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『UFC 307: Pereira vs. Rountree Jr.』ジュリアナ・ペーニャ vs. ラケル・ペニントンを見たファイター・関係者の反応



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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC307 アマンダ・ヌネス ケイラ・ハリソン ジュリアナ・ペニャ ラケル・ペニントン

【UFC307】カウンター&組みで優位に立ったペニャ、ぺニントンとの接戦を制して王座返り咲き

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[挑戦者] ジュリアナ・ペニャ(米国)
Def.2-1:49-47.49-47.47-49
[王者] ラケル・ペニントン(米国)

ペニントンが細かくジャブを突き、ペニャもジャブを返して左フックを狙う。じりじり前に出るペニントンが深くジャブを突きさせば、ペニャは細かいジャブから右フックを狙う。ペニントンは左ヒザ蹴りとインロー、ペニャが右ストレートを伸ばす。ペニャがジャブを突き、前に出るペニントンに右ストレートを合わせる。

ペニントンはジャブで前に出て、足のスイッチを見せての右ストレートへ。ペニャはペースを変えずにジャブ・左フックを狙う。左右のパンチで前に出るペニントンがスイッチも混ぜての右アッパー、ペニャが前に出ようとするとジャブで止める。その後もペニントンがジャブを突き、ペニャが右ストレートを打ち込む展開でラウンド終了となった。

2Rもペニントンが細かいジャブを突いてインロー。ペニャが右ストレートを狙い、ジャブを返す。距離が詰まるとペニントンが左フックを当て、ペニャは離れた位置から右ストレートを当てる。ペニントンは左の前蹴りで下がらせ、ジャブと右ボディストレート、変則的なステップから組み付くと、四つ組みからヒザを蹴り合い、ペニャがヒザ蹴りに合わせて足をかけてテイクダウンする。

ペニントンの右側に出る形で、サイドポジションを取ったペニャは左ヒジ。上四方へ移行すると、ぺニントンが亀になって身体を起こす。ペニャはそれに合わせてバックを狙い、ペニントンに立ち上がると足を深く入れて四の字ロックへ。ペニントンはペニャを背負ったままケージまで移動し、ペニャは足のクラッチを変えてキープする。ここで動きが止まるペニャに対し、ペニントンはケージにペニャを押し付ける形でパンチを入れる。ペニャもケージを背にしながらパンチを入れる。

3R、ペニャがジャブで距離を取り、ペニントンがステップインするところに右ストレートを合わせる。さらにペニャは自ら踏み込んでの左フックを合わせ、細かいジャブで自分の距離をキープする。ペニャは右ストレートから前に出て左フックへ。ペニントンもジャブを返し、ペニャも組みついてテイクダウンを狙う。

離れたペニントンが左ハイ。ペニャがワンツーを当て、ペニントンのジャブに右アッパーを当てる。距離が詰まって四つ組みの攻防になるとペニャが足をかけてテイクダウンする。2Rと同じようにペニントンの右側に出る形のサイドポジションで抑え込む。さらにペニャは亀になるペニントンのバックに回り、ぺニントンを立たせずに足をフックしてバックキープする。足を四の字クラッチしたペニャがRNCを狙い、ぺニントンは首を守りながらパンチを打つ。

4R、ペニントンがジャブとワンツー、左ハイを当てる。ここからペニントンが前に出ると、ペニャも右ストレートで応戦する。ペニントンが左の蹴りを見せると、ペニャは右ストレートを合わせ、ジャブで距離を取る。ペニントンもジャブで距離を詰め、右ストレートを打ち込む。ジャブからプレッシャーを強めるペニントンに対し、ペニャは右ストレートを狙う。ペニントンはジャブ、単発の右ストレートで飛び込む。

ペニャは下がりながらジャブを返すが、ペニントンが右フック。これでペニャが尻餅をつく。ペニントンがパウンドで追撃すると、ペニャが体を起こして組みつく。ペニントンがギロチンを狙うが、ペニャは立ち上がって頭を抜く。両者の距離が離れ、試合がスタンドに戻ると、ペニントンがジャブから前進。ここから右ストレートにつなげ、ペニャも必死にパンチを返す。

5R、ペニントンがジャブで前に出てインロー、スイッチしての右フックも見せる。ペニャもジャブを返して距離を詰めようとするが、ペニントンがジャブで止める。ペニャはジャブから右ストレート、ペニントンも細かいジャブから右ストレートにつなげる。ペニャも右ストレートを当てるが、ペニントンの前進が止まらない。

残り3分、ペニントンがペニャをケージに押し込み、離れ際に右ヒジを放つ。試合がスタンドに戻るとペニントンがジャブから右ストレート、ペニャも右を当てるがペニントンの前進が止まらない。ペニントンがジャブ、右アッパーから左フック、右アッパーからの右フックを当てるとペニャが後退する。ここでペニントンがパンチをまとめて前進。ペニャの右ストレートと左フックも当たるが、ペニントンは下がらない。

逆にペニントンがジャブとワンツー、右アッパーから左フックで前進。ペニャも右ストレートを返し、右のヒザ蹴り。ペニントンも右ストレートを打ち返し、左フック、ワンツー、スーパーマンパンチ。ペニントンが前に出続けて試合終了となった。判定は2-1でペニャが勝利し、王座返り咲きを果たした。

