カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN63 ピエラ・ロドリゲス ヨセフィン・ヌットソン

【UFC ESPN63】大流血戦はTDで優位のロドリゲスがフルマーク判定勝ち。ヌットソンは初黒星を喫す

<女子フライ級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス(コロンビア)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)

ヌットソンが左ジャブを突く。ロドリゲスは右クロスから左を返し、さらに右をアゴに叩き込んでグラ着かせた。下がるヌットソンを首相撲からテイクダウンへ。尻もちを着いたがすぐに立ち上がったヌットソンに対し、ロドリゲスは右腕を差し上げてケージに押し込む。差し返したヌットソンが体勢を入れ替えた。しかしロドリゲスが差し返す。首相撲の攻防からダブルレッグに移行したロドリゲスが、ヌットソンに背中を着かせた。立ち上がったヌットソンに対し、ロドリゲスは左腕を差し上げていく。右オーバーフックから左に回るヌットソン。しかし足を滑らせてしまった。

距離を取ってからロドリゲスがパンチを振ってからボディロックで組みつき、グラウンドに持ち込んだ--ものの、これはヌットソンの引き込みだったか。ヌットソンがラバーガードから左足をロドリゲスの喉もとに突きつける。フットチョークを耐えたヌットソンがスタンドに戻ると、両者は打ち合いを展開。ケージ中央でボディロックからヌットソンに背中を着かせたロドリゲスだが、下からヒジを受けてしまう。立ち上がるロドリゲスに対し、ヌットソンはマットに背中を着けたまま。その足を捌いてサイドに回ったロドリゲスは、右足を取りに来たヌットソンに右ヒジを落とし続けた。

2R、ヌットソンが左ローを放つ。ロドリゲスはパンチから左ミドル、首相撲からヒザを突き刺す。ロドリゲスの右カーフでヌットソンが下がる。パンチから飛び込んでボディロックからグラウンドに持ち込むロドリゲス。ヌットソンがケージに背中を着けて立ち上がった。離れたロドリゲスに、ヌットソンがパンチから左ハイに繋げる。ロドリゲスの動きに合わせて右前蹴りから右ショート。さらにケージに押し込みながら、離れ際に蹴りを当てていく。しかし距離が近くなると、ロドリゲスに倒されてしまう。

足を利かせるヌットソンの顔面に、ロドリゲスが右ヒジを落とす。ヌットソンのスイープを耐えたロドリゲスが、パスからマウントへ。パンチを落とされる瞬間にヌットソンがTKシザースで返した。スタンドに戻ると両社は、ケージ際の差し合いを展開する。ロドリゲスはダブルレッグ、シングルレッグと崩していくが倒せず。ロドリゲスがヒジの打ち合いで右目じりをカットしたか、大流血が見られる。それでも首相撲からハイクロッチでヌットソンに背中を着かせる。ヌットソンがバックを狙ったところでラウンドが終了した。

両者に出血が見られるなか迎えた最終回。ロドリゲスが右の縦蹴りでけん制する。ヌットソンの手数も減っているが、左前蹴りを突き刺した。バランスを崩したロドリゲスは、一度距離を置いてからダブルレッグで飛び込む。背中を着かされたヌットソンが右腕でギロチンに捕らえるも浅いか。ロドリゲスは右側にパスし、ロドリゲスもハーフに戻す。ヒジとパウンドで削るロドリゲス。左腕を差し上げ、右腕を枕にして再びパスを仕掛ける。マウントに移行したロドリゲスはパウンドを連打していく。ヌットソンはハーフ、ガードと戻した足を上げていくが、ボトムを強いられたまま試合を終えた。

