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AB MMA o UFC 佐藤天

UFC on ESPN+98:第5試合・テンバ・ゴリンボ vs. ニコ・プライス

ウェルター級。

ジンバブエのゴリンボは、南アフリカで違法ダイヤ採掘で生計を立てつつ、MMAでキャリアを積んでUFCと契約。初戦こそ、強引に極めを狙いに行ったところを凌がれてギロチンで一本負けしたが、そこから3連勝。佐藤天からもグラウンドでバックをキープして封じ込めて判定勝ちしている。経済的に苦しい状況からUFCと契約しながら、故郷のアフリカに井戸を作る支援を行っている。33歳。

プライスはUFC8勝7敗2NCのベテランで、判定決着は3回しかないフィニッシャーだが、最後にフィニッシュ勝利してからは5年が経過していて、直近の2勝は判定勝ち。。193cmの長いリーチを活かした打撃が武器。前戦はモロノとの中堅対決で、プライスが判定勝ちしたが、今回はプライスが前座でモロノはメインカードに抜擢されている。35歳。

 

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45 CJ・ヴェルガラ KTT MMA MMAPLANET o RIZIN UFC UFN UFN244 WWE YouTube アレックス・モロノ アンドレ・ムニス クレイトン・カーペンター グランド・ドーソン コリー・マッケナ ジャレッド・グッデン ジュニオール・タファ ジュリア・ポラストリ ジョナサン・ピアース ダニエル・アルゲータ チョン・ダウン テンバ・ゴリンボ ニコ・プライス パク・ジュンヨン ブラッド・タヴァレス ブランドン・ロイヴァル ラファ・ガルシア ラマザン・テミロフ ルカス・ホシャ 佐藤天 岡見勇信 平良達郎 征矢貴 朝倉海 浜本キャット雄大

【UFN244】平良×ロイヴァル戦前にパク・ジュンヨン、ラマザン・テミロフ、脱極貧ゴリンボに注目!!

【写真】平良がメイン、そんな大会だからこそUFCが堪能できれば (C)Zuffa/UFC

12日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN244:UFN on ESPN+102「Royval vs Taira」の計量が11日(金・同)に行われている。
text by Takumi Nakamura

メインで平良達郎がランク1位のブランドン・ロイヴァルとフライ級王座挑戦王手をかけた大一番に挑む同大会。

両者とも問題なく計量を繰りした。日本から熱い視線を浴びる大会だけに、ここでは他の選手にもスポットを当ててみたい。


平良とメイン&コメインでアジアン・パワーを見せつけたいのが、韓国のパク・ジュンヨンだ。岡見勇信以来となるミドル級で結果を残すアジア人のパク・ジュンヨンは、ここまでオクタゴンで7勝3敗、勝率7割という結果を残している。

KTTの盟友チョン・ダウンがライトヘビー級で4連勝し漢江の奇跡と呼ばれていたが、その後は4連敗とリリースが噂されるなか、パク・ジュンヨンは昨年12月にアンドレ・ムニス戦でスプリット判定負けを喫して以来の再起戦となる。

アイアンタートルの異名を持つパク・ジュンヨンは、愛嬌のある表情の持ち主で、ずんぐりとした体型とややスピード感に欠けることが隠れ蓑になっているが、その実――近い距離の打撃戦、ケージ際の攻防で気持ちの強さを見せるファイターだ。

特に瞬間、瞬間のスピードがあり、パンチも組みもリズムを変えることができる。半面、瞬発力を見せる前で間合いを制されると厳しい展開となる。打と組みがクリーンなタヴァレスを相手に、変調ファイトの妙を発揮できるかが勝敗の鍵を握ってくるだろう。

朝倉海に先立ち、RIZINからUFCに戦場を移したラマザン・テミロフも当然のように注目に値する選手だ。RIZINのリングでは浜本キャット雄大、征矢貴を共に初回KO勝ちし大きなインパクトを残した。

RIZIN新フライ級時代で、台頭する中央アジア代表として活躍が期待されたテミロフがUFCでそのようなパフォーマンスを魅せるのかは非常に興味深い。特に対戦相手のCJ・ヴェルガラは平良に敗れているが、UFC戦績が3勝3敗の五分でテミロフの力を測るスケールとしては最適の対戦相手となろう。今や中央アジアやロシア系の活躍には、常にジューサー疑惑の声が挙がるJ-MMA界。抜き打ち検査を行うUFCという場で、テミロフの打撃&組み力はいかほどのものか、非常に興味深い。

UFC初戦の敗北から、佐藤天戦でオクタゴン初勝利を挙げると3連勝中のテンバ・ゴリンボは、ケージで対戦相手と向き合うだけでなく、常に貧困と戦い続けてきたファイターだ。

母に続き、父を亡くしたゴリンボは13歳という年齢で違法ダイヤモンドを採掘することで生きながらえ、母国ジンバブエから違法で南アフリカ国境を越えたという日本人では考えられないタフな少年期を送っている。

結果として従弟を頼りにケープタウンにたどり着き、1日17時間労働という……さながら隷属的な雇用環境で命をつなぐと、19歳でMMAに出会ってUFCまで到達した。

それでも家族を母国から呼び寄せたことで、経済的には厳しく所属するMMAマスタージムで寝起きをする状態だったゴリンボは、SNSで銀行口座に7ドルしか残っていないことを公開した。

そんな経済状況にありながら、ファイトギアをオークションに出して母国に井戸を創る活動をしているゴリンボ。その姿を見て、元WWEのスーパースターで今や銀幕のスーパースターであるザ・ロックこと、ドゥエイン・ジョンソンの心を動かした。なっとザ・ロックはドッキリ企画でフロリダで一軒家をゴリンボにプレゼントしてしまう。

ザ・ロックにとって、この7ドルという数字は自らがフットボール・チームとの契約が解除された時の所持金と同じだったという。ザ・ロックが手を差し伸べたことで生活基盤を築き、UFCで連勝中と勢いに乗るゴリンボが、変則鉄槌ファイターのニック・ピレースと今大会で相対する。ここでピレース越えを果たすといよいよトップ15見えてくるが、果たして。

■視聴方法(予定)
10月13日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

■UFCN244計量結果

<フライ級/5分5R>
ブランドン・ロイヴァル: 125.5ポンド(56.92キロ)
平良達郎: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185ポンド(83.91キロ)
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジュグアニ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジャレッド・グッデン: 172.5ポンド(78.24キロ)