試合後「ジャッジはどう判断するか分からないから、判定にもつれ込みたくなかったけどそうなってしまった」と話した新王者は、ケイラ・ハリソンのことを尋ねられ「私はアマンダ・ヌネスのカムバックを望んでいる。私と彼女は1勝1敗。MMA史上、最高の試合ができると思う。彼女のキャリアが終わったとは思っていない」と完全にスルー。控室でハリソンが、逃げているという仕草を見せた。


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【UFC307】ラストファイトへ、カーラ・エスパルザ「長い旅路の終わり。でも楽しむためにココに来た」

【写真】ファイトウィークとは思えない幸せな過ぎる家族の一コマ (C)MMAPLANET

5日(土・現地時間)、ユタ州ソルトレイクシティのデルタ・センターで開催されるUFC307「Pereira vs Rountree」でカーラ・エスパルザが1年11カ月振りにオクタゴンに戻ってくる。
Text by Manabu Takashima

昨年9月に母になったエスパルザが、出産後に初ファイトをテシア・ペニントンと戦う。2度のUFC世界ストロー級王者は何を想い、母としてケージに足を踏み入れるのか。彼女の心境を尋ねたくインタビューを試みると、エスパルザは「この試合が最後」と話し、その心境を語ってくれた。


――カーラ、ZOOMの画面からトレーニングを終えたばかりに見えますね。

「そうね。ホテルの練習スペースで汗を流して、気分は爽快ね」

――少しZOOMに入ってくるのが遅れていたので、てっきり授乳中かと思っていました。

「アハハハ。練習をしながら、ファイトウィークになってもベイビーの世話をしているのは確かね(笑)」

――2022年11月以来のオクタゴンとなりますが、この間には昨年の9月に出産を経験しています。お母さんとなって、ファイトに戻ってきた心境を教えてください。

「最高ね。でも、本当に毎日が目が回りそうなほど大変で。強いファイターと、良き母の両立は大変だわ。でも、試合をするのだからやり切るしかないわよね」

――私の妻は3度出産をして、格闘家ではないですが出産の度に体の具合が変わると言っています。カーラの場合は、何かフィジカルの違いを感じますか。

「そうね、ファイターには細かいケガがつきものだったけど、いうと一晩休むと大丈夫っていうモノも今ではしっかりと体を休める必要が出たかなと思う。それが出産とどれだけ関係しているか、確かなことは言えないけど。私自身の体の変化は見られるわ」

――赤ん坊は泣きたいときに泣いて、時間の理念など吹っ飛んでしまった日々を思い出します。まさに忍耐の日々でした。

「ホントにその通り。ベイビーはベイビーに必要なことを、必要な時に私に求めてくるわ。ただ、私には凄くサポートしてくれる主人がいてくれて。そこは本当に助かっているから感謝の限りね」

――出産を経験すると、メンタルが強くなるということは?

「絶対的にね。何かハードなことがあっても、ベイビーが困難を乗り越えるモチベーションになっているから。この子の存在が私のメンタルを強くしてくれるし、ボディケアにも神経が行き届くようにしてくれているわ」

――その一方で日本の女性アスリートは妊娠を機に、現役を退くというケースが多かったです。

「私がこの子を授かった時、もうキャリアは15年を迎えていて2度のUFC世界チャンピオンも経験していたから、やり切った感はあったの。MMAにおける夢は達成したし、これからはベイビーと共に生きていこうと思ったわ。特にベルトを取り返した時に、はっきりと達成感を感じていたし。私の人生はネクストチャプターに入り、24時間ずっとこの子の母親でいようと思うようになったわ」

――もうベストファイターの座に戻ろうとは思わない?

「ノー。もう自分のキャリアには満足しきっているから、今が引退のタイミング。私は人生の第2章を歩むことにしたの」

――えっ、つまりは今回が引退試合ということですか。

「そうよ」

――スミマセンでした。全く知らなくて。それは……試合前ですが、おめでとうと言わせてください。

「ありがとう(笑)。そう、今が潮時よ。最高のタイミングで、最後の戦いに臨むことができるわ」

――最後にもう一度、母親になってから戦おうと思ったのは?

「そうね……妊娠をして、出産を経験して……でも、区切りをつけたかったのかもしれない。とにかく、土曜日の試合が私にとって最後のMMAになることは間違いないわ。そう、人生の区切りのファイトね」

――試合前からエモーショナルになることはないですか。

「もちろん。長い旅路を終えようとしているのだから。それは感傷的になるわ。でも、私はここに楽しみに来たわけで。息子の前で戦って、グローブをケージに置くまで全力で戦うわ。

もうMMAと一定の距離を置いて、家庭に入る。でも、時々セミナーとかできれば良いわね」

――実は昨年の春にチーム・オーヤマでトレーニングをしていた澤田千優選手が、たった2度だけカーラがトレーニングセッションに姿を見せてくれた時に受けた教えが凄く勉強になったと言っていました。そのカーラの知識をチーム・オーヤマで後進の指導に生かすことはないのかと。

「彼女とのトレーニングセッションは覚えているわ。私も凄く楽しかった。彼女もそうだし、他の選手にも何かを伝えることはできると思う。もちろん、チームメイトの役に立ちたい。役に立てるだろうし。でも、人生のプライオリティは良き母であること。だから常駐の指導者になることはないだろうし、さっきも言ったようにセミナーなんかで私の知識をシェアできれば良いかなと思っている感じね」

