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【Banana Oil 2025─05─】ProgressとKNOCK OUT Unlimitedで強くなる日本のMMA─01─Progress編

【写真】昨年10月のBreakthrough Combat旗揚げ戦で組まれた中原由貴と中川晧貴、MMAファイター同士のProgress。MMAで強くなれるグラップリングの実戦だ(C)MMAPLANET

「日本人選手の5勝1敗は、米国では2勝1敗」。「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない」。ヘンリー・フーフトの言葉が呪文のように頭から離れない。日本のMMA界は社会構造として、選手が強くなること関して欠陥社会と表現せざるをえない。
Text by Manabu Takashima

ファイターが稼ぐには、強さ以外の要素が余りにも多く──当然のように──求められてしまっている。MMA、いや格闘技界は20年前の不祥事の影響で、未だにナショナル・クライアントが協賛企業となりえない。おかしなもので海外のMMA大会はスポンサードしている日本企業が、国内ではMMAとの距離を置いている。

メディアの変化で、PPVが最大に利益を求めることができる時代が到来したことの影響も受けている。地上波のように広く浅くというジェネラル層が対象でなく、SNS等の認知度を判断理由にスポンサーが集まるようになった。この構造はまさに貧富の格差が明白となるビジネスモデルで、地道に選手を育てるというプロモーションにその富が配分されることが少ない。

そもそも日本のMMA界は、プロレスの力を借り、それが世間に訴える方法論として成立してきたためエンターテイメントと勝負論を別軸に考えている。商売のために──と格闘技としてギリギリセーフ、ばかりか本来はアウトのことをして商売を成り立たせてきた。

UFCのように独占禁止法に触れるかというぐらいの巨大なパワーの持ち主が、Fight Passという媒体を持ち、中継料を支払って人材育成に役立っているのとは、ビジネスの根本が違う。

2020年、世界がコロナ・パンデミックに襲われた際にUFCはコンテンダーシリーズのグローバル化を一気に推し進めた。この際、ダナ・ホワイトが口にした「今、世界中で小規模の大会が立ち行かなくなっていることが本当に気掛かりだ。だから、ファイトパスで契約するスモールショーを増やして経営が成り立つようにしたい。タレントをクリエイトするために資金が必要だから」という言葉は涙が出た。

その資金があれば日本のMMA界が勝負論とエンターテイメントを同じ軸として回すことができるのか否かは別問題だが、とにかく「タレントをクリエイトするための資金」が日本のMMAプロモーションにはないのが実情だ。

強さを軸とするのか、しないのか。前者の姿勢を持ち年間5大会以上を開くプロモーションでは1つだけだと、個人的に理解している。

理想を追い求める分、苦労も多い。選手ファーストとならない現実もある。そうでない方が、選手の待遇が良い面もある。いずれにしても層が薄い中で、タイトルが持ち回りされ、国際戦が少ないのがJ-MMAの実情だ。北米との距離は広がる一方で、世界の頂点を目指すのは業界の力でなく、個人の力、ジムの力に頼らざるを得ない状況がもう20年も続いてきた。

ただ、日本のMMAファイターはMMAでない実戦で強さを磨くことができる。そんな気づきがあったのが、2024年の収穫でもあった。

その実戦とはProgressとUnlimitedという2つのルールだ。ここではUFCに絶対の価値をおくという思考のなかで、2つの戦いの活用法と現状を探ってみたい。


Progressは2021年の秋に長谷川賢が草案し、実行委員会を立ち上げたグラップリング戦だ。Gladiator、HEAT、NEXUS、Bloom FC、そしてProgress実行委員会が主催するBreakthrough Combatで実施されてきた。ケージ使用&ポイント制のグラップリングで、そのポイントの与え方に最大の特徴がある。

テイクダウンに2P、上を取り返すリバーサルとバッククラブにも同様のポイントが与えられる。特筆すべきは下になった者が立ち上がり、正対して離れる──つまりはスクランブルで1Pが挽回できる点にある。

加えてグラウンドではボディクラッチを禁じるなど、米国フォークスタイルレスリングの要素を取りいれ、ブラジリアン柔術ではポイントとならないテッポウ返しやバックで胸を合わせてトップを取る等の上下の入れ替えにも2Pが与えられている。加えて、引き込みは対戦相手に2Pを献上することなる等々、トップ重視のさながら打撃のないMMAというべきポイント方式になっている。

加えて、この柔術とMMAの中間地点といえるProgressではグラップリング界の頂点=ADCC世界大会出場を目指すグラップラーにとっても、後半のポイント無しルールを制するためのレスリング力、スクランブル力を養える要素が含まれており、森戸新士のように同ルールでMMAファイターを極めまくる柔術家も現れた。

柔術家・グラップラー×MMAファイター、柔術家×柔術家、MMAファイター×MMAファイター、レスラー×柔術家などマッチアップによって、試合内容も大きく変わる異種格闘技的感覚を持つProgress。現状、森戸に歯が立たたないMMAファイターたちは如何に寝技に付き合わず、トップでスコアリングして勝てるのかという戦い方をしている。

いうとレスリングだけでなく、北米のMMAファイターと比較すると日本のMMAファイターは柔術的な強さにも大きな課題が残っている。これだけ組み主体のファイターがいても、過去10年で高度に進化したグラップリングの技術に適応できる選手は多くない。

グラップリング技術の向上はレスリング、打撃と同様に日本のMMAファイターが世界で戦うために不可欠だ。ただし、道着ルールやノーギでもサブオンリーでは勝敗を争うという形で鎬を削ることは難しい。テイクダウン&スクランブル重視のProgressルールだからこそ、そこに勝負論が生まれ、実戦でトップ柔術家の技量を体感できる。

理想をいえば、引き込んだ柔術家から距離をとるのではなく、逆に距離を潰す。足を一本抜きハーフで固め続けたり、ケージに押し込み続けることができる技量を身につけたい。

同時にMMAファイター同士のProgressルールでは、打撃のない=ケガのリスクが減った状態で、グラップリングだからこそ可能となるプロモーションの壁を無くした対戦が実現しやすくなる。そこでテイクダウン&スクランブル能力を養い、生きた技術の蓄積も可能となるだろう。

なぜ、米国のレスラーは殴って相手をコントロールできるのか。彼らはボディクラッチ禁止のフォークスタイルで、相手の体の軸を自らの根幹で抑え、枝葉となる四肢のうち片方の腕、両足もしくは片足を制することでコントロールすることに慣れている。つまり片手が自由になるわけだ。

その余った方の手は、フォールや支配するために使われてきたが、MMAでは自由となる方の手で相手を殴ることができる。スクランブル&拳の攻撃は、相手を動かして体力を奪い、ダメージを与えるという点においてMMAで素晴らしく効率的だ。

前述したようにProgressは柔術家、グラップラー、レスラー、MMAファイターの異種格闘技的な面白さを持ち、柔術家の極め感覚を養い、スクランブルの強化にも役立つルールだ。そしてUFCに絶対の価値をおく、そうでなくてもMMAファイターとして強さを追求するうえで、打撃のないMMAという意識を持って戦うことで、テイクダウン&コントロール力の向上が見込まれる。MMAでなくても、実戦で強くなれる。それがProgressルールだ。

