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【パンクラス】透暉鷹 帰還!キルギス出身ウルルとタイトルマッチ!

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12月15日にニューピアホールで開催されるPANCRASE 350/351の追加対戦カードとして、透暉鷹(ISHITSUNA MMA)× カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/キルギス)のバンタム級タイトルマッチが決定しました。

UFCの登竜門ROAD TO UFCに出場した透暉鷹。惜しくも2回戦でバーエゴン・ジェライスーに惜敗しましたが、堅実な寝技で安定感のある試合運びは対アジアの国際戦でも光りました。今回は心機一転のパンクラス帰還。王座を防衛して復権なるか。

しかしその対戦相手が何とも厄介なウルル。パンクラスデビュー戦でランキング1位の井村塁を怒涛のラッシュで秒殺KO勝ち。パンクラスでは1試合だけですが強烈なインパクトを残しました。いきなりのタイトルショットも納得です。

世界の格闘技界を席巻している中央アジア勢。人間というより生き物としての強靭なフィジカルを各大会で見せつけていますが、ウルルもパンクラスを荒らしてしまうのか。前回はスタンドでの打撃が際立ちましたが、まだ底が割れていない怖さがあります。

対する透暉鷹はテイクダウンしてグラウンド主体で戦いたいところ。倒しさえすれば透暉鷹のコントロールが効くようにも思えますが、ウルルの対応力はいかに。パンクラスの防波堤になるか。注目のタイトルマッチが用意されました。
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45 MMA MMAPLANET o PANCRASE pancrase347 カリベク・アルジクル・ウルル 井村塁

【Pancrase347】止まらないキルギス旋風! アルジクル・ウルルが井村を右跳びヒザ&強烈パウンドでKO

【写真】チャンスとみるや恐ろしい連打を浴びせたウルルーーキルギス、強い(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
カリベク・アルジクル・ウルル(キルギス)
Def.1R1分15秒 by TKO
井村塁(日本)

サウスポーの井村が左ミドルを放つ。アルジクル・ウルルは右ストレートから右カーフ、右ミドル、右ストレートと手が止まらない。井村のシングルレッグをかわしたアルジクル・ウルルが、井村にケージを背負わせて右跳びヒザを突き上げる。

この一撃が効いたか、下がる井村に連打を浴びせるアルジクル・ウルル。左右フックから、ガードの間を右ヒザで突き上げた。井村はシングルレッグで組むも力がない。アルジクル・ウルルが立ち上がると、ハイクロッチでケージに押し込む。これを潰したアルジクル・ウルルがパンチを連打すると、井村の動きが止まった。亀になった井村に左の拳を打ち込み続けたアルジクル・ウルルがレフェリーストップを呼び込んだ。


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【Pancrase347】ホン・イェリン戦前のアトム級QOP SARAMI「塩漬けです。もう、ああいう勝ち方はない」

【写真】有終の美ではないかもしれないが、終わりを見て現役生活を全うしている (C)MMAPLANET

本日29日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase347で、アトム級QOPのSARAMIがホン・イェリンとノンタイトル戦で戦う。
Text by Shojiro Kameike

3月に同王座決定トーナメント決勝で沙弥子を48秒で下したSARAMIにとって、あの右ストレートで一発の勝利は何を意味したのか。その後、パンクラスイズム横浜を離れ、毎日のように違う場所でトレーニングの日々を送る。

「この生活も長くは続けられない」というSARAMIに3月のKO劇と今、そして──これからについて尋ねた。


――もう次の日曜日にホン・イェリン戦を控えているSARAMI選手ですが、今一度3月のアトム級王座奪取について話をきかせてください。見事過ぎる右ストレート一発のKO劇。格闘技生活で、一番の喜びようだったのではないかと。

リモート取材を行った24日の時点では、藤野恵実につけられた傷が残っていた

「あの瞬間は『嘘でしょ!!』っていう感じでした」

──そこから笑顔の時間が、凄く長かったです。

「アハハハハハハ。北岡(悟)さんや、矢澤(諒)君は『パンチで倒す』と思っていたらしいです。いつか、パンチで倒すと。北岡さんにはずっと前から言われていました。でも、私はできないだろうって思っていたんです。女子で一発KOなんて、ないじゃないですか。まさか自分がするなんて思っていなくて(笑)。打撃に自信があるわけじゃないので」

──ただ、あのパンチです。練習をしてきて、成長しているという風に自分で感じることはなかったですか。

「自分の右のパンチが凄く強いという実感はありました。打ち方とかも、凄く考えてきたので。それは分かっていたけど、試合でソレを出せるとは思っていなかったです」

──あの勝ち方をこれからも続けたいという想いは?

「ないです」

──本当ですか。それを想って戦えないかもしれないですが、どこか少しでも残っていないですか。

「えぇぇ……。また、したい気持ちはありますけど。アレを狙うと、絶対にできないです。自分の攻めをしているなかで、ああいう偶然が起これば良いかなって。あのパンチを狙うと、自分のスタイルが崩れてしまいます。私の試合はドロドロで、勝つ時も負ける時も。殴り合いって誰でもできるので、それは余り格好良いとは思えないんです」

──練習仲間、女子選手たちの反応はどうでしたか。

「びっくりしていました。練習では私は打撃が上手くはないので。男子も女子も当てっこゲームが上手な人が、練習では打撃は上手です。思い切り打てないから、試合とは違うと思っています」

──ぶっちゃけてKO勝ちとタイトル奪取、どちらの方が嬉しかったですか。

「一発KOです」

──ずっと練習を続けてきて、あのKO劇があって良かったと本当に思います。

「私の人生にこんなことがあるんだって。本当に。私、格闘技の試合で勝って、お客さんが盛り上がる瞬間──あの気持ち良さって多分、結婚式をする時の気持ち良さよりも上だと思うんです。なのに、あんなKO勝ちしちゃうと、もう最高ですよ」

──そんなタイトル奪取後、所属先が整体北西に変わりました。

「もともとトーナメント中もパンクラスイズムで練習するのは1度か2度で。ジムの面子も変わっていく中で、私が格闘技をやる場所はイズムではなくなってきたように思えたんです」

──練習場所が所属名になったわけではないですよね。

「ハイ。私がずっと体を見てもらってきた整体です。北西(英司)さんはパンクラスができた頃から、選手の体を診ていて、格闘技の試合も物凄く見ている人で。フォースタンス理論に出会えたから、こっちに出てきて少し結果を残せたと思っています」

