその中でしっかり誰が見てもわかりやすい形で勝ち切ることが自分の課題だと思っています」

──3分3Rの短期勝負で明確に差を付ける難しさも感じますか。

「やっぱりレベルの高い者同士の戦いになるし、特にムエタイのトップ選手だったりすると、なかなか倒し切るのは難しい部分だと思います。でもやっぱりそこを突き詰めていかないといけないし、自分も倒せるパワーはあると思っているんで、あとは本番で早く出したいなとは思いますね」

──ONEのムエタイルールは、それまでのムエタイとは違ってアグレッシブな試合試合になることが多いですが、そこにしっかりアジャストするタイ人の強さを感じることもあります。

「タイ人×タイ人の試合だとあまり出ないかもしれませんが、タイ人が外国人選手とやる時に、そういう部分が目立つというか。より(タイ人は)負けたくない気持ちがあると思うし、本当に全てを使って勝ちに来るな印象はありますね」

──そして今大会ではキックルールでエリアス・マムーディと対戦することになりました。

「相手がマムーディという世界的にも名前のある選手になって、そういう選手に分かりやすい形で勝つことができれば、タイトル戦線に一気に駆け上がれると思っているので、しっかり今回は結果でアピールしたいと思っています」

──ランキング的には内藤選手の方が上位ですが、チャレンジするという意識ですか。

「そうですね。ぶっちゃけランキングが上とか下とか、このONEのランキングに入っている時点で、あんまり順位は関係ない、みんな横一線だと思っているので、今回は本当に自分が挑戦に行くつもりで、彼をしっかり超えたいなと思っています」

──ファイトスタイル的な部分でのマムーディの印象はいかがでしょうか。

「ガンガン来る選手で、試合後半のことを考えていないぐらい飛ばしてくる印象があります。マムーディのことはK-1に出ていた時から見ていたんですけど、当時から強い選手でアグレッシブな印象があって、今もそのままの印象ですね」

──攻撃力や勢いで9分間乗り切ってしまうスタイルですよね。

「そうですね。最初から全力を出し切って、最後はフラフラになるけど、出し切るみたいなタイプだと思います」

──そういうタイプだからこそ突ける穴や攻略できるポイントもあると思うのですが、勝つイメージはできてますか。

「今回もガーッ!とくると思うんで、その勢いに飲まれないように戦うことが頭にありますし、その中でもしっかり隙間隙間細かいところだと思うんですけど、狙っていきたいなと思っています」

──今回の試合前に武尊選手の次戦も発表され、ONEの立ち技が日本でも盛り上がっています。内藤選手はこの状況をどう捉えていますか。

「やっぱり武尊選手や野杁(正明)選手のような日本のスター選手たちがONEに参戦してきていますし、改めてONEは本当に世界で一番の強さを求める選手たちが集まってきている、立ち技に関してはどこの団体よりも世界一だと胸を張って言えるレベルだと思っています」

──その一方で内藤選手のなかには、ずっとONEで闘い続けているファイターとしての意地やプライドもありますか。

「そうですね。そうやって日本で有名な選手たちがONEに入ってきている中で、自分はONEで2019年から戦っていますし、自分も世界の強豪の1人として新しい選手たちを迎えて、その上で勝っていきたいという気持ちはあります。ONEで戦い続けているプライドというか、新しくきた選手に簡単に上に行かせてたまるかという気持ちは常に持っています」

──フライ級のキックボクシングはスーパーレック、ロッタン、武尊選手がトップ3という状況ですが、この試合をクリアしてそこに割って入りたいですか。

「ランキング的にも自分の上にその3人がいて、強敵ですけど、しっかりまずここをクリアして、先に繋がる戦いをしたいなと常に思っています」

──「内藤大樹がいることを忘れるなよ」と思いますか。

「はい。僕はかなり負けず嫌いなんで、そう思いますよね。上の3人が取り上げられがちになっていますけど、別にそこと比べても全然負けないと思っているし、思うところはたくさんあります」

──そういう意味でも日本でも認知度があるマムーディとの試合は内藤選手のことをアピールするうえで大きな試合だと思います。

「僕もそういう捉え方をしています。当時K-1を見ていた日本のファンの方たちも、マムーディのことはONEに行っても知っていると思いますし、その中で年月が経って、マムーディがより強くなっていることも日本のファンの皆さんは知っていると思います。オファーをもらった時から自分をよりアピールしやすい相手だなと思っています」

──そこも含めて、どんな試合を見せたいですか。

「前回の試合は、自分もそうだったんですけど、若干見ている人たちにモヤモヤさせてしまったと思います。今回はマムーディという分かりやすくガンガン来てくれる相手に、自分もわかりやすい結果で返したいなと思っているので、その辺りを期待してもらって見ていただけたらなと思っています。今回は次に行くためにもきっちり勝ちたいと思っています」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN21 キック デッドゥアンレック・ティーデ99 ボクシング 内藤大樹