――今回の引退試合、カーラが全てを出し尽くしたファイトを楽しみにします。

「試合に出る限り、私のゴールは勝利を手にすること。最後の試合でも自分の手が挙げられるために戦う。テシアはリマッチで絶対に勝ちたいと思っているでしょうけど、今回も私が勝つ――絶対にね。これまで打撃を見せる機会が少なかったから最後の試合で、私のストライキングを見せることができれば楽しい時間になるかなって(笑)」

――素晴らしい意気込みです。引退試合の前にありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。私の現役最後の声を日本のファンに届けてもらえて嬉しいわ。2010年……私がデビューした年にメグミ・フジイと戦って以来、日本のファンが応援し続けてくれたことは本当に嬉しかった。長い間、ありがとう」

■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時30分~UFC Fight Pass
午前11時00分~PPV
午前7時00分~U-NEXT


■UFC307対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
[挑戦者] カリル・ラウントリー(米国)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ラケル・ペニントン(米国)
[挑戦者] ジュリアナ・ペニャ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョゼ・アルド(ブラジル)
マリオ・バウティスタ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ケイラ・ハリソン(米国)
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・デリツ(ジョージア)
ケヴィン・ホランド(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)
イアズミン・ルシンド(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
イホール・ポティエリア(ウクライナ)
セザー・アルメイダ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)
オースティン・ハバート(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
テシア・ペニントン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
オヴァンス・サンプレー(タヒチ)
ライアン・スパン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
コート・マッギー(米国)

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【UFC307】TUF18以来、11年間も続く因縁に決着の刻。UFC女子世界バンタム級選手権ペニントン×ペニャ

【写真】オンナの意地が、世界の頂点を争う場で爆発。こ、こわい (C)Zuffa/UFC

5日(土・現地時間)、ユタ州ソルトレイクシティのデルタ・センターにて、UFC 307「Pereira vs Rountree」が行われる。アレックス・ポアタン・ペレイラがカイル・ラウントリー・ジュニアの挑戦を受けるライトヘビー級タイトル戦をメインとするこの大会のコメインは、新王者ラケル・ペニントンに元王者ジュリアナ・ペニャが挑戦する女子バンタム級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

ペニントンは2018年5月、当時の絶対王者アマンダ・ヌネスに初挑戦するも終始圧倒され、5Rに背後からのパウンドでTKO負けを喫した。しかしこの敗戦が自分を見直すきっかけとなり、2020年6月から連勝を重ね、今年1月にマイラ・ブエノ・シウバとの王座決定戦に漕ぎ着けた。ここで相手の組技を凌ぎ主武器のパンチを当てて削ったペニントンは、5R判定3-0で激闘を制して新王座に就いた


対するペニャは、2021年12月にヌネスに挑戦。圧倒的不利という下馬評のなか初回の猛攻を耐え抜くと、2R突然雑になった王者の打撃にことごとくカウンターを合わせて大反撃に。怯んだヌネスに組みつき投げ倒すと、背後からチョーク一閃。世界を震撼させる大番狂わせを引き起こしてみせた

しかし8カ月後のリマッチでは、2Rに不用意にパンチで前に出たところにカウンターを合わされる形で3度のダウンを喫してしまう。その後も前に出続けたペニャだが、ことごとくヌネスにテイクダウンを合わされてしまい、5R判定で大敗して初防衛に失敗した。

2023年5月に予定されていたヌネスとの3度目の対決は、ペニャが肋骨を骨折してキャンセル。この時に代打のアイリーン・アルダナに完勝して防衛に成功したヌネスは、王者のまま引退を発表した。こうして空位となったタイトルを今年一月の決定戦でモノにしたのが、ペニントンというわけだ。

TUF18以来、11年間のドロドロ

今回が初対決となる両者だが、二人の因縁は11年前2013年に行われたTUFシーズン18シーズンまで遡る。この年初頭、UFCはロンダ・ラウジーを初代バンタム級王座に認定して初の女子試合を開催している。新設された女子部門の拡大を目論み、各チームに女性監督(ラウジーとそのライバルだったミーシャ・テイト)を迎えて女性選手たちを競わせるというはじめての試みが行われたのが、このTUF18だった。

予選を勝ちハウス入りを果たした8人の女子選手のなかで、チーム・テイトのドラフト1位に指名されたのがペニャ、3位指名がペニントンだった。ペニャはトーナメント一回戦にて、当時頭一つ抜けた実績&知名度を誇っていたベテラン、シェイナ・ベイズラーと1位指名対決に臨んだ。幾度となくテイクダウンを奪われても柔術流のスクランブルを駆使して動き続けたペニャは、突出した体力と圧力とアグレッシブネスをもってベイズラーを呑み込んでゆき、2Rにチョークで一本勝ち。

陽の当たらないところで長年努力を重ね、ついに大舞台で輝くチャンスを掴んだベテラン──日本流に「ジョシカク第一世代」とも呼べるだろう──を、新世代が若さと勢いで打ち砕く。あまりにも残酷かつ鮮やかに新時代の到来を象徴する一戦となった。

このシーズンにおいては予選でタラ・ラロサ、トーナメント一回戦&フィナーレでロクサン・モダフェリといったジョシカク勢も敗れ去り、時代の移り変わりを色濃く反映した。ただしモダフェリがその後階級を落として戦い続け、2017年には新設のUFCフライ級王座決定戦に出場、その後も2022年までUFCで活躍したことは特筆に値する。

