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【Banana Oil 2025─05─】ProgressとKNOCK OUT Unlimitedで強くなる日本のMMA─01─Progress編

【写真】昨年10月のBreakthrough Combat旗揚げ戦で組まれた中原由貴と中川晧貴、MMAファイター同士のProgress。MMAで強くなれるグラップリングの実戦だ(C)MMAPLANET

「日本人選手の5勝1敗は、米国では2勝1敗」。「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない」。ヘンリー・フーフトの言葉が呪文のように頭から離れない。日本のMMA界は社会構造として、選手が強くなること関して欠陥社会と表現せざるをえない。
Text by Manabu Takashima

ファイターが稼ぐには、強さ以外の要素が余りにも多く──当然のように──求められてしまっている。MMA、いや格闘技界は20年前の不祥事の影響で、未だにナショナル・クライアントが協賛企業となりえない。おかしなもので海外のMMA大会はスポンサードしている日本企業が、国内ではMMAとの距離を置いている。

メディアの変化で、PPVが最大に利益を求めることができる時代が到来したことの影響も受けている。地上波のように広く浅くというジェネラル層が対象でなく、SNS等の認知度を判断理由にスポンサーが集まるようになった。この構造はまさに貧富の格差が明白となるビジネスモデルで、地道に選手を育てるというプロモーションにその富が配分されることが少ない。

そもそも日本のMMA界は、プロレスの力を借り、それが世間に訴える方法論として成立してきたためエンターテイメントと勝負論を別軸に考えている。商売のために──と格闘技としてギリギリセーフ、ばかりか本来はアウトのことをして商売を成り立たせてきた。

UFCのように独占禁止法に触れるかというぐらいの巨大なパワーの持ち主が、Fight Passという媒体を持ち、中継料を支払って人材育成に役立っているのとは、ビジネスの根本が違う。

2020年、世界がコロナ・パンデミックに襲われた際にUFCはコンテンダーシリーズのグローバル化を一気に推し進めた。この際、ダナ・ホワイトが口にした「今、世界中で小規模の大会が立ち行かなくなっていることが本当に気掛かりだ。だから、ファイトパスで契約するスモールショーを増やして経営が成り立つようにしたい。タレントをクリエイトするために資金が必要だから」という言葉は涙が出た。

その資金があれば日本のMMA界が勝負論とエンターテイメントを同じ軸として回すことができるのか否かは別問題だが、とにかく「タレントをクリエイトするための資金」が日本のMMAプロモーションにはないのが実情だ。

強さを軸とするのか、しないのか。前者の姿勢を持ち年間5大会以上を開くプロモーションでは1つだけだと、個人的に理解している。

理想を追い求める分、苦労も多い。選手ファーストとならない現実もある。そうでない方が、選手の待遇が良い面もある。いずれにしても層が薄い中で、タイトルが持ち回りされ、国際戦が少ないのがJ-MMAの実情だ。北米との距離は広がる一方で、世界の頂点を目指すのは業界の力でなく、個人の力、ジムの力に頼らざるを得ない状況がもう20年も続いてきた。

ただ、日本のMMAファイターはMMAでない実戦で強さを磨くことができる。そんな気づきがあったのが、2024年の収穫でもあった。

その実戦とはProgressとUnlimitedという2つのルールだ。ここではUFCに絶対の価値をおくという思考のなかで、2つの戦いの活用法と現状を探ってみたい。


Progressは2021年の秋に長谷川賢が草案し、実行委員会を立ち上げたグラップリング戦だ。Gladiator、HEAT、NEXUS、Bloom FC、そしてProgress実行委員会が主催するBreakthrough Combatで実施されてきた。ケージ使用&ポイント制のグラップリングで、そのポイントの与え方に最大の特徴がある。

テイクダウンに2P、上を取り返すリバーサルとバッククラブにも同様のポイントが与えられる。特筆すべきは下になった者が立ち上がり、正対して離れる──つまりはスクランブルで1Pが挽回できる点にある。

加えてグラウンドではボディクラッチを禁じるなど、米国フォークスタイルレスリングの要素を取りいれ、ブラジリアン柔術ではポイントとならないテッポウ返しやバックで胸を合わせてトップを取る等の上下の入れ替えにも2Pが与えられている。加えて、引き込みは対戦相手に2Pを献上することなる等々、トップ重視のさながら打撃のないMMAというべきポイント方式になっている。

加えて、この柔術とMMAの中間地点といえるProgressではグラップリング界の頂点=ADCC世界大会出場を目指すグラップラーにとっても、後半のポイント無しルールを制するためのレスリング力、スクランブル力を養える要素が含まれており、森戸新士のように同ルールでMMAファイターを極めまくる柔術家も現れた。

柔術家・グラップラー×MMAファイター、柔術家×柔術家、MMAファイター×MMAファイター、レスラー×柔術家などマッチアップによって、試合内容も大きく変わる異種格闘技的感覚を持つProgress。現状、森戸に歯が立たたないMMAファイターたちは如何に寝技に付き合わず、トップでスコアリングして勝てるのかという戦い方をしている。

いうとレスリングだけでなく、北米のMMAファイターと比較すると日本のMMAファイターは柔術的な強さにも大きな課題が残っている。これだけ組み主体のファイターがいても、過去10年で高度に進化したグラップリングの技術に適応できる選手は多くない。

グラップリング技術の向上はレスリング、打撃と同様に日本のMMAファイターが世界で戦うために不可欠だ。ただし、道着ルールやノーギでもサブオンリーでは勝敗を争うという形で鎬を削ることは難しい。テイクダウン&スクランブル重視のProgressルールだからこそ、そこに勝負論が生まれ、実戦でトップ柔術家の技量を体感できる。

理想をいえば、引き込んだ柔術家から距離をとるのではなく、逆に距離を潰す。足を一本抜きハーフで固め続けたり、ケージに押し込み続けることができる技量を身につけたい。

同時にMMAファイター同士のProgressルールでは、打撃のない=ケガのリスクが減った状態で、グラップリングだからこそ可能となるプロモーションの壁を無くした対戦が実現しやすくなる。そこでテイクダウン&スクランブル能力を養い、生きた技術の蓄積も可能となるだろう。

なぜ、米国のレスラーは殴って相手をコントロールできるのか。彼らはボディクラッチ禁止のフォークスタイルで、相手の体の軸を自らの根幹で抑え、枝葉となる四肢のうち片方の腕、両足もしくは片足を制することでコントロールすることに慣れている。つまり片手が自由になるわけだ。

その余った方の手は、フォールや支配するために使われてきたが、MMAでは自由となる方の手で相手を殴ることができる。スクランブル&拳の攻撃は、相手を動かして体力を奪い、ダメージを与えるという点においてMMAで素晴らしく効率的だ。

前述したようにProgressは柔術家、グラップラー、レスラー、MMAファイターの異種格闘技的な面白さを持ち、柔術家の極め感覚を養い、スクランブルの強化にも役立つルールだ。そしてUFCに絶対の価値をおく、そうでなくてもMMAファイターとして強さを追求するうえで、打撃のないMMAという意識を持って戦うことで、テイクダウン&コントロール力の向上が見込まれる。MMAでなくても、実戦で強くなれる。それがProgressルールだ。

同様にKNOCKOUTの山口元気さんが、キックボクサーやムエタイ選手がMMAを目指す上でワン・クッションとなる──そんな位置づけで始めたUnlimitedルールも、MMAファイターは強さを磨くことができる。MMAファイターがユニファイドルールで勝つ、強くなるためのUnlimitedルールの活用法と現状を次回、考察したい。

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【Breakthrough Combat02】森戸新士が語る、北岡悟とのプログレス防衛戦&椿飛鳥と戦う城戸泰介の存在

【写真】リモート画面の向こう=レオス柔術アカデミーでは、なぜか暖房をつけず外にいるかのようなダウンジャケットの2人--風邪はひかないようにお願いします(C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(水)会場非公開で開催される配信イベントBreakthrough Combat02にて、Progress暫定ウェルター級王者の森戸新士が、北岡悟の挑戦を受ける。また、森戸が主催するレオス柔術アカデミーの城戸泰介は、椿飛鳥とプログレス初戦に臨むこととなった。
Text by Shojiro Kameike

驚きの北岡悟プログレス参戦、王者として迎え撃つ連続一本勝ち中の森戸――まさにプログレス史上最高峰のカードが組まれた。その森戸が前々回のインタビュー時に、自身の作戦参謀にしようと試みたほどの柔術家である城戸もプログレスに初挑戦。そんな2人が2024年最後の試合と、ファイトボーナスについても熱く語る!