同様にKNOCKOUTの山口元気さんが、キックボクサーやムエタイ選手がMMAを目指す上でワン・クッションとなる──そんな位置づけで始めたUnlimitedルールも、MMAファイターは強さを磨くことができる。MMAファイターがユニファイドルールで勝つ、強くなるためのUnlimitedルールの活用法と現状を次回、考察したい。

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45 AB Breakthrough Breakthrough Combat02 Level-G MMA MMAPLANET o Progress SASUKE UFC YouTube   チャンネル 中原由貴 中川晧貴 修斗 北岡悟 城戸泰介 安楽龍馬 新居すぐる 森戸新士 椿飛鳥 泉武志 竹浦正起

【Breakthrough Combat02】Progressでグラップラー×MMAファイター。きたぁ、森戸×北岡。安楽×中原

【写真】これは楽しみ。ただ楽しみ (C)MMAPLANET

29 日(金)、PROGRESS実行委員会より12月25日(水)に会場非公開&配信大会としてBreakthrough Combat02が開催し、カード第一弾としてProgressルールでグラップラー×MMAファイターの対抗戦3試合が発表された。
Text Manabu Takashima

テイクダウンやリバーサルというトップ奪取に2Pが入り、下の選手がスタンドに戻って正対して離れるとスクランブルとして1Pが挽回されるグラップリング=Progressは打撃のないMMA、そしてADCC後半戦&現代グラップリングに欠かせないレッスルアップの強化につながる──MMAとグラップリングの接点となる戦いだ。

今大会では、そのProgress暫定ウェルター級チャンピオン森戸新士に北岡悟が挑戦するタイトル戦。そして安楽龍馬×中原由貴のライト級王座決定戦。加えて城戸泰介×椿飛鳥の71キロ契約マッチというグラップラー×MMAファイター3試合が組まれることとなった。


10月の旗揚げ大会で泉武志を三角絞めで下し、同王座防衛に成功した森戸は2週間後にLevel-Gで新居すぐるも三角絞めで仕留めている。「正直、MMAファイターは極めやすい」というコメントを残している森戸だが、同時に「摩嶋(一整)選手は練習でも、本当に強い。Progressルール日本最強です」という発言もしている。

組み強さと壁際のテイクダウン能力の高さ、そしてサブミッションへの防御能力。ここは北岡にも通じるはず。そして、下になるとポイント的に不利なルールでトップ奪取能力があり、柔術を消化した北岡は森戸にとって過去にない強敵になる可能性は十分になる。

グラップリング転向プロ2戦目にして、安楽がタイトルを掛けて中原と戦う試合も見逃せない。U-23世界3位のレスラーに対し、今やMMA界では誰よりもProgressルールの意味合いを理解しているといっても過言ない中原。相手がレスラーだろうが、ここで下にならない&スクランブルを制することは彼のMMAの完成度を高める。MMAで強くなることに直結した組み技強化を命題とした中原に対し、安楽ががぶりの先のブラップリングを見せるのか──注目だ。

さらに森戸の推薦で待望のProgress初対決となる城戸は全日本ノーギ、SJJFワールドのノーギ部門で世界一に輝いた茶帯の柔術家だ。森戸の連戦を支え、粒さに見てきた城戸に対するは修斗世界フェザー級選手権試合が一旦流れた椿。

椿は旗揚げ戦で中川晧貴とのProgressマッチを戦う予定だったが、修斗世界戦が決まったためリスク回避で出場を取りやめていた。実は2022年5月にHEATを舞台にProgressルールで竹浦正起にヒールで一本負けを喫している椿にとって、この試合は柔術家へのリベンジマッチでもある。

試合が流れる以前に王者SASUKEから「本気でUFCとか口にするなら1カ月前のグラップリング戦を欠場しない。格闘役者」と手厳しい指摘もあったという椿。この試合を経て、修斗世界挑戦を盛り上げることに成功するのか。これも大きなチャレンジとなる。

そしてMMAとグラップリングの接点で、勝利を手にするのはグラップラーなのか、それともMMAファイターなのか。ベルトの行方とともに、異種格闘技的な見方も成り立つ3試合だ。

なおリリースの寄せられた出場6選手のコメントは以下の通りだ。

森戸新士
「北岡選手は日本格闘技界のレジェンドなので戦えることを光栄に思います。試合はいつも通り積極的に一本狙いにいきます! 応援よろしくお願いします!」

北岡悟
「Breakthrough Combatのケージで、組技が日本で指折り強い選手と思いっきり真剣勝負の練習試合をやります!! よろしくお願いします」

安楽龍馬
「今回このような大きな舞台で中原選手と戦える事嬉しく思います。ポイント制であったり、ケージで下になると相手に点数が入るなどアグレッシブ性を求められるルールで試合をするのはすごく新鮮です。当日は全力でプレーします」

中原由貴
「今回、レスリングで素晴らしい成績を収めている安楽選手と戦う事で自分にとってはかなり良い経験になると思いオファーを受けました。MMAに活かす為にも、前回とは違いプランを立てて勝ちに行きます」

城戸泰介
「ずっと出たかったプProgressに参戦できてとても嬉しいです! 椿選手はMMAで実績を残している強豪なので、しっかり準備して極めることができるよう頑張ります。応援よろしくお願いします!」

椿飛鳥
「11月30日に予定されていた修斗フェザー級タイトルマッチが、相手のケガにより中止となってしまいました。Breakthrough Combat第1回大会に出場予定でしたが、その後に修斗のタイトルマッチのオファーが有り、ご相談させていただいた際に快く送り出していただいたこと改めて感謝申し上げます! 仕事が繁忙期で大変なのでサクッと終わらせて業務に戻れるよう頑張ります! 来年修斗のチャンピオンになるために弾みをつけられるような試合をできるよう頑張りますので、ご注目ください!」

■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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45 Breakthrough Combat01 MMA MMAPLANET o Progress RIZIN 中原由貴 中川晧貴

【Breakthrough Combat01】「MMAを意識して戦った」中原がTDで2p。中川はスクランブルも届かず

【写真】まさにMMAグラップリングを見せた中原。これぞProgressの意義だ。(C)MMAPLANET

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴(日本)
Def.2-1
中川晧貴(日本)

中川がスイッチしながら触りに行く。前に出てケージを背負わせた中原が、左足にシングルレッグで組みつき、すぐ右足に切り替えて尻もちを着かせた。中川も立ち上がり、がぶりながら離れる。しかし中原が再びシングルレッグで足を取り、中川をケージに押し込む。右足を引く中原。中川も右オーバーフックで耐える。中原は右足首を取って崩しにかかるも、ここも中川が耐えた。

右オーバーフック&右足を差し込む中川を、中原はボディロックから引き倒しに行く。凌いだ中川をケージに押し込み続ける中原。中川は正対しきれず離れた。距離を取って足を触りにいく中川に対し、中原がシングルレッグで組みつき、ダブルレッグに切り替えて尻もちを着かせた。中原の右腕をキムラで抱え、立ち上がる中川。そのまま腕を取ろうとしたところで初回終了のゴングが鳴った。

