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【UFC285】シェフチェンコ、スピニングバックキックに背中を取られ……グラッソがRNCで新王者に

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
Def.4R4分34秒by RNC
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)

右ローをまず蹴ったシェフチェンコが、前蹴りを見せる。グラッソは左ロー、右を伸ばす。そこに右を合わせて行ったシェフチェンコが、左ストレートからスピニングバックフィスト、直後に左ミドルを決める。後ろ回し蹴りを見せたシェフチェンコは、右ローを蹴り合うとグラッソの左をかわして、右ジャブを当てる。

グラッソもステップインから左をヒットさせたが、直後にシェフチェンコが左を打ち返す。右ジャブを当てたシェフチェンコが、グラッソの右フックにもジャブを入れる。グラッソは左からフォローの右を当てシェフチェンコが一瞬、動きを止める。さらにワンツーで前に出るグラッソは、シェフチェンコのワンツー、ハイキックに距離を取る。ワンツーに組んだシェフチェンコが左エルボーを狙う。

左オーバーハンド、前蹴りのシェフチェンコがスピニングバックフィストからミドルというコンビをもう一度見せる。直後にグラッソがダブルレッグでテイクダウンを奪い、スクランブルでパンチを重ねた。シェフチェンコは払い腰、グラッソが耐えて同体で腹ばいになった両者──時間となった。

2R、ジャブから左ストレートを伸ばしたグラッソ。続くジャブに、シェフチェンコがダブルレッグを合わせテイクダウン、背中をマットにつけさせる。クローズド&閂のグラッソは続いて頭を抱えに行くが、スクランブルには持ち込めない。シェフチェンコは足を一本抜き、即パスへ。ブリッジを潰してクルスフィックスのシェフチェンコが殴りに掛かる。グラッソは腕を抜き、ケージを蹴って正対するとレッスルアップからスタンドに戻る。

残り2分、シェフチェンコはワンツーをかわし、構えを変えるグラッソのローに右を合わせる。前に出るグラッソは後ろ回し蹴りから右を伸ばすが、距離が遠い。シェフチェンコはケージに詰まりそうにながらも、ダブルレッグでテイクダウンを決めてトップで時間を迎えた。

3R、距離を詰めていくグラッソに対し、シェフチェンコはハイをかわして右ジャブを入れる。グラッソも右を返しスイッチを返しつつ前へ。シェフチェンコは変わらずジャブからロー、ワンツーからスリーとパンチを纏める。テイクダウン狙いは反応したグラッソがロングの左を当てるも、直後に右ハイを受けそうになる。さらにチャンピオンは左ストレートを入れ、パーフェクトなタイミングでダブルレッグテイクダウンを決めた。

背中をつける時間が増えてきたグラッソは、下から細かいパンチを入れるがホールド気味のガードワークだ。頭をつけた状態から、時折り上体を上げて殴るシェフチェンコはブレイクを命じられた直後に殴ってしまう。

謝罪したシェフチェンコが、スタンドに戻るとすぐにダブルレッグを決める。ここでグラウンド状態にもかかわらず顔面を蹴りに行ったグラッソをレフェリーは流す。グラッソがギロチンも、すぐに時間となった。

4R、鋭い左を見せて前に出るグラッソ、シェフチェンコはここもダブルレッグへ。切ったグラッソは、スーパーマンジャンプに反応するが、なかなか手が出ない。シェフチェンコもグラッソの動きを見てのファイトとなり、静かな展開に。シェフチェンコは右ジャブを続け、グラッソがテイクダウン狙いからケージに押し込んでいく。ボディロックに取ったグラッソが倒せず、右で殴っていく。

残り80秒で離れた両者、シェフチェンコがジャブを当てスピニングバックキックへ。グラッソはここでバックに回り両足をフックして、一気にグラウンドに持ち込む。RNCに入ったグラッソ。仰向けにされたシェフチェンコは、アゴの上からの絞めヒジを押し上げて耐えようとしたが──観念、タップした。

まさかの一本負け、8度目の防衛に失敗したシェフチェンコは呆然とし、メキシコ人女子初のUFCチャンピオンになったグラッソは「長い間、この時が来るのを待ちわびていたの。この形の練習をしてきた毎日、毎日。こんなにハードに練習したことは、これまでなかった」と新世界女子フライ級王者は語った。

一方、「どれだけ試合を支配しても、一つのバカげたミスで全てがひっくり返る。これがMMA。アレクサ、おめでとう。私の方が強くても、スピニングキックで全てが変わった。皆がハードに練習してきて、やるべきことを試合でもやっているわ。こういうこともある。タイトルをすぐに取り戻したい」としっかりと話した。


<175ポンド契約/5分

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ABEMA Cage Warriors MMA MMAPLANET o ONE PFL UFC UFC285   アマンダ・ヒーバス アレクサ・グラッソ イアン・ギャリー キャメロン・サーイマン シャクハト・ラクモノフ シリル・ガンヌ ジェイミー・ピケット ジェイリン・ターナー ジェシカ・ペネ ジュリアン・マルケス ジョン・ジョーンズ タバタ・ヒッチ ダン・フッカー デレック・ブルンゾン トレヴィン・ジョーンズ ドリキュス・デュプレッシー ファリド・バシャラット ブラック ベニール・ダリューシュ ボー・ニコル マテウス・ガムロ マナ・マルチネス マフクアンドレ・バリユー ヴァレンチーナ・シェフチェンコ ヴィヴィアニ・アロージョ 中村倫也 風間敏臣

【UFC285】計量終了 お腹ポッコリ、ジョン・ジョーンズが3年振りの実戦でヘビー級王座挑戦

【写真】この腹は驚き。これでも強い──と期待してしまうのが、JJの凄まじさだ (C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 285「Jones vs Gane」の計量が3日(金・同)に行われている。

メインはフランシスコ・ガヌーの王座返上とUFC離脱を受けて行われるUFC世界ヘビー級王座決定戦、ジョン・ジョーンズが3年振りのファイトでヘビー級王座に初挑戦。元暫定王者のシリル・ガンヌと戦う。

JJはライトヘビー級時代には2メートル15センチというリーチの長さを打撃とレスリングで最大限に生かし続けてきた。今回の248ポンドと計量結果は明らかに過去最大だが、206センチのリーチを誇るシリル・ガンヌを相手にライトヘビー級時代の圧を掛けることができるのかが最大の見どころだ。

セレモニアル計量で大ブーイングを浴びたガンヌと、対照的に大声援を受けたJJは輪郭から体のフォルムとライトヘビー級時代とはまるで違う容姿でスケールへ。

フェイスオフでは下腹ポッコリ、0.5ポンド軽いガンヌの方がグッドシェイプに見えた。そのガンヌは「この試合はビッグボーナス。この機会を手にできてハッピーだ。明日、勝てばベルトが手に入る。そしてこの惑星で一番のバッドアスに勝てるという2つ目のボーナスもある。ここにいられて、とても幸せだ」と話した。

対してJJは、「ただただ素晴らしい想いだ。皆のこと、もの凄く愛している。ここに来てくれてありがとう。皆の前で戦えることを光栄に思う。この贈り物を手にすることができて、本当に恵まれているよ。今も変わらずいえる。明日も楽しもうってね」と笑顔を見せ続けた。