──イズムを離れる時、どこかジムの所属になろうと考えることはなかったですか。

「それは今も迷っています。決まった練習場所があることは大切だと思うので。ただ試合がもう決まっていたから、そこままという感じできました」

──今、練習場所はどういう風になっているのでしょうか。

「なかなか、色々なところに行っています。行動範囲は相当に広いですよ(笑)。女子選手がいるところに、練習に行かせてもらっていて」

──では万智選手ばりに1週間のルーティンをお願いします。

「月曜日は朝から仕事をして、夜は坂口道場に行きます。火曜日は昼ぐらいにKRAZY BEEに行き、夕方は元町にあるクロスフィットでパーソナルトレーニング。夜はカルペディウム三田のレスリングクラスに参加したり、しなかったり。水曜日は1日仕事をして、行けたらファイトベースに。木曜日も1日仕事して夜に東中野のトイカツ道場。金曜日は昼にマスタージャパンでグラップリング、夕方は国立に体の使い方のコンディショニング・トレーニングに行って、夜に整体をして帰って来ます。

土曜日は朝から仕事をして、夕方に千葉の市川市にあるトランセンド・ジムでロッキー川村さんにミットを持ってもらっています。で日曜日の朝にJTTに女子練習ですね(笑)」

──仕事をしながら……ですよね。1週間で7位置の練習を。

「やばいですよね(笑)」

──その原動力は何なのでしょうか。

「不安だから。やらないと不安なんです。もちろん毎週 、完璧にやっているわけじゃないですけど、この生活と練習を維持するには心もお金も、体力も大変です」

──そうですよね。

「だから、これをずっとやっていられないなって。引退も近いのかなって思っています」

──それでも結婚式よりも嬉しいモノがMMAでの勝利なわけですよね。

「結婚式をしたことないんですけどね(笑)。私は結婚して子供も欲しい。だからずっとできない」

──そうなると限られた試合のなかで、今回はタイトルマッチでないですが、その辺りはどのように思っているのですか。

「ホン・イェリン戦が用意されたことに、全く不満はないです。ちゃんと強い相手ですし、国際戦が戦いたかったので。用意してもらった相手に、今の全てをぶつけます。対戦相手の格とか関係なく、準備したことを全て出します」

──それは右ストレートですね(笑)。

「違います(笑)。塩漬けです。もう、ああいう勝ち方はないし、一度したから思い切り漬けにいけます(笑)」

──女子は比較的行き来ができていますが、これからのキャリアをどのように考えていますか。

「目標がなんなのかよくわからない状況ではあるんですけど、海外でやりたいです。もう日本人は皆やったし、今さら新しい子とやる必要はないかなって。めちゃくちゃ強い外国人にメチャクチャにやられたら、辞めることができるかなって」

──刹那的ですね。

「もう私、敵わないんだっていう経験をしたら辞められるかなって」

──その将来を望むとしても、メチャクチャ強い外国人を戦うためには次の試合でしっかりと勝つ必要があるかと思います。どのような試合にしたいですか。

「…………(じっくりと考えて)、攻め続ける。とにかく攻め続けます」

■視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後12時40分~U-NEXT

■Pancrase347 計量結果

<ライト級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 雑賀ヤン坊達也:70.15キロ
[挑戦者] 久米鷹介:70.3キロ

<ストロー級QOP選手権試合/5分5R>
[王者] ソルト:51.95キロ
[挑戦者] 藤野恵実:52.1キロ

<ウェルター級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 押忍マン洸太:76.95キロ
[挑戦者] 佐藤生虎:77.1キロ

<ライト級次期挑戦者決定/5分3ラウンド
葛西和希:70.55キロ
天弥:70.65キロ

<女子アトム級/5分3R>
SARAMI:48.05キロ
ホン・イェリン:47.75キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.4キロ
カリベク・アルジクル・ウルル:61.65キロ

<ライト級/5分3R>
粕谷優介:70.7キロ
ホン・ソンチャン:70.5キロ

<女子フライ級/5分3R>
端貴代:56.65キロ
渡邉史佳:56.8キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:52.1キロ
エジナ・トラキナス:51.9キロ

<フェザー級/5分3R>
糸川義人:65.9キロ
栁川唯人:65.95キロ

<ストロー級/5分3R>
野田遼介:52.5キロ
船田侃志:52.55キロ

<バンタム級/5分3R>
安藤武尊:61.45キロ
ギレルメ・ナカガワ:61.55キロ

<2024年ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
岸田宙大:56.7キロ
山﨑蒼空:57.1キロ

<フライ級/5分3R>
時田隆成:56.95キロ
齋藤楼貴:56.95キロ
 
<バンタム級/5分3R>
友寄龍太:61.1キロ
渡邉泰斗:61.5キロ

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45 AB ARAMI Gladiator KAREN MMA MMAPLANET o ONE PANCRASE pancrase347 SARAMI YouTube   イ・スンチョル エジナ・トラキナス カリベク・アルジクル・ウルル ギレルメ・ナカガワ ソルト ホン・イェリン ホン・ソンチャン 久米鷹介 井村塁 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase347】計量よもやま話。アルジクル・ウルル、あ、あぶないっ!! 久米鷹介──危機一髪!!

【写真】よくパスできた──それほど厳しそうだったカリベク・アルジクル・ウルル(C)MMAPLANET

明日29日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase347の計量が、28日(土)に品川区の目黒セントラルスクエアU-NEXT内カンファレンスルームで行われた。
Text by Manabu Takashima

計量開始の15分前に会場に到着すると、驚いたことにエレベーターホールに井村塁と対戦するカリベク・アルジクル・ウルルが座り込んでいるではないか。しかも、喉に指を突っ込む荒療法で懸命で唾を吐いており、相当に減量が厳しい様子だ。

そのアルジクル、計量の際はフラフラになって下着を脱いで体重計へ。空気的にアウトのように見えたが、450グラム・オーバー規約ジャストの61.65キロでクリア。あれだけの状態でも体重を落とし切った気迫のパス──明日のリカバリーもそうだが、試合中の気持ちの強さは相当だと恐怖すら感じるアルジクルだった。


メインで雑賀ヤン坊達也の持つライト級王座に挑戦する久米鷹介も本計量スタート時間のギリギリまでトイレにこもるという緊急事態を思わせたが、彼もまた下着を脱いでパス。と、久米の下半身を隠していた布をレフェリー陣が外すのが早く──会場の人間には、TVに写せない部分の毛髪が確かに確認されていた。

この計量の模様は生配信されていたが、カメラマンさんのグッドジョブで画面は寄りになっており、久米もまたアルジクルとは違った意味で危機一髪のところでアウトにならずにすんだ。