<ライト級/5分3R>
グランド・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
ラファ・ガルシア: 154.5ポンド(70.08キロ)

<ウェルター級/5分3R>
デニエル・ロドリゲス: 170ポンド(77.11キロ)
アレックス・モロノ: 170ポンド(77.11キロ)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ: 126ポンド(57.15キロ)
ラマザン・テミロフ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョナサン・ピアース: 145ポンド(65.77キロ)
パット・サバチーニ: 145ポンド(65.77キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニコ・プライス: 170.5ポンド(77.34キロ)
テンバ・ゴリンボ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・タファ: 241ポンド(109.3キロ)
ショーン・シャラフ: 252ポンド(114.3キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
コリー・マッケナ: 115ポンド(52.16キロ)
ジュリア・ポラストリ: 115ポンド(52.16キロ)

<バンタム級/5分3R>
ダニエル・アルゲータ: 138.5ポンド(62.82キロ)
コディ・ハッドン: 135ポンド(61.24キロ)

<フライ級/5分3R>
クレイトン・カーペンター: 125.5ポンド(56.92キロ)
ルカス・ホシャ: 125.5ポンド(56.92キロ)

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MMA o UFC キック ゲイブ・グリーン ソン・ケナン ボクシング 佐藤天

UFC on ESPN+101:第11試合・ケビン・ジュセ vs. ブライアン・バトル

ウェルター級。

ジュセはフランス出身で、現在はニュージーランドに在住し、シティ・キックボクシングに所属。MMAを始める前は柔道でフランス代表チームにも入っていた。25歳からMMAに転向。昨年9月のオーストラリア大会でUFCデビューし、1Rチョークで勝利すると、2戦目は中堅のソン・ケナン相手に終始打撃でリードしての判定勝ちで2連勝中。31歳。

TUFウィナーのバトルはUFC5勝1敗1NC。5勝のうち、4試合がフィニッシュ勝利で、佐藤天戦、ゲイブ・グリーン戦は1分以内でKO勝ちしている。しかしキャリアトータルでは一本勝ちの方が多く、すべて絞めでの勝利。30歳。

お互いそろそろランカーとの対戦が見てみたい者同士だが、その両者での潰し合いに。

詰めるバトル。ジャブの刺し合い。バトルパンチからタックルでケージに押し込む。ボディロック。ジュセ得意の投げを狙ったが、バトルこらえてまたケージに押し込む。シングルレッグに切り替えるバトルだが、ケージでこらえるジュセ。両脇を差したバトル。押し込んでヒザ。またシングルレッグを仕掛ける。こらえるジュセ。バトルの投げをこらえて離れた。ジュセの左フックが顔面んいヒットするが、バトルもスイッチが入ったのかパンチ連打で出る。ジュセが打ち返すタイミングでタックル。組んでケージに押し込む。両脇を差したが、ジュセ小手投げ。頭から落ちたバトルだが、先に起き上がり立つとまたケージに押し込む。クリンチアッパーを入れるジュセ。バトルもヒジを返した。ジャブ。ジュセもワンツーを返す。近い間合いでのパンチの打ち合い。バトル左右のラッシュ。ジュセもらってケージまで下がる。そこにタックル。テイクダウンを狙ったところでホーン。

1Rバトル。

2R。ワンツーをヒットさせたジュセ。バトル下がらない。逆にワンツーをヒット。もらったジュセが後退。ケージを背負った。バトルボディから左ストレート。左右のパンチを打ち込むバトル。ジュセも右のヒジを返した。左右のパンチで逆に出ていくが、ケージに押し込んだバトルが首相撲。飛びヒザ!クリーンヒットはせず。詰めるバトル。左右のパンチから左ミドル。けーじまで後退するジュセ。ワンツーがヒット。ジュセ滅多打ちに。まだ打ち返していくジュセだが、左右のパンチがヒット。さらにバトルのパンチ連打をもらう。ジュセディフェンス出来ていない。レフェリーハーブ・ディーンが適切なストップ。

フランスの観客に中指で挑発するバトル。

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【TTFC10】元Bellator戦士と対戦、エフェヴィガ雄志「世界のトップに食い込む準備はできている」

【写真】様々なプレッシャーもありながら、明るく話すエフェ。それだけ今が充実していることの表れだろう(C)MMAPLANET

13日(火)にTTMより、16日(金)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE10のメインで、エフェヴィガ雄志が米国のエマニュエル・サンチェスと対戦することが発表された。
Text by Shojiro Kameike

2022年2月のプロデビュー以来、8戦無敗のエフェヴィガが、北米での戦いを目指して元Bellatorファイターのサンチェスを迎え撃つ。サンチェスはBellatorで9年ものキャリアを過ごしたベテランファイターだ。過去にKO負けはゼロで、一本負けもパトリシオ・フレイレ戦の一度のみ。このタフなファイターを相手に、エフェヴィガはどのような試合を見せるのか。試合直前のエフェヴィガを直撃した(取材は8月12日に行われた)。


北米のプロモーターも『この選手に勝っているのか』と分かってくれる

――元Bellatorファイターのエマニュエル・サンチェスとの対戦が決まったそうですね。

「いやー、焦りましたよ。軽いトラブルがあって、サンチェスが予定の飛行機に乗れなかったみたいで。『相手が飛行機に乗れなかった』という連絡が来た時は、心臓が止まりそうになりました(苦笑)。その後、ちゃんと飛行機に乗れて日本に着きそうなので良かったです」

――今年は3月5月に修斗で国際戦を行っています。この2試合に勝利した後の展開は、どのように考えていたのですか。もう北米ファイターと対戦していきたい、と?

「実は前回の試合(中国のアーイージアコ・アーケンビエコアに2R KO勝ち)の1~2週間前には、長南(亮TRIBE代表)さんから『またTTFを開催する。お前がメインだ』と言われていたんです。そう言われると、5月の試合はまず絶対に負けられないじゃないですか。『うわっ、めっちゃプレッシャーかけてくるじゃん!』と思いました」

――アハハハ! ここ2試合の国際戦と比べて、今回は元Bellatorファイターとの対戦で気持ちも違いますか。

「気持ちが違うかといえば、毎試合違うとは思います。でも今回だけ気合いが違うとか、そういうことはないですね。いつも気合いは十分入っていますし。それよりもメンタル的には、だんだん安定してきているんですよ」

――メンタル面が安定してきている、というのは?