閑話休題。

対するペニントンは、一回戦で長身のムエタイ使いジェサミン・デュークと対戦。デュークの強烈な前蹴りや膝や肘をもらいつつ、強烈なパンチを打ち返す大激闘の末に判定勝利を収めた。この試合はデイナ・ホワイト代表も絶賛し、ファイト・オブ・ザ・シーズンを受賞。「女性版フォレスト・グリフィンvsステファン・ボナー(※)」という声まで出るほど、今まで女子MMAに触れてこなかった層にその可能性を知らしめる試合とされた。

(※第一回TUF決勝のグリフィン×ボナーは、壮絶な殴り合いによってUFCの魅力を一般大衆に伝え、その後の人気爆発に大きく貢献したとされる試合。ホワイト代表は、30年を超えるUFC史上ベストバウト1位を聞かれた際には常にこの試合を挙げる。それほどその歴史的意義は高く評価されている)

素晴らしい内容の初戦を経て、決勝での対決が期待されたペニャとペニントンだが、ペニントンは試合前の右手の負傷の影響もあって準決勝で敗退。両者の対戦は実現しないまま、ペニャが準決勝&フィナーレともにその組み力を如何なく発揮して圧勝してシーズン優勝を果たしたのだった。(ペニントンはフィナーレの前座試合に出場してモダフェリに勝利

ちなみに両者は単にチームメイトというだけでなく、ハウス内の狭い二人部屋の二段ベッドの上下に陣取り生活を共にする仲でもあった。ペニャはこの種のリアリティショーの盛り上がりには欠かせない「自己中迷惑キャラ」を地で行く女性。常に自分の好きなように振る舞い、ハウス内の男女から煙たがられても一切気にせず、自分に向けられる非難を平然と他人に転嫁しては視聴者のヒートを誘っていた。

もっともシーズン序盤の二人は、(自分が同性愛者であることを公言し女性的な所作は好まない)ペニントンにペニャが「プリンセス風」メイキャップを施し、ドレスを着せてモデルウォークを教えるというコミカルな場面も見られ、関係は良好だった模様だ。

しかしペニントンはやがて、常に騒音を立て続けるペニャに耐えられなくなり本人に直接対峙する。が、ペニャは笑って「そんなことしてないわ」と全否定。呆れ気味のペニントンが「あんた精神安定剤が必要なんじゃない?」とこぼしても、ペニャは「私は至って冷静よ。みんな揃ってそうやって、私がしてもいないことを言って責め立てる嘘付きなのよ」と返したのだった。

とまれペニントンとペニャはともに、UFC女子部門の創設期にその未来を担う若手として登場し、先行世代を容赦無く打ち破り新時代の到来を告げた選手たちだ。そしてすっかり女子部門が確立した現在、11年の時を経てその頂点を──お互い30代半ばという円熟期に入った──二人が競い合う。オールドファンには感慨深い構図がこの試合には存在する。

当然両者とも11年前来の確執は意識しており、ペニントンは「あれからアイツと連絡を取ったことがあるかって? あるわけないでしょ。ジュリアナと同じ部屋に住むのは本当に苦痛だった」、「やっと11年前の話に決着を付けることができる」と語れば、ペニャの方も「ラケルは私がメイクしてあげたおかげで、彼女の生涯で最も美しい見た目になれた。なのにそんな私に感謝するどころか文句を言うなんて、なんて酷い人間なのでしょう。みんなで私の陰口を叩いて、私の生活を生き地獄にしたのはあいつらよ」とまったく譲らない。

さらにUFC女子勢では群を抜いたトラッシュトーク力を誇るペニャは、返す刀で(4月に鮮やかなUFCデビューを飾り、ペニントン×ペニャ戦の試合の勝者への次期挑戦者の有力候補である)ケイラ・ハリソンにも言及し「お注射はもうやめておきなさいね。今はやっていないだろうけど、アイツは昔は間違いなく打っていたわよね。昔ATTに練習に行った時にある人に言われたのよ『ATTの女子選手たちは、シャワー室でお互いにケツに注射を打ち合っているんだぞ』ってね」と、一部男性ファンの想像力まで掻き立てながら挑発してみせた。

当然ハリソンが「私は柔道で12歳の頃から検査を受けてきて、一度も陽性になったことはない。使っていないからよ!(次の対戦相手について聞かれて)別に誰でもいい。もっともそれがジュリアナなら喜んでタダで頭にエルボーを叩き込んでやるけどね」と反応すると、ペニャは「まあなんて怖い。典型的なロイドレイジ(ステロイドの副作用で激昂すること)の症状だわ!」と見事に切り返したのだった。

絶対女王ヌネスが去って話題が少ない女子バンタム級へのファンの興味を繋ぎ止めるのに、根拠など一切気にせず放言するペニャの口が一役買っていることは否定できない。

一方でペニントンとペニャのオクタゴンのなかでの振る舞い=パフォーマンスに目を転じると、試合はまずはパンチで突進して組みつきたいペニャとスタンド戦をキープしたいペニントンのせめぎ合いとなる可能性が高そうだ。前戦でペニャは、ワキを開けてパンチを振り回して前に出ては、ヌネスに面白いようにカウンターを合わされ何度も倒されている。が、ヌネスほどの圧倒的な破壊力の拳やリーチの長さを持ち合わせていないペニントンは、いかにペニャの突進を止めるのか。

