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【Pancrase351】グラップラー受難自体の到来で、平田直樹はタイトル戦で何を見せるのか「変わらない」

【写真】会見の日の軽めのトレーニングで追った傷で、さらに気持ちは引き締まったか(C)MMAPLANET

明日15日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase351のメインで平田直樹が、三宅輝砂とフェザー級KOP決定戦を戦う。
text by Manabu Takashima

デビューから4年、キャリア11戦目の初タイトル戦は当初、Road to UFCベテランのキム・サンウォンと対戦予定だった。しかし、キム・サンウォンがPFLと契約しタイトル戦を回避することに。急遽、三宅と戦うことになった。

キム・サンウォン戦はタイトルが掛かっているだけでなく、Road to UFCベスト4で、修斗世界フェザー級王者SASUKEをKOした相手と戦うことで――世界を目指す平田の今の位置が、明確になる一戦だった。

グラップラー受難時代の到来は、その強みを出すまでのプロセスの重要性を浮き彫りにしている。如何に組み、如何に倒すか。そこがあって初めて、インパクトを残すフィニッシュ力が問われる展開に持ち込むことができる。

次につなげるために負けられないタイトルショットに臨む、平田の想いとは(※取材は11月29日に行われた)。


――キム・サンウォンとの王座決定戦がなくなり、三宅輝砂選手が代役に名乗りを挙げました。残念というと三宅選手に失礼になるのですが、キム・サンウォン戦はタイトル戦という以外に今の平田直樹の位置が分かる。そういう点でも楽しみな試合でした。

「キム・サンウォンがPFLに行くから、彼とのタイトルマッチが無くなったと……確か発表(11月18日)の直前に聞いて。その時に代役で三宅選手が出てくれるということで、試合はできる。それも聞いてホッとしました。試合がなくならなくて良かったというのはありました。

ただ世界を目指す上で、×外国人選手。キム・サンウォンと戦うことは凄く楽しみにしていたので、そこは残念です。ただ試合があるなら、僕のやることは変わらないです。しっかりとやるべきことをやる。次につなげるために、絶対に勝つんだと気持ちを入れ替えました」

――次につなげるの「次」は、タイトル奪取が必須条件だと。

「まずタイトルを取らないと、次のステップに進めないと思うし。でも先のことばかり考えないで、まずはここを取らないと話にならないです」

――直樹選手の今回のタイトル戦での対戦相手の変更は、致し方ないです。それでも次のステップがRoad to UFCであれば、タイトルが査定の対象になるのか。何より、強さを手にしていないとアジアを勝ち抜けない。個人的にUFCに行くには、国内のタイトル以上に強さが必要になるったと思うようになりました。

「だからこそ、キム・サンウォンでした。ただの外国人選手というわけでなくRoad to UFCに出ていたし、実績がある。韓国でもチャンピオンになっていますしね。そういう選手と5R戦で戦う。もちろん、5Rを戦い抜くつもりで準備していました。そこが楽しみであり、キム・サンウォンに対してどれだけできるのかがチャレンジでした。

そういう試合で、トータルで戦って得意な寝技の部分で強さを見せてフィニッシュする。キム・サンウォンを極めると周囲へのアピールにもなりますし。テイクダウンからトップコントロール、削って極める。そういう試合が、キム・サンウォンにできなければ僕はそこまで。でも、できるつもりでやってきていたし、それを試合で出す気でいました」

――そこで三宅選手に変わっても、先ほど言われたようにやることは変わらないと。

「そうですね、三宅選手はストライカーで。寝技ができないわけでなく、打撃が凄くできる選手です。三宅選手に代わったことで、相手の仕掛けも僕がやるべきこともより明確になったと思います。立ち技と寝技、強いところがハッキリしているので。どっちが、自分の強いところで戦えるように持って行けるのか」

――キム・サンウォンと戦うことになっていた時と比較して、周囲も含め勝てるモードになっているようなことはありませんか。

「そこはどの試合でもそうなのですが、相手のことはあまり考えていなくて。自分がやるべきことをしっかりと準備して、それを試合でぶつける。だから相手が代わったから油断するとか、そういうことはないです。逆に三宅選手は打撃では、キム・サンウォンより優れているかもしれない。

キム・サンウォンと戦うよりも、組みの展開がないかもしれない。それはもうやってみたいなと分からないけど、全然油断をするとかはないです。

向こうも僕の狙いは分かっている。なら、そうさせないための練習はしてきているだろうし。だからこそ、どっちが自分の土俵で戦うのか。キム・サンウォンとの試合と違って、5Rまでもつれることはない。お互い、やることが分かっているのでフィニッシュも早くなるはずです」

――総合力というよりも、直樹選手の組み力と三宅選手の打撃力。そのぶつかり合いになるということですね。そしてMMAはスタンドから始まります。

「今回は貰っても突っ込むつもりで戦います。見合っていると、逆に相手の間合いになると思うので。そこはプレッシャーを掛けて、徐々に潰して突っ込もうと思います」

――もらうのが嫌という気持ちで戦うのと、貰っても行くという気持ちで戦うのでは爆発力が違ってきますか。

「貰っても行けると、大丈夫だとその後も思えます。貰わないで入れると、相手にプレッシャーを掛けることができる。だからクリーンヒットを貰わずに、どんどん仕掛けたいです」

――最初のテイクダウンの仕掛けが、その後に影響を与えそうです。

「ハイ。1Rが凄く大切になると思います。その後の流れが全然違ってくるので」

――そう話している直樹選手の右目の周りの傷が、なかなか気になってくるのですが(笑)。

「まさかのタイミングなんですけど、今日のお昼の軽めの練習で……当たりどころが悪かったのか、会見の日になるのかって(苦笑)」

――さきほどからやることは明確だと言われていますが、自分のタイミングで圧を掛けてテイクダウンを取る。そこの部分の強さに磨きがかかることが、今後の戦いで重要になってくるかと思うのですが、現状での手ごたえはいかがですか。

「以前と比べると、打撃にも慣れてきて少し見えるようになってきました。そんなこと言って、この目ですから(笑)。全然、説得力ないですよね(笑)。でも、これからも『ないだろう』とか油断をしているとダメだと学ぶことができました。試合ではこうならないように戦います。