「プロデビューして最初の1、2戦はだいぶ緊張していました。もっと言うと、プロの試合よりもアマチュア修斗に出ていた時のほうが緊張していて。そこから経験と慣れもあって、今は良い感じの緊張感で試合に臨めるようになってきましたね。4戦目はABEMAの武者修行プロジェクトで米国に行かせていただいた時ですけど、その時はもう落ち着いて試合をすることはできていました」

――初めて海外で試合をする時のほうが緊張してしまいそうですけども……。

「初めての海外で勝手は分からなかったですけど、緊張はしなかったですね。あの試合は緊張しなさすぎて、開始10秒ぐらいでダウンを奪われちゃいました(苦笑)。緊張しなさすぎて良くなかった例だと思います。アハハハ」

――なるほど(笑)。続くグラジエイターの試合は、動きが堅かったように見えました。

「そうなんですよね。あの試合は調子が良くなかったです。気持ちはいつもの試合と同じだったんですけど、いつもの試合よりバテたりして。振り返ってみると当日、試合に入るまでに自分の中で良くなかった点がありました。その部分を直してから、ここまで3戦は全てフィニッシュしていますし、良い感じで来ていると思います」

――5月の試合ではKO勝ちを収めたあと「修斗の上位ランカーに対戦を断られている」という発言もありましたね。

「ちょいちょい断られているみたいですね。全ての話が自分まで降りてきているわけじゃないでしょうけど。少なくとも自分が聞いているかぎりは……。それなら、自分は自分でやりたいことがある。行きたい場所があるので」

――先日、修斗世界ライト級の王座決定戦が行われ、ランキング1位のキャプテン☆アフリカ選手が2位の大尊伸光選手を下してベルトを巻きました。エフェヴィガ選手は現在同級3位で、新王者に挑戦する権利は有しています。今、ここで修斗のベルトを賭けて国内対決に臨むことに興味はないですか。

「あまり興味はないですね。特に今回は北米のトップ団体で戦っていた選手と試合できるわけで。ここで勝って次を目指す時、北米のプロモーターも自分の戦績を見たら『この選手に勝っているのか』と分かってくれるじゃないですか。今は北米を見て戦っていきたい、という気持ちは大きいです」

――エフェヴィガ選手にとっても、今回のサンチェス戦は北米への大きなチャンスが近づいてきたと捉えているのですね。

「近づいてきましたよ。最初はUFCと言われても、ポカーンとするぐらいで。一番凄いところだとは知っていても、その実態が分からないですからね。選手のレベルがどんなモノなのか、自分とどれぐらい差があるのか――とかも分からないですし。

でもABEMAのプロジェクトで米国に行かせてもらって。キルクリフFCは大きなジムだから、UFCやBellatorの選手とも一緒に練習できて。しかも試合もできた。そこで『何となくだけど形が見えてきたなぁ』って感じでした。それが今回またキルクリフに行って、その形が明確になってきている。だから今『まさに近づいてきた』という感じですね」

――もし今年のRoad to UFCでライト級トーナメントが開催されていたら、エントリーしたかったですか。

「いや、今年は出る気はなかったです。長南さんからは『今年はしっかり準備して、実力が整ってから』と言われていて、自分もそう思います。もし今年ライト級トーナメントがあって、とんとん拍子に勝ち進んでUFCと契約しても……本戦で勝つための準備できていなければ、結局はそこからが一番シンドイわけで。UFCと契約することがゴールじゃない。であれば、そんなに急ぐ必要はないと思っています」

タフな削り合いになることも想定しているけど、今回もフィニッシュしたい

――確かにそうですね。今回キルクリフFCにはどれくらいの期間、滞在していたのですか。

「6月に入ってからすぐ行って、8月4日に帰国しました。だから2カ月間ですね。向こうに行くと『だいぶ変わったな』と言われましたよ。まぁ初めて行った時は――違う国だし、環境も全然違って、そこに適応するだけでも時間が掛かりましたから。

でも今回は2度目で、自分の実力や技術を細かいところまで見えてきましたね。前回気づけず今回新しく気づけたところもありましたし、もっと詳細な収穫を得られました」

――ちなみに何が一番変わったと言われましたか。

「みんなに『体がデカくなったなぁ』と言われました。それほど体重は変わっていないんですけど、みんなのイメージだと最初に来た時はヒョロヒョロに見えたみたいで。今回は『体もデカくなって強そうに見える』と。

たぶん自分の態度も関係しているとは思うんですよ。初めての時は何も分からないし、自信もないし。だけど今回は2度目だし、向こうのジムについても勝手を知っているような感じで行きましたから(笑)」

――アハハハ。体が大きくなったことは、何か効果をもたらしているのでしょうか。

「明らかに組みは強くなっています。去年行った時はレスリングが全然ダメで。向こうはレスリングのレベルが高いですからね。だから帰国してからちょくちょく、専修大学のレスリング部へ練習に行かせてもらったんですよ。それでまたキルクリフに行って、向こうの選手に対して技術もそうだし組み力にも慣れました。テイクダウンする、テイクダウンされないという攻防は強くなったと思います。

もちろんレスリングの練習をしても、良いことだけじゃないとは思うんですよ。レスリングだけやっても疲労して終わるだけだったら意味がないし。ちゃんとMMAに落とし込んでいく、自分のスタイルに落とし込んでいくことも大切ですよね」

――今、レスリングやキルクリフの練習を自分のMMAに落とし込めている状態ですか。

「そうですね。この試合が終わったら、米国から持ち帰ったものを消化していこうと思っています。帰国する1週間前に対戦相手が決まって、今は試合の対策練習をしています」

――キルクリフでは対策練習などは行えなかったのですか。

「いえ、決まった時に伝えました。ヘッドコーチのヘンリー・ホーフトさんも、ジムの選手たちも知っているぐらい知名度のある選手で。それとキルクリフには佐藤天さんがいますし、メチャクチャ対策を手伝ってくれました」

――では対戦するサンチェスの印象を教えてください。

「KOしたことはないけど、KOされたこともない。一本負けもピットブル戦ぐらいで、フィニッシュしにくい選手ですよね。結構プレッシャーもかけながら頑張る選手なので、タフな試合になるとは思います」

