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【KO CLIMAX2024】KNOCK OUT UNLIMITEDに元UFC戦士カルロス・モタ&倉本一真参戦。栗秋&重森戦へ

【写真】野心的なカード。MMAファンにも気付きのある一戦となる期待が大 (C)KNOCK OUT & MMAPLANET

12月30日(月)、キックボクシングプロモーションのKNOCK OUTが横浜市中区の横浜武道館で開催するK.O CLIMAX 2024内でKNOCK OUT-UNLIMITEDルール3試合が組まれ、元UFCファイターで元LFAフライ級王者カルロス・モタ、そしてRIZINバンタム級戦線で活躍中の倉本一真が出場することが明らかとなっている。
Text Manabu Takashima

世界最強を目指し、ムエタイに傾倒。MMA台頭後は、常にMMAが頭にある山口元気氏率いるKNOK OUTで昨年より実施されるようになったUNLIMITEDルールは、打撃に特化したMMAといえるルールセットが用いられている。

MMAグローブ着用で3分3R制でスタンド、グラウンドのあらゆる状況でパンチ、蹴り、ヒザ、ヒジによる攻撃が認められる。つまりはサッカーボールキック、踏みつけ、パウンドもOKで、関節技&絞め技は禁じられているというモノ。

テイクダウン、投げ、スラムも認められているが、グローブやショーツ等を掴む行為は認められていない。ここはMMAと変わりない。ただし、膠着はスタンドもグラウンドもブレイクは早く、スタンドでの再開となる。

昨年12月9日に三上ヘンリー大智が同ルールで極真空手のパトリック・ケンソンと対戦し、左ストレートでダウンを奪い、サッカーボールキックから鉄槌&ヒジの連打でTKO勝ちを収めている。さらには今年の7月には中村優作が、第2代NOCK OUT-Black(ヒジ、クリンチやクリンチからのヒザ攻撃が禁止ルール)フェザー級チャンピオン栗秋祥梧と戦い、右ハイに反応した直後の左ストレートでKO負けをしている。


今回、その栗秋と対戦することになったモタはLFAでフライ級を制し、UFCにステップアップも初戦で判定負け。その試合のドーピング検査で陽性となり、何と2年という長期間のサスペンドをカリフォルニア・アスレチックコミッションから言い渡される。

モタの試合出場禁止期間は今年の10月の末に終了。同大会で栗秋と戦うMMAファイターをリストアップするために、北米有名ジムをリサーチしていたKNOCK OUTがBlackhouseの推薦を受けて来日が決まった。

MMA戦績8勝2敗のモタ、敗北はUFCでのコディ・ダーテン戦とLFAで現UFCフライ級のチャールズ・ジョンソンに喫したモノだ。モタは柔術も修得しているが、8勝のうち4勝がTKO勝ちで三角蹴りや前手=左で相手を倒しているストライカーといえる。

上記の三角蹴り、左以外に近距離でのボディへのコンビネーションや首相撲からヒザ蹴りも得意技だ。

とはいえ、あの距離で本職と戦うのは危険だ。栗秋の中村優作戦の戦いを見る限り、組まれたら早々のブレイクを念頭に置き、キックでの強さを前面に出して戦っていた。

(C)KNOCK OUT

それ故にモタが同じ土俵で戦うと危ない。

秋栗の近距離でのパワー溢れるハイキック、ボディ、そして左フックの餌食に簡単になってしまう可能性もある。

(C)LFA

モタとしては、まずはテイクダウンを狙うこと。

それもMMAで見せるローをキャッチしたり、そのタイミングでニータップ系のテイクダウンは蹴りに慣れるまでは封印し、ブレイク覚悟でまずはボディロックに取りたい。

中村のシングルからのボディロックをブレイクでしのいだ栗秋だからこそ、その組みの違いを感じ取り打撃の姿勢、そしてリズムが乱れることは十分に考えられる。仮に栗秋が腰を落としたり、距離を取るようになると、ハイも拳も威力が半減する。反対にテイクダウンを警戒させれば、モタとしてもMMAグローブで戦った来たキャリアが生きる打撃戦に持ち込むこともできる。

そのためにモタは、試合開始直後の集中力を最大限に引き上げる必要がある。安易なカーフは禁物。栗秋は打撃へのカウンターはお手のモノ。被弾するなら組み狙い。もちろんヒザで射抜かれる可能性もある。ただし、打撃へのカウンターを受けるよりも確立は下がることは間違いない。

パウンド、サッカーボール有りのUNLIMITEDという名称にモタ、そして重森陽太と相対する倉本も惑わされてはいけない。このクリンチの早さは、キックボクシングそのもの。MMAファイターはレスラー=倉本だろうが、ストライカー=モタだろうが、同ルール下でも変わらずMMAを戦うこと。キックをやろうとすれば、本職に適うわけがない。ここは慢心することなく、謙虚な姿勢を持つべきだ。

と同時に栗秋と重森がUNLMITEDルール用にアジャストした打撃を幾分でも武器として使えるのか。そこも注目だ。本職がこのルールを考え、テイクダウン有りを考慮した打撃を効果的に駆使すれば、今後のMMAに与える影響は少なからずあるはず。

(C)KNOCK OUT & MMAPLANET

なんといってもモタ×栗秋、倉本×重森というMMA×キックのマッチアップも試合内容は違ってくるはず。

そしてバズーカ巧樹×大沢文也というキックボクサー同士のUNLIMITEDルールの試合展開がどうなるのかも含め、MMAファンだからこそUnlimitedルールの楽しみ方のふり幅は大きい。今年3月のUnlimitedルール大会が時期尚早と判断し、6月の代々木大会でも結果として1試合しか組まれなかったUNLIMITEDルールだが、2025年は定期化&ボリュームアップが図れるという話も伝わって来るだけに、要注目のKNOCK OUT Unlimitedルールの3試合だ。

■視聴方法(予定)
12月30日(月)
午後1時30分~U-NEXT

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【RIZIN】速報中!RIZIN DECADE 追加対戦カード発表記者会見!


RIZIN LANDMARKが終わっていよいよ大晦日モード全開!3部構成で行われるRIZIN DECADEの追加対戦カードの発表記者会見が行われます。海外経由で安保瑠輝也×ライアン・ガルシアが半ば公然とリリースされていますが、果たして正式発表はあるのか。YouTubeを確認しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。

・RIZINウエハースは12月2日発売
・YA-MAN×カルシャガ・ダウトベック
・矢地祐介×桜庭大世
・上田幹雄×キム・テイン
・安保瑠輝也×ライアン・ガルシア(ボクシングエキシビションマッチ)

YA-MANとダウトベックが熱い!ダウトベックの打撃はホンモノのストライカーのYA-MANに通用するのか。スタンドだけならYA-MANがKOしても不思議じゃないけど、ダウトベックはテイクダウンに来る気もする。楽しみな一戦だ。
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【RIZIN】速報中!RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA

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【第1試合 キック 55kg契約】
×としぞう(フリー)
(判定0-3)
○JIN(楠誠会館/MA日本&ジャパンカップキック・バンタム級王者)
試合が動いたのは2R。JINがカーフキック、インローを蓄積させてとしぞうをグラつかさせる。それでも前に出るとしぞう。大きめのフックを振り回す。鼻先を捕らえるがクリーンヒットがないままラウンドを終えた。手数ならJIN、一発ならとしぞうか。
2R、やはりパンチの精度はとしぞうが上手。フックでJINをグラつかせる。それでもJINは止まらない。組み付くと首相撲からの膝蹴りで対抗。身体が離れるとお互いの左右のフックを振り回す。クリーンヒットがないまま試合終了。判定は手数で上回ったJINに軍配。


【第2試合 MMA フェザー級(66kg)】
×TATSUMI(NEX)
(2R TKO)
○平松翔(THE BLACKBELT JAPAN)
1R、開始直後から間合いを詰めるTATSUMI。組み付く勢いでフックを打ち込むと平松は後方にダウン。グラウンドで上を取るTATSUMI。しかし平松もすぐにスタンドに脱出。するとTATSUMIはすぐさま組み付く。ここは平松が突き放してスタンドの展開。お互い低いガードで打ち合う。平松は鼻から出血。TATSUMIもパンチを被弾してグラつくがラウンド終了まで打ち合ってラウンドを終えた。
2R、立ち上がりから至近距離での削り合い。平松はボディ、フックでグラつかせるがTATSUMIは打たれ強い。打ち返すとそのまま組み付いてテイクダウンに成功。しかし倒したTATSUMIから激しく出血。ここでドクターチェック。スローで見るとテイクダウンの間際に平松の肘がクリーンヒットしている。ここでレフェリーが試合を止めた。平松の肘が一発で切り裂いた。


【第3試合 MMA ヘビー級(120kg)】
○稲田将(ISHITSUNA MMA)
(1R アームバー)
×佐々木克義(GLORIA MMA GYM)
1R、開始直後から至近距離での打ち合い。稲田は組み付いてテイクダウンに成功。側頭部にパウンド。佐々木は何んとか堪えるが稲田が上を取る。ハーフガードからアームバー。佐々木は苦悶の表情を浮かべてタップ!稲田が一本勝ちです。


【第4試合 MMA バンタム級(61kg)】
○窪田泰斗(FourRhombus)
(2R TKO)
×日比野“エビ中”純也(ISHITSUNA MMA)
1R、開始と同時にパンチを振るって前に出る窪田。組み付いた日比野は足を掛けてテイクダウンに成功。窪田がすぐに立ち上がるが窪田はしつこく組み付いてまたもテイクダウン。上から腕を狙うが窪田は冷静に対処。日比野のタックルを潰して側頭部に肘を入れてラウンドを終えた。
2R、開始直後から日比野がイケイケ。積極的にパンチを出していくが、蹴りに合わせてカウンターで窪田のフックがクリーンヒット。ダウンした日比野に窪田がパウンドを浴びせるとレフェリーが試合を止めた!


