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【Gladiator CS02】真価が問われるテムーレン戦へ、南友之輔「相手が今までより強いんで、力でへし折る」

12日(金)に会場非公開で開催される無観客&配信大会GLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj」にて、南友之輔がテムーレン・アルギルマーと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

全空連・WKFルールの空手では各世代で日本代表として活躍し、パリ五輪での空手不採用を受けてMMAの道を選んだ南。5月の秋田良隆戦に勝利後、元GLADIATORバンタム級王者テムーレンとの対戦をアピールし、デビューから10カ月&キャリア5戦目にしてテムーレン戦が実現することとなった。

大きな目標=UFC参戦に向けて「UFCにつながる試合を一つ一つクリアしていきたい」という南にとってターニングポイントになりうるテムーレン戦。この大勝負に向けた心境を語ると共に、MMAにおける打撃論についても語ってくれた。


──南選手も対戦を望んでいたテムーレンとの一戦が決まりました。5月の試合後に対戦アピールのマイクもありましたが、正式に試合が決まった時はどんな心境でしたか。

「最初、僕が(対戦アピールを)言った時に、テムーレンがInstagramのストーリーでやるぞみたいな感じの投稿していたらしくて、それをGLADIATORの櫻井(雄一郎)会長に聞いて、決まるんかなという気持ちではいました。だから正式に決まった時も『決まった!』というよりも『いよいよ決まったな』でしたね」

──テムーレン戦をアピールした一番の理由は何だったんですか。

「正直、自分は強い人とやりたいという気持ちがあって、テムーレンは元チャンピオンで、それが明確じゃないですか。しかも自分はこれから世界と戦っていきたいと公言していて、それだったら外国人、元チャンピオンが一番分かりやすい。それでテムーレンがいいなって感じです」

──南選手は伝統派空手の輝かしい実績を持ってMMAに転向して、なかなか試合を受けてもらえない、対戦相手が決まるのに時間がかかっていたように思います。

「そうなんですよ。全然相手が決まらんし、相手が決まっても対策とか練ってモチベーションがめっちゃ上がったみたいな相手じゃなくて、勝たないといけないみたいな雰囲気の相手だったり、僕が挑戦を受けるみたいな立場だったんです。まだデビューして4戦以下なのに(苦笑)。だからテムーレンはやっと自分の実力が分かるような相手かなと思います」

──ある意味、南選手にとっては本当のMMAキャリアのスタートのような試合ですね。テムーレンは自分のポテンシャルも出し切って、戦術も必要な相手だと思いますが、試合が決まってからどんな練習に力を入れていますか。

「試合が決まる前から、テムーレンとは同じ大会に出ることが多かったんで、ざっくり試合は見ていたんですよ。試合が決まってからちゃんと映像を見て、相手はこれがあるからこうしようというよりも、ここだけは気をつけて自分の持っているものをどう活かすか。そこを考えてやっていますね」

──テムーレンは手足の長さや一発の重さなど日本人はないものを持っている選手だなと思います。

「空手時代にモンゴル人と戦ったことはないんですけど、結構ヨーロッパの選手と国際大会でやってきたんで、外国人と肌を合わせた感覚はあります。だから外国人選手の体の強さや手足の長さ、国際戦の経験がない選手よりもイメージはしやすいのかな。そこをもとにだいたいのイメージを組み立ててっていう感じですね」

──空手とMMAではルールが違いますが、日本人選手と外国人選手ではどこに違いを感じますか。

「なんか“硬い”って感じですね。外国人でもフィジカルが弱い選手もいるんですよ。ただ(フィジカルが)強いヤツは『細いのに強いわ』みたいな。イメージ的には一瞬壁があるような感じです。僕も空手時代からフィジカルが強い方やったんで、これは勝てんわって思うことはなかったんですけど、相手とぶつかったときに結構『ゴーン!』と衝撃を感じることはありました」

──試合としてはどんな展開を想定していますか。言える範囲で教えてください。

「打撃で倒すのはもちろんなんですけど、そんな倒そう倒そうというよりも、自分が持っているポテンシャルや考えていることを、ちゃんと再現してイメージ通りにできれば、自然とKOに繋がるなって感じなんで、そんな今までと変わらずです。ただ、今までは駆け引きをしてくれない相手が多かったんで、正直(試合を組み立てるのが)難しかったんです。でもテムーレンは駆け引きしてくれる相手だと思うので、そういう意味では案外すぐ倒せるんじゃないかなというのがあります」

──今までは相手が南選手のことを警戒しすぎて技術の交換やキャッチボールがなかったのですか。

「そうなんですよ。僕が一方的に攻めているんですけど、相手に守りに入られるとリアクションがないから、結構やりづらかったというのが正直な感想で。相手は完全にケージを背負って、1発だけ狙ってガツーン!と来るみたいな。それはそれでその一発に気をつけなきゃいけないから戦いづらいんです(苦笑)」

──それでいて会場の雰囲気としては「南、行けよ!」という空気になって。

「まさにそれですね。自分で自分の試合を見直して『こいつ全然倒さんよな』と思っていました(苦笑)。そういう意味でテムーレンは技の駆け引きをしてくれるし、結構パンチを振ってくるじゃないですか。だから見ている方は面白いと思います。自分でもそういう相手の方がしっかり見えるし、僕の持ち味も出るかなと思います」

──話を聞いていると、相手がテムーレンだからこそ、南選手が持っている引き出しやできることをもっと試合で出せそうですね。

「相手の強さやレベルが上がると、一番いいパフォーマンスや技を出さないといけないし、今までよりももっと高いものを見せられるんじゃないかなと思います」

──そこを含めて試合自体も楽しみですか。ワクワクするというか。

「そうですね。どんな感じになるんだみたいな。で、最初のリングの中央の取り合い、そういうところから楽しんでいきたいです」

──取材前の練習を見ていると、組みと打撃のミックス、打撃からの組み、組みから打撃など、そういった部分を意識しているように見えました。

「例えば今までの僕は自分からタックルに行くことは少なかったと思うんですけど、もっとシンプルに打撃と組み、組みと打撃という上下の動きは練習しているんで、それを見せられたらいいなと思っています」

──MMAに転向してレスリングや寝技の練習も好きになりましたか。

「そうですね。最初はやられてばっかりで、やらないといけないからやってるぐらいだったんですけど、今はもう自分から行って楽しく、こんなんもできるわとか、頭で考えることもできるようになりました」

