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【Grachan Herios】原口伸がRTUからの復帰戦。高橋孝徳を相手に、1年10カ月振りの国内ケージへ

【写真】写真は2023年2月のもの。1年10カ月振りに国内で戦う原口、その動向が最も気になるフェザー級ファイターの一人だ(C)MMAPLANET

18日(月)、GRACHAN実行委員会から12月22日(日)に東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosに元ライト級王者の原口伸が出場し、高橋孝徳と対戦することが発表されている。
Text by Shojiro Kameike

2年連続でRoad to UFCトーナメントにチャレンジした原口にとっては、2023年2月の小谷直之戦以来、1年10カ月振りの国内復帰戦に。今年のRTUからフェザー級に転向している原口は、そのまま国内でもフェザー級で戦う。


小谷戦のパウンドは衝撃的だった。この勢いを取り戻したい(C)MMAPLANET

2023年2月に小谷直之を1Rでパウンドアウトし、Grachanライト級王座を防衛した原口。同年5月からRTUに出場し、初戦ではインドネシアのウィンドリス・パティリマを、準決勝では韓国のパク・ジェヒョクを下すも、決勝では中国のロン・チュウにRNCで敗れている。翌年はフェザー級で再チャレンジしたが、初戦で韓国のホン・ジュンヨンに勝利したものの、準決勝で中国のチュウ・カンチエ戦で敗退した。

カンチエ戦は原口が勝っているという声も多かったが、負けは負け。原口はMMAPLANETのインタビューでも「納得はいかないが、いろんなことが吹っ切れた」と語り、国内プロモーション参戦も示唆していた。当然のことながら三度UFCを目指し、海外のフィーダーショー出場という道もあるなか、その動向が注目される原口が復帰の舞台として選んだのは、ホームグラウンドでもあるグラチャンだった。

11月7日に原口自身がXにて「みなさんが、んんーと唸るような試合が決まると思います」と投稿していたとおり、今回の復帰戦では様々な強豪がリストアップされている情報も入ってきていた。ここで対戦相手が高橋に決まったのは、今後のGrachanフェザー級でベルト挑戦も視野に入れてのことか。原口は今年9月にライト級王座を返上しており、かつGrachanではフェザー級の実績がないためノーランカーとなっている。ここで現在フェザー級3位の高橋を下してランクインし、小島勝司が返上した同級のベルトを狙うのだろうか。もちろん本人が語っているとおり、RIZINあるいは海外のフィーダーショーに出場する可能性もある。

いずれにしても注目は、原口のスタイルチェンジだ。前回のインタビューで、RTUの判定を受けて「ああいう判定になるなら、もうレスリングやコントロールに固執する必要はない。打撃でもガンガン行くし、寝技でもガンガン極めに行く」と語っている。国内随一のテイクダウン&パウンダーである原口が、新たな武器を見せることができるかどうか。

相手を封じ込めるグラップリングとムエタイの融合が持ち味の高橋(C)GRACHAN

今回の復帰戦でも、過去の実績でいえば原口の圧倒的優位は動かない。とはいえ、原口がガンガン行こうとすればするほど、高橋のファイトスタイルは厄介なものになるだろう。高橋のスタイルはムエタイ&グラップリング――相手を捌くだけでなく自ら首相撲と寝技で相手を潰していく高橋に対し、原口がフィニッシュを焦るようなことがあると、気づけば高橋の型にハメられているという展開も考えられる。

現在、Grachanフェザー級ランキングでは1位が中村京一郎、2位が黒井海成となっている。原口が高橋を下した場合、黒井は同じBRAVE所属であるだけに対戦は考えられない。となれば――今後の展開が楽しみになる、原口のGrachanフェザー級への出場だ。

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
TBA

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFN UFN242 キック クリス・パディーリャ ロン・チュウ

【UFN242】RTUを経て、オクタゴン復帰のロン・チュウ。パディーリャのエルボーで左目が塞がりTKO負け

<ライト級/5分3R>
クリス・パディーリャ(米国)
Def.2R4分14秒by TKO
ロン・チュウ(中国)

Road to UFCライト級優勝を経て、2年半振りにオクタゴンに戻ってきたロン・チュウは、パディーリャに対して-245のフェイバリットとなっている。まず左ロー蹴ったロン・チュウが、圧を掛けて右カーフを蹴る。2発目のカーフで姿勢を乱したパディーリャもカーフを返す。ワンツーのロン・チュウはケージを背負うパディーリャに対し、左ハイを狙う。踏み込んでワンツーのロン・チュウは、左インローから左ミドルを決める。再度、右カーフを蹴ったロン・チュウはオーソにスイッチして右ミドルを蹴っていく。パディーリャも右カーフを続け、慎重な間合いの取り合いが続く。

ロン・チュウが右オーバーハンドで前に出るが、クリーンヒットはしない。パディーリャは右ローを続ける。ロン・チュウも右カーフを蹴るが、ジャブを被弾。ワンツー&ボディ、このコンビを繰り返したが、ローに右を合わされて一瞬動きが止まるシーンもあった。

2R、ジャブを伸ばすパディーリャ。ロン・チュウは前に出るが、間合いを取り直す。ダブルをスプロールされたパディーリャが、そのままヒザ蹴りを顔面に突き上げる。カーフで姿勢を乱しながら、首相撲&ヒザをいれたパディーリャが右を当てる。ワンツーに右を合わされたロン・チュウは、カーフから右を返す。「効いていない」とアピールしたロン・チュウは、カーフを蹴られても拳の圧を掛けていく。

パディーリャは左に回り、そして右に戻りつつカーフを蹴る。左を振るって前に出たロン・チュウは構えをかえてスピニングバックキックを繰り出す。と打撃の応酬で、アイポークがあったとアピールするロン・チュウだが──これは完全にエルボーで彼の勘違いだ。パディーリャはヒジを続け、カウンターでもヒジを狙う。と、ブレイクが入りロン・チュウの左目をドクターがチェックする。完全に腫れあがって目が塞がっているロン・チュウを見て、ドクターは試合を止めた。

結果として目尻でなく、眼球の上を打ったようなエルボーで敗れたロン・チュウ。的は狙い通りでなかったが、試みはパディーリャの狙い通り──完敗だった。


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45 AB C-MMA MMA MMAPLANET o Road to UFC SASUKE UFC UFN UFN242 アンドレ・リマ イェン・シャオナン イー・チャア カイル・ネルソン ガブリエル・サントス コディ・ダーデン ショーン・ブレイディ ジェシカ・アンドラーデ ジャケリン・アモリン ジルベウト・ドゥリーニョ ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ スティーブ・ガルシア スムダーチー ソン・ヤードン ディラン・バドカ トレヴァー・ピーク ナタリア・シウバ マット・シュネル ヤナル・エシュモズ リー・カイウェン ロン・チュウ ヴァネッサ・デモパウロス 松嶋こよみ

【UFN242】躍進中国MMAのシンボル、イー・チャアがガブリエル・サントスとUFC初陣「上海PIの存在」

【写真】足を踏み入れた最高峰で、どのような戦いを見せてくれるか(C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN242:UFN on ESPN+100「Burns vs Brady」が開催され、イー・チャアがガブリエル・サントスを相手にUFCデビュー戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

2022年のRoad to UFCは準優勝も初戦でSASUKE、準々決勝で松嶋こよみと日本人の夢を打ち砕いたイー・チャアは、2023年のRoad to UFCで同朋のリー・カイウェンを腕十字で一蹴し、UFCとの契約を果たした。