【第1試合 MMA フライ級(57kg)】
×北方大地(パンクラス大阪稲垣組)
(1R TKO)
○アリベク・ガジャマトフ(ダゲスタン/KHKダゲスタン)
1R、散打出身のガジャマトフ。いかにも雰囲気のある佇まい。北方も負けじとコンパクトなパンチを打ち込む。しかし徐々にガジャマトフのペース。後ろ回し蹴りで北方の動きを止めると左右のフックにハイキックと畳みかける。ケージ際で組み付くと離れ際にフック。グラつく北方。さらに組みついて膝蹴りの連打。さらにフックを打ち込みケージの押し付けて左右の連打。そのまま寝かせてパウンドを打つとレフェリーが試合を止めた!フライ級にも外圧。衝撃の決着です。勝ったガジャマトフはマイクを握ってジョン・ドットソンに対戦アピール?


【第2試合 MMA バンタム級(61kg)】
○アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル/ボンサイ柔術)
(2R チョーク)
×山本聖悟(フリー)
1R、序盤から山本がスタンドで攻勢。カーフキックを的確にヒット。さらにボディを効かせてフックを打ち込むとヤマニハは千鳥足。山本は間合いを詰めて左右の連打。しかしヤマニハは組み付くとテイクダウンに成功。すかさずバックに周るとチョークを狙うが山本は最後まで堪えてラウンドを終えた。
2R、開始直後のスタンドの攻防。山本は裏拳。しかしヤマニハはバックに張り付いてテイクダウン。さらに上になって肩固め。しかし山本はスイープして脱出。だがヤマニハはしつこく組み付くとまたもテイクダウン。バックに周るとチョークで絞め上げると山本はタップ。ヤマニハが一本勝ちです。


【第3試合 MMA バンタム級(61kg)】
×白川ダーク陸斗(JAPAN TOP TEAM)
(判定0-3)
○マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)
1R、ガサンザデは距離を取りつつインロー、カーフを蓄積。白川が前に出てきたところを狙い澄ましたようなタックルでテイクダウンに成功。抑え込みつつ強烈なパウンド入れるが膠着してブレイク。スタンドで再開すると打撃の交差からまたもガサンザデがタックルでテイクダウン。立ち上がる白川の背中に張り付いて中腰の状態でコントロール。バックから膝を入れてラウンドを終えた。
2R、開始直後にガサンザデが片足タックルで組み付く。ケージに押し込むが白川はケージを背にして立ち上がって差し合いが続く。身体が離れると徐々に白川ペース。スタンドの圧力を掛けるとガサンザデは後退する場面が目立ち始める。逆に白川のパンチが当たり始める。それでもガサンザデは終了間際にタックルでテイクダウンしてラウンド終了。
3R、開始直後からガサンザデのタックルを切りまくる白川。一度はテイクダウンを許すがすぐに立ち上がってスタンドの展開が続く。それでもしつこいガサンザデは片足タックルでテイクダウンに成功。バックに周って白川を中腰の状態でコントロール。さらにバックチョーク。白川は脱出するがガサンザデは足にしがみついて動きを封じる。さらに背中に張り付いてコントロール。側頭部のパウンドを蓄積。最後まで白川の動きを封じて試合終了。判定はガサンザデに軍配。


【第4試合 MMA フライ級(57kg)】
×村元友太郎(ALIVE)
(判定0-3)
○トニー・ララミー(カナダ/マキシマム・トレーニングセンター)
1R、開始直後からララミーのカーフキックで白川は何度も腰砕け。さらにミドルもボディをえぐる。村元は組み付いて回避を図るがすぐに突き放してスタンドに戻る苦しい展開。さらにララミーはパンチも打ち込むと村元は防戦一方。背中に張り付かれ側頭部にパウンドを浴びるなどあわやの場面があったがどうにかラウンドを耐え抜いた。
2R、やはり前に出てくるララミー。左右のパンチを振る回してくると村元は後退。押されっぱなしだったが村元はタックルにいるがララミーの腰は重い。身体が離れるとララミーのミドル、カーフが連続でヒット。村元は防戦一方のままラウンド終了。
3R、開始直後に村元がタックルでテイクダウン。しかしララミーがすぐにスイープして脱出。スタンドに戻るとやはりララミーは左右のフックを振り回す。さらにタックルでテイクダウン。村元は下から腕十字を狙うがララミーは冷静に対処。結局最後まで主導権を渡さずに試合終了。判定はララミーに軍配。


【第5試合 MMA フライ級(57kg)】
×柴田“MONKEY”有哉(Team KIZUNA)
(判定0-3)
○ヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)
1R、序盤からプレッシャーを掛けるのはヒロヤ。カーフキックを軸に前に出てパンチを振るう。柴田はいかにもやりにくそう。タイミングを掴めないまま時間が経過。終了間際にヒロヤがパンチをヒットさせて差し合い。すると柴田が腰からの投げでテイクダウンの成功。すかさず足関節を狙うがタイムアップ。
2R、やはりスタンドでプレスを掛けるのはヒロヤ。大きな展開こそないがじわじわと前に出る。柴田は後退しつつ、中盤に片足タックル。組み付いて倒しにかかるがヒロヤは立ち上がってスタンドの展開が続く。終了間際に柴田が再び片足タックル。自ら下になって寝技に引き込む。ヒロヤは上からパウンドで削ってラウンド終了。
3R、開始直後のスタンドの攻防。ヒロヤのフックがヒットしたか柴田はダウン。しかしヒロヤは深追いをしない。スタンドに戻って再開。ヒロヤが前で出て打撃を蓄積させていたが柴田はタックルでテイクダウンに成功。残り30秒でパスガード。さらにマウントを奪取するがヒロヤは堪えて試合終了。判定はヒロヤに軍配。


【第6試合 MMA フライ級(57kg)】
○伊藤裕樹(NEX)
(3R TKO)
×イ・ジョンヒョン(韓国/チームAOM)
1R、緊張感溢れるスタンドの攻防。お互い積極的に手数を出す。伊藤は右のジャブ、カーフキックを的確にヒット。逆にジョンヒョンは組み付いて離れ際にフックを当てるなど五分の展開のままラウンドを終えた。
2R、やはり近い距離での打撃戦。序盤に伊藤の右ストレートがヒットしてジョンヒョンは砕け。しかしすぐに持ち直してスタンドの攻防。すると伊藤のローがローブローに入って試合は中断。再開すると前に出るのは伊藤。ケージに追い詰めると首相撲から肘の連打で手数を稼いでラウンド終了。
3R、伊藤は打ち合えというジャスチャーを見せて前進。無慈悲にパンチを出していく。距離が詰まると組み付いてテイクダウンに成功。上からパウンド連打。さらに膝蹴りで削ってバックに周る。腕十字のような体勢から肘を連打すると見かねたレフェリーが試合を止めた!伊藤が完勝です!


【第7試合 MMA ライト級(71kg)】
○キム・ギョンピョ(韓国/レッドホースMMA)
(1R TKO)
×倉本大悟(JAPAN TOP TEAM)
1R、開始直後にパンチを当てたギョンピョ。さらにタックルでテイクダウンに成功。すぐさまバックに周るが倉本は脱出に成功。スタンドに戻ると打撃の交差からまたもギョンピョがタックルで豪快にテイクダウン。またもバックに張り付く。チョークを狙いつつ、決まらないと見るやパウンドの連打。これが的確にヒット。動かない倉本を見れレフェリーが試合を止めた!ギョンピョ強い。。。


ここで榊原信行CEOが登場。大晦日の対戦カードを発表!久保優太×ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、さらに貴賢神×エドポロキングが決定しました。大晦日にしては対戦カード弱くない?


【第8試合 MMA フェザー級(66kg)】
×鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)
(判定0-3)
○秋元強真(JAPAN TOP TEAM)
1R、左右の連打から組み付いてきた秋元。スタンドでバックに張り付いてグラウンドに持ち込む。秋元は躊躇なく上からパウンド。鈴木は下から蹴り上げで対抗。だが秋元は冷静に捌いてパウンド。だが鈴木もガードを固めて立ち上がる。スタンドに戻ると秋元が左右のパンチを強振。しかしここも鈴木はガードを固めてラウンドを終えた。完全に秋元のラウンド。
2R、前に出る秋元。リーチ差を活かして的確にパンチを入れていく。本職のストライカーの鈴木に対して手数で圧倒。対する鈴木はパンチを被弾するが応戦。後ろ回し蹴りをヒットさせる場面も。しかし終了間際に秋元はタックルでテイクダウン。パウンドを当ててラウンド終了。
3R、開始直後からタックルでテイクダウンした秋元。決めに行くかと思いきや鈴木は立ち上がって脱出。スタンドに戻ると秋元がプレッシャーを掛ける。クリーンヒットこそないが手数で圧倒。後がない鈴木は事態を打開する事ができないまま試合終了。判定は秋元に軍配。ストライカーの鈴木を相手に真っ向勝負したのは強さの証。将来が楽しみ。


【第9試合 MMA ヘビー級(120kg)】
○スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED)
(3R TKO)
×加藤久輝(ALIVE/元HEAT MMAミドル級王者)
1R、プレッシャーを掛けるのはスダリオ。クリーンヒットはないが前に出て手数を出す。逆に加藤は飛び膝のような奇襲は見せたが防戦の場面が続く。やはりスダリオに前出られる圧力がハンパないのか。大きな手数がないままラウンド終了。
2R、やはり圧力を掛けるのはスダリオ。距離が詰まると組み付いてテイクダウンを狙うが加藤の腰は重い。スタンドの展開が続くと加藤のパンチでスダリオの目の周りが腫れていく。それでもスダリオは前進。終了間際の差し合いからスダリオがテイクダウン。上から肘を入れると加藤は額をカットして出血。ここでラウンドを終えた。
3R、後がない加藤が前に出てパンチを振るう。スダリオは圧力に押されて後退。しかし打撃戦の中で加藤の出血が酷くなり試合が止まる。ここでドクターストップ。スダリオのTKO勝ちです。


【第10試合 MMA バンタム級(61kg)】
×昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ)
(2R TKO)
○芦澤竜誠(フリー)
1R、開始直後からストライカーの芦澤に対して打撃戦を挑む昇侍。プレッシャーを掛けて前に出ると芦澤はサークリングして距離を作る展開。お互いになかなか攻撃を仕掛けられない。終了間際に昇侍がタックルでテイクダウン。ここは芦澤がすぐに立ち上がってラウンドを終えた。
2R、芦澤が圧力を強める。昇侍も臆せずに応戦。すると芦澤のパンチがヒットし始めて昇侍は後退。芦澤は間合いを詰めるとボディに膝を入れると昇侍はダウン。レフェリーが試合を止めた!