コメインはUFC世界女子フライ級王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコが、8度目の防衛戦でアレクサ・グラッソを迎え撃つ。今回のキャンプをパラエストラ柏で行うという前代美音の行動に出たシェフチェンコは、千葉滞在中に練習に対する向き合い方と人間性で、練習仲間の全てを魅了し絶賛された。

「みんな、ありがとう。皆の前で素晴らしい試合をすることが待ち切れない。この試合はウォーになる」と話したグラッソに続き、「明日は強敵と戦う。でも、どれだけ彼女が強くても私の方がより強い。2倍強いから。明日はそういうアクションを皆に披露する夜になるわ」とシェフチェンコは断言した。

2階級の世界戦が組まれた今大会。メインカードであ注目のウェルター級でジェフ・ニールが 175ポンドと計量オーバー、16連勝中のシャクハト・ラクモノフとの一戦の前にミソをつけてしまったのは残念だ。

ダン・フッカーの代役ながら、昨年10月にベニール・ダリューシュ戦の敗北から再起を賭けるマテウス・ガムロがジェイリン・ターナーと戦う。

さらに噂のボー・ニコルのオクタゴン・デビュー戦=ジェイミー・ピケット戦が組まれたメインカードは当然として、プレリミから世界最高峰らしい凄まじいカードが並んでいる。

オープニングマッチでニコルと同様にUFC初陣を迎えるロイック・ラジャポフはPFL2021シーズンのライト級準優勝者だ。

第2試合もUFCデビュー戦となる選手=ファリド・バシャラットが登場。

デモン・ブラックシアー戦で、兄ジャビッドの1年遅れで世界最高峰に到達した。兄はキャリア14連勝、弟はここで勝てば10連勝と、兄弟無敗記録を24に伸ばせるか。

女子ではSEI☆ZA出身タバタ・ヒッチ、元ストロー級クィーン・オブ・パンクラシストのヴィヴィことヴィヴィアニ・アロージョという日本からの支持率が高い両者が出場する。

タバタは昨年10月に戦う予定だったジェシカ・ペネ戦が再度組まれた。

前回はペネの体調不良で流れた一戦、元タイトルこんだーを相手にタバタはオクタゴン3勝目を狙う。

ヴィヴィは世界王座に挑むグラッソに敗れてからの再起戦、対戦相手のアマンダ・ヒーバスと同様にタイトル戦線に留まるためのサバイバルマッチに臨む。

さらにウェルター級ではアイルランドからキャリア10連勝中、Cage Warriors時代のようにエンターテイメント性が高い試合でなく、しっかりと勝つ試合を続けているイアン・ギャリーが、中国のソン・ケナンとの一戦も組まれた。

既にオクタゴンで3連勝のギャリー、上と戦う権利を得るためのパフォーマンス&フィニッシュを期待されているといっても過言でない。

復活を賭して、背水の陣のコディ・ガーブラントとトレヴィン・ジョーンズとの対戦。

さらに1ポンド・オーバーだったマナ・マルチネスとキャメロン・サーイマンの一戦など、中村倫也&風間敏臣の対戦相手になるやもしれないバンタム級ファイターの顔合わせも日本のファンにとっては見逃せない。

他プロモーションならタイトル戦もしくはメインカード、UFNならヘッドライナーというカードが連続しているてんこ盛りのPPVイベント、UFCの底力が見える大会だ。

■視聴方法(予定)
3月5日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC285計量結果

<UFC世界ヘビー級王座決定戦/5分5R>
ジョン・ジョーンズ: 248ポンド(112.49キロ)
シリル・ガンヌ: 247.5ポンド(112.26キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
[挑戦者]アレクサ・グラッソ(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール: 175ポンド(79.37キロ)
シャクハト・ラクモノフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ: 156ポンド(70.76キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェイミー・ピケット: 186ポンド(84.37キロ)
ボー・ニコル: 185.5ポンド(84.14キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
トレヴィン・ジョーンズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ミドル級/5分3R>
デレック・ブルンゾン: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレッシー: 185ポンド(83.91キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴィヴィアニ・アロージョ: 126ポンド(57.15キロ)
アマンダ・ヒーバス: 126ポンド(57.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジュリアン・マルケス: 186ポンド(84.37キロ)
マフクアンドレ・バリユー: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ソン・ケナン: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス: 137ポンド(62.14キロ)
キャメロン・サーイマン: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・ペネ: 116ポンド(52.62キロ)
タバサ・ヒッチ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)
デモン・ブラックシアー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ロイック・ラジャポフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
エステバン・リビヴィクス: 156ポンド(70.76キロ)

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【UFC285】グラッソ戦前の格闘聖女ヴァレンチーナ・シェフチェンコ─02─「私は戦いに疲れることはない」

【写真】パラエストラ柏の皆が、彼女を尊敬し心酔しきっていたのは何も強さだけでないことがハッキリと分かった (C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC285「Jones vs Gane」のコメインでアレクサ・グラッソを相手に8度目の防衛戦に臨むUFC女子世界フライ級王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコ・インタビュー後編。

パラエストラ柏で、3週間のキャンプを終えた彼女が話してくれた、数々のMMA論。MMAは強ければ、正義。そのうえで、人間として尊敬できればもっと格好良い。そんな世界最強のMMAファイターの言葉──あの舞台で勝ち続けることができる人間が話す言葉は、才能に満ち溢れた王者の論理だろう。だが、同時にどのような人間でも持ち続けることができる姿勢、思考を彼女は教えてくれた。

<ヴァレンチーナ・シェフチェンコ・インタビューPart.01はコチラから>


──なるほどぉ。ところでヴァレンチーナはただ様々な競技で戦ってきただけでなく、成功を収めてきています。テコンドー、ムエタイ、キックボクシング、柔道、ボクシング、そしてMMAと、まるで違うルール、よく似たルール、ともに結果を残せる理由をどのように考えていますか。

「それは私がマーシャルアーツを30年間やってきた経験があるから。私は5歳から格闘技を始めたわ。それに家族の皆がマーシャルアーチストだった。母はテコンドー三段で、母の影響で私も姉のアントニーナもマーシャルアーツを始めることになった。アントニーナはUFCファイターになった一方で、パイロットの仕事も続けていて。その都合で彼女はプエルトリコにいて、このあとラスベガスで合流することになっているの」

──パイロットですか、本当に多才なのですね。

「そうね(笑)。全ては経験よ。コーチのパベル・フェドートフはいつも私に『ヴァレンチーナ、ユニバーサル(普遍的な)ファイターであれよ』と言っているの。『本当のファイターは違うスタイルや違うルールでの戦いを恐れることはない』って。立ち技でも寝技でも、必要な戦いに応じるだけ。違ったルール、違った戦いに必要なことをするだけよ。

テコンドー、散打、空手、キックボクシング、K-1、本当に多くのムエタイの試合、全ては自分の経験で戦うだけ。もっと練習して、もっと理解して、もっと成功への道を探ること」