成長著しいC-MMAの象徴ともいえるイー・チャアにデビュー戦に向けてン心境と、躍進中国MMAの要因を尋ねた。


──UFCデビューを控え、今はどのような心境でしょうか(※取材は4日に行われた)。

「もう、準備は整っている。いつでも戦えるよ」

──UFC A PEXで既に試合をしていますが、Road to UFCとUFC本戦で戦うのとでは何か違うところはありますか。

「Road to UFCの時よりも、自分の力を証明するためによりエキサイティングな気持ちになっている。ただファイトウィークの過ごし方は、Road to UFCの時と変わらない。スケジュールも同じだしね」

──今はデビュー戦に集中しないといけないのは理解していますが、2週間前のRoad to UFC準決勝大会について話を聞かせてください。

「もちろんだよ」

──4試合の日中戦が組まれ、中国人選手が全勝と日本のファンにとっては強烈なショックな結果となりました。中国勢の勝因をどのように考えてますか。

「もう、それは上海PIの存在以外に考えられないだろう。中国人選手はPIであらゆるサポートと、最高のトレーニング環境を与えられているから、成長が著しい。上海のPIでは、ラスベガスのPIと同じだけの待遇を受けているからね。コーチの指導も、行き届いている。

実際、フェザー級と女子ストロー級の決勝は中国人同士になる。今回のRoad to UFCは中国人ファイターの成長が如実に表れた結果になっている」

──それでもイー・チャアがチーム・アルファメールで練習をするのは、どういう理由からなのでしょうか。

「基本的に上海のPIがあれば、長い移動をして米国でトレーニングをする必要はないという見方もできる。それでも多くの中国人選手が米国で練習するのは、ソン・ヤードンやイェン・シャオナン、スムダーチーたちが米国で練習をしてきた過去があるからだよ。

僕自身、PIでは3年、4年と練習してきたので、新しい環境に身を置きたいということもある。そこで新しいモノが学べるかもしれないからだ。アルファメールで練習をするのはソン・ヤードンやイェン・シャオナン、スムダーチーがいるからだ。皆がアルファメールにいて、互いのことをケアし合えるしね」

──そのような練習環境に身を置いているイー・チャアですが、デビュー戦の相手の印象を教えてもらえますか。

(C)Zuffa/UFC

「ガブリエル・サントスはウェルラウンディット・ファイターでレスリングもグラップリングも強い。

でも、スピードで僕が上回っている。そこが焦点になってくるだろう」

──ペースも勝負の鍵を握ってこないでしょうか。

「それは試合を見て、判断してもらおうかな。Road to UFCで戦った2年間、合計6試合を連続で戦ったことで、体のダメージも蓄積してしまっていた。試合が7カ月空いたことで体のケアがきたことも大きい。しっかりと休息を取り、自分の戦いを見つめ直すことでより強くなることができた。だから、次の試合が楽しみでならないよ」

■視聴方法(予定)
9月8日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

■UFN242対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)
ショーン・ブレイディ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
ナタリア・シウバ(ブラジル)

<フェアー級/5分3R>
カイル・ネルソン(米国)
スティーブ・ガルシア(米国)

<フライ級/5分3R>
マット・シュネル(米国)
コディ・ダーデン(米国)

<ライト級/5分3R>
トレヴァー・ピーク(米国)
ヤナル・エシュモズ(イスラエル)

<ライト級/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
クリス・パディーリャ(米国)

<フェザー級/5分3R>
アイザック・ドルギャリアン(米国)
ブレンダン・マロッテ(米国)

<フライ級/5分3R>
アンドレ・リマ(ブラジル)
フィリッピ・ドス・サントス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・サントス(ブラジル)
イー・チャア(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジャケリン・アモリン(ブラジル)
ヴァネッサ・デモパウロス(ギリシャ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキ(米国)
ディラン・バドカ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジギマンタス・ラマスカ(リトアニア)
ネイサン・フレッチャー(英国)

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【Road to UFC2024 Ep06 & Road FC69】原口兄弟の世界への挑戦─01─「最後は絶対殴らないとダメだ!」

【写真】去年に続き、両Road挑戦の夏を過ごす央&伸の原口兄弟 (C)TAKUMI NAKAMURA

23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでRoad to UFC2024 Ep05 & Ep06=Road to UFC Season03 Semi Finalsが開催され、Ep06第3試合のフェザー級準決勝で原口伸がチュウ・カンチエと対戦。そして31日(土・現地時間)に韓国ウォンジュのウォンジュ総合体育館でRoad FC69が開催され、Global Tournamentの63キロトーナメント一回戦で原口央がエルデュカルディ・ドィシェフと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

原口兄弟は昨年と同様に時を同じくして兄・央がROAD FC、弟・伸がRoad to UFC(RTU)とそれぞれの舞台で✖世界にチャレンジしている。打撃への評価が高まる最近のMMAにおいて、レスリングベースの2人はどう変化し、今のMMAの流れにアジャストしようとしているのか。そして如何に海外で強豪外国人選手に勝つことに取り組んでいるのか。この夏に決戦を控えている2人に話を訊いた。


「伸には怒られました(苦笑)。なんでもっと行かないんだよって」(央)

――今回お2人が同時期に試合に出場するということもあり、対談形式で取材させてもらうことになりました。まずはお互いの直近の試合から振り返っていただきたいと思います。まずは央選手、5月のDEEPでは石司晃一選手にスプリット判定で敗れるという結果でした。

 コントロールに執着しすぎて、自分のいいとことを全く出せてなかったですね。勝ちにこだわりすぎたというか、もっといけるところでしっかりいけたんじゃないかなと反省しています。

――ジャッジの評価も分かれた試合で、セコンドの宮田和幸代表からは「もっと行け!」という指示が出ていたそうですね。

 僕は寝かせて(一本)取りたいというのがあったのですが、組んだところで細かい打撃を入れたりしないと、今のMMAは打撃の方が評価されてポイントを取ることが多いので、そういう部分の差で負けたのかなと思いました。実際にセコンドの宮田先生や伸からもずっと『いけ!いけ!』と言われていたんですよね。

 僕もめちゃくちゃそういう指示を出していて、カツを入れていたんですよ。僕はあっち(石司)にポイントが入っているかもしれないと思ったので。それで3Rに行く前のインターバルでも『最後は絶対殴らないとダメだ!』と言ったのですが、そこで本人が少し守りに入ってしまって、あと一歩が出せなかったのかなと思いました。

――なぜ央選手は自分から行ききれなかったのでしょうか。

 もっと組み際の打撃を入れたり、普通にスタンドでも自信を持ってやればよかったのかなと。今回は相手の石司選手がストライカーということもあって、直近の試合でも思いっきりのいい打撃を出していたし、2Rに少し打撃の展開にもなったんですけど、そこで変に石司選手のことを大きく見てしまったのかもしれないです。

――試合後に2人で何かお話されましたか。

 伸には怒られました(苦笑)。なんでもっと行かないんだよって。

「本当にもう1つ勇気が出せるか出せないかの話」(伸)

 あれはもう本当にもう1つ勇気が出せるか出せないかの話だと思うんですよ。結構僕らも試合を重ねてきて、そういう殻を破らないといけないなと思っていて。だから兄貴に話すことはは、イコール自分にも言い聞かせている部分があって。試合になったら腹を括らないといけないなと思いました。