【第11試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg)】
○浜崎朱加(AACC)
(2R アームロック)
×シン・ユリ(韓国/チーム・ジーニアス)
1R、スタンドの攻防から間合いを詰める浜崎。足を掛けてテイクダウンに成功。浜崎は時間をかけてパスを狙うとマウントを奪取。しかしユリはすかさず脱出。スタンドに戻る。すると単発ながらユリの右ストレートがヒット。浜崎もパンチで応戦する素振りを見せる。最後はユリが右ストレートを連打で追いかける。浜崎はサークリングして回避しラウンドを終えた。
2R、開始直後からユリの前蹴り、右ストレートがヒット。嫌な展開だったが組み付いた浜崎が投げを放つ。ユリはバックに周りかけるが浜崎が腕を取ってアームロック。上になって絞め上げるとユリはタップ!浜崎が鮮やかに極めた!


【第12試合 メインイベント MMA フェザー級(66kg)】
○ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
(1R TKO)
×摩嶋一整(毛利道場)
1R、開始直後のスタンドの攻防。ケラモフの右フックが鈍くヒット。摩嶋は後方にダウン。ケラモフはすぐにパウンドと肘を放つと動かない摩嶋を見てレフェリーが試合を止めた!28秒の結末。。。
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【RIZIN LANDMARK10】フライ級がヤバい!! 伊藤裕樹戦へ、イ・ジョンヒョン「自分にとって丁度良い獲物」

【写真】伊藤の情報を入手しまくり。パチンコネタで計量を盛り上げた(C)SHOJIRO KAMEIKE

RIZINフライ級戦線が熱い。豊富な日本勢に加え、海外勢の来日が増えている。明日17日(日)に名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10にイ・ジョンヒョン、アリベク・ガジャマトフ、そしてトニー・ララミーが来日する。
Text by Manabu Takashima

ダゲスタンのガジャマトフ、カナダのララミーに続き、今回は韓国のイ・ジョンヒョンのインタビューを掲載したい。コロナ禍のK-MMAが生んだ新鋭は、3分✖3Rで寝技限定という速攻型&打撃重視のMMA=ARCで4連勝を飾り、ROAD FCにステップアップを果たす。ここでも3連勝、2試合がKO勝ちというレコードを築き、19歳の若者は自らを「天才」と呼ぶようになっていた。

しかし、Road to UFCでは初戦でマーク・クリマコに敗れ、母国での再起後は今年4月にRIZINに初来日をしたものの神龍誠にキャリア初の一本負けを喫した。この2つの敗戦で自らの力不足を実感したイ・ジョンヒョンだが、今回の伊藤祐樹戦には絶対の自信を見せ、ビッグマウスも復活している。

その自信の裏には、チームAOMのイ・ユンジュン監督の気持ちを削り続ける猛トレーニングが存在した。


──RIZIN LANDMARK10で伊藤祐樹選手と対戦するイ・ジョンヒョン選手です。MMAPLANETには今から2年半前に初めてインタビューをさせて以来の登場となります。当時は戦績7勝0敗でまさに怖いモノ無し状態でしたが、昨年のRoad to UFCで初めて挫折を味わいました。Road to UFCの経験は如何に生きていますか。

「あの負けは、しばらくはトラウマになっていましたね……。デビューから無敗で……ずっと勝っていたので、心が折れて。格闘技を辞めようかと思い詰めるような状況に陥っていました。

でも、せっかく始めた格闘技です。初心に返るということではないですが、やっぱり自分は格闘技が好きですし、自然とやりなおそうと思えるようになりました。同時にあの敗北から、自分はまだまだ十分でないことを学びました。誰にも負けない自信を持っていたのですが、経験、スタミナ、パワーと足らないところだらけでした。だからこそ、もっと頑張ろうと思えるようになれました」

──その後Road FCで一度戦って、今年の4月にRIZINに初来日を果たしましたね。それこそ前回のインタビュー時に那須川天心選手と戦いという発言も聞かれました。

「Road to UFCを選んだということではなくて、オファーがRIZINより早かったから出場しました。日本のMMAには強い選手が多いですし、RIZINで自分の力を見せたいと思ってRIZINで戦うことを決めました」

──そして強い日本人、神龍誠選手に敗れました。

「十分に勝てると思っていました。結果的にRoad to UFCの時と同じですが、自分はまだまだ不足しているところが多いと勉強させてもらいました。RIZINという大舞台、そしてリングで戦うことも初めてだったので、経験不足を感じましたね」

──テイクダウンのある相手に、自分の打撃ができない。マーク・クリマコ戦、神龍誠戦はそのように見えました。これらの敗北を経て、レスリングに力を入れるなどトレーニングに変化はありましたか。

「正直、Road to UFCの時に相手選手の戦い方が怖いと感じていました。チームも移ったばかりで慣れないことが多く対処しきれていなかったですし、レスリングが強いことを意識過ぎて、持ち味である打撃の威力が半減してしまっていました。それ以前に、自分のファイトスタイルは完成度が低かったです。ただ、神龍戦以降の練習で打撃の感覚も取り戻し、レスリングは攻めも防御も成長したので今回の試合は大丈夫です」

──以前はフリーで活動していましたが、Road to UFCの時は特定のジムに所属していたのですね。

「2年前は確かにフリーでした。今はイ・ユンジュン監督のチームAOM(Art of MMA)で練習しています。金曜日のプロ練習にはキム・スーチョル選手のような王者クラスの選手や、外国人選手も来ているので良い練習ができています。

フリーで出稽古をしていた時も、自分では頑張っているつもりでした。でも、結果的に追い込めていなかったことは多々あると思います。今はイ・ユンジュン監督から、しっかりとプロの一流選手と同じだけの練習を課されています。力を抜くことなど一切できない。もの凄く追い込まれています。その結果、ようやくMMAが少しだけ分かってきたような気がします」

──イ・ユンジュン監督はキム・スーチョル選手によると「メチャクチャ、追い込まれる」という話ですが、相当に厳しい指導者なのでしょうか。

「いや、スーチョルさんより自分の方がもっと鍛えられていますよ(笑)。スーチョルさんは体力面、自分は精神面で鍛えられてきました。試合は5分✖3Rです。でも、イ・ユンジュン監督は僕らに5分✖3Rのスパーリングを3本やらせてから、6分✖3Rのスパーをするように命じています。その間、相手は5人も入れ替わるんです。

そんなスパーを週に2度……続けていると、本当に気が狂いそうになります。結果、スタミナもメンタルもメチャクチャ強くなりました。なのでイ・ユンジュン監督には感謝しています。

試合まで3週間残っていますが(※取材は10月24日に行われた)、試合の心配だけでなく……明日も6分✖3Rのスパーリングの日なので……もう、そっちの方に気持ちがいってしまって憂鬱でしょうがないです(苦笑)」

──それだけ厳しい練習を繰り返していると、2年前のインタビュー時とは違う自信を手にできているのではないでしょうか。

「自分はRoad to UFCでも、神龍戦でも結果を残せなかったです。もうRIZINで戦う機会は与えられないかもしれないと思っていました。だから、伊藤選手との試合は自分のMMAファイター人生で本当に大切な試合になります。緊張感を持って、戦うことができるはずです。

伊藤選手はストライカーです。でも自分の打撃は以前より、ずっと成長しているので必ずKOします。それに次の試合はケージなので、伊藤選手に本当のMMAを教えてやります」

──その打撃ですが、イ・ジョンヒョン選手はスイッチヒッターで伊藤選手はサウスポーです。

「サウスポーは苦ではないです。打撃で、伊藤選手を圧倒できると思います。伊藤選手はRIZINの中ではストライカーで通っていますが、自分にとっては丁度良い獲物になりますね」

──サウスポーと対戦する時に、相手の前足の外に立って中心軸をキープしたいかと思います。つまりスイッチをすると、その中心軸が変わって来るので、逆に中心を取られることもあるかと思います。そうならないように構えだけでなく、スイッチすると位置取りも変えていますが、そこは自然に動けているのか、意識して動いているのでしょうか。

「無意識ですね。自分は背も低いですし、リーチも短いです。なので距離を詰めて、自分も相手のパンチを被弾する距離で戦います。なので、それだけ動かないといけない。動くから、あの距離で戦うことが可能になるんです」

──押忍。ではインタビュー時間が無くなってきました。最後に日本のファンにどのような試合が見せたいか。教えてください。

「神龍戦の後、組み技の克服に努めてきました。ただ、伊藤選手との試合はその必要がなかったと思うほど、伊藤選手は寝技が下手です。今回はケージですし、ベストバウトを戦うつもりでいます。2025年にRIZINでフライ級GPがあるならぜひとも参戦したいですし、キックでもシン・ジョンミン選手を破った那須川龍心選手と戦いたいと思っています。驚くほど沢山、応援してくれる日本のファンの皆さんに感謝しています」

■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)

<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)

<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)

<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)