──ただし、戦い方としてはアジャストが必要だと思います。そのなかで、変わることのない軸のようなモノを持たれていますか。

「そうねぇ……全般的に見て理解力かな。どのように戦えば良いのか、どのように試合に向けて練習すれば良いのかという思考を確立させ、その考えを練習中や試合が始まってから曲げないことを。それを変えるようなことがあれば、自分の戦いの全てがガタガタと音を立てて崩れ落ちてしまうから。

どれだけ成功したのか。どれだけ高見を目指し、どれだけ自分の立ち位置が変わったのか。そんなことは一切関係ない。私はずっと同じファイターであり、同じ人間。勝利に対して謙虚であり続け、ハングリーであり続ける。それを何度も繰り返すだけ。それが成功の鍵だと思う。

テクニックもスタイルも変えて構わない。でも、自分の内面は立場によって変えてはダメ。マーシャルアーツを戦い始めた時と同じ内面を持ち続け、その内面から放出されるエネルギーを大切にすること。自分への自信、自身の平穏さを立場や状況で変えないこと。そこが一番大切な部分よ。チャンピオンになり、チャンピオンであり続けるには」

──なるほどぉ。真っ新な時のエネルギーと、素の自分を大切にするということですね。ところで世界戦の前のキャンプだというのに、対策練習をしているような風には見えなかったです。

「普段からそうよ。誰だって対戦相手の試合を見て、研究して、練習をしているはず。私もアレクサの試合を見て特に危険な攻撃が何かはしっかりと頭にいれているわ。だから、皆と同じことをやっているはずよ。いかにその展開を避けるのか、しっかりと頭に入っている」

──とはいえアレクサ・グラッソと同じような体形の選手もいないし、構えも皆がそれぞれのスタンスで戦っていましたが……。

「もちろん、彼女と同じ体形で同じようなスタイルのトレーニング・パートナーがいてくれると、最適ね。でも、そうじゃない場合はどうするの? パラエストラ柏の練習仲間は、アレクサの真似をするのではなくて、本来の自分の力を出してくれた。とてもシリアスで強度の高いトレーニングよ。私がミスをすれば、顔面を殴られる。そんな緊張感のある練習をここで3週間やってきたわ。彼らが本来の自分の戦いをすることで、本当に危険で緊張感のある練習ができたの。彼らがアレクサの真似をしても、そんな練習にはならない。

それよりもスタイルの違う、色々な強い選手と練習できるほうがずっと試合に役立つわ。今回の防衛戦だけでなく、これから私が戦う全ての試合においてね」

──いやぁ、自分の浅薄な考え方が恥ずかしい限りです。では、そのように準備してきたアレクサ・グラッソはどのようなファイターだと考えていますか。

「彼女は強い。寝技もできてボクシングも強い、コンプリートファイターよ。このレベルで、チャレンジャーになるにはどの状況でも正しく戦えて当然で。だから、私も何も変わりなく、全ての面で戦えるように2週間前までに最高の状態に整えてきたわ。練習を続けて、戦う。そして、今回も勝利を手にするだけよ」

──アレクサもヴァレンチーナも、距離のコントロールに長けていると思います。ただ、ヴァレンチーナの距離のコントロールは攻めるためで。対して、アレクサは防御のためにように感じます。

「う~ん……そうかしら。攻める時は攻めるし。さっきも言ったようにハイレベルなファイターは、どんな状況でも戦えないといけないから。良いスタイルマッチアップだと思うけど。皆が見て、楽しめる試合になるはずよ」

──ではその距離の取り方ですが。前手、前足で距離を測り、後ろの手足の攻撃に繋げるケースが多いと想うのですが、ヴァレンチーナは後ろ足で距離を取って移動することも間々あるように見受けられます。

「それは状況によって変わってくると思う。手の時もあるし、足の時もある。ファイトはファイトで、誰もこうなる、こうだって予測はできない。そんな話した通りのことがオクタゴンの中で起こるなら、誰も苦労はしないわ(笑)。だから、自分ができる限りの努力をして試合に臨むの。そして試合中は自分の体の動きに、身を委ねることね。

私は前手で距離をとることもあるし、前足でタイミングを測り、後ろ足で移動もする。何も一つの方法論に拘る必要はないから。もちろん、距離のコントロールは戦う上で本当に大切なことで。正しい距離が、良い結果を生むことは確かよ。そして、正しいタイミングが、勝敗を決するといっても過言でないわ。

そのために正しい技術を学び、トレーニングを続けること。オクタゴンに入って、ホーンがなれば考えている時間なんてない。次に何をしようかなんて思っている時間の猶予はないから。でも、次の動きをしないといけない。結局、自分の本能で戦うしかないのよ」

──それはもう才能の固まりであるヴァレンチーナだから言えることで、UFCファイターでもその域にはなかなか達せないのではないでしょうか。

「ウフフフフフフ」

──でも、ここまで成功を収めてやり切った感はないですか。どのようにして、この激しいスポーツに向き合い続けることができるのですか。

「マーシャルアーツは私の人生だから。今、ここにいるのもそう。私は好きなことをやっているだけで。好きなことをする、それが私にとって最大のモチベーションになっているわ。私は戦いに疲れることはない。自分が好きなことが、ここで戦うことであるなら、そのための必要な努力を続けるだけで。

私はそこに没頭できないで……自分のやるべきことを止めて、人々から評価されたり、尊敬されたい──そんな自己承認欲を満たしたいと思うようなことは一切ないわ。特に今の若い世代は、そういう傾向が強いけど、彼らは評価や人生観を大切にしようとしているだけで、その本当の意味がまだ理解できていないから(笑)。

インスタグラムでは20歳や19歳の子たちが、分かり切ったようなこと言っているじゃない。ホント、頑張れって感じね(笑)。好きなことに没頭していれば、あんなことに費やす時間はないはず。私は自分が何をしたいのか、どうなりたいのか。そんなことは考えずに、必要なことをやっているだけ。

こうなりたいとか、ベルトが欲しいとか、それはゴールじゃない。私のゴールは戦って人生を豊かに、幸せにすることだから」

──いやぁ、参りました。自己承認欲がなく、幸せになるためのファイトですが、もう1本のベルトを目指すつもりはないですか。今も……特に2度目のファイトですが、ヴァレンチーナがアマンダ・ヌネスに負けたとは思えないです。

「そうね、私は負けていない。私が勝っていたわ(微笑)。そして、その試合はきっと実現するわ。正しいタイミング、正しい場所でね」

──おっと、距離の取り方と攻め時と同じですね(笑)。

「フフフフ。その通りだわ」

──ヴァレンチーナ、今日は本当にありがとうございました。では、3週間過ごした日本のファンにメッセージをお願いします。

「私は本当に、この素晴らしい国を愛している。また日本に来たいと既に思っているわ。絶対に戻って来る。その時は試合前じゃなくて、もっと色々なところに行って、色々なモノを食べるの。絶対に(笑)」

■視聴方法(予定)
3月5日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC285 アレクサ・グラッソ ブログ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC285】世界戦キャンプをパラ柏で!! ヴァレンチーナ・シェフチェンコ─01─「必要な練習は全てできた」

【写真】言葉も表情も、本当にソフトだったシェフチェンコ。ファイトウィークのインタビューとは、明らかに違う彼女がいた (C)MMAPLANET

3月4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC285「Jones vs Gane」のコメインでアレクサ・グラッソを相手にヴァレンチーナ・シェフチェンコがUFC女子世界フライ級王座、8度目の防衛戦に臨む。

