カテゴリー
45 AB ABEMA F1 K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN DECADE RIZIN49 YA-MAN エドポロキング エンカジムーロ・ズールー カルシャガ・ダウトベック キック キム・テイン クレベル・コイケ ホベルト・サトシ・ソウザ ボクシング ラジャブアリ・シェイドゥラエフ ヴガール・ケラモフ 上田幹雄 久保優太 伊澤星花 修斗 元谷友貴 堀口恭司 大雅 斉藤健心 新居すぐる 桜庭大世 梅野源治 横内三旺 武田光司 瀧澤謙太 矢地祐介 神龍誠 福田龍彌 秋元強真 芦澤竜誠 貴賢神 鈴木千裕 雅駿介

【RIZIN DECADE】芦澤竜誠と本能の戦いへ。福田龍彌「単純にどっちが強い生き物か。それだけの話」

【写真】RIZINがなければ交わらなかったであろう福田と芦澤。しかし戦いの思考やファイトスタイルなど間違いなく噛み合う2人だ(C)TAKUMI NAKAMURA

31日(火)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN DECADEの第2部=RIZIN49で福田龍彌が芦澤竜誠と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2024年はバンタム級に階級を上げ、雅駿介と瀧澤謙太を1Rで仕留めている福田。今年の大晦日RIZIN49の最後の追加対戦カードとして芦澤と対戦することが決まった。

対戦相手の試合映像を見て対策を立てることに時間を割くのではなく、自分のクオリティを上げて対戦相手の向かいった時の感覚で戦う。本能に任せた戦いで強さを発揮するという意味では福田と芦澤には共通するものがある。福田自身も「単純にどっちが強い生き物かっていう、それだけの話」と語る。


――大晦日での芦澤戦が発表されて、周りの反響も大きかったのではないですか。

「周りの反響は大きいですね、特に大晦日というところで。『やっぱり大晦日出るんですか!?』って感じでしたね。芦澤戦というより大晦日みたいな。みんなそこなんやなと思いました」

――福田選手自身も大晦日のオファーは意外な部分もありましたか。

「もしかしたら試合があるかもみたいな感じだったんですけど、フライ級まで落とすのは無理やなと思っていて。そしたら(大晦日は)難しそうな感じやったんで、オファーをもらった時はびっくりしましたね」

――今年から本格的にバンタム級で試合を続けていますが、バンタム級に照準を絞ってやきたいと思っていたのですか。

「今年はそうっすね。今年はフライ級の話が来そうになかったんで、それやったらバンタム級で開拓していこうと思っていました」

――同じバンタム級とは言え、芦澤選手と対戦することは想像していましたか。

「全然想像してへんかったし『ええ?マジで?』みたいには思いました」

――カード発表時に初めて顔を合わせたと思うのですが、どんな印象を受けましたか。

「思っていたより自分のことをリスペクトしてくれてるんやなっていうのは感じて。あとはすごいキレイな目をしていましたね。めちゃくちゃ真っ直ぐやな、と」

――対戦が決まって試合映像は見ましたか。

「見てないっす。あんまりそこは意識してへんかな。実際現場でどう感じるかを大事にしたいというか。芦澤くんに限らず、いつもこんなな感じなんで」

――芦澤選手はK-1での実績があり、MMAファイターの中ではすぐれたストライキング技術を持っている選手です。そこも実際に試合で向かい合って感じたいですか。

「はい。芦澤竜誠っていう生き物がどういう動きをする生き物なのかなって。そこは実際現場で感じて、狩りにいこうと思います」

――福田選手は京都のWIZARDキックボクシングジムでも練習されてるんですよね。

「そうです。だから斗麗とか“狂拳”迅とか大夢とか、Krushでチャンピオンになったり、K-1のトーナメントで結構上まで行ったような選手とは普通にやり合ってます。だからそういう選手とやり合う方が難易度は高いんかなと思ってますけど」

――昔から打撃の専門家との練習は続けていたのですか。

「やってましたね。ボクシングでももう引退しちゃいましたけど、WBAでランキング1位になったり、日本タイトルを獲ってるような子らとスパーしてきてるんで。結構立ち技競技で結果を出してる人と殴り合う経験はいっぱいしてきてるんで、あんまりそこは気にならへんかな」

――福田選手自身はバンタム級での2試合を振り返って、自分の中で手応えを掴んでるものはありますか。

「減量苦がない分、自分を削る作業をせんでいいというか。自分を削らずに、ずっと積み上げる練習ができるんで、そういう意味で強くなってるというのは感じます。階級を上げてすごい充実した練習が出来てるし、結果も出ているんで。ただ今年は2試合やって6分くらいしか戦えてへんのですよ、雅(駿介)戦が2分ぐらいで終わって、タッキー(瀧澤謙太)戦が4分ぐらいで終わっちゃったから」

――2試合とも1R決着だったので、2Rまで行ってないんですね。

「そうなんですよ。で、1試合は俺が怪我して試合を飛ばしちゃったから、6分しか戦えてへんのはちょっと寂しいなと。そういう意味では大晦日に試合さしてもらえるのがすごい嬉しいし、まだまだ見せてへんものがいっぱいありますよ」

――それは打撃だけじゃなくてMMA的なところでまだまだ出していないものがあるということですか。

「そうです。それはどの試合でもそうですよ。お客さんが見て喜んでくれるのってやっぱりKOじゃないですか。僕、修斗のデビュー戦で一本勝ちしてるんすけど、そのときお客さんが全然沸かへんかったです(苦笑)。絞め落として失神させたのに。会場がなんであの人やられたの?みたいな感じになっちゃったんで、やっぱりKO勝ちの方がみんな喜びますよね」

――福田選手はストライキングの印象が強いですが、試合の流れでそうなってるだけで、MMAとして出来ることは多いわけですよね。

「別にテイクダウン取ってパウンドでゴスゴスにしてもいいし、そっから組み伏せて、ちゃんとパスガードして、順序を追ってバックチョークを取ってもいいし。選択は自由なんすけど……やっぱり殴るのが一番好きっす」

――そういった意味ではバンタム級では体も動く・反応がいいという感覚もありますか。

「めちゃめちゃあります。なんて言うのかな、ほんま普段通りできるんですよ。調子いいというか。普段の力が10だとしたら、フライ級まで落とすと7ぐらいで試合してる感じなんです」

――フライ級は自分が弱体化している感覚なんですね。

「これは力が出ねえな…みたいな。どちらかというと自分のクオリティが落ちた状態でリングに上がってました。(フライ級の)最後の方はそこがずっと自分でも歯がゆくて。それでバンタム級に上げたんすけど、やっぱり大正解って感じです」