城戸君は自分で研究できるタイプ(森戸)
森戸さんは生き物としての能力が違いました(城戸)

――今回は森戸選手に北岡戦に関して、さらにプログレス初挑戦となる城戸選手についてもご紹介いただきたいと思います。まず城戸選手はレオスの前に、岡山県のゼロ戦クラブでMMAをやっていたのですか。

城戸 はい。出身は愛媛県で、大学進学で岡山県に行きました。

――現在、城戸選手は柔術&グラップリングでもボトムから攻めていますが、当時アマチュアMMAに出ている時の試合映像を視ると、ゴリゴリのMMAレスリングを展開していて驚きました。

森戸 アハハハ。

城戸 当時はその方法しか知らなかったんです。もともと器用なタイプではなくて。

――城戸選手が最初にMMAを始めたキッカケは何だったのでしょうか。

城戸 MMAの前は小中高と柔道をやっていました。最初にMMAを知ったのは――僕が愛媛県で通っていた柔道の町道場に、当時もうMMAで活躍していた中井りん選手がいて。中井選手をキッカケにMMAを知って、面白そうだなと思っていたんです。僕が中1の頃なので、もう10年以上前ですね。

そのあと岡山でMMAを始めて2年ぐらい経った頃、「柔術のほうが面白い」と思うようになりました。柔術はMMAよりも技が体系化されていて、細かいし学びやすい。器用じゃない僕でも意識していけば、柔術の技のほうがうまく使えるようになっていったんです。

少しずつMMAを離れて柔術に移っていくなかで、森戸さんに連絡して「出稽古に行かせてください」と伝えました。そこから月2回――当時はまだ広島のジムはなかったので、岡山から岩国まで新幹線を使ってJRに乗り替えて出稽古に行かせてもらっていました。

――えっ!? 岡山か岩国まで、新幹線を使っても1時間半以上は掛かりますよね。

城戸 そうですね(笑)。そのあと広島のジムも立ち上がるタイミングで、僕もレオスで指導しながら練習も……という形になりました。

――森戸選手は、当時の城戸選手についてどのような印象を持っていましたか。

森戸 城戸君は初めてウチに来た時から、すごく柔術の技を知っていて。海外の選手の話題で楽しんでいました。初めて来た時、練習が終わってから一緒にご飯を食べに行ったんですけど、海外の好きな選手の話をしたり。

城戸 そうでした(笑)。普段、周りにはそんな話をできる人がいなくて。

森戸 「この選手、良いよねぇ」と最新の柔術家&グラップリング選手の話をして、彼の柔術&グラップリング愛を確かめました(笑)。技術的にもすでに上手だったです。そんな城戸君に対して、最初のレオスの凄さを分かってもらおうと思って――僕と摩嶋一整さん、それと城戸君の3人で、延々とスパーリングを回すという。

城戸 あれはメチャクチャ、キツかったです(苦笑)。森戸さんと摩嶋さんは技術的にはもちろん、まず体の強さが……。もう鉛のような重さで、こんなに強い人と組んだのは初めてでした。特に上に乗られるとキツくて。良い場所に乗られているから、それは技術なんですけど、そもそも生き物としての能力が違いましたね。

帯の色ではなく、強いかどうか(城戸)
強くなるのはやり方次第(森戸)

――アマチュアMMAに出ている頃、城戸選手はどちらかというとパワーでテイクダウンしていましたよね。小中高と柔道をやっていたら、パワーで負けることはないと思いますし。

城戸 そうですね。同階級であれば必ず倒せていました。

森戸 うん、うん。

城戸 だからレオスに出稽古に行かせてもらうようになって、全てが新鮮でした。

森戸 城戸君は自分で研究できるタイプなので、僕が技術を教えることは、そんなになかったです。たまに何か聞かれたら、僕なりの考えを伝えるぐらいで。僕も城戸君から教わることがあるぐらいで、自分が師匠というものではないです。

城戸 ここは皆が各々考えたことを持ち寄って練習する、試し合う場所というか。

――城戸選手は今年のJBJJF全日本ノーギ、同オープン選手権で優勝しています。その直前に救急車で運ばれたというのは……。

城戸 試合中に首を怪我してしまったんです(苦笑)。

森戸 広島で行われたADCCルールの大会の話ですね。試合中に両脚担ぎで一瞬空中に浮かされて、なぜか相手がその状態で飛び乗ってきたんです。かなり危険な行為ですよね。その時に首が圧迫されて。

城戸 痛すぎて、僕も起き上がることができませんでした。

森戸 すぐに救急車を呼んで病院でも検査してみると、幸い首の圧迫で神経に影響はなかったようです。ただ最初は、次の週に行われる全日本ノーギには絶対に出さないと考えていました。

城戸 でも痺れもなく、回復も早くて。退院して軽く体を動かしてみたら動けるし、全日本ノーギにも出ようと決めました。

森戸 検査で異常もなかったし、本人が出たいというので……心配だから僕もセコンドで着いていきましたけど、当日は動きも良かったね(笑)。

城戸 はい。むしろ、いつもより良かったんじゃないかと(笑)。

森戸 ピンチになって、何かスイッチが入ったのかな。

――まず体が無事で何よりです……。城戸選手は、現在茶帯なのですか。

城戸 茶帯です。まだ今年上がったばかりで。でも帯の色は、あまり気にしていません。紫帯の時に黒帯を倒したこともありますし。帯の色ではなく、強いかどうかじゃないですか。

――なるほど。 今までお話を聞いていると、城戸選手にとって必要だったのはレベルに合った選手との練習環境で。それがレオスだったということですか。

城戸 自分の場合は強い人と練習することで、自信を持って試合に出ることができます。もともと気持ちが強いほうじゃないので、森戸さんと練習していると安心感があるというか。

森戸 やり方次第ですよ。環境は自分でつくれるし、特に柔術&グラップリングだと教則で技術が体系化されていて、自分で勉強もできますから。あとは強い練習相手がいれば。

ケージレスリングで勝負してくる相手をどう極めるか(森戸)
一方的な試合をして、何が何でもMVPを獲ります!(城戸)

――そんななかで森戸選手は北岡選手と対戦します。このカードが発表された時は本当に驚きました。

森戸 僕も長谷川(賢プログレス実行委員会代表)さんから「北岡さん、どうですか?」と連絡が来た時は「え、北岡さん?」とビックリしました(笑)。北岡さんはMMA至上主義というか、あまりグラップリングの試合に出場するイメージがなかったので。最近だと今年、クインテットでグラップリングの試合に出ているぐらいですか。

――MMAの経験がある城戸選手にとっては、北岡選手とはどのような存在ですか。

城戸 僕は今でもMMAを視るの好きですし、北岡さんのレッグロックとギロチンの精度はハンパじゃないと思って視ていました。MMAをやっていれば知らない人はいない選手で、その北岡さんとグラップリングで対戦できるのは凄いチャンスですよね。もっと森戸さんの名前が知られるチャンスだから、ぜひ勝ってほしいですね。

――プログレスのルールで戦うことは、森戸選手にとってメリットはありますか。

森戸 知名度の面でいえば、北岡さんにとってはメリットのない試合ですよね。

――ルールと技術、戦略面のお話です(笑)。

森戸 アハハハ、そうですね。相手がディフェンス力の弱い選手であれば、ルールとか関係なく極めに行けば良いと思うんですよ。でも北岡さんのようにディフェンス力も高い選手だと、極めも守り切られる想定をしながらポイントも考えて試合をしないといけない。それだけ試合の組み立て方が大事になります。

――ケージで戦う、という点は?

