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【Hexagone MMA23】三上ヘンリー大智が、コンテンダーシリーズ帰りの王者デュクロに挑戦

【写真】Hexagoneはフランス語的にはイクザゴン。hexagon、英語のヘキサゴンとは綴りも違う (C)MMAPLANET&Zuffa/UFC

本日10日(金・現地時間)にフランスはパリのゼニト・ドゥ・パリで開催されるHexgone MMAのメインに三上ヘンリー大智が出場し、ミドル級王者マチュー・デュクロに挑戦する。
Text Manabu Takashima

ヘンリーは昨年2月にGladiator Challenger Serie01でアン・ジェヨンをTKOして以来11カ月振りのMMAで、初の海外での試合&5回戦のタイトル戦を戦うことになった。もともとGCSではKTT所属のイ・イサクと対戦予定だったヘンリーだが、イ・イサクがTUF出演を控えて試合をキャンセル(※公式発表前。結局、TUF出演はなかった)となりアン・ジェヨンと戦っていた。その後、7月のGCS02でイ・イサク戦が予定されたが、今度はヘンリーの負傷で実現にはいたならかった。

その負傷が原因で、半年ほどMMAを離れる必要が生じたヘンリーは巌流島で立ち技マッチに勝利し、MMAの復帰戦を今回迎える。


チャンピオンのデュクロはキャリア6勝3敗で、29歳。思春期は両親が見放すようなバッドボーイだったというデュクロはストリートで磨いたライトハンドを武器に、21歳にしてMMAのトレーニングを始める。寝技はもちろん、打撃もしっかりとした技術を持つわけでなかったデュクロだったが、パリに出てブノワ・サンドニとの出会いでMMAに目覚めた。

4戦目にBellatorパリ大会に出場し、今年の2月にアレクシ・フォントの足関節を防ぎ、これからというときにフォントが目を気にして試合続行不可能に。スッキリしない内容でHexgone MMA 暫定ミドル級の巻くと、4連勝という状況で8月にDWCSに挑んだ。

(C)Zuffa/UFC

この時は右オーバーハンドに、スピニングバックキックをボディに合わされ悶絶ノックアウト負けを喫している。

それでもスイッチヒッターで、遠近両方の距離で戦うことができるチャンピオン。6勝中5つのKO勝ち誇るデュクロは、ストライキングのポテンシャルをMMAで見せ切れていないヘンリーにとって格好の相手となろう。

去年のコンテンダーシリーズでは岩﨑大河、内藤由良というミドル級の新鋭が揃って敗れている。この両者と日本の中量級を引っ張る存在として期待されるヘンリーだけに、コンテンダーシリーズで白星を得られなかったフランスのチャンピオンを下し、ベルトを巻いて2025年を飛躍の年としてほしい。

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【KO CLIMAX2024】KNOCK OUT UNLIMITEDに元UFC戦士カルロス・モタ&倉本一真参戦。栗秋&重森戦へ

【写真】野心的なカード。MMAファンにも気付きのある一戦となる期待が大 (C)KNOCK OUT & MMAPLANET

12月30日(月)、キックボクシングプロモーションのKNOCK OUTが横浜市中区の横浜武道館で開催するK.O CLIMAX 2024内でKNOCK OUT-UNLIMITEDルール3試合が組まれ、元UFCファイターで元LFAフライ級王者カルロス・モタ、そしてRIZINバンタム級戦線で活躍中の倉本一真が出場することが明らかとなっている。
Text Manabu Takashima

世界最強を目指し、ムエタイに傾倒。MMA台頭後は、常にMMAが頭にある山口元気氏率いるKNOK OUTで昨年より実施されるようになったUNLIMITEDルールは、打撃に特化したMMAといえるルールセットが用いられている。

MMAグローブ着用で3分3R制でスタンド、グラウンドのあらゆる状況でパンチ、蹴り、ヒザ、ヒジによる攻撃が認められる。つまりはサッカーボールキック、踏みつけ、パウンドもOKで、関節技&絞め技は禁じられているというモノ。

テイクダウン、投げ、スラムも認められているが、グローブやショーツ等を掴む行為は認められていない。ここはMMAと変わりない。ただし、膠着はスタンドもグラウンドもブレイクは早く、スタンドでの再開となる。

昨年12月9日に三上ヘンリー大智が同ルールで極真空手のパトリック・ケンソンと対戦し、左ストレートでダウンを奪い、サッカーボールキックから鉄槌&ヒジの連打でTKO勝ちを収めている。さらには今年の7月には中村優作が、第2代NOCK OUT-Black(ヒジ、クリンチやクリンチからのヒザ攻撃が禁止ルール)フェザー級チャンピオン栗秋祥梧と戦い、右ハイに反応した直後の左ストレートでKO負けをしている。


今回、その栗秋と対戦することになったモタはLFAでフライ級を制し、UFCにステップアップも初戦で判定負け。その試合のドーピング検査で陽性となり、何と2年という長期間のサスペンドをカリフォルニア・アスレチックコミッションから言い渡される。

モタの試合出場禁止期間は今年の10月の末に終了。同大会で栗秋と戦うMMAファイターをリストアップするために、北米有名ジムをリサーチしていたKNOCK OUTがBlackhouseの推薦を受けて来日が決まった。

MMA戦績8勝2敗のモタ、敗北はUFCでのコディ・ダーテン戦とLFAで現UFCフライ級のチャールズ・ジョンソンに喫したモノだ。モタは柔術も修得しているが、8勝のうち4勝がTKO勝ちで三角蹴りや前手=左で相手を倒しているストライカーといえる。

