カテゴリー
45 AB DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS48 DEEP Tokyo Impact HIME INVICTA MANA MMA MMAPLANET o ONE ONE172 PFL RIZIN YouTube アドリアーノ・モライシュ エドゥアルド・フォラヤン ケイト・ロータス サダエ☆マヌーフ パク・シウ ライカ 万智 中井りん 修斗 大島沙緒里 彩綺 本野美樹 杉山しずか 東よう子 桐生祐子 若松佑弥 藤田翔子 重田ホノカ 青木真也 青野ひかる

【DEEP JEWELS48】前QOP重田ホノカが初参戦。Road to RIZIN第一弾はHIMEと。東よう子は2年4カ月振り

【写真】この試合は得意分野より、不得手分野での成長が問われる一戦か(C)MMAPLANET

20日(月)、DEEPより3月23日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS48の対戦カードが発表された。同日は恒例のDEEP Tokyo Impactとのダブルヘッダーで、JEWLES48は夜開催となる。
Text Manabu Takashima

昨日、修斗後楽園ホール大会で23日には新宿FACE大会が行われることが明らかとなっているが、この日は午後5時スタートでONE172がさいたまスーパーアリーナで開かれる。立ち技中心とはいえ若松佑弥がアドリアーノ・モライシュに挑戦するONE世界フライ級選手権試合や、青木真也×エドゥアルド・フォラヤンIIIIが組まれており、全くもって格闘メディア泣かせの1日になる。

そんな格闘の日のJEWELS48、前フライ級QOP重田ホノカが初参戦しHIMEと戦う一戦などアマを含め11試合が決定している。


プロ4戦目でベルトを巻き、昨年7月の初防衛戦で杉山しずかに敗れた重田はこの試合前から「自分の憧れはRIZINのベルト」と話し、ストロー級やスーパーアトム級で戦っていくことを明言しつつJEWELS参戦の青写真を描いていた。

そしてHIMEとの一戦は50キロキャッチウェイト、スーパーアトム+1キロとなっており、まさに重田にとって願ってもない体重といえよう。とはいってHIMEは厳しい相手になることが予想される。戦績5勝4敗ながら3年間、濃密な時を過ごしてきた。デビュー戦でケイト・ロータス、2戦目で藤田翔子に勝利すると3戦目で本野美樹に初黒星。しかし、4戦目で大島沙緒里に大金星を挙げ、3連敗を経験しているものの相手は万智、パク・シウ、中井りんという顔ぶれだった。

昨年9月には彩綺に殴り勝ち、拳の強さは絶対のHIMEは組みへの対応力も上がっている。これまで組み勝つ戦いをしてきた重田だが、HIMEのようなハードパンチャーは未経験だ。いきなりの猛者との戦い、それが重田にとってRoad to RIZINとなる。

(C)DAVE MANDEL/INVICTA FC

HIME×重田と並び3回戦で組まれたのはバンタム級の東よう子×MANA、青野ひかる×彩綺の49キロ契約マッチだ。

東は過去2年、PFLとInvicta FCで戦ってきたが健闘しつつも3連敗、2年4カ月ぶりのJEWELS登場でキャリアの再構築を図るMANA戦となる。

(C)SHOJIRO KAMEIKE & MATSUNAO KOKUBO

上記にあるようHIMEに殴り負けた彩綺は、桐生祐子を打撃で制し再起戦で勝利して今回の青野戦を迎える。

ねちっこい組みが信条で、昨年9月にはサダエ☆マヌーフとのグラップラー対決で生き残っている青野。いえばクラシカルなストライカー×グラップラー対決、自らの強い部分を相手に押し付ける我儘ファイトができた者が勝つ──そんな一戦になりそうだ。

The post 【DEEP JEWELS48】前QOP重田ホノカが初参戦。Road to RIZIN第一弾はHIMEと。東よう子は2年4カ月振り first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP DEEP JEWELS o RIZIN TATSUMI ライカ 元谷友貴 平松翔 瀧澤謙太

【DEEP】瀧澤謙太vs平松翔が決定

288: 実況厳禁@名無しの格闘家 2025/01/17(金) 17:22:03.09 ID:PYOBFMZT0



続きを読む
カテゴリー
45 AB ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2025#01 キック シモン・スズキ チャンネル ボクシング ムクロック ライカ 亮我 人見礼王 修斗 内藤頌貴 大竹陽 安芸柊斗 宮城友一 山上幹臣 当真佳直 泰斗 清水俊一 田口恵大 知名昴海 空手 西尾真輔 西條英成 関口祐冬

【Shooto2025#01】新人王トーナメント決勝で田口恵大と対戦、知名昴海「範馬勇次郎の強さに憧れました」

【写真】昴海と書いて「すかい」と読む(C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2025#01で、知名昴海がストロー級新人王を賭けて田口恵大と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

知名は2022年の全日本アマチュア修斗選手権にて、ストロー級で3位になり翌年プロデビュー。ここまで3戦全勝、全試合でフィニッシュして新人王トーナメント決勝に進んでいる。現在18歳の知名が、如何にしてMMAの道に進んだのか。新人王獲得を目指す知名に、これまでのキャリアを訊いた。


――知名選手は2006年7月生まれ。ということは現在、高校3年生なのでしょうか。

「はい。今は通信制の高校に通っています」

――通信制の高校を選んだのは、プロを目指してMMAに専念するためですか。

「そうです。中学を卒業する時にはプロになることを目指していたので、たくさん格闘技の練習ができる環境を探していました。そこで格闘技コースがある八洲学園という通信制の高校を見つけて。八洲学園には格闘技だけでなく、スポーツ関係の人たちが入学しています」

八洲学園大学国際高等学校:
八洲学園では高校卒業の資格取得と、他の資格取得や各種専門分野を学習することができる。なかでもトップアスリートの育成を目指したコースでは、格闘技(ボクシング・キックボクシング・MMA・空手)の練習をしながら高校卒業の資格を取得することができ、日本全国の道場・ジムと提携している。

――なるほど。格闘技を始めた時期やキッカケなどを教えてください。

「もともとは4歳の時に空手を始めて、小学生の時に柔術、そのあとキックボクシングを始めて最後にMMAです。空手は白蓮会館で――『実戦カラテ』という言葉に惹かれました。小さい時から強くなりたくて、それを親に伝えて空手の道場に通わせてもらうようになりました」

――4歳の時、何かに憧れて強さを求めたのですか。

「アニメで『グラップラー刃牙』を視て、範馬勇次郎の強さに憧れました。そこで空手を始めたんですけど、全部ある格闘技はMMAだと思って、最終的にはMMAをやりたいと思いました」

――主人公の刃牙ではなく、地上最強の生物=範馬勇次郎に憧れる4歳児とは!

「アハハハ、そうなんです。空手は4歳から小5までやっていました。MMAをやるためには寝技も必要だなと思って、小3から柔術の道場にも入っています。最初は那覇にあったアクシス系のククロス柔術アカデミーに入って、ククロスが閉館してからは北谷にあるカルペディエム沖縄に行きました。今MMAでやっている寝技の形は、ククロス時代に覚えたものですね」

(上写真)昨年4月に高橋佑太をRNCで下してプロデビューを果たした知名。(下写真)1年後の2戦目は、ふじい☆ペリーにツイスターを極めている(C)SHOJIRO KAMEIKE

――キックボクシングは現在所属しているDROPで?

「はい。小6の時に空手を辞めて、MMAのためにキックボクシングを習いたいと思って――代表の宮城友一先生がMMAのファイターだったので、中1からDROPに入りました」

――格闘技以外のスポーツ経験はありますか。

「いえ、格闘技だけで他には何もやっていなかったです。小さい頃からMMAのチャンピオンになりたいと思っていました」

――……一番驚くのは、試合の時はあれだけイケイケな感じなのに、インタビューでは圧倒的にトーンが低いですね。

「あぁ、すみません! インタビューに慣れていなくて(苦笑)」

――いえいえ。ケージの中ではあれだけ打ち合い、マイクでもアピールできるのに(笑)。

「アハハハ」

――プロデビューから1戦目と2戦目は落ち着いてグラウンドで攻め込んで勝利しています。しかし3戦目の友利瑠偉戦はフィニッシュこそRNCであったものの、開始早々は激しく打ち合っていました。正直なところ、もっとリスクを下げる戦い方もあったかとは思いますが……。

昨年11月の友利琉偉戦はRNCで仕留めたものの、序盤はド派手な打撃戦に(C)THE BLACKBELT JAPAN

「なんだか流れで熱くなってしまいました(苦笑)。3戦目の相手は、どちらかといえば寝技が得意な選手だと聞いていて。だから自分は打撃で行くと決めていました。でも相手が打ち合ってきた流れで――最後は組んで、相手も疲れていたので一本取れましたけど……」

――相手は寝技が強いと聞いていたのに、相手のほうから打ち合ってきたから自分も熱くなってしまったと。

「そうです(苦笑)。打ち合いがあったからか当日はベストファイト賞を頂きましたけど、試合後は『危ない戦い方だ』と父から怒られました。次の試合は冷静に、作戦通り進めたいです。……MVPも欲しいですけど、今後も負けずに無敗で進んでいきたいですね」

――お父さんも何か格闘技をやっているのですか。

「父は柔術の茶帯です。今はDROPで宮城先生とMMA&キックボクシングの練習をしているほかは、THE BLACKBELT JAPANとクロスラインで練習させてもらっています。あと空いている時間は、家で父と一緒に練習しているんです。柔術やグラップリングの練習ができるように家のベランダを潰して、マットを敷いてくれました(笑)。あと妹もMMAをやっていて――」