裁定はロドリゲスはフルマークの判定勝ち。ロドリゲスが連敗を脱するとともに、ヌットソンにとってはMMA初黒星となった。


The post 【UFC ESPN63】大流血戦はTDで優位のロドリゲスがフルマーク判定勝ち。ヌットソンは初黒星を喫す first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB K-1 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN63 YouTube エイドリアン・ヤネツ カブ・スワンソン キック コルビー・コヴィントン ショーン・ウッドソン ジェイミーリン・ホース ジュリア・ポラストリ ジョアキン・バックリー ダスティン・ジャコビー ダニエル・マルコス ナバホ・ステーリング ビリー・クゥアンティロ ピエラ・ロドリゲス フィリッピ・リマ フェルナンド フェルナンド・パディーリャ ブルーノ・シウバ ボクシング マイケル・ジョンソン マネル・ケイプ ヨセフィン・ヌットソン ライカ ヴィトー・ペトリーノ

【UFC ESPN63】オクタゴン3戦目、元K-1戦士ヌットソン「打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる」

【写真】最後の一言、涙ものです(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、2024年のUFC最終戦=UFC on ESPN63「Covington vs Backley」がフロリダ州タンパのアマリー・アリーナで行われヨセフィン・ヌットソンがピエラ・ロドリゲスと対戦する。
text by Manabu Takashima

K-1女子フライ級GP準優勝。ワールドクラスの立ち技ファイターから、MMAに転向。UFCでも2連勝中のヌットソンは、その頭抜けた打撃力があるがゆえに、UFCで秀でた打撃能力を見せることができていない。

それがMMA。そして彼女は、そこを十分に理解するファイトIQの持ち主だ。そんなヌットソンが、MMAファイターとしての成長を誓ってオクタゴンに足を踏み入れる。その意気込みを日本のファンを思う優しさを持った言葉とともにお伝えしたい。


――オクタゴン3戦目が控えているヨセフィンです。

「もう準備はできているわ。前回の試合から、あらゆる面で成長しているからそこを見て欲しいと思っている」

――6月のジュリア・ポラストリ戦はクラシカルなストライカー×グラップラーの対戦となり、トップからのパンチとヒジで流血。判定勝ちを収めましたが、簡単な試合ではなかったです。

「私自身、あの試合の動きには満足できていない。もっとディフェンスできたはずだし、それも分からずに戦っていた感じだったわ。彼女はテイクダウンが強い相手だったけど、もっとスプロールしてスタンドで戦えたはず。あの日の私は、私ではなかった。

3月から6月に試合が延期され、対戦相手も変わった。私は背中に問題を抱えていて、気持ちも後ろ向きだたった。体も気持ちも万全じゃないという状況で、気持ちだけでもしっかりと創らないといけなかった。だからこそ、今週末の試合ではもっとデキる自分でいたい。しっかりとテイクダウン・ディフェンスも見せないとね」

――納得のいく内容でないのに、勝てた。それは本当に大切なことだと思います。

「そうね。納得できないけど、勝利を持ち帰るという最低限の成果はあったし。でもMMAほど何が起こるか予測できないファイトはない。全てにおいて対応できなければ、良い試合はできない。私と戦う相手は、ほぼほぼ打撃は防御に徹して組む機会を伺っている。そういう相手と、ファンが喜ぶ試合をするのは簡単じゃないけど、そこを目指して戦っていたい。繰り返しになるけど、前回の試合は最低限の成果を上げることができた。そういうファイトだったわ」

――スタンドでやりあう時と、グラウンドで凌ぐ時。スタミナの消費の仕方も違ってくるのではないでしょうか。

「それこそ、もっとも気をつけている部分ね。組み技で力を使い過ぎないでいられれば、私のゲームはもっと上達する。打撃は当然として、組み技でも自分のレンジで戦う時は、引き出しも多い。そのレンジ自体、MMAでもボクシングよりもキックの方が良い距離だと感じる時もある。でもね、技術や戦略を突き詰めていけばいくほど、最後は自分の気持ち次第。そう感じているわ」

――キックの距離という話がありましたが、MMAの距離は背が高く、リーチの長い選手が創りやすいイメージがあります。真正面に立って、拳が届く距離に常にいるのではないので。

