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【DEEP123】ソン・ジンスが65カ月振りの復帰。西川✖パト+本田×関原+小崎連&青井等→3回戦が8試合!!! 

【写真】あの強さが健在なら、即タイトル戦線=ソン・ジンス (C)DEEP

25日(金)、DEEPより12月8日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123 IMPACTの対戦カードが発表され──これがニューピア大会かと思うほど、面子が揃いDEEPの好調さが堅持されていることが伺えるラインナップとなっている。
Text by Manabu Takashima

まずフェザー級チャンピオン青井人が、Combate Global帰りの芦田崇宏をノンタイトルで迎え撃つ。3月の王座奪取以来、青井の9カ月ぶりのファイトは現在MMAで3連敗中のベテランとの対戦に。芦田としては2年と40日ぶりの勝利を挙げて、2024年の最後に大まくりを狙うファイトとなった。

そしてバンタム級では元王者でUFCにステップアップ、リリース後は学業に集中していたソン・ジンスが実に5年5カ月ぶりに実戦復帰を果たしCOROと戦う。UFCでは2敗という結果に終わったもののピョートル・ヤン、マリオ・バウティスタとの激闘はいずれもファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しているソン・ジンス。

20日のRING Championshipが実施したアマ大会で、チームメイトのセコンドに就く姿が確認されており、相当に体が大きかった。減量も含め実戦の勘という部分をどれだけ取り戻せることができるのかが、大きくパフォーマンスに影響するだろう。


さらにライト級で西川大和と宇佐美正パトリックが、DEEP初参戦同士ながらタイトルに大きく関係してくること間違いない一騎打ちを行うことに。パトとしては真っ向勝負、西川はそれを受け止めて打撃でいくのか、引き込み上等の西川ワールドを2年3カ月振りの国内でのファイトで披露するのか。非常に興味深いマッチアップだ。

フライ級にはタイガームエタイ所属の本田良介が、昨年のフライ級GP決勝以来の国内復帰戦へ。ONE FFで中央アジアやロシアの圧を知った経験を──MMA復帰後、スタイルチェンジを果たした関原翔を相手に見せつけることができるか。一発の極めを身に着けた関原もベルトを狙うためにも、最高の相手に挑むことになる。

さらには9月大会でDEEP初陣を飾った中務修良が、チャンピオン越智晴雄とノンタイトルで戦うストロー級の一戦。バンタム級でRoad to UFC帰りの小崎連が、魚井フルスイングと。高橋遼伍もGINJIを相手にDEEPでデビューを飾り、神田コウヤはライト級で山田聖真と仕切り直しへ。

実に3回戦が8試合「1、2、3、DEEP!!」という佐伯さんの掛け声が聞こえてきそうな──特別仕様のDEEP123@ニューピアホール大会だ。

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45 AB DEEP DEEP121 F1 MMA MMAPLANET o キック 中務修良 多湖力翔

【DEEP121】ストロー級の台風の目となるか? 初参戦・中務修良が6連勝中の多湖力翔に判定勝利

【写真】多湖にローブローによる減点もあったが、中務が最大3ポイント差をつけての判定勝利を収めた (C)MMAPLANET

<ストロー級/5分2R>
中務修良(日本)
Def.3-0:20-17.20-17.20-17.
多湖力翔(日本)

サウスポーの両者、中務がインローと左ストレートで前に出ていく。多湖も右ハイキックを返してパンチを狙いつつ、組みになると左腕を差して中務をケージに押し込む。中務はケージに体を預けてテイクダウンディフェンスしつつ、ヒザを蹴っていくが、これがローブローとなる。

スタンドでの再開後、多湖がパンチで前に出ていく中務に左のカーフキック。中務が右フックを当ててダブルレッグでテイクダウンを奪う。中務は多湖の右足を超えてハーフで抑え込むが、多湖も足を戻して三角絞めを狙う。中務は多湖の頭をケージに押し付けて細かくパンチを入れる。多湖は足をクラッチしているものの極める形を創ることが出来ない。中務は終了間際に立ち上がって距離を作って右のパンチを落とした。

2R、中務が左ストレートから前に出ていく。多湖はジャブを返して左のカーフを蹴る。中務はダブルレッグも狙いつつ、左のカーフと左ストレート。多湖は右フックと左カーフ、中務は右を見せてダブルレッグへ。多湖はニンジャチョークを狙いつつ、ガードになるとすぐ横三角の形で足をクラッチする。

中務は多湖の顔を右ヒザで潰してクラッチを外してサイドポジションで抑え込む。ここから中務はマウントへ移行するが、多湖がブリッジでポジションを返す。ガードポジションになった中務はケージに体を預けて立ち上がり、多湖のヒザ蹴りがローブローとなってしまう。中務にはイエローカード(減点1)が提示され、試合がスタンドで再開される。

多湖が左のカーフキック、中務は左フックを返す。中務はダブルレッグから組みついて首相撲からヒザ蹴り。再び中務がダブルレッグに入るが、切った多湖がバックついてRNCを狙う。中務は多湖を前方に落としてトップポジションを取ると、立ち上がってパンチを落とす。ここで試合終了となり、判定3-0で中務が勝利を収めた。


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45 CORO DEEP DEEP JEWELS DEEP121 KENTA MMA MMAPLANET o YouTube 中務修良 五明宏人 井上直樹 修斗 力也 多湖力翔 大成 太田忍 杉山廣平 水野竜也 江藤公洋 渡部修斗 瀧澤謙太 相本宗輝 福田龍彌 谷岡祐樹 野村駿太 野瀬翔平 関原翔 雅駿介 鹿志村仁之介