──先ほどの打撃の話にもつながるかもしれませんが、BRAVEにはレスリング出身の選手も多いので、練習でも技術の攻防ができますよね。

「確かにそうかもしれないですね。自然とそういう練習ができているかもしれないです」

──この試合は南選手にとって初の国際戦かつ元王者との対戦で、ターニングポイントになる一戦だと思います。どんな試合だと位置づけていますか。

「別に普段とそんな変わらず、気負うこともなく。ただ勝ったら…というか、勝たないと先は見えてこないんで。なんで勝つことしか考えてないですね。もちろん心の内では『やったんぞ!』って気持ちもありますけど、いつも通り準備して、いつも通り挑む。ただ相手が今までよりも強いんで、しっかり力でへし折ってやろうと思っています」

──南選手を取材していて、もともと持っている目標設定が高いところにあって、そこから逆算してキャリアを考えている印象があります。例えばUFCや海外で活躍するためにどういうキャリアを積まなければいけないかを考えているというか。

「そうかもしれないですね。ここをクリアしないとRoad to UFC(RTU)に出ている中国の選手たちには絶対に勝てないと思うし、ここをクリアしないと自分が目指す場所には辿り着けない。なので、ここは絶対にクリアしないとなと思っています」

取材日に伊藤空也がEternal MMA王座獲得を報告。海外で戦う選手が身近にいることが南にとって刺激になっている。(C)PROGRESS

──BRAVEには海外のプロモーションでも試合をしている選手が多いですが、刺激を受けることも多いですか。

「多いですね。(原口)伸さんがRTUに出ていて、(伊藤)空也さんがEternal MMAでチャンピオンになって、すごい環境で練習できているんだなと思います」

──またGLADIATORからも河名マスト選手がRTUに出ていて、色んなものが繋がっていますよね。

「最初はGLADIATORという関西の団体で、海外の選手も呼んでるしぐらいの感覚だったんですけど、今はもうそれこそ河名選手が(RTUに)出たり、道が明確になってきているんで。それがすごくいいところだし、取り組みやすいですね」

──南選手のこれからのMMAファイターとしての理想像はどんなものがありますか。

「BRAVEに来たのが去年の3月なんで、まだ1年半くらいなんですよ。だからまだまだMMAファイターとしてできないことはたくさんあります。そのなかで今は打撃で圧倒できるところまでとりあえず行って、レスリングやグラップリングは徐々にできてくる部分ではあると思うんで。結果的にレスリングとグラップリングもできている状況に持っていきたいですね。グラフでいったら最初は打撃のところだけ飛び抜けているのが、だんだんと円に近づいていくイメージです。そのうえでKOを狙っていきたいです。海外だとコナン・マクレガーとかショーン・オマリーみたいに極めもできるけど、倒して勝つみたいな選手がいいですね」

──純粋な打撃だけで言えば、南選手はMMAファイターのなかでもトップの実績がある選手だと思います。MMAファイターの打撃のレベルは高いのか。またMMAという枠の中で使える打撃を使っているのか。どう見ているのかを聞いてみたいです。

「正直、距離感や駆け引きは空手の選手の方が強い、優れていると思います。MMAはレスリングもあるから、打撃の駆け引きを誤魔化すわけじゃないですけど、そこをやらずにレスリングに持っていけるところはありますよね。もちろん打撃の駆け引きを上手く使う選手もいますが、洗練されているという意味では空手の方が洗練されていると思います。例えば僕らは打撃を効かせるとかじゃなくて、触ることが必要な競技なんですよ。触られた時点で相手のポイントになっちゃうし、それを判断するのが審判だから、見ている審判に対してどう見せるかを意識しなきゃいけないんです」

──当てる・当てないではなくて、審判に触っているように見せる・見せないのレベルということですね。

「はい。審判の目線まで意識して動いて、その部分で相手と勝負して上回らないといけない。それと比べたら、MMAは基本的に自分と相手の打撃の交換で、審判の目は多少意識しても触る・触らないのレベルではないじゃないですか。そういう意味では空手と比べると頭を使わず、自分がやることを整理しながら戦えると思います。MMAは下(組み)を意識すればいいくらいなんで」

──審判にどうジャッジされるかを意識しながら戦うというのは相当神経を使いそうですね。

「仮に相手の攻撃を避けたとしても、それが当たっているように見えたらアウトだから、審判に避けたことが分かるように避けないといけない。そういう意味でMMAは当たっていなければOK、ギリギリでも避ければOKだから全然違いますよね」

――そこまで意識して戦っていた南選手からすると、仮にもらってもダメージを受けなければいいというMMAは幅が広がりますか。

「あとはそこの微調整ですね。さっきは避ける方の話をしましたけど、当てる方は当てる方で審判にアピールしないといけないから、わざと動きを大きくして当てるアピールするわけですよ。MMAはコンパクトに当てて、ギリギリで避けるから、そこの調整はめっちゃ必要だし、今もやっている最中ですね」

──例えば自分の攻撃でMMA用に微調整した部分はどこですか。

「空手は単発単発の競技なので、別に打ち合いが好きなわけじゃないんです。だから打ち合いに入る一瞬でヤバいポイントを作って、打ち合いになる時間でいかに当てるかを意識していいます」

──こちらが外から見ているものと南選手が試合をやりながら見ている世界は違うようね。

「ああそうですね。もしかしたらそういうズレはあるかもしれないです。でもシンプルに空手の速い打ち込みだけでは勝てなくなってくると思うので、近いところでの勝負だったり、そういうものをこれからは覚えていかないと。あいつはここの攻防ができないじゃなくて、あいつはここの攻防も強いと思われるようになりたいです」

──MMAには色んな選択肢があるなかで、南選手は海外での戦いを見据えていると思います。世界で戦うことへの想いを聞かせてもらえますか。

「やるからには世界一になりたい。世界一になるためには、UFCに行かないといけない
そういう感覚ですね。何が正解かは分からないですけど、UFCにつながる試合を一つ一つクリアしていきたいです。次テムーレンに勝って、GLADIATORのタイトルマッチをやらせてもらえるなら、そこを勝つことで色んな景色が見えてくると思うんですよ。大雑把にではなくて、一つの明確な目標があって、そこに向けてどういう道筋を選んでいくか。それを自分で選択していきたいですし、その選択を作るためにも勝ち続けていきたいと思います」

──それではテムーレン戦を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「打撃で圧倒して、触らせずシンプルに倒すところを見せられたらなと。あとは新しい、こんなこともできたんや、こういう打撃、こういう組み方、そういうことできたんやっていうのを見せられるように、しっかり勝ちます」

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45 Eternal MMA85 MMA MMAPLANET o キック 伊藤空也

【Eternal MMA85】TDされても、マウントを取られても立って、殴った伊藤空也がバンタム級新王者に!!!!