――最近のMMAはコントロールよりもダメージが評価される傾向もあり、レスリングベースのお2人としては戦い方を変える部分もありますよね。

 それは宮田代表からもすごく言われています。これからMMAで勝つには組みと打撃をいかに混ぜるかが重要だぞと。

 自分も殴ることができるポジションに入ったら必ず殴る。そういう意識を持つようにしています。

(C)Zuffa/UFC

――そして伸選手は2年連続のRTU出場。

今年はフェザー級でのチャレンジとなりました。5月の一回戦はホン・ジュンヨンに判定勝ちでしたが、あの試合を振り返っていただけますか。

 昨年はライト級でRTUにチャレンジして、決勝でロン・チュウに負けた時の反省点を活かした戦い方はできたと思うのですが、逆にそればっかりになってしまったかなと思います。フィニッシュを狙うことがあまり出来ていなかったので、少しでも自分の殻を破って戦わないといけないなと思いました。

 僕は1回戦の相手がかなり強いと聞いていて、蓋を開けてみれば30-25をつけたジャッジもいたので、差のある試合だったかなと思います。

――こうしてお2人の振り返りを聞いていると、前回の試合を踏まえて殻を破ることが課題になっているようですね。

 自分は自分を客観的に見てそう思いますし、兄貴の試合を見ていてもそう感じました。

 石司戦はああいう試合になっちゃいましたけど、逆にキム・スーチョル戦(2022年10月、2RTKO負けも原口の健闘が光った)は殻を破るような試合が出来ていたと思うんですよね。自分で言うのもあれですけど、スーチョル戦ではあれだけいい試合が出来ていたのに、石司戦では萎縮してしまったのかなと思います。

――央選手はスーチョル戦でどんなものを得ましたか。

 あの時は失うものが何もなかったし、むちゃくちゃ強い相手だったからこそ吹っ切れて、思いっきりぶつかっていけた部分があったと思います。

――もちろん2連敗という結果には納得していないと思いますが、この2試合の経験値は大きかったと思います。

 ス―チョル戦はTKO負けだったけどいい内容の試合で、逆に石司戦は僅差の判定負けだったけど悔いしか残らないような試合でした。いい試合をしても負けたら意味がないと思うし、このままじゃいけないなということは痛感しましたね。

――先ほどはコントロール+殴る意識についてもお聞きしましたが、今お2人が意識して取り組んでる練習はありますか。

 やっぱり今はそういう考えのもとでやっていますね。いかに殴ってダメージを与えることを意識するか。

 一番はフィニッシュを意識するようにしてますね。仮にそれがフィニッシュにつながらなくても、そのアグレッシブさでポイントがつく場合もあるので。やっぱりジャッジする人たちも人間なので、 フィニッシュを狙う姿勢を見せる選手にはポイントをつけるものだと思うんですよ。

結果としてフィニッシュ出来ればそれにこしたことはないので、とにかく今はフィニッシュすることを意識しています。一試合の流れのなかでどれだけ一本を狙いに行けるか、ですね。

 自分も常にフィニッシュを狙っているのですが(コントロールしながらの)打撃がメインになりますよね。どうしてもテイクダウンを取って完全に相手の動きを固めてポイントを取るのは難しいし、それこそ超RIZIN3の扇久保博正選手と神龍誠選手の試合も、テイクダウンやポジションを取るのは神龍選手が上手かったけど、コツコツ打撃を当てていたのは扇久保選手の方で。

実際にジャッジも扇久保選手のことを評価していたので、本当に細かい部分ですけど、ポジションを取ったらすぐに殴って、みたいなことは心がけていますね」

――今はストライカーが評価されやすい傾向がありますが、コントロールをメインにしていた選手たちが打撃の意識を持つことで、新たな殴り方や殴るポジションも見つかると思うのですが、そこはどうお考えですか。

 殴る意識を持つようになってから、ちょっとずつ動きも変わってきている感じがしています。人のスパーリングを見ていて「そこで殴れるんじゃない?」みたいな閃きもあるし。テイクダウンしたら必要以上にくっつくんじゃなくて、自分だけ距離を取っておいて上からパンチを落とすとか。そういう練習をやっているので、人の練習や試合もより注意深く見るようになったし、そこは新しい発見かなと思います。

 それこそ石司戦がコントロールはしているけど殴りが少ない試合だったので、あの試合を見返して「ここで殴っておけばよかったのに」や「なんでそこで行かないんだよ!」と思いましたね。相手の光を消していたけど、それと自分の光も消してしまっていたので。あとは自分と似たスタイルの選手の試合映像でスクランブルの展開になったところを見て、参考になる動きは取り入れるようにしています。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月24日(土)
Ep05午前10時~UFC Fight Pass
Ep06午後12時~UFC Fight Pass
Ep05&06午前9時45分~U-NEXT

The post 【Road to UFC2024 Ep06 & Road FC69】原口兄弟の世界への挑戦─01─「最後は絶対殴らないとダメだ!」 first appeared on MMAPLANET.
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【ZFN01】韓国でキム・サンウクと対戦、佐々木信治「6年前のことがあるからこそ、後悔のないように」

【写真】元UFCファイタでーZFNプロモーターのコリアンゾンビと、今年4月Ring Championship会場にて (C)SHINJI SASAKI

29日(土・現地時間)、韓国はソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で「Z-Fight Night01」が開催される。コリアンゾンビことジョン・チャンソンがプロモートするこの大会で、佐々木信治がキム・サンウクと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

佐々木が韓国で戦うのは、2017年7月のアマチュシン・フーヘンフウ戦以来7年振り。翌2018年5月、北京でバオ・インカンと戦った佐々木は大怪我を追い、長期ブランクを余儀なくされる。そして2021年2月にグラジエイターで復帰した佐々木は「やり残したこと」としてTORAOとRIZINに出場し、最後の一つ——再び韓国で戦う機会を実現させた。佐々木が韓国での戦いにこだわる理由と、キム・サンウク戦について語る。


もう一回、韓国で応援してくれる人たちの前に戻りたい

――ZFNでキム・サンウクと対戦することが発表された時、驚きとともに「そうだったのか……」という想いもありました。佐々木選手の中では再び韓国で戦うということに、ずっとこだわっていたのですか。

「そうですね。Road FCで怪我をしてから……正確に言うと怪我をしたのはRoad FCの北京大会ですけど。ただ、そこで怪我をしたから、ということではなくて。Road FCで自分の格闘技キャリアが変わったというか、ステップアップできた気がするんです。何より韓国の人たちが僕のことを応援してくれていて。

最後が韓国で試合をしたわけではない。北京で大怪我して、韓国に戻ることもなく格闘技のキャリアがそこで一度ステップしてしまいました。もう一回、韓国で応援してくれる人たちの前に戻りたいという気持ちは、ずっと持っていました」

――韓国で応援してくれる人たちというのは、たとえばSNSのDMなども来たりするのですか。

「メッチャ来るんですよ。インスタライブをやったりすると韓国の方が入ってきてくれて、日本語と英語と韓国語が入り混じって大変なことになっています(笑)。その中で『また韓国で試合をしてほしい』と言われることも多くて」

――DEEPからBlack Combatで戦う大原樹理選手も同じような状況であると聞きます。

「あぁ、大原選手も韓国で人気が高いみたいですね」

――ZFN01の会場となる高麗大学校のファジョン体育館は、今年1月のBlack Combatで大原選手が戦った会場です。現地で取材しましたが、大原選手が入場してくると大声援が起こっていました。ちなみに佐々木選手は、ハングルを読むことができるのですか。

「それが全然読めないんですよ……。翻訳アプリを利用して回答したりしていました」

――2021年にグラジエイターで復帰して以降、ずっとRoad FCをはじめ韓国のプロモーションと交渉していたのでしょうか。

「復帰した時点では交渉していなかったです。というより、本格的な交渉は今までずっとしていなくて。まず復帰した時は、自分がどこまでできるか分からなかったですし。でも韓国で試合をしたいという気持ちが消えずに残っていたので、SNSとかでアピールしていました。すると韓国の団体からもお話が来るようになって。

あくまで自分が韓国で試合したいというだけで、できるかどうかは分からなかったです。あくまで韓国のプロモーターが僕を呼んでくれるかどうかで。そんな中で少しだけ『もう韓国で試合はできないかもしれないなぁ……』とは思っていました。RIZINでも負けてしまいましたしね。ただ、その後も練習し続けていたので良かったです」

――試合の話が来たのは、Road FCに限らず?