【DEEP121】バンタム級王座を賭けた福田龍彌戦へ、瀧澤謙太「理想のスタイルは固まってきました」

【写真】幼少期の学んだことは残る。そして生かされる(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121で、瀧澤謙太が福田龍彌と空位の同バンタム級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike

DEEP初参戦となった今年7月のCORO戦で判定勝ちを収めた瀧澤は、2戦めでベルトに挑むこととなった。連敗を脱したものの、本人としてはCOROとのタフファイトは「苦戦だった」と振り返る。しかし、そんな苦戦の中で見せた自身が理想とするスタイルとは。


フィジカルとスタミナの2つが伴ったことで、メンタルも良くなった

——前戦から2カ月後の試合となります。これだけ早いペースで試合をすることは瀧澤選手からの希望だったのですか。

「たくさん試合したいと思っていたので、良いペースです。今回勝てば年内にもう1試合やりたいという気持ちではいます」

——そしてDEEP2戦目がタイトルマッチとなりました。

「ベルトを巻くのは早いに越したことはないですが、2戦目というのはラッキーな巡り合わせですね」

——結果的にタイトル前哨戦となったCORO戦の感想を教えてください。

「1戦目よりも苦戦してしまった——倒し切れなかったです。1戦目は1~2Rと完全に支配して最後に倒すという、自分のやりたいことしかしていなかった試合で。今回は1Rにダウンを取り、2Rに相手が盛り返してきて、最終回に僕が手数で勝ったという感じでした。もうちょっと綺麗に勝ちたかったですね」

——なるほど。同時に、タフな試合で削り勝つことができた。それは今までの瀧澤選手の試合にはなかった、良い面だったのではないかと思います。

「ありがとうございます。実は試合の1週間前に、綺麗に風邪や喘息が治ったんですよ。もともと小児喘息があり、今も風邪をひいたら症状が出てしまう時があって。一度出ると、咳が治まるまで1カ月ほど掛かってしまうこともありました。そうなると練習にも支障が出たり、インターバル中にも咳が出てしまうこともあって」

——それはキツい……。

「今回もスタミナがヤバいかなと思っていたら、1週間前に風邪と喘息が止まったので、メチャクチャ自信ができました。ずっとフィジカルトレーニングとスタミナのトレーニングはやっていて、数値的には自分の最高記録を更新することができていたんです。そのフィジカルとスタミナの2つが伴ったことで、メンタルも良くなって。

CORO戦では最初のインターバルが終わって2Rが始まる時、次のインターバルから最終回に臨む時に『これは動ける!』と思いました。セコンドからも『ガンガン前に出て、確実に最終ラウンドを取れ!』とも言われていましたし、しっかり動くことができましたね」

——それは直近の試合で味わったことのない感覚でしたか。

「そうですね。まず井上直樹戦(2022年大晦日に一本負け)はあまり体調が良くなくて、さらに削られてスタミナもキツかったです。太田忍戦(2023年7月にTKO負け)は1Rで終わってしまいましたし、野瀬翔平戦もスタミナはキツかったですね。そこから集中してスタミナとフィジカルに取り組んで、CORO戦ではその2つが挙がったことを実感できました。

でもCORO戦より今回のほうが、スタミナもパワーも自信があります。試合まで残り1週間——今すごく体の調子が良くて、このまま自信を持って臨むことができます」

——今挙げた試合と比較して、CORO戦は自身が先手をとって試合をつくることができていました。

「やはりスタミナとフィジカルが伴うと、試合も自信を持って臨めますよね」

——もう一つ、試合中はずっとスイッチし続けていましたね。あれはテイクダウンディフェンスであり、CORO選手対策だったのでしょうか。

「あれは僕がずっとやりたかったことなんです。やっと試合で出すことができました。今までも練習仲間の対戦相手がサウスポーなら、僕もサウスポーで構えたりとか、対策練習でサウスポーになることはあって。だけど、いずれ試合でも実際に出したいとは考えていたんですよ。でもサウスポーになるとオフェンスはできても、オフェンスが甘くなったりすることもあって。オフェンスもディフェンスもできるようになったら試合で出そう、とはずっと考えていました。今後はオーソドックス、サウスポー両方出していきたいです」

福田選手が持っている戦いのメカニズムが分かってきました

——すり足でスタンスを変えるのは、スイッチというよりも空手の足捌きですよね。

「そうなんです! 僕はフルコンタクト空手をやっていて、相手との距離が近いフルコン空手では、オーソドックスかサウスポーかという概念が無いというか――流れの構えが入れ替わる、足が交差する場面は多くて。だから昔からオーソドックスでもサウスポーでも、攻めることはできていました。でもMMAだと顔面打撃とテイクダウンがあるので、そのディフェンスが試合でも出せるようになったということなんです」

——高校時代はレスリング部に所属していたとのことですが、空手のあとにレスリングを経験してスタンスに影響を及ぼしたのでしょうか。

「そういうわけではないですね。MMAを見越してレスリングを始めたので、打撃でいえばオーソドックス——左足前でレスリングもやっていました。オーソドックスのままテイクダウンに入れたほうが良いかなと思っていて」