<Eternal MMAバンタム級選手権試合/5分5R>
伊藤空也(日本)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
ロッド・ッコスタ(豪州)

鋭い右ローを蹴った伊藤。さらに前足でミドルを当てる。伊藤は右カーフ、コスタのスイッチに自らもスイッチを一瞬見せる。カーフを続ける伊藤は、ケージを背負った状態から前に出て右ハイ&右ローのコンビを繰り出す。コスタは右カーフを返し、両手で顔面を守る構えを崩さない。伊藤は腹と足を蹴り、左ジャブを伸ばす。ジャブ&右カーフの伊藤は、ジャブからアッパーを狙う。パンチ、蹴りとも手数で上回る伊藤が左ハイから左フック。右を返したコスタは、最初のダブルレッグでテイクダウンを決めると両足を束ねていく。

背中でケージを背負った形の伊藤は、ボディロックから足を刈られ左足を束ねられ状態が続く。左を差しても、アンクルピックに取られた伊藤、ラウンド終了間際に立ち上がったが初回はリードを許したか。

2R、伊藤は左ジャブ&右カーフ、そして左リードフックを振るう。コスタは前足を蹴られながらジリジリと前に出ると、飛び込んでヒザ&パンチからダブルレッグへ。右を差して耐える伊藤だったが、ボディロックの要領で前方に崩される。伊藤の背中をマットにつけさせたコスタはガードの中でコツコツとパンチを落とす。コスタは伊藤のガードを越えることができない状況が続き、ワキ腹を殴るにとどまる。伊藤はケージを背負って立ち上がり、そのまま30秒間ケージに押し込まれラウンドを失った──が、ダメージは全くないまま中盤を迎えることとなった。

3R、引き続きカーフ&ジャブの伊藤、左ハイを捌いたコスタが低い姿勢のダブルレッグで早々にテイクダウンを決める。ダメージはなくても、ポイントで劣勢になるためすぐに立ち上がりたい伊藤だが、コスタが右足を越える。左足も抜いてマウントを取ったコスタの腰を押すも、伊藤はエビから足を戻せない。徐々に上がったコスタがエルボーを打ちつける。伊藤の右腕を背中で取り、スクランブルに持ち込ませなかったチャンピオンが再びヒジを打ち下ろす。ケージキックから左腕を差してリバーサルに成功した伊藤がトップを奪取も、コスタがハイガードで下からパンチを入れる。

伊藤も肩を押し込み、パンチを打つと立ち上がって足を払ってパウンドを思い切り打ちこむ。一瞬のサイドから足を戻して起き上ったコスタは、ケージに詰まる。ここで伊藤はダブルレッグを選択し、コスタはギロチンを仕掛ける。伊藤が頭を抜いて、時間となった。

4R、ボディから顔面のコンビを続け、ケージにコスタを下げさせた伊藤。鼻の横をカットしたコスタは、かなり削られてきたようだ。伊藤も追い込みたいか、ケージに詰めた状態で時間を使ってしまう。ヒザ蹴りが急所に入ったと離れた伊藤。しかしレフェリーが押し返して試合続行を命じる。ここで離れて右、ジャブをヒットさせた伊藤はシングルレッグでケージに押し込まれる。コスタはダブルに切り替えて、テイクダウン。

それでも伊藤はケージを背負って立ち上がり、体を入れ替える。コスタも押し込み返し、ダブルレッグへ。またもテイクダウンを許した伊藤は、頭を抱えて立ち上がろうとするがヒザをついたままラウンド終了を迎えた。

最終回、まず左ジャブを当て、右を打っていった伊藤が飛び込んでエルボーを狙う。ワンツーでアッパーを振るった伊藤だが、直後にダブルレッグで尻もちをつかされる。ケージを使って立ち上がるとする伊藤の足を抱えて許さないコスタが、背中をつかせてハーフで抑える。ハーフバタフライも、背中をつかされて動きを制限された伊藤。コスタは右足を抜いてフルマウントに。しっかりと抑えたコスタはエルボーも、伊藤がブリッジからスクランブルへ。即ダブルレッグでケージに押し込んだコスタは、ヒジを落とされてもダブルレッグで上を取り切る。残り40秒、左足を刈られた伊藤は、その足を抜いて立ち上がると体を入れ替えてパンチのラッシュをかける。左右のフックを連続で打った伊藤は、残り5秒で間合いを取り直し、最後に左ミドルを蹴りタイムアップに。

テイクダウン、ポジションを許しはしたが、インパクト重視でいけば3Rから3回を取った可能性もある伊藤。ただし、12分以上グラウンドでコントロールを許しており、フルマークの判定負けも考えられる。

果たして──48-47を2票集めた伊藤が、Eternal MMAバンタム級のベルトをその腰に巻いた。倒されても、抑えられても立ち上がって殴った伊藤の快挙といえる王座奪取劇。「アイム・ベリーハッピー。エターナル、オーストラリア、アイ・ラブ・ユー。全て遂行しました。作戦通りです」と話し、遅かれ早かれ防衛戦を行いたいと宣言した。


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【Eternal MMA85】バンタム級王者コスタと対戦、伊藤空也「海外で結果を出すことへの挑戦」

【写真】オーストラリア入り後の伊藤。キャリア2度目の海外挑戦でEternal MMAのベルトに挑む。 (C)KUYA ITO

8日(土・現地時間)オーストラリアはパースのHBFスタジアムで開催される「ETERNAL85」にて、伊藤空也がロッド・コスタの持つEternal MMAバンタム級王座に挑む。
Text by Takumi Nakamura

昨年12月の「GRACHAN66」で田中智也を下し、Grachanバンタム級王座への挑戦が内定している伊藤に思わぬチャンスが舞い込んできた。Grachanと協力体制にあるEternal MMAでのタイトル挑戦だ。

デビュー当初から海外での試合、ユニファイドルールで戦うことにこだわりを持っていたという伊藤にとっては、今後のキャリアを左右するであろう重要な一戦だ。オーストラリアに出発する前日(6アg津)に伊藤に話を訊いた。


――Eternal MMAでバンタム級王座挑戦が決まった伊藤選手です。オファーが来たのはいつ頃だったのですか。

「2カ月前くらいですね。最初に話が来たときはびっくりしました。Eternal MMAはUFCファイトパスでも視聴できる大会で、BRAVEジムのみんなも知っているような大会なので、断る理由がないですよね。本当にチャンスだし、ぜひやらせていただきます、という感じでした」

――伊藤選手は昨年12月の「GRACHAN66」で田中智也選手に勝利し、TSUNE選手が保持するGrachanバンタム級王座に挑む流れもあるなかで今回の試合が決まりました。タイトル戦の前に試合をしたいという希望もあったのですか。