あと自分は腫れやすいというのがあって。前回の試合もそうだし、練習でもダメージがなくて軽く当たって腫れることがあります。見た目の印象が悪いですよね。

同時にロータス世田谷で練習をしている選手達が相当に強いですし。その練習と比較して、相手の力が落ちる部分も分かるようになりました。『これならいける』と確信を持って組むことができます。多少見えるようになったことで、そういう判断力もつき始めていると思います。それと貰っても行けるようになりました。怖がって距離が遠くなるということが、前よりかはなくなっています。被弾しても、前に出て触りに行くことができつつあります」

――その成長を実感しているうえで、今回の試合の結末をどのように考えているのか。最後に教えていただけますか。

「3Rまでに一本か、フィニッシュします」

■Pancrase350視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後12時00分~U-NEXT

■Pancrase350 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
栁川唯人(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
岡田拓真(日本)
敢流(日本)

<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
岸田宙大(日本)

<63キロ契約/5分3R>
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)
渡邉泰斗(日本)

<フライ級/5分3R>
砂辺光久(日本)
時田隆成(日本)

■Pancrase351視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後16時50分~U-NEXT

■Pancrase351 対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
平田直樹(日本)
三宅輝砂(日本)

<フライ級/5分3R>
猿飛流(日本)
ジョセフ・カマチョ(グアム)

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(日本)
船田電池(日本)

<65キロ契約/5分3R>
合島大樹(日本)
安藤武尊(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
張豊(日本)

<フライ級/5分3R>
水戸邉荘大(日本)
小林了平(日本)

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【パンクラス】PANCRASE 342試合結果

RIZIN.46の真裏で開催されたPANCRASE 342。有明アリーナと立川ステージガーデン。一大会でも多く見たいファンとしては、何んとか調整出来ないものか悔しい思いで一杯ですが、帰宅後にU-NEXTで見逃し再生で観戦しました。
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気になったのは3試合。まずは久しぶりのパンクラス復帰戦を迎えた砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE)と前田浩平(GRABAKA)のフライ級ワンマッチ。砂辺はストロー級、フライ級、スーパーフライ級で王座になった実力者。実績だけなら群を抜いていますが、久しぶりの復帰戦でどこまで動けるか。

1Rは砂辺の蹴りをキャッチした前田がテイクダウン。2Rも逆にミドルをヒットさせた前田が組み付いてテイクダウンしてそれぞれグラウンドを制圧。万事休すかと思いきや、3Rに山口のタックルを切ってスタンドの攻防。パンチを的確に当てて、山口のタックルに合わせてアッパーをヒットさせるあたり、全盛期の砂辺を思い出させてくれました。しかし仕留めるまでには至らずタイムアップ。判定は3-0でヤバ口に軍配が上がりました。

44歳にして現役に復帰した砂辺。現実は厳しいものがありましたが、ある程度動けていたのもまた事実。これで終わるのか、継続参戦するのか。今後の動向が気になります。
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次に粕谷優介(総合格闘技道場CROWN)×久米鷹介(ALIVE)のライト級ベテランランカー対決。当初の予想通り玄人好みの重厚なテクニック合戦が展開されましたが、徐々にペースを掴んだのは久米。39歳とは思えない軽快なステップでリズムを作ると2Rには豪快なタックルでテイクダウンに成功。素早くバックに周るとあわやパウンドアウトという見せ場を作ってくれました。

3Rにもタックルを一度切られるもドライブして再度テイクダウンしてバックに周る久米。さらにスタンドに戻るとパンチで粕谷をグラつかせる。最後はグラついた粕谷にタックルでテイクダウンを許すも判定で久米が勝利しました。

粕谷相手にこの勝ち方。パンクラスで再び王座に挑戦する姿は見たいですが、それ以上にまだRIZINでもやれるんじゃないかと。久米の試合にちょっと夢見る事が出来ました。
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最後は黒澤亮平(THE BLACKBELT JAPAN)×リトル(HIDE'S KICK!)のストロー級暫定王座決定戦。修斗からパンクラスに主戦場を移した黒澤は2連勝中。対するリトルはしぶとく勝ち残って暫定王座決定戦までたどり着きました。

試合が動いたのは2R。ジャブ、ボディなど多彩なパンチで手数を稼ぐ黒澤に対してリトルは被弾してものしのしとケンカの間合いで距離を詰める。時折大きなパンチを振り回すが黒澤は冷静に対処。最後はボディを効かせて後退したリトルに対して右フック一閃!リトルが失神して大の字になる衝撃的な結末で暫定王座戴冠となりました。

得意の打撃をいかんなく発揮した黒澤。修斗に加えて暫定ながらもパンクラスの王座も奪取。地味だけど価値のある一勝。怪我で試合が流れた若林耕平との試合はもちろん見たいですが、無敗のままONEに参戦した山北渓人との試合とか見たいな。。。
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【Pancrase342】長岡弘樹戦へ。柔道出身の剛腕、佐藤生虎「……次の試合も殴ります」

【写真】生虎(しょうご)という名前の由来は、「正午に生まれたことから当て字で……という説があります」とのことでした(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、翌29日に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase342の計量が行われ、出場選手全員がクリアした。明日の第10試合試合では佐藤生虎が長岡弘樹と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年プロデビュー以来3試合連続、1ラウンドKO勝ちをマークしている佐藤。しかも合計タイムは3分と、1ラウンド分にも至っていない。特に左ストレートを軸に戦っているが、もともとは柔道ベースだというから驚きだ。なぜ佐藤がこれまでに左ストレートで倒しまくるようになったのか。その秘密をひも解く。豪快なKOの裏には、試合スタイルからは想像できない佐藤の性格が関係していた(※取材は4月24日に行われた)。