上記の三角蹴り、左以外に近距離でのボディへのコンビネーションや首相撲からヒザ蹴りも得意技だ。

とはいえ、あの距離で本職と戦うのは危険だ。栗秋の中村優作戦の戦いを見る限り、組まれたら早々のブレイクを念頭に置き、キックでの強さを前面に出して戦っていた。

(C)KNOCK OUT

それ故にモタが同じ土俵で戦うと危ない。

秋栗の近距離でのパワー溢れるハイキック、ボディ、そして左フックの餌食に簡単になってしまう可能性もある。

(C)LFA

モタとしては、まずはテイクダウンを狙うこと。

それもMMAで見せるローをキャッチしたり、そのタイミングでニータップ系のテイクダウンは蹴りに慣れるまでは封印し、ブレイク覚悟でまずはボディロックに取りたい。

中村のシングルからのボディロックをブレイクでしのいだ栗秋だからこそ、その組みの違いを感じ取り打撃の姿勢、そしてリズムが乱れることは十分に考えられる。仮に栗秋が腰を落としたり、距離を取るようになると、ハイも拳も威力が半減する。反対にテイクダウンを警戒させれば、モタとしてもMMAグローブで戦った来たキャリアが生きる打撃戦に持ち込むこともできる。

そのためにモタは、試合開始直後の集中力を最大限に引き上げる必要がある。安易なカーフは禁物。栗秋は打撃へのカウンターはお手のモノ。被弾するなら組み狙い。もちろんヒザで射抜かれる可能性もある。ただし、打撃へのカウンターを受けるよりも確立は下がることは間違いない。

パウンド、サッカーボール有りのUNLIMITEDという名称にモタ、そして重森陽太と相対する倉本も惑わされてはいけない。このクリンチの早さは、キックボクシングそのもの。MMAファイターはレスラー=倉本だろうが、ストライカー=モタだろうが、同ルール下でも変わらずMMAを戦うこと。キックをやろうとすれば、本職に適うわけがない。ここは慢心することなく、謙虚な姿勢を持つべきだ。

と同時に栗秋と重森がUNLMITEDルール用にアジャストした打撃を幾分でも武器として使えるのか。そこも注目だ。本職がこのルールを考え、テイクダウン有りを考慮した打撃を効果的に駆使すれば、今後のMMAに与える影響は少なからずあるはず。

(C)KNOCK OUT & MMAPLANET

なんといってもモタ×栗秋、倉本×重森というMMA×キックのマッチアップも試合内容は違ってくるはず。

そしてバズーカ巧樹×大沢文也というキックボクサー同士のUNLIMITEDルールの試合展開がどうなるのかも含め、MMAファンだからこそUnlimitedルールの楽しみ方のふり幅は大きい。今年3月のUnlimitedルール大会が時期尚早と判断し、6月の代々木大会でも結果として1試合しか組まれなかったUNLIMITEDルールだが、2025年は定期化&ボリュームアップが図れるという話も伝わって来るだけに、要注目のKNOCK OUT Unlimitedルールの3試合だ。

■視聴方法(予定)
12月30日(月)
午後1時30分~U-NEXT

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45 AB DWCS DWCS S08 DWCS2024 S08 Ep04 Eterna GFC Gladiator Gladiator Challenger Series01 LFA MMA MMAPLANET o UFC YouTube アン・ジェヨン イゴール・カバウカンチ キム・ジェウン キム・ハンソル クイラン・サーキルド コ・ソクヒョン シャノン・クラーク ティン・ワン ドリアン・ラモス 三上ヘンリー大智 内藤由良 岩﨑大河 桜井隆多

【DWCS2024 S08 Ep04】韓国からAngel’s FC二階級制覇のコ・ソンヒョクが出場。注目は12-0のバシ!!!

【写真】バック奪取能力とキープ力に注目のバシ(C)Zuffa UFC

3日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDWCS S08 Ep04が開催され、メインでは韓国から出場のコ・ソクヒョンがブラジルのイゴール・カバウカンチと対戦する。
Text by Manabu Takashima

今年のコンテンダーシリーズでは第1週に中国からティン・ワンが出場も判定負け。

9月には岩﨑大河、内藤由良の日本人ミドル級ファイターの試合が控えているが、一足早くAngel’s FCでミドル級とウェルター級のベルトを巻いたコ・ソクヒョンがUFC行きを賭けての一発勝負に挑む。


柔道ベースのコ・ソクヒョンは2017年のサンボ世界選手権、コンバットサンボ82キロ級に出場し投げ技でポイントを稼ぐスタイルで韓国サンボ史上、初の世界王者に輝いている。

MMAデビュー後は7戦目で戦績3勝3敗のアン・ジェヨン(今年の2月にGladiator Challenger Series01で三上ヘンリー大智に敗れている)を破り、Angel’s FCウェルター級王座を獲得すると初防衛に成功した後、Double GFCウェルター級王者キム・ハンソルとのチャンプチャンプ対決で67秒KO負けし王座陥落。

ミドル級に転じると、2022年12月にキャリア5勝4敗のキム・ジェウンに勝利してAngel’s FCミドル級のベルトを腰に巻いた。倒す、崩す、投げるという意味での組みは強い。一発の力もある。とはいえフィニッシュ勝利は経験値の少ない相手から挙げたケースが多く、ミドル級チャンピオンになってからは大ベテラン桜井隆多、インドネシア人で7勝7敗のアルウィン・キンカイを倒してコンテンダーシリーズ出場権をウェルター級で得たことになる。

対するカバウカンチはブラジルのInside Fightes’ Leagueなるプロモーションのウェルター級王者で戦績は9勝0敗だ。試合映像はアマ時代とプロ初陣のモノが確認できたが、12秒KO勝ちと27秒でRNCで一本勝ちで実力は測り辛い。9勝0敗、7つのTKO勝ちと2つのサブミッション勝ちというレコードは立派だが対戦相手の実力は未知数で、6勝16敗や5勝9敗という相手も含まれている。この試合は蓋を空けてみるまで予測がしずらい。