――これまでエフェヴィガ選手が対戦したことのないタイプのファイターですね。

「サンチェスは打撃でも頑張るじゃないですか。打撃でも頑張って、ゴリゴリ来る選手は対戦したことがないですね。打たれても打ち返してくる。噛み合うと面白い試合していると思うんですよ。でもそれが噛み合わないと――ピットブルとの試合は全てカウンターを合わされて」

――打って打ち返す、リスクのある攻防ではあります。そのなかで自分の打撃を効かせる自身はありますか。

「はい、倒せると思います。タフな削り合いになることも想定はしていますけど、今回もフィニッシュしたいですね。僕はこれから世界のトップに食い込む準備はできている。そんな自分を世界に見せたいです」

■視聴方法(予定)
8月16日(金)
午後6時25分~ツイキャスLIVE

■TTF CHALLENGE10対戦カード

<ライト級/5分3R>
エマニュエル・サンチェス(米国)
エフェヴィガ雄志(日本)

<64キロ契約/5分3R>
上田直毅(日本)
ティオール・タン(ミャンマー)

<フェザー級/5分2R+ExR>
大越崇宏(日本)
小森真誉(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岩倉優(日本)
チェ・ジョンミン(韓国)

<グラップリングマッチ 78キロ契約/10分1R>
伊集龍皇(日本)
室谷勇汰(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
狩野優(日本)
轟轟(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
永井奏多(日本)
唐沢タツヤ(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
後藤亮(日本)
グラップラー脇(日本)

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45 AB MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase344 RYO キム・サンウォン ギレルメ・ナカガワ クレベル・コイケ パンクラス 中村京一郎 中田大貴 佐藤天 佐藤藏ノ介 内藤由良 原田惟紘 平田直樹 諸石一砂

【Pancrase344】九州MMA男児に『NO』なし。原田惟紘がギレルメ・チャイ・ナカガワと対戦!!

【写真】ギレルメが原田と対戦。受けた原田も要注目のバンタム級マッチだ(C)MMAPLANET

4日(火)、Pancraseより30(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるダブルヘッダー=Pancrase344&345の昼の部344大会にギレルメ・ナカガワが出場し、原田惟紘と対戦することが発表されている。
Text by Manabu Takashima

原田は当初、同大会でランク10位の谷内晴柾と対戦予定だったが、谷内の負傷で中止となっていた。5年7カ月ぶりのパンクラス再戦が宙に浮いた原田だったが、先の格闘代理戦争―MAX―にクレベル・コイケ→ホベルト・サトシを監督したギレルメと相対することに。


昨年のIBJJFアジア茶帯ライトフェザー級3位、アマMMAで10戦10勝という振り込みで代理戦争に挑んだギレルメは、初戦でTHE BLACK BELT JAPANの諸石一砂を40秒腕十字で斬って落とすも、準決勝で優勝した中村京一郎を相手に3R2分14秒で左ストレートから連打でキャンバスに沈んだ。

しかし、得意の組みを切られ、ボディショットを打ち抜かれるなど劣勢から、右でダウンを奪った追い詰められた時の気持ちの強さでインパクトを残していた。そのギレルメは5月の決勝大会にもワンマッチに出場し、見事なストレートフットロックで佐藤藏ノ介を76秒で一蹴している。

優勝こそ逃したが、絶対的な強さを誇る柔術力と、気持ちが折れない荒々しい打撃――そしてクレベルがいうとことのチャイ(シャイ)で寡黙なキャラも相まって今後のキャリアの積み方に注目が集まっていたギレルメが適正体重=バンタム級でパンクラス参戦。結果として3月から4カ月連続でMMAを戦うこととなった。

代理戦争は3分×3Rの参考マッチ、今回は5分×3RとなりフルパワーMMAもペース配分が必要となってくる。対してMMAの中に柔術を落とし込んだ原田が、大注目株といえどもルーキーとの試合を受けたのは、やはり北九州在住で中央で試合をするために相手を選ぶことはない――というMMAファイター人生の指針を貫いたといえよう。

なお同大会では中田大貴×キム・サンウォンが組まれ、夜の部345大会では内藤由良が佐藤天推薦のディラン・オサリバンと対戦するなど国際戦が2試合、さらに5月25日大会から延期のフェザー級の次期挑戦者決定戦=平田直樹×Ryoがスライドで組まれた30日のパンクラス。漢気などではない、それが地方在住ベテランの習性といえる原田の意地が、ギレルメを相手に爆発するのか。ギレルメが静かに猛攻を仕掛けて、新たな一歩を踏み出すのか。要注目の一戦が、加わった。

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45 MMA o PANCRASE RIZIN UFC パンクラス ライカ ロッキー川村2 佐藤天 内藤由良

【パンクラス】内藤由良 キルクリフFCからの刺客ディラン・オサリバンと対戦!

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6月30日にニューピアホールで開催されるPANCRASE 344、PANCRASE 345の一部対戦カードが発表されました。注目はミドル級チャンピオン内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)の2年ぶりの復帰戦。どんな相手が用意されるかと思いきや、パンクラスからUFCにも参戦した佐藤天が所属するキルクリフFCからの刺客ディラン・オサリバンと対戦する事が発表されました。

オサリバンはMMA戦績5勝1敗。推薦した佐藤のコメントによると、「長いリーチからの多彩な打撃が武器のストライカーでフィニッシュ率100%、UFCを目指す選手の1人」との事。プロ野球の助っ人外国人よろしく、蓋を開けてみないとわからない感はありますが、佐藤天推薦という事なら期待しても良さそうです。

逆に内藤は復帰戦がいきなりの国際戦、しかも未知なる強豪なのが何とも不気味。それでも、ロッキー川村2を相手にワンパンチでKOした試合を思い出すと、派手な打ち合いを期待するのは私だけではないでしょう。

内藤が復帰戦を勝利すればRIZIN参戦も視界に入りそう。逆にオサリバンが勝てばミドル級のベルトを賭けて内藤とダイレクトリマッチか。どう転んでも面白くなる気配しかない。
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45 o UFC キック ボクシング 佐藤天