――MMAPLANETでは初のインタビューとなりますが、宜しくお願いいたします。

「……、……」

――すみません、ちょっと音声が小さいようですね。

「(マイクを口に近づけて)聞こえますでしょうか?」

――ありがとうございます。聞こえました。もしかして今は職場ですか。

「はい、そうです」

――もしかして小さな声で喋らないとか……。

「そんなことはないのですが――ちょっと周りから見られています(笑)。でも大丈夫です。すみません」

――いえ、職場でインタビューを行わせていただき、ありがとうございます。会社の方にも宜しくお伝えください。

「アハハハ、分かりました(笑)」

――改めて、プロデビュー以来3試合で合計3分ほどしか戦っていない佐藤選手です。

「えっ、そんなに短いですか」

――これまでのKOタイムが1分1秒、35秒、1分22秒ですから、正確には2分58秒です。ご本人としては意識していないのですか。

「そうですね。まぁ、たまたまというか……」

――あれだけ左ストレートを軸に戦っていて、「たまたま」ではないでしょう(笑)。

「いや、もう必死に戦っているだけで(苦笑)。自分でもよく説明できなくて――喋るのも下手なので、すみません」

――いえいえ。あれだけの剛腕っぷりを見せていながら、ベースは柔道なのですよね。

「柔道は10歳から28歳までやっていました。もともと兄が柔道をやっていたので、僕も同じ町道場に入れられて。28歳の時に柔道を辞めて、MMAを始めました」

――28歳というと大学を卒業してから、どこか企業で柔道をやっていたのでしょうか。

「いえ、警察です」

――警察ですか! 大学までの優勝実績などは……。

「特に無かったです。高校の時に県大会で優勝したり、大学も全国大会に出たぐらいで。そこから警察の柔道部に入りました。ずっとMMAは好きで、大学を卒業した時点で柔道を続けるか、MMAを始めるかは一度考えました」

――そこで柔道を続けた理由は何だったのでしょうか。

「……母の反対ですね(苦笑)。今もMMAをやることは反対されています。でも警察の柔道部って定員があり、毎年誰かが引退して誰かが入るということが繰り返されるんです。柔道部の先生から『今年で引退してほしい』と告げられて。柔道部にいられないなら警察にいる理由もないので辞めました」

――柔道部を辞めたとしても、警察には残ることはできるわけですよね。

「はい。もともとMMAをやりたくて、ずっと柔道を続ける気持ちはなかったんです。だから先生から告げられた時に踏ん切りがついたといいますか。ちょうどコロナ禍で試合もできない時期でしたし」

――では警察を退職して、すぐにMMAを始めたのですか。

「MMAを始めようと思ってジムを探した時、自分が柔道出身なので組み技が強いパラエストラ松戸(現THE BLACKBELT JAPAN)に入りました。そのあと去年の3月に、講道館の柔道クラブ時代の先輩である中村K太郎さんと宮澤元樹さんがいる、ユナイテッドジムに移籍してプロデビューしました」

――なるほど。2022年にパンクラスのアマチュア全日本を制してプロデビューに至るわけですが、当時から今のように左をバシバシ当てていたのでしょうか。

「いえ、最初はとにかく組みついていました。それがアマチュア全日本の時に、減量で水抜きしすぎてヘロヘロになってしまい、試合では組めない――スタミナがもたないと思ったんです。それで殴りに行ったら『当たるなぁ』という感じで」

――減量ミスから生まれた左ストレート! 最初に仰った「たまたま」というのは、そういう意味だったのですね。

「アハハハ、そうなんです。自分自身でもグラップラーだと思っていましたけど」

――結果、プロデビュー以降はストライカーで行くと。プロの3試合はほぼ組みに行っていません。それはまだ組みの実力……つまり本当の力を隠しているということではないですか。

「いや、それはないです」

――ハッキリと否定しましたね(笑)。

「もう本当に、いつも限界で。毎試合ギリギリの状態でやっています」

――確かに1戦目と2戦目は、とにかく左を振り回している感もありました。しかし3戦目の川中戦は完全に左ストレートを軸に戦うように進化していたように思います。相手の頭の位置を見ながら、左ストレートを急所に叩きこんでいくという。

「ありがとうございます。でも、それも意識したことはなくて……。ただ、今はボクシングで日本と東洋太平洋のチャンピオンだった柴田明雄さんの指導を受けて、打ち方と位置取りは変わってきていると思います。前回の試合は、とにかく相手の左側に回ろうと柴田さんから言われていて――相手との距離、自分の位置については考えるようになりました」

――なるほど。川中選手をKOしてパンクラスのウェルター級5位にランクインしました。そして次は大ベテランの長岡戦で、この試合をクリアすればベルト挑戦も射程圏内に入っくると思います。

「ベルトは意識していますが……う~ん、自分が上がってきているという実感はないですね。次の試合も不安しかないですし(苦笑)」

――浮かれているよりは良いと思いますが、それにしても自信のあるコメントは出て来ないですね。

「長岡選手はキャリアも凄くて、削り合う試合になると思いますし――引き出しの要素も全て、僕が負けていますからね。試合になると、いつも不安しかないです」

――その不安は、どのように解消するのですか。

「ケージに入るまで不安ですし、ケージに入っても頭が真っ白になって。あとは『やるしかない』という気持ちになって試合をするだけです。自分がやらないと、やられてしまう。その気持ちが一番大きいですね。

――では次の長岡戦、どのような試合をしたいですか。

「……次の試合も殴ります。長岡選手って打たれ強いと思うんですけど、それでも殴ります」

■視聴方法(予定)
4月29日(月・祝)
午後1時30分~U-NEXT

■Pancrase342 計量結果

<ストロー級暫定王者決定戦/5分5R>
黒澤亮平(52.15キロ)
リトル(52.05キロ)

<ライト級/5分3R>
粕谷優介(70.70キロ)
久米鷹介(70.70キロ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤生虎(77.55キロ)
長岡弘樹(77.35キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(52.05キロ)
ホン・イェリン(51.40キロ)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(70.40キロ)
ホン・ソンチャン(70.00キロ)

<フライ級/5分3R>
砂辺光久(57.00キロ)
前田浩平(57.20キロ→57.10キロ)

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(52.25キロ)
氏原魁星(52.10キロ)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(65.85キロ)
櫻井裕康(66.50キロ→66.10キロ)

<バンタム級/5分3R>
坂本瑞氣(61.35キロ)
谷内晴柾(61.25キロ)
<ネオブラッドT 2回戦 フライ級/5分3R>
饒平名知靖(56.65キロ)
名久井悠成(56.55キロ)

<ネオブラッドT 2回戦 フライ級/5分3R>
山崎蒼空(56.85キロ)
AXEL RYOTA(56.95キロ)

<フライ級/5分3R>
田中亮祐(56.35キロ)
齋藤桜貴(57.15キロ)