アジア枠という見方を取っ払うと注目は、ドリアン・ラモスと対戦するオースティン・バシだ。レコードは12勝0敗、ミシガン州のローカルプロモーション=Lights Out Championshipのバンタム級チャンピオンは、3つのTKO勝ちと4つの一本勝ちをしている。

彼がRNCで勝利した3試合のなかで、LFAで5勝2敗のアルカル・アスカルが含まれている点は大きい。キャリア14勝2敗だったアスカルに対し、ダブルレッグでテイクダウンを奪うとバックに回って絞めあげた。このタップアウト勝利は、未知過ぎる相手からの連続フィニッシュ勝利よりも、実力の裏付けとなることは間違いないはずだ。

また第1試合のライト級=クイラン・サーキルド×ゲージ・ヤングも気になる。今や世界の五指にはいるかという実力者を生み出すパワーハウス=豪州からシーズン08初のUFC昇格を目指し、サーキルドが参戦する。サーキルドは同国のトップフィーダショーであるEternal MMAのライト級チャンピオン。日本からもEternal MMA経由でUFC行きを狙うファイターが出てきつつあるなか、ベルトを巻いたサルギルドの挑戦──その確認を怠ることはできない。

■視聴方法(予定)
9月4日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■DWCS S08 Ep04対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
イゴール・カバウカンチ(ブラジル)
コ・ソクヒョン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
ウィル・カリー(英国)
ジジョルデン・サントス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
オースティン・バシ(米国)
ドリアン・ラモス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジュネイシ・ドベン(ベネズエラ)
シャノン・クラーク(カナダ)

<ライト級/5分3R>
クイラン・サーキルド(豪州)
ゲージ・ヤング(米国)

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AB F1 K-1 o UFC YouTube   キック チャンネル ボクシング 三上ヘンリー大智 巌流島 村田夏南子

9.7『巌流島バーチャルサバイバル2』に照強、木村“フィリップ”ミノル、村田夏南子らが参戦/YouTubeで配信

【超完全版】YouTube大全 6ヶ月でチャンネル登録者数を10万人にする方法 [ 小山 竜央 ]


 元K-1イベントプロデューサーの谷川貞治氏がプロデュースする「巌流島(がんりゅうじま)」のオンラインコンテンツ「巌流島バーチャルサバイバル2」が9月7日(土)21:00より巌流島オフィシャルYouTubeチャンネルで配信される。

 9月7日に配信される映像はその第2弾となる。前回同様4試合のうち巌流島ルールの試合は1試合のみで、元幕内力士の照強(てるつよし)が、ネットフリックスのサバイバル番組「フィジカル100」に出演しているウィ・ソンオ(韓国)と無差別級で戦う。ボクシングルール(74kg契約 3分3R+延長1R)で連続出場の木村“フィリップ”ミノルは、ボクシング戦績1勝1敗の・デイン・エッジ(ニュージーランド)と対戦する。元UFCの村田夏南子はQUINTET提供の57kg契約のグラップリングルールでのジョン・ヒョンソン(韓国)と対戦する。キックボクシング(肘無し・つかんでからの攻撃は1回)無差別級の試合では、三上ヘンリー大智が、昨年9月のK-1無差別級トーナメント準優勝者のクラウディオ・イストラテ(イタリア)と戦う。
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45 Gladiator MMA MMAPLANET o アン・ジェヨン 三上ヘンリー大智

【Gladiator CS01】三上ヘンリー大智、両差しTD→マウントパンチでTKO勝利。控えめに「次は世界に」

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
Def.2R2分48秒 by TKO
アン・ジェヨン(韓国)

サウスポーの三上が左ハイとミドル、ジャブを突く。さらに三上は左ミドル、インローを二発。ジェヨンはジャブに合わせて四つで組んで押し込む。ジェヨンは三上の足を払ってテイクダウンすると、三上も右腕を差して立ち上がる。ジェヨンは三上を四つ組みでケージまで押し込むが、ジェヨンのヒザ蹴りがローブローとなりブレイクとなる。

再開後、ジェヨンが右ストレートから組むと、三上は首相撲からヒザ蹴り。ジェヨンが三上をケージまで押し込み、今度は三上が蹴ったヒザ蹴りがローブローとなる。ブレイク後、三上が右フック。ジェヨンが組みつくと、再び三上のヒザ蹴りがローブローとなってしまう。

ジェヨンにインターバルが与えられたあとに試合は再開。ジェヨンが右ストレートで組み、左腕を差してケージに押し込む。三上も左を差し返してヒザ蹴り。お互いに四つ組みで態勢を入れ替えながらヒザを蹴り合う。ブレイク後、スイッチしながら左フックを打つジェヨン。三上は左ストレートを当て、首相撲からヒザを突き上げる。

2R、三上が左の三日月蹴り、奥足ローを蹴ると、これがローブローとなってしまう。三上は1Rと合わせて3度目のローブローとなり、イエローカードが提示された。再開後、ジェヨンはすぐに距離を潰し、右腕を差して押し込む。

三上は自分の頭をジェヨンの顎の下に入れてスペースを作ってヒザ蹴りとヒジ打ち。三上は離れて左ストレート、組みつくジェヨンを突き放す。ジェヨンはここも距離を詰めるが三上が両差しからテイクダウンしてマウントポジションへ。細かくパンチを落とし、ジェヨンが半身になったところでレフェリーが試合をストップした。


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【Gladiator CS01】河名マストの挑戦を受けるパン・ジェヒョク「仮面を被っています。もっと危ないヤツ」

【写真】嫌われているのか──と思うほど、無口なパン・ジェヒョク。まさにKorean Quiet Warrior (C)MMAPLANET

本日16日(金)、GLADIATORの新しい試みGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」が開催される。無観客&配信に特化した大会のメインでGLADIATORフライ級王者パン・ジェヒョクが、河名マストの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