――パンチ威力や正確性が上がったわけではなく、全体のクオリティが上がっていて、試合で出ているのがそこ(パンチ)ということですか。

「そうです。流れで勝手に(打撃が)出ちゃっただけだし、打撃は良くなってるところの片鱗やから。あれしかできひんわけではないです」

――見る側からすると、芦澤竜誠て生き物と福田選手が遭遇したら何が起こるんだろうというワクワクがあります。ファイトスタイル的にもリングで向かい合った感覚を大事にしているタイプだと思いますし。

「間違いないですね。単純にどっちが強い生き物かっていう、それだけの話やから。めちゃめちゃ楽しみっすよ。わくわくするし。早く向き合いたいっすね」

――福田選手にとっては初の大晦日ですが、大晦日に戦うということで何か変化はありますか。

「あんまり自分は箱にこだわってはいいひんから。後楽園ホールで試合するのも、高松シンボルタワーで試合するのも、さいたまスーパーアリーナで試合するのも一緒。全力で向き合う気持ちは変わらないです。でも大晦日に声がかかるような選手になれたんやなっていうのはあります。キャリア13年ぐらいかかりましたけど、それはすごく嬉しいです。地方とか四国の小さい会場で試合してたやつが、大晦日のさいたまスーパーアリーナで戦っているおっさんになって、多分、17歳の俺にそれを言ったら『マジで?』って驚くと思います」

――そのぐらい最近の福田選手は勝ち方にインパクトがあるし、期待感も上がってるからこそのオファーだと思います。来年以降はどんなキャリアを積んでいきたいと考えていますか。

「来年はどういう話をもらえるかですけど、どっちにしろヒリヒリしたものを見せたいです。俺にしかできひんぐらいのもんを戦うことで見せていきたいと思ってるし。それとやっぱり常にチャレンジャー精神を持っておきたいです。なんか今年は赤コーナー側の試合が続いたんで、2025年はできるんやったら青コーナー側の試合、チャレンジ的な試合をやりたいです」

――福田選手には何度か取材させてもらっていますが、リングに上がったときの緊張感など、日常にはないものを味わうのが好きですか。

「そうですね。あの時間が一番必死に生きれてるでしょう。一番濃い時間。全力で今を生きてる感」

――確かに5分3R=15分間、相手が必死になってぶん殴りに来るような場面は普通に生きていて遭遇しないと思います。

「それが何て言うのかな…本能として人間として大事な感覚な気がするんですよね。そういうものを常々感じられる人生にしたいなとは思ってます」

――階級を上げたことも含めて、そういった本能的なものを感じられる相手や試合が増えそうですね。

「そう思います。どうしても13年やってるとマンネリ化しちゃうし、そういう意味では、自分もキャリア終盤だと思うんで、残りの格闘技人生も楽しめそうやなって思いますね。バンタム級で」

――それでは最後にこの試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「芦澤くんも言ってましたけど、辰年最後ってことで。ドラゴンが頑張って締めさせていただきます。しかも来年はへび年で、僕のキャッチコピーが壬生の大蛇なんですよ。なんで大蛇か分からないけど(笑)」

――メデューサのタトゥーが入ってるから……ですかね。

「でもメデューサの蛇は髪の毛やから大蛇じゃないよなぁ、みたいな(笑)。それはさておき、来年も良い働きができたらいいなと思ってます!」

■RIZIN DECADE 視聴方法(予定)
12月31日(火)
午後1時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN DECADE / RIZIN49 対戦カード

<RIZINフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 鈴木千裕(日本)
[挑戦者] クレベル・コイケ(ブラジル)

<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 堀口恭司(日本)
[挑戦者] エンカジムーロ・ズールー(南アフリカ)

<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者] ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者] ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
伊澤星花(日本)
ルシア・アプデリガルリム(アルゼンチン)

<バンタム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
元谷友貴(日本)
秋元強真(日本)

<フェザー級/5分3R>
久保優太(日本)
ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
YA-MAN(日本)
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
芦澤竜誠(日本)

<ヘビー級/5分3R>
上田幹雄(日本)
キム・テイン(韓国)

<59キロ契約/5分3R>
神龍誠(日本)
ホセ・トーレス(米国)

<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
桜庭大世(日本)

<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
新居すぐる(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
エドポロキング(日本)

<バンタム級/5分3R>
大雅(日本)
梅野源治(日本)

<RIZIN甲子園決勝戦/5分2R>
横内三旺(日本)
斉藤健心(日本)

The post 【RIZIN DECADE】芦澤竜誠と本能の戦いへ。福田龍彌「単純にどっちが強い生き物か。それだけの話」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB ABEMA Interview other MMA RIZIN DECADE RIZIN49 キム・テイン ブログ 上田幹雄

【RIZIN DECADE】韓国ROAD FC2冠王キム・テインと激突、上田幹雄「心技体が全てMMAファイターに」

【写真】空手で世に出て10年以上--少年っぽさも残るが、抱いた夢も変わらない上田(C)SHOJIRO KAMEIKE

31日(木)、さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN DECADEの第3部=RIZIN49で、上田幹雄が韓国ROAD FCライトヘビー級&ヘビー級2冠王のキム・テインと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

上田幹雄は2019年に極真会館の全世界空手道選手権を制し、22年にMMAへ転向した。初戦こそ高阪剛を相手に黒星を喫したものの、その後は3連続KO勝ち。しかし今年7月にはポーランドのシェミスラブ・コバルチェクに腕十字で敗れてしまう。コバルチェク戦については「ぶっちゃけナメていました」と、上田は振り返る。そんな上田が大晦日に戦うのはROAD FC王者のストライカー、キム・テインだ。キム戦を控える上田に空手時代から現在に至るMMAへの想いを訊いた。


――上田選手を初めて取材させていただいたのは2014年、まだ高校生の頃に極真会館の全日本無差別で7位になった時でした。

「あぁ、僕の出世大会ですね!」

――あの大会で最大の衝撃の一つは、上田選手が放ったドロップキックでした。相手を場外に押し出しつつ、飛んで足が相手の顔面に到達した時、マットと並行になっていて。凄い身体能力だったという印象が強いです。もう一つはヒザ蹴りで、助走をつけず垂直に高く飛ぶことができた。あの時点で、K-1やMMAに進むことを考えていたのですか。

「いえ、その頃は全く考えていなかったです。まず空手の世界チャンピオンになること。それが小学1年生ごろから掲げていた夢だったので。だから世界大会で優勝することしか考えていなかったですね」