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【Pancrase342】修斗に続き、パンクラス・ストロー級の頂点へ。黒澤亮平「まだまだ諦めていない」

【写真】熱いモノを身の内に持ち続けている。そんな黒澤選手でした (C)MMAPLANET

29日(月・祝)に立川市の太刀川ステージガーデンで開催されるPancrase342で澤亮平がリトルと暫定ストロー級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

2016年7月に修斗世界ストロー級王座に就くも、ベルトを返上し2年4カ月のブランクを経験。復帰後はよりMMAを完成させる過程で手痛い敗北も喫した。そして昨年7月よりパンクラスに戦場を移した黒澤が、3戦目での暫定王座決定戦を戦う。

その暫定王座決定戦に対する想い、これからとMMAファイターとして強くなる苦悩を黒澤に尋ねた(※取材は3月21日の調印式前に行われた)。


――黒澤選手、パンクラス3戦目でストロー級暫定王座決定戦となりました。ここで暫定というのが、第三者としても正直不思議です。

「タイトルマッチが決まったことは嬉しいですが、暫定ということは1位の選手の動きも関係しているので。そこは正直、ムカついています」

──2月の大阪大会はどのような気持ちで眺めていたのですか。

「あの試合は……、すんなりケガがなく勝ってくれれば4月に戦うことになると思っていたので『勝ってくれよ』と。正直、試合内容も微妙だったけど勝ったしやるんだという気持ちでした。ただ4月には試合はできないということで、リトル選手と暫定で戦うことになりました。

僕は八田選手に勝った時点で、次はタイトルと言われていて。僕自身はいつでも戦える準備をしてきました。まず去年の12月の横浜だろうと。すると向うができない、2月か3月になると。12月にできないのは連戦だし、しょうがないと思っています。でも2月に試合はするけど、違う選手とノンタイトルで戦うことになった。

その時点で鶴屋(浩THE BLACKBELT JAPAN代表)さんは『これは、この試合に勝っても断ってくるな』と、あきれたように言っていました」

──それぞれ選手には事情があるかと思いますが、黒澤選手としては納得できないということですね。と同時にリトル選手と戦うことになったことに関しては、どのような気持ちですか。

「ランキング的にタイトルマッチが戦える位置でなかった選手でしょうし、すぐにOKを出してくれたと思います。これから戦う相手に対して、感謝とかいう言葉を使うべきじゃないのですが、試合間隔も空いてしまっていたので有難いです。試合が決まって嬉しいです。

しっかりとやることをやって、勝ちます。リトル選手はずっと動き続けるイメージがあるので、つき合うと相手のペースになってしまう。そこは気をつけて戦いたいです。打撃の技術は差があると思っているので、打撃を軸にしっかりと作戦を立てれば勝てると思っています」

──未だに飛鳥拳選手と呼びそうになってしまうのですが……個人的には先日行われたTHE BLACKBELT JAPANの創立会見でも黒澤選手は中心にいて然りのファイターだという想いがあります。

「ありがとうございます。ただ若い選手も単純にもの凄く強いので(笑)」

──刺激になりますか。もしくは年齢を考えてしまうのでしょうか。

「若い選手が増えて、それまでいた選手が『敵わない』という風に想うことはないはずです。僕らベテランの年齢になった選手も、彼らが来たことが凄くプラスになっています」

──負けるかという気持ちになりますか。

「負けるか……う~ん、怜とかUFCと契約していますからね(笑)。自分も頑張りたい。まだまだ諦めていないし、もっと頑張って結果を出したいです。弱気になることはないです」

──諦めていないなかでパンクラスの王座の先に見ている先というのは?

「ONEのストロー級が一番強いので、ONE……まだその名を出す段階ではないですが、ジャレッド・ブルックスを勝つことを目指した状況で体感したいというのはあります。今後、自分のコンディションがどうなっていくかは分からないですが、諦めてはいないという感じです」

──諦めないでいるためには勝利が一番かと思います。改めて、今回の暫定王座決定戦への想いをお願いします。

「ここで負けたり、ギリギリ勝つようだとこの先に進むことは難しいです。しっかりと差を見せつけて、フィニッシュできるように練習をしています」

──黒澤選手は一枚抜けることができるポテンシャルの持ち主だと見ていました。卓越した打撃戦のセンスの持ち主で。一時、ファイトから離れて戻って来てからは本田選手のような徹底して組んでコントロール狙いのスクランブルファイターを経験し、MMAとして調和のとれたファイターを目指そうとしたのかと。その結果、猿丸ジュンジ戦があった。そのように感じていたのですが。

「本田選手と戦った時からONEに出たいと思っていました。本田選手は力のある選手なのですが、『ここで負けてしまうのか』と落ち込みました。同時に、あそこまで徹底してくる選手に対して、どう打撃を生かすのか。そういう風に考えることができて、良い経験になりました。意識が変わりましたね、もっと組み技をやらないといけないと。

組み技の打ち込みを凄く増やして……、ただ猿丸選手に負けて組み技のことを考え過ぎたのか……とか。打撃と組み技のバランスをより考えないといけないと思って、凄く悩みました。猿丸戦、新井丈戦はそこが上手く嚙み合っていなかったです」

──キャリア的には痛すぎる連敗でした。

「あれの時は『終わりだ』と思いました。でももっと考えるようになって、もっと練習するようにして。本当に何が足りないかをもっと考えました。あの2試合でパンチが当たって勝てたとしても、ONEにいくと勝てるような力はなかったはずです。そう振り返ることができたので、あの負けも良い経験だったと思います」

──MMAのバランスは自分という軸があって、対戦相手によって配分を変えないといけない。難しいですね。

「今は自分の目指すところがハッキリしていて、レベルも上がりました。良い感じでまとまってきたからこそ、年も年なのでもう『あの負けを経験して良かった』なんていう試合はできないと思っています(笑)。