——今回タイトルを賭けて戦う福田選手はサウスポーです。サウスポーに対しても、同じような足捌きで戦うことはできるのですか。

「もちろんです。自分の中で理想のスタイルは固まってきました。福田選手の場合は、どの展開で何が理に適っているか、理解して戦っている。試合映像を視ていると、福田選手が持っている戦いのメカニズムが分かってきました。分かっている技は掛からないとは思っていますね。福田選手のメカニズムにハマらないよう、自分から早く仕掛けていきたいです」

——瀧澤選手の視点が、まるで武術家のようです。

「あぁ、どうなんですかね。あまり人の試合は視ないんですよ。どちらかといえば練習で自分の攻撃が良い感じで当たった時、なぜそうなったのかを見直したりするほうが多いです。当たるパンチ、倒せるパンチって何かしら理由がある。そのパンチを分析して自分のモノにしたりするのが好きなんですよ。それこそが自分にとっての格闘技の楽しさであって。あとは試合が決まったら対戦相手の映像を視て、自分の技術を適応させていきます」

——その点では福田選手も同じタイプのファイターだと思います。今回の対戦が楽しみですね。

「そうですね。福田選手との試合は、いろんな展開を考えています。エキサイティングな試合をする選手だと分かっていますけど、漬けてくる場面もあるかもしれない。特に打撃勝負をして、分が悪いと感じたら——そういう展開も想定していますね。僕はKOを狙いますが、実は今までプロの試合で一度も自分からテイクダウンに行ったことがないんですよ」

——えぇっ!? そうだったのですね。

「アハハハ。自分からテイクダウンに行くことなく、ベルトを獲得できるのかどうか検証したいです」

——次の福田戦で初めてテイクダウンを狙おうとは思っていないのですか。

「いずれテイクダウンを混ぜていきたいとは思っていますが、いつにするのかは分からないです。自分の場合は寝技と打撃であれば、打撃のほうが勝つ確率は高い。でもテイクダウンに行くのはリスクも生まれるじゃないですか。もしかしたら今回テイクダウンを狙うかもしれないし、テイクダウン無しでベルトを獲るかもしれません。まだ見せていない部分は、メチャクチャあります。僕の試合を楽しみにしていてください。全て見せた時は、みんな驚くと思いますよ」

■DEEP121 視聴方法(予定)
9月16日(月・祝)
午後5時35分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV

■DEEP121 対戦カード

<DEEPバンタム級王座決定戦/5分3R>
福田龍彌(日本)
瀧澤謙太(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 江藤公洋(日本)
[挑戦者] 野村駿太(日本)

<メガトン級/5分3R>
水野竜也(日本)
大成(日本)

<フライ級/5分2R>
KENTA(日本)
渡部修斗(日本)

<フライ級/5分2R>
関原翔(日本)
杉山廣平(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
相本宗輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
谷岡祐樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
鹿志村仁之介(日本)

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
中務修良(日本)

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45 AB CORO DEEP DEEP120 DEEP121 Gladiator MMA MMAPLANET o RIZIN Wardog YouTube イ・ソンハ キック 中務修良 五明宏人 修斗 元谷友貴 力也 南友之輔 多湖力翔 大成 杉山廣平 水野竜也 江藤公洋 泉武志 海外 渡部修斗 瀧澤謙太 相本宗輝 福田龍彌 谷岡祐樹 野村駿太 関原翔 雅駿介 鹿志村仁之介

【DEEP121】福田龍彌✖瀧澤謙太、江藤公洋✖野村駿太。2階級のタイトル戦と、粒ぞろいすぎる2回戦!!

【写真】RIZIN枠を考慮し、旬を逃さないカードが組まれているDEEPだ(C)MMAPLANET

23日(火)、DEEPより9月16日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121 Impactの対戦カードが、タイトルマッチ2試合を含み、11試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

ベルトが懸かった試合は、バンタム級王座決定戦=福田龍彌×瀧澤謙太、そしてライト級チャンピオン江藤公洋に野村駿太が挑戦する2試合だ。


フライ級王者でもある福田は、5月に元谷友貴とバンタム王座決定戦に出場予定だったが、タイでの練習中に肩鎖関節脱臼で欠場となっていた。

対する瀧澤は14日の後楽園ホール大会でDEEP初出場を果たし、COROに判定勝ちを収めている。試合後のマイクでは「DEEPのベルトを獲ってRIZINにリベンジしにいく」と宣言していた。超RIZIN後、9月以降のRIZIN参戦を目指し、ベルトを切符代わりとしたい瀧澤だが、CORO戦はテイクダウンを警戒して慎重なファイトに終始していた。

福田はいわば、命のやり取りをする覚悟で日々の練習をし、ケージに上がっている。そんな福田を凌駕するには、同じ戦意を持ち福田のフィールドに足を踏み入れる必要がある。それができれば、瀧澤の天賦の才といえる当て勘が活きてくるはずだ。

対して、福田としてはやはり負傷の復調具合が気になるところ。筋や腱に傷が及んでいれば、完治までそれ相応の期間は必要となる。それでも福田の性分からして、五体満足になることを欲して、試合機会を減らす選択はしないはず。つまりは完治しなくとも、瀧澤と斬り合い──セッションを求めるのであれば、このタイトル戦は福田にとってリスクが高いファイトとなる。

ライト級戦タイトル挑戦者の野村はDEEP120で泉武志から逆転TKO勝ちを収め、江藤へのリベンジと挑戦をアピールしていた。昨年7月に江藤のテイクダウン&コントロールに屈した野村は、泉のテイクダウン&コントロールを跳ね返したことで、自信を確信に変えてベルト獲りに挑む。

チャンピオン江藤は3月にイ・ソンハをRNCで下して以来、半年ぶりの実戦となる。RIZIN、海外再進出を模索する江藤はとにかく強さを見せての防衛が必要となってくる。

そんな江藤への挑戦に向け、泉を下した直後の取材で野村は以下のように話していた。

「来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」(野村駿太)

──2日前のGladiator Challenger Seriesに出場したジムの後輩、南友之輔選手が右ストレートから左フックで強烈なKO勝ちを収めました。あのKOを見て、先輩としてやらないといけないという気持ちになったのでは?