――初めて出場した2015年の世界大会では準々決勝で、フランスのジマ・ベルコシャに下段蹴りを受けて敗れました。もしあの時に優勝していたら、その時点でMMAに転向していましたか。

「あの時はまだ20歳で、正直なところ分からないですね。……いや、今考えるとMMAに転向していたかもしれないです。僕が20歳の頃――2015年のMMAって、どんな感じでしたか?」

――2015年の年末にRIZINがスタートしています。

「そうだ! 当時テレビで視ていました。そう考えると、世界大会で優勝したあとに視ていたら『こういうのもアリかもなぁ』と思っていたかもしれません。そもそも僕は『MMAをやりたい』という気持ちが強かったわけじゃないんですよ。空手の世界チャンピオンはMMAでも強い、やってやる――と考えてMMAに転向しました」

――それこそが極真空手の浪漫の一つでもありますよね。

「そうなんですよ。僕は自分について、良くも悪くも挑戦心があると思っています。やっぱり極真空手って顔面がない、組みがないとか――ルールが限定されている。だからこそ応援してくれる人もいれば、ある方面からは『顔面がないから弱いだろ』と言われている部分もあって。MMAを視て、居ても立ってもいられなくなる空手家は多いと思いますよ。

僕が小学校低学年ぐらいの頃、K-1が大人気で。フィランシスコ・フィリョ、グラウベ・フェイトーザ、エヴェルトン・テイシェイラといった海外の先輩たちがK-1でも戦ったじゃないですか。でも、やっぱりK-1やキックボクシングのルールだと勝てないことも多い。そういう姿を見ていて、小学生ながら僕も悔しかったです。今でも僕は極真出身の格闘家として、挑戦することを忘れちゃいけないと思っています。

もちろんプロのファイターとして有名になりたい、という気持ちはありますよ。でもそれ以上に、強い相手に勝ちたいからMMAをやる。そういう気持ちのほうが強いです」

――それは上田選手が初めて全日本無差別に出場した頃、道場の中には同じ意識を持っている人たちはいましたか。

「周りは――そういう考えを持っていたとしても、実際に口に出す人はいなかったです。僕はもともと、いろんなフルコン空手の流派や大会を転々としていましたから。その当時、極真会館は『一撃』を開催していたじゃないですか。それも含めて、フルコン空手の中で最強なのは極真会館だと思っていました。だから最後に目指すのは極真会館の世界チャンピオンだ――と」

――当時の上田選手は体重別であれば軽重量級(90キロ以下)に出場していました。そこから体重を増やしていったのは、やはり無差別の世界王者になるためですか。

「もともと体重を増やしたいと、ずっと思ってはいました。だけど増やした、というより増えてきたというのが正しいです。初めて出た世界大会で負けて、組手や体つき――自分の全てがダメだと思いました。そこで当時の師範に相談して、そこからジムにも通って体つきが大きくなっていきましたね」

――体重を増やしたことは結果として、自身にとって良かったですか。体重を増やすと最初に挙げたドロップキックや垂直跳びヒザも難しくなるわけで。

「世界王者になるためには絶対に必要でした。体つきだけでなく、とにかく過去に世界王者となった先輩たちがやってきた稽古を、一つひとつクリアしていったんです」

――その末に世界王者となった後、MMAに転向したことは驚きでした。

「これは批判じゃないけど――僕は子供の頃から空手が大好きで、空手のことばかり調べている子供でした。だから、世界王者になれば全てが安泰だと思っていたんです。オリンピックの金メダリストになるぐらいのイメージで。たとえば僕の前の世界王者がブルガリアのザハリ・ダミアノフで、優勝した時は地元のテレビ局でも凄い扱いだったらしいんですよ。でも僕が世界王者になった時は、理想には程遠くて」

――……。

「だけどそれは、別に誰かのせいじゃないです。もちろん極真のせいでもなく、僕自身に魅力がないだけで。であれば、皆が見ている舞台で戦って勝つ。自分は喋りとかキャラで売るタイプでもないし、勝って強さを証明するしかない。そう考えた時、日本の格闘技界で一番注目されているRIZINで勝つことが空手への恩返しにもなると思っています。何より自分が追い求めていた強さを――極真世界王者の凄さを見てもらうために」

――空手時代と現在のMMA時代では、体づくりも変わってきますか。

「全然違います。MMAだと寝技や組技――要は慣れていないことをやらないといけないですよね。空手の時は多少自分の体が重くても、それが鎧になってくれる時もありました。今は体重を増やすことだけを考えると、苦手なところで凄く疲れてしまうんです。たぶん立ち技であれば、体重を120キロに上げても動けるとは思います。でも寝技になると疲れを感じるようになるので、MMAを戦うために食事の面から体づくりを見直してきました」

――そうでしたか。MMAデビュー当時とスダリオ戦を比べると、明らかに機動力がアップしているように感じました。

「デビュー戦で高阪剛さんに負けて、グラチャンで試合をしたあたりで『あぁ、空手のやり方だけじゃダメなんだな』って気づきました(苦笑)。空手の大会って2日から3日間のトーナメントじゃないですか。当時、大会の2週間前から練習を止めていたんですよ。トーナメント当日まで疲れが溜まらないように。でもMMAは基本的に1日1試合で、試合前に休み過ぎると当日は体が動かなくなる。だからMMAの場合は多少ギリギリまで体を動かしていないとダメだと思いました」

――そんななか、今年6月にはシェミスラブ・コバルチェクに腕十字を極められ、黒星を喫しました。

「あれは僕が今まで寝技をやってこなかったとか、何か足りなかったとか、そういうことではなくて……。今は次の試合が決まったから言えるんですけど、あの時は気が抜けていたというのが正直なところです」

――気が抜けていた……、それだけ前年大晦日のスダリオ戦で勝利したことが大きかったのですね。

「大きかったです。僕の中では、スダリオ戦のKO勝ちの後だったので、もっと名前のある選手と試合がしたかった。誰と戦いたい――というわけでもないんですけど。それがあの外国人選手になって、ぶっちゃけナメていました。あの時の自分に『お前は相手のことをナメることができるようなレベルじゃないんだ!』と言ってやりたいです(苦笑)」

――アハハハ。それが今言えるというのは、とても大きいことかと思います。

「本当にもう……、あの時は『大丈夫でしょ』と思っていました。だけど相手は僕がやってくることも分かっていましたし、足元をすくわれた試合でしたね。去年のKO勝ちや前回の負けを経験していくなかで、自分の心技体が全てMMAファイターになってきているのは感じます」

――寝技とレスリングについては?