【ONE FN21】内藤のロー×デッドゥアンレックのミドルという攻防は…デッドゥアンレックが判定勝利

【写真】この写真を見ても分かる通り、デッドゥアンレックの両足も内藤のローで真っ赤だ(C)ONE

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
Def.3-0
内藤大樹(日本)

内藤がデッドゥアンレックの前足に左右のロー、デッドゥアンレックは右ミドルを蹴って、右ボディストレートからパンチをまとめる。内藤はデッドゥアンレックの前足(左足)へのアウトローだけでなく、奥足(右足)へのインロー。デッドゥアンレックは右ストレートを伸ばし、内藤のローにパンチを狙う。

距離が離れるとデッドゥアンレックは前蹴りと右ミドル、内藤はデッドゥアンレックのミドルに右ローを蹴り返す。さらに内藤は左フックから奥足へのインロー、左ボディ、デッドゥアンレックの前蹴りを取って右ロー。デッドゥアンレックは右ミドルと前蹴り、ワンツーを当てる。

2R、デッドゥアンレックが左ミドルとインロー、内藤は右ストレートで飛び込む。デッドゥアンレックは左の前蹴り、内藤は奥足へのインロー、左インローでデッドゥアンレックの足を削る。

距離が詰まるとデッドゥアンレックは左右のヒザ蹴り。内藤はジャブと右アウトロー、徹底的にローでデッドゥアンレックの足を狙う。デッドゥアンレックも左右のミドルを蹴り続け、そこから右ストレートへ。デッドゥアンレックのミドル×内藤のローという攻防が続いた。

3R、内藤は前に出て右ロー。デッドゥアンレックの右ミドルを受けて、右ボディからパンチをまとめる。デッドゥアンレックの左ミドルに左フックを合わせ、コーナーに詰めていく。デッドゥアンレックは右ミドル、ジャブと右ストレート。内藤はそのミドルをカットして右ローと右ボディを返す。

デッドゥアンレックは内藤の攻撃をバックステップ&スウェーでかわして右ミドル。試合が進むに連れてデッドゥアンレックは距離を取りながら左ミドルを蹴る。内藤は左フックで前に出るが空振りが目立つ。このまま試合終了となり、デッドゥアンレックが判定勝利。ローを効かせる場面もあった内藤だったが、デッドゥアンレックのミドルが評価される形となった。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FF46 RWS   キック スーパーボン・シンハ・マウイン タワンチャイ・PK・センチャイ ボクシング ルンピニー 内藤大樹

【ONE FF46】仕切り直しのタワンチャイ戦へ、スーパーボン「みんなが期待するテクニカルな試合になる」

22日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights 46にて、スーパーボン・シンハ・マウインがタワンチャイ・PK・センチャイの持つONEムエタイ世界フェザー級(70.3キロ)王座に挑む。
text by Takumi Nakamura

当初、タワンチャイとスーパーボンのタイトル戦は10月のONE Fight Night 15で予定されていたが、スーパーボンの負傷欠場によって延期となっていた。

仕切り直しとなった対戦を前にスーパーボンは「タワンチャイはムエタイの新世代として、すごく成長していると思うが、僕の方が経験が豊富だし、試合の時の力は自分の方が上だと思っている」と語る。またスーパーボンはキック・ムエタイの集大成として倒すべき2人の相手の名前を挙げ、その先にある新たなチャレンジについても語ってくれた。


――当初タワンチャイとの一戦は10月のONE Fight Night 15で予定されていましたが、スーパーボン選手の怪我で延期となってしまいました。改めてどんな怪我だったのかを教えてもらえますか。

「ふくらはぎの筋肉を断裂してしまい、ドクターから2カ月間は試合ができないと診断されたんだ。ただ色んな治療を施して、1カ月半で練習を再開した。最初は足を使わないようにボクシングの練習から始めたし、今はもうしっかり治っているよ」

――タワンチャイとは少しでも早く試合をしたかったのですか。

「試合が流れているから、すぐにやりたかったし、長い間待ちたくなかった」

――今回はムエタイルール=MMAグローブでの試合ですが、MMAグローブでの試合は初めてですか。

「そうだね。ただ以前からMMAグローブを使ったスパーリングはやっていたし、MMAグローブで試合することは問題ないよ」

――特にやりにくさはないですか。

「そうは言っても通常のグローブとMMAグローブには違いがあって、MMAグローブはディフェンスには使いづらく、拳を守ることも難しい。でもそれは相手も同じ条件だから気にはしてないよ」