打撃だけを考えている時の方が、打撃は良かったです。でも、それではMMAは勝てない。そのバランスを考えて、練習仲間がいてくれて成長できていると思います」

──目指す舞台、ONEではテイクダウンされてもさほどマイナスにはならないですが。

「そこは組みを対処して、殴ることができる選手でいたいです。MMAなので」

■視聴方法(予定)
4月29日(月・祝)
午後1時30分~U-NEXT

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45 MMA MMAPLANET o Shooto The Shooto Okinawa10   ザ・タイガー石井 タイガー石井 パンクラス マッチョ・ザ・バタフライ リトル 修斗 内藤太尊 南風原吉良斗 大城正也 大田ノヒロ 宇藤彰貴 安芸柊斗 当真佳直 新井丈 旭那拳 木村旬志 松根良太 根井博登 泰斗 澤田龍人 牧ケ谷篤 田上こゆる 畠山隆弥 畠山隆称 蒔田伸吾 黒澤亮平 黒部和沙

【The Shooto Okinawa10】メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直「無敗の新人を圧倒して勝ちます」

【写真】プロデビュー戦は沖縄大会だった根井と対戦する、沖縄メインイベンター当真(C)SHOJIRO KAMEIKE

13日(土)、翌日に沖縄市上地のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA 10の計量が行われ、メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直が一発でクリアした。
Text by Shojiro Kameike

ここまで2連敗を喫したこともあった。しかし沖縄で着実に、諦めずに戦ってきたことでランキング的にもベルト挑戦が目前というポジションにいる。そんな当真が迎え撃つのは、現役高校生で2023年度新人王の根井だ。決戦前日、計量後に当真が根井戦について、さらに盟友である同級1位と旭那拳と、修斗ストロー級のベルトについて語ってくれた。


――当真選手が沖縄大会のメインを務めるのは、今大会が4度目となります。

「はい。前回のメイン(2020年11月、マッチョ・ザ・バタフライに判定勝ち)は微妙な試合でした。その点については自分でも考えて、今回はちゃんとフィニッシュするか、圧倒的な差をつけて勝ちたいです」

――マッチョ・ザ・バタフライ選手との初戦は正直なところ、内容的には押されていた末、相手の計量失敗があったことも影響して当真選手の判定勝ちとなりました。そのぶん昨年11月の再戦では絶対に決着をつけるという気持ちは強かったですか。

「そうですね。初戦は――練習ではうまくいっていても、試合では出せないものがあるんだなって思いました。たとえば練習では相手にバックを奪われても逃れることはできるんですけど、試合になると相手も必死だし、全力でキープしてきますよね。だから、そもそもバックを取らせない。その点を徹底していれば勝てる。

あとは自分のギロチンに対して過信していたところもありました。ただただギロチンを取りにいくのではなく、要所要所で使っていく。それがうまく行けば勝てるだろうと思ったんです。再戦ではギロチンこそ狙わなかったけど、作戦を徹底して完封できました」

――まさに正面からの強さこそが当真選手のスタイルだと思います。

「自分のスタイルは、まず相手の打撃にテイクダウンを合わせて、トップをキープしながら削って勝つこと。もちろんフィニッシュしたいですが、そこはまだ足りないところがあるかなって思います。でも練習の中ではフィニッシュする力もついてきているし、打撃も含めて全局面で戦える力はついてきました。あとは練習の試合の差を埋めることが大切で。それがいつも反省点であるけど、今は自信もあります」

――現在、修斗ストロー級ではランカー同士の潰し合いが繰り広げられています。その中でご自身の立ち位置については、どのように考えていますか。

■2023年~2024年 修斗ストロー級 主な試合
【2023年】
3月19日 
安芸柊斗 def 澤田龍人 by TKO

4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0

5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0

5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0

6月18日
田上こゆる def. ザ・タイガー石井 by TKO

7月23日 
新井丈 def. 安芸柊斗 by TKO
※新井が王座防衛

11月12日
旭那拳 def. 泰斗 by 3-0
当真佳直 def. マッチョ・ザ・バタフライ by 3-0
畠山隆称 def. 蒔田伸吾 by TKO

【2024年】
1月28日
根井博登 def. 麻生Leg Lock祐弘 by 1R TKO
※根井が2023年度ストロー級新人王に

3月23日
旭那拳 ― 田上こゆる
※旭那の負傷により中止に

4月7日
黒部和沙 def. 澤田龍人 by 変形ツイスター

【試合予定】
4月14日
当真佳直(4位) × 根井博登
畠山隆称(6位) × 牧ケ谷篤

5月26日
泰斗(8位) × 石原愼之介

「今、僕はランキング4位です。まず2位の黒澤亮平選手はパンクラスに出ていて、次はタイトルマッチじゃないですか(4月29日にリトルと暫定ストロー級王座を争う)。次に3位の安芸柊斗選手は、MMAPLANETのインタビューで『フライ級に転向する』と言っていましたよね。あとはチャンピオンの新井丈選手もフライ級で戦うために、メチャクチャ体が大きくなっていて。僕も新井選手への挑戦を見据えていましたが、見ていると新井選手はもうストロー級に落とすのは無理なんじゃないかな、と思うこともあります」

――ということは、1位の旭那拳選手と……。

「そうなるかもしれないですよね。旭那選手の怪我で中止になりましたけど、3月に田上こゆる選手の試合が組まれていて。ここで旭那選手が勝ち、次に僕が勝てば対戦することになっていたかもしれない。その可能性は、まだ残っています。ただ――複雑な気持ちです」

――……。

「練習仲間で、いろんな技術を教わることもあります。プライベートで一緒に遊びに行くこともあります。正直なことを言えば、対戦したくないですよ。でもお互いに一番を目指しているなら、いつか戦わないといけない日が来る。それは分かっています」

――同じ階級の練習仲間で、しかも近い存在であればあるほど心境は複雑でしょう。しかし松根良太さんが修斗沖縄大会を始めて、今回で10回目を迎えます。その結果として、沖縄在住ファイター同士がベルトを賭けて戦う日が来たら、それは喜ばしいことでもあるかと思います。

「僕と旭那選手が戦うなら、沖縄大会でタイトルマッチをやりたいです。松根さんも、そう願ってくれていると思っています」

――そうしてランカー同士の潰し合いが繰り広げられるなかで、根井選手のように新人王トーナメントを制したばかりの新世代が絡んでくるとは思いませんでした。

「僕はそうなると思っていましたよ。根井選手は新人王トーナメント決勝の前から注目されていて、僕はすぐに対戦する日が来るだろうと思っていました。それだけ根井選手は強いし、特に新人王を獲った時に『次は自分だろうな』と。勘でしかなかったけど」