「ずっと練習しているものではあるので、あとは実際にその場面になってみないと分からない、という面はあります。今は岡見勇信さんや高阪剛さんから教わりながら、寝技を主にしたスパーリングもやらせてもらっていて、6月よりはレベルアップしています。

僕がスダリオ戦で勝ったことで、6月の試合までは『上田君の好きなようにやりなよ』という感じだったんですよ。だけど6月に負けて『やっぱりこうしたほうが良いよ』と言われるようになりました。今は対策を講じながら技術を上げていく練習もできるようになってきて、周りの皆さんにも感謝しています。次の試合は、僕からテイクダウンに行こうかと思っているぐらいの気持ちですね」

――おぉっ! それは大きな変化です。

「距離を取るだけが打撃ではなく、テイクダウンがあるからこそ自分の打撃が生きる。岡見さん、高阪さんにはそう言われています。それは最近、特に身に染みています。だから次は本当のMMAファイター上田幹雄を見てもらえる試合になると思います」

――特に相手がパンチを振り回してくる相手だけに、打撃戦だけではなく……。

「バコーンと当たって倒れることもあるのがヘビー級の怖さですし、ああいうファイトスタイルは、むしろその展開を狙ってくる。そこで自分が食らわずに倒す対策を練習しています。相手はROAD FC王者でMMA無敗ですから、決して侮ることなく一歩一歩、自分を高めているところです。ここでしっかりと勝ったあと、来年RIZINさんが新たにヘビー級のベルトをつくってくれるなら、それは僕が巻きます!」

■RIZIN DECADE 視聴方法(予定)
12月31日(木)
午後13時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN DECADE / RIZIN49 対戦カード

<RIZINフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 鈴木千裕(日本)
[挑戦者] クレベル・コイケ(ブラジル)

<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者] ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者] ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)

<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 堀口恭司(日本)
[挑戦者] エンカジムーロ・ズールー(南アフリカ)

<バンタム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
元谷友貴(日本)
秋元強真(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
伊澤星花(日本)
ルシア・アプデリガルリム(アルゼンチン)

<フェザー級/5分3R>
久保優太(日本)
×ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)

<ヘビー級/5分3R>
上田幹雄(日本)
キム・テイン(韓国)

<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
桜庭大世(日本)

<フェザー級/5分3R>
YA-MAN(日本)
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)

<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
新居すぐる(日本)

<バンタム級/5分3R>
大雅(日本)
梅野源治(日本)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
芦澤竜誠(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
エドポロキング(日本)

<59キロ契約/5分3R>
神龍誠(日本)
ホセ・トーレス(米国)

<RIZIN甲子園決勝戦/5分2R>
横内三旺(日本)
斉藤健心(日本)

The post 【RIZIN DECADE】韓国ROAD FC2冠王キム・テインと激突、上田幹雄「心技体が全てMMAファイターに」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
o ONE ONE172 RIZIN RIZIN DECADE YA-MAN YouTube エドポロキング エンカジムーロ・ズールー カルシャガ・ダウトベック キム・テイン クレベル・コイケ チャンネル ホベルト・サトシ・ソウザ ラジャブアリ・シェイドゥラエフ ルシア・アプデルガリム ヴガール・ケラモフ 上田幹雄 久保優太 伊澤星花 元谷友貴 北岡悟 堀口恭司 大雅 安保瑠輝也 新居すぐる 桜庭大世 梅野源治 横内三旺 武尊 武田光司 矢地祐介 神龍誠 秋元強真 貴賢神 鈴木千裕

【週刊ジョビンNEWS】続・拝啓北岡悟。RIZIN大晦日、安保vsガルシアが中止で三部興行は廃止。ONE172で夢のカード、武尊vsロッタン実現!記録員失踪。今週の神の声『続・緊張する場所に行け』

【ジョビンが飲んでるVITASサプリメント】

ビタパワー
↓↓↓
https://t.co/p7Ehc7WyOU

プロテイン(個人的オススメはキウイ味)
↓↓↓
https://amzn.to/4dWocxi

EAA(個人的オススメはマンゴー味とライチ味)
↓↓↓
https://amzn.to/4fR6YBG

【VITAS公式ホームページ】
↓↓↓
https://vitas.fitness/

ジョビンチャンネルスポンサーのCASTグループの『CAST-UD』さんと『CAST-RE』さんのホームページ
↓↓↓
CAST-UD
http://www.cast-ud.co.jp/
CAST-RE
http://cast-re.co.jp/

【ジョビンチャンネル公式スタンプ】
https://line.me/S/sticker/27397881/?lang=ja&utm_source=gnsh_stickerDetail

BGM=永井カイル(THA NEON LILY)
↓↓↓
X:https://twitter.com/KAIRU_NAGAI
YouTube:https://www.youtube.com/@kumaezumo5799/featured
IG:https://www.instagram.com/kairu_nagai/

ジョビンチャンネルメンバーシップ(月額490円)
https://m.youtube.com/channel/UC6xWdI4q2dna1ye-ZQJBLiw/join

ジョビンX

ジョビンInstagram
https://www.instagram.com/jyobin.0307/

フェザー級タイトルマッチ/鈴木千裕 vs. クレベル・コイケ
ライト級タイトルマッチ/ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ヴガール・ケラモフ
フライ級タイトルマッチ/堀口恭司 vs. エンカジムーロ・ズールー
バンタム級王座次期挑戦者決定戦/元谷友貴 vs. 秋元強真
伊澤星花 vs. ルシア・アプデルガリム
久保優太 vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
上田幹雄 vs. キム・テイン
矢地祐介 vs. 桜庭大世
YA-MAN vs. カルシャガ・ダウトベック
武田光司 vs. 新居すぐる
大雅 vs. 梅野源治
RIZIN甲子園 決勝戦/横内三旺 vs. ⻫藤健心
ライアン・ガルシア vs. 安保瑠輝也
アマド・バーガス vs. ショーン・ガルシア
カーメル・モートン vs. アルバート・パガラ
神龍誠 vs. ホセ・トーレス
貴賢神 vs. エドポロキング
RIZIN DECADE 大会情報/チケット

#北岡悟
#ONE172
#武尊

カテゴリー
45 AB ABEMA MMA MMAPLANET o PRIDE RIZIN RIZIN DECADE RIZIN LANDMARK10 ROAD FC YA-MAN エドポロキング カルシャガ・ダウトベック キム・テイン ブログ ラジャブアリ・シェイドゥラエフ 上田幹雄 久保優太 桜庭大世 矢地祐介 貴賢神