最終回、ケージ中央で組むと中原が崩しにかかる。プレスをかけてから手四つで中川をケージに押し込む中原は、シングルレッグに切り替えてリフトするも、中川は倒れず。ならばと中原はダブルレッグで組み、完全にテイクダウンを奪って2pを獲得した。ケージに背中を着けた中川を、中原が胸を合わせて押さえ込む。

中原は連続してパスを仕掛けるも、中川がフックガードで守る。ハーフガードから立ち上がろうとする中川を、首に圧力をかけて押さえる中原。中川がガードに戻して中原の右肩を抱えるが、それを振りほどいた中原がパスを狙い続ける。立ち上がった中原の足を狙った中川が、そのまま立ち上がってスクランブルの1pを得て試合を終えた。

ポイント2-1で勝利した中原は「(中川は)腰がメチャクチャ重かった。やってみると難しいルールですね。楽しかったです。ここでパウンドが混ざって、さらに――途中からMMAを意識して戦いました」と、Progressルールについて語った。さらに来場しているRIZINの柏木氏に「試合お願いします」とアピールしている。


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45 AB Breakthrough Combat01 Gladiator MMA MMAPLANET o Progress UFC YouTube エンフオルギル・バートルフー オトゴンバートル・ボルドバートル シンバートル・バットエルデネ チャンネル チョ・ジュンゴン テムーレン・アルギルマー ボクシング 中原由貴 中川晧貴 久保健太 吉野光 林源平 森戸新士 泉武志 風我

【Breakthrough Combat01】キャリア3戦目、吉野光戦へ。シンバートル「繊細さで上回っていれば勝てる」

【写真】目指す舞台は、UFCというシンバートル。今回がキャリア3戦目となる (C) MMAPLANET

本日30日(水)、会場非公開で開催される配信イベント=Breakthrough Combat01のメインで吉野光と戦うシンバートル・バットエルデネは、これがキャリア3戦目というファイターだ。
Text by Manabu Takashima

2戦目で元Gladiatorバンタム級王者テムーレン・アルギルマーを下し、シャンダスMMAの新兵器と呼ばれるようになった。4日前に22歳になったばかりのモンゴリアンMMAニュープロダクトに話を訊いた。


──日本で戦うことが決まりました。

「話が来た時は、本当に嬉しかったです。練習仲間のオトゴンバートルやダギースレンが日本で試合をしてきたので、自分も本当に日本で試合がしたいと思っていました。その想いが叶うので、メチャクチャ練習をしています」

──5月にテムーレン・アルギルマー選手に勝利し、シャンダスMMAの新兵器という風に呼ばれています。

「凄く嬉しいです。テムーレン選手に勝って、日本の人々が自分に興味を持ってくれて嬉しい限りです」

──ところで対戦相手の吉野選手は日本で名の通った吉野光選手です。キャリアも15戦以上あります。対して、シンバートルはキャリア2戦。試合を受けることに躊躇することはなかったですか。

「確かに経験豊かで、強い相手です。ただし自分も、このシャンダス・ジムで強くて経験のある選手たちと練習をしています。その練習の成果を見せたいです。シャンダスMMAでは今年の1月からトレーニングをしています。

ナラントンガラグ先生が指導し、活躍している選手が多いのでシャンダスに入門したんです。それまでの1年はマザーライMMAで練習をしていました」

──つまりテムーレンとは元チームメイト対決だったのですね。

「そうですね。まぁ、試合ですから。試合となれば、以前の同門とかという気持ちはなくなります。目の前にいる相手なので、殴るだけです」

──その練習仲間から日本で戦うことに関して、アドバイスはありますか。

「皆から貰っています。皆が教えてくれますが、敢えて言うとエンフオルギル・バートルフー選手から『自分がやれることをやれ』と言われたことが一番残っています。なのでレスリングで勝負します。自分が一番できるもので、戦います」

──フオルギルは日本で戦ったことはないかと思うのですが……。レスリングで勝負、コンバットサンボやシュートボクシングの国内大会で結果を残しているシンバートルですが、もともとバッググラウンドはレスリングだったのですか。

「自分はホブスゴル県で生まれ育ったのですが、子供の頃からモンゴル相撲と柔道をやってきました。県の大会レベルで優勝したぐらいで、大きな大会で結果を残すということはなかったです。ただ、試合にはよく出ていました。なので自分のベースはモンゴル相撲と柔道です」

──それでいてコンバットサンボやシュートボクシングのように打撃のある競技でも結果を残しているのですね。

「実はまだ打撃の練習はしていなかったのですが、なぜか打撃のあるルールの方が戦いやすと感じていました」

──吉野選手は柔道出身、組み技の強さが売りの選手ですが、レスリング勝負ということは組みでやり合える自信があるということですね。

「ヨシノは色々な技を持っていますね。柔道がベースなのは明白です。私はレスリングで対抗します。自分のレスリングの技術は、ヨシノの柔道よりも繊細です。その繊細さがあれば、彼を上回ることができます。

何よりも、ファンの人達につまらない試合は見せたくないです。スキルのある、技術的に高い試合を見せたいと思うので自分は準備万端で日本へ行きます。ヨシノもそのつもりで、調整をしてほしいです」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)午後6時30分~
ザ・ワンTV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01計量結果

<バンタム級/5分3R>
吉野光:61.5キロ
シンバートル・バットエルデネ:61.5キロ

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士:76.45キロ
[挑戦者]泉武志:──キロ※当日計量

<58キロ契約/5分3R>
風我:57.85キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:57.9キロ

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴:71.85キロ
中川晧貴:71.85キロ

<フライ級/5分3R>
久保健太:56.85キロ
チョ・ジュンゴン:56.4キロ

<Progressミドル級/5分2R>
有松息吹:82.4キロ
林源平:84.1キロ

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45 AB Breakthrough Combat01 CJI MMA MMAPLANET o Progress RIZIN YouTube オトゴンバートル・ボルドバートル シンバートル・バットエルデネ チャンネル チョ・ジュンゴン ビクター・コレスニック 中原由貴 中川晧貴 久保健太 吉野光 林源平 森戸新士 泉武志 長谷川賢 風我

【Breaktrough Combat01】中川晧貴とMMAファイター同士のProgress。中原由貴「冒険しようかと」

【写真】MMAファイター✖グラップラーとは違う、グラップリング=打撃のないMMAとなるか (C) MMAPLANET

本日30日(水)、会場非公開で開催される配信イベント=Breakthrough Combat01。同大会はMMAが3試合、Progress=グラップリングマッチが3試合組まれている。そのProgress戦にはグラップラーが2名、MMAファイターが4選手出場しており中原由貴が中川晧貴と相対する。
Text by Manabu Takashima

ビクター・コレスニック戦の敗北以来、半年ぶりの実戦がMMAファイター同士、72キロ契約のグラップリング戦となった中原を計量直後にインタビューした。


――中原由貴選手が長谷川賢率いるBreakthrough Combat旗揚げ戦に出場し、中川晧貴選手とProgressルールで戦う。意外なことのオンパレードです。