森戸 できればケージを使った攻防には付き合わないようにしたいけど、そう簡単には逃げさせてくれないと思うので。相手がケージを使って漬けようとしてきても、僕はそれに対する攻め手も持っておきます。ケージレスリングで真っ向から北岡さんと勝負しようとは思っていません。それでもケージレスリングで勝負してこようとする相手に対しては、僕は柔術&グラップリングを使って、どうやって極めるかを考えます。

――そして今回もボーナスをゲットする、と。

森戸 2大会連続で欲しいです。連続となると前回以上のインパクトを残さないといけないでしょうけど、それでも僕か城戸君が頂きます。

城戸 はい!

――森戸選手が前回、70万円のボーナスを獲得した時の表情は、今まで見たことのないものでした。

森戸 アハハハ! やめてください、そういうのは(笑)。

城戸 いや、メチャクチャ嬉しそうでしたよ。

森戸 え、分かった? クールにいようと努めたんだけど。

――中継画面からも嬉しさが凄く伝わってきました(笑)。

森戸 ファイターが試合をした結果なので、そこは喜びが伝わって良かったです(笑)。

城戸 そうですね。グラップリング界が少しずつ潤っているなぁって思いました。

――城戸選手は森戸選手の推薦という形で、椿選手との対戦が決まりました。

森戸 はい。僕がプログレスに出る時は、いつも関係者の方に城戸君のことは伝えていました。特に最近はノーギの大きな大会で優勝していたので、強く推薦していたんです。

城戸 僕もいろんな人に視てもらうプロの大会で、グラップリングの試合をするのは初めてです。特にMMAの大会でグラップリングの試合に出るのは大きいと思うんです。柔術の大会でノーギの試合に出るのと違って、もっと視聴者の数も違うと思いますし。そこで自分の名前を覚えてもらい、どんどん強い人と試合していきたいです。今後も継続参戦させてもらえるように――今までで一番気合いが入っています。

――プログレスルールだけに、ゴリゴリのMMAグラップリングは復活するのでしょうか。

城戸 それは秘密で(笑)。だけど今は他のこともできるし、椿選手はMMAファイターですからね。相手の専門分野で勝負しようとは思っていないので。70万円を獲るためには、相手の得意なところに付き合ってはいられないです。僕も勝つだけじゃなく一方的な試合をして、何が何でもMVPを獲ります!

■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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【Breakthrough Combat02】Progressで須藤拓真戦、中島太一「フィジカルと柔らかさと運動神経で感覚的」

【写真】流れるような動きに持ち込むことができるのか(C)TAKUMI NAKAMURA

25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、中島太一が須藤拓真とProgressルールで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

グラップラー×MMAファイターという対戦軸のProgressルールが並んでいる今大会のなかでも、中島と須藤の一戦は異色対決と言っていいだろう。中島はRIZINを主戦場に戦う元バンタム級キング・オブ・パンクラス。対する須藤はMMAファイターとしても活躍する一方、グラップリングでも数々の実績を残すノーギ日本最強といってもいい存在だ。

グラップリングの実績では大きな差があるマッチアップだが、中島は「おそらく須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思っていないはず。僕は逆にそこにチャンスがあると思っている」とProgressルールでの須藤撃破の青写真を描いている。


須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思ってない

――中島選手がProgressルールでBreakthrough Combat02出場という話を聞いて、意外だったというのが率直な感想でした。グラップリングの試合には以前から興味があったのですか。

「そうですね。ずっとMMAとは別でグラップリングの試合には出たいと思っていました。特にそういう発信もしてなかったし、オファーも来てなかったので、やる機会がなかったんですけど」

――そうだったのですね。

「はい。グラップリングの練習そのものは好きだし、自分の中でグラップリングは得意な方だと思っているので、それを試してみたいなとずっと思っていました。だからチャンスがあればボクシングとかもやってみたいんですよ。自分では自分を全部できるファイターだと思っているので、 グラップリング、ボクシング……個々の専門競技はなんでも一度はやってみたいです」

――試合という部分で言えば4月のRIZIN46でキム・ス―チョルにKO負けしてから試合間隔が空いていて、MMAでの復帰を考えていたと思うのですが、年内はMMAの試合が決まらなかったのでしょうか。

「スーチョル戦後にRIZINで試合が決まりかけたんですけど、それがハマらずに流れてしまって。それでどこかで試合がないかを探していたところ、この試合が決まりました」

――先ほどは自分のグラップリングを試してみたいということでしたが、自分では自分をどのようなグラップラーだと思っていますか。

「フィジカルと柔らかさと運動神経で、感覚的に戦うような、そういうタイプだと思います。対戦相手の須藤選手とは全く逆のスタイルですよね」

――中島選手は練習するうえで自分の感性や感覚を大事にするタイプですか。

「大事にしていますね。だから練習した相手から『珍しい動きするね』って言われたりします。よくYouTubeで色々動画を見るんですけど、ボクシングでもグラップリングでも、こういうのいいなと思ったら、まずはそれを自分のやりやすいように試してみて、それを自分のなかで消化していくという作業を繰り返しています」

――そうやって自分のファイトスタイルを作り上げているんですね。

「だから僕の動きはオリジナルなんです。同じ技の形でも、人によってはやり方が全然違うじゃないですか。じゃあ例えば青木(真也)さんにいい技を教えてもらっても、それをみんながみんな使えるわけじゃない。

あくまでその人のやり方だと思うので、自分で自分のやり方を見つけて、自分のものにしていかないといけない。そこは打撃でもグラップリングでも常に考えながらでもやっています」

――今回の対戦相手は須藤拓真選手で、予測不能なマッチアップになったと思います。最初にオファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「はいはいはいはい…って感じです。グラップリングの足関節で言ったら、ナンバーワンの選手じゃないですか。MMAと並行して柔術やグラップリングの試合にも出て結果を出す選手というのは最近では珍しいですよね」

――ずばり須藤選手の足関節にどう対処するかがポイントだと思いますが、どんな対策を練っていますか。

「スパーリングパートナーの方に足関節をたくさん狙ってもらって…という感じでお願いしていますけど、周りに須藤選手レベルの足関節が出来る選手はいないので(苦笑)。だから練習でも対策もそうですし、練習以外でも須藤選手のことを考えて、ずっとイメトレしています」

――お互いに組み技のスタイルを確立しているからこそ、自分の感性をぶつけてみたいですか。

「はい。おそらく須藤選手は自分が一本を取られるなんて1ミリも思ってないと思うんですよ。僕は逆にそこにチャンスがあると思っています。最近はグラップリングで一本を取る技も増えてきたし、そのレパートリーも増えてきたので、それが上手くハマれば一本取れるかなと思っています」

――もしこの試合が柔術や一般的なグラップリングだったら厳しいと思いますが、MMAに近いProgressルールだからこそチャンスがあると思っていますか。

「僕はやりやすいですね。グラップリングにも色んなルールがあるなかで、ProgressルールはMMAファイターが勝ちやすいルールだと思うので、見ている人たちにも面白いと思ってもらえる試合をしたいです」

――中島選手はMMAが本業なので、今回のProgressルール挑戦が今後のMMAにどう活かされると思っていますか。

「須藤戦に向けて練習がハードになっていくし、自然とモチベーションも高くなって、気持ちも試合モードに切り替わります。今は普段の試合前のいい緊張感とモチベーションで練習できているので、それだけでもうプラスだと思います。しかも須藤選手という今までにない対戦相手の対策もしているので、そこでのレベルアップもできるし、すべてが自分のMMAにとってプラスになっていると思います」

――2025年はどんな目標を持って戦っていきたいと思っていますか。

「今年は(MMAを)1試合しかできずに痛い目を見たので(苦笑)もう少し計画的に試合を考えていこうと思います。自分の理想としては年間3試合ぐらいやりたいし、来年もグラップリングやそれ以外の試合のチャンスもあれば挑戦して、コンスタントに試合をしたいです」

――それでは最後に今回の試合で自分のどのような姿を見せたいですか。

「中島太一、グラップリングがこんな強いんだ!というところを見せたいですね。この試合に向けて作り上げているものに自信があるというか。僕もずっとレベルが高い人たちと練習を積み上げてきているので、そう簡単には取られないと思いますし、楽しみにしていてください」