「そうですね。タイトルマッチがだいぶ先(2024年12月)になるという話を聞いたので、それまでに試合をしたいと思っていました。今回の試合はGrachanとEternal MMAが協力関係にあって、岩﨑(ヒロユキ)代表経由でいただいたオファーだったので、そこは調整してもらった感じですね。ただタイトルマッチになるとは思っていなかったので、そこはびっくりしました」

――思わぬ形で舞い込んだチャンスだと思います。海外で試合をするという部分もモチベーションになっていますか。

「はい。そういう喜びもあったし、あとはもう本当に集大成というか。今自分がやっていることを試すいい機会かなと思っています」

――伊藤選手にとっては2020年のBrawl以来の海外遠征です。当時と今のキャリアでは海外に出ることの意味合いも変わると思います。海外の大会に出る、海外で実績を残すことは伊藤選手の中のずっと目標にはあったのですか。

「僕がMMAをプロでやり始めたときは、まだRIZINもなかった時代で。UFC、ONE Championshipが盛り上がったときだったので、どうしても世界標準というものを見て、そこを目指していたんですよね。それもあってユニファイドルール、ケージでの試合にずっとこだわってきました」

――海外挑戦は伊藤選手にとって原点でもあるんですね。

「今回タイトルマッチということもあって、自分がどれだけ世界に通用するのかを試せる試合で、その部分でも僕にとっては意味のある試合です。しかもUFCファイトパスで中継される大会のメインイベントをやらせてもらうということで、今まで以上に注目されるだろうし、その中で自分の試合を見せられればなと思います」

――対戦相手のロッド・コスタにはどんな印象を持っていますか。

「一通りファイトパスで試合を見て、これぞ柔術家と言える正統派の落ち着いた戦い方をする選手だと思います。基本的には組んで寝かしたいんでしょうけど、全然下になっても苦にしないとタイプですよね」

――決してきれいな打撃ではないですが、積極的に手数も出すイメージです。

「僕の見た感じの印象なんですけど、それも作戦でやってるんだろうな、と。多少打撃はもらってもかまわないという感覚で戦っている気がします。最終的に組めればいいというか。柔術黒帯でMMAのチャンピオンという部分もあるだろうし、5分5Rにも慣れているでしょうね。最終的に組めば絶対に勝てるという自信を持っているように思います」

――勝ちパターンがはっきりしている選手ではあると思います。

「そうですね。だからそこを凌げばチャンスが来るだろうし、穴はスタンド(打撃)だと思います」

――レコード的にも比較的敗戦も多いキャリアだと思います。

「もともと一階級上のフェザー級でやっていて、その時の負けが多いんだと思います。あとは負けていてもフィニッシュさせないというか、柔術家らしい粘り強さはありそうです」

――サブミッション対策と打撃でどう組み立てるかがポイントだと思うのですが。どのような準備をしてきましたか。

「今回はユニファイドルールなので、RIZINとは全く違いますよね。極論5分5Rのうち3つ取れば勝てるわけで。当然コスタの穴は打撃で、そこに対する対策は練ってきました」

――言える範囲でどういった対策を練ってきましたか。

「BRAVEのタイ人トレーナーからムエタイの細かい打撃を教わったり、ボクシングもやったり、クリンチ際の攻防も練習してきました。あとは今回の試合で言えば柔術とノーギのグラップリングにも力を入れて、トライフォース池袋さんに練習に行かせてもらって、徹底的に柔術家の寝技がどういう流れ・動きなのかをやってきました」

――寝技が強いMMAファイターと純柔術家では質が違いますか。

「全然違いますね。レスラーがやるグラップリングはやっぱり多少フィジカルや身体能力で持って行っちゃう部分があって、逆に柔術家はピュアな寝技のスキルが高くて強い。そこを肌感覚で触れておくことは十分にやってきました」

――5分5Rという部分はいかがでしょうか。

「相手を変えながら階級が上の選手と5R用の練習をやってきたし、コスタに似たタイプの選手とも練習してきたので、実戦的な練習はしっかりできたと思います。あとはそれをそのまま本番でやればいいのかなって感じです。長丁場の難しさはあると思いますが、試合が進めばダメージや打撃の蓄積もあると思うし、後半に倒すチャンスが来る。前半にポイントをリードされても逆転する可能性があると思います。5分5Rは初ですが、シュートボクシングの3分3R延長無制限Rの方がきついですよ」

――Eternal MMAでベルトを巻くことになったら今後のキャリアアップにもつながると思います。そこは意識していますか。

「僕のキャリアとしても箔がつく試合だと思うので、しっかり勝って、次に繋げられるように。そういう試合になればと思ってますね。正直あまりベルトは意識していなくて、ユニファイドルールの5分5Rでコスタ選手に勝つことにフォーカスしています」

――今後も海外では試合を続けていきたいですか。

「僕がチャンピオンになったら当然防衛戦もあるわけで、そうなるとオーストラリアに行くことも増える。オーストラリアの選手やそれ以外の国の選手と戦っていくことになると思います。そこで勝ち続けてUFCとの契約が繋がればいいですよね」

――やはりMMAファイターとしてUFCにはチャレンジしたいですか。

「はい。UFCはもちろん、今はいろんな海外の団体があるので、どれだけ自分が海外で結果を出していけるのか。そういう挑戦でもあると思うし、今回がその第一歩になると思います」

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45 o RIZIN YouTube 上田幹雄 伊澤星花 伊藤空也 北岡悟 平本蓮 平田樹 平良達郎 朝倉未来 青木真也 鶴屋浩

〇青木真也「溝口勇児 早くめくれて欲しい」&平田樹の彼氏は「案の定の逮捕」〇魔裟斗 木村ミノルにアドバイス〇超期待の新人JTTに加入〇【悲報】北岡悟 ブチ切れでアレが中止に〇シバター「黒石高大は雑魚」

2024/03/26

本日ご紹介させて頂いた動画はこちら!

0:00 木村ミノル 次戦すぐある
0:28 魔裟斗 木村ミノル戦 総評
1:44 青木真也 木村ミノル戦 溝口めくれる。鹿志村 前から知ってた。北岡悟夫婦 キレる
13:12 超RIZIN 出場選手枠
14:07 平田樹 インライ
14:31 JTTに有望新人加入
15:12 鶴屋浩 インタビュー
17:47 伊澤星花 試合感想
19:12 不謹慎投稿 説明
19:45 上田幹雄 年齢 誕生日が同じ選手
22:09 伊藤空也 青春
23:11 佐々木うるか ノア代表と対談
24:27 テレビに偶然あの選手が
25:06 松本人志 声明
25:37 石渡伸太郎 イラつく。平良達郎 メイン?
26:32 シバター 黒石は雑魚

#青木真也 #平本蓮 #朝倉未来

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45 AB Gladiator Grachan Grachan67 Grachan68 × Brave Fight31 K-1 MMA MMAPLANET o ROAD FC じゅん ボクシング ライカ 伊藤空也 原口央 岸本篤史 田中智也 高橋孝徳 黒井海成

【Grachan68 × Brave Fight31】グラチャン✖ブレイブに原口央が凱旋参戦。黒井✖高橋も注目!!