昨年6月に一度は倒した相手の挑戦を受けるチャンピオンが、自身がどこで、どのような環境で戦うのかをしっかりと見極めていた。そこがパン・ジェヒョクというファイターのクレバーさ。直径7メートルから6.15メートルになる今回の戦いは、アウトストライカー&ディフェンシブレスラーの彼をどのように変えるのか。その言葉から探ってみたい。


──2月16日、河名選手の挑戦を受けて初防戦を行うことが決まりました。このオファーが届いた時は、どのような気持ちでしたか(※取材は1月18日に行われた)。

「9月にチャンピオンになった後、2カ月後から試合をしたいと思っていましたが、この時期に試合ができることはちょうど良いと思いました。個人的には同じ相手と戦うことは好きではないですが、GLADIATORは河名選手をプッシュしているんだなと思いました」

──つまり河名選手のための選手権試合だと?

「そこまでは思わないですけど、河名選手はGLADIATORでたくさん戦っていますし団体が彼を認めているんだなと」

──河名選手もそうですが、この時期にベルトが欲しいと思っている日本人選手の多くがRoad to UFCを狙っています。ベルトを巻いているパン・ジェヒョク選手は今後のキャリアをどのように考えているのでしょうか。

「RIZINで戦いたいと思っていますが、実現していません。当然Road to UFCやUFCという話があれば良いですし、GLADIATORのタイトルホルダーとして他の団体に挑戦したい気持ちです」

──そのためにも大切な初防衛戦となりますが、改めて河名選手の印象を教えていただけますか。

「前に戦った選手はワンディメンションなレスラーでしたが、それからどんどん打撃が上手くなってウェルラウンダーになっていると思います」

──河名選手はパン・ジェヒョク選手に対して、前回の試合後に腰が柔らかくてテイクダウン防御力が高い。苦手なタイプの選手だと言っていました。

「しっかりと自分のことを評価してもらって、感謝します。パンクラスでもワンディメンションな透暉鷹選手と戦った時も、自分をテイクダウンするのに苦労していました。あの時も圧を掛けて、彼を苦しめることができました。自分自身でも、レスリングはそこそこできると思っています」

──ところで河名選手の12月の試合もチェックされたと思いますが、どのような感想を持ちましたか。

「9月のユン・ダウォン戦を見ても、パンチにパワーを乗せることができるようになってきたと思います。12月のチハヤフル・ズッキーニョス戦は打撃を自信を持っているように感じました。ただ彼が打撃を怖がらなくなっているのであれば、打撃戦にも応じてくるでしょう。そうなると、カウンターを決める場面も増えますね」

──やはりパン・ジェヒョク戦の打撃は、カウンターが一番の武器だと。

「自分の打撃は2つの武器があります。カウンターと、プレッシャーをかけて攻め続けること。この2つの攻撃パターンで攻めようと思います」

──パン・ジェヒョク選手の打撃の圧。河名選手のレスリングの圧。そこが鍵を握りそうなファイトです。

「河名選手が打撃戦が構わなくなっているように、自分もレスリングになっても大丈夫だと思えるだけ練習をしています。次の試合では防御だけでなく、攻めるレスリングを見せることができると思います。それだけ練習してきましたし、だからこそ打撃、レスリングだけでなく柔術も含め全局面で戦えるので河名選手もしっかりと気を付けて戦うことをおススメします」

──今回、無観客での試合になりますが、そのような環境をどのように思っていますか。

「またパンクラスの時の話になってしまいますが、背が高い選手と戦った時(亀井晨介戦)に自分のヒットには会場は静かなままで、相手の拳が届いただけで大きな声援が挙がっていました。あの環境は審判の判断を誤らせると思います。だから無観客は自分にとって有利に働くと思います。

それにジムで練習している時のような楽な気持ちで戦えるんじゃないかと思って、楽しみにしています。ケージが少し小さくなることもポジティブに考えています。本来は広さを使ったファイトを得意としていますが、ケージが小さくなるなら、それだけ圧力がかけやすくなるのでインファイトもしやすくなりますね」

──ところで、自分が韓国人選手をインタビューした時には『男として──』という様な威勢の良い言葉が聞かれることが多いのですが、パン・ジェヒョク選手はいつも本当に落ち着いた返答ですね。

「まだ仮面を被っています(笑)。本当はもっと危ないヤツだと思いますが、試合前は冷静でいたいです。それに日本のファンの人達も、そういうキャラは望んでいないと思います。ファンの皆さんの志向に合わせています(微笑)」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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【Gladiator CS01】ラスト侍に訊く、剣道とMMA。三上ヘンリー大智─02─「打って勝つな、勝って打て」

【写真】計量台でポージング。剣道、武道について話してもらいましたが、ヘンリーはプロフェッショナルMMAファイターです (C)MMAPLANET

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、アン・ジェヨンと対戦する三上ヘンリー大智インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

高校、大学と剣道で活躍した三上は、その剣道家生活で体に摺り込まれた武の理が、MMAで生きると断言した。表面上の動き、そして内面。武道でありながら競技のある武器術と、無手のコンバットスポーツであるMMAの共通点とは──。

目の前の相手に勝つ競技を戦いながら、戦いの本質がその身にある三上ヘンリー大智──彼以外のMMAは決して口にできないであろう──数々の心理が聞かれた。

<三上ヘンリー大智インタビューPart.01はコチラから>


――個人的にヘンリー選手に以前から伺いたかったことなのですが、剣道がMMAに生きることはあるのでしょうか。

「メチャクチャあります」

――おお。ぜひとも詳しくお聞かせください。素手と武器術は間合いから違ってくると思いますし、どのようにMMAに落としこむことができるのか。同じ剣術でも、前後運動だけのフェンシングよりも、剣道の方がリンクするのではないかと。それぐらいの感覚でしかないので、とても興味深いです。