「意外ですよね(笑)。でも僕はノーギが好きでチェックしていたんです。ヘンゾ・グレイシーのところに行って、ああいう人達と触れ合ったりして。グラップリングも好きなんですよ。

CJIやADCCもチェックしていましたし、実はこの間のQuintet(19日開催)のチームRIZINのメンバーで戦う予定だったのが、いつの間にかメンバーから外れていました(笑)」

──アハハハハ。そして、今大会出場が決まったと。

「最初はもうカードが揃ってしまって難しいかと聞いていたのですが、新たにオファーがあって良かったです」

──Progressルールはケージのなかで、ポイント制のあるグラップリングです。

「フォークスタイルレスリングも昔はチェックしていて、グラウンドではボディクラッチができないルールの練習もチラッとしていたことがあるんです。かつ、そこにサブミッションが許されているので、打撃の練習を減らして触れる練習……組みの練習を増やしてきたので、楽しみですね。

MMAでは交われない選手と実戦で戦えることができますし、Progressのコンセプトを聞くと、純粋なグラップリングというよりはMMA寄りですよね。やっぱり取りに行くときに、簡単に下になるのではない。MMAに生きるように考えて戦えます。それにポイント制なので、余裕ができればチョット引き出しを開けて冒険することもできますよね」

──ではMMAファイターでもある対戦相手の中川選手ですが、どのような印象を持っていますか。

「打撃がないので殺伐とはしないとはいえ食って掛かってこられるかと思っていたので……そうでもないのかと」

──それは中川選手の性格によるところかと思います(笑)。

「でも食ってやるというのは絶対にあると思っていたので(笑)。僕も僕で、ルールが違うとのびのびとやりたい──というのはおかしいですけど、トライしたいという気持ちですね。

このルールはスクランブル重視だし、視てくれる人が面白い試合ができれば良いですね。練習ではなく、勝敗がかかったなかでどれだけリスクを取れるのか。そこが実戦だからこそ、という部分で。やっぱりポイント制はミソです。リードしてしまえば、一本さえ取られなきゃリスクを冒すことができます。

打撃があるとリードをしていても、ワンミスで全てが変わってしまいます。でも、グラップリングでポイント制なら自分なりに戦い方も考えることがありますね。

この1年はケージ際で寝かせ切ることにメチャクチャ取り組んできました。そこをMMAを戦う前に、実戦で相手がシリアスに動いて来るところで試せる。それは凄く楽しみにしています」

──中川選手はMMAでも倒してバックを取るというスタイルを貫いている選手です。

「そこは……普段からMMAの組みでやってきて、スクランブルもしてきたので僕も自信があるところです」

──MMAに生きるグラップリングで、それが次の試合が組まれるアピールに少しでもなればと思います。

「ハイ」

──なかなかMMAの試合は組まれないですか。

「かすりもしないですね。アハハハ。でも、それは覚悟の上で。MMAはRIZINでやると決めているので、こういう機会も大切にしたいと思っています」

──RIZINは超RIZINや大晦日大会、数字系重視のビッグショーと地方のLANDMARKがあり、そこにナンバーシリーズということで……。いうと中原選手タイプの選手が、なかなか試合が巡ってこないというのはありますね。

「現状、自分だけでないですしね。どうしてもイベント数も関係してきますしね」

──そこに中央アジア、コーカサスの脅威が加わりました。

「どえらいことになっていますね(笑)。今回もそうだし、練習を続けてグラップリング、サブオンリーも含めて来年は出ていこうかなと(笑)。MMAがなくても、実戦経験は必要です。明日のProgressでも、ちょっとはアピールしようかと思います」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)午後6時30分~
ザ・ワンTV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01計量結果

<バンタム級/5分3R>
吉野光:61.5キロ
シンバートル・バットエルデネ:61.5キロ

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士:76.45キロ
[挑戦者]泉武志:──キロ※当日計量

<58キロ契約/5分3R>
風我:57.85キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:57.9キロ

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴:71.85キロ
中川晧貴:71.85キロ

<フライ級/5分3R>
久保健太:56.85キロ
チョ・ジュンゴン:56.4キロ

<Progressミドル級/5分2R>
有松息吹:82.4キロ
林源平:84.1キロ

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【Breakthrough Combat01】Progressでグラップリング初挑戦、中川晧貴「諦めんかったら強くなれる」

【写真】チハヤフル戦を経て、中川は何かスッキリした表情を浮かべた(C)SHOJIRO KAMEIKE

30日(水)会場非公開で開催される配信イベントBreakthrough Combat01にて、中川晧貴が中原由貴とProgressルールで対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年7月のGladiatorフェザー級挑戦者決定トーナメントの初戦で、チハヤフル・ズッキーニョスに判定負けを喫した中川。試合後、バックステージでの落ち込み様を見た関係者からは「このまま中川はMMAを辞めしまうのでは……」という声も聞かれた。そんな中川がプログレスのケージグラップリングから復活するまでの道のりには、所属する道場リライアブルならではの雰囲気があった。


――今回プログレス初挑戦が決まりました。中川選手としてはMMAで敗れたあとの復帰戦だけに、MMAを戦いたいという気持ちはなかったですか。

「いや、それはなかったです。『おぉグラップリングなんや』と思って。今までグラップリングの試合に出たことがなかったんですよ」

――えぇっ!? それは意外です。柔道ベースでMMAのファイトスタイルを考えても、グラップリングマッチの経験があると思っていました。

「実は初めてなんですよ(笑)。自分としては新鮮な感じです。グラップリングでどこまでやれるかな、というワクワク感があります」

――これまでグラップリングマッチに出場する機会はなかったのですか。

「柔術はやりたいとは思っていたんです。最近は同じジムの石田拓穂とかが柔術の試合に出ていて。考えていたのは、それぐらいですね」

――しかし、柔術の試合に出たことはない?

「はい、出たことはないです(苦笑)。ウチのジムでも以前、上田祐起がグラジでプログレスに出たことがあるぐらいじゃないですか」

――これまで中川選手が出場している大会でも、プログレスの試合は行われていました。中川選手としては、どのように見ていましたか。

「もちろん会場でも観てはいました。でも自分がやるとは思っていなかったので――メチャクチャ気を抜いていましたね」

――アハハハ。単に一人の観客として観ていた、と。

「はい(笑)。自分は寝技が得意というか、MMAの中でも寝技をやる選手なので、観ていて展開がある試合は面白かったです。ただ、今もまだルールがピンと来ていなくて。要はMMAとして有利なポジションを取ると、ポイントが入るということですよね」

――それが一番分かりやすい言葉です。ポイントが入るのはテイクダウン、リバーサル、バックグラブ、そしてスクランブルで立ち上がる……全てMMAのためのグラップリング、というルールになっています。対して、引き込んだら相手にポイントが与えられます。