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45 AB ABEMA DEEP DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK10 Road to UFC TATSUMI UFC YUKI アラン“ヒロ”ヤマニハ アリベク・ガジャマトフ イゴール・タナベ イ・ジョンヒョン キック キム・ギョンピョ シン・ユリ スダリオ剛 トニー・ララミー ヒロヤ ボクシング マゲラム・ガサンザデ マルコス・ヨシオ・ソウザ ライカ ヴガール・ケラモフ 上田将年 伊藤裕樹 佐々木克義 倉本大悟 加藤久輝 北方大地 堀口恭司 山本アーセン 山本聖悟 平松翔 摩嶋一整 昇侍 村元友太郎 泰斗 浜崎朱加 海外 白川ダーク陸斗 神龍誠 秋元強真 窪田泰斗 芦澤竜誠 鈴木博昭

【RIZIN LANDMARK10】ケージ大会でイ・ジョンヒョンと対戦、伊藤裕樹「僕は壁レスが好きなんですよ」

【写真】取材当日はネックスイチムエのチームメイトたちと壁レス~MMAスパーリングに臨んだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10で、伊藤裕樹が韓国のイ・ジョンヒョンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

伊藤は現在、RIZINで3連勝中。得意の打撃をベースとし、安定した試合運びを身につけた。それはMMAファイターとして着実に成長している証でもある。今回の国際戦をステップにして、堀口恭司を頂点としたRIZINフライ級の中で駆け上がっていくのか。そんな伊藤を所属のネックスイチムエに尋ねた。


MMAファイターとしてのグラフを考えると綺麗な形になってきた

――本日はネックスイチムエに伺っています。現在、MMAの練習もこちらが中心になっているのですか。

「基本はこのネックスイチムエと、小牧のネックス本部が中心になりますね。イチムエでは夜のキックボクシングのクラスで練習したあと、DEEPに出ている選手たちと一緒にMMAの練習をします。小牧は週2回——午前中の柔術と夜のレスリング、あとはMMAの選手練に参加しています」

――伊藤選手といえば打撃のイメージが強いですが、柔術の練習も見てみたいですね。

「道衣を着たら、ずっと動かされっぱなしです(苦笑)。ノーギ、グラップリングなら素早く動くことができるけど、道衣があったら自分の動きを止められちゃいます。

だけど柔術もMMAのためには、絶対に必要不可欠なもので。下からの攻めにこだわるわけじゃないけど、トップを取られた時の対処ができないと、試合では何もできないですからね。できないことを、なるべく少なくしていきたいです」

――テイクダウンディフェンスに長けているストライカーは多いです。しかし絶対にテイクダウンされないとは限りません。

「昔は――自分はストライカーだから、パンチやキックを極めれば良いやと思っていた時期はありました。でも、それだけではある程度のところまでしか行けない。自分も対戦相手が一定のラインを越えた時に、そう感じて。レスリングや柔術を鍛えるからこそ、自分の打撃が生きてくると思いますし」

――正直、気持ちと集中力で寝技を凌いでいる印象が強い時期もありました。それはそれで、余程の修羅場をくぐっていないと難しいことだとは思いますが……。

「アハハハ、そうですね。まだまだMMAとして完成はしていないですけど、『うまく回り始めたかな』と思ったのは、RIZIN佐賀大会の上田将年戦でした」

――というと?

「自分の組み技ってクセがあるんですよ。テイクダウンを切っても、切っただけになってしまう。組まれてもバックにつかせて逃げるのが得意だから、どうしてもすぐバックを見せてしまう。でも巧い人には完全にバックマウントを取られてしまうじゃないですか。そこでバックを見せずに、しっかり倒しに行くプランがハマッたのが上田戦だと思います」

――たとえフィニッシュにつながらなくても、一度バックにつかせてしまうと印象は悪いですからね。

壁レスでテイクダウンを切るだけでは終わらない練習——これこそ目指すTD防御(C)SHOJIRO KAMEIKE

「そうなんですよ。ずっとレスリングの練習も続けていたけど、なかなか練習していることを試合で出すのが難しくて。それが去年の山本アーセン戦の後ぐらいから、やっと試合で出すことができるようにはなりました」

――DEEPフライ級GPを経て、主戦場がRIZINへと移るなか、2連敗を経て現在は3連勝中です。その期間に何か大きな変化があったのでしょうか。

「先ほど言ったような……練習していることを試合でも出せるようになったんですけど、世間の評価は厳しいですね(苦笑)。やっぱりフィニッシュしないと『華がない』とか『塩試合しとる』とか言われて」

――MMAがスポーツである以上、まずはしっかりと勝つことが重要だと思います。特にここ3試合は伊藤選手も安定感が増してきました。ただ、フライ級GPで見せていたようなKO劇はなく、3連勝も全て判定勝ちではあります。その点について本人としては、何か思うところがあるわけですか。

「MMAファイターとしてのグラフを考えると、打撃、組技とか綺麗な形になってきたと思うんですよ。だから試合も安定はする。けど――何か突出している部分があったほうが、観ている人も面白いだろうとは感じますよね。でも自分が練習していることを試合でうまく出せるようになればなるほど、選手としては地味になっちゃうというか」

――とはいえ、何か一つの要素だけ突出していても、欠けている部分を突かれたら負けてしまいます。グラフで1点だけ突き抜けるとしても、他の要素が充実していないと意味はないでしょう。

「そうですね。やっぱり『地味だ』『塩試合』とか言われるのも悔しいし、そう言っている人たちを黙らせるには、勝ち方も重要だと思うんです。だけどMMAをやっていたら、どうしても一つの負けが大きくなってしまいますよね。そこを乗り越えて、どうやったらKO勝ちできるようになるかは考えています」

壁レスを練習し始めてから、逆に好きになって

――そんななかで次は韓国のイ・ジョンヒョンと対戦することになりました。正直なところ、RIZINで3連勝している伊藤選手は、フライ級の上位陣と当たるかと思っていました。

「う~ん、確かに海外のチャンピオンクラスと試合したいという気持ちはありました。そんななかでトップノイもイ・ジョンヒョンも去年のRoad to UFCに出ていて――弱い相手に勝ち続けることって、誰にでもできると思うんですよ。強い相手を呼んでもらって、注目を集めたところで勝ちたい。またRIZINも海外から選手を呼ぶことが増えているので、こういう相手に勝って世界にアピールしていきたいです」

――ただ、海外の強豪とギリギリの試合を展開すると……。

「また何か言われるでしょうね(苦笑)。そういう強い相手をバチッと倒せると、もう一段階上に行けると思っています。今の僕のイメージは、普段パチンコばかりして試合は……とか」

――そういえばMMA以外にパチンコ関連の活動もしていますね。SNSはパチンコの話題ばかりですが(笑)。

「あれが僕の素なんですよ。『パチンコ好きを演じているんじゃないか』って言われることもありますけど」

――試合でもパチンコでも、いろいろ言われているのですか。

「はい。僕はパチンコをしながらでもMMAで強い、というパイオニアになりたいです」

――ギャンブルに溺れることなく、MMAでも成功すると(笑)。

「僕は試合直前までパチンコをやっていたりしますね。追い込みの練習期間で、減量もあるなか家にいると、やっぱり邪念が入ってくる。そこでパチンコに行くと邪念もなく、戦っている気持ちのままでいられるんですよ。そういう意味ではパチンコに助けられています」

――なるほど。MMAの話に戻すと、前回の上田戦に続き今回もケージで戦います。伊藤選手の場合、足捌きからしてもケージのほうが得意なのだろうと思っています。

壁レスからパンチを生かした距離感、防御からの攻撃——伊藤の良さは次の試合でも発揮されるか(C)SHOJIRO KAMEIKE

「やっぱりケージのほうが、やりやすいですね。今日の練習でも見ていただいたとおり、僕は壁レスが好きなんですよ。ボクシングからMMAに転向した時、壁レスで倒されてばかりでした。それで壁レスを練習し始めてから、逆に好きになって。相手がグラップラーであれば、ケージのほうがやりやすいです。

次のイ・ジョンヒョンも最初はストライカーかと思っていました。でも韓国ではグラップリングの大会にも出ているみたいで。前回RIZINで戦った神龍誠が強すぎて何も分からなかったけど、何でもできる選手だと思って練習しています。次こそキッチリと倒したいですね」

――ここでイ・ジョンヒョンを倒したあと、先にはどのような展開を見据えていますか。パチンコはともかくとして。

「アハハハ。フライ級のチャンピオンは堀口恭司さんで、今回はフライ級の試合が多くて『堀口恭司包囲網』と謳われているじゃないですか。そのなかで自分はKO勝ちして、大晦日も出てから来年は堀口さんのベルトを目指したいです」

■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ RIZIN LANDMARK10対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)

<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)

<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)

<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)

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45 MMA MMAPLANET o Special UFC   ショーン・オマリー ジョゼ・アルド ボクシング マラブ・デヴァリシビリ ライカ 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥 良太郎

【Special】月刊、良太郎のこの一番:9月 マラブ×オマリー「二歩下がって一歩出る、マラブの制空権」

【写真】9月の一番は水垣・良太郎両氏ともにマラブ×オマリーをチョイス。ぜひ両者の言葉を読んだうえで、この一戦を再考していただきたい(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は良太郎氏が選んだ2024年9月の一番──9月14日に行われたNOCHE UFC 306のマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリー、水垣氏も選んだこの一戦を、水垣氏とは異なる目線で語ろう。

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:9月
マラブ×オマリー「マラブは変な人? だからあれをやりきれる」

――9月の一番、良太郎選手にもマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリーの一戦を選んでいただきました。

「打撃という部分にフォーカスして、この企画をやらせてもらっていて、この試合はストライカーVSストライカーではないんですけど、僕は指導する立場でもあるので、ストライカーにとっては嫌な展開を作られた試合でした。しかもこの試合はUFCが誇る超スター選手のオマリーvsオマリーのような華がはないけど実力があるマラブという図式もあり、試合前のトラッシュトークも含めて、こういう試合展開になることは予想していた人も多かったと思うんですね。純粋な打撃だけのスキルとは違う部分で、打撃にフォーカスする試合としてセレクトさせていただきました」