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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【Breakthrough Combat02】中原由貴とProgressライト級王座決定戦、安楽龍馬「ピュアレスリングは必要」

【写真】今回だけでなく、これからが楽しみ(C)MMAPLANET

25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、安楽龍馬が中原由貴とProgressライト級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

レスリングU23世界選手権3位、五輪を目指したレスラーのグラップリング転向。過去の日本のグラップリングシーンは柔術家が道着を脱いで戦うか、MMAファイターが打撃無しルールに挑むのか──その2つのスタイルで構成されてきた。レスラーがMMAでなくて、グラップリングへ本気で挑む。安楽のグラップリングへの想いと、レスリングの重要性について訊いた。


――五輪を目指すレスラーが、MMAPLANETの取材フィールドに転向してくる場合はほぼほぼMMAファイターへの転身です。安楽選手が競技者として食うことが難しいグラップリングに転じたのは、どういった理由からなのでしょうか。

「2023年にパリ五輪の1度前の予選があって。その前の年ぐらいから僕自身は、今はAACCでコーチをしている稲葉(洋人)という人間、もう一人は中村倫也さんの弟の剛士と3人で、レスリングの普及活動を始めるようになっていました。

その時に今では僕の師匠に当たる竹浦(正起)さんを紹介してもらい、グラップリングの人たちにレスリングの指導を始めたんです。初めてグラップリングに触れて。竹浦さんから指導だけでなく、スパーリングもしてみたらと誘われました。その最初の相手が世羅(智茂)さんでした」

──おお。

「僕は世良さんのことも知らなくて。テイクダウンを狙うと、どんどんギロチンを極められてしまって。それに対して、悔しいのと楽しいという感情が沸き上がってきたんです。強さを求めて、練習していたレスリング時代を思い出すような感じで。レスリングを辞めたら、グラップリングを始めようと思いました」

──新しい競技で、コンペティターとしての熱が戻ってきた?

「そうですね。残りの2人は仕事を持って、指導をしているんですけど、僕はプレイヤーでいたいと思ったんです」

──それまでにグラップリングという競技のことはご存知だったのでしょうか。

「U23世界大会に出た前日に、FILAの世界グラップリング選手権をやっていたトミー(矢野)とか出ていました。グラップリングで来ているんだなって感じで、名前ぐらいしか分かっていなかったです」

──テイクダウンをしてフォールをすると勝てる競技から、座って良くて背中をつける人だらけの競技への転身。もう、体の方はスムーズに動くのでしょうか。

「最初はいきなり座られると、リズムが狂いました。取りあえず触ると、すぐにひっくり返されて極められしまう。そこが悔しいけど、面白く感じました。ただポジションや足の位置もレスリングに似ているようで、全然違います。すぐにアジャストできたわけではないですけど、最近では自分も下から攻めるチャレンジをしています。

あとは上からパスをして、サブミッションを狙う動きができてきて。毎日が充実していて、学びがあります。今はレスリングの時はレスリング、そうでないときはグラップリングで対応するようにしています」

──転向とともに、ADCCを目指すように?

「そうですね。ADCCが自分の長所であるレスリングを出せるので、まずはADCCを目指そうと思いました」

──ところで道着の柔術の稽古を行うことはあるのですか。

「道着はまだないですね。やってみたいんですけど、まだ手を出していないです。選択肢を増やすために、柔術は大切だとはよく言われます。レスリングも最初は技術を頭の中にインプットして、それを試合で出せるようにしていたので、そこは凄く分かります。それでもグラップリングの技術を覚えるのは難しいです。

最初に道着をやった方が良いと言ってくれたのが岩崎(正寛)さんで。『安楽君、技が少ないから』と。30分、40分と電話で話して、今も連絡を取り合っているのでカルペディエム芦屋に行って習いたいですね」

──つまり現状ではグラップラーとして、持っているモノは少ないという認識でいると。

「ハイ。そういうなかでProgressのタイトル戦を戦って良いモノかという想いもありましたが、オファーを頂くこと自体が有難くて。評価していただいていることなので、頑張りたいと思います」

──Level-Gでのグラップリング初陣で内田タケル選手に勝利。あの試合は今持っているモノで判定勝ちできる。レスリングで勝てるという確認ができた形でしょうか。

「実は4月に股関節を脱臼し、10月に練習に復帰したばかりで。その1週間後ぐらいにオファーがあったんです。竹浦さんと相談して出ることにして。強い相手と聞かされていたのですが、五輪を目指していた時の練習量とか考えると一緒だし。まぁ、やるしかない。あの時は何もなかったので、レスリングで勝とうと思いました」

──グラップリングに対して消極的でもなく、積極的でもない。良い塩梅でやり切ったように見えました。

「ありがとうございます(笑)。いい具合に見せることができました」

──そして中原戦。同じMMAファイターでも内田選手は柔術家の一面もあり、タイプが違います。実際、MMAファイター同士のProgress戦で中原選手は中川晧貴選手をケージに押し込んで、テイクダウンしています。

「ケージレスリングはレスリングとは別の競技なので。青木選手とか、練習させてもらうと最強で。最近、ようやく慣れてきた感じです。ただ一つひとつ試していると、ここは力が使える。ここは休めるとか、レスリングが応用できてきています。そういう意味でもピュアレスリングは必要です。

グラップリングのトップにいてもレスリングのトップの動きができるところと、そうでないところがあります。それが分かることで、やはりレスリングは重要だと想えるようになりました。それにMMAではないので。MMAなら殴れるというケージレスリングもできますし。いやぁ、僕にMMAは無理ですね(苦笑)」

──それはなぜ?

「痛いのは嫌です。さっき(新居)すぐるさんにカーフを蹴られて、たまったもんじゃないですよ(笑)」

──ハハハハ。と同時に打撃の無いMMAと形容されるProgressだけにレスリング・グラップラーの安楽選手の最も得意とするルールセットのようにも感じられます。

「そこはサブオンリーも変わらないです。有利不利とか考えず、自分は変わらず……不安があるなかで、どこまでできるのか。トップを取れば、動いてサブミッション。逃げようとすると抑える。下になるとスイープをしたりだとか、どんな風に攻めようとかと考えています」

──安楽選手が下になることもあると?

「そこは考えていますね。中原選手は柔道ベースで、足掛けとかも凄く上手いので。フィジカルも強そうですし、内田選手と違って硬い系です。胸を合わせることがあれば壁とか関係なしに、技術で対応したいです」

──この試合を通して、見て欲しいところはどこになりますか。

「ハンドファイトは長けている方なので組手や、テイクダウンの距離というところを見て欲しいです」

──この試合を終えて、2025年のグラップラーとしてどのようにステップアップを果たしたい?

「今後もBreakthrough Combatに引き続きオファーを貰いたいですし、まだまだ経験が少ないのでできるだけ多くの大会に出てどんどんチャレンジしたいです。全日本ノーギ、海外も修行しに行きたいですね。1月にADCCオープンが東京にあるので、まずはそこを向けてまずは調整しようと思っています」


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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Breakthrough Combat02 Interview J-CAGE JJ Globo ブログ 中原由貴 安楽龍馬

【Breakthrough Combat02】安楽龍馬戦、Progressの伝道師=中原由貴「右腕を遊ばせている時間もあった」

【写真】MMAサイドから、ここまでProgress論が語られるのは初めて。今回に限らず、MMAと並行活動&継続参戦で、この世界観を広めていってほしい(C)MMAPLANET

25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02で、中原由貴が安楽龍馬とのProgressライト級王座決定戦に臨む。
Text by Shojiro Kameike

Progress初戦となった10月の中川晧貴戦で勝利しただけでなく、このルールで戦うことの楽しさが試合中から溢れ出ていた。さらに試合後のインタビューでも、その楽しさを爆発させる中原。今回の取材で彼が語ったのは、まさにプログレスのコンセプトであり、MMAグラップリングに必要な考えでもある。「プログレスのルールって分かりづらいよね」と思っている方たち、ぜひ彼の言葉に耳を傾けてほしい。きっとMMAグラップリングの面白さと必要性が理解できるはずだ。


――試合前のインタビューから試合中、さらに試合後の解説席でもプログレスで戦うことの楽しさが伝わってきた中原選手です。まずは10月の中川戦で初めてプログレスルールを経験した感想を教えてください。

「最近のMMAで必要なスキル――単純な柔術でもなければ、単純なレスリングでもない。俗に言うMMAグラップリングという言葉で表されるような技術であり、ルールに則ってやらなきゃいけない。それが競技者にとって面白かったですね」

――その面白さは試合の中で、どのような場面に表れていましたか。

「プログレスも一本を取ることで試合が終わります。でもサブミッションオンリーと違って、上から殴れる位置にいるのであれば動かなくていい、というか(苦笑)。何より試合に出る競技者自身がコンセプトを理解していないと、試合はつまらなくなると感じましたね」

――おぉっ!