【RIZIN DECADE】大晦日の追加対戦カード発表。アジアの強豪たちがズラリーー矢地は「怒っているぞ」

【写真】デビュー戦で矢地と戦う桜庭大世は終始、笑顔だった(C)RIZIN FF

20日(水)、東京都目黒区のホテル雅叙園東京3Fカシオペアにて、大晦日に開催されるRIZIN DECADEの追加対戦カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

鈴木千裕×クレベル・コイケのRIZINフェザー級選手権試合、17日(日)のRIZIN LANDMARK10で発表されたフェザー級:久保優太×ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、ヘビー級:貴賢神×エドポロキングの3試合に続き、次の3カードが発表されている。

ヘビー級:上田幹雄×キム・テイン
ライト級:矢地祐介×桜庭大世
フェザー級:YA-MAN×カルシャガ・ダウトベック

今回の記者会見には榊原信行CEOのほか、上田幹雄、エドポロキング、久保優太、YA-MAN、桜庭大世、矢地祐介が登壇。ここでは各選手の冒頭挨拶を掲載したい。


貴賢神(※コメント)
「自分は今、米国で毎日追い込んでいます。対戦相手のエドポロキング選手に対して無駄にトラッシュトークをする気はないのですが、久々の再会をリングで楽しみにしています。初めての大晦日、しっかり勝って盛り上げて来年につなげます」

エドポロキング
「貴賢神選手と同様、トラッシュトークをする気はないので。試合でしっかり盛り上げて、勝って次のステージに繋げたいと思います」

ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(※コメント)
「今年はたくさん試合ができて嬉しいです。本当は1日に2試合やりたいのですが、継続的に試合が組まれていることに感謝しています。対戦する相手はキックボクシングのチャンピオンで、素晴らしい打撃を持っています。非常に厳しい試合になると思いますが、全力で戦い、勝ちたいと思います。どんな結果であれ、私にとって良い経験になると信じています。ラジャブアリの物語はまだまだ続きます」

久保優太
「前回のRIZINで発表してもらってから、結構反響を頂いて。無謀、漢気があるのか、勇気があるのか――いろいろ言われたりします。僕はこのカードを望んで、叶えていただいたというか。僕は最短でRIZINフェザー級のチャンピオンになる道を歩みたいので。そのために、MMAに挑戦しています。このシェイドゥラエフを乗り越えて、来年絶対RIZINフェザー級でチャンピオンになりたいと思っています。今は勝率が低いかもしれないですけど、前回も前々回もそうですけど、僕はここから強くなります。当日は絶対に乗り越えたいと思っているので、期待しておいてください」

キム・テイン(※コメント)
「ROAD FCライトヘビー級、ヘビー級チャンピオンのキム・テインです。今回はRIZINの中で一番大きな大晦日の大会で試合をすることになりました。とてもワクワクしています。相手の上田幹雄選手の映像を視ましたが、とても上手い選手でした。RIZINヘビー級でも1位になっている選手なので、とても楽しみです。強い相手だけに、私は入念に準備しています。結果は私がKOで勝つと思います。私が誰なのか、RIZINファンにお見せします。上田幹雄、怪我に気をつけてしっかり準備して、素敵な試合をしましょう」

上田幹雄
「対戦相手のキム・テイン選手はROAD FC、他団体のチャンピオンということで、とてもワクワクしています。自分はRIZINのヘビー級を背負って戦うつもりでいます。こうして大晦日という大舞台に呼んでもらって嬉しいですし、他団体のチャンピオンと戦えることは光栄です。そこで勝って『RIZINなめるなよ』というところを見せたいです。キム・テイン選手から『KO勝ちする』と言われていますけど、逆に自分がブッ飛ばしてKO勝ちするつもりでいるので、大晦日はヘビー級の試合を楽しみにしていてください」

カルシャガ・ダウトベック
「前回の試合からすぐに試合が組まれ、伝統的な大晦日の大会に出場できることは光栄だ。対戦相手はキック界のスターで、最近MMAに転向し、戦績だけでは測れない深い格闘技の経験値を持っている相手だと思う。格闘家としてリスペクトしており、決して過小評価はしていない。これはどちらがより危険なストライカーかを決める試合だ。この試合で自分からテイクダウンするつもりはないが、同時にMMAというものの奥深さを見せたいと思っている。この試合はファンが求める内容になる。それに勝った者がタイトルマッチに近づくだろう。日本で試合をするたびに、私を支持する人が増えているように感じる。それは私にとって言葉では表せないぐらい尊いものだ。必ず皆さんの期待に応えると同時に、記憶に焼きつくような試合を約束したい」

YA-MAN
「今回の試合で『俺はエンタメ枠じゃねぇぞ』、俺はガチだっていうのをRIZINのファンに認めさせるために――ダウトベック選手って、今8連続KOぐらいしていて。RIZINでもずっと勝っていますし。RIZINの中でもトップ選手の一人だと思って、ここで勝ってRIZINファンにYA-MANという存在を、ガチなんだっていうのを証明します。試合については必ずどちらかが倒れる、失神するような試合になると思うので。もしかしたら俺が失神しているかもしれないし。もちろん俺が失神させるつもりでやるけど、どちらが倒れているか分からないですね。そんな試合になると思うので、1Rめから目を離さないようにしてください」

桜庭大世
「自分が日本で一番大きなRIZINという団体で、一番大きな大晦日の舞台に立てるのは、親の名前でしか立てないと思っていて。しかもペーペーなので、精一杯頑張ります。人の感情を揺さぶるような試合をしたいので、楽しみにしていてください」

矢地祐介
「10年目という節目の大晦日大会に出られることを嬉しく思います。ただ、榊原さんが隣にいるので言いづらいですけど――『ちょっと待て』と。試合が決まったことは嬉しいけど、相手がデビュー戦ということで、すごく複雑な気持ちになりました。せっかく前回、日本の若手筆頭のパトリック選手をなんとか倒して、『よし、もう一回上へ』という気持ちだったところに、このオファーが来て。すごくガッカリしたし、悔しい気持ちもありました。ただ、僕も良い年齢になってきて、こういう若手の相手をしなければいけない立場になったことも重々承知しています。大晦日ということもあって、有名選手の息子さんという話題性のあるカードが必要なことも分かっています。僕自身もPRIDEが大好きだったので、桜庭和志さんの息子さんと試合できるのは嬉しいですけれども……複雑な気持ちです。
どうやら桜庭さん陣営からの指名? 『矢地君どうかな?』みたいな話が耳に入ってきて、『何だソレ。ナメてんのか』と。ナメられがちな僕ですけど、15年やってきて良い時も悪い時もありましたけど、第一線で活躍してきた自負はあります。そんな自分を名指ししてくるとは、まあまあナメているなと思ったのが正直な気持ちです。ただ、レジェンドファイターの息子さんですし、組技のスキルもまあまああるみたいですし、デビュー戦といえど何をしてくるか分からない。どんなポテンシャルを持っているか分からないので、しっかり気を引き締めて戦いたいと思います。矢地はちょっと怒っているぞ、ということだけ伝えたいです(苦笑)。当日は良い試合をするつもりはなくて、MMAの厳しさを伝えて、叩き潰したいです」

The post 【RIZIN DECADE】大晦日の追加対戦カード発表。アジアの強豪たちがズラリーー矢地は「怒っているぞ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
o RIZIN RIZIN DECADE YA-MAN YouTube カルシャガ・ダウトベック キム・テイン ボクシング ライカ 上田幹雄 安保瑠輝也 桜庭大世 海外 矢地祐介

【RIZIN】速報中!RIZIN DECADE 追加対戦カード発表記者会見!