――オマリーのようなストライカーからすると、テイクダウンを狙ってくる相手に対して、どう打撃を当てるか。これはMMAにおける永遠のテーマだと思います。

「多くの人がマラブが無限のスタミナでひたすらテイクダウンを狙って削る、もしくはカウンターパンチャーのオマリーが打撃を入れる、そういう試合をイメージしていたと思います。そこでいうと僕はスタンドの距離=制空権が鍵を握っていると思いました。

 オマリーはロングレンジを活かした打撃を当てたくて、5Rに三日月蹴りを効かせた場面もありましたが、あの時点でオマリー自身がスタミナ切れしていて追い足がなかったですよね。ああやって三日月蹴りで削って、そこから打撃で仕留める展開に持ち込みたかったと思うのですが、その三日月蹴りを当てたのが最終ラウンドで、試合の残り時間とお互いのスタミナを考えたら、あそこから仕留めないといけないオマリーよりも、最悪くっついて逃げ切ればいいマラブだったら、マラブの方が有利でしたよね。

 1Rはお互いスタミナもある状況ですが、マラブが上下のフェイントで揺さぶりをかけて組みついてテイクダウンを仕掛けて。あれを凌ぐ攻防のなかでオマリーはかなりスタミナをロスしたと思います。オマリーはカウンターパンチャーなので、あそこでロングレングのパンチを射抜いたり、カウンターのヒザ蹴りだったりを当てられればよかったのですが、それが出来なかったですよね」

――なぜオマリーはそれが出来なかったのでしょうか。

「これは対戦した選手にしか分からないと思うのですが、おそらくマラブはスタンドの距離が独特なんですよ。オマリーもVSストライカーだったら、スイッチを使って体の軸を色々と使い分けながらパンチを打ち抜くので打撃のゾーンが広くて、距離が独特なんですね。ただこれがVSマラブになると、マラブは打撃が当たらない距離でステップしていて、そこからダッシュ力を活かして入ってくる。相手からするとマラブはかなり遠い位置に感じると思います。

 それが特に分かりやすかったのが4Rにマラブがテイクダウンを奪った場面で、1~3Rまでの動きを見ていてもそうなのですが、オマリーが一歩前に出ると、マラブは二歩下がるんです。そしてすぐに一歩前に出る。そうするとオマリーが一歩下がったとしても、そこはマラブにとってはテリトリー内なんです。4Rにオマリーがフェイントをかけて前に詰めようとしたところで、マラブにジャブから綺麗にタックルに入られてテイクダウンされたのは、その距離のトラップに引っかかったからですね」

――あのテイクダウンはメラブの距離とステップに要因があった、と。

「スイッチする選手はステップせずに歩きながら前に出られる分、どうしても距離設定が緩くなる場面があるんですね。今回はそこにマラブが打撃ではなくカウンターのタックルを合わせたという形ですね。しかも今回は5Rマッチでお互いスタミナを消耗していて、特にオマリーは後半のラウンドになると下半身からの連動で強い攻撃を出せない・追い足がない状態に追い込まれていました。

 3Rあたりはオマリーも距離を探れているのかなと思ったのですが、いかんせんマラブがさっきのステップインでオマリーの体力とやることを削っていたので、オマリーとしてはマラブの泥沼にハマっていった感じですよね。どこまでマラブが意識していたか分かりませんが、2Rにオマリーにキスして余裕をアピールして挑発したじゃないですか。ああいう心理戦の駆け引きもあったと思います」

――スイッチヒッターに対して打撃ではなく、タックルのカウンターを合わせたということですか。

「そうですね。オマリーがスイッチして一歩前に出て、マラブが一歩下がるだけだったら、オマリーがプレッシャーをかけられるんですけど、二歩下がるとプレッシャーがかからないんですよね。しかもそこからすぐマラブがステップインしてきて、距離を取ろうと思った時には、マラブにタックルに入られる距離になっているという。

 もしオマリーが1Rから組まれる覚悟でローで足を潰すとか、ヒザのフェイントを入れるとか、そういう選択をしていたら展開は変わっていたかもしれないです。オマリーもどうしても自分のパンチに自信があるから、制空権を支配したいという気持ちがあったと思うんですよね。それが今回に関してはマラブに遠い距離に居座られて、あのダッシュ力で距離を詰められる=制空権を支配できないという時間が長かったように思います」

――オマリーにとっては自分のやりたい攻防に持ち込めなかったわけですね。

「オマリーからすると相当やりづらかっただろうし、試合をしながらイライラしていたと思います。最後は体力的にいけなかったのもあるし、どうしても1Rから4Rまでの攻防で、打撃が当たらなかったら組まれる→トップキープされて時間を使われる→判定になったら負けるということも頭に刷り込まれていたと思います」

――またマラブはテイクダウン以外でかなり細かいパンチのフェイントを入れたり、目線を散らしたり、体を上下させたり、常に動き続けていますよね。あれは打撃の観点から見ていかがですか。

「あれはうざったいですね。フェイントには動くフェイントと動かないフェイントがありますが、マラブは典型的な動くフェイントで、常に上下に体を動かして、基本的にテイクダウンにつなげる打撃なんだけど、必ず当たる打撃も混ぜてくる。それでいて遠い距離にいるなと思ったら、ものすごいダッシュ力で組んできて、試合後半になっても疲れることなく、それを延々と繰り返してくるわけだから…ストライカーからしたらたちが悪いですよ(苦笑)」

――あのファイトスタイルだけだったら対応できるかもしれませんが、あれを5R続けられるスタミナがあることが厄介ですよね。

「はい。もしかしたらオマリー陣営は、さすがに後半は動きが落ちるだろうから、そこで勝負しようとしていたところもあったのかなと思うんです。競技は違いますけど、ボクシングの井上拓真×堤聖也みたいに、みんなさすがに堤選手は後半ペースが落ちると思っていたら、結局最後まで落ちなかったじゃないですか。ああなると対戦相手からすると手遅れなんですよ。しかもオマリーのようなカウンターパンチャーは、玉砕覚悟で前に出て打撃を当てるのが決して得意ではないので、後半のラウンドで一気に逆転という形にはならなかったですよね」

――ちなみにもし良太郎選手の選手あマラブと戦うことになったら、どういう作戦を立てますか。

「僕だったら…1Rはイーブンに動かせますね。結局マラブのリズムに合わせちゃうからやられるわけで、だったらこっちもあえて乗っかる。マラブと同じことをやるわけじゃなく、こっちはこっちで色んな打撃のフェイんをかけて動く。もちろんスタミナはロスしますけど、その方がマラブもマラブでやりにくいと思うんです。オマリーはどちらかと言うとフワフワ~と動いてドン!と当てるタイプですが、逆に最初からパンチとかヒザ蹴りをどんどん見せていった方がよかったかもしれないです。これもすべてたらればの話ではあるんですけどね」

――最近のMMAは判定で打撃・ダメージが重視されやすくなっていますが、UFCのチャンピオンの顔ぶれを見ると組み技系の選手も多いですよね。

「やっぱり時代は回るんですよ。そういうなかでイリア・トプリアのような選手がチャンピオンになるところが面白いですよね。ただUFCのトップレベルの技術を10段階で評価したら、すべての技術が7~8はあると思うんですよ。そのうえで10ある技術で勝負しているというか。トプリアやジョゼ・アルドのような純ストライカーに見える選手でも、元は柔術黒帯だったりするわけじゃないですか。

 きっとそれは練習環境が以前よりも整備されていて、自分にあったスキルを学べるコーチや指導者がいるから、ベースにある格闘技を活かしながらMMAファイターとして完成度を上げられるからだと思うんですよね。そういう部分でもUFCの試合を見ていくのは興味深いですし、これだけレベルが上がったもの同士が戦うのに『嘘だろ?』『こんなのある?』みたいなフィニッシュも起こるわけだから、純粋にUFCは見ていて面白いですよ」

――今回もたっぷり語っていただき、ありがとうございます!

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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:9月 マラブ×オマリー「マラブは変な人。だからあれをやりきれる」

【写真】ファイトスタイルそのものは疲れるスタイル。それを5Rやりきってしまうのがマラブの強さだ(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年8月の一番──9月14日に行われたNOCHE UFC 306のマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリーについて語ろう。


――9月の一番はマラブ・デヴァリシビリ×ショーン・オマリーの一戦を選んでいただきました。この試合はマラブの強さが目立った試合だったと思います。

「色々と僕の中でも見どころがあった試合で、マラブのようなタックルマシーンに対して、オマリーのようなストライカーがどう戦うのか。そこは自分自身の現役時代からの永遠のテーマでもあり、この試合でもそこを主に見たい、もっと言うならオマリーがどういう戦い方をするのかを見たかったんですね。結果的にはオマリーがストライカー病というか、マラブのタックルを警戒して手が出ないという、よくあるパターンにハマっちゃったなっていう感じでしたね。と同時に、このテーマはまだまだ続くなと思ったのが正直な感想です」

――試合全体を通して見ると、1Rに2回組まれてテイクダウンを許してしまったことが、2R以降の試合展開に影響を与えたと思います。

「ずばりそれだと思いますね。1Rが始まってテイクダウンされるまでのオマリーは、割と前蹴りだったり攻撃が出ていたんですよね。逆にマラブはいつもよりちょっとな控えめで、タックルに行きにくそうに見えました。でもそこで1回マラブがテイクダウンを取ったことで、徐々にオマリーの手が出なくなってきて。オマリーからすると打撃を出すとマラブに触れる、警戒して打撃を出せないというパターンにハマっていった印象です」

――仮に組まれたとしてもマラブのクリンチをはがしたり、完全には寝かされない状況を作っていれば違ったと思うのですが、しっかり組まれてしまった印象があります。

「そうなんですよね。結構ちゃんと組まれてしまって、その後のラウンドもすぐに立ち上がることができない展開になってましたよね。それだけ1Rにテイクダウンされた時に、もうテイクダウンされたくないなというのがオマリーの中で出てきちゃったんだと思います。マラブは割とテイクダウンしても相手を立たせるタイプなんですけど、オマリーは一度組まれて尻餅をつかされると、そのまま動きが止まったり、下になる展開が長かったように見えました」