【写真】倒す、倒される。倒されたあとのスクランブルと極め。見所の多いマッチアップだ(C)SHOJIRO KAMEIKE & MMAPLANET

2日(木)、Grachanより3月10日(日)に東京都大田区にある大田区産業プラザPIOでGRACHAN68 × BRAVE Fight31の開催と12試合のカード発表が行われている。
Text by Manabu Takashima

恒例のGrachanとBrave Fightの合体イベントが、今年も春先に実施される。今回明らかとなったカードはまずGRACHANウェルター級トーナメント決勝戦=櫻井隆多✖青木忠秀の一戦で、ここはBrave所属でない選手同士の顔合わせとなった。

この他でBraveファイターが絡まない試合は3試合だが、うち2試合は友好関係にあるJAPAN TOP TEAMの選手が出場する。


つまり8試合はBraveジムに選手が出場することになる。注目はRoad FCグローバル63キログローバルトーナメントで準優勝となった原口央の出場だ。今年もRoad FCバンタム級王座決定T出場を公言する原口のBrave Fight出場は2019年11月以来、4年4カ月振りでGrachan参戦は初めてとなる。

対戦相手の田中智也は、キャリア15勝のうち11がサブミッションでフィニッシュしている北の組み技師だ。とはいえ田中は直近の試合、昨年12月に原口の同門である伊藤空也戦で判定負けを喫し。バンタム級王座挑戦がならなかった。

原口としては再度、Road FCのトーナメント出場に勢いをつけるために躓くことは許さない。一方で、田中としては12月の敗北を払拭しておつりがくる相手との戦いはキャリアアップへ絶好のチャンスを手にしたとも捉えることができる。ロータス世田谷で組みの防御と極めの感覚を養って来た原口にとって、レスリングではなくグラップリングの実力査定を自らに課すことができるマッチアップといえるだろう。

この他、岸本篤史は芳賀ビラル海との試合となった。精度と瞬発力、同じパンチャーでもボクシング出身の岸本と日本拳法出身のビラル。ライト級MMAストライカー異文化対決となる。

さらにフェザー級の黒井海成✖高橋孝徳も興味深い。

硬式空手からK-1甲子園で活躍したストライカーの黒井にとって、徹底して組んでくる高橋はここから上を目指すためには、乗り越えないといけない相手だ。

そしてフェザー級タイトルコンテンダーを越えることで、よりベルトが現実的な目標となってくる。

高橋は高橋で昨年12月のGLADIATORにおける、じゅんとの試合で被弾をしても思い切り攻めることで、殻を破ることができた。じゅん戦のようなブレイブで思い切りの良い動きを高橋が再現できれば、黒井にとって相当な脅威となることは間違いない。

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Grachan Grachan66 MMA MMAPLANET o TSUNE キック 伊藤空也 田中智也

【Grachan66】伊藤が田中を下して5連勝。バンタム級王座返り咲き&手塚へのリベンジをアピール

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
伊藤空也(日本)
Def.3-0
田中智也(日本)

伊藤が左ミドルから右カーフキック。田中も右ストレートを返し、伊藤は右のカーフキックを蹴る。田中が前に出て伊藤にケージを背負わせると、左腕を差してケージに押し込む。

田中は足をかけてテイクダウンし、伊藤の膝上で両足を組んでマウントポジションを奪う。田中は腰の上まで移動し、伊藤がケージを蹴ってポジションを返すと三角絞めへ。伊藤は背筋を伸ばしてディフェンスし、立ち上がってパンチを落とす。田中が起きてくるところでバックへ回り、この態勢でラウンドを終えた。

2R、ここも伊藤が左ミドルで先制。田中の前足にローを集め、距離を詰めると左フックを打つ。組みの攻防になると、田中が背中を見せつつアームロックを狙う。そのままグラウンドに持ち込む田中は、足関節を仕掛けて上になってバックへ。伊藤も正対し、最終的インサイドガードで上になる。

伊藤はしっかりベース作って立ち上がってパンチを落とす。田中は再び足関節を狙うが、伊藤はそれを潰してトップキープ。田中もしつこく足関節を狙い、最後は田中が伊藤をケージに押し込む形で試合終了となった。

判定は3-0で伊藤の勝利。試合後、伊藤は「田中選手は実力者で、自分の立ち位置が分かる試合だったので勝ってよかったです。これで5連勝なんですけど、来年またベルトを獲りに行きたいです。手塚基伸選手とTSUNE選手の勝った方とやりたいし、手塚選手にリベンジしてケジメをつけたいです」と王座返り咲きと手塚へのリベンジを誓った。


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DEEP Grachan Grachan66 MMA MMAPLANET o TSUNE ハシモト・ブランドン 伊藤空也 田中智也

【Grachan66】伊藤空也と対戦、田中智也─02─「相手が立ち上がらないかぎり三角絞めは極まる」

【写真】職人の佇まい(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、東京都江東区のTFTホール500で開催されるGRACHAN66で、伊藤空也と対戦する田中智也のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

田中は北海道MMAを代表する存在でありながら、怪我に悩まされ続けた。さらに減量失敗もあり――もう自分に後がないことは自覚している。そんななかでのバンタム級に転向する田中が、次の伊藤戦で真価を見せつけることはできるか。


――2016年5月にDEEP東京大会で島袋チカラ選手と対戦した時も、ローを蹴った時に足を負傷しTKO負け。そのあと1年もの間、試合から遠ざかっています。これまで試合ができないほどの怪我は、何回経験しているのでしょうか。

「手術は5回ほどしていると思います。吉野戦のあとも、ずっとヒジに水が溜まっていて。その時も靭帯再建手術をしました。これまで試合間隔が空いている時は、だいたい怪我が原因です。そうなると脊椎損傷の時以外は、どの怪我も捻挫と同じような(笑)」

――いやいや、凄い精神力です。

「あとは2020年に再度、アマチュア修斗に出ました。北日本選手権で優勝したことで、修斗もプロライセンスを取得しています。その後2022年の修斗札幌大会に出ていますが、おそらく推薦でライセンスを得ることはできなかったと思うので良かったです」

――これまでの1年に1回試合に出場し、1Rでフィニッシュしているからこそ「隠れた北海道の実力者」というイメージはあったかと思います。しかし、これから……という時に怪我やコロナ禍に阻まれている。そんななかで田中選手ご自身としては、今の立ち位置に関してどう感じていますか。