「私のボクシングの距離は、相手もテイクダウンに入りやすい。それは理解しているわ。そして、私の相手はグラウンドで戦うことを一番に考えて戦っている。前回の試合も、もちろんそうだった。反対に私は常に立って戦い続けることが大切で。だから毎試合、ディスタンスコントロールには細心の注意を払っている。ファンもずっと私が背中をマットにつけているより、立って戦うほうがエンジョイできるわけだし。

テイクダウンをされて背中をつけても、十分に戦える。そこを恐れることはないわ。でも、それはマイ・ワールドではない。私の方から寝技で戦うことはないのだから」

――次の試合も、ロドリゲスはテイクダウンを狙ってくると踏んでいますか。

「イエス。彼女はボクシングもできるけど、打撃は私の方がずっと速い。それは彼女も分かっているはず。振り回すようなパンチを見せて近づき、テイクダウンを狙ってくる。彼女の打撃はテイクダウンにいくためのフェイク。私とスタンディングバトルを楽しむつもりはないはずよ。

その粗い打撃を私が意識しすぎて、やり合おうとするのを待っている。そこでテイクダウンを狙うために。あまり固定観念を持って戦いたくないけど、彼女が接近戦で打撃を続けることはないはずよ」

――ロドリゲスはコンテンダーシリーズ以前の方が、スタンドに関わらずグラウンドでもアグレッシブでした。UFCでは足を広げて、重心を低くして構えています。最初から相手の攻撃を見る態勢にあるように見えます。

「あの構えだと蹴りは使えないし、パンチも力は入らない。時折り、思い切り前に出てきて攻撃を纏めポイントを得るファイトになっている。グラウンドでも、抑えてコントロール中心で。とにかく危ない局面にならないよう、少し有利という戦いを心がけている。私がすべきことは、そんな戦いだと勝てないと思わせることね。

あのラッシュが、私と戦うならテイクダウンをするため。私とやりあうつもりはない。以前のようにスタンドでアグレッシブになると、私のチャンスは広がる。そういうところに追い込みたいけど、それで今の彼女がリスクをおかして攻めに転じるのか。まぁ、私がやることは変わらないわ。テイクダウン狙いを切って、スタンドゲームを続けること。

そのために自分の力がだしやすい距離を掴むこと。自分のサイズに合った間合いをね。それができれば、対戦相手云々でなく自分の戦いをして勝つことができるから」

――これからトップ10、トップ5を目指すうえで、今回の試合で何を見せないといけないと思っていますか。

「勝つだけでない。皆の記憶に残る試合をする。でも、実はファンやプロモーターよりもチームの目の方がプレッシャーになっているの(笑)。チームの皆は私の力が分かっている。でも私が力を出し切れていないことに、ストレスを感じているみたいで。チームの期待に応えないといけない。そのプレッシャーは何に対してよりも強いわ。

だからこそ、皆のサポートでハードトレーニングをして身に着けた力を出し切りたい。私のゲームを徹底する。そうすれば相手の流れになった時も、力は出せる。そうなると、皆は私のフル・ポテンシャルを見ることになる。

誰も私と打ち合わない。それでも、私の力を見せる。真っ向勝負をせずにテイクダウンを狙い、打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる。それがMMAファイターとして、成長した証明になるから。どの局面でも、私が試合をコントロールする。フロアもウォールも使って、私のMMAを戦うわ」

――ヨセフィン、力強い言葉です。ポテンシャルをフルに発揮できる試合になること楽しみにしています。

「ありがとう。あと、一つ質問があるんだけど?」

――ハイ。K-1の行方ですか(笑)。

「違う、違う。来年、日本でUFCがあるって聞くんだけど。実際にはどうなのかなって」

――それは……期待は高まっていますし、根拠のある話も伝わってきます。それでも正式発表があるまで、何とも言えないのが実情かと。

「そうなのね……日本でUFCがあるなら、絶対に戦いたい。K-1とUFCの両方で、日本で戦ったファイターになりたくて」

――そうなると女子では初めてのケースですね。

「それに……例え私の試合が組まれなくても、日本のファンはUFCが戻ってくることを凄く楽しみにしているだろうし。その場で戦えたら最高だけど――。凄く出たいけど、出られなくても良いから、日本のファンが待ちわびているUFC日本大会が実現してほしい」