またMMAPLANETが追う計量後の握手問題。男子はするが、女子はしないという定説だが──全15試合中、握手が見られなかったのは3試合。それがストロー級QOP選手権試合=ソルト×藤野恵実、SARAMI×ホン・イェリン、端貴代×渡邉史佳お3試合で全て女子マッチと定説は裏付けされることに。

とはいえ女子勢は握手でなく、距離をとって互いに一礼するという健闘のたたえ合いをしていた。

その女子の流儀に従おうとしたKARENを呼び止めて握手をしたエジナ・トラキナスは、体重計の上で何やら手話のようなモノを披露していたが、これは「ジーザスの導きが、唯一の道」というようなことだったようだ。

キルギス、ブラジル勢とともに韓国からやってきたホン・イェリン。彼女のセコンドにはGladiatorからONE FFに転じたイ・スンチョルの姿が見られ、次戦は2025年になってONE FFでなくONE FNデビューが予定されているとのことだった。

■視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後12時40分~U-NEXT

■Pancrase347 計量結果

<ライト級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 雑賀ヤン坊達也:70.15キロ
[挑戦者] 久米鷹介:70.3キロ

<ストロー級QOP選手権試合/5分5R>
[王者] ソルト:51.95キロ
[挑戦者] 藤野恵実:52.1キロ

<ウェルター級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 押忍マン洸太:76.95キロ
[挑戦者] 佐藤生虎:77.1キロ

<ライト級次期挑戦者決定/5分3ラウンド
葛西和希:70.55キロ
天弥:70.65キロ

<女子アトム級/5分3R>
SARAMI:48.05キロ
ホン・イェリン:47.75キロ

<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.4キロ
カリベク・アルジクル・ウルル:61.65キロ

<ライト級/5分3R>
粕谷優介:70.7キロ
ホン・ソンチャン:70.5キロ

<女子フライ級/5分3R>
端貴代:56.65キロ
渡邉史佳:56.8キロ

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN:52.1キロ
エジナ・トラキナス:51.9キロ

<フェザー級/5分3R>
糸川義人:65.9キロ
栁川唯人:65.95キロ

<ストロー級/5分3R>
野田遼介:52.5キロ
船田侃志:52.55キロ

<バンタム級/5分3R>
安藤武尊:61.45キロ
ギレルメ・ナカガワ:61.55キロ

<2024年ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
岸田宙大:56.7キロ
山﨑蒼空:57.1キロ

<フライ級/5分3R>
時田隆成:56.95キロ
齋藤楼貴:56.95キロ


 

<バンタム級/5分3R>
友寄龍太:61.1キロ
渡邉泰斗:61.5キロ

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【Pancrase347】葛西和希と挑戦者決定戦へ、天弥「アイツは持ってるみたいに言われるの、すっげぇ嫌」

【写真】 どれだけ女性の前で下ネタをしようが、これだけ格闘技について熱く語ってくれるのはMMAPLANETでは◎です(C)MMAPLANET

29日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase347で、天弥がライト級次期挑戦者決定戦で葛西和希と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

3月のパンクラス立川大会で天弥は松本光史と対戦し、2Rに松本をストップ寸前まで追い込み、文句なしの判定勝利を収めた。わずかキャリア4戦目で、元修斗王者にして30戦以上のキャリアを誇る実力者を下したことはアップセットと言っていい勝利だったが、天弥自身は「1㎜も負けるとは思わなかった。立ちでもスクランブルでも組みでも負ける気はしなかった」と言ってのける。

葛西戦は同じ日に決まるライト級王者(雑賀ヤン坊達也×久米鷹介の勝者)への挑戦権をかけた一戦。天弥はさらにその先を見据えたうえで、葛西戦での勝利、そして王座奪取を目論んでいる。


どっちが世界でやっていけるか

――今大会では葛西選手とライト級次期挑戦者決定戦として試合が決まりました。試合が決まった時はどんな心境でしたか。

「自分が松本(光史)選手とやったあとに葛西選手と丸山(数馬)選手の試合が決まっていて、次はその試合で勝った方になるんじゃないかなってパンクラスさんから伝えられていたんですよ。もし丸山選手が勝っていたら次期挑戦者決定戦じゃなかったと思うんですけど、自分的には試合経験を積みたかったんで(葛西✖丸山の)勝った方とやることはOKしていました。それで葛西選手になったって感じですね」

――葛西選手との対戦は想定していたわけですね。ファイターとしてはどんな形で印象を持っていますか。

「結構(試合を)長い間やっていて、11勝3敗って、そうそう簡単な数字じゃないと思うんですよ。そういうレコードを残して、これだけ長い間ずっとトップ戦線にいるんで、油断できないですよね。でも自分としては倒さなきゃって感じです」

――油断できない相手ではありつつ、倒して勝つことは今回のテーマのようですね。

「ですね。葛西選手が丸山戦後のマイクで『俺もトップ戦線でやっていける。世界と戦うんだ』と言って、僕と久米(鷹介)さんの名前を出したと思うんですけど、自分の方が歳も若いし、世界でやるのは俺の方が先だよって思ったので、だから実際に試合をやって、どっちが世界でやっていけるか(を見せたい)って気持ちもありますね」

――天弥選手としては受けて立つくらいのつもりだ、と。前回の松本戦は天弥選手の評価を変える試合だったと思うのですが、ご自身では勝つ自信を持って戦った試合だったのですか。

「世間はそういう予想だったと思うんですけど、自分の実力は自分が一番分かっているんで、1㎜も負けるとは思わなかったです。立ちでもスクランブルでも組みでも負ける気はしなかったです」

――その自信は日々の練習で身につくものでしょうか。

「練習のメンツがメンツですからね。基本はHEARTSとNEVER QUITで、たまに(中村)K太郎さんのところに行って、ですね。よくMMAスパーリングするのは安藤晃司さん、菊入正行さん、ISAOさん、江藤公洋さん。海外でも戦ってきた日本のトップ選手たちと毎週練習しているんで(対戦相手が)この人たちより強いのかよ?って思っちゃいます。例えば安藤さんと5分間殴り合ったりしたら、他の選手はこんなことやれないだろうと思うんで、やっぱり自信になりますよね」