「それでも極める自信がある選手は、引き込んで極めたりしていますよね。森戸選手とか」

――森戸選手は先にポイントでリードし、引き込んでも逆転されないほど引き離してから極めに行くパターンがありますね。

「あぁ、なるほど。そう聞いて安心しました。自分は引き込むのが好きじゃないし、テイクダウンしてバックに回るのが得意なので。そこでポイントを取っていれば――」

――個人的には中川選手の試合スタイルを考えると、得意なルールではないかと思っています。その前に前回のチハヤフル戦について、お聞きします。本人としては判定で勝っていると思っていましたか。

「……そうですね。ギリギリで勝っているとは思いました」

――実際、中川選手が勝っていたという声も聞かれます。とはいえ負けは負け。その事実をどう受け止めていたのか。

「……」

――試合後、関係者から「心配になるほど中川選手が落ち込んでいた」と聞きました。

「……、……そうですね。まずは代表(田中淳リライアブル代表)に対して、メチャクチャ申し訳ないと思って。ジムとしてチハヤフル選手に連敗中だったし、そこで自分も負けてジムの看板に泥を塗ってしまった。あとは試合でチャンスもあったのに、極めきれなかった悔しさもありました」

――「あの落ち込み具合から立ち直ることができるのか」という心配の声もありました。

「だいぶ悩みました。『ここで負けていて、俺は今後どうするんやろう?』って。やけど自分の中では負けたと思えない、というか。判定は負けやったけど、自分の中では負けていない。すごく中途半端な気持ちやったんですよ」

――試合で完膚なきまでに叩きのめされた末の判定負けであれば、その時点で諦めていたかもしれないですね。

「確かに、そんな負け方やったら自分も納得できると思うんです。でも納得できんかった。そんな頃に代表が『そろそろジムに来いよ』と連絡をくれて――代表からの連絡が嬉しかったです。やっぱり負けは負けで、みんなに顔も合わせにくかったし。代表から言われんかったら、そのままジムに戻っていなかったかもしれないです」

――田中代表も、そんな中川選手の気持ちに気づいて連絡したのでしょう。

「代表も気さくな感じで連絡をくれて、ジムに行ったら言われたんです。『お前が諦めんかったら俺たちもサポートするし、まだまだ強くなれる』って。その言葉を聞いて自分も悔し涙が出ました。すると、さらに代表が『涙が出るぐらいやから、まだまだ頑張れるぞ』と――そう聞いて、自分も諦めずに頑張ろうと思いました」

――素晴らしいですね。MMAを続けると決めて次の目標などは考えましたか。

「今の段階では、何も言えないですよね。トーナメントも初戦敗退で、そんな自分に何ができるのか。だから、組まれた試合をやっていく。何でもやってみる。そう考えました。

もうひとつ――自分のキャリアについて考えないといけない、と思うようにはなりました。今までも行き当たりばったりなことは多かったんです。試合のオファーが来たら受けて、試合をする。でもこれからは、ちゃんと先を見据えて戦っていかないといけない。どんどん自分からもチャンスを掴むようにしないとダメやな、って」

――その一環として、今回のプログレス挑戦があると。

「対戦相手は二転三転しましたけど、どれも名前のある相手でした。自分からオイシイ話です。最終的に決まったのが中原選手って――まさかのONEやRIZINで試合をしているビッグネームで。自分からすれば雲の上の選手じゃないですか。中原選手もMMAの試合しか視ていないですけど、柔道ベースでグラップリングも強いと思います」

――MMAでの組み方は、似ていますよね。スタンドの組みはボディロックで始まり……。

「はい。そこは自分の強みでもあるので、負けないです。試合は最初に相手のグラップリングを確かめたいけど、5分2Rやからそんな時間もない。早めに仕掛けていかないといけないなら、最初から自分が攻めていきますよ。初のグラップリングで、中原選手というビッグネームを乗り越える新たな中川晧貴を視てください!」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01対戦カード

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]泉武志(日本)

<58キロ契約/5分3R>
風我(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴(日本)
中川晧貴(日本)

<フライ級/5分3R>
チョ・ジュンゴン(韓国)
久保健太(日本)

<Progressミドル級/5分2R>
林源平(日本)
有松息吹(日本)

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【Breakthrough Combat01】泉武志とProgress防衛戦、森戸新士「しっかり組んでくる相手は極めやすい」

【写真】戦うことで強くなる――Progress暫定ウェルター級王者、森戸新士(C)SHOJIRO KAMEIKE

30日(水)会場非公開で開催される配信イベントBreakthrough Combat01にて、Progress暫定ウェルター級王者の森戸新士が、泉武志の挑戦を受ける。
Text by Shojiro Kameike

森戸にとっては昨年9月、暫定王座決定トーナメント決勝で世羅智茂を下して以来のプログレスルールとなる。この間、森戸は2度のADCC予選とムンジアルに出場したなかで、森戸が感じていた手応えを語る。


――1年1カ月ぶりのプログレスルールで、保持する暫定王座の初防衛戦を行います。

「プログレスはオファーがあれば、いつでも出たいと思っていました。またオファーがあって嬉しいです」

――昨年の世羅戦以降、ADCC予選やムンジアルに挑戦するなかで、プログレスの試合も頭にはあったのでしょうか。

「プログレスの試合をすることで、グラップリングに関して成長できた面があります。ジョセフ・チェンのような世界的強豪とも対戦させてもらい、自分の立ち位置も確認できましたし、自分の技術研究にも役立っています。今は暫定王者として強い選手との試合が組まれれば、やり甲斐はありますね」

――ADCC予選は2度とも敗れ、世界大会は出場ならず。初挑戦のムンジアルも初戦で敗退しました。その結果については、どのように考えていますか。

「ムンジアルではダニエル・ジニスという、ブラジレイロを連覇している強豪と対戦しました。試合はアドバン1つでリードしていましたが、最後の10秒でアドバンを取り返され、レフェリー判定で負けています。

不甲斐ない結果だと思いますし、アドバン差1つでギリギリの試合をしていたので負けても仕方ないです。もっと自分に実力があればペースも握れたし、一本も取れました。ただ、やりようによっては世界で戦えるという手応えもあって。またムンジアルには挑戦したいです」

――ADCCの1次予選では豪州の強豪フィス・アレンと、0-0でレフェリー判定負け2次予選ではダニエル・エヴァンスと延長ラウンドまでもつれ込みました。その点では、せめぎ合うことができているという自信はあるのですか。

「勝ち切れていないので、まだまだ――と思います。そこで勝ち切るために、どうするべきかを考えて取り組まないといけないです」

――ではADCC予選以降、どのような取り組みがあったのですか。

「もちろん技術面で自分に足りないところを補う練習です。広島にいると、なかなか他の凄く強い選手と練習することもできないし、そこは東京と違うところで。その分、僕は試合に出ることで定期的に強い選手と当たる。そのために今年も毎月のように試合に出続けています」

――さらに広島、山口で強豪選手を招いてセミナーを行っています。森戸選手自身も韓国でセミナーを行い、現地の選手とも練習していますね。

「基本的にセミナーには本当のトップ選手しか呼ばないです。トップ選手と技術交流することによって、中国地方の技術の底上げにもつなげたい。そのためにはトップ選手の技術を見ることが一番だと、僕自身が一番分かっています。だから、トップ選手の技術を見る機会を会員さんに対して提供していきたいです」

