【写真】セレモニアル・フェイスオフでの平田……どのような心境でこの場に立っていたのか (C)ONE
19日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night163「Akimoto vs Petchtanog」の計量及びハイドレーションテストの結果が発表され、平田樹が体重及びハイドレーションとともに規定に達せず、ハム・ソヒがキャッチウェイト戦を拒否し試合が不成立となった。
また若松佑弥も139ポンドで計量失敗、キャッチ戦でウ・ソンフンと戦うことに。キック勢では日本から出場の品川朝陽も失敗、ルイ・ボテーリョと契約体重戦に臨む。
岡見勇信と対戦するオンラ・ンサンは再計量でパス、両者の試合はミドル級マッチとして無事実施されることとなった……計量結果を経て、試合が行われることに関して「無事」という表現を使うことが異常事態だが、既にイベントがスタートしているONE FC04でもウェルター級王者キャムラン・アバソフが計量失敗→王座剥奪。バンタム級で戦うはずだったビビアーノ・フェルナンデススティーブン・ローマン戦は両者とも大量オーバーで153.25ポンド契約とフェザー級に近い体重で行われる。
平田の計量失敗はこれで4度目、これまでは金銭的ペナルティを受けキャッチ戦を戦ってきたが、今回はハム・ソヒがこれを拒否。ハム・ソヒはSNSで「これまで初回でクリアできていなかったことを恥じ、今回は絶対にクリアしようと努力をしてきた。平田はペナルティを支払えば試合ができるという態度で、これまでの計量オーバーに反省する様子もなかった」と試合を拒否した理由を記している。
前回のキャッチ戦勝利後──興奮に任せて『ジャンクフードが食べたい』という発言が中継されており、平田に対してバッシングが起こっても致し方ない。
何より生理を伴う女子であっても、これだけ計量失敗が繰り返されればONEアトム級が適正階級でないと判断されても致し方ない。そもそも彼女自身がこのままMMAを続けていくうえで、戦いと減量のバランスの比重が後者に寄り過ぎる恐れもある。MMAは身を削るスポーツだが、精神を削る段階に至っては見直しが必要となるはずだ。
と同時にONEの計量方法も、このままで良いのかという声も挙がるだろう。ONEでは2015年12月にヤン・ジェンビンが減量中に脱水症状に陥り死亡したことをきっかけに、階級を北米ユニファイドよりも実質1階級重い体重リミットとし、水抜き減量を禁じた。ハイドレーション検査も用いるようになった新計量方法は選手を守るべき採られた手段だ。
実施当初は体重リミットから+〇パーセントという数値を試合前の特定の時期に報告させ、計量も大会2日前と1日前の2度に加え、パスできなかった選手は当日にもチェックされるという三段階で実施されていた。それが時を経て、コロナ期の人との接触を減らすという事情もあって簡素化、現在は試合前日の1度と再計量という形に落ち着いている。
それ以前に数値の報告は必要なくなっており──結果、ルールの抜け道はどの規定&法に存在するように、選手たちは水抜きを行い計量をパスするようになっている。北米体重よりも1階級重いことで、リミットの1キロや2キロ余計に体重を落とし、その分水分を摂ることでハイドレーションの数値を下げるというのが常套手段だが、選手は水抜きOKの減量と同様に神経を使い、通常体重で戦うという理想は崩れている。
結果的にハイドレーションと体重のバランスを取ることに苦慮し、計量失敗のケースが増えてきた。そして今回の2大会のようにタイトルマッチで連続し、PPVに欠かせないカードが消滅する。ハイドレーション検査、水抜き減量の禁止は選手の安全を確保するうえで絶対的に正しい判断だ。それゆえに実施方法の再度の見直しが必要な時期を迎えたといえる。
■放送予定
11月19日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル
■ONE Fight Night04対戦カード
<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
キャムラン・アバソフ(キルギス)
クリスチャン・リー(米国)
<ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジョセフ・ラシリ(イタリア)
<153.25ポンド契約/5分3R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
スティーブン・ローマン(フィリピン)
<ムエタイ・ウェルター級/3分3R>
コズモ・アレッシャンドリ(ブラジル)
フアン・セルバンテス(英国)
<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
キム・ジェウン(韓国)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョナサン・ハガティー(英国)
ウラジミール・クズミン(ロシア)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ラスラン・エミルベク(キルギス)
イシ・フィティケフ(豪州)
<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
ダニエラ・ケリー(米国)
マリア・モルチャノワ(ロシア)
<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
エディ・アバソロ(米国)
■放送予定
11月19日(土・日本時間)
午後7時00分~ PPV ABEMA格闘チャンネル
■ONE163対戦カード
<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] 秋元皓貴(日本)
[挑戦者] ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP決勝/3分3R>
ロマン・クリキア(ウクライナ)
イラジ・アジズプール(イラン)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ザイード・イザガクマエフ(ロシア)
<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
岡見勇信(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
クォン・ウォンイル(韓国)
マーク・アベラルド(ニュージーランド)
<139ポンド契約/5分3R>
若松佑弥(日本)
ウ・ソンフン(韓国)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アブラォン・アモリン(ブラジル)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)
<126ポンド契約/3分3R>
ルイ・ポテーリョ(ポルトガル)
朝陽PKセンチャイムエタイジム(日本)
<キック・ヘビー級/3分3R>
ブルーノ・シャベス(ブラジル)
アフメド・クリッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)
<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/12分1R>
ミレーナ・カオリ(日本)
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(ウクライナ)
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)