「サブオンリーはお互い取り合うコンセプトだと思うけど、ケージがあったりすると下になったほうも『極められなきゃいいや』って考えじゃダメですよね。立って取りに行くからこそ、上になったほうが動くシーンも出来る。パスしても得点に繋がらないところにも意味があるというか。プログレスは下が立つ前提でつくられているルールなのかな、と思います」

――プログレスのルールは、全てにおいてMMAを想定していると腑に落ちる部分はありますよね。

「はい。立ち上がって離れたら1ポイント――この1ポイントを、ないがしろにしてはいけないルールで」

――試合中も「MMAだったら、こう」と考えながら動いていたのでしょうか。

「そうです。もっとサブオンリーみたいな動きをしたかったけど、まずサイドに行ってもブリッジでも何でも返されたら相手にポイントが入ってしまいますよね。何か仕掛けられて、それを自分が防ぐために下になっても、相手にポイントが入ると考えたら……。

パスに行くメリットとリスクを天秤にかけた時、『これがMMAであれば俺は殴れるポジションだから、相手のリアクション待ちで良い』という場面はありました。相手が背中を見せたりして立ってきたところで、バックを取ったら自分にポイントが入る。だから『ちょっと動いてくれ』、『MMAだったら殴れるな』という意味も込めて、右腕を遊ばせている時間もあったんですよ」

――えっ!? どういうことですか。

「それが相手には伝わらなかったみたいで、ずっと背中を着けたままだったんですよね。向こうも展開をつくられるのが嫌だから、ずっと止まっていて」

――右手を遊ばせていた……中川選手だけでなく、視ているコチラにも伝わっていませんでした(苦笑)。

「アハハハ。ぜひ試合の映像を視返してください。2Rにトップを取った時、ハーフに行く手前で相手の足を押さえた状態で、右手を遊ばせているシーンがありますから」

――なるほど!  総じていえば、中川選手はグラップリングとして戦った。対して中原選手はMMAのグラップリングとして戦ったという印象を受けました。

「そう思います。僕自身もサブオンリーのような動きをしたかったけど、ポイントや壁レスの展開について考えると、思っている以上にサブオンリーに近い動きができなくて。だから自分がポイントを取ってから切り替えたんです。よりMMAのことを考えた動きに『あぁ、そういうことか』、『MMAに近い動きをしないと負けちゃうな』って思いました。それは、試合の途中から」

――ブラジリアン柔術は護身や、バーリトゥードで勝つための手順にポイントが与えられ、UFCを経て発展してきました。現代MMAにおいてはプログレスが、その意味を持っているとも思います。

「たとえばプログレスでは自分が足関節を取りに行って、足を抜かれて下になってしまうと相手に2ポイントが入りますよね。サブオンリーだと、そこでポイントは発生しない。MMAなら自分が仕掛けて下になると、今度は自分が殴られてしまう。試合をしているなかで、そういうプログレスのルールやコンセプトが、どんどん自分の中で消化されてきました。『あぁ、そういうことか』って、試合をしていて楽しかったです」

――その楽しさは試合中からも伝わってきました。おかげで視ている側も楽しくなるぐらいで。テイクダウンひとつとっても、それがレスリングのテイクダウンでも、柔術のテイクダウンでもなく。

「相手がケージ中央での組手を嫌がっている感じがあったんですよ。自分としては、あそこで潜ってバックに回るとか、そういう動きも練習もしています。でも自分の思ったような動きができていないし、相手は腰が重い。

そう考えていたなかで1Rの終わりに、ポイントには繋がらなかったけど、ダブルレッグで押し込んで引っこ抜くことができたんですよ。だから次は方向を変えたら、キッチリ倒すことはできそうだなと思って。壁で戦えば、しかも下に行けば行けるんじゃないかと思って。その点についてはラウンド間に修正しました」

――ケージ際のダブルレッグでは、押し込んでいる時に低く攻めすぎることもなかったですね。

「あぁ、それはMMAならではというか。やっぱり頭を下げすぎると殴られるし、自分がジリ貧になることも見えているので。それは意識していたというか、壁レスをやる時のクセかもしれないです」

――次の相手はMMAを経験していないレスラー、安楽選手です。レスリングをやってくることはもちろん、柔術の技術も持っているでしょう。そんな安楽選手との試合で、MMAグラップリング以外の動きをすることもありますか。

「僕もその点に行き着きました。前回はグラップリングの試合だからと、練習仲間の中でも寝技が強い人のところに行っていたんですよ。普段の練習スケジュールを変えて、寝技を毎日やっていたんですね。でも実際の試合では、平場での上下の攻防は全くなく、ずっとケージ際にいたじゃないですか。

今回もオファーを貰った時、『じゃあレスリングの練習に行くか』みたいなことも言われました。でも今さら1カ月半、レスリングを頑張ったところで相手との差は埋まらないですよね(笑)。相手はずっとレスリングをやってきて、そんななかでも他とはモノが違う選手だから」

――はい。

「だから今回は練習スケジュールを変えることなく、MMAを戦う時のスケジュールで練習しています。MMAの試合をするつもりで」

――安楽選手はMMAを想定してプログレスの試合に臨むことはないでしょう。しかしテイクダウンを奪いに来る。グラップリングであれば、中原選手が下から足を取りに行くという選択肢もあります。

「それは僕の中で葛藤があって――たとえば相手はMMAファイターほど壁際のキープが強くない、と想定した場合の話ですけど。テイクダウンを取られる度に僕が立ちに行っても4-2、6-2とポイント差が開いていきますよね」

――加えて、どんどん削られてしまいますし。

「そうなんですよ。そこで自分は得点を捨てて、極めに行くのか。でも相手がガードの中に入ってきてくれなければ、そういうゲームにならない。『極めに行くなら、このシーンで』とか、僕の中でも何パターンかは意識しています。MMAとして極めるチャンスをつくりたいですね」

――MMAでは中央アジア勢をはじめ、レスリングが強すぎるファイターも多いですし。

「MMAを戦ううえでレスリングというのは絶対に、できなきゃいけない。できて当たり前みたいな選手がいるなかで、安楽選手みたいな実績のあるレスラーと、このルールで戦えるのは良い経験になります」

――MMAファイターの中原選手にとって、プログレスで戦う意義とは?