――タワンチャイには対戦相手として、どんな印象を持っていますか。

「すごい良いファイターだし、ムエタイの新世代として、すごく成長していると思う。でも僕の方が経験が豊富だし、試合の時の力は自分の方が上だと思っている」

――スーパーボン選手もタワンチャイ選手もテクニシャンなので、日本のファンはこの試合が非常にテクニカルな試合になることを期待しています。

「まさにその通りだよ(笑)。僕もタワンチャイもテクニシャンだから、みんなが期待しているようなテクニカルな試合になると思う」

――最近のONEムエタイはパンチとヒジで打ち合う試合が多いですが、そういう試合にはならないですか。

「もちろんファイトだから、そういう試合になることも分かる。でも僕とタワンチャイは正しいタイミングでパンチもヒジも蹴りも出すことが出来る。だからパンチとヒジの打ち合いだけでなく、もっと色々な技を見せることが出来ると思う」

――今回の試合は2023年のONEを締める大会です。どんな試合を見せたいですか。

「僕はいつもファンのためにベストを尽くして戦っているし、相手がタワンチャイだから力を入れるということもない。いつものように全力で戦うし、チャンスがあればハイキックで倒すような、そういった試合を見せたいと思っている。絶対にファンをがっかりさせるような試合をしないよ」

――日本の武尊選手や内藤大樹選手がスーパーボン選手のジムで練習していますが、日本以外にも世界中から選手が練習に訪れるのですか。

「そうだね。色んな国の選手が練習に来ているよ。ちなみにトレーナーの一人が少し日本語が話せるから、ぜひ日本の選手にはもっと練習に来て欲しいね」

――スーパーボン選手も色んな国の選手と練習することで気づくことや学ぶことはあるのですか。

「それは大きなアドバンテージになる。自分が持っていないテクニックを体験できるからね。それこそ武尊たちとも練習して色んなことを学んだよ」

――スーパーボン選手ほどムエタイで実績を残している選手でも、新たなテクニックを学びたいという気持ちは変わらないのですね。

「今自分にはムエタイとキックで勝ちたい相手がいて、その選手に勝つことが出来たら新しいことにチャレンジしたいと思っている」

――スーパーボン選手が勝ちたいと思っている選手はずばり誰ですか。

「一人は今度対戦するタワンチャイ、もう一人はチンギス・アラゾフだ」

――新しいチャレンジというのは……。

「MMAかもしれないね。その時になったら改めて話すよ」

――分かりました。それでは最後の質問です。以前から気になっていたのですが“スーパーボン”というリングネームの由来を教えてもらえますか。

「自分の名前がボンで、兄もムエタイをやっていたんだけど、兄を超える選手になりたいと思って、自分の名前に“スーパー”をくっつけて、自分のことを“スーパーボン”と言い出したんだ。そうしたら父も僕のことを“スーパーボン”と呼ぶようになって、それがそのままリングネームになったんだよ(笑)」

――“スーパー”にはそういった理由があったのですね。本日はインタビューありがとうございました!

「アリガトウゴザイマス!」

 MMAPLANETでは前回タワンチャイ戦が延期になる前にスーパーボンにインタビューを行っていた。その時にスーパーボンが現代ムエタイについて話していた部分を改めて掲載したい。

――これまでタイの中量級(70キロ)以上の選手はタイで活躍する舞台がなく、タイ以外で戦わなければ注目を集める・稼ぐことが難しい状況でした。そのなかでONEが70キロの選手を世界中から集めて、試合を組んでいることをどう感じていますか。

「逆に言えば自分より小さい階級の選手たちは海外で試合をすることができなくて、僕たちが海外で稼いできたようなお金をタイ国内では稼ぐことができないという事実があった。そういう我々に対して、ONEがタイ国内でもいいお金を稼げる状況を作ってくれたことは喜ばしいことだし、自分のように実績とキャリアがある選手だけでなく、まだキャリアが浅い選手も含めて、すべての選手にそのチャンスを作ってくれたことは本当にありがたいと思っている」

――ムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催し、ラジャダムナンスタジアムでもRWSがスタートしました。ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。スーパーボン選手はこれについてどう感じていますか。

「ムエタイからギャンブルという要素がなくなり、本当のムエタイを見てもらえるという意味で、観客にとって凄くいいことだと思う。また選手にとっても判定基準にギャンブルが影響しないからこそ、もっと純粋に自分のスキルを使って戦うことが出来る。ムエタイがギャンブルではなくなるからこそ、ようやくムエタイの本来あるべき姿をみなさんに知ってもらえるようになったと思う」

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AB ABEMA ONE World kicks ブログ 内藤大樹

【ONE】内藤大樹、ONEムエタイで勝つために――「ムエタイを“やる”のではなく“学ぶ”」

【写真】11月中旬からスーパーボンのもとで武者修行中の内藤(C)TAIKI NAITO

秋元皓貴と共にONEキック・ムエタイで戦う日本人として最古参となった内藤大樹。2023年は7月・10月とルンピニースタジアムで試合が続き、いずれもムエタイ戦士に判定で敗れた。
text by Takumi Nakamura