――しかし、ここまで上位陣が潰し合いをして、自身が勝ち残った。そこで新人が来るのか……とは考えなかったですか。

「そういう考えはないです。どんどん新しい選手が出てきてほしいですね。根井選手もそうだし、澤田龍人選手に勝った黒部和沙選手とか。どんどん入ってきて、どんどんランキングを動かしてもらいたいと思います」

――今のところ旭那選手と田上選手の試合については、5月19日のニューピアホール大会にスライドできるよう調整中と発表されています。また、王者である新井丈選手の動向次第でもありますが、当真選手にとって今回の試合はタイトルマッチ前哨戦だと思いますか。

「その気持ちはあります。新井選手か田上選手が相手なら後楽園ホールでも良いけど、旭那選手と対戦するなら、やっぱり沖縄が良いですね。どちらにしても、今回はタイトルマッチ出場をアピールできるよう、しっかり勝ちます。

自分としては、まず修斗のベルトを巻くために着実に進んできました。正直、2連敗した時は『自分はこんなモンなのか……』と考えた時もあります。でも、あの連敗からココまで来ました。もうあの時の自分とは違います」

――2連敗した時と今の自分では、何が違うと思いますか。

「打投極、全てが進化しています。それと――2連敗した時は、一気に攻め込んでダメだったら『もうダメだ……』という気持ちになっていました。でも今は、試合で劣勢になっても、諦めなければ必ずチャンスは来ると考えるようにしています」

――それこそ砂辺イズムなのかもしれませんね。2010年9月に砂辺選手が田原しんぺー選手をKOした試合がすごく印象に残っています。最初に砂辺選手がダウンを喫した時、過去の試合ぶりから『ダウンを跳ね返して勝つんじゃないか』と直感的に思いました。

「えぇ、そうなんですか」

――結果は田原選手の三角絞めをスラムで返してKO勝ち。試合後に聞いたところ、セコンドの勝村周一郎さんも砂辺選手がダウンした時に「勝った!」と思ったそうです。砂辺選手としてはダウンを喫してからのほうが強いのかもしれませんが、最後まで諦めない気持ちというのは理解できます。

「その話を聞けて嬉しいです。今回の相手は高校生で、パワーは僕が勝っていると思います。でも無敗の人間が、絶対に何か持っている。何かあるから無敗なので。だから『高校生だから勝てる』なんて考えていません。無敗だから何か持っているはずだけど、自分としてはこれまで負けたことがあるから分かるものがあると思っています。明日は、そんな無敗の新人を相手に圧倒して勝ちます」

■視聴方法(予定)
4月14日(日)
午後2時25分~ Twit Casting LIVE

■ THE SHOOTO OKINAWA10対戦カード&計量結果

<ストロー級/5分3R>
当真佳直:52.04キロ
根井博登:51.80キロ

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.52キロ
宇藤彰貴:65.62キロ

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称:52.10キロ
牧ケ谷篤:52.04キロ

<ウェルター級/5分2R>
西條英成:76.92キロ
アイエティ・ケビン:76.80キロ

<フェザー級/5分3R>
南風原吉良斗:65.62キロ
メイヘム和成:65.24キロ

<ストロー級/5分2R>
木村旬志:52.16キロ
大城匡史:52.14キロ

<ストロー級/5分2R>
ふじい☆ペリー:52.48キロ→52.20キロ
知名昴海:51.52キロ

<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ:52.14キロ
高橋佑太:52.20キロ

<2024年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
松本ごだい:52.22キロ
小生隆弘:56.56キロ

<修斗トライアウトマッチ バンタム級/3分2R>
山本敦章:61.10キロ
武田昴大:60.90キロ

<修斗トライアウトマッチ フェザー級/3分2R>
藤崎陽平:65.32キロ
神田篤社:65.48キロ

<アマチュア修斗 女子スーパーアトム級/3分2R>
高田双葉:48.36キロ
徳本望愛:49.22キロ

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45 AB Gladiator Gladiator025 KAREN KTT MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase342 RIZIN Road to UFC UFC   パンクラス ホン・ソンチャン リトル 久米鷹介 修斗 前田浩平 山北渓人 松岡嵩志 砂辺光久 粕谷優介 黒澤亮平

【Pancrase342】ストロー級暫定王座戦。リトル×黒澤亮平「勝ったら正規王者」&4年9カ月振りの砂辺光久

【写真】元修斗世界王者で2位の黒澤と、4位のリトルでは暫定王座という現実に抱く想いは違ってくるか(C)MMAPLANET

21日(木)、東京都新宿区の新宿サンエービルでPancrase342の記者会見と調印式が行われた。
Text by Manabu Takashima

粕谷優介、久米鷹介、KARENの会見での模様に続き、4月29日(月・祝)に立川市の太刀川ステージガーデンで開催される同大会で暫定ストロー級王座決定戦を戦う黒澤亮平×リトルの会見冒頭での挨拶と、MMAPLANETの質問への返答をお伝えしたい。

山北渓人が返上して王者不在のストロー級で組まれた暫定タイトルマッチ。この暫定という部分でリトルと黒澤の間では捉え方がしっかりと違っていた。


リトル
「もともと自分も修斗に出ていて、兄弟子の石渡伸太郎選手を追いかけてパンクラスに出始めて。ついにここまで来たなっていうのもあるのですが、やっぱり僕は見ている人を常に楽しませたい。喜ばせたいというのがあるので、暫定タイトルマッチになるとより多くの人が見てくださると思います。1人でも多くの人を全力で楽しませることができればな、と思います」

黒澤亮平
「ベルトを獲りにパンクラスに来たので。この暫定タイトルマッチが決まるまで色々とありましたけど、純粋にタイトルマッチが決まって嬉しいなと思っています」

──現在空位のタイトルが正規王座決定戦でなく、暫定で争われることをどのように捉えていますか。

リトル 正直、そこに関しては不満とかは全くなくて。本当にこの試合を用意してくれたことを有難いと思って、全力でやるだけです。

黒澤 僕は不満があります。それは……1位が腑抜けなんで仕方ないんですけど、だからこそリトル選手と暫定タイトルマッチが決まったことは嬉しいと思っています。僕のなかで、この試合に勝った方が正規王者で次に防衛するなら、防衛戦という勝手な気持ちではあります。