■視聴方法(予定)
8月25日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
午前8時45分~U-NEXT

■UFC ESPN63対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
コルビー・コヴィントン(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国)
ビリー・クゥアンティロ(米国)

<フライ級/5分3R>
マネル・ケイプ(米国)
ブルーノ・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ダスティン・ジャコビー(米国)
ヴィトー・ペトリーノ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R
ダニエル・マルコス(ペルー)
エイドリアン・ヤネツ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ナバホ・ステーリング(ニュージーランド)
トゥコ・トコス(英国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
オットマン・アザイタル(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
ドラッカー・クローズ(米国)
ヨエル・ロドリゲス(スペイン)

<フェザー級/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
フェルナンド・パディーリャ(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
マイルス・ジョンス(米国)
フィリッピ・リマ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
アマンダ・マーヴェリック(米国)
ジェイミーリン・ホース(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
デイビー・グラント(英国)
ラモン・タヴァレス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス(コロンビア)
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)

The post 【UFC ESPN63】オクタゴン3戦目、元K-1戦士ヌットソン「打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN57 ジュリア・ポラストリ ヨセフィン・ヌットソン

【UFC ESPN57】ジャッジはヌットソンの打撃を支持、ヌットソンがポラストリに判定勝利

<女子ストロー級/5分3R>
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
ジュリア・ポラストリ(ブラジル)

ポラストリが前蹴り、ヌットソンが右ローを蹴り返す。ポラストリがジャブを突くと、ヌットソンは前蹴りと右ロー、ポラストリの蹴りをすくってパンチからヒザ蹴りにつなげる。首相撲になるとポラストリがヒジ、離れるとヌットソンが右ロー、ポラストリの蹴りに右ストレートを狙う。

さらにヌットソンはジャブから右ヒジ、右ストレート、首相撲からヒザ蹴り。ポラストリは左フックから右ミドルを蹴る。ヌットソンはポラストリの蹴りにパンチを合わせる。ポラストリはロー、ヌットソンは前蹴りとパンチから左ハイ・右ロー、ポラストリのジャブに対してパンチをまとめて縦ヒジで飛び込む。

距離が開くとヌットソンは左ハイ、蹴りのフェイントからパンチと飛びヒザ蹴り、左ミドル、パンチとヒジで前に出る。ポラストリが首相撲に持ち込もうとヌットソンはパンチを返して、前蹴りで前進。ヌットソンがワンツーから左フックを打つと、ポラストリもガードをげて前に出て首相撲。ヌットソンはそこにヒジを返すが、ポラストリがテイクダウしてマウントを取るとヒジとパンチの連打する。

2R、ヌットソンは左ミドルと前蹴り、足を上げるフェイントから前に出て、右ストレートから左フックにつなげる。ポラストリも蹴りを返して前に出ていこうとするが、ヌットソンはタイミングのいい前蹴りで距離を詰めさせない。ヌットソンはヌットソンの蹴り終わりにダブルレッグを合わせ、テイクダウンを奪う。

ポラストリはインサイドガードからパンチとヒジを入れ、これでヌットソンは右目尻をカットする。ヌットソンはポラストリを蹴り離して立とうとするが、ヒザをついているポラストリの顔面を蹴ってしまい、レフェリーに注意を与えられる。

再開後、ヌットソンはすぐにポラストリの身体を蹴り離そうとするが、ポラストリは足を捌いてパスガードする。ヌットソンは両足でポラストリの首を挟んで、ポラストリの右腕にアームロックを狙う。極まる形ではないが、この態勢でポラストリの動きを固めて、ラウンド終了を迎えた。