「バリバリなっていました。『コイツ、やってくれるなぁ』みたいな(笑)。『野村さん、繋ぎました』とか言ってくれて。試合の流れも逆転勝ちで、変なところまで同じでしたね。友之輔がBRAVEに加わってくれたところで、自分がやって行くべきことのなかで、空手の良さも再発見することができました。

友之輔がやろうとしていることも、僕のなかで刺激になっています。木村(柊也)や南を見て、自分も『コイツらに負けていらない』という風になりますし。あの2人が、自分を手本にしたくなるような選手に、自分はなっていかないといけないです」

──泉選手を返り討ちしたことで、江藤選手への挑戦権を手にしたかと思います。同じテイクダウン&コントロールにしても、江藤選手のソレはより柔軟に包み込んでくるようなイメージがあります。

「そこは1度、触れているので。自分のなかで江藤選手と戦うなら、どうすべきが分かっている部分はあります。今日みたいにやられないように戦ってしまうと、また去年と同じになってしまうので、自分から仕掛けていっても良いと思っています。そこをタイトル戦で見て欲しいです」

──一発、右アッパーを被弾して下がらされました。

「攻め気でいた時に、自分の流れに持ちこみ過ぎようとして……余りない形のアッパーを貰いました。打撃が上手な人と練習をしていると、あのパンチはなくて。でも、喧嘩のような動きのパンチを貰ったのは反省材料です。変に自分のなかで貰わないという自信があって、それが慢心になってしまっていたかと思います」

──以前よりも、そして泉選手と比較しても、江藤選手は貰っても怯まないようになってきたようにも感じます。

「そっちの方が戦いやすいです。気持ちを強く持ってくれているほうが、向かい合ってくれるでしょうし。ビビッて距離を取られる方が面倒くさくなるので。変に自信を持ってくれている方が、術中にハメやすいです。来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」

──打撃でなく、テイクダウンでも出てくる方が戦いやすいですか。

「逆にソレしかしてこないと思っています。泉選手には失礼な言い方になってしまいますが、あのスタイルでさらに強化されているのが江藤選手です。なので、今日は攻め込まれる場面があって良かったです。今日の経験を生かして、煮詰めていけばさらに成長できると思っています」

なお今回の発表ではメガトン級の水野竜也×大成が3回戦で組まれることが明らかとなっている。また関原翔×杉山廣平のフライ級戦、涙の引退から約1年で復帰の渡部修斗もフライ級でKENATと知りなおしの一戦。五明宏人✖相本宗輝のフェザー級戦。バンタム級ではルーツは立ち技同士、ムエタイ=雅駿介×キック=谷岡祐樹、同じくバンタム級で力也×禊の鹿志村仁之介。WardogからRIZIN、GRALDIATOR、HEX FSを経てDEEPストロー級戦線に辿り着いた中務修良✖Blackcombatでの勝利で6連勝中の多湖力翔のマッチアップ──と、粒が揃い過ぎている2回戦6試合も決定している。

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45 AB DWCS DWCS S08 F1 LFA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase345 Road to UFC UAEW UFC YouTube   アリ・カラダギィ アンソニー・ドリリッチ アン・トゥアン・ホー アーセグ カイ・カラフランス クァン・リー コ・ソクヒョン ショーン・オマリー ショーン・ガウシー ショーン・シェルビー ジャマール・ヒル スティーブ・アーセグ ダナ・ホワイト チャンネル パンクラス ペイトン・タルボット モンテル・ジャクソン 中務修良 内藤由良 木下憂朔 猿飛流

【DWCS S08】Must Watch!! パンクラスがミドル級KOP内藤由良のコンテンダーシリーズ出場を公表

【写真】人生を賭けた一発勝負、痺れる展開になってきた(C)MMAPLANET

18日(水)、パンクラスが公式YouTubeチャンネルで「内藤由良選手がUFCに挑戦! 内藤選手は、ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ2024に出場することが決まりました。詳細は追って発表されますが、一足先にパンクラスでの軌跡をご覧ください!」と公表した。
Text by Manabu Takashima

6月30日(日)のPancrase345のメインで、2年3カ月振りの実戦を戦ったミドル級KOP内藤。キルクリフFC所属のディラン・オサリバンの代役アリ・カラダギィを相手に、1R1分52秒でマウントからのエルボーでTKO勝ちを収め、改めてUFCを目指すことを宣言していた。


LFA、UAEW、TUF出演など実現しそうで流れたUFCへの道が、結果的に内藤にとって最上の形で歩を進めることになった。Dana White’s Contender Series=DWCSは、その名の通りダナ・ホワイト、ショーン・シェルビー、ミック・メイナードというUFC首脳の前の行われる御前試合で、1年に10大会が火曜日の夜にUFC APEXで実施される。