そのシェフチェンコが2週間に渡り、パラエストラ柏でファイトキャンプを行っていたことは関係者やメディア、そしてパラエスト千葉ネットワーク関係者のSNS等でファンも周知のことだろう。MMAPLANETで本日21日(火)に日本を発つ、シェフチェンコの柏での最後のトレーニングを20日(月)に取材。強くなるなら世界に出る。日本の技術は遅れている。これらの意見が常識として認識されるようになった今、UFC世界チャンピオンが日本で世界戦を準備をした。

ある意味、我々の常識を根本から覆す来日と練習の日々を送ったシェフチェンコに、その理由を尋ね──最強の王者のメンタル、そして信条とは。


フェドートフ・コーチはヘッドキア着用、グローブの装着部のテープの使用に拘る。試合前、要らぬカットをしないための予防か

──世界戦を3月4日に控えているヴァレンチーナが、試合の2週間前まで日本で練習をする。

前代未聞の事件といっても過言でないです。なぜ、この時期に千葉に3週間も滞在してパラエストラ柏でトレーニングをしてきたのでしょうか。

「最初にずっと長い間、日本を訪れたいと思っていたことがあるわ。私は色々な国、土地を訪れて色々な人達と触れ合い、それらの国々の文化を知ることが大好きで。私の母国、キルギスもアジアの国だし、日本は決して遠くない。それと私の米国でのトレーニング・パートナーの1人が日本人と米国人のハイブリットで、その彼がパラエストラ柏で1年間練習していて。

日本にやって来るのに、全ての要素が絡み合って最適の時期が今──だったの。そして、ここパラエストラ柏で素晴らしい3週間のトレーニング・キャンプを行うことができたわ。

岡田さん、右クロスで腰が落ちていました

チャンピオンや経験豊かな選手たち、男女揃って強くて、素晴しいトレーニング・パートナーに恵まれていたから。本当にこんな素晴らしいキャンプができて、皆に感謝しているの。

私は日本に来る前から、ずっと日本のことを学んできたから、実際にやってきても文化が違うとかまったく感じなくて。

誰よりも強さ、怖さを体感していたに違いない浅倉カンナの表情で、いかにヴァレンチーナが慕われていたかが伝わってくる

そして、本当に日本のことが好きになったわ。日本の人達は凄く礼儀正しくて。他の人に敬意を払うことができる文化って、素晴らしいわ。それって世界中の人々が、忘れてはならないこと。伝統を疎かにしない。皆が忘れがちなことだからこそ、本当に大切にしなければならないことだと私は思っていて。

その大切なことが、日本にはたくさん残っていたわ。ホントにどこの国も同じようになってほしい。私の母国キルギスもそう。両親との関係はとても大切に思われていて、若い世代が年を重ねた人々を敬っている。

キャンプ最終セッション終了。鶴屋代表にはキルギスの帽子が贈られた。中央アジアの民のアイデンティティか。民族帽を大切にしているのが伝わってくる

そうすることで、全てが良くなる。上の世代の人たちは、どういう風に生きれば良いのかを知っているわ。結果、若い人間の道標になってくれる。

そういう世代の人たちを尊敬しなくなり、耳を傾けないようだと善悪の見分けがつかなくなってしまう。そして、間違いを多くおかすことになるわ。自分が何者か分からずに、年を重ねてしまうと取り返しがつかなくなり、そういう人だらけになると世の中がおかしくなってしまうのよ」

──なんとも深い……話です。いやぁ……それにしても、言葉の通じない場所にやってきて、そこまで深く感じられるモノなのですね。

「もちろん、完璧にコミュニケーションは取れないわ。私は日本語が話せなくて、日本はあまり英語が話せる人が多くない。でも今は凄くテクノロジーが進化しているから。例えば、携帯のカメラを日本の雑誌に向けるとGoogleが翻訳してくれる(笑)。

それに日本では電車や地下鉄に乗っても、英語表記が全てで成されているから。移動をする時も、問題はなかったし。それに日本の鉄道は、凄く使い勝手良くて移動は本当に楽だった。もうホントに科学の進歩に助けられたわ(笑)」

──私がキルギスに行った時には、キリル文字にお手上げでした(笑)。

「そうなってしまうのは分かるわ(笑)」

──それにしても今の話を訊いているだけで、ヴァレンティーナが日本を満喫できたことが伺えます。ただ、それでも日本を訪れたり、練習をするにしても世界戦前に……というのは驚きです。初めての場所で、世界戦の準備をするという発想は。慣れ親しんだ、勝手が分かった場所で既に気心が知れた選手たちと練習する方が不測の事態が起こる可能性は低くなるかと。

「日本ではマーシャルアーツ文化が確立されていて、強い選手がいることは分かっていたわ。今では30年も指導を受けているパベル・フェドートフは、私がプロ格闘家になる過程で多くの異なったルールの競技に出場させていたの。空手や柔道など、日本から伝わってきたマーシャルアーツの試合にも出ていた。空手は一つの流派でなくて極真会館のフルコンタクト空手から、松濤館、糸東流という伝統派空手まで試合に出ていたわ。だから、ここからマーシャルアーツが広まったことが分かってやって来たの。

トレーニング・キャンプで最も重要なことは、トレーニング・パートナーの存在。多くの人が綺麗で設備の整ったジム、栄養士が食事の管理をしてくれるとか、そういうことを重視しているけど、私にとって一番重要なのは練習仲間たち。今回のキャンプでは、必要な練習は全てできたわ」

──日本で練習していては世界から置いていかれる。UFCにファイターになるには米国に行って練習する必要がある。そのような声も多く聞かれます。

「技術面でいえば、米国に行けばUFCファイターになるための全てが用意されているのは確か。でも何より米国にいることでUFCファイターになりやすいのは、距離という現実的な側面が大きいはず。日本と米国は離れているわ。とても遠い。

やっぱり、米国と近い距離にいる方が組織には属しやすい。UFCの本部はラスベガスにあるから、そういう意味で米国にいると、全てが簡単だから。決してファイターとしての経験云々でなく、日本人選手の問題は距離でしょう。実際、キルギスで生まれた私もUFCファイターになるまで、数えきれないほどの海外遠征を経験したわ。

遠征……旅行が、私の人生にとってとても大きなパートを占めているの。だから、米国に行かないといけないっていう意見には関しては、選手の経験値でなくUFCとの距離感だと認識しているわ」

──日本の選手が米国で練習する必要があると思うことに関して、どのように感じますか。

「良いことよ。世界中、どこで練習して役立たないことはないから。全てが経験になる。世界中に別々のトレーニング・パートナーがいて、そういう選手たちと練習をすることでより経験を積めることは間違いない。そうすることで、より危険なファイターになれるから。私は声を大にして言えるわ。『米国に行って練習しましょう』、『タイにいくべきよ』って。ヨーロッパ、アジア、世界を渡り歩いて練習すれば、本当に強いファイターになれるから。

もちろん、日本で練習していても強くなれるわ。ただし、よりワールドワイドなステージ、トッププロモーション、UFCのような世界で一番の場所で戦うためには絶対に外に飛び出していくべきね」

