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【Shooto2023#06】念願の空道世界大会制し、MMA復帰。岩﨑大河─01─「勝たなければ発言権はない」

【写真】空道を生涯をかけてきわめていく武道。MMAをやり切るのは、今(C)SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto#06で、岩﨑大河が韓国のキム・ミンスと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2020年7月のMMAデビュー以来、無敗街道を走ってきた岩﨑は、昨年12月にラファエル・ロバトJrに敗れた。しかし今年5月には自身のルーツである空道の世界選手権の+270クラスを制し、再びMMAに戻ってくる。空道とMMAの両立、そしてMMA初黒星からの復活――岩﨑が現在の心境を語ってくれた。


(C)DAIDOJUKU

――改めて空道世界選手権、優勝おめでとうございます。決勝のフィニッシュが掴みからの頭突き連打というのは、空道らしいと思いました。

「ありがとうございます!」

――今年の世界空道選手権は出場選手が国際色豊かで、決勝で対戦したイタリアのアドリアーノ・メネゲッティはバック→足の取り方など柔術をやりこんでいる印象でした。

「そうなんです。空道で強い国といえばロシアなのですが、『最近強くなってきたな』と思う国は柔術や他の格闘技を取り入れているところが多いですね。今回目立ったのがキューバの選手で。-260クラスで優勝した選手(リディエ・ジョロン・ゴンザレス)はヨーロピアン柔術(※注)をやっていると言っていました」

注)ヨーロピアン柔術:種目によってルールは大きく異なるが、「ファイティングシステム」は寸止めの打撃技と投げ技、絞め技、関節技、抑え込み技が許されている着衣総合格闘技。初期UFCで活躍したレムコ・パドゥールは、ファイティングシステムの世界王者だった。

――キューバ勢の参戦は興味深いです。

「昔の試合映像を視ると、寝技だけの試合でもかなり強くて。僕の決勝の相手もそうですが、空道の中では対ロシアの戦略として柔術とか寝技を強化しているのだろうと思います」

――どの格闘競技でもロシアや中央アジアなど、旧ソ連圏の選手対策は必須となっていますね。対して決勝の相手は寝技だけでなく、蹴りも伸びる選手でした。

「決勝は最初、自分が押されているような印象を与える試合展開でしたよね。相手はリーチが長くて、打撃がコツンと当たる。自分としては効いていないけど、懐に飛び込むことができない。最初は打撃で勝てるものの、組むというか組みに行くぐらいの距離感で戦ったほうが自分の打撃も当たるかなと思いました。延長戦に行く前に戦術を切り替えることができて、結果的に功を奏しました」

――延長戦で岩﨑選手のパンチがクリーンヒットした裏には、そうした戦術の切り替えがあったのですね。決勝はフィニッシュこそ頭突きの連打でしたが、直前のパンチが効いていて、頭突きで心が折れたという印象でした。

(C)DAIDOJUKU

「ストレート、フック、ストレートと入った時に自分の中では『これは勝った』と思いました。

相手の動きが落ちたのも、目に見えて分かりましたから。自分が待ちの状態で、相手に入ってきてほしいけど入ってきてくれない。そこで自分から攻めていくと、相手も自分の距離に入ってきてくれたんです」

――岩﨑選手としてはMMAもやりながら、空道の世界選手権で勝ちたい――『自分が優勝しなければいけない』という義務感やプレッシャーは感じていましたか。

「プレッシャーのようなものは無かったです。自分は人に何か言われても、それほど気にしないタイプなので(笑)。ただ、他の人がどう思っていたか分かりませんが、自分で勝手に優勝することが義務のように考えていました。空道とMMAを並行してやっていることで、両方から何か言われないようにしないといけない。空道でもMMAでも、勝たなければ自分に発言権はないですから。その気持ちが自分の糧になっていました。この世界選手権に出場したこと、そして優勝できたことは間違いなく自分にとってプラスしかありません。ようやく自分の義務を果たすことができて嬉しいです」

――世界選手権を制したことで、今後も空道を続けていくのか。あるいはMMAに専念するのかという選択権を持つこともできたと思います。

「空道を辞めることはないです。ただ、しばらくはMMAに専念していきたいと思っています。実は世界選手権に専念するため、MMAのオファーも断っていました」

――4月のONE FFに出場する話もありましたよね。

「あれは対戦相手の負傷で流れてしまったんですよ。最初は3月に試合をする予定で、それが4月に延期されて……『5月に空道の世界選手権があるのに』と(苦笑)。ただ、今考えると流れて良かったと思います」

――MMAの話でいえばデビュー以来無敗街道を歩んできた岩﨑選手ですが、昨年12月の巌流島でラファエル・ロバトJr.に敗れています。

「あの試合は力負けしてしまいました。あとは最初に聞いていたリングの広さとは違っていて、作戦を変えざるをえなくなりました。ただ、負けたことは事実ですし、何を言っても言い訳になります。レコードに1敗はついたけど、そんなに気にはしていません。内容的にも悲観するようなものではなかったかな、と思っています。自分にとっては『今後も頑張らないといけない。今の自分にはコレが足りない』と気づくこともあって。ちょうど空道の世界選手権を挟んで、MMAキャリアの折り返し地点になったと考えています」

――ご自身には何が足りないと思いましたか。

「MMAの中で区分するなら、自分はストライカーです。ストライカーにとって最初は、組みの部分は二択になると思うんですよね。レスリングを鍛えてテイクダウンするようになるか。あるいは倒されても、すぐに立ち上がれるようになるか。自分の場合はレスリングを練習してみても、フィジカル負けをしたことはないです。それでもテイクダウンされることはあります。だとすれば、すぐに立つ練習をしたい。そう思ってグラップリングの練習を増やして、今は良い形になってきています」

<この項、続く>

■ Shooto2023#06対戦カード

<フライ級/5分3R>
石井逸人(日本)
堀内佑(日本)

<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
キム・ウンス(韓国)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
宝珠山桃花(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
杉本恵(日本)
エンゼル☆志穂(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
上原平(日本)
磯部鉄心(日本)