RIZIN LANDMARKが終わっていよいよ大晦日モード全開!3部構成で行われるRIZIN DECADEの追加対戦カードの発表記者会見が行われます。海外経由で安保瑠輝也×ライアン・ガルシアが半ば公然とリリースされていますが、果たして正式発表はあるのか。YouTubeを確認しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。

・RIZINウエハースは12月2日発売
・YA-MAN×カルシャガ・ダウトベック
・矢地祐介×桜庭大世
・上田幹雄×キム・テイン
・安保瑠輝也×ライアン・ガルシア(ボクシングエキシビションマッチ)

YA-MANとダウトベックが熱い!ダウトベックの打撃はホンモノのストライカーのYA-MANに通用するのか。スタンドだけならYA-MANがKOしても不思議じゃないけど、ダウトベックはテイクダウンに来る気もする。楽しみな一戦だ。
カテゴリー
45 DEEP DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep06 LFA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase345 UFC YouTube アテバ・グーティエ アリ・カラダギィ キック ダスティン・ポイエー パンクラス ブライアン・オルテガ ロッキー川村2 上田幹雄 内藤由良 岩倉優輝 海外

【DWCS S08 Ep06】満を持してコンテンダーシリーズ参戦、内藤由良「日本人は日本人としての強さもある」

【写真】 (C)TAKUMI NAKAMURA

17日(火・現地時間)米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep06で、内藤由良がアテバ・グーティエと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

6月30日のPancrase345で、ディラン・オサリバンの代役アリ・カラダギィにマウントからのエルボーでTKO勝ちを収め、Dana White’s Contender Series=DWCS出場のチャンスを掴んだ内藤。カラダギィ戦が約2年3カ月振りの実戦だったが、この試合に勝ったことで一気にUFCへのチャレンジが動き出した形だ。

日本人にとって重量級=ミドル級という階級でUFCを目指す内藤は、DWCS参戦が自身のキャリアをかけた挑戦であるとともに、自分が結果を出すことで日本の重量級そのものを盛り上げたいと語った。


改めて格闘家は試合しないと先に進まねえなって

――6月のアリ・カラダギィ戦後にDWCS出場が決まりましたが、どういった経緯で参戦が決まったのかを教えていただけますか。

「もともと自分はアメリカのマネジメント会社のアーセナル(スポーツマネジメント)と契約していて、ブライアン・オルテガやダスティン・ポイエーと同じマネージャーさんにお願いしているんですけど、去年からDWCSに入れてもらえるかもしれないという話はあったんです。それ以外にもLFAで数試合してから直接(UFCと)契約(を目指す)とか、色々と話はあったんですけど、上手く決まらないままズルズルと来ちゃっていて。それでDWCSに出るんだったら6戦やるのが基準という話があると聞いて、もう1戦やってくれということになって、今年6月にパンクラスで試合をすることになったんです。試合間隔も空いていたので、一度パンクラスで試合をやることにして、そうしたら試合後にDWCSから正式にオファーが来た、という感じですね」

――今UFCにチャレンジする日本人も増えていますが、軽量級だったらRord to UFC(RTU)という道がありますが、内藤選手の階級=ミドル級では明確な道がない状況でしたよね。

「そうなんですよ。RTUでもライトヘビー級のワンマッチが組まれたこともあったので、ミドル級でもそういうチャンスが巡ってこないかを待ってみたり、UFC FIGHT PASSで試合を配信している大会、UAE Warriorsみたいなフィーダーショーに出ることも考えたり……どうやったらUFCに出られるんだろうというのを色々と考えていました。そういうなかでマネージャーがUFCに精通してる方だったので、今回スムーズに話が決まってくれて良かったです」

――試合間隔が空いたのは、どの路線でUFCを目指すかを悩んでいたことも理由だったのですか。

「特に明確な理由があったわけじゃなくて、結果的にそうなったって感じですね。実際に何度かLFAからもオファーをもらっていて、いつでも行ける準備をしていて、内々で相手も決まっていたけど流れて…みたいなことが何度かあって。それで2年空いちゃったって感じです」

──ステップアップするための場が、海外。日本国内にミドル級の需要はほとんどないということは、関係していますか。

「分母が少ないですからね。ただ、そこが関係しているとすれば、それはこれからのためです。自分がUFCで活躍して、ミドル級でも日本人はやれるということを見せる。そしてパンクラスからUFCに行けるルートがあるということを示す。パンクラスのミドル級で実績を創れば、UFCへの道が開けるという道を創りたいと思っています」

――6月の試合は当初ディラン・オサリバンとの対戦を予定していて、直前でカラダギィに変更になるという形でしたが、あの試合に勝ったことで道が拓けたようですね。

「はい。改めて格闘家は試合しないと先に進まねえなってことを感じました」

――カラダギィ戦が終わってから、すぐに練習を再開したのですか。

「試合が終わった週の金曜日には練習に出て、スパーリングにも参加していたので、あまり休んでる感じはなかったですね。ダメージもなかったですし、減量終わりで身体の調子も良かったです。6月に試合をした流れのままいこうと思って練習はすぐに再開しました」

──アリ・カラダギィはMMA初戦のキックボクサーでした。王座を獲得したロッキー川村2選手を含め、これまで戦ってきた相手だと、内藤選手の実力が北米で通用するのか測ることが困難だというのは正直あります。そこも踏まえて、ご自身のパフォーマンスにどれだけの自信を持てていますか。

「良い意味で、怖いモノなしという気持ちでいます。接戦の経験がないし、自分がどれだけやれる分からないことが不安じゃなくて。行けるんじゃないかと思っています。GENもそうですし、ずっと高いレベルで練習をさせてもらってきて。それにハンディントンビーチで、マネージャーがミドル級の選手を集めてくれて、今はUFCファイターになったアントニオ・トロコリとかとも練習もしてきましたし。ロッキー川村戦より、強くなっていることは実感できていたので。日本で強い選手と戦っていないとかは気にしていないです」