1大会=5試合というフォーマットで、UFCとの契約が審査される真剣勝負の場だ。2017年からスタートしたコンテンダーシリーズからは既にショーン・オマリーとジャマール・ヒルがUFCの頂点に立っている。そんなUFCに直結する今年の登竜門は8月13日にスタートし、10月15日まで10週に渡って鎬が削られる。

既にEp01とEp02&Ep04は5試合が決定しており、第3週と第5週は3試合が埋まっている状況だ。あとは第9週と第6週で1試合が決まっているがEp07 、08&10は5試合全て10人のスポットが空いたままなので、これらの週に内藤の雄姿が見られることになるだろう。

アジア勢にとってUFCとの契約を賭けた戦いはRoad to UFCが並行して開催しされているが、従来はフライ級からライト級、今年はフェザー級までの3階級しか実施されず、事実上ミドル級の内藤には、アジア勢で競い合ってUFCへ進むというルートは存在していなかった。

事実今年のシーズン8では既にEp01のウェルター級戦で中国のJCKウェルター級王者ティン・ワン、Ep4では韓国Angel’s FCウェルター級王者のコ・ソクヒョンと、中量級のアジアン・ファイターの出場が決まっている。

(C)LFA

広義でアジア系でいえばLFAで戦うベトナム人ファイター(アリゾナ州在住)のアン・トゥアン・ホーが第1週のフライ級に、同じくLFAからチャンスを掴んだクァン・リーも米国に住むベトナム人選手だ。

また、ここでこのカードを組むのか──と豪州のMMAファンが歯ぎしりをしつつ、注目せざるを得ないのがEp09で決まったショーン・ガウシーとアンソニー・ドリリッチのダウンアンダー対決だ。

ガウシーはHEX FSフライ級王者で、今年の5月に中務修良を右クロスで一蹴している。対してEternal MMAフライ級王者ドリリッチは3月に猿飛流を2Rに、6月には1Rでマックス・リアリをKOしている。しかも今、豪州MMA界ではHEX FSとEternal MMAがドメスティック大会#01の称号を得るために、チャンピオンの引き抜き合戦を繰り広げるなど、骨肉の争いを展開している。

とはいえ破壊力十分の右を持つガウシー、必ず当たる左の持ち主ドリリッチが、わざわざコンテンダーシリーズで戦う必要があるのか。なんせガウシーは戦績9勝1敗で5KO勝ち、ドリリッチは8勝1敗で4つのKOと2つの一本勝ちを誇っており、揃ってUFCが求めるフィニッシャーだ。

恐らく両者は8月18日にパースで行われるUFC305出場に標準を合わせていたはず。加えていえば、2人ともカイ・カラフランスとスティーブ・アーセグの両者のうち、どちらかが欠場となればショートノーティスで母国でオクタゴンに足を踏み入れる気持ちでいることも間違いない。

UFC側として、両者ともその力があるからこそ、8月でなく10月にガウシー×ドリリッチの試合を組んだとしか考えられない。

日本からは2年前の木下憂朔に続き、内藤が挑戦することで注目度も上がるに違いないDWCS S08だが、内藤以外の出場ファイターも状況としては、ガウシー×ドリリッチ戦ほどお膳立て揃っていなくても、世界中から人生を賭けて集まって来る。それらの戦いが熱い激闘にならないはずがない。

それらの戦いから明日のショーン・オマリー、ペイトン・タルボット、モンテル・ジャクソンが生まれる可能性が高い。日本のMMAファンにとって、2時間のコンパクトな大会ということも含めて、DWCSはマストウォッチと断言できる。

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GFC GFC10 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Wardog YouTube キム・テフン 中務修良 海外

【GFC10】フライ級転向&海外を見据える中務修良─02─「これだけ体が動けるんだ」

【写真】GFC代表からファイトボーナスも支給されたとか—―(C)GFC

4日(土)、韓国はクミイチで開催されたGFC10で、キム・テフンをTKOで下した中務修良のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

キム・テフン戦で感じたフライ級転向の手応えは、中務の中に海外での試合に対する目標を生み出していた。その陰に秘められた試合への集中力についても語ってくれた。

<中務修良インタビューParty.1はコチラ


――キム・テフンもスクランブル出場であったうえ、対戦相手との実力差があったことも事実です。そのような中でも、中務選手としては出したかったものは出せたという手応えがありましたか。

(C)GFC

「そうですね。作戦としては、しっかりと距離を設定しながら、打撃を当てつつ組みつくことでした。前回のエイドリアン戦と同じく足関節も――とは思っていましたが、一発目の左パウンドがガードの間からアゴに入ったんですよ。それで相手が体を丸めてしまったので、『これはパウンドでいけるな』と思いました。

(C)WARDOG

そもそもグローブがすごく薄かったので、『これはパウンドが効く』とは考えていて」

――そうだったのですね……。試合後にはキム・テフンに何と声をかけていたのですか。

「通訳を通じて『急遽試合を受けてくれて、ありがとうございました。すごく男らしいです。かっこいいです』と伝えました。とにかく試合ができて良かったです。すると本来対戦する予定だったウ・ジウォン選手がケージに入ってきて。その場では『次は試合をしましょう』と言っていたのに、控室に戻って話をすると『いや、どうなるか分からない』とか――だから、次がウ・ジウォン選手とのタイトルマッチになるかどうかは分かりません(苦笑)。

ただ、試合前には会場で韓国の子供たちが『一緒に写真を撮ってください!』と言ってくれたりとか。試合後もGFC代表の方が『すごく良い試合だった』と。韓国に行って良かったです。会場にONE関係者の方がいらしていて『ONEに推薦したい』というような話もありました。といっても『そういう声をかけていただいた』という程度で。今後交渉があるかどうかは分かりませんが、そうやって海外の方に評価していただいたのが嬉しいです」