――もしかしてDEEPジュエルスで戦っている、同じDROP所属の知名眞陽菜選手は妹さんなのですか。

「そうです! 自分が格闘技を始めたあとに、妹も僕の真似をして同じ流れでMMAを始めました。今16歳で、DEEPジュエルスでは2戦2勝です」

――そうだったのですか。ともに無敗、いずれ兄妹同時チャンピオンが実現するかもしれません。

「そうなると良いですね。妹に先を越されないように頑張ります(笑)」

――妹さんも含めて、今は沖縄から多くのプロ選手が誕生しています。修斗でもストロー級ランカーは沖縄在住選手が多いです。

「そうですね。ストロー級の選手が多いから、良い練習になります」

――次の試合で新人王を獲得すれば、次は上位ランカーとの対戦が待っているでしょう。現在の練習仲間と対戦することは意識しますか。

「……そうですね。THE BLACKBELT JAPANの選手練習に参加させてもらうようになったのが中3の時でした。当時は練習していても、先輩たちには全然敵わなかったです。でも今は――去年ぐらいから、少しは追いつくことができているかなって思います。昔はスパーで毎回極められていたけど、今は僕が極めることもできていたりとか」

――昨年、ですか。昨年4月にプロデビューして以降、何か気持ちの面で変化があったのでしょうか。

「それはあります。選手練に参加し始めた頃、僕はまだアマチュアでした。だからプロの選手に負けるのは当たり前だと思っていて。だけど自分もプロになり、『しっかり対等に戦えるようにならないといけない』と考えるようになったんです」

――結果、新人王トーナメント決勝に進出しました。決勝で対戦する田口選手の印象を聞かせてください。

「相手はストライカーで、次は作戦どおり戦いたいです。熱くならないように」

――先ほど言われたとおり、ストライカーに対しては寝技で挑む、と。

「アハハハ、作戦は秘密です。寝技だけじゃなく、ストライカーと打ち合える自信もあります。でもまずは勝って新人王を獲ることが一番なので、勝つための試合をします。

新人王決勝は2Rプラス延長1Rがあります。3R戦うことも想定して、スタミナをつけてきました。きっちりフィニッシュして勝ちたいけど、まずは確実に新人王を獲ります!」

■Shooto2025#01 視聴方法(予定)
1月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2025#01 対戦カード
<世界フライ級暫定王者決定戦/5分5R>
関口祐冬(日本)
安芸柊斗(日本)

<環太平洋ライト級選手権試合/5分3R>
[王者] エフェヴィガ 雄志(日本)
[挑戦者] 西尾真輔(日本)

<ストロー級/5分3R>
当真佳直(日本)
山上幹臣(日本)

<ストロー級/5分3R>
泰斗(日本)
内藤頌貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
人見礼王(日本)
清水俊一(日本)

<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
亮我(日本)

<2024年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
シヴァエフ(日本)
手島響(日本)

<2024年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
田口恵大(日本)
RISING SUN
知名昴海(日本)

<2024年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
ヒカル(日本)
歩生(日本)

<2024年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
山本壮馬(日本)

<2024年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
宮口龍鳳(日本)
恵真(日本)

<ウェルター級/5分2R>
西條英成(日本)
ムクロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
御前昂史(日本)
菊西拓馬(日本)

The post 【Shooto2025#01】新人王トーナメント決勝で田口恵大と対戦、知名昴海「範馬勇次郎の強さに憧れました」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 Gladiator Gladiator029 Grachan MMA MMAPLANET NavE o YouTube   しゅんすけ キンコンカンコンケンチャンマン シンバートル・バットエルデネ ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ヅッキーニョス チャンネル パン・ジェヒョク ライカ ルキヤ 久保健太 井上啓太 井口翔太 今井健斗 修斗 八木敬志 古賀珠楠 吉田開威 和田教良 小森真誉 山上幹臣 岩倉優輝 桑本征希 森井翼 水野翔 海外 熊崎夏暉 田中有 田口翔太 秋田良隆 萩原和飛 野口蒼太 風我

【Gladiator029】オトゴンバートルと王座決定戦、今井健斗「今まで戦ってきた日本人選手とは一味違うぞ」

【写真】念願のタイトルマッチ、相手はオトゴンバートル……ここで気持ちも熱くなるのが今井健斗というファイターだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(日)、大阪府豊中市の176boxでGLADIATOR029が開催され、今井健斗がオトゴンバートル・ホルドバートルとのGladiatorフライ級王座決定戦に臨む。
Text by Shojiro Kameike

2021年7月のプロデビューから13戦目で、今井がベルトに挑むチャンスを得た。昨年5月、グラジ初参戦で元修斗王者の山上幹臣にTKO勝ち。柔道ベースの組技を生かし、山上戦を含めて現在3連勝中だ。ベルトを賭けて戦う相手は、猛威をふるうモンゴル勢の中でも将来が期待されるファイターの一人、オトゴンバートルだ。この強敵との対戦を前に、今井は自身のことを「ビビりです」と語った。その意味とは。


――タイトルマッチを控えるなか、SNSに「なかなか体重が落ちない」と投稿されてしましたね。

「あぁ、それですね(苦笑)。いつもより落ち方が良くないかな、というぐらいで。最終的には水抜きで落とせる範囲なので大丈夫です」

――今までも、それほど減量で水抜きはやっていないのですか。

「できるだけ水抜きで落とす量は減らしたくて――××キロ未満に抑えたいです」

――水抜きで××キロ以上落とすと、試合当日のコンディションが変わるのでしょうか。

「試合での動きが変わるわけではないですね。ただ、今まで水抜きで××キロ以上落とすと負けている、という変なジンクスがあって。だから、願掛けみたいなものです(笑)」

――なるほど。今回はオトゴンバートルとのフライ級王者決定戦が決まりました。まずオファーが来た時の気持ちを教えてください。

「もともと1月は別の海外選手と対戦する予定だったんですよ。それが選手の負傷とか、いろいろあったと聞いています。それで仕事中に代表(高瀬一平、マーシャルアーツクラブ中津川代表)から『オトゴンバートルとのタイトルマッチ』という連絡が来て、ビックリしました。

僕の中では、オトゴンバートルとベルトを賭けて戦うには、あと1~2試合は勝たないといけないと思っていました。グラジで1月、4月と外国人選手に勝ったら、6月あたりにタイトルマッチがあるかな――と。それがこの1月にオトゴンバートルとのタイトルマッチが組まれて、僕としてはラッキーです」

――それだけグラジのベルトに絡むのは先だと考えていたのですか。

「まだグラジでは2戦しかしていないですからね。でもフライ級戦線を見てみると、まずNavEさんが試合できない。それとクボケン(久保健太)さんと和田教良選手はオトゴンバートルに負けているし、僕しかいないだろうとは考えていました。ただ、さすがに1月はないと思っていましたね」

――逆に「あと1~2試合経験を積んでから……」と、今回のオファーを断ることは考えなかったでしょうか。

「その考えは100パーセントなかったです。もともと僕は今まで一度も試合を断ったことがないんですよ。オファーが来たら戦う。そこに偶然ベルトが付いてきたという感じで。偶然、対戦相手がオトゴンバートルだっただけですね。

それに自分が1~2試合やっている間にオトゴンバートルも試合を経験するだろうし、僕も強くなるけど相手も強くなる。だったら、いつ戦っても同じじゃないですか。それなら今やれる時にやりたいと思いました」

――心強い言葉です。改めてオトゴンバートルの印象を教えてください。

「前回の風我戦は「判定決着でしたけど、僕の中でオトゴンバートルの評価がさらに上がりました。和田選手やクボケンさんとの試合は、鋭いテイクダウンに入られることもなく、早期決着だったので何も分からなかったんですよ。でも風我戦は、良いタイミングのテイクダウンを切る、足を持たれた後の対処、長期戦になっても最後までスタミナが切れずに、しかも攻め切ることができる――思っている以上に強かったです(笑)」

――確かにそうですね。そして、まだどれぐらい強いのかが分からない状態でもあります。

「アハハハ、そうですね。風我の後に『怪我があって練習ができていなかった』というコメントがあったと思うんですよ。今回はベルトが懸かっているから、さらに良い状態で仕上げてくる。試合経験も積み、3Rも経験して、さらに強いオトゴンバートルになっている。だから僕は、オトゴンと戦いたいです」

――オトゴンバートル戦に向け、何か新しく取り組んでいることはありますか。

「もともと岐阜県多治見市にあるGSB多治見に出稽古で行かせてもらっていて、今は打撃のパーソナルトレーニングも受けています。もともと相手が打撃の選手なので、打撃をやろうと思いました。代表の梶田高裕さんから『こういうコンビネーションがあるよ』『こういう考え方もあるよ』と教わっていて。正直、今まで自分は打撃に関して感覚的にやっているところがあったんですよ。でも梶田先生の指導で、いろんな考えを頂いています」

――打撃は感覚的にやっていた……これまで打撃と組みでは、考える割合はどれくらい違いましたか。

「組み8、打撃2――ではないですね。組み9、打撃1ぐらいの割合でした」

――良かったです。「組み8」と言った瞬間に「えっ!?」と思いました。「いやいや、組み9でしょ」と(笑)。

「アハハハ! そうですよね。まだパーソナルトレーニングを受け始めて日は浅いので、まだまだ効果を実感するには時間が掛かると思います。でも今はとにかく新しいことが頭と体に入ってきています」

――それとSNSでは「フライ級の強い選手と練習したい」と投稿していました。

「そうなんです。今の環境で一緒に練習しているフライ級といえば、クボケンさんと前回一緒に取材してもらった廣瀬ぐらいで。二人ともストライカーだから、鋭いテイクダウンを仕掛けてくるタイプとかとも練習したいという気持ちがあります。

でも移動時間を考えたら、他県に行ってもその練習だけで1日が終わっちゃいますよね。それでは時間が勿体ない、と考えてしまうんです。だから、いつもどおり朝レスリングに行って、昼は所属しているマーシャルアーツクラブ中津川、夜がGSB多治見という練習スケジュールになっています」

――朝のレスリングというのは?