盛り上がりを見せるONEムエタイを肌で感じている内藤はONEムエタイならではの戦い方がある一方、ムエタイの伝統的な技術やジャッジの見方を知ることも必要だと考えている。

現在、内藤はムエタイを学ぶべくONEのトップ戦線で活躍するスーパーボンが主宰するスーパーボン・トレーニング・キャンプにて武者修行中。ONEムエタイでの戦い、ONE日本大会、そして武尊のONE参戦についても訊いた。


――10月17日のONE Friday Fights 37ではゴントーラニー・ソー・ソンマイに判定負けという結果でした。まずあの試合から振り返っていただけますか。

「相手が強かったですし、前々回の試合でルンピニーで戦うことがどういうことかを分かったつもりだったのですが、自分のムエタイのスキルが足りていなかったのかなと思いました」

――内藤選手は7月のONE Friday Fights 27でデッドゥアンレック・ティーデ99と対戦。あの試合は内藤選手のロー&カーフキック×デッドゥアンレックのミドルという蹴り合い中心の攻防で、デッドゥアンレックのミドルが評価されて、内藤選手が判定で敗れる結果でした。デッドゥアンレック戦とゴントーラニー戦はセットで見る試合だったと思います。

「もともと僕は蹴りが得意なんですけど、どうしても蹴り合いになったらタイ人に分があるな、と。だからデッドゥアンレック戦のあとは多少強引にでもパンチで倒すことを考えて練習していました。実際にゴントーラニー戦の1Rはパンチを当てることが出来たのですが、2R以降は相手も動きを修正してきて。ゴントーラニーは去年までラジャのチャンピオンで、一流のタイ人らしい技の引き出しがありましたよね。僕がパンチで倒そう倒そうと真っ直ぐいってしまったので、相手は2・3Rはやりやすかったかもしれないです」

――1Rは左フックのカウンターのタイミングも合っていましたが、パンチに固執しすぎたということですか。

「前半は相手もパンチを返そうとして前重心だったんですけど、途中からは後ろ重心でミドル主体に切り替えてきたんです。そこで僕もローを返したりすればよかったのですが、どうしても前々回のことが頭によぎってしまって。蹴り返すことよりもパンチでいかなきゃという焦りになってしまいました」

――ONEムエタイ、特にルンピニーでの試合はダメージ重視でアグレッシブなファイトスタイルが評価されやすくなっていますが、それでもまだムエタイの判定基準は難しいですか。

「ABEMAの生中継で試合を見ている方がほとんだと思うのですが、ルンピニーは軽くミドルが当たっただけで会場の声援がすさまじいんですよ。あれも多少は動きに影響があると思いますね。

――3Rはどんなことを考えて試合をしていましたか。

「実はガードの合間から何度かパンチをもらってしまって、少しボーっとしていたところがありました。ただ相手が蹴ってきたときに『何を返そう?』と頭で考えていて、今思えば考えている時点でダメですよね。考えなくても体が動かなきゃいけないし、あのレベルの選手に勝つためにはAがダメならB、BがダメならC……そういう細かい技の引き出しと状況判断が求められると思いました」

――内藤選手も引き出しが多いタイプだと思うのですが、タイのトップ選手たちと戦うにはもっと増やすことが必要ですか。

「僕も日本でやっていた時は割と空間や間合いを支配して勝つタイプだったのですが、それだけでは勝っていけないんだなと思いましたね。特にここ2戦で」

――具体的にはどんなことが必要だと思いますか。

「タイ人と戦う上でムエタイをちゃんと学んで理解することが必要だと思います。それはファイトスタイルを変えるということではなく、ムエタイの練習をしてムエタイの技術を覚えて、その上で自分の戦い方や対策を考えるということです。相手がミドルを蹴ってくるからといって蹴り合うわけではないですが、蹴り返す技術がないとそれだけで選択肢が狭まってしまう。ONEムエタイで戦うなかで、ムエタイの技術を持っておくことは大事だと思います」

――現在内藤選手はタイで練習中ですが、ムエタイを学ぶことが目的ですか。

「そうですね。今年の始めにゲオサムリットジムで練習させてもらった時にミットを持ってくれたトレーナーが、スーパーボン・トレーニング・キャンプに移ったんですよ。それで今回はスーパーボン・トレーニング・キャンプにお世話になることにしました。もちろんスーパーボンやノンオーやペッタノンといった超一流の選手たちに触れてみたいということも理由の一つです」

――タイのトップ選手はONEムエタイの戦いにも順応していますが、なぜ彼らはそれができると分析していますか。

「例えばタイ人のパンチのミット打ちを見ると、一発一発をゴツゴツ打つじゃないですか。ボクシング的な技術ys回転の早さだったら日本人の方が上だと思うんですけど、MMAグローブのONEムエタイだったら、ああいうパンチの方が合っていると思うんですよね」