――もちろんオマリーもレスリング・組み技への対応はできる選手だと思いますが、マラブのような超トップ選手との対戦は少なかったと思います。

「まさにそれもあって、正直過去の対戦相手を見ると、あまりマラブのようなタイプとはやってないんですよね。アルジャメイン・ステーリングとやった試合が初めてレスリングが強力な相手とやった試合だと思うんですけど、アルジャメイン戦も2R開始直後にパコーン!と一発で倒しちゃったので、レスリングや組みの技術をちゃんと見ることが出来ないままだったんですよね。そういう部分で、マラブとやってどうなのかなと思っていたのですが、 やや安易にグラウンドで下になったり、ガードポジションを取ったりしていて。オマリーはグラウンドで下からガンガン戦えるタイプでもないと思うのですが、そこで立ちに行く感じでもなかったので、組まれる・テイクダウンされるとキツいというのが見えちゃいましたよね」

――どうしてもマラブクラスのレスリング力がある選手と対戦すると、その部分で差が出てしまいますよね。

「そこは相性の問題もあると思います。ストライカーとレスラーは、単純に言うとどうしてもストライカーは相性が悪くて、その相性の悪さがもろに出ちゃったのかなと。例えばジョゼ・アルドやピョートル・ヤンがマラブとやった時、アルドは下がりながらテイクダウンに対処する感じで、テイクダウンは許さなかったんですけど、その代わりにケージに押し込まれ続けたんですよね。で、ヤンはスイッチを使いながら対応しようとしたのですが、マラブにそこを上回られてしまうという試合でした。じゃあオマリーはどうなんだ?というところだったのですが、結果的にオマリーはアルドやヤンのところまではいかなかったなというのが正直なところですかね」

――見ている側からすると、テイクダウンをディフェンスできないなら、打撃を思い切り当てにいくという選択肢はなかったのかと思うのですが、そこはファイター側からするとどうなのでしょうか。

「あとは一発を当てに行きたいは行きたいんですけど、結局そこで組まれちゃうんで。一発を当てるタイミングを探っているうちに結局(試合が終わる)なんですよね。ようは一発を当てるための距離になる=組まれる距離なので、行ったら組まれるという感覚もあるんですよ、タックル系の選手に対しては。だから一発を当てるための行き方が難しいんですよね、単純に思いっきりいけないという」

――その一発を当てるためには組み立ても必要だし、そうしているうちに組まれるリスクが大きいということですね。

「一発にかけるということは、ある程度の強打を当てて、その一発でKOするなり、ダウンさせるなり、大ダメージを与えるのが欲しいじゃないですか。リスクを追う分の見返りが欲しいというか。それに見合う一発を当てる距離まで詰めるというと、またそこですごく難しくなってきますよね」

――あとマラブの方もテイクダウン以外でかなり細かいパンチのフェイントを入れたり、目線を散らしたり、体を上下させたり、常に動き続けていますよね。

「動きそのものが多いですよね。絶対打撃が届かない距離でもシャドーボクシングやスイッチしたり、地味な動きなんですけど、それをずっと繰り返している。ただタックルだけ狙っているより、こういう動きをやられると嫌ですよね」

――相手からすると、あれだけちょこちょこ動き続けられると、フェイントだと分かっていても引っかかってしまうものですか。

「あとはやっぱりああやって動いている中で、本物と偽物の(動きの)違い、本当に来る時と来ない時って、 何もしないでバッ!と来るより、色々と動いてる中でバッ!と来る方が、対応も遅れると思うんですよね。そういう部分はあると思います。だからあれだけ目の前で動き続けられていたら、やりにくいと思いますね」

――オマリーも5Rに三日月蹴りを効かせる場面がありました。メラブは試合後に「効いていない」と言っていましたが……。

「あれは効いていたと思います。分かりやすくお腹をさすってましたからね」

――右の三日月蹴りをもらったあとのシーンですが、あの前の左の三日月蹴りも効いていたと思います。

「あれも絶対効いてましたね。ボディが効いたかどうかは本人しか分からないし、効いていても『効いてない』って言い張ると思うんですけど、セラ・ロンゴ・ファイトチームで一緒に練習していた(井上)直樹くんの話だと、練習でもマラブは腹を効かされていたことが結構あると言っていたんで、マラブは腹が弱いんじゃないか説も出てますね。だから試合展開や相性もあるんですけど、あれがもっと早い段階で来ていたら、面白かったのかなという気もしますよね」

――それまでの打撃とは違い、明らかにオマリーのプレッシャーがかかっていた時間でした。

「そうですね。あれはオマリーが5Rに判定で勝つのがほぼダメだろうと思っていた中での開き直りがあったから、また前に出始めたんだと思います。もうテイクダウンされてたとしてもしょうがないって気持ちがあったからこそ、もう1回(打撃を)作り直したんじゃないかなと思います」

――5Rに弱みを見せたメラブですが、あのテイクダウンを軸にしたファイトスタイル&無尽蔵のスタミナは真似できないですよね。

「あのスタミナは異常ですね。ファイトスタイルそのものは疲れるスタイルだと思うんですよね。今回の試合はトップを取ってからキープする時間が長かったですが、他の試合では結構立たせるんです。で、また倒す。倒して、立たせて、倒して…を繰り返して倒してテイクダウンの数で印象つけるみたいな、めちゃめちゃしんどい戦い方をしているので、それが出来るスタミナは尋常じゃないですね。対戦相手=タックル受ける側としては、やっぱりしつこくタックルを切って切って、マラブが疲弊してきてタックルに入れなくさせるというのも1つの作戦としてあると思うんですよね。ただマラブは疲弊しないから、その希望がなくなってしまうという」

――あれだけスタミナがあるとテイクダウンの攻防でマラブを疲れさせるという作戦もチョイスできません。

「テイクダウンそのものもバーン!と入って綺麗に倒しちゃうじゃないですか。一回ケージに押し込んで、低い姿勢でケージレスリングを頑張って倒すという展開が少ない。テイクダウン能力の高さも、マラブがバテにくい要素だと思います」

――水垣選手はどういうタイプだったらマラブを攻略できると思いますか。

「攻略法がなかなかないですよね(苦笑)。それこそシャーウス・オリヴィエラみたいに打撃があって、グラウンドで下になっても戦えるとか。そういうファイターだったら可能性があるのかなっていう気はするんですけどね」

――マラブとレスリング勝負できるか、レスリングそのものを捨てて勝負するか。

「そうなんですよ。さっきも話したようにジョゼ・アルドはほとんどテイクダウンを許していないんですけど、テイクダウンディフェンスするためにずっと押し込まれたままで判定負けしているんです。テイクダウンされないことに集中すると打撃が出せないし、相手がバテない限りは押し込まれ続けるので、ポイントを取られちゃいますよね。だからメラブ攻略は本当に難しいです。

あと試合とは関係ないですけど、メラブってちょっとおかしいじゃないですか。試合が始まった瞬間、オマリーのセコンドと言い合ったり、試合中にオマリーにキスしてハーブ・ディーンにめちゃくちゃ怒られたり。あとは試合前にインスタグラムで氷が張ってる湖に飛び込んで、練習でカットしたところを縫ってる動画をアップしてダナ・ホワイトに『アイツはレベルが違うバカだ』ってキレられてましたよね。普通はあんなことしないですよ(笑)」

――大分変わっていると言えば変わっていますね…。

「基本的に変な人なんだと思います(笑)。でも、だからこそああいうファイトスタイルをやりきれちゃうというか。普通は5Rマッチでああいう試合はやろうと思わないし、それをやっちゃうというのは何かぶっ飛んでる新しいタイプですよね」

――敗れた方のオマリーについても一言いただけますか。

「あと僕の中でオマリーとコナー・マクレガーを重ねていて、マクレガーもここで負けるだろうと思われている試合で勝ち続けて、オマリーもそういうキャリアだったと思うんですよ。マクレガーはネイト・ディアスに負けてライト級に上げてタイトルを獲っていますけど、最後はハビブ・ヌルマゴメドフにやられて、それからスーパーファイトを中心にやっていくスーパースター路線に行ったじゃないですか。じゃあオマリーはここで負けて、これからどうなっていくのかなと。そこにも凄く注目しています」

――さてマラブの次の挑戦者にとしてウマル・ヌルマゴメドフが噂されています。

「そこは僕、すごく楽しみなんですよ。ウマルもレスリング力があるから、そこでも勝負もできるし、打撃という部分ではウマルの方が上だと思うんですよね。だから打撃+レスリング力でどこまでマラブに対抗できるのかっていうところですよね」

――前回水垣さんにウマル・ヌルマゴメドフ×コリー・サンドハーゲンを解説していただきましたが、マラブよりもウマルの方が技の引き出しは多い印象です。

「例えばウマルが一回・一発のテイクダウン勝負で負けたとしても、そこからのスクランブル勝負で後ろに回るとか、下からでも組み勝つみたいなものを見せてくれたら面白いなと思います。何度か言っているようにマラブが立たせるタイプなので、仮にマラブに3回テイクダウンされても立ち続けて、逆にウマルがテイクダウンもしくはスクランブルで上を取ってキープする。それをしつこくやれば、ウマルも強いと思います。あとはクリーンテイクダウンできなくても、スタンドバックの攻防に持っていければ、ウマルがマラブにヒザをつけさせて殴って、もう一回立って打撃をやるとか、そういうことが出来れば、ウマルにもチャンスが出てくると思いますね。この試合はぜひ実現させてほしいです!」

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【UFC308 】展望 語学堪能=強さの秘密、王者イリャ・トプリア×拳で語る挑戦者マックス・ホロウェイ

【写真】ホロウェイはテクニックに裏付けされた喧嘩ができる男。王者トプリアはタフな終盤戦に持ち来れ込んだ時、喧嘩ができる気持ちの持ち主なのか(C)Zuffa/UFC