ペニャが組みつくことに成功すれば、次はペニントンの安定したディフェンスを、いかにペニャが攻撃的グラップリングでいかに切り崩すかの攻防となる。

もっとも技術的なこと以上に、互いの精神と肉体のタフネスのぶつかり合いこそがこの試合最大の見どころだろう。女子有数の頑丈さを誇り、被弾するたびに倍打ち返しては相手を削り続け、体力&根性の判定勝利を重ねるペニントン。やはり被弾上等の恐れを知らぬ突進と、問答無用の組みの圧力とノンストップ攻撃で相手を呑み込んでしまうペニャ。引退したヌネス、下の階級のシェフチェンコやグラッソのような洗練された技術を持っていない両者だからこそ、あのハウスでの日々以来、お互いが歩んできた11年間の集大成をぶつけ合うような闘いを期待したい。

■視聴方法(予定)
10月6日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前7時00分~U-NEXT


■UFC307対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
[挑戦者] カリル・ラウントリー(米国)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ラケル・ペニントン(米国)
[挑戦者] ジュリアナ・ペニャ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョゼ・アルド(ブラジル)
マリオ・バウティスタ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ケイラ・ハリソン(米国)
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・デリツ(ジョージア)
ケヴィン・ホランド(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)
イアズミン・ルシンド(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
イホール・ポティエリア(ウクライナ)
セザー・アルメイダ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)
オースティン・ハバート(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
テシア・ペニントン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
オヴァンス・サンプレー(タヒチ)
ライアン・スパン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
コート・マッギー(米国)

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【UFC307】オクタゴン2戦目、圧巻のリカバリー11キロ!! ケイラ・ハリソン「UFCタイトル戦はすぐに」

【写真】確かに柔道時代とはまるで輪郭も変わっている。これがMMAバージョンのケイラ・ハリソンだ (C)MMAPLANET

5日(土・現地時間)、ユタ州ソルトレイクシティのデルタ・センターでUFC307「Pereira vs Rountree」が開催され、ケイラ・ハリソンがオクタゴン2戦目をケトレン・ヴィエイラと戦う。
Text by Manabu Takashima

2度の柔道金メダリストからMMAに転向し、PFL女子ライト級を連覇。3連覇を逃し、PFLが女子フェザー級を新設するも参戦せず、UFCへ。そしてフェザー級を通り越し、バンタム級に落とすことを決めた。3月のUFC初戦で元世界王者のホーリー・ホルムを相手に圧巻のパフォーマンスを魅せたケイラはUFC世界女子バンタム級王者ではなく、王座をロックオンしている。


オクタゴンで戦った時は、きっと160ポンドに戻っていたはず

――今週末、UFC第2戦が控えています。今の気持ちを聞かせてください。

「最高ね。しっかり段階を踏んで、夢であるUFCチャンピオンに近づいているわ」

――UFC300という歴史的なショーでデビュー戦を戦い元世界王者のホーリー・ホルムを払い腰で投げ、マウントを取って強烈なパウンドからパームトゥパームで勝利しました。UFCでの勝利は、これまで主戦場してきたPFLでの勝利とはファンの反応が違うような感じはありましたか。

「そこは確実にあるわね。UFCは世界最大の団体で、MMA界の五輪よ。UFCに合流してからファンの反応は、跳ねあがったわ。子供たちとビーチにいると、高校生が『ケイラ・ハリソンでしょ?』って話しかけてきて、『すっごい勝ち方だったね』なんて言っているの。そんなこと以前はなかった。UFCは別世界ね。それで浮かれることはないし、自分の目的を達成するために戦うだけだけどエンジョイしているわ」

――元UFC世界王者からの勝利は、これまでの16勝とは違う自信を得ることができたでしょうか。

「そうね……ホーリーとの試合はUFC初戦で、あのビッグカードだし凄くプレッシャーを感じていたの。しかもバンタム級で戦うことも始めてだったし。そんなプレッシャーにさらされると、自分ができるのかって疑問を感じるようになるのが人間じゃない?  自分で口にしてきたことを達成できるのか……だからこそ、これまで以上に自分自身、自分のやってきたこと、チーム、コーチ達の言葉を信じて戦った。その結果の勝利で得られたモノは大きいわ」

――体重を落とせても、リカバリー後のパフォーマンスが重要になってきますが、試合を見る限りそこも問題なかったように見えました。

「リカバリーも完璧だったわ。バンタム級でも以前のように動けるか、正直をいえば自分でも疑問を感じていたの。でもスピードはあるし、圧力も力強さも感じることができた。オクタゴンで戦った時は、きっと160ポンドに戻っていたはずよ」

――えぇ、25ポンド(約11.3キロ)も戻せたのですか!!