――SNSにもアップされていたように、GENスポーツパレスで練習を始めて4年になるそうですね。

「はい、今はGENをメインで練習しています」

――GENには日本の重量級のトップ選手たちが集まっていますが、GENで練習することは自信につながる・不安はなくなりますか。

「重量級の選手が集まる場所がGENしかないという現状もあると思うのですが、三上ヘンリー(大智)君、ちょっと階級は下ですけどDEEPに出ている岩倉優輝君、上田幹雄選手も20代ですし、最近は若い選手も少しずつ増えています。あとは年齢が上の選手たちも、あの人たちが海外で経験してきたことは本当に本物だと思うので、そういう経験を教えてもらったり、海外での過ごし方や外国人選手や特徴を教えてもらったり、そういうことを知ることができる場になっているので、自分としてはすごくいい環境ですね」

――去年12月に岡見選手が復帰戦をやる前にインタビューさせてもらったんですけど、そのときに内藤選手の名前を挙げていて「若い選手たちと練習して、彼らからも刺激や力をもらう」と言っていました。内藤選手は岡見選手からどんなものを得ていますか。

「岡見さんは世界のトップで戦ってきた人なんで、一番知識も持っていますし、UFCがどんなところかというのはあの人が誰よりも分かっていると思います。技術的な面でもMMAが上手くて、特に壁レスとか、そういう面ではこの4年間であの人からたくさん学んできましたね」

──重箱の隅を突くようで申し訳ないのですが、そのGENの先輩方と内藤選手や新世代フィターが描く成長の放物線は違っている部分があるかと感じます。

「そこで感覚的なズレが出てくるということですね。それは過去よりも、これからですね。海外での練習を増やすだとか、若い選手は一同に会して練習をするとか。それで海外で戦っていくようになれば。世界を目指しているなら、岡見さんが創ってきたGENを新しくしていくのも若い選手の役割だと思います」

──そういうなかで対戦相手のアテバ・グーティエにはどんな印象を持っていますか。

「とにかく“フィジカル!”という感じですよね。そのなかでもストライキングのフィジカルという感じで、典型的なアフリカ系の選手だなという印象があります。ただ戦績が少ない分、雑なところや打撃に偏っているところがあるので、穴は結構ありますよね」

――試合映像を見る限り、それらの穴を勢いとフィジカルでごまかしている印象もあります。

「そうですね。自分は毎週DWCSは見ているんですけど、ミドル級くらいの試合になると、打撃と寝技どちらかに偏っていることもある。フィーダーショーのチャンピオンやトップクラスでもそうなんですよ。前回のパンクラスで対戦予定だったオサリバンの過去の試合でも、対戦相手があまり参考にならないレベルの試合もあったので、ミドル級ってそういう階級なのかなと思いました。自分も含めてそう思われているとは思うんですけど」

──コンテンダーシリーズに出ている選手は、ほぼほぼそういう選手ですよね。対戦相手の力量など測れないです。

「そうなんです。どういう選手が相手だったのか分からないけど、圧倒して勝っている。でも蓋を開けてみるまで分からないですよね」

――今の話を聞いていても冷静に対戦相手や周りのことも分析されているなと思うのですが、グーティエ対策はできていますか。

「そうですね。グーティエの試合映像もしっかり見て、立てた作戦を遂行するための練習をずっとキャンプで続けてきました」

UFCで活躍できる重量級の日本人がここにいるっていうことを証明していきます

――これからはそういった経験やキャリアのすべてをぶつけるチャレンジが始まると思いますが、ワクワクしていますか。

「いやあ、ホントに楽しみですね。自分がどこまで通用するのか。もちろん上に行く自信しかないし、いつかは壁に当たることもあるとは思うんですけど、世界一の団体にチャレンジして、自分がどの位置にいるのかも確認したいです」

――内藤選手には重量級の日本人として期待される部分も大きいですが、重量級でも日本人は通用するところを見せたいですか。

「そうですね、僕は重量級でもやれると思います。結局戦うのは同じ人間ですし。もちろんフィジカル差とか遺伝的な違いはあると思うんですけど、日本人は日本人としての強さもあると思うので。体の柔らかさとか忍耐力とか。

外国人はすぐに心が折れちゃったりする選手もいると思うんですけど、そういうところは日本人の方が優れていると思っていますし、フィジカルじゃないところでしっかり制していくのがMMAの面白いところだと思うので、自分がやってきたこと、どれが正解っていうものはないと思うんですけど、色々と試したいですね」

――ちなみに内藤選手はレスリング出身ですが、オリンピックは見ていましたか。

「めちゃめちゃ見ていて、すごく刺激になりましたね。あれだけメダルを取っていたのは日本人の強さというか、コツコツやることの強さというか。自分と同世代や少し下の世代で、自分の目で見てきた選手たちも多かったので、その選手たちの活躍をオリンピックで見られたことはすごく嬉しかったです」

――競技は違えど自分でもやれるんだという気持ちになりましたか。

「なりましたね。特に重い階級、74キロ級で高谷大地くんが銀メダルを取ったんですけど、あの階級でメダルを取れるんだというのもありましたし、86キロの石黒隼人も準々決勝で負けはしちゃいましたけど、世界で通用するレスリングを持っているので、不可能はないんだなと思いました」

――日本のファンに対して、どんな試合を見せたいですか。

「やっぱり重量級でもやれるよってところを見せたいですし、今後もっと日本の重量級が盛んになって欲しいので、そのきっかけになれればいいなと思います。自分が小さい頃は岡見さんがそういう姿を見せてくれていたし、僕が結果を出すことで今後MMAをやりたいと思う重量級の選手が増えると思うんですよ。それこそレスリングや柔道の重量級の選手たちが引退して終わりじゃなくて、MMAという道もあるよということを示したいなと思います」

――なるほど。他競技からMMAに転向する選手が増えれば練習仲間も増えるし、日本の重量級全体のレベルも上がりますよね。

「はい、そうやって日本の重量級がもっと盛り上がるんじゃないかなって思います」

――それでは最後にファンの皆さんにもメッセージをいただけますか。

「しっかりDWCSでフィニッシュして勝って、UFC契約を勝ち取って、そこからUFCで活躍できる重量級の日本人がここにいるっていうことを証明していきます。皆さん応援よろしくお願いします!」

The post 【DWCS S08 Ep06】満を持してコンテンダーシリーズ参戦、内藤由良「日本人は日本人としての強さもある」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
o RENA RIZIN UFC YA-MAN “ブラックパンサー”ベイノア キム・スーチョル クレベル・コイケ ジョニー・ケース ヒロヤ ブラック ホベルト・サトシ・ソウザ ルイス・グスタボ 上田幹雄 久保優太 井上直樹 伊澤星花 伊藤裕樹 佐藤将光 堀口恭司 堀江圭功 太田忍 宇佐美正パトリック 安保瑠輝也 平本蓮 扇久保博正 摩嶋一整 斎藤 斎藤裕 朝倉未来 朝倉海 榊原信行 皇治 矢地祐介 神龍誠 篠塚辰樹 芦澤竜誠 萩原京平 金原正徳 鈴木千裕 鈴木博昭

【RIZIN】RIZINウエハース’24発売決定!