「中津商業高校のレスリング部が強くて、そこへ練習に行かせてもらっています。僕は中津商業高校の卒業生ではないんですけど、ジムの代表は顔が広くて」

中津商業高校レスリング部:
岐阜県の名門レスリング部。これまで高瀬代表も含め中部のMMAファイターがレスリングの練習に通っている。現在の成瀬一彦監督は中津商業から日体大に進み、元Grachanフライ級王者の鈴木隼人と同期。レスリング部ではキャプテンを務めた。

――純粋なレスリングのルールで、純粋なレスリングの練習をすることで、何か変わってきた面はありますか。

写真は2022年の岐阜県民スポーツ大会のもの。この時は中津川市チームが団体戦5位に。翌2023年は3位となっている(C)Kento Imai

「結構変わってきましたね。打撃が有る無いで距離も違うじゃないですか。僕もMMAレスリングは結構自信があったんですよ。でもレスリングをやってみると――打撃なしで、どうやってテイクダウンに入るんだろうか、って(苦笑)。でも、そこから崩しとか、いろんなことを教えてもらって。大学のレスリング部で練習させてもらっても、通用するようになってきて。レスリングの試合にも出させてもらったことがあります。岐阜県内のスポーツ大会で、団体戦ですけど3位になりました。最近はMMAでも、ようやくレスリングの成果が出てきているかもしれないです」

――打撃とレスリングの強化、それがMMAに繋がる試合に期待しています。次の大一番に向けて、意気込みをお願いします。

「オトゴンバートルはストライカー寄りのオールラウンダーみたいな感じで来るかなと思います。でも自分は今までアマからプロまで17戦やってきて、一度もKO負けしたことがないし、ダウンしたこともないし、クリーンヒットをもらったことがないんですよ」

――そうなのですね。体が強い、ということなのでしょうか。

「いや、ビビりだからですよ。相手のほうが打撃は強いなと思ったら、僕はすぐに切り替えちゃうので。打撃が強い相手を打撃で倒そうとは、絶対に考えないです。

そんな自分にとってオトゴンバートルは相性が悪い相手だとは思っていません。1月12日は『今まで戦ってきた日本人選手とは一味違うぞ』というところを見せて、岐阜にベルトを持ち帰ります」

■視聴方法(予定)
1月12日(日)
午後3時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
※メインカードのみ


■Gladiator029対戦カード

<Gladiatorライト級王座決定戦/5分3R> 
田中有(日本)
小森真誉(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定戦/5分3R>
今井健斗(日本)
オトゴンバートル・ホルドバートル(モンゴル)

<Gladiator暫定バンタム級王座決定戦/5分3R>
吉田開威(日本)
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R> 
パン・ジェヒョク(韓国)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<ライト級/5分3R>
チハヤフル・ヅッキーニョス(日本)
岩倉優輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
水野翔(日本)
桑本征希(日本)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
井口翔太(日本)

<ウェルター級/5分3R>
森井翼(日本)
井上啓太(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
藤原克也(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
花園大輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
コウ(日本)

<ストロー級/5分2R>
塩川玲斗(日本)
高橋佑太(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
八木祐輔(日本)

<バンタム級/5分2R>
野口蒼太(日本)
萩原和飛(日本)

<ウェルター級/5分2R>
後藤丈季(日本)
松生知樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
熊崎夏暉(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
キンコンカンコンケンチャンマン(日本)

<ライト級/5分2R>
藤井丈虎(日本)
健椰(日本)

<フライ級/5分2R>
岩崎圭吾(日本)
福島祐貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
原田康平(日本)
内田勇作(日本)

<OPバンタム級/5分1R>
岩田虎之助(日本)
小林龍輝(日本)

<OPライト級/5分1R>
LUCKYBOY慶輔(日本)
内山裕太郎(日本)

The post 【Gladiator029】オトゴンバートルと王座決定戦、今井健斗「今まで戦ってきた日本人選手とは一味違うぞ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB Breakthrough Gladiator Gladiator029 MMA MMAPLANET o YouTube   しゅんすけ キック キンコンカンコンケンチャンマン シンバートル・バットエルデネ ジャダンバ・ナラントンガラグ ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ヅッキーニョス チャンネル テムーレン・アルギルマー パン・ジェヒョク ボクシング ライカ ルキヤ 中村倫也 久保健太 井上啓太 井口翔太 今井健斗 八木敬志 古賀珠楠 吉田開威 吉野光 小森真誉 岩倉優輝 柏木信吾 栄養 桑本征希 森井翼 水野翔 熊崎夏暉 田中有 田口翔太 秋田良隆 竹本啓哉 萩原和飛 野口蒼太

【Gladiator029】令和の元寇、吉田開威と暫定バンタム級王座決定戦。シンバートル「羊肉と乳製品」

【写真】ムービーもスチールも関係ないと思われるほど、インタビュー中に動きがない。ある意味、モンゴルの不動心シンバートル(C)MMAPLANET

12日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR029でシンバートル・バットエルデネが吉田開威とGladiator暫定バンタム級王座決定戦を戦う。
Text Manabu Takashima

昨年10月にBreakthrough Combat旗揚げ戦では、キャリア3戦目ながら下馬評をひっくり返し吉野光に快勝したシンバートル。プロMMAデビューは2022年10月で、去年の5月には母国で元Gladiatorバンタム級王者テムーレン・アルギルマーを下している。

モンゴル相撲、レスリングをベースにMMAを戦うシンバートルはMMAの試合経験は少ない一方で、2023年と2024年の2年間でモンゴル国内ではキックボクシング、コンバットサンボでナショナルトーナメントで優勝し、散打とシュートボクシングで準優勝という結果を残している。

テイクダウン&グラウンドコントロールの強さで定評のある吉野の抑え込みを返したブリッジ、テイクダウンもしっかりと奪ったことで──僅か1試合で、国内での評価を絶対とした。

令和の元寇、盟友オトゴンバートル・ホルドバートル、ダギースレン・チャグナードルジと共にグラジのベルトをモンゴルに持って帰るべき戦うシンバートル。その強さの源はモンゴル相撲、羊肉、乳製品、そして乗馬だった。


モンゴルで漢として生まれたからには、モンゴル相撲と乗馬をするのが基本

――10月30日にBreakthrough Combat旗揚げ戦で吉野光選手に勝利し、一度は今大会で竹本啓哉選手戦のオファーがあったと伺っています。

「すぐにまた日本でデキることが決まって、信じられないほど嬉しかったです」

──吉野戦の勝利で、シンバートル選手の評価は爆上がりました。

「ヨシノ選手は、本当に強くて勉強になりました。そんな彼と良い試合ができて、良かったです。とにかく日本の人達に自分のことを知ってもらえて嬉しいです」

──あの試合、下になった時に右に左と逆方向にブリッジをして上を取っていた動きを中村倫也選手が絶賛していました。

「そうですか(微笑)」

──……(笑)。あのように相手を動かせて、上を取るということは練習でも意識しているのですか。

「抑えられた時に返す練習は、常にやっています。あの動きも練習通りの動きでした」

──凄まじい体力、そして体幹の強さを感じました。「羊肉を食らい、馬に乗った幼少期を過ごした選手は強い」。そんな柏木信吾氏の主張があるのですが、シンバートル選手も子供の頃に乗馬をされていたのでしょうか。

「乗馬はモンゴルの文化です。モンゴルで漢として生まれたからには、モンゴル相撲と乗馬をするのが基本です。自分はオブスゴル県という田舎で生まれ育ったので、馬に乗るのは生活の一部でした。今も田舎に戻ると、馬に乗っています。ナーダムのような特別な日には人間も馬も着飾っていますが、自分たちは子供の頃から暴れ馬を抑えることが役割だったので手綱も鞍もなく、裸の馬に乗っていました」

──それは……木登りどころでない、強靭な体を創り上げることができますね。

「(照れ笑いを浮かべるのみ)」

オトコンバートル こいつは質問しないと、返事をしないから(笑)。

──ハハハハ。なるほど、です。栄養価の高い羊の肉を食べて、裸の馬に乗る。よって強い肉体と絶妙なバランス感覚を養うことができたと思っていますか。

「その影響は大きいと思います。自分は勉強も好きでなかったですし、毎日のように草原で馬に乗っていたいという子供だったので。そして暇さえあれば、友達とモンゴル相撲をしていました。モンゴル相撲をして、羊の肉を食べて。お菓子も乳製品という生活をしてきたので、今の体が出来上がりました」

──そのモンゴル相撲の経験なのか、あれだけレスリングができても絶対的にアンダーフックという思考でもなく、クリンチの攻防でオーバーフックに取るところが、師匠のジャダンバ・ナラントンガラグに非常に似ていると思いました。