3R、ヌットソンは左ミドルと前蹴り。ポラストリもガードを上げて前に出ていくが、ヌットソンはワンツーから左フック、ポラストリも細かくパンチを返してヒザ蹴りを入れる。ヌットソンはパンチと縦ヒジ、ポラストリも左フックからパンチをまとめて左の縦ヒジ。お互いにパンチとミドルで打ち合う。

ヌットソンが右から左フック。ポラストリはパンチで前に出て首相撲からヒザ蹴り、ヌットソンのパンチにダブルレッグを合わせると、ヌットソンは小手を巻いて上を取り、バックを狙うが、ポラストリはヌットソンの身体を前に落としてトップを奪い、ハーフガードから肩固めを狙う。

ポラストリがマウントに移行すると、ヌットソンがブリッジでポジションを返す。ポラストリはヌットソンの両腕を抱えて動きを固めるが、ヌットソンは立ち上がってパンチを落とす。ポラストリも立ち上がったところで試合終了となった。

判定はジャッジ3名とも29-28でヌットソンを支持。ヌットソンのスタンドの打撃がポラストリのテイクダウン&グラウンドの攻めより評価される形で、ヌットソンが判定勝利した。


The post 【UFC ESPN57】ジャッジはヌットソンの打撃を支持、ヌットソンがポラストリに判定勝利 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB Brave CF K-1 LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFC ESPN57 UFC ESPN58   アス・アルマバエフ アダム・ヒューギット アレクサンダー・グスタフソン アレックス・ペレス イリル・ラティフィ ウェスティン・ウィルソン カムザット・チマエフ カーリー・ジュディシー ガブリエラ・フェルナンジス キック ギャレット・アームフィールド シャイラン・ヌルダンベク ジェカ・サラギ ジミー・フリック ジュリア・ポラストリ ジョシュア・ヴァン ジョシュ・クィンラン ソ・イェダム タジル・ウランベコフ ネイサン・メネス ブレディ・ヒースタンド ボクシング ヨセフィン・ヌットソン ライカ ルーカス・アルメイダ 平良達郎

【UFC ESPN58】日本のK-1からオクタゴンへ、ヨセフィン・ヌットソン「K-1を生かしたMMA」

【写真】日本格闘技LOVEのヌットソン(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN58「Perez vs Taira」でヨセフィン・ヌットソンが、ジュリア・ポラストリとオクタゴン2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

K-1、Krushと4度に渡って日本で試合経験があるヌットソンは、所属ジムで練習するMMAファイターを見て「いつの日かMMAを戦ってみたい」という想いを抱いていた。そしてコロナ・パンデミックが起こり、ファイトがなくなった日常にあった彼女はアマチュアMMAを戦う機会に跳びついた。

その2年後、コンテンダーシリーズで勝利も契約を逃した彼女だったが1カ月に世界の最高峰に辿り着いた。打撃に関しては既にトップレベル──そんなヌットソンはMMAにフィットしたファイトIQの持ち主だった。


――UFCでの2試合目を今週末に控えています。今の気持ちを教えていただけますか。

「土曜日のUFC第2戦目に向けて、凄くワクワクしているわ。長い期間、今回の戦いの準備をしてきたので。もう、ずっとジムに缶詰め状態で、ようやく外に出ることができたから(笑)。やっと、自分のやりたいことができる。そんな気分ね」

──押忍。ヨセフィンは日本で4度キックの試合をしています。K-1で3試合、Krushで1試合を戦っています。日本にはどのような印象を持っていますか。

「いつも言っているけど、本当に日本のことが大好きで。K-1のような大きな舞台で戦ってきて、日本に行くのはいつも試合の時だったけど、いつもファンが温かく接してくれたことが忘れようはない思い出ね。どこにでもあることでなく──本当にファンがファイターに優しくて、日本のファンの前で試合をすることが大好きだった。日本では人生で最高の日々を送ることができたわ。

今の私の夢はUFC日本大会が開かれ、今度はUFCファイターとして日本のファンに再会することなの」

──この言葉が嬉しい限りです。ところで2019年12月にK-1でKANA選手と対戦したのを最後にキックボクシングの試合を戦っていません。いつ頃からMMAに転向しようと考えていたのですか。