――なるほど。

「ボクシング的な打ち方をすると当たるけど効かせられない。逆にムエタイ的な打ち方は当たる数は少ないけど一発で効かせられる。タイ人がONEムエタイでパンチでゴリゴリいけるのは、パンチの打ち方を変えたというよりも、MMAグローブでやるムエタイがタイ人に合ってるんだと思います。

――そう考えるとルールによって「パンチが上手い」という概念も変わりますね。

「そうなんですよ。これは僕自身の練習にも影響するのですが、キックルールとムエタイルールのどちらでオファーが来るかによって、練習内容やメニューを変える必要があるなと。ヒジうや首相撲があるかどうかでも大分戦い方や技術は変わりますし、ONEの場合はグローブも変わるので、より別競技になってくると思います」

――ONEとはどちらのルールで戦うかを話し合っているのですか。

「キックルールのランキングにも入っていますし、こちらからはキックルールでも試合をやりたいというリクエストはしています。そのうえでムエタイルールのオファーが続いているという状況ですね」

――内藤選手は秋元皓貴選手と並んでONEの立ち技部門の最古参と言ってもいいキャリアですよね。

「ONEで試合を始めた時期は秋元選手の方が少し先ですが、試合数で行ったら自分が一番だと思います」

――ONEの立ち技部門を巡る状況も内藤選手が参戦した当初からかなり変わってきたと思います。そこはどう捉えていますか。

「立ち技だけで見れば世界のトップが集まっている舞台になったと思うし、自分が出ている団体だからということではなく、客観的に見ても選手のレベルという意味ではONEが立ち技で一番の団体だと思います」

――やはりルンピニースタジアムで毎週大会をやっていることは大きいですよね。

「ONEムエタイが新しい時代を作ったと思います。それがいいのか悪いのかは分かりませんが、ONEムエタイによってムエタイというものが変わりましたよね。ムエタイはムエタイだけど、より激しい戦いになっているというか。ONEムエタイという新しいカテゴリーが確立されている印象です。前回自分の試合が終わったあとに会場で試合を見ていたら、ミドルキックを一発も蹴らずにパンチとヒジしかやらない試合もあったんです」

――ムエタイで一発も蹴らない、は驚きですね。

「はい。僕は移転する前のルンピニーで試合をしたことがなくて、試合を見に行っただけなのですが、今のルンピニーは海外の観光客や若い女性ファンが多かったり、お客さんの層もかなり変わってきたと思います。賭けがなくなった分、ギャンブル目的とは違う客層に響いているんだなと思いました」

――それだけルールや戦い方が変わってきても、軽量級のトップを占めているのはタイ人で、改めてタイ人のレベルの高さを感じます。

「先ほど話したようにタイに来たのは一流の選手と練習することも目的で、実際に映像を見ているのと肌を合わせるのは違うと思っていて、感じるものがあるんだろうなと思います。あとは首相撲をやったら、10代の子供たちにやられることもありますし、プライドを捨ててじゃないですけど、よりハングリーになる必要があると思います」

――内藤選手はONEのキック・ムエタイどちらもランキングに入っていて、試合は毎回超強豪との対戦です。そういうONEで戦い続けていることにプライドや自負はありますか。

「日本のイベントが盛り上がっていますが、今の自分が戦うべき舞台という見方はしていなくて。僕自身、2度目の(那須川)天心戦で負けたとき、初めて格闘技をやめようと思ったんです。ちょうどその時期に鈴木(博昭)さんがONEと契約して、セコンドとして連れて行ってもらったんですけど、初めてONEを現地で見て『自分の格闘技人生、最後にここで結果を残したい』と思ったんです」

――ONEを見たことが現役続行を決める要因だったのですね。

「鈴木さんのセコンドにつくまで、2カ月くらい練習もしていなかったし、(現役を続けるかどうか)どうしようかなと悩んでいて、自分のなかでズルズル格闘技を続けるというのが嫌だったんです。それでふと思ったことがあって、僕は小さい頃に格闘技の世界チャンピオンになるという夢があったけど、まだその夢を叶えてないなって。そのタイミングでONEの試合を生で見て、ここでチャンピオンになったら、自分の中で満足できるのかなと思ったんですよね。だからONEで戦うことに喜びを感じるというか、純粋に格闘家としてONEでベルトを巻くために戦っています」

――ONEのチャトリCEOは来年の日本大会開催を明言しています。それについてはいかがでしょうか。

「日本では4年以上試合をしていないですし、ただ日本で試合をするだけではなく、ONEで戦っている自分を日本のみなさんに見せたいという想いはあります。ただ僕は2連敗中ですし、日本大会に出られなかったとしても、それはしょうがないと思っています。日本人だから日本大会に出られるわけじゃないと思っているし、そういう厳しさがONEだと思っているので。チャンスが来ることを待って、自分を高めるだけですね」