「今回の試合で、現在の立ち位置を確認したいです。今まで試合をしてきた相手の方々には失礼かもしれませんが、僕はまだ日本トップレベルの選手に勝ったことがありません。次の伊藤空也戦が、自分にとって本当の勝負だと思っています」

――なるほど。ちなみに今回、一つひとつ丁寧に答えてくださっている姿が、弘田颯志戦後のマイクアピールとギャップがありすぎて驚いています。

「あれはもう……MMAPLANETさんのインタビューを読んで『あぁ、自分のことを踏み台にしようとしているんだなぁ』と(笑)」

――アハハハ。やはりプロデビュー2戦目の選手と試合で、「舐めるなよ」という気持ちはあったわけですか。

「もちろん弘田選手も空手時代の実績から、自信を持っていたと思います。しかも福田龍彌選手など強いファイターたちとも練習している。でもこれはMMAなので――違うんだぞ、という気持ちはありましたね。たとえアウェイでも、とにかく僕は試合がしたくて。相手が2戦目だろうと何だろうと、自分はギュッと仕留めて北海道に帰ることしか考えていませんでした」

――結果、ご自身としては会心の出来だったのでしょうか。

「自分の仕事はできたんじゃないかと思います」

――まさに職人の雰囲気ですね。弘田戦はフライ級での試合でしたが、今回から正式にバンタム級へ転向するのですか。

「はい。今まで何度かフライ級での計量失敗がありました。怪我がある状態で体重を落としていくので、どうしても失敗する時があり……。今はマルスジムの平大門さんや、相談できる方がいます。しかし当初は我流で減量していました。そのために試合が無くなったり、あるいは計量オーバーでも試合を受けてくださったりと、対戦相手の方々にご迷惑をおかけしてしまいました。計量オーバーした試合で僕が勝ったとしても、誰にとっても何のためにもならない。対戦相手の方も、ただダメージを負うだけで――」

――……。

「さすがにまた減量に失敗すれば、このMMA業界に僕の居場所はありません。これまでもバンタム級で戦うこともあって、自分にとっては一番動ける階級だと思っています。減量も楽になり、今回は過去最高のコンディションですね」

――バンタム級に転向するうえで、ノンタイトル戦で現王者の手塚基伸選手がTSUNE選手に敗れたことはどう思いますか。

「ノンタイトル戦でチャンピオンが負けたので、次はベルトを賭けた再戦があると思います。僕は、その再戦で勝ったほうと対戦したいです」

――そのベルト挑戦のために落とせない一戦になります。対戦相手の伊藤選手の印象を教えてください。

「やはり打撃とレスリングがしっかりしている選手ですよね。前回、高須将大選手をKOした試合も、倒されずにコツコツとダメージを与えていました。僕はあの展開に持ち込ませず、テイクダウンしたいと思います」

――田中選手は体格のバランスも良く、リーチとコンパスも長いです。しかし打撃でやり合う気はないですか。

「その気持ちは全くないです。僕はずっと寝技をやってきたので」

――対してそのリーチとコンパスだと、三角絞めは取りやすいでしょうか。

「……はい(笑)」

――満面の笑みを浮かべましたね。

「アハハハ。まずバンタム級でも骨格は大きいほうだと思います。三角絞めは、相手が完全に立ち上がらないかぎり――頭を起こしている程度なら、それでも極めることができますね」

――最後に、今後の目標を教えていただけますか。

「もう10年もMMAをやっていて、そろそろベルトに絡む試合をしたいと考えています。まずはグラチャンのベルトを獲ること。そして海外での試合も見据えていきたいです」

■視聴方法(予定)
12月17日(日)
午後1時30分~Grachan放送局

■Grachn66対戦カード

<GRACHANライト級暫定王者決定戦/5分3R>
岸本篤史(日本)
林”RICE”陽太(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
伊藤空也(日本)
田中智也(日本)

<無差別級/5分2R+Ex1R>
ハシモト・ブランドン(ペルー)
MAC(サモア)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
松田征也(日本)
伊藤類(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
中村京一郎(日本)
村田俊(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<無差別級/5分2R+Ex1R>
ダンカン・ヒロ(台湾)
ステファン・スマッシュ(フランス)

<無差別級/5分2R+Ex1R>
ラデック・ヘルボーイ(チェコ)
瓜田幸造(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
草訳駿介(日本)
水杉泰誠(日本)

<フライ級/5分2R+Ex1R>
後藤浩希(日本)
平野紘希(日本)

<GRACHANchallenge 63㎏以下契約/3分2R>
西嶋珀(日本)
天坂匡孝(日本)

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【GRACHAN66】田中智也戦へ、伊藤空也「強くなるために何かを変えることに怖さはない」

【写真】5連勝として来年に繋げることができるか(C)BRAVE CF

17日(日)に東京都江東区にあるTFTホール500で開催されるGRACHAN 66で、伊藤空也が田中智也と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

10月の15周年大会では高須将大にKO勝ちし、4連勝を飾った伊藤。そのレコードもさることながら、シュートボクシングへのチャレンジや練習環境をマイナーチェンジして、進化と変化を遂げながら結果を残してきた。2023年を締める田中戦、そしてその先に見据える目標を伊藤に訊いた。


──今大会では田中智也選手と対戦が決まりました。この試合が決まった時の心境はいかがでしたか。

「10月の15周年大会で田中選手とやるかもしれないという話があって、そこで田中選手のことは意識しました。色々と調整があって改めて今回決まった感じなんですけど、田中選手とやる覚悟はしていたし、いつかは絶対にやるだろうなと思っていたので、そんなに驚くこともなく冷静でした」

──ファイトスタイルを含めて、田中選手の印象は?