「K-1で戦っている頃から、所属するジムに練習に行くと横でMMAのトレーニングが行われていて。アレクサンダー・グスタフソン、カムザット・チマエフ、イリル・ラティフィ達がMMAの打撃練習をしていたの。彼らのトレーニングする姿を見ていて、いつかMMAに挑戦したいなって思うようになって。

そんな時にコロナ・パンデミックが始まり、試合機会が全くのゼロになったでしょ? そうしたらBRAVE CFからMMAファイト、アマチュアマッチのオファーがあって。もう何も考えることなく、そのチャンスに跳びついたわ。MMAとかキックとかでなく、ファイトの機会を逃したくなかったから」

2020年にBrave CFでアマチュアMMAを経験し、翌年プロデビュー (C)BRAVE CF

──BRAVE CFはUFC、Titan FC、KSW、LFAや日本のプロモーションと並び、いち早く活動を再開。2020年の8月にはストックホルムで4週連続のイベントを開催しました。ロックダウンが世界中であったなか、MMAを戦う準備はできていたのですか。

「あの時は大変だったわ。ただ、ファイティングチームで屋外に出て。1日に3時間、もしくはそれ以上のトレーニングをしていたの。1度の練習にテクニックからコンディショニングまで詰め込むから、その練習時間が長くて。

でも、それが許されたのもスウェーデン政府が緩和策をしていたからだと思う。それでも全てのジムは閉鎖されていたし、ジムで練習しようものならポリスに止められていたはず。ただ、外で練習することはそれほど問題視はされていなかったわ。正直、K-1でまた戦いたいと思っていたけど、パンデミックはアジアを直撃していたし、その機会が訪れることはなかったの」

──2022年6月にはRoad to UFCのワンマッチに出場しました。あの時はもうMMAを戦おうと決めていたのですか。

「そうね、シンガポールで試合をした時はもうMMAで戦っていくことを決めていた。UFCファイターになるって。だからRoad to UFCでの試合は、その一歩だしチャンスを掴むために全てを出し尽くそうと思って戦ったわ」

RTUのワンマッチでは、韓国のソ・イェダムを判定で下した(C)MMAPLANET

──実はBRAVE CFのアマチュア戦は配信で、Road to UFCシンガポール大会は現場で取材もしていました。ただ私はMMAの記者でキックボクシングのことを全然知らなくて、ヨセフィンが日本のK-1で戦っていることも実は知らなかったです。

「アハハハハ、全然大丈夫よ」

──ただ昨年8月のコンテンダーシリーズの時にK-1プロデューサーから、メディアの仕事に戻ってきた中村拓己氏からヨセフィンに注目してほしいと教えてもらったのです。

「なんて素敵な話なの。その話を今回の試合前に聞けて、本当に嬉しい。ハッピーな気持ちになったわ」

──コンテンダーシリーズから約1カ月後にUFCデビュー。当然のように立ち技では既にアドバンテージを持っていますが、グラウンドでも見事にBJJの技術を駆使していました。

「ありがとう!! グラップリングの練習には相当に時間を使ってきたわ。未知の領域だったから。レスリングもそうね。壁レスも。MMAでやって行こうと決めた時、特に怖いとは思わなかった。でも覚悟は必要だったわ。本当に多くの知らない技術を吸収する必要があるし、練習時間はいくらあっても足らないって感じていたから。

何より、再び自分がビギナーになることを受け入れないといけなかった。それってちょっと、気持ちが落ちるんだけど。キックの実績でMMAを戦っていくことはできない。だから懸命にレスリングとグラップリングに取り組んだの。もちろん、MMAの打撃もね」