「そうよ。最高のコンディションだったわ。チームのおかげよ。コンディショニングコーチ、栄養士、それにマイク・ブラウン、スティーブ・モッコ、柔道時代からずっと支えてくれているジミー・ペドロ。チームの皆を尊敬している。それに母もね。子供たちの面倒を見て、私を支えてくれた。本当に素晴らしいチームが、私を支えてくれている。チームがあったからこそ、あの勝利が実現したのよ」

――そして今回はケトレン・ヴィエイラと対戦します。ランク2位ですが、どのような印象を持っていますか。

「彼女は元世界王者やタイトルコンテンダーに何度も勝っている素晴らしいファイターよ。打撃もできて、レスリングも、柔術もできる。柔道も柔術も黒帯で、本当の意味でウェルラウンダーね。

経験豊かで、タフな試合もやってきている。でも全局面において、私の方が上回っている。打撃もテイクダウンも、グラウンドゲームも、もちろん柔道もね」

――過去の試合では彼女の柔道はゲームを支配するうえで大きな効力を持っていましたが、相手がケイラとなると……。

「私は6歳の時に柔道を始めて20年間、涙と汗、血を流してきた。彼女と私の柔道はレベルが違う、それは断言させてもらうわ。そして、彼女だって分かっているはず。彼女は私のようなレベルのファイターと戦う準備はできない。土曜日の夜は、UFCタイトル戦はすぐにやってくることを皆に証明するつもりよ」

――この一戦は事実上の次期挑戦者決定戦です。そしてラケル・ペニントンとジュリアナ・ペニャのUFC世界女子バンタム級選手権試合が、同じ日に行われます。挑戦するなら、どちらの選手が良いかを含めて試合の行方を予想をしてもらえないでしょうか。

「私はどっちが勝とうが構わない。なんなら一晩で2人と戦っても良いから(笑)」

――WOW。

「問題ないわ。ジュリアナはグラップラーに転じて、凄く良くなっている。従来の力を出せればジュリアナが勝つんじゃないかと思うけど、2年も試合をしていないと実際のところは分からない。負傷明けのファイトだしね。それにラケルはチャンピオンになったことが自信になり、力にもなっているはず。どっちが勝つかは分からない……し、別に気にしない。私はベルトを持っている選手と戦うだけだから。

私のゴールはUFCで戦うことでも、お金を稼ぐことでもない。それは私がUFCのチャンピオンになることも一部でしかないわ。土曜日の夜、そのゴールにまた一歩近づくことになる」

――ケイラは強者の印象が強すぎて、ファンは対戦相手の応援に回るような傾向があるかと。そんな会場の空気が感じられることはありますか。

「そこも楽しんでいるわ。私は輝きを消す存在なのよ(笑)。だからプレッシャーも感じているけど、ファンが私のことをどう見ていようが、自分が好きで1日、1日全力で取り組んできていることの成果を出すために、自分を全うするだけよ」

もうATTではなくてJTT

――気持ちが良い言葉です。ケイラ、最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「今、ATTは凄くたくさんの日本人ファイターが練習していて、もうAmerican Top TeamではなくてJTT、Japan Top Team……Japanese Top Teamよ(笑)。私は凄く日本が恋しいわ。すぐにでも、また日本に戻りたい。アリガトゴザイマシタ。オヤスミナサイ」

■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時30分~UFC Fight Pass
午前11時00分~PPV
午前7時00分~U-NEXT

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10.5『UFC 307』でラケル・ペニントン vs. ジュリアナ・ペーニャの女子バンタム級タイトルマッチ/モフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリング



 10月5日にユタ州ソルトレイクシティのデルタ・センターで開催される『UFC 307』でラケル・ペニントン vs. ジュリアナ・ペーニャの女子バンタム級タイトルマッチが行われることをSportsnetのアーロン・ブロンズテーター記者が確認したとのこと。

 ペニントンは1月の『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』で行われた女子バンタム級王座決定戦でマイラ・ブエノ・シウバに判定勝ちし新チャンピオンになって以来の試合で6連勝中。今回が初防衛戦。

 ペーニャは2022年7月の『UFC 277: Pena vs. Nunes 2』でアマンダ・ヌネスに判定負けし王座陥落して以来2年3ヶ月ぶりの試合。現在UFC女子バンタム級ランキング1位。


 同じく『UFC 307』でモフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリングのフェザー級マッチが行われることをMMAJunkieが確認したとのこと。

 エフロエフは1月の『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』でアーノルド・アレンに判定勝ちして以来の試合でプロデビュー以来18連勝中(UFC8連勝中)。現在UFCフェザー級ランキング5位。

 スターリングは4月の『UFC 300: Pereira vs. Hill』でカルヴィン・ケイターに判定勝ちして以来の試合。現在UFCフェザー級ランキング8位。続きを読む・・・
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【UFC297】ペニントンがシウバとのタフファイトを制す。判定勝利で女子バンタム級王座戴冠

<UFC世界女子バンタム級王座決定試合/5分5R>
ラケル・ペニントン(米国)
Def.3-0:49-46,49-46,49-45
マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)

ペニントンがジャブで前に出る。シウバは右カーフを蹴る。ペニントンはシウバのヒザ蹴りをとってケージに押し込む。シウバは態勢を入れ替えてヒジ打ち。距離が離れるとペニントンがワンツー、シウバはヒザ蹴りで迎え撃つ。ペニントンがシングルレッグに入ると、シウバはニンジャチョークを狙いつつヒジ打ち。首相撲からヒザ蹴りを突き上げ、そのままケージに押し込んでテイクダウンする。

シウバが立ち上がろうとするペニントンのバックに回ると、ペニントンはシウバを背負うように立ち上がる。シウバもそのままバックキープし、足をかけてグラウンドに持ち込む。残り30秒、シウバはRNCを狙わずにパンチを打ち込んだ。