「完全に寝技師ですよね。ウェルラウンダーとは聞いているんですけど、打撃の展開はほぼほぼなく、徹底的に1Rから寝技でガンガン来る、しっかり極めに来る選手だと思います。ストライカーはみんな嫌がる、今成(正和)さん的な感じですね」

──特徴がはっきりしている分、対策も立てやすいタイプだと思うのですが、どういったことを意識して練習してきましたか。

「前の試合はボクシングジムにも行って、打撃を中心にやっていたんですけど、今回は相手が相手なのであまり打撃をガツガツやってもしょうがないなと。レスリングよりも柔術やピュアグラップリングに力を入れてきました」

──Braveには色んなタイプの選手がいるので、スパーリング相手も含めて寝技対策は順調ですか。

「そうですね。今はMMAで下から狙う技術、下から潜る技術や足関を狙うという技術はタブーではないですけど、そこに特化した選手は少ないじゃないですか。だからこそピュア柔術家の方とも練習したり、僕らの師匠の宮田(和幸)代表もガードからの技術がすごいので、そういう人たちと練習させてもらっています」

──なるほど。ちなみに柔術の道場で練習しているのですか。

「BRAVEジムはJTT(トライフォース赤坂)と連携していて、トライフォース赤坂から柔術の先生が週2でBraveに練習に来てくれているんですよ。それで僕も1年半~2年前から柔術クラスに出ていて、そこで培ったものを活かすような練習もしていますし、なおさら今回は組み技に比重をおいて練習させてもらっているので、練習環境的には助かっています」

──伊藤選手は4連勝中ですが、ご自身で連勝の要因はなんだと思っていますか。

「Braveで基礎的な部分を創って、Brave以外の練習にも力に入れるようになったことが大きいと思います。例えば今までだったらBraveのプロ練に出てレスリングを軸にやっていたんですけど、試合によっては今回のように柔術に力を入れたり、ボクシングのワタナベボクシングジムに行ったり、RIZIN初出場の際にはウィラサクレックジムでムエタイを習ったり。そういうところで自分の戦い方に深みが出てきたんだと思います。自分はもともと空手出身なんですけど、それ以外にも色々と技が増えたというか、そういうところが連勝の要因だと思います」

──色々なエッセンスを取り入れて、どんな変化がありましたか。

「例えばムエタイだったら、体に軸ができるんで、打撃の見合いの中で余裕ができるというか、ディフェンス力が高くなりました。あとは首相撲も前回の試合で出せた部分です。ボクシングだったら、しっかり足を使って当てること。とにかくボクシングは足を使うんで、パンチにしっかりと回転がついたし、不思議とボクシングをやることによって、パウンドを打つ時の点で当てる力がつくんで、そういう面ではどの競技もMMに共通していると思いました」

──6月にはSBにも挑戦して、そこでも得たものもありますよね。

「はい。芦田崇宏さんと2人で出たんですけど、MMAグローブの立ち技ルールだったので、キックボクシングとは全く違う距離で。そういう打撃に特化した練習と試合をやって、自分を試すこともできたし『なるほど!』とい分かったこともたくさんありました、当然、勝てればよかったのですが、SBに出たことは大きな経験でした」

──練習環境の変化や新しいルールへのチャレンジでMMAファイターとしての幅が広がっているようですね。

「自分では意識してないんですけど、周りからは落ち着いて試合できるようになったと言われます。20代前半の頃なんかは、若さと勢いだけじゃないですけど、勢いでバッチバチの試合をやっていたんですけど、キャリアも中盤になってきて、わりと落ち着いてやるべきことをやるというか、自分がこうすれば絶対に勝てるというプランも冷静に考えることができています」

──とりあえず全力&フルパワーで行って、スタミナが切れるまで頑張るという試合は卒業だ、と。

「いわゆるゾンビファイトだけではトップどころや外国人選手には通用しない部分もありますし、2年前に手塚基伸選手に一本負けした時はスタミナ勝負に持っていく作戦だったんですけど、それだけでは勝つことができなくて。それできっかけで柔術に力を入れたんですよね」

──なるほど。そういった弱点や苦手な部分から逃げずに向き合ってきたわけですね。頭では分かっていても出来ない選手が多いと思いますが、伊藤選手はそこにちゃんと向き合ってきたわけですね。

「自分がやってきたことを信じている人は新しいことに取り組むのは辛いだろうし、行動に移すことも難しくなると思います。でも自分の場合は元々地方で格闘技をやっていて、その環境を捨ててBraveに来て、そういうプライドも捨てているというか。強くなるために何かを変えることに怖さはないです」

──Grachan公式サイトではこの一戦について「このふたりの戦いは、バンタム級のパワーバランスに新しい動きをもたらす」というコメントもありました。伊藤選手がこの試合の先に見据えているモノは?

「今回勝てば自分がベルト挑戦に絡む形になると思うので、やっぱり手塚選手にリベンジを果たしたいですよね。そうじゃないと自分の中でも示しがつかないというか、片付けておかなきゃいけないことなので、田中選手に勝って、手塚選手にタイトルマッチでリベンジする。そしてベルトを防衛するなり、強い名のある選手と試合をして、勝ち星を獲りたいと思います」

――1年を締める試合で、どのようなファイトを見せたいと思っていますか。

「本当に自分の印象が変わるんじゃないかというような試合になると思うので、まずそこを見てもらいたいです。それを見せつつ、応援してくれる人たちには僕を信じて良かった、応援していて良かったと思ってもらえる試合を見せたいです」

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【Grachan66】北海道の猛者がバンタム級戦線へ、田中智也─01─「格闘技を辞めるべきかどうか――」

【写真】これまで14勝のうち5勝は三角絞めによるもの。他にも腕十字、キムラ、ヒールフックを極めているサブミッションファイターだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、東京都江東区のTFTホール500で開催されるGRACHAN66で、田中智也が伊藤空也と対戦する
Text by Shojiro Kameike

北海道出身の田中は2013年にPFCでプロデビュー以降、パンクラス札幌大会、グラチャン札幌大会、そして修斗札幌大会で戦ってきた。それはまさに北海道MMAの歴史の一つでもある。もともとフライ級を主戦場としていた田中は、今回から正式にバンタム級へ転向し、伊藤というベルトに絡む試合を迎えることに。北海道で生まれ育ち、北海道で戦ってきた男が、怪我に悩まされながらも王座戦線に辿り着くまでのストーリーを語る。


――MMAPLANETでは1年半振りのインタビューとなる田中智也選手です。リモート画面の背景にも映っていますが、田中選手の所属先である「fit」というのは田中選手が運営されている鍼灸整骨院のお名前なのですか。

「はい。鍼灸整骨院がメインで、パーソナルトレーニングの指導も行っています」

――今回は田中選手のMMAキャリアについてお聞きします。もともと柔道がベースで、MMAを始めたのは地下格闘技がキッカケだったのですよね。

「小学校の頃から柔道をやっていて、鍼灸整骨の専門学校に入った頃が地下格闘技がブームだったんです。格闘技の練習をしている知人から『良かったら練習に参加してみなよ』と誘われ、MMAにのめり込んでいきました。それが12年前ぐらいのことですね。ただ、僕自身はそのチームから試合に出ることはなく、個人でキックボクシングや柔術のジムに通い、次第に試合に出るようになっていきました。地下格闘技は一度出たぐらいで、最初はアマチュア修斗に出ることが多かったです」