UFC on ESPN+99:第10試合・テンバ・ゴリンボ vs. ラミズ・ブラヒマイ

ウェルター級。佐藤天から勝利してUFCからリリースさせたゴリンボ vs. 佐藤天の対戦相手としてUFCと契約した(後に欠場し対戦は実現せず)ブラヒマイ。

ジンバブエのゴリンボは長いリーチが武器のグラップラーで、UFCデビュー戦ではアグレッシブだが雑にチョークを狙いに行きポジションを悪くした上で、最後はギロチンに捕らえられ一本負けしたが、佐藤天戦では手堅くバックキープしての判定勝ち。2月の前戦はマイク・ジャクソンにしか勝ってないピート・ロドリゲスに秒殺KO勝利。今回は初のメインカード枠に組まれた。33歳。

ブラヒマイも、UFCでの4戦はすべて第3試合までの前座ファイターだが、前回勝利し2勝2敗として初のメインカード枠。とはいえ、2勝2敗の選手がセミ前に出てくるのはAPEXならではだが。極真・ボクシングがバックボーン。キャリア10勝すべてが一本勝ちで、うち9勝がチョークでの勝利。前戦が2年3ヶ月前で、その後2度試合が組まれたが、いずれも負傷欠場。昨年2月予定されていた試合の前に脊椎を負傷し、練習に復帰するまで時間がかかっていた。31歳。

プレッシャーを掛けるゴリンボ。前蹴りをキャッチしたブラヒマイがタックルに入るが、四つで受け止めたゴリンボ。ブラヒマイはケージに押し込むと強引に投げを狙ったが、潰されて下になる。ブラヒマイのガード。ケージ際まで移動すると、ケージを使って立った。ゴリンボは両脇を差してテイクダウンを狙うが、左脇を差し返したブラヒマイが入れ替えてテイクダウン狙い。さらに入れ替えて腹にヒザを入れたゴリンボ。また投げを狙ったブラヒマイだが、また潰されて下に。すぐに体を起こして立ちに行くブラヒマイ。バックテイクを警戒して背中は見せずに立ち上がった。しかしまだゴリンボが両差し。ヒザを入れていく。ホーン。

1Rゴリンボ。

2R。カーフキックからまた組み付いたゴリンボ。両脇を差してケージに押し込んだ。ブラヒマイがまた足をかけてテイクダウンを狙ったが、切り替えされてまたテイクダウンを許す。ケージに上半身を預けて立ち上がろうとするブラヒマイ。立った瞬間にテイクダウンしたゴリンボ。倒され際に足を狙い。組み付けなかったものの立ち上がって正対したブラヒマイ。投げを狙ったブラヒマイ。こらえるゴリンボのバックについたが、足をフックできずに横に落とされてまた下になる。すぐにケージを使って立ったブラヒマイ。ケージに押し込むゴリンボ。外掛けテイクダウン。ブラヒマイ、口が開いて息が上がっている。ホーン。

2Rゴリンボ。ブラヒマイ、久々の試合でスタミナが切れているか。

3R。パンチからすぐに組み付いたゴリンボ。簡単に組み付かせたブラヒマイ。ヒザの打ち合いで入れ替えてケージに押し込むブラヒマイ。シングルレッグからテイクダウン狙い。こらえるゴリンボがヒザを打ち込む。ブラヒマイは最後の力を使ってしまったか。ケージに押し込むも入れ替えられる。腹にヒザを入れるゴリンボ。残り45秒で足をかけてテイクダウン。マウント。背中を向けたブラヒマイのバックを狙う。ブラヒマイが立ち上がるが、その瞬間にまたテイクダウン。タイムアップ。

三者フルマークでゴリンボ勝利。

しかし、完全にガス欠になったブラヒマイ相手にフィニッシュを狙う動きがなかったのは残念。

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UFC on ESPN+97:セミファイナル・ブライアン・バトル vs. アンジュ・ルーサ

ウェルター級。

TUFウィナーのバトル。ミドル級で2戦した後、ウェルターに落として3勝1敗。ウェルター転向初戦では、佐藤天を44秒ハイキックでKOしたことで日本でも知られる。負けた相手は塩漬けグラップラーのファクレトディノフで、漬けられて二者が30-25をつける内容での完敗。196cmの長いリーチからの変則的な打撃が武器だが、キャリアでは一本勝ちも多い。29歳。

コンゴ出身・スイス在住のルーサは初のセミ抜擢となる。佐藤天と同門のキルクリフFC所属。試合4日前に決まったUFCデビュー戦は打撃で押され、タックルも切られる展開での判定負けだったが、そこから2連勝中。ただ、勝った相手はいずれもUFC未勝利。得意技は右ストレート・アナコンダチョーク、前回はバトル以上にリーチが長いリース・マッキー相手にテイクダウンからのパウンドラッシュを仕掛け、凌がれてガス欠になったものの判定勝ち。29歳。

パンチ・飛び膝で攻めるバトル。ルーサパンチからタックルに入るが、受け止めたバトル。両脇を差したルーサだが、バトルが小手を巻いて投げマウントに。しかしルーサは身体能力で立ち上がった。ケージに押し込むバトル。ボディロック。ルーサ入れ替えるが、バトルは首相撲からヒザを入れる。離れた。プレスするバトル。前蹴り。ジャブ。バトルがパンチ・前蹴り・右ハイを打ち込む。ジャブからワンツー。ルーサもパンチを返すがヒット率に差がある。ホーン。

1Rバトル。

2R。タックルのフェイントを見せたルーサだが、バトルが出した手の指が目に入りタイムストップ。けっこう目を気にしているルーサ。続行不能と判断され試合終了。

ノーコンテストに。攻勢だったバトルは悔しげな様子を見せるが、裁定後にルーサを挑発し、両者エキサイト。

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【Special】ヘンリ・ホーフトに聞く、日米の違い─01─「なぜ、新人が10度の世界王者と戦えるんだ」

【写真】キックボクシングは当然として、F1のみならずあらゆるオートスポーツ。そしてサッカーにも精通するホーフト。MMA界で成功を掴むためには、他の世界のことも知る必要があることを再確認させられた (C)MMAPLANET

昨年末、MMA界を代表するプロフェッショナルファイター集団=キルクリフFCの総帥ヘンリ・ホーフトが来日し、3度に渡りセミナーを行った。オランダ・キックボクシング界の重量級で飛びぬけた技術力を誇ったホーフトは、北米に渡りMMAファイターのコーチをするようになると、指導力だけでなく将来性を見越したビジネスセンスを発揮し、ジムにネーミングライツを採用した巨大なMMAファクトリーを持つようになった。
Text by Manabu Takashima