――それだけ自信があったからこそ作戦や対策を立てるのではなく、全局面で勝つという意識だったんですね。

「はい。作戦は特になくて、全力でぶつかってやろうって感じです」

――その一方で元修斗世界王者で、40戦近いキャリアがある松本選手に勝てたことは自信になったのではないですか。

「それはありますね。やっぱ元(修斗)チャンピオンに勝ったんで。『これいけちゃうんだ、俺』って思いました」

――試合内容もフィニッシュではなかったですが、松本選手にしっかり勝つという内容だったと思います。

「KO勝ちって見た目も派手だし、完全決着がつくものですけど、見る人によっては『一発当てただけじゃん』とか『マグレじゃん』みたいに言う人もいるわけですよ。あと『アイツは持ってる』みたいに言われるのも、すっげぇ嫌で」

――勢いで勝っていると思われるのは心外だ、と。

「全部それで片付けられちゃうのはどうなの?って。それだったら3Rフルに使って、しっかりボコボコにしてやろうと。松本戦は、自分から行き過ぎて後半はバテちゃったんですけど、最後まで圧倒して勝とうと思っていました。自分は勝った試合が1RKOだったから、僕の評価って『キレる打撃を持っている』ぐらいだったと思うんで、それを変える試合だったと思います」

キツイ際の攻防は自信があるんで

――では3Rフルでやれたことも意味がありますよね。バテたことも経験と言えば経験ですし。

「そうですね。KO勝ちしちゃうと、逆に3Rやる機会がないんで。ある意味試合でバテたっていうのも経験と言えば経験なんで。あとは3Rのゲームメイクというか、そこも実戦で学びましたね。ああいう展開になって3Rをどうゲームメイクするか」

――松本選手はキャリアもあるので戦い方や試合運びも上手いですよね。

「そうなんですよ。やっぱり後半の方が戦い方が上手かったですよね。でも僕も2RにKO寸前まで追い込んで、3Rはポイントアウトしながら寝かせて、バック取ってパウンドみたいな戦い方をしたじゃないですか。あれも大沢さんの指示だったんですよ」

――どういう指示が出ていたのですか。

「2Rが終わったあとのインターバルで、大沢さんから『疲れただろ?』と言われて。やっぱり2Rの最後にフィニッシュしようと思ってダッシュしたから(スタミナを)使っちゃったんです。そしたら『3Rは戦い方を切り替えよう』と言われて、自分もそれが出来る自信があったから『分かりました』って答えて、3Rはああいう戦い方をしました」

――なるほど。でもああいう切り替え方ができことも驚きでした。

「そこは大丈夫です。キツイ際の攻防は自信があるんで」

――松本選手に勝ったことでライト級の国内トップにいるという意識も出てきましたか。

「今の自分はそのくらいにいるんだなって思います。次も組みでいくなら組みでもいいし、特に作戦も練っているわけじゃないんで、僕は練習してきたものを出そうかなぐらい、です」

――天弥選手は将来的に海外で戦うこと、UFCを目標にしていると思います。そこを目指す以上、国内では全局面で勝つつもりでやるという考えもあるのですか。

「そういうのはあるんですけど……まだ自分自身にそこまで自信を持ってないというか。松本選手に勝ったとはいえ、 やっぱり普段の練習では公洋さんたちとか、あのレベルの選手になるとやっぱりやられるんですよ。で、みんな世界でやっているわけじゃないですか。そういうメンツとラウンドをこなすと、みんなラウンドごとに違うんです──味が」

――まだ練習では差を感じる部分はある、と。

「でもそういう相手に対して、ようやく色々できるようになってきているんですよ」

――何か分かり始めた部分もあるんですね。

「はい。なんかUFCにはUFCなりの打撃の流れというか、ラウンドごとのポイントの取り方や作りがあるじゃないですか。それはBellatorにもONEにもあると思っていて、戦う舞台によって試合の組み立ても違うんだなって」

――それは戦況によっても変わりますよね。

「それを体で味わえているんですよ。だから試合で出していけたらな──ぐらいには思っているんですけど、葛西選手が出させてくる相手なのかなって思ったら、そうは思わないんで、全力でやりきります」

――試合で強さを見せる一方、普段の練習で自分の未熟さを感じることが出来る。いい意味で天狗になれない環境は選手にとっては最高だと思います。

「鼻を伸ばそうと思っても壁があって伸びません(笑)。あの先輩たちと練習していたら、天狗になれないし(格闘技の)厳しさを教えてくれる人たちなんで、ありがたいです」

個人的には久米選手とやりたい

――この試合に勝てば、次は雑賀ヤン坊達也×久米鷹介の勝者に挑戦する形になります。

「僕的にはヤン坊選手の方が楽で、久米選手の方がしんどい試合になるだろうなぐらいの想定なんですけど、個人的には久米選手とやりたいですね」

――それは久米選手のこれまでのレコードや実績を考えてですか。

「久米選手はアキラ選手に負けるまで7年ぐらいベルトを持っていたし、あれだけキャリアが長いのに(実力が)落ちないじゃないですか。前回も粕谷(優介)選手を3R圧倒していましたよね」

――久米選手は息の長い選手ですし、年齢・キャリアを重ねてもパワフルなファイトスタイルが変わらないところも特徴的です。

「なんか久米選手を倒して日本から出たいんですよ。久米選手はライト級で日本最強なんじゃないかと言われた時期もあったじゃないですか。そう言われる選手ってやっぱり何か特別なものを持っていると思うんで、そういう相手を倒したいです」

――フィニッシュするだけじゃなくタフな展開になっても競り勝つ強さも持っていますよね。

「日本でああいうタフなMMAができる選手って久米選手くらいじゃないですか。あの辺もちょっと経験したいですね」

――マッチメイク的な部分でいえば、ヤン坊選手と戦った方がKO決着必至のエキサイティングな試合になりそうです。

「打撃戦になると思うんで、どっちが立っていられるか試合になるでしょうね」

――例えばどちらの選手とも戦いたかったりしますか。

「やりたいっす。自分は日本のトップ選手とバンバンやりたいし、そうやって経験を積んで、海外にいきたいです」

――そういう意味でもベルトを巻くことでマッチメイク的な可能性が広がっていくと思いますし、やはりベルトは必ず巻きたいですか。

「ベルト……そうっすね。まあ獲っておきたいっす。やっぱりベルトを巻けば、僕の名前がパンクラスとか格闘技の歴史に刻まれるわけじゃないですか。僕がネオブラを獲ったのも、アマチュア修斗・アマチュアパンクラスの全日本を獲ったのもそうで、自分の名前を検索した時に出てくる獲得タイトルとかレコードって、自分を知ってもらうのに1番分かりやすいじゃないですか。『ベルト巻いてんだ』、『あの大会で優勝しているんだ』みたいな」