「それこそナラントンガラグ先生の指導の賜物です。アンダーフックを狙って来た相手の腕をオーバーフックで固定して、殴るんです。このオーバーフックはモンゴル相撲の一つの形ですね。相手の腕の自由をきかなくして、柔道でいう外無双や内無双を仕掛けるのがモンゴル相撲の特徴的な動きなので。そこはMMAでも使いやすいです」

自分はグラップリングでも打撃でも戦えるので

──そこにレスリングが融合し、かつ柔術的な動きが非常にスムーズだというのが──これも中村倫也選手のシンバートル評でした。

「自分のベースはレスリングですが、MMAはそれだけでは戦えないです。なのでグラップリング、柔術も凄く練習しています」

──それは道着を着ての柔術ですか。

「いえ、ノーギです。MMAのための練習なので、道着は着ません」

──では、次の試合に向けての話を聞かせてください。竹本選手との試合から、暫定王座決定戦で吉田選手と戦うというオファーを貰った時はどのような気持ちでしたか。

「自分はどのような試合でも受ける腹積もりでいます。なので対戦相手が代わっても、それほど影響はないです。それでもタケモト選手と戦う予定だったので、タケモト選手の映像をチェックして練習をしていました。タケモト選手に勝つために努力をしてきたのですが、やはり暫定王座を賭けて戦える方が嬉しいです」

──竹本選手と吉田選手、まるでタイプが違うファイターと戦うことになりましたが。

「確かにグラップリングが強い選手から、ストライカーに代わりました。ただ、特に問題ないです。自分はグラップリングでも打撃でも戦えるので。

(ここでインタビュー中に傍らにいたオトゴンバートルが、何やらモンゴル語でシンバートルに話しかけ)練習もいつも通りやっていますが、ヨシダ選手になったことで打撃戦の比重を増やしています」

──打撃で勝負をするつもりですか。

「今はまだヨシダ選手のことを研究中ですが(※取材は12月20日に行われた)、しっかりと対策を練って作戦を立てて戦います。ただ狙いはサブミッションです。レスリングやグラップリングを駆使して、一本勝ちをしたいです」

──吉田選手はKO宣言しています。

「KOですか(笑)。素晴しい意気込みですね。ただ、私も練習をしているので。試合でどちらが強いのか、。素晴しい戦いをファンの皆に見てもらいたいと思っています」

──今日はありがとうございました。ところでシンバートル選手はいつも、そんな風に無口なのですか。

「いやぁ……」

オトコンバートル 緊張しているだけよ。いつもは、こんなんじゃないので(笑)。

■視聴方法(予定)
1月12日(日)
午後3時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
※メインカードのみ


■Gladiator029対戦カード

<Gladiatorライト級王座決定戦/5分3R> 
田中有(日本)
小森真誉(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定戦/5分3R>
今井健斗(日本)
オトゴンバートル・ホルドバートル(モンゴル)

<Gladiator暫定バンタム級王座決定戦/5分3R>
吉田開威(日本)
シンバートル・バットエルデネ(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R> 
パン・ジェヒョク(韓国)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)

<ライト級/5分3R>
チハヤフル・ヅッキーニョス(日本)
岩倉優輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
水野翔(日本)
桑本征希(日本)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
井口翔太(日本)

<ウェルター級/5分3R>
森井翼(日本)
井上啓太(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
藤原克也(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
花園大輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
こう(日本)

<ストロー級/5分2R>
塩川玲斗(日本)
高橋佑太(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
八木祐輔(日本)

<バンタム級/5分2R>
野口蒼太(日本)
萩原和飛(日本)

<ウェルター級/5分2R>
後藤丈季(日本)
松生知樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆(日本)
熊崎夏暉(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
キンコンカンコンケンチャンマン(日本)

<ライト級/5分2R>
藤井丈虎(日本)
健椰(日本)

<フライ級/5分2R>
岩崎圭吾(日本)
福島祐貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
原田康平(日本)
内田勇作(日本)

<OPバンタム級/5分1R>
岩田虎之助(日本)
小林龍輝(日本)

<OPライト級/5分1R>
LUCKYBOY慶輔(日本)
内山裕太郎(日本)

The post 【Gladiator029】令和の元寇、吉田開威と暫定バンタム級王座決定戦。シンバートル「羊肉と乳製品」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP KNOCK OUT LFA MMA MMAPLANET o RIZIN UFC YouTube カルロス・モタ キック バズーカ巧樹 ボクシング ライカ 中村優作 倉本一真 栗秋祥梧 重森陽太

【KNOCK OUT】カルロス・モタと無制限キック戦で対戦。栗秋祥梧「MMAグローブはコツコツ効かせる」

【写真】MMAグローブで練習することで打撃の世界が広がる。栗秋がキックボクサーならではの視点でUNLIMITEDルールを語ってくれた(C)NAKAMURA TAKUMI

30日(月)、KNOCK OUTが横浜市中区の横浜武道館で開催するK.O CLIMAX 2024で、栗秋祥梧が2度目のUNLIMITEDルールに挑戦。元UFCファイターかつ元LFAフライ級チャンピオンのカルロス・モタを迎え撃つ。
Text Takumi Nakamura

立ち格闘技イベント=KNOCK OUTが導入したUNLIMITEDルールはMMAグローブ着用&3分3R、サッカーボールキック、踏みつけ、テイクダウン&パウンドが認められたキックボクシング無制限ルール。6月のKNOCK OUT代々木大会でこのルールに抜擢されたのが栗秋だった。

以前から身体能力の高さには定評があり、UNLIMITEDルールに向いているのではないかと言われていた栗秋。中村優作との一戦では中村のテイクダウンを切り、カウンターの左フック一発で中村をマットに沈め、UNLIMITEDルールでのポテンシャルの高さを見せつけた。そして今大会ではMMAファイターとしての実績も十分なモタと対戦。今後のMMA挑戦も見据える栗秋はこの一戦でどんなパフォーマンスを見せるか。


――今回が2度目のUNLIMITEDルールとなる栗秋選手です。公開練習時のインタビューで「MMA自体は結構好きで見ていた」と言っていましたね。

「MMAは好きですよ。選手のことは細かく分からないですけど、MMA自体には興味があってめっちゃ見てました。練習仲間でMMAをやってる選手もいるし、その選手の応援だったりでDEEPとかも何回か見に行ったりしています。MMAは面白いですよね」

――今年6月にUNLIMITEDルールに初挑戦しましたが、MMAをやってみたいという気持ちは昔からあったのですか。

「立ち技でちゃんと結果を残すまではそんなことなかったんですけど、KNOCK OUTのベルトを取って、一瞬でMMAもやってみたいと思いました」

――それは制限の少ないルールで戦ってみたかったからですか。

「そうですね。そうしたらUNLIMITEDルールが始まって、UNLIMITEDルールいいじゃん!と思いました。もしMMAにチャレンジするにしても自分は寝技が全然なんで、UNLIMITEDルールをやりつつ、寝技の練習も続けて徐々に徐々に(MMAに向けて)準備しようと思っています」

――MMAの練習を始めたのはUNLIMITEDルールの試合が決まってからですか。

「はい。組み技に関しては一般会員さんもいるクラスにも参加して…って感じで」

――6月の試合では中村選手のテイクダウンを切って、組みにも対応できるところを見せましたが、組みにも向いていると感じることはありますか。

「最初は『組みでもいけんじゃね?』と思っていたんですけど、本格的にMMAの練習を始めてからは、立ちからスタートしてるのに気づいたら寝かされて極められて……の繰り返しで、1回自信をなくしたんです。『俺(MMAには)向いてない』みたいな。でも自分のキャリアを振り返ると立ち技でも納得いかないことも多かったし、いろいろと失敗を重ねてきたんで、人に見られてないうちに、いっぱい失敗しておこうという考えに変わりました」

――もちろん一番はスタンドの打撃でフィニッシュすることが理想だと思うのですが、チャンスがあったらテイクダウンしてグラウンドの打撃で勝つこともイメージしていますか。

「そうですね。逆に最近はそういう練習をメインにやっていて。自分もある程度は立ちの打撃は出来るんで、そこから自分がタックルに入ったり、相手のタックルを切ったり、そういう練習を主にやっています」

――栗秋選手の話を聞いていても、MMAへの挑戦を考えているキックボクサーにとってUNLIMITEDルールはベストなルールですね。寝技を習得する前段階のMMAの動きを覚えられるというか。

「本当そうです。立ちに関しても距離感が全然違うから、そこもすごく勉強になるんですよね。特に中村選手は日本拳法出身で距離が独特じゃないですか。他のMMAファイターよりも、さらに遠く感じるというか」

――UNLIMITEDルールでいきなり中村選手が相手となると、それまで戦ってきたキックルールとは距離感が全く違うでしょうね。

「逆に言うと他の選手たちはまだまだ近い距離でやっているのかなと思いますよね。(MMAやUNLIMITEDルールだったら)そういう遠い距離でやるのもありなんじゃないかなって思うし、そこは色んなパターンを想定しながら練習しています」

――UNLIMITEDルールをやったことで、打撃でも見える世界が広がったんじゃないですか。

「そうですね。結構打撃がすごく見えやすくなって。逆に10月にKNOCK OUT-BLACK(キックルール)でチュームーシーフーと戦ったときは最初困ったんですよ。チュームーがガンガン距離を詰めてくるから、見えづらいと思っちゃって」