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET o UFC UFC275 キック タイラ・サントス ブログ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC275】バッティングで風向きが変わったか――王者シェフチェンコがサントスをスプリットで振り切る

【写真】4Rのバッティングで右目が大きく腫れたサントスに、シェフチェンコが打撃で優位に立った(C)MMAPLANET

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
Def.2-1:49-46.48-47.47-48.
タイラ・サントス(ブラジル)

サウスポーのシェフチェンコが距離を詰めて右ロー。ガードを固めるサントスに左スーパーマンパンチを放つ。サントスが前に出ると右ジャブを合わせたシェフチェンコ、ワンツーを繰り出してサントスを下がらせた。ケージ中央で見合う両者、シェフチェンコが右スピニングバックキックを見せると、かわしたサントスが前に出た。シェフチェンコはサントスをボディロックで捉え、ケージに押し込み左ヒザをボディに突き刺す。

両腕を差し込んだシェフチェンコはクラッチしてからグラウンドに持ち込もうとするも、サントスがトップからバックに回った。四の字ロックからRNCを狙うサントス。左手でシェフチェンコの口をふさぎながら左右の腕を首に回していく。シェフチェンコはサントスの右腕を抑えて反転しようとしたが、サントスがバックをキープする。シェフチェンコはバックのサントスの顔面にパンチを叩きつける。サントスが絞めに行ったがラウンド終了のホーンが鳴った。

2R、シェフチェンコが前に出てワンツーから右スピニングバックキックへ。さらにワンツーを打ち込んで組みついたが、サントスが体勢を入れ替えて左腕を差し込み、シェフチェンコをケージに押し込んだ。そこから小外刈りでグラウンドに持ち込んだサントス。シェフチェンコはフルガードで守る。サントスが上半身を起こすと、パンチとエルボーを打ち込みながらフットチョークを仕掛けたシェフチェンコだが、これは極まらず。

しかし足を上げて、サントスにパンチを出させない。ここでレフェリーがブレイクをかけた。スタンドで再開後、シェフチェンコはワンツーで攻め、さらに左インロー。サントスが組みついてくると首投げでテイクダウンを奪い、腕を取りに行ったがサントスがトップを奪って2Rを終えた。

3R開始早々、サントスが口元を指さして何かをアピールしている。マウスピースを忘れていたようで、マウスピースをつけて試合が再開された。前に出るサントス、ともに前蹴りでけん制しあうなか、シェフチェンコがワンツーを打ち込む。右バックスピンキックで相手にケージを背負わせるも、サントスは前に出る。ワンツーを放つシェフチェンコ、右ローで相手を下がらせ、サントスが距離を詰めてくるとボディロックで組みテイクダウンを狙うが、すぐにサントスが立ち上がった。

スタンドではワンツーを主体に攻めるシェフチェンコ。サントスが距離と取ると左インローを放つ。サントスが組んでシェフチェンコをケージに押し込んだ。左腕を差し込み、右腕でシェフチェンコの左腕を巻き込んでいるサントスが、外側にひねってテイクダウンを奪った。バックマウントへ移行したサントスは、シェフチェンコの右腕を抑える。そしてシェフチェンコが上半身を起こすと、左腕でアゴを絞めつける形のRNCへ。ディフェンスするシェフチェンコに対し、左右から腕を回していく。残り10秒で、左腕でシェフチェンコのアゴを絞め上げていった。

4R、シェフチェンコが右ローからワンツーで攻める。サントスもシェフチェンコの左ストレートに右を打ち返す。サントスのワンツーをバックステップでかわしたシェフチェンコは、左の前蹴りから左ミドルを打ち込んだ。しかし距離が近くなったところで、バッティングが発生し、サントスの右目が大きく腫れた。

サントスが組みに来ると、シェフチェンコは右ヒジを打ち込む。離れたサントスの顔面に、左ストレートをクリーンヒット。シェフチェンコは、右目が見えないサントスに対して左ミドル、左ストレートを突き刺していく。ワンツーから左ハイでサントスにケージを背負わせたシェフチェンコ。サントスがケージを離れると、右ジャブを当てた。

そしてワンツーで押し込むシェフチェンコ。サントスは左サイドキックで距離を取るが、シェフチェンコの前進を止めることができない。シェフチェンコの左ストレートに右テンカオを合わせたサントスが、残り20秒でシェフチェンコの左ストレートをかわしながらボディロックで組みつき、グラウンドへ。シェフチェンコはハーフガードで凌いだ。

最終回、サントスが右インローを放ったあと、シェフチェンコがワンツーで攻め立てる。サントスの右をかわして左ストレートを突き刺したシェフチェンコ。ワンツーから右を当てたシェフチェンコが、組んできたサントスを首投げでグラウンドに引きづりこむも、トップを奪ったのはサントスだ。反転するシェフチェンコのバックに回ったサントスは、バックマウントからRNCを狙う。シェフチェンコはサントスを前に振り落として立ち上がった。

スタンドに戻り、シェフチェンコのワンツーを食らったサントスがグラつく。疲労が見えるサントスに対し、ダブルレッグを仕掛けたシェフチェンコがクリーンテイクダウンを奪った。ハーフガードで守るサントス。シェフチェンコはパンチで削るが、サントスもパスは許さない。シェフチェンコがパス、サイドに回るがサントスがハーフに戻した。サントスは下からシェフチェンコの右腕を抱える。シェフチェンコもパスを狙い続けたが、ハーフガードのまま試合終了のホーンを聞いた。


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【UFC275】3カ月連続で試合出場、アンドレ・フィアーリョ「実戦ほど成長させてくれる機会はない」

【写真】優しい笑みと、Bellator以降の10勝で8つのKO勝ちを生んでいる拳。フィアーリョこそポルトガルの二面性を顕著に表している人物かもしれない(C)MMAPLANET

12日(日・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC 275「Teixeira vs Prochazka」でジェイク・マシューズと戦うアンドレ・フィアーリョ――は、今もグローバルステージは数少ないポルトガル人ファイターだ。

UFCに到達するまでBellatorやPFLでの挫折を経験している。最終的にはミドルイースト経由でUFCとの契約を勝ち取った。そして今年1月のオクタゴン初陣でミシェウ・ペレイラに判定負けを喫したものの4月と5月に連勝、今回のマシューズ戦は3カ月連続でのファイトとなる。

世界最高峰の場で1カ月に1試合のペースで戦うフィアーリョに初インタビューを敢行した。


――4月から3カ月連続、今年に入って既に4試合目となります。

「普段からヘルシーに過ごせるように、心がけているんだ。ジムで練習し、体が動ける状態を保っている。今ではスマートに練習できるようになったので、この間隔でも問題なく戦うことができるよ。

砂糖の入ったモノは口にしない。ソーダも飲まない。だから15ポンド程度落とすだけで済むし、試合の体重に落とすこともイージーなんだ」

――とはいえ試合前は緊張するでしょうし、試合後には心身ともにリラックスする時間も必要かと思います。

「自分にそういう休息は必要ないと思っている。戦いたい意欲が凄くて。そのモチベーションがあるほうが、自分を律することができる。何より実戦ほど自分を成長させてくれる絶好の機会はないからね。だから、ケガがない限り試合には出られるだけ出たいと思っているんだ」

――この間隔で戦うことに周囲の反応は?