26日(土・現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビのエティハド・アリーナにてUFC 308「Topuria vs. Holloway」 が行われる。ロバート・ウィティカーとカムザット・チマエフによるミドル級戦をコメインとする今大会のメインは、無敗の新王者イリャ・トプリアにBMF王者マックス・ホロウェイが挑戦するフェザー級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

トプリアは2020年10月に、8戦全勝の戦績をもってUFCデビュー。当時は強力なテイクダウンから肩固め、RNC、ギロチン、ダースといった見事な首技の連携を駆使するハイレベルグラップラーのイメージが強かったが、やがて立ちで距離を詰めてからの強烈かつ正確無比な拳のコンビネーションでKOを量産するようになった。

昨年6月にはランキング5位のジョシュ・エメットと戦い、幾度となくダウンを奪って5R判定で圧勝、今年の2月に絶対王者アレックス・ヴォルカノフスキーに挑戦する機会を得た。2Rに王者の右ジャブをかわしたトプリアは、瞬時に距離を詰めて右ボディから左フック。次の右ストレートは外れたものの、すぐに角度を調整しての右フックが炸裂。パウンドフォーパウンドランキングのトップに君臨し続けていた世界最高峰のMMAストライカーを圧巻のコンビネーションで葬り去り、15戦全勝の戦績で(15歳の頃から住んでいる)スペイン初のUFC王座に輝いた。

対して生粋のハワイアンのホロウェイは、2016年12月にアンソニー・ペティスを倒してフェザー級王座を獲得。4度の防衛を重ねるが、2019年12月にヴォルカノフスキーに5R判定で敗れて王座転落した。

その後ヴォルカノフスキーに2度挑戦するもいずれも5R判定負けを喫し、王座復帰は遠のいたかに見えた。しかし昨年アーノルド・アレンとコリアンゾンビことジョン・チャンソンに完勝して健在を示すと、4月のUFC 300にて一階級上のBMF(Baddest Motherfucker=最高にヤバい奴)王者ジャスティン・ゲイジーに挑んだ。


ホロウェイは1R終盤にバックスピンキックでゲイジーの鼻を破壊すると、その後は打撃戦で終始主導権を握る。そして最終ラウンド残り10秒の時点でオクタゴン中央で床を指差し、俺と打ち合えと咆哮。それに応じたゲイジーが振り回す拳よりも高い回転力でパンチの連打を繰り出し、最後は右フックをスマッシュヒット。残り1秒でゲイジーが前のめりに失神するUFC史上最高のKOシーンをもってBMF王者に輝いた。

間違いなく自分が勝っている試合で、最後の10秒にて階級上の超弩級の強打者と足を止めて殴り合いを挑む──常人にはまったく考えられない、これ以上BMFに相応しい行動は存在しないほどの超BMFぶりを見せつけて会場を熱狂の渦に叩き込んだホロウェイは、その場で「エル・マタドールよ!」とトプリアのニックネームをコールアウトすると「お前はこのブルから逃げている! 145パウンドのベルトを賭けて俺と戦え!」と対戦表明した。

それに応じたトプリアは「ああ、ホロウェイと防衛戦をやろうじゃないか。ただし奴がBMFベルトも掛けた場合のみだ」と発言。しかしその案はUFCから却下されたのか、今回トプリアのフェザー級王座のみが掛かったタイトル戦が実現の運びとなった。

さて今回の試合に先立ち、UFCの企画にてトプリアの住むスペインとホロウェイの住むハワイを二画面で繋いでの同時インタビューが行われている。その際トプリアは、フェザー級ベルトだけでなくBMFベルト(のレプリカ)まで入手して部屋に飾って登場し「マックスは今回このベルトを掛けなかったけど、今回勝てば事実上俺がBMFさ」と不敵に微笑みながら挑発してみせた。

ホロウェイが「お前はそれわざわざ買ったんだろ、俺のファンだからだよな」と聞くと、トプリアは「ああ、正直ファンだったよ。あんたは俺ら新世代にとってのグレイト・イグザンプル(偉大なる模範)だった」とリスペクトを示す。が、その後は薄笑いを浮かべながら

「でも今は俺の時代さ。試合が終わったら、あんたが俺のファンになるだろうよ。そもそもあんたはキャリアで7敗。俺は無敗。戦ったらどうなるかは分かるだろ?」

「あんたが75分間も使ってできなかったこと(=打倒ヴォルカノフスキー)を、俺はたった7分間でやってのけたんだぜ」

「ところで俺は最近老人ホームをオープンしたんだよ。ヴォルクがすでに入居した。あんたにも一部屋用意してあるぜ。試合後すぐに放り込んでやるよ。あ、心配しなくてもいい、料金は一切無料だから」と知的にして絶妙に無礼な挑発を繰り返し、トラッシュトークに興味を示さないホロウェイを苛立たせたのだった。

さらにトプリアはホロウェイのBMF戦に触れて「ありゃすごく退屈だった。エキサイティングだったのは最後の10秒だけだ。戦略もテクニックもまるでない酒場の喧嘩だね。最後の10秒もそうだ。ゼロ・テクニックだ。俺みたいな技術とパワーを持った選手を倒すことはできないな。嘘だと思うなら、あれを俺らの試合の最初の10秒でやってみるってのはどうだい?」と不敵な提案をする。

そこでホロウェイが「そりゃお前にとってはなんとも都合のいい話だな。お前は試合ですぐに疲れちまう(get tired)んだから」と反応すると、トプリアは微笑みを崩さず「ああ、俺は確かにget tiredするよ。相手をKOすることにget tired(=うんざり)しているんだ。だから今回はあんたをサブミットすることにするかな」と言い返した。

第一言語ではない英語でのやりとりにおいて、この見事な切り返しは特筆に値する。実際トプリアはホロウェイに「何を言っているんだ、ちゃんと話せ」と言われた時にも余裕の表情で「おいおい、俺はあんたの言語で話してやっているんだぜ。じゃあスペイン語がジョージア(グルジア)語かロシア語かドイツ語で話そうか」と言うと、おもむろに(おそらくホロウェイには理解できないだろう)流暢なスペイン語を披露し、言語マウントを取ったのだった。

放映後、この両者のディベート対決(?)の勝敗を判定するメディアがいくつかあったが、ほぼ満場一致でトプリアに軍配を挙げていた。もっともホロウェイ自身が相手を言い負かすことに興味を示しておらず、勝敗を付けること自体に無理はある──とは言え、トプリアは母語でない英語を用いて、英語ネイティブのホロウェイを翻弄してみせた。

ジョージア系の両親のもとドイツに生まれジョージア、スペインと移住を繰り返す中で身に付けた多言語能力と知性は「俺は打撃、レスリング、グラップリングと全てにおいてネクストレベルにあるし、パワー、テクニック、ファイトIQとあらゆる面で卓越している」と豪語する新王者の強さの一端なのかもしれない。

閑話休題。

この試合に誰もが期待するのは、卓越した二人のMMAボクサーである両者による最高レベルの打撃戦だ。両者の戦績だけを見ると、本人が挑発的に語っていたように──ホロウェイが3回戦って倒せなかったヴォルカノフスキーをトプリアは2RでKOしており、新王者有利という見方が成り立つ。しかし両者と戦った張本人のヴォルカノフスキーが、この三段論法を否定してホロウェイ有利を予想している。

曰く「イリアには相性が悪い試合だと思うよ。マックスは5Rずっとペースが落ちないから、イリアが勝つには序盤でKOする必要がある。もちろんその力はあるよ。でもマックスはとにかく打たれ強いから、難しいんじゃないかな。テイクダウンディフェンスや立つ力も抜群だから、寝技でマックスをフィニッシュするのも困難だ。

そして、試合が長引くとイリアにはスタミナの問題が生じてくる。序盤はイリアがマックスの打撃をしっかりガードして有利に進めるだろう。でも相手がいつまでも倒れない、テイクダウンできない、自分の呼吸が上がってくる、となると話が変わってくるのさ。中盤以降はマックス有利になるだろうね。僕が思うに、一番可能性が高いのはマックスの判定勝利だ。あるいは4、5ラウンドにマックスが大量のパンチを当ててTKOするかもしれないね」

この前王者の鋭い予想にさらに注目点を付け加えるなら、それはスタンド戦における両者の距離とケージ上の位置取りだ。180センチの長身を誇り、自分のパンチが当たる絶妙の間合いを保つことに長けているホロウェイ。対する王者トプリアは身長173センチ。頭を振りながら間合いを詰め、懐に入り込んでのパンチコンビネーションを決め技とする。果たして自分の得意な距離を作るのはどちらか。

また、ホロウェイは(前回のBMF戦でゲイジーに大ダメージを与えた)バックキック、トプリアは強烈な右カーフを持っている。パンチの間合いの取り合いにおいて、これらの足技を両者がどう用いるかも興味深い。

そしてトプリアの拳が最も威力を発揮するのは──前戦でヴォルカノフスキーを倒した時のように──相手をケージ際に追い詰め、下がるスペースを無くした時であることに留意したい。アーノルド・アレン戦でスイッチや横への動きを巧みに使ってみせたホロウェイを、新王者がいかなるステップで金網を背負わせるのかは、この試合の重要ポイントとなる。

上述のように、トプリアは開始10秒間、ケージ中央での足を止めての殴り合いを提案している。対するホロウェイは「(BMF戦での)あの瞬間は理由があったから成立したんだ。エキサイティングな戦いで俺が勝っていたから、ジャスティンにチャンスを与えた。もともと彼が階級下の僕に戦うチャンスをくれたのだからね」と、理由もなく闇雲に打ち合うことには興味を示さない。

それでも世界最高のMMAボクサー二人によるこの試合が、開始直後からまったく目を離せないものであることに変わりはない。

■視聴方法(予定)
10月26日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
10月27日 午前3時~PPV
午後10時 30分~U-NEXT

■ UFC308対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] イリャ・トプリア(スペイン)
[挑戦者] マックス・ホロウェイ(米国)