「やっぱり自分の成長を確かめることができるという点ですね。練習仲間とでも成長は感じますけど、向こうの手の内も分かっている。すると、ちょっと小細工すれば相手がやりたいことを潰せたりしますから。

プログレスはちゃんと勝ち負けがあるルールで、全く知らない相手に――普段からMMAファイターとして積み上げているものを、ぶつけてみる。自分は成長したいし、成長するための戦いだと思っています。ファイトマネーを貰っていて申し訳ないですけど(苦笑)」

――たとえば森戸選手のような柔術家と戦うことをイメージしたりしますか。

「もちろんです。普段からMMAのスパーリングでも柔術黒帯の方と練習させてもらったりするなかで、今までは相手が仰向けに寝技に誘ってきたら、自分は立っていました。でもここ1年半、2年ぐらいはガードの中に入っていくんです。最初は極められることもありましたけど、今は取られることも少なくなって。もしプログレスで、そういう柔術家と対戦することになったら、クソつまらないけど勝ちに行くゲームはできる気がします」

――今後は様々なタイプの選手との対戦を期待したいところです。その前に今回は、安楽選手とベルトを賭けて戦います。

「まぁ……ベルトは懸かっていますけど、今回は安楽選手に勝つっていうことのほうがデカいですよね。モノが違うので『次の試合、自分は何ポイント取られるんだろう?』と思っていますよ(笑)。安楽選手に勝って巻くからこそ、このベルトに価値があるんです」

■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat02対戦カード

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]北岡悟(日本)

<Progressライト級王座決定戦/5分3R>
中原由貴(日本)
安楽龍馬(日本

<バンタム級/5分3R>
吉野光(日本)
川北晏生(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・イサク(韓国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<Progress68キロ契約/5分2R>
須藤拓真(日本)
中島太一(日本)

<Progress71キロ契約/5分2R>
城戸泰介(日本)
椿飛鳥(日本)

<フライ級/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
古賀優兵(日本)

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45 AB Breakthrough Breakthrough Combat02 GFC Gladiator Level-G MMA MMAPLANET o Progress RIZIN Road to UFC Road to UFC2022 UFC YouTube   ソルト チェ・スングク チェ・ドンフン チャンネル 中原由貴 中島太一 今成正和 八隅孝平 北岡悟 原虎徹 古賀優兵 城戸泰介 安楽龍馬 森戸新士 椿飛鳥 石井逸人 長南亮 長谷川賢 須藤拓真 高橋SUBMISSION雄己

【Breakthrough Combat02】Progressで須藤拓真×中島太一。Xで呼びかけTUF準優勝者と古賀優兵決定

【写真】RTUで5試合を戦い、3勝2敗。それでいて通算戦績8勝3敗のチェ・スングク。今年の3月に原虎徹にスプリット判定勝ちでDouble GFCフライ級王者に。ちなみに前王者は今年のRTUを制したチェ・ドンフンだ (C)MMAPLANET

19日(木)、PROGRESS実行委員会より25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02の追加カード=ProgressとMMA各1試合が発表されている。
Text Manabu Takashima

グラップラー×MMAファイターという対戦軸のProgressルールでは須藤拓真×中島太一という68キロ契約の一戦が発表されている。これで同大会おけるProgressマッチは暫定ウェルター級チャンピオン森戸新士×チャレンジャー北岡悟。安楽龍馬×中原由貴のライト級王座決定戦。そして城戸泰介×椿飛鳥の71キロ契約マッチに続き4試合となった。

須藤はMMAファイターとしても活躍しているが、Level-Gライト級王者として今成正和から一本勝ち、全日本ノーギ茶帯フェザー級&オープンを制し、さらに高橋Submission雄己企画の50/50-1GPまで制しており、ノーギ日本最強といっても良い存在だ。


対する中島はプレスリリースによると、所属するロータス世田谷の八隅孝平代表から参戦要望が届き、今回の対戦が実現した。ところでBreakthrough Combatの前日計量が実施されているが、この両者の一戦は当日計量のキャッチウェイトとなったそうだ。

理由は勤め人の須藤は師走の繁忙期に2日も会社を離れることができないため。水曜開催という珍しさも、選手には色々と影響を与えることが伺える須藤の計量&休日事情だ。

一方のMMAマッチは韓国のチェ・スングク×古賀優兵というある意味ミスマッチが決まった。チェ・スングクはRoad to UFC2022のフライ級準優勝、さらにはRTU2023ではベスト8だった現Double GFCフライ級チャンピオンだ。

対する古賀はキャリア2勝4敗のファイターで、どう考えても実力は大きい。実はチェ・スングクはBreakthrough Combat旗揚げ大会でオトゴンバートル・ホルドバートルとの対戦が決まっていたが、交通事故に遇い正式発表前にこの興味深い一戦は流れていた。

その後、今大会で両者の対戦が組み直されていたが、オトゴンバートルにGladiatorフライ級王座決定戦の話があり、主催者側が発表前ということもありオトゴンバートルの意思を尊重し、チェ・スングクも他の相手と戦うことを了承したということ。

しかしながら、ここからチェ・スングクの対戦相手探しが難航した。結果、Xで長谷川賢が対戦募集を行うのと直ちにTRIBE TOKYO MMAの石井逸人から、古賀の推薦があったという。長谷川はTTMの長南亮代表に確認をいえると、以下のような返答があった(プレスリリースから抜粋)。

「チェ・スンググ選手の対戦相手を募集していると聞き、真っ先に石井逸人に『古賀を推薦しろ』と伝えました。『試合がしたいけど長南さんが組んでくれない』とぼやきながら毎日練習に来るアラサーの負け越しファイターですが、格闘技以外に特に好きな事もなくゾンビのように練習して時間だけが流れていく毎日。代表である自分はちゃんと定職に就いて、人並みの生活を送って欲しく思っているのに、彼の幸せはジムに来ては若い奴らと混ざって汗を流す毎日にあるようです。貧乏に生きる悔しさもなく、試合に負けてもさほど悔しくも無く、同じ毎日を過ごす中で転がり込んできたこのビッグチャンス。俺をはじめ見ている皆を驚かせて欲しい」と。

MMAバカか掴んだ千載一遇の機会。ここに手を挙げたことは今回の勝負だけでなく、今後の古賀のMMAファイター人生において突破口を開くことになれば──これこそBreakthrough Combatという新しい試みの存在意義となろう。

なお、リリースに寄せられた今回出場が発表された4選手の意気込みは以下の通り──やはり古賀が頭抜けて個性的だ。

須藤拓真
「前回のProgressでは引き込みで、ポイントを献上しての敗北。悔しい思いをしました。立ち技が出来ないやつと思われるのも癪なので、レスリングの練習を強化しました。今回はテイクダウンしまくって塩漬けにして逆にポイント勝ちを狙おうと思います! 進化した自分を見せます!レッグハンター改め、ソルト須藤です」

中島太一
「足関節技のスペシャリストと戦える事にドキドキワクワクしています。足ぶっ壊されないように頑張ります!」

チェ・スングク
「Double GFCプライ級チャンピオン、コリアン・ゾンビ所属のチェ・スングクです。ます対戦相手を探すのに大変な苦労をしてくださった関係者の方々に感謝します。そんな時にXで自分との試合で名乗り出てくれた古賀選手、本当にありがとうございます。日本で初めての試合ですが、全ての面で圧倒し一本勝ちします。それが今回、名乗りを挙げてくれた古賀選手への礼儀だと思います。いつかBreakthrough Combatのチャンピオンになって、ゆくゆくはRIZINのような大きな舞台で試合したいと思っていますので、見ていて下さい」

古賀優兵
「2連勝しオファーを待っていても、試合の声はかからず。相変わらずの毎日を過ごす日々。練習仲間は国際戦や大きな舞台で活躍しているけど、自分にはそんな機会は一生ないと思いながら毎日練習している。そんな時に韓国人の強豪選手の相手を探していると聞き、迷う事なく手を挙げた。断ったり躊躇する選手も多いと聞くが失うものの無いものに恐怖などない。私のような者に戦う機会を頂けた事深く感謝します。かつてない強豪と試合するにあたって長南代表には死んでこいと言われています。自分が持っている物を全てぶつけて死ぬ気で勝ちを取りに行きます」

また今回のチェ・スングク×古賀の試合決定の報には、他にも対戦募集に呼応した選手もあり、その選手らの今後の同大会の出場を考慮することも示唆されている。


■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Breakthrough Combat02】Progressでグラップラー×MMAファイター。きたぁ、森戸×北岡。安楽×中原

【写真】これは楽しみ。ただ楽しみ (C)MMAPLANET

29 日(金)、PROGRESS実行委員会より12月25日(水)に会場非公開&配信大会としてBreakthrough Combat02が開催し、カード第一弾としてProgressルールでグラップラー×MMAファイターの対抗戦3試合が発表された。
Text Manabu Takashima

テイクダウンやリバーサルというトップ奪取に2Pが入り、下の選手がスタンドに戻って正対して離れるとスクランブルとして1Pが挽回されるグラップリング=Progressは打撃のないMMA、そしてADCC後半戦&現代グラップリングに欠かせないレッスルアップの強化につながる──MMAとグラップリングの接点となる戦いだ。