「はい。Road FCからも話はもらっていましたけど、なかなか話がまとまらなくて。そうしたら今回、ジョン・チャンソンの大会から話をもらい、第1回大会ということで出させてもらおうかと決めました」

――SNSでアピールしていたら韓国にも届く、とは凄いお話です。

「アハハハ、確かに。Road FCは関係者の連絡先を知っていたので、やり取りは続けていたんですよ。Road FCは『佐々木選手の引退試合を組みたい』と言ってくれて。嬉しいけど、まだ引退は――」

――ということは、このキム・サンウク戦も最後ではない、と。

「それは、どうなんですかね……」

――もちろん怪我もあり、体がもつかどうかの問題はあります。本人の気持ちとしては、いかがですか。

「気持ちですか。それは正直……、……、怪我をした時にベッドの上で『自分が格闘技でやり残したこと』を挙げていました。その時に挙げていたことの中で残っているのは、韓国で試合をすることだけです。だから、今回の試合が終わってみないと何とも言えなくて」

――MMAを続けられるものなら続けたい、気持ちはあるのですね。

「ファイターなら、その気持ちは誰もが持っているんじゃないですかね。だから今も長く続けている選手がいて、自分も復帰して……。だけど、どこかで最後を決めないといけないという気持ちもあります。『最後なんて決めなくていいよ』という意見もあるとは思いますよ。だけど自分の場合は他の選手と少し違っていて」

――というと?

「僕は格闘技を始めた時から道場長だったじゃないですか」

――はい。当時でいうところの格闘技サークルから始めて、本格的に練習していくために自身でBURSTを立ち上げました。

「でも現役の間は道場生の練習も見ながら、どうしても自分の練習がメインになってくるじゃないですか。試合前は特にそうなりますよね。でも最近はウチの若い選手たちも頑張って、結果を出してきている。だから自分の練習よりも彼らの練習に比重を置いたほうが良いのかな、っていう気持ちも芽生えてきています」

――ご自身だけでなく、國頭武選手や古賀愛蘭選手も韓国で試合に出場しています。

「そうなんです。もう自分のやりたいことが終わるのであれば、ずっと僕を支えてきてくれた教え子の試合に力を入れてあげたいとも思っています。RING Championshipのトーナメントも8月ぐらいに準決勝を開催したい、という話もありますし」

相手が殴ってくるなら、殴り合ってブッ倒してやる

――今年4月に國頭選手と古賀選手の試合に同行した際も、現地でファンから声をかけられたりしたのですか。

「ありましたね。ジョン・チャンソンも控え室まで会いに来てくれて。一緒に写真を撮って、今回の試合について話をしました。その時はキ・ウォンビンも来てくれて――今回の試合、最初はキ・ウォンビンと対戦する予定だったんですよ」

――えっ!? そうだったのですか。

「Road FCで何度か同じ大会に出ていたこともあって、キ・ウォンビンは昔から知り合いだったんです。4月の会場では『今回は敵になっちゃうね』なんて話をしていて。でもその後にキ・ウォンビンがRoad to UFCのワンマッチに出ることが決まり、今回はキム・サンウク選手と対戦することになりました」

――その前に昨年12月のグラジエイターで田中有選手がグスタボ・ショーマン・ウーリッツァーに勝利し、佐々木選手の持つ同ライト級王座に挑戦するという流れもありました。

「実はその頃にちょうどRoad FCとコンタクトを取っていていたんですよ。櫻井(雄一郎グラジエイター会長)さんには、自分が韓国で試合をしたい理由も説明して――櫻井さんもRoad FCを優先させてくれました。結局Road FCは決まらず、今回のZFNで戦うことになりましたけど、韓国で勝ってもう一度ベルトの防衛戦について話をしたいです」

――話を戻すと、韓国での試合が発表されると現地のファンからも反応はありましたか。

「驚いた、という感じのメッセージが来ましたね。バオ・インカン戦は北京で、韓国で試合をしたのは2017年だからもう7年前で、改めて『そんなに経っていたんだな』と実感がわきました。何より『7年も自分のことを待ってくれていたんだ』と思って」

――愛されていますね。

「本当に嬉しいです。7年間も韓国で試合をしていない自分のインスタライブに参加してくれる人がいて。しかも日本語が分かるわけでもないのに」

――しかし今回も敵地で強豪と対戦する。6年前の大怪我のことは頭をよぎりませんか。

「それはね、ありますよ。今回だけでなく復帰してから毎試合……。敵地で試合となったら『また同じことになるかも』と思ったりもします。この試合が決まって、周りからも『頑張って勝ってきてね』とは言われることは少なくて、ほとんどの人が『無事に帰ってきて』と」

――……。

「もちろん自分も不安はあります。でも僕の中では、その不安よりも『韓国で試合ができる』という嬉しさのほうが若干上回っていて」

――周りから心配されるのは、キム・サンウク戦が決まったあとにSNSで「これで悔いなく死ねる」とか書くからでしょう。6年前のことがあるのに。

「あぁ、それは……(苦笑)。6年前のことがあるからこそ、自分も後悔のないように生きたいと思って。今はただただ、周りの人の優しさが身に染みています」

――なるほど。では対戦するキム・サンウクの印象を教えてください。

「ウェルター級で戦っていた時期も勝っているし、去年はライト級でRoad to UFCに出て、準決勝で優勝したロン・チュウに判定負けで。打撃を食らっても諦めずに向かっていく気持ちの強さが見える。良い選手だと思います。今は30歳で、絶好調でしょう。

韓国ではテレビ番組か何かで、キム・サンウク選手が『今回は打撃で行く』とか言っているらしいんですよ。それは寝技で分が悪いと思っているのか、僕は打撃が弱いと思っているのか……。どちらにしても、自分はありがたいですけどね」

――そこで打ち合う気はない?

「いや、あります」

――打ち合うつもりなのですか。

「アハハハ。試合映像を視るかぎり、自分がグラウンドでやられることはないと思っています。テイクダウンされることはあってもパウンドアウトや、極められることはない。一方で相手も、それほど打撃が巧いという感じでもなくて。それで向こうから打ち合ってきてくれるなら――自分のパンチも当たったら倒れると思っています。KO負けが怖い、という気持ちはないです。相手が殴ってくるなら、殴り合ってブッ倒してやりますよ」

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【Road to UFC2024#01】フェザー級で再チャレンジ、原口伸「理想のMMA、シン・シン・ハラグチを」

【写真】予備計量直後の原口伸 (C)KEI MAEDA

明日18日(土・現地時間)に中国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024Ep01で、原口伸がホン・ジュンヨンと対戦する。前回のRoad to UFCではライト級で準優勝、惜しくも契約を逃し──キャリア初黒星も喫した。
Text by Manabu Takashima

その原口、当初はRoad to UFCに出場せずにスキルアップと、本戦契約を狙うという選択をしてきた。階級を下げての連続参戦はないという風な話も聞かれていたが、一転フェザー級での再チャレンジへ。

とはいえ、この短期間で前回の参戦で見えた課題を克服し、MMAファイターとしての完成度は上がったのか。そして、初めてのフェザー級で戦うことで、以前とはどこかが違うのかを計量終了後の原口伸に尋ねた。


──2月にRoad to UFCライト級決勝戦に敗れ、その後に話を伺った時には今回のRoad to UFCには出場せず、本戦契約の機会を待つ。また前回のトーナメントであぶり出された課題を克服してMMAファイターとして完成度を上げることを今後の目標として掲げていました。それが一転、Road to UFCに出場することになったのは?