──そこです。打撃もK-1とMMAでは距離もリズムも違います

「その通りね。別モノだった。K-1ファイターは前へのプレッシャーの強さが必要で、テクニックにも厚みを持たせないといけない。私は可能な限り、その技の厚みをMMAでも生かしたいと考えていて。MMAでもK-1ほどじゃないけど、近い距離でパンチ、キック、ヒザ、そしてエルボーを使う局面がある。あの小さなMMAグローブで、そこを戦うわけで。でも近い距離は絶対に私の世界だから。

MMAにはいくらでも戦いのバリエーションがある。なら、私だから可能になるK-1を生かしたMMAも存在しているはずで。同時にもっと距離を取った戦い方があって、その位置取りは限りなく存在しているわ」

──それでもヨセフィンの立ち技でのアドバンテージは絶対かと。レスリングにはまだ課題があっても、首相撲をよく使っていますね。

「逆にコーチから首相撲を使い過ぎるなって怒られるの。私自身がクリンチが好きだから、すぐに組んでしまう……それも必要のないところで。打撃をもっと使えるのにとか、色々と考えるわ。それにレスリングが強い相手に、首相撲を使う時間は最小限にしないといけないし。やっぱり、近づきたい相手を自分から迎え入れるのは良くない。打撃で突き放さないと。

結局のところ、どういう選手と向き合っているのか。それでやることが大きく違ってくる。それがMMAだと思う。それでも、ムエタイから使っている首相撲は私の武器になるのは絶対ね」

──ヨセフィンのファイトIQの高さは、絶対的にMMAにフィットしていますね。最高のキックボクサーでも、その考えがないと打撃は無力化してしまいます。

「ありがとう(笑)。凄く嬉しいわ。私はいつだってK-1とムエタイ、私のルーツをオクタゴンで見せたいと思っているから。それは、誰と戦った時も変わらないわ」

──つまりは次戦、ジュリア・ポラストリの戦いでも?

「彼女はグラップリングもデキる、ストライカー。でも打撃を使いたがる傾向にある。ブラジルの選手は本当に寝技が強いけど、彼女はストライカーだわ。打撃戦を好んでいる。その立ち技もあまりフットワークを使わないで、上半身は動いているけど、下半身はフラット。ボクシングね。それは良い面もあるし、悪い面もあるわ」

──前足が目の前にありますね。

「そこが狙いだから、これ以上は聞かないで(笑)」

──ハハハハ。では、どのようなファイトをしたいと考えていますか。

「ファンの皆が喜んでくれるK-1スタイルを見せるには、最適の相手。結果、彼女はテイクダウンを仕掛けてくる。その瞬間、きっと驚くことになるわ。グラウンドだって十分に対応できるけど、できるだけ立って戦う。皆に喜んでもらうファイトを見せたいから」

──では最後に日本のMMAファン、そしてキックボクシングファンに一言お願いします。

「今の私の戦いをフォローしてくれている全てのK-1ファンの皆、心から感謝している。日本でUFCが開催された際には、皆に会場で応援してほしい。また、皆に日本で会いたい。その日が来ることを願っているわ」

■放送予定
6月16日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC Fight Pass
午前7時45分~U-NEXT

■UFC ESPN57対戦カード

<フライ級/5分5R>
アレックス・ペレス(米国)
平良達郎(日本)

<フェザー級/5分3R>
ルーカス・アルメイダ(ブラジル)
ティモシー・クアンバ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
ドゥグラス・アンドレージ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
ホゼ・ジョンソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アダム・ヒューギット(米国)
ジョシュ・クィンラン(米国)

<フライ級/5分3R>
タジル・ウランベコフ(ロシア)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
ジミー・フリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
ギャレット・アームフィールド(米国)
ブレディ・ヒースタンド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
カーリー・ジュディシー(米国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジェカ・サラギ(インドネシア)
ウェスティン・ウィルソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャイラン・ヌルダンベク(中国)
メルキザエル・コスタ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジュリア・ポラストリ(ブラジル)
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)

The post 【UFC ESPN58】日本のK-1からオクタゴンへ、ヨセフィン・ヌットソン「K-1を生かしたMMA」 first appeared on MMAPLANET.