――ちなみに、今後ストロー級で戦いたいとは思いますか。

「いや、う~ん……今回フライ級で試合をして、すごく調子が良かったんです。だから『やっぱりフライ級で戦ったほうが良いかな』と思っています。ストロー級の試合は、良いお話があったら考えますね。今はフライ級のほうに気持ちは動いています」

――フライ級の体をつくっていく中で、練習の中でも成果は感じているのでしょうか。

「それが――僕って、練習ではメチャクチャ弱いんですよ(笑)」

――アハハハ。練習で強いのに試合で力を出せないよりも、そのほうが良いと思います。

「ありがとうございます。それこそ出稽古先でも、キャリアで劣る相手にやられたりとか。でも試合になると何かが違うんですよね」

――練習と試合では何が違ってくるのでしょうか。

「練習している人からは『試合になると勢いが違う。思いきりが良い』と言われます。確かに僕は練習だと思いきりは良くないし、相手のことも見すぎてしまうんですよ。実は沖縄に行った時、RIZINで対戦した砂辺光久さんと練習させてもらったんです。試合では僕が勝ったのに、練習では砂辺さんにボッコボコにされて(笑)」

――えぇっ!? まず砂辺選手と練習していることが驚きです。

「アハハハ。砂辺さんからは『試合ではあれほど前に出てきていたのに、なぜ練習では出て来ないんですか?』と言われました。僕も『いやぁ、それが分からないんですよ』としか答えられなかったです(苦笑)」

――試合になるとスイッチが入るのですね。

「今回の試合だと――映像には映っていなかったと思いますけど、僕は『殺してやる』と思って相手のことを睨んでいました。セコンドからも『気持ちが入りすぎだよ!』と注意されるぐらいで」

――どの段階でスイッチが入るのでしょうか。

(C)WARDOG

「入場して相手を見た瞬間ですね。入場前は『自分のほうが強い。絶対に勝てる』と自己暗示して、入場したあと相手を見たら『コイツをブッ殺したる』と思っています。それでも試合中は冷静で、セコンドの声もよく聞こえていますし。しっかり考えながら動くこともできていますよ」

――それは気持ちが高まると同時に、集中力が高まっているのですか。

「そうです、そうです。だんだんと研ぎ澄まされている感覚があります」

――正直なところエイドリアン戦も試合前に負傷があったことはともかく、あれほど足関節にこだわるのは危ないのではないかと思っていました。しかしご自身の中でも冷静に、『これは取れる』と考えられるほど集中力が高まっていたのですか。

「はい。エイドリアン戦は最初、外ヒールでバキバキと音が鳴りました。でもこれでタップしないのであれば、一度サドルに組み替えて内ヒールでいけば極められると思ったんです。エイドリアン選手の足の力が強くて、なかなかサドルに入れなかったものの、一度入ってしまえば極められると考えていましたね」

――なるほど。何より今回の韓国遠征は実り多きものになったようですね。

(C)SHOJIRO KAMEIKE

「出場してよかったです。相手の負傷でタイトルマッチが無くなった時は、断ろうかどうか考えましたけど――まず勝ったことで韓国関係者の方々にも名前を知っていただくことができました。フライ級でこれだけ体が動けるんだ、ということにも気づくことができて。

僕自身、次はどの大会に出るのかは分かりません。海外になるのか、あるいは国内で戦うかも決まってはいないです。いずれにせよ来年の頭には、またフライ級で試合をしたいと思っています。2024年もよろしくお願いします!」

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【GFC10】フライ級転向の手応えを掴んだ勝利、中務修良─01─「KIDさんのパウンドが頭に浮かんだ」

【写真】ポスチャーもしっかりしていたキム・テフン戦のパウンド連打(C)MMAPLANET

4日(土)、韓国はクミ市で開催されたGFC10で、WARDOGストロー級王者の中務修良がキム・テフンをTKOで下した。
Text by Shojiro Kameike

試合直前で対戦相手が変更となったものの、従来のストロー級ではなくフライ級の試合で、中務はキム・テフンをテイクダウンからパウンド連打で仕留めている。そのパウンド連打によって、フライ級でも戦うことができる自信を掴んだという中務。まずはキム・テフン戦の内容を振り返ってもらうと、彼の脳裏には憧れだったファイターの姿があった。


――キム・テフン戦のTKO勝利、おめでとうございます。

「ありがとうございます!」

――中務選手にとっては、今回が初の海外試合でした。

「そうですね。今までも海外の試合のオファーは頂いていました。でも当時は、それほど海外の試合に魅力を感じていなかったことと、タイミングも合わなくて今回が初めての加害遠征になったんです」

――では海外での試合に興味が大きくなったのは、いつ頃なのでしょうか。

「前から海外で試合をしてみたいとは思っていましたが、その気持ちが強くなったのは最近ですね」

――格闘技とは関係ないお話になりますが、これまで海外旅行の経験はあったのですか。

「はい。旅行ではないですが、いま勤めている会社の出張で、中国とカンボジアに行ったことがありました。コロナ禍になってからは出張もなくなっていましたけど……。
あとは勤務体系も変わったんですよ。RIZINで砂辺光久選手に勝ったあと、勤めている会社が格闘技に対してすごく理解を示してくれて。それまではフルタイムで勤務したあと、夜に練習していました。それが砂辺戦のあとは週2回、昼まで働いたあとに練習へ行って良いことになっています。その日の夜はしっかり休むことができるようになったことも大きいですね」