――天弥選手は必ずターニングポイントになるところで獲るべきものを獲ってきたわけですね。今日本から色んな選手たちが海外の団体に出ていて、今年のRoad to UFCでは日本人選手が全員ベスト4敗退という厳しい現実もあります。天弥選手も海外での活躍を目指す選手として、この結果をどう受け止めましたか。

「RTUに出ていた日本人選手はみんなレスリングが強かったじゃないですか。で、日本国内だとやりたい試合が出来ていたと思うんですけど、RTUでは出来ていなかった。そこら辺のゲームメイクが最近は大事だなと思っていて、打撃をポンポン当ててテイクダウンを取るのと、テイクダウンを見せて打撃を当てるって簡単なリズムではあるんですけど、それを試合で出すのが難しいんですよ」

――それが出来たとしても、どちらか一方になってしまいますよね。

「そうなんですよ。だから河名(マスト)選手も原口(伸)選手も、結局組んで抱きついて止まっちゃうじゃないですか。だったらもうちょい打撃の時間を割いてやった方がいいと思いました。だから僕自身は全グラフを均等に大きくしていって世界に出て、打ち合いが強い・打撃が強い選手なら組みを見せて削って、打撃で倒すみたいな。そういう全局面できる選手になって世界に出たいです」

――今は判定でもダメージが重視される傾向にありますが、天弥選手はもともとそういったダメージ重視の考えなのですか。

「やっぱり相手からしたらダメージを食らうのが1番嫌じゃないですか。よくRNCでも口塞いだりする選手とかいますけど、ああいうのを淡々とできる選手って強いと思います。頭の回転も速いだろうし。テイクダウンを狙ってしがみついて何とかとする、上を取ったままキープして終わる選手が多いけど、そういう選手は何を目的にやっているんだろうと思っちゃうんです。

あれはただ時間が過ぎていくだけじゃないですか。試合はパフォーマンスを見せる場なのに。自分はそういう考えが…ちょっと分からないです」

――なんにせよ格闘技は強さを示す競技。ジャッジする側がこのところコントールよりも加打に重きを置いていますね。

「最初から判定を狙って戦うことが評価されなくなってきて、自分はそれが本来のMMAなんじゃないかなと思います。組み技・寝技になったらサブミッションを狙う、パウンド出来るポジションを探す…そういう練習が必要だと思います」

――逆に組み技出身の選手が殴る意識を持てばスクランブルや寝技の動きも変わるでしょうね。

「絶対それがあるはずなんですよ。それこそレスリングとか柔道とか組み技のバックボーンがある選手は“殴る”ことを頭に置いていれば、それができる場面ってたくさん出てくると思いますよ。僕が打撃出身だからそう思うのかどうかは分からないですけど」

――天弥選手からすると「なぜ、ここで殴らないの?」と思うことも多いですか。

「逆に組み技出身の選手からすると、同じ場面を見ていても『ここで殴るの?』と思うことがあるだろうし、もしかしたらそこは打撃系と組み技系で分かり合えないのかもしれないですね」

――それは天弥選手が打撃格闘技出身で、そこからMMAに入って組み技を覚えたからこその感覚かもしれないですし、天弥選手にしか見えないMMAの世界もありそうです。

「自分はあると思っています。例えば相手を寝かして、相手が立ち上がろうとする瞬間、絶対に顔(のガード)が空くんです」

――顔をガードしたまま立ち上がるのは無理ですよね。

「絶対マットに手をついて立つんだから。だったらそこで寝かせにいくより、殴ってダメージ与えた方がいいじゃんって思うんです。がぶってコンロールするより、殴っておいて上体が浮いたところでまた下にテイクダウンに入れば削れていきますよね。自分はそういう見方をしているから、発想そのものが違うんだと思います」

――それがさきほどの「打撃系と組み技系で分かり合えないのかもしれない」ですね。今は組み技出身選手が海外の団体に挑戦するパターンが多いですが、天弥選手のような打撃出身選手が世界に出ていく姿も見たいですし、今のMMAにおいては天弥選手のように、組みを踏まえて“殴る”意識を持つことが必要だと思います。

「僕はそこが大事だと思うし、その意識が日本人には必要だと思います。この前のオリンピックを見ても、日本ってあんなにレスリングが強い国じゃないですか。絶対にダメージを与える意識を持つ選手が増えれば、その先(コントロールの先)にいけるはずなんで。自分も今後はレスリングもやっていくだろうし、練習環境ももっともっと整えて日本人が世界で勝っていきたいですよね。で、自分はそこにいく確信を持っているんで、みなさんも楽しみにしていてください」

■視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後12時40分~U-NEXT

■Pancrase347 対戦カード

<ライト級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 雑賀ヤン坊達也(日本)
[挑戦者] 久米鷹介(日本)

<ストロー級QOP選手権試合/5分5R>
[王者] ソルト(日本)
[挑戦者] 藤野恵実(日本)

<ウェルター級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 押忍マン洸太(日本)
[挑戦者] 佐藤生虎(日本)

<ライト級次期挑戦者決定/5分3ラウンド
葛西和希(日本)
天弥(日本)

<女子アトム級/5分3R>
SARAMI(日本)
ホン・イェリン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
カリベク・アルジクル ウルル(キルギス)

<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
ホン・ソンチャン(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
端貴代(日本)
渡邉史佳(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
エジナ・トラキナス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
栁川唯人(日本)

<ストロー級/5分3R>
野田遼介(日本)
船田侃志(日本)

<バンタム級/5分3R>
安藤武尊(日本)
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)

<2024年ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
岸田宙大(日本)
山﨑蒼空(日本)

<フライ級/5分3R>
時田隆成(日本)
齋藤楼貴(日本)
 
<バンタム級/5分3R>
友寄龍太(日本)
渡邉泰斗(日本)

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MMA o PANCRASE RIZIN Road to UFC UFC パンクラス ライカ 井村塁 河村泰博 田嶋涼 矢澤諒 石井逸人 透暉鷹

【パンクラス】井村塁 キルギス人ファイター カリベクと初の国際戦!