なお記者会見で列席はなかったが、他に7試合の本戦が明らかとなっており、ライト級でKTT所属のホン・ソンチャン×松岡嵩志と対戦も決まった。昨年のRoad to UFC出場も準決勝で敗れたホン・ソンチャンは、2月にEternal MMAで計量失敗のウェズ・ギャッパーに敗れ3月のGLADIATOR025での暫定王座決定戦出場の機会を逸していた。捲土重来、3連敗は許されない状況でのパンクラス初陣となる。

さらに元ストロー級KOP砂辺光久が、2019年7月以来のパンクラス参戦となる。2022年7月のRIZIN36での敗北から1年9カ月振りの実戦復帰となる砂辺は前田浩平と対戦する。この間にパンクラス王は44歳になっており、滑り込みのパンクラス30周年記念大会シリーズ出場に対し、どのような気持ちで臨むのか──気になるところだ。

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J-CAGE ONE Report Road to ONE04 ブログ リトル 田上こゆる

【Road to ONE04】田上こゆるが終盤に蹴りを効かせてリトルに判定勝ち。プロデビュー以来5連勝に

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
Def.3-0
リトル(日本)

ステップを使い回るリトルが、蹴りで距離を測る。田上がガードを高く上げ、距離を詰めていく。リトルが右のバックスピンキック、対する田上も右ハイを返す。田上がプレッシャーを強め、リトルがケージを背負う場面も。田上が右ローを放つと、リトルは右バックスピンキックを繰り出す。ケージ中央で右ローを放っていく両者。リトルが左ハイを打っていくが、これは当たらない。リトルの右バックスピンキックの打ち終わりに、ワンツーを打っていく田上。リトルが低空でシングルを仕掛けると、田上はそれをカットしようと試みるが、リトルはその足を取って極めにいく。

田上が足を抜くと、再びケージ中央での打撃戦へ。ここでリトルがダブルで組み付き、田上をケージに押し込む。カットしながら、リトルの頭にヒジを落とす田上。テイクダウンできないとみるや引き込んだリトルだが、そのまま田上はパウンド。リトルが立ち上がり、またもテイクダウンを狙うが、田上はケージを背にしながら凌いだ。

2R開始早々、リトルが右バックフィスト。田上はそれをブロックする。足を使うリトルに対し、田上は距離を詰めていく。リトルの右に右ヒザ蹴りを合わせた田上。さらに左ローをヒットさせる。前に出ながら右前蹴りを繰り出す田上は、そのままプレッシャーをかけてリトルにケージを背負わせる。リトルの右ローをキャッチした田上。リトルは足を抜いて距離を取る。リトルの右ハイをスウェーでかわす田上、左右のローで相手を追い詰めていく。

リトルは田上の右バックフィストをかわしながら組み付き、バックに回りつつ田上の右足を取ってヒールへ。田上は回転しながら、リトルの顔面に拳を振り落とす。田上が立ち上がると、リトルはアキレスに切り替える。リトルはヒール、あるいはアンクルを狙うが、これは極まらず2R終了のホーンを聞いた。

最終R、距離を詰める田上に対し、右前蹴りを繰り出すリトル。互いに右ローを放ちながら距離を測る。リトルが飛び込んで距離を縮めると、田上はバックステップ。リトルの右ローをキャッチして右を打っていく。リトルは遠い距離からダブルで飛び込むが、田上はカットし、スタンドで距離を詰めていく。リトルの右バックスピンキックをブロックした田上、右飛びヒザで展開を作ろうとするが、リトルは足を使って距離を保つ。

リトルにケージを背負わせ、パンチを放つ田上だったが、完全に詰めることはできない。リトルがグラウンドに持ち込むも、田上はすぐに立ち上がる。距離が近くなり、ヒザを打つ田上。ボディへの前蹴りを効かせるが、リトルはダブルでテイクダウンを狙う。シングル、ボディロックで相手をケージに押し込むも、立ち上がった田上が右ヒザ蹴り。食らったリトルはダウン、田上はすぐにバックを奪いRNCを狙うも極められず。最後はリトルがテイクダウンを狙っていった。

判定は3-0、田上がデビュー以来5連勝を飾った。

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Interview J-CAGE ONE  Road to ONE04 ブログ リトル 田上こゆる

【Road to ONE04】第1試合でリトルと対戦、田上こゆる「アマ修斗の時の打撃の方がずっと良い」

【写真】右ハイからの右ストレート、力強い首相撲、注目したい点はいくらでもある田上だ(C)MMAPLANET

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTでRoad to ONE04「Young Guns」の第1試合で田上こゆるがリトルと対戦する。

2月5日に19歳になったばかり、プロ4勝0敗。卓越した打撃力を誇るティーンエイジ・シューターの歩みが2月24日(水)に発売されるFight & Life Vol.83でレポートされる。

その2日前にプロ5戦、初の修斗以外の舞台でパンクラシストと戦う──5年後の日本格闘技界のために──というテーマを掲げた当大会に相応しいトップバッターの意気込みをここで紹介したい。


──まず昨年12月の永井美自戒戦ですが、2RでKO勝ちも課題の残った試合になりました。

「組まれるのを意識し過ぎて……これまでも相手が組んでくるのは分かっていて、そこを対処して戦えていたのですが、パンチに頼り過ぎました。蹴りも出さなくて、力が入り過ぎて組まれてもテイクダウンを決められましたし。

勝てて良かったですけど……反省点、課題ばかりが残った試合になりました。完全に打撃に頼り過ぎていたから、前に出てこられると固まってしまって。そのせいでケージに押し込まれてしまいましたね」

──及川道場出身、すでに打撃は修斗でもトップクラスといっても過言でないだけに、対戦相手は徹底して組んできます。

「もっとテイクダウン、寝技に力を入れなといけないと実感できました。頭の中では分かっていたことなんですけど、この間の試合であんな風になってしまったので、本当にやらないといけないと思うようになりました」

──組みが強化できると、思い切った打撃が使えるようになるでしょうね。

「ハイ。そのために寝技が必要だと思っています。最近、試合をするほどに自分のしたい打撃ができないと感じています。アマチュア時代の方がずっと自分の打撃を使うことができていました。

プロになってからは、組み技や寝技ができる相手が多くて、そこを避けたいと思う気持ちが強くなっていました。永井選手との試合と、アマチュア修斗の時を比較するとアマ修斗の時の打撃の方がずっと良いです」

──それは相手も警戒していなかったというのはあるかと思います。

「だからこそ、しっかりと組み技と寝技を上達させて、アマ修斗のときのように思い切り打撃を使えるようにしていかないといけないです。

近い距離で打撃を使うと、テイクダウンをされるという風に考えるのが現状なので、そうされても問題ないというぐらいに自信がつけば、気持ちに余裕ができて打撃ももっとできてMMAらしい試合ができるんとちゃうかなって」

──そんななかRoad to ONE04への出場が決まりました。

「オファーがあった時は素直に嬉しかったです。ここは絶対に勝ちたいと思いました」

──ONEルール、グラウンドでのヒザありに関しては?