――アマチュア修斗に出場していたということは、プロのファイターを目指していたということですね。

「はい。せっかくMMAを始めたからには、プロの舞台で戦いたいと思いました」

――12年前の北海道MMA事情といえば、MMAの練習ができるジムは増えていたものの、まだ他の地域と比べて試合の機会は圧倒的に少なかったと思います。アマチュア修斗のワンマッチ大会も、1日7試合というケースがあるほどで。MMAの経験を積むためには、他都府県に出ていくことが多かったのではないですか。

「当時は北海道でMMAをやりながら、アマチュア修斗から全国に出ていこうと考えていました。北海道内でアマ修斗が行われるのも年1回ぐらいで。でも北海道から全国へ進む――アマチュアからプロになるためには、当時はアマ修斗しか手段がなかったと思います」

――そんななかで2013年8月、札幌で行われたPFC02でプロデビューしています。どのような経緯でPFCに出場することになったのですか。

「第1回目のPFCが行われたあと、山本喧一さんのパワー・オブ・ドリームに通っている方に大会のことを教えてもらったことがキッカケで出るようになりました。MMAだけでなくグラップリングの試合もあって、毎月のように試合に出させてもらっていました」

――その後PFCからパンクラス札幌大会、グラチャン札幌大会、そして修斗札幌大会まで出場するなど北海道MMAを網羅していますね。

「アハハハ、そうかもしれないです。だんだん北海道でMMAを戦う環境も整ってきていると思います。自分としては『どこまで行けるか』という感じで、ただただ戦っていただけではありましたけど……」

――デビュー当時から三角絞めによるフィニッシュが多かったのは、柔道時代のスタイルでMMAを戦っていたのでしょうか。

「そうですね。柔道の経験に柔術の練習が加わったような感じです。柔道時代から寝技のほうが好きでした。もしかしたら学校によっては『試合で寝技の時間はないから立ち技を練習する』というところもあったかもしれません。でも僕の学校は、立ち技も寝技も同じくらい練習していました」

――その柔道スタイルのMMAが、現在のスタイルに変化し始めたのは、いつ頃だったのですか。

「デビューしてから暫くは、キックボクシングのジムに通っていたものの、柔道+柔術のスタイルでした。やはりMMAを練習する場がなく、うまくアジャストすることができなかったですね。ずっと『立ち技は立ち技のジム、寝技は寝技のジムで』という練習環境で。それが次第に他のジムの方々との練習——特に4~5年ぐらい前からマルスジムさんへ出稽古に行かせてもらって、自分のスタイルも変わってきたと思います」

――4~5年前といえば、2019年から現在に至る5連勝が始まった頃でしょうか。MMAの練習ができるようになった影響が、如実に表れているわけですね。

「2018年9月、PFCで吉野光選手にKOされたことで大きく変わりました。それまでは勝っていても、常に単調な攻めばかりだったんです。要は打撃もなく、ただ寝技に持って行くために組むだけで――まさにMMAの試合で柔道をやっていただけですよね。今考えると、それでよく勝てていたなって思います(苦笑)」

――吉野戦以降は5試合連続、1Rでフィニッシュしています。ご自身としてはKOや一本で勝つことにこだわりを持っているのでしょうか。

「これも柔道時代の影響ですね。柔道時代から一本で勝つことを目標にしていました。やはり柔道部だと――相手にもよりますが、先生から『なぜあんな相手に一本で勝てないんだ!』と言われることもあって(笑)」

――現在は年に一度という試合ペースが続いていますが、年に一度試合に出て1Rで仕留めて勝っていく。職人的な雰囲気を漂わせていますね。

「いやぁ、それは……。自分としては『とにかく試合を早く終わらせたい。一本で勝ちたい』と思っているだけで(苦笑)。試合ペースが年に1回というのは、怪我が多かったんです。MMAを始めてから柔道時代の負傷の影響が出て来て、何度か手術もしています。実は今年7月にグラチャンで試合をした時(弘田颯志に三角絞めで一本勝ち)も、ヒジの状態が悪くて。これは柔道時代から慢性的なもので、握力も10キロほどしかない状態でした」

――えぇっ!? 負傷といえば、今年2月からスタートしたグラチャンのフライ級トーナメントを、中心性脊髄損傷のために欠場しています。脊髄の負傷というのは……。

「まぁ、ヤバいですよね(苦笑)。試合の2週間前ぐらいに、体重も順調に落ちていて『今回は調子が良いなぁ』と思っていたところで――練習中に首にビリッという痛みが走りました。そのあと打撃のマスで軽くパンチが顔に当たった瞬間に、腕が上がらなくなったんです。ペットボトルやスマホも持ち上げられない状態になり、病院へ行ったあと申し訳ないですがトーナメント出場を辞退することにしました」

――……。

「今は回復していますし、もし痛みがあれば休むようにはしています。ただ、あの時は格闘技どころか日常生活もどうなるのか――という状態でした。正直、格闘技を辞めるべきかどうかも考えました。今まで怪我をするたびに、同じように考えることがありました。でも、まだ試合で自分の力を出し切れていない。ここで辞めて後悔したくない。その気持ちでMMAを続けています」

<この項、続く>

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【Grachan65】左ハイを効かせた伊藤がケージに押し込まれながら右ヒジ連打で高須にTKO勝ち

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
Def.2R1分47秒 by TKO
高須将大(日本)

伊藤が右ローで先制する。伊藤の左ミドルに合わせて高須が組みついたが、ケージ際で伊藤が体勢を入れ替えた、ウィザーで耐える高須をパンチで削る伊藤は、右アッパーを突き上げた。ここで高須がハイクロッチ、ニータップで組んで行くも伊藤を崩すことできずに離れる。ケージ中央で左フックを見せながら、伊藤の右ローに合わせて高須が飛び込んだ。シングルレッグで伊藤に尻もちを着かせてケージへ。しかし立ち上がった伊藤が左腕を差し上げて、高須をケージに押し込む。ここで高須が離れた。

伊藤の右ローの音が会場に響き渡る。高須は伊藤のパンチをかわしてダブルレッグで入り、尻もちを着かせた。ケージに背中を着けた伊藤は、右足を抱えられながらも立ち上がろうと試みる。両足をすき上げた高須だが、背中を着かせることはできない。立ち上がった伊藤が、ハイロッチで組む高須の頭部にヒジを連打していった。

最終回の開始早々、伊藤の左ハイがクリーンヒットする。2度目の左ハイを受けながら高須が組みつくもテイクダウンはならず。なおもケージ中央でシングルレッグで入った高須がドライブしたが、伊藤はケージに押し込まれながらも高須の頭を下げて右ヒジを連打していく。これが効いたか、高須の体が沈んでいく。そして亀になった高須にパンチと鉄槌の連打を浴びせると、高須の動きが止まりレフェリーストップとなった。


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