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9月29日に立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 347の第一弾対戦カードとして、井村塁(ALMA FIGHT GYM PUGNUS)×カリベク・アルジクル ウルル(キルギス/Olymp Gym Bishkek)のバンタム級ワンマッチが発表されました。

井村はパンクラスバンタム級ランキング1位。昨年、河村泰博に敗れたものの、石井逸人、田嶋涼という実力者を大接戦の末に判定勝ち。これまでに比べて粘り強さを感じさせる試合運びを見せていたのが印象的。さらに殺傷能力の高いストライカー矢澤諒をバックチョークで仕留めるなど復調ムード。チャンピオンの透暉鷹がROAD TO UFC参戦中のため早期には実現しませんが、次期挑戦者の最有力候補と言っていいでしょう。

そんな井村にぶつけるのはキルギス人ファイター のカリベク。試合内容はベールに包まれていますが、MMAは10勝1敗という綺麗な戦績。しかも、アゼルバイジャンやカザフスタンなどRIZINを席巻しつつある中央アジア出身というのが幻想を抱かせてくれます。ファイトスタイルは立っても寝ても試合を決められるオールラウンダーとの事。いいじゃありませんか。

いきなりランキング1位の井村にスカ勝ちするようだと、タイトル戦線に乱入するどころか、RIZIN上陸も視界に入る可能性十分。逆に井村が一本取ればRIZINが放っておくはずがないでしょう。先物買い必須の一戦。楽しみです。
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NEXUS o RIZIN パンクラス マシン 井村塁 修斗 唐沢タツヤ 大石真丈 小倉卓也 小林博幸 河村泰博 渡部修斗 瓜田幸造 須藤拓真

【Fighting NEXUS】河村泰博× 小倉卓也 バンタム級タイトル戦決定!

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8月25日にニューピアホールで開催されるFighting NEXUS vol.36。初代ミドル級王座決定トーナメント準決勝として行われる佐藤龍汰朗(坂口道場一族)×瓜田幸造(掣圏会瓜田道場)、将斗(AACC)×マシン(BLUE DOG GYM)の2試合に日韓対抗戦の2試合など初のニューピアホール開催に相応しい好カードが並びました。

その中でも注目なのは河村泰博(和術慧舟會AKZA)×小倉卓也(スカーフィスト)のバンタム級タイトルマッチでしょう。河村はRIZINにも参戦して、歯に衣着せぬポストが話題になる事も多い寝技師。レッグハンター須藤拓真、森永ユキトから一本勝ちしてNEXUSのバンタム級王座を戴冠。その後、パンクラスに参戦すると強豪の井村塁からダースチョークで一本を取っており、その極めの強さは際立っています。

対する小倉は修斗やPFCを主戦場にしてきたベテランファイター。最近では渡部修斗に敗れたものの、大石真丈、小林博幸に腕十字で一本勝ち。昨年12月の次期挑戦者決定戦で唐沢タツヤをギロチンチョークで下して河村戦に辿り着きました。最近になってメキメキと極めが強くなってきた印象。河村を相手にどこまで抵抗出来るのか興味津々です。

展開は河村は自ら下になってでもグラウンドで勝負してくるはず。小倉は上をキープしてチャンスを見て一本を狙うのか。もしかするとスタンド勝負を挑むのか。見る側の想像力が掻き立てられます。そうこうしているうちにFighting NEXUS vol.36でましてもビッグカードが。。。こちらは別途まとめます。今大会は会場観戦必須だな。
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45 AB ABEMA ISAO MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN46 ROAD FC キム・スーチョル パンクラス ヴガール・ケラモフ 中島太一 井上直樹 井村塁 修斗 岡田遼 朝倉海

【RIZIN46】キム・スーチョル越えに確かな自信──中島太一「100パー、RIZINでもチャンピオンになれる」

【写真】自分を信頼できるだけ、日々積んでいるということ (C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(月・祝)、東京都江東区の有明アリーナで開催されるRIZIN46で、中島太一がキム・スーチョルと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

中島は2021年12月の井村戦から、デビュー当初に戦っていたバンタム級に戻した。その階級変更の裏にあったものとは――。次に対戦するキム・スーチョルは、昨年ROAD FC グローバル63キロトーナメントを制している。中島はRIZINのベルトを見据えて、韓国バンタム級トップファイターを迎え撃つ。


――リモート画面からもご家族の声が聞こえてきますが、SNSを拝見していても家庭の幸せが伝わってくる中島選手です。

「そうですね。結構SNSに家族のことを載せてしまっています(笑)」

――個人的には中島選手にインタビューするのが10年ぶりで、前回は2013~2014年にパンクラスで行われたワールドスラムトーナメントの頃だったと思います。あれから結婚し、お子さんも生まれたことによって何か感じるものは変わりましたか。

「MMAもプライベートも、全て良い方向に進んでいます。最初は『結婚するとMMAに掛ける時間が減ってしまうんじゃないか』とも思っていたんですよ。でも結婚してからのほうがMMAに集中できていますね」

――ご結婚されたのはコロナ禍であり、また2017年から2019年にかけては敗戦も多い時期です。中島選手にとっても30歳を迎えるうえで節目となった時期でしたか。

「当時は将来のことについて、すごく考えました。このままMMAを続けていて良いのかどうか……。特にISAO戦で負けた時(2021年5月、フェザー級KOPのISAOに挑戦して敗れる)は考えました。『ここまでやってチャンピオンになれないなら、潔く現役を辞めてジムを出そうか』って。実際、物件を探して内見もしていたぐらいでしたから」

――……。

ISAO戦のあとにバンタム級へ落とす――というよりもバンタム級に戻していなければ、今どうなっていたんだろうなって思います」

――中島選手はデビュー当初はバンタム級でした。ロシアACBに参戦して以降はフェザー級で戦っていましたが、ずっとバンタム級で試合がしたいとは考えていたのでしょうか。

「いえ、それは考えていなかったです。僕の中でバンタム級に戻すことは『逃げる』ことになってしまう。だから、それほど積極的ではなかったんですよ。でも妻がISAO戦のあとに『バンタム級でも戦えるでしょう?』と言ってきて」

――えっ!?

「僕が『戦えるけど……』と答えたら、妻から『じゃあツイッター(現X)で、バンタム級でも戦えるって投稿しよう』と言われて(笑)。妻もそう言ってくれるなら――と思ってツイッターに投稿したんですよ。そうしたらパンクラスの坂本靖さんから連絡が来たので、バンタム級の話をしたところ井村塁戦(2021年12月、暫定バンタム級KOP決定戦)のオファーを頂きました」

――バンタム級転向も奥様からのアドバイスだったのですね!