――今後もムエタイルールで試合する場合、ロッタン・ジットムアンノンが持つベルトを目指すことになると思います。

「今は誰とやりたいということはなくて、次オファーが来た相手にしっかりと勝つ。その気持ちが強いです」

――またONE参戦を発表した武尊選手のことはどう見ていますか。

「僕は武尊選手のことをすごくリスペクトしていて。武尊選手ほど地位とキャリアがあるのに厳しい戦いを選択して、自分と同じとは言わないですけど、武尊選手も“ファイター”なんだなと思います。だからこそ自分の邪魔をさせないという発言も出るし、武尊選手のONE参戦は刺激になります」

――同じ団体・同じ階級で戦う以上、ライバルになりうる存在です。

「ONEで日本人対決というのは考えたことがなかったんですけど、ONEで武尊選手と戦えたらすごく良いなと思います。形も立場も違うのですが、僕も武尊選手も天心選手と戦っていて、お互い色んな想いを持って戦ったと思うんです。僕の中では勝手につながりのようなものも感じているし、これから日本人対決があるとすれば、僕が日本人で戦いたいと思う相手は武尊選手だけかなと思います」

――今日はありがとうございました。日本大会出場も含めて、内藤選手の次戦を楽しみにしています!

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FF37 キック ゴントーラニー・ソー・ソンマイ 内藤大樹

【ONE FF37】ゴントーラニーの左ミドル・ストレートを崩せず。内藤がタイ人相手に2連敗

【写真】ゴントーラニーの左ミドルの前に内藤はペースを掴むことができなかった(C)ONE

<ムエタイ・フライ級(※61.2キロ)/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
Def.3-0
内藤大樹(日本)

サウスポーのゴントーラニーが左インローと左ミドルを蹴る。内藤もゴントーラニーの前足にローを集める。ゴントーラニーはそこに左ストレートを狙い、内藤もはゴントーラニーの左ミドルに左フックを合わせる。

ゴントーラニーは左ストレートを狙いつつ、左ミドルを蹴ってから左ストレートにつなげる。

内藤は変わらず左フックのカウンターを狙いつつ、左ミドルをカットしてインローを蹴る。ゴントーラニーは左ミドル・インロー、左ストレートで飛び込む。

内藤が右ミドル、ゴントーラニーは左ムドルとインロー。内藤が右ストレートを当てると、左フックから右アッパー。これがゴントーラニーの顔面をとらえる。ここから内藤は右ストレートを見せての右ハイキックにつなげる。

2Rもゴントーラニーはサウスポーに構える。お互いミドルを蹴り合い、ゴントーラニーが左ストレート・左ミドルで前に出ていく。

内藤も右ストレートを返してアウトロー、ゴントーラニーも右を見せてからインローにつなげ、内藤が下がるところに左のヒジで飛び込む。

内藤は右ミドルと左アウトロー、ゴントーラニーの左ミドルに左フックを狙う。ゴントーラニーはワンツー、左ストレートと奥足ロー。軽くジャブを見せて、思い切りよく左ストレートで飛び込む。

内藤はゴントーラニーのミドルをキャッチしてインローを蹴るが、ゴントーラニーは力強い左ストレートとインロー。内藤は後退させて左ヒジ・左ストレートを打ち込む。

3R、ゴントーラニーがインローと左ストレート。内藤は前蹴りで距離を取りつつ右ストレートと右のカーフキックを蹴る。ゴントーラニーは左ミドルを蹴り、内藤の蹴り足をとって倒れ際にヒザ蹴りを突き刺す。ゴントーラニーは内藤の右カーフをカットしながら左ミドル。内藤も左ミドルに左フックのカウンターを狙うが当たらない。

逆にゴントーラニーは左ストレート、左ミドル、左ハイ。内藤もそれを受けてローを返すけど効かせるまでには至らない。

左フックから右ストレートを見せる内藤。ゴントーラニーが左ミドルを連発して会場を沸かせる。終了間際、ゴントーラニーが左ストレートで飛び込み、内藤が左フックを返したところで試合終了となった。

結果はゴントーラニーの判定勝利。1Rの右アッパーやカウンターの左フックでチャンスを作った内藤だが、ゴントーラニーの左を軸にした攻撃を崩せず。タイ人相手に2連敗となった。


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ABEMA Gladiator MMA MMAPLANET o ONE ONE FF37 ROAD FC ゴントーラニー・ソー・ソンマイ チャンネル テムーレン・アルギルマー モリス・ボレヤン ルンピニー 内藤大樹 長谷川賢

【ONE FF37】テムーレンの宿敵=草原のナックモエ=ガントグドフが、7勝0敗のモリス・ボレヤンと対戦!!