――そんななかで昨年プログレスで敗れているジョセフ・チェンのセミナーを、今年春にレオス柔術アカデミーで開催したことには驚きました。

「アハハハ、そうですね。ジョゼフ・チェンとは試合した時から『今度ウチでセミナーやってよ』というノリで話をしていて。彼は岩本健汰選手と練習するために、よく東京には来ているじゃないですか。機会があれば広島まで足を伸ばしてセミナーを――という話はしていたんです。それで向こうからコンタクトしてきてくれて、セミナー開催が決まりました。

僕の場合はジョセフ・チェンに限らず、セミナーに呼ぶ前にその選手について研究します。実際にセミナーでも教えてくれる技を試しますし、僕がフォローに回ることもあって。そのなかで自然と、彼らの技が自分の技術体系の中に組み込まれるんです。ジョゼフ・チェンのセミナーではキャンピングパスを通じて考え方が分かり、いろんなパスガードに生かせるようになりました」

――そして10月14日はROMAN柔術で柳井夢翔選手と対戦し、ドローに終わりましたが、以前と少し試合スタイルは変わっていないですか。もちろんルールや対戦相手によって異なるとは思いますが……。

「えっ、そうですか。今回は初めてのヒール有り柔術だったので、今までよりも攻めが足関節寄りになっていたかもしれないです。ヒール無しなら、同じ相手でもまた違う展開になるでしょうね。もっとパスからバックテイクを狙いに行くとか。

ROMAN柔術の試合は、ズボンを掴むことが禁止だったんですよ。僕はよくズボンを掴んでスイープしてからスタックパスを狙うのですが、ズボンを掴めないので『スイープは難しいだろう』と思い、最後は足関節を狙いに行きました」

――ルールが変われば、それだけ戦術も変わります。毎回同じ質問になるかもしれませんが……そのROMAN柔術から2週間で、プログレスルールに切り替えることはできますか。

「基本こんな感じでやってきたので、そんなに違和感はないです(笑)。選手としてグラップリングで世界一になりたいなら、グラップリングに絞るべきかもしれません。本当にムンジアルで世界一になりたいなら、道着に絞るべきだとは思います。でも、両方やるスタイルも良いかな――と」

――ではプログレスルールで対戦する泉武志選手の印象を教えてください。

「プログレスのルールだと、やりづらいというか……一番強い選手ですよね(笑)。プログレスはレスリングベースのMMAファイターが強いルールだからこそ、柔術家よりMMAファイターと対戦できるほうが嬉しいです。その相手に一本勝ちを狙う。どんな試合も一本を狙ってナンボで、狙えるところが自分の強みだと思っています」

――柔術家とレスリング出身のMMAファイターでは、後者のほうが極めやすいですか。

「基本的にはそうだと思いますけど、河名マスト選手には負けていますからね(苦笑)。レスラーの場合、いなして組ませない強さもあります。特にMMAファイターは、そういう練習をするじゃないですか。そんなMMAファイターを極められるようにならないといけない。しっかり組んでくる相手は極めやすいです」

――対戦相手がMMAファイターになると多くの場合、対戦相手に関する判断材料はMMAの試合しかありません。それはグラップリング、あるいはプログレスルールを戦ううえで影響を及ぼしますか。

「影響はないです。僕は柔術もグラップリングも、そんなに相手のことを研究するわけでもないので。他の人のセコンドにつく時は研究しますけど――だから本当は、誰かに研究してほしいですね(笑)。

とにかく次も極める自信はあります。どう極めるかは、相手がどう組んでくるかによっても違いますけど、自分の中ではいくつも方法をイメージできています。その方法のどれかにハメてやります」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01対戦カード

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]泉武志(日本)

<58キロ契約/5分3R>
風我(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴(日本)
中川晧貴(日本)

<フライ級/5分3R>
チョ・ジュンゴン(韓国)
久保健太(日本)

<Progressミドル級/5分2R>
林源平(日本)
有松息吹(日本)

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【Breakthrough Combat01】森戸新士の持つProgressウェルター級王座に挑戦、泉武志「触れれば倒せる」

【写真】森戸の下からの仕掛けに付き合わず、一本を取る──どのような組み技を披露してくれるのか非常に楽しみ (C)TAKUMI NAKAMURA

30日(水)会場非公開で開催される配信イベントBreakthrough Combat01にて、泉武志が森戸新士の保持するProgress暫定ウェルター級王座に挑戦する。
text by Takumi Nakamura

DEEPライト級のトップ戦線で活躍する泉は2016年全日本選手権グレコローマンレスリング66キロ優勝、2017年アジア選手権71キロ級優勝、同年の世界選手権出場などレスリングで輝かしい実績を残す。今回がグラップリング=Progressルールには初挑戦だが、MMA挑戦時からグラップリングへの関心が高く、グラップリングの技術を磨き続けていたという。

レスリングという競技そのものにこだわり・プライドを持つ泉は「ほとんどの人が『泉がポイントを取って、森戸に下から極められる』と予想していると思うんですけど、その予想をひっくり返してぎゃふんと言わせる」と語った。


――今回はBreakthrough Combat01でグラップリングの試合=Progress暫定ウェルター級選手権試合が決まりました。試合のオファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「グラップリングの試合にも挑戦していきたいと思っていたので、ちょうどいいタイミングだったかなと思います。あとは、せっかくやるなら強い相手とやりたかったので、最高の相手を用意していただいた感じです」

――泉選手にとっては初めてのグラップリングマッチですが、どういった理由でグラップリングに挑戦したいと思ったのですか。

「MMAの試合ではトップコントロールして漬け切るのが得意なんですけど、まだ試合でフィニッシュするところを出せてなかったんですね。練習では極めたりはするんですけど、それを試合でも極められるようになりたいというところで、グラップリングの試合に出てみたいと思いました」

――取材前の練習はMMAのスパーリングでしたが、練習内容そのものはあまり変えていないのですか。

「あくまでも僕はMMAの選手なんで、そこは割り切って普段通りにMMAの練習もしつつ、グラップリングの練習をしています。ちょうどさっきの練習がMMAだったのですが、午前中はグラップリングの練習でしたし、割合的にグラップリングを増やしているイメージです」

――グラップリングの練習として定期的に行っているジムはあるのですか。

「MMAの試合前もそうなんですけど、カルペディエム青山の方にお世話になっていて、世羅智茂さんたちと練習しています」

――では新しいルールへのチャレンジではありますが、普段やっていることの延長としてグラップリングルールで試合をするという感覚ですか。

「そうですね。ただグラップリングでは使っていい技でも、MMAでは使えなかったり、技術体系が違うところがあるので、そこの調整はやっぱり難しいですね。グラップリングの練習をしていて『MMAだったら殴れるのにな…』と思っちゃうこともあるので。

ただ、その逆でグラップリングだから出来ることもあって、自分はMMAを始めた頃からグラップリングの勉強をしていて、練習で技術交換したり、YouTubeを見て研究したりしているので、MMAの試合では出来ない技にもトライしていこうと思います」