「そうなんですよ。だから今もずっと妻の言うことを聞いています(笑)」

――ただ、その時点ではバンタム級に戻してどうなるかという不安はなかったですか。結果論ではありますが、フェザー級の時よりも体のキレは良いように感じます。

「もともとフェザー級で戦うことになったのも、ACBと契約した際に『現地でどういった調整、減量ができるか分からないから』という理由で。フェザー級で戦うためにバルクアップしていました。でもバンタム級に戻して以降は、自分でも本領発揮できているなって感じます。フェザー級で強い相手と対戦してきたからこそ、バンタム級では圧力で負けることもないという自信もありますし。フェザー級では何回も負けてしまったけど、その敗北が今に繋がっていると思います」

――そして今回、RIZINで国際戦に挑むこととなりました。

「ずっと強い相手と対戦したいと思っていました。だからパンクラスのタイトルマッチもそうだし、RIZINで元修斗王者の岡田遼選手との試合(2023年9月、中島が判定勝ち)が決まった時も嬉しかったです。今回も国際戦というより、キム・スーチョルという強い選手との試合が決まって良かったです。ずっとRIZINにも『強い相手と戦いたい』と伝えていたので。でもRIZINに出て3戦目でキム・スーチョル戦というのは驚きましたけど」

――その点でいえばRIZIN初戦はフェザー級でヴガール・ケラモフと戦い、そのあとは岡田戦、キム・スーチョル戦と強敵との試合が続いています。

「確かにそうですね」

――ただ、昨年9月に岡田選手を下したあとは、やはり大晦日に試合をしたかったですか。

「はい。日本の格闘技といえば、やっぱり大晦日だと思うので。岡田戦から3カ月後だから試合間隔としてはちょうど良いし、自分としては『大晦日、確定したんじゃないか』とも考えていたところもあって(笑)。大晦日に試合が組まれなかったのは悔しいけど、出られないなら出られないで気持ちも切り替えて、当日は純粋な一人のファンとして観戦しました」

――一方で、7カ月も試合間隔が空くのは予想外ではなかったですか。

「大晦日に試合がないと分かってから、2月と3月に大会があるから出たいとは伝えていたんですよ。でも佐賀大会と神戸大会だから、地元の選手も出るし難しいとは言われていて」

――ではこの7カ月間で、前回のインタビューで語っていただいたジャブ以外に何か新しいものに取り組みましたか。

「作戦にも関わるので細かいことは言えないですけど……。もちろん万遍なく練習してきているし、新しいことも取り入れてきました。それと同時に、岡田戦ではKOできなかったので、とにかく『どうすればKOできるのだろうか』ということを考えて練習してきました。そのためには、まず僕が得意なジャブからの展開と距離設定ですよね」

――KOするための技術を磨く、あるいはその気持ちが強くなったのは、いつ頃からなのでしょうか。

「パンクラスの頃から考えてはいましたけど、その気持ちはRIZINで戦うようになって、より強くなりました。MMAだから勝つことを目指すことは当たり前で。そのうえでKOか一本で勝たないと、上に行くことができない。

パンクラス時代も『勝つには勝ったけど判定か……』という気持ちになることはあって。でも、まずは勝ったから良しとする。次はKOできるように頑張ろう、ということの繰り返しですね」

――バンタム級に戻して調子も良い。しっかり勝つことができるようになったからこそ、次のステップとしてKO勝ちをより強く考えるようになったのではないですか。

「それはありますね。もう勝つのは当たり前で、次はどうやって勝つか。確かに、自分自身が次のステップに進みたいという気持ちはあります。僕の場合であれば、左ジャブの次にどう展開するのか。その部分の精度を高めてきました」

――なるほど。次の対戦相手、キム・スーチョルの印象を教えてください。

「……タフで、ギロチンが強いというイメージです」

――その答えを言う前に、自信ありげな笑顔を浮かべましたね。キム・スーチョルの印象を語る時にその笑顔が出るということは、すでに倒すイメージは出来上がっているのですか。

「アハハハ、そう見えましたか(笑)」

――SNSでは「バンタム級のベルトが見えてきた」という旨の投稿もありました。

「自分自身のことを信じていて100パーセント、RIZINでもチャンピオンになれるという自信があるんですよ。僕としてはRIZINで戦うようになって、ベルトに挑むまでは結構時間が掛かると思っていました。『バンタム級ファイターを全員倒していかないと』って。でもキム・スーチョル選手をKOしたら、次はすぐタイトルマッチでも良いですよね。あるいはタイトルマッチの前に、井上直樹選手と挑戦権を賭けて試合するか。最速で年内にはベルトに挑みたいと思っています」

――現時点で、RIZINバンタム級王者の朝倉海選手を倒すイメージも出来ているのですか。

「自分が持っているものを全て出せば勝てると思っています。まだRIZINファンの人たちは僕のことを全然知らないでしょうけど、『今に見とけよ』っていう感じですね」


■視聴方法(予定)
4月29日(月・祝)
午後2時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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45 F1 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase341 キック 井村塁 田嶋椋

【Pancrase341】まさに激闘!1Rに右でダウンを奪った井村、田嶋の猛攻を振り切って判定勝利

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
田嶋椋(日本)

井村が右ロー、田嶋もジャブと右カーフキック。井村もジャブ・左フックから右ローを蹴り、田嶋のジャブに右をかぶせる。田嶋が細かくジャブを突くが、井村は右ローを蹴ってジャブから右ストレート。この一発でダウンを奪い、そのままトップポジションをとってギロチンへ。

田嶋はフックガードで上のポジションを取って立ち上がる。井村がシングルレッグに入ると田嶋は鉄槌とヒジ。井村はしつこく組んでバックを狙いつつ、四つ組みから足をかけてテイクダウン。田嶋もすぐに体を浮かせて立ち上がり、井村がそのまま組み続けてケージに押し込む。ダブルレッグにも入りつつ、距離を取ってパンチを入れてギロチンへ。田嶋は脇をくぐるようにして距離を取る。

田嶋がジャブと右カーフ、井村が右ストレートを合わせる。井村はジャブ・左フックから右フックで前進し、田嶋は右カーフと右ストレートを返す。井村はワンツーと左フック、右フックから両差しで組んで田嶋に押し込むが離れる。10-9で井村。

2R、お互いに右ローを蹴り合う。井村はシングルレッグで組んで田嶋をケージに押し込む。尻餅をつかされる田嶋だが、腕を一本差してケージを背にして立ち上がる。井村も再び田嶋に尻餅をつかせ、両足を束ねて寝かせようとするが、田嶋はコツコツと殴る。井村は両足を引いて田嶋を寝かせようとするが、田嶋もケージまで移動して立ち上がる。

田嶋が右カーフを連発。井村は田嶋のジャブに右をかぶせる。井村はダウンを奪った右を見せるが、大振りで空振りが目立つ。それでも前に出る井村がダブルレッグで組みついてケージへ。田嶋は先ほどと同じように尻餅をついたまま、ケージに背中にあずけてヒジを入れる。ここから田嶋が両差しで立ち上がると、田嶋が右ストレート。井村も左右のフックを当てて打ち合う。このラウンドもジャッジ3名が10-9で井村のラウンドとした。