――なるほど。今回は初めての海外での試合といえど、それほど不安はなかったわけですね。

「思っていたよりも、日本との違いは感じなかったです。対戦相手も韓国の選手だし、もっとアウェイな感じを味わうと思っていたんですよ。でも全然――もともと時差がないためかコンディションも良かったですし、韓国の人たちも温かく迎えてくれました」

――それほど現地で不都合を感じることもなかったのですか。

「いや、それが――出稽古で行かせていただいているISHITSUNA MMAの林巧馬代表に、『海外遠征で何か注意することはありますか?』と相談していたんです。ISHITSUNA MMAの選手が中国で試合をした時の話を聞いていて」

――あの伝説の中国遠征ですね。

「計量でプラス500グラムはOKと聞いていたのに、現地へ行ったら無しになっていたとか。そういうことも含めて、今回の窓口になってくれていたワードッグの柿原勇気代表にも、いろいろとプロモーターに確認してもらっていました。

その中で大変だったのは、ホテルにサウナがあると聞いていたのに、行ってみると無かったんですよ。僕は現地で1.5~2キロぐらい水抜きをする予定で。でも帯同してくれていた現地のワードッグ関係者の方が、ホテルの近くでサウナを探してくれたので大丈夫でした。困ったことといえば、それぐらいでしたね」

――契約体重がフライ級で良かったですね。ストロー級契約だと水抜きの量も多くなるでしょうし……。

「それは本当に良かったです。ただ、海外にストロー級の選手って少ないのでしょうか。海外でストロー級の相手や試合を探しても、なかなか見つからなくて」

――ストロー級は少ないかもしれません。まずUFCをはじめとして北米では男子ストロー級を実施していないのと、アジアでもONEのストロー級は実質フライ級ですから。中務選手としてはフライ級で試合をしてみて、いかがですか。

(C)GFC

「いやぁ、メチャクチャ調子が良かったですね(笑)。以前、NavE君と練習していた時には、すごくフィジカルの差を感じていました。当時は『フライ級のNavE君がこんなに力が強いんやったら、自分がフライ級で戦うのは無理かなぁ』と思っていて。でも、そのあとに体づくりを始めて、実際にフライ級で試合をしてみると、これからはフライ級でもやっていけるんかなっていう自信を持つことはできました」

――キム・テフン戦でも相手がスクランブル出場で、しかも実力差があったとはいえ、開始早々のシングルレッグはスピードが速かったです。あのスピードもフライ級で体づくりができていたことも影響していたのでしょうか。

「ありがとうございます。でも、あのシングルレッグはミスってしまったんですよ」

――えっ、そうだったのですか。ミスしているようには見えませんでした。

(C)GFC

「マットの上にスポンサーのバナーが貼られているじゃないですか。あのあたりがダブついていて、滑ってしまったんですよ。だから本当は相手の前足に組みつきたかったのに、結果的に奥足を掴む形になってしまいました」

――オーソドックスのキム・テフンに対し、かなりのスピードで奥足である右足を触っていたので「凄い!」と思っていました。あれはミスというか偶然性が高かったのですね(苦笑)。

「アハハハ、実は狙って奥足に入ったんじゃないです。でもメチャクチャ調子は良かったですね。そのあとのパウンドも――ずっとパウンドは強化していて、試合でもストロー級の試合とは違う出力と回転力が出ました」

――確かに、キム・テフンに背中を着かせてからパウンド連打に至る動きもスムーズで、また重心もしっかりしていたように感じられました。

(C)GFC

「MMAにあって他の格闘競技にないものって、やっぱりパウンドじゃないですか。僕は東京にいた頃、KIDさんのファンでKRAZY BEEに入っていました。KIDさんのパウンドって凄かったですよね。MMAで面白いものを見せたいと考えた時に、KIDさんのパウンドの凄さが頭に浮かんで――だから僕もパウンドで魅せたいと思うようになっていました。ストロー級の時には出なかったパウンドが、フライ級では出せるようになって良かったです」

<この項、続く>

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【GFC10】中務が代役キム・テフンを速攻テイクダウン&パウンドアウト。王者ウ・ジウォンと向かい合う

【写真】勝ち名乗りを受ける中務。ケージを下りるキム・テフンのダメージは深そうだ(C)WARDOG

<フライ級/5分3R>
中務修良(日本)
Def.1R by TKO
キム・テフン(韓国)

サウスポーの中務が左インローを当てる。キム・テフンのワンツーを交わした中務は奥足にシングルレッグで組みついか。テイクダウンを奪い、そのままトップからパウンドを連打。キム・テフンがガードを固めて防戦一方になったところで、レフェリーが試合をストップした。秒殺勝利となった中務は、スクランブル出場で試合を受けたキム・テフンに駆け寄り言葉を掛けた。試合後は当初対戦予定であったウ・ジウォンがケージインし、挨拶後に中務と写真に収まった。次こそ対戦=タイトルマッチが実現するか。


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【GFC10】WADROG王者の中務修良、直前で対戦相手変更&王座変更も「今後は海外&フライ級も視野に」