世界中からMMAの頂点を目指し、ファイターが集う場の率いるホーフトの来日目的は自身の知識を日本のMMA界の住民と共有し、日本人ファイターがより米国で活躍できるようストラクチャー創りの一歩を示すこと。そんな彼はネーミングライツ使用は終わったが、今もビジネスパートナーである医療機関=サンフォードとの連携で、LFAのサンフォード・ペンタゴン大会を事実上買い興行で年に2度プロモートしている。自らの名を冠としたイベントでもなく、そこまで活動の領域を広げるのは選手の正しい育成こそがファイト・ビジネスにもっとも重要だという想いがあるからだった。


――ヘンリ。改めてですが、今回の来日の目的を説明していただけますか。

「実はもう何カ月間も日本に行きたいと、タカシ(佐藤天)と話していたんだ。ホリデーで訪れるんだけど、ホリデーだけにとどめたくないってね。

そうだね……私は今になっても、なぜMMAで日本人のスターが育たないのか原因が分からないでいる。確かにタツロー・タイラのような才能のある選手が現れてきた。でも、多くのタレントが埋もれている……。ただし、日本の格闘技イベントに関してはK-1時代から思って来たことがあるんだ」

──というのは?

「K-1ではデビューしたての日本人選手をしっかりと育てることなく、オランダのチャンピオンたちと戦わせていた。若い選手をデビュー直後に外国人選手と戦わせるなんて、やってはいけないことだ。ムサシ(武蔵)のような経験のないファイターをピーター・アーツと戦わせていた。なぜ、新人が10度の世界王者と戦えるんだ。全くもって不公平だ。

実際ピーター自身が言っていたよ。『俺は日本人選手と戦いたくない』とね。キックボクシングとMMAは技術的にも違うが、大晦日のRIZINを観戦させてもらったけど、なぜ2戦や3戦しか経験がない選手が、あの舞台で戦っているんだ? なぜ、もっと経験を積まさないのか。カビブ・ヌルマゴメドフやコナー・マクレガーだって、デビュー直後に経験の差があるファイターと試合をしていれば、今のようになっていない。ああいうことをしていると、才能を殺すことになる。

だから、あのようなカードは米国のMMAでは絶対に起こり得ない。私が学んだキックボクシングは日本の極真から誕生したモノだ。オランダの格闘技界の人間は、もの凄く日本を尊敬し、その伝統を重んじている。

米国はそうじゃない。全く違う。だから米国でダッチ・キックボクシングと呼ばれると、『オランダ人は日本のキックボクシングを学んだ』といつも口にしている。オランダのキック界のパイオニアは、キックボクシングをクロサキ(黒崎健時)から教わった。オランダのキックの背景には、常に伝統が存在している。だから、オランダのキックのジムでは今も『押忍』という言葉が残っている。

そうだね、今回はホリデーだけでもなく、セミナーを開いて何か日本の役に立ちたいと思ったんだ。日本のキックボクシングから生まれたオランダのキックボクシング、その技術を知りたいとセミナーにやってくる人達に、私の知識を共有したいと思った。セミナーで儲けようということではない。米国のジム・ビジネスで、十分に稼げている。日本で何が行われているのかを、この目で見ること。そして、普段と何か違う指導をすることで、日本のタレントが何かを得ることができるのではないかと思ってやってきたんだ。

実際にセミナーで選手を指導するだけでなく、コーチたちがどのような考えを持ち、指導をしているのか。その辺りをミーティングをして、知ることができて良かった。そんな自分の来日を支えてくれたABEMAに感謝している。我々のような米国のビッグジムと協力関係を結ぶことで、日本人選手のキャリアアップに関して、現状とは違う道筋を見つけることができるのではないかと思っている。

このスポーツをより良いモノにするために選手やチーム、コーチたちと交流の場を持て色々な人達で出会えた。素晴らし滞在になったよ。サトーもいるし、これから少しでも日本人選手が米国で活躍できるようになり、またコーチ達が米国を訪れて米国のMMAを知る一歩になってくれれば嬉しい限りだよ」

──3度セミナーを開かれましたね。

2度目のセミナーはEXFIGHTで行われた(C)TAKASHI SATO

「そうだね。サトーが関係している人達のところで、ABEMAの協力もあってセミナーをやらせてもらった。2日目のセミナーにはオカミ(岡見勇信)も来てくれたよ」

佐藤天 1度目はニック(末永)さんの借りている施設でセミナーをさせてもらいました。

「レンタルしているスペースだったよね。15人ぐらい参加したけど、凄く興味深かった。米国でセミナーといえば、有名なファイターを見たいからっていうような感覚なんだ。トレーナーのセミナーなんてない。有名なファイターを育てた指導者やジムの人間には、興味を持たない。ただ名声だけを追いかけているのが、米国のセミナーなんだよ。

私は指導者として日本の練習に興味があるし、その背景に存在する日本の文化に興味を持っている。セミナーを受講してくれた皆が、より競争力のある選手になりたいと内面から思ってくれると嬉しい」

──そんな日本の競技者に対して、ヘンリから見て改善が必要な部分はありましたか。

「そうだね……。それが皆の素晴らしい点でもあるけど、相手を尊重し過ぎているきらいがある。私もワイフも、だからこそ日本の皆のことが大好きなんだけど、試合になってもその傾向が強すぎると思う。UFC、MMAは戦いなんだ。ファイティングはスポーツではない。ファイトはファイトだ。相手を尊敬する気持ちは、ファイトが終わってから持てば良い。そのメンタル面だね、変わる必要があるのは」

──日本人でもキック系の選手はMMAやグラップリングの選手よりも、ファイターであり喧嘩ができる人が多いかと思います。

「喧嘩ができてもしょうがない。ファイトとブロウルは違う。礼儀は必要だ。戦いが終って握手をしない選手のことは、私も好きではない。でもケージの中で良い人である必要はないということなんだ。人々を尊敬する姿勢を持つ。それが日本人の良さだよ。そのメンタリティを捨てる必要はない。

ただし、ケージの中では相手をぶちのめしベストファイターになるために戦う必要がある。私達のジムは、プロフェッショナルしかいない。ベストになるために練習している。より競争力をつけるためにね。強くなって、スーパースターになるためにファイターは厳しいトレーニングを日夜続けている。