「絶対的にフェザー級でRoad to UFCに出場できる機会があったことにつきます。フェザーで戦いたい。それなら自分の力でRoad to UFCに再チャレンジして、契約を勝ち取ろうという気持ちになって決めました」

──ではフェザー級、1ポンド・オーバー規約で66.2キロの体は上手く創れましたか。

「そうですね。大学の1年と2年時は前日計量だったので、66キロ級でした。それが当日計量に変わったので70キロに上げただけで。MMAを始めて体は大きくなっているので、しっかりと上手く落とせました。自分が思っている通りの感じで落とせましたね。これまでの経験とタケさんに水抜きのアドバイスを頂いて。

今回1カ月前に決まったので、そのなかで照準を合わせて落とせました。Road to UFC以前に1カ月の準備期間があることはなかったので。ただ、もう少し時間的な猶予があった方がより創りやすいかと思います」

──この間のMMAファイターとして完成度を上げるという練習は一旦置いて、対策練習をしてきたことになるかと思います。

「そうですね、ホン・ジュンヨン対策を主な練習としてきました。ただすぐに成果が出るということではないですが、武田(光司)さんに紹介してもらってBrave世田谷でタケ(大宮司岳彦)さんにムーブメントの指導を受けるようになりました。

(中村)倫也さんとも情報をシェアして、アドバイスを貰ったりするようになったり。そこで得た知識や動きをBraveに持ち帰って、スパーリングで試しています。スパーリングはBraveだけですね。ここで出稽古を増やすと、整理できなくなってしまうので」

──前回大会はレスリング勝負でした。決勝の敗戦から3カ月で、この間採り入れたこともあり、何かファイトとして変わることは出てきますか。

「できることは増えたと思っています。テイクダウンしてからのコントロールも、体の使え方を変えてバリエーションが増えたという感覚でいます。立ちでの体の使い方はタケさんが創ってくれて、組みに関しては……自分は爆発力でなく筋持久力タイプなので、しっかりと時間をかけて倒す。テイクダウンにしても、そんな風に創ってきました」

──筋持久力タイプ……テイクダウンとパウンドの爆発力を考えると瞬発系だとばかり思っていました。

「レスリングの時もパワーや瞬発力でなく、MMAでは余裕がある時に瞬発力を出すという感じです。短距離走より、長距離走の方が全然得意だったので。そういう部分で、自分の強味を見直した時に、爆発力でなく時間をかけてテイクダウン、そしてパウンドという風になっています。

ただ練習でしか分かっていないことが多いので、答え合わせを明日するっていうことですね。自分ではどれぐらいできるのか、客観的に見ることはできないです。やっぱり新たに採り入れて来たことは期間がまだ短いので、やることを2、3と決めてそこを徹底してやります」

──では答え合わせの相手、ホン・ジュンヨンの印象を教えてください。

「典型的な韓国人ファイターですね。

頑丈でタフ、最後まで諦めない」

──どう諦めさせないといけなと考えていますか。

「相手が僕のレスリング力を甘く見ていれば、勝手に折れてくれます。そうでなくても、打撃を織り交ぜて戦えば、削って行けると思っています」

──伸選手のレスリング能力を軽視する相手はいないと思いますが(笑)。

「アハハハ。確かに、そうなりますよね。ただロン・チュウ戦を参考にしてくるようなら、あんな風にはならないです。あれだけテイクダウンを警戒しているなかで、突っ込んで行って僕の方が削られてしまったので。今回は良い意味で焦らす。焦らして相手からすると、『まだ来ないのか』という感じにさせたいですね。

15分を通したファイトを考えられるようになりました。それが昨年の敗北を通して、技術だけでなくMMAの完成度を高める要因になっていると思っています」

──ところで大宮司トレーナーも、倫也選手も同じトーナメントで出ている河名マスト選手の盟友といえる間柄ですが。

「そうですね。まず試合をすることになると、戦略的な指導を受けないことは予め話をしました。だから、そこに関しては深く考えていないです。試合が決まれば、戦う。そして強い方が勝つ。

レスリングでは対戦相手とも練習するものですし。大学3年の時のインカレの決勝の相手は、国士館大の1年後輩でした。同門対決も3度はやっていますね。なので強くなることが大切で、そういうことは気にしないです。戦略だけで勝てるなら、全員が勝つわけですし」

──その通りですね。日本人が潰し合おうが、勝てるだけ勝って日本人選手に契約を勝ち取って欲しいです。ではフェザー級の原口伸、どこがライト級と違うか教えていただけますか。

「今の感覚だと、足を使って自分のやりたいMMAが表現できるように思います。スクランブルをどんどんする。体も軽くなっているので、どんどん動いてスクランブルを創っていきます。シン・シン・ハラグチを見せます」

──なぜ、そこは英語の順番に(笑)。

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT

■Road to UFC2024 Ep02対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イープークールー(中国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
ソ・ユダン(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
ソン・ヨンジェ(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
プリヤ・シャルマ(インド)
ドン・フアシャン(中国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
パウラ・ルナ(ペルー)

■Road to UFC2024 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
安藤達也(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
原口伸(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
キラン・シン(インド)

<Road to UFC女子ストロー級準々決勝/5分3R>
本野美樹(日本)
フォン・フェイアール(中国)

<ウェルター級/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
キム・ハンソル(韓国)

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【Road to UFC2024】松井、小崎、透暉鷹、野瀬、安藤、河名、原口、本野。MMAPLANET調べRTU出場選手

【写真】(C)MMAPLANET

5月18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。UFCから正式発表がないが、選手及びマネージメント関連から確認が取れている日本人出場選手と対戦相手を纏めてみた。
Text by Manabu Takashima

アジアでは唯一のUFCへの公式ルート=Road to UFC。しかし、選手の選考基準は曖昧で、3度目の開催を迎える今回も多くの出場希望選手がやきもきしてきた。3月31日を選考の〆とする。4月3日が中国のビザ取得のためにタイムリミット。選ばれた選手はビザ取得のため即連絡が入るが、選考に漏れた選手は連絡がないことで不出場を意味する──などなど、今年も情報が錯そうしまくっていた。

また本来UFCはカードの正式発表等のリリースは通常はなく、選手やマネージメントの自己発信に任されている。対して日本国内はプロモーションとメディアのなかでオフィシャル発表を待つという慣例が存在している。Road to UFC出場メンバーの公式発表がなかなか行われないのは、ビザ取得など選手の顔触れが変更されることなども考慮されているという話も伝わってくるが、そのような状況下で選手個人や出場していた団体が公にするケースも出てきた。ここではソースが明らかでない選手を除き、MMAPLANETが選手及びマネージメントに出場の確約があることの確認を取れた選手について言及したい。


【フライ級】
松井斗輝
対戦相手ルエル・パナレス

Grachanでデビューしンクラスでキャリアを積んできたTHE BLACKBELT JAPAN所属の松井が、昨年の鶴屋怜に続き同ジムよりも出場権を得た。キャリア6勝1敗の24歳、伊藤盛一郎や福田龍彌が選外となったことを考えると、このレコードと若さは今のUFCが欲しているゾーンにいるということだろう。