2R、ペニントンがジャブからパンで前に出る。シウバはガードを上げて距離を詰め、左脇を差してペニントンをケージに押し込む。差し返したペニントンが逆にシウバをケージに押し込み、離れてワンツー。シウバは再び首相撲に捉え、ダブルレッグからケージに押し込む。

ここも離れたペニントンは左フックから右ストレートを当てると、パンチでシウバを下がらせる。このまま組んだペニントンはシウバをケージに押し込み、シウバはそれを離してパンチとヒザ蹴り。ペニントンは打撃ではなく組み選択するが、シウバがスタンドでバックをとってRNCへ。最後はぺニントンがシウバを前方に落として脱出した。

3R、シウバは右のカーフキック。ペニントンがジャブ・ワンツーで前に出ると、シウバが組みつく。四つ組みで互いにケージに押し込む展開のなか、シウバが投げを狙い、ペニントンが立ってくるところにニンジャチョークを狙う。これは極まらないが、シウバは首相撲と四つ組みからヒザ蹴りを突き上げる。さらに左ヒジを当て、ダブルレッグで押し込んでテイクダウンする。ここはペニントンが立ち上がり、距離とってブレイクを待つ。

ブレイク後、ペニントンがパンチで距離を詰め、シウバが首相撲にとらえると。ペニントンはボディアッパーを突き上げる。さらにペニントンがギロチンを狙うと、シウバが自ら下になる。シウバはガードポジションから腕十字を狙い、ペニントンはパンチを落とした。

4R、ペニントンが左フックから右。シウバも左ミドルを蹴り返し、前に出て組みつく。態勢を入れかえたペニントンはヒザ蹴りを入れる。シウバも首相撲からヒザ蹴りを返し、ここもスタンドでバックにつく。

シウバは足をかけて崩し、グラウンドでバックを取るとRNCへ。ペニントンがシウバを前に落とし、シウバのアームロックや腕十字をディフェンスしてトップキープ。足を大きく振ってパンチをフルスイングし、残り時間はトップキープからコツコツとパンチを落とす。

5R、ペニントンがワンツー、ジャブと左フックを当てる。シウバはジャブを当てて右のカーフキック。首相撲になるとペニントンがシウバをケージに押し込み、シウバがカニバサミのような形で足関節を狙う。それを潰したペニントンはマウントから肩固めを狙う。

シウバが半身になってガードに戻すと、ペニントンはパンチとヒジ打ちを連打する。立ち上がったペニントンは足を振ってパンチを落とし、ローを蹴りながら、パンチで飛び込んだところで試合終了となった。判定は3-0でペニントンが勝利し、女子バンタム級のベルトを巻いた。


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【UFC】速報中!UFC 297: Strickland vs. Du Plessis

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さてさて今日は堀口恭司プロデュースの格闘技イベント

【フェザー級】
×アーノルド・アレン
(判定0-3)
○モフサル・エフロエフ
1R、ジャブとボディを小まめに出して手数を稼ぐアレン。対するエフロエフは素早いタックルを仕掛けると2度目のトライでバックに周る。アレンは何度もローリングして脱出を図るが、エフロエフはその全てに対応してバックをキープ。圧倒的なレスリング力を見せてラウンドを終えた。
2R、タックル対策で腕を下げるアレン。警戒し過ぎてなかなか手数が出ない。逆にエフロエフはタックルで組み付きつつ、スタンドでもパンチを当てて飛び膝を見せる。さらに終了間際にはカウンターのパンチをヒットしてアレンをグラつかせたところでラウンド終了。
3R、後がないアレンは果敢にパンチを出していく。ボディを的確にヒットさせローも交えたコンビネーションでコンパクトにヒット。エフロエフがタックル。アレンはガブると中腰のエフロエフに対して膝蹴りを連打。しかしエフロエフの手がマットについているため反則となり試合は中断。エフロエフは頭部から出血。再開するとエフロエフはしつこくタックル。だがアレンは全て切ってスタンドの展開。打撃を当てつつエフロエフがタックルに来ると起死回生のニンジャチョーク!決まったかに見えたがエフロエフは回転して脱出し試合終了。判定はエフロエフだがアレンも見せ場を作った。すごく面白い試合!


【ミドル級】
○クリス・カーティス
(判定2-1)
×マルク・アンドレ・バリオー
1R、スタンドでの長いお見合いが続く立ち上がり。お互いに警戒して手数が出ない。中盤に入ってプレッシャーを掛けるのはカーティス。バリオーにケージを背負わせて細かいパンチを出していく。逆にバリオーは手数が少ない。会場からはブーイングが出始めてラウンドを終えた。
2R、バリオーが前に出て手数を出し始める。カーティスもカウンターで打ち返す。しかし積極性と手数ではバリオーが上手。お互いに決定的な場面がないままラウンド終了。
3R、オクタゴンの中央で至近距離打ち合う両者。互いにビッグヒットはないが至近距離でのフック、アッパー、肘などそれぞれ打ち合う。この展開になるとバリオーが上手か。泥臭く手数を稼ぐ。終盤にはカーティスがカウンターのアッパーでバリオーをグラつかせるが打たれ強い。最後は至近距離でお互いにパンチを打ち込んで試合終了。微妙な判定はスプリットでカーティスに軍配。


