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JJ・オルドリッチ MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN52 アレックス・カサレス アンソニー・スミス ギャレット・アームフィールド ジュニオール・タファ ジョン・チャンソン ソン・ケナン タイラ・サントス チェ・スンウ チディ・ンジョグアニ パーカー・ポーター ビリー・ゴフ ファーニー・ガルシア マックス・ホロウェイ ヤルノ・エレンズ ワルド・コルテスアコスタ 中村倫也 佐藤天 木下憂朔 河名マスト 風間敏臣

【UFC ESPN52】中村倫也、Tシャツを脱ぎ忘れる……。「さぁ、おっぱじめようぜ」(ホロウェイ)

【写真】何か意味があったのかと思われた中村倫也初の公開計量with Tシャツ―― (C)MMAPLANET

25日(金・現時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで明日26日(土・同)に開催されるUFC on ESPN52「Holloway vs The Korean Zombie」のセレモニアル計量&フェイスオフが行なわれた。
Text by Manabu Takashima

中村倫也と風間敏臣のデビュー戦&木下憂朔のオクタゴン2戦目が組まれた今大会。シンガポールの熱心なファン、そして韓国系のファンの声援が会場内で多く聞かれた。


そんななか日本人の先陣を切り、佐藤天を帯同してステージに登壇した木下。

満面の笑みを浮かべて計量台の上で両手を広げると、フェイスオフでもビリー・ゴフを相手にゴンタ顔の笑顔を見せた。

木下とは対照的に厳しい表情でステージに現れた風間は、向き合ったギャレット・アームフィールドが叫び声を挙げると、さらに険しい顔に変わり――なんと額をぶつけるという行動に出る。ここまでのケンカ腰の風間は過去に見たことはない。

額をぶつける行為は褒められたものではないが、オクラゴンで何をする必要があるのが伝わってくる風間だった。

風間と同じく初めての公開計量に中村は目を輝かせ、会場を見上げるように姿を見せる。と――Tシャツを着たままスケールに乗り、フェイスオフになるとようやく脱いでファーニー・ガルシアと向き合った。

なぜ中村はTシャツを着たままだったのか。「何かハワイに対して、思うところがあったのかもしれないです。そういうところがあるので……分からないですけど」とは盟友・河名マストの弁。ただし、本人に確認すると「脱ぎ忘れましたっ!!」とのことだった。

会場一番人気のコリアンゾンビことジョン・チャンソンはマックス・ホロウェイとのフェイスオフを終えると、「たくさんの韓国人ファンの姿が見えた。コリアンゾンビの初めてのシンガポールでの試合を見に来てくれて感謝している。ホロウェイとハワイの人々の身に起こった惨事が、ここまでだと知らなくて申し訳ないと思っている。でもこのスポーツのパワーは、ハワイが立ち上がることを助けられると思っている」と話すと、ホロウェイは「シンガポールに戻ってこられて、アジアのレジェンドと戦えることは素晴らしいよ。今は何かをいうより、ファイトをするだけ。ラハイナの皆のため、アジアのために――さぁ、おっぱじめようぜ!!」と颯爽とした言葉を残した。

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後6時~UFC FIGHT PASS
午後5時30分~U-NEXT

■UFC ESPN52計量結果

<フェザー級/5分5R>
マックス・ホロウェイ: 146ポンド(66.22キロ)
ジョン・チャンソン: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス: 205.5ポンド(93.21キロ)
ライアン・スパーン: 205ポンド(92.99キロ)

<フェザー級/5分3R>
ギガ・チガゼ: 146ポンド(66.22キロ)
アレックス・カサレス: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
中村倫也: 135ポンド(61.24キロ)
ファーニー・ガルシア: 135.5ポンド(61.46キロ)

<女子フライ級/5分3R>
エリン・ブランクフィールド: 125.5ポンド(56.92キロ)
タイラ・サントス: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・タファ: 255.5ポンド(115.89キロ)
パーカー・ポーター: 256ポンド(116.11キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ワルド・コルテスアコスタ: 264 ポンド(119.74キロ)
ウーカシュ・プジェスキ: 265 ポンド(120.2キロ)

<バンタム級/5分3R>
風間敏臣: 135ポンド(61.24キロ)
ギャレット・アームフィールド: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ミハウ・オレキシェイジュク: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン: 170ポンド(77.11キロ)
ロランド・ベドヤ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔: 170.5ポンド(77.34キロ)
ビリー・ゴフ: 170ポンド(77.11キロ)

<女子フライ級/5分3R>
リャン・ナ: 126ポンド(57.15キロ)
JJ・オルドリッチ: 126ポンド(57.15キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・スンウ: 146ポンド(66.22キロ)
ヤルノ・エレンズ: 145ポンド(65.77キロ)

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MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN52   アダム・ヒューギット ビリー・ゴフ ヘンリー・フーフト 佐藤天 木下憂朔

【UFC ESPN52】オクタゴン2戦目、初勝利へ。木下憂朔─01─「まずは自分が落ち着いて戦うこと」

【写真】先週末から、すでにシンガポール入りしている木下(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(土・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるUFC225で、木下憂朔がビリー・ゴフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月にDWCSからUFCとの契約を勝ち取った木下は、活動拠点を米国フロリダのキルクリフFCへと移し、今年2月にオクタゴン初戦を迎えた。しかし結果はアダム・ヒューギットに1R TKO負け――。あれから6カ月、シンガポールの地で復帰戦に臨む木下に、前回の試合と半年間の成長について訊いた。


――今日はよろしくお願いいたします。すでにシンガポールに入っているのですね(※取材は18日に行われた)。

「はい、昨夜シンガポールに到着しています。時差があるので、ファイトウィークの前に入って体を慣らしておこうと思ったんです。前回のラスベガスもビザの問題があって一度日本に帰国したので、同じように体を慣らそうと少し前に入っていました」

――今回はフロリダからシンガポール入りしたかと思いますが、長旅ではなかったですか。

「メチャクチャ遠かったです(笑)。フロリダからサンフランシスコを経由して、サンフランシスコからシンガポールへ――24時間ぐらい掛かりました。これからボチボチと体が慣れてくると思います」

――なるほど。今年2月のアダム・ヒューギット戦から6カ月が経ちました。この半年間、何か新たに取り組んできたことはありますか。

「もともと自分にレスリングの部分で足りないところがあるのは分かっていました。この期間はレスリングについて詰めてきました。ただ、前回の負けは自分にとって技術云々ではなくて。僕の中で緊張感が無さすぎたというか」

――緊張感が無さすぎた……、どういうことでしょうか。

「なぜかは分からないけど、今までの試合の中で一番緊張していなかったと思います。『あぁUFCだ』みたいに楽しんじゃっていて……。相手もUFC初勝利を目指して必死なのに、それも忘れていました。結果、そういう雰囲気に飲まれて負けてしまったんです。だから今回は、練習の時から集中するように心がけてきましたね」

――緊張感が無いことに関して、試合前から自覚はなかったのですか。

「いつもより緊張せえへんなぁってぐらいにしか感じていませんでした。もともと試合前にメンタルをコントロールしようとはしていなかったので、『このまま緊張感が無いほうが自分には合っているのかな』と思っていたんですよ。でも負けてしまって、試合後にメンタルのコントロールや集中力について考えるようになりました」

――そのヒューギット戦から今回のビリー・ゴフ戦まで感覚が6カ月も空いた理由は何だったのでしょうか。

「ヒューギット戦の後にチームの中で『もっともっとトレーニングして、自分自身のレベルを上げてから夏ぐらいに試合ができれば良いかな』っていう話をしていたんですよ。そこで夏にシンガポールで戦うオファーが来て。ここを逃すと間隔が空きすぎて、練習していてもダラけてくると思ったのでちょうどタイミングが良かったです」

――KO負けを喫すると即、次の試合を望むファイターも多いです。木下選手の場合は、もっと間隔を空けようと考えたのですね。

「最初は、早く次の試合をしたかったです。僕の中でも『なんで負けたんや……』という気持ちが強くて。自分が持っているものを出せれば勝てる試合やったと思います。でも、そんなに急いでも仕方ないですからね。まだ年齢も若いし、別に明日ランキング戦をしなきゃいけないわけでもない。何年も先を見据えてトレーニングしていこうと考えました」

――キルクリフFCのチームメイトは、ヒューギット戦の内容について何と言っていましたか。

「セコンドに就いてくれたヘンリー・フーフトからは『相手を見なさすぎる』と。僕が『何の駆け引きもせず、自分のパンチが当たれば倒せる』と思っていて。とりあえず前に、前にと出て行ったらテイクダウンを取られてしまったんです。そこから疲れて、パンチを当てられて……。だからヘンリーからも『もっと駆け引きをしよう』と言われました」

――これまで国内で戦ってきた相手と、世界一の舞台であるUFCで戦う相手を比較して、そこに差は感じなかったでしょうか。

「それは感じなかったです。レベルの差っていうのは、トップ選手以外はそんなに変わらへんのかなと思っていますね。まずは自分が落ち着いて戦うこと。自分が考えることを実行できるように練習を繰り返してきたので……。考えたら普通のことなんですけどね。今まで、あんまりやってこなかったので(苦笑)。今回の試合は自信があります」

――それは楽しみです。ヒューギット戦の前と今回では、キルクリフFCでの練習期間が異なりますよね。

「ヒューギット戦の前は2カ月半ぐらいで、今回は半年間ですね」

――2カ月半と半年間では、練習内容も身に付いたものも違いますか。

「全然違います。……具体的に何が違うかは分かっていないんですけど(笑)。まず練習で繰り返すことって大事やなと思いましたね。それとこの半年間で、ジムの仲間とも打ち解けてきました」

――コミュニケーションも問題ない?

「いえ、英語は全く喋れないです(苦笑)」

――えっ……。どうやってチームメイトとコミュニケーションを取っているのですか。

「英語は喋れないけど、コミュニケーションは取れるんですよ。格闘技やから身振り手振りを交えて教えてくれますし、それで何となく理解できたことに対して、パッションで返すというか(笑)」

謎の声 アハハハ!

――横で爆笑しているのは、どなたですか(笑)。

「佐藤天さんがいます。今回はシンガポールにも一緒に来てくれていて、すごくお世話になっているんですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月20日(日・日本時間)
午後6時~UFC FIGHT PASS
午後5時30分~U-NEXT

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MMA o UFC ボクシング 佐藤天

UFC291:第3試合・ジェイク・マシューズ vs. ダリウス・フラワーズ

ウェルター級。

マシューズはウェルター級8勝3敗で、もうすぐランクインのポジションで足踏みしている。前戦は前の試合に出たセメルスバーガーに判定負けで、またしても足踏み。5月に組まれた試合は負傷欠場となり、今回は佐藤天に勝っているミゲル・バエザ戦が組まれていたが、バエザが1週間前に欠場。急遽、UFCデビュー戦となるフラワーズと組まれた。オーストラリア版TUFに出演してから10年目となる、若きベテランの28歳。

フラワーズは代役でのデビュー戦となるが、急遽UFCと契約したわけではなく、昨年8月のコンテンダーシリーズで勝利してUFCとの契約を決めている。2月にデビュー戦が組まれていたが、禁止薬物のオスタリンが検出され、6ヶ月の出場停止となっていた(出場停止は7月27日までで、2日前に解除されたばかり)。コンテンダーシリーズでは、テイクダウンされ横三角に入られたところで、スラムで肩から叩きつけ、相手が肩を脱臼しての勝利。2019年まではボクシングにも出場していたが、戦績は1勝10敗1NCで、最後の5戦はすべてKO負けしている。MMAでは12勝5敗1分けで、12勝のうち8KO。マシューズと同じ28歳だが、マシューズがUFCと契約した2年後にプロデビューしている。

どんどん出ていくフラワーズ。ケージを背負ったマシューズにラッシュ。ちょっと打たれたマシューズだが打ち返す。左ボディがヒット。なおも詰めてまたケージを背負わせる。ヘッドムーブでかわしつつ肘を入れたマシューズだが、フラワーズ下がらない。前蹴りを腹に入れるマシューズ。フラワーズ、ちょっと圧が弱まってきたか?マシューズが冷静に前蹴り、ジャブ。フラワーズ詰めるも手が出ていない。右をもらってぐらついたフラワーズ。効いてないアピール。また腹に前蹴りを入れるマシューズだが、フラワーズがそこにタックル。テイクダウン。サイドに回る。残り1分。ギロチンに抱えているマシューズ。フラワーズはヴォンフルーチョークが狙える体勢だが狙わず。上になるも特に攻めがないままホーン。

1Rマシューズ。

2R。マシューズが詰める。前蹴り。フラワーズ前のめりに倒れる。ローブローアピール。リプレイを見ると、つま先が腹に入っている。踵のあたりはファールカップに当たっているように見えなくもないが…会場はブーイング。あくまでローブローのダメージを主張するフラワーズだが…。結局ローブローが認められ再開。再開後すぐにマシューズ前蹴り。ワンツー。また出てきたフラワーズだが、手を出すまでには至らない。前蹴りをキャッチしたが振りほどいたマシューズ。フラワーズタックル。マシューズが切ると下になったフラワーズ。ハーフ。キムラ狙いからクォーターマウント。完全なマウントに。パウンドを入れる。亀になったフラワーズに即チョーク。タップアウト。

さすがにコンテンダーシリーズ上がりのデビュー戦選手とは格の違いを見せたマシューズ。

フラワーズは序盤の圧は良かったが、勢いが止まってからは一方的に。前蹴りはKOにすべきだと思うが、会場のあるユタ州ではリプレイ検証は認められていないのだろうか。

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F1 o UFC テンバ・ゴリンボ 佐藤天

【UFC】佐藤天がUFC4連敗 マッケンジー・ダーンがアンジェラ・ヒルに判定勝利

509: 名無しさん 2023/05/21(日) 05:11:53.88 ID:yyIv5alZ
さとーがんばれや



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MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN223 テンバ・ゴリンボ 佐藤天

【UFN223】右オーバーハンドでダウン、バックを許した佐藤天。最後にエルボー連打もゴリンボに下る

<ウェルター級/5分3R>
テンバ・ゴリンボ(ジンバブエ)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
佐藤天(日本)

オッズで+105の佐藤は右ジャブ、ゴリンボは右ハイから右を伸ばす。2度目のハイをブロックし、ダブルからシングルという仕掛けを切った佐藤は、ボディロックにもテイクダウンを許さない。佐藤は払い腰で投げるが、すぐに立ったゴリンボがテイクダウン――佐藤がウィザーで立ち上がる。左腕を差して、右で殴るゴリンボを内股で動かし、胸を泡すぇた佐藤が胸を合わせて体を入れ替える。

ヒザ蹴った佐藤を再びゴリンボがケージに押し込み、逆にヒザを見せる。アンクルピックも切り、大内の佐藤は小外でテイクダウンもケージを蹴ったゴリンボがバックに回り、両足をフックする。残り70秒、RNCを耐えながら時間の経過を待つ佐藤は、後方からパンチを受ける。絞めを取られる感じはなかった佐藤だが、ボディトライアングルを取られたままラウンドを終え、初回を落とした。

2R、前に出る佐藤だが右オーバーハンドで後方にダウン。パウンドを連打したゴリンボに対し、殴られはしたが佐藤はシングルからレッスルアップ、クリンチの攻防に持ち込む。ケージ際で体を入れ変える佐藤が、ボディロックからバックに回ったゴリンボを払い腰で投げ、袈裟固めから胸をつける。潜って、外ヒールのゴリンボを殴る佐藤はスクランブルでアンクルピックからバックを許す。

ウィザーで立ち上がった佐藤、シングルを切ってエルボーを打ち込む。キムラで崩し、正面を向いた佐藤だが、右足をゴリンボが取り続ける。立ち上がった佐藤は押し込み返し、離れるが右を被弾する。続くシングルから左足首を取られた佐藤がケージに押し込まれて座った状態で時間を迎えた。

最終回、逆転にはフィニッシュしかない佐藤。打撃でイニシアチブを取りたい。右ヒザを突き上げたゴリンボに対し、左を伸ばす佐藤は自ら組んでいく。両ワキを差した佐藤に対し、左を差し替えたゴリンボが右で前方に崩しながら右で殴る。ゴリンボは右足を払って、尻餅から上を取り切る。バタフライガードからスクランブルに持ち込もうとした佐藤だが、バックを許し、四の字フックと取られる。

UFCファイター人生が掛かった残り2分40秒、佐藤は頭を抱えて胸を合わせにいくがゴリンボが許さない。このままで勝てるゴリンボのバックが続く。「あと1分、動く!!」という指示に、佐藤は右足を制された状態で胸を合わせる。残り30秒、佐藤はエルボーを連打し。腰を上げると左右のパンチからエルボーを打ち下ろすも時間に。

結果、フルマークで判定負けを喫した佐藤はオクタゴン4連敗となってしまった。格闘技は結果が全て、佐藤の今後は――。


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ABEMA Combate Global KTT MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN223 エフェヴィガ雄志 佐藤天 木下憂朔 海外

【UFN223】連敗脱出&再浮上へ、デンバ・ゴリンボ戦前の佐藤天「上になったら思い切り殴るスパーを」

【写真】正解はなく、正解を求める選択肢が広がることの大切さを佐藤は常に説いてくれる (C)TAKASHI SATO

20日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN223:UFN0nESPN+81「Dern vs Hill」に佐藤天が出場し、デンバ・ゴリンボと対戦する。

現在3連敗中、崖っぷちの佐藤は今回、試合前に所属するキルクリフFCで日本人選手が4名揃った時間を経験した。佐藤が口を酸っぱくして発言してきた「海外を知らないといけない」という現実が、日本のMMA界にようやく浸透してきた。

加えてキルクリフCFでは、勝率が下がったことで過去の成功例にこだわらず、また最新鋭という部分にもとらわれることな――ガチスパーを採り入れたという。


――今週末デンバ・ゴリンボ戦を控えた佐藤選手です(※取材は18日に行われた)。今回の試合前にエフェヴィガ雄志選手と井上直樹選手が出稽古でフロリダにやってきて、チームメイトの木下憂朔選手も加え日本人選手が4名もキルクリフFCに集まっていました。このようなことは過去の試合でなかったと思いますが、何か心境的に変わるものはありましたか。

「そうですね。やることは変わらないのですが、自分より若い選手と一緒に練習をすることで刺激を貰うことは多かったです。身が引き締まる思いもしましたし、凄く良い影響を受けました。

若い世代の選手が日本から同じタイミングでやってきた。ぼんやりとしてではなくて、上を目指す若い選手が海外で練習することが現実的になってきたかと思います。それは素直に良いことだと思っています。外に出ることが普通……どこにいても良い点、悪い点はあります。日本でもできることがある。そのなかで選手の選択肢が増えることは良いことだと思います。そして海外を選択する選手が増えるのは、自然の流れだと捉えています」

――今回はエフェヴィガ選手に限っては、ABEMAの海外武者修行プロジェクトの一環でCombate Globalで試合もしました。

「コンバテはラテンアメリカでは凄く認知された大会ですし、そこで戦えるのは大きいです。そのようなコネクションが日本にはなかったのが、この企画で実現したことは本当に良いことです。コンバテに限らず、他のプロモーションでも試合ができるようになるんじゃないかという話も聞きましたし。こういうことが増えて、日本と北米の差が縮まってほしいですね。

選手も国内にこだわらず、外に視野を広げることができる。そういう世代が増えてくるかと思います。ABEMAさんのサポートは選手にとってプラスでしかなくて。選手はこのサポートを当たり前と思わずに、やることが大事になってきます」

――本当にその通りですね。ABEMAがTVのドキュメンタリーを制作し、試合もして露出もできる。

「ハイ。ABEMAの海外武者修行プロジェクトから試合ということ自体、普通ではサポートしてもらえないものです。だからこそ、1度で終わらせないこと。継続することが大切なので。今後ABEMAがどのようにビジョンを持っているのかは分からないのですが、連続参戦できる選手が出てくるのかどうか。単発では、厳しい言い方をすると意味がない。だからこそ、もっと広がりを見せ、継続的に続いていってほしいです。選手も、本当にそうでないと強くなれないですから」

――ABEMAのサポートがあって皆が世界を知るきっかけになった。海外での練習が現実的になる。その一歩となるプロジェクトではないのかと。

「選手も自分からアクションを起こさないといけないです。選手に限らず、日本人全般が苦手なんだと思います。言われたことはできるけど……。今後はもっと自主性を持たないといけない時代が来ると思います。本当は以前からそうだったはずけど、自分で考えて行く道を決めていく。格闘技に限らず、そこが大切になってくると思います」

――日本には出る杭は打たれるという言葉があるように、目立たないで全体のなかの1人でいるという国民性がありますし、そのままでは全体で衰弱死をするのを待っているかのような状態です。

「出る杭は打たれる――アハハハハ。ほとんどの人がそこから出ない。でもMMAでは外に出られるように動いて下さっている ABEMAは本当にありがたいです。だからこそ、選手もやってもらうだけでなくて、自分でやってみないと。そこが大切になるはずです」

――今後は日本のMMAジムや産業の発展という部分で、ジムや選手のスポンサーフィーにより海外で練習できるようになっていかなければ。そして、自分に投資できる額によって、何も米国でなくても良い。韓国のKTTなど平日の2時半から5時までが選手練習でプロ選手やプロ志望の選手が20人以上も集まっています。

「ハイ、本当に韓国でも良いと思います。日本にはその環境がないので。なければ、外に求めないと。ただし、本来は日本もその環境を創らないといけない。自分のチームも毎日2部練習をやっています。その環境を今すぐ日本で創れと言われると、本当に難しい。それでも僕のルームメイトでもアルバイトをしていて、その2部練には必ず出て、UFCと契約した選手もいます。

KTTに本気で選手としてやっていこうという人が集まるのだから、日本もそれが当たり前になっていかないといけない。キルクリフFCもヘンリー(フーフト)はトレイナーですけど、オーナーとしてはそういうスポンサー獲得のために動いて、ジムを大きくしてきました。その辺りもプロのチームとしてやっていくなら、ジムとしてやっていくことも必要かと思います。日本は事情が違うので一概にはいえない難しさもあるのでしょうが。

これもいつも通りですけど、だからこそ僕自身が結果を残さないといけないと思っています」

――ちょっといつもより表情が硬い、厳しいようにも感じられるのですか。

「アハハハ。そんなことないです。いつも通りなので、それは勘違いです(笑)」

――良かったです(笑)。では対戦相手のゴリンボですが、全てにおいて粗い。ただし、その粗さが武器になっている部分もあるかと。

「極めとかも、全部粗いですよね。極めて勝っているけど、技術があるわけじゃない。全ての技術が粗くて、ミスも多い。そういう相手だし……そうですね、やるだけです。やれることは全部やってきたので。結果がついてくると信じて、やっています。全ての敗北に意味があったはず。ここを勝ち、再浮上すると思っているので。やることも変わらないし、リラックスもできています」

――キルクリフから今回は4選手が出場します。一時期、連敗を喫したこともありましたが、チーム内では危機感とかなかったですか。

「そこに限らず3年前、一昨年、去年と勝率が下がってきており、そこはコーチもシビアに捉えています。勝っても負けても、理由がある。結果に対してシビアだからこそ、練習中も厳しく選手に接しています。所属選手が増えたから、勝率が落ちたこともあると思います。だからこそ、結果を残している選手には結果を残す理由があるので、そこも力説されています。

それと今年になって連敗を喫した時から、グラウンドから始まるガチ・スパーが練習メニューに加わりました。シチュエーションも増えましたね。大きなグローブですが、上になったら思い切り殴る。そういうスパーをやるようになりました」

――パウンドを思い切り打つのですか!!

「ハイ。1日、一人は倒れているぐらいの。そういう練習を6週間ほどやっていました」

――それはなかなか……全面的に賛成はできない。でも、それだけの起爆剤をコーチ陣も必要と判断したのでしょうね。

「スパイスを投入したのだと思います。理由も説明してくれましたし。『格闘技だから。普通のスポーツの範疇に収まらない』と。結果、皆の意識は変わりました。オールドスクール的ですが、火・水で体がボロボロになる。あのスパーを経験してから、他のスパーリングでも緊張感を皆が持つようになて――選手達の意識が変わりましたね。

ケガをさせない遠慮がちのスパーから、正しい技術を思い切り使って倒すスパーに変わったことで、もちろんコーチもしっかりと目を光らせています。めちゃをやるのではなくて、正しい技術を使う。倒された選手は1、2週間休ませる。チームとして負けた理由を分析して、そのまま放置していない。だから、ガチスパーも一時取り入れて。

あと、最後の調整スパーでもグレッグ(ジョンソン)は『やって良い』って耳打ちしてきました(笑)。『試合と同じ、疲れるような感覚で行け』って。試合と同じ感覚を練習で養うスパーを3分5Rほどやりました。相手は試合前の自分を相手に強く打てないから、『ゴメン』って思いながら打っていました(笑)。

ケガのリスクもあり、絶対的に必要かといえば違うかもしれない。でも今の僕らにはそういう練習を入れる必要があった。結果、盛り返している。振るから、貰っちゃいけない。ディフェンスへの意識も、以前より高まっています。もらっても良いパンチで練習をしていると、やっぱり防御も甘くなる。だからガチスパーはディフェンス面でも、良い効果があります」

――その練習の成果を見せないといけないですね。では最後にファンに一言お願いします。

「頑張ります」

――それだけですか。

「もう、言うことはないです。勝つだけなので」

■視聴方法(予定)
5月21日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

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AJ・フレッチャー MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN224 キック テンバ・ゴリンボ ブライアン・バトル 佐藤天

【UFN224】「死に物狂いでとにかく勝つ」佐藤天の相手は、死の淵を切り抜けてきたテンバ・ゴリンボ

【写真】いくらでも衝く、ところはある。必勝だ(C)MMAPLANET

21日(木・現地時間)に佐藤天が、自らのSNSで5月20日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC Fight Night224:UFN on ESPN+82「Pennington vs Aldana 2」に出場し、テンバ・ゴリンボと対戦することを公表している。

佐藤は昨年8月のブライアン・バトル戦でまさかの44秒ハイキックによるKO負けを喫しており、契約更新から2連敗──前回の契約時からは3連敗中で、あとがない状況でのゴリンボ戦となる。


今も珍しいジンバブエ人ファイターのゴリンボは南アフリカのEFC Worldwideのウェルター級王者からUAE Warriors、Fury FCを経てUFCにステップアップした。オクタゴンデビューは今年の2月で、AJ・フレッチャーにギロチンで一本負けしている。

キャリア10勝4敗、一本勝ちが6度あるゴリンボはフィジカル120パーセント、粗さ200パーセントといっても過言でない選手だ。サブミッションの仕掛けは強引そのもの。本人はそういう意識はないかもしれないが、ナチュラルにあるパワーをフルに発揮すると、強引でも極まるという感じか。

故に粗さをつかれ、下になることも少なくない。とはいえ、サブミッションも実のところ下からの仕掛けが多い。

このゴリンボ、9歳の時に母を亡くし、13歳で父を亡くすと違法でダイヤモンドを採掘し生きる糧を得るという生活を送っていたという。そして警察犬に命を落としそうになるほど噛みつかれたことで、南アフリカへの移住を決意。パスポートを持たず、違法の国境を越えて強制送還される。

ゴリンボはジンバブエに戻ると即、その足で2度の目の違法な越境を試み、その集団に死者が出るような状況で、ヨハネスブルグに辿り着いたという。

さらにケープタウンに住んでいた従弟のところに身を寄せ、庭師として1日17時間の労働を課せられながらも、ようやく(本人は)法に触れずに生き抜く術を身に付ける。

19歳でMMAと出会い、3カ月のトレーニングの後7秒KOデビューを飾る。いえば人生として、UFCに辿り着いただけでサクセスストーリー、伝記を執筆できるような半生を送ってきたゴリンボだが、佐藤にとっては倒すべき対戦相手の1人でしかない。

そうでなくても背水の陣の佐藤は、サインをした時点でMMAPLANETに以下のような意気込みを伝えてくれた。

佐藤天
「崖っぷちなんですけど、死に物狂いでとにかく勝ちます。宜しくお願いします」

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o キック ジェフ・ニール リー・ジンリャン ロビー・ローラー 佐藤天

UFC287:第9試合・ケビン・ホランド vs. サンチアゴ・ポンジニッビオ

ウェルター級。

ケビン・ホランドはコロナ禍が始まった2020年に約8ヶ月で5連勝し一気にブレイク。が、その後メインに抜擢された2戦は、いずれも簡単にテイクダウンされ下からリカバリーできないまま判定負けという展開を10R続けて一気に評価を下げた。昨年ウェルター級に落とすと2連続フィニッシュで再び評価を上げる。が、昨年9月に急遽カードシャッフルで組まれたチマエフ戦は1Rダースチョークで完敗。ショックから試合後引退を表明した。しかし即引退撤回し、3ヶ月後にはメインでスティーブン・トンプソンと対戦。積極的に攻めてファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞したものの、2R以降は距離を取られ打撃が当たらなくなり、右腕を負傷して4RTKO負けで連敗となる。浮き沈みが激しいが、再び浮上のきっかけをつかめるか。30歳。

アルゼンチンのポンジニッビオは7連勝でランキング入りしたものの、約2年のブランク明けでリー・ジンリャンにKO負け。佐藤天からチョークで勝利したミゲル・バエザには判定勝ちしたが、その後ジェフ・ニールとミッシェウ・ペレイラに連続スプリット判定負け。前回は元王者ロビー・ローラーと対戦予定だったが、直前でローラーが欠場となり、4連勝中のアレックス・モロノと対戦し、2Rまで劣勢の展開から3Rに逆転KO勝ち。ATT所属で、カーフキックも武器としている。36歳。

カーフキックを入れたポンジニッビオ。長いリーチからジャブを打ち込むホランド。サイドキック。ポンジニッビオインロー。踏み込んでいったポンジニッビオだがホランドのパンチを貰う。ポンジニッビオのローにパンチを合わせたホランド。距離を取るホランドを追いかけるが、ホランドバックステップ。ホランドのカーフキック、インロー。アッパー。間合いを詰めたパンチを打ち込むポンジニッビオ。またカーフ。ポンジニッビオ踏み込んでワンツー。カーフ。ホランドの蹴りをキャッチしたポンジニッビオだが、ホランドがパンチを打ち込む。下になったポンジニッビオ。パウンドを入れる。ホーン。

1Rホランド。終盤、足をキャッチしたポンジニッビオの顔面にホランドの裏拳が入って倒れていた。

2R。詰めていくポンジニッビオだが、ホランドのパンチを貰う。積み込んでパンチを入れるポンジニッビオ。ホランド前蹴り・関節蹴り。遠い間合いから蹴りを入れていくホランド。またカーフを入れるポンジニッビオだが、ホランドのパンチを貰う。ポンジニッビオまた蹴りをキャッチしたが、ホランドパンチを入れて引き剥がす。パンチを入れたホランド。右がヒットし効いた。ポンジニッビオクリンチするとケージに押し込むが、ホランド膝を入れて離れる。ホーン。

2Rホランド

3R。間合いに入れないポンジニッビオだがカーフキックでホランドちょっとぐらついた。しかしパンチ・蹴りのヒットはホランド。ポンジニッビオ詰めてワンツー。しかしなかなかパンチが当たる間合いにできない。距離ができるとホランドが打撃を入れていく。ポンジニッビオの蹴りをキャッチしたホランド。踏み込んで放った左が顎にヒットし、ポンジニッビオ頭からダウン!亀になったポンジニッビオを見てレフェリーストップ!

ホランド、長いリーチからの打撃で試合を優勢に進めて快勝。

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【PFL2023#01】過去最高のメンバー集結。ハイブラエフ戦へ、工藤諒司「自信を持って気持ちも創れている」

【写真】非常に落ち着いた様子の工藤。ラスベガスでは佐藤天のサポートを受けている(C)MMAPLANET

4月1日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズで開催されるPFL2023年レギュラーシーズン第1戦。同大会で、工藤諒司が2021年シーズン優勝者モヴィッド・ハイブラエフと対戦する。

以下のように2023年シーズン開幕戦、史上最高といっても過言でないメンバーが集まったフェザー級戦線。「強い選手とやれることは凄く有難い」、現地とのリモート取材で工藤はそう言い切った。

【PFL2022フェザー級出場選手】

アレハンドロ・フローレス
1991年8月6日生まれ
メキシコ
MMA戦績21勝4敗
PFL2022フェザー級出場
PFL戦績2勝1敗
COMBATE戦績17勝2敗
DWCS戦績0勝1敗

工藤諒司
1993年4月3日生まれ
日本
MMA戦線11勝4敗1分
PFL2022フェザー級ベスト4
修斗世界フェザー級タイトルコンテンダー
修斗戦績5勝1敗1分
ONE Warrior Series戦績2勝0敗

クリス・ウェード
1987年9月30日生まれ
米国
MMA戦績22勝8敗
PFL2018ライト級ベスト4
PFL2019ライト級ベスト4
PFL2021フェザー級準優勝
PFL2022フェザー級ベスト4
UFC戦績5勝2敗

ダニエル・トーレス
1994年2月6日生まれ
オーストリア
(ブラジル生まれ、オーストリア人女性と結婚)
MMA戦績14勝5敗
KSWフェザー級王者
KSW戦績5勝2敗

チョ・ソンビン
1992年7月17日生まれ
韓国
MMA戦績10勝2敗
Gladiatorフェザー級王者
TOP FC暫定フェザー級王者
WORDOGフェザー級王者
A-Toys CFフェザー級王者
UFCs戦績0勝1敗

バッバ・ジェンキンス
1988年2月5日生まれ
米国
PFL2021フェザー級ベスト4
PFL2022フェザー級準優勝
BRAVE CFフェザー級王者
NCAA D1レスリング優勝&準優勝

ブレンダン・ラウレーン
1989年12月5日生まれ
英国
MMA戦績26勝4敗
PFL2022フェザー級チャンピオン
PFL2021フェザー級ベスト4
DWCS戦績1勝0敗(契約ならず)

ヘスス・ピネド
1996年6月22日生まれ
ペルー
MMA戦績20勝5敗1分
INKA FCフェザー級王者
INKA FC戦績6勝2敗
UFC戦績1勝1敗

マルロン・モラエス
1988年4月26日生まれ
ブラジル
MMA戦績23勝11敗
WSOF世界バンタム級王者
UFC世界バンタム級タイトルコンテンダー
UFC戦績5勝6敗

モヴィッド・ハイブラエフ
1990年10月16日生まれ
ロシア
MMA戦績19勝0敗1分1NC
PFL2021フェザー級チャンピオン
PFL2019フェザー級ベスト8
(準々決勝でダニエル・ピネダにKO負けも、勝者がドラッグテストで陽性となりNCに)


──工藤選手、モヴィッド・ハイブラエフ戦を今週末に控えていますが、まず前年度シーズンを振り返っていただけますか。

「初戦で結果的に優勝したブレンダン選手と戦って、圧倒的な差があるというわけではないかと思いました」

──ばかりかダウンも奪っています。

「そうですね。だから自分がPFLで戦っていくことに関して、自信を持っても良いかと去年は思えましたね。色々な選手がいて、どの選手も強い。その強いという枠のなかで、色々なタイプの選手がいて」

──これまでのキャリアと明確に違うのは8月に準決勝を終えて、4月まで試合がなかった。短期集中で試合が組まれて、オフがある。これはPFLならではかと。

「試合間隔が2カ月なくて、3試合というのは正直きつかったです。次の試合が来るのが早く感じられて、もう少しゆっくりとトレーニングを積んで、コンディションを整えてから減量に向かいたいという気持ちはありました。

反対にオフの期間は、バッバ・ジェンキンスに負けたことを受けてスキルアップするための練習環境を整えて、トレーニングができて良かったです」

──次があることが決まっているので、気持ち的にも落ち着けて取り組めたかもしれないですね。

「そうですね。課題が明確に分かっていたので、そこはしっかりと取り組んできました。出稽古もしてグラップリングの強化をして」

──出稽古先というのは?

「TRY Hスタジオです。上久保(周哉)さんが練習している場所なので、技術を教えてもらったり、ひたすらスパーリングをするということをやってきました。ジェンキンス戦は結構簡単にバックを許し、首を取らせてしまって。隙……甘い所が見えてきたので、そこを埋めたかったです」

──あの敗北を技術的な穴として捉えたわけなのですね。自分は打撃でなく、いきなり組みで圧をかけてきたことで、慌ててしまったと考えていました。

「確かに予想できなかった部分もありました。1Rからもの凄い勢いできたので。テイクダウンされ、慌てて立ちに行ったところで隙も出て。慌てたのもそうですし、ああいう場面における技術力をアップしないといけないと思いました」

──そこで上久保選手の力が必要になったと。

「ハイ。今回の対戦相手にも似ている部分があります。階級が違うので、さらに圧力が上がると想定しています」

──ハイブラエフの打撃に関しては、どのように思っていますか。

「相手の打撃に付き合いながら、テイクダウンを生かすための打撃。テイクダウンのチャンスを広げるために上手く使っていると思います」

─戦績的には19勝0敗1分とずば抜けているハイブラエフですが、2021年の準決勝戦でラウレーンとは僅差のスプリット判定勝ちでした。そのラウレーンとやり合えたことは、ハイブラエフと戦う上で自信になっていますか。

「彼ら2人の試合を見ると、そういう風に思います。けど、実際に組んでみないと分からない部分もありますし。ケガからの復帰戦、1年のブランクがあることでどれだけ進化しているのかも分からない部分もあります。でも自分の中では自信を持って、気持ちもしっかりと創れています」

──今回は過去最高のメンバーが揃っているともいえます。戦う当人は大変なのですが、出場選手についてはどのように感じていますか。

「なかなか凄いメンバーに挟まれていますね(笑)」

──ハイブラエフは2021年の優勝者で、優勝候補筆頭です。その相手から3Pを奪うことができれば、本当に大きいかと。

「去年も優勝候補のブレンダン選手が初戦の相手だったので、ハイブラエフ選手が優勝候補というのは全く気にしていないです。ただ強いことは認識していますし、何ならこれまでに戦った選手の中で一番強いんじゃないかという印象もあります。何よりも強い選手とやれることは凄く有難いです」

──今回の試合後、ポイント計算は抜きにしてレギュラーシーズンで戦ってみたい選手はいますか。

「負けた相手ですね。負けたままではいたくないので、ブレンダン選手とジェンキンス選手ともう1度戦いたいです。ただ1度戦っているので、レギュラーシーズンで当たる可能性は低いんじゃないかと」

──ポイント計算をした場合、3点取れるぞという相手もいるかと。

「いやぁ……そういうことは全く考えないです。強い相手と戦いたいので。だから、このメンバーのなかで戦うことは、MMAファイターとして充実しています。今回の相手はグラップリング中心の相手で、自分のやってきたことがそこだったので……試すということではないですが、ジェンキンス戦のようには行かないぞという自信はあります」

──これまでテキサス、ジョージア、ロンドンで戦ってきましたが、今回はMMAのメッカ、ラスベガスです。

「ラスベガスは米国のなかでも有名な都市なので、格闘技とは関係なく『ラスベガスに来たんだ。ギラギラしているな』っていう感じはしています(笑)」

──めっちゃ普通の人の感想じゃないですか(笑)。それだけリラックスできているという風に捉えさせてもらいます。

「リラックスはできています。だから普通にラスベガスを眺めることができるので」

──おお、心強い言葉です。では改めて、今回の試合への意気込みをお願いします。

「余り固くなり過ぎず、いつも通り、とことん楽しめる試合ができればと思います。好きなことをやっているので、好きなことをやるからには楽しみたいです」

■視聴方法(予定)
4月2日(日・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#01対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウレーン(英国)
マルロン・モラエス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン(豪州)
チアゴ・マヘタ・サントス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)
ウィル・フルーリー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
工藤諒司(日本)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット(ノルウェー)
モハマド・ファフレディン(レバノン)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
サム・ケイ(豪州)

<女子ライト級準決勝/5分3R>
ラリッサ・パチェコ(ブラジル)
オレナ・コレスニク(ウクライナ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
ダニエル・トーレス(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
チョ・ソンビン(韓国)
ヘスス・ピネド(ペルー)

<ライトヘビー級/5分3R>
エラン・モンチ(ブラジル)
タイ・フローレス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス(米国)
インパ・カサンガネイ(米国)

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o UFC ダニエル・ロドリゲス デミアン・マイア ロビー・ローラー 佐藤天

UFC286:第13試合・グンナー・ネルソン vs. ブライアン・バーバリーナ

ウェルター級。

マクレガーと同じSBGアイルランド所属のネルソン。伝統派空手柔術がバックボーンで、一本勝ち6回はUFCウェルター級史上最多タイ。が、デミアン・マイアとのグラップラー対決では一方的にポジションを奪われ完敗。2年半の長期ブランク明けとなった昨年3月では、直前に相手が欠場し、代役の佐藤天と対戦。タックルからテイクダウンして四の字バックでドミネイトする展開で完勝した。そこからまた1年ぶりの試合となるが、今回も1ヶ月前にダニエル・ロドリゲスが欠場となり、代役のバーバリーナとの対戦に変更。メインで防衛戦を行うエドワーズとは2019年に対戦し、微妙な1Rの後に2Rはダウンを奪われ、3Rは逃げ切り体勢に入ったエドワーズからマウントを奪って攻めるもスプリット判定負け。減量をあまりしないことでも知られている。34歳。

バーバリーナは激闘タイプのハードパンチャー。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトは受賞経験がないが、ファイト・オブ・ザ・ナイトは5度受賞している(うち3回は負けた試合)。UFC9勝7敗の中堅ファイターだが、殴り合いで試合が盛り上がるため人気が高い。昨年7月、元王者ロビー・ローラーに2RKO勝ちしたが、12月に組まれた元ライト級王者ハファエル・ドス・アンジョス戦では、テイクダウンで組み技勝負を狙ったRDAに寝かされると一方的な展開となり、2Rチョークで一本負け。33歳。

ガードを下げて半身で構える伝統派空手っぽい構えのネルソン。飛び込んで組み付きケージに押し込む。ダブルアンダーフック。背中でクラッチ。外掛け。こらえたバーバリーナ。シングルレッグからテイクダウン成功。ハーフ。肘を落とす。バーバリーナの腕をアームロックに狙うが、バーバリーナ防いでいる。しかし残り20秒でマウント。腕十字。伸ばしてタップアウト。

グラウンドに持ち込んで圧倒。バーバリーナ、相変わらずグラウンドは穴。