――UNLIMITEDルールで中村選手と戦ったあと、組みやヒジがないKNOCK OUT-BLACKルールで距離を詰めるタイプのチュームーシーフーというのは、距離感を合わせる作業に時間がかかったと思います。

「あとMMAは距離を変えるのもそうですし、正直思い切り(パンチを)振らなくても倒せると思うんですよ。最近で言うと平本(蓮)選手とか篠塚(辰樹)選手とか芦澤(竜誠)選手とか。思いっきり体を振って振りに行かずに、コツコツ細かい打撃を当てて効かせて最後は倒す。そういうMMAグローブで当てる距離を分かってると思うんですよ」

――MMAグローブは一発じゃなくて正確性と数で効かせることができる。と。

「そこを知ってっていうか、そこを分かってやりやすくなりましたよね。あの距離はタックルも切りやすいし。逆にMMAでもフルスイングでパンチを当てる(鈴木)千裕はすごいですよ」

――なるほど。

「みんな千裕はストライカーのイメージが強いと思いますが組みも強いですからね。触れられたら終わりくらいの感じでやられます(苦笑)。だから千裕とやるとMMAで何が大事か分かりますね。特に距離感の部分で」

――キックルールで首相撲があっても基本的に組んだら攻防が終わりますが、MMAやUNLIMITEDルールではそこから組みの攻防がありますからね。

「でもMNAの距離感が分かり始めると、すごく楽しいですよ。練習を始めた頃は一般会員さんのタックルも切れなかったけど、今はタックルも切れるし、自分からタックルも取れるんで。そのなかで打撃も活かせるようになってきたから、最近の成長ぶりがやばいですよ。そのくらい(MMAは)距離感が大事なんだなと思います」

――今回対戦するカルロス・モタはMMAファイターでもなかなか戦うチャンスが巡ってこないような実績を持つ選手です。対戦相手としてどんな印象がありますか。

「身体能力が高くてバネがあってポテンシャルが高い選手だと思います。ただ気持ちが弱そうなので、自分がしっかりKOしますよ」

――この試合の結果によっては色んなチャンスにつながると思います。栗秋選手は鈴木選手のようにキックとMMAの二刀流でいくことが理想ですか。

「そうですね。実は中村選手とやる前に組みや寝技の展開が分からなくて怖いから、会長(山口元気)に『アマチュアのMMAの試合に出させてください』ってお願いしたんですよ。そしたら会長から『さすがに駄目でしょ』と止められて。それで『だったら僕は一発も打撃を出しません。打撃の間合いと組まれる感覚と寝技の展開を知りたいだけなんで』と粘ったんです。それから会長も色々と考えてくれたみたいなんですけど、やっぱりアマチュアの試合に出るのは難しかったみたいで」

――そんなことがあったんですね。

「中村戦が終わってUNLIMITEDルールのアマチュアも始まったんで、一応会長に『そっちはどうですかね?』と相談してみたんですよ。速攻で『プロでやったんだからダメだ!』と言われましたけど(笑)」

――それは…そうだと思います(笑)。

「だから今の自分はUNLIMITEDルールやるにしてプロの実戦の場しかないので、そういう不安はすごくあります。プロレベルのMMA選手たちと戦えばタックルのスピードや入り方も違うだろうし、そもそもあんな薄いグローブで殴り合うのも最初は怖かったんですし。ただそこを知らない強みもあると思うので、自分は思い切り戦いたいです」

――UNLIMITEDルールに挑戦したことで格闘家としての幅が広がったようですね。

「そうですね。そこが自分の強みにもなってるし、自信になってるんですよね。僕は格闘家は自信がなくなったら勝とうが負けようが終わりだと思っているんで、僕はこれからも自分を信じて戦おうと思っています」

――今大会ではRIZINから倉本一真選手が参戦したり、重森陽太選手などキックボクサーのUNLIMITEDルールへのチャレンジもあったり、これから色んな競技の選手たちがUNLIMITEDルールに集まってくることになりそうですね。

「それが楽しいですよね。これは僕のイメージですけど、UNLIMITEDルールやMMAをやりながら、KNOCK OUT-BLACKの防衛戦をやっていくという感じでいきたいですね」

――逆にUNLIMITEDルールやMMAの試合をやることで、打撃だけの試合をやりたくなるかもしれないですよね。これまでの逆で。

「そうそう。色んなことができるから楽しみですね。それが一通り終わったら次は柔術かなって」

――柔術にも興味があるんですか。

「格闘技人生の最後は打撃がない・危なくない柔術をやるのもいいじゃないですか(笑)。そんな感じでこれからもたくさん挑戦していきます!」

■視聴方法(予定)
12月30日(月)
午後1時30分~U-NEXT

■ UNLIMITEDルール対戦カード

<58キロ契約/3分3R>
栗秋祥梧(日本)
カルロス・モタ(ブラジル)

<61.5キロ契約/3分3R>
重森陽太(日本)
倉本一真(日本)

<63キロ契約/3分3R>
バズーカ巧樹(日本)
大沢文也(日本)

<65キロ契約/3分2R>
木村亮彦(日本)
平石公介(日本

The post 【KNOCK OUT】カルロス・モタと無制限キック戦で対戦。栗秋祥梧「MMAグローブはコツコツ効かせる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB KNOCK OUT LFA MMA MMAPLANET o RIZIN UFC YouTube カルロス・モタ キック バズーカ巧樹 ボクシング ライカ 倉本一真 平野唯翔 栗秋祥梧 重森陽太

【KNOCK OUT】栗秋祥梧と無制限キック戦、カルロス・モタ「僕の打撃を甘く見てくるに違いない」

【写真】非常にクール。そして、精悍なモタだった(C)MMAPLANET

30日(月)、KNOCK OUTが横浜市中区の横浜武道館で開催するK.O CLIMAX 2024で元UFCファイターかつ元LFAフライ級チャンピオンのカルロス・モタがUNLIMITEDルールで、栗秋祥梧と対戦する。
Text Manabu Takashima

MMAグローブ着用&3分3R、サッカーボールキック、踏みつけ、テイクダウン&パウンドが認められたキックボクシング無制限ルール。自らの打撃に絶対的な自信を持つモタにとって、UNLIMITEDルールはラジカルなキックなのか。あるいはモディファイドMMAなのか。

今後、彼が描く青写真とともに栗秋戦への自信のほどを訊いた。


──KNOCK OUTのアンリミテッド・キックボクシングに遥々ブラジルから来日したカルロスです。日本は寒くないですか(※取材は24日に行われた)。

「本当に寒い。そして遠かった。ブラジルからスイスのチューリッヒ経由でやってきたからね。でも2021年と2022年にセントルイスやノースダコダで試合をしているし、1月のセントルイスは寒さはとんでもなかったよ。にしてもホテルの中は暖かいし、外を出歩くわけじゃないから問題ないよ」

──創世記の日本のMMA界では「強いブラジル人を呼ぶなら冬。寒さで実力を発揮できないから」という風に言われていたものです(笑)。

「アハハハハ。確かに、それはあるかも。でも、僕には当てはまらないよ。正直なところ日本には昨日、到着したばかりで少し疲れを感じたけど、少し体を動かせば調子は戻った。何より日本という素晴らしい国に来ることができのだから、ワクワクする気持ちの方が大きいよ」

──UFCをリリースされてから26カ月。サスペンドが明けてから、他にMMAのオファーはなかったのですか。

「この2年間、試合に出ることはできなかったけど、ずっとトレーニングを続けてきた。人生は良い時があれば、悪いこともある。何もつらい経験は初めてじゃないし。タイムオフの間もやるべきことをやっていれば、その後に役立つと思って過ごしてきたんだ。

この間、コーチのフランシスコ・ブエノとも試合ができるようになればLFAで戦うというプランを立てていた。だから10月にでも戦いたかったけど、米国のビザがなかなかとれない時に今回のオファーを日本から貰えた」

──それはMMAでなく、このキックボクシング・アンリミテッドというルールセットでのオファーでした。

「僕の戦い方はこのルールに凄く適している。確かに僕はテイクダウン技術を持っているけど、そこから固めて勝つのではなく打撃を使ってダメージを与える攻撃をしてきた。今回のルールで戦うことが楽しみでしょうがないんだ」

──このルールをテイクダウンのあるキックボクシングとして捉えるのか。サブミッションのないMMAと捉えるのか。

「どちらでも構わない。とにかくさっきも言ったように、僕にフィットしたルールだから。僕は打撃を多用するなかで、レスリングと柔術を混ぜ合わせて戦うことができる。まあ、試合が始まるまで本当のところは分からないだろうけど、自分ではとても戦いやすいと思っているよ。

テイクダウンの機会があれば、テイクダウンする。そしてダメージを与えるつもりだ。僕の相手は素晴らしいストライカーだ。だから、僕の打撃を甘く見てくるに違いない。UFCで戦った時はケガがある状態で、ファイトウィークになってから試合を受けた。UFCと契約したかったから。

でも、あの時の僕はまるで自分の力を出すことができなかった。加えて、この試合は純粋なキックボクシングではない。テイクダウンされた時のことを考えると対戦相手はキックボクシングの時にように、好きに打撃を使えないはずだ」

──今回の試合、MMAではないとはいえ日本での初めての試合です。この試合を機に、RIZINなど日本のMMAプロモーション出場に受けてデモンストレーションにしたいという気持ちはありますか。