――例えば好きでよく見ているグラップラーはいるのですか。

「ルオトロ兄弟、クレイグ・ジョーンズ、ジョセフ・チェン、ゴードン・ライアン…色んな選手やチームの試合を見ますね。あとはADCCの試合も結構見たりします。だからMMAそのものは比較的近いところにあるかもしれないです」

――対戦相手の森戸選手にはどんな印象を持っていますか。

「昔からずっと活躍していて、色んな技もできる選手だと思います。それこそYouTubeで見ていた選手の一人です。グラップリングで森戸選手に勝ったら、めちゃくちゃオイシイですよね」

――どういった部分を警戒していますか。

「やっぱり下からの攻撃のところですよね。その展開にはなるべく付き合わずに、自分のレスリングをします。グラップリングの得意技もいくつか用意してあるので、それを仕掛けていく作戦です」

――言える範囲で構いませんが、グラップリングではどんな動きにチャレンジしたいですか。

「やっぱり自分はレスリング出身なんでテイクダウンはできると思います。なのでその後ですよね。おそらく僕が先にテイクダウンでポイントを取って、相手も焦らず下から作ってくるでしょう。それに僕が付き合ったらグラップリング歴の差でやられるのは自分でも分かっているので、相手には一切付き合わず自分のやりたいことをやる、というのは決めています」

――ProgressルールはMMAファイターもチャレンジしやすいルール&ポイント制になっていますが、そこは意識していますか。

「それはあると思いますね。でもなんて言うんだろう、MMAと同じことに徹したら ものすごくつまらない試合になると思うんで、一本を狙えるとこは狙いたいですね。勝つためにやるのは当然ですが、ポイントを取って逃げ切るんじゃなくて、一本を取りに行きたいです」

――グラップリング用の練習を続けたことで伸びている部分はありますか。

「MMAで使えるかどうかは分かりませんが、トップポジションからのパスの仕掛けの部分はかなり伸びていると思います。あとは今まで下からひっくり返されていた場面でも、そこの組み手がだんだん分かってきて。守るだけじゃなく、自分からも仕掛けられるようになってきたんで、そこは伸びている実感があります。結局MMAでもトップを取ってもバランスが悪かったらひっくり返されるし、この試合をやることはMMAをやるうえでも無駄ではないですね」

――例えば泉選手のように組み技競技で実績があるMMAファイターがグラップリングにチャレンジすることで、今ままでにはなかった化学反応が起きるのではないかと思うのですが、そういった予感はありますか。

「レスリング出身者がMMAやグラップリングに来ることは、日本の格闘技のそのものの底上げに繋がって面白いなと思います。そのなかでも僕はレスリング好きだし、それを活かしたMMAやグラップリングをやりたいです。ルールは違いますけど“組み技”という部分では共通点もあるし、自分は触れれば倒せる自信があるので、そういうところも見せたいです」

――泉選手の話を聞いていると、格闘技として色々なことにチャレンジすることがお好きなようですね。

「好きですね。いずれは柔術の試合にも出たいと思っているし。ただ僕はMMAファイターで、MMAが本業なので、そこが疎かにならないようにしたいです」

――ではその本業MMAでの目標を聞かせてもらえますか。

「今の僕はMMA戦績が5勝3敗で、少し成績が落ちたところもあると思います。ここからまた勝ちを積み上げて、レスラー最強と言われるようなファイターになりたいです。そして海外の大会にチャレンジしていきたいですね」

――泉選手はレスリングというものにも自信やプライドがあるようですね。

「そうですね。MMAファイターだけど、僕はあくまで組み技の選手だし、レスラーだと思うんですよ。そこはちゃんと活かしていきたいし、打撃が上手くなったからと言って、僕はストライカーにはならないです」

――MMAに転向するうえでバックボーンを活かすか、一度リセットするか。泉選手は間違いなく前者ですね。

「絶対にそうですね。僕がレスリングを捨てることはないです」

――ちなみにまたレスリングの試合に出たいと思うことはありますか。

「はっきり言って無理です(笑)! このあいだ久しぶりに大学でレスリングの練習をやったんですけど、アバラを痛めちゃって。それは何か危ない技をかけられたわけじゃなくて、相手にクラッチされたり、ローリングされたり…それだけで痛めたんです。

昔は全然それにも耐えられたんですけど、今はそこの耐性も弱くなっているので、レスリングをやるならもう一回体から作り直さないとダメですね。やっぱりアマチュアでトップを目指す選手の運動能力やフィジカルはすごいです」

――改めて今回の森戸戦、どのような泉武志を見せたいですか。

「今までのMMAの試合で見せられなかった動きをしっかり見せたいですし、ほとんどの人が『泉がポイントを取って、森戸に下から極められる』と予想していると思うんですけど、その予想をひっくり返してぎゃふんと言わせてやろうと思います。会場を沸かせます!」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01対戦カード

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]泉武志(日本)

<58キロ契約/5分3R>
風我(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴(日本)
中川晧貴(日本)

<フライ級/5分3R>
チョ・ジュンゴン(韓国)
久保健太(日本)

<Progressミドル級/5分2R>
林源平(日本)
有松息吹(日本)

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【Breakthrough Combat01】5日間でイベント&ファイト。長谷川賢「強くなりたい選手が活躍できる場を」

【写真】会見後に練習に向かった長谷川──少し、顔のラインがスッキリしてきたか (C)MMAPLANET

昨日23日(水)に東京都港区のBarbizon10で30日(水)に会場非公開の配信大会として開催されるBreakthrough Combat 01の会見が行われた。同大会はProgress実行委員会が主催する形となり、その中心にいるのが長谷川賢だ。
text by Manabu Takashima

会見は二部形式で実施され、一部はその長谷川がイベント開催に踏み切った理由等を話し、二部では同大会に出場する吉野光、泉武志、風我が登壇し今大会出場への意気込みを語った。

ここでは長谷川の挨拶、質疑応答の中から気になった点を列記してみたい。Breakthrough Combat──現状突破という意味が込められたイベント名がつけられた真意とは。


「世界との差が埋まらないぐらいついてしまった。その現状を打破するために韓国、モンゴル、フィリピン、タイとアジアで一丸となって北米と戦っていける、倒せるというところまで向かっていけるように大会を開く」

「Progressというグラップリング・ルールを採用しているのはMMAファイターがグラップラーの交流をはかり、海外勢のような組み力をつけていってほしいから。柔術家、グラップラーの選手たちもMMAファイターと絡むことを新しい挑戦の場にしてほしい」

「DEEPの佐伯代表、修斗の坂本代表、Gladiatorの櫻井代表の協力があって、この大会を開くことができた」

「LFAからUFCに進めるルートを確立させる。それ以外にモンゴルのMGL-1FC、韓国の大会に選手を派遣する。そういう意味での交流を深めていきたい」

「現状、プロモーターとファイターの兼務になっていて本当に大変。自分の大会があって、その後に自分の戦いがある。かなり厳しいけど、やりきります。選手の気持ちが理解できるので、変なところは見せられない。