「色々な要素があり過ぎて、伝えることは難しいのですが……。重量級という立場で言わせてもらうと、剣道は無差別なので凄くすばしっこいヤツ、大きくて一発はあるけどノソソノしたヤツとやろうがルールは全て同じです。状況も全て同じです。そのなかで三本勝負なので、パワーで押せないというのがあります。

スピードに対応しないといけない。小さい人と稽古しているときも、その速さについていかないといけないんです。そうなると大きかろうが、小さかろうが足さばきは必然の要素になってきます。だからいわゆるキックボクサーのゆっさゆっさした動きにはならないんですよ。

前後移動、左右移動ともに重心を一定にして、上下させるのは相手の攻撃を避けるにしても、攻撃を当てるにしても、技の起こりがなかなか見えないので。僕に関して言うと『ここで当たる』という場所に留まらない。『ここには当たらないだろう』という時に当たる。そのような動きが可能になると思います。

あと……一番大きい所は間合いなのかと思います。剣道をやっている時に口を酸っぱくして言われたのが、『打って勝つな、勝って打て』ということなんです。その部分での間合いとか気構え、相手の起こりを捕らえることだとか。あるいはわざと起こりを見せて、相手を誘って打つとか。その辺りの心理的な駆け引きに関して言うと、他のスポーツ……例えばボクシングと違ってダメージを受けずに訓練ができるので、何度失敗してもその訓練ができるのが剣道の特徴ですね。

ボクシングだと打たれ、ディフェンス力がついてくるじゃないですか。でも、その時には打たれ弱くなってしまうかもしれない。でも剣道はそういうことなしで、模擬戦を何度でもできる。そこが違ってくるのかと」

――武道は競技化すると勝利を目的とした技術が発展し、結果スポーツとしてフィジカルの優れた者が有利になります。ただ竹刀があり、防具があることで剣術ではないですが、剣道として武道性は残りやすいのでしょうか。

「自分のなかでは……『これは、そうなんじゃないかな』ということがあります。対人競技で相手と、体の中心が近ければ近いほどパワーの勝負になる。それが離れれば離れるほど、技術の勝負になる。だから弓道は的を狙うものですけど、体格とか関係ないじゃないですか。弓を弾く力は必要でも、的の中心を射るという点においては体の大きさは関係ない。

剣道よりも槍の方が間合いが遠いから、より技術の勝負になる。剣道には鍔迫り合いという近距離での間合いでいなしたりとかするから。空手の場合は競技化すると、突きの距離になるので、竹刀がある剣道とは理屈が変わってくる。そうなってくると、空手は技術の側面が失われるのかもしれないですね。

最初から組んでいる武道、競技は話が違ってくるとは思いますけど。剣道は一つ棒を持つことで、武術の本質に触れられる。でも剣道をやっている時は、そんなことは全然考えていなかったです。振りのスピードとか、足を速く動かした方が勝てるだろうと思っていて」

――つまり西洋スポーツ化した思考だったのですね。

「ハイ。でも剣道を離れてMMAを始めると、『ヘンリーって、こういうところが凄いね』と指摘された動きは、剣道の動きで。意識をしていなかったのですが、そこで初めて『剣道のこういうところが生きるんだ』って気づいたんです。それこそ無意識に摺りこまれていたんでしょうね」

――剣道の動きよりも、剣道の理がMMAに生きる?

「その通りですね。だから組み技でも生きるんですよ。剣道は面を取りたかったら、小手を攻めろというのがあって。小手を取りたかったら、面を攻めろと。それは柔術も同じで。腕十字を取りたかったら、三角を見せて腕十字だとか。マウントを取りたかったら、腕を攻めに行くとか。

ボクシングもそうで。ジャブを見せて、ボディとか。虚実――そこらへんが全て、つながっているんじゃないですかね」

――虚実を織り交ぜた動きが、体に摺りこまれている。そこがMMAで有利に働く?

「それはあると思います。それは自分に剣道を指導してくれた先生のおかげです。高校の時(東海大学付属第四高等学校※現東海大学付属札幌高等学校)の古川和男先生が、その場で勝つための剣道を教えているような先生だったら、こういうような考え方には恐らくなっていなかったと思います。

『こういう風に打て』、『こうやれ』、『ああやれ』という指導だったら、こうやったら当たるというので終わってしまって表面上のことしか理解できていなかった。『勝って打て』──意味分かんねぇってなるんですけど、悩みながらやっていくなかで自分の心に刻まれたんじゃないかなって。それが先生の指導力の賜物だと思います」

──自分の間になっているから、勝っていると。

「ハイ。打つから勝つのではなくて。そういう内面的なこともありますし、さきほど話した足さばきや重心のこともあります。私はエレベーターがあるところは階段でなくエレベーターに乗るようにしています。坂道は重心移動として平気なのですが、階段は本来の重心移動ではないので気持ち悪くて。もう、そういう体になっているのだと思います。

表面的には他にも相手のスピードについてくために、足さばきは磨かれました。それと私は特殊で、中段から上段にスタイルを変えたんですよ。中段と上段って足の向きが逆なので、だからスイッチを使える側面もあって。そこは凄く大きかったかなって思います。

あと中段だと剣先が触れて、『ここなら攻められる』という風に勝負ができるのですが、上段の場合は竹刀同士の触れずに間合いを測らなければならなくて。本当に空間を目で見て、心で認識しないといけないんです。『今、勝っているのか』、『打って良いのか』ということを。そこもMMAに凄く生きています」

──実は以前からヘンリー選手の剣道の動画を見せてもらっていて。とにかく長身を生かして上段の構えから面を打って勝つ。その踏込みなどがMMAに生きるのかどうか、そこが気になっていたのですが……ここまで深い話を聞かせていただけるとは。