「ルールの違いはあっても、日本という国に住む人々はマーシャルアーツに敬意を払ってくれる。それに今大会にはRIZINでMMAを戦うファイターも出場していると聞いた。ならRIZINの関係者も、僕の試合を目にすることになるだろう。今回のファイトが今後も日本で戦う機会を得ることに通じるなら、嬉しい限りだ。

と同時に僕は今回、KNOCK OUTというキックボクシングのプロモーションで戦う。日本にやって来てから、プロモーションの誰もがフレンドリーで素晴らしい人達ばかりなんだ。今回のルールもそうだし、僕はムエタイでもキックボクシングでも戦える。引き続きKNOCK OUTでも試合をしていきたい。それをマネージャーに伝えるよ」

──今後に繋げるために、12月30日にはどのような試合をしたいと思っていますか。

「過去2年間で培ってきた技術、動きを全ての局面で見せたい。僕はリングやケージで戦ってきただけじゃない、人生が戦いだった。フィジカル、メンタル、スピリチュアル、全てにおいて以前とは違う新しいカルロス・モタを皆に見て欲しい。

日本のファン、世界中のファンが退屈するようなことがない最高の試合をしたいと思っている。瞬きすることもできないような、ね」

■視聴方法(予定)
12月30日(月)
午後1時30分~U-NEXT

■ UNLIMITEDルール対戦カード

<58キロ契約/3分3R>
栗秋祥梧(日本)
カルロス・モタ(ブラジル)

<61.5キロ契約/3分3R>
重森陽太(日本)
倉本一真(日本)

<63キロ契約/3分3R>
バズーカ巧樹(日本)
平野唯翔(日本)

<バンタム級/5分2R>
吹田琢(日本)
大沢文也(日本)

The post 【KNOCK OUT】栗秋祥梧と無制限キック戦、カルロス・モタ「僕の打撃を甘く見てくるに違いない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 Grachan Grachan Herios MMA MMAPLANET o ONE RIZIN TSUNE UFC YouTube   キック ライカ ルンピニー ロクク・ダリ 伊藤空也 原口伸 堀口恭司 宮内拓海 小田魁斗 小谷 小谷直之 岸本篤史 徳弘拓馬 林RICE陽太 海外 田村ヒビキ 草訳駿介 道端正司 野尻定由 野瀬翔平 金井一将 長野将大 高橋孝徳

【Grachan Herios】道端正司とタイトル戦。元レンジャー部隊=小田魁斗「爆弾で爆破して、逃げるとか」

【写真】非常に興味深い話を訊くことができ、明日の試合がさらに興味深くなった (C)MMAPLANET

明日22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで小田魁斗が道端正司と暫定フライ級王座決定戦を戦う。
Text by Shojiro Kameike

キャリア5勝1敗、直近2試合はONE FFで勝ったもの。ONE本戦契約を目指すのではなく、Grachanに戻ってきた小田の真意とは。体力と精神的をギリギリまで追い込んできた小田の過去、誰もがパワフルだと認めるパワーの源を訊いた。


蛇だったり、鶏を捕まえて肋骨をへし折り、首を曲げて血を流して洗って食べる

(C)GRACHAN

──計量を終えて3時間ほど、どのような気持ちですか。

「計量で道端選手と向き合ったのですが、思っていた以上にリーチが長かったです。予想通り、プレッシャーの強さがありそうな選手でした。ストライカーという評判なのですが、体つきから組みもできそうですね」

──10月に九州に取材にいった際にマスタージャパン福岡での出稽古を見させていただいたのですが、とてもフライ級に見えないパワフルな動きが印象的でした。普段は何キロあるのですか。

「あの時は64キロぐらいです」

──えぇ? もっと大きく見えました。

「気を付けないでいると66キロぐらいまでなるのですが、そうなると動きが悪くなって。試合の時はリカバリーをして62キロほどなので、試合に近い体重で落とし過ぎないように64キロぐらいにしています。

皆、パワーがあるといってくれるのですが、自分ではそこに自信はないです(苦笑)」

──過去2戦、ONE FFでクーパー・ロイヤルとンゴク・ウオン・トランという2選手に勝っていますが、ONEでキャリアを積まずにGrachanに戻ってきたのは?

「もともと自分はUFCやRIZINという目標を持っていて、田村(ヒビキ・カルペディエム福岡代表)さんからONE FFの話があると聞いて。岩﨑(ヒロユキGrachan代表)さんも『良い経験になるんじゃない』と快く送り出してくれました。

ただデビューからGrachanで戦ってきて、Grachanでチャンピオンになると言っていました。そこでファイトマネーが少し良いからと、フラフラして路線を変えるというのは筋が通っていないのは自分でも嫌で。ONE FFは海外で試合を積める。なかなかないチャンスなので、試合を受けさせてもらった硬いです。

あの後もONE FFからオファーは貰っていましたが、年末にGrachanのタイトルマッチという目標を持っていたので試合を断り、マッチング期間を終えるのを待っていました。

でもルンピニーで試合をさせてもらって、海外の雰囲気を知ることができました。それに相手はフィジカルが強くても淡泊だと感じたり……本当に良い経験ができました。

僕はバックボーンがなくて、MMAを始めて4年。本当に自信がなかったのですが、ONE FFで2勝して自分がやってきたことに間違いはなかったと思えました。周囲はレスリングやキックを小さなころからやってきているなかで、一つ一つ勝てて少しは良い方向に迎えているなと。まだ全然なんですけど、成長するために良い練習ができていると思えました」

──バックボーンがないということですが、なぜMMAを始めようと思ったのですか。

「実家が対馬で、4年間ほど陸上自衛隊にいました。元々RIZINで堀口恭司選手の試合が恰好良とか思っていて、ある日……ふと、いつ死ぬか分からないし好きなことがやりたい。MMAがやりたいと思って、上の人に『やりたいことがある』と伝えました。色々と手続きがあって、1年ほど自衛隊を辞めるまで時間が掛ったのですが、23歳でMMAを始めました」

──自衛官の勤務というか任務は口にできない人もいるかと思いますが、小田選手はどのような隊に所属していたのですか。

「僕はレンジャー部隊でした。災害や有事に備えて訓練をする」

──えっ、レンジャー部隊って映画で山の中でサバイバル訓練を受けて蛇の皮を剥いて食べたりしているのを視たことがあったのですが……。

「ハイ。自給自足で蛇だったり、鶏を捕まえて肋骨をへし折り、首を曲げて血を流して洗って食べるとか」

──ええ、本当に映画みたいなことをしているのですか……ではナイフで人を殺したりする訓練も?

「ナイフで……(苦笑)。まあ、ちょっとした特殊訓練みたいな。隠密で相手を倒す……とか。ナイフとかより、ダイナマイトとか爆弾で車両が通るところを爆破して逃げるとか」

──いや、立派な特殊工作員だったわけですね。

「アハハ、まあ、そうですね(笑)」

──凄まじい体力と精神力が必要になることは想像に難くないです。

「レンジャー訓練は3カ月あり、最後の1カ月に想定訓練(※行動訓練)というのがあります。1から9想定という風に訓練があり、最後は3夜4日の間、山間部を60、70キロの装具を担いで縦走するのですが、その時はバディと2人組みで冷凍弁当2食を2人で分けあって。水もほとんど飲めず、休憩時間も取れないという……アレでしたね。1想定の時は半日、2想定を2日と、徐々に延びていくんです」

※レンジャー訓練に合格する隊員は全陸上自衛隊員のなかで1割以下といわれている。

──レンジャー部隊は、小田選手がご自分で望んだわけですか。

「そうですね。軽く見ていました(笑)。21歳だったんですが、簡単な場所ではなかったです」

──ひょっとすると、水抜き減量に一番強いファイターかもしれないですね。

「アハハハハ。あの時を思い出すと水抜きは楽なはずですが、もう記憶の中のことなので辛いです(笑)」

「格闘技経験がないのに魁斗の動きを見て『コイツ、強くなるな』って」(田村ヒビキ)

──そしてMMAを始めたということですが、MMAレンジャーズジムでなくカルペディエムに入会したのですね。

「アッハハハハハハ。最初は東京に行こうと思ったのですが金銭的に無理だと思って。福岡で探している時にカルペディエム福岡を訪ねて、ドアを開けてすぐに階段があるのですが、そこに田村さんがいて。『プロになりたいです』って伝えて、体験練習をさせてもらったんです。

一旦、対馬に戻って福岡に出る準備をしている時に『プロになるなら、うちに来な』ってメールを貰って。それでカルペに決めました」

──きっと健康創りでも、「うちに来な」と田村代表はメールをしていたのではないでしょうか(笑)。

「アハハハハハ。深い考えはなくて、誘ってくれたんだと思います」

田村ヒビキ いやいやいや、これだけは口を挟ませてください。体験練習をして、格闘技経験がないのに魁斗の動きを見て『コイツ、強くなるな』って思いました。これはホンマです。普通はそういうことしないけど、魁斗には『おいで』と伝えました。

──レンジャー部隊で培った体力、精神力は役立ちましたか。

「精神的には生きます。追い込み期間の走り込みの時とかも、『あの時よりきついことはない』って思えますし。ただ体力的には自衛官を辞める手続き中に、体の使い方の重要性を教えてもらったことが大きいと思います。それまでは筋肉だけを鍛えれば、パワーがついて強くなると思っていたのですが、正しい使い方をしていると必要な筋肉がついてくる。

そういう考えで、ムーブメントのトレーニングを見様見まねでやり続けて。今ではパーソナルで、指導もしてもっています。自分で正しいのかどうかと思いながらやっていた時と違うのは大きいです」