(C)BRAVE CF

松井の対戦相手はフィリピンのルエル・パナレスだ。

レコードは松井と同じく6勝1敗。松井が初めて海外で戦うのに対し、パナレスはUAEWでUAE、BRAVE CFでバーレーンとインドネシアでの試合を経験してきた。ゴリゴリのテイクダウン・ファイター=ムハンマド・サロハイディノフとの敗北から再起戦がUFCを賭けた戦い。スタイル的に初戦以降の対戦相手、つまりは他の出場選手が気になるところだ。

そのフライ級では日本でも一部で猛烈に注目されていたチェ・ドンフンの出場も決まった。

韓国のDouble GFCフライ級王者で、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝出場を決めていたチェ・ドンフンもUFC行きを賭けた戦いにステップアップ。

堅実な戦いができるフィニッシャーの初戦の相手は、前回の準優勝者チーニョーシーユエだ。

エンボー・ファイトクラブ出身、UFC PI所属の中国MMA界のエリートコースを行くチーニョーシーユエと、韓国海軍出身のイケメン=これは興味深い顔合わせとなる。

【バンタム級】
透暉鷹
対戦相手キム・キュソン

小崎連
対戦相手ダールミス・チャウパスゥイ

野瀬翔平
対戦相手ユ・スヨン

Road to UFC出場を狙い、フェザー級からバンタム級に落とした透暉鷹は、昨年のクリスマスイブに河村康博を初回肩固めで斬って落とし、パンクラス二階級制覇を果たした。

大手エージェントとの契約もなく、所属ジムの代表がコーチング修行で得た人脈からの出場権獲得。透暉鷹の意思の強さと周囲の向上心と合致しての挑戦となる。

透暉鷹の初戦の相手は、韓国のキム・キュソンだ。母国ではTOP FC、そして日本、ONEでキャリアを積んできた元Evolve MMAファイターだ。キャリア12勝5敗でHEATで加マーク納、春日井たけし、TOP FCでNavE、ONEで藤沢彰博、若松佑弥と日本人選手との対戦も多い。×日本勢の戦績は3勝2敗で透暉鷹としては、当然遅れを取ることはできない

そんなキム・キュソン、一番最近の試合で魔のNAIZA FCでカザフスタン人選手に勝っているのが不気味だ。

意外というと失礼だが、小崎の選出には驚かされた。KROSS X OVERとDEEPで活躍中の小崎は戦績6勝0敗2分で、フィニッシュが5つの22歳。

彼もまたUFCが求めるゾーンのファイターといえる。

その小崎と相対するのは、昨年の準決勝でイ・チャンホに敗れたダールミス・チャウパスゥイ。とはいえ、イ・チャンホを序盤は圧倒したテイクダウン能力の高さは、小崎が未経験の世界といえる。カザフスタン国境ウィグル出身のフィジカルモンスター超えなるか──小崎のフレッシュさに期待だ。

小崎以上のサプライズは3年連続出場となった野瀬だろう。

これまで準決、初戦敗退も2月のRIZIN LANDMARKで改めて国内バンタム級のトップクラスである強さを見せつけた野瀬。

対するは一時はDEEP、Black Combatとアジア3カ国のバンタム級を制したユ・スヨンだ。UFC行きが掛かっていなくとも、興味深いマッチアップといえるタフファイト。当然、野瀬としてはグラウンドに持ち込めば、勝機が増す。その一方で、ユ・スヨンもれっきとした柔術黒帯で、しっかりとMMAに適合した寝技を持つ。それでも野瀬としては組み技勝負、いかに自分の庭に持ち込み、その庭での力比べとなる。

【フェザー級】
安藤達也
対戦相手チュウ・カンチエ

河名マスト
対戦相手ソン・ヨンジェ

原口伸
対戦相手ホン・ジュンヨン

(C)ONE

昨年3月のONE FFのアリ・モタメド戦の逆転勝利もチャトリCEOに評価されず、昨年のRoad to UFCのオファーを蹴っても安藤のONE本戦出場はならなかった。

この間、コンテンダーシリーズからのオファーもあった安藤が、34歳にして最後の挑戦に挑む。

その行く手を阻もうとするのは中国のチュウ・カンチエだ。レコードは18勝4敗の28歳。中国国内でしか試合をしておらず、実力を推し量るのが困難な相手だ。昨年7月に20秒で勝利している韓国のイ・ミンヒョクはパン・ジェヒョクにスプリット判定負け、工藤諒司にも判定負けをしているファイターで、中国人ファイターはもう強くて当たり前という想いで戦う必要がある。

デビュー戦、LFA、GLADIATORフェザー級王座決定トーナメントと躓く度に力をつけてきた河名マストも、いよいよ盟友・中村倫也の背中が見えていた。

特にパン・ジェヒョクとの連戦で競り負けから、完勝と河名は自身のポテンシャルを最大限に使うことができるようになった。対するソン・ヨンジェは6勝0敗5つのKO勝ちと1つの一本勝ちを誇るフィニッシャーだ。全て試合をAngel’s FCで戦い、バンタム級とフェザー級の王座を獲得している。

豪腕ファイターのソン・ヨンジェだが、一時期4年近いブランクもあり、ここ2試合は秒殺で組み力に関しては判断材料が少ない。ともあれ一発で試合を終らせる力を持つソン・ヨンジェを相手に、河名がいかにオアシスに突っ走れるのかに勝負は掛かってくるだろう。

また前回のライト級決勝でロン・チュウに敗れ、キャリア初黒星を喫した原口伸も、ビザ取得ギリギリの段階でオファーがきた。Road to UFCファイナルに敗れた後は、そのまま本戦出場という交渉もあった原口だが、適正体重のフェザー級での出場は今後のことを考えると──それでも簡単ではないが、好判断と思われる。

対する対戦相手のホン・ジュンヨンは2022年の初戦で松嶋こよみに接戦の末敗れている選手だ。その後はマーシー・グローブTVとインドネシア人ファイターを破り、Angel’s FCライト級王座を奪取──も、現状の力は測定が難しい。とはいえ簡単な相手でないことは明らかで、松嶋戦でも見せた様にタフファイトになった時の心の強さを原口は凌駕しなければならない。

【女子ストロー級】
本野美樹
対戦相手フォン・フェイアール

今年からライト級でなく女子ストロー級が実施されることとなり、日韓有数の女子ファイターに声がかかるなか、日本では出場を固辞する選手もあったようだが、本野美樹のチャレンジが決定した。

準々決勝で戦うフォン・フェイアールは、本野ともにフン・シャオカンに敗れている。未確認情報だがフォン・フェイアールを含め4選手が出場するという中国人女子選手、その中の一人にフン・シャオカンも含まれているという。

つまり本野とフォンにとって、Road to UFCはRoad to フン・シャオカンへのリベンジでもある。またかつてパンクラスに参戦経験のある韓国のソ・ユダンも出場し、中国のシー・ミン戦が決まっている。

現状、8人の日本人選手出場。今年はワンマッチも1日に4試合組まれるという話もあり、この他にも日本人選手の出場もあるかもしれない──中国、インド、タイ、インドネシア、そしてついにあるのか中央アジア勢の参戦等々、オフィシャル・アナウンスを待ちたい。

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45 AB Gladiator KTT MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC YouTube アラン・フィルポット アンソニー・ドリリッチ ウェズ・キャッパー クイラン・サーキルド ドン・マール・ファン パン・ジェヒョク ホン・ソンチャン ロッド・コスタ ロン・チュウ 河名マスト 猿飛流 竹中大地