今は仮の体制でProgress実行委員会が主催し、僕が仮の代表としてBreakthrough Combatをやっているけど、米国ではモハメド・アリ法というものがあってプロモーターがマネージメントをしてはいけない。選手を縛ることになるのでやってはいけない。UFCを目指すということで、そのルールに則らないのはおかしい。選手を支配するようなことはやりたくないので、そこは区別してやっていこうと思います」

「年に4大会を目指してやっていく」

「強さが一番大切。ストーリーラインも大切ですが、強くなって上を目指すのが一番。そこ以外はない。強くなって上を目指す選手の道が開けるようにサポートしていきたい。有名になりたいとか二の次。強さを求める選手を助けて、活躍できる場にしていきたいです」

なお同会見終了後、長谷川よりMMAPLANETに仮の体制という部分で言葉が足らなかったので、記事に以下の言葉を加えて欲しいという連絡があった。

「まず会見でしっかりと話さなかったのですが、昨年からProgress実行委員会で主催をしてきたGladiator Challenger Seriesも今年と同じように来年2大会を開こうと思っています。

またBreakthrough CombatをProgress実行委員会が主催というのはあくまで仮の体制で。会見で話したように、僕は強さを追求して海外を目指す選手達……UFCでなくても、海外での試合を経験したいという選手たちをサポートすることを一番の仕事にしたいので、モハメド・アリ法を考えるとプロモーションのトップにいることは話が違ってきます。

近い将来Breakthrough Combatを独立した組織として、自分でない方に引っ張って行っていってもらいたいと考えています。

また会見で韓国との交流先について団体名を話していませんでしたが、先日視察を行いミーティングも持ったRING Championshipや過去2年の付き合いがあるKTTがTOP FCのようにイベントを再開させるなら彼らと交流していきたいと考えています。そして内定している第2回大会にはマレーシアからも選手が来日する予定ですので、ダイヤの原石がいるのではないかと期待しています。

またDEEPさん、修斗さん、GLADIATORさんの協力があってBreakthrough Combatは実現したと話しましたが、今後はDEEP、修斗、GLADIATORに続き、BLOOM FCの屋宮ハントさんやHEATの志村民雄さんという地方都市で大会を継続している方たちとも、互いに手を取り合って──強くなりたい選手が活躍できる場を創っていきたいです」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01対戦カード

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]泉武志(日本)

<58キロ契約/5分3R>
風我(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴(日本)
中川晧貴(日本)

<フライ級/5分3R>
チョ・ジュンゴン(韓国)
久保健太(日本)

<Progressミドル級/5分2R>
林源平(日本)
有松息吹(日本)

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【Breakthrough Combat01】現状突破へ。新イベント発進。メインに吉野光。DEEPやGladiator勢も

【写真】吉野の日本での試合は2022年2月以来、2年8カ月ぶりとなる (C)MMAPLANET

23(水)、来週30日(水)にProgress実行委員会が主催する新しい格闘技イベント=Breakthrough Combatの第1回大会が会場非公開の配信型イベントとして開かれることが明らかとなり、東京都港区のBarbizon10で設立会見が開かれた。
text by Manabu Takashima

これに先立ってメディアには同大会に関するプレスリリースが配信され、同大会の旗揚げ目的が同委員会の長谷川賢の名前で以下の様に寄せられている。

長谷川賢
「UFCを頂点としたMMAワールドで、最強を目指す選手。国内ビッグショー出場を願う選手、老舗団体プロモーションでタイトルを狙う選手。新興プロモーションで練習の成果を見せて、成長を感じ取りたい選手。組み技世界一を争う異様に進歩したグラップリング最前線に挑む選手たちが、日本の格闘技界には存在しています。

同時にそんな目標はあっても、どのようにステップアップを果たすのかが分からない。行き着くまでの筋道が見えない。目の前を断崖絶壁に阻まれ、その先に進むことができない選手たちがいます。

彼らが現状を突き抜け、閉塞感を打ち破るための戦いの機会を提供したい。最強を目指すためのルートを進むのに欠かせないビーコンサインの役割を果たしたい。北米、アジアの舞台に進むために国内で下準備となる相手と戦い、強さを追求するためのステージに立つサポートをする格闘技イベントBreakthrough Combat(ブレイクスルー・コンバットは、10月30日に活動を開始します。

<中略>

Breakthrough Combat旗揚げに則しましてDEEP佐伯繁代表、Sustain坂本一弘代表、Gladiator櫻井雄一郎代表を始めてとする方々から多大なご協力がありましたこと、深謝の意を表します」


Progress実行委員会は2年前にProgressルールというポイント制及びスクランブルを評価した──まるで打撃のないMMAルールセットを用いて、MMAファイターの技術力強化とグラップリング界との交流を目的に設立された。そして2022年よりGladiatorやHEAT、NEXUSで試合が実施されてきた(現在はGladiatorのみ)。

その後、長谷川はGladiatorのタレントリレーションの職に就き、アジアのフィーダーショーを目指す同大会にフィリピン、モンゴル、韓国勢らを招聘。さらにBloom FCにもそれらの国の選手達の来日を実現させてきた。

また自主興行としては今年の2月と8月にGladiator Challenger Seriesを開き、海外ではLFAと協力関係を築き上久保周哉&松嶋こよみの契約が実現。Breakthrough CombatはGCSと違い、Gladiatorを筆頭にDEEPや修斗(Sustain)からの協力を得ている点が特徴だ。

下記の対戦カードにあるようにDEEPを主戦場とする風我、泉武志が出場。前者はモンゴルMMA界の未来=オトゴンバートル・ボルドバートルと相対し、後者は森戸新士の持つProgress暫定ウェルター級王座に挑戦する。

同様にGladiatorから久保健太、中川晧貴の両選手がラインナップに名を連ねている。久保はK-MMA界ティーンファイターでONE FF出場経験のあるチョ・ジュンゴンとのマッチアップ
決まっている。

中川とProgressルールで戦う相手は当初、椿飛鳥が予定されていた。しかし、修斗11月大会でSASUKEの持つ修斗世界フェザー級王座挑戦することが決まり、椿はケガのリスクを避けるという当然の選択をし、彼の代役として試合勘を失いたくないとPROGRESSルール出場の意向を以前から伝えていた──格上いっても過言ない──中原由貴の参戦が実現した。

また世界を目指す道筋を創るという大会開催主旨に則して、メインイベントは日本での試合から遠ざかりUAEWで戦ってきた吉野光が抜擢された。

モンゴルのシンバートル・バットエルデネとの対戦が決まった吉野のBreakthrough Combat出場に関しては河名マスト、上久保、松嶋がグラジに参戦してきた経緯と共にゴールを持つということが非常に似通っていると捉えて何ら問題ないだろう。

なおBreakthrough Combat設立記者会見の詳細は後ほど──お伝えします。

■Breakthrough Combat01対戦カード

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]泉武志(日本)

<58キロ契約/5分3R>
風我(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴(日本)
中川晧貴(日本)

<フライ級/5分3R>
チョ・ジュンゴン(韓国)
久保健太(日本)

<Progressミドル級/5分2R>
林源平(日本)
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