「コーチは休息をとって、そんなに試合を受けるなと言っているよ。でも、自分ことは自分が一番分かっている。ケガもなく戦える状態にあるなら、僕は戦う」

――それは決してトップファイターになるために、急いでいるということではないのですね。

「ノー、そんなことはないよ。一歩ずつステップしている。そういう感情があったのは、他の大会に出ているときに僕に勝った相手にリベンジをしたいと思っていた時だけだよ。UFCに行くためにリベンジしたかった。でも、今はさっきも言ったようにステップ・バイ・ステップ、着実に経験を積んでいこうと思っている」

――ポルトガルという今もMMAファイターが決して多くない国出身のアンドレですが、サンフォードMMAに所属してどれぐらいになるのでしょうか。

「もう4年かな……フロリダに住むようになって。その前は2年間、ベイエリアに拠点を置いてAKAで練習していたんだ」

――アンドレとBellatorで戦うペドロ・カルバーリョが、ポルトガルを代表するファイターという認識でいるのですが、国内のMMAシーンは現在、どのような状況なのでしょうか。

「マネル・ケイプもアンゴラとポルトガルのダブルパスポートを持っていて、ポルトガルのMMAをリードしている1人だよ。ポルトガル北部でずっとキャリアを築いてきたからね。ポルトガルのMMAは成長はしているけど、広まっているとは言えない。その過程にあるよ。ブラジルから多くの選手がポルトガルにやってきて、MMAの指導をするようになった。ただし、選手たちの経済状況はさほど良くなくて、そういう投資もまだ十分じゃない。

もともとジムや選手のレベルがそれほど高くなかったから、僕はポルトガルを離れた。だからこそポルトガルのMMAの発展に寄与したい。僕のような苦労をすることなく、若い選手たちがMMAをやっていける道ができるようサポートして、ポルトガルのMMAの成長の助けになりたいんだ。若い選手を支えられるようなりたいと思っている」

――それにしても、私はポルトガルとMMA、ファイトスポーツが結びつかないです。今もポルトガルほど素朴で、親切な人が多い国はないと思っているので。

「ポルトガルの国民性って、2つの顔があるんだよ(笑)。多くの人がしっかりと教育を受けていて、謙虚で親切だ。それはその通りだよ。でもファイトも愛している。夜の街、渋滞中の道路なんかじゃ、どこでもストリートファイトが見られるよ(笑)。僕はそういうポルトガル人らしさが好きなんだ」

――なるほどぉ。ところでアンドレはBellator、PFLで戦っていた時期があり、UFCと戦う前はUAE Warriorsで3試合を経験しています。中東で戦ったのは、なぜでしょうか。

「マネージャーから『UFCファイターと契約したいなら、俺のいうことを聞いてくれ。絶対にUFCに届かせるから』と言われたんだ。『分かった。どうしたら良い?』と尋ねると、『UAE Warriorsで試合をしよう』というのが、彼の答えだった。

そして1試合戦い、勝って戻ってきた。彼はもう1試合だ、と。また勝った。そうしたら『もう1度だ』と言われ、3度目も勝った。本音を言えば、アブダビではコロナ・プロトコルで色々な制約があり苦痛だった。そうじゃないと試合ができないというのは分かっていたけど、バブルが創られてホテルから出ることもできない。本当に息が詰まりそうだったから、あれ以上戦いたいとは思っていなかったよ。

でも、UFCに行くためだというマネージャーの言葉を信じた。結果4試合目を戦おうとしていた時にUFCからコールがあったんだ。UAEWで戦って良かったと思っている。UFCと比較すると小さなイベントだよ。でも大会の質も高いし、出場選手も強かった。UFC Fight Passで配信もされている。それにファイトマネーも良かったし、キャッシュで支払われるんだ。僕の力を示すためには、本当に良い大会だったよ」

――チームメイトの佐藤天選手から、アンドレもUFCファイターになるために強い意思を持ち続けていたと聞いたことがあります。

「I LOVE SATO(笑)。その意思を強くもって、自分の進みたい道を進み、手を伸ばすと届くチャンスは全て掴んできたつもりだよ」

――素晴らしいです。では改めて対戦相手、ジェイク・マシューズの印象を教えてください。

「ウェルター級の中で、特に力強い選手だと思う。7、8年もUFCに在籍していて経験豊かなファイターで、凄くウェルラウンドだ。でも僕のスピードは、彼とは明白に違う。僕の方が速く動ける。

彼はUFCで名を残しているけど、何も心配することはない。それよりも、自分自身が力を発揮できるかどうかの方が大切になってくる」

――ランキング外の相手ですが、ランク入りするためには恰好の相手かもしれないです。

「ランキングのことは気にしないよ。トップ15、トップ10が目標じゃない。僕の目標はチャンピオンになることだ。だから全ての対戦相手を眠らせる。世界のトップと戦うために、自分がどう戦うかに集中している。ジェイクは素晴らしいファイターで、それこそ自分を試すという点でも最高の相手だよ。彼を相手に自分の力を試したい。けれども、注意するのは彼ではなく、自分がどう戦うかだよ。

ジェイク・マシューズとの試合で、僕は誰でも倒せる力を持っていることを証明する。この惑星で最高のウェルター級ファイターの1人だと、ね」

■視聴方法(予定)
6月12日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC275計量結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]グローバー・テイシェイラ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者] イリー・プロハースカ: 205ポンド(92.99キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ: 124.5ポンド(56.47キロ)
[挑戦者]タイラ・サントス: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヨアナ・イェンジェチック: 116ポンド(52.62キロ)
ジャン・ウェイリ: 116ポンド(52.62キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ: 170.5ポンド(77.34キロ)
アンドレ・フィアーリョ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ラマザン・エミエフ: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・スンウ: 146ポンド(66.22キロ)
ジョシュア・クリバオ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ: 155.5ポンド(70.53キロ)
スティーブ・ガルシア: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン: 186ポンド(84.37キロ)
ジェイコブ・マルクーン: 186ポンド(84.37キロ)

<バンタム級/5分3R>
カン・ギョンホ: 136ポンド(61.69キロ)
バットゲレル・ダナー: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 116ポンド(52.62キロ)
リャン・ナ: 116ポンド(52.62キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ホセリン・エドワルツ: 145ポンド(65.77キロ)
ラモーナ・パスカル: 145ポ

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【UFC275】カン・ギョンホとアジア対決、バットゲレル・ダナー「母国に近いだけで特別な力が……」

【写真】PPVショーのプレリミ出場は3度目となったダナー (C)MMAPLANET

12日(日・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC 275「Teixeira vs Prochazka」でバットゲレル・ダナーがカン・ギョンホと対戦する。