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウィティカー(豪州)
カムザット・チマエフ(スウェーデン)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
レローン・マーフィー(英国)
ダン・イゲ(米国)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
ハファエル・セルケイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ミクティベク・オロルバイ(キルギス)
マテウス・レンベツキ(ポーランド)

<ヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
クリス・バーネット(米国)

<バンタム級/5分3R>
ファイト・バシャラット(アフガニスタン)
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
イズミール・ヌルディエフ(オーストリア)

<ウェルター級/5分3R>
リナット・ファクレトディノフ(ロシア)
カルロス・レアル(ブラジル)

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【Bloom FC03】3戦目で国際戦=ハ・テグン戦。荒木雄登「オールランダ―も格好良いけど僕はストライカー」

【写真】ウィッキー夫妻と荒木夫妻。平日の午前中に撮影のためにジムにきて、汗を流す仲間がいる。ウィッキージム、良い空気でした (C)MMAPLANET

明日27日(日)に福岡市中央区のアクロス福岡で開催されるBloom FC03。福岡をベースとした大会で、福岡✖韓国&フィリピンという国際戦が5試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

そのなかでキャリア3戦目の荒木雄登が、ハ・テグンと対戦する。20歳の時に上京、KRAZY BEEに所属するも首の負傷で実戦経験のないままUターンした。首の手術に成功し、昨年11月のBloom FC旗揚げ戦でTKO勝ちデビューを飾ったころ、西浦ウィッキー聡生が福岡でジムを開く準備をし始めた。

KIDに憧れ、アーセンと過ごし、ウィッキーの指導を受ける。そんな荒木のKRAZY BEEなMMAファイター人生を振り返ってもらい、今回の試合から今後に関して話を訊いた。


──Bloom FCでデビューし、3戦目で再びBloomで戦います。

「もともと20歳の時に上京してKRAZY BEEでMMAを始めたのですが、東京だとたくさん試合もありました。試合を戦う機会が多いことが上京した理由の一つでした。ただ、福岡に戻って来た時に試合数が圧倒的に少なくて、しっかりと考えてキャリアを積まないと大きな舞台で戦うことはできないなと考えていました。

そんな時にBloom FCの旗揚げ戦で戦わないかと声を掛けて頂き、これは本当に良い機会だと思いました。ここで良い試合をして、Bloom FCを盛り上げることができれば上の舞台に進めると。まずは地元の福岡で良い機会を与えてもらえたので、ここで花を咲かせようと思いました。

ただ福岡では知名度は上がってきたのですが、DEEPや修斗と比較すると格闘技界では名前は低いです。そこは悔しいので福岡から修斗やDEEP、パンクラスに負けない選手になって飛び立っていきたい。自分が先陣を切るんだという気持ちが以前より強くなっています」

──東京時代は山本アーセン選手と親しかったと伺いましたが、KRAZY BEEに入門したのは?

「やっぱり山本KID徳郁さんの影響です。亡くなられたKIDさんが大好きで。KIDさんのジムで強くなりたかった。KIDさんの魂を受け継いだKRAZY BEEで育ちたかったんです。実際KIDさんが格好良かったから、KRAZY BEEでは皆が格好良かったです。

東京では誰も知り合いがいなかった時に、アーセン君が一番最初に声を掛けてくれました。そこから、ごはんを連れていってくれたり力不足の僕を練習パートナーに選んでくれたり、本当によくしてもらって。僕はすぐに首を痛めて引退まで考えたこともありましたが、アーセン君も腰を痛めていて、色々と悩んでいたみたいで。アーセン君は『一緒に乗り越えようね』って僕の背中を押してくれて、本当にかわいがってもらいました。

KRAZY BEEではスタッフとして働かせてもらっていたので、ジムの近くに住んで朝9時30分から夜の10時までずっとKRAZYBEEにいました。結果として2年ほどの東京生活でしたが、ちゃんと格闘技に向き合いと思って手術に踏み切って。でも良い先生と出会うことができて、今があります」

──手術をするために福岡に戻ってきたのですか。

「いえ、手術は東京でやりました。でも首にコルセットをつけている状態で、家事もなかなかままならない状態でした。あの時、家族とも相談して一度福岡に戻って、これからを考えようと。2022年の年末に、こっちに帰ってきました」

──今、首の状態は?

「全く問題ないです。ただ、いつ再発するかは分からないので1試合、1試合が最後のつもりで戦っています。今は東京だとか、福岡だっていうことではなくて。どこで、どう自分が頑張れるのかが大切だと思っています。

しかも戻って来て1年もしないうちにウィッキーさんが、ジムを福岡に開かれて。東京でやってきたウィッキーさんが指導をしてくれるんで、東京と変わりなく練習ができています。こんな練習環境が整うことになるとは、福岡に戻ってきた時は思ってもいなかったです」

──プロデビュー戦は所属ジムが違っていました。

「ハイ。ウィッキーさんがジムを開く時に、物件やロケーションの相談をしてもらって。内見にも一緒に来ました。ウィッキーさんがジムを開くことを、その段階で教えてもらっていたので、もうワクワクしていましたね。

今では福岡でも練習環境は整ってきてはいるのですが、やはりKRAZY BEE繋がりということは大きかったです。KIDさんと一緒にやっていたウィッキーさんと一緒にやれて、今は本当に幸せです」

──そして、荒木選手が目指すのもKO勝ちできるMMAファイターなのでしょうか。

「そうですね。MMAは立ち技、打撃から始まりますし。それほどMMAのことが分かっていない人も見ていて面白いでしょうし。やっぱり打撃で一発KOをかまして、会場を盛り上げたい。オールラウンダーって呼ばれるのも格好良いのですが、僕はストライカーでいたいです」

──今回は初の国際戦。対戦相手のことは余り分かっていないのですが、極めが強いと聞いています。

「ハイ、極めに来ると思います。でも、打撃をバチバチ当てて初回でしっかりと倒します」

──今後のキャリアアップはどのように考えていますか。

「目指すのは日本の最高峰RIZINです。2戦目でLANDMARKで出させてもらって負けて……応援してくれる人たちの期待に応えることができなかった。あの悔しさは忘れていないですし、あの負けがあるからこそ練習にもより厳しく向き合うことができています。そうですね、Bloom FCでしっかりと結果を残し将来的にはRIZINの顔になりたいです」

──ところで新婚さんだと伺いました。

「ハイ。2カ月前に結婚しました」

──おめでとうございます。

「ありがとうございます」

──一緒に生きていく人ができて、より充実した格闘家人生を送ることができますか。

「そうですね。格闘技でなくても、何かに対して真剣に向き合っていると応援してくれる人なので。恩返しをしたいです。ただ、さっきも言いましたが……格闘技ですし、一発で終わることがあるかもしれない。そこで悔いを残したくないんで、やっぱり打撃で倒して1試合、1試合結果を残したいです。それが応援してくれる人達に対して、嫁さんに対しての恩返しになると思っています。

しっかりとKOで良い姿を見せたいという気持ちが、なおさら強くなりました。そんな僕の試合を見て、日々の活力にしてくれる人が増えてくれると嬉しいです」

■Bloom FC03視聴方法(予定)
10月27日(日)
午後1時15分~ Twit Casting LIVE

■ Bloom FC03主な対戦カード

<フライ級/5分3R>
上田将年(G-face TEAM/緒⽅道場)
アリエル・オリバース(フィリピン)

<ライト級/5分2R>
結城大樹(日本)
ソ・ジェファン(韓国)

<59キロ契約/5分3R>
永留惇平(日本)
マルヴィン・マルネス(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
荒木雄登(日本)
ハ・テグン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
水永将太(日本)
チョン・ウジェ(韓国)

<フライ級/5分2R>
平賀二郎(日本)
下田洋介(日本)

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DEEP MMA o PFL RIZIN UFC “ブラックパンサー”ベイノア ニュース ブラック ボクシング ライカ 修斗 宇佐美正パトリック 西川大和

【DEEP】西川大和電撃参戦!宇佐美正パトリックと激突!

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気がつけば2024年も10月後半。そろそろRIZINの大晦日大会が気になる頃ですが、それよりも前に格闘技ファンにとってのビッグニュースが飛び込んできました。12月8日にニューピアホールで開催されるDEEP 123 IMPACTに西川大和が参戦する事が発表されました。

西川はPFCなどを中心に経験を積んで修斗参戦後は連勝街道を爆進。ライト級王座を戴冠すると、トラブルで試合は行われなかったもののUFCと契約した日本MMA期待のZ世代の1人。最近ではPFLに参戦したものの2連敗を喫し、その後はムエタイの試合に出場するなどちょっと変わった動きを見せており、今後の進路に注目が集まっていました。

それがなんとDEEPに参戦。この流れはめちゃくちゃ熱い。どういう契約かはわかりませんが、結果次第ではその道は自ずとRIZINに続いているのは間違いないでしょう。30試合以上こなしているのにまだ21歳という若さは最大の魅力。しかもグラウンドで下から肘を乱射するなどセオリーを無視した破天荒なファイトスタイルも妙味。まだまだ成長するポテンシャルを秘めています。再ブレイクの期待大。

それに待ったをかける相手がまたすごい。いきなり宇佐美正パトリック(クレイス)をぶつけてきました。しかもDEEPで。。。これはもう贅沢な話です。ボクシング高校6冠を引っ提げたバキバキのストライカー。グラウンドに難があり、勝ち切れない試合が散見されますが、RISEで活躍するストライカー“ブラックパンサー”ベイノアをKOした打撃は魅力が詰まっています。

宇佐美は当然スタンド勝負を挑むはずですが、西川は打撃で応戦するのか、グラウンドに持ち込むかが勝負の分かれ目。打撃戦だと宇佐美、寝たら西川と見ていますが、果たしてどう出るのか興味は尽きません。もし西川が圧倒するよだと、RIZINライト級戦線が騒がしくなる事必至。面白くなってきました。