「勝つまでの行程が色々とあって、良いのを打ったなというのは相手の気を殺しているというか──間合いを盗んでいる。何よりも自分が攻めている状態で打っています。自分が攻められている状態で打っても一本にならないですし、相手に防がれます。MMAも同じなんじゃないかと」

──まさに武術的な重心の話ですね。

「ハイ、心のバランスです。同じことをしても、守っている時は全く通じないです」

──いや、参りました。それほどまで武の理を理解しているMMAファイターはいないかと。

「でも世界のトップレベルの選手って、スポーツをやっていてもそこに行き着いていると思います。メイウェザーとかも。海外の人達からは、日本の武術は凄いと思われがちですけどトップに行く人は押しなべて皆、同じようなエリア……ゾーンに足を踏みいれていると思います」

──押忍、本当に興味深い話をありがとうございます。今回の試合を終えると、ヘンリー選手はどのようなキャリアアップを考えているのでしょうか。

「そうですね、やるからにはトップを目指していきたいです。今はたまたま格闘技に心血を注いでいる状態なのですが、皆が『努力は実を結ばない』とか考えがちになります。でも私の中では……変な風に聞こえるかもしれないですけど、来世まで自分の努力や頑張ったことは引き継がれると思っています。現役選手生活が輝かしいキャリアにならなかったとしても、そこは諦めずに絶対に来世で花が咲くぐらいの勢いでMMAを頑張っていきたいと思っています。

目指すところは……名前を出して良いか分からないけど、UFCチャンピオンになること。でも、それが叶わなくても自分のやっていることに誇りを持ちたいと思うので、とにかく目の前の一戦・一戦を全力で戦うだけです」

──自分のやっていることに誇りを持つためには、ケージのなかから何を見せないといけないでしょうか。

「う~ん、そこはもう勝手に出てくるものだと思っていて。自分で表さないといけないと考えた時点で、なんか嘘になっちゃうかなって。自分が表現したいから、表現することって本当に自分の本質なのかなって思うんですよ。さっき、前回の試合で無意識になったと話したようにアレが自分を表せている。無意識の状態で、何も考えずに勝手に出てきたものが自分自身だし──。

一つ言えることは、相手に敬意を払うこと。勝っても負けても、相手に敬意を払うこと。多分、自分と同じだけ努力をしているだろうし、負けたくてケージの中に入っていく人はいないと思うから。勝っても負けての相手に敬意を払うこと。そこだけなのかと。勝った後の立ち振る舞い、負けた後の立ち振る舞いに自分のMMA道が出てくるのかなって思いますね」


■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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45 AB Gladiator Gladiator Challenger Series01 LFA MMA MMAPLANET o Progress YouTube   アン・ジェヨン エド・ソアレス グラント・ボクダノフ ダナ・ホワイト チェ・ドンフン チャンネル パン・ジェヒョク 三上ヘンリー大智 和田教良 大嶋聡承 河名マスト 竹内稔 竹本啓哉 長谷川賢

【Gladiator CS01】計量終了 河名マスト「最後の300グラムが……」。ヘンリーはLFA ソアレスCEOと談笑

【写真】エド・ソアレスCEOを見て、「あのダナ・ホワイトみたいな人は誰ですか?」と、和田。PROGRESS長谷川賢代表の「記事ぐらい読んでくださいよ」という返答に 「チェ・ドンフン以外、目に入っていないので」と目をギラギラさせていた(C)MMAPLANET

15日(木)、明日16日(金)に会場非公開&配信に特化して実施されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」の計量が港区の10kolで行われた。
Text by Manabu Takashima

いわゆるアンダーカード無し、MMAとグラップリングが5試合凝縮された新しい試みは全5試合出場10選手全員が計量をクリアした。


ギリギリ度合いが伺える和田教良と9キロの減量を完成させたチェ・ドンフンは、3試合勝利を手にした後に腰に巻かれるベルトを挟んでフェイスオフ。

88キロ級契約で大嶋聡承との組み技マッチに臨むグラント・ボクダノフは、ウェルター級のMMAで戦う時よりも明らかに大きなフレームを維持していた。

その両者、フェイスオフでも笑顔で言葉を交わしていた。

また第3試合のミドル級でアン・ジェヨンと戦う三上ヘンリー大智は、今大会の視察に訪れたLFAエド・ソアレスCEOとポルトガル語で話し「LFAでブラジル大会へ」という魅力的な誘いにも、「今は明日の試合に集中します」と返答。

ソアレスCEOは「これこそ、私が求めるファイター像だ」と感心しきりだった。

Gladiatorの減量といえば、苦戦がいつも伝わってくるのが竹本啓哉だ。

その竹本はコメインでProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座を賭けて竹内稔と相対するが、MMAより1階級上の体重リミットにも「設定をそこにして落としてきた」ということで、やはり減量は苦し気であった。

メインでパン・ジェヒョクの持つGLADIATORフェザー級王座に挑む河名マストは、本来は最初に体重を測る予定だったが、全5試合とルールミーティングが終わった頃に会場に姿を現して、パス。

「残り300グラムを落とすのにチョット苦労しました」と苦笑いを見せていた。

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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45 AB DREAM MMA MMAPLANET o UFC UFC298 YouTube 三上ヘンリー大智 中村京一郎 中村倫也 鈴木崇矢 髙谷裕之

【UFC298】中村倫也のMMA学概論─03─「何があっても自分を信じる心と、やりたいことができる体」

【写真】しんどいことを真面目に楽しむ──のが、中村倫也だ(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」でカルロス・ヴェラ対戦する中村倫也インタビュー第3弾。
Text by Manabu Takashima