「グラウンドでヒザが使えるのは、使えないよりは良いと思っています。ONEに出ることを目標にしているので、このルールでもしっかりと戦えるようにしたいです」

──対戦相手のリトル選手はパンクラスを拠点にしている選手です。

「修斗以外の選手と戦うのは初めてですけど、パンクラスだからどうやとかはあまり意識はしていないです。どこで戦っている選手が相手でも勝ちたいですし、1人の相手として勝つことしか考えていないです。

リトル選手はオールランダ―で、何でもできる選手です。打撃も結構デキるというか、使う選手なので立ち技もそうですし、寝技でも気が抜けない相手になります」

──「ガキには未来しかない」。「5年後の日本の格闘技界のため」というテーマの大会で、最年少の出場選手です。とはいえメインは21歳、プロ3戦の平田樹選手です。

「そこは……戦績を重ねて知名度も上げて、いずれ僕がメインで戦えるような選手にならないといけないと思っています」

──では今回の試合、どのような試合をしたいと思っていますか。

「12月の試合と違い、打撃に頼るんではなくて、組んで来られても落ち着いて切って、組みの展開にビビらず、前に出て戦いたいです。それでテイクダウンされたとしても、普段練習をしている寝技をして、練習の成果を試合で出したいです。

試合なので勝たないといけないですが、最近は連勝しているせいでプレッシャーが大きくなってきました。だから、もっと自由に打撃でも組みでも好きなように動いて、打撃して、組みにも対応して戦いたいです」

──同級生で元同門の有井渚海選手と12月に続いて、同じ大会での試合となります。ABEMAの恋愛リアリティTVで人気を博している友人へのジェラシーやライバル心はありますか。

「アハハハ。まぁ、なくはないです。でも、僕は格闘技だけで名前を挙げてやろうと思います」

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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J-CAGE News ONE Road to ONE04 ブログ リトル 中村未来 吉野光 奇天烈 安芸柊斗 小川徹 平田樹 田上こゆる 長田拓也

【Road to ONE04】「ガキには未来しかない」5年後のJ-MMAのために。Road to ONEがYoung Guns大会

【写真】ONE本戦契約中の平田、Warrior Seriesと契約している吉野、修斗から安芸、バラエティに富んだ若い力が揃うイベントとなりそうだ (C)MMAPLANET

テーマは「ガキには、未来しかない」──2日(火)、ONE Championshipより22日(月)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-EASTでRoad to ONE04「Young Guns」が開催されることが発表され、メインに平田樹が出場することが明らかとなった。

2019年9月に修斗✖パンクラス対抗戦、昨年4月は緊急事態宣言下での無観客&会場非公開の配信大会、そして9月はONE国際大会再開プレ大会的に青木真也がメインで戦うというイベントをRoad to ONEは開いてきた。

今回は5年後の日本の格闘技界を考える──ということをメインテーマに、10代と20代の選手が中心となったYoung Guns大会が行われることになった。


当初、MMAでの参戦は許可が下りないためキックボクシングで若松佑弥が出場という話も聞かれたが、彼の出場がなくなったことは次戦が決まったと捉えて良いはず。ここはONE本隊のアナウンスを待ちたい。

そんな同大会のメインを任されるのは、昨年2月のONEジャカルタ大会以降、試合がなかなか確定しなかった平田樹となった。さらにイベントテーマも彼女が豊富のなかで話した『ガキには、未来しかない!』というもの。

コロナ禍下においてMMAイベントの開催数、試合数とも減少傾向にあり、その影響を多く受けているのが若くキャリアの少ない選手たちだ。結果、今大会はONEという冠を抱く一方でONEへの路という面ではなく、平田の言葉にあるように日本のMMAの未来を見据えたマッチメイクとなった。

18歳の田上こゆるが、35歳のリトルと対戦

ONE WARRIOR契約下の長田拓也、吉野光。

修斗勢では四国は徳島の安芸柊冬、関西発ティーンエイジ・シューターの田上こゆる、奇天烈。

2021年の大会開催の発表がないパンクラスを主戦場にしている小川徹、前田浩平、リトル、岩本達彦らの参戦も決まった。

若手、地方、再生、TTFC的なテイストが詰まったRoad to ONE第4弾に向け、メインで戦う両選手の今回の試合に向けて抱負は以下の通りだ。

平田樹
「ONE本戦での試合を待ち望んでいましたが、何度か決まりかけたカードが流れたりして、気がつけば1年の間隔が空きました。先々の見通しが不透明な中で、日本で、東京で戦える……と聞き、迷わず志願しました。試合することを許可してくれたチャトリCEO、マット・ヒュームさんに感謝しています。そして試合のない時期もずっと声援を送ってくれるファンの皆さん、お待たせしました。2月22日は、圧倒的な試合をします。『ガキには、未来しかない!』」

中村未来
「平田選手は柔道というしっかりとしたバックボーンがあって、気持ちも強く全てにおいて勢いのある選手だと思います。

試合を受けてくれてありがたいのですが、自分は失うものがないので、得意の打撃で、全力で倒しに行くので、よろしくお願いします」

また今大会は選手、セコンドのみならず運営スタッフ及び放送関係者の全てがPCR検査を行い陰性状態であることを確認したうえで、午後8時終了予定の有観客興行として行われる一方で、中継スタッフ等も都内の別スタジオからのリモート中継を導入するなど、感染予防対策に関して最新かつ実験的な視察も含めた大会運営となるとのことだ。

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

■ Road to ONE04対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中拳治(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
奇天烈(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

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