──本当に興味深いバックグラウンドを持つ小田選手ですが、最初に話題になったように自分はマスタージャパン福岡の出稽古先で練習を見させてもらいました。普段から、出稽古は行っているのですか。

「ハイ。マスタージャパン福岡は野瀬翔平選手や野尻定由選手というスクランブルの速い選手がいて、凄く良い練習ができています。展開が速いので休めない。下で休むと負けという意識で、下になっても上を取り返すように動いています。野瀬さんは極め力もあるので、極められないようにしてやっています。

あとはレンジャーズジムでも練習をさせてもらっていて。レンジャーズジムはストライカーが多いので、総合的力を試す場のような感じです」

──福岡で、首都圏に負けない練習ができているように感じます。

田村 実際、魁斗以外でも野瀬君、レンジャーズの子たちと福岡の選手は中央で結果を残していますからね。東京、大阪、名古屋というくくりはもうないですよ。

(C)GRACHAN

──では明日のタイトルマッチ。

さらなる上のステージを目指すためにどのような試合をしたいと思っていますか。

「自分は打撃、寝技、組みを全て混ぜるタイプなので、どっちの総合力が強いのかという勝負になると思います。回転の速い、パンチ、組みがゴチャゴチャになった厳しい試合になる覚悟でいます。そのなかでフィニッシュしたいです。自分は大事に戦うことが多かったのですが、試合を決めに行こうと思います!!」

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

The post 【Grachan Herios】道端正司とタイトル戦。元レンジャー部隊=小田魁斗「爆弾で爆破して、逃げるとか」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase350 Pancrase351 PFL Road to UFC SASUKE UFC YouTube キム・サンウォン ギレルメ・ナカガワ ジョセフ・カマチョ ライカ リトル 三宅輝砂 修斗 名田英平 安藤武尊 小川道的 平信一 平田直樹 時田隆成 栁川唯人 武尊 水戸邉荘大 泰斗 猿飛流 砂辺光久 鈴木悠斗

【Pancrase351】グラップラー受難自体の到来で、平田直樹はタイトル戦で何を見せるのか「変わらない」

【写真】会見の日の軽めのトレーニングで追った傷で、さらに気持ちは引き締まったか(C)MMAPLANET

明日15日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase351のメインで平田直樹が、三宅輝砂とフェザー級KOP決定戦を戦う。
text by Manabu Takashima

デビューから4年、キャリア11戦目の初タイトル戦は当初、Road to UFCベテランのキム・サンウォンと対戦予定だった。しかし、キム・サンウォンがPFLと契約しタイトル戦を回避することに。急遽、三宅と戦うことになった。

キム・サンウォン戦はタイトルが掛かっているだけでなく、Road to UFCベスト4で、修斗世界フェザー級王者SASUKEをKOした相手と戦うことで――世界を目指す平田の今の位置が、明確になる一戦だった。

グラップラー受難時代の到来は、その強みを出すまでのプロセスの重要性を浮き彫りにしている。如何に組み、如何に倒すか。そこがあって初めて、インパクトを残すフィニッシュ力が問われる展開に持ち込むことができる。

次につなげるために負けられないタイトルショットに臨む、平田の想いとは(※取材は11月29日に行われた)。


――キム・サンウォンとの王座決定戦がなくなり、三宅輝砂選手が代役に名乗りを挙げました。残念というと三宅選手に失礼になるのですが、キム・サンウォン戦はタイトル戦という以外に今の平田直樹の位置が分かる。そういう点でも楽しみな試合でした。

「キム・サンウォンがPFLに行くから、彼とのタイトルマッチが無くなったと……確か発表(11月18日)の直前に聞いて。その時に代役で三宅選手が出てくれるということで、試合はできる。それも聞いてホッとしました。試合がなくならなくて良かったというのはありました。

ただ世界を目指す上で、×外国人選手。キム・サンウォンと戦うことは凄く楽しみにしていたので、そこは残念です。ただ試合があるなら、僕のやることは変わらないです。しっかりとやるべきことをやる。次につなげるために、絶対に勝つんだと気持ちを入れ替えました」

――次につなげるの「次」は、タイトル奪取が必須条件だと。

「まずタイトルを取らないと、次のステップに進めないと思うし。でも先のことばかり考えないで、まずはここを取らないと話にならないです」

――直樹選手の今回のタイトル戦での対戦相手の変更は、致し方ないです。それでも次のステップがRoad to UFCであれば、タイトルが査定の対象になるのか。何より、強さを手にしていないとアジアを勝ち抜けない。個人的にUFCに行くには、国内のタイトル以上に強さが必要になるったと思うようになりました。

「だからこそ、キム・サンウォンでした。ただの外国人選手というわけでなくRoad to UFCに出ていたし、実績がある。韓国でもチャンピオンになっていますしね。そういう選手と5R戦で戦う。もちろん、5Rを戦い抜くつもりで準備していました。そこが楽しみであり、キム・サンウォンに対してどれだけできるのかがチャレンジでした。

そういう試合で、トータルで戦って得意な寝技の部分で強さを見せてフィニッシュする。キム・サンウォンを極めると周囲へのアピールにもなりますし。テイクダウンからトップコントロール、削って極める。そういう試合が、キム・サンウォンにできなければ僕はそこまで。でも、できるつもりでやってきていたし、それを試合で出す気でいました」

――そこで三宅選手に変わっても、先ほど言われたようにやることは変わらないと。

「そうですね、三宅選手はストライカーで。寝技ができないわけでなく、打撃が凄くできる選手です。三宅選手に代わったことで、相手の仕掛けも僕がやるべきこともより明確になったと思います。立ち技と寝技、強いところがハッキリしているので。どっちが、自分の強いところで戦えるように持って行けるのか」

――キム・サンウォンと戦うことになっていた時と比較して、周囲も含め勝てるモードになっているようなことはありませんか。

「そこはどの試合でもそうなのですが、相手のことはあまり考えていなくて。自分がやるべきことをしっかりと準備して、それを試合でぶつける。だから相手が代わったから油断するとか、そういうことはないです。逆に三宅選手は打撃では、キム・サンウォンより優れているかもしれない。

キム・サンウォンと戦うよりも、組みの展開がないかもしれない。それはもうやってみたいなと分からないけど、全然油断をするとかはないです。

向こうも僕の狙いは分かっている。なら、そうさせないための練習はしてきているだろうし。だからこそ、どっちが自分の土俵で戦うのか。キム・サンウォンとの試合と違って、5Rまでもつれることはない。お互い、やることが分かっているのでフィニッシュも早くなるはずです」

――総合力というよりも、直樹選手の組み力と三宅選手の打撃力。そのぶつかり合いになるということですね。そしてMMAはスタンドから始まります。

「今回は貰っても突っ込むつもりで戦います。見合っていると、逆に相手の間合いになると思うので。そこはプレッシャーを掛けて、徐々に潰して突っ込もうと思います」

――もらうのが嫌という気持ちで戦うのと、貰っても行くという気持ちで戦うのでは爆発力が違ってきますか。

「貰っても行けると、大丈夫だとその後も思えます。貰わないで入れると、相手にプレッシャーを掛けることができる。だからクリーンヒットを貰わずに、どんどん仕掛けたいです」

――最初のテイクダウンの仕掛けが、その後に影響を与えそうです。

「ハイ。1Rが凄く大切になると思います。その後の流れが全然違ってくるので」

――そう話している直樹選手の右目の周りの傷が、なかなか気になってくるのですが(笑)。

「まさかのタイミングなんですけど、今日のお昼の軽めの練習で……当たりどころが悪かったのか、会見の日になるのかって(苦笑)」

――さきほどからやることは明確だと言われていますが、自分のタイミングで圧を掛けてテイクダウンを取る。そこの部分の強さに磨きがかかることが、今後の戦いで重要になってくるかと思うのですが、現状での手ごたえはいかがですか。

「以前と比べると、打撃にも慣れてきて少し見えるようになってきました。そんなこと言って、この目ですから(笑)。全然、説得力ないですよね(笑)。でも、これからも『ないだろう』とか油断をしているとダメだと学ぶことができました。試合ではこうならないように戦います。

あと自分は腫れやすいというのがあって。前回の試合もそうだし、練習でもダメージがなくて軽く当たって腫れることがあります。見た目の印象が悪いですよね。

同時にロータス世田谷で練習をしている選手達が相当に強いですし。その練習と比較して、相手の力が落ちる部分も分かるようになりました。『これならいける』と確信を持って組むことができます。多少見えるようになったことで、そういう判断力もつき始めていると思います。それと貰っても行けるようになりました。怖がって距離が遠くなるということが、前よりかはなくなっています。被弾しても、前に出て触りに行くことができつつあります」

――その成長を実感しているうえで、今回の試合の結末をどのように考えているのか。最後に教えていただけますか。

「3Rまでに一本か、フィニッシュします」

■Pancrase350視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後12時00分~U-NEXT

■Pancrase350 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
栁川唯人(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
岡田拓真(日本)
敢流(日本)

<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
岸田宙大(日本)

<63キロ契約/5分3R>
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)
渡邉泰斗(日本)

<フライ級/5分3R>
砂辺光久(日本)
時田隆成(日本)

■Pancrase351視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後16時50分~U-NEXT

■Pancrase351 対戦カード

<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
平田直樹(日本)
三宅輝砂(日本)

<フライ級/5分3R>
猿飛流(日本)
ジョセフ・カマチョ(グアム)

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(日本)
船田電池(日本)