3試合連続で初回KOの快進撃が3月にストップしたダナーは、アジアでの再出発と母国モンゴルのMMAの発展への心意気を語った。


――リモートでの取材でなく、こうやってダナーに直接インタビューができて嬉しいです。

「本当に久しぶりですね。再び、こうしてお目にかかれて嬉しいです」

――モンゴルとシンガポールは南北で遠く離れていますが、アジアはアジアです。ここシンガポールで戦うことをどのように思っていますか。

「過去6試合を米国で戦ってきたので、モンゴルと同じアジアの大陸で戦うことはとても嬉しいです」

――今回もニューメキシコのジャクソン・ウィンクMMAで準備をしてきたのでしょうか。

「いえ、この試合に関しては最初はモンゴルで練習をして、キャンプはプーケットのタイガームエタイで行いました。もちろん、これからもジャクソン・ウィンクMMAで練習していきます。ただし今回の試合はアジアで行われるものなので、このような調整方法を選択しました。以前からタイガームエタイに興味があったので、良いタイミングだと思いプーケットで最終調整をすることにしたんです。シンガポールまで飛行機ですぐだし、時差も1時間しかないので。

ただ試合は試合で、どこで戦おうが最高の準備が必要です。そういう意味で今回も心身ともにしっかりと仕上げてきました。ただし、やはりアジアで戦うということは母国に近いというだけで特別な力で背中を押してもらっているような気がします」

――3試合連続1RKO勝ちから3月の試合でクリス・グティエレスに敗れ、仕切り直しの一戦となります。

「全ての試合が重要ですが、特に今回の試合は大切です。この試合に勝って、また連勝街道を進みたいと思っています」

――では対戦相手のカン・ギョンホ選手の印象を教えてください。

「カン・ギョンホ選手はアジアを代表するMMAファイターで、UFCで戦ってきたパイオニアの1人です。キャリアも凄く豊富です。思うに相当な減量をして試合に臨んでいるようですし、試合当日になるバンタム級のなかでも最大級の大きさを誇っているはずです。

レスリングとグラップリングは当然として、どの局面でも優れています。その一方で常にフィニッシュを狙う自分とは違い、戦略を用いて長期戦を勝ち抜くスタイルです。自分はファンに喜んでもらいたいですし、エキサイトしてほしいと思って戦っています。ファンに退屈な想いはさせたくないです」

――次の質問で、どのような試合をファンに披露したいのかを尋ねようと思っていましたが、すでに答をもらいました(笑)。

「アハハハハ」

――今回の大会はPPVショー故に米国に合わせた時間大会で進行され、午前中のファイトになります。その当たりはどのように捉えていますか。

「まずアジア大陸でUFCがPPVショーを開くことが、凄く嬉しいです。これからも、そういう機会が増えてほしいと思っています。米国時間に合わせることで早朝から試合の準備をして、戦うことになります。初めての経験ですが、生活のリズムをそのようにしてきたので、体が午前中に動くようになっています。だから、このインタビューを終えると、眠くなるはずです(※インタビューはシンガポール時間の午後1時に行われた)。

試合に向けて早朝に目を覚まし、体を動かして日中に睡眠をとる日々を送ってきたので(笑)」

――ところでファイトウィークで実施されるRoad to UFCにモンゴル人選手の出場がなかったです。ONEのケージ内を見ても、モンゴルはアジアの新パワーハウスだと感じていたので、アップ&カミングファイターの出場がなかったのは意外でした。

「モンゴルの世界中の国々と同じように、MMAは急速に普及しています。モンゴルではESPNでUFCが中継されて、若い世代の関心の高さは相当です。UFCジムもオープンしました。今回はまだ間に合わなかったですが、これからモンゴルの若くて可能性のある選手に対し、UFCが試合の機会を与えてくれるようになると思っています。

モンゴルFCがサンフランシスコでZhong Luo Cage Fighting Seriesを開き、自分もモンゴル人として大会をサポートするために会場に足を運びました。この動きなどモンゴルのMMA界が国内だけでなく、世界的な視野を持っている表れです。自分には仮想通貨の企業のサポートもあり、UFCで活躍することでモンゴルのMMAがより注目されるという意識をもって戦っています」

――モンゴル人選手が強くなると、また日本は大変になってきます(笑)。でも、そうなるようにダナーは戦っているわけですね。

「自分はジャダンバ・ナラントガラグと日本人のアライ(荒井順一)さんが最初のMMAの先生です。彼らが自分にしてくれたように、若い選手たちが国際的な舞台で戦えるための役に立ちたいと思っています」

■視聴方法(予定)
6月12日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC275計量結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]グローバー・テイシェイラ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者] イリー・プロハースカ: 205ポンド(92.99キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ: 124.5ポンド(56.47キロ)
[挑戦者]タイラ・サントス: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヨアナ・イェンジェチック: 116ポンド(52.62キロ)
ジャン・ウェイリ: 116ポンド(52.62キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ: 170.5ポンド(77.34キロ)
アンドレ・フィアーリョ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ラマザン・エミエフ: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・スンウ: 146ポンド(66.22キロ)
ジョシュア・クリバオ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ: 155.5ポンド(70.53キロ)
スティーブ・ガルシア: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン: 186ポンド(84.37キロ)
ジェイコブ・マルクーン: 186ポンド(84.37キロ)

<バンタム級/5分3R>
カン・ギョンホ: 136ポンド(61.69キロ)
バットゲレル・ダナー: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 116ポンド(52.62キロ)
リャン・ナ: 116ポンド(52.62キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ホセリン・エドワルツ: 145ポンド(65.77キロ)
ラモーナ・パスカル: 145ポンド(65.77キロ)

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【UFC275】計量終了 王者テイシェイラ「ウォーの準備はできている」

【写真】 (C)MMAPLANET

10日(金・現地時間)、12日(日・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC 275「Teixeira vs Prochazka」の計量が行われた。

Road to UFC Episode04終了から3時間半後にシンガポール・インドアスタジアムではセレモニアル計量&フェイスオフが実施され、Road to UFCよりも多くのファンが会場を訪れていた。


メインは42歳のライトヘビー級世界王者グローバー・テイシェイラが、RIZINからオクタゴンに転じて3戦目で挑戦権を手にしたイリー・プロハースカを相手に初防衛戦を行う。

「最高だ。完璧に準備して、今ここにいる。あとは戦いを見せるだけ」と挑戦者が話せば、チャンピオンはリラックスした表情で「明日はウォーだ。オクタゴンでウォーをする準備はできている。彼が僕のベルトを奪えるわけがない」と断言した。

またコメインでは女子フライ級王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコが、7度目の防衛戦でタイラ・サントスの挑戦を受ける。

オクラゴン4勝1敗、通算19勝1敗のチャレンジャーは「ここに来られたハッピー。しっかりと準備ができて、夢が現実になった」とインタビューに答えた。

一方、この日一番の声援を集めたといっても過言でないシェフチェンコは「気持ちが強く持てているわ。自信も本当にある。いつ、どこで誰と戦うかは全く問題にしていない。全員を倒し続ける。それが私の使命。さぁ、やるわ」と颯爽とコメントを残した。

なおフライ級でマネル・ケインと対戦予定だったホジェリオ・ボントリンが減量中に体調不良に陥り、両者の対戦はキャンセルされた。

また今回は英国大会までとはいわないが、シンガポール開催ということもあり、香港、中国、韓国、モンゴルとアジア勢が数多く参戦している。

そのなかで韓国のカン・ギョンホとモンゴルのバットゲレル・ダナーは唯一のアジア勢対決を戦う。

連勝が3でストップしたダナーの再起戦、同じく4連勝を逃した韓国のチェ・スンウも、復活を賭けた一戦で相対するジョシュア・クリバオと、フェイスオフで一触即発という場面が見られた。