今大会では、そのProgress暫定ウェルター級チャンピオン森戸新士に北岡悟が挑戦するタイトル戦。そして安楽龍馬×中原由貴のライト級王座決定戦。加えて城戸泰介×椿飛鳥の71キロ契約マッチというグラップラー×MMAファイター3試合が組まれることとなった。


10月の旗揚げ大会で泉武志を三角絞めで下し、同王座防衛に成功した森戸は2週間後にLevel-Gで新居すぐるも三角絞めで仕留めている。「正直、MMAファイターは極めやすい」というコメントを残している森戸だが、同時に「摩嶋(一整)選手は練習でも、本当に強い。Progressルール日本最強です」という発言もしている。

組み強さと壁際のテイクダウン能力の高さ、そしてサブミッションへの防御能力。ここは北岡にも通じるはず。そして、下になるとポイント的に不利なルールでトップ奪取能力があり、柔術を消化した北岡は森戸にとって過去にない強敵になる可能性は十分になる。

グラップリング転向プロ2戦目にして、安楽がタイトルを掛けて中原と戦う試合も見逃せない。U-23世界3位のレスラーに対し、今やMMA界では誰よりもProgressルールの意味合いを理解しているといっても過言ない中原。相手がレスラーだろうが、ここで下にならない&スクランブルを制することは彼のMMAの完成度を高める。MMAで強くなることに直結した組み技強化を命題とした中原に対し、安楽ががぶりの先のブラップリングを見せるのか──注目だ。

さらに森戸の推薦で待望のProgress初対決となる城戸は全日本ノーギ、SJJFワールドのノーギ部門で世界一に輝いた茶帯の柔術家だ。森戸の連戦を支え、粒さに見てきた城戸に対するは修斗世界フェザー級選手権試合が一旦流れた椿。

椿は旗揚げ戦で中川晧貴とのProgressマッチを戦う予定だったが、修斗世界戦が決まったためリスク回避で出場を取りやめていた。実は2022年5月にHEATを舞台にProgressルールで竹浦正起にヒールで一本負けを喫している椿にとって、この試合は柔術家へのリベンジマッチでもある。

試合が流れる以前に王者SASUKEから「本気でUFCとか口にするなら1カ月前のグラップリング戦を欠場しない。格闘役者」と手厳しい指摘もあったという椿。この試合を経て、修斗世界挑戦を盛り上げることに成功するのか。これも大きなチャレンジとなる。

そしてMMAとグラップリングの接点で、勝利を手にするのはグラップラーなのか、それともMMAファイターなのか。ベルトの行方とともに、異種格闘技的な見方も成り立つ3試合だ。

なおリリースの寄せられた出場6選手のコメントは以下の通りだ。

森戸新士
「北岡選手は日本格闘技界のレジェンドなので戦えることを光栄に思います。試合はいつも通り積極的に一本狙いにいきます! 応援よろしくお願いします!」

北岡悟
「Breakthrough Combatのケージで、組技が日本で指折り強い選手と思いっきり真剣勝負の練習試合をやります!! よろしくお願いします」

安楽龍馬
「今回このような大きな舞台で中原選手と戦える事嬉しく思います。ポイント制であったり、ケージで下になると相手に点数が入るなどアグレッシブ性を求められるルールで試合をするのはすごく新鮮です。当日は全力でプレーします」

中原由貴
「今回、レスリングで素晴らしい成績を収めている安楽選手と戦う事で自分にとってはかなり良い経験になると思いオファーを受けました。MMAに活かす為にも、前回とは違いプランを立てて勝ちに行きます」

城戸泰介
「ずっと出たかったプProgressに参戦できてとても嬉しいです! 椿選手はMMAで実績を残している強豪なので、しっかり準備して極めることができるよう頑張ります。応援よろしくお願いします!」

椿飛鳥
「11月30日に予定されていた修斗フェザー級タイトルマッチが、相手のケガにより中止となってしまいました。Breakthrough Combat第1回大会に出場予定でしたが、その後に修斗のタイトルマッチのオファーが有り、ご相談させていただいた際に快く送り出していただいたこと改めて感謝申し上げます! 仕事が繁忙期で大変なのでサクッと終わらせて業務に戻れるよう頑張ります! 来年修斗のチャンピオンになるために弾みをつけられるような試合をできるよう頑張りますので、ご注目ください!」

■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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45 Breakthrough Combat01 MMA MMAPLANET o Progress RIZIN 中原由貴 中川晧貴

【Breakthrough Combat01】「MMAを意識して戦った」中原がTDで2p。中川はスクランブルも届かず

【写真】まさにMMAグラップリングを見せた中原。これぞProgressの意義だ。(C)MMAPLANET

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴(日本)
Def.2-1
中川晧貴(日本)

中川がスイッチしながら触りに行く。前に出てケージを背負わせた中原が、左足にシングルレッグで組みつき、すぐ右足に切り替えて尻もちを着かせた。中川も立ち上がり、がぶりながら離れる。しかし中原が再びシングルレッグで足を取り、中川をケージに押し込む。右足を引く中原。中川も右オーバーフックで耐える。中原は右足首を取って崩しにかかるも、ここも中川が耐えた。

右オーバーフック&右足を差し込む中川を、中原はボディロックから引き倒しに行く。凌いだ中川をケージに押し込み続ける中原。中川は正対しきれず離れた。距離を取って足を触りにいく中川に対し、中原がシングルレッグで組みつき、ダブルレッグに切り替えて尻もちを着かせた。中原の右腕をキムラで抱え、立ち上がる中川。そのまま腕を取ろうとしたところで初回終了のゴングが鳴った。

最終回、ケージ中央で組むと中原が崩しにかかる。プレスをかけてから手四つで中川をケージに押し込む中原は、シングルレッグに切り替えてリフトするも、中川は倒れず。ならばと中原はダブルレッグで組み、完全にテイクダウンを奪って2pを獲得した。ケージに背中を着けた中川を、中原が胸を合わせて押さえ込む。

中原は連続してパスを仕掛けるも、中川がフックガードで守る。ハーフガードから立ち上がろうとする中川を、首に圧力をかけて押さえる中原。中川がガードに戻して中原の右肩を抱えるが、それを振りほどいた中原がパスを狙い続ける。立ち上がった中原の足を狙った中川が、そのまま立ち上がってスクランブルの1pを得て試合を終えた。

ポイント2-1で勝利した中原は「(中川は)腰がメチャクチャ重かった。やってみると難しいルールですね。楽しかったです。ここでパウンドが混ざって、さらに――途中からMMAを意識して戦いました」と、Progressルールについて語った。さらに来場しているRIZINの柏木氏に「試合お願いします」とアピールしている。


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【Breakthrough Combat01】キャリア3戦目、吉野光戦へ。シンバートル「繊細さで上回っていれば勝てる」

【写真】目指す舞台は、UFCというシンバートル。今回がキャリア3戦目となる (C) MMAPLANET

本日30日(水)、会場非公開で開催される配信イベント=Breakthrough Combat01のメインで吉野光と戦うシンバートル・バットエルデネは、これがキャリア3戦目というファイターだ。
Text by Manabu Takashima

2戦目で元Gladiatorバンタム級王者テムーレン・アルギルマーを下し、シャンダスMMAの新兵器と呼ばれるようになった。4日前に22歳になったばかりのモンゴリアンMMAニュープロダクトに話を訊いた。


──日本で戦うことが決まりました。

「話が来た時は、本当に嬉しかったです。練習仲間のオトゴンバートルやダギースレンが日本で試合をしてきたので、自分も本当に日本で試合がしたいと思っていました。その想いが叶うので、メチャクチャ練習をしています」

──5月にテムーレン・アルギルマー選手に勝利し、シャンダスMMAの新兵器という風に呼ばれています。

「凄く嬉しいです。テムーレン選手に勝って、日本の人々が自分に興味を持ってくれて嬉しい限りです」

──ところで対戦相手の吉野選手は日本で名の通った吉野光選手です。キャリアも15戦以上あります。対して、シンバートルはキャリア2戦。試合を受けることに躊躇することはなかったですか。