彼らを率いる私も、どこかに……日本でも良い──最高のトレーナーがいて、最高のジムがあるなら見学して、指導者と言葉を交わしたい。それが我々、キルクリフFCのメンタリティだ。喧嘩なんかする必要はない。相手を尊敬する気持ちは必要だ。ただし、それはケージの外での話だ。

ファイターを強くするにはファイターが正しくあるだけでなく、コーチが正しくあり、ジムが正しくあり、オーガナイザーによる正しいマッチメイクが必要なんだ。力の差が明らかにある試合を組んではならない。このスポーツを日本で普及させるためには、そういうことをしていてはダメだ。目の前のことに捉われるのではなく、将来のビジョンを持たなければならない。オーガナイザーは次の10年を考えてイベントを行う必要がある」

──セミナーを行うだけでは、その全てが解決するとは思えません。ただし、貴重な一歩になったと思います。と同時に日本を何とかしたいというヘンリにとって、今回最も伝えたいことは何だったのでしょうか。

「自分のことを単なるジムのトレーナーだけだとは思っていない。私は先生だ。先生の仕事は教えること。それが私の人生でもある。今回の訪日でも、私の知識を皆にシェアしたいと思っていた。そして、その場があることで私も学ぶことができる。私の考えを伝え、その反応で得るものがあるんだ」

<この項、続く>


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【Gladiator023】グラジ初出場、八木敬志と対戦──エフェヴィガ雄志「肌を合わせて違いが分かった」

【写真】キルクリフFCとCombate Globalの経験が如何にエフェを進化させたか(C)TAKUMI NAKAMURA

30日(土)に大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR023にエフェヴィガ雄志が出場し、八木敬志と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

アジアのフィーダーショーを目指し、韓国、モンゴル、フィリピン人ファイターの招聘を続けることで、Gladiatorのケージの中が変わりつつある。顕著なのはプレリミ出場選手の顔触れ、そして実力のアップだ。そのなかで米国でCombate Globalで勝利したエフェの出場はトピックス。対戦相手の八木は格闘DREAMERS出身。マッチョファイターを相手に海外武者修行の成果を見せることはできるのか。キルクリフFCとCombate Globalの経験をエフェに尋ねた。


──Gladiator023で八木敬志選手と対戦するエフェヴィガ雄志選手です。まずキルクリフFCでのトレーニング、5月Combate Globalでのジェラルベルト・カスティーリョ戦も含めた米国での日々を振り返っていただきたいと思います。

「米国に行ったのが2月の終わり頃で、それから約3カ月練習させていただいたんですけど、最初の1カ月は初めて米国で生活することもあって、色々と苦しい時間でしたね。ジムは外国人選手ばかりだし、自分が全くジムに慣れていない中で、強度が高い練習やスパーリングもガチガチにやっていたんで、その圧力に押されてしまいました」

──単身一人で米国に渡ったのですか。

「行くのは一人だったんですけど、ジムの先輩だった佐藤天さんがあっちのファイターズハウスにいて。天さんは3年ぐらい米国に住んでいて、米国の生活にも慣れているんですよ。その天さんがいてくれたっていうのは大きかったですね。勝手知ったる人がいてくれて、日本語でも色々と説明してくれました。僕も英語は一応分かりますけど、ペラペラっていうことはないんで。あともう一人、木下憂朔がいて、途中から井上直樹君も来て、最初は天さんと僕の2人だったんですけど、最大では4人いました」

──練習面で最初に驚いたことは練習強度やスパーリングの激しさですか。

「キルクリフは練習が激しいというのは聞いていたんですけど、思っていた以上に激しかったです。あとは技術で言うとテイクダウンですね。米国はレスラー上がりの選手が凄く多くて、壁レスの技術は日本でもかなりやりこんでいたので、そこまですごいとは思わなかったですけど、平場で壁がないところでのテイクダウン技術にはかなり差を感じました」

──最初の1カ月で練習や生活に慣れ、そのあとはどのようなことを練習で学んだり、意識できるようになったのですか。

「コーチのヘンリー(・フースト)たちにもミットを持ってもらうようになり、打撃ではステップを使うようにと指導されました。キルクリフに来た当初は動きが固くて『もっとステップを使ってもっと自由に動け』と言われて。そこからステップワークはかなり良くなりました」

──ABEMA格闘チャンネルの公式YouTubeチャンネル「Fighter’s Diary」でもヘンリーコーチから「足を使え」と指導されている場面がありましたが、そこは口酸っぱく言われていたことなのですか。

「『足を動かせ』と『ガードを上げろ』はずっと言われていました。MMAはグローブが小さいので、僕はキックボクシングほどガードは意識してなかったんですよ。でもキルクリフでは、それがジムのスタイルでもあるんですけど、ちゃんとハイガードにしてステップを多く使うように指導されました」

──打撃における基本的なことですが、それをやることで変化はありましたか。

「はい。ガードとステップを見直して、打撃の被弾がだいぶ減りましたね」

――打撃以外の部分ではいかがでしょうか。

「レスリングコーチのグレッグ(・ジョーンズ)にいつも言われていたのが『テイクダウンは爆発力だ。爆発力がないと話にならないから、テイクダウンに入るときは爆発力と瞬発力を意識しろ』なんです。テイクダウンに入ってからの技術もいいけど、まずは『思い切り行け!』と言われていました」

──テイクダウンは爆発力、は面白い考えですね。

「もし口で言われただけだったら、僕も漠然としたまま終わったと思うんですけど、実際にそう指示されてテイクダウンを決める選手がたくさんいるんで、そういう選手の動きを見て、自分なりに練習しました。この角度で入ればいいんだとか、この状況になったら力を使って強くいけばいいとか。ただ指導されるだけじゃなく、肌でその教えを実感できたことは大きいです」

──練習そのものは実戦的なものが多かったのですか。

「基本的に午前中は強度高めの練習で、月水金はレスリングベースのドリル。金曜日は柔術の日もあるんですけど、レスリングをやることも多かったです。最初はドリルなんだけど、だんだんスパーに近くなっていってみたいな練習で、ハードなスパー系の練習は火・木の2日でした」

──1週間をトータルで見てスケジュールが組んであるのですね。

「そうですね。午前中に激しい練習をするので、午後は打ち込み中心で技術的&テクニカルな部分を磨くほうが多かったです」

──それだけ日々練習が充実していると、1日1日気づきも多かったのではないですか。

「気づきは本当に多かったですね。これまで知らなかったこと、テクニックもたくさんありましたし、それこそカマル・ウスマンやジルベウト・バーンズなど凄い選手がたくさんいる中で、見て学べたことも大きかったです」