【写真】チームWARDOGとともに韓国へ!(C)WARDOG

4日(土)、韓国クミ市で開催されるGFC10で、WARDOGストロー級王者の中務修良がフライ級でキム・テフンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年3月にグラジエーターでフィリピンのエイドリアン・バトト・シェマーと対戦し、ヒールで斬って落とした中務が韓国GFC(Gentleman Flower Fighting Championship)のフライ級王座に挑戦する――はずだったが、直前で同級王者ウ・ジウォンが負傷欠場となり、代わりにキム・テフンとのノンタイトル戦に臨むことに。現地で試合前日、午前中に本計量を終えて17時から始まる公開計量(セレモニアル計量)を待つ中務に、海外の試合に挑む理由と今後の抱負について訊いた。


――本計量を終え、公開計量を待つ間にインタビューを受けていただき、ありがとうございます(※取材は11月3日に行われた)。

「こちらこそ、タイトルマッチではなくなったのに――ありがとうございます! 計量はプラスマイナス500グラムまで認められていたので、57キロでパスしてきました。キム・テフン選手も直前のオファーだったと思いますが、計量はクリアしていました」

――当初はウ・ジウォンの持つGFCフライ級王座に挑む予定でしたが、王者が練習中の怪我で試合ができなくなり、代わりにキム・テフンとのノンタイトル戦に臨むこととなりました。

「もともとタイトルマッチだから試合を受けた、というところもあって。それだけに僕もモチベーションは高かったです。王者が負傷欠場で対戦相手が変わると聞いたのは、本当に数日前でした。最初は『タイトルマッチとして試合を行うことは変わらない』と言われていたのですが、それがノンタイトル戦になると聞き、正直モチベーションも下がったんです」

――国内ではなく海外で戦うのですから、尚更ですね。

「間に入ってくれているワードッグの柿原勇気代表からも、『タイトルマッチだから受けた試合だし、出場自体を断ってもいいよ』と言われました。で、どうしようかな……と考えた末に、僕にとっては今後のキャリアを考えた時に、海外での試合経験は重要だと思ったんですよ」

――今後は海外での試合を優先させていきたいのでしょうか。

「そうですね。国内の団体とも交渉しながら、決まらないことが続いていて。一方で柿原さんからは『海外からのオファーが多い』と聞いています。特に韓国からのオファーが多いそうで、それなら海外に出ていくのもアリなのかなと思いました」

――結果、ノンタイトル戦でも出場することにしたわけですね。代わりに中務選手と対戦することになったキム・テフンはほぼ情報がありません。

「そうなんですよ。せっかくインタビューしていただくのに、あまり試合の話ができずに……すみません」

――いえいえ、まさに状況が状況ですから。格闘技サイトの戦績を見るとMMA2戦2敗です。プロモーターとしては、どうしても中務選手に出場してもらいたい。そのためにこの短期間でフライ級に落とせる選手を探したものの、戦績から考えてタイトルマッチにはできない……という判断だったのかもしれません。

「まぁ、そういうことなんだと思います。まずウ・ジウォン選手が出られないと確定してから2日後に、柿原さんを通じてキム・テフン選手の話が来ました。でも情報が全くないし、他の方が試合映像を探してくれたのですが、レガースを着けた試合が一つ見つかったぐらいで……。もう考えようがないから『分かりました。受けます!』と返事をしました(苦笑)」

――試合を受けるか受けないかを判断する材料もないですからね。

「僕も今回はフライ級で――通常のストロー級よりも減量がないし、それで良いかなと思いました。相手が直前のオファーで体重を落とせず、かなり体重差のあるキャッチウェイトになるのでは……という心配もなかったわけではないです。でもキム・テフン選手も計量をクリアしてくれたので、まずは感謝したいですね」

――今年3月にはグラジエーターに出場し、フライ級戦でエイドリアン・バトト・シェマーに一本勝ちしています。同フライ級王者のニャムジャルガルが王座を返上しているので、大きな動きがあるかもしれません。

「僕も年齢が年齢なので、もうストロー級まで落とすのはキツくなってきました。そのためにフライ級の体をつくっていたところですし、ちょうど良いと思っています。まずは今回の試合に勝って、フライ級も視野に入れていきたいと思います。よろしくお願いします!」

■視聴方法
11月4日(土)午後5時00分~
Gentleman Flower Fighting Championship公式Youtubeチャンネル

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【Gladiator021】ワードッグ王者の中務が肋骨負傷をはねのけ、バトトをTDからヒールで斬って落とす

強い打撃を見せたバトトを、中務が組みで封じた【写真】(C)MMAPLANET

<55キロ契約/5分3R>
中務修良(日本)
Def.1R3分39秒 by ヒールフック
エイドリアン・バトト・ジェマー(フィリピン)

サウスポーの中務が左インローを繰り出す。バトトは右ストレートを合わせた。パンチを伸ばすバトトに対し、中務がニータップでテイクダウンを奪う。背中を着かせた中務がケージ際まで運び、バトトの頭をケージに押し込んでいく。フックガードでディフェンスするバトト、中務が上半身を起こすと手を抑えにかかる。

中務がパスを仕掛けたところでスクランブルに持ち込んだバトトが立ち上がった。そしてケージに押し込んでから尻もちを着かせた。中務はガブりながらバトトの右足を取って外ヒールで絞り上げる。ケージ際まで回ってディフェンスるするバトト、中務は自身がケージ際に回り再びヒールを仕掛けていく。バトトもトーホールドで応戦するなど、足関節の攻防が続くなか、中務がないヒールに再チャレンジしてタップを奪った。

勝者の中務は試合2週間前に肋骨が折れていたことを告白し、「もっともっと強くなって頑張ります」と語った。


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