【写真】コソっとやるには勿体ないマッチアップ。内藤選手出場大会で逆に良かった(C) ONE

本日20日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight37。同大会には日本から内藤大樹が出場し、ムエタイ・フライ級でゴントーラニー・ソー・ソンマイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

当然、ムエタイがメインのONEルンピニーだが、3試合のMMAが組まれ気になるファイターが出場している。それがモンゴルのガントグドフ・バートルチョローンだ。


フライ級でアルメニアのモリス・ボレヤンと対戦するガントグドフは、日本ではGladiatorで名を馳せたテムーレン・アルギルマーのライバルといえる選手だ。昨年3月のMGL-1FCでは微妙なスプリット判定負けを喫したものの、2カ月後の999 Fight Nightでの再戦では4Rにニンジャチョークで雪辱を果たし、999Fght Nightのバンタム級王座を獲得している。

その後、韓国のALL FCに参戦──交渉途中で旅費がでないことが発覚したが、周囲の協力を得て自費参戦を果たしフェザー級のベルトを巻いている。今年の1月にはモンゴル視察を行った長谷川賢の目に止まり、Gladiatorへの来日候補にもなっていたガントグドフだが、テムレーンがその切符を掴み──再び、韓国を戦場とした。

6月のRoad FCグローバル63キロ級トーナメントの補欠戦に出場したガントグドフは、チャ・ミンヒョクを左フックのカウンターで沈め初回でTKO勝ちを収めた。しかし、しかし、この補欠戦で勝利を掴んでいたにも関わらず、8月の準決勝大会のバックアップファイターとして渡韓はならず、ラザバリ・シェイドゥラフの計量失敗にも彼の代替出場できなかった。

アマムエタイでのアジア大会で銀メダル獲得、ムエタイでは60戦以上のキャリアを誇るガントグドフは、次なるステージにONE FCを選択した。そのガントグドフ、MMA戦績では5勝1敗で、打撃は組み技出身のモンゴリアンと違いテクニカルだ。レスリングと寝技には課題が残るが、後者に関しては柔術アカデミーでもあるガルーダMMAのトレーニングで克服に努めている。

その一方でレスリング、特に壁レスには改善の余地が多い。対戦相手のボレヤンは引き込み上等の寝業師だが、レスリングも体得しておりガントグドフとしては掴まれないようにローカーフを蹴り、ジャブで突き放すことが大切になってくる。

打撃に関してはガントグドフが明確に上で、強引に組んできたところにヒザ蹴りを効かせることも可能だろう。ただし、ボレヤンはギロチン、バック奪取から自ら下になっても構わないほど三角絞めを得意にしており、スクランブル戦は避けたいところ。とはいっても、避けられないのがMMA。この点において、ガントグドフはボレヤンが嫌がる打撃で先制できるのかどうかが、非常に大切になってくる。簡単に組まれるようだと、厳しい戦いとなるだろう。

■放送予定
10月20日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF37MMA対戦カード

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ラフィ・ボーヒック(フランス)
アンター・カセム(ベラルーシ)

<ムエタイ132ポンド契約/3分3R>
テッパクシン・ソー・ソンシン(タイ)
リッティデット・ソー・ソンマイ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ラムナムコン・BS・ムエタイ(ラオス)
サムオイノーイ・トー・プースワン(タイ)

<ムエタイ133ポンド契約/3分3R>
ペットシリチャイ・デペッチシリトン(タイ)
ソンファンコン・FA・グループ(タイ)

<ムエタイ124ポンド契約/3分3R>
パンモンコン・ソー・モンコンガンチャン(タイ)
ガオグライ・チョー・ハパヤック(タイ)

<ムエタイ118ポンド契約/3分3R>
マハヒン・ナックビナライヨン(タイ)
タハンエック・ナヨックエタサラ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
内藤大樹(日本)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アスラムジョン・オルチコフ(ウズベキスタン)
ペットフアヒン・ジットムアンノン(タイ)

<ムエタイ130ポンド契約/3分3R>
チャイ・ソー・ソー・トイパドリュー(タイ)
エリアス・カセム(アルジェリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
モリス・ボレヤン(アルメニア)
ガントグドフ・バートルチョローン(モンゴル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)
デニス・ドレーエフ(ロシア)

<130ポンド契約/5分3R>
パーシバル・オウモ・ムワンビ(豪州)
カムロンベク・オルチコフ(ウズベキスタン)

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【ONE FF37】ONEムエタイで世界と戦う内藤大樹、激闘系スイッチヒッター=ゴントーラニーと再起戦

【写真】ONEに主戦場を移して約4年、内藤はONEムエタイ・キックで世界の強豪と鎬を削っている(C)ONE

21日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights 37。今大会では日本の内藤大樹がゴントーラニー・ソー・ソンマイと対戦する。
by Takumi Nakamura