■視聴方法(予定)
6月12日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC275計量結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]グローバー・テイシェイラ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者] イリー・プロハースカ: 205ポンド(92.99キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ: 124.5ポンド(56.47キロ)
[挑戦者]タイラ・サントス: 125ポンド(56.7キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヨアナ・イェンジェチック: 116ポンド(52.62キロ)
ジャン・ウェイリ: 116ポンド(52.62キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ: 170.5ポンド(77.34キロ)
アンドレ・フィアーリョ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ラマザン・エミエフ: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・スンウ: 146ポンド(66.22キロ)
ジョシュア・クリバオ: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ: 155.5ポンド(70.53キロ)
スティーブ・ガルシア: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン: 186ポンド(84.37キロ)
ジェイコブ・マルクーン: 186ポンド(84.37キロ)

<バンタム級/5分3R>
カン・ギョンホ: 136ポンド(61.69キロ)
バットゲレル・ダナー: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 116ポンド(52.62キロ)
リャン・ナ: 116ポンド(52.62キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ホセリン・エドワルツ: 145ポンド(65.77キロ)
ラモーナ・パスカル: 145ポンド(65.77キロ)

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MMA UFC UFC266 キック ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC266】完璧な制空権、シェフチェンコがマーフィーに何もさせずTDから右ヒジ連打でTKO&王座防衛

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
Def.4R4分00秒 by TKO
ローレン・マーフィー(米国)

サウスポーのシェフチェンコが、オーソドックスのマーフィーに対し、ローから距離を詰める。マーフィーが前に出てくると、右フックを被せたシェフチェンコ。マーフィーは足を使って、シェフチェンコの左右に回る。シェフチェンコの左ストレートは届かず。しかしマーフィーもシェフチェンコのパンチに、反応しきれてはいない。シェフチェンコの左ミドルをキャッチしたマーフィーだが、テイクダウンはできない。

次第に左ストレートの照準が合ってきたシェフチェンコ。足を使って回るマーフィーを、ローで追い立てる。ワンツーから右ローに繋げるシェフチェンコは、さらに左バックスピンキックを見せた。なかなか手が出ないマーフィーの顔面を、シェフチェンコの左ストレートがかすめる。マーフィーが距離を詰めようとすると、左スピニングフィストから右ストレートを合わせていったシェフチェンコ。ラウンド残り30秒でシェフチェンコがボディロックからテイクダウンを奪った。

2R、シェフチェンコが様子をうかがいながら、ワンツーを放つ。さらにボディロックで組み付いたが、反対にマーフィーがシングルでシェフチェンコをケージに押し込んでいく。右のオーバーフックでディフェンスするシェフチェンコは、マーフィーのクラッチを切ってケージから離れた。距離を詰めてくるマーフィーに、ショートのパンチを当てるシェフチェンコ。マーフィーは手数が少ない。

マーフィーのスーパーマンパンチに、右ジャブを泡絵得たシェフチェンコ。ケージ中央で左ミドルを突き刺す。そしてボディロックからグラウンドに持ち込んだシェフチェンコは、ハーフガードのマーフィーを抑え込む。左腕を差し込んだシェフチェンコに対し、マーフィーも右腕を差し返してディフェンスするも、状況を変えることはできない。シェフチェンコは、左のパンチを上下に打ち合分けつつ、右ヒジを落としていった。

3R、ジリジリと距離を詰めていくシェフチェンコ。マーフィーが出てくると右フックを合わせる。シェフチェンコが左ストレート、右フック、そして左のスピニングバックキックへとつなげる。マーフィーは飛び込んでも、右フックを合わせられてしまう。シェフチェンコはワンツーから右ロー、マーフィーは手が出ない。シェフチェンコが右の前蹴りを2発、そして左ボディと左のインローを放つと、マーフィーも距離を詰めるが手は出ない。

シェフチェンコが右ジャブ3連打から左ハイへ。そろそろ仕留めるチャンスをうかがい始めたか。マーフィーが距離を詰めると、バックステップで自分の距離を保つシェフチェンコは、左ミドルからの左右ローへ。マーフィーの動きに合わせて微妙に距離をコントロールし続けるシェフチェンコは、距離がゼロになったところで組み付き、バックに回りながらマーフィーをケージに押し込んでラウンドを終えた。

4R、シェフチェンコが右ローを2発。マーフィーが距離を詰めると右フックを合わせるなど、シェフチェンコの距離は変わらず。マーフィーのスーパーマンパンチに対して、シェフチェンコはバランスを崩して手をマットに着くが、すぐに立ち上がり、右ジャブでマーフィーにケージを背負わせる。さら二段蹴りで、回るマーフィーを追い詰めていくシェフチェンコ。またもマーフィーは手が出なくなった。

残り2分30秒、マーフィーの右ローに合わせてシェフチェンコが右フックをヒット。モロに食らったマーフィーはグラつき、シェフチェンコはすかさずグラウンドへ。ハーフガードのマーフィーに対し、シェフチェンコも無理してパスせず右ヒジを連打。マーフィーの動きが止まるとレフェリーが試合をストップした。


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【UFC261】ミズ・パーフェクト、シェフチェンコがTDからコントロールでアンドレジを寄せ付けず完勝

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
Def.2R3分19秒by TKO
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)

場内ではヴァレンチーナ・チャントが起こるなか、シェフチェンコがワンツーを繰り出す。アンドレジのローをキャッチしたシェフチェンコはボディロックテイクダウン。立ち上がったアンドレジをもう一度倒す。直ぐに立ち上がるアンドレジだが、バックを取られたままだ。リリースしたシェフチェンコが後方から左ハイを狙った。

ワンツー、スリーをシェフチェンコがヒットさせると、アンドレジが効いたような動きを見せてクリンチへ。小外からボディロックテイクダウンを決めたチャンピオンがハーフで抑える。足をフックする前にRNCを組んだシェフチェンコが、上を向かれて対応に絞めを解く。それでも胸を合わせず背中を取り、スタンドに戻ってもバックコントロールを続ける。ここから正面に回ったシェフチェンコはヒザをボディに入れ、もう一度テイクダウンを決める。サイドで抑えた王者が初回を完全に支配した。

2R、右リードフックを見せるシェフチェンコは、組んで投げを打ってきたアンドレジをボディロックでテイクダウン。ハーフで抑えられ、ボディを殴られたアンドレジはなんとかスクランブルに持ち込むが、豪快なリフトを決めてきたポジションでも、体を振られまたもボディロックテイクダウンを決められてしまう。

シェフチェンコはクルスフィックスに取り、パンチからエルボーを連打。暴れても腕を抜くことが出来ず、エルボーを被弾し続けたアンドレジ。レフェリーが試合を止めた。ずば抜けた強さを見せつけたチャンピオン、彼女と互角に戦うには現状のバンタム級のトップファイターが、減量を上手くしてフライ級に落としてくるケースしか考えられないか。

「私は皆を驚かせるのが好きなの。打撃を使わなくても、私のファイト。何でもできる。ストップされるまで厳しく殴ったわ。私は誰とでも戦う。ここにいるから」と話し、続いてロシア語、スペイン語で言葉を続けた。


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