3R、井村がジャブ・左フックから右につなげて前に出る。田嶋は右ストレートをコンパクトに当て、井村がシングルレッグで組むが倒れない。田嶋はクリンチアッパーを突き上げ、組んでくる井村にヒザ蹴り。井村がダブルレッグで田嶋をケージに押し込むが、田嶋はそれをスプロールしながらヒジを連打。井村の後方に押し倒すようにトップポジションを取るが、田嶋は足関節を狙って立ち上がる。

田嶋はジャブから右ストレート、井村も右を返して前に出てダブルレッグへ。田嶋は井村の頭を潰してパンチとヒジ。井村もしつこく組み付続けるが、田嶋は立ち上がってワンツーと左フック、クリンチアッパー、右ストレートと猛攻。井村のダブルレッグを潰してマウントからパンチを落とす。

井村もすぐに体を起こして組みつき、必死にケージに押し込む。田嶋のパンチもらいながらも、井村は組み続けてスタンドでバックにつく。ここで試合終了となり、井村が田嶋とのタフファイトを制した。試合後、井村は「こんにちは。すいません。出直します」とだけ言い残し、ケージを降りた。


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45 AB MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase341 Road to UFC UFC YouTube パンクラス 中島太一 井村塁 松岡拓 田嶋椋 笹晋久 透暉鷹

【Pancrase341】井村塁戦に向けて、田嶋椋「試合をするたびに、試合の楽しみ方が分かってきた」

【写真】弱い自分を認識する。その作業の繰り返しで、人は強くなれると思います。目を背けない限り(C)MMAPLANET

今週末=31日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE341で井村塁と対戦する田嶋椋。松岡拓と共に戦った格闘代理戦争-THE MAX-の振り返りから、自身のファイトに関してインタビューで応えてくれた。
Text by Manabu Takashima

忘れてしまいたい──でも、乗り越えないといけない中島太一戦を消化し、笹晋久を経て井村と相対する田嶋。その想いとは。

<田嶋椋&松岡拓インタビューはコチラから>


──では格闘代理戦争の監督ではなくファイター田嶋椋のインタビューを始めさせていただくにあたって、MMAPLANETとしては昨年4月の中島太一選手との試合に関して尋ねないとわけにはいけなくて……。

「ちょっと、そこは……(苦笑)」

──試合内容、試合後の反応と全ておいて、あの試合を乗り越えることができていると捉えて良いでしょうか。

「そうですね……あの試合は、何もできなかったので。やはりSNSの反応は、相当なモノだったので……」

──全15試合のロング興行で、14試合目。その前の2試合の5Rの戦いも正直、鑑賞用スポーツとしては非常に厳しかった。そのような状況下で、見ている者にストレスが溜まっていたと思います。

「でも、それはそうなるよなという試合でした……。自分が見ていても、そうなったと思います。中島選手と向き合った時、こっちの作戦が全部通用しないという風に感じてしまったんです……。気持ちで……打撃で振ってとか、行こうというのもありました。でも、それをすると完全に死ぬなというイメージが自分のなかで固まってしまって。

そういうモノを壊すというか……あの時は、冷静に自分のなかで全てが見えてしまったので、もっと気持ちを出して行けるようにならないといけない。そこを学びました。試合後も太田(純一)代表とも色々と話して、改善していこうと」

──それを12月の笹晋久戦でぶつけることはできたという感触はありますか。

「ありました。前に出て、全ラウンドを取りに行くぞという気持ちは出せたと思います。笹選手のように強い選手と真っ向から戦えて良かったです」

──ただ難しいですよね。冷静さも必要で、バカにもなれないといけない。

「いや、その通りなんです。その両方が欲しいです。冷静過ぎるとガッと行けない。熱すぎても隙ができる。そのバランスが大切になってきます」

──そういうことで考えると、次戦の相手である井村選手はガンガンと攻めてくる印象の強い選手です。

「井村選手は攻撃を受けながら、攻める選手ですよね。そういうガツガツくるタイプの相手だと、こっちが冷静でいれば冷静でいるほどミスを回収することができます。そこでこっちが熱くなると、どっちかが致命傷となる攻撃を被弾する賭けのような勝負になってしまいます。だからこそ、次の試合では冷静になることが必要だと思います」

──井村選手はピンチになっても、動き続けて盛り返す。そんなファイターでもあるので、そのペースに巻き込まれないためにも冷静さをキープする必要があると考えますか。

「冷静に戦うのは前提として、冷静過ぎると中島選手との試合のようになってしまう(苦笑)。自分のペースで戦えている時は冷静で良いです。同時に乱戦に巻き込まれた時に冷静さをキープするのか、ギアを上げるのか。そのバランスを如何に取るのか。そこに関しては、自分のなかでは今はできるようになっていると思っています」

──高い山の頂上で、景色を見て怖いと感じると恐怖で。綺麗だと思えると、楽しめる。気の持ちようというのはあるかもしれないです。

「ハイ。自分は、試合は結構試しめる方なんです。楽しく……頭は冷静さを保っても、心はホットに戦いたいですね。そこは積めてきたと思います。試合を重ねるたびに、試合の楽しみ方が分かってきたというか……まだまだですけど、色々なモノが見えてきている感じはあります」

──中島選手との試合前に、その中島選手を越えるとRoad to UFCからUFCという目標を持っていました。今、あの目標というのは?

「自分のUFCで戦いたいという気持ちは変わらないです」

──そうなるとパンクラス内ではRoad to UFCを見据えている透暉鷹選手が、バンタム級のチャンピオンです。そこに向けて、今回の試合の意味合いをどのように考えていますか。

「今回の試合は1位と3位だし、次期挑戦者決定戦の位置づけにある試合だと思います。なので、ここでしっかりと勝って……。透暉鷹チャンピオンは『パンクラス内では、戦う相手は想定していない』という発言をしているので、『舐めるなよ』という試合をしたいです。

透暉鷹選手の視界に自分が入るとためにも、全ラウンドで圧倒して井村選手が『もう、コイツとはやりたくない』と思わせるぐらいボコボコにしたいです」

──では最後に、その想いを込めて井村選手との試合に向けて一言お願いします。

12月の笹選手との試合と比較すると、寝技でも打撃でも全てにおいて上がっていると自信を持っています。前回の試合はまだ納得できるまで行っていないので、自分が納得できて見ている人に楽しんでもらえる試合がしたいです」

■視聴方法(予定)
2024年3月31日(日)
午後1時00分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

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