<65キロ契約/5分3R>
合島大樹(日本)
安藤武尊(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
張豊(日本)

<フライ級/5分3R>
水戸邉荘大(日本)
小林了平(日本)

The post 【Pancrase351】グラップラー受難自体の到来で、平田直樹はタイトル戦で何を見せるのか「変わらない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB K-1 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN63 YouTube エイドリアン・ヤネツ カブ・スワンソン キック コルビー・コヴィントン ショーン・ウッドソン ジェイミーリン・ホース ジュリア・ポラストリ ジョアキン・バックリー ダスティン・ジャコビー ダニエル・マルコス ナバホ・ステーリング ビリー・クゥアンティロ ピエラ・ロドリゲス フィリッピ・リマ フェルナンド フェルナンド・パディーリャ ブルーノ・シウバ ボクシング マイケル・ジョンソン マネル・ケイプ ヨセフィン・ヌットソン ライカ ヴィトー・ペトリーノ

【UFC ESPN63】オクタゴン3戦目、元K-1戦士ヌットソン「打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる」

【写真】最後の一言、涙ものです(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、2024年のUFC最終戦=UFC on ESPN63「Covington vs Backley」がフロリダ州タンパのアマリー・アリーナで行われヨセフィン・ヌットソンがピエラ・ロドリゲスと対戦する。
text by Manabu Takashima

K-1女子フライ級GP準優勝。ワールドクラスの立ち技ファイターから、MMAに転向。UFCでも2連勝中のヌットソンは、その頭抜けた打撃力があるがゆえに、UFCで秀でた打撃能力を見せることができていない。

それがMMA。そして彼女は、そこを十分に理解するファイトIQの持ち主だ。そんなヌットソンが、MMAファイターとしての成長を誓ってオクタゴンに足を踏み入れる。その意気込みを日本のファンを思う優しさを持った言葉とともにお伝えしたい。


――オクタゴン3戦目が控えているヨセフィンです。

「もう準備はできているわ。前回の試合から、あらゆる面で成長しているからそこを見て欲しいと思っている」

――6月のジュリア・ポラストリ戦はクラシカルなストライカー×グラップラーの対戦となり、トップからのパンチとヒジで流血。判定勝ちを収めましたが、簡単な試合ではなかったです。

「私自身、あの試合の動きには満足できていない。もっとディフェンスできたはずだし、それも分からずに戦っていた感じだったわ。彼女はテイクダウンが強い相手だったけど、もっとスプロールしてスタンドで戦えたはず。あの日の私は、私ではなかった。

3月から6月に試合が延期され、対戦相手も変わった。私は背中に問題を抱えていて、気持ちも後ろ向きだたった。体も気持ちも万全じゃないという状況で、気持ちだけでもしっかりと創らないといけなかった。だからこそ、今週末の試合ではもっとデキる自分でいたい。しっかりとテイクダウン・ディフェンスも見せないとね」

――納得のいく内容でないのに、勝てた。それは本当に大切なことだと思います。

「そうね。納得できないけど、勝利を持ち帰るという最低限の成果はあったし。でもMMAほど何が起こるか予測できないファイトはない。全てにおいて対応できなければ、良い試合はできない。私と戦う相手は、ほぼほぼ打撃は防御に徹して組む機会を伺っている。そういう相手と、ファンが喜ぶ試合をするのは簡単じゃないけど、そこを目指して戦っていたい。繰り返しになるけど、前回の試合は最低限の成果を上げることができた。そういうファイトだったわ」

――スタンドでやりあう時と、グラウンドで凌ぐ時。スタミナの消費の仕方も違ってくるのではないでしょうか。

「それこそ、もっとも気をつけている部分ね。組み技で力を使い過ぎないでいられれば、私のゲームはもっと上達する。打撃は当然として、組み技でも自分のレンジで戦う時は、引き出しも多い。そのレンジ自体、MMAでもボクシングよりもキックの方が良い距離だと感じる時もある。でもね、技術や戦略を突き詰めていけばいくほど、最後は自分の気持ち次第。そう感じているわ」

――キックの距離という話がありましたが、MMAの距離は背が高く、リーチの長い選手が創りやすいイメージがあります。真正面に立って、拳が届く距離に常にいるのではないので。

「私のボクシングの距離は、相手もテイクダウンに入りやすい。それは理解しているわ。そして、私の相手はグラウンドで戦うことを一番に考えて戦っている。前回の試合も、もちろんそうだった。反対に私は常に立って戦い続けることが大切で。だから毎試合、ディスタンスコントロールには細心の注意を払っている。ファンもずっと私が背中をマットにつけているより、立って戦うほうがエンジョイできるわけだし。

テイクダウンをされて背中をつけても、十分に戦える。そこを恐れることはないわ。でも、それはマイ・ワールドではない。私の方から寝技で戦うことはないのだから」

――次の試合も、ロドリゲスはテイクダウンを狙ってくると踏んでいますか。

「イエス。彼女はボクシングもできるけど、打撃は私の方がずっと速い。それは彼女も分かっているはず。振り回すようなパンチを見せて近づき、テイクダウンを狙ってくる。彼女の打撃はテイクダウンにいくためのフェイク。私とスタンディングバトルを楽しむつもりはないはずよ。

その粗い打撃を私が意識しすぎて、やり合おうとするのを待っている。そこでテイクダウンを狙うために。あまり固定観念を持って戦いたくないけど、彼女が接近戦で打撃を続けることはないはずよ」

――ロドリゲスはコンテンダーシリーズ以前の方が、スタンドに関わらずグラウンドでもアグレッシブでした。UFCでは足を広げて、重心を低くして構えています。最初から相手の攻撃を見る態勢にあるように見えます。

「あの構えだと蹴りは使えないし、パンチも力は入らない。時折り、思い切り前に出てきて攻撃を纏めポイントを得るファイトになっている。グラウンドでも、抑えてコントロール中心で。とにかく危ない局面にならないよう、少し有利という戦いを心がけている。私がすべきことは、そんな戦いだと勝てないと思わせることね。

あのラッシュが、私と戦うならテイクダウンをするため。私とやりあうつもりはない。以前のようにスタンドでアグレッシブになると、私のチャンスは広がる。そういうところに追い込みたいけど、それで今の彼女がリスクをおかして攻めに転じるのか。まぁ、私がやることは変わらないわ。テイクダウン狙いを切って、スタンドゲームを続けること。

そのために自分の力がだしやすい距離を掴むこと。自分のサイズに合った間合いをね。それができれば、対戦相手云々でなく自分の戦いをして勝つことができるから」

――これからトップ10、トップ5を目指すうえで、今回の試合で何を見せないといけないと思っていますか。

「勝つだけでない。皆の記憶に残る試合をする。でも、実はファンやプロモーターよりもチームの目の方がプレッシャーになっているの(笑)。チームの皆は私の力が分かっている。でも私が力を出し切れていないことに、ストレスを感じているみたいで。チームの期待に応えないといけない。そのプレッシャーは何に対してよりも強いわ。

だからこそ、皆のサポートでハードトレーニングをして身に着けた力を出し切りたい。私のゲームを徹底する。そうすれば相手の流れになった時も、力は出せる。そうなると、皆は私のフル・ポテンシャルを見ることになる。

誰も私と打ち合わない。それでも、私の力を見せる。真っ向勝負をせずにテイクダウンを狙い、打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる。それがMMAファイターとして、成長した証明になるから。どの局面でも、私が試合をコントロールする。フロアもウォールも使って、私のMMAを戦うわ」

――ヨセフィン、力強い言葉です。ポテンシャルをフルに発揮できる試合になること楽しみにしています。

「ありがとう。あと、一つ質問があるんだけど?」

――ハイ。K-1の行方ですか(笑)。

「違う、違う。来年、日本でUFCがあるって聞くんだけど。実際にはどうなのかなって」

――それは……期待は高まっていますし、根拠のある話も伝わってきます。それでも正式発表があるまで、何とも言えないのが実情かと。

「そうなのね……日本でUFCがあるなら、絶対に戦いたい。K-1とUFCの両方で、日本で戦ったファイターになりたくて」

――そうなると女子では初めてのケースですね。

「それに……例え私の試合が組まれなくても、日本のファンはUFCが戻ってくることを凄く楽しみにしているだろうし。その場で戦えたら最高だけど――。凄く出たいけど、出られなくても良いから、日本のファンが待ちわびているUFC日本大会が実現してほしい」

■視聴方法(予定)
8月25日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
午前8時45分~U-NEXT

■UFC ESPN63対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
コルビー・コヴィントン(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国)
ビリー・クゥアンティロ(米国)

<フライ級/5分3R>
マネル・ケイプ(米国)
ブルーノ・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ダスティン・ジャコビー(米国)
ヴィトー・ペトリーノ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R
ダニエル・マルコス(ペルー)
エイドリアン・ヤネツ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ナバホ・ステーリング(ニュージーランド)
トゥコ・トコス(英国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
オットマン・アザイタル(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
ドラッカー・クローズ(米国)
ヨエル・ロドリゲス(スペイン)

<フェザー級/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
フェルナンド・パディーリャ(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
マイルス・ジョンス(米国)
フィリッピ・リマ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
アマンダ・マーヴェリック(米国)
ジェイミーリン・ホース(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
デイビー・グラント(英国)
ラモン・タヴァレス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス(コロンビア)
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)

The post 【UFC ESPN63】オクタゴン3戦目、元K-1戦士ヌットソン「打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる」 first appeared on MMAPLANET.