元シュートボクシング日本スーパーバンタム級王者の内藤は2019年10月からONEに参戦し、ONEで戦う日本人立ち技ファイターのなかでも最古参と言ってもいいキャリアを誇る。ここまでの内藤のONEでの戦績は9戦6勝3敗。2020年2月には当時32勝1敗の戦績を誇っていたサバス・マイケルから2度のダウンを奪って勝利し、翌2021年9月には元ONEキックボクシング世界フライ王者の強豪ペッダム・ペッティンディーにスプリット判定で競り勝った。

敗れた相手にはONEムエタイ世界フライ級&バンタム級王者ジョナサン・ハガティーとONEキックボクシング世界フライ王者スーパーレック・キャットムー9が含まれる。

今年7月のONE Friday Fights 27ではデッドゥアンレック・ティーデ99に判定で敗れたものの、内藤のロー&カーフキック×デッドゥアンレックのミドルという蹴り合い中心の攻防で、デッドゥアンレックのミドルが支持されてのもの。ダメージや打撃スキルで差がついた内容ではなく、内藤がONEムエタイ戦線においてトップ戦線に位置する一人であることは変わらない。

再起戦の相手となるゴントーラニーは元ラジャダムナンスタジアム スーパー・バンタム級&ライト級王者。基本的にはサウスポーながらオーソドックスも使いこなすスイッチヒッターで、ONEには今年2月から参戦し、早くも今回が6戦目とムエタイ戦士らしくハイペースで試合をこなしている。

特にONE参戦前からのライバルでもあるギンサンレック・トー・ラックソーンとの2試合は印象的で、2月の対戦では2Rに奥足ローを効かされて左ストレートでダウンを奪われるも、構えをスイッチしてからの左フックで逆転KO勝利。6月のリマッチでは1Rからオーソドックスで戦い、2月と同じ左フックでギンサンレックを2Rで沈めている。

ロー・カーフキックからコンパクトなパンチにつなげる内藤としては、ゴントーラニーがどちらの構えで試合を進めるかによって試合の組み立てが変わってくる。

そのうえでサウスポでーは伸びのある左ストレート、オーソドックスでは前手の左フック。いずれにしてもゴントーラニーの左に警戒しつつ、どう足から削っていくか。ONEムエタイならではの激闘を続ける強豪ゴントーラニーをクリアし、タイトル戦線に絡んでいく姿を見たい。

■放送予定
10月20日(金・日本時間)
午後21時30分~ABEMA格闘チャンネル

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News ONE ONE Championship ブログ 仙三 内藤大樹 平田樹 若松佑弥

【ONE】平田樹&内藤大樹、仙三&若松佑弥──インスタライブでファン参加型の対談が実現!!

ONE【写真】平田✖内藤、仙三✖若松。選手間で、どのような会話が聞かれるのか──楽しみだ (C)MMAPLANET

24日(金)、ONE Championship Japan広報より、新型コロナウィルス拡大による外出自粛の日々が続く中、Stay HomeでONEアスリートの一面が知られ、ファンも交流ができる企画「ONEアスリートコラボIGライブ」の実施が発表された。

プレスリリースには「『ONEアスリート コラボIGライブ』は、世界中の強豪と激闘を繰り広げるONEアスリート達とファンの方々との交流を目的とし、普段聞くことができない本音トークや舞台裏の心境、練習方法などONEを生き抜くリアルな選手達を知ることができる機会となります。今だから、そしてこの人だから話せるONEアスリートのIGライブは、選手同士の『あの選手から話を聞いてみたい』という熱い思いから実現しました」と明記された今回の試み。

まずは明日25日(土)の午後7時から平田樹✖内藤大樹、明後日26日(日)の午後7時からは若松佑弥✖仙三のマッチアップが決まっている。


平田と内藤は2月に同じジャカルタ大会で戦っており、内藤のサヴァス・マイケル戦の勝利で平田は気持ちがさらに入ったと言う。他競技を同じ場所で戦う両者からどのような話が聞かれるのか、選手同士ならではトークが楽しみだ。

そういう意味ではさらに興味深いのが、若松✖仙三の顔合わせだ。何といっても両者は2018年2月に拳を交え、激闘を実際に繰り広げている間柄だ。戦った当人の間でどのような話が展開されるのか──そのパンチと違い、「喋り」に関しては切れがない若松をどう仙三がリードできるかも興味深い。

なおONEアスリートコラボIGライブは、ストーリーズにて見逃し配信の視聴が可能(配信後24時間)とのこと。これらのLive対談は、出演選手のインスタグラムのLIVEから約40分の予定で視聴ができ、ファンも参加可能だ。このファン参加型の新しい試みは、今後も佐藤将光や山口芽衣の出演が予定されている。