自身の意識と実際の体の位置の修正──日常生活から、心身ともにコーディネイトする中村だが、その精神世界にも通じるMMAの取り組み方は万人に理解されるモノではない。

結果、気がつけば彼の周囲にはあの頃の光景が戻っていた。

<中村倫也インタビューPart.02はコチラから>


──それは稽古の時ですか、それとも試合の時もそのように意識するということでしょうか。

「試合の時は意識をしてはダメです。無心にならないと。日常でそういう風に意識をするようにしていても」

──日常生活において、どのように意識しているのですか。

「例えば歩いて移動している時も、重心がどうなっているのかを意識します。そして『左肩が固まっているな』、『連動していない』と感じると、『ここから剥がして……アッ、連動した』、『つながった』という風に。普段から体の位置、力が出る場所を気にして動かしています」

──それだけ意識しているとしんどくないですか。

「そうッスね。しんどい……と捉えてしまうと、そうなるだろうなっていうのはありますね。でも全部の体の堅さが取れて心が平穏な時って、動きたくなる。超良い状態なんですよね。体の調和がとれている状態で動けていると、気持ちが良くて疲れもどんどん抜けていきます」

──日常から、そこまで突き詰めていてちょっと気を抜きたいと思う時は?

「その時はもう、本当に太陽の下に寝転がって呼吸法で疲れを抜くようにします」

──それは呼吸でなくて、光合成では?

「ハハハハ。でも本気でUFCのベルトが欲しいですし、3年ぐらいこういう生活をしていても全然構わないです。そういう今の自分は、レスラー時代の自分が本当のレスラーだったのかと自答すると、レスリングの時間だけレスリングを頑張っていたに過ぎない。それに気づきました。

当時の僕は格闘家だったのかといえば、格闘技の時間は格闘技を頑張っていたけど、それ以外は楽しんでいた。そこまで没頭はしていなかった。ここにきて、僕の理想としていた格闘家像に近づけてきているなと思います。

日頃の姿勢、呼吸も全て格闘技のため。なかなか食事とかは難しい面もあって、妥協することもありますけど、日常を格闘技のために生きている──そういう生活が今は楽しいです」

──そんな風にMMAの話をしているのに、逆にMMA社会から浮くと感じたことはないですか。

「まぁ、『なんか言ってるよぉ』という風に思われているんだろうなとは(笑)」

──では倫也選手が、通じ合える選手というのは?

「アーセンは本当に理解してくれるし、ヘンリー(三上ヘンリー大智)もそういうところは凄く共通しています。ヘンリーはそれこそ容姿とかでも、それでお金を稼げるモノを持っていますが、敢えてそこには頼らずに力で上がっていきたいということなので、僕は凄くリスペクトしています。そうですね、この2人は凄く強く共感してくれています。

あとは後輩の鈴木崇矢と中村京一郎も、その辺りで日常が格闘技に繋がっているような生活になってきています」

──所属ではなくなりましたが、髙谷裕之さん、津田勝憲さん、練習仲間もコーチも倫也選手の周囲には格闘DREAMERSの面々、そしてEXFIGHTの面々がいます。

「自然と戻りましたね。なんか感じるのは、向かうところが一緒だということなんです。僕も彼らの成長の度合いを肌で感じ取りたいですし。格闘家って何だろう……って考えるような人間で。普段の生活から格闘家でないといけない……いけないというか、そうなりたいという人たちです。

もう一緒に練習することはないと思っていたのですが、不思議なモノですね。そこは本当に。やっぱりお互いに必要な存在なんだと思います」

──どの山を目指すかでやることは変わってくると思います。

「そうですね、こっちの山を登ろうとする人間は……UFCに上がる前に、精神面も含めて全てを整えておかないといけない。そこで精神的に追い込まれるようでは、話にならない。どんなことがあっても自分を信じる心と、やりたいことができる体。パッと見て『あの動きがやりたいです』と思ったら、すぐにできるようにする体の能力も必要だし。

そういうことを教えてくれる人のところに、結局、皆が集まっている。絶対に行ける、絶対に行けると、彼らはずっと口にしています」

──それこそが、中村倫也の居場所なのですね。では、まだ対戦相手が決まっていない状況ですが(※取材は1月12日に行われた)、昨年8月のデビュー戦と、恐らくは2月にそのまま戦うことになるオクタゴン2戦目で、違った面を見せることができれば、どのようなところになるか教えてもらえますか。

「相手が代わってしまって、それが出るのか……というところはありますが、離れた距離を追う時のパターンは凄く練習してきました。試合直後は近距離が怖くないように、近い距離ばかり練習していたのですが、MMAは距離が遠いところから始まる。なら、大切なのは追い足で。

その足を盗むところとか……二歩、三歩下がられた時の潰し方とか、細かいところを色々とやってきました。あとは首を取る技術、がぶりですね。がぶりからの上四方はずっとやってきて、フィニッシュ力も上がっています」

──がぶりから先はともかく、足の運びとなると、UFCのカメラ割でもどこまで映し出されるのか。その辺り、凄く楽しみですので試合が終わった後にまたインタビューを宜しくお願いします。

「ハイ。ぜひ、お願いします!!」

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45 Gladiator Gladiator Challenger Series01 MMA MMAPLANET o Progress YouTube アン・ジェヨン グラント・ボクダノフ コンバット柔術 チェ・ドンフン チャンネル パン・ジェヒョク 三上ヘンリー大智 上久保周哉 和田教良 大嶋聡承 江木伸成 河名マスト 白木アマゾン大輔 竹中大地 竹内稔 竹本啓哉 竹浦正起

【Gladiator CS01】竹内稔戦で二冠を目指す竹本啓哉─02─「プログレスに強い選手が出て来るキッカケに」

>【写真】グラジのベルトを奪還して以降、竹本の意識は確実に変化している(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、竹内稔とPROGRESSフェザー級王座を賭けて戦う竹本啓哉のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