【ウェルター級】
○ニール・マグニー
(3R TKO)
×マイク・マロット
1R、終始スタンドの展開。左足を前に出すマグニーに対してマロットは的確にカーフキックを蓄積。何発も鋭角にヒットすると終盤には嫌がったマグニーが構えをスイッチする。マグニーはマロットの蹴りに合わせて組み付く場面はあったがマロットは冷静に脱出して大きな見せ場がないままラウンド終了。
2R、マロットはカーフキックではなくインローを蓄積。さらに前に出てきたマグニーをテイクダウン。ここは深追いせっずにスタンドも戻るとさらに外掛けから再びテイクダウン。すると肩固めを狙いつつマウントを奪取。パウンドを当てていくがマグニーは終了のブザーに救われた。
3R、開始直後に組み付いたマロットが簡単にテイクダウン。マウントからギロチンを狙うがマグニーは脱出してスタンドへ。しかし再び組み付いたマロットがまたしてもテイクダウン。しばらく膠着したが残り2分を切ってマグニーが立ち上がる。マロットがそれに合わせてギロチンを狙うがマグニーは気にせずテイクダウン。そのままマウントを取るとパウンドを乱射。嫌がるマロットのバックに周ると完全に身体を伸ばしてパウンド!残り10秒が迫ったところでレフェリーが試合を止めた!ベテランマグニーが大逆転勝ち!鳥肌立った!


【女子バンタム級王者決定戦】
○ラケル・ペニントン
(判定3-0)
×マイラ・ブエノ・シウバ
1R、シウバがカーフキックでリズムを作る。逆に組んでくるペニントンに対してニンジャチョークで切り返したり、首相撲からの膝蹴りで対抗。さらに逆にテイクダウンするとスルスルとバックに周ってチョークを狙う。立ち上がるペニントンの背中に張り付いてグラウンドに引きずり込むとバックをキープしてラウンドを終えた。
2R、序盤から組み付いてケージに押し込むのシウバ。テイクダウンを狙うがペニントンも堪えて差し合いが続く。一度は身体が離れるがシウバはしつこく組み付く。なんとか離れたペニントンはパンチの連打で前進。明らかにシウバは嫌がって後退。それでも組み付くと、またもスタンドでバックに周ってチョークを仕掛ける。あわやの場面だったがペニントンは耐え切ってラウンド終了。
3R、距離を詰めて組み付くのはペニントン。ケージ際で長い差し合いが続く。シウバは強引にニンジャチョークを狙うが不発。またしても長い差し合い。タックルでテイクダウンに来たシウバを潰したペニントンが上を取ってパウンド。だがシウバも下から腕十字を狙う動きを見せたところでラウンドを終えた。
4R、開始直後にパンチを当てたペニントン。しかし距離を詰めるシウバに捕まって差し合い。シウバはバックに周るとそのままグラウンドに引きずり込む。チョークを仕掛けるがペニントンは腕を外してスイープに成功。上をキープするがシウバは下から十字を狙う素振りを見せる。しかしペニントンは冷静に対処してパウンドを落としてラウンドを終えた。
5R、打撃の交差から組み付いたのはペニントン。ケージに押し込んで差し合い。上になったのはペニントン。肩固めを狙いつつマウントを奪取。肩固めは続けて絞め上げる。これは外れるが上からパウンドで削り続けて試合終了。このラウンドはペニントンが取ったか。微妙な判定はペニントンに軍配!新王者誕生です。


【ミドル級タイトルマッチ】
×ショーン・ストリックランド
(判定1-2)
○ドリカス・デュ・プレシ
1R、序盤は静かなスタンドの展開。ストリックランドはジャブを中心に手数を稼ぐ。中盤に入るとデュ・プレシがタックルでテイクダウン。しかしストリックラウンドもすぐに立ち上がってスタンドに戻る。終了間際にストリックランドがパンチをヒットさせてラウンドを終えた。
2R、やはりスタンドで手数を稼ぐのはストリックランド。長いリーチから左のジャブを着実にヒットさせる。デュ・プレシはプレスを掛けるがいなされる印象。しかし中盤に入るとデュ・プレシのパンチが伸び始める。さらに胴タックルでテイクダウン。だがストリックランドはすぐに立ち上がってスタンドの展開のままラウンド終了。
3R、パンチを振るって前進するとデュ・プレシだがストリックランドは素早く反応してかわず。デュ・プレシは手数を出すもののほとんど当たらない。逆にストリックランドは全く手数を出さない。様子を見ているのか。大きな展開がないままラウンドを終えた。
4R、やはりパンチを振るって前進するデュ・プレシ。当たっていないように見えているが、ストリックランドは目の周りと頭部から出血。さらにデュ・プレシは前進するとタックルでテイクダウン。しかしストリックランドはすぐに立ち上がる。スタンドに戻ると打撃の交差から再びデュ・プレシがタックルでテイクダウン。立ち上がるストリックランドの背中に張り付いてコントロール。残り1分で自ら離れてスタンドに戻りラウンドを終えた。
5R、ストリックランドは左のジャブを多用して手数を稼ぐ。パンチの交差から右フックも交えるがクリーンヒットしない。逆にデュ・プレシはパンチを振るいながら中盤に入って胴タックル。しかしストリックランドはこれを切ってスタンドの状態が続く。残り1分で激しい打ち合い。ストリックランドが左右のフックを振り回すがクリーンヒットなく試合終了。これまた微妙な判定はスプリットでデュ・プレシに軍配!新王者誕生!!