【Eternal MMA82】タイトル戦は4→2階級のみ。KTTのRoad to UFCファイター=ホン・ソンチャンが出場

【写真】16日に河名マストを相手にGLADIATORフェザー級初防衛戦臨むパン・ジェヒョクと、激しいスパーリングを繰り広げていたホン・ソンチャン(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、豪州・西オーストラリア州パースのHBFスタジアムでEternal MMA82が開催される。
Text by Manabu Takashima

豪州トップ・フィーダーショーのEternal MMAでは、次回3月大会に日本から猿飛流が出場することも決まっている。本来、猿飛流の挑戦を受けるアンソニー・ドリリッチも今大会に出場予定だったが、挑戦者及び代役挑戦者が負傷欠場となり、3月大会で猿飛流を迎えて防衛戦を行うことになった。


またウェルター級王座決定戦=アルディン・ベイツ✖ケイレブ・ライドアウトも中止となり、ベイツは3月2日(土・同)に同じく豪州フィーダーショーのツートップの一角HEX Fight Seriesに出場し、ジョナサン・ミカレフと同プロモーションのウェルター級王座決定戦(!!)を戦うことが決まっている。

(C)ETERNAL MNA

つまり4つのタイトル中2試合がなくなり、メインでライト級選手権試合=王者クイラン・サーキルド✖ドン・マール・ファンが組まれている。

コメインではバンタム級選手権試合=王者ロッド・コスタ✖ 挑戦者アラン・フィルポットの2つのタイトルマッチだけが実現することに。

(C)ETERNAL MMA

この4名のなかでフィルポットは来日経験があり、日本のファンの目に届く場所で戦ってきた選手だ。

そのフィルポット、2016年のVJT大阪大会に来日し竹中大地のRNCで敗れており、ONE Warrior Seriesで2勝2敗、さらにはEternalで1勝3敗ながら挑戦権が与えられた。

この2つのタイトル以上に日本のコアMMAファンにとってはライト級のレギュラーファイトの方が気になるかもしれない。それがウェズ・キャッパーXホン・ソンチャンだ。パースのご当地ファイターのキャッパーは勝つ時にフィニッシュ、負ける時は判定という4勝2敗の選手で、対するホン・ソンチャンはKTT所属でRoad to UFCライト級に出場も、初戦で優勝したロン・チュウに敗れている。

ホン・ソンチャンの再起戦が豪州=Eternalが組まれた。日本だけなく韓国と東アジアに急接近のEternal MMA、要注意が必要だろう。

■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)、
午後7時00分~UFC Fight Pass

■Eternal MMA82 対戦カード

<Eternal MMAライト級選手権試合/5分5R>
[王者]クイラン・サーキルド(豪州)
[挑戦者]ドン・マール・ファン(豪州)

<Eternal MMAバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ロッド・コスタ(豪州)
[挑戦者]アラン・フィルポット(英国)

<女子フライ級/5分3R>
コートニー・マーチン(豪州)
アミナ・ハダヤ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
トビー・ミーチ(英国)
ダニエル・ミッチェル(豪州)

<ライト級/5分3R>
ウェズ・キャッパー(豪州)
ホン・ソンチャン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
カーン・ディアタ(豪州)
イ・ジョンファン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジュリアン・ジュスティアーノ(豪州)
マーワン・ラヒキ(豪州)

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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2023 Road to UFC2023Final UFC ロン・チュウ 原口伸

【Road to UFC2023Final】原口、右のカウンターを浴びて3RにRNCで一本負け。チュウがUFC返り咲き

<Road to UFCライト級T決勝/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
Def.3R3分06秒 by RNC
原口伸(日本)

サウスポーの原口がシングルレッグに入るが、チュウが切る。すぐに原口は左足にシングルレッグに入り、その左足を持ち上げるようにチュウをケージに押し込む。バックについた原口がヒザを入れると、チュウが正対する。原口はボディロックで押し込み、再びシングルレッグへ。チュウは深く組ませずに距離を取る。

チュウは左手で距離を測りつつ右ミドル。原口は左のパンチを振って、ニータップでテイクダウン。チュウは尻餅をついたままケージに移動するが、原口はチュウの手を取って寝かせる。チュウは背中を見せて立つと、原口のクリンチ際にパンチをまとめる。左を見せて組もうとする原口。距離を取ったチュウがワンツーを打ち込む。

これをもらう原口だったがダブルレッグに入って、リフトするようにテイクダウンする。原口はサイドポジションからヒジを落とし、チュウは脇を差して立ち上がる。チュウは左手を伸ばして距離を取って右ストレートを当てる。なかなかタックルに入れない原口だったが、左フックからニータップで組んでシングルレッグへ。離れ際に左フックを打った。

2Rもチュウは左を伸ばして、右ストレート・右の蹴りを狙う。原口はシングルレッグに入りつつ、離れ際の打撃を狙う。チュウが右ストレートと右ミドル、原口のダブルレッグに右ヒザ蹴りを合わせる。何とか組んだ原口が左足にシングルレッグに入って、チュウをケージに押し込む。チュウが半身になると、原口はチュウの左足を自分の左足に乗せて固定し、コツコツとパンチを入れる。

チュウもケージを背にして立ち上がり、左手を入れて原口の組みを切る。距離が離れるとチュウが右ミドル、右フック、右のヒザ蹴り。原口も左ハイを蹴って、シングルレッグに入るが切られる。原口が左フックを振ると、チュウは右アッパーから左フック、組み際の右のヒザ蹴り。

段々と組みに行けなくなる原口に対し、チュウがジャブから右フック、右の前蹴り、右ストレート。原口もガードを上げて左ストレートを返すが、打撃ではチュウにが分があり、右ミドル、右ボディ、右ストレート、右の三日月蹴り。チュウのコンパクトな右が原口を何度も捉えた。

3R、チュウが右の飛びヒザ蹴り。原口は左ストレートからシングルレッグに入るが、テイクダウンできない。チュウは右ストレートで前進し、これで原口の動きが止まる。距離があいまいになる原口に対し、チュウが強烈な右ストレート。この一発で原口のマウスピースが吹っ飛ぶ。なんとかシングルレッグに入った原口だがチュウをテイクダウンできない。

レフェリーにマウスピースをつけるように指示され、マウスピースをつける原口だったがしゃだんだ状態からすぐに立ち上がれない。何とか試合再開となるが、シングルレッグでしがみつく原口にチュウが鉄槌を連打。亀になる原口は動きなく、チュウが殴り続ける。最後はチュウが首だけを絞めるRNCを極め、原口がタップして試合が終わった。

最後までテイクダウンを仕掛けた原口だったが無念の一本負け。一方、この勝利でUFC再契約となったチュウは「アイム・バックUFC。これがUFCに戻れる最後のチャンスだったから、すごくプレッシャーを感じていた。チーム、PI上海、エンポ―に感謝している。ハラグチはとてもタフで、下がるとどんどん出てきたと思う。ダナ、Road to UFCはボーナスがないけど、受け取るに相応しいパフォーマンスを僕らは見せたよ。この瞬間を本当に長い間待っていた」と語った。


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45 AB Brave Fight27 Grachan Grachan59 MMA MMAPLANET o ROAD FC Road to UFC Road to UFC2023 Road to UFC2023Ep04 Road to UFC2023Ep06 Special UFC   イー・チャア ウィンドリス・パティリマ キム・スーチョル シャオ・ロン チーニョーシーユエ パク・ジェヒョン リー・カイウェン ロン・チュウ 原口伸 小谷 小谷直之 海外 鶴屋怜

【Special】J-MMA2023─2024、Road to UFC決勝へ。原口伸「全然、負ける気はしないです」

【写真】既に計量を終えている両者。ロン・チュウはかなり戻してきそうな体をしており、当日はフィジカルの差は出てきそうだ (C)Zuffa/UFC

2024年も早くも1カ月が過ぎ、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、こらからの1年について話してもらった。
Text by Manabu Takashima