紆余曲折を経て、当初の発表どおり「ミスター・アナコンダ」竹内稔とのフォークスタイルグラップリング戦に臨むこととなった竹本。グラジエイター王座との二冠を賭けた一戦への意気込みを語る。

<竹本啓哉インタビューPart.01はコチラから>


――GLADIATOR CSは配信に特化したイベントで、無観客で行われます。その点についてはいかがですか。

「嬉しいです。僕も今まで経験がないことに挑戦したくて。無観客の中で試合をすると、どうなるのか――これって選手の性格も出ると思うんですよね。僕自身はどうなるか分かりませんが、最初に竹内戦が決まってから、すごく楽しみにしています。自分でチケットを売ることがないのも楽ですし。もちろん配信を視てほしいので、その案内はしますけど」

――では竹内戦に関するお話の前に、改めて2023年は竹本選手にとってどのような1年でしたか。

「自分にとっては『立て直すことができた1年』だったと思います。初めて1年に2試合も国際戦をやりましたし、初めてのコンバット柔術も楽しかったです。新しい刺激が多くて、かつベルトを巻きなおしたことで、自分を立て直すことができた1年だったと思います」

――ベルトがあると無いとでは、新年を迎えた時の気持ちも違うかと思います。

「もちろん気持ち良く新年を迎えられた部分もありますが、せっかくベルトを獲得したのに――12月の大会で勝った竹中大地選手と上久保周哉選手には見向きもされていませんでした。『眼中にないじゃん……』って、ちょっと心に引っかかっています。だから今年は、竹中選手と上久保選手だけじゃなく、多くの人たちに『グラジのベルトは、これだけの価値があるんだよ』と知らしめていきたいです」

――竹中選手と上久保選手がグラジのケージで、グラジ王者との対戦を希望しなかった点については気になりますか。

「少し傷つきましたね(笑)。僕は強さには興味があるけど、それほど有名になりたいという気持ちはなくて。でもあんなに見向きもされないと、『そうじゃない。このベルトはもっと価値があるんだ』と言いたくなります。僕のことよりも、もっとグラジという大会とベルトに対する認識を高めるために、僕自身も実績を上げる必要があるなって思いました。

さっきも言ったとおり、現役の間にもっともっと強い相手と試合がしたいです。次の相手、竹内選手もグラップリング界では本当に強い相手で。それにしても、最近は竹が絡む選手が多いですね」

――竹中選手、竹内選手と同じカルペディエム三田の竹浦正起選手、そして竹本選手と。

「ここまで竹が多いと、もう竹林ですね(笑)」

――……。

「すみません、余計なことを言いました(苦笑)」

――アハハハ。話を戻すと、これまで竹内選手との絡みはないですよね。

「ないです。自分の周りでいえば去年、アマゾン先生(白木アマゾン大輔)にアナコンダを極めていましたよね。今までの試合について調べたら、本当にギロチンやアナコンダで勝っている試合が多いじゃないですか。ADCC予選も6試合中4回アナコンダを極めていて――とんでもない選手ですよ。その竹内選手とグラップリングで試合をするのは、MMAとは違う緊張感があります」

――MMA以外の試合としては、昨年1月にプログレスのコンバット柔術ルールで江木伸成選手を下しています。打撃のないグラップリングルールの試合は、いつ以来でしょうか。

「一昨年の11月、TOKKUMI(3対3のグラップリング団体戦)ですね。チームカルペディエム名古屋で出場して、2試合がドローで1試合はヒザ十字で勝ちました。グラップリングマッチは自分にとって里帰りみたいな気持ちもあって。何より竹内選手との試合って、異次元対決のような感じなんですよ」

――異次元、ですか。

「自分でも、どんな試合になるか分からないです。えぇ、どうなるんだろう? 自分が普通に勝っちゃう気もしますし、反対にあっさりとアナコンダを極められてしまうかもしれないし……展開が予想しにくい試合ですね。

だって、ADCC予選で準優勝ですから。今のADCCはスタンドレスリングが強い選手が勝つと聞いていたのに、そんななかでアナコンダをバンバン極めていて。完全に我が道を往く『アナコンダ・モンスター』じゃないですか」

――テムーレン戦はシングルレッグで組むことができました。しかし、それは竹本選手がジャブで崩してから入るというMMAならではのお話で。ではフォークスタイルグラップリングだと、どう崩していくのか。

「インサイドで組むシングルレッグだと、相手もアナコンダは極めにくいと思いますけど……、どうなるんでしょうね。安易に組むとアナコンダが待っているので怖いです(苦笑)」

――どうなるのか、それはご自身で試してみるのが一番です。

「自分から極められに行きませんよ! あのアナコンダがあるので、否が応でも慎重になりますよね。きっと形に入られたら一発で極まっちゃいますから。かといって失点もしたくないので、自分から下になるのも嫌ですし。

いずれにしても、どちらが早く自分の得意な形に持ち込むかっていう勝負になりますよね。僕が竹内選手のアナコンダを警戒しすぎて、ただ時間が過ぎていく展開も嫌じゃないですか。アナコンダを食らわないためには、まず自分がテイクダウンに行かなければ良いわけですけど、今までテイクダウンを狙わなかったことがなくて(笑)。

せっかく竹内選手とグラップリングで戦う良い機会だから――という気持ちは、なくはないです。竹内選手のアナコンダって、どれくらい凄いんだろうって楽しみでもありますし。自分も一本を狙いたい。でも試合だから、勝ちに徹したい気持ちもあって。とにかく対策だけはしっかりして、あとは試合展開次第というところですね」

――この試合に勝てば、グラジとプログレスの二冠王者となります。

「二冠王者になったら、防衛戦が大変そうですよね(笑)。でも竹内選手と対戦できるのも、グラジのベルトを巻いたおかげです。今回は自分がチャンピオンになることで、プログレスにも強い選手がどんどん出て来るキッカケになるよう、必ず勝ちます!」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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