IMG_5997
昨年末、RIZINファンの間で話題沸騰したRIZINウエハース。「どこを探しても売っていない」「どこに売ってるの?」という悲痛な声がSNSで飛び交っていた頃が懐かしい。私もカードコーナーや食玩コーナーを覗くクセがつきましたもん。

そんな、はぐれメタルばりに希少価値の高かったRIZINウエハースの第二弾「RIZINウエハース’24」の発売が発表されました。ウエハースに同封されるRIZINカードのラインナップは次の通りです。

朝倉未来(SR)
芦澤竜誠
安保瑠輝也
伊澤星花(R)
伊藤裕樹
井上直樹
上田幹雄
宇佐美正パトリック
扇久保博正
太田忍
キム・スーチョル
久保優太
くるみ(R)
クレベル・コイケ
皇治
斎藤裕(R)
榊原信行(R)
篠塚辰樹
神龍誠
ジョニー・ケース
鈴木千裕(R)
鈴木博昭
萩原京平(R)
平本蓮(SR)
ヒロヤ
フアン・アーチュレッタ
“ブラックパンサー”ベイノア
ホベルト・サトシ・ソウザ(R)
堀江圭功
摩嶋一整
矢地祐介
YA-MAN
ルイス・グスタボ
RENA
シークレット1
シークレット2

SRの2種、Rの7種は選手のサインをデザインにあしらった光り輝くホロカードだそうです。今回もRIZINのレギュラーメンバーに加えて、くるみに榊原CEOという遊びの要素を残してちょうどいい塩梅。いぶし銀好きな私としては金原正徳、佐藤将光辺りがほしかったのですが、これは次回に期待しますか。
IMG_6001
そしてUFC参戦が確定している朝倉海の名前がないのはもちろん、現役のRIZINフライ級チャンピオン堀口恭司の名前がないのもちょっと寂しい。これも旅立ちの前触れか。。。何はともあれ発売は12月。もうあの無い無い尽くしを味わいたくない方は予約マストでお願いします。
カテゴリー
AB F1 o RIZIN RIZIN47 YouTube   カルシャガ・ダウトベック クレベル・コイケ シェミスラブ・コバルチェク ブラック ラジャブアリ・シェイドゥラエフ 上田幹雄 武田光司 海外 関鉄矢

『RIZIN CONFESSIONS』第152回動画

【RIZIN 公式グッズ】Tシャツ 半袖 ロゴ グラフィック ストリート ホワイト ブラック ネイビー 春 夏 秋 メンズ レディース ファッション S M L XL




 『RIZIN CONFESSIONS』第152回動画。今回は『RIZIN.47』からクレベル・コイケ vs. フアン・アーチュレッタ、上田幹雄 vs. シェミスラブ・コバルチェク、武田光司 vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、カルシャガ・ダウトベック vs. 関鉄矢の舞台裏です。続きを読む・・・
カテゴリー
o RIZIN RIZIN47 YouTube “ブラックパンサー”ベイノア   カルシャガ・ダウトベック キック キム・ギョンピョ クレベル・コイケ シェミスラブ・コバルチェク ジョニー・ケース スパイク・カーライル セルジオ・ペティス ブラック ボクシング ラジャブアリ・シェイドゥラエフ 上田幹雄 堀口恭司 宇佐美正パトリック 徳留一樹 梅野源治 武田光司 関鉄矢 魚井フルスイング

【RIZIN.47】武田光司、シェイドゥラエフに無念の一本負けで悔しさ「とんでもない選手だな」 『RIZIN.47』試合後インタビュー

9日に開催された『Yogibo presents RIZIN.47』(国立代々木競技場第一体育館)の試合後インタビューに選手たちが応じた。

●『Yogibo presents RIZIN.47』(国立代々木競技場第一体育館)
・第9試合 バンタム級
堀口恭司 vs. セルジオ・ペティス
・第8試合 フェザー級
クレベル・コイケ vs. フアン・アーチュレッタ
・第7試合 ヘビー級
上田幹雄 vs. シェミスラブ・コバルチェク
・第6試合 フェザー級
武田光司vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
・第5試合 ライト級
スパイク・カーライル vs. キム・ギョンピョ
・第4試合 フェザー級
カルシャガ・ダウトベック vs. 関鉄矢
・第3試合 ライト級
ジョニー・ケース vs. “ブラックパンサー”ベイノア
・第2試合 オープンフィンガーグローブキックボクシングルール(※肘有り)
梅野源治 vs. 魚井フルスイング
・第1試合 ライト級
徳留一樹 vs. 宇佐美正パトリック

#武田光司 #RIZIN #RIZIN47

カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN47 シェミスラブ・コバルチェク 上田幹雄

【RIZIN47】蹴り足を掴まれ、組まれた上田幹雄。バックを許し腕十字でコバルチェクに一本負け

<ヘビー級/5分3R>
シェミスラブ・コバルチェク(ポーランド)
Def.1R2分08秒by 腕十字
上田幹雄(日本)

左ローを蹴った上田、コバルチェクは中途半端な前蹴りをキャッチしてバックに回ると――一気に前方にテイクダウンを決める。亀になった上田はワキ腹、頭部にヒザを受けながらスタンドへ戻る。コバルチェクはボディロックで再び前方に崩して、右のパンチを打ち込む。鉄槌とパンチのコンビネーションのコバルチェクは、後方に自ら倒れ込んで両足をフックする。絞め狙いに対して胸を合わせにいった上田だが、コバルチェクは首を刈って腕十字へ。2度目のトライで、足を掛けたコバルチェクは腹ばいで左腕を伸ばしタップを奪った。


The post 【RIZIN47】蹴り足を掴まれ、組まれた上田幹雄。バックを許し腕十字でコバルチェクに一本負け first appeared on MMAPLANET.