「確かに経験豊かで、強い相手です。ただし自分も、このシャンダス・ジムで強くて経験のある選手たちと練習をしています。その練習の成果を見せたいです。シャンダスMMAでは今年の1月からトレーニングをしています。

ナラントンガラグ先生が指導し、活躍している選手が多いのでシャンダスに入門したんです。それまでの1年はマザーライMMAで練習をしていました」

──つまりテムーレンとは元チームメイト対決だったのですね。

「そうですね。まぁ、試合ですから。試合となれば、以前の同門とかという気持ちはなくなります。目の前にいる相手なので、殴るだけです」

──その練習仲間から日本で戦うことに関して、アドバイスはありますか。

「皆から貰っています。皆が教えてくれますが、敢えて言うとエンフオルギル・バートルフー選手から『自分がやれることをやれ』と言われたことが一番残っています。なのでレスリングで勝負します。自分が一番できるもので、戦います」

──フオルギルは日本で戦ったことはないかと思うのですが……。レスリングで勝負、コンバットサンボやシュートボクシングの国内大会で結果を残しているシンバートルですが、もともとバッググラウンドはレスリングだったのですか。

「自分はホブスゴル県で生まれ育ったのですが、子供の頃からモンゴル相撲と柔道をやってきました。県の大会レベルで優勝したぐらいで、大きな大会で結果を残すということはなかったです。ただ、試合にはよく出ていました。なので自分のベースはモンゴル相撲と柔道です」

──それでいてコンバットサンボやシュートボクシングのように打撃のある競技でも結果を残しているのですね。

「実はまだ打撃の練習はしていなかったのですが、なぜか打撃のあるルールの方が戦いやすと感じていました」

──吉野選手は柔道出身、組み技の強さが売りの選手ですが、レスリング勝負ということは組みでやり合える自信があるということですね。

「ヨシノは色々な技を持っていますね。柔道がベースなのは明白です。私はレスリングで対抗します。自分のレスリングの技術は、ヨシノの柔道よりも繊細です。その繊細さがあれば、彼を上回ることができます。

何よりも、ファンの人達につまらない試合は見せたくないです。スキルのある、技術的に高い試合を見せたいと思うので自分は準備万端で日本へ行きます。ヨシノもそのつもりで、調整をしてほしいです」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)午後6時30分~
ザ・ワンTV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01計量結果

<バンタム級/5分3R>
吉野光:61.5キロ
シンバートル・バットエルデネ:61.5キロ

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士:76.45キロ
[挑戦者]泉武志:──キロ※当日計量

<58キロ契約/5分3R>
風我:57.85キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:57.9キロ

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴:71.85キロ
中川晧貴:71.85キロ

<フライ級/5分3R>
久保健太:56.85キロ
チョ・ジュンゴン:56.4キロ

<Progressミドル級/5分2R>
有松息吹:82.4キロ
林源平:84.1キロ

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【Breaktrough Combat01】中川晧貴とMMAファイター同士のProgress。中原由貴「冒険しようかと」

【写真】MMAファイター✖グラップラーとは違う、グラップリング=打撃のないMMAとなるか (C) MMAPLANET

本日30日(水)、会場非公開で開催される配信イベント=Breakthrough Combat01。同大会はMMAが3試合、Progress=グラップリングマッチが3試合組まれている。そのProgress戦にはグラップラーが2名、MMAファイターが4選手出場しており中原由貴が中川晧貴と相対する。
Text by Manabu Takashima

ビクター・コレスニック戦の敗北以来、半年ぶりの実戦がMMAファイター同士、72キロ契約のグラップリング戦となった中原を計量直後にインタビューした。


――中原由貴選手が長谷川賢率いるBreakthrough Combat旗揚げ戦に出場し、中川晧貴選手とProgressルールで戦う。意外なことのオンパレードです。

「意外ですよね(笑)。でも僕はノーギが好きでチェックしていたんです。ヘンゾ・グレイシーのところに行って、ああいう人達と触れ合ったりして。グラップリングも好きなんですよ。

CJIやADCCもチェックしていましたし、実はこの間のQuintet(19日開催)のチームRIZINのメンバーで戦う予定だったのが、いつの間にかメンバーから外れていました(笑)」

──アハハハハ。そして、今大会出場が決まったと。

「最初はもうカードが揃ってしまって難しいかと聞いていたのですが、新たにオファーがあって良かったです」

──Progressルールはケージのなかで、ポイント制のあるグラップリングです。

「フォークスタイルレスリングも昔はチェックしていて、グラウンドではボディクラッチができないルールの練習もチラッとしていたことがあるんです。かつ、そこにサブミッションが許されているので、打撃の練習を減らして触れる練習……組みの練習を増やしてきたので、楽しみですね。

MMAでは交われない選手と実戦で戦えることができますし、Progressのコンセプトを聞くと、純粋なグラップリングというよりはMMA寄りですよね。やっぱり取りに行くときに、簡単に下になるのではない。MMAに生きるように考えて戦えます。それにポイント制なので、余裕ができればチョット引き出しを開けて冒険することもできますよね」

──ではMMAファイターでもある対戦相手の中川選手ですが、どのような印象を持っていますか。

「打撃がないので殺伐とはしないとはいえ食って掛かってこられるかと思っていたので……そうでもないのかと」

──それは中川選手の性格によるところかと思います(笑)。

「でも食ってやるというのは絶対にあると思っていたので(笑)。僕も僕で、ルールが違うとのびのびとやりたい──というのはおかしいですけど、トライしたいという気持ちですね。

このルールはスクランブル重視だし、視てくれる人が面白い試合ができれば良いですね。練習ではなく、勝敗がかかったなかでどれだけリスクを取れるのか。そこが実戦だからこそ、という部分で。やっぱりポイント制はミソです。リードしてしまえば、一本さえ取られなきゃリスクを冒すことができます。

打撃があるとリードをしていても、ワンミスで全てが変わってしまいます。でも、グラップリングでポイント制なら自分なりに戦い方も考えることがありますね。

この1年はケージ際で寝かせ切ることにメチャクチャ取り組んできました。そこをMMAを戦う前に、実戦で相手がシリアスに動いて来るところで試せる。それは凄く楽しみにしています」

──中川選手はMMAでも倒してバックを取るというスタイルを貫いている選手です。

「そこは……普段からMMAの組みでやってきて、スクランブルもしてきたので僕も自信があるところです」

──MMAに生きるグラップリングで、それが次の試合が組まれるアピールに少しでもなればと思います。

「ハイ」

──なかなかMMAの試合は組まれないですか。

「かすりもしないですね。アハハハ。でも、それは覚悟の上で。MMAはRIZINでやると決めているので、こういう機会も大切にしたいと思っています」

──RIZINは超RIZINや大晦日大会、数字系重視のビッグショーと地方のLANDMARKがあり、そこにナンバーシリーズということで……。いうと中原選手タイプの選手が、なかなか試合が巡ってこないというのはありますね。

「現状、自分だけでないですしね。どうしてもイベント数も関係してきますしね」

──そこに中央アジア、コーカサスの脅威が加わりました。

「どえらいことになっていますね(笑)。今回もそうだし、練習を続けてグラップリング、サブオンリーも含めて来年は出ていこうかなと(笑)。MMAがなくても、実戦経験は必要です。明日のProgressでも、ちょっとはアピールしようかと思います」

■視聴方法(予定)
10月30日(水)午後6時30分~
ザ・ワンTV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat01計量結果

<バンタム級/5分3R>
吉野光:61.5キロ
シンバートル・バットエルデネ:61.5キロ

<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]森戸新士:76.45キロ
[挑戦者]泉武志:──キロ※当日計量

<58キロ契約/5分3R>
風我:57.85キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:57.9キロ

<Progress72キロ契約/5分2R>
中原由貴:71.85キロ
中川晧貴:71.85キロ

<フライ級/5分3R>
久保健太:56.85キロ
チョ・ジュンゴン:56.4キロ

<Progressミドル級/5分2R>
有松息吹:82.4キロ
林源平:84.1キロ

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