J-MMA2023-2024、第十九弾はRoad to UFCライト級ファイナルを控える原口伸に話を訊いた。

3日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるRoad to UFC2023 Finalでロン・チュウと対戦する原口は、いわばレスリング一本槍のMMAスタイルを今回の決勝まで全うすると断言。MMAファイターとしての底上げは、UFCとの契約後であることを明らかとした。

なおRoad to UFCバンタム級決勝はシャオ・ロンの負傷欠場で不成立、フェザー級はリー・カイウェンが4.5ポンドのリミットオーバーとなっている。

■2023年原口伸戦績

2月12日 Grachan59 X BRAVE FIGHT27
〇 1R3分57秒 by TKO 小谷直之(日本)

5月28日 Road to UFC2023Ep04
〇 2R1分25秒 by TKO ウィンドリス・パティリマ(インドネシア)

8月27日 Road to UFC2023Ep06
○ 3-0 パク・ジェヒョン(韓国)


──昨年の今頃はGrachanライト級王座防衛戦の準備をしていたかと思います。あの時、1年後にUFCとの契約まで一歩のところにいる自分を想像できていましたか(※取材は16日に行われた)。

「Road to UFCに出ることを目指していましたけど、声も掛かっていない状況で。気持ちとしてはあやふやな感じでした。現実味がなかった、それが本当のところですね」

──対して決勝を控えるだけとなった今の心境を教えてください。

「Road to UFC出場が決まった時から、心のどこかで優勝するもんだと思い、普段の生活から練習への取り組みができていました。なので、ようやく来たかというぐらいの感覚です」

──10月にお兄さんの央選手と対談をさせていただいた時、試合に向けての練習に関して悩みがあって病んでいるという発言もありました(笑)。

「あっ、でも次の日にはケロッとしていました(笑)」

──アハハハ、何なのですか。それは(笑)。

「気楽にはやれてなかったですね(苦笑)。今から思うと、色々と背負ってしまってやりたいこととデキていることが噛み合っていなかったです。僕は完璧主義みたいなところがあると思うので、上手くいかないとモヤモヤしてしまうということはあります」

──12月9日に当初は予定されていた決勝戦ですが、その1カ月少し前に韓国で央選手がRoad FCのグローバルT決勝をキム・スーチョルと戦いました。敗れはしましたが、あの激闘を傍で見て何か得ることはできましたか。

「兄貴という一番近い存在が、キム・スーチョルというメチャクチャ強い相手と対峙する。その緊張感はセコンドでも、味わうことができました。キム・スーチョル選手は普段はニコニコしていて凄く良い感じの人なのですが、試合になると殺気に溢れていて。MMAファイターになって初めて、怖いと感じました。アレを感じ取れたことは良かったです。

その怖いと感じた選手に向かっていく──アニキの覚悟が見えました。あそこは自分が見習わないといけない部分ですね。そこは決勝戦に向けて、良い経験になりました」

──同時になかなか日程がハッキリせず、2カ月ズレたことをどのように捉えていますか。

「僕にとってはプラスです。一番大きなことは開催地が上海からラスベガスになったことですね。米国はホームではないですけど、アウェイでもない。中立の場所なので」

──十数時間の飛行機の旅、時差もある。それでもベガスの方が良いと。

「ラスベガスと聞いて、『良しッ!』ってなりました。ラスベガスはMMAのメッカですし、意識しないところでテンションが上がっていたと思います。経験という部分では相手の方がずっとあって。だからこそ、この2カ月という時間は少しでも詰めることができたと思いますし」

──対戦相手のロン・チュウですが、準々決勝と準決勝の試合を見返して思っていた以上に手強い選手だと思うようになりました。

「Road to UFCから見るようになって1回戦は強烈なKO勝ちをして、強さを見せて準決勝は判定で手堅く勝っていた。最初は韓国人選手をマークしていたのですが、ロン・チュウの方が全然強いですね(苦笑)。

それでも全然、負ける気はしないです。なんか燃えていますね」

──テイクダウン対策は徹底してくると思います。

「得意なのはバレていますよね。すぐに行ってダメなら、我慢するのも手かと思っています。打撃戦につき合うということではなくて、動いてタイミングをずらしてテイクダウンへの意識が薄まった時に一気に狙う。切られて、そのまま続けるとそこは防がれるので、そういう風に戦おうかと考えていますし、練習もしています。

ただし自分のテイクダウンは初速なんかは、普通のMMAファイターと違うと思っています。だから、基本は切られないと考えています。でも相手が準備をしているところで仕掛けると切られます。準決勝では、相手が準備しているのに仕掛けて切られたので……言ってみれば、プレッシャーをかけても仕掛けない。そこで相手が出てきたところで、仕掛けるとかタイミングに変化を持たせようと思います」

──組んで倒しても、立たれる。だから、組みは淡泊になり打撃戦が多くなるのも今のMMAです。組み技は疲れるという意識を持っていますか。

「疲れます。でも、自分の武器なので。最後は離れると死ぬぐらいの意識でやっています。それでも無理から打撃をするよりも、組んでいる方が……そうですね、体力的には疲れますが、気持ちは一切折れないです。そこで相手が嫌がるような素振りを見せれば、また元気になりますし」

──UFCでは準決勝の動きだと、切られるだけでなくパウンドを打たれるかと思います。今回はその辺りも意識することはありますか。

「次の試合はトーナメントの決勝ですし、今持っている強さをぶつけます。勝ちに徹するというか、全てをぶつけて戦います。そうなると、これまでやってきた打撃の展開になることもあるだろうし、結果的にそうなれば先を見越していることになるかもしれないですね。理想は倒して殴る。でも、パウンドでは隙間ができてスクランブルに持ち込まれるので、エルボーとか密着して打つ方向で考えています。

テイクダウン後の相手の処理が上手いと、テイクダウンから後の勝負になります。テイクダウンは取れるので。意識は倒した後、そこから何をやるのかは3パターンほど用意していて、そのうちのどれかを当てはめる。相手の動きとかでなく、そこにはめ込みます」

──契約することがデフォルトとして、2024年はどのような活動をしていこうと考えていますか。

「それこそUFCを契約した後は、MMA選手として完成度を上げていきたいです。だから契約した後は、少し時間を空けるかもしれないですね。UFCデビューは夏から秋、その前に海外で練習もしてみたいです。トーナメント中は勝つ事に集中してきたので、終わればMMAを楽しめる時間も創りたいと思っています。幸い、今回の試合でビザも取れ、アッチで練習する障害はなくなったので米国──キルクリフFCとかで練習したいですね。また、しっかりと考えますけど、MMAを……知らない世界を味わいたいです」

──そのためにもロン・チュウ戦、クリアしてください。

「ハイ。一部では厳しいとか言われているようですけど、僕は勝つことしか考えていないです。そうやって自分を信じ込んでいるので、それを当日にしっかりと見せることができれば……と思っています」


■視聴方法(予定)
2月4日(日・日本時間)
午後1時30分~UFC FIGHT PASS
午後1時15分~U-NEXT

■Road to UFC2023 Final計量結果

<Road to UFCライト級T決勝/5分3R>
ロン・チュウ: 156ポンド(70.76キロ)
原口伸: 155.5ポンド(70.53キロ)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
リー・カイウェン: 149.5ポンド( 67.81キロ)
イー・チャア: 145.5ポンド(66.0キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
鶴屋怜: 125.5ポンド(56.92キロ)
チーニョーシーユエ: 125.5ポンド(56.92キロ)

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