<フライ級/5分3R>
内田タケル(日本)
大竹陽(日本)

<バンタム級/5分2R>
平川智也(日本)
ライダーHIRO(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
メイヘム和也(日本)

<バンタム級/5分2R>
谷井翔太(日本)
杉野光星(日本)

<新人王決定Tフライ級2回戦/5分2R>
大石航輔(日本)
神里昭吾(日本)

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Eternal MMA78 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC アラン・フィルポット キック ショーン・エッチェル 内田タケル

【Eternal MMA78】アラン・フィルポットが元バンタム級王者エッチェルをRNCで下す

<バンタム級/5分3R>
アラン・フィルポット(英国)
Def.2R3分53秒by RNC
ショーン・エッチェル(豪州)

前蹴りから右ミドルを蹴るエッチェル──昨年のRoad to UFCワンマッチで内田タケルにRNCで敗れているファイター──に対し、フィルポットは左ジャブを伸ばす。エッチェルは前蹴りを多用し、その一発がフィルポットの急所に当たって試合が中断する。再開後、構えを変えて回るフィルポットが蹴り足をキャッチしてテイクダウン、スクランブルからバックに回る。前方に落とされたフィルポットは、ガードを取ってアップキックへ。

顔面を蹴られたエッチェルが、グラウンド状態だったとアピールしてレフェリーが試合を止める。しかし、映像をチェックすると両ヒザともキャンバスについておらず、有効な攻撃だった。

再開後、果敢に前に出るエッチェルは、またも蹴り足をキャッチされボディロックに切り替えたフィルポットがテイクダウンを決める。しっかりとハーフで抑えたフィルポットが右で殴っていく。エッチェルは手首を掴んで殴られないように努め、スクランブルで立ち上がる。フィルポットはボディロックを続けケージに押し込むも、エッチェルが押し返したところで距離を取り直した。と、右を見せてダブルレッグ&小外刈りでテイクダウンを決めたフィルポットが、30秒間トップを維持して初回を取った。

2R、踏み込んで右を放ったエッチェルは、左ハイを受けそうになり、直後にまたも蹴り足を掴まれてテイクダウンを許す。ハーフから足を抜くと同時にマウントを取ったフィルポットは、バウントに移行するとRNCを極めて4年1カ月振りの勝利を挙げた。


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MMA o Shooto UFC   キック ヨシ・イノウエ 修斗 内田タケル 鎌田悠介

【修斗】速報中!SHOOTO GIG TOKYO Vol.34

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午前中はUFC、午後は修斗。新宿FACEではSHOOTO GIG TOKYO Vol.34が開催されます。メインはフライ級世界ランク8位内田タケルに2022年の新人王・片山将宏が挑むワンマッチ。片山は勢いそのままにランカー撃破となるか。さらに伊集龍皇など将来性豊かな若手が多数出場するラインナップ。今宵は新宿FACEから電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。

ここでまさかの発表。メインに出場する片山が計量で2.7kgオーバーにより試合が消滅。主催者側はチケットの払い戻しに応じるとの事。主催者の姿勢は真摯的だけど、もっと早めに発表してほしかった。わざわざ新宿まで来てるファンもいるんだから。。。そして大幅体重超過の片山。何か事情があるにせよ、さすがにメインでそりゃなしだわ。


【第1試合 アマチュア 女子スーパーアトム級(50kg)】
×丸山帆波(リバーサルジム横浜グランドスラム)
(1R 腕十字)
◯成田柊(AACC)
1R、開始直後からパンチを振るって前に出る。丸山もパンチで応戦するとこれがヒット。成田は腰を落とす。丸山はすかさずタックルに行くが、成田は首を取ってギロチン。下になって絞めるが丸山は首を抜く。しきし成田はすかさず下から腕十字!これが決まってレフェリーが試合を止めた!


【第2試合 トライアウト 58kg契約】
△増田比呂斗(マスタージャパン東京)
(判定0-0)
△鈴木梓文(和術慧舟會HEARTS)
1R、いかにも打ち気満々の増田。ボディがエグい。何度もヒットさせると鈴木はたまらずタックル。これが決まってテイクダウンに成功。マウントから足関節を狙うが増田はスタンドに脱出。だが鈴木はすぐにタックルでテイクダウンしてラウンドを終えた。
2R、開始直後の打撃の交差から鈴木がタックルでテイクダウン。しっかりとポジションを固めて時間が経過。終了間際に増田が立ち上がって膝を放つがタイムアップ。判定はドロー裁定。


【第3試合 トライアウト ウェルター級】
◯後藤亮(TRIBE TOKYO MMA)
(判定3-0)
×石原匠(シューティング宇留野道場)
1R、開始直後にスタンドでバックに周った後藤。すぐにグラウンドに引きずり込む。下になりながら三角絞めを狙うが不発。石原が上になるが膠着してブレイク。再開すると後藤はすぐに組み付いてラウンドを終えた。
2R、やはり組み付いてくる後藤。脚を掛けてテイクダウン。しばらく上を固めるが石原は下からタックルで組み付いてと立ち上がると差し合いになってブレイク。その後も大きな展開なく試合終了。判定は後藤に軍配。


【第4試合 バンタム級】
△藤田ムネノリ(SUBMIT MMA)
(判定0-0)
△永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)
1R、藤田が奇襲。ハイからタックルで組みつくとしつこくしつこく寝技に誘い込む。一度はバックに周ったが永井は動き回って脱出を狙う。それでも食らいつく藤田。テイクダウンを巡る激しい攻防の末に藤田はフラフラ。永井の打撃にヒヤヒヤさせられるが、最後は藤田がタックルでテイクダウンしてラウンド終了。
2R、ガス欠気味の藤田に対して永井は細かいパンチとカーフキックをヒット。しかし藤田は決定打をもらわずに組み付いていく。グラウンドに引きずり込むが永井もすぐに立ち上がって一進一退の攻防のまま試合。判定はドロー裁定。


【第5試合 ストロー級】
◯鎌田悠介(パラエストラ松戸)
(1R TKO)
×伊集虎皇(パラエストラ小岩)
1R、開始直後から好戦的な伊集。間合いを詰めてパンチを振るうが鎌田のフックがカウンターでヒット。伊集はダウン。鎌田はパウンドに行くがガードを固めて難を逃れる。しばらく膠着してブレイク。再開すると再び打ち合い。鎌田のパンチが面白いようにヒット。最後はフックで伊集はダウン。パウンドを放ったところでレフェリーが試合を止めた!鎌田が快勝です。


【第6試合 フェザー級 】
△青井太一(心技館)
(判定1-1)
△中村修平(リバーサルジム東京スタンドアウト)
1R、打撃がキレる青井が果敢にパンチをヒットさせる。しかし中村は要所でタックルを決めてテイクダウン。だが青井はすぐに立ち上がる。再びスタンドに戻ると青井のパンチで中村はグラつく。青井は飛び膝を狙うが不発。中村は組み付いてテイクダウン。じわじわとバックに周ると立ち上がった青井の背中に張り付いてラウンドを終えた。
2R、しつこくタックルに来る中村。青井はことごとく切ってパンチを当てる立ち上がり。このまま行くかと思いきや、しがみつくようなタックルで中村はテイクダウンに成功。ポジションをキープしていたが、青井は下からアームロックを仕掛けたところでタイムアップ。判定はスプリットで三者三様のドロー裁定。


【第7試合 フライ級】
△輝龍(roots)
(判定1-0)
△前田壮吉(リバーサルジム横浜グランドスラム)
1R、パンチの交差から刺し合いが長らく続いてブレイク。身体が離れると打ち合いから輝龍のバックハンドブローがヒット。前田は一瞬腰を落とす。だが前田はすぐに立て直して組みつく。首相撲から肘と膝で反撃。しかし大きな展開なく膠着してブレイク。この展開が続いてラウンド終了。
2R、息を吹き返した前田が前に出て距離を潰すとまたも差し合い。首相撲の展開が続く。身体が離れると前田のパンチ、ハイがヒットして輝龍はグラつく。前田は至近距離から肘と膝を狙うがクリーンヒットしない。終盤にはタックルに行くが倒せないまま試合終了。判定はドロー裁定。


【第8試合 フライ級】
×佐々木駿友(T・GRIP TOKYO)
(判定0-3)
◯須藤晃大(格闘DREAMERS)
1R、開始直後に須藤がタックルで組みつく。スタンドでバックに周りかけたが佐々木は正対。身体が離れると須藤のカーフキックが冴え渡る。鋭角に何発もヒットすると佐々木の足が止まる。そこにミドル、前蹴りがボディをえぐると佐々木は後退。危ない場面だったが佐々木は回避。終了間際には須藤がタックルでテイクダウンしてラウンドをまとめて終わった。
2R、やはり須藤のカーフがエグい。何発もヒットして佐々木の動きを止める。手数で圧倒。終了間際にはタックルでテイクダウンを奪うと肩固めであわやの場面を作るが佐々木は何とか凌いで試合終了。判定は須藤に軍配。


【第9試合 フェザー級】
×ヨシ・イノウエ(パラエストラTB)
(1R TKO)
◯猿山千里(RISING SUN)
リーチで劣る猿山は思い切りよく間合いを詰めて左右のフックを振り回す。対するイノウエは長いリーチを活かして遠距離のパンチ、首相撲からの膝の連打で迎撃。一進一退の打撃戦が続く。中盤に入ると猿山がコーナーに追い詰めて左右のフックがクリーンヒット。イノウエが腰を落としたのを見てレフェリーが試合を止めた!


【第10試合 セミファイナル バンタム級】
◯伊集龍皇(パラエストラ小岩)
(1R ヒールホールド)
×青井心二(心技館)
1R、開始直後からダッシュして打撃戦を仕掛ける伊集。青井が迎撃するとタックルに切り替えてテイクダウン。猪木アリ状態から一気に足を掴んでヒールホールド!青井がタップ!伊集が鮮やかに極めた!
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【Shooto2023#02】ストロー級王者・新井丈と対戦、関口祐冬─02─「新井君の応援団のヤジにムカついた」

【写真】ひょっとすると、この瞬間か……(C)MMAPLANET

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるSHOOTO2023#02で、修斗世界ストロー級王者の新井丈と対戦する関口祐冬のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

幼少期に父親から格闘技を学び、たどり着いたMMA――そんな関口の前に現れたのが、現王者でありUFCに参戦中の平良達郎だった。10代の平良に何もできずに敗れて、彼のMMA人生は変わったという。そんな関口が、今回の新井戦に至った経緯と試合について、さらに今後の目標まで語りつくしてくれた。

<関口祐冬インタビューPart.01はコチラから>


――それだけ格闘技をやりたくないという気持ちが強かったのに、MMAを始めた理由は何だったのでしょうか。

「最初は魔裟斗さんとKIDさんの試合を観て、キックボクサーになりたかったんですよ。でも近くにキックボクシングのジムがなくて、MMAのジムに入りました。ジムの代表さんには『キックボクシングをやりたい』という希望を伝えていたんですけど、MMAの試合に誘われて出てみたら――喧嘩で強いのはMMAのほうだなと思って(笑)。

それでアマチュア修斗に出るようになったら、地区選手権は勝てました。でも全日本選手権は2年連続、1回戦負けで……悔しかったです。その時、自分の中で火がつきました。2回目の全日本から帰る車の中で、当時通っていた大学に電話して『辞めます』と。そこから上京して、修斗GYM東京に入りました」

――すごい展開ですね! しかし上京して2017年にプロデビューを果たしたものの、2019年までは3勝3敗1分という戦績でした。

「当時は練習不足でした。上京して、家賃や生活費が必要になるじゃないですか。すると仕事で稼ぐほうが大変で、ジムでの練習は週3日ぐらいっていう……。いま考えると、当時よく3勝もできたなって思いますよ」

――そのような生活が2019年に終わり、2020年からの5連勝につながるのですか。

「平良君に負けた(2019年6月に判定負け)あと、僕がジムから半年ぐらい失踪したんですよ。当時って平良君は、まだ10代じゃないですか。僕は21歳ぐらいかな。その相手に2Rの間、何もさせてもらえなくて。パンチも開始早々に1発か2発出したぐらいで、あとはテイクダウンされて2Rずっと天井を見ているだけでした。それで結構メンタルをやられてしまって……『俺は何のために東京へ来たんだろうな』と考えるようになったんです」

――……。

「そうしたら、ジムの先輩である猿丸ジュンジさんが気にかけてくれて。『今度、俺の試合があるから練習相手としてジムに来いよ』と連絡をくれたんです。練習を再開したら、やっぱりMMAが楽しくて。そこから取り組み方が変わりましたね」

――猿丸選手らしいエピソードです。次は、その猿丸選手からKO勝ちでベルトを奪取した新井選手との対戦となります。何か思うところはありますか。

「いや、全然ないですね」

――……はい。そう答えるような気がしました。おそらく平良選手が関口選手に勝ったあと、修斗のベルトを巻いてUFCと契約したことについても、特に思うところはなさそうですよね。「先に行かれてしまったなぁ」とか。

「アハハハ、平良君についても何も思わないです。猿丸さんのことは大好きですよ。一番尊敬している人です。でも猿丸さんと僕もそうだし、平良君と僕も違うファイターじゃないですか。大切なのは、自分がどうするかであって」

――そのとおりだと思います。たとえば前回の対戦相手、内田タケル選手はRoad to UFC帰りとして注目を浴びていました。そういった対戦相手については、いかがでしたか。

「RTUに出ていたからどうとは思わないです。ただ、名前が売れている選手と対戦したい欲はありますね。僕はSNSが苦手で、自分から何かを発信しないんですよ。だったら名前のある選手に勝ったほうが、自分の知名度も上がるのでオイシイと思っています。

今回の新井君もそうです。彼は2022年の修斗MVPだと思っているし、ずっと修斗をかき回している存在じゃないですか。そんな新井君と対戦できるのは嬉しいですね」

――では昨年11月、新井選手が大竹陽選手をKOしたあとに関口選手の名前を出した時は嬉しかったのではないですか。

「もともと新井君のほうから僕と対戦したいという話があって、僕も会場にいたんですよ。それで名前を出されてケージに入ったものの……実は、当時はフライ級の暫定王座戦をやりたい気持ちがあって。新井君はフライ級のノーランカーに勝っただけで、まだ早いと思っていましたし。

新井君とにらみ合ったのは正直、そっちのほうが盛り上がると考えたからです。やっぱり会場に来てくれたお客さんが、盛り上がってくれたら嬉しいので。でも、これが自分の悪いところなんですよね。新井君の応援団からのヤジにムカついちゃって(笑)。やけに汚いヤジが飛んでくるから、観客席に向かって『だったら、やってやるよ。どっちが強いか見せてやるから試合を観に来い!』みたいなことを言ってしまいました(笑)」

――個人的には、そのほうが興味深いです。興行のためにトラッシュトークで盛り上げることは、程度はともかく必要かもしれません。一方、そこで素の感情が出てしまうのが人間ですし、ファイターなのではないでしょうか。実際、ファイターとして素の感情が試合につながることが、試合のためにも良いと考えています。

「アハハハ、ありがとうございます。新井君のことは、心から尊敬しています。新井君って格闘家から見たら、本当に尊敬できる存在だと思うんですよ。自分なんかは2連敗しただけで、半年も失踪しているわけで。新井君は9連敗のあと連勝してベルトを巻いている。そんな選手、海外にもいないんじゃないですか? それだけMMAが好きなんだと思うし、結果も出していて、本当に尊敬できる選手です」

――では、対戦相手としてはいかがですか。

「良くも悪くも自分の出方次第かなと思っています。新井君には新井君の距離があって、対して自分がどういう距離で戦うかで展開は変わりますよね。あとは僕がテイクダウンを狙うかどうか。距離感とテイクダウン、この2点がポイントです」

――新井選手は自分の距離に入って、一発当たれば勢いが止まらないタイプです。

「そこだけは気をつけたいです。ただ、色々試したいことはあるんですよ。フフフ。今まで新井君がどれだけKOを築いてきていても、僕はパンチをもらっても自分が倒れるとは思っていません。どっちが倒れるんだろうなって純粋に楽しみです」

――1階級下のチャンピオンを下したあとは、フライ級のベルトに挑みたいですか。

「そうですね。やっぱり僕は世界で戦いたいです。そのためにはベルトを巻いていたほうが良いと思っていますけど、自分は肩書に興味がなくて……」

――どういうことでしょうか。

「僕は修斗フライ級の世界1位です。でもそれはランキング上の話であって、修斗の中には僕よりも強い選手はいるかもしれないわけですよ。そういう選手を全員ブッ倒してこそ本当の1位だし、本当のチャンピオンになれると思っています。誰が見ても自分は強い――その証としてベルトを巻きたいです」

■視聴方法(予定)
3月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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DEEP Gladiator020 MMA MMAPLANET o Progress UFC YouTube キック キ・ウォンビン コンバット柔術 ジョセフ・チェン ジョン・オリニド チョ・ソンビン 中川皓貴 久保健太 井上啓太 修斗 内田タケル 宮城友一 山本琢也 山田崇太郎 森戸新士 江木伸成 神田コウヤ 竹本啓哉 笹晋久 藤田大 鶴屋怜

【Gladiator020】巻き返しの第一歩=ジョン・オリニド戦。笹晋久「なぜ、この人と戦わないと?」

【写真】まるで未知数。ただし、フィリピンの3勝0敗のファイターには負けられないという気持ちがあって然りだろう (C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020でジョン・オリニドと対戦する笹晋久。

2021年はHEATでドロー、Gladiatorで敗北とキャリアの仕切り直しが上手く行かなかった笹。働きながら強くなることに限界を感じた彼は、MMAファイター一本の生活に切り替えた──そして、キャリア3勝0敗の無名のフィリピン人選手とのオファーに『なぜ、この選手と戦わないといけないのか』と一度は固辞したという。

翌日には試合を受けることを了承した笹だが、こんなところで躓くわけにはいかないという想いが言葉の端々から伝わってきた。


──笹選手、22日にジョン・オリニドとグラジエイターで試合が決まっています。今のコンディションはいかがですか。1月の試合が正月もあり、練習環境を整えるのが難しいという話もありますが(※取材は11日に行われた)。

「31日も元旦も、2日も3日も練習してきたでの大丈夫です。修斗で戦う山本琢也選手、2月のDEEPに神田コウヤ選手達、試合に出場する選手達もそうだし、試合がない選手もやる気がある人は練習していました。だからいつも通りの試合前でした」

──ではグラジエイター2戦目ですが、2021年と2022年は厳しい結果となりました。修斗やDEEPで戦って来た笹選手にとってグラジ初戦となった竹本啓哉戦の敗北には何を想いましたか。

「そうですね、竹本選手は凄く強い選手と改めて思いましたし、自分の甘さ、練習への姿勢もダメだったと思わされました。あの試合後、仕事を辞めて練習だけの日々を送るようにしました」

──仕事を辞めた……。それが良いことなのか自分には分からないのですが、そこまでしないといけないという気持ちにされたということでしょうか。

「年は下の子たちなんですけど、鶴屋怜君や内田タケル君たちは1日に2回と練習をメインの生活をしています。先輩の扇久保(博正)さんとか、格闘技だけに集中している人達を見て、俺はこのままではダメだなって。生活は厳しくなっていますし、世間的には仕事をしないことがどういう風に思われるのか、それはずっと仕事をしてきたので分かるんです。

けど、それぐらいしないと、甘い世界ではないので。しかも僕はバックバーンもないですし、練習量でしかカバーできないので。格闘技は今しかできないと思いますから」

──生活が厳しくなると言われていましたが、つまりは格闘技で食っていけるようにならないと、そのような生活は早晩続けられなくなるということですね。

「僕はもう32歳なのですが、ずっと格闘技をやっていくつもりです。いつまでという考えはないですけど、そのために試合に出て結果を残していきたいです」

──そのなかで首都圏の選手の視野になかなか入らないHEATとグラジに出場したことで、どのような印象を持ちましたか。

「雰囲気が修斗とは違うなと思いました。選手の雰囲気──ですね。ちょっとやんちゃ系の人が多いと感じました。修斗とDEEPも違うのですが、グラジエイターはアウトロー的に感じました」

──前回の竹本選手との試合は2回戦でした。3R制とはまた違う戦いが必要だったかと思います。

「正直、3Rの方が良いというのはあります」

──今回のジョン・オリニドは3回戦です。キャリア3勝0敗、無名のフィリピン人選手とのオファーをどのように思いましたか。

「鶴屋さんから言われて、『誰?』って思いました。全然分からなくて、戦績しか聞かされていなくて。『なんで、この人と』と思って正直、最初は断りました。でも翌日にジムに来たら、鶴屋さんから『なぜ、試合を受けない』と言われました。そこでハセケンさんが見つけてきた選手とか聞いて、『それならやりたい』と」

──『なんでやらない』って言われても、何も知らなくてキャリア3戦の選手だと聞かされると、それはやらないですよね(笑)。

「(苦笑)。でも鶴屋さんから、ハセケンさんが見つけてきてグラジエイターでは国際戦を増やしていく。ここから良い流れになるだろうって説明を受けて、それならやるぞって。試合を受けると決めて映像をチェックしたのですが、若くて凄く勢いがあって良い選手だとは思いました」

──映像を視て、よりやる気が出たと?

「そういうことではないです。選ばれた選手だと聞いて、それだったらと思いました」

──ただし、それこそキャリア3勝0敗の19歳の選手。ここは負けられないし、どのように魅せたいと思っていますか。

「逆に自分は32歳です。そんなにテクニックがあるわけではないですけど、日本人の気持ちの強さとかを見せたいと思います」

──グラジエイターが元UFCファイターを招聘し始めた。笹選手もそういうファイターと戦うことになるかもしれないです。

「そういう選手を呼んでくれることは凄く良いことだと思います。自分も戦ってみたいです」

──と同時にグラジのバンタム級タイトルというモノに関して、どのように思っていますか。

「もちろん、ベルトは欲しいです。そのために今回の試合は良い勝ち方をしないといけないです。グラジのベルトを獲った後もさらに上を目指したいので」

──5月のHEAT、9月のGladiatorと笹選手の動きに躊躇するようなところがあると感じたのですか。

「それは……正直、春日井さんと竹本さんの試合の時って、仕事の量が増えて練習環境が良くないというのはありました。でも気持ちは何も変わることはなかったです。怖いとか一切思わないし。緊張も全くしない気質ですし。ただし練習量が足らなかった。それが自分でも感じ取られたので、仕事を辞めました。

だから今回の試合は前の2試合とは全然違います。攻撃的に攻めまくって、勝ちたいと思います」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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Column F1 MMA o ONE RIZIN Road to UFC Shooto UFC   ストラッサー起一 ブラッド・リデル マテウス・ガムロ 修斗 内田タケル 新井丈 猿丸ジュンジ 草・MAX 西川大和 関口祐冬

修斗世界ライト級王者の西川大和がUFCと契約、10.22『UFC 280』でマゴメド・ムスタファエフと対戦の噂


 10月22日にアラブ首長国連邦アブダビで開催する『UFC 280: Oliveira vs. Makhachev』でマゴメド・ムスタファエフ vs. 西川大和のライト級マッチが行われるとのこと。


 ソースはこれのようですが、馴染みのないサイトですし、ライト級ではなくフライ級になってますし、報じているのは今のところここだけなので、あくまでも噂という段階にしておきます。


 ただし、元々ムスタファエフと対戦予定だったジェイミー・ムラーキーが負傷欠場することは本当のようです。ムスタファエフは2020年2月の『UFC Fight Night 168: Felder vs. Hooker』でブラッド・リデルに判定負けして以来2年8ヶ月ぶりの試合。2020年10月の『UFC Fight Night 180: Ortega vs. The Korean Zombie』でマテウス・ガムロと対戦予定でしたが中止(理由は不明)、2021年10月の『UFC 267: Blachowicz vs. Teixeira』でダミア・イスマグロフと対戦予定でしたが、前日計量でイスマグロフが163.5ポンドと7.5ポンドもオーバーしたことから中止と不運が続いています。

Yamato Nishikawa(Sherdog)

西川大和(日本修斗協会公認サイト)

 西川大和は現在19歳でMMA戦績21勝3敗6引き分け。現修斗世界ライト級王者。以前からONEやRIZINへの出場をアピールしていました。


 9月19日に後楽園ホールで開催された『プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2022 Vol.6』でウェルター級で草・MAXと対戦し判定勝ちしたばかり。この時は「次、11月(27日の後楽園大会に)出たいんで(主催のサステインの)坂本(一弘)代表、いいですか?まだチャンピオンの器じゃないんで、強くなっていきたいので、協力何卒よろしくお願いします」とコメントしています。


──「若い選手を使いたい」というONE、一時は対ストラッサー起一選手の名前も出したRIZINなどとの交渉も、試合で勝ち続けて待つという状況でしょうか。

「そうですね。無いものねだりをしても仕方ないと自分は思っていて、実績に何もプラスにならないまま、ただ人生が過ぎていくんだったら、天心選手のように試合をして、自分が場慣れしていくことの方が大事だと思っています」

 その後はこんなコメントをしています。続きを読む・・・
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【UFN212】パラ千葉系のフライ級ファイター達、平良達郎─02─「初心者になることを恐れてはいけない」

【写真】インタビューはもう3週間前──今は息上げ練習で追い込んでいることだろう (C)MMAPLANET

10月15日(土・現地時間)のUFN212:UFN ESPN+62でCJ・ヴェルガラと戦う平良達郎インタビュー後編。

パラエストラ千葉ネットワーク系フライ級ファイター特集、最終回はオクタゴン2戦目に向けてどのような意識で自分を創り上げているのか──を平良達郎に訊いた。

<平良達郎インタビューPart.01はコチラから>


──扇久保選手はRIZINでのキム・スーチョル戦を控えていて、今日は個別練習でした。

「明後日、木曜日は一緒に練習できることになっています。やっぱり扇久保さんとは練習したいですから」

──千葉での練習はガチガチのスパーリングが目的なのでしょうか。

「う~ん、技術の確認よりもできるだけ対人でガチガチにやりたいと思っています」

──それゆえに1週間という期間と、試合まで1カ月以上インターバルのある間の千葉滞在という選択なのですね。

「ハイ。やはりケガをするということは頭に入れる必要がありますし、出稽古は今ぐらいが一番しやすいかなって。松根さんも『千葉のフライ級の皆も試合が決まっているし、この時期が良い』と言っていました」

──今回、松井斗輝選手、鶴屋怜選手、杉山廣平選手、内田タケル選手とフライ級勢で写真を撮らせていただいたのですが、全員試合がある。そして、このメンバーで平良選手より年上は……。

「杉山選手だけですね。あと松井選手が同学年で」

──怜選手、内田選手は平良選手より年下と。エライ時代になってきました。

「千葉は若い選手がいっぱいいます。ここでガチガチの対人練習をして、沖縄に戻ってからはスタミナを上げる。あとはCJ・ヴェルガラはパンチャーなのでボクシングジムで練習します。ただ、がっつりボクシングで彼と戦うというわけではなくて。逆に全てを全力で反応すると疲れてしまうので、プレッシャーをかけられてから返し、打ち気できたら組んでいくとか、そういうイメージを持って練習しています」

──試合は自分のエゴを通した方が、勝利に近づくと思うのですが、そうならないことを想定してスパーリングをしているのでしょうか。

「UFCで戦うようになってからということではなく、そもそも一発でテイクダウンを取れるとも思っていないですし。そのなかでも上を取れた時に極めまで行くイメージは、持っています。自分の武器は一本ですけど、その展開に持ち込めない──腰が強くてテイクダウンを取れない場合はどう戦のか。なら打撃で行くのか。そういう切り替えが、試合中に必要になることをイメージしながら、やっています」

──話が戻るのですが、それもあってムエタイのタイでやってみたかったのですか。

「そうですね。ムエタイはずっとやりたいと思っていました。実際に凄く得られるモノがありました。ボクシングもムエタイも、言ってみると僕は初心者なので。練習する分だけで、足りないモノを埋めるころができるというか……。打撃を知るための、良い機会になりましたね。ボクシングもうそうですし。僕はボクシングではボクサーに敵わないです。

でも、そうやってボクサーと練習することで『こんなにボクシングって疲れるんだ』って学ぶことができます。ボクシングとムエタイをやることで、初心者になることを恐れてはいけないって強く想いました」

──そのボクシングとムエタイを、松根良太MMAに落とし込む作業をするわけですね。

「MMAを練習するときは、メチャクチャ意識をすることはないです。ジャブをしっかりと意識してやってみようとか、ムエタイ・クラスで習った前足の前蹴り……タイ人コーチの前蹴りが凄くて……。そういうジャブも前蹴りも何千回って繰り返さないとできないですけど、上手く使えるかなとか試そうとしたりはしています。

ただ試合に勝つ練習と技量を上げる練習はまた違うので、さっきも言った息上げもそうですし、勝つために一番必要なメンタルを持てるように練習を頑張ることです。やっぱり気持ちが基本です。凄くプレッシャーが掛かり疲れる可能性もありますけど、5分✖3Rをやりきれないようじゃ先はないと思っています。それだけキツイ練習をして、100パーセント自信を持って戦うことですね」

──ブランドン・モレノと戦うとどうなるか分からない。でも「カイ・カラフランスだったら行けんじゃない?」と思われるとプレッシャーになってしまいますか。

「カイ・カラフランス……まぁ、サブミッションのエスケープがカイ・カラフランスに限らずUFCファイターは上手いです。だから、どういう展開になるか分からないですけど、全然自信は……100パーセントの自信は全然ないですけど(笑)、試合が決まれば勝つ自信はあります」

──勝ち負けは出ます。ただ、ファンの期待とは『やれるんじゃないか』と思わせてくれるかどうか。その点、平良選手はやってくれるだろうと皆が期待しているはずです。そこへのステップアップをするための一戦、どのような平良達郎を見せたいですか。

「今回の試合は、欲をいえば圧倒して『将来的にチャンピオンになるんじゃない?』と日本のファンだけでなく、UFCを見ている全世界のファンに思わせたいです。『コイツ、ベルトに絡むんじゃないのか』って。もちろん、その前にまず勝たないといけない試合ですけど、勝てば自分に自信を持つことができるようになる相手──良いマッチメイクをしてくれたなと思っています」

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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#06 内田タケル 関口祐冬

【Shooto2022#06】RTU帰りの内田タケルを下からの腕十字で下した関口祐冬「良いオファー待っています」

【写真】関口の腕十字によりエグイ角度で内田の左腕が曲がった(C)MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
Def.1R4分44秒 by 腕十字
内田タケル(日本)

開始早々、関口が右を当てた。サウスポーの内田がシングルレッグで飛び込むと関口は跳びヒザを合わせ、背中を着かされながら横三角で固める。頭を抜いた内田が関口の頭を抱えつつケージに押し込む。切り替えてボディロックから抑え込んだ内田は、相手の両足を抱える。ケージを背にして体を起こす関口。内田は抑え込みながらヒジを落とした。関口はバタフライガードで守る。

関口は内田を蹴り離したが、すぐに内田がトップに戻る。関口はクローズドガードで守るも、内田が足を一本越えて、関口の首を抱えにいく。ディープハーフを取った関口の顔面に右ヒジを連打する内田。関口はフルガードに戻した。左右のパウンドで削る内田は、さらに左ヒジを落とす。そして左パウンドを放つと、その腕を取った内田が腕十字へ。内田がうつ伏せになったところでタップ。レフェリーが割って入った。


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【Shooto2022#06】パラ千葉のフライ級ファイター達=内田タケル─02─「圧倒すること。圧倒的に勝てば」

【写真】あどけな過ぎるやろう──。MMAグローブをつけてケージで戦うことが、ピンとこない優しい表情の内田だ(C)MMAPLANET

明日19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、関口祐冬と対戦する内田タケル・インタビュー後編。

Road to UFCを経験してなお、明確に修斗フライ級王座を目標とする内田は、チャンピオンになってからも防衛戦を戦うことで経験を積みたいという。

パラエストラ千葉ネットにフライ級ファイター特集──10代最後の試合をタイトル挑戦の足掛かりとできるか。内田タケルに尋ねた。

<内田タケル・インタビューPart.01はコチラから>


鶴屋 それがルールですからね。

──では、一気にタイトルが近くなるかもしれない一戦の相手。関口選手の印象を教えてください。

「打投極ができて、奇抜な打撃……独特な打撃を使います。その打撃を気を付けないといけないです」

──内田選手はやはり組んでいくと?

「試合でも打撃を試したいのですが、どうしても組みが多くなってしまいます」

──修斗公式戦、Road to UFCと勝った試合は全て一本勝ですね。その一方で、目標とするUFCや北米では、組みができる選手がガツンガツンの打撃戦を繰り広げています。

「全部がデキることが大切だと思います。自分は極めは、これまで勝った試合は全部極めることができているので多少はあるかと……。でも打撃とテイクダウンはまだ欠けているので、穴埋めをしていきいたいです。

ただ関口選手はランキングで1位ですけど、自分の練習仲間たちの方が強い……と思っています。試合と練習は違いますが、怜とか杉山さんとか……もう単純に強くて。これだけのメンバーと厳しい練習をしているので、試合をするときも自信を持って挑むことができます」

──しかも平良選手も沖縄から合流しています。

「いやぁ、やっぱりフライ級のUFCファイターなので、凄く貴重な体験をさせてもらっています。だからこそ、次の試合は負けられないです。僕はここで、これだけの練習をしているので」

──どういう試合をすれば、タイトルを賭けた戦いに進めると考えていますか。

「圧倒することです。圧倒的に勝てば……ハイ」

──この試合後に急遽、Road to UFCに出られることになるとどうしますか。

「話があれば、行きたいです」

──と同時にコンテンダーシリーズは、意識していますか。平良選手も最初はコンテンダーシリーズを目標としていました。

「コンテンダーシリーズは……、……。そんな視野には入れていなかったです。まずは、しっかりと修斗のチャンピオンになりたいです。まだ5分✖3Rをフルで戦ったこともないので」

──ばかりか、3Rも経験していないですよね。

「ハイ。判定まで行く戦いも経験したいので、修斗で戦っていくつもりです」

──修斗のチャンピオンになった時、世界で戦ううえでどれぐらいの力を身に着けることができているという風に考えていますか。

「UFCで戦うなら、まだ経験不足です。もっと経験を積みたいと思っています。なのでベルトを獲ったら、防衛戦を戦います。他の団体から修斗に来る人とも戦ってみたいです。それと……できれば外国人選手と試合を組んで欲しいというのもあります。Road to UFCで初めて外国人選手と戦って、フィジカルはやっぱり日本人選手とは違うモノを感じました。芯が太いというか……。同じ階級で、こんなに違うのかと。試合当日は、明らかにデカかったです」

──それでも初回で1本勝ちしました。

「日本人にはないフィジカルなので、そこで一本を取れたのは良い経験になりました」

──その経験を経て関口選手との試合では、どのような戦いを見せたいですか。

「いつも通り、極めを狙うような試合がしたいです」

■視聴方法(予定)
9月19日(月・祝)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#06 計量結果

<修斗世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] 猿丸ジュンジ:52.1キロ
[挑戦者] 新井丈:52.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
西川大和:76.8キロ
草MAX:76.7キロ

<フライ級/5分3R>
関口祐冬:56.5キロ
内田タケル:57.5キロ

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治:60.9キロ
加藤ケンジ:61.0キロ

<フェザー級/5分3R>
飯田健夫:65.7キロ
論田愛空隆:65.7キロ

<女子フライ級/5分3R>
ライカ:56.5キロ
杉本恵:56.3キロ

<バンタム級/5分2R>
齋藤翼:61.3キロ→61.2キロ
スソン:61.1キロ

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
久遠:47.7キロ→47.5キロ
小生由紀:47.4キロ

<2022年度新人王決定T準決勝フェザー級/5分2R>
椿飛鳥:65.8キロ
工藤圭一郎:65.8キロ

<2022年度新人王決定T1回戦フライ級/5分2R>
須藤晃大:56.6キロ
大谷あっくんボンバー:56.6キロ

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【Shooto2022#06】パラ千葉のフライ級ファイター達─04 ─内田タケル「片道1時間半、1日に2往復」

【写真】9月のパラ千葉フライ級勢4連戦。ここまで2勝1敗、ランキング最上位の相手に内田は勝ち越しとなる勝ち星を手にできるか (C)MMAPLANET

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で内田タケルが関口祐冬と対戦する。

6月にRoad to UFCで国際戦&海外マッチを経験した内田が10代最後の試合に挑む。鶴屋浩門下のフライ級の精鋭集中インタビュー、4人目は中学3年の時から片道90分かけてパラエストラ柏に通う内田タケルに話を訊いた。


──半年ぶりの修斗公式戦で関口祐冬選手と対戦する内田選手です。

「宜しくお願いします」

──6月にRoad to UFCのワンマッチに出場し、ショーン・エチェルに一本勝ち

あの舞台を経験して、再び修斗に戻る。その心境を教えてください。

「Road to UFCは僕の場合はワンマッチで、トーナメント戦でなかったので、試合のオファーがあればまた修斗で戦いたいと思っていました。なので、戻ることができて嬉しいです。Road to UFCからは10月大会の話もなかったですし」

──イリディアムのジェイソン・ハウス氏に、アブダビ大会にぶっこんでもらうことはできなかったですか。

「実は10月大会もあるかもしれないから、修斗に出ることはあまり勧められないということでした(苦笑)。でも勝てば良いので。そういう気持ちでいます」

──ところで内田選手は9月の終わりで20歳、まだ19歳です。今回はMMAPLANET初インタビューということもあり、ここまでのキャリアについても質問させてください。

「ハイ」

──MMAを始めたのは、いつからですか。

「中学3年生、14歳の時です。その時からパラエストラ柏で練習するようになりました」

──その時からということは、それ以前は違うジムで練習していたことがあるということですか。

「ハイ。最初は中学1年生の時に地元の埼玉の草加にある野武士という道場でブラジリアン柔術を始めました。もともとUFCを視ることが好きで、近くに道場があったので取りあえず体験で参加させてもらいました。そうしたら面白くて、入会した形です」

──最初がUFCだったのですね。

「まだ11歳とか12歳の時にUFC JAPANの特番か何かを見て、凄く格好良いと思いました。ロイ・ネルソンとマーク・ハントが戦った時のUFC JAPAN(UFN52)でした。日本人選手も堀口選手、五味選手、金原選手や田中選手、菊野選手、秋山選手、ストラッサー起一選手とかたくさん出ていて。それまでUFCもMMAも見たことはなかったのですが、やりたくなり、近くにあった柔術道場から格闘技を始めた形です」

──中学3年生でパラエストラ柏に練習場所を変えたのは?

「地元の道場は、練習相手が大人しかいませんでした。大人と練習をしていても、手加減されるので。あの頃は試合になって初めて、お互いが一生懸命にやるという状況になるという感じでした。なので、同じぐらいの年齢の選手と練習したくて出稽古でこっちに来て。凄く良かったので、入会することにしました」

──同い年ぐらいの選手となると……。

「怜ですね。他にもいましたけど、怜にメチャクチャやられました。ヤバかったです(苦笑)」

──草加と柏、距離的には30キロもないと思いますが、電車だとグルリと半円を描く感じで回り遠回りしないといけないですよね。

「家からジムだと、大体1時間半ぐらいですね」

──えっ、それを毎日通っているんですか。

「ハイ。昼の練習して、一度戻って夜に来る。1日二往復しています」

──!! 1日に6時間近い時間をかけているということですか。

「こっちに引っ越したいとは思っています。でもなかなか……生活するのに。バイトとかしないといけないですし、実家から通った方が練習時間を確保できるので」

──脛齧りじゃないですか(笑)。ご両親はMAMをやっていることをどのように?

「『あぁ、イイよぉ』と言う感じです(苦笑)」

──なるほど(笑)。では、これからのキャリアアップをどのように考えていますか。

「自分は次の試合に勝って、ランキングを上げる。修斗でチャンピオンになり、防衛をしてUFCに行きたいです」

──修斗のベルトは巻きたい?

「ハイ。前回のRoad to UFCに出るまで、MMAの試合はキッズから修斗しか出てこなかったです。それに修斗の歴代のチャンピオンは凄く格好良いと思うので」

──ランキング8位の内田選手ですが、実質世界チャンピオンの平良選手はUFCと契約していて、防衛戦を行うことは無理です。そのなかでどのような選手が、ライバルになってくるのでしょうか。

「1位が次に戦う関口選手で、2位が宇田選手ですけど……暫らくはDEEPになるでしょうね」

──では1位の関口選手との試合、勝てばその上がいなくなるということですか。そして平良選手も修斗では試合はしないでしょうし。

鶴屋浩 だから平良のベルトは返上すべきでしょう。ウチは黒澤(亮平※当時は飛鳥拳)がケガで防衛期限内に戦えないから返上してしますからね。こないだストロー級で箕輪ヒロバがそうしたように平良も防衛期限内に試合ができないのであれば返上ですよ。そこは修斗側にも伝えています。

──鶴屋さん、正論かつガチトークありがとうございます。

<この項、続く>

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