──これも「Fighter’s Diary」を見させてもらった感想ですが、エフェヴィガ選手がキルクリフのトレーナーから信用や信頼を得ていて、指導にもすごく熱がこもっていると思いました。エフェヴィガ選手自身がキルクリフの練習に溶け込んでいる感触はありましたか。

「結構感じましたね。木下君は英語は喋れないですけど、自分から他の選手やコーチともコミュニケーションを取りに行くし、自分は英語がそこそこ喋れるんで、スパーやドリルが終わった後『あれはどうやってた?』など、ドンドン質問してコミュニケーションを取るようにしていました。その繰り返しで、選手やトレーナーと関係を築くことができました。来た当初はグレッグから『なんでお前は自分から行かないんだ!』と怒られましたし、天さんにも『あいつ、もっと行かないと日本に帰すぞ』と言っていたそうなんです(苦笑)」

──人づてに聞くと余計にダメージが大きいですね(苦笑)。

「でもそれを乗り越えると、グレッグから『今のは良かったぞ!』と言ってもらえるようになりました(笑)」

──そう考えると3カ月という長期滞在がよかったようですね。

「はい。締めが試合だったので、実際の練習期間は2カ月半くらいだったんですけど、1カ月だったら練習に慣れたところで終わっちゃっていたと思います」

──そのCombate Globalでのカスティーリョ戦ですが、1Rにパンチを効かされて、徐々にテイクダウンも織り交ぜて盛り返すという、キルクリフでの練習が試されるような試合展開でした。

「開始直後に右フックをもらった時は本当に焦りました。ダメージも多少ありましたし、精神的な動揺も大きかった。これはヤバい、と」

──しかもパンチのもらい方もよくなかったですよね。足を使ってガードを上げろと指示されていたにも関わらず、それを実践する前にもらったような形で。

「試合前に天さんと一緒に相手の映像を見ていて『これを気をつければ大丈夫』って話した“これ”を一番最初にもらいました(苦笑)」

──言い方を変えれば、警戒している技をもらってしまうのも試合だから起こりうることです。そこからの立て直し方というのは?

「あそこで1回やられて、相手をケージに押しこんだところで冷静になって、あとはもう行くしかないと思いました。セコンドの長南さんと木下君にも発破かけてもらって。ちょっと距離は詰まりすぎでしたけど、とにかく前に出るしかないと思って、それでキルクリフでやってきたレスリングのテイクダウンが役立ったんで、そこは本当に良かったですね」

──長期合宿を経て、最後に試合で締めるというのは、本当に内容の濃い時間になったようですね。

「練習するだけじゃない学びもあったし、試合中に自分にフィードバックがあったので、めちゃくちゃ充実していました」

──今、日本ではどのようなことを意識して練習されているのですか。

「キルクリフで学んだことはたくさんあるんですけど、若干激しいスパーに慣れていたからか、ちょっと雑なところが増えてたりしたんで、そこを長南さんに調整・指摘してもらっています。あと自分はまだテイクダウンのレベルが低いので、中村倫也さんに専修大学のレスリング部を紹介してもらって、そこに行かせてもらったり、純粋なレスリングの練習を始めました」

──そして今回、GLADIATORで試合が決まりました。日本に戻ってきて、このぐらいの時期に試合をしたいという希望があったのですか。

「帰国してすぐ試合を探してもらっていたんですけど、なかなか相手が見つからなくて、ようやくここで決まったという感じです」

──対戦相手の八木選手の印象は?

「パワーがある選手なんで、そこに気をつけながら戦いたいと思います。特徴がハッキリしている選手ですね」

──対策や攻略法はイメージできていますか。

「自分の基本的な強みはリーチとパンチ、蹴りを活かした戦いなんで、そこをしっかり意識して戦おうと思います」

──この試合を含めて、これからどう自分のキャリアを作っていきたいと思っていますか。

「GLADIATORのあと、どこで試合するかはまだ分からないですけど、どこで戦うにしろ、一つ一つ自分が確実に勝ち星を積み上げて、いずれは北米のプロモーションでやりたいと思っています。キルクリフには世界のトップ選手たちがいて、まだ自分がそのレベルに達していないことも分かったし、そこに追いつけるようにしっかりレベルアップをしていきたいです」

──肌でその差を感じることができたのも大きかったですか。

「そうですね。実際にUFCとかBellatorなどトップぷろもーしょんで戦っている選手と肌を合わせて、そのレベルが分かったことは大きかったです。彼らとの差を身近に感じて、自分と彼らの差にリアリティが出たところは大きいです」

──では最後に次戦に向けてファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「米国武者修行では試合までさせてもらって、その練習と試合で学んだこと、日本に帰ってきて新たに学んだことを含めて、さらにレベルアップした、強くなった姿を見せられると思うので、楽しみにしていてください」

■視聴方法(予定)
9月30日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022対戦カード

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
坪内一将(日本)

<フライ級/5分2R>
陸虎(日本)
古賀珠楠(日本)

<ストロー級/5分2R>
澤田政輝(日本)
三輪勇気(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
野口蒼太(日本)

<ライト級/5分2R>
秋岡翔(日本)
磯嶋祥蔵(日本)

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
[挑戦者]竹本啓哉(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T決勝/5分3R>
森戸新士(日本)
世羅智茂(日本)

<フェザー級/5分3R>
河名マスト(日本)
ユン・ダウォン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ハンセン玲雄(日本)

<ミドル級/5分3R>
藤井章太(日本)
イ・イサク(韓国)

<ライト級/5分3R>
八木敬志(日本)
エフェヴィガ雄志(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング60キロ契約/5分2R>
NavE(日本)
前田吉朗(日本)

<バンタム級/5分3R>
藤原克也(日本)
川北晏生(日本)

<フライ級/5分2R>
和田教良(日本)
梅川毒一郎(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
高木亮(日本)

<ウェルター級/5分2R>
森井翼(日本)
阿部光太(日本)

<バンタム級/5分2R>
エダ塾長こうすけ(日本)
宮口龍鳳(日本)

<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
空(日本)

<バンタム級/5分2R>
南友之輔(日本)
小松祐貴(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
向井琉綺弥(日